週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

実効性ある反社チェックのために必要なこと

反社チェックの実効性を高めるたには、反社チェックの限界を自覚するところから始めるべきだ。そもそも反社チェックは、関係者の拡がりの状況や「真の受益者」の特定といった「面」でその全体像を捉えることを通して、その「点」の本来の属性を炙り出す作業だ。表面的な属性では問題がないと思われる「点」が、「面」の一部として背後に暴力団等と何らかの関係がうかがわれることによって、それを「関係を持つべきでない」相手=反社会的勢力と位置付けていくことになる。だが、「面」でのチェックは実務的な負荷が大きいうえ、そもそも潜在化する相手を見抜くことも難しいのが現実だ。事業者は、リスクベース・アプローチによる自立的なチェックの自律的なあり方や、現場の意識やリスクセンスを研ぎ澄ますために必要な取組みを模索し続ける必要がある。(芳賀)

偽サイト増加、フィッシング詐欺に注意

警察庁や自治体、動画サービスのNetflix等などを模倣した偽サイトが大量に確認されている。偽サイトはGoogleやBingなどの検索サービスの結果に、正規のサイトに混じって表示されることが多い。今後これらの偽サイトがメールやSMSを利用したフィッシング詐欺に転用されることで、認証情報(IDやパスワード)を窃取される危険性が高くなる。これまで受け取ったことがない機関や知らない送信者からメールやSMSが、何のきっかけもなく突然来た場合は疑った方が良い。また、ドメインが「.jp」や「.co.jp」なら安心というわけではなく、これらを使う偽サイトも非常に多いので注意が必要だ。メールやSMS本文に記載されたURLの表記のみで真偽を判別するのは難しいが、極力アクセスしないという対策を徹底することと、詐欺の手口や危険性を知っておくことで注意力を高めておきたい。(佐藤)

熊本県南部豪雨対策、従業員の受け入れも検討を

7月5日、熊本県南部の人吉町などを猛烈な雨が襲い、5日夕時点で死亡者が22人、17人が心肺停止、11人の行方不明が確認されており、今後も被害の拡大が予想されている。現在も道路の寸断などで千世帯近くが孤立。気象庁は今後も土砂災害などへの警戒を呼び掛けている。企業としてはまず従業員の安全確保に全力を注ぐべき局面だ。水害対応の基本は「事前避難」。もし現地に従業員が住んでいる企業があれば、安否確認システムなどで早めの避難を促してほしい。ただし、今年は避難所でも感染症対策など多くの課題を抱えている。もし事業所の安全が確認されているのであれば、積極的に企業として従業員やその家族を受け入れてはどうだろうか。熊本地震では、被災した従業員を会社の敷地内に受け入れたケースもあった。こちらもぜひ早期に検討してほしい。(大越)

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