週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2019年08月05日号

非行集団等への対応が急務だ

暴力団や半グレ、特殊詐欺グループなどが注目される中、警察は「非行集団等」の動向に着目している。「非行集団(組織性・継続性を有し、少年を主とする3人以上の集団であって、自ら非行行為を繰り返すほか、構成員の非行を容認、助長し、かつ、非行により構成員間の連帯を強める性格のもの)及び非行集団には至らないものの、非行や不良行為を繰り返している少年を主とする3人以上のグループ」とされ、半グレの構成に深く関係するほか、暴力団や半グレ等が非行集団等の少年を特殊詐欺の受け子等として犯行に加担させるなど自らの手先として犯罪に利用したり、少年への大麻密売により資金獲得を図るなどの実態もある。暴力団・半グレ対策、特殊詐欺対策、薬物対策、暴走族対策、青少年の健全育成等のすべてに関わるこの属性への対策こそ急務だろう。(芳賀)

絶対ダメ、バイト感覚で犯罪に加担

特殊詐欺事件では、高額アルバイトと称して高校生や大学生が犯行グループの末端で現金を受け取る実行役に勧誘され、軽い気持ちで犯行に加わってしまうケースが目立つ。特殊詐欺でだました相手から現金を受け取る「受け子」として摘発される少年少女が増える中、警察や自治体が保護者への注意喚起を進めている。特殊詐欺で摘発されたうちの3割近くは未成年者で、子供らを詐欺に加担させない手立てが急務だ。不良仲間など人づてによる勧誘に加え、最近はSNSで「裏バイト」などと称し、仕事内容を明かさずに高額の報酬をちらつかせて募集する事例もある。一見美味しいバイトに見えても、実態は何の見返りもない犯罪行為でしかない。特殊詐欺に加担してしまう可能性は身近にあり、家庭や学校をはじめ、子供と接するあらゆる機関が目を配ることが重要だ。(佐藤)

かんぽ不正、ガバナンス不在の経営

かんぽ生命保険が郵便局を通じて販売した保険で数多くの不適切な事例がみつかり、顧客に不利益を与えた可能性がある契約は18万件にのぼるという。保険の契約をめぐっては、顧客が古い契約を解約して新しい契約を結ぶまでの間に無保険の状態にさせたり、新旧の保険料を二重払いさせたり、短期間に中途解約させ被保険者を変えさせる悪質な手口も明らかになった。背景には「数字を上げた人が正義」というノルマを重視する風土がある。民営化により収益重視を求められ、こうした問題を放置してきた経営には、不正があるかもしれないと認識していた未必の故意との批判もあろう。また、他社の提携保険の販売自粛の遅れや記者会見翌日に職員のSNS書き込み禁止を通達するなどの判断は信頼回復を妨げよう。誠実さと真摯な反省がクライシスマネジメントの要諦だ。(伊藤)

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