週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

社会的包摂の重要性をあらためて認識したい

過激派組織「イスラム国」(IS)最高指導者のバグダディ容疑者に続き、後継者のハシミ容疑者も米軍の急襲作戦で死亡した。だが、ISの活動への影響はほぼないはずだ。そもそもISの指揮系統は分散されている。そして何より、ISは「思想」によってテロリストを支配している。世界各地のホームグロウンテロリスト等の自立・自律的な行動が主流であり、その死は逆に世界中のテロリストを鼓舞することとなろう。国土と人心の荒廃がさらなるテロを生み出す悪循環を断ち切るのは容易ではない。一方、日本では、「拡大自殺」とも「思想」なきテロとも言われる事件が相次ぐ。社会への強烈な不満や他責の念、孤立が背景にあるとされるが、それを個人的な要因に矮小化すべきではない。孤立や社会的排除を生む社会的背景の改善に向けて、私たちにもできることはある。(芳賀)

リスク管理の観点から改正公益通報者保護法を考える~4

※当社の公式見解ではなく、筆者個人の見解です。

通報者特定情報に関する守秘義務は、「公益通報対応業務従事者であった者」にも課せられる。すなわち、社内異動等で通報関連業務に携わらなくなった後も、自らが捜査の対象となる可能性は残る。リスク管理上最も危惧するのはこの点だ。「公益」通報者は数名でも、従事者は受付から調査・是正まで含めると相当な人数になる。長期なれば尚更だ。それだけの人数が刑事罰を科せられる可能性に置かれるのだ。同法の対策としては、公益通報者を保護するための制度設計はもちろん、過去の業務従事者も含まれることも考慮し、通報対応業務のフロー等を見直し、外注等も活用して、少なくとも自社の業務従事者該当者を極力減らす等の方策を検討するととともに、通報案件の情報共有・管理の在り方、基準や記録の在り方等、危機管理対策についての検討も不可欠だ。(西尾)

▼改正公益通報者保護法

▼参考ブログ ビズネス法務の部屋(山口利昭弁護士)

▼リスク管理の観点から改正公益通報者保護法を考える~3

全国657カ所で危険な盛土による土砂災害の恐れ

2021年7月に静岡県熱海市で発生した土石流を受けて、政府が都道府県に要請した「盛土総点検」の暫定結果が昨年12月に公表された。人家等に影響のある盛土について土地利用関係各府省(国土交通省、農林水産省、林野庁、環境省)の連名で、都道府県に対して8月11日に通知したもの。点検の結果、必要な災害防止措置を確認できなかった盛土は全国に657カ所。政府は暫定結果を踏まえ、22年の通常国会で関連法の改正案を提出する方針だ。対策に当たって、国は「行為者等による是正措置を基本としつつ、対応が困難な場合は地方公共団体等が危険箇所対策を実施するとともに、国は地方公共団体等に対して支援していくべき」と明記した。一刻も早い是正を願うとともに、企業も該当場所を確認し、必要に応じて従業員に対して注意喚起を行うなど適切な対応が必要だ。(大越)

▼盛土の総点検に関する暫定とりまとめ

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