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危機管理トピックス

「選択する未来2.0」中間報告(内閣府)/公益通報者保護法に基づく指針第1回検討会(消費者庁)/「今後の若年者雇用に関する研究会報告書」(厚生労働省)ほか

2020.10.27
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更新日:2020年10月26日 新着24記事

タイトルイメージ図

【新着トピックス】

~NEW~
金融庁 金融安定理事会による「サイバー事象の初動・回復対応の効果的な実務」の公表について
▼プレス・リリース
  • 金融安定理事会(FSB)は本日、金融機関におけるサイバー事象の初動・回復対応のための効果的な実務のツールキットを公表した。FSBは、当局および(金融エコシステムにおける)各組織に対して、サイバー事象の初動・回復対応を強化するため本ツールキットを活用することを慫慂する。
  • サイバー事象は、グローバルな金融システムの安定に対する脅威であり、リモートでの職場環境はCOVID-19の世界的大流行に照らすと警戒の必要を高めている。重大なサイバー事象は、適切に封じ込められなければ、重要な金融インフラを含む金融システムに深刻な混乱をもたらし、より広範な金融安定上の含意を持ち得る。
  • サイバー事象への効率的かつ効果的な初動・回復対応は、関連する、いかなる金融安定上のリスクを抑制するうえでも不可欠である。こうしたリスクは、例えば、複数の金融機関間や、金融機関と第三者サービス・プロバイダー間において相互に接続されたITシステム、主要な金融機関や金融機関のグループに対する信任の失墜、サイバー事象による財務上の損失に伴う資本の毀損等によって、もたらされる可能性がある。各組織のサイバー・レジリエンスは、金融システムの円滑な機能や金融安定の確保に欠かせないものである。
  • 各組織におけるサイバー事象への初動・回復対応の強化は、各国当局にとっても重要な焦点である。各国当局は、監督実務を通して金融機関における効果的なサイバー事象の初動・回復対応についての知見が得られる特別な立場にあり、複数の組織を横断的に観察することで、強化すべき分野を示唆することが可能となる。また、当局は、金融安定への潜在的なリスクとなるサイバー事象への対処において重要な役割を担っている。当局はさらに、適切な場合には、金融安定を損なうような脅威に対する防護のための情報共有に際しても、各組織を支援し得る。
  • 本ツールキットには、以下の7つの項目にわたる49の効果的な実務が記載されている。(1)ガバナンス、(2)計画・準備、(3)分析、(4)影響緩和、(5)復旧・回復、(6)連携・情報共有、(7)改善。
  • 本ツールキットの最終版には、4回のバーチャルでのアウトリーチ会合を含む市中協議の過程で寄せられたフィードバックが反映されている。また、本ツールキットは、10月のG20財務大臣・中央銀行総裁会議に提出された。
  • FSBは本日、市中協議において挙げられた主要な論点の概要についても公表し、それらに対応するために最終版に加えられた変更について説明している。

~NEW~
金融庁 金融審議会「銀行制度等ワーキング・グループ」(第3回)議事次第
▼資料2 討議いただきたい事項
  • 銀行(本体)の付随業務に、保有するリソースを活用した地方創生等に資する一定の業務を追加することとし、その範囲については、例えば、銀行(本体)が自行用に開発したソフトウェア/アプリケーションのうち、デジタル化などを通じて他の事業者の生産性向上などに資するものを提供する業務や、営業職員が地域における渉外業務の際に、併せて、高齢者などの日常生活の支援を行う業務(いわゆる「見守りサービス」)など、その業務のために、その業務に係る需給次第で余剰となり得る能力を新たに獲得することを基本的に伴わないと考えられる業務であることを要件の1つとする、ことが考えられるが、どう考えるか
  • 銀行グループが、地方創生等に資する業務を(グループ全体として)シームレスに営むことを可能とする観点から、例えば地域の高度人材に関連した業務について、上記を踏まえ、銀行(本体)については、(人材を直接雇用することとなる)人材派遣業務を営むことについて慎重に考え、従来通り人材紹介業務を営むことに止める一方、銀行の子会社や兄弟会社が、銀行業高度化等会社に係る「一定の類型の業務」として、地域の高度人材の派遣業務を営むことを認める、という方向性について、どう考える
  • 上記を踏まえて銀行(本体)の付随業務に地方創生等に資する一定の業務を追加する場合、その業務が銀行(本体)に直接リスクを及ぼし得ることなどに鑑みれば、業務の外縁を明確にしておく必要があると考えられる。一方で、地域におけるニーズや銀行に求められる役割に変化が生じた場合には、可能な限り迅速に対応できるような制度的枠組みとしておくことも重要であると考えられる。このため、仮に、追加する付随業務を法律に規定する場合には、下位規範またはガイドラインにおいてその外縁を明確化し、機動的・柔軟に拡充できる枠組みとすることが適当と考えられるが、どう考えるか
  • 現行制度上、複数の銀行グループに対してバックオフィス機能を提供する従属業務会社は、総収入の90%以上をそれらのグループから得ることとされている(収入依存度規制)。この数値基準は、2の銀行グループが、専らそれらのグループにバックオフィス機能を提供する従属業務会社を共同で新設することを念頭に設定されたものであり、2006年以降見直しがなされていない。今日において、この90%以上という数値基準が、銀行・銀行グループの業務提携や資本提携を通じたバックオフィス機能の合理化・効率化を阻害することがないよう、一般の従属業務会社に係る原則50%以上という基準と同程度にまで緩和することについて、どう考えるか。
  • 銀行・銀行グループが業務提携や資本提携を進める中で、例えば合同で金融関連業務会社を設立し、それぞれの関連法人等とすることもあり得ると考えられる。こうしたことを踏まえ、現在は(銀行の)子会社・兄弟会社までを「グループ」として捉えている収入依存度規制について、これを関連法人等までとすることについて、どう考えるか
  • 現行制度上、グループの頂点に位置する銀行持株会社は、グループ会社の経営管理に加えて、予め認可を受けることで、グループ各社に共通・重複する業務を営むことが認められている。共通・重複業務は多岐にわたるが、少なくとも、福利厚生に関する業務や事務用物品の購入・管理業務などを営む場合については、事前の認可にかからしめる必要はないと考えられる。こうしたことなど、銀行持株会社の共通・重複業務に係る規制の合理化を図ることについて、どう考えるか
  • 銀行法は、銀行が、銀行業や保険業を営む外国の会社(以下「外国金融機関」という)を子会社・兄弟会社とすることを認めている。ここでいう外国金融機関とは、現地法令に準拠して設立され、現地当局の監督下にある金融機関のことであり、例えば日本においては銀行に認められていない業務を併せ営む外国銀行も、その範囲に含まれ得る。現行制度上、銀行・銀行グループが買収した外国金融機関が保有する外国会社については、業務範囲規制の適用が買収後5年間に限り猶予されることとされている。また、現地における競争上の理由などにより必要があると認められる場合には、金融庁の承認の下で、猶予期間の延長を認める枠組みが設けられている。これについて、銀行・銀行グループによる一層円滑な国際業務展開に資する観点から、当初猶予期間を5年間から10年間に延長することが考えられるが、どう考えるか
  • 金融業務の代理・媒介からリース業に至るまで幅広い業務が含まれる金融関連業務については、銀行業などと比較して規制・監督が国際的に収斂しておらず、銀行法は、(外国銀行などの場合とは異なり、)日本国内の金融関連業務会社に許容される業務範囲に適合しない限り、外国の金融関連業務会社を買収することを認めていない。こうした中、銀行・銀行グループによる一層円滑な国際業務展開に資する観点から、リース業などを営む外国の会社については、一定の条件の下で、買収後10年間に限り業務範囲規制の適用を猶予することが考えられるが、どう考えるか。
  • また、この場合についても、現地における競争上の理由などにより必要があると認められる場合には、金融庁の承認の下で、猶予期間の延長を認める枠組みを設けることが考えられるが、どう考えるか
  • 2001年に銀行主要株主規制が創設された。それから約20年の間に、一般事業会社による銀行業参入が進展した。例えば、いわゆるコンビニATMの普及により銀行口座の引出し・預入れなどの利便が格段に向上したり、実店舗を有しない一方で手数料水準が相対的に低い銀行が登場するなど、一般事業会社が保有する銀行は、利用者に相応の便益をもたらしてきたと考えられる。また、実態として事業性融資は広くは取り扱っていないなど、提供している銀行機能は限定的であり、一般事業会社が保有する銀行が、少なくとも現在までの間に、それら以外の伝統的な銀行にはないかたちで課題を顕在化させたとは言い難い。こうしたことなどを踏まえれば、現在銀行を保有している一般事業会社について、現時点において、銀行主要株主としての追加的な規制を課す必要は必ずしもないと考えられるが、どう考えるか
  • いわゆるデジタルプラットフォームは、今日の経済社会の活力の向上や持続的発展にとって重要であると考えられる一方、決済方法や手数料などについて自社や関連会社を優遇しているとの懸念も指摘されている。2020年5月には、こうしたことを背景に、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」が成立した
  • 仮に、将来的に、デジタルプラットフォームを含む影響力の大きな経済主体が銀行を保有し、銀行業に係る優越的地位をも利用することで、経済社会において自社や関連会社に不当に優位なかたちで取引等を行う可能性を考えたとき、銀行主要株主規制に関して留意すべき点について、どう考えるか
  • デジタルプラットフォームは、その特性から、提供するサービスが短期間で大規模に普及(マス・アダプション)し得ることが指摘されている。仮に、将来的に、単一のデジタルプラットフォームが保有する銀行が、短期間で日本における銀行機能の多くを担うこととなる可能性を考えたとき、金融仲介機能や金融システムに与え得る影響に鑑みて、銀行主要株主規制に関して留意すべき点について、どう考えるか
  • 現行制度上、いわゆる事業親会社が保有する銀行については、兄弟会社業務範囲規制が課されず、兄弟会社は自由に「他業」を営むことができる。他方、銀行持株会社を頂点とするグループ(以下「銀行グループ」という)については、銀行の兄弟会社を含めたグループ全体に業務範囲規制が課されることとなる。こうした差異をめぐり、規制のイコールフッティングの観点から課題を指摘する声もある。これに関して、以下の点を踏まえれば、現時点において制度的な対応を行う必要は必ずしもないと考えられるが、今後は上記の点に留意し、必要に応じて随時対応を検討していくという考え方について、どう考えるか
    • 事業親会社が保有する銀行については、上記の点に留意する必要がある。
    • 銀行グループの業務範囲規制については、社会経済の変化を踏まえ、これまでも累次にわたり必要な緩和を行ってきた。結果、現在では、認可を受けることなどを条件に、銀行グループが従来「他業」と整理されてきた業務を営むことも可能となっている。なお、銀行グループが制約なく「他業」を営めるようにすることについては、今日においても慎重な意見が根強いと考えられる。
  • また、銀行グループについては、銀行を保有する一般事業会社グループと比較して充実したセーフティネットが整備されている点にも留意する必要がある。具体的には、銀行グループについては、金融システムの著しい混乱が生ずるおそれがあると認められるときに行われる「秩序ある処理」において、グループを一体としてセーフティネットの枠組みで処理することもあり得るとされている

~NEW~
金融庁 「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第20回)議事次第
▼資料4 事務局参考資料1(コロナ以後の経済社会構造の変化)
  • コロナ以後、インターネットショッピングやSNSの利用といった非対面・オンラインの活動が増加。医療に関しても、受診控えや需要拡大を受けたオンライン診療への対応増が見られた。他方、自宅以外における運動や外食といった直接接触・対面の活動が減少。
  • 今後もテレワークを続けたいとする従業員は52.8%に上る
  • コロナ禍を経て、地方移住に関して、特に20代において22.1%が関心が従前より高くなったと回答。東京都23区においては、35.4%に上る。コロナ禍を経て、副業を検討しはじめた・副業を持った人は計11%に上った
  • コロナ以降、休校等の子育てへの影響や生活環境が変化することに伴う高齢家族に関する不安も増大
  • コロナ禍を受けて、消費者のネットショッピングやキャッシュレス決済サービスの利用も増加傾向。収束後も、やや落ち込みはするものの利用量の増加が見込まれる
  • コロナ以後の消費者ニーズも受け、サービスや教育のデジタル化が進展。約9割がITやデジタルを活用したビジネスモデルの見直しの必要性が高まったと回答
  • 2020年第1四半期では、コロナの影響により、多くの業種で株価が下落。特に、空運業や海運業では株価下落幅が大きかった。他方、情報・通信業では上昇が見られた
  • 訪日外客数はコロナ以降大幅減。2020年4月~7月は、前年同月比-99.9%。輸出入も減少。特に輸出は、2020年5・6月ともに前年同月比-25%を超える大幅減。
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、所定外給与の大幅な減少が見られる。(特に飲食サービス業(宿泊業含む)や生活関連サービス業等(娯楽業含む)で顕著。)
  • コロナ以後、テレワークの実施割合が急増。一方、企業規模・業種によってバラつきも存在。
  • コロナ以後、キャリア観の変化を感じているテレワークの実施割合が急増。一方、企業規模・業種によってバラつきも存在。
  • 2020年8月時点、ジョブ型とメンバーシップ型とでは、ジョブ型を希望する人が半数存在
  • コロナ禍で物流やサプライチェーン面で課題が発生したとする企業は、6割近く存在
  • 2019年5月時点に比べ、コロナ禍を経て、感染症や取引先の倒産といったリスクの事業継続への影響を注視している企業が増加。
  • 危機が生じた場合の東京の年間損失額は対GDP比1.6%との積算も存在。台風や洪水、地震といった自然災害による損失GDPは70億ドルを超えるとされている。金融市場においても、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機に、投資家の先行きに対しての不安を示すとされているVIX指数が上昇するといった変化が見られた。
  • コロナ禍の企業業績へのマイナスの影響が既にある・今後あるとした企業は、2020年8月時点で82.4%にのぼる
  • 企業活動再開後、優先して取り組む施策として、大企業の22.6%、中小企業の34.0%が「手元資金の準備」を挙げている
  • 金融庁において、本年5-9月にかけて、内国系・外資系機関投資家や企業等に「ポストコロナにおいて注目していきたいガバナンス」についてヒアリングを実施。経営戦略の策定に関しては、
    • 投資家からは、変革が必要な時における社外取締役の役割の重要性や、経営戦略の修正が求められる中での取締役会のスキルセットの再考の必要性を説く声が聞かれた
    • 企業からは、アフターコロナの考え方や方針を策定し、内外に示すことの重要性やコロナ後の需要構造を踏まえたビジネスモデルの変革を説く声が聞かれた
  • 経営戦略の中でもDX関連に関しては、投資家からは、DXが重要でありDXを活かしてビジネスプロセス自体を変える必要がある、といった声や、デジタルリテラシーの改善も必要、といった声が聞かれた。企業からは、デジタル化を進めることで新たなビジネスモデルの確立に向けた対応を行っている、といった声や、業務のデジタル化もコロナを受けて進んだ、といった声が聞かれた
  • 働き方や雇用制度の見直しに関しては、投資家からは、人的資本投資の在り方を見直すべきであり、生産性向上をターゲットとした変革が必要、といった声や、オープンさを身に着けるためにもダイバーシティが重要になる、といった声が聞かれた。企業からは、ジョブ型のマネジメントインフラの整備が不十分であったため、今後の課題となる、といった声が聞かれた
  • リスクマネジメントに関しては、投資家からは、市場の動向を踏まえたバリューチェーンの在り方の見直しを含めた検討が行われるかに注目したい、といった声が聞かれた。企業からは、コロナは想定とはかけ離れたリスクであったといった声や、バリューチェーン上の課題が発生している、といった声が聞かれた
  • 財務戦略については、投資家からは、市場の動向を踏まえたバリューチェーンの在り方の見直しを含めた検討が行われるかに注目したい、といった声や、現金の積上げの単純な肯定はキャッシュ創出能力を削ぐ、といった声が聞かれた。企業からは、バリューチェーン上の課題が発生している、といった声や、キャッシュ不足の懸念を投資家等から抱かれないように、資本効率に加え安全性も意識する必要がある、といった声が聞かれた。
  • サステナビリティに関しては、投資家からは、従業員の安全・社会の安定への貢献といったS(Social)要素への注目が集まっている、といった声や、これまでの形式的なサステナビリティの考慮ではなく、自社にとって真に重要なサステナビリティ要素を考える必要性が出てくる、といった声が聞かれた。企業からは、特に既に自主的に取組みを進めてきた企業においては、従前と変わらず重要性を認識している、といった声が聞かれ、また、「企業価値」についてより中長期的な視点が重要となるとの声も聞かれた
  • その他、株主総会プロセスに関しては、投資家からは、議決権行使に向けて十分な検討期間を設ける等の観点から、株主総会の開催時期の分散等を説く声も聞かれた。企業からは、投資家からのクレーム等の可能性を考えると総会の日程を変えることは難しい、との声も聞かれた
  • 【ICGN】ICGNの共同のガバナンス責任に関する声明(2020年4月23日)(抜粋)企業経営者の皆様へCovid-19蔓延下でのガバナンスの優先課題
    • 近年、気候変動がもたらす課題により、コーポレート・ガバナンスと同様に、環境リスクについても対話を行う傾向となりました。Covid-19は、対話の重要性を更に強化し、企業の長期的な財務の健全性と持続可能性の主要な決定要因として社会的要素の重要性が高められた対話の新しい時代を示しています。このように、私たちは企業が以下の事項に対応頂く事の必要性を強調した「ICGNのガバナンスに関する共同責任に関する声明」を皆様に謹んでご提出申し上げます。
    • 財務の健全性と支払能力を維持するための短期的な流動性を確保しつつ、従業員の安全と福利を優先する
    • 社会的責任、公正性、持続可能な価値創造に関する長期的な視点を追求し、新たな現実に適応しつつ、企業の社会的な目的を明確化する
    • 従業員、利害関係者、資本の提供者の利害を念頭に、包括的かつ公平なアプローチで資本配分を決定する
    • すべての利害関係者と包括的にコミュニケーションを図り、企業の戦略と業務運営に強靭性を構築するアプローチへの信頼を定着させるCovid-19の蔓延は、我々の時代において最も重大な公衆衛生・経済の危機をもたらしており、世界規模での新たな形の協力が求められています。社会的欠陥や深刻な性別、人種、所得の不平等に対する深刻な認識に火がつけられました。影響力のある立場にあるビジネスリーダーや機関投資家として、私たちは、この前例のない課題を共に対処し、今後のガバナンス対話の新時代を先取りするにあたり、この書簡が共通の関心事項を提示することとなるよう期待しています。
  • 【一般社団法人機関投資家協働対話フォーラム】[緊急]エンゲージメントアジェンダ(2020年4月10日)「パンデミック収束後の世界の変化を見据えた、積極的なガバナンス発揮のお願い」(抜粋)【取締役の皆様へのお願い】
    • パンデミック収束後は、世界中の人々の意識や行動の変化が想定されます。保健衛生への意識の高まりはもとより、リモートワーク、オンラインイベント、オンライン学習や遠隔医療など、テクノロジーを今まで以上に活用した世界に大きく変化し、これに伴い事業環境も大きく変化する可能性があります。
    • こうした危機が、形を変えて過去何度も繰り返されてきた中で、欧米の企業はガバナンスを十分に効かせ、市場機能を活用し、新しい環境に適応して変化し、新陳代謝を遂げてきました。日本企業も、「以前の世界、会社に戻る」のではなく「新しい強靭な世界、会社を創る」ため、大胆な挑戦と改革をお願いいたします。
    • とりわけ、社外取締役の皆様には、事業活動に直接携わっていない客観的・大局的な視点で、かつ豊富な経験と高い見識をもつ社外役員ならではの視点で、パンデミック収束後の事業環境の変化、成長機会を見抜き、積極的なガバナンスの発揮をお願いします。長期保有の投資家は、危機をチャンスに変えようとする取締役の皆様を応援します

~NEW~
警察庁 人身取引(性的サービスや労働の強要等)被害実例を掲載しました。
  • 「人身取引」とは、「国際的な犯罪組織の防止に関する国際連合条約を補足する人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書」(通称:人身取引議定書)第3条において定義され、「搾取」を目的とし、暴力等の「手段」を用いて、対象者を獲得するなどの「行為」をすることをいいます。(被害者が18歳未満の児童の場合は「手段」は不要です。)
  • 「人身取引」は重大な人権侵害であり、人道的観点から迅速かつ的確な対応が求められているとの認識の下、政府が策定した「人身取引対策行動計画2014」に基づき、政府一体となって各種対策に取り組んでおり、警察においても、この悪質・卑劣な「人身取引」を撲滅するため、被害者の早期救出・保護、徹底した取締りなどを強化しています。
  • 被害の実例
  • 兆しは・・・もしいたらどうする  次のような場面は、被害の兆しかもしれません
    • 自分自身が被害者となる可能性
      • SNSで知り合った彼氏から、「俺が好きなら、ほかの男と援助交際してお金を稼いできて」としつこく言われる。
      • ホストクラブに何度も通い、お金がなくなったが、お店がツケにしてくれるので、料金を支払わず通い続けている。
      • 「日本で働けばすぐに大金が稼げる」と言われ、多額の手数料を借金して外国から日本へ来たら、パスポートを取り上げられた。
    • 周りに被害者がいる可能性
      • SNS上で、同じアカウントを使用し、何度も援助交際の相手を求めている投稿がある。
      • 女子高校生風の若い女性が、接待を伴う飲食店に入っていった。店には客引きが連れてきた客ばかり出入りしている。
      • 片言の日本語を話す女性が数人で同じアパートに住んでおり、いつも帰宅が深夜に及んでいる。
  • 被害者かもしれないと思ったら
    • 緊急の場合は「110番」や最寄りの警察署等へ通報を、相談については「#9110」や警察署等へお願いします。
    • なお、警察庁では、人身取引(性的サービスや労働の強要等)事犯をはじめ、暴力団が関与する犯罪、薬物・拳銃事犯、少年福祉犯罪、児童虐待事案等に関する情報について、皆様から広く情報をいただくため、民間の事業者に委託して匿名通報事業を実施しています。
    • この事業は、電話、ウェブサイトで受け付けており、一定の基準に基づきその事案の解決等に役立ったときは情報料が支払われますので、人身取引やその疑いがあると思われたら、情報をお寄せください。
▼匿名通報ウェブサイト
▼令和元年における人身取引事犯の検挙状況等について
  • 被疑者の状況
    • 国籍・地域別では、日本が38人と97.4%を占める。
    • 風俗店等関係者が8人(20.5%)、暴力団構成員等が5人(12.8%)。
  • 被害者の状況
    • 国籍・地域別では、日本が34人(77.3%)、外国が10人(22.7%)。外国はフィリピンが9人、ブラジルが1人。
    • 外国人の在留資格は、興行が6人、短期滞在が2人、その他が2人。過去5年間では、短期滞在が63.9%と最多。
    • 性別は、全て女性であり、過去5年間も女性が96.6%を占める。
    • 年齢別は、日本人は20歳未満が61.8%を占め、過去5年間でも61.0%と最多。外国人は20歳代が90.0%を占め、過去5年間でも58.0%と最多。

~NEW~
内閣府 月例経済報告
▼令和2年10月
  • 我が国経済の基調判断
    • 景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。
    • 個人消費は、持ち直している。
    • 設備投資は、弱い動きとなっている。
    • 輸出は、持ち直している。
    • 生産は、持ち直しの動きがみられる。
    • 企業収益は、感染症の影響により、大幅な減少が続いている。企業の業況判断は、厳しさは残るものの、改善の動きがみられる。
    • 雇用情勢は、感染症の影響により、弱い動きとなっているなかで、雇用者数等の動きに底堅さもみられる。
    • 消費者物価は、横ばいとなっている。
    • 先行きについては、感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、国内外の感染症の動向や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策と経済活動を両立し、雇用の確保、事業の継続を通じて国民生活を守り抜く。
    • その上で、感染症によって明らかになったデジタル化などの新たな目標について、規制改革など集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する。そのための主要施策について、「経済財政運営と改革の基本方針2020」等に基づき、経済財政諮問会議で議論される大きな方向性と重点課題に沿って、新たに設置した成長戦略会議において、改革を具体化する。
    • 引き続き、令和2年度第1次補正予算を含む「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」及び第2次補正予算を可能な限り速やかに実行するとともに、内外の感染症の状況や経済の動向、国民生活への影響を注意深く見極めつつ、必要に応じて、躊躇なく、臨機応変に、かつ、時機を逸することなく対応する。
    • 日本銀行においては、企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を強化する措置がとられている。日本銀行には、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する

~NEW~
内閣府 選択する未来2.0
▼選択する未来2.0 中間報告
  • 感染症拡大を防止するため、就業者の3分の1強がテレワークを経験し、柔軟で多様な働き方が大企業を中心に急速に広まった。東京23区では5割超の人の通勤時間が減少し、その7割超が今後も減少した通勤時間を保ちたいと考えている。また、テレワーク経験者では仕事より生活を重視するように変化した人の割合は3分の2に達している。一方、今回の危機では、弱い立場の人に負担のしわ寄せが生じた。4月に非労働力人口が94万人増加し、そのうち約7割が女性であり、高齢者も多い。社会の激変、国民国家の役割や国際関係の変化など前例のない課題に直面する中で、画一的な働き方などを変え、これまで以上に変化への対応力や課題設定・解決力、創造力が求められている
  • これまで活用が進まなかったオンライン教育の必要性と重要性が大きく高まっている。小中学生では、オンライン教育受講率の地域差が大きい。高校生のオンライン教育の受講率は大学生・大学院生の半分程度にとどまっている。総じて、公立学校におけるオンライン教育への対応の遅れが顕著である。一つの正解を導き出す同質的な能力ではなく、変化への対応力、課題設定・解決力、創造力の重要性が一層高まり、学校で教えるべき教育内容も問われている。また、オンライン教育の活用により、ひきこもりなど一人ひとりの能力や状況に応じた対応が可能であることも認識され始めている。コロナショックの下、新しいことに挑戦・取り組んだ人は全体で5割を超え、特に20歳代では7割近く、60歳代でも4割を超えている
  • 中国をはじめ特定の国・地域に供給を依存することのリスクの高さが浮き彫りとなり、効率性のみならず、供給先の多様化、国内のサプライチェーンの強靱性保持等の必要性が高まっている。内向きなナショナリズムが強まる中で、自由貿易体制を維持・発展させる必要がある。他方、感染症拡大を防止する国際貢献など新たな国際関係構築の必要性も高まっている。また、国際的なデータ流通・利活用、気候変動を含めたSDGs等に関するルールなどグローバルな課題の重要性も再認識されている。
  • 様々な変化は世界のいたるところで起こっている。各国が国内に不安定さを抱え、閉鎖的な対応をとり、より国際協調が難しくなる中で、現代日本の繁栄を可能とした、基本的人権、民主主義、法の支配、平和主義の基本的価値観は保持し続けていくべきである。こうした考え方の下、強制的でも監視的でもない日本的アプローチにより今般の感染症の爆発的拡大を抑えることができた。それを可能とした国民皆保険制度や保健所などの公的組織の機能、一体的に取り組む国民性などの社会インフラも大切にしていくべきである。他方、経済社会の様々な変化に即応できる社会にしなければ、日本という国が世界の中で埋没してしまう可能性もないとはいえない。上述のようなコロナショックがもたらした暮らし方や働き方などにおける意識や行動の変化を社会変革の契機と捉え、後戻りさせることなく、通常であれば10年かかるような社会変革を一気に進めるべきだ。少子高齢化、付加価値生産性の低さ・デジタル化の遅れ、東京一極集中などの積年の課題解決と新しい未来の選択に向けて、強い危機感を持って取り組むことが求められる
  • 今後は、出生率や付加価値生産性が伸び悩む要因や東京一極集中が続く背景、これまでに実施された政策の効果を検証しつつ、目標を実現するための「Howを磨く」、すなわち効果のある政策をいかに実行し成果を上げるかが重要である。そうした政策効果の検証に必要となるデータ整備及びその提供と分析体制の整備を将来を見据えて進めることが必須かつ急務である。特に、コロナショックで必要性が明らかとなったように、民間企業がリアルタイムで収集しているデータも含めてデータを迅速に分析し、効果的に政策に反映するとともに、政策を検証できる仕組みの構築が重要である
  • 雇用や事業活動、生活への支援に万全を期しつつ、働き方等に起きている変化の経験を変革の契機と捉え、長年、指摘されながら解決が進まなかった課題にこの数年で一気に取り組み、解決することができれば、望ましい未来(新たな日常(ニューノーマル))を選択することが可能となる。一方、その取組が中途半端に終われば、コロナ以前の問題がむしろ悪化する姿(現状維持も困難になる停滞経済)となってしまうおそれも十分にある。こうした選択は絶対に回避すべきである
  • 新型感染症で厳しい環境下であるが、企業は危機対応とともに、持続可能なビジネスモデルを真剣に検討し、未来を見据えた人的投資、デジタル化のための投資や研究開発投資などの無形資産投資を強化していく必要がある。また、無形資産の一つであり、固有のビジネスモデルや企業文化の創造などを含むいわゆる組織資本の蓄積に向けて、企業は組織改革を通じ人材の最適配置に取り組むことが求められる。政府や東京証券取引所が好事例集の充実等を行うことにより、企業の非財務情報の開示の拡充が進み、市場での評価を通じ組織資本の蓄積が進むようにすべきである
  • 大切なことは、変化に対応し、多様性を活かすことである。画一的な能力や働き方による効率性だけを追い求めるのではなく、多様な発想や能力を認め、それらを活かした柔軟な働き方を広げていく。こうした取組を通じイノベーションを生み出し、リスクへの対応力が高く、誰にも活躍の機会がある質の高い成長を目指す。その成長の果実で必要な人たちを支援し、包摂的であり持続可能性に富んだ社会を構築していく。コロナショックの下で芽生え始めた様々な変化の動きを改革モメンタムがあるこの数年で加速・拡大し、不可逆的なものとしていくべきである
  • 多様性を尊び、変化を取り入れ、この数年に集中的な取組を行う。これにより、長年指摘されながら解決できなかった課題を解決するとともに、通常10年かかるであろう変革を、将来を先取りする形で一気に進める。これまでの画一的で横並び志向の硬直的な社会とは異なり、変化や失敗を許容できる柔軟性の高い経済社会を選択する。同時に、変化への対応が困難な人々には教育、再就職などの支援を提供する包摂的な社会とする。仕事の仕方やライフスタイルが変わり、多様性にこそ価値がある「新たな日常(ニューノーマル)」を目指していく。
    • 創造力を持ちあわせた多様な人材が次々とイノベーションを起こせる、自由かつ柔軟性に富み、変化を取り入れ、失敗への許容力の高い社会
    • 個人が自由度の高い働き方や暮らしができ、ワークライフバランスを実現して豊かさを感じる社会
    • デジタル技術の活用により、高付加価値の財・サービスを創出するとともに、個人情報等が保護され、効率性、利便性、安心を皆が享受できる社会
    • 性別等に関わらず人への投資を行うとともに、十分な所得再分配機能、セーフティネットが提供される中で全ての人が能力を伸ばし発揮できる包摂的な社会
    • 地域社会やコミュニティ等において必要な人との交流やつながり、支え合いの価値を大切にする社会
    • 各国が国内に不安定さを抱え、閉鎖的な対応をとり、より国際協調が難しくなる中、新しいモノや人の流れの在り方が求められる世界において、自由で公正な貿易・投資の基盤を支え、そのメリットを享受する社会
  • 企業が長期的に成長するためには、SDGsに沿った持続可能な経営が求められている。売り手よし・買い手よし・世間よしの「三方よし」の「ステークホルダー資本主義」の「世間」に未来を担う若者や子どもたちを明示的に位置付け、重要なステークホルダーと考えて経営する必要がある。
  • 企業は、コーポレート・ガバナンス改革、働き方の選択肢拡大と高度人材の活躍推進、若者や女性のキャリアアップ支援、リモートワーク推進と仕事の仕方の変革等を通じ、多様性の確保と脱年功序列を進め、デジタルトランスフォーメーションの環境下で持続可能なビジネスモデルへの改革を推進していくべきである
  • ポストコロナ時代の世界において、国家間の分断にくみすることなく、TPP、日米貿易協定、日EU・EPAなどの自由貿易体制の維持・発展に引き続き貢献する。また、効率性とレジリエンス(強靱性)のバランスを確保し、万一の事態に対処できるアジャイル(俊敏)でフレキシブル(柔軟)な戦略的物資の相互融通の仕組み等を通じ、より多元化し強化されたアジアのバリュー・チェーンの構築を目指す。さらに、デジタル技術利用への対応、気候変動を含めたSDGs等のグローバルな課題に積極的に対応し、国際的なリーダーシップを発揮していく
  • キーワードは「変化」と「多様性」である。「多様化した子孫ほど、生きるための闘いで勝利する可能性が高くなることだろう」。コロナショックの下、社会変革を進めていく機運が高まっている。この機会を逃せば、次の機会はもうないと考えるべきだ。一方、「喉元を過ぎれば熱さを忘れる」「形状記憶合金」と言われるように、すでに元に戻り始めているとの懸念も生じている。こうした懸念を払拭し、変化を後戻りさせることがないよう、できることは直ちに着手する。時間を要する課題についても5年以内に集中的に取り組むべきである。そのための実行計画を今後半年で作成し、必要な法案は来年の通常国会に提出する必要がある。本報告のメッセージが経済財政諮問会議での議論や骨太方針2020に反映されることを求めたい。また、目指すべき未来像を政府、企業、地方自治体、国民が共有し、変革に向けた取組が広がっていくことを期待したい。実行こそが重要であり、データに基づくEBPMを推進し、PDCAを回していく必要がある

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内閣府 第25回休眠預金等活用審議会
▼資料1 休眠預金等活用審議会提示資料
  1. 2019年度採択事業
    • 2019年6月3日~7月31日までの間、資金分配団体を公募 67事業49団体の申請があり、同年11月29日、24事業22団体(助成総額29.8億円)を選定・公表
    • 各資金分配団体は、同年12月以降、実行団体の公募を順次開始 これまでに501団体の申請があり、うち133団体を選定。 ※2事業2団体が採択結果を今後公表予定(パブリックリソース財団:支援付き住宅に関する事業、社会変革推進財団:地域活性化事業)
  2. 2020年度新型コロナウイルス緊急支援助成事業
    • 2020年5月27日~6月12日までの間、資金分配団体を公募 42事業42団体の申請があり、同年7月17日、20事業20団体(助成総額16億円)を選定・公表 ※40億の枠のうち16億を採択しており、現在は随時公募として、申請を受付中(9月末までに5事業申請あり)
    • 各資金分配団体は、同年7月末以降、実行団体の公募を順次開始 これまでに232団体の申請があり、うち47団体を選定(10月2日時点)※順次選定・公表予定
  3. 2020年度採択事業
    • 2020年6月1日~7月27日までの間、資金分配団体を公募 43事業42団体の申請があり、同年10月7日、20事業20団体(助成総額28億円)を選定、10月7日公表済み
    • 今後、各資金分配団体は、実行団体の公募、審査、選定を行い、実行団体が今年度中に活動を開始する見込み
▼資料3 第4回WGの議論の概要
  • 休眠預金でコロナ対応に迅速に対応頂いたことに感謝。コロナの影響が来年には、より深刻に、雇用や社会に出るのではないかと懸念される中で、来年もこうした支援を引き続き検討いただきたい。
  • 資金分配団体と実行団体の申請時に、必要な書類が多く申請を断念した、との話を聞く。書類の分量等でハードルを設けるべきか、今後議論の余地があるのではないか。(同趣旨ご意見複数あり)
  • 休眠預金とは別の助成金では、コロナの下で対面サービスが提供できなくなった影響から申請数が減少したが、一方でオンラインを活用した活動も散見される。緊急枠の事業の特徴を見れば、ニューノーマルの時代に即した制度設計の示唆があるのではないか。
  • WGでヒアリングをする際には非公開にするなど、資金分配団体、実行団体も、率直に思っていることを言えるようにすべき。前向きに建設的に、今後の視点は大切にしつつ、我々も含めて耳の痛い話も受け入れる姿勢で臨むことが大切。成功も失敗も共有する視点を大切にしながら、議論を進めるべき。
  • この状況下で、子ども食堂を始めたいがやり方に悩みを抱えているという話を聞くが、そういう方どうしの意見交換は有効。19年度助成事業で、あまりハードルが高い立派なものというよりは、こういった理由で助成を決定したという事例を共有するとよいのではないか。
  • 休眠預金の事業の例示に子ども食堂がよく出るが、農村や第一次産業分野の方からは自分たちはテーマの外かと聞かれる。地域の課題解決も休眠預金の事業領域のはずだが、そういう声がある。
  • この制度でいろいろな形でお金が動き始めたと実感する。休眠預金を使って、シングル家庭や困窮家庭の子供たちが、芸術や自然体験など、経験できるチャンスや資源が増えたと実感している。子どもが遊ぶことも学ぶことも、子ども食堂と同時に充実する形で休眠預金が活用されることを期待する。

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内閣府 国家戦略特区 第47回 国家戦略特別区域諮問会議 配布資料
▼資料1-1 国家戦略特別区域基本方針の一部変更について
  1. 国家戦略特区制度の目標の一部変更
    • 経済のグローバル化・デジタル化等の経済社会情勢の変化や、新型コロナウイルス感染症の拡大への対応の必要性等を踏まえて、国家戦略特区制度の目標を以下のように変更
      1. 経済成長を促進し、加速化するための「岩盤規制」の改革・幅広い分野における「デジタルトランスフォーメーション」の推進
        • 高度で革新的な「近未来技術」を実装するための規制改革の推進
        • 新型コロナウイルス感染症に対応した「新たな生活様式」を実現するための規制改革の推進
        • 地方創生に寄与する「第一次産業」や「観光」分野等の改革
        • 幅広い分野における「外国人材」の受入れ促進
        • 公共施設等運営権方式の活用等による「インバウンド」の推進
        • 幅広い分野における「シェアリングエコノミー」の推進
        • 幅広い分野における事業主体間の「イコールフッティング」の実現
        • 特にグローバル・新規企業等における「多様な働き方」の推進
      2. 新たな国家戦略特区制度の積極的な活用
        • スーパーシティ構想の実現・地域限定型規制のサンドボックス制度の活用
  2. スーパーシティに関する事項(新規追加)
    1. スーパーシティ区域の指定基準
      1. 複数分野の先端的サービスの提供(概ね5分野以上を目安)
      2. 広範かつ大胆な規制・制度改革の提案と、先端的サービス等の事業の実現に向けた地方公共団体、民間事業者等の強いコミットメント
      3. 構想全体を企画する者である「アーキテクト」の存在
      4. 地方公共団体の公募による必要な能力を有する主要な事業者候補の選定
      5. 地方公共団体による区域指定応募前の住民等の意向の把握
      6. データ連携基盤の互換性確保及び安全管理基準適合性
      7. 住民等の個人情報の適切な取扱い
    2. 基本構想に関する住民等の意向の反映・確認
      • 基本構想の作成に当たっての住民等の意向の反映区域会議が、協議会、区域に係る議会の議決、区域の住民の投票その他から、適切な方法を選択
      • 基本構想の内閣総理大臣への提出前の住民等の意向の確認区域会議が、住民を対象とした投票によってその意向を確認することを基本としつつ、必要に応じ、追加的な意向確認の手続きを実施
    3. スーパーシティの実現に向けた支援措置
      • スーパーシティにおける先端的サービスの開発・インフラ整備等に、関係府省庁の事業を集中投資
▼資料2 国家戦略特区の今後の運営について
  1. スーパーシティの迅速な実現
    • 「スーパーシティ」は、国・自治体・社会にまたがりデジタル変革とデータ活用の最先端モデルを構築しようとするものであり、「デジタル庁」の目指すビジョンと重なる。「デジタル庁」の先駆プロジェクトと位置付け、デジタル担当とも緊密に連携し、推進のスピードを上げるべきである。
    • 例えば、税・社会保険・給付に関する業務でのデータ共有、医療・薬剤・健康管理に関するデータ共有など、具体的なサービスイメージの設計を自治体・民間事業者とともに急ぐべきである。
  2. 特区の規制改革の全国展開
    • 国家戦略特区の制度創設から7年が経過し、特例措置の全国展開を本格的に進めなければならない時期である。特例措置創設から一定期間経過したものは全国展開を原則とし、また、規制改革推進会議とも連携して、強力に推進すべきである。
    • 特に養父市で5年間の時限措置(2021年8月まで)として実施されている「企業の農地取得」特例は、迅速に継続することを決定し、全国に展開すべきである。

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消費者庁 第1回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(2020年10月19日)
▼資料3 御議論いただきたい事項等
  • 公益通報対応業務従事者として定めなければならない者の範囲
    • 公益通報対応業務従事者(以下「従事者」という)として定めなければならない者の範囲をどのように設定するか。公益通報対応業務とは、公益通報1を受け、並びに当該公益通報に係る通報対象事実の調査をし、及びその是正に必要な措置をとる業務であるが(新法第11条第1項参照)、公益通報受付窓口を所管する部署から依頼を受けて臨時に調査を担当する職員など、常時ではなく、臨時に調査等の業務を行う者について、従事者として定める必要はあるか。
    • 公益通報受付窓口を経由しない公益通報に対応する者も従事者として定める必要はあるか。例えば、上司など職場内で公益通報を受ける可能性のある者全てを対象とする必要があるか。
    • 公益通報に係る調査や是正等の業務を行う者であるものの、公益通報者を特定させる情報を公益通報受付窓口から知らされない者についても、従事者として定める必要はあるか。
  • 従事者を定める方法
    • 従事者を定める方法について、従事者の氏名を列挙するほか、従事者となる役職を列挙するなどのほか、どのようなものが考えられるか。
    • 従事者を定める際に、従事者の範囲について、従事者になる者自身又は他の役職員2にとって明らかになるように定める又は伝達する必要はあるか。
    • 公益通報受付窓口の設置
    • 公益通報受付窓口の設置に関して留意すべき点はあるか。例えば、公益通報に対応する部署及び責任者を定める必要や部門横断的な窓口を作る必要はあるか。
    • 公益通報対応の仕組みに関する質問や相談に対応する必要はあるか。そのような相談は必ず窓口で対応する必要はあるか。
    • 組織の長や幹部に関する法令違反行為についても公益通報ができる仕組みとする必要はあるか。例えば、組織の長や幹部から独立した調査を行う必要はあるか。
  • 公益通報に対する受付、調査及び是正措置の実施、再発防止策の策定
    • 公益通報の受付について留意すべき点はあるか。例えば、法律上、匿名通報も公益通報にあたり得るが、匿名通報への対応にあたり留意すべき点はあるか。
    • 公益通報に対する調査について留意すべき点はあるか。例えば、既に解決している案件の場合なども含めて、公益通報に対して常に調査を実施する必要はあるか。
    • 法9条では是正措置の終了後に公益通報者に通知をするよう努めることを求めているが、このほか、是正措置の終了後になすべきことはあるか。例えば、是正措置や再発防止策がとられた後に、これらが適切に機能しているか確認する必要はあるか。
  • 通報対応における利益相反の排除
    • 利益相反排除の対象をどのような範囲とすべきか。例えば、公益通報受付窓口を経由しない公益通報に対応する者について利益相反を排除する必要はあるか。受付、調査、是正、再発防止策の全ての過程において利益相反を排除する必要があるか。外部委託する場合も利益相反を排除する必要はあるか。
  • 秘密漏えいを防止する体制
    • 秘密漏えいを防止する体制に関してどのような措置が求められるか。例えば、秘密の漏えいそのものだけではなく、漏洩された秘密の拡散を防止する措置も必要か。
    • 秘密漏えいを防止する体制をとるべき対象をどのような範囲とすべきか。受付、調査、是正、再発防止策の全ての段階で秘密漏えいの防止等に関する体制をとる必要はあるか。
    • 公益通報者が誰であるか特定しようとする行為(通報者の探索)も防止する必要はあるか。防止するとした場合、例外は考えられるか(例えば、公益通報者を特定しなければ調査ができない場合等)。
    • 公益通報受付窓口を経由しない公益通報について、どのような方法で秘密漏えいを防止していくことが考えられるか。
    • 秘密漏えい防止の実効性を確保するための措置として、事案に応じて秘密漏えいを行った者への懲戒処分その他の措置を行うほか、どのような方法が考えられるか。
  • 不利益な取扱いを防止する体制
    • 不利益な取扱いを防止する体制に関してどのような措置が求められるか。例えば、不利益な取扱いがあった場合の救済措置を適切に行うため、公益通報者に対して不利益な取扱いを受けていないか積極的に確認する必要はあるか。
    • 公益通報受付窓口を経由しない公益通報について、どのような方法で不利益な取扱いを防止していくことが考えられるか。
    • 不利益な取扱いの防止の実効性を確保するための措置として、例えば、事案に応じて不利益な取扱いを行った者への懲戒処分その他の措置を行うほか、どのような方法が考えられるか。
  • 以上の公益通報対応の仕組みを適切に機能させるための措置
    • 公益通報対応の仕組みを組織のルールとして明確にするため、公益通報対応の仕組みに関する規程の整備及び運用が必要と考えられるが、規程の整備及び運用に関して留意すべき点はあるか。
    • 公益通報対応の仕組みを役職員が知らなければ公益通報が期待できないことから、規程を含めた公益通報対応の仕組みについて役職員へ周知することが必要と考えられるが、実効的な周知の方法として具体的にどのようなものが考えられるか。
    • 公益通報者を特定させる事項という重要な情報を取扱うことに鑑み、従事者への教育訓練が必要と考えられるが、教育訓練の方法として具体的にどのようなものが考えられるか。
    • 公益通報対応の仕組みが形式的なものにならないよう、公益通報対応に関する実績の開示、公益通報に関する記録の保管、公益通報対応の仕組みの評価及び改善を行う必要はあるか。必要がある場合、それぞれどのような方法が考えられるか。
▼参考3 公益通報ハンドブック

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消費者庁 実在の通信販売サイトをかたった偽サイトなどに関する注意喚起
▼実在の通信販売サイトをかたった偽サイトなどに関する注意喚起
  • 具体的な事例の概要
    • 各偽サイトへの誘導の方法
      • 消費者が、検索サイトで商品の種類や型番などを検索した際に、各偽サイトへのリンクが検索結果に表示されることがあります。
      • その検索結果はリスティング広告1であるとみられ、商品を大幅に値引きして販売している旨などが表示されています。消費者は、目当ての商品が安売りされていると思って興味を持ち、そのリンクをクリックして偽サイトにアクセスします。
      • また、SNSの広告メッセージが送信されてきて、そのメッセージ内のリンクをクリックしてアクセスする事例も見られます。
    • 各偽サイトにおける価格表示
      • 偽dysonサイトと偽LOWYAサイトでは、割引前の価格と販売価格が併記され、大幅に割引して販売しているかのように表示されています。偽dysonサイトと偽LOWYAサイトに表示された販売価格は、公式サイトにおける販売価格と比べて格安となっています。
      • 特価用品専門店サイトでは、割引前の価格と販売価格が併記された表示又は販売価格のみの表示があり、いずれも他の通信販売サイトでの販売価格と比べて格安となっています。
      • 消費者は、これら偽サイトでの価格表示を見て、目当ての商品が格安で買えると思い、会員登録をして商品を注文します。
    • 商品代金を支払った後の状況
      • 偽dysonサイトと偽LOWYAサイトにおける決済方法はクレジット決済、特価用品専門店サイトにおける決済方法は指定の銀行口座への振込などであり、消費者は所定の方法により代金を支払います。しかしながら、代金を支払ってから数日経っても商品は届きません。消費者は、これらの偽サイトに記載されていたメールアドレスなどに督促のメールなどを送信しますが、アドレスが無効であったり、返信がなかったり、外国語のメールが届いたりして連絡をとることができません。
      • 結局、これらの偽サイトで商品を注文した消費者に、注文した商品は届きません。
      • なお、偽dysonサイトと偽LOWYAサイトで商品を注文した消費者には、多くの場合、外国から、注文した覚えのないマフラーなどが送られてきています。
      • 偽dysonサイトと偽LOWYAサイトで商品を注文したことと、マフラーなどが送られてくることとの関係は判然としませんが、これらの偽サイトで注文してからしばらく後に届いており、何らかの関連があると考えられます。
  • 消費者庁が確認した事実
    1. 偽dysonサイトの運営者と偽LOWYAサイトの運営者は、それぞれ、公式サイトをかたった偽サイトを公開し、公式サイトの運営者の情報を記載して公式サイトの運営者になりすまし、これらの偽サイトが公式サイトであるかのように装って消費者を誤認させ、商品を注文させています。(消費者を欺く行為)特価用品専門店サイトの運営者は、通信販売サイトであるかのような偽サイトを公開し、架空の運営者情報を記載し、特価用品専門店サイトが通信販売サイトであるかのように装って消費者を誤認させ、商品を注文させています。(消費者を欺く行為)
    2. 消費者が、各偽サイトで商品を注文して代金を支払ってから数日経っても商品は届かず、問合せをしても連絡がとれず、結局、注文した商品が届かないという被害が多数発生しています。(債務の履行拒否)
  • 消費者庁から皆様へのアドバイス
    • 通信販売サイトを利用する際の注意点
      • 公式サイトや他の通信販売サイトに比べて格安の販売価格を表示し、消費者を誘い込むという手口は、偽サイトの典型的な手口です。他の通信販売サイトにおける平均的な販売価格と比べて格安の販売価格が表示されている通信販売サイトを見つけた場合、安易に注文することなく、その通信販売サイトに不審な点(公式サイトであるかのように装っているが、URLが公式サイトと異なるなど)がないかをしっかりと確認するようにしましょう。
      • 商品代金の振込先口座の名義が、通信販売サイト上で表示される事業者名や運営責任者名などと異なっていた場合、偽サイトの可能性が高いので、安易に商品代金を振り込まないようにしましょう。偽サイトで注文した商品の代金を振り込んでしまったことに気付いたときは、すぐに、振込先の金融機関や消費者ホットライン(188)に相談しましょう。
      • 偽サイトにおいて商品の代金をクレジットカードで支払った場合、支払った代金の被害だけでなく、決済の際に入力したクレジットカード番号などで別の決済をされたり、個人情報が悪用されたりするおそれがあります。偽サイトにおいてクレジット決済をしてしまったことに気付いたときは、すぐに、クレジットカードの発行会社や消費者ホットライン(188)に相談しましょう。
    • 偽dysonサイトと偽LOWYAサイトの見分け方
      • 偽dysonサイトと偽LOWYAサイトは公式サイトをかたっており、一見しただけでは公式サイトとの見分けがつきづらく、多くの消費者が被害に遭っています。
      • 公式サイトと偽サイトとを見分けるには、URLを確認するのが確実です(ただし公式サイトのURLに似たURLが確認されており、注意が必要です。)。
      • また、公式サイトが検索結果に表示される場合、「ダイソン公式オンラインストア」、「【公式】LOWYA(ロウヤ)家具・インテリアのオンライン通販」のように、「公式」と表示されることが多いので、検索結果に「公式」と表示されていない場合には、特に注意してそのサイトのURLを確認しましょう。(ただし、「公式」と表示される偽サイトが存在する可能性もありますので、ご注意ください。)。
      • さらに、子細に比べると、偽サイトは公式サイトよりも構造が簡素であるほか、サイト内のリンクの一部が適切に機能していない、「ご利用規約」のページに公式サイト運営会社とは異なる会社名が記載されているなどの不自然な点がみられます。また、注文確認メールの内容に不自然な日本語表記がみられる場合もあるので、おかしいと思ったら、すぐに、消費者ホットライン(188)に相談しましょう。

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消費者庁 「一言メッセージ動画の配信及びSNSへの投稿キャンペーン」の結果報告
  • 消費者庁では、毎年5月を「消費者月間」として、消費者、事業者、行政が一体となって消費者問題に関する啓発・教育等の各種事業を集中的に行っています。今年度の消費者月間は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、「このような時だからこそ、一人一人の消費と社会のつながりを考えよう」との趣旨の下、「豊かな未来へ」を合言葉に、有識者等からの「一言メッセージ動画」を配信するとともに、消費者の皆様からもメッセージを発信いただく「SNSへの投稿キャンペーン」を企画いたしました(キャンペーン期間:令和2年5月27日(水)~同年8月31日(月))
  • 「一言メッセージ動画」は、著名人、有識者、消費者教育推進大使等から頂いた一言メッセージ動画をつないで、まとめ動画として配信し、たくさんの「いいね!」を頂きました。
  • また、「SNSへの投稿キャンペーン」の実施に当たっては、消費者庁若手職員による「メイキング動画」を作成・配信し、お子様から御高齢の皆様までの幅広い方々に投稿を呼び掛けた結果、様々な形での共感の輪が広がりました。
  • 消費者庁が利用する民間ソーシャルメディア(消費者庁Twitter、消費者庁Facebook、消費者庁YouTube)における動画閲覧件数、「いいね!」の件数、消費者庁ウェブサイトにおける動画掲載ページの閲覧件数等は以下のとおりです(令和2年10月15日時点)
  • 消費者庁が利用する民間ソーシャルメディア
    • 一言メッセージ動画閲覧数(消費者庁Facebook、消費者庁YouTube合計) 2,389件
    • メイキング動画閲覧数(消費者庁Facebook、消費者庁YouTube合計) 1,986件
    • 消費者庁Facebookの「いいね!」数 564件
    • 消費者庁Twitterリツイート 120件
  • 消費者庁ウェブサイト
    • 一言メッセージ動画閲覧数 582件
    • メイキング動画閲覧数 298件

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消費者庁 第28回消費者教育推進会議の資料を掲載しました
▼【資料3-2】全世代における体系的な消費者教育に向けた連携に関する分科会取りまとめ概要
  • 地方公共団体の消費者行政部局は、消費者教育コーディネーターを設置するほか、庁内関係部局との連携の場、関係団体等との結節点としての協議会を活用し、参加する庁内関係各課、関係団体等の消費者教育への理解を深めるとともに、事業や活動自体が消費者教育の一端を担うといった「自分事」意識を高めながらつながりを創出し、世代間交流等による地域の活性化も見据えた新たな消費者教育機会の創出等、コーディネート機能を強化する。また、つながり創出を担う団体に関心を持つ
  • 消費者教育の実を上げていくに当たっては、異なる立場の人がつながり(人のクロス)、それぞれの知識・活動を結び付けて新たな取組(内容のクロス)を創出することが重要。その取組の中で若者と高齢者などの世代間の交流も創出されることで、地域の活力向上といった相乗効果も期待される
  • 消費者教育コーディネーターは26都道府県で配置済。消費者教育コーディネーターは行政による総合調整の下、多様な関係者と場をつなぐことにより、新たな実践の場を創出することが任務である。これまで各地域で積み重ねられてきた独自の取組について共有し、抱える課題や目指すべき目標等を抽出するため、全国の消費者教育コーディネーターが出席する会議を令和2年度中に開催し、そこでの発表された事例等を整理・発信する予定である
  • 庁内関係部局との意見交換等の場を設置している地方公共団体は13。(実態調査)ヒアリングからは、庁内関係部局との意見交換の場を活用した新たな連携の創出例も確認された
  • 地域協議会は47都道府県、19政令市、11中核市で設置済み。既存の別会議が兼ねる場合が多い。(実態調査)一方で、中核市では地域協議会設置のメリットが感じられないとの意見も見られる。(実態調査)ヒアリングからは、地域協議会の委員等と連携した新たな取組の創出例も確認された。
  • 推進計画は47都道府県、18政令市、11中核市で策定済。(実態調査)一方で、中核市では計画策定のメリットが感じられないとの意見も見られる
  • ヒアリングからは、都道府県は管内市町村を支援する広域的視点が重要であることや、市町村は、それぞれの状況に応じ、できる取組から進めていくことが重要であること等が確認された。それぞれの取組のヒントは以下の通り。
    • 都道府県イメージマップを活用した事業整理による不足領域の把握
    • 地域の特性を踏まえた内容を盛り込むことも検討
    • 管内市町村の取組を支援する広域的視点を取り入れることも検討
  • 毎年度、取組状況を把握している自治体は91%(実態調査) 取組状況を協議会に報告している自治体は96%(実態調査)ただし、これら「把握」「報告」が具体的にどのようになされているかは把握できていない。〇消費者教育推進計画を策定している自治体のうち、評価指標を設定している割合は64%(都道府県30/47、政令市13/18、中核市6/11)(実態調査)ヒアリングでは、どのような評価指標を設定すべきかについて試行錯誤があった事例や、取組状況の分析を行い、推進計画の見直しにつなげているとの事例が聞かれた。
  • 分科会としてのメッセージ
    • 本分科会でのヒアリング等を通じ、「つながり」の創出が、全世代に向けた体系的な消費者教育の充実をもたらしていることが改めて確認された。地方公共団体には、消費者教育コーディネーター、庁内での意見交換の場、地域協議会等を最大限活用することが期待される。また、民間団体が草の根で果たし得る役割も見逃せず、民間団体との連携も検討すべきである。
    • 推進計画が庁内の認識共有の素地となり、消費者教育の取組が進んでいる例がある。PDCAを回し消費者教育の質的・量的向上を「計画的」に図ることが期待される。
    • 人・内容のクロスにより地域の「つながり」を増やし、消費者教育を充実させることは、地域の見守りの目を増やすとともに消費者被害に遭わない消費者を増やすことから、安全・安心な地域づくりに直結する。加えて、地産地消を含め、消費を通じた持続可能な地域づくりにもつながるものである。さらに、消費者教育機会の創出に伴う人と人との出会いは、互いに活力を与え、地域を「元気にする」。
    • SDGsの機運も高まる中、消費者問題を始めとする社会的課題を自分事として捉える人も増えてきている。消費者教育はこうした自分自身に関わる課題の解決につながるという認識、消費者教育の意義を、庁内、関係団体、さらには広く地域の多様な主体において共有し、消費者教育に当事者意識を持って取り組む人を増やしていくことが重要である。
    • 本取りまとめを、よりよい地域づくりにつなげようとする地方公共団体職員等の方々に是非役立ててもらいたい。
  • 国における今後の課題 地域の取組を促進するため、引き続き国において整理・検討が求められる課題は以下のとおり。
    • 優先順位を明確にし、順次取り組んでいくことが望まれる。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い一層加速化した社会のデジタル化を踏まえ、関係省庁とも連携しながら、デジタル化に対応した消費者教育についてツール・手法も含めて検討することが必要である。
    • 地域協議会や消費者教育コーディネーター等について、実効性ある運用がなされている事例を収集して紹介(消費者教育コーディネーター会議も活用)。
    • 市町村の規模や事情は様々であり、計画策定等においてそれぞれの実態に応じた検討が必要。そのため参考となる多様な規模や状況にある地方公共団体の事例紹介や、都道府県による広域支援の好事例を収集して紹介。
    • 事例紹介のほか、地方公共団体のモデル的取組の創出や、市町村における計画策定を促進するための方策を検討。

~NEW~
国民生活センター 体力や体調に合わせた運動を! フィットネスクラブ等でのけがに注意
  • 内容
    • 事例1 スポーツクラブでトレーナーの指示に従って反復横跳びをしていた際、体のバランスを崩して後ろに倒れ、左手を骨折した。(70歳代 女性)
    • 事例2 体操教室で片足スクワットを行っていたところ、バランスを崩してしまい、横にあったポールに左手首をぶつけてしまった。激痛を感じて病院に行ったところ、骨折していた。(70歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 高齢になると身体機能が弱くなり、認知機能やバランス感覚も低下するため、運動中の事故やけがが起きやすくなります。無理をせず、自分の体力やその日の体調に合わせた運動をしましょう。
    • インストラクター等から指導を受けるときは、運動経験や持病等を伝えた上で、自分のレベルに合った指導を受けましょう。
    • フィットネスクラブ等を選ぶ際は、万一の事故の発生を考えて、スタッフが常駐している、AEDを設置している等、安全管理が整った施設を選ぶと安心です。

~NEW~
厚生労働省 第59回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会建設労働専門委員会資料
▼資料1 建設労働問題に関する論点(案)
  • 新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」と表記)の拡大に伴い、経済・景気は急速に悪化・低迷しており、建設業おいても、建設現場の閉鎖を行うなどの影響を受けた。しかしながら、職種別新規求人数は、2020年(令和2年)6月の対前年同月比がプラス(他産業は大幅なマイナスの中で建設業は+2.8%)、直近の同年8月の対前年同月比は△6.4%とマイナスとなったが他産業と比較すればマイナスは小幅となった。また、東京商工リサーチが公表した8月の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)で、建設業は4月から5か月連続の前年同月比減少(5か月連続減少は10業種中で建設業だけ)となるなど、建設業は他産業ほど新型コロナの影響を受けていないという見方もできる
  • その一方で、建設市場に影響を与える企業の設備投資は、9年ぶりにマイナスに転じるとの金融機関の分析もあり、先行きが不透明であることは事実であり、価格・工期の競争激化が懸念されるという見方もある
  • 建設業における担い手の確保・育成は、引き続き最重点課題であり、若年者の建設業への入職・定着促進のために、以下に掲げる従前の取組を継続して実施することが求められると考えられる。
    • 若年者に建設業の役割や魅力を伝え、建設業で働くことの意識・関心を高めるため、小中高等の教育機関や関係行政機関等と連携し、現場見学会、インターンシップなどを行う。
    • 建設関連職種の有効求人倍率が依然として高水準で推移していることから、未充足求人のフォローアップや就職面接会の開催などハローワークにおけるマッチング支援を行う。
    • 若年労働者を育成する職場風土の醸成のため、若年労働者と円滑なコミュニケーションを取るためのスキル向上にかかる事業主支援を行う。
    • 体系的な処遇改善をはじめとした雇用管理改善の推進、資格・教育訓練・処遇等を関連づけたキャリアパスを検討する事業主支援を行う。
  • 上記の従前の取組に加え、将来にわたる建設業の担い手を確保するために構築されたCCUS、技能労働者の能力評価制度、専門工事企業の施工能力の見える化評価制度を着実に実施することや、建設業の働き方改革等に資する観点から、施工時期の平準化を推進することに加え、中央建設業審議会による「工期に関する基準」について、工期全般にわたって配慮すべき事項など、受発注者双方の理解の下、適正に実施することが重要となるのではないか
  • とりわけ、CCUSについては、事業者及び技能者の登録数やカードリーダーへのタッチ数を増やすなどの普及促進が重要になり、労働行政を含めた政府及び建設業界を挙げての取組が必要になるのではないか。
  • CCUSの普及促進のためには、技能者自身が登録するメリットを実感できることとすることも重要となり、その一方策としては、安全衛生法上の技能講習修了者情報とCCUSの連携によって技能講習情報の真正性を確保し、CCUSカードの携行による資格者証の代用を可能とすることが有効と考えられるのではないか。
  • 建設業は他産業と比較して、女性労働者の活用が進んでいないことから、女性が就業しやすく、また、定着できる環境を整備するため、以下に掲げる従前の取組を継続して実施することが求められると考えられる。
    • 就労環境整備や女性労働者のキャリアアップを進めることにより長期勤続を促進するとともに、男女別のトイレや更衣室の整備等により職場環境の改善を行う事業主等に対する支援を行う。
    • 働きながら安心して子供を産み育てることができる就労環境の整備を推進するため、育児を積極的に行う男性(イクメン)を応援し、男性の育児休業取得を促進する。
    • 女性活躍推進法の改正により、一般事業主行動計画の届出義務・公表の対象となる事業主の範囲が拡大される(2022年(令和4年)6月から301人以上から101人以上)ことも踏まえ、行動計画の策定、情報公表にかかる周知・啓発を図る。
    • 女性が就労・定着しやすい環境を整備するため、男女の均等な雇用機会を確保するとともに、職場におけるセクシュアル・ハラスメント、妊娠・出産を理由とする不利益取扱いを防止するための取組を行う
  • 技能労働者の高齢化が進む中で、高年齢労働者の活用や、高度熟練技能者である高年齢労働者による若年労働者等に対する技能継承を進めるため、以下に掲げる従前の取組を継続して実施することが求められると考えられる。
    • 高年齢等雇用安定法の改正により、新たな就業確保措置を講じることが必要になる(2021年(令和3年)4月から70歳までの就業確保措置を講じる必要)ことも踏まえ、当該措置について、周知・指導を徹底する。
    • 高年齢労働者の健康、体力など特性に配慮した作業方法の見直し、安全衛生対策など雇用管理の改善を検討する事業主に対する支援を行う
  • 雇用改善の基本事項
    • 建設業においては、依然として重層下請構造が存在し、雇用関係や労働条件が不明確になるなどの課題が指摘されている。このため、雇用関係の明確化に向けた取組は、引き続き推進する必要があると考えられる。
    • 労働者募集及び請負が適正に行われるよう、建設雇用改善法、労働者派遣法の遵守に向けた指導・監督は、引き続き重要であると考えられる。
    • 一人親方対策について、第9次計画では、「現状把握を行った上で、実態が雇用労働者である場合は労働関係法令の適用があることについて周知啓発を行い、効果的な対応を図る」としているが、いわゆる偽装一人親方問題を論じて、具体的な対応策を検討する必要はないか。なお、一人親方に関する問題は、国土交通省の検討会における議論の状況を踏まえることも必要であると考えられる。
    • いわゆる「応援」などと呼ばれている実態があることが考えられる中、不法な労働者供給問題の解決策を論じる必要はないか。
    • 労働・社会保険の加入促進については、関係行政機関、事業主団体等との連携を図り、引き続き啓発・指導を徹底する必要があると考えられる。加えて、改正建設業法(2020年(令和2年)10月施行)による建設業許可における社会保険の加入要件化や、企業単位での加入促進に加え、労働者単位での加入強化策として改定された「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」の取組にも期待できるのではないか。
  • 賃金制度
    • 若年者が入職・定着しない要因の一つとして、低い賃金水準があり、担い手確保のためには賃金水準の改善は不可欠であると考えられる。
    • 賃金水準の改善については、CCUS及びそれに関連する能力評価制度等の制度を浸透させることが重要であり、その上で、職種別に優秀な技能労働者が経験と能力に見合った報酬を実際に確保できるようにする取組が必要ではないか。
  • 労働時間・休暇制度
    • 建設業においては、改正労働基準法に基づく罰則付きの時間外労働の上限規制が2024年度(令和6年度)から適用となることから、このことを踏まえ、関係法令を遵守するために必要な時間外労働の削減や休暇取得のための環境整備にかかる取組が重要となるのではないか。
    • 長時間労働の是正については、改正建設業法に「著しく短い工期による請負契約の締結の禁止」が新たに規定されたが、公共工事だけでなく民間工事を含め、工期短縮が長時間労働など不適正な状態を生じさせることのないようにすることが重要となるのではないか。
    • 休暇については、週休2日若しくは4週8休を実現するために、土日閉所を有効な手段の一つとした「工期に関する基準」(中建審)(再掲)も踏まえ、土日閉所を前提とした技能労働者等の処遇水準の確保を見据えた労務費、諸経費の見直しを行うことが必要になるのではないか。
    • また、休暇取得については、2019年(令和元年)4月施行の年休時季指定制度(働き方改革関連法)の適正な運用も必要になると考えられる。
  • 労働災害の防止
    • 建設労働者の死亡者数や死傷者数は減少しているが、死亡者数は全業種で最も多いことなどから、引き続き建設業における総合的な労働災害防止対策の推進が必要であると考えられる。
  • 職業能力開発の課題
    • 若年労働者の確保・定着、次代を担う労働者への技能継承などに必要な職業能力開発に関する取組は今後も重要であり、以下に掲げる従前の取組を継続して実施することが求められると考えられる。
      1. 認定職業訓練をはじめ、事業主等が実施する教育訓練等に対して支援を行う。
      2. 公共職業能力開発において、建設機械等の運転技能を習得する職業訓練を行う。
      3. キャリア形成機会の確保など、労働者の自発的な能力開発に対する支援を行う。
    • 労働者(在職者)に関する支援に加え、2020年度(令和2年度)より3年間の時限で実施している建設労働者育成支援事業、短期資格等習得コースといった建設業に入職前の求職者、新卒者を対象とする職業訓練を継続的に実施することが必要ではないか。
    • 建設業においては、今後、デジタル人材の育成は重要とならないか。
  • 新技術の活用による生産性向上
    • i-Construction(アイ・コンストラクション)(平成28年度導入)の取組を踏まえ、建設現場へのICT活用等により、生産性向上、施工管理体制の合理化を図り、魅力ある建設現場にすることに関し論ずる必要はないか。
  • 新型コロナ対策関係
    • 新型コロナへの対応について論ずる必要はないか。
    • 「建設現場における新型コロナウイルス感染予防ガイドライン」の周知徹底、テレワークの積極的な導入、事業継続(BCP)のモデル構築などが対応策として考えられる。

    ~NEW~
    厚生労働省 「社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会(第1回)」資料
    ▼資料3 社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用について
    • 論点1:届出の簡素化及びオンライン化について
      1. 登録の申請時(免許取得時)
        • マイナンバーを提供した者については、戸籍抄(謄)本又は住民票の写しの提出を省略するとともに、マイナンバーカードの本人認証機能を活用することで、申請手続をオンラインで完結させる。
        • 登録免許税/手数料の支払いについて、マイナポータルの公金決済機能を活用して納付できることとする。
        • 国家試験の合格証明書については、申請書に国家試験の施行年月、受験番号と受験地を記載することで添付を省略する。
        • 養成施設の卒業証明書等、書類での提出が必要となっているものについては、電子情報で発行できることが必要。
        • 現状行っている対面での手続から郵送での手続に変更するに当たっては、本人確認が担保されることを検証した上で検討する
      2. 登録事項(氏名、本籍地都道府県名、性別等)の変更時(免許の書換え時)
        • マイナンバーを提供した者については、戸籍抄(謄)本又は住民票の写しの提出を省略するとともに、マイナンバーカードの本人認証機能を活用することで、手続を全てオンラインで完結できるようにする。
        • 登録免許税/手数料の支払いについて、マイナポータルの公金決済機能を活用して納付できることとする。
        • 登録事項の変更後、登録済証明書を発行することとし、希望する者についてのみ免許証等の書換えを行う。
        • 法令遵守の観点から、1年に1回の頻度で地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に資格者情報を照会し、必要な届出がなされていない有資格者については、届出勧奨を行うこととする。
        • 将来的に、氏名、本籍地等の変更を自動的に把握できるシステムが、費用面を含めて整備可能となれば、届出の手続自体を不要とすることも検討する。
        • 現在の社会保障関係資格において、登録事項の変更に伴う免許証の書換えについては、多くの資格で法令上任意の手続として定められているが、介護福祉士など一部の資格においては免許証等の書換えが義務化されている。手続の簡素化を推進する目的から、社会保障に係る資格の免許証等の書換えの必要性(特にサービスの受け手に対して有資格者であることを示すことが求められる場合)について検証し、見直しを行う。なお、登録事項の変更後、登録済証明書の発行は義務付けることとする。
        • 免許証等の書換えを希望する場合には、旧免許証等の破棄が確実に実施されるよう必要な措置を講じる。
        • オンラインでの申請だけでなく、郵送による手続も存置する。その場合、マイナンバーを提供した者については戸籍抄(謄)本又は住民票の写しの提出を省略できる。
      3. 死亡時
        • 現状、死亡届(登録抹消申請)数が実際の死亡者数より少なく、提出されるべき届出の多くが未提出である点に鑑み、死亡届出制度は存置しつつも、死亡を理由とする職権での登録原簿抹消を行うこととし、登録原簿内容の正確性の向上を目指す。また、免許証等の返還は求めないこととする
    • 論点2:マイナポータルを活用した資格所持の証明、提示
      • 資格所持者が当該資格を所持していることを、マイナンバーカードの本人認証を活用して証明、提示できるようにする(必要性の高い資格から順次導入)。
      • PCまたはカード読み取り機能の付いたスマートフォン等からマイナポータルにログイン後、本人の資格情報を照会し、取得した資格情報を第三者に証明、提示する
      • この機能を利用できるのはマイナンバーカード保有者のみ。
      • 現在、券面により医師等の資格を公的に証明できるものとしては、HPKIカードがある
    • 論点3:マイナンバー制度を利活用した資格管理簿と就業届等の情報の突合による人材活用について
      • 人材確保が課題である資格について、
      • 資格保有者が定期的に届け出る就業状況と連携することで、潜在資格者の的確な特定と、効果的な就労支援に繋げる。
      • マイナンバー制度を活用したシステムを構築することで、就業場所の偏在是正や高い資質を備えた人材活用に繋げる
      • 既に資格保有している者については、これらの届出と併せてマイナンバーの登録が行えるよう検討。
      • 就業状況等の届出先は現行制度通り都道府県とし、国と都道府県が共通のサーバーを通して情報の共有化を図ることを想定。
      • 届出情報の充実やデジタル化等今後のあり方について別途検討。
      • 就業支援に必要な情報は、看護師等の同意を得た上でデータを活用する仕組みを検討。
      • 就業支援の具体的方法については、離職時の届出を含む現行スキームのあり方と併せ別途検討。
    • その他の論点:マイナンバーの登録方法について
      • マイナンバーにより情報連携を行うためには、その前提として、全ての資格において資格申請者(資格所持者)から資格管理者に対してマイナンバーを登録する必要がある。マイナンバーの登録方法については、新規資格取得者、資格保持者のそれぞれについて、以下の形で進めることを想定している
        1. 新規資格取得者の場合
          • 各資格の免許証等申請書の提出時に、マイナンバーの登録を求める。
        2. 資格保持者の場合
          1. (一般的な取り扱い)
            • 施行後、国はマイナンバーの登録の呼びかけを行う。
            • 変更申請の際には、合わせてマイナンバーの登録を求める(これにより、添付書類を省略)。
          2. (定期的に届出を行うこととなっている資格)
            • 届出と合わせてマイナンバーの登録を求める。
            • 三師調査(医師、歯科医師、薬剤師)の届出時
            • 業務従事者届(保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、歯科技工士)の届出時
        3. (離職時に届出を行うこととなっている資格)
          • 届出と合わせてマイナンバーの登録を求める。
          • 離職届(保健師、助産師、看護師、准看護師、介護福祉士)の届出時

      ~NEW~
      厚生労働省 令和2年度の妊娠届出数の状況について
      • 厚生労働省では、このたび、新型コロナウイルス感染症の流行が妊娠活動等に及ぼす影響を把握することを目的として、平成30年1月から令和2年7月までの妊娠届出数の状況について自治体に照会し、別紙のとおり、取りまとめましたのでお知らせします。
      • 新型コロナウイルス感染症の流行が本格化した本年4月以降の届出件数と、前年同月との比較は次のとおりです。
        • 令和2年4月の妊娠届出数は75,807件であり、前年同月の76,083件と比較すると0.4%減。
        • 令和2年5月の妊娠届出数は67,919件であり、前年同月の81,911件と比較すると17.1%減。
        • 令和2年6月の妊娠届出数は67,115件であり、前年同月の70,973件と比較すると5.4%減。
        • 令和2年7月の妊娠届出数は69,448件であり、前年同月の77,929件と比較すると10.9%減。
      • (参考)妊娠届出について
        • 妊娠届出は、母子健康手帳の交付や妊婦健康診査、両親学級、産前産後サポート事業などの母子保健サービスが適切に住民にゆきとどくよう、市町村が妊娠している者を早期に把握するための制度である。
        • 法令上、妊娠届出時期について時限は定められていないが、厚生労働省では、妊娠11週以下の時期の届出を勧奨しており、平成30年度には93.3%の妊婦が、妊娠11週までに届出を行っている。
        • なお、多胎妊娠の場合、児の数にかかわらず1件として届出がなされる。

      ~NEW~
      厚生労働省 WHOとその関係協力機関が実施している臨床試験の中間結果(レムデシビル)について
      • 5月に特例承認を行ったレムデシビルについて、WHOとその関係協力機関が実施している臨床試験で、入院患者の死亡率の改善などには「ほとんど効果が認められないか、全く効果が認められなかったようだ」とする中間結果が発表されました。
      • WHOによれば、この中間結果については、論文の掲載のための専門家による査読(評価・検証)を受ける前のプレプリントの段階にあるとのことであり、厚生労働省としては、この臨床試験の結果に対する詳細な評価・検証を待つ必要があると考えており、今後も情報収集に努めてまいります。
      • なお、レムデシビルについては、5月2日に米国で緊急使用許可がなされ、我が国においては、複数の臨床試験の結果から一定の有効性が確認できたことから、5月7日に特例承認を行っています。また、欧州においても、7月3日に条件付き承認がなされており、米国でも10月22日に正式に承認がなされております。
      • プレプリントの論文には、30カ国、405の病院で、入院中の患者を対象に実施した非盲検の比較臨床試験において、標準治療群と比較したレムデシビル群の死亡リスク比は0.95(95%信頼区間0.81-1.11)であったと記載されている。
      • 国際共同のプラセボ対照二重盲検比較試験(中等症~重症対象)の結果、患者の回復までの期間が15日→10日に有意に短縮等の結果が得られている。なお、死亡率については、15.2%→11.4% ハザード比0.73(95%信頼区間0.52-1.03)と改善傾向を示していたものの、統計的有意差までは認められていない。(The New England Journal of Medicineに、最終結果の論文を掲載(10/8))
      • 米国FDAは、承認の際にレムデシビルに関するQAを公表しており、その中でWHOの臨床試験に対する見解を示している。
      • https://www.fda.gov/media/137574/download
      • 見解のポイント
        • WHOの臨床試験(SOLIDARITY試験)は非盲検の比較試験であるのに対し、FDAの承認にあたり主に評価を行った試験(ACTT-1試験)は、プラセボ対照の二重盲検比較試験である。両試験は、試験設計及び評価項目が異なっており、非盲検のSOLIDARITY試験と比較して、二重盲検のACTT-1試験の方が、回復までの期間を厳密に評価することに適している。そのため、ACTT-1試験で示された患者への利益は、SOLIDARITY試験の結果により、否定されるものではない。

      ~NEW~
      厚生労働省 監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成31年度・令和元年度)
      • 監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成31年度・令和元年度)のポイント
        1. 是正企業数
          • 1,611企業(前年度比 157企業の減)
          • うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、161企業(前年度比 67企業の減)
        2. 対象労働者数
          • 7万8,717人(同3万9,963人の減)
        3. 支払われた割増賃金合計額
          • 98億4,068万円(同26億815万円の減)
        4. 支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり611万円、労働者1人当たり13万円
      ▼【別紙3】賃金不払残業の解消のための取組事例
      • 事例1(業種:自動車・同付属品製造業)
        1. 賃金不払残業の状況
          • 賃金不払残業の防止を目的として、労基署が立入調査を実施。
          • 検査部門の労働者に対し、所定終業時刻にタイムカードを打刻させた後、部品の検査を行わせており、検査した個数に応じて「手当」を支払っていたが、作業に要した時間を確認した結果、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導。
        2. 企業が実施した解消策
          • 検査部門の労働者へのヒアリングを基に実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。
          • 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。
            1. 「労働時間適正把握ガイドライン」に基づく労働時間の考え方について資料を作成し、全ての労働者に説明を行うとともに、社長がコンプライアンスを宣言した。
            2. タイムカードは作業終了時に打刻させることとし、残業する必要がある場合にはあらかじめ申請書を提出させ、申請を基に労働時間を把握することとした。
            3. 残業申請された時間とタイムカードの記録との間にかい離があった場合は、労働者本人とその管理者に対し、かい離の原因について確認を行うこととした。
      • 事例2(業種:産業廃棄物処理業)
        1. 賃金不払残業の状況【キーワード:始業前残業と労働時間の切り捨て】
          • 「タイムカード打刻前の朝礼と車両点検に対して割増賃金が支払われない」との情報を基に、労基署が立入調査を実施。
          • 産業廃棄物の収集車の運転者に対し、始業前の朝礼への出席と車両点検を義務づけていたほか、労働時間の算定の際に、1日ごとに30分単位で切り捨て計算を行っており、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導
        2. 企業が実施した解消策
          • 産業廃棄物の収集車の運転者に対し、朝礼と車両点検に要した時間、切り捨てされていた時間について実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。
          • 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。
            1. 役員から全ての労働者に対して、労基署の指導内容やコンプライアンスの重要性を説明し、「労働時間適正把握ガイドライン」に基づく労働時間の適正な把握について教育研修を行った。
            2. 30分未満の労働時間を切り捨てる方式を廃止したほか、朝礼及び車両点検については、始業後に実施することとした。
            3. 労働時間の適正な管理を徹底するため、タイムカードの記録と車両の運行記録などの記録に大幅なかい離があった場合には、かい離の原因について聴取を行うこととした
      • 事例3(業種:飲食店)
        1. 賃金不払残業の状況
          • 「残業代が支払われない」との情報を基に、労基署が立入調査を実施。
          • 労働者がパソコンに入力する出退勤時刻により労働時間管理を行っていたが、店舗への入退場を管理する静脈認証システムの記録との間にかい離が認められ、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導
        2. 企業が実施した解消策
          • 店舗に勤務する労働者からのヒアリングなどを基に実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。
          • 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。
            1. 全ての労働者を対象に労働時間の適正な管理に関する社内教育を実施し、その場で社長から、コンプライアンスが最重要であり、企業全体としてこれに取り組んでいくとの決意表明を行った。
            2. パソコンへの入力による管理を廃止し、静脈認証システムによる客観的な記録を基礎として労働時間を把握することとし、適正なシステム運用を行うよう、各店舗に注意事項を掲示した。
      • 事例4(業種:卸売業)
        1. 賃金不払残業の状況
          • 「労働時間が全く把握されておらず、残業代が一切支払われない」との情報を基に、労基署が立入調査を実施。
          • 労働者に対し、月10時間から42時間相当の残業手当を定額で支払っていたが、実際の労働時間を全く把握しておらず、賃金不払残業の疑いが認められたため、実態調査を行うよう指導。
        2. 企業が実施した解消策
          • パソコンの送信メールのログ記録や労働者からのヒアリングなどを基に実態調査を行った上で、不払となっていた割増賃金を支払った。
          • 賃金不払残業の解消のために次の取組を実施した。
            1. 「労働時間適正把握ガイドライン」に基づく労働時間の考え方について資料を作成し、管理者を含めた全ての労働者に周知するとともに、社内のイントラネット上で、いつでも閲覧できるようにした。
            2. パソコンのオン/オフ時の時刻を自動で記録する勤怠管理システムを導入し、客観的な記録を基礎として労働時間を把握することとした。
            3. 管理者が、労働者がパソコンをオフ後に仕事を行っていないかなど、勤怠管理システムによる労働時間の管理が適正に行われているかについて日常的に確認し、問題が認められた場合には、労働者本人とその上司に対して指導を行うこととした。

      ~NEW~
      厚生労働省 「今後の若年者雇用に関する研究会報告書」を公表します
      • 報告書では、「若者雇用促進法に基づく各仕組みの効果的改善による適職選択支援」をはじめ、「新規学卒者の定着支援」「キャリア自律に向けた支援」「若年者雇用の安定化に向けた支援」などについて有識者のご意見をまとめたほか、コロナ禍で社会・産業構造等の変化の更なる加速が予想されることなど、今後、中長期的に新型コロナウイルス感染症が若年者雇用にどのような影響を及ぼすかについても現時点で考えられる課題や留意点を盛り込んでおります。
      • 今後は、本報告書も踏まえつつ、労働政策審議会人材開発分科会において新たな青少年雇用対策基本方針の策定に向けた議論が行われる予定です。
      ▼報告書(概要)
      1. 若年者雇用を巡る現状と課題
        • AI等の技術革新の急速な進展に伴うデジタルトランスフォーメーションの加速化による、高度な専門性・技能を有する人材へのニーズの高まりや、事務職・単純作業中心の職種における人材の過剰感の高まり
        • 人生100年時代の到来による職業人生の長期化や働き方の多様化の進展を受けた、日本型雇用管理の変容への動き
        • テレワークの更なる普及による、時間・場所にとらわれない柔軟な働き方による子育て・介護・治療等との両立の進展や、首都圏から地方圏への労働者の移動・企業移転の動きの加速化の可能性
        • 推進すべき課題
          • 労働者の主体的選択をしやすくするための、外部労働市場の整備と継続的なキャリア形成支援
          • 今後の日本型雇用管理の変容も視野に入れた、個人のキャリア形成支援と企業の新たな雇用管理の構築支援
          • 産業構造等の変化に対応した産業間の円滑な労働移動の支援やデジタル技術を利活用できる人材の育成
      2. 今後の若年者雇用施策の在り方
        • 若者雇用促進法に基づく各仕組みの効果的改善による適職選択支援
          • 職業能力開発・向上の情報なども含めた青少年雇用情報の提供の一層の促進
          • ユースエール認定制度の活用の促進、学生や多様な産業への更なる周知・効果的なアプローチ
        • 特に入職後早期を念頭に、キャリアコンサルティングを通じ、若者が「キャリア自律」によって長期的・安定的に職業人生をより豊かにし、その持てる能力を社会において有効に発揮できるように支援
        • コロナ禍などを契機に新たな就職氷河期世代を生み出さぬよう、若年者雇用の安定化に向けた支援
        • 「新規学卒者の定着支援」「キャリア自律に向けた支援」「若年者雇用の安定化に向けた支援」を3つの支援の柱として位置付け、各般の施策を実施
        • なお、ウィズ・ポストコロナ時代を見据え、「新たな日常」の下で、今後の若者の働き方、キャリア形成、雇用機会がどのように変化するかを引き続き注視する必要

      ~NEW~
      厚生労働省 「令和2年版厚生労働白書」を公表します
      ▼概要版
      • 平成の30年間の社会の変容と2040年にかけての今後の20年間の変化の見通しを踏まえ、今回の新型コロナウイルス感染症の影響を含め、今後の対応の方向性等として以下を提示。
        • 人生100年時代に向けて
        • 担い手不足・人口減少の克服に向けて
        • 新たなつながり・支え合いに向けて
        • 生活を支える社会保障制度の維持・発展に向けて
        • デジタル・トランスフォーメーション(DX)への対応
      • 令和時代の社会保障と働き方の方向性(高齢者人口がピークを迎える2040年頃を見据えて)
        1. 人生100年時代
          • 健康寿命の延伸
          • 生涯現役の就労と社会参加
        2. 担い手不足・人口減少の克服
          • 就業率の一層の向上
          • 働く人のポテンシャルの向上と活躍
          • 医療・福祉サービス改革を通じた生産性向上
          • 少子化対策
        3. 新たなつながり・支え合い
          • 総合的なセーフティネットの構築
          • 多様な担い手が参画する地域活動の推進
          • 経済的な格差拡大の防止
        4. 生活を支える社会保障制度の維持・発展
          • 機能の強化
          • 持続可能性の強化(財政面+サービス提供面)
      • 平均寿命は、平成30年間に約5年伸び、さらに2040年にかけて約2年伸びる見通し。2040年時点で65歳の人は、男性の約4割が90歳まで、女性の2割が100歳まで生きると推計され、「人生100年時代」が射程に。
      • 健康寿命の延伸とともに、ライフステージに応じてどのような働き方を選ぶか、就労以外の学びや社会参加などをどのように組み合わせていくかといった生き方の選択を支える環境整備が重要に
      • 高齢期の身体機能が若返る中、「高齢者像」が大きく変化。
      • 健康寿命が延伸してきており、男女ともに2040年までにさらに3年延伸が目標。
      • 今後、本格的な人口減少が進む中で、就業者を始めとする「担い手」の減少を懸念。女性や高齢者の就業率の一層の向上とともに、働く人のポテンシャルを引き上げ、活躍できる環境整備が必要。
      • 特に、医療福祉従事者は2040年には最大1,070万人(就業者の約5人に1人)に増加の見通し。健康寿命の延伸等の取組とあわせて、医療福祉現場の生産性を上げることにより、より少ない人手でも現場が回っていく体制を実現していくことが必要。
      • 担い手不足が生じる根本的な原因は少子化の進行。長期的な展望に立って総合的な対策を進めることが必要
      • 2040年の就業者数は、今後の経済成長と労働参加の進展によって左右される
      • 平成の30年間、女性と高齢者の就業率は大幅に上昇。
      • 平成の30年間で、共働き世帯は約1.6倍に。共働き世帯中心へと転換
      • 人口減少下にあっても、労働力人口や就業者数は1990年代後半の水準を維持
      • 2040年、就業者の約5人に1人が医療福祉分野で必要に。需給両面の改革が必要
      • 長期的な人口の見通しも踏まえた少子化への対応が重要に
      • 平成の30年間で、三世代世帯が約4割から約1割に減少するなど、世帯構造は大きく変化。「日頃のちょっとした手助けが得られない」や「介護や病で頼れる人がいない」など、生活の支えが必要と思われる高齢者世帯は、過去25年間で3.5倍程度増加。今後25年間でさらに1.5倍程度増える見込み。
      • 「地縁、血縁、社縁」の弱まりの一方、ボランティア等によってつながる「新たな縁」や、支え手・受け手といった枠を超え、支え合いながら暮らす「地域共生社会」の実践も拡がりつつある。人口減少による地域社会の縮小が見込まれる中で、新たなつながり・支え合いを構築することが必要
      • 平成の30年間で、三世代世帯は約4割から約1割へと4分の1に減少。
      • 世帯構造の変化がさらに進み、2040年には単独世帯が約4割に。
      • 一人暮らし高齢者が将来の介護を頼む先は「子」が減り「ホームヘルパー」が増加。
      • 2040年にかけて、未婚の高齢者が増加する見通し
      • 「日頃のちょっとした手助け」が得られず、生活の支えが必要と思われる高齢者の世帯は、過去25年間で3.6倍となり、今後25年間で1.4倍に増加の見込み
      • 子育て支援を含め、感染拡大防止と両立する「新しいつながり」が模索されている
      • 一人ひとりの暮らしを支えていくために、それぞれの地域事情を踏まえつつ、様々な主体や関連分野と連携し、つながり・支え合いのあり方を考えていくことが必要
      • 平成の30年間の社会保障制度改革は、機能の強化と財政面の持続可能性の強化の2つの軸で実施されてきた。
      • 今後は、3つの方向性(人生100年時代、担い手不足・人口減少、新たなつながり・支え合い)に沿った改革、特に、担い手不足・人口減少の観点からサービス提供面を含めた持続可能性の強化が重要に。デジタル・トランスフォーメーション(DX)への対応も不可欠に。
      • 「ポスト・コロナ」の社会も展望しつつ、社会保障制度改革について、国民的な議論を深めていくことが必要。

      ~NEW~
      厚生労働省 「人口減少社会における医療・福祉の利用に関する意識調査」の結果を公表します
      ▼報告書
      • 子育て経験では、「過去に子育てを経験している」が39.7%、「現在、18歳未満の子を育てている」が21.6%、「子育て経験は無い」が39.3%となっており、「子育て経験者」が全体の約6割を占めている。また、地域区分では都市部、地域類型では「現役世代(増加)」地域で「子育て経験は無い」の割合が高い。年齢区分では若いほど「子育て経験は無い」の割合が高い。
      • 高齢者の介護経験では、「介護経験は無い」が75.7%、自身が介護を受けていることを含め、過去~現在までに介護経験がある人は24.3%と約4分の1を占める。また、地域区分での違いはみられないが、年齢区分では若いほど「介護経験は無い」の割合が高く、地域類型においても「現役世代(増加)」地域で「介護経験は無い」の割合が高くなっている。
      • 障がい者の介護経験では、「介護経験は無い」が90.1%、自身が介護を受けていることを含め、過去~現在までに介護経験がある人は9.9%と約1割となっている。また、地域区分や年齢区分では、特徴的な傾向はみられない
      • 子育ての福祉サービスの利用経験では、「利用している(したことがある)」が13.9%(417人)である。年齢区分では18~44歳で「利用している(したことがある)」が総数よりも高いほか、地域区分や地域類型では特徴的な傾向はみられない
      • 高齢者福祉サービスの利用経験では、自分及び家族が「利用している(したことがある)」が18.3%(549人)である。年齢区分では、若いほど「利用したことはない」の割合が高まるが、地域区分や地域類型では特徴的な傾向はみられない
      • 障がい者福祉サービスの利用経験では、自分及び家族が「利用している(したことがある)」が合わせて5.9%(178人)である。年齢区分、地域区分や地域類型では特徴的な傾向はみられない。
      • 外出時の移動手段(よく使うものを2つまで回答)では、「自動車(自分で運転)」が55.9%と過半数を占め最も多く、次いで、「電車・地下鉄」が34.0%、以下、「徒歩」(31.0%)、「自転車」(24.0%)、「自動車(家族が運転)」(17.1%)、「バス」(9.1%)と続いている。地域区分では、いずれも「自動車(自分で運転)」が第一位であるものの、都市部では都市部以外と比べて「電車・地下鉄」、「自転車」、「バス」の比率が高い。年齢区分では、年齢が高いほど「自動車(自分で運転)」、「バス」が多くなる傾向がみられる。
      • 回答者全体でみた「居住市町村の生活の利便性」の満足度が高い項目(上位3つ)は日常的な買い物(83.6%)、教育(77.8%)、医療(77.5%)である。一方、最も満足度が低い項目は、娯楽(46.3%)である。
      • 医療の利便性についての満足度(以下「医療の満足度」という。)に関して属性別に見ると、医療は基本的に誰もが利用するサービスであることから、福祉サービスの利用経験の有無は満足度にほぼ影響がない一方、居住地域によって満足度の差が出ている。具体的には、都市部で満足度が比較的高いほか、地域類型では「現役世代(減少)・高齢者(増加)」地域と「現役世代(増加)」地域で満足度が比較的高いことがわかる
      • 福祉(子育て・保育)の利便性についての満足度(以下「福祉(子育て・保育)についての満足度」という。)では、サービスの利用経験者の満足度は72.7%となっている
      • 福祉(高齢者・障がい者)の利便性にかかる満足度(以下「福祉(高齢者・障がい者)についての満足度」という。)については、サービスの利用経験者の満足度が高齢者福祉サービスについて59.4%、障がい者福祉サービスについて62.9%となっている
      • 医療の満足度、居住地域、年齢とのクロス集計では大きな差がみられないが、「いきなり大きな病院にかからない」については、65歳以上の9割以上(94.8%)が認知している一方で、18~44歳では約7割(69.2%)、45~64歳では約8割(81.4%)であり、年代が高いほど認知度が高くなっている。「「#7119」や「#8000」」については、年齢区分ごとの差が小さく、18~44歳の認知度は45~64歳よりも高くなっている
      • かかりつけ医については、「1人いる」と「2人以上いる」を合わせて約45%、「いない」が約46%、「わからない」が約1割である。「いない」は、単身世帯、医療の満足度別で「やや不満・とても不満」とする人、18~44歳の年齢層でそれぞれ約6割(57.4%/58.0%/55.7%)と高くなっている
      • 人口減少下において、住民が医療や福祉サービスを必要に応じて利用しながら、暮らしやすいまちづくりをしていくためにどのような関わり方ができるかに関して「既にしていること」(3つまで回答)としては、「日常生活の困りごとについて、友人・知人同士で助け合う」、「日常生活の困りごとについて、近隣住民同士で助け合う」が約3割(32.1%/27.1%)、次いで、「日常生活の手助けや見守りなどのボランティア活動をする」が約1割(11.8%)と続いている。その一方で、「自分自身が関われることはないので何もしない」が約5割(46.9%)存在している。
      • ボランティア活動に際して「あった方が参加しやすいもの」(3つまで回答)としては、「交通費などの実費相当の支援」が約5割(52.3%)、「何かあった時のための損害保険」が約4割(42.0%)と高い。
      • ボランティア活動に際して「無いならば参加しないもの」(3つまで回答)としては、「あった方が参加しやすいもの」とは異なり、「何かあった時のための損害保険」、「家族の理解や協力」、「受入時に初心者でも参加しやすい雰囲気があること」、「活動に当たっての役割や責任の範囲を決めておくなどの活動ルール」が約3割(この順に29.8%/28.8%/28.0%/25.5%)で上位にある
      • 人口減少の影響と居住地選択、医療・福祉の利便性
        • 人口減少に伴い、様々な商業や公共サービスの低下・減少も考えられる中、一般論としては、特に日常的な買い物、公共交通機関、医療、行政機関等が遠くなることが普段の生活への影響が大きいと考えられている。全体として、普段の生活への影響が特にないとする回答は約2割にとどまっている。
        • 特に高齢者、障がい者福祉サービスの利用経験がある場合に、これらの影響が大きいと考える割合が高くなっており、福祉サービスの利用ニーズを持つ人にとっては、福祉サービスに限らず生活全般の利便性が重要であることが示唆される。また、2040年にかけての人口変動でみた地域類型では「現役世代(減少)・高齢者(減少)」地域においてこれらの影響が大きいと考える割合が比較的高くなっている。
        • 他方、こうした事象が回答者の居住地域で生じた場合に、他地域への転居を検討する理由となるかについては、約4割が「転居の理由になるものはない」としている。特に、「現役世代(減少)・高齢者(減少)」地域においては、普段の生活への影響が大きいと考える割合が高い一方で、転居の理由になるものはないとする回答の割合も比較的高い。
        • 現状では、回答者の居住地域やその近隣に住み続けたいとする割合が約6割となっており、「現役世代(減少)・高齢者(減少)」地域でも5割を超えていることから、今後仮に、様々な商業や公共サービスの配置集約化によりアクセスが遠くなるとしても、生活の下支えのためには小規模、巡回型などのサービスを効率的に提供することや、情報通信機器を利用した遠隔利用などにより補い、アクセスの問題を克服していく必要があると考えられる。
        • 現状における医療・福祉の利便性についての満足度としては、全体では6~7割が「とても満足」「まあまあ満足」としている(福祉については利用経験者の回答に限る)。しかしながら、医療では都市部以外・「現役世代(減少)・高齢者(減少)」地域で低く、福祉(特に子育て・保育)では「現役世代(減少)・高齢者(減少)」地域でやや低いという傾向にある。なお、医療・福祉のアクセス(片道の通院・通所にかけられる最大時間)については、全体的に1時間未満でのアクセスを求める意識が見られ、特に、日常的にかかる診療所や通所の福祉サービスについて「30分未満」とする回答の割合が高い。これらは、施設の機能に応じて想定する利用頻度等の影響を受けていると考えられる。
      • 医療のかかり方
        • 医療の利用については、いきなり大病院にかからずまず診療所等で診てもらうことや、救急医療の利用の前に電話相談を利用すること等、患者側の意識も重要であるが、特に電話相談については認知度がまだ4割程度にとどまっている。また、こうした取組を実際に行っている人は全体の約4分の1にとどまっている。
        • こうした認知度については、かかりつけ医がいる場合に高くなる傾向があるほか、特に若い世代ではかかりつけ医がいる場合に取組を実際に行っている割合も高い。今回の調査だけでは、医療のかかり方についての意識が高いゆえにかかりつけ医がいるのか、かかりつけ医がいるために医療のかかり方についての意識が高くなっているのかについては不明であるものの、医療のかかり方についての認知、実際の行動とかかりつけ医を持つことは相関していることが明らかになった。
      • 地域への関わり方
        • 人口減少下において、住民や医療・福祉を必要に応じて利用しながら暮らしやすいまちづくりをしていくために、日常生活の困りごとについての友人・知人同士、近隣住民同士での助け合いをしているとする人がそれぞれ約3割、日常生活の手助けや見守りなどのボランティア活動をしているとする人が約1割である。こうした活動をこれから行おうと考えている人もほぼ同水準で存在するが、既にしていること・これから行うこといずれについても、特になしとする回答も約4~5割存在している。
        • 福祉サービスの利用経験者は、こうした活動に前向きな意識を示しており、サービスを利用する当事者としての関わりが、地域における活動につながっていくと考えられる。
        • 友人・知人、近隣住民同士の助け合いやボランティア活動をすることについては、高齢者において前向きな意識が見られる。18~44歳、45~64歳では、既にしていること・これから行うこといずれについても、特になしとする割合が高齢者に比べて高く、助け合いやボランティア活動等を挙げる割合も低いが、専門職又は専門職以外で医療・福祉に関わる仕事をするという意識が1割程度に見られる。
        • ボランティア活動においては、無いならば参加しないものとして、損害保険や参加しやすい雰囲気、活動ルール、交通費等の実費相当の支援など運営側で工夫できる項目のほか、家族の理解や協力も重要であることが示された。

      ~NEW~
      総務省 地方公共団体が誘致又は関与したサテライトオフィスの開設状況調査結果
      • 総務省においては、これまで、都市部から地方へのヒト・情報の流れを創出するために、地方公共団体のサテライトオフィス誘致の取組を「お試しサテライトオフィス」事業などにより支援していますが、今般、地方公共団体が誘致し、あるいは開設にあたって関与した企業のサテライトオフィスの開設状況の調査結果をとりまとめましたのでお知らせします。
      • 本調査では、サテライトオフィスとは「(オフィスの管理主体や活用形態を問わず)都市部の企業等が本拠から離れたところに設置する遠隔勤務のためのオフィスの総称」と定義しております。
      • 本調査についてはあくまでも地方公共団体が誘致・あるいは関与したものを対象としており、全ての企業のサテライトオフィスの開設状況の実態を示すものではありません。
      • サテライトオフィス開設数 654箇所(令和元年度末時点)(市町村別開設状況)
        • 令和元年度末時点でのサテライトオフィス開設総数は822箇所であるが、168箇所が減少しており、サテライトオフィス開設数は654箇所となっている。
        • また、都道府県別の開設状況は北海道が最多の74箇所であり、次いで徳島県の67箇所となっている。
        • 新たな企業が進出してきたことによる波及効果(主な回答)
          • 移住者の増加
          • 地元人の雇用機会の創出
          • 交流人口・関係人口の拡大
          • 空き家・空き店舗の活用
          • 地元企業との連携による新たなビジネスの創出
          • 地元住民等との連携・交流による地域の活性化
        • 新たな企業が進出してきたことにより明らかとなった(生じた)課題(主な回答)
          • 早期撤退企業が多いため、定着への取り組み
          • 企業が求める地元人材の不足
          • 進出企業への支援
          • 地元企業等とのビジネスマッチングの機会不足
        • サテライトオフィス誘致に対して、地方公共団体等の独自の支援策(主な回答)
          • 補助制度の整備(賃借料、事務機器、回線使用料等の助成)
          • セミナーや誘致ツアーの実施
      • サテライトオフィスの形態等(別添2)
        • オフィスの形態については、独自事務所が71%、シェアオフィスが26%となっている。
        • また、オフィスへの入居の形態については、常勤の要員を配置している「常駐型」が73%、常勤の要員を配置せず、短期的に利用する「循環型」が25%となっている。
        • 開設にあたっての行政による支援等(どのような支援が有益だったか)(主な回答)
          • 地元大学向け(人材確保のための)企業説明会の開催
          • 地元企業等とのビジネスマッチング支援
          • 物件紹介、暮らし環境サポート
          • 各種補助・助成金等
        • 今後の課題・行政等への要請等(主な回答)
          • 現地での安定的な仕事供給
          • 地元人材の確保・育成
          • 地元住民、企業、大学等とのマッチング支援や交流の場の提供

      ~NEW~
      総務省 「「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会」(第1回)
      ▼資料2 総務省提出資料
      • 地域間の整備率は若干の格差が生じているものの、FTTH(光ファイバ)の世帯カバー率は非常に高い水準となっている
      • 日本の情報通信利用環境の整備状況のうち、固定系ブロードバンドに占める光ファイバの割合は諸外国に比べ高い水準となっている
      • モバイル端末全体の普及率は非常に高く、中でもスマートフォンの普及率が最も高い
      • 日本のデジタル化については、世界のデジタル競争力や電子政府ランキングなど様々な指標がある
      • 日本のICT投資は90年代半ば頃から米国に比べ低い水準となっている
      • 日本企業のICT投資の目的は、現行ビジネスの維持・運営のための予算が大半を占めており、ビジネスの新しい施策展開のための比率が小さい
      • 日本のICT人材は諸外国に比べICT企業に偏在している
      • コロナ禍において、eコマース、オンライン会議ツールや有料動画配信サービス等のデジタルサービスの利用者が増加している
      • 対面・接触を伴う宿泊、飲食、映画等の業種では9割以上の企業の売上が減少している。他方、デジタルサービス関連業においては、売上が減少した企業が上記企業より少なく、売上が増加した企業も相対的に多い
      • コロナ禍において、消費者によるデジタル活用の意向は拡大している。具体的には、決済手段(キャッシュレス)、健康管理、テレワーク等の分野におけるデジタル活用のニーズが高い
      • コロナ禍において、キャッシュレス決済の利用者は増加している。その主な理由としては、「支払いを素早く済ませ、接触時間を短縮させるため」や、「現金に触れることによる感染を減らすため」が挙げられており、コロナ禍におけるキャッシュレス決済のニーズは高まっている
      • 健康管理におけるデジタル活用のニーズが高まった理由としては、接触回避のための外出自粛に伴う運動不足を原因とする自身の健康状態の管理にあると考えられる
      • コロナ禍において、テレワークを導入した企業は増加しており、テレワークのニーズは高まっている。テレワーク導入の理由としては、新型コロナウイルス対策のために導入したとするものが最も多く、コロナ対策としてのテレワークのニーズは高い
      • 65歳以上のインターネット利用者の割合が相対的に低く、デジタル活用の障壁となっている。65歳以上のインターネット利用者については、約半数において、利用頻度が非常に低く、インターネットを使いこなせていない
      • テレワークの実施率は、都道府県別に見ると、大きな格差が見られ、地域格差も課題の一つとなっている
      • デジタル技術の利用意向が拡大する中、特定の分野において、セキュリティ上の不安等が挙げられている。例えば、テレワークではセキュリティ確保が課題との回答が多く、キャッシュレスでは個人情報流出のおそれが多く挙げられている
      • 諸外国の新型コロナウイルス対策におけるデジタル活用
        1. 遠隔教育の実施に係る措置
          • 政府が遠隔教育向け補助金プログラムを創設。(米国)
          • 政府がデジタル端末を所有していない支援を必要とする学校児童等を対象に、端末と通信を可能とする設備を提供。(英国)
          • 政府が、遠隔授業等を提供するサービス(Oak National Academy)に支援を実施し、無料で遠隔授業等を提供。(英国)
          • 遠隔授業が受講できない地域の学生に対しては、テレビ放送の教育番組等を活用した教育プログラムを提供。(中国、インド)
          • 政府が教室内のWi-Fiを整備し、準政府機関がオンライン授業のシステムを開発し、同システムを活用して遠隔授業を提供。(韓国)
          • 全州・中央政府が利用可能な教育プラットフォームを通じて教育コンテンツ等を提供。(インド)
        2. 遠隔医療の実施に係る措置
          • 遠隔医療向け補助金プログラムを設立し、ヘルスケア事業者が遠隔医療サービスを提供するための設備等の購入費用を支援。(米国)
          • 法の規準に準拠していないサービスの一部を利用して遠隔医療を実施した場合であっても一時的に罰則を非適用とすることで、一般的に普及しているビデオ通話サービスでの遠隔医療の実施を可能とした。(米国)
          • 料金体系の明確化や利用者の個人情報保護などのルールを整備するとともに、保険会社に対し、遠隔医療における診療を保険適用範囲とするよう要請。(インド)
        3. 通信料の負担軽減に係る措置
          • 政府が電気通信事業者等のサービス提供者に対して、通信料請求の延期や、サービスを停止しないよう要請。(米国)
          • 政府がサービス提供者と協力し、固定ブロードバンドサービスのデータ上限の撤廃や料金を支払うことが難しいユーザへの支援を実施。(英国)
          • 政府が無料公共Wi-Fiを整備するとともに、65歳以上の国民等に対し通信料の支援のための給付を実施。(韓国)
        4. その他の対応
          • 政府が企業に対し、在宅勤務関連のインフラ構築のための助成金を交付。(韓国)
          • 政府の公的な個人ID情報を、民間事業者がその保有するデータと組み合わせて活用し、個々人の健康状態を証明する「健康コード」を開発。公共施設等への出入りに際し、「許可証」として機能。(中国)
      • 検討をお願いしたい事項
        • 我が国のデジタル活用に関し、諸外国に比して現状をどう評価するか。
        • 個々の利用者・企業や経済全体にとって、デジタル活用の目的をどう考えるか。
        • 過去のデジタル活用の取組において、どのような部分が成功したか。また、どのような部分が不十分であったか。(どのような具体的事例があるか)
        • 更なるデジタル活用に向けて、政府にどのような役割を期待するか。また、目標年次や政策の達成度合いを、どのように設定すべきか。
        • 全ての国民が、デジタル利用を円滑に実現するための環境として、具体的に何が必要か。また、その方策として、何が望まれるか。
        • 経済再生・地域活性化の実現に資するデータ活用として、既存の具体例にはどのようなものがあるか。また、今後、どのようなデータ活用事例が想定され、それを実現・推進するためには、どのような方法があり得るか。
        • 「新たな日常」を確立するには、どのような情報通信基盤が必要とされ、その実現にはどのような推進方策が望まれるか。
        • その他、中長期的な経済成長に不可欠な最先端技術の研究開発や、グローバルなデジタル活用の連携のため、どのような方策が望まれるか。

      ~NEW~
      国土交通省 2050年を展望した国土の方向性と課題を公表します~「国土の長期展望専門委員会」中間とりまとめ~
      ▼「国土の長期展望」中間とりまとめ 本文
      • デジタル技術の大幅な進展は、手段としての技術にとどまらず、暮らし方や価値観にまで多大な影響を与える可能性を有している。通信環境が飛躍的に改善され、さらにはAI、ビッグデータ、IoTなどの社会実装が進むことにより、例えば産業面で言えば、諸外国で飛躍的に進む交通モビリティ分野におけるデジタル技術の活用について、我が国においてもMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)等のように、生産という企業側の視点よりも利用者側の視点を重視して、財・サービスを提供する取組が始まっている。また、生活面においても、職場に通わず自宅やシェアオフィスでテレワークを行う「職場と仕事の分離」の環境が整うなど、デジタル化の進展を契機に、これまで当たり前とされていた生活様式が見直され始めている。
      • さらに、ここ数年、毎年のように起こる大規模自然災害や新型コロナウイルス感染症の発生・まん延という事態が、我々に「いのち」の重さを改めて実感させる機会を与えている。特に感染症の拡大は人々の行動や生活行為だけでなく、暮らしの在り方といった意識にも大きな変化をもたらした。「密」の回避やそれに伴うテレワーク・時差通勤等の実践、外出自粛に伴う生活面での様々な工夫は、これまでの暮らし方や、職場の在り方も含む働き方など、生き方や「いのち」のとらえ方を見つめ直す機会となっている。
      • もちろん、このような自然災害や感染症は今に始まったことではない。特に中世ヨーロッパにおけるペストの流行は、神が支配する中世の人々に「いのち」と向き合う機会を与え、ルネサンスという「人間回帰」への大きな転換をもたらしたという。また、過去の歴史においても、感染症の流行は世の中の課題を露わにし、その転換を加速させてきた。「いのち」と真正面に向き合う今だからこそ、物質的な豊かさの指標のみにとらわれるのではなく、SDGsで掲げられた持続可能な社会の実現等にも配意しつつ、デジタル技術がもたらす恩恵も一助としながら、「物」から「人」への意識転換を推し進め、「真の豊かさ」を追い求めることが重要となる。
      • デジタル技術の活用の進展、自然災害の激甚化・頻発化、新型コロナウイルスの発生・まん延、気候変動も踏まえたSDGsへの関心の高まり等といった大きな状況の変化が生じているところであり、国土政策を考えるに当たっても、このような時代感を前提に、デジタル技術も活用しながら、(1)時間・空間・生活ともにゆとりがあり、子育て環境をはじめとする生活の基本的な要素が充実している、(2)自由度が高く、人生の各ステージで様々な選択肢の中から望ましい働き方、暮らし方を選択できる、(3)多様な価値観が認められ、かつ、その交流が新たな価値を創造する、(4)国際的に見ても魅力的で競争力のある地域を育むなど、「真の豊かさ」を実感できる国土を形成していく必要がある
      • リスク・課題とは、例えば、突発性のリスクとしては自然災害や感染症などであり、また、進行性の課題としては地球環境の変化や食料確保の問題、東京一極集中による弊害などが挙げられる。これらの各リスク・課題に適切に対応し、防災・減災の主流化、ポストコロナ時代のしなやかで堅固な国土づくりを進めていく必要がある
      • 今般の新型コロナウイルス感染症への対応からは、過度な「密」を避け、精神的なゆとりも回復する地方回帰の考え方も再び注目されている。国民一人ひとりがどのような豊かさを求めるかは、人それぞれであるが、これからの社会は、多様な価値観を相互に尊重し合える社会でなければならない
      • IPCC第5次評価報告書(AR5)(2013年)によると、21世紀末(2081年~2100年)における世界の年平均気温は、20世紀末(1986~2005年)と比較して、厳しい対策をとった場合のシナリオ(RCP2.6)でも0.3~1.7℃、温室効果ガス排出量が最大となるシナリオ(RCP8.5)だと2.6~4.8℃上昇すると予測されている。また、世界平均海面水位は、1902年から2010年の間に0.12~0.21m上昇しており、近年は特に加速化している。全てのRCPシナリオにおいて、海面上昇は今後も継続すると見込まれるほか、過去100年に一度起こる程度の海面水位の極端な現象が、21世紀の間に頻発する(多くの場所において1年に一度以上する)と予測されている。日本においては、21世紀末の年平均気温は、RCP2.6シナリオでも0.5~1.7℃、現在を上回る対策がとられないRCP8.5シナリオでは、3.4~5.4℃上昇することが予測されている
      • 地球温暖化による気候変動の進行等により、自然災害が激甚化・頻発化する可能性が指摘されている。日本の年降水量は、1970年代以降、年ごとの変動が拡大しており、短時間強雨(1時間降水量が50mm以上)や大雨の発生回数が増加している一方で、降水日数が減少する傾向がみられている。21世紀末には、短時間強雨の発生回数が全ての地域及び季節で増加する一方、無降水日も全国的に増加すると予測されている。
      • 年降雪量については、21世紀末には、東日本や北日本の日本海側を中心に大きく減少すると予測される一方、10年に一度の大雪となるような極端な降雪については、北海道や中部地方の内陸部で増大することが予測されている。
      • 海面水位の上昇に加え、「強い台風」の増加等に伴い、日本の沿岸部においては高潮が増大することが予測されており、特に三大湾などで高潮による浸水リスクや被害額が大きくなることが予想されている。なお、海抜0m以下の地域に居住する人口は、2015年の187万人から2050年には245万人に増加すると予測されている。
      • また、地震については、日本周辺の太平洋沖合には、海溝型地震を起こす陸と海のプレートの境界があるが、海溝型地震の発生間隔は数十年から百年と短いため、太平洋岸の地域の地震の発生確率は高くなっている。陸域の活断層による地震の発生間隔は一般的に1,000年以上と長く、海溝型地震と比べると発生確率は低くなるものの、大規模地震が発生する可能性が無いわけではない。日本列島には、未確認のものも含め多くの活断層が分布しており、全国どこでも地震が発生する可能性がある
      • 洪水、土砂災害、地震、津波の4災害を対象とすると、これらの災害リスクのある地域は全国に広がっており、国土の約35%が何らかの災害リスクのある地域となっている。この4災害のリスクに曝される人口は、2015年時点で全体の71.1%となっているが、2050年には73.4%になると予測されており、災害リスクのある地域への人口偏在がさらに進む見通しとなっている
      • Aon plc(エーオン・ピーエルシー:米国の保険関連企業)の「気候と大規模自然災害レポート:2019年版(Weather, Climate & Catastrophe Insight: 2019 Annual Report)」によれば、2019年に発生した台風15号及び台風19号の経済損失額は、それぞれ100億米ドル、150億米ドルに上っており、今後も自然災害の激甚化・頻発化に伴い、日本社会へ大きな経済的負担が生じる可能性がある
      • グローバル・サプライチェーンについては、コロナ危機により世界各地で寸断が生じ、物資の供給途絶や人材の移動の停滞等といった様々なリスクが顕在化した。この結果、新型コロナウイルスに関連する輸出禁止・制限措置をとる国が多数みられた
      • 新技術の実装化
        • 交通分野:目的や行先、優先すべきこと等の個人の希望に関する情報や天気・渋滞状況等のリアルタイムな情報を、ビッグデータやAIを活用して解析することにより、最適な移動計画の提供やスムーズな移動、渋滞緩和、事故減少等が可能になる。
        • 医療・介護分野:医療情報やリアルタイム生体計測データなどを、AIを通じて解析することで、病気の早期発見や最適治療、健康促進等の情報を介護対象者等に提供することが可能になる。
        • ものづくり分野:AI・ロボットを活用することにより、人材の確保や経費節減など、産業のバリューチェーンを強化し、人手不足の解消等につながることが期待されている。
        • 農業分野:農業従事者の負担軽減のため、新技術によるスマート農業を導入し、最適な営農計画に基づく安定的な生産や、超省力・高生産なスマート農業の実現が期待されている。
        • 食品分野:個人に関する情報や店舗の情報を、AIを活用して解析することにより、個人の嗜好に合わせた商品の提案や食品ロスの削減等が期待されている。
        • 防災分野:気象レーダーやドローン、救助ロボットなどの新技術とAIの解析をリンクさせ、精度の高い避難情報や迅速な被災者の救助、避難所等への物資の最適配送などが期待されている。
        • エネルギー分野:エネルギーの使用状況や気象状況、発電量等の情報を、AIを活用して解析することにより、的確な需要予測やエネルギーの地域間での融通など、環境にも優しい最適エネルギー供給の仕組みを構築することが期待される。
      • 高度経済成長期以降に整備された各種インフラにおいて、建設後50年以上経過する施設数が加速度的に増加する見通しとなっている。2033年における建設後50年以上経過する施設数の割合は、道路橋が約63%、トンネルが約42%、河川管理施設(水門等)が約62%、下水道管きょが約21%、港湾岸壁が約58%となる見通しであり、2018年時点と比較すると約2~6倍に増加することが見込まれる
      • 例えば、上流域の山間地域から下流の都市地域まで、氾濫をできるだけ防ぐために、堤防整備や河床掘削等による流下能力の向上、治水ダムの建設・再生や利水ダムの活用等の対策をより一層加速するとともに、危険地域のゾーニングを行い、災害ハザードエリアにできるだけ人を住まわせないための土地利用規制・誘導の在り方等の検討や、氾濫発生に備えた警戒避難体制の充実、被災地における早期の復旧・復興といった対策も含め、水害に対しハード・ソフト一体となって総合的・多層的に備える流域治水を推進していく必要がある
      • パンデミックの発生も考慮したレジリエントな国土構造の実現に向け、「新しい生活様式」の実践にも欠かせない情報通信技術を支える情報通信基盤の整備や、それを活用できる人材育成の在り方について検討を行うべきである。また、密の回避・事業継続等の観点からの分散化、テレワークやオンライン会議の推進等について取組を進めていくべきである。さらに、地域における必要な医療体制の確保や、ソフト及びハードの取組により国民生活等を支える複線的な物流ルートの構築等のリダンダンシーの在り方についても検討を行うべきである。加えて、例えば都市におけるオープンスペースやホテル等の宿泊施設等は、平時における用途とは別に、災害時やパンデミック時には一時的な避難や隔離等の施設として活用できるものであり、非常時に求められる機能がスムーズに確保・活用できるよう、平時から管理者等と連携して検討を進めておくべきである
      • Society5.0の実現やデジタル化社会を支える人材の確保や育成、テレワークやオンライン会議等を前提とした情報通信基盤等の整備を進めていくべきである。また関連して、デジタル化の進展に伴うデータ活用に際して、各主体が保有するデータを共有できる仕組みづくり(アクセシビリティの確保)や、技術開発、人材育成等によるセキュリティの強化、個人情報の保護等についても留意すべきである

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