30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

サイバーリスクへの対応の遅れは経営陣の責任

官民の複数のサイトがDDoS攻撃にあい、一時閲覧できなくなった。攻撃者は、政治的思想を掲げて活動する「ハクティビスト」と呼ばれるハッカー集団「キルネット」で、北方領土問題やウクライナ侵攻支持の立場から西側諸国の企業や政府機関に攻撃を仕掛けている。一方、日本企業に社内のシステムの脆弱性についての対応を聞いたところ、評価点は世界で最低水準だったという。2021年末に発見されたログ管理ソフト「Apache Log4j」の「最悪レベル」の深刻な脆弱性への対応では、トレンドマイクロ社の提供したツールを使って対策を講じた割合は41%にとどまった(米国は68%、世界平均は60%)。さらに別の調査では日本の大企業の社員のパスワードの多くが脆弱であることも判明した。これだけの不作為が放置されれば、内部統制構築義務違反の可能性も否定できないレベルだ。(芳賀)

▼社内システムの脆弱性、日本は世界最低水準(2022年9月6日付日本経済新聞)

▼企業の漏洩パスワード6割が脆弱 推測容易で瞬時に突破(2022年8月26日付日本経済新聞)

台風14号、コンビニ4000店が休業対応

台風14号は九州から西日本に爪痕を残し、現在(20日8時現在)も列島を縦断中だ。NHKによると、朝7時17分時点のニュースでは全国で2人が死亡し、1人が行方不明。けが人は全国で少なくとも122人にのぼっているという。引き続き警戒を怠らないようにしたい。今回、新しく注目されたのが各コンビニエンスストアの休業対応だ。九州、中国、四国、近畿地方でセブン・イレブン、ファミリーマート、ローソンなど約4000店舗以上が計画休業を行ったという。特に水害対策BCPにおいては事業を継続するために「事業を一時的に止めること」は非常に重要だ。コンビニエンスストアの事業を継続するためには、まず何よりも従業員や配送員など、そこに働く人の命を守ることが最優先事項であるからだ。全国で店舗を展開する企業はぜひ参考にして、BCPに反映していただきたい。(大越)

満席の航空機に思う、ルールを守ることの重要性

満席の飛行機にて。機材調整のため定刻の30分遅れで搭乗し、ドアが閉まったとアナウンスがあったが…荷物が棚に収まらない。その航空会社では、機内持ち込みは「身の回り品(ハンドバッグ、カメラ、傘など)のほか、手荷物1個」とされている。しかし「これが入らない」とCAさんにスーツケースを渡している人の手荷物は、足元に入らない大きなリュックサックに加え、大きな紙袋も1つ。ゲート内でお土産を買うならスーツケースは預けるべきだったのでは?同様の光景が機内のあちこちで見られ、CAさんは空いている棚を探して走り回る。結局定刻より50分遅れて到着した。荷物を預ければ、受取るまでに時間がかかる。「自分さえ良ければ」の人の荷物収納に時間をかければ、全員の到着が遅れ、ルールを守って荷物を預けた人はさらに遅くなる。腑に落ちない。(吉原)

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