30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

生き残るのは誰だ~山口組分裂7年/工藤会トップ死刑判決1年

国内最大の指定暴力団六代目山口組が2015年に分裂してから7年、工藤会トップの野村被告に死刑判決が言い渡されて1年が経過した。分裂騒動が六代目山口組優勢のまま最終局面を迎えた矢先、神戸山口組から離脱した池田組と絆會が再度神戸山口組に合流するという驚くべき情報が入った。六代目山口組優勢は揺るがないが、「生き残り」をかけた深謀遠慮の応酬がどのような最終局面を導くのか注目される。一方、工藤会は正に「生き残り」をかけた正念場を迎えている。構成員の減少と高齢化、後継者不足が深刻だ。関東で「生き残り」をかけ半グレとの連携を進めるが、包囲網は強化されるばかりだ。そして、工藤会の壊滅には離脱者支援の強化が不可欠だ。脱退したい組員を後推しする力になり内部から崩壊するはずだ。「生き残る」のは離脱者であってほしい。(芳賀)

米国同時多発テロとBCP

2001年9月11日に発生した米国同時多発テロから、昨日で21年が経過した。死亡者は犯人グループを合わせて2996人。負傷者は2万5千人にのぼる大惨事だったが、一方でBCP(事業継続計画)の有効性を世界に知らしめた事件でもあった。当時、米国の大手証券会社メリルリンチ(現バンク・オブ・アメリカ・セキュリティーズ)は、ワールドトレードセンターにハイジャックされた航空機が追突してから数分後には対策本部を立ち上げ、およそ20分後には9000人の従業員をビルから避難させたという。代替拠点に本部機能を移し、翌日から業務を再開させた。もともと、BCPの考え方自体は1980年代の金融機関の急激なOA化に対応するために生まれたと考えられており、いわゆる2000年問題に対応するためにも活用された。日本型のBCPも、災害対応の次はマルチハザードへの進化が必要だ。(大越)

「役職」で呼ぶか、「さん」付けで呼ぶか?

誰でも安心して自分の意見を言える心理的安全性の高い職場づくりに向け、管理職も役員も「さん」付けで呼ぶ文化を広めようとする企業がある。上司の言うことを絶対とする企業風土を改め、不祥事を防ぎ、斬新なアイディアを活かすには、「さん」付けは手軽で有用な第一歩であろう。一方、役職呼びには「役職者としての自覚を持たせる」という期待は込められると思う。役職呼びが、役員から管理職への「役職者なのだから、正しく判断し適切な指導をしなさい」というメッセージならば、悪くない。役職呼びか「さん」付けか、どちらで呼ぶかはトップの意向に左右される。役職呼びが通常でも、あからさまな上下関係を嫌う部下がいるならば、上司から「さん」付けを求めても良いと思う。某朝ドラのお義母さんのように「しーちゃんと呼んで」は行き過ぎだが…。(吉原)

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