週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

持続可能なビジネスモデルとコンプライアンス・リスク管理は表裏一体のものだ

金融庁は「ビジネスモデル・経営戦略・企業文化とコンプライアンスは一体」、「法令等の既存のルールの遵守にとどまらず幅広くリスクを捉える必要がある」とするが、経営陣の認識・理解の不足から実践に遅れが見られるという。いまだコンプライアンス・リスク管理を形式的で所与のもの・受身的なものと捉え、自立的・自律的で能動的なものとできず、「未来」のコンダクト・リスクへの対応はおろか、「現実」の課題解決さえできず、不祥事リスクは「過去」から高止まったままだ。顧客本位から逸脱した旧態依然のビジネスモデルが社会から取り残される様は、持続可能なビジネスモデルとコンプライアンス・リスク管理が表裏一体のものであり、日々変化する環境に対して適切なリスクテイクを通じて収益性と健全性を両立させていくことの重要性を示している。(芳賀)

千葉県の広域停電、政府の対応含めて検証が不可欠!

千葉県で発生した広域停電は今も完全復旧していない。冷房が欠かせない気象条件では、長期間の停電は生命の危険に繋がる。従来私は防災・BCP系のセミナーで、真夏に地震等で停電が発生した場合、熱中症リスクが大きく水3日分の備蓄では足りないこと、そのような事態は現実に起こりうること、行動要領を予め決めておくことの重要性を指摘してきたが、現実のものとなってしまった。停電復旧も平時と災害後では手間が大きく異なり、電力会社だけでの対応には限界もある。関係機関の早期の連携・連動が不可欠だが、今回は千葉県の初動対応が遅れた。一方、台風通過は9日の早朝、安部内閣新閣僚の発表は11日、経産省の災害特別措置の認可は13日だ。この間マスコミ各社の報道は組閣一色。停電の真っ只中の政府の対応も含め、検証が必要である。(西尾)

秋の全国交通安全運動、警察庁が呼びかけ

9月21日からの秋の全国交通安全運動を見据えて警察庁交通局が、過去5年間について分析したところ、10月~12月の高齢歩行者死者数は、1月~3月と比較して3割以上多く、とくに横断中や薄暮時間帯(日没前後1時間)の死者の増加が顕著だという。横断中の事故については横断歩道以外の事故の割合が高く、うち歩行者の約7割に法令違反があった。横断歩道以外で高齢者の無理な横断があろう。夕刻の生活道路では歩行者に注意して早めのライト点灯と速度を抑えるべきだ。ドライバーは交通事故におけるリスク要因の変化を捉え、従来以上の危険予測と回避のための余裕ある運転が求められる。従業員に運転を課す企業は、具体的な事例を用いた定期的な運転教育とドライブレコーダーによる運転記録の抜き打ち監査など実効性のある個別指導まで踏み込むべきだ。(伊藤)

政府はこまめな災害救助法の適用を

関東南部に大きな爪跡を残した令和元年台風15号。政府は9月12日に千葉県内25市15町1村に災害救助法の適用を決定した。これを受け経産省は13日、同法が適用された地域で被災した中小企業への支援を開始。まず、県内の日本政策金融公庫や商工組合中央金庫、商工会議所などで特別相談窓口を開設するとともに、災害復旧貸付を実施する。売上が著しく減少した企業に対しては県の信用保証協会が一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証する、いわゆる「セーフティネット保証4号」が適応されるなど、企業に様々な支援を行っているので活用して欲しい。心配なのは伊豆諸島など、同法が適用されていない被災地だ。同法は企業向けだけでなく、個人向けでも全ての被災地支援の土台となる。政府は被災地に寄り添い、こまめな同法の適用を検討して欲しい。(大越)

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