週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2019年01月28日号

【もくじ】―――――――――――――――――――

テロへの備えは待ったなしだ

昨年の渋谷のハロウィーンで軽自動車が横転させられた事件で、警視庁は雑踏の中から犯人を特定して逮捕した。街頭防犯カメラに加え、近くのビルや商店、駅の改札などにある民間の防犯カメラ映像を収集して、正に点と点をつなぎ合わせ、事件現場から容疑者の自宅や関係先までを一本の線で結ぶ捜査手法(リレー方式)が実を結んだ。日本では今年から来年にかけて、改元や大阪サミット、ラグビーW杯、東京五輪など大きなイベントが続き、テロ、とりわけ群衆を狙う「ソフトターゲット」への備えが急務だ。その意味では、今回のような摘発事例の周知は、テロや犯罪抑止に極めて重要な意味を持つ。だが、そもそもテロや犯罪を未然に防ぐためには、もう一歩踏み込み、AIや顔認証等を組み合わるなどしたリアルタイム監視の精度向上と対応態勢の整備が不可欠だ。(芳賀)

2019年のセキュリティ動向(4)

企業の知的財産、機密情報や国家の安全保障に関連する情報を狙ったサイバー攻撃は、省庁、重要インフラ、大企業だけではなく、サプライチェーンを構成する中小企業の脆弱な部分を踏み台にして攻撃が仕掛けられている。AIやIoTなどの急激な増加で被害が高度化・複雑化・広域化し、今後世界規模で事業の不透明な部分、特に委託・再委託先での不備や不確実性が増大していくことになる。企業は末端に至るまで安全を確保する責任を負うものであり、潜在的に抱えるリスクを把握し、そのリスクに適切な対応をタイムリーに行うことが要求される。パートナーと脅威に対する共通の認識を持つとともに、前段にあたる事業計画と調達先の選定、事前のリスク評価の徹底とサプライヤー全体を巻き込んだ全体のレベル引き上げと強化を重要課題と位置づける必要がある。(佐藤)

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