週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「顧客本位」と「従業員エンゲージメント」~経営理念を浸透させることの重要性

スターバックスにはマニュアルがないことで有名だが、8割を占めるアルバイトを含め3万人以上の多様な従業員の一体感を醸成するのはマニュアルではなく「エンゲージメント」だ。同社では、「エンゲージメント」を高めるために、個人が「自分が必要とされていると感じられること=自己受容」、「もっとできると期待し行動すること=他者信頼」、「周囲へ影響を与えたいと思い行動すること=他社貢献」という3つの条件を満たせるよう最大限サポートしているという。「国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい」(ケネディ)。「従業員満足」ではなく「エンゲージメント」を引き出し高めることこそ「顧客本位」の業務運営には不可欠だ。「経営理念」の浸透が今、問われている。(芳賀)

Cookie、規制の方向へ

個人情報保護委員会は、規制が先行する海外に続き、Cookieの取扱いについて、新たな規律を検討する方針を明らかにしている。Cookieは、Webサイトを訪れた回数や閲覧した内容が記録された情報であり、個人が訪れたサイトから趣味や思考を推測して広告配信などに利用できる。一方、Cookieやそれに紐付くWeb閲覧履歴は使い方を誤れば、個人にとって極めて不利なデータを抽出することもある。リクナビがWeb閲覧履歴から内定辞退率を算出し、契約企業に提供していたのは、その典型例だろう。今後、事業者は、Cookieは明確な「個人情報」と認識するとともに、本人の知らない間に拡散されていないかどうかなど二次的三次的な提供先や共有範囲などまで把握する必要がある。Cookieの提供を拒否する利用者にも平等にサービスを提供できるよう倫理的で透明な活用が求められることになる。(佐藤)

加盟店オーナーからの通報窓口設置、セブンイレブン

本部は加盟店オーナーからの通報を受け付ける窓口を設置した。加盟店指導員がオーナーに無断でおでんを発注していたことが問題となっていたことも背景のひとつだ。おでんは、立地・客層や接客レベルがもっとも販売に反映される。清潔感のない店舗は購入を躊躇させる。標準化した商品、サービスの実現はメリットであり、絶えずフランチャイジングの課題でもある。本部は「徹底力」を武器に成長した成功体験が強烈にある。指導員当時、未導入があり会議で立たされた経験があるが、もはや一律の幅は変わりつつあり、需要は仮説と検証でわかる。指導員の任務は加盟店の継続的な利益の最大化だ。具体的には客層に合わせた品揃え、接客、クリーンネスを追求する。指導員はオーナーを「説得」して「検証」する矜持を持って欲しいし、本部は矜持を育てるべきだ。(伊藤)

大川小学校の謝罪ははじまりに過ぎない

東日本大震災の津波で児童74人が犠牲となった大川小学校。11月11日、最高裁は2審の仙台高裁判決である学校側の防災体制の不備を支持し、市と県の上告を退けた。事前の防災対策の不備により損害賠償が最高裁で確定するのは初めてとみられる。本判決を受け、石巻市は1日、遺族らに対し初めて謝罪記者会見を実施。同市の亀山紘市長は「児童74人の大切な命を救うことができなかった。遺族の皆様に心からお詫び申し上げます」と謝罪した。謝罪はまだはじまりに過ぎない。震災後の市教育委員会の答弁は二転三転し、貴重な証言が破棄されたり改ざんされていたりしていたことが、後の報道機関の調査によって判明した。文部省が立ち上げた第三者調査委員会も、真相解明を事実上放棄し、終了している。あの時何があったのか。真相の究明はこれからだ。(大越)

Back to Top