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【取り組み事例】BCP図上演習で地震・台風の複合災害に備える~訓練を繰り返すことで防災・事業継続面もブラッシュアップ~

2023.06.29
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今回は、SPクラブ会員企業のBCP図上演習に関する取り組み事例と、お客様の声をご紹介いたします。

BCP訓練・演習

「BCPを作ったけれども、実際に災害が起きたときに対応できるか不安だ」「毎年訓練を実施しているけれども、失敗できないため、台本の組み合わせのような訓練になっている」など、災害対策、BCPに関する訓練についてお悩みのご担当者様は多いかと思います。

大英産業株式会社

ロゴ今回BCP図上演習の支援をさせていただいた大英産業株式会社様は、1968年(昭和43年)に福岡県北九州市で創業、新築分譲マンション・新築分譲戸建・中古住宅の販売など、住宅を中心にした不動産を扱う会社です。人口減少・少子高齢化時代を迎え、多様化するライフスタイルに沿った住宅やイベント等の提供を通じ、地域の活性に貢献されています。

同社は2020年12月にBCP(事業継続計画)を策定し、2021年3月に初めてとなるBCP図上演習を実施。新型コロナウイルス感染症の影響もあり2022年は訓練ができず、2023年5月に、約2年ぶり・2回目となるBCP訓練をご依頼いただきました。

業種 不動産業(マンション、一戸建ての企画販売)
本社所在地 福岡県北九州市八幡西区
設立年月 1968年11月
従業員数 410名
SPクラブ入会年月 2021年12月
URL https://www.daieisangyo.co.jp/

地震と台風の複合災害を想定

実際のBCP訓練では、災害が起きたときにどのようなことが起こるかについて、様々な状況付与を投げかけ、対策本部としてどう判断するかのトレーニングを行います。

2回目となる今回の訓練では、台風と地震の複合災害の設定で訓練を実施しました。

訓練の様子1台風接近中という設定で訓練がスタート。災害対応は、ニュース風映像での情報収集から始まります。

本物さながらの災害ニュース風動画に、参加者の緊張感が高まります。

収集した情報を基に、台風が近づく中で従業員の出勤をどうするか、事前の対策として何をするかなどについて訓練の参加者が検討をスタートさせます。

 

訓練の様子2
そうしている間に、社員からの連絡や外の被害状況の変化などの様々な状況が付与され、それらに対する検討や対応を対策本部メンバーが行います。

参加者からは「被害状況が色々と降ってくるが、しっかりルールを作って判断するということが必要だ」などの声も上がりました。

 

 

 

 

 

 

訓練の様子3各部門に分かれて、ホワイトボード上に情報をとりまとめていきます。このホワイトボードには、ニュースから得た外部の情報や、社員やお客様から寄せられた相談や物件の被災状況を書き込み、それを基に会社としての対応を記録していきます。従業員が被災した場合や物件に何かあった場合の対応方針等が話し合われ、必要に応じ対策本部内で共有されます。

参加者からは「情報伝達が混乱しそう」「やってみて、やっぱり難しい」などのお声をいただきました。

訓練の様子4訓練の中盤で地震が発生。参加者は机の下に隠れて身を守る体勢をとっています。地震に伴い停電も発生したという想定で、実際に会議室も消灯しています。

実際の災害においても、大規模地震発生時には停電が発生し、電力に限りがある中で災害対応をしなければならない可能性もあります。訓練の場では対策本部から全社に向けて、携帯電話の充電の確保について留意する旨の指示出しをするという対応がとられました。

台風への対応後に地震が発生という過酷な状況では様々な事象が発生します。従業員のケガやお客様からの問い合わせなど、従業員の安全も確保し、事業も継続していくという中で対策本部のメンバーは様々な判断を求められます。今回は台風と地震の複合災害というとてもハードなシナリオでしたが、2回目の訓練とあってメンバーの皆さんの災害に立ち向かう積極的な取り組み姿勢がみられました。訓練の最後には、社長様より「対策本部長の判断が従業員の命にかかわるため慎重に判断しなければならない」とのご感想もいただけ、2回目の訓練となる今回も、新しい課題が見つかる充実した訓練となりました。

ご担当者様の声

前回の訓練では従業員の安否確認に終始してしまいましたが、今回の訓練では参加者もよく動くことができており、前回に比べてだいぶ訓練らしくなったと思います。訓練を終えてみると、「優先順位」は分かってはいるものの、実際に訓練してみると、色々な案件が降ってくる中で優先順位をつけて対応していくのはやはり難しく、これは訓練して経験してやっていくしかないとの声も参加者から寄せられました。

今後も訓練を繰り返すことでPDCAを回すことが重要になりますが、BCPはここまですれば完璧というものはありませんので、大規模な訓練のほかに、「このケースはどうするか」のような小さなミーティングなども取り入れ、さまざまな訓練を繰り返しながら有事に備えていきたいと思います。

最後に

SPNでは、防災・BCPに関する様々なお悩みについて支援させていただいております。
訓練について、そもそもの災害対策の体制についてなど、何かお悩みがございましたらお気軽にご相談ください。

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