週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

大麻の若年層への蔓延の実態を放置してはならない

若年層の大麻汚染が警察にも広がっていたことは大きな衝撃だ。20代前半の男性巡査4人が懲戒免職処分となった大阪府警のほか、兵庫県警や京都府警でも昨年から今年にかけ、20代の男性巡査が懲戒免職となったという。職業倫理観の欠如と言えばそれまでだが、それだけ若年層に大麻が蔓延し、たばこ感覚にまで麻痺している証左でもある。大麻の有害性・依存性の高さは科学的事実だ。海外の大麻合法化は、「犯罪組織対策」や「経済的合理性」の観点からやむを得ない帰結に過ぎない。一方、日本では大麻使用者率は50%を大きく下回っており、合法化すれば使用率を引き上げ、薬物依存症患者を増加させるだけで、そこに合理性は全くない。若者の未来のために、大麻の危険性に関する正確な知識の広報や事業者における従業員教育等、より踏み込んだ取組みが急務だ。(芳賀)

感染症対策アプリ「COCOA」の普及に向けて

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」の普及に向けた課題のひとつは、利用者の広がりだ。お互いにアプリを利用していないと接触データが記録されないため、接触検知のインフラとしての実効性を高めるには、どれだけ多くの人が利用するかが鍵になる。アプリは、接触記録の暗号化、位置情報や端末内の情報も利用されないという設計・仕組みで、安全面への高い配慮がなされている。今後、「COCOA」に便乗した偽メールや、偽アプリが出回ることに注意・警戒しつつ、利用が促進されることで、集団感染の発生をいち早く検知し早い段階で感染拡大を防げるようになることが期待される。また、アプリによるデータの利活用のプロセスの透明性を引き続き確保するとともに、できるだけ多くの人が利用することで問題を洗い出してより良い状態を目指すことも大事だ。(佐藤)

3月決算小売業の第1四半期業績にみるウィズコロナへの適応

第1四半期業績の優勝劣敗が鮮明だ。コロナ禍の影響の大小が分岐となった。ひとつは生産拠点だ。感染源の中国からは調達ができなくなった。もうひとつは販売拠点だ。百貨店や都市型に集中した企業は、営業停止を避けられなかった。さらに、通販の有無は業績の下支えを左右した。物流を自社で効率化した企業は、業績を伸ばした。最後にキャッシュフローだ。日銭が急減する中での資金調達は存続の運命を分ける。内部留保の乏しい中小企業は、銀行など間接金融に頼るが、融資には時間が掛かる。そこで、売掛金等の債権を第三者に譲渡して資金を調達するファクタリングの利用が増えた。これは債券譲渡の為、貸金業法や利息制限法などの規制対象外で悪徳業者の温床にもなっている。商流、物流、金流において、ウィズコロナへの適応が生き残りの運命を分ける。(伊藤)

コロナと極右と国連弱体化

日本では小康状態を保っている新型コロナだが、世界では罹患者数が1000万人を突破。死亡者数が米12万6千人、英4万4千人、伊3万5千人と先進国で増え続けている。引き続き警戒を強めていきたい。今回の事案のもう1つの大きな特徴がWHO(世界保健機構)の迷走だ。WHOを「中国寄り」と批判した米は拠出金を停止。2月のマスクについての発信も、各国から批判を浴びた。実はこれらのことは、2018年から予想されていた。17年にトランプ氏が米大統領に就任して以来、英ではEU離脱を指導したボリス氏が新首相に。他にも仏、独、西など各国で自国主義の極右政党が台頭してきている。一連の出来事は、同時に国連をはじめとする国際組織の弱体化を意味する。一方で、新型感染症には国境を越えた対策が必要だ。世界は新しい枠組みを必要としているのかも知れない。(大越)※西=スペイン

アフターコロナの働き方 脱押印文化で生産性向上へ

政府は19日、「原則として、押印は契約成立の要件ではない」旨の見解を示した。目新しい内容ではないが、改めて発信することでわが国の押印文化に一石を投じている。今後、様々な契約の場面で押印を要求する書類の見直しがされるだろう。他方、組織内の事務手続における押印の主な目的は、文書成立の真正性担保よりも、経費等社内不正の防止や責任所在の明確化にあると考えられる。もっとも、大量生産の印章では容易に文書の偽造が可能であるなど、不正防止の実効性は疑問であるうえ、印刷代や書類管理の人件費などコストもかさむ。5月実施の当社調査では、コロナで原則在宅の指示が出ているにもかかわらず、22%が書類への押印のために出社せざるを得ないという結果を得た。ニューノーマルは経営を圧迫しES・CSを低下させる非効率な慣行を見直す好機だ。(福田)

参考:新型コロナウイルス感染症の影響による「在宅勤務(テレワーク)」に関するアンケート【速報版】
法務省 「押印についてのQ&A」

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