2025年09月01日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
彼を知り己を知れば百戦殆からず~犯罪組織の実態
ランサムウェア攻撃グループ "Black Basta" の流出した内部チャットを徹底分析したレポートを三井物産セキュアディレクションが公開した。全体の8割近くがロシア語による書き込みだが、攻撃対象の選定を巡って、リーダー格が独は米国と同レベルで支払ってくれる」「欧州は防御が弱い。相手にするのが楽だよ」などと発言。被害組織が身代金の要求に応じる確率は欧米間で大差がない一方、防御力が劣るとして欧州を攻撃するようアドバイスしていた。ただ、仏は「金を払わないから仕事として扱わない」と攻撃を避けており、被害組織の国別内訳で実際に仏は1%未満となった。AIを悪用してだますための文面を作成、脆弱性情報をこまめに収集し、すぐに悪用方法の検討を開始するなどの犯行手口も明らかになった。極めて貴重な内部情報から際立つのはその用意周到ぶりだ。(芳賀)
石破政権は一体どこを見ているのか
米国との関税交渉で日本から5500億ドル(約80兆円)の投資が拠出されるのに続き、ビル・ゲイツ財団が支援する国際ワクチン推進機関「Gavi」に約810億円の支援がわずか30分の石破・ゲイツ会談で決定。英仏などの欧州各国では、ワクチン開発への援助予算が次々と削減され、米国ではmRNAワクチン開発への投資を中止すると発表した。その上にベトナム人を中心とした外国人技能実習生がこの5年間で全国で39906人が失踪している。そこに今度はアフリカ4か国の「ホームタウン化計画」を進めるという。さらにはインドに10兆円の民間投資をして50万人の交流促進、5万人の技能者を呼び込むという。欧米各国の治安悪化をよそに実質的な移民政策が進む。消費税廃止もなく、失業率も高止まり。物価高にも苦しむ日本国民を尻目に、外国支援の予算は一体どこから出てくるのか。(石原)
富士山は必ず噴火する
先週本稿でご紹介した東京都の富士山噴火動画に引き続き、8月26日に内閣府防災が「富士山の大規模噴火の降灰と影響」動画をアップした。長年富士山の研究をしておられる東京大学名誉教授の藤井敏嗣先生は動画の中で冷静に「富士山は平均すると30年に一度噴火していた。それがここ300年は静かな状態が続いている。富士山はとても若い活火山であり、必ず噴火する」と述べている。東京都の動画では都内の噴火による影響や今からできる住民の備蓄などを中心に構成されているが、内閣府の動画では関東一円における降灰の影響や電気・水道・通信・交通・鉄道などのインフラ被害に力点を置いており、より実務家向けの内容といえるだろう。今日9月1日は防災の日。BCP担当者は従業員への啓発の意味も込めて、2つの動画を社内で共有していただきたい。(大越)
▼YouTube 内閣府防災『富士山の大規模噴火と降灰の影響(内閣府防災)』
※音声が流れます。ご注意ください。
「死にたい気持ち」は日常と地続きだから
セミナーにて、ハラスメントの深刻な影響やメンタル不調の兆候について話すことがある。時々ご指摘いただくのが「深刻な話をしているのに、講師が笑顔であることが受け入れがたい」というもの。話している間は無我夢中であり、笑顔をつくる余裕もないのだが、知らぬ間に笑顔で誰かを不快にしてしまっているらしく、申し訳ない。深刻なことを明るく扱うつもりはないが…心当たりがあるのは、死にたい気持ちを「普通に」扱っているということ。ハラスメントは誰もが加害者にも被害者にもなり、死にたい気持ちを持つことも、誰にでもあり得る。「死にたいなんて思ってはいけない」「口に出すべきでない」と、特殊なこととして一人で抱え込まないでほしいのだ。死にたい気持ちは日常と地続き。大丈夫、死にたい気持ちがあっても、人は生きられるものだから。(吉原)
ゴーグルを用意しておこう~富士山の噴火に備えて
内閣府は、富士山で大規模な噴火が発生した場合に、火山灰によってどのような影響が出るのかシミュレーションした動画を公開した。我が家でも話し合ってみたのだが、備蓄については「ゴーグルが無い…」という話なった。もともと、地震を想定して、水、食料、簡易トイレ、懐中電灯(電池の予備もたくさん)などはあるし、コロナ禍以降、マスクは密着型のウレタンマスクと不織布マスクの両方がある。だが、降灰の場合、火山灰によって目が傷つくことを防ぐため、外出時にはゴーグルも必須だ。内閣府のガイドラインによると、エアコンの室外機は降灰によって目詰まりすることがあるらしいので、外に出て室外機にカバーをかける作業が必要かもしれない。火山灰をスコップ等で移動させることもあるだろう。この機に何が足りないのかを確認することが必要だ。(安藤(未))
▼YouTube 内閣府防災『富士山の大規模噴火と降灰の影響(内閣府防災)』
※音声が流れます。ご注意ください。
▼YouTube 東京都総務局総合防災部チャンネル『「富士山が噴火したら、どうすればいいの?」【本編・3分】降灰対策編動画』(2025/08/22)
※音声が流れます。ご注意ください。