週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

2019年12月09日号

【もくじ】―――――――――――――――――――

抗争の先に見えるもの

2つの山口組の抗争が本格化しているが、豊富な資金を有する六代目山口組とて盤石ではない。これまでの「弘道会方式」はもはや構造的にも通用しないことは明らかだが、新たな環境の変化に対応できておらず、今後の新たな暴力団のあり方に対するビジョンも打ち出せていない。そもそも日本の暴力団のように、堂々と看板を掲げている犯罪組織は世界的には珍しく特殊だ。今後は目に見える暴力団という犯罪組織から、半グレのように潜在化して目に見えない組織、あるいはより柔軟な組織やセル化された組織に変容していくことも考えられる。暴力団の新たなあり方の模索は急務だが、暴力団が公然と存在する状態を前提とした現行の暴力団対策法のあり方は時代に合わなくなっていることも事実だ。新たな法律や捜査手法、反社リスク対策のあり方が問われている。(芳賀)

内定辞退率提供問題、契約企業を行政指導

リクナビが学生の内定辞退率データを販売していた問題で、個人情報保護委員は個人データの扱いが不適切だったとして、サービスの契約企業37社を行政指導した。処分を受けた各社はお詫びや今後の対応方針などを示しており、合否の判定にデータは使っていないとしているが、内定辞退率データを選考に利用したい動機があったことは否めない。特定個人の学生について何%内定辞退しそうなのかが分かることにこそ、企業にとって価値のあるデータだ。企業が選考に利用したいと考える価値があるデータを、選考に利用しない条件で有償で提供するという契約内容自体にそもそも無理があったと言えるのかもしれない。本件、利用者から同意を得る手続きが妥当だったかなどが議論されているが、問題の本質は、個人データを扱う事業者の倫理観や知識・見識にこそある。(佐藤)

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