週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

北風と太陽~暴排と暴力団離脱者支援は表裏一体だ

離脱者支援のための広域連携が、昨年12月時点で31都府県、受入先登録事業者も約650社にまで拡大した。本来、離脱者を事業者や地域社会という「コミュニティ」の一員として受け入れ、「就労を通して更生させる」ことが決定的に重要で、暴排と離脱者対策を表裏一体のものとして捉える必要がある。反社リスクへの対応が各社の自立的・自律的なリスク管理事項である以上、「更生の困難さ」「会社や社員がトラブルに巻き込まれるおそれ」などから慎重なリスク評価となるのも致し方ない。だが、積極的に受け入れる事業者の活動や本人の更生を妨げてはならないのは当然としても、そのリスク評価を見直す勇気もまた必要ではないか。広域連携の拡がりなど社会的受け皿が整いつつある今、それを受容する寛容さ・柔軟さもまたリスク評価に必要な要素なのだから。(芳賀)

はがきを送りつける特殊詐欺が急増

東京都内の昨年の特殊詐欺の認知件数は3913件で、過去最悪だったことが分かった。ここ最近は「地方裁判所管理局」と架空の機関を名乗るはがきが相次いで確認されている。金を払わなければ訴訟に発展する、という内容の警告文と電話番号が添えられているのが特徴で、昨年は「法務省管轄支局」や「国民訴訟お客様センター」を名乗るはがきもあった。劇場型、携帯乗っ取り型などの手口が次々に産み出されていく中、雑で単純な手法だから騙されないとは限らない。手口自体は古く、極めて単純だが、戸惑う被害者は立ち止まって冷静に状況を考えることができず、ついつい応じてしまう。電話だと疑いを持つ人にハガキが来ると、これは詐欺ではないと思わせる効果もある。今も変化し続ける詐欺の手口は、時に古い手に立ち帰ることがあることに注意する必要がある。(佐藤)

ローソン消費期限改ざん、店内調理の弁当・調理パンで

ローソンは埼玉県三郷市の同一オーナーが経営する2店で、店内調理の一部の商品の消費期限の改ざんが判明し、両店を閉店したと発表した。通常は商品別に異なる工場で生産された商品が物流センターに集約され、店舗へ共同配送される。これとは別に、店内バックヤードで従業員が生産するのが店内調理だ。店内調理はできたて感があり、生産と需要の地点が同一なのでリードタイムがほとんどなく、柔軟で伸縮的な生産により廃棄や機会損失が少ないという利点がある。にもかかわらず、消費期限ラベルを貼りかえる手口は外部にバレ難く、極めて悪質だ。専用工場で生産された商品のように消費期限切れの商品をレジではじく、フェイルセーフも機能しない。悪意のある偽装をどう防ぐのか、フランチャイズ本部の信頼回復と再発防止に向けた危機管理能力が試される。(伊藤)

海外BCP/海外と日本の文化の違いによるリスク

家庭内での子供の虐待死が絶えず、非常に痛ましい。日本では「親のしつけ」の範囲内の暴力が許容されており、「子供に対する暴力禁止」を明示した一刻も早い法改正が必要だ。欧米では多くの国が子に対する暴力を法律で規制している。在ナッシュビル日本総領事館HPでは「小学生の子供を連れた邦人女性が近くのスーパーに買い物に行った。子供が、商品を買ってほしいとねだるので、母親が子供の頭を小突いて叱ったところ、他の買い物客が目撃して警察に通報。児童虐待容疑で母親が州政府の児童保護局の取調べを受けた」など、日本とは違う文化における児童虐待事例がいくつも挙げられている。これらは日本人が海外赴任する前に、一度家族で共有しておきたい情報の一つだ。(大越)

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