週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

注意喚起だけでは特殊詐欺被害はなくならない

ワイモバイルから新型のシニア向けスマホ「かんたんスマホ2」が発売された。「全国的に社会問題化している振り込め詐欺や悪質なセールスなどで使用されている不審な電話番号を自動で判別し、発着信時に警告表示・自動ブロックを行う「迷惑電話対策」機能に対応」、「誤って迷惑電話の着信に出てしまっても、通話内容を自動で録音する他、録音している旨の音声ガイダンスを自動で流す」(特許出願済み)機能を備えているという。高齢者の特殊詐欺被害防止には留守電設定が有効だが、そもそも留守電設定にしていない世帯も多いほか、設定していても「何となく」「思わず」電話に出てしまい被害にあう事例もある。もはや注意喚起だけでは、騙される心理的メカニズムから逃れることが難しい。高齢者の行動特性をふまえたツールの一層の高度化に期待したい。(芳賀)

ランサムウェア、変わる手口

情報処理推進機構(IPA)は8月20日、ランサムウェアの手口が高度化していることへの注意の呼びかけと解説レポートの提供を始めた。ランサムウェアは、パソコン等の端末やサーバー上のデータを暗号化し、復号する代わりに身代金を要求するものだ。これに加え、前もって窃取したデータを闇サイトや第三者への開示を予告したり、その一部を公開することで圧力をかけて脅迫する。相手に既に渡っているデータを回収する術はなく、また、身代金を支払ったとしても、今後一切のリークが発生しないことが保証されるわけでもない。対策としてまずは、侵入のきっかけをつくらないことだ。不審なメールを不用意に開封したりしないなど基本的な事項をあらためて周知するとともに攻撃や改ざんなどの検知、脆弱性の検査や発見後の修正対応を早急に講じる必要がある。(佐藤)

▼情報処理推進機構「【注意喚起】事業継続を脅かす新たなランサムウェア攻撃について」

人材の多様化(ダイバーシティ)新卒採用女性4割 半導体大手、米マイクロンテクノロジー

同社は日本における21年4月の新卒採用を計画から1割増やし、採用者に占める女性の比率を4割以上に高めるという。ビジネスに必要な多様性は単に「違う」ことではなく「能力や経験の多様性」だ。タスク型の多様性は、知と知の組み合わせによってイノベーションの源泉となり得る。日本企業の多様化が進まないのは、そもそも何のために多様化するのかがわかっていないからだろう。さらに、従来の自社だけに通用する人材育成や横並び人事はイノベーションを阻害する。リーダー育成は、むしろ抜擢、不公平、エリートプログラムが有効だ。困難な部署への異動など過酷な実務経験により、バイアスなく周囲を見渡す能力が身に付く。一人の人間が多様な幅広い知見や経験を有するイントラパーソナル・ダイバーシティを高めることでもイノベーションは促進される。(伊藤)

自社の新型コロナウイルス対応を検証しよう

日本人は、災害や不祥事における検証が苦手といわれている。検証が対応の失敗に対する「犯人探し」になってしまい、経営陣の批判や過去のBCP担当者の悪口になりかねないためだ。東日本大震災でも、全体を総括するような報告書は作成されていない。米国では大きな災害が発生すると、自治体や企業に「アフターアクションレビュー(AAR:対応検証報告書)」の作成を義務付けている州が多い。日本でも取り入れられている、水害に対する「タイムライン防災」は、米国で2011年に発生したハリケーン・アイリーンのAARから生まれたもので、翌年に発生したハリケーン・サンディではその教訓を生かし、事前避難により死亡者をゼロに抑えた。犯人探しをしない、次回に教訓を生かせる、前向きな検証報告書の作成の支援を当社でも開始した。ぜひお問い合わせいただきたい。(大越)

▼【プレスリリース】「感染症対策総括訓練」「感染症対策監査」「感染症対応検証報告書(AAR)」の3サービスを開始

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