2025年07月28日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
正しい知識が若者を守る~大人が果たすべき役割は大きい
オンラインカジノと大麻の蔓延には共通項が多い。例えば、SNSやネット広告で「グレー」との不正確な情報が流布している点、スマホが犯罪との接点になっている点、「闇バイト」との親和性が高い点、若者への浸透が顕著な点などだ。「オンラインカジノはスマホ上で完結するため、他のギャンブルと比べても若年化している」、「ただでさえスマホには依存性があり、現代人は手放せなくなっているのに、そのスマホの中に24時間、365日、ばくち場がある」ため「ダブルで依存症になる危険性」があり、「大損した結果、もともと収入の少ない若い人たちは闇バイトに手を出し、犯罪に加わってしまうおそれも大きい」とは「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の指摘だが、大麻を入口に薬物依存症リスクを高める若者の行動とも重なる。正しい知識の浸透が急務だ。(芳賀)
新しい津波情報「欠測」とは
気象庁は7月24日から、津波に関連する新しい情報として「欠測」の運用を始めた。
欠測とは、津波の観測点で津波の監視や観測ができなくなる状態を指す。地震によって観測データを送る機器の通信網が途絶した場合などに発生するという。欠測の情報が出たときにはどのような行動をとればよいのか。東日本大震災では、津波によって観測機器が押し流され、観測が不可能になった場所が多く発生した。能登半島地震でも石川県珠洲市で漁港に設置されていた津波計が地面隆起のため観測できなくなった。すなわち、欠測の情報が発せられた時には「津波のデータが取れないくらい危険な状況」と判断する必要がある。気象庁では「大津波警報などが発せられている状況で欠測という情報を見聞きしたら、高い津波があったと考え速やかに避難してもらいたい」としている。(大越)
「良い仕事」こそ、持続可能にするために
お気に入りだったサンドウィッチ店が閉店するという。庶民的な食材・庶民的な価格だが、非常に丁寧に作られており、営業時間内でも完売すれば早めに閉店してしまうほど老若男女に大人気。だが…1人で毎日18時間働いても、利益がほとんど残らないのだとか。「良い仕事」で多くの人を笑顔にしようと心身を削っても、報われず、持続できないことが残念でならない。これほど手間をかけるなら、もっと高級品として売り続けてほしかった。種類を減らしたり、一部を誰かに任せたりと、おいしさを残す道はきっとあったはずだが…日々の激務で頼れる人を探すこともできず、静かに「良い仕事」が失われていく。どんな仕事も、「良い仕事」を持続可能にすることが真の「お客様のため」。限界まで我慢せず、自身の健康と経済を守らなければ、顧客の笑顔も守れない。(吉原)
通報窓口の担当者だけでなく、現場の管理職も通報を受け付けなければならない
「公益通報」や「内部通報」と言うと、「通報窓口」が受け付けるものだとイメージしている人もいるかもしれないが、消費者庁は「職制上のレポーティングラインにおける報告(いわゆる上司等への報告)やその他の労働者等及び役員に対する報告についても内部公益通報に当たり得る」との見解を示している。通報窓口は、職制上のレポーティングラインが機能しない場合の “バイパスルート”だ。よくある誤解として、現場の管理職が部下から相談されたときに「通報窓口に言って」と通報窓口に丸投げしてしまうことがある。通報窓口があるからと言って、通常のルートを機能させずに済むことにはならないことに留意してほしい。(もちろん、現場の管理職が対応に苦慮した場合に、例えば、管理職が通報窓口に相談して連携することを否定しているわけではない。)(安藤(未))
▼消費者庁「公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)の解説」(令和3年10月)
※職制上のレポーティングラインについては、7ページの注11に記載されています。