30秒で読める危機管理コラム

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

三栄建築設計 第三者委員会調査報告書から学ぶべきこと

本件は、あらためて適切なガバナンスと反社会的勢力排除のための「内部統制システム」の整備の重要性を認識させられた事案だ。報告書は、「創業者のみに原因がある特異な事案であり、創業者が役員を辞任し、取締役の構成も変わったことをもって足りると安易に考えるのではなく、反社会的勢力との関係をもってしまうことが企業としての存立を危うくしかねない極めて深刻なリスクであることを痛感し、将来にわたり反社会的勢力との一切の関係遮断を実現しなければならないという強い意志を持ち続けていく必要がある」と指摘する。反社リスクは、正に「企業の存続と従業員の人生を左右しうるほどの破壊力をもつ」重大なリスクであるという危機意識をすべての企業が持ち、緊張感をもって業務にあたるべきということこそ、本件で学ぶべきことだと言えよう。(芳賀)

モロッコ地震、2000人以上が死亡

日本時間の9月9日午前7時過ぎ、北アフリカのモロッコ中部、マラケシュから70キロ離れた内陸部を震源地とするマグニチュード6.8の地震が発生。現地国営メディアはこれまでに2000人以上が死亡したと伝えているが、まだ被害の全貌はつかめておらず被害はさらに拡大する可能性が高い。まずは一人でも多くの人命救出を願う。報道によると最も揺れが強かったところで震度は5強から6弱程度に相当。現地でも建物の耐震化は進められていたが、旧市街や山間部では建物の耐震性が低いことや、夜に地震が起きたことで被害が広まった。東大地震研究所の佐竹健治教授は「今後1週間程度は同じような規模の揺れが発生するおそれがある」とする。モロッコ北部はアフリカプレートとユーラシアプレートの境界に近く、日本の状況に似ている。今後の成り行きを見守りたい。(大越)

名もなき被害者、名もなき加害者はたくさんいる

小学生の頃、近所に執拗に自分のスカートの中を触らせようとする女の子がいた。彼女はどこでそんなことを覚えたのだろう。彼女とは遊びたくないと家族に訴えたが、「仲良くしなさい!」と叱られ、その理由は言えなかった。中学生の頃、本屋で後ろを通る人の体が何度も不自然に当たる。顔を上げると、少し離れたところでニヤニヤしている男子高校生らしき3人と目が合い、怖くて逃げた。高校生の頃、はじめて電車内で痴漢に遭った。何もできず、涙が溢れた。ここに書ける程度の話でさえまだまだある。これが現実だ。加害者の身分や立場によって、被害者の心の傷がどれほど変わるだろう。巷には名もなき加害者が溢れている。「人権侵害は許さない」と言うのは簡単だが、本当に自社にはないだろうか。他社を責めるより、自社を振り返る機会であって欲しい。

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