週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

危機意識を高める工夫を~実践的な訓練の重要性

外務省は、企業の危機管理担当者や海外赴任予定者らを集めて海外でテロが起きた場合などへの実践的な対応を学ぶ研修会を開催した。ほふく前進や銃撃を受けたときの退避の仕方、止血法や心肺蘇生法などを体験しながら学ぶ内容だ。テロへの対応が子どもの頃から叩き込まれている海外と異なり、日本人にとってこのような実践的な訓練・研修は極めて重要だ。一方、神戸市は、阪神大震災が発生した1月17日前後に市内で一斉に実施していた災害対応の「シェイクアウト訓練」を中止すると発表した。配信される「緊急速報メール」の「受信音がうるさい」との苦情が多いためだという。訓練の重要性・有効性を十分に周知徹底できなかった行政側の問題もあるが、そもそもそのような理由で中止されること自体、日本人の危機意識の低さを示したもので極めて残念だ。(芳賀)

二段階認証を突破、新たな詐欺の手口による被害増加

インターネットバンキングの口座に不正アクセスされ、知らない間に預金が詐欺グループに送金される被害が増えている。金融機関等が本人確認強化のため導入している二段階認証も絶対に安全とは言い切れない。新しい手口はまず、メールやSMSでフィッシングサイトに誘導し、利用者が入力したIDやパスワードを使って本物のサイトにログインする。すると、金融機関から利用者に認証用の番号が記されたSMSが届くので、その番号を偽サイトに入力させて盗み、不正送金するというものだ。これまで、受け取ったことがない金融機関からSMSが、何のきっかけもなく突然来た場合は疑った方が良い。また、自衛の手段として、手口や危険性を知り日々閲覧するWebサイトには偽物やなりすましが多く存在し、騙される可能性があるということを客観的に理解しておく必要がある。(佐藤)

セブンイレブン、残業代未払い

同社は加盟店で働くアルバイトやパート従業員の残業手当の一部が支払われていなかったと公表した。調査によると、1970年代から支払っていなかった可能性がある。不足額は、記録のある2012年3月以降だけで従業員3万人分、計約4憶9千万円、一人あたりの平均は約1万6千円で最高で280万円のケースもあるという。また、本部は従業員からの問い合わせ窓口を設けた。一般にコンビニではフランチャイズチェーン加盟店が従業員を雇用して管理し人件費を負担するが、給与計算システムを構築して計算と給与の支払いはチェーン本部が代行する。同社は2001年に労基署が精勤、職責の両手当につく残業手当の一部が算入されていないとの指摘を受けていたが、公表していなかった。認識した時点で他にはないかチェックし、再発防止策を徹底するというのが危機管理の基本だ。(伊藤)

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