週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

暴力団離脱者支援に必要なもの~コミュニティ・オーガニゼーションとは~

暴排先進県の福岡県では、様々な暴力団離脱支援策により一定の成果があがっている。行政主導の暴力団離脱支援や就労による社会復帰支援は確かに不可欠だが、地域住民や離脱者・更生者のニーズ、積極性や創意性が汲み上げられているかという「行政主導の限界」もある。その限界を乗り越える手法として「コミュニティ・オーガニゼーション」が注目されている。犯罪・非行の原因を、個人の負責を求める発想から社会そのものの中に犯罪・非行の要因を認めるとの発想の転換に伴って起こった犯罪予防方法なのだという。米国では、市民の意識と地域活動の展開こそが犯罪の増加を阻み、予防効果をあげる方法との考えが定着している。行政主導の限界をコミュニティの力で乗り越えるとの発想は、今後の暴力団離脱支援のあり方に極めて重要な示唆をもたらすものだ。(芳賀)

台風15号から考える防災・BCP

台風15号を踏まえ、防災・BCP対策として2点指摘したい。首都圏ではJR等が早々に通勤時間帯の運休を決めたことで、相当数の社員が定時に出勤できない企業もかなりの数になる為、今後この点がBCP整備の重要項目とされるであろう。確かに、従業員の出勤手段の確保は重要課題だが、目指すべきは、出社基準・手段の強化・確保よりも、社員が一定数出勤できなくても事業が維持・継続できる仕組みの検討である。また、事前の気象庁の警告からすると、「たいしたことはなかった」と思う方もいるかも知れない。この点こそが、災害対策の大きな盲点だ。「前回大丈夫だったから、今回も大丈夫」と次回の台風発生時に油断すると、甚大な被害を生みかねない。「災害は忘れた頃にやってくる」とは、このような状況も含む。「油断大敵」。これこそが災害対策の原点だ。(西尾)

テレワークと働き方

政府がテレワークの一斉実施を呼びかける「テレワーク・デイズ」が、2019年7月22日から9月6日の期間で実施された。ウェアラブル機器や勤怠管理アプリなど、ICTなどを駆使し、テレワークによる効果を把握する企業も出てきており、こうした取り組みが今後の普及に導くための重要なポイントになっている。テレワークの導入と生産性向上とを直接的に関連付け、画一的に推し量ることは難しいが、意識改革やシステム・制度の整備といった土台ができた上で、幅広い社員が自律的に活用できるようにすることが重要だ。かつては実験的な試みでしかなかったテレワークだが、「事情がある場合の在宅勤務」だけではなく、多様な職種・人材が最適な場所・時間を自身で選択でき、生活や働き方の常識を覆し、新たな価値を生み出すきっかけになることを期待したい。(佐藤)

日本郵政グループ、かんぽ生命 保険販売自粛を延長

同社は8月末までの予定だったかんぽ生命の保険販売自粛を当面続ける方針を発表した。また、受託販売するアフラック生命のがん保険について、乗り換え契約時に保険料の二重払いなどを避ける「条件付き解約制度」を9月2日に前倒し導入した。これまで保険料の二重払いについては契約者に説明し承諾を得たとしていたが、二重払いへの批判の高まりを受けて早めた格好だ。民営化が決まった時点では、郵便、貯金、保険のいずれも有望なビジネスが確立されることになっていた。年賀状をはじめとする郵便や振り替えによる送金は、eメール・SNSやコンビニの送金との競争で勝負は明らかだ。全国一律のユニバーサルサービスは、本来社会的弱者のためにあろう。本件の被害者の多くが高齢者であり、本来の目的からかけ離れている。組織としての理念が問われている。(伊藤)

水没した太陽光発電設備に注意!

「関東では過去最強クラス」と呼ばれた台風15号が、さまざまな爪あとを残している。首都圏では多くの電車で遅延が発生し、駅で立ち往生した方も多いのではないだろうか。昨年の西日本豪雨や台風21号では、企業の太陽光発電設備が水没や飛散するなど、多くの被害が発生した。再生可能エネルギー特別措置法に基づく固定価格買取制度の施行以降、太陽光発電設備は急激に増加しており、経産省が注意を呼びかけている。パネルの飛散防止対策は必須だが、そのほかにも水没したパワーコンディショナーや集積箱などは水没時にケーブルが断線している恐れがあるため、感電する恐れがある。一般の家庭に取り付けられている太陽光発電設備でも状況は同じだ。もし屋根から外れているパネルや設備等があったら、うかつに触らずに設置業者などの専門家を呼んで欲しい。(大越)

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