週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

「普通」も「多様性」も不変的・普遍的な概念ではない

「多様性が当たり前の世界はどのような風景ですか?」の問いに対する大学生らの回答が秀逸だ。例えば、「真に多様性が当たり前の世界になるには、「他容性」にならなければならない」、「多様性が他容性に変われば、個々人が生き生きとした活動をすることができ、世の中に様々な進歩をもたらしてくれるだろう」、「違いが逸脱ではなく単なる違いでしかなくなれば、私たちが無意識に拠り所にしてきた「普通」や「当たり前」といった概念も存在しなくなる」、「きっと心無い言葉も世の中からはなくなると思う。そして同時に、「多様性」という言葉も必要なくなるだろう」などだ。コミュニケーションの力で「普通」と「多様性」が渾然一体となり、空気のような「普遍性」や心理的安全性を得て、個性や能力を遺憾なく発揮できる、そんな風景を思い巡らす。(芳賀)

ルールの変化にいかに対応するか。世界に取り残されないためにも、国民の真価が問われる

ワクチンについては早く希望者の接種が進むことを願う。国内でもワクチンパスポートの実証実験が始まる。ワクチンの接種は自由であることは否定しない。体質的に打てない人がいることも確かだ。だが、社会全体で様々な活動を進めていくためには、対法人であれ、対消費者であれ、ユーザーからすれば、自社や自身の感染予防・安全配慮義務の観点から関係者のワクチン接種状況を確認し、対処せざるを得ない。健康面に影響を及ぼす以上、特に感染症の場合は、自身の人権だけではなく、他者の人権・生命にも関わることは看過すべきではない。既に海外ではワクチンパスポートを利用し、次の段階に進んでいる。ルールは変わった。世界から取り残されないためにもガラパゴス的発想を避け、次の段階に進む必要がある。「失敗の本質」を繰り返してはならない。(西尾)

大阪3歳児虐待死、母親の交際相手である同居の男を逮捕

幼い命が失われた。大阪府では、児童相談所から警察に虐待情報を「全件共有」する仕組みが4月から導入されていたが、結果として機能しなかった。また、男児が通う保育園や母親の知人から男の虐待を疑う情報が相次いでいたが、市や児相は「緊急性は低い」と判断した。虐待への警察の介入を躊躇すべきではない。一方、「疑い」の段階では、親への対応の難しさも問題となっている。虐待という強い言葉が親を頑なにさせるという。虐待に対する知識の不足も問題だ。虐待と躾の違いはなにか。そこにはグレーゾーンもあるだろう。しかしながら、「子供が耐え難い苦痛を感じる」ならばそれは虐待と考えるべきだ。虐待は決して許されないが、虐待をしてしまう親は原因を抱えている場合が少なくない。根本的に解決するには、虐待をしてしまう親への援助が必要だ。(伊藤)

新型コロナワクチン、誤情報に注意

手前味噌で恐縮だが、筆者の地元である小金井市医師会の新型コロナに関するメッセージが少し前にSNS上で話題になった。「ワクチンの効果、誤情報に注意」としてネット上のデマに分かりやすく解説しているので、少しご紹介したい。「mRNAワクチンを打つと自分の遺伝子に組込まれるのではないか?」の質問には「組込まれません。mRNAはすぐに分解され、体内に残りません」、「ワクチン接種したネズミが2年で死んだと聞きました」には「ネズミの寿命は2年です」、「5Gに接続される、磁気をおびる」では「そのような事実はありません」と、回答も簡潔で小気味がいい。フェイクニュースが飛び交うネットの時代、拡散される情報は「正しい情報」ではなく「皆が飛びつくであろう」情報だ。ページでは、信頼できるサイトも紹介されている。騙されないようにしたい。(大越)

▼小金井市医師会からのメッセージ(新型コロナワクチンについて その8 ワクチンの効果、誤情報に注意 )

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