週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「表現の自由」を制限できるのは誰か

トランプ前大統領の支持者らが米連邦議会議事堂を襲撃する事件を巡るプラットフォーム事業者の対応について、「偽情報」の拡散や暴力を助長する「犯罪インフラ化」を阻止するために事業者自らが積極的に関与すべきか、「表現の自由」の制限は一事業者が判断することではなく政府や裁判所が判断すべきだ、との相反する考え方の間で検証が進んでいる。翻って、日本ではコロナ禍における社会不安の増大を背景としたネット空間での誹謗中傷が激しさを増しており、そこに真偽の定かでない情報の拡散が絡み、事態をさらに悪化させる悪循環に陥っている。「(表現の自由を行使する場合)相手への敬意を保ち、同じ社会、地球に暮らす人々を故意に、あるいは不必要に傷つけないよう、自ら戒める責任を負う」(トルドー首相)との言葉からあらためて深く考えたい。(芳賀)

カスタマーハラスメントは犯罪にもなり得る。警察は使命を果たすべき

消費者庁が、「消費生活相談における相談対応困難者(いわゆるクレーマー)への対応マニュアル作成<事業実施報告書>」を公表した。カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)は、行政の消費生活相談員にも向けられている。その現状を踏まえて、暴言等に発展した場合の対応の打ち切りや警察対応を行政サービスに関して打ち出した点は、画期的だ。一方で、企業においても誠実に対応している担当者に対するカスハラも後を絶たない。警察に相談しても、警察の動きも鈍い。行政・民間を問わず、警察に相談するのは「対応困難になった段階」であり、カスハラは、メンタル不調等を誘発する暴行的な行為であること、業務が著しく妨害されていることを認識すべきだ。お客様は神様の意識から脱却できない経営者はもちろん、警察幹部の意識改革が強く求められる。(西尾)

(参考)
◆消費者庁 対応困難者への相談対応標準マニュアル作成

▼概要

▼報告書

COCOAの失敗をデジタル庁に生かせ

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」で発生した不具合について厚生労働省は2月18日、内閣官房IT総合戦略室との検証チームを立ち上げると発表した。新たに発足するチームには補佐官として東日本大震災で活躍した「Code for japan」代表の関治之氏らも名を連ねる。オープンプロセスによる一刻も早い信頼回復を願いたい。もともと、同アプリはエンジニアたちが有志で立ち上げたオープンソフトウェア「Covid19Rader」から開発が始まった。その後複雑な経緯を経て、最終的には厚労省が開発の委託業務を結ぶ企業に引き継がれ、さらにそこから複数の会社が開発・保守などを別々に再委託された。今回の不具合は政府のIT構築における構造的な問題による可能性も高い。今年9月には国のDXを推進するデジタル庁も発足する。ぜひ今回の失敗を次のデジタル戦略に生かしてほしい。(大越)

全体最適を目指したニューノーマル対応を!

レジ袋有料化が義務となり8か月経つが、レジでの緊張感が高まったのは私だけだろうか?レジに買う物を置いたら、客は財布とマイバッグを取り出し、ポイントカードやクレジットカードを自分で読み込ませ、暗証番号を入力する。マイバッグに買ったものを放り込む途中で、「ありがとうございました」と笑顔と共に差し出されたレシートを受け取り、レシートを財布にしまう間もなく、後ろに並ぶ人に「すみません」と頭を下げつつ急いでレジを離れ、やっと財布をバッグにしまう。キャッシュレス化の推進やコロナ対策もわかる。しかしこの狭いレジ前での慌ただしさは憂鬱で、つい店から足が遠のく。気にし過ぎなのはわかっている。だが世の中には気にし過ぎる人もいるものだ。レジフローや接客、店内レイアウトにも、ニューノーマル対応が進むことを願う。(吉原)

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