週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

金融事業者としての自覚なき者は退場せよ~テックビューロ仮想通貨不正流通事件

またしても仮想通貨の不正流出事件が発生した。金融庁の「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング中間とりまとめ」において、多くの仮想通貨交換業者が「法令等のミニマムスタンダードにも達していない内部管理」態勢だと厳しく指摘されたばかりだ。テックビューロは、これまでもシステム障害が多発、金融庁から2度も業務改善命令を出されている。セキュリティ面の脆弱さを認識しながら利便性を優先、コインチェックの教訓を活かすことなく、「ホットウォレット」で管理していたというから驚きだ。犯罪者の攻撃の手口は高度化する一方だが、十分な防御ができないのなら、その社会的責任の大きさをふまえ、登録の取消しも検討すべきではないか。だが、そもそも顧客の資産を預かるという金融事業の本質の理解と自覚なき事業者は自ら退場すべきだろう。(芳賀)

大学が攻撃者の標的に-求められるサイバー攻撃対策

日本経済新聞と日系BPの調査によると、国立大学の3割が過去3年間にサイバー攻撃による情報漏えいや業務停止の被害を受けたという。また、1割強の国立大学が、「攻撃を受けなかった」「被害がなかった」としているが、これは攻撃を受けた事実や加害の立場になってしまっていることに気づいていない可能性が示唆される。6月にも多くの大学が同様の手口でフィッシングの被害に遭ったように、学内での防御体制や教職員の危機意識の欠如が招いた結果だとも言える。また、国立大学が保有する研究成果や技術情報の漏えいは企業・組織の競争力や信頼を大きく損ない、国家レベルの損失になる。大学として情報流出を防ぐ対策を前進させるとともに、国としても大学のサイバーセキュリティ態勢の基盤づくりとレベルアップに対する施策と支援の強化が求められる。(佐藤)

大阪産業大学の柔道部男性コーチが体罰、男子部員後遺症

同大学男性コーチが男子部員を木の棒でたたき、後遺症が残る大怪我をさせていた。コーチは大学の調査に対し、「威厳を保つために棒を持っていた。感情的になってたたいてしまった」と話している。大阪市立桜宮高校のバスケットボール部事件を境に体罰根絶の取り組みが進んだと言われているが、根絶には程遠い。根絶を阻むのは体罰を行う指導者の意識だけではない。保護者の感覚が体罰に対して二極化している。絶対に体罰は許さないという保護者がいる一方で、強くなるためには「何でもよい、どんどんやってくれ」という体罰を容認する保護者もいる。競技の実績が進学や就職に関わるので体罰をしてでも結果を出して欲しいということなのだろう。だが、スポーツ界も企業と同じようにルールを守ったなかで公正な方法で強くなるべきで、関係者は再認識すべきだ。(伊藤)

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