週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

かんぽ生命保険不適切販売問題の本質~顧客本位とユニバーサルサービス、ノルマ至上主義

同社は問題を受けて「真のお客さま本位の営業を徹底するために抜本的な改革を行う」と強調した。だが、同社には「ユニバーサルサービス」すなわち「簡便で全国一律のサービス」の提供義務が課されており、それは「お客さま本位」と本質的に矛盾する。「お客さま本位」とは、顧客の多様な立場や事情に適合する商品を提供することに他ならないからだ。さらに同社には、「民業圧迫」を避けるため、その品質に制限が課されてもいる。そもそも「お客さま本位」でない商品を「ノルマ至上主義」により販売するところに根本的な問題があったのであり、そこに様々な内部統制上の脆弱性も絡めば、問題の発生はある意味必然でもあった。同社の「お客さま本位」は、その特殊な立ち位置が変わらない限り、たとえノルマを撤廃したとしても実現困難な構造を有している。(芳賀)

Windows7/Windows Server 2008、3ヶ月後にサポート終了

マイクロソフトが提供するOS「Windows 7」と「Windows Server 2008」「Windows Server 2008 R2」は、2020年1月15日にサポートが終了する。以降は基本的にセキュリティ更新プログラムの提供や脆弱性の修正がされず、それを悪用した攻撃による情報漏えいやサービス停止などの被害を受ける可能性が高くなる。サポートが終了したOSやソフトウェアを使い続けるということは、危険性をずっと抱え込むこということだ。事業者によっては、社内ネットワークから切り離して利用を継続するという運用もあるが、USBメモリなどでのデータのやり取りを前提としたマルウェアもあるため注意が必要だ。社内にあるPCが多いほど移行にも時間がかかる。社内利用者の業務になるべく影響を与えないようにするためには、直前になってからあわてて着手するのではなくスケジュールに余裕を持って計画的に進めたい。(佐藤)

セブンイレブン NTTデータと連携してレジなし店舗実験

同社がレジのない店舗の実験を始めた。利用者は購入する商品を手に取り、店を出ると支払いが終わる仕組みという。店内に3種類のカメラを約50台、重量センサーなどを設置した。利用客がスマートフォンアプリでQRコードをかざして入店するとカメラによって動きを補足し、棚の重量センサーを使ってどの商品が顧客の手に取られたのかを判別する。支払いはアプリとクレジットカードとの紐づけによって決済される。レジがないため精算のオペレーションの省力化が期待される。また、このようなシステムは、万引きなどの窃盗防止にも効果があろう。テクノロジーの進化が、万引きロス削減のための有効な手段となり得ることを示している。ただし、テクノロジーを有効に機能させるには、万引きが原因の商品ロス削減に対して肯定的な社風を醸成することが前提だ。(伊藤)

「千葉県が危ない」と考えることが危険

時事通信社は27日、「国土交通省は、地球温暖化の進行を踏まえた河川整備の検討に入った」と報じた。頻発する水害を受け、将来予想される降水量増加を見据えた治水対策を急ぐ。今年度中にも、国の河川対策の根幹でもある「河川基本整備計画」を改定する方針だ。特に今年の千葉県の被災状況は昨今まれに見るものだが、「千葉県は危ない」と短絡視することはとても危険だ。気象条件さえ重なれば、日本中のどこでも今年の千葉県と同じ状況になりうる。気象庁は1時間の降水量50ミリ以上の豪雨が、近年は30年前と比べ1.4倍に増えたと推定している。例え自社が大丈夫だったとしても、土砂災害によるサプライチェーンの寸断や、大規模な断水・停電などで事業が立ち行かなくなるケースもある。地震や津波対策も含め、あらゆる地域で、常日頃からの備えが重要だ。(大越)

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