週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

コロナ禍が若者の薬物依存を助長している構図に注意が必要だ

学校の休校や会社の雇い止め、バイト切りなどにより家に閉じこもらざるを得ない若者が、興味本位でインターネット等を通じて覚せい剤を購入し、嵌っていく構図が顕在化しつつある。売る側の暴力団も、資金源である夜の町の閉鎖、売春や風俗営業などの収益が激減する中、違法薬物の密売に活路を求めている。若年層が薬物に簡単にリーチできる状況をコロナ禍が後押しする構図があり、若年層への薬物蔓延対策が急務だ。薬物乱用者の行き着く先は、「1:3:3:3」と言われる。つまり1割は命を失い、3割は刑務所か精神病院に、3割は行方不明(死ぬまで使い続け)、残り3割は専門家や医療機関によって回復に向かうというものだが、残念ながら全員が回復できるわけでもない。コロナ禍からの回復も視野に入ってきたが、一度嵌った薬物依存からの脱却は容易ではない。(芳賀)

カスタマーハラスメント対策は「ロス」削減につながる~企業は今こそ対策を

新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言解除に伴い、経済活動も再開される中、顧客による我が儘や理不尽な行為によるカスタマーハラスメントも深刻化・増加している。自粛警察のような自己の価値観のみ押し付ける輩もその典型だ。現場を守るためには、不当要求やカスタマーハラスメントには断固たる対応が必要だが、現場レベルでは、相応の対応の仕方があるし、警察対応や出入り禁止を行うためにも道筋が必要だ。組織的にも方針の明確化・告知などの仕方もある。いかに顧客側の「自業自得」「自己責任」の状況を作るかがポイントだ。「謝罪」はあくまで期待値に対する謝罪に留め、「事実」と「方針」で回答・対応する。何か言われば「ご意見」として聞く形でよい。既にカスタマーハラスメント対策は企業の危機管理対策として必須の重要項目と言える。(西尾)

※当社では、カスタマーハラスメント対応ガイドラインを公表しています。下記URLより資料請求が可能です(※所定の項目の入力が必要です)。
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コロナとプライバシー

国や企業がパンデミック対策として対象者の追跡、検査などの技術やその利用に注力している。感染者の移動経路、手段、場所を監視し、その動線がつまびらかになれば、接触者の追跡と隔離で収束は早まるだろうが、プライバシー保護を重視するあまり、必要な情報が提供されなければ感染を広げかねない。感染症対策は、個人情報やプライバシーの問題と、社会的な必要性との間で慎重にバランスをとることが求められる。接触者の追跡のために情報収集が正当化されることと、それが適当か、あるいは機能するかは別問題だ。「コロナウイルスとの戦い」という戦時下では、その後の影響や懸念に対する議論は二の次とされかねないが、本来、個人データをいつまで保有し、どこまでの利用を許容し、どう透明性を持たせるのかは冷静かつ迅速に解決すべき課題だ。(佐藤)

アフリカ、バッタ大量発生「食料危機の恐れ」

東アフリカでは年初からバッタが大発生し、穀物の被害が中東にも広がり70年ぶりの規模という。世界の1割の人々の生活に影響が出るともいわれる。大発生は「神の罰」とも呼ばれ、数百億匹が群れて東京都ほどの面積を覆いつくす。大群は一日に100km以上移動するため、被害が一気に拡大する。2003年にはバッタ防除の初動が遅れ、被害が拡大した。大発生してからの対応費用は、通常時の3億円から570億円に跳ね上がる。大発生がなければ運営資金が削減され、防除のプロの削減や車両が老朽化し、本当に防除が必要な時に体制が弱体化して機能しない。駆除部隊は平時に定期的に防除の訓練を重ね、いつ発生するかわからない事態に備える事が必要だ。普段から緊急事態を想定し訓練を重ねてきた自衛隊中央病院のコロナ対応の好例と保健所の削減が教訓として通じる。(伊藤)

新型コロナウイルス対策、「今」しかない

本日夕方、新型コロナウイルス感染拡大予防のための緊急事態宣言が全国で解除される見通しとなった。国民として、少しずつ日常を取り戻せることをまずは素直に喜びたい。しかし、感染の脅威はまだ去ったわけではない。1918年に発生し、世界の1/3が罹患し日本でも38万人が亡くなったスペイン風邪は、夏に一度沈静化した後、秋・冬にかけてそれまでを大きく上回る第2波・第3波を引き起こした。2009年から翌年にかけて発生した鳥インフルエンザでも同じような状況が確認されている。毎年発生している季節性インフルエンザでさえ、2019年には感染者1000万人、死者3000人以上の被害を出している。「インフル・コロナ同時まん延」した場合の被害は計り知れないだろう。次の大きな波に備える時期は、宣言が解除され人々の活動が少し自由を取り戻した「今」しかないのだ。(大越)

本当にコロナ禍で成立を急ぐべき法案なのか

検察庁法改正案、種苗法改正案、スーパーシティ法案、国民投票法改正案などの成立を、今のこの時期に何故急ぐのだろうか。どれも全て国益・国民益を考える上で、慎重かつ十分な審議が不可欠である。これまで現政権下では、安保法案や共謀罪法など審議不十分のまま強行採決で成立した法案が複数ある。それらに続く流れが新型コロナ禍の中でも継続している。新聞・TVなどの既存マスメディアは、これらの法案が「不急」ではないのか、場合によっては、「不要不急」ではないのか、一つずつ丁寧に検証して報道していくべきだ。仮にマスコミがスルーするテーマでも、今回の検察庁法改正案で見られたようにSNSでの反対の連鎖が効果的であることも分かった。外出自粛は、改めて自分たちの生命と生活を守ることとは何かを国民に考えさせる副次効果があったようだ。(石原)

同調圧力的“ニューノーマル”で多様性・活力・寛容を見失うな!(1)

日本全体の緊急事態宣言解除が固まった。時期尚早と見る向きもあるようだが、各種指標となる数値も明確に下降傾向にある中、いつまでも“緊急事態”というわけにもいかないだろう。それよりも、よく指摘されるように「元には戻れない」方が、実は本当の緊急事態なのではないか。新たな生活や社会情勢に合わせるべきと、まるで強制されるかのように叫ばれている。その合言葉が、“ニューノーマル”だ。リーマンショック後から使われてはいたが、現時点では、“アフターコロナ”や“ポスト在宅勤務”などの意味とほぼ重複している。一体、“ニューノーマル”の何が“ニュー”なのか、一方、“オールドノーマル”とは何か、“オールド”は全面否定されるべきものなのか。また、“ニュー”が「良」で、“オールド”は「悪」なのか、そんなことはないはずだ。(石原)

同調圧力的“ニューノーマル”で多様性・活力・寛容を見失うな!(2)

“ニューノーマル”とは、グローバリズムの下で進められるものなのか、それともナショナリズムに沿ったものなのか、全く分からない。ナショナリズムをファシズムの一歩手前と解釈するのか、それともトランプ大統領のアメリカファーストも含まれるのか。グローバリズムが世界各国で貧富の格差を拡げたことは、最早疑いの余地はない。一部の富裕層がますます富めるという構造だ。その歪な構造が維持されたままで、コロナショックが起きた。その結果、倒産・失業・自殺が増え、リスクヘッジできる人とできない人とを分断した。テレワークできる職種とできない職種はその一例だ。また、ステイホームとはいっても、それは元々路上生活者やネット難民を考慮していない。企業も個人も生き残りを懸けるとしても、その競争に負けた者を棄民にしていいわけはない。(石原)

同調圧力的“ニューノーマル”で多様性・活力・寛容を見失うな!(3)

日本は、感染者数・死者数ともに他国との比較でも桁違いに低くとてもオーバーシュートしたとは言い難い。日々の報道で恐怖を煽られることによって、必要以上に恐れ、他者を攻撃し、弱者を排除・差別・いじめに至るなどの現象は、外出自粛の要請が生み出した“新社会リスク”である。続く第二波、第三派をどのようなレベルで想定するのか、より具体的な指標が必要である。特に集団免疫の進捗や別型ウイルスが発生したのかなどの情報も必要である。また、国立感染症研究所含め、保健所・民間の検査体制や医療体制の見直しこそ、ノーマルに戻すべきである。それこそが、“ベターノーマル”であり、緊急事態の再宣言の意味合いも変わってくる。宣言→解除→再宣言→再解除…の繰り返しよって現出される“新ノーマル”を“新アブノーマル”にしてはならない。(石原)

同調圧力的“ニューノーマル”で多様性・活力・寛容を見失うな!(4)

国の危機管理とは全国民を守る、つまり国民の生命・安全・健康・財産などを守ることにほかならない。ただ、これは外国人居留者などを差別・排除することではなく、彼らもまた日本国民に準拠した対象である。国民益を棄損する政策は、やがて国益をも棄損することになる。それは決して愛国的とも言えないだろう。グローバリズムや自由貿易ルールへの過度なシフトが国内産業や農畜産漁業を衰退させることは、明らかに国益に反する。これらが、拙速な各種法案の成立過程と軌を一にしていることには要注意である。コロナ危機や気候変動、サバクトビバッタによる蝗害がなくても食糧自給率の回復は待ったなしだ。国益のためグローバリズムとナショナリズムのバランスを取ることが最重要であり、“ニューノーマル”発のメンタル不調と隔離などあってはならない。(石原)

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