2025年09月22日号
【もくじ】―――――――――――――――――――
サイバー空間の脅威に対し、私たちはあまりに無防備だ
サイバー空間の脅威は激甚化、高度化、多様化する一方だが、国家を背景とする攻撃からRaaSなど専門的知識をもたない一般人による攻撃など攻撃主体の多様化も顕著だ。サイバー攻撃がいつどこからでも行われる実態をふまえれば、企業はサイバーBCPの策定を急ぐ必要がある。警察がランサムウエア被害のあった企業・団体にアンケートしたところ、BCP を整備済の組織の割合はわずか6%だったという。あまりに無防備ではないか。ランサムウエア攻撃によるデータ暗号化は地震などの物理的災害とは被害の状況が異なり、調査・復旧作業や広報のあり方も異なる対応が求められる。さらに、暗号化対策となるオフラインバックアップ、侵害範囲特定に不可欠なログ取得、訓練、警察との連携等、サイバー攻撃のリスクを考慮したリスク管理体制の構築が被害の抑制に直結する。(芳賀)
防災対策としてのモバイルバッテリーの実態
モバイルバッテリーのシェアリングサービスを手掛けるINFORICHと、防災DXを推進するJX通信社は、BCP担当者を対象に「防災対策としてのモバイルバッテリー」実態調査を実施した。調査では「約98%のBCP担当者が、BCPの推進においてスマホの充電切れがリスクであると認識」の一方で「従業員向けの防災用モバイルバッテリーの備蓄は38.8%」と、災害時のスマホのバッテリー問題が切実である実態が浮き彫りになった。安否確認から帰宅困難者になったあとの情報収集まで、特に初動対応期におけるスマホへの依存度は年々高まっている。企業でもバッテリーを備蓄するのは当然として、現在では災害時でも72時間オフィス内のコンセントが使用できるよう設計されたオフィスビルも出てきている。災害時の対応をオフィス選びの必須要件に加えるよう、検討していただきたい。(大越)
ネットは便利だが…捨てがたい「紙」の魅力
Windows10のサポート終了を受け、自宅のPCを新調した。小型の機種ではあるが、やけに箱が小さく軽い。開封すると…紙の資料がない。セットアップガイドがなく、入っていたのはQRコードとURLが載った紙切れ1枚。これで確認するということか。幸い筆者は旧PCもギリギリ使えるし、スマホもある。家族に見せてもらうこともできる。しかし…一人暮らしでスマホより先にPCを買ってしまったら?旧PCが立ち上がらなかったら?…途方に暮れてしまいそうだ。電源を入れ、ガイドに従えばどうにかなるのかもしれない。紙の使用はエコではないかもしれない。ネットは知りたいことだけを知るにはよいが、先の工程も所要時間も準備事項もわからないまま設定を始めると思うと「何がわからないかがわからない」不安は募るばかり。あぁ紙が恋しい!(吉原)
こうやって暗証番号が漏れる
私の知人の話だ。ご母堂からアパートと土地を相続し、アパートの入居者がいなくなった段階で更地にし、大手住宅総合メーカーに売却することになった。ご母堂の代からアパートの管理を任せている地元の不動産会社に一連の仲介を依頼していたが、いよいよ売却金額が入金されるとなった時、銀行口座の暗証番号を聞かれたそうだ。当人はネットバンキングにしていないので、入金確認には通帳を記帳することになるが、不動産会社の担当者が「記帳するのは手間だろう」と、当人の目の前で、銀行の何らかのサイトにアクセスし、音声ガイダンスに沿って情報を入力する中で、銀行口座の暗証番号を求められ、そのまま入力したそうだ。当人が家族にこの話をしたところ「入金される時に暗証番号は必要ない」という話になり、慌てて銀行に連絡して口座を止めたそうだ。(安藤(未))


