週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

テロ対策において重要なこと

外部からの攻撃リスクにおいては、攻撃側が防御側に比べて圧倒的に優位にある。テロとの戦いにおいても、重要インフラ施設やソフトターゲット、車両突入、銃乱射、ナイフ、爆弾等の代表的な攻撃に加え、ドローンを使った爆撃テロや細菌・微生物テロ、原子力テロなどあらゆる可能性が想定され、その防御は、今後ますます困難を極めるだろう。一方で、国土や人心の荒廃が人々の間に「疑心暗鬼」や「憎悪」「亀裂」「分断」等を招き、自らの思想的信条を明確に示すために「人間への攻撃」という形をとるのがテロだ。よって、多様化する攻撃への防御といった「対処方法」を磨くだけではテロ対策としては不十分であり、社会経済的な精神面・経済面での「充足感」が人々の「憎悪」等を和らげ、テロの「芽」を摘むと発想するところから対策を始めるべきだろう。(芳賀)

IoT機器の防御を義務化、攻撃の入り口を封じる取り組みを

総務省は、2020年4月以降、IoT機器にはパスワードによる認証などのアクセス制御機能や、出荷時の初期パスワードの変更を促す機能、ソフトウエアの更新機能といった最低限の対策を義務化するとしている。IoT機器が犯罪の踏み台になる可能性を想定し、開発者側はもちろん、サービスの提供側にも、これまで以上にセキュリティへの考慮が求められる。現状、一般利用者向けのものは脆弱性が見つかってもそのまま、ということがよくある。さらに、悪質なものの中にはプログラム自体もセキュアコーディングされていないものや、専門外の業者が機器を設置し、管理画面が初期設定のままという機器もある。この時期から、機器の性質・設置環境などのリスクを評価したうえで、まずは優先的に対応をとるべき機器の特定と防御すべき範囲を明確にする取り組みが重要だ。(佐藤)

アマゾンジャパン「プロジェクトゼロ」日本でも導入、模造品対策強化

AI(人工知能)などでECサイトに出品された模造品を自動的にはじく模造品対策が日本でも始まる。アマゾンジャパンは、任天堂やパナソニックなど25社と製品情報を共有した模造品対策を導入する。メーカーなどと製品やロゴの情報を共有し、AIの画像認識などで模造品の疑いがある商品を検出する精度を上げるという。偽造ブランド品や盗難品が市場に出回ることを未然に防ぐ必要性が強く指摘されてきたことが背景にある。特にブランド品では、どのような特徴があるものを偽ブランド品として捉えるかという基準の策定が非常に困難だった。ブランドメーカーが仕様に関する情報を秘匿してきたからだ。ECサイトやフリマアプリのように膨大な出品に対応するには、もはやAIの活用は避けられない流れであり今回のアマゾンの模造品対策もその流れに沿うものといえる。(伊藤)

災害時における深刻なトイレ問題

日本列島の各所に大きな爪あとを残した台風19号。首都圏エリアでも人気エリアにある高層マンションでは停電等によりトイレが使えなくなり、多くの住民が近くのホテルに避難した。人は1日くらいなら食べ物を我慢することができるが、トイレを我慢することはできない。東日本大震災では多くのトイレが使用不能になり、トイレに行きたくないばかりに水も食べ物も摂取せず体調を崩してしまう人が多かった。実は首都直下地震等の大きな地震が発生した場合、多くのマンションやオフィスビルのトイレが使用できなくなる可能性が高い。例え一時的に水が流れたとしても、ビル内の配管がずれたりした場合は階下のフロアに深刻な被害を与えてしまうためだ。国土交通省が分かりやすい漫画をPDFで上げているので、ぜひ確認して欲しい。(大越)

▼災害時のトイレ、どうする?(国土交通省)

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