週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

外部からの攻撃への備えを強化したい

クラウドストライクの調査では、日本でランサムウエアの被害にあった組織のうち32%が身代金を支払い、その平均が117万ドル(約1億2,300万円)に上るという。また、日本の組織でサイバーインシデントの検知、トリアージ、調査、および封じ込めのプロセスにかかる時間は約31営業日(合計223時間)でグローバル平均(162時間)の約1.4倍、侵入者の検知に要する時間も日本企業は165時間を要し、グローバル平均(120時間)との差が顕著だ。同社は、サイバー脅威を阻止するため、「1分で検知、10分で調査、60分で攻撃者を封じ込め、対応する」という「1-10-60ルール」を推奨している。サイバー攻撃や反社リスクなど外部からの攻撃は、情報の非対称性から攻撃側が圧倒的に優位だ。だからこそ防御側は、ゼロトラストからの発想、認知の感度・モニタリングの精度向上が急務だ。(芳賀)

ネット詐欺、サイバー攻撃が増えるこの時期、注意

年末年始の時期は、サイバー攻撃が増加する傾向がある一方、事故が発生しても気づきにくく、対処が遅れがちだ。ネットで購入することが多くなるシーズンは、宅配業者を装った偽ショートメッセージも頻発する。休み明けも注意が必要で、業務を開始する前にセキュリティ対策ソフトなどを最新の状態へ更新し攻撃を受けた形跡がないか確認しなければならない。事前にソフトウェアの脆弱性の解消、セキュリティ対策ソフトの更新、バックアップのほか不要な端末の持ち出しがなされないようルールの確認や対策が実施されているかを早めに確認しておく必要がある。また、連休前の飲食・飲酒によって鞄や携帯電話、スマホ、記憶媒体ごと紛失してしまう事故も多く発生する。緊急時の対応体制・連絡手順等、社内での注意喚起もこの時期から準備を進めておきたい。(佐藤)

コロナ禍後のダイバーシティ 逆差別というショック療法

コロナ禍により、雇用調整が進んでいる。10月度の労働力調査によると、完全失業率は3.1%と上昇している。なかでも非正規雇用者は95万人減少しており、正規雇用者の9万人増加とは対照的に非正規雇用者が雇用調整の対象となっている。減少した非正規雇用者95万人のうち、女性は53万人を占め、女性への影響が大きい。そもそも、女性の非正規雇用者は1400万人と男性の2倍以上だ。この社会構造が「女性の活躍」を政治的な課題に挙げるゆえんのひとつだろう。女性の地位向上も含めて、日本企業の多様化が進まないのは、そもそも何のために多様化するのかがわかっていないからである。他方、「配偶者控除」や「第三号被保険者」の制度も障壁となる。男女の割合を義務づけるクオータ制の導入も選択肢だ。男性に対する逆差別は、意識改革のきっかけになり得る。(伊藤)

年末の南海トラフ関連地震は5回。コロナ対策もかねて多めの備蓄を

夕べ(21日深夜)、岩手県盛岡市で震度5弱の地震が発生した。気象庁は2011年の東日本大震災の余震とみている。12月12日から19日の1週間で見ると、震度1以上の地震は53回観測されており、うち震度5弱の地震は2回、震度4の地震が2回、震度3の地震は3回だった。有史以来の南海トラフ地震は684年の白鳳地震以来10回程度発生しているといわれているが、そのうち永長地震(1096年12月11日)、安政東海地震(1854年12月23日)、安政南海地震(1854年12月24日)、東南海地震(1944年12月7日)、南海地震(1946年12月21日)の5つが年末に発生していることが判明している。1703年12月31日に発生した元禄地震は関東大震災よりも一回り大きな地震で、関東を中心に津波や揺れで甚大な被害を出した。年末はコロナ対策もかねて、少し多めの備蓄を確保してはいかがだろうか。(大越)

防犯グッズ購入時の注意点

8月の日中、銀座の路上で会社役員の男性が車で連れ去られ、監禁の上、現金等が奪われた事件があった。先月、被疑者らが逮捕されたが、本件を報道で知った当初は、日中に繁華街で行われたことに驚愕した。コロナ禍では、銀座のような日本有数の繁華街であっても人出は多くなく、そこを突いて、犯行に及んだのかとも想像できる。これらの対策には、よく防犯グッズが推奨される。この防犯グッズ、市販のものを購入する分にはほぼ問題はないが、携帯する場合に、軽犯罪法に抵触するグッズも見受けられる。同法では「正当な理由がなくて刃物、鉄棒その他人の生命を害し、又は人の身体に重大な害を加えるのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、これを拘留又は科料に処する。」とされているからである。購入される場合は、この点も注意されたい。(中西)

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