週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2019年09月02日号

働き方改革がもたらす新たなリスク

働き方改革により「副業・兼業」が広がれば、会社の関与度合いによっては、従業員が反社会的勢力と知らないうちに接点を持ってしまう可能性を高めかねない。また、SNSなどを通じて「非対面」のまま気軽に業務を提供できる状況は、「知らずに接点をもち」「サービス提供の対価として報酬を受け取る」反社リスクを助長する。従業員の反社リスクは会社のレピュテーション毀損に直結する。会社が認める「兼業・副業」であればこそ、新たな反社リスクへの対応が急務だろう。また、働き方改革により「服装のカジュアル化」も進む。特殊詐欺において、「受け子」の不自然なスーツ姿が摘発の端緒となるケースも多かったが、カジュアル化が進めば、違和感を覚えにくくなる可能性も考えられるところだ。リスクの変化が犯罪者を利するようなことがあってはならない。(芳賀)

個人情報保護委員会、初の是正勧告

個人情報保護委員会は、「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが就活生の同意を得ずに「内定辞退率」の予測を企業に販売していた問題で、同社に是正を求める勧告を出した。合否判定に使用された例はないというが、個人データを購入した企業にも説明責任がある。サービスの提供に際し、企業が保有する個人データは無用に利用できるものではなく、その扱いが公正かどうか自戒しなければならない。特に、内定辞退率のような個人の不利益につながりかねないセンシティブな情報の取り扱いには、特に配慮が必要で、企業には高い倫理性が求められる。個人データが本人も想像もつかない使い方をされるリスクは高まるなか、どのようなデータが何に使われているかを開示する透明性の確保と、情報の正確性に対して個人が関与できるような仕組みづくりが必要だ。(佐藤)

企業における水害復旧の注意点

九州を中心に、豪雨災害が続いている。被災地の一日も早い復興を願う。これから事業所の清掃に入る企業も多いと思うが、水害で被災した場合の清掃時における社員の服装は大丈夫だろうか。普段は土の中に埋まっている破傷風などの人体に有害な細菌が、掘り返された泥水の中に潜んでいる可能性があるため、長袖・長ズボン・長靴が必要だ。同様に普段から水辺に多く生息しているレジオネラ属菌が水害時には拡散され、土ぼこりなどで飛散し、呼吸するだけで体内に吸引してしまう場合もあるためゴーグルやマスクも必須となる。水害時の作業服については、著名なボランティア団体であるレスキューストックヤードが「水害作業ボランティアマニュアル」として分かりやすい資料を公開している。企業もぜひ参考にして欲しい。日頃からBCPに落とし込めればベストだ。(大越)

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