反社会的勢力対応 関連コラム

AML/CTFに関するガイドライン(金融庁)/アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて(経産省)/テレワークセキュリティガイドライン(第5版)(総務省)

2021.02.22

更新日:2021年2月22日 新着21記事

アンチ・マネーローンダリングのイメージ画像

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について
  • 金融審議会「最良執行のあり方等に関するタスクフォース」(第2回)議事次第
  • 「記述情報の開示の好事例集2020」の追加・公表
警察庁
  • 令和3年1月犯罪統計資料
  • サイバー犯罪対策プロジェクト マルウェアに感染している機器の利用者に対する注意喚起の実施について
法務省
  • 令和2年中の通信傍受の実施状況等に関する公表
内閣府
  • 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
  • 外交に関する世論調査
消費者庁
  • 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベーター方式)で発生した事故
  • 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品 等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について
  • 「Microsoft」のロゴを用いて信用させ、パソコンのセキュリティ対策のサポート料などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起
国民生活センター
  • 不正利用かも!? 利用明細は必ず確認
  • ガソリン携行缶の取り扱いに注意-取り扱いを誤るとガソリンの漏えいや噴出の原因に-
  • 出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を-恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に-
  • ガソリンスタンドで「このままでは危険」と突然、タイヤの交換を勧められた
厚生労働省
  • 第24回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年2月18日)
経済産業省
  • 防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書を取りまとめました
  • 「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書(案)の意見公募手続(パブリックコメント)を開始しました
総務省
  • サイバーセキュリティタスクフォース(第28回)
  • 「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」(案)に対する意見募集
国土交通省
  • 『雪道での立ち往生に注意!』(パンフレット)の作成について―大型車の冬用タイヤとチェーンの注意事項に関するパンフレットを作成しました―

~NEW~
金融庁 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等について
▼コメントの概要及びそれに対する金融庁の考え方
  • ご指摘のとおり、マネロン・テロ資金供与リスクの検証を、「新たな商品・サービスを取り扱う場合や、新たな技術を活用して行う取引その他の新たな態様による取引を行う場合」に限定するものではございません。しかし、「新たな商品・サービスを取り扱う場合や、新たな技術を活用して行う取引その他の新たな態様による取引を行う場合」には、直面するリスクが変化することから、事前にマネロン・テロ資金供与のリスクを検証することが必要であることを明記したものです
  • 金融機関等は、自らの業務・サービス等がマネロン・テロ資金供与に利用されないよう、リスク評価に基づき、リスクベースで管理態勢を整備する義務を負います。こうした自らの業務・サービス等への影響の観点から、リスクベースの管理の一環として、提携先等のマネロン・テロ資金供与の管理状況を把握しておく必要があることを示すものです。
  • 提携先等のリスク管理態勢の有効性を検証するために確認すべき検証内容や深度等については、リスクに応じてご判断いただくこととなります。
  • これまで取扱いがなかった商品・サービス等の提供を開始する場合のほか、国内外の事業を買収することや業務提携等により、新たな商品・サービスの取扱いが発生する場合、直面するリスクが変化することから、営業部門と管理部門とが連携して、事前にマネロン・テロ資金供与リスクを分析・検証することが必要であると考えます。
  • ある商品・サービス等の提供を他の事業者と提携等して行う場合については、様々な取引形態が考えられるため、「提携先」等を例として挙げたものであり、「業務提携」や「資本提携」の場合も含まれ得るものと考えます。
  • 疑わしい取引の届出状況等の分析をリスクの特定の場面において活かすことを排除する趣旨ではなく、これらの分析結果は、リスクの評価に際して特に考慮されるべきものであると整理し、Ⅱ-2(2)リスクの評価【対応が求められる事項】に明記しました。
  • リスクの評価に当たって考慮すべき1つの重要な要素として、疑わしい取引の届出の状況等の分析を挙げています。ご指摘の「等」については、口座の不正利用状況や、捜査機関等からの外部照会、警察からの凍結要請、報道等から分析した金融犯罪の手口や被害状況等が含まれると考えられ、これらの事情を、リスクの評価に活用することが考えられます。
  • どのような手法を用いてマネロン・テロ資金供与対策を実現するかは、金融機関等の経営上の判断の問題となります。そのため、本ガイドラインにおいても、一律にシステムの導入を求めているわけではありません。また、共同システムの活用については、本ガイドライン(I-3業界団体や中央機関等の役割)に記載されているとおり、必要かつ適切な場合に、業界団体や中央機関等が、その共同運用の促進等に指導的な役割を果たすことが重要であると考えます。
  • 顧客の営業内容、所在地等が取引目的、取引態様等に照らして合理的ではないなどのリスクが高い取引等について、取引開始前又は多額の取引等に際し、追加的な措置を講ずることを求めています。
  • 本ガイドラインにおける「リスクに応じた簡素な顧客管理(SDD)」とは、リスクが低いと判断した顧客について、当該リスクの特性を踏まえながら、当該顧客が行う取引のモニタリングに係る敷居値を上げたり、顧客情報の調査範囲・手法・更新頻度等を異にしたりすることをいいます。
  • Ⅱ-2(3)(ⅱ)【対応が求められる事項】10二においては、各顧客のリスクが高まったと想定される具体的な事象が発生した場合等の機動的な顧客情報の確認に加え、定期的な確認をすることを求めています。そして、同【対応が求められる事項】10ホにおいては、こうした継続的な顧客管理により確認した顧客情報等を踏まえ、顧客の顧客リスク評価を見直し、リスクに応じたリスク低減措置を講ずることを求めています。
  • 継続的な顧客管理により確認した顧客情報等を踏まえ、顧客リスク評価を見直し、当該顧客に対し、リスクに応じた個別具体的なリスク低減措置を講ずることを求めています。
  • 「団体」及び「団体が形成しているグループ」の範囲については、機械的に判断されるものではなく、当該「団体」及び「グループ」自体の性質や、「団体」がグループ内で有する地位や影響力等に応じて、個別具体的に判断する必要があります。
  • 当該グループのうち、制裁国周辺地域と取引を行っている先が存在する場合等には、グループを形成している団体の顧客のリスク評価に重大な影響を及ぼし得る先として、当該リスクを勘案することを想定しています。
  • 取扱業務や顧客層を踏まえて、取引フィルタリングシステムのあいまい検索機能の設定を適切に行うよう、定期的に調整することを想定しています。
  • 「取引関係者」には法人に限らず個人も含まれ、取引関係者が法人の場合は実質的支配者も含まれます。
  • 当庁としては、SWIFTの電文に含まれている全ての情報のみならず、取引の内容(送金先、取引関係者(その実質的支配者も含む)、輸出入品目等)について照合対象となる制裁リストが最新のものとなっているか、及び制裁対象の検知基準がリスクに応じた適切な設定となっているかを検証し、その上で適切に照合するなど、的確な運用を図ることを求めています。
  • 経営陣においては、マネロン・テロ資金供与対策に係る業務負担を、所管部署等から報告を受けることなどにより、適宜適切に把握し、ITシステムを活用することで、有効性の向上及び業務の効率化が図られ、効果的かつ迅速に対応できると判断される場合においては、ITシステムの活用を検討することが求められています。なお、「経営陣」の定義等については、平成30年2月6日公表時のパブリックコメント6に対する回答をご参照ください。
  • 地方銀行等が資金移動業者のサービスの媒介のために店頭に会員申込書等を配置することにより、自身の顧客等が当該資金移動業者のサービスにアクセスしやすくする場合で、かつ、当該資金移動業者から対価を受け取るような場合には、マネロン・テロ資金供与への関与を回避することができるよう、当該資金移動業者のマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢について確認することができるような態勢を構築することが重要であるものと考えます。なお、地方銀行等自身も、自身に必要なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢を構築することが求められます。
  • 「送金人及び受取人が自らの直接の顧客でない場合」には、コルレス先や委託元金融機関等と連携しながら、自らの顧客でない送金人及び受取人についても取引モニタリングの対象とするなどリスクに応じた厳格な顧客管理を行うことを必要に応じて検討することを求めています。
  • 中継銀行としてSWIFT電文上にある情報のリスト照合を適切に行うとともに、バルク送金や送金原資、送金目的に不自然な点があった場合には、KYCの対象であるコルレス先を通じて情報提供依頼を行うなど、リスクに応じた対応が求められます。
  • 「輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等」については、貿易活動に基づく債務不履行時の保証、履行保証、信用供与等で構成されるものであり、例えば、輸出手形の買取り・輸入信用状開設に加え、輸出信用状の確認等を想定しています。なお、輸出入に係る単純な代金決済における海外送金については、本ガイドラインのⅡ-2(4)(ⅰ)「海外送金等」をご確認ください。
  • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等に係るリスクの特定・評価については、取引に関係する国・地域に対するリスクだけでなく、取引全体に対するリスクを勘案するように求めています。「輸送経路」については、例えば、制裁対象国の瀬取りに利用されることがないかといった観点等から、必要な事項を考慮していただく必要があると考えますが、少なくとも、出向地、寄港地、中継地は確認していただく必要があるものと考えます。また、輸送経路を確認する中で、制裁対象国の付近を通過する場合には、制裁対象国が関与する取引でないかという観点から、制裁内容を確認し、制裁対象国・地域を通過していないかなどについても確認する必要がある場合もあり得るものと考えます。「利用する船舶等」については、船舶が制裁対象に該当しないか、船舶の所有者、オペレータが制裁対象者に該当しないかといった観点から必要な事項を考慮していただく必要があるものと考えます。「取引関係者」については、輸出入取引に係る資金の融通及び信用の供与等のリスクの特定及び評価に必要な関係者について考慮していただく必要があるものと考えます。その関係者に実質的支配者が存在する場合には、当該実質的支配者についても考慮していただく必要があるものと考えます。もっとも、いわゆるKYCCという顧客の顧客の本人確認手続まで求めるものではありません。
  • 輸出入取引等の「輸送経路」を把握する方法としては、船舶等の寄港地や航跡の管理、AIS情報のモニタリング等の方法がありますが、仲介業者等を介する場合には、当該仲介業者等を通じて、必要な対応を実施していただくべきものと考えます。
  • 取引金額や取引量等を踏まえ、システムによるか、マニュアルによるかを問わず、リスクが高い取引について、送金取組前に的確に検知することができる態勢を整備することが期待されています
  • 全ての取引について適切にリスク評価が行われ、取引モニタリング・フィルタリングの対象となることを前提とし、事前に整理した指標に基づき、リスクの高い取引については、追加的な確認を行うなどして、リスクベースによる取組みが行われることを期待しています。なお、事前に整理した指標については、自らの規模・特性や業務実態等を考慮して、定期及び随時に見直すことが期待されています。
  • 市況品、汎用品等、市場価格を把握することが困難とまではいえない商品等については、金融機関等において把握可能な情報から考えられる市場価格との乖離がないか、その乖離は合理的か否かを検討することが期待されます。なお、市場価格を判断することが困難な物・サービスが輸出入取引等の目的となっている場合には、取引関係者等について深堀調査をするなどして、異なる観点からマネロン・テロ資金供与リスクを低減させる措置を実施することが期待されます。
  • 例えば、事前に金融機関等において把握している顧客の業務内容や取扱商品等と整合しないような輸出入取引が挙げられます。前提として、輸出入取引を行うような顧客については、その業務内容や主たる取扱商品、主たる取引の相手方等について、金融機関等において把握していることが重要であると考えます。
  • 新技術の有効性を積極的に検討し、他の金融機関等の動向や、新技術導入に係る課題の有無等も踏まえながら、マネロン・テロ資金供与対策の高度化や効率化の観点から、こうした新技術を活用する余地がないか、その有効性も含めて必要に応じ、検討を行うことを期待しています。また、AI等が行った結果に対する透明性/説明性は、十分考慮されるべき点であり、利用する金融機関等が、AIモデルの判定ロジックにおいて、一般的には、どの説明変数がどの程度の重要度で利用されるかを示す情報(説明変数の寄与度)の取得に関して、合理的な時間内で取得可能であること、及び、変数の寄与度が金融犯罪検知や疑わしい取引の検知の文脈で解釈可能であることなどが考えられます。
  • 第3線の職員が独立した立場から検証を行うことを期待していますので、「内部監査部門」という表現は、原案のとおりとさせていただきます。
  • 本改正は、外部専門家等を利用する際の留意点を示すものであって、金融機関等において、外部専門家等によるレビューを受ける必要性を高めたり、外部専門家等によるレビューを受ける義務を課したりする趣旨のものではありません。
  • ある項目について外部専門家等のレビュー等を受けたことをもって、事後的な検証を一切不要とすることなく、適切に検証することが期待されています。外部専門家等を選定する前に、金融機関等における選定基準により選定することは差し支えないものと考えます。
  • 業務経験や資格等は考慮要素の1つとなり得ますが、外部専門家等による検証結果の合理性等について、独立した立場で内部監査部門が検証を行うことで、金融機関等が利用した外部専門家等の適切性や能力等の検証が行われることが期待されています。
  • サービスの対価の合理性判断について、金融機関等と外部専門家等における契約の中で、協議・検討すべきものと考えます。
  • 事前の検証においては、ご指摘いただいたような項目について検証することが期待されます。内部監査部門の事後検証においては、プロセスが履践されているということのみならず、検証結果等の内容等からして、当該外部専門家等の能力や適切性を検証することが期待されています。
  • ガイドラインにおいては、「対応が求められる事項」に係る態勢整備を前提に、特定の場面や、一定の規模・業容等を擁する金融機関等の対応について、より堅牢なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の構築の観点から対応することが望ましいと考えられる事項を「対応が期待される事項」として記載しています。
  • 経営陣は、形式的に承認手続を行うことにとどまらず、マネロン・テロ資金供与対策を金融機関等における重要な経営上の課題と位置付け、同対策の方針・手続・計画等の策定及び見直しについて積極的に関与することが求められています。
  • 本ガイドラインでは、経営陣が、職員へのマネロン・テロ資金供与対策に関する研修等につき、自ら参加するなど、積極的に関与すること(Ⅲ-2【対応が求められる事項】7)や、管理部門にマネロン・テロ資金供与対策に係る適切な知識及び専門性等を有する職員を配置すること(Ⅲ-3(2)【対応が求められる事項】4)を求めています。
  • 同じ内容の研修を受講させる必要性は低いものと考えますが、NRAの内容やFATFにおける業態別のガイダンスが改訂されたり、金融機関等が直面するリスクに変化が生じたりした場合には、必要に応じて、従来の研修をアップデートした上で、既受講者も対象とした検証を実施することが求められるものと考えます。

~NEW~
金融庁 金融審議会「最良執行のあり方等に関するタスクフォース」(第2回)議事次第
▼資料2 事務局説明資料(最良執行方針等とSORとの関係等)
  1. 第1回会合(2020年12月18日)におけるメンバーの主なコメント
    • 全体
      • 多種多様な投資家を前提に最大公約数を取るという観点からすれば、現在でも、価格、コスト、スピード、執行可能性が4大要素であるというのは、違和感はない。ただし、他の要素を排除するわけではない。
      • マーケットの多様化の進展、発注技術に関する進展を踏まえると、大多数の投資家にとって取引所で執行することが合理的であるというところから出発する現在の最良執行義務は見直す必要。
      • 様々な要素を総合的に勘案するという最良執行の整理は今でも変化していないが、ITの進展や、PTSにおいても少なくとも取引所の取引時間内においては妥当な価格での売買が可能になってきていることを前提にすると、最良執行のあり方を見直すことについては異論はない。ただし、取引可能なあらゆる取引施設を価格で比較しなければならないとするのは現実的ではない。また、PTSは東証の取引開始前の時間帯でも取引しているが、その時間帯は、価格を比較することは現実的ではない。
      • 機関投資家と個人投資家では注文のサイズやニーズが異なることから、機関投資家に対する最良執行方針等と個人投資家に対する最良執行方針等を分けて議論するのが妥当。
      • 米国では、機関投資家・個人投資家問わず価格による最良執行義務とされているが、世界的に見ると特殊。米国のような価格重視の最良執行義務を導入するためには、かなりの設備投資が必要であり、また市場外の執行が増えるなど市場構造に一定の影響があるため、慎重に検討する必要。
      • 米国のNMSのようなシステムを構築するには、非常に大規模なインフラが必要になり、メンテナンスも必要であるため、一朝一夕に実現するのは難しい。
    • 機関投資家に対する最良執行方針等
      • 証券会社が注文執行にあたって考慮すべき要素について、機関投資家にとっては、匿名性・秘匿性も重要。
      • 機関投資家は、必ずしも価格のみを優先しているわけではなく、様々な視点、投資元となっている投資家の視点から、適切な優先すべき事項を選んでいる。
      • 機関投資家に対する最良執行方針等については、基本的には導入当初の精神というのは未だに生きており、これに大きく手を入れる必要はない。
    • 個人投資家に対する最良執行方針等
      • 個人投資家について、特に小口の注文に関しては、複数の取引施設を比較して、より良い値段で執行するということはある意味自然。ただし、小口の個人投資家の注文の全てにおいて、価格の比較が有効であるというわけではない。中長期の投資をする個人投資家は、指値で待つ人も多い。約定可能性、価格の透明性も重視されるべき。
      • それほど大きな注文は出さない個人投資家においては、どのような価格で執行できるのか、どのようなコストがかかるのかという、この2点が一番重要な要因。複数の市場で執行が可能な場合にどの市場に最良価格があるかということを収集する能力は、個人投資家の場合には非常に限られているため、SORを積極的に活用した執行機会というものを最良執行という考え方の中に取り込んでいくことはメリットがある。ただし、SORを使用した執行には特有のデメリットもあり、投資家によっては取引所での執行を優先して好むという投資家も当然いると思われるため、投資家の選択の余地を残すという意味では、全てSOR経由ではなければいけないということではない。
      • 価格優先という形を一律的に適用するという発想については、若干懐疑的。証券会社それぞれにおける特性・ビジネスモデルを減殺してしまうという側面もある。デイトレーダーのようなスピードと価格が最も重要である個人投資家がいる一方、中長期的な資産形成をする個人投資家にとっては証券会社からのサービスが非常に重要。マーケットの側面から見ても、健全な市場の多様性を維持していくという意味においても、価格のみに焦点を当てることによって、その特性が若干損なわれることがあるとすると、あまり好ましいことではない。中堅証券が新たなシステムコストを過大にかけて、それが結果として投資家に転嫁されるというような形になるというのは、投資家保護とは必ずしも言い切れない。プリンシプルベースのアプローチが望ましい。
      • SORを導入するシステム対応のために、取引所・PTSにつなぐために、一定のコストがかかっている。SORは価格改善メリットを目的に導入しており、若干価格改善につながっているが、東証での約定も多く、かけたコストに対してメリットはまだまだ小さい。そこまで価格にセンシティブではない個人投資家も多いと思われ、一律SORを導入しようという議論はとても乱暴。
      • 投資家が少しでも有利な価格で取引できるに越したことはないが、今も基幹システムの維持、利用料についても相当なコストが毎月かかっており、それが中堅・中小証券の利益を圧迫している。売買手数料を収益の柱とするブローカレッジ業務から資産形成ビジネスへのシフトが課題となっていることからも、価格追求の優先度は下げざるを得ない。執行可能性と安心して取引できるという市場の透明性が一番大事であり、その次に、コスト、価格、スピードが重要。個人投資家は少額投資中心であるため、僅かな価格差に大きなメリットがあるとは現状感じられない。
    • その他
      • 約定価格と約定した時点の取引所の気配を比較すれば、価格改善効果はあったといえるかもしれないが、本当に重要なのは、例えばある注文を証券会社が受領してPTS等に指値で発注したときに、何らかの気配情報が発信され、例えばHFTがその情報に基づいて取引所等で先回りして取引をしてしまった、その結果投資家の注文は約定されず、より不利な価格での約定を強いられたといったケースがあった場合に、約定した結果だけを見て価格改善効果があるというのは、フェアではない。
      • (個人投資家と高速取引行為者との間のスピード格差という点に関連して)マーケットの流動性の多様化が非常に重要であり、マーケットの見方が違う投資家がいるからこそ、売りと買いが発生し、需給が発生する。
      • 最良執行方針等どおりに執行されたのかという点の開示とモニタリングが重要。
      • SORは多様な条件を迅速かつ円滑に探索する上では非常に優れた仕組みであるが、一種のブラックボックス化しているところを踏まえて、利益相反の観点から検討する必要。
      • 市場の透明性についても同時に考える必要。
      • 市場間での健全な競争環境があるということが重要。
  2. 検討課題
    1. 最良執行方針等とSORとの関係
      • 最良執行方針等においてSORによる注文執行のルールを記載することについてどう考えるか。(この場合、個人投資家も含め、分かりやすい記載にするためには、どのような点に留意する必要があるか。)
      • SORにより注文を執行した場合における、投資家に対する執行結果に関する情報提供のあり方についてどう考えるか。(最良執行説明書の記載事項の充実化 等)
    2. SORに付随する利益相反構造
      • SORによる注文執行のルール如何により利益相反が生じることを踏まえ、最良執行の観点から、SORによる注文執行のルールはどうあるべきか。
      • 前記の利益相反構造について、どのような対応策が考えられるか。
    3. 最良執行方針等とダークプールとの関係 (※)
      • 個人投資家の最良執行方針等について、より価格を重視したものに見直す場合、ダークプールの位置付けについてどのように考えるべきか。(※)ダークプールについては、2019年・金融審議会「市場ワーキング・グループ」において、トレードアットルール及びダークプールを利用する場合における事前同意の取得義務付けが見送られ、まずは、ダークプールの透明性等の確保が進められているところ。

~NEW~
金融庁 「記述情報の開示の好事例集2020」の追加・公表
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▼1.「新型コロナウイルス感染症」に関する開示例
  • 株式会社熊谷組
    1. 経営環境について
      • 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により海外経済が急速に収縮するなか、政府から発令された新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言を受けて、個人消費は外出自粛や移動制限により停滞し、企業収益もインバウンド需要の消失や経済活動の抑制により大幅な悪化が避けられない状況となった。2020年5月25日をもって緊急事態宣言が全都道府県で解除されたものの、景気の見通しは極めて不透明な状況にある。
      • 建設業界においては、民間企業による建設投資は経営環境の悪化により減少が予想されるが、公共投資は、気候変動による災害リスクの増大やインフラ老朽化対策などへの集中投資の必要性から2020年度当初予算に前年度とほぼ同水準の公共事業関係費が織り込まれており一定の水準は維持されると思われる。また、新型コロナウイルス感染症拡大の緊急経済対策として補正予算に計上されている国内投資促進事業費補助金2,200億円については、民間設備投資を一定程度下支えすると考えられる。
      • このような状況下において、新型コロナウイルス感染症拡大が当社グループに与える影響について「マイナス影響」と「プラス影響」に大別して認識している。
        • マイナス影響
          • 景気後退に伴う民間企業の設備投資の減少
          • インバウンド需要縮小に伴う宿泊施設等の新設減少
          • 官庁工事における公告・入札の延期
          • 追加設計変更交渉等の難航
          • 海外工事減少に伴う国内競争の激化
          • 工事中断に伴う工程遅延・部材の納入遅れによる工程遅延
          • 発注者、施工協力業者の倒産リスクの増加
          • 感染症対策に伴うコストの増加等
        • プラス影響
          • 景気下支え策としての公共工事の増加
          • デフレーションによる工事コストの低下
          • 医療、倉庫・流通施設の増設、移転
          • 海外における生産拠点の日本回帰や再編に伴う工場等の増設、移転
          • 生活・社会インフラの整備
          • テレワーク増加に伴う通信インフラの整備
          • 行動様式の変容に合わせたリニューアル工事の増加
          • 集約型から分散型オフィスへのシフト
          • M&Aの進展・再開発事業に係る不動産購入コストの低下等
          • 受注環境・価格競争が厳しさを増していくと予想されるなか、新型コロナウイルス感染症の業績への影響について、2008年のリーマンショック時と同程度に民間工事の受注高が落ち込むことを想定しており、連結売上高・連結営業利益に影響を与えることを見込んでいる。
    2. 対応策について
      • 2020年2月22日に危機管理委員会を事務局とした新型コロナウイルス対策本部を発足させ、全ての事業所で朝夕の検温、マスク着用、手洗いの徹底、時差出勤及び在宅勤務の実施、不要不急の出張の制限、不特定多数の人が集まるイベントの開催・参加の延期・中止の検討といった予防措置をとった。
      • 政府から緊急事態宣言が発令された2020年4月7日にはより迅速な対応を可能とするため社長を対策本部の長とする体制へ移行したうえ、対象地域の内勤者に対して在宅勤務を原則とする交代勤務制を推奨するなど感染リスクの最小化に努めた。
      • 2020年4月17日に緊急事態宣言の対象区域が全都道府県に拡大されたことを受けて、当社グループの社員及び協力会社などの関係者の生命・身体の安全を最優先する方針のもと、お客様と協議のうえ、施工中の一部工事を一時中断する措置をとり、全国の内勤者について当初の対象地域の対応と同様の措置をとった。
      • 2020年5月7日にお客様から工事中断の要請がある工事を除いて感染防止策を強化・徹底する事を前提に工事を再開し、2020年5月25日の緊急事態宣言の解除後は中断していた全ての工事を再開させた。また、緊急事態宣言解除後も感染拡大防止に向けた対策を継続している。
  • ヤマトホールディングス株式会社
    1. 経営環境、経営戦略及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
      • 今後の経済情勢については、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い大幅に悪化しており、今後の感染拡大ペースや収束時期が不透明な中、内外経済環境の回復が見通せない状況にあります。
      • 一方、物流業界においては、消費スタイルの急速な変化によりEC市場が拡大する中、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う世界的な製造業の生産活動や貿易の停滞、移動の制限によるインバウンド需要の急激な減少、サービス業を中心とした営業自粛など経済活動全般が縮小しており、今後の経営環境への影響が不透明な状況にあります。
      • このような状況下、ヤマトグループはお客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に取り組んでまいります。また、2020年1月、前中期経営計画「KAIKAKU 2019 for NEXT100」の成果と課題、外的環境の変化を踏まえ、今後のヤマトグループにおける中長期の経営のグランドデザインとして経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」を策定しました。宅急便のデジタルトランスフォーメーション、ECエコシステムの確立、法人向け物流事業の強化に向けた3つの事業構造改革と、グループ経営体制の刷新、データ・ドリブン経営への転換、サステナビリティの取り組みの3つの基盤構造改革からなる当プランを着実に実行し、持続的な成長を目指してまいります。
      • 2021年4月には、現在の機能単位から、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部からなる経営体制へ移行し、中長期的(2024年3月期)に、営業収益2兆円、営業利益1,200億円以上、ROE10%以上をターゲットとします。なお、主要経営指標等を含む詳細な中期経営計画については、2022年3月期からの3か年計画として検討を進めてまいります。
        • 3つの事業構造改革
          1. 「宅急便」のデジタルトランスフォーメーション
            • デジタル化とロボティクスの導入で、「宅急便」を当社の安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーがお客様との接点により多くの時間を費やせる環境を構築し、お客様との関係を強化します。徹底したデータ分析とAIの活用で、需要と業務量予測の精度を向上し、予測に基づく人員配置・配車・配送ルートの改善など、輸配送工程とオペレーション全体の最適化、標準化によって、集配の生産性を向上します。さらに、従来の仕分けプロセスを革新する独自のソーティング・システムの導入で、ネットワーク全体の仕分け生産性を4割向上させるなど、取扱個数の増減だけに影響されない、安定的な収益構造に改めます。
          2. ECエコシステムの確立
            • 今後も進展が予想される「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組みます。既に、2020年4月より、EC事業者、物流事業者と協業し、一部の地域でEC向け新配送サービスを開始しており、外部の配送リソースとヤマトの拠点やデジタル基盤を融合し、まとめ配達や配達距離の短縮化、オープンロッカーや取扱店受け取り、安心な指定場所配達などを通じて、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応える、EC向けラストマイルサービスの最適解を導き出し、全国への展開を目指します。また、あらゆる商取引のEC化に対応する統合受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理できるオープンなデジタル・プラットフォームを構築し、2021年4月からの提供を目指します。
        • 3つの基盤構造改革
          1. グループ経営体制の刷新
            • 現在の機能単位の部分最適を、顧客セグメント単位の全体最適な組織に変革し、経営のスピードをより速めるため、2021年4月、当社の100%子会社であるヤマト運輸株式会社が、グループ会社7社を吸収合併および吸収分割することにより、純粋持株会社の当社のもと、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4事業本部と、4つの機能本部を構築します。輸送・プラットフォーム・ITの各機能本部は、ネットワーク・拠点・車両を含めた輸配送工程の全体最適化、YDP・クロネコメンバーズなどのプラットフォームの進化、ITの強化とIT人材の開発など、事業本部の競争優位の源泉となる各機能の開発と運営を担います。また、プロフェッショナルサービス機能本部は、再編で重複する業務の統廃合を受け、管理間接業務や調達業務を集約するとともに、徹底した業務の標準化、効率化を進めます。
          2. データ・ドリブン経営への転換
            • 今後4年間で約1,000億円をデジタル分野に投資するとともに、社内外のデジタル・IT人材を結集し、2021年4月には300人規模の新デジタル組織を立ち上げます。新組織立ち上げに向け、2021年3月期は下記の5つのアクションを実行します。
            • データ・ドリブン経営による予測に基づいた意思決定と施策の実施
            • アカウントマネジメントの強化に向けた法人顧客データの統合
            • 流動のリアルタイム把握によるサービスレベルの向上
            • 稼働の見える化、原価の見える化によるリソース配置の最適化、高度化
            • 最先端のテクノロジーを取り入れたYDPの構築、および基幹システム刷新への着手
            • また、2020年4月1日に設立したCVCファンド(コーポレートベンチャーキャピタルファンド)である 「KURONEKO Innovation Fund」等を活用し、オープンイノベーションを加速してまいります。
          3. サステナビリティの取り組み~環境と社会を組み込んだ経営~
            • ヤマトグループは、持続可能な未来を切り拓く将来の姿として「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」の2つのビジョンを掲げ、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指します。
            • そして、フェアな事業や多様なパートナーとの共創により、リーディングカンパニーとして社会課題を解決していきます。2050年CO2実質排出ゼロ(自社の排出:Scope1(直接排出)とScope2(電気等の使用に伴う間接排出))に挑戦し、低炭素車両の導入や再エネ利用等を進めていきます。また、持続可能な資源の利用、スマートモビリティ、働きやすい職場づくりを通じたディーセント・ワーク(働きがいのある、人間らしい仕事)達成への貢献、人権・ダイバーシティの尊重、健全でレジリエンス(強靭)なサプライチェーンマネジメントなどに注力していきます。
    2. 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
      • ヤマトグループは、社会インフラの一員として社会の課題に正面から向き合い、お客様、社会のニーズに応える「新たな物流のエコシステム」を創出することで、豊かな社会の創造に持続的な貢献を果たしていくため、中長期の経営のグランドデザインである経営構造改革プラン「YAMATO NEXT100」に基づき、以下の課題に取り組んでまいります。
        1. 新型コロナウイルス感染症の拡大に対応し、お客様に安心して宅急便をご利用いただくため、社員の衛生管理に最大限留意するとともに、非対面での荷物のお届けへの対応や接客時の感染防止対策の実施、ホームページなどを活用した情報発信などに取り組んでおります。引き続き、お客様、社員の安全を最優先に、宅急便をはじめとする物流サービスの継続に努めてまいります。
        2. お客様、社会のニーズに正面から向き合う経営をさらに強化するため、2021年4月にグループ経営体制を刷新し、従来の機能単位の組織を、リテール・地域法人・グローバル法人・ECの4つの顧客セグメント単位の組織に再編するとともに、経営と事業の距離を縮め意思決定の迅速化を図ることで、お客様の立場で考えスピーディーに応える経営を目指してまいります。また、グループ経営の健全性を高めるため、引き続き、商品・サービスの審査および内部通報に関する運用状況のモニタリングや社員への倫理教育など、グループガバナンスの強化に取り組んでまいります。
        3. 第一線の社員がお客様にしっかりと向き合う「全員経営」を推進するため、データ・ドリブン経営への転換に取り組んでまいります。宅急便をより安定的な収益基盤にするとともに、セールスドライバーがお客様へのサービス提供により多くの時間を費やすことができる環境を構築するため、宅急便のデジタルトランスフォーメーションを推進してまいります。データ分析とAIの活用により、需要と業務量予測の精度を向上し、輸配送工程とオペレーション全体を最適化、標準化し、集配および幹線輸送の生産性を向上させるとともに、デジタル化とロボティクスの導入により従来の仕分けプロセスを革新するソーティング・システムを導入し、物流ネットワーク全体の仕分け生産性の向上を目指してまいります。
        4. 社会のニーズに応え、EC市場の高い成長力を取り込むECエコシステムの確立に向けて、「産業のEC化」に特化した物流サービスの創出に取り組んでまいります。EC事業者や物流事業者との共創により、外部の配送リソースとヤマトグループの拠点やデジタル基盤を融合し、EC事業者、購入者、運び手のそれぞれのニーズに応えるEC向け配送サービスを提供するとともに、受発注、輸配送、在庫管理、決済、返品などを一括管理するオープンなデジタル・プラットフォームを構築してまいります。
        5. 新たな成長の実現に向けて法人向け物流事業を強化するため、グループ各社に点在する専門人材、流通機能や物流機能、物流拠点を結ぶ幹線ネットワークなど、法人向けの経営資源を結集し、お客様の立場に立ったアカウントマネジメントを推進するとともに、引き続き、グローバル関連事業のマネジメント強化に取り組んでまいります。また、データ基盤を構築し、精度の高いリアルタイムの情報を活用した法人向け物流ソリューションの提案力を強化し、法人顧客のサプライチェーン全体を最適化するソリューションの開発に取り組んでまいります。
        6. 持続的な成長と持続可能な社会の発展を両立するため、サステナビリティの取組みを推進し、環境と社会を組み込んだ経営を実践してまいります。持続可能な未来を切り拓く将来の姿として掲げた「つなぐ、未来を届ける、グリーン物流」、「共創による、フェアで、“誰一人取り残さない”社会の実現への貢献」という2つのビジョンの下、人や資源、情報を高度につなぎ、輸送をより効率化させることで、環境や生活、経済によりよい物流の実現を目指してまいります。
        7. 社員が働きやすさと働きがいを持ち、イキイキと働くことができる労働環境を実現し、社員満足を高めるとともに多様な人材から選ばれる会社となるため、引き続き、魅力ある人事制度の構築や、社員の自主・自律が評価され、イキイキと働くことができる評価制度の導入、教育体系の再構築などに取り組んでまいります。

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警察庁 令和3年1月犯罪統計資料
  • 刑法犯総数について、認知件数は41,497件(前年同期53,962件、前年同期比▲23.1%)、検挙件数は19,691件(17,163件、+14.7%)、検挙率は47.5%(31.8%、+15.7P)
  • 窃盗犯の認知件数は28,201件(38,780件、▲27.3%)、検挙件数は12,202件(10,608件、+15.0%)、検挙率は43.3%(27.4%、+15.9P)
  • 万引きの認知件数は6,959件(7,681件、▲9.4%)、検挙件数は4,528件(4,452件、+1.7%)、検挙率は65.1%(58.0%、+7.1P)
  • 知能犯の認知件数は2,530件(2,374件、+6.6%)、検挙件数は1,322件(879件、+50.4%)、検挙率は52.3%(37.0%、+15.3P)
  • 詐欺の認知件数は2,297件(2,152件、+6.7%)、検挙件数は1,135件(735件、+54.4%)、検挙率は49.4%(34.2%、+15.2P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数は4,792件(4,086件、+17.3%)、検挙人員は3.955人(3,459人、+14.3%)
  • 入管法違反の検挙件数は344件(312件、+10.3%)、検挙人員は250人(199人、+25.6%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は146件(187件、▲21.9%)、検挙人員は118人(149人、▲20.8%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数は14件(21件、▲33.3%)、検挙人員は6人(5人、+20.0%)、銃刀法違反の検挙件数は377件(316件、+19.3%)、検挙人員は335人(286人、+17.1%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は54件(52件、+3.8%)、検挙人員は35人(25人、+40.0%)、大麻取締法違反の検挙件数は398件(280件、+42.1%)、検挙人員は301人(239人、+25.9%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は671件(590件、+13.7%)、検挙人員は452人(450人、+0.4%)
  • 来日外国人による重要犯罪・重要窃盗犯国籍別検挙人員について、総数57人(30人、+90.0%)、ベトナム24人(4人、+500.0%)、中国11人(2人、+450.0%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)罪種別検挙件数・人員対前年比較の刑法犯総数について、検挙件数は782件(715件、+9.4%)、検挙人員は392人(379人、+3.4%)
  • 暴行の検挙件数は54件(59件、▲8.5%)、検挙人員は56人(45人、+24.4%)、傷害の検挙件数は83件(87件、▲4.6%)、検挙人員は100人(103人、▲2.9%)、脅迫の検挙件数は18件(24件、▲25.0%)、検挙人員は18人(17人、+5.9%)、窃盗の検挙件数は439件(345件、+27.2%)、検挙人員は61人(53人、+15.1%)、詐欺の検挙件数は73件(78件、▲6.4%)、検挙人員は57人(40人、+42.5%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)主要法令別検挙件数・人員対前年比較の特別法犯総数について、検挙件数は369人(372人、▲0.8%)、検挙人員は238人(289人、▲17.6%)
  • 暴力団排除条例違反の検挙件数は5件(2件、+150.0%)、検挙人員は12人(2人、+500.0%)、麻薬等取締法違反の検挙件数は9件(9件、±0.0%)、検挙人員は1人(3人、▲66.7%)、大麻取締法違反の検挙件数は43件(45件、▲4.4%)、検挙人員は21人(40人、▲47.5%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数は260件(246件、+5.7%)、検挙人員は162人(186人、▲12.9%)

~NEW~
警察庁 サイバー犯罪対策プロジェクト マルウェアに感染している機器の利用者に対する注意喚起の実施について
  • 海外の捜査当局から警察庁に対して、国内のEmotetに感染している機器に関する情報提供がありました。
  • 令和3年2月下旬から準備が整い次第、当該情報をISPに提供し、ISPにおいて、当該情報に記載されている機器の利用者を特定し、注意喚起を行います。
  • 注意喚起の連絡を受けた方は、利用している機器からのEmotetの駆除などの必要な対策を行ってください。
  • また、本注意喚起でのISPからの連絡では、ID・パスワード等の入力を求めたり、料金を請求したりすることはありませんので、注意喚起に乗じたメール等による犯罪被害に遭わないよう、御注意ください。
  • 取組の概要
    • 令和3年2月下旬から、警察庁、総務省、一般社団法人ICT-ISAC及びISPが連携して、マルウェアEmotet(エモテット)に感染しているおそれのある利用者への注意喚起を行う取組を開始しました。
    • 本取組は、海外の捜査当局から警察庁に対して、国内のEmotetに感染している機器に関する情報提供があったことから、当該情報をISPに提供し、ISPにおいて、当該情報に記載されている機器の利用者を特定し、2月22日以降に注意喚起を行うものです。
  • Emotetの概要・対策
    • Emotetは、主にメールの添付ファイルを感染経路としたマルウェア(不正プログラム)であり、Emotetに感染すると、感染端末からの情報漏えいや、他のマルウェアの感染といった被害に遭う可能性があります。
    • Emotetのより詳細な概要及び対策については、@policeの「Emotetの解析結果について」を御確認ください。
    • また、本取組に係るISPからの注意喚起を受けた方やEmotet感染の有無を確認したい方は、総務省が設置しているNOTICEサポートセンターの問合せ窓口ページ又はJPCERT/CCが公開している「マルウエアEmotetへの対応FAQ」を御確認ください。
  • 注意喚起を受けた方の問合せ先
    • 本取組で注意喚起対象となる機器の利用者に対して、総務省が設置しているNOTICEサポートセンター※がウェブサイトや電話による問合せ対応等を通じて必要な対策を案内しています。
    • なお、ISPやサポートセンターから、費用の請求や、設定しているパスワードを聞き出すことはありません。
    • サイバー攻撃に悪用されるおそれのあるIoT機器等に関して注意喚起を行う取組である「NOTICE」において、利用者への問合せ対応を実施。
  • NOTICEサポートセンター
    • TEL:0120-769-318(無料・固定電話のみ)、03-4346-3318(有料)
▼Emotet注意喚起に関する問合せ窓口ページ(外部サイト)
▼Emotetの解析結果について

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法務省 令和2年中の通信傍受の実施状況等に関する公表
  • 本日、政府は、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律第36条の規定に基づき、令和2年中の通信傍受の実施状況等について、国会報告をしました。
  • 令和2年中の傍受令状の請求・発付の件数等、傍受の実施状況及び傍受が行われた事件に関して逮捕した人員数等については、別表1、2のとおりです。
  • 犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年法律第137号)第36条においては、政府は、毎年、以下を国会に報告するとともに、公表することとされている。
    • 傍受令状の請求及び発付の件数
    • その請求及び発付に係る罪名
    • 傍受の対象とした通信手段の種類
    • 傍受の実施をした期間
    • 傍受の実施をしている間における通話の回数
    • 令状記載通信等が行われたものの数
    • 一時的保存を命じて行う通信傍受、特定電子計算機を用いる通信傍受を実施したときはその旨
    • 傍受が行われた事件に関して逮捕した人員数
▼別表1,2
  • 覚醒剤取締法違反(同法第41条の2第2項、同第1項、刑法第60条)【営利目的の覚醒剤譲渡】
  • 銃砲刀剣類所持等取締法違反(同法第31条の3第2項 同第1項前段、第3条第1項、第31条の8、第3条の3第1項、刑法第60条)【拳銃の加重所持、拳銃実包の所持】
  • 銃砲刀剣類所持等取締法違反(同法第31条の4第1項、第3条の7、第31条の9第1項、第3条の9、第3条の10、第3条の12、刑法第60条)【拳銃等の譲渡、譲受け】
  • 窃盗(刑法第235条、第60条)
  • 強盗、強盗致傷(刑法第236条第1項、第240条前段、第60条)
  • 強盗殺人(刑法第240条後段、第60条)
  • 詐欺(刑法第246条第1項、第60条)
  • 詐欺(刑法第246条第1項、第60条)
  • 恐喝、恐喝未遂(刑法第249条第1項、第250条、第60条)

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内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼令和3年2月 閣僚会議資料
  • 日本経済の基調判断
    • 現状【下方修正】
      • 景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられる。
      • (先月の判断)景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。
    • 先行き
      • 先行きについては、緊急事態宣言の解除後も感染拡大の防止策を講じつつ、社会経済活動のレベルを引き上げていくなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直していくことが期待される。ただし、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある
    • 政策の基本的態度
      • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策に万全を期す中で、雇用の確保と事業の継続を通じて、国民の命と暮らしを守り抜く。その上で、「経済財政運営と改革の基本方針2020」等に基づき、デジタル改革やグリーン社会の実現などの新たな目標について、規制改革など集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対しては、2月2日に、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象を2月8日以降について10都府県に変更するとともに、期間を3月7日まで延長したところであり、引き続き、感染拡大の抑制を最優先に対策を徹底する。経済への影響に対しては、重点的・効果的な支援に万全を期す。さらに、成長分野への民間投資を大胆に呼び込みながら、生産性を高め、賃金の継続的な上昇を促し、民需主導の成長軌道の実現につなげる。政府は、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」等を具体化する令和2年度第3次補正予算を迅速かつ適切に執行するとともに、令和3年度予算及び関連法案の早期成立に努める。引き続き、感染状況や経済的な影響を注視しながら、予備費も活用して機動的に必要な支援策を講じていく。
      • 日本銀行においては、企業等の資金繰り支援に万全を期すとともに、金融市場の安定を維持する観点から、金融緩和を強化する措置がとられている。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
  • 我が国のGDP(2020年10-12月期)
    • 2020年の実質GDP成長率は、リーマンショック後(2009年)ほどではないものの、▲4.8%と大幅な落ち込みとなった。
    • 10-12月期の実質GDP成長率は、前期比3.0%(年率換算12.7%)と2期連続増加。個人消費や輸出の増加に加え、設備投資も3期ぶりに増加。日本経済の潜在的な回復力を感じさせる内容。
    • IMFによれば、我が国の実質GDPは、2021年下半期に、アメリカに次いで早期にコロナ前の水準を回復する見通し。
  • 個人消費
    • 週当たり消費額をみると、年末年始には、過去3年(2017~19年)より低いものの活発な消費行動がみられた。その後は、緊急事態宣言もあり、過去3年の下限程度かそれ以下の水準で推移。
    • カード支出に基づく消費動向をみると、財支出が底堅く、サービス支出が弱い二極化の動き。販売側データで具体例をみると、新車や家電は堅調。他方、外食の弱さが一段と増し、宿泊施設の稼働率も低調な状態が続く。総じてみれば、個人消費は、弱含んでいる
  • 輸出・生産
    • 世界の財貿易は、9月以降、コロナ前の水準を回復。我が国の輸出も、アジア向けにけん引される形で増加し、コロナ前の水準を回復。品目別にみると、自動車関連財は、各国での生産や在庫水準の回復に伴い増勢に一服感。一方、アジア向けが多くを占める情報関連財は好調維持。
    • 製造業の生産は、5G関連などで需要が旺盛な電子部品・デバイス等を中心に持ち直しが続く。
  • 企業収益・業況・倒産
    • 10-12月期の上場企業決算の経常利益は、非製造業は前年比減が続くものの、製造業は前年を大きく上回り、総じてみれば持ち直している。製造業は自動車生産の回復や5G関連需要から増益。非製造業は運輸業や卸小売業で厳しい状況が続く。
    • 1月の街角景気は、現状判断は低下。ただし、2、3か月先の先行き判断は上昇。
    • 倒産件数は、資金繰り支援もあり、足下で緩やかに減少しているが、先行きを引き続き注視。
  • 設備投資
    • 設備投資は、機械投資に基調の反転がみられ、構築物投資には底入れの動きがあるなど、このところ持ち直しの動きがみられる。
    • 機械投資に先行する国内からの受注動向をみると、製造業では、生産の持ち直しに伴い、自動車業や生産用機械業向けなどが増加。非製造業では、5G対応とみられる通信業や情報サービス業向けなどが増加。
  • 雇用情勢
    • 雇用者数は、12月に前月から19万人減少したものの、持ち直し傾向。水準はまだ昨年3月を下回る。失業率は3%前後で推移。
    • こうした中、雇用調整助成金や休業支援金の支給金額には今年に入り増加する動き。感染再拡大に伴って生じた、休業者の暮らしの下支えや企業経営への負担緩和に寄与。
    • 1月の民間転職市場や2月のハローワークの求人には底堅さがみられるものの、いずれも昨年3月を下回る水準。総じてみれば、雇用情勢は、弱い状態が続いている。
  • 世界経済
    • 各国の回復は感染再拡大の動向や支援策の実施状況に応じて大きく異なる。
    • 20年10~12月期の欧米諸国の経済成長率は、経済活動抑制の期間や度合いが異なり、個人消費等の動向に差がみられたことから、国によりばらつきがあり、ユーロ圏やフランスではマイナス成長。
    • 失業率は、アメリカは低下傾向にあるが感染拡大前より水準が高く、欧州は政策効果もあるがこのところ横ばいあるいは上昇傾向。
    • 各国・地域の生産は、中国や台湾が大きく伸びる中で、欧米も持ち直しが続いている。

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内閣府 外交に関する世論調査
  • アメリカに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が84.0%、「親しみを感じない」とする者の割合が15.3%となっている。
  • 現在の日本とアメリカとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が86.3%、「良好だと思わない」とする者の割合が12.7%となっている。
  • 今後の日本とアメリカとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が97.1%、「重要だと思わない」とする者の割合が1.9%となっている。
  • ロシアに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が13.6%、「親しみを感じない」とする者の割合が85.7%となっている。
  • 現在の日本とロシアとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が24.9%、「良好だと思わない」とする者の割合が73.9%となっている。
  • 今後の日本とロシアとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が74.9%、「重要だと思わない」とする者の割合が23.7%となっている。
  • 中国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が22.0%、「親しみを感じない」とする者の割合が77.3%となっている。
  • 現在の日本と中国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が17.1%、「良好だと思わない」とする者の割合が81.8%となっている。
  • 今後の日本と中国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が78.2%、「重要だと思わない」とする者の割合が20.6%となっている。
  • 韓国に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が34.9%、「親しみを感じない」とする者の割合が64.5%となっている。
  • 現在の日本と韓国との関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が16.6%、「良好だと思わない」とする者の割合が82.4%となっている。
  • 今後の日本と韓国との関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が58.4%、「重要だと思わない」とする者の割合が40.4%となっている。
  • オーストラリアに親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が75.5%、「親しみを感じない」とする者の割合が23.7%となっている。
  • 現在の日本とオーストラリアとの関係は全体として良好だと思うか聞いたところ、「良好だと思う」とする者の割合が86.8%、「良好だと思わない」とする者の割合が11.9%となっている。
  • 今後の日本とオーストラリアとの関係の発展は、両国や、アジア及び太平洋地域にとって重要だと思うか聞いたところ、「重要だと思う」とする者の割合が85.6%、「重要だと思わない」とする者の割合が13.2%となっている。
  • 中東(トルコ、サウジアラビアなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が31.7%、「親しみを感じない」とする者の割合が66.9%となっている。
  • アフリカ(南アフリカ、ケニア、ナイジェリアなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が28.5%、「親しみを感じない」とする者の割合が69.9%となっている。
  • 中南米(メキシコ、ブラジル、ジャマイカなど)に親しみを感じるか聞いたところ、「親しみを感じる」とする者の割合が40.8%、「親しみを感じない」とする者の割合が57.5%となっている。
  • 北朝鮮のことについて関心を持っていることを聞いたところ、「日本人拉致問題」を挙げた者の割合が83.3%と最も高く、以下、「ミサイル問題」(73.2%)、「核問題」(70.1%)、「政治体制」(47.8%)などの順となっている。
  • 先進国は開発途上国に対して資金協力や技術協力などの開発協力を行っているが、いろいろな面から考えて、日本のこれからの開発協力についてどのように考えるか聞いたところ、「積極的に進めるべきだ」と答えた者の割合が30.6%、「現在程度でよい」と答えた者の割合が55.1%、「なるべく少なくすべきだ」と答えた者の割合が9.7%、「やめるべきだ」と答えた者の割合が2.1%となっている。
  • 開発協力による開発途上国への支援について、どのような観点から実施すべきだと思うか聞いたところ、「災害や感染症など世界的な課題に対して、各国が協力して助け合う必要があるから」を挙げた者の割合が58.9%と最も高く、以下、「エネルギー資源などの安定供給の確保に資するから」(42.8%)、「国際社会での日本への信頼を高める必要があるから」(42.8%)、「中小企業を含む日本企業や地方自治体の海外展開など、日本の経済に役立つから」(42.2%)、「開発協力は世界の平和と安定を支える手段だから」(40.6%)、「開発協力は日本の戦略的な外交政策を進める上での重要な手段だから」(40.2%)、「先進国として開発途上国を助けるのは人道上の義務又は国際的責任だから」(38.1%)などの順となっている。
  • 現在、世界の100以上の国が国連平和維持活動(国連PKO)に要員を派遣しており、日本も国際平和協力法に基づき、カンボジア、ゴラン高原、東ティモール、ハイチ、南スーダンなどの国連PKOやシナイ半島のMFO(多国籍部隊・監視団)、イラク難民支援などのための人道的な国際救援活動や、東ティモールやネパールなどでの国際的な選挙監視活動に参加してきているが、日本はこれからも、国際社会への人的貢献として、こうした活動に参加すべきと考えるか聞いたところ、「これまで以上に積極的に参加すべきだ」と答えた者の割合が20.2%、「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた者の割合が61.8%、「参加すべきだが、出来るだけ少なくすべきだ」と答えた者の割合が11.2%、「参加すべきではない」と答えた者の割合が1.7%となっている。
  • 国連では、安全保障理事会(安保理)の機能を強化するとともに、安保理における各地域の代表性を高めるために、構成国数を増加する方向で議論がすすめられているが、日本が安保理の常任理事国に加わることについてどう考えるか聞いたところ、「賛成」とする者の割合が87.7%(「賛成」44.8%+「どちらかといえば賛成」42.9%)、「反対」とする者の割合が9.1%(「どちらかといえば反対」7.4%+「反対」1.7%)となっている。
  • 「非核保有国で平和主義を理念としている日本が加わることが世界の平和に役立つ」と答えた者の割合が24.6%、「世界における日本の地位からすると、世界の平和構築のために積極的に参画していくべきだ」と答えた者の割合が24.4%、「日本は国連に多大の財政的貢献を行っているのに、重要な意思決定に加われないのはおかしい」と答えた者の割合が21.0%、「安全保障に関する国連の重要な意思決定に我が国の考えを反映させることができる」と答えた者の割合が12.2%、「アジアの一代表として安保理常任理事国になることで、国連の場をより地域的に偏りのないものにすることに役立てる」と答えた者の割合が7.9%となっている。
  • 外国との経済関係を進める上で、どの分野に重点を置くべきだと思うか聞いたところ、「エネルギー・鉱物資源の確保」を挙げた者の割合が57.7%と最も高く、以下、「日本ブランド(日本の優れた製品・産品や技術)の海外におけるPR(東日本大震災にかかわる風評被害対策を含む、より積極的な広報)」(52.3%)、「海外における日本企業の活動の支援(外国における電力、鉄道、水、道路などのインフラ整備のための日本企業の海外進出(インフラ海外展開)支援などを含む)」(51.5%)、「貿易・投資の自由化の推進(世界貿易機関(WTO)、特定の国や地域との自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)、投資協定(BIT)の活用などを含む)」(40.4%)、「食料の確保」(38.0%)、「特許などの知的財産権の保護」(37.8%)などの順となっている。
  • 海外で交通事故、犯罪、病気、テロなどの事件や事故にあった日本人についての保護や支援について、どのように考えるか聞いたところ、「できるだけ、個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応すべきであるが、できないところは政府や大使館・総領事館が保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が47.7%、「個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応できるような場合であっても、政府や大使館・総領事館が積極的に保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が28.4%、「いかなる場合であっても、政府や大使館・総領事館が保護や支援をすべきだ」と答えた者の割合が17.6%、「個人または派遣元企業・団体が各自の責任で対応すべきである」と答えた者の割合が4.0%となっている。
  • 日本は国際社会で、主としてどのような役割を果たすべきか聞いたところ、「環境・地球温暖化などの地球規模の課題解決への貢献」を挙げた者の割合が62.1%と最も高く、以下、「人的支援を含んだ、地域情勢の安定や紛争の平和的解決に向けた取組を通じた国際平和への貢献」(57.1%)、「軍縮・不拡散の取組などを通じた世界の平和と安定への貢献」(43.4%)、「世界経済の健全な発展への貢献」(39.2%)などの順となっている。

~NEW~
消費者庁 機械式立体駐車場(二段・多段方式、エレベーター方式)で発生した事故
▼概要
  • 事故等原因調査を行うこととした理由
    • 機械式駐車装置(以下「駐車装置」という。)は、昭和30年代に国内で初めて設置されてから、大規模商業施設を中心に導入されてきた。昭和60年代以降になると、マンション等の消費者の日常生活空間においても駐車装置が急速に普及し、平成25年3月末時点の駐車装置の設置実績は、累計約54万基(車の収容台数にすると約287万台分)となっている。
    • 機械式立体駐車場における利用者等の死亡・重傷事故は、平成19年度以降少なくとも26件(うち死亡事故は10件)発生しており、その中には子どもの死亡事故も3件含まれている。
    • このような状況を受け、機械式立体駐車場で発生した事故は、平成25年7月19日に開催された第10回消費者安全調査委員会(以下「調査委員会」という。)において、「事故等原因調査等の対象の選定指針」(平成24年10月3日調査委員会決定)のうち、次の要素を重視し、事故等原因調査等を行う事故として選定された。
      1. 広く消費者の利用に供されていて「公共性」が高いこと。
      2. 死亡事故が発生しており「被害の程度」が重大であること。
      3. 「多発性」があること。
      4. 「消費者自身による回避可能性」が低いこと。
    • 駐車装置は、用地の形状、面積、収容台数や予算等、利用者の様々なニーズに応じるため、多様な方式が開発されている。調査に当たっては、採用されている基数の多い二段・多段方式及びエレベータ方式について、申出のあった事故1件を含む計6件の事故に関する情報収集を行った。
  • 事故等原因
    • 調査を行った機械式立体駐車場の事故に共通した原因として、マンション等の日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性が、設計段階で十分に考慮されてこなかったため、人と機械の動きを隔離する機能、緊急時に装置を停止できる機能など、駐車装置が有するリスクを低減させる安全策が十分でなかったことが挙げられる。
    • 上記リスク低減の取組が遅れた背景的要因の1つとして、製造者等において、事故が発生しても利用者の不注意や誤使用が原因とされてきたことがあると考えられる。
    • 調査した6件の事故事例から、事故等原因について抽出した具体的な問題点を次に示す。
      1. 設計時の想定と実際の利用環境の相違
        • マンション等に設置された駐車装置を操作する利用者は、駐車装置の構造や危険性を十分に知る機会が与えられないままに、利用者自らが、駐車装置内の無人確認、機械操作、車の入出庫、同伴者の安全確保を行うこととなっている。
        • また、駐車装置は運転者以外の者が駐車装置内に立ち入らないことを前提として設計されているが、実際の利用環境では、幼児を連れて利用する場合に駐車装置内に幼児も入れざるを得ないなど、設計時の想定と実際の利用環境が大きく異なっていることが明らかとなった。
      2. 人の行動特性への考慮不足(安全確保に対する利用者への過度の依存)
        • 駐車場の掲示や取扱説明書が示している操作手順と、実際の利用者の操作との間に齟齬(そご)があった。
        • この齟齬の背後には、設計時の想定と実際の利用環境の相違や、視認性の悪さ、自由に動き回る幼児の特性、表示内容の不明確さなどにより、利用者にとって製造者の想定どおりの操作が困難である状況や、想定とは異なる操作を誘発する状況があった。
      3. 安全対策の取組の遅れ
        • 機械設備の安全性について、広く活用されている「3ステップメソッド」と呼ばれる考え方に従って、事故事例を分析すると、以下において、安全対策の取組の遅れがあった。
          1. 駐車装置内の視認性、制御方式、停止機能などの本質的安全設計方策
          2. 隔離と停止による安全などの安全防護と非常停止などの付加保護方策
          3. 使用上の情報(利用方法、駐車装置に潜むリスク、緊急時の具体的な対処方法等についての利用者への情報提供)
  • 再発防止策
    • これまでは、駐車装置の設計時に日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性が十分に考慮されていなかった。現在、工業会は駐車装置の安全対策について検討を行っているところであるが、駐車装置のリスクを知る工業会及び製造者は、このような設計時における従前の意識や発想を改め、適切にリスクアセスメントを行った上で、本項で例示する方策を含め、あらゆる事故等防止策を検討すべきである。
    • その上で、製造者、保守点検事業者、マンション管理組合も含めた所有者・管理者、利用者は、駐車装置が長期にわたって使用されることを踏まえ、協議の場を設けて、安全対策を検討すべきである。
      1. 危険源を除去した機構設計(本質的安全設計方策)
        • 二段・多段方式におけるパレットへの挟まれ事故を防ぐには、パレットの上昇時には地下ピット壁面とパレットとの隙間を無くす、パレットの下降時にはパレット周囲の下部にセンサーを付け、歩廊とパレットの間にある物体の有無を検知するなどの方法が考えられる。
        • エレベータ方式におけるターンテーブル回転時の挟まれ事故に対しては、ターンテーブルと壁との間の隙間の安全距離を保つこと、ターンテーブルを持ち上げず、地表面で回転させることで危険源を無くす方法などが考えられる。
      2. 駐車装置内の視認性の確保(本質的安全設計方策)
        • 二段・多段方式:操作盤を駐車装置の列ごと、又は隣り合う二列の間に設置すること。
        • エレベータ方式:視認性の高いのぞき窓を増設すること。照明や配色の工夫により駐車装置内の視認性を高めること。駐車装置内の柱、のぞき窓の直下、車の反対側などの死角に対応すること。
      3. 制御方式の見直し(本質的安全設計方策)
        • ホールド・ツゥ・ランによる制御方式での操作は、入出庫のために押しボタンを数十秒間押し続ける必要があり、子ども連れ等の利用者の利用実態に合っていない。
        • 同伴者を伴う場合等の利用者の負担を低減するためには、パレットの呼出し又は格納を自動運転とすることが必要であるが、そのためには駐車装置と人との隔離を他の安全方策によって確保することが必要である。
      4. 操作者を限定する機能の付加(本質的安全設計方策)
        • 利用者ごとに異なるキーで作動する等の機能とするべきである。
      5. 隔離と停止の原則の確保(安全防護)
        • 屋外の駐車装置については、両側面及び背面の固定柵に加えて、駐車装置の出入口に可動式の扉を設置し、車の入出庫のとき以外には人が駐車装置内に立ち入れないようにする。なお、両側面及び背面の固定柵の高さは、駐車装置外からの進入防止を目的とするため、駐車装置外の地表面からの高さとする。
        • 人が駐車装置内に存在せず、出入口扉が閉まっているときにのみ駐車装置が作動するものとする(インターロック)。
        • 駐車装置が隣接する場合には、駐車装置間に柵を設置する、又は隣接する駐車装置が稼動していないときのみ駐車装置が作動するよう制御する(インターロック)。
      6. 駐車装置内の無人を確認するセンサーの設置(安全防護)
        • エレベータ方式については、既に人感センサーの設置が技術基準に定められているが、駐車装置の起動時に装置内の無人を機械的に確認するなどの安全確認の条件などについても、技術基準に取り入れるべきである。
      7. 非常停止ボタンの設置(付加保護方策)
        • 非常停止ボタンを操作盤の外側及び駐車装置内に、利用者が発見しやすく、操作しやすい位置に設置し、JIS規格にあった機能、形状及び色のボタンを取り付ける。
        • 緊急時に躊躇することなく非常停止ボタンを使用するように注意書きに明示する。
      8. 利用者への残留リスクの説明(使用上の情報)
        • 駐車装置は、最大限実施可能な安全対策を実施した後にも、利用者が駐車装置内に入らざるを得ないなど、一定のリスクが残る。そのため、製造者は、利用者に対して残留リスクを明らかにし、安全な利用方法、緊急時の対処方法、禁止事項等について説明すべきである。
        • 特に、人が駐車装置内に取り残された場合など、緊急時には冷静な対処を行えるよう、平時から具体的な操作方法や緊急時の連絡先の確認等の周知を図るとともに、駐車装置内に取り残された者に向けた注意表示)等を操作盤上だけでなく駐車装置内にも掲示する等の工夫をすることが重要である。
        • なお、製造者は、残留リスクへの対応を利用者に対する説明のみで済ませるのではなく、リスク低減に向けた検討を継続的に行うべきである。
  • 既存の駐車装置への対応 既存の駐車装置に対して特に重要と考える具体的な安全対策について、次に例示する。
    • 二段・多段方式
      • 事故の再発防止には、駐車装置と人を隔離するため、前面には出入口扉、両側面と背面には固定式の柵の設置が必要となる。加えて、緊急時に瞬時に駐車装置を停止させるため、非常停止ボタンを設置すべきである。
      • 敷地面積等の問題で、既存の駐車装置に前面の出入口扉を設置することが不可能である場合は、駐車装置と人の隔離が不十分とならざるを得ないが、現状保有しているリスクを少しでも低減させるための対策を検討・実施すべきである。
      • 例えば、視認性を高めることを目的として、隣り合う二列のパレットの間に操作盤を設置するという方策が考えられる。
      • そのほか、リスクに関する技術的な検証が必要となるが、現行のホールド・ツゥ・ランによる制御方式から、挟まれの発生し得る距離までパレットが移動したときに、一旦駐車装置の動作を停止させ、利用者が安全確認後、再度操作を行うことでパレットが所定の位置に到着する「二段階操作」となる新たな制御方式等に変更することなどの方策も考えられる。
    • エレベータ方式
      • 事故の再発防止のためには、利用者が確実かつ容易に人がいないことを目視確認できるよう、乗降室内の照度、配色を工夫する等して視認性を高めることが必要である。また、安全装置として、機械が作動する範囲内に人がいないことを検出するセンサーを設置し、駐車装置内が無人であることを確認できなければ出入口扉は閉まらない、ターンテーブルが回転しない等の制御(インターロック)をすることなどが考えられる。
  • 制度の見直し等
    1. 認定制度面の見直し
      • 現在、駐車場法の対象となる路外駐車場(500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場)に設置される駐車装置の構造・設備については、国土交通大臣による認定制度と工業会による任意の審査・認定が併存しており、機械装置の安全性については工業会の審査・認定に委ねられている。国土交通省は、駐車装置の安全性を確保するため、従来から大臣認定制度の下で義務付けられている構造・設備に加え、安全性の審査についても一体的に審査・認定を行うべく、駐車場法施行規則(平成12年運輸省・建設省 令第12号)の改正を予定している。
      • 今後の大臣認定制度の運用に当たっては、過去に大臣認定又は工業会の認定を受けた型式の駐車装置であっても、新たに設置する場合には、改正後の大臣認定制度における安全基準に基づき、必要な設計変更等を行った上で、改めて認定を受けることとするなど、利用者の安全に十分に配慮したものとすべきである。
    2. 技術基準の内容の見直し等
      • リスクアセスメントを実施し、工業会の技術基準を機械安全の原則に沿ったものへと全面的に見直す必要がある。
      • また、駐車装置の安全性に関する基準について、国際的な機械安全の考え方に基づき質的向上を図り、業界全体に適用させるため、JIS規格化について早急に検討を進めるべきである。
      • 併せて、製造者は、技術基準を参考に技術開発等も含めた安全対策に積極的、継続的に取り組むため、安全性に関する設計基準を整備し、有効な設計審査を行うべきである。
    3. 法的整備の実施
      • 国土交通省は、駐車装置で発生する事故の重大性に鑑み、現在の駐車場法が駐車場法施行令において技術的基準への適合を要求している駐車面積が500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場だけでなく、マンション居住者用の駐車場等に設置されている駐車装置など、当該要件に該当しない駐車装置を規制するような法的整備を早急に行うべきである。
    4. 事故情報の活用
      • 国土交通省は、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るため、駐車装置で発生した事故情報の継続的な収集・分析を行い、その結果を適切に公開するとともに、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るための仕組みの構築についても検討すべきである。
    5. 安全訓練の実施
      • 製造者及び保守点検事業者は、利用者に対して駐車装置の安全な使用方法、緊急時の具体的な対処方法等について、教育訓練を実施することが重要となる。
    6. 施策の推進に当たっての留意事項
      • 「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」(平成26年3月、国土交通省)(以下「安全対策ガイドライン」という。)には、製造者、設置者、管理者、利用者が最低限遵守すべき事項が示されている。今後、これら関係主体において安全対策ガイドラインに基づく対策等を講じていくに当たっては、次のような点に留意する必要がある。
      • 駐車装置の特性・危険性として、「利用者が自ら操作する際、乗降室内に人がいることの確認が不足していたことなどを要因とする重大事故が多く発生」とされている。しかし、調査した6件の事例から、駐車装置は人と機械の動きを隔離する機能、緊急時に装置を停止できる機能など、駐車装置が有するリスクを低減させる安全策が十分に講じられていないことが明らかとなった。製造者は、事故発生の要因を利用者の確認不足として済ませるのではなく、設計段階から実際の利用環境や人の行動特性等を勘案することで、事故の再発防止に努めるべきである。
      • 安全対策の考え方として、「機械には『絶対安全』はない」とされている。これは機械安全の原則ではあるが、まずは製造者が、「人は誤る、機械は壊れる」ことを前提とした十分な安全設計を行い、利用者にとって許容可能な程度までリスクを低減させていることが上記原則の前提である。上記原則が、製造者の安全設計の不足に対する言い訳とならないようにすべきである。
      • 安全対策の考え方として、「製造者、設置者、管理者、利用者の各主体がそれぞれ真摯に協力して安全確保と安全利用に取り組むこと」とされている。ただし、この4主体は同格で取り組むものではなく、駐車装置の安全確保に関して、装置のリスクを最もよく知る製造者が駐車装置自体の安全性を高める役割を担い、設備の安全化を推進する第一の責任(事故の責任主体という趣旨ではない)があるため、管理者、利用者に対して残留リスクや使用方法について周知する主体的な役割を果たすべきである。
  • 意見
    • 駐車装置は、実際の日常生活において、幼児を連れて多くの荷物を車で運んでいるなど、利用者に様々な状況で使用されている。しかし、現在稼動している駐車装置は、装置内に運転者以外の者が立ち入らないことを前提に設計されている。このような設計は、日常の生活空間における実際の利用環境や人の行動特性を十分に考慮したとはいい難いものであり、その結果として、駐車装置の利用には、多くの重大なリスクが伴うこととなっている。駐車装置の安全確保に関しては、駐車装置のリスクを最もよく知る製造者が、装置自体のリスク低減を図るとともに、利用者等に対してリスクや使用方法について周知する等、主体的な役割を果たすべきである。他方で、事故の発生を防止するためには、実際に駐車装置を操作する利用者自らもリスクを認識し利用することが重要である。
    • 上記を踏まえ、国土交通省及び消費者庁は、機械式立体駐車場の安全性を高めるための施策を進めるに当たり、特に次の点について取り組むべきである。
      1. 国土交通大臣への意見
        1. 制度面等の見直し
          • 現在、国土交通省において検討が進められている、安全性審査に係る大臣認定制度の見直しに当たっては、過去に大臣認定又は工業会の認定を受けた型式の駐車装置であっても、新たに設置する場合には、改正後の大臣認定制度における安全基準に基づき、必要な設計変更等を行った上で、改めて認定を受けることとするなど、利用者の安全に十分に配慮した制度とすること。
          • 工業会に対して、技術基準の全面的な見直しを行う際、実際の利用環境や人の行動特性も考慮したリスクの分析、評価など十分なリスクアセスメントを行い、平成26年度中に改定するよう促すこと。また、製造者に対しても、上記技術基準の見直しに併せて、各社の設計基準の整備、見直しを促すこと。
          • 駐車装置の安全性に関する基準について、国際的な機械安全の考え方に基づき質的向上を図り、業界全体に適用させるため、JIS規格化について早急に検討を進めること。
          • 駐車場法は、駐車面積が500平方メートル以上の一般公共の用に供する駐車場のみに政令で定める技術的基準への適合を求めているため、マンション居住者用の駐車場等に設置されている駐車装置には適用されない。これらの駐車装置についても、その安全性を確保するための法的な整備の検討を早急に進めること。
          • 製造者から利用者への安全に関する情報提供を確実にするための仕組みの検討を早急に行うこと。
        2. 既存の設備への対応
          • 工業会によるリスクアセスメントの結果判明した、重大な事故につながる高いリスクについては、本調査報告書にある再発防止策等を参考に、目標年限を区切る等して既存駐車装置の改善を促進するための施策を講ずること。また、後述の2(1)に記載のある関係者間の連携による安全対策の検討・実施を促すこと。
        3. 事故情報収集の仕組みの構築
          • 駐車装置で発生した事故情報の継続的な収集・分析を行い、その結果を適切に公開するとともに、安全対策ガイドライン及び技術基準の見直し、製造者への情報のフィードバックを行うなど、事故の再発防止及び駐車装置の安全性の向上を図るための仕組みを構築すること。
      2. 国土交通大臣及び消費者庁長官への意見
        1. 安全対策の検討・実施の推進
          • 駐車装置は一度事故が起きれば重大な被害の発生につながること及び長期にわたって使用されることを踏まえ、目標年限を区切る等して、製造者、保守点検事業者、所有者・管理者(マンション管理組合を含む。)、利用者に対して、協議の場を設置し、連携した安全対策の検討・実施を促すこと。
        2. 安全利用の推進
          • 製造者、設置者及び所有者・管理者に対して、駐車装置の安全な使用方法、緊急時の具体的な対処方法等について、利用者に向けた説明の徹底を促すこと。また、製造者及び保守点検事業者等に対して、所有者・管理者と協力して利用者に向けた教育訓練の実施を促すとともに、利用者に対して参加を促すこと。
        3. 注意喚起の実施
          • 具体的な事故事例等を基にするなど、駐車装置が有する危険性及び駐車装置を利用するに当たっての注意点を取りまとめ、利用者に対して継続的な注意喚起を実施すること。

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消費者庁 新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする商品 等の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について
  • 消費者庁は、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じ、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品、マイナスイオン発生器、除菌スプレー等(以下「ウイルス予防商品」という。)に対し、緊急的措置として、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から表示の適正化について改善要請を行うとともに、SNSを通じて一般消費者等への注意喚起を行いました。
  • 新型コロナウイルスについては、その性状特性が必ずしも明らかではなく、かつ、民間施設における試験等の実施も困難な現状において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品については、現段階においては客観性及び合理性を欠くおそれがあると考えられ、一般消費者の商品選択に著しく誤認を与えるものとして、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の規定に違反するおそれが高いものと考えられます。
  • そこで、消費者庁では、今般の緊急事態宣言が発出された令和3年1月以降、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうするウイルス予防商品の表示について、景品表示法(優良誤認表示)及び健康増進法(食品の虚偽・誇大表示)の観点から緊急監視を実施しているところです。
  • 現在までのところ、インターネット広告においてウイルス予防商品の販売又は役務の提供をしている45事業者による42商品・役務について、一般消費者が当該商品の効果について著しく優良等であるものと誤認し、新型コロナウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、当該表示を行っている事業者等に対し、改善要請を行いました。
  • また、改善要請の対象となった事業者がオンライン・ショッピングモールに出店している場合には、当該ショッピングモール運営事業者に対しても情報提供を行いました。
  • 消費者庁ツイッター、フェイスブック「消費者庁新型コロナ関連消費者向け情報」公式LINE
    • 消費者庁は、新型コロナウイルスの予防効果を標ぼうする商品等の不当表示に対する監視指導を実施しています。健康食品、マイナスイオン発生器等の商品について は、当該ウイルスに対する効果を裏付ける根拠があるものとは認められないおそれがありますので御注意ください。
    • ツイッター
    • フェイスブック
    • 「消費者庁 新型コロナ関連消費者向け情報」公式 LINE LINE ID:@line_caa
▼健康食品の安全性・有効性情報 感染予防によいと話題になっている食品・素材について
▼新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について 消毒や除菌効果をうたう商品は、目的に合ったものを、正しく選びましょう。

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消費者庁 「Microsoft」のロゴを用いて信用させ、パソコンのセキュリティ対策のサポート料などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起
  • 消費者がパソコンを操作している際に、突然、「Microsoft」のロゴを伴う「あなたのコンピュータにウイルスが見つかりました。」、「当社に今すぐ電話してください。」などの偽警告を表示させ、電話をかけてきた消費者に、「パソコンの修復とセキュリティ保護のサポートが必要です。」などと告げ、セキュリティ対策のサポート料などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する相談が、各地の消費生活センター等に寄せられています。
  • 消費者庁が調査したところ、この事業者による消費者の利益を不当に害するおそれがある行為(消費者を欺く行為)を確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
    1. 「Microsoft」のロゴを用いる事業者の概要
      • 本件は、消費者のパソコンに表示される警告のウインドウに「Microsoft」のロゴを表示することなどにより、「Microsoft」又はその関係者であるかのように装う事業者(以下「本件事業者」といいます。)によるものです。
      • 本件の調査においては、本件事業者の特定には至っておらず、その実体は不明です。
      • 実在する日本マイクロソフト株式会社やその関連会社は、本件とは全く無関係です。
    2. 具体的な事例の概要
      • 本件事業者が、消費者に多額の金銭を支払わせる典型的な手口は次のとおりです。
        1. パソコンがウイルスに感染したかのような偽警告を、「Microsoft」のロゴなどと共にパソコン画面に表示した上で、大音量の警告音を鳴らし、表示した電話番号に消費者が電話をかけるよう仕向けます。
        2. 電話をかけてきた消費者のパソコンを遠隔操作して警告音や偽警告表示を消し、消費者を信用させます。
        3. セキュリティ対策のサポート料などと称し、金銭の支払を要求します。
    3. 消費者庁が確認した事実
      • 本件事業者は、前記2(1)のとおり、パソコンの画面上で、当該パソコンがすぐに対応しないと危険な状態であるかのような偽警告を「Microsoft」又はその関係者が発しているかのように表示して、消費者にその旨信用させた上、前記2(2)及び(3)のとおり、消費者に対し、当該消費者のパソコンの危険な状態を修復等するためには、その場で自身とのサポート契約を締結することが必要であって、当該契約に基づき自身が修復及びセキュリティ対策の措置を講じるかのように告げて、消費者にその旨信用させます。
      • しかしながら、実際には、上記警告表示が出た時点で、消費者のパソコンがすぐに対応しないと危険な状態にあったと認められるような事情は見当たらず、そのため、その場で本件事業者とのサポート契約を締結することが必要であったとも認められません。
      • また、本件事業者が「サポート契約」に基づく上記措置を講じた事実は確認されておらず、そもそも、本件事業者には当初から当該契約の履行を行うつもりはなかったものと認められます。さらに、本件事業者は、日本マイクロソフト株式会社やその関連会社とは全く無関係であることが確認されています。(消費者を欺く行為)
    4. 消費者庁から消費者の皆様へのアドバイス
      • 実在する日本マイクロソフト株式会社やその関連会社が、突然パソコンに警告を表示して消費者に電話をかけるよう求めるようなことは一切ありません。
      • 警告と共に電話をかけるように求める表示を見ても絶対に連絡しないでください。
      • 「Ctrl」「Alt」「Del」の3つのキーを同時に押して「タスクマネージャー」を起動し、ブラウザーソフトを選択し、「タスクを終了」すると偽警告画面を閉じることができます。(日本マイクロソフト株式会社資料から)
      • 偽警告画面が閉じない場合は、マイクロソフトカスタマーサービス電話番号0120-54-2244に問い合わせしてください。
      • 前払式電子マネーを購入させてそのコード番号を連絡させることは、典型的な詐欺の手口です。このような支払方法には応じないでください。
      • パソコンの操作中に、突然、偽警告を表示し、大音量の警告音を鳴らす悪質事業者は、複数存在しています。
      • まずは、前述の手順で「タスクを終了」させた後、パソコンのセキュリティに不安が残る場合は、「情報セキュリティ安心相談窓口」へ、その他のご相談は「消費者ホットライン」、「警察相談専用電話」へ電話してください。

~NEW~
国民生活センター 不正利用かも!? 利用明細は必ず確認
  • 内容
    • クレジットカード会社から代金の引き落としができないと、確認の電話が来た。慌てて利用明細を見ると、先月3回に渡って、計50万円以上の心当たりのない請求があった。カード会社に問い合わせ、教えてもらった請求元に連絡をすると、私名義での購入の履歴はないと回答があった。(70歳代 男性)
  • ひとこと助言
    • 「クレジットカード会社から利用した覚えのない請求があった」という相談が寄せられています。第三者による不正利用のおそれもあります。
    • 利用明細は必ず毎月確認しましょう。クレジットカードを利用した際の伝票や注文確認メール等は保管しておき、日付や金額等を利用明細と突き合わせて確認しましょう。また、利用明細には、店舗名とは異なる記載がされていることもあります。
    • 自分に覚えがなくても家族がカードを利用している可能性もあるので、家族にも確認してみましょう。
    • 不正利用が疑われる場合は、早急にカード会社に連絡しましょう。
    • 困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
国民生活センター ガソリン携行缶の取り扱いに注意-取り扱いを誤るとガソリンの漏えいや噴出の原因に-
  • ガソリン携行缶はガソリンを運搬するための金属製の容器で、ホームセンターや自動車用品店などの実店舗、インターネット通信販売などで販売されています。ガソリンの貯蔵、取り扱い、運搬方法等については消防法令により規定されており、ガソリン携行缶以外のポリタンクなどにガソリンを入れて運搬することは禁止されています。そのため、刈払機や耕運機、発電機への給油等でガソリンを運搬する場合はガソリン携行缶を使用する必要があります。
  • 当センターでは、これまでに各地の消費生活センターからガソリン携行缶に関するテスト依頼を3件受けており、いずれも保管中にガソリンが漏えいしたというものでした。このうち2件は、保管中の温度変化による内圧の変化の繰り返しによって亀裂が生じ、ガソリンが漏えいしたと考えられました。さらに、夏場の炎天下など、高温になる場所でガソリンが入ったガソリン携行缶を保管し、内圧が上昇した状態でキャップを外すと、中のガソリンが噴出する危険性があります。そこで、ガソリン携行缶の取り扱いに関する危険性を検証し、注意喚起することとしました。
  • ガソリン携行缶とは
    • 最大容積は、消防法令により22Lと規定されており、小型のものでは1L以下のものもあるなど、大きさや形状はさまざまです。ただし、いずれのガソリン携行缶においても、消防法令に規定されている落下試験、気密試験、内圧試験、積み重ね試験で基準に適合している必要があります
    • ガソリン携行缶の中にはエア調整ねじが付いているものがあり、キャップを外す前に圧力調整を行うことで、気化したガソリンにより上昇した内圧を下げ、ガソリンの噴出を防ぐことができます
    • ガソリン携行缶には消防法令で定められた安全性能基準に適合していることを示す表示として、KHKマーク(注1)やUNマーク(注2)のいずれか一方、または両方が貼付されているものが多く見受けられます
    • (注1)危険物保安技術協会の試験確認基準に適合した危険物運搬容器に表示されます。KHKマークの付された容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
    • (注2)危険物の国際輸送に関する国際勧告(UN規格)に適合した危険物運搬容器に表示されます。UNマークの付された・容器は、消防法令の試験基準に適合したものとみなされます。
  • 保管中の温度変化の影響による事故の危険性
    • 直射日光が当たる車内にガソリン携行缶を放置したところ、内容物の温度は60℃以上に上昇しました
    • ガソリンの入ったガソリン携行缶の内圧が上昇した状態でキャップを外したところ、ガソリンが激しく噴出しました
    • ガソリン携行缶の内圧の変化が繰り返されると、亀裂が生じ、ガソリンが漏えいする可能性がありました
    • 表示の調査
    • 高温になる場所は避けて保管する旨の注意表示がすべての銘柄で見られました
    • 内圧の変化によりガソリン携行缶に亀裂が生じるおそれがある旨の記載がされているものは4銘柄中1銘柄のみでした
  • 消費者へのアドバイス
    • ガソリン携行缶を高温になる場所に保管すると内圧が上昇し、キャップを外す際にガソリンが噴出する危険性があります。直射日光が当たるなど、高温になる場所には保管しないようにしましょう
    • 温度変化の大きい場所での保管を控えるとともに、こまめに圧力調整を行いましょう
    • ガソリンは危険物です。取り扱いや保管に十分注意し、必要以上のガソリンを保管しないようにしましょう
  • 事業者への要望
    • ガソリンの入ったガソリン携行缶を温度変化の大きい場所に保管した場合の危険性について、取扱説明書等に記載し、注意喚起することを要望します

~NEW~
国民生活センター 出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を-恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に-
  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のために新しい生活様式の実践が求められている中、対面での食事会など出会いの場が減少していることから、パートナーを見つけるための活動をオンラインでサポートする、いわゆる出会い系サイトやマッチングアプリ等を利用する機会が増えているものとみられます。
  • このようなサービスでは、オンラインで気軽にパートナーを探せる一方、本人確認の徹底が難しいことから、本来の利用方法ではない目的で近づいてくる人物とマッチングしてしまうこともあります。中でも、現在経済的に見通しの立ちにくい状況が続いているためか、詐欺的な賭け事や投資等の海外サイトに勧誘する手口が目立っています。
  • 相談事例
    1. 紹介者から暗号資産が振り込まれたが、手数料を支払っても出金できない
      • マッチングアプリで知り合った女性だと言う人物から、暗号資産(仮想通貨)の売買で資産を増やせると誘われ、海外の取引サイトに登録し口座を開設した。女性から私の口座に暗号資産が振り込まれ、預かってほしいと言われた。暗号資産の引き出し等を行うには、約75万円の暗号資産を支払う必要があるが、のちに返金すると言われたので、送金したところ、サイトから、受領のメールと72時間以内に返金するとの通知が届いたが、返金されない。(2020年10月受付 30歳代 男性)
    2. その他、以下のような相談も寄せられています。
      • 海外の暗号資産取引所でのFXを勧められ利益が出たが、少額しか出金できない
      • 暗号資産での賭博を勧められたが、出金できない
      • デジタル宝くじを紹介され何度か振り込みと出金を繰り返したが、最後に出金できなくなった
      • 免許証の写しを送ってしまった相手に、投資のために振り込んだお金を返さないと訴えると言われた
  • 相談事例から見た問題点
    • メッセージのやり取りだけでは本人確認が難しい
    • 紹介された投資サイト等が架空
    • 出金ができなくなり、結局損失となる
    • 個人情報を悪用される可能性がある
    • 消費者へのアドバイス
  • 出会い系サイトやマッチングアプリ等の規約をよく読んでから利用しましょう
    • うまいもうけ話には安易に応じないようにしましょう
    • 投資は慎重に行いましょう
    • 個人情報を安易に提供しないようにしましょう
  • 不安に思った場合やトラブルにあった場合は
    • すぐに最寄りの消費生活センター等に相談してください。海外事業者とのトラブルについては、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています
  • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番
    • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。
  • 国民生活センター越境消費者センター(CCJ)
    • ご相談はウェブフォームで受け付けています。

    ~NEW~
    国民生活センター ガソリンスタンドで「このままでは危険」と突然、タイヤの交換を勧められた
    • 質問
      • ガソリンスタンドで給油したところ「タイヤの溝がすり減っていて、このまま走り続けると危ない。今すぐタイヤ交換が必要」と、その場での交換を勧められました。不安になって、勧められるままに交換してしまいましたが、高額だし、本当に必要があったのかどうか疑問に思います。
    • 回答
      • タイヤの交換は、ディーラー(メーカー系列の販売店)、タイヤ専門ショップ、整備会社などでもできます。タイヤ交換の必要性があったとしても、急がされてその場で契約すると、トラブルにつながる可能性があるため、複数の業者に必要性と価格を確認し、比較検討してから依頼しましょう。
      • なお、キズやひび割れ、溝の深さの程度が交換の目安になります。自分でも可能な限りで確認してみるとともに、日頃から定期的な点検を欠かさないようにしましょう。
    • 解説
      • ガソリンスタンドでの給油をきっかけに、タイヤ等を「交換しないと危険」と言われ、不安を感じてその場で契約して交換したものの、なじみのディーラーに後日たずねたところ「必要性は疑わしい」と言われたという相談が寄せられています。
      • タイヤの交換は、ガソリンスタンド以外に、ディーラー、自動車用品量販店、タイヤ専門ショップ、自動車整備会社などでもできます。交換を勧められた場合は具体的な根拠について説明を求めるとともに、日頃定期点検や車検を依頼して車両状態を知っているディーラーや整備会社等の意見を聞き、交換・修理するか否か、行う場合はどの事業者と契約するかを比較・検討しましょう。
        1. タイヤ交換の目安
          • タイヤはゴム製品であり、走行距離数の影響を受けるほか、使用していなくても製造から長期間経過したものは経年劣化を起こし、本来の性能を発揮できなくなります。交換時期はスリップサイン(注1)が出た場合のほか、タイヤの接地面や側面にカーカスコード(タイヤの中にある骨格部分)に達しているキズ・ひび割れなどが見えていた場合、製造から10年以上経過した場合などです(注2)。自分でも可能な範囲で確認してみましょう。
          • なお、タイヤの側面には、アルファベットとともに、4桁の数字が示されており、並び順から次のように読み取ることで、製造年週が分かります。
          • 例:ABC 0420
            • ABC:メーカー(工場)等を示すアルファベット(必ずしも3文字ではない)
            • 04:製造週/1月からカウントし、04であれば第4週となる
            • 20:製造年/西暦下2桁を示しており、20であれば2020年となる
              • (注1)すり減りによりタイヤの溝の深さが1.6ミリ以下になると現れる溝の途切れで、タイヤ横にある△マークを見ることで位置を確認することができる。
              • (注2)また、使用開始から5年以上経過したタイヤについては、タイヤ販売店等での点検を受けることが推奨されている。
        2. タイヤ交換の必要性が疑わしい場合
          • 真実に反して「溝が大きくすり減っていてこのまま走ると危ない。タイヤ交換が必要である」と告げられて、新しいタイヤを購入した場合は、契約を取り消すことができる可能性があります(消費者契約法4条)。
        3. 自分でできるタイヤの点検項目
          • 車の部品は、走行や時間の経過に伴って知らない間に劣化・摩耗しています。安心してドライブを楽しむためにも日常点検をしっかり行いましょう。
          • タイヤの点検項目は3点です。
            1. 空気圧
              • 走行前のタイヤが冷えているときに、接地部のたわみ具合を目で見て判断します。たわみ具合で判断できない場合、エアゲージやガソリンスタンド等で点検し、指定空気圧を下回ることがないようにしましょう。指定空気圧は車によって異なり、運転席やドア開口部などにシールで表示されています。
            2. キズ・ひび割れ
              • タイヤのキズやひび割れの有無を目で確認するとともに、タイヤの溝部にかみ込んだ小石等を発見したときは、きれいに取り除きましょう。なお、くぎや金属片等が刺さっていた場合は、タイヤ販売店等にご相談ください。
            3. 溝の深さ
              • 不足がないかをスリップサインなどにより点検します。スリップサインが現れたら必ずタイヤを交換しましょう。

    ~NEW~
    厚生労働省 第24回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年2月18日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 新規感染者数は、報告日ベースでは、1月11日には、直近一週間では10万人あたり36人に達したが、1月中旬以降減少が続いており、直近の1週間では10万人あたり約7人となっている。(発症日ベースでは、1月上旬以降減少傾向が継続)
      • 実効再生産数:全国的には、1月上旬以降1を下回っており、直近で0.76となっている(2月1日時点)。緊急事態措置区域の1都3県、大阪・兵庫・京都、愛知・岐阜、福岡では、1を下回る水準が継続。(2月2日時点)
      • 入院者数、重症者数、死亡者数も減少が継続。一方で、60歳以上の新規感染者数の割合が高まっているため、重症者数の減少は新規感染者数や入院者数の減少と比べ時間を要すると考えられる。感染者数は減少しているものの、保健所や医療機関の対応は長期化しており、業務への影響が懸念される。高齢者施設でのクラスター発生事例も継続。
      • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値
        1. 首都圏 東京では、新規感染者数は減少が続き、宣言期間中のピークの1/5を下回っているが、なお約18人となっている。自治体での入院等の調整も改善の兆しが見られるが、医療提供体制は厳しい状況。神奈川、埼玉、千葉でも新規感染者数は減少が続き、それぞれ約9人、約13人、約14人とステージⅢの指標となっている15人を下回っている。一方、いずれの県も医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要。
        2. 関西圏 大阪では、新規感染者数の減少が続き、約9人と15人を下回っている。一方、医療提供体制は厳しい状況。高齢者施設等でのクラスターが継続的に発生。兵庫、京都でも新規感染者数は減少傾向であり、それぞれ約6人、約5人となっているが、医療提供体制は厳しい状況。大阪含め、新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要。
        3. 中京圏 愛知では、新規感染者数の減少が続き、約6人と15人を下回っている。岐阜でも新規感染者数の減少が継続し、約6人まで減少。いずれも、病床使用率は低下傾向であるが、医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要がある。
        4. 九州 福岡では、新規感染者数の減少が続き、約10人と15人を下回っているが、重症者数は高止まり。医療提供体制は厳しい状況。新規感染者数の減少に伴う医療提供体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要。
        5. 上記以外の地域 概ね新規感染者数の減少傾向が続いている。
    • 変異株
      • 英国、南アフリカ等で増加がみられる新規変異株は、世界各地に拡大しつつあり、国内でも、国内での感染によると考えられる、海外渡航歴のない者から変異株が発見される事例が、複数都道府県に感染者がまたがる広域事例も含め生じている。従来株と比較して感染性が高い可能性があり、国内で持続的に感染した場合には、現状より急速に拡大する可能性が高い。英国株については、変異による重篤度への影響も注視が必要。また、海外から移入したとみられるN501Y変異を有さないE484K変異を有する変異株がゲノム解析で検出されている。
    • 感染状況の分析
      • 緊急事態措置区域の10都府県では、実効再生産数が年始から低下傾向となり、緊急事態宣言下では0.9程度以下を維持し、新規感染者数の減少も継続しているが、夜間の人流の再上昇がみられる地域もある。感染減少のスピードが鈍化している可能性もあり、留意が必要。クラスターの発生状況は、飲食店等に着目した今般の緊急事態宣言に伴う取組への協力もあり、飲食店は減少しているが、医療機関・福祉施設、家庭内などを中心として発生し、地域により飲食店でも引き続き発生している。感染者数に占める60才以上の割合が上昇しているため、重症者や死亡者の減少に時間を要する可能性がある。
      • 年末年始にかけて、都市部から周辺地域へという形で感染が拡大した。現在の減少局面において、周辺地域に比べ都市部での感染者減少が遅れている。大都市において、減少が鈍化する懸念もあり、変異株のリスクもある中で、減少傾向を続ける取組が必要。
      • 国内でも変異株の感染が散発的に確認されている。変異株の感染を早期に探知し、封じ込めることが必要。
    • 必要な対策
      • 新規感染者の減少傾向を継続させ、重症者数、死亡者数を減少させることに加え、今後のワクチン接種に向けて医療機関の負荷を減少させ、リバウンドを防止し、変異株探知を的確に行えるようにするためにも、対策の徹底が必要。
      • 緊急事態措置区域の10都府県においても、東京を除き新規感染者数が15人を下回り、病床使用率も概ね低下傾向が見られているが、医療提供体制や公衆衛生体制の負荷への影響について、引き続き注視する必要がある。
      • 緊急事態宣言が解除された地域でも、昨年夏の感染減少の後も引き続き一定の感染が継続し再拡大に繋がったたことを踏まえると、感染源を探知し減少を継続させる取組が必要。このため、感染リスクに応じた積極的検査や積極的疫学調査を再度強化できる体制が求められる。また、モニタリングのための検査等により、感染拡大の核となる場や影響の変化を評価・分析し、新たに対応が必要となる取組も検討すべき。
      • 再拡大防止には、大人数での会食を避けるなど節目での人々の行動が鍵である。年度末に向けては、歓送迎会、謝恩会、卒業旅行、お花見に伴う宴会等はなるべく避けていただくことに協力が得られるよう、効果的なメッセージの発信が必要。
      • 「高齢者を守る」ために、クラスターの発生が継続している福祉施設等における感染拡大を阻止する取組が必要である。さらに、施設従事者も守るための取組も必要である。都道府県が策定した計画に基づく施設等の職員に対する検査の着実な実施や施設への専門家派遣等による感染症対策の支援、施設で感染者が確認された場合の迅速な支援が求められる。
      • また、ワクチンの接種が開始されたが、接種を踏まえた感染状況への影響について注視していくことが必要。
      • 変異株 変異株国内流入の監視のため、リスク評価に基づく検疫体制の強化の継続が必要である。また、国内の変異株スクリーニング検査体制の早急な強化(民間検査を含めることも検討)により、変異株感染者の早期検知、積極的疫学調査による感染源の特定や速やかな拡大防止策の実施や広域事例への支援等が求められる。併せて感染性や病原性の特徴等についての分析が必要。N501Y変異を有さないE484K変異を有する変異株は、病原体サーベイランスを通じた実態把握の継続が必要。個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、3密、特にリスクの高い5つの場面の回避、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。併せて、症状のある場合は適切な検査・受診が必要。
    ▼資料5-2 退院基準の改定について(案)
    1. 発症 10 日目以降の症例からの感染リスクについて
      • 新型コロナウイルス感染症においては、症状が消失してからも長期的にSARS-CoV-2RNAが陽性になる症例が一定数あることは知られている。これらの症例で感染性が持続する期間についての検討がいくつかの報告でなされており、RNAが陽性であっても必ずしも感染性のあるウイルス粒子が存在しているとは限らず、軽症・中等症においては、発症10日目以降の症例からの感染のリスクは低いことが示唆される。
      • 2020年1月から8月までの文献を用いてSARS-CoV-2核酸検査(PCR法など)陽性患者の感染可能期間を調べたシステマティックレビューでは、軽症から中等症の患者において、発症11日目・12日目にそれぞれ1例ずつ感染性のあるウイルスが分離された症例を含む報告があるが、その他では、ウイルスが分離されるのは、発症10日目までであった。
      • 台湾における確定症例100例の濃厚接触者2,761例(発症率は0.7%)の追跡では、確定症例の発症5日以内の接触者では陽性発症者が1%(二次発症率)であったのに対して、6日以降の接触者では陽性発症者(二次発症者)を認めなかった。
      • 英国における確定症例269例の濃厚接触者472例についての追跡では、確定症例の発症5日経過後以降の二次発症者を認めなかった。
      • 日本からの報告として、発症9日目の鼻咽頭ぬぐい液、発症13日目の気管吸引物から、感染性のあるウイルスが分離されたとの文献があるが、重症度についての情報は不明であった。
    2. 再陽性症例における感染性についてと二次感染リスクについて
      • 退院後の患者の呼吸器検体のSARS-CoV-2RNA再陽性化についての検討では、PCR等核酸検査での再陽性化が見られたとしても、ウイルス培養の陽性化(感染性の再燃)や二次感染を生じるという報告は現時点では国内外ともに見つからなかった。
      • 隔離解除後に再度SARS-CoV-2再陽性となった285名を対象に行われた韓国CDCの調査では、再陽性となった人の感染期間の接触者790名から二次感染者は発生しなかった他、再陽性となった108検体のウイルス培養はすべて陰性であった。
      • 中国における退院後に再陽性となった87名(14%)の検討では、再陽性例は、他の患者と同様の中和抗体価を示し、感染性のあるウイルス株は分離されなかった。
      • 中国広東省の32の指定病院から退院後28日間の経過観察期間中に再陽性となった189名(14.7%)では、その濃厚接触者から二次感染者を認めなかった。
    3. SARS-CoV-2排泄が長引く場合について
      • 軽症や中等症においては上記の通り、発症10日目以降であれば感染性のあるウイルスが残存している可能性は低いと考えられる。重症者や免疫不全者では感染性のあるウイルス排泄が長引く可能性が示唆されている
      • 重症・重篤な新型コロナウイルス感染症入院患者129名(30名の免疫不全患者を含む)を対象とし、気道検体のウイルス培養から感染性の持続期間を検討した研究では、感染性を有するウイルス分離期間の中央値は発症後8日(四分位範囲:5-11、範囲:0-20日)であった。ウイルス分離可能性は、発症15.2日で5%以下まで低下した。
      • 免疫不全患者20名のウイルス分離を行った研究では、発症後20日以降も3名の患者からウイルスが培養された。これらの患者は同種造血幹細胞移植を受けた患者2名(発症後25日、26日)とキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法を受けた1名(発症後61日)で、重症免疫不全患者では発症20日目以降も感染性を有するウイルスが分離される可能性が示された。
      • 年齢に関しては、高齢がRNA排泄持続の独立したリスク因子であることを示す研究が報告されているが、感染性のあるウイルス排泄が遅延したという研究は報告されていない。
    4. まとめ
      • 軽症・中等症において、感染性のあるウイルス粒子の分離報告は10日目以降では稀であり、これらの症例において、症状が消失してからも長期的にウイルスRNAが検出される例からの二次感染を認める報告は現時点では見つからなかった。また、退院後のPCR再陽性例における感染性や、再陽性例からの二次感染を認める報告も現時点では見つからなかった。こうしたことから、軽症・中等症においては、現行の退院基準(発症日から10日間経過かつ症状軽快後72時間経過)を満たした症例では、退院前のPCR検査の結果によらずこれらの症例からの二次感染のリスクは低いと考えられる。
      • 一方で、重症者(人工呼吸器またはECMOによる治療を必要とした者)は発症15日程度までは一部の症例で感染性のあるウイルス排泄が長引く可能性が示唆されており、重度免疫不全者(造血幹細胞移植後の患者など)では、それ以降も感染性のあるウイルス排泄が長引く可能性が示唆されている。また、変異株に関しては感染性に関しての情報が乏しい。これらの症例については、国内外における更なるエビデンスの蓄積が必要である。

    ~NEW~
    経済産業省 防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書を取りまとめました
    ▼防衛装備の海外移転の許可の状況に関する年次報告書について
    • 防衛装備移転三原則の運用指針(平成26年4月1日国家安全保障会議決定)により、経済産業省は、防衛装備の海外移転の許可の状況につき、年次報告書を作成することとされています。本報告書は、昨年度、外為法に基づき経済産業大臣が行った防衛装備の海外移転の許可の状況を取りまとめたもので、今回で6回目になります。
    • 令和元年度に、経済産業大臣が行った防衛装備の海外移転の個別許可は1,179件です。これらを運用指針の類型に沿って分類すると下記のとおりであり、案件の約9割が自衛隊の装備品の修理等のためのものです。
      1. 平和貢献・国際協力の積極的な推進に資する場合(28件)
        • ソマリア沖・アデン湾での海賊等事案に関するもの(3件)
        • シナイ半島における国際平和協力業務に関するもの(2件)
        • 中国国内の遺棄化学兵器処理事業に関するもの(23件)
      2. 我が国の安全保障に資する場合(1,083件)
        • 国際共同開発・生産に関するもの(45件)
          • 日米間:35件【弾道ミサイル防衛用能力向上型迎撃ミサイルの共同開発、化学剤呈色反応識別装置の共同研究、F35製造への国内企業参画、イージス・システムに係るソフトウェア及び部品等の米国への移転等】
          • 日英間:5件
          • その他:5件(日印間:2件、日米英間:1件、日伊間:1件、日豪間:1件)
        • 安全保障・防衛力の強化に資するもの(22件)
        • 自衛隊等の活動又は邦人の安全確保のために必要なもの(1,016件)
      3. 我が国の安全保障上の観点からの影響が極めて小さい場合(68件)

    ~NEW~
    経済産業省 「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書(案)の意見公募手続(パブリックコメント)を開始しました
    ▼GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書(案)
    • 経済産業省は、「Society5.0」を実現していくために、多様なステークホルダーによる「アジャイル・ガバナンス」の実践が必要であることを示す、「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2:アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書(案)について、2月19日にパブリックコメントを開始しました。
    • 我が国は、AIやIoT、ビッグデータなど、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させるシステム(サイバー・フィジカルシステム)によって、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会、「Society5.0」を目指しています。Society5.0の実現に向けて、革新的な技術の社会実装を進めるには、新たな技術がもたらす社会構造の変化を踏まえた、ガバナンスモデルの根本的な改革が必要です。
    • こうした問題意識から、2019年6月に我が国が主催したG20の貿易・デジタル経済大臣会合の閣僚声明には、デジタル技術やその社会実装による社会の変化に合わせた「ガバナンス・イノベーション」の必要性が盛り込まれました。
    • これを踏まえ、経済産業省に設置された「Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会」(以下、「本検討会」)では、2020年7月に、「GOVERNANCE INNOVATION:Society5.0の実現に向けた法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書を公表しました(以下、「第1弾報告書」)。第1弾報告書では、ゴールベースの法規制や、企業による説明責任の重視、インセンティブを重視したエンフォースメントなど、横断的かつマルチステークホルダーによるガバナンスの在り方が描かれました。
    • 今般、本検討会では、第1弾報告書の成果を踏まえつつ、Society5.0におけるガバナンスの基本となる「アジャイル・ガバナンス」の考え方を提示すると共に、これに基づくコーポレートガバナンス、法規制、インフラ、市場、社会規範といった様々なガバナンスメカニズムの在り方を示した、「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2:アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書(案)を作成しました。
    • この報告書(案)について、幅広い御意見をいただくべく、パブリックコメントを開始しました。なお、本報告書(案)で扱う課題は、グローバルな課題であり、国際的協調が必要とされる部分も多いため、日本国内に留まらず、諸外国の方々からも、幅広く忌憚のない御意見をいただきたいと考えております(英語版を3月中に公表予定です)。
    • ショート・サマリー
      • 世界が直面する様々な課題をデジタル技術によって解決する「Society5.0」を実現するためには、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステム(CPS:サイバー・フィジカルシステム)の社会実装を進めつつ、その適切なガバナンスを確保することが不可欠である(第1章)。Society5.0のCPSは、複雑で変化が速く、リスクの統制が困難であり(第2章)、こうしたシステム変化に応じて、ガバナンスが目指すゴールも常に変化していく(第3章)。そのため、Society5.0を実現するためには、事前にルールや手続が固定されたガバナンスではなく、企業・法規制・インフラ・市場・社会規範といった様々なガバナンスシステムにおいて、「環境・リスク分析」「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「評価」「改善」といったサイクルを、マルチステークホルダーで継続的かつ高速に回転させていく、「アジャイル・ガバナンス」の実践が必要である(第4章)
    • エグゼクティブ・サマリーより
      • Society5.0を実現するためのガバナンス上の課題は、プライバシー、システムの安全性、透明性、責任の分配、サイバーセキュリティ等、多岐にわたる。Society5.0が、従来のフィジカル空間を中心とする世界と前提を大きく異にする世界であることから、こうした課題の解決にあたっては、既存の制度枠組の中で逐次的な改正を行うのではなく、企業、法規制、市場といった既存のガバナンスメカニズムを根本から見直す必要があると考えられる。
      • 本報告書は、こうした問題意識に基づき、Society5.0がガバナンスの観点から従来の社会とどのように異なるかを分析し(第2章)、これを受けてガバナンスによって目指すゴール自体も変化していくことを示した上で(第3章)、そのような社会の中でゴールを実現するために必要な「アジャイル・ガバナンス」の考え方を提案するものである(第4章)。「アジャイル・ガバナンス」とは、政府、企業、個人・コミュニティといった様々なステークホルダーが、自らの置かれた社会的状況を継続的に分析し、目指すゴールを設定した上で、それを実現するためのシステムや法規制、市場、インフラといった様々なガバナンスシステムをデザインし、その結果を対話に基づき継続的に評価し改善していくモデルである。
      • 社会の継続的な状態変化、結果の予見・統制の困難性、責任主体の決定の困難性といった特徴によって、「予め一定のルールや手順を設定しておき、それに従うことでガバナンスの目的が達成される」というガバナンスモデルは困難に直面することになる。Society5.0では、このようなモデルに代わり、「基本的人権」、「公正競争」、「民主主義」、「環境保護」といった一定の「ゴール」をステークホルダーで共有し、そのゴールに向けて、柔軟かつ臨機応変なガバナンスを行っていくというアプローチが重要になると考えられる。
      • 例えば、「自由」はガバナンスの「終局目標」として引き続き位置づけられるべきであるが、その内実は、伝統的な「消極的自由」にとどまらず、「自己の価値観に基づいて、どのような技術的影響力の下で幸福を追求するかを主体的に選択できる状態」をも含むものへと変化しつつあるといえる(3.1)。こうした、「ゴール」には、それ自体に様々な解釈や理解の幅が存在する上、ひとつのシステムについて複数の「ゴール」が存在する場合がほとんどであり、しかもそれらがトレードオフの関係に立つ場面も少なくない(例えば、プライバシー情報を扱うシステムの透明性を向上させれば、一般的にプライバシーへのリスクは大きくなる、といったことが考えられる)。
      • Society5.0のガバナンスモデルは、常に変化する環境とゴールを踏まえ、最適な解決策を見直し続けるものであることが必要である。そのためには、ゴールや手段が予め設定されている固定的なガバナンスモデルを適用することは、妥当ではないと考えられる。我々が目指すべきは、様々な社会システムにおいて、「環境・リスク分析」「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「評価」「改善」といったサイクルを、マルチステークホルダーで継続的かつ高速に回転させていくガバナンスモデルであると考えられる。このようなガバナンスモデルを、本報告書において「アジャイル・ガバナンス」と呼ぶ。
      • 企業は、製品やサービスの提供を通じて「ゴール」の設定に関わると同時に、その実現に向けた技術的・組織的なガバナンスシステムをデザインすることが期待される。実装されたシステムの利用者ないし提供者として、企業はその運用やモニタリングを行い、問題があればその改善を行うと共に、環境の変化等を踏まえ、その都度「ゴール」を見直していく。また、こうした「ゴール」設定、システムデザイン、モニタリング、評価及び改善といった一連のガバナンスについて、その適切性や信頼性を確保する観点から、企業がステークホルダーに対するアカウンタビリティを果たすことが一層重要になる(コンプライ・アンド・エクスプレイン)。
      • 法規制を、従来型の業界別のルールベースではなく、機能別のゴールベースとし、企業に「何を達成すべきか」を明示する必要があると考えられる。その上で、法が定めるゴールの達成に向けた企業の取組を後押しするために、標準やガイドラインといったソフトローによって、官民共同でのルール形成を行っていくことが重要である。また、企業による実証実験の許容と、その結果に基づく法規制の見直しを図るため、「規制のサンドボックス制度」等を活用した実証実験を積極的に進めていくことが望ましい。その上で、法規制や標準・ガイドライン等を、当初設定した政策目標を達成し得るものとなっているか、社会状況の変化によって政策目標を変更する必要はないか、といった観点から、データに基づいて継続的に評価し、改善を行っていくべきである。

    ~NEW~
    総務省 サイバーセキュリティタスクフォース(第28回)
    ▼資料28-1 サイバーセキュリティ統合知的・人材育成基盤CYNEXの構築について
    • サイバーセキュリティ情報を国内で収集・蓄積・分析・提供するとともに、社会全体でサイバーセキュリティ人材を育成するための共通基盤をNICTに構築し、産学官の結節点として開放することで、サイバーセキュリティ対応能力の向上を図る。
    • 情報通信研究機構(NICT)では、これまでも次のような取組を実施:サイバーセキュリティ研究所・・・最先端のサイバーセキュリティ関連技術の研究開発を実施 ナショナルサイバートレーニングセンター・・・実践的サイバー防御演習等による人材育成を実施
    • これらの知見を活用し、サイバーセキュリティに関する産学官の巨大な結節点となる先端的基盤としてCYNEX(Cybersecurity Nexus:サイネックス)を構築予定
    • サイバーセキュリティ自給率の低迷:サイバーセキュリティ戦略本部 研究開発戦略専門調査会(2019年5月17日)
    • データ負けのスパイラル ・ データが集まらない → 研究開発できない → 技術を作れない → 技術が普及しない → データが集まらない → …
    • 今、日本に必要なこと:実データを大規模に収集・蓄積する仕組み、実データを定常的・組織的に分析する仕組み、実データで国産製品を運用・検証する仕組み、実データから脅威情報を生成・共有する仕組み
    • NICTER、STARDUST、WarpDrive等の観測機構を活用し、セキュリティビッグデータを収集。人と機械との連携による定常的・組織的な分析を行い、純国産サイバーセキュリティ情報を生成。加えて、実データを用いた国産セキュリティ製品の運用・検証や、高度SOC人材育成を実施。
    • STARDUSTのセミオープン化
      • 標的型攻撃等の攻撃者を誘い込む サイバー攻撃誘引基盤
      • 組織を精巧に模擬した“並行ネットワーク”を高速・柔軟に自動生成
      • 並行ネットワーク中で攻撃者を長期誘引し、ステルスに挙動を解析
      • 参画組織ごとにカスタマイズされた並行ネットワークを貸し出し
      • STARDUST Web経由の遠隔解析
      • 定期的な解析情報の交換を通した解析者コミュニティの醸成
      • All Japanでの共同解析を実現する大規模並行ネットワークの構築
    • 国産セキュリティ製品の運用・検証
      • 実ネットワークのデータ利用によるセキュリティ製品テスト環境化
      • ネットワークトラフィックをリアルタイムにキャプチャし大規模DBに数年分の通信を蓄積
      • PC数百台に観測エージェント導入
      • 海外製有力セキュリティ製品を複数機種稼働(比較評価用)
      • 国産セキュリティ製品運用・検証:参画組織による製品プロト持ち込み、参画組織からの技術者受け入れ、NICT-CSIRTでの製品長期稼働、実攻撃および模擬攻撃によるテスト、テスト結果のレポーティング
    • 純国産サイバーセキュリティ情報の生成
      • NICTからサイバー攻撃関連の情報を様々な形態で発信・共有中
      • NICTER Web ダークネット観測結果を自動配信
      • NICTER観測レポート ダークネット等の詳細分析結果を定期公開
      • NICTER Blog 様々な分析結果についてタイムリーに発信
      • サイバーセキュリティ情報の生成:機械学習エンジンと解析チームによるサイバー攻撃の自動解析/詳細解析、情報源が明確で説明可能性の高い純国産インディケータ情報(IoC)生成、CYNEX参画組織内での情報共有、CYNEX外への情報共有・情報発信
    • セキュリティ人材育成に関する課題 (NICTによる国内有識者へのヒアリング結果より)
      • 我が国はサイバーセキュリティ自給率が他国に比べて低く、サイバー演習においても海外製の演習環境やシナリオに依存しがち。日本特有のインシデント事例等が活用されていないことが、安全保障の観点において大きな課題
      • 演習用の環境構築やシナリオ開発には高度な知識や技術力が必要となるが、これらに単一組織だけで取り組むのは非常に効率が悪いため共同開発体制が必要。それと並行して教材フォーマット等の標準化も重要
      • 演習事業の実施にあたっては、その基盤となる計算機環境や演習システムが必要となるが、その構築と維持には高い技術力が必要であり、単一組織での構築・長期的運用は困難
      • よりオープンな人材育成環境と協力体制の必要性
      • 我が国ならではの演習コンテンツ開発体制の実現
      • 各組織が持つ既存の演習コンテンツの共有や、相互活用と共同開発を実施
      • 産学官が連携して教材・環境の標準化を進め、社会全体での開発効率を向上
      • 基盤となる計算機環境についても産学官が(相応の対価の下で)共同利用
      • これらの仕組みを実現する産学官の結節点CYNEXを構築
    • サイバーセキュリティ人材育成基盤の活動内容
      1. 人材育成コミュニティ(連携体制)の慫慂
        • 民間事業者や教育機関等のヒアリング(ユーザニーズ調査)
        • 連携先機関が活用し易いライセンス形態の整理
        • 大規模受講データベース等を活用した民間事業者や教育機関等との共同研究開発
      2. 人材育成基盤の開発、構築
        • 接続用API、オンライン演習用ユーザインターフェイス等のCYDERANGE(演習用ミドルウェア) の高度化
        • 受講データを収集する大規模受講データベースの構築
        • 演習用ミドルウェアを支える大規模計算環境の構築
      3. 人材育成基盤利用促進のためのパイロットコンテンツ開発
        • 既存コンテンツをベースに、よりユーザニーズに適合したパイロットコンテンツ(パイロットシナリオ・サンプルデータセット等)を開発
        • 社会的な需要に応じ、システム構築技術者、システム開発者、一般のSOC担当者等のセキュリティ対応力向上を目的としたコンテンツを開発予定

    ~NEW~
    総務省 「テレワークセキュリティガイドライン(第5版)」(案)に対する意見募集
    ▼概要
    • 総務省では従来から「テレワークセキュリティガイドライン」を策定し、セキュリティ対策の考え方を示してきた。
    • 新型コロナウイルスの影響により、これまで未導入だった中小企業等においてもテレワークの導入が広まる中で、2020年9月には、実践的かつ具体的で分かりやすい内容のチェックリストを作成・公表。
    • 今般、テレワークを取り巻く環境やセキュリティ動向の変化を踏まえ、「テレワークセキュリティガイドライン」の全面的な改定を行い、改定版(第5版)の案について意見公募を実施するもの。
    • テレワーク環境・セキュリティ動向の変化
      • テレワークは「一部の従業員」が利用するものから、Web会議を含め、一般的な業務・勤務形態に
      • クラウドサービスの普及やスマートフォン等の活用が進むなど、システム構成や利用形態が多様化
      • 標的型攻撃等の高度な攻撃が増え、従来型のセキュリティ対策では十分対応できない状況も発生
    • ガイドライン改定の主要なポイント
      • テレワーク方式を再整理した上で、テレワークによって実現する業務の内容や、セキュリティ統制の容易性等から、適した方式を選定するフローチャートを掲載。
      • 経営者・システム管理者・勤務者の立場それぞれにおける役割を明確化。
      • 執るべきセキュリティ対策の分類や内容を全面的に見直し
      • テレワークセキュリティに関連するトラブルについて、具体的事例を含め全面見直し(事例紹介のほか、セキュリティ上留意すべき点や、採るべき対策についても明示)
    • 具体的な改定ポイント
      • テレワーク環境の変化(感染症対応)等を追加
      • 想定読者(チェックリストとの差異)の項目を追加
      • 経営者・管理者・勤務者の役割を具体的に列挙(適切な役割分担の重要性についても強調)
      • テレワークやセキュリティの環境変化を踏まえ、クラウドサービスの利用上の考慮事項を追記、サイバー攻撃の高度化を踏まえ、ゼロトラストセキュリティに関する項目を追加
      • 方式選定にもガイドラインは活用されているため、テレワーク方式の解説を章として独立・増強、選定フローチャートや特性比較表を新規作成
      • テレワークの利用の広がりに合わせて、テレワーク方式を7種類に再編(変更・細分化)、派生的な構成についても明記
      • テレワーク利用の広まりや、サイバー攻撃の深刻化に対応するため、対策事項を全面見直し(倍増) 例)オンライン会議システムのセキュリティ対策や、VPN機器のファームウェアアップデート等を新たに追加
      • 対策事項を、13個の対策カテゴリに分類
      • 各対策事項の詳細な解説についても、近年の動向を踏まえて全面的に見直し
      • トラブル事例の対策に当たっては、複数対策が紐付く場合もあるため、章として独立
      • 近年の実事例等を踏まえ、事例を全面更新

    ~NEW~
    国土交通省 『雪道での立ち往生に注意!』(パンフレット)の作成について―大型車の冬用タイヤとチェーンの注意事項に関するパンフレットを作成しました―
    • 昨年末以降の大雪により、関越道、北陸道等において多くの大型車両が立ち往生したことで、深刻な交通渋滞や通行止めが発生しました。
    • このような事案を受け、国土交通省では、本年1月に自動車関係団体、国交省及び警察庁から構成される勉強会を設置し、立ち往生の原因や防止策について技術的に分析・検討を進めてきました。
    • 今般、勉強会で得られた知見を基に、大型車を使用する事業者及びユーザーを対象に、冬用タイヤ及びチェーンの注意事項をまとめたパンフレットを作成しましたので、お知らせします。
    • パンフレットに記載している注意事項の例
      • 路面を覆うほどの過酷な積雪路・凍結路においては、スタッドレス表記(国内表記)又はスノーフレークマーク(国際表記)が表示されている冬用タイヤを全車輪に装着してください。
      • 降雪時には、立ち往生する前に早めのチェーン装着を心掛けましょう。立ち往生した後の装着は極めて困難です。
      • 冬用タイヤ及びチェーンのいずれも性能限界があり、万能ではありません。運行前に道路・気象情報を確認し、運行の可否や経路を検討してください。
    ▼【別紙1】『雪道での立ち往生に注意!』(パンフレット)

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