週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

規制こそ「不作為」を乗り越えよ~「社会インフラ」と「犯罪インフラ」

特殊詐欺では被害者の多くが自宅への電話でだまされている。さらに、犯罪に使われた電話の8割がアナログ回線やIP電話であり、その番号は市場で売買され、犯行グループが電話転送サービスを悪用するなど、電話の「犯罪インフラ」化が進む。政府が新たに策定した「オレオレ詐欺等対策プラン」では、警察などが大手通信事業者に協力を要請し、悪質な再販業者が大手事業者と新規の番号契約をできなくしたり、詐欺に使われたことが判明した番号を利用停止にする取り組みが明記された。固定電話はユニバーサルサービスであって「社会インフラ」だから制限できないとされてきたが、ようやく「犯罪インフラ」化の阻止に動き出したことは評価できる。だが、極めて深刻な被害を放置してきた「不作為」は問題だ。規制こそ社会情勢の変化に敏感でなければならない。(芳賀)

ローソン、食品ロス削減の実証実験

ローソンは6月から沖縄、愛媛の両県で始めた食品ロス削減のための実証実験について、20日間で延べ15万2千人が利用したと発表した。販売期限の迫ったおにぎりなど45品目を対象に午後4時以降に購入した場合、通常のポイントとは別に100円につき5ポイントを付与する。食品ロスを批判されているコンビニ本部が、プロモーションを絡めた取り組みをすることには意義がある。もはやコンビニへの社会の批判は無視できない。ただし、顧客が食品ロス削減を意識して購入したかはロス削減効果も含めて検証が必要だ。一方で、本部はサプライチェーンにおける食品ロス削減にも取り組むべきだろう。ベンダーが商品を供給できない場合に課されるペナルティが、過剰生産と廃棄の根源だ。サプライチェーン全体で最終ニーズを正確に捉える流通手法の確立が求められる。(伊藤)

フェイスブックへの巨額制裁、求められる利用者保護の徹底

米連邦取引委員会(FTC)は、個人情報保護をめぐりフェイスブックが50億ドル(約5400億円)の制裁金を支払うことで合意したと発表した。同社は昨年3月、最大8700万人に及ぶ利用者の情報が英コンサルタント会社に不正流出していた事態が発覚し、FTCが調査を進めていた。欧州をはじめ米国では個人情報を保護するための規制が強化されており、今回の制裁金は懲罰的な意味合いが大きい。数十億人の利用者の個人情報を保有し、莫大な収益を得ている事業者としての責任は重く、透明性を向上させることが欠かせない。このように個人情報は応用の幅は広いが、取り扱いを誤れば企業経営に深刻な打撃を受けかねない。事業者としてはまず、こうした社会環境の変化を理解し、情報の管理体制の再点検先として、社内に加え、取引先や買収先にまで目を光らせる必要がある。(佐藤)

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