週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

ロシアの情報統制がもたらしたもの~SNSの存在意義が問われている

ロシアが情報統制を強化する中、言論の自由を謳い公平性・中立性を盾に多くの問題解決を先送りしてきたSNS各社は、言論の自由のために公平性・中立性を捨て、自らの存在意義を問うている。メタは「我々のポリシーは、軍事侵攻に対する自己防衛を表現する人々の権利を守ることだ」として暴力容認の姿勢を見せたことでロシアから「過激派組織」に指定された。ツイッターは「ダークウェブ」内に自社ページを立ち上げた。そのアクセスに必要な匿名化ソフト「Tor」は、そもそも「ネット上の監視から市民を守る」ために開発されたものだ。同様に、犯罪組織に悪用されることの多い暗号化メッセージアプリ「シグナル」も急速に浸透しつつある。暗号化技術のもつ犯罪インフラ性と社会インフラ性。SNSの公平性・中立性。有事は隠された二面性を暴き価値観を揺さぶる。(芳賀)

▼ネット匿名化ツール、ロシアで利用急増 統制に反発(2022年3月21日付日本経済新聞)

BCPに必要な重要6要素

3月11日付け日経新聞によると、関東圏の1都7県で、国が定める「重要6要素」を満たすBCPを策定している市区町村の割合は2020年6月時点で32.1%だったという。内閣府防災は2015年、人口1万人に満たないような小規模な市町村であってもあらかじめ策定しておくべき事項をまとめた「市町村のための業務継続計画作成ガイド」を策定した。6要素はガイドのなかで指摘されたもので、(1)首長不在時の明確な代行順位及び職員の参集体制(2)本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定(3)電気、水、食料等の確保(4)災害時にもつながりやすい多様な通信手段の確保(5)重要な行政データのバックアップ(6)非常時優先業務の整理-を指す。この6要素については、企業にも十分に共通するものだろう。HPでは事例も豊富に紹介している。自社のBCPを見直すときの参考にしてほしい。(大越)

▼大規模災害発生時における地方公共団体の業務継続の手引き(内閣府)

次々に発生する危機に思う

1995年3月20日は地下鉄サリン事件が起きた日。かつての上司(兵庫県出身)が、「サリン事件が起きた途端に、阪神淡路大震災関連の報道が一気に減り、もうどうでもよくなったのか?と腹が立った」と言っていたことを思い出す。そう、あれも同じ年だった。当事者にとって、忘れられること、多くの人が気に留めなくなることは、とても辛いことだ。しかし現代。ウクライナが気になる中、東北では大きな地震が発生し、コロナはどうなった?と思っている間に電力が足りないと!「忘れてはならないこと」が次々に起き過ぎて、気が休まらない。これが現代の日常なのか?現代の日常を逞しく歩み続けるには、目の前の危機に落ち着いて対処しつつ、過去に学び続ける姿勢が大切だろう。一人では難しい。ハードな日常を生き抜くために、世界が協力し合える日を願う。(吉原)

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