HRリスクマネジメント トピックス

「休暇調整のユウウツ…」SPNの森 動物たちが語るHRリスクマネジメント相談室

2025.07.23
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職場におけるトラブルは、様々な要因が複雑に絡み合って起きるもの。複合的な視点でとらえないと、真の問題解決には至りません。

悪事に手を染めるのも人ならば、素晴らしい成果をあげるのも人!どうしたらトラブルを抑えられるだろう、どうしたらもっと力を合わせ、のびのびと力を発揮できるだろう?

SPNの森に生息する動物たちが、今日もチャットで語り合います。

【SPNの森に生息する動物たち<プロフィール>】
みみずくさんのイラストみみずくさん:
SPNの森のお目付け役。愛らしいフォルムと裏腹に、猛禽類らしい鋭い目線で最新のリスクをチェック!さらに森の仲間たちの文章もチェック!夜行性?うーん、夜中に起き出して活動を始めるから、夜行性なのか早起きなのか…?


黒豹さんのイラスト黒豹さん:
黒いのは、ゴルフや釣りなどアウトドアライフのせい? SPNの大阪の森や福岡の森を棲み処としていたこともあり生息域は広い。20数年前に内部通報窓口の受託運営サービス「リスクホットライン®」を立ち上げたのは実は…。


モモンガさんのイラストモモンガさん:
小さな皮膜で滑空する夜行性。特定社会保険労務士、産業カウンセラー、ファイナンシャルプランナー。そこそこ長い会社員経験をおなかの袋から取り出しながらSPNと会員企業様の森を飛び回ります。


リスちゃんのイラストリスちゃん:
森の中を駆け回り、皆さんのお困りごとに対応します。内部通報関連のエリアをパトロールしているのですが、最近は通報に関連するヒアリングの対応が増えています。人の数だけトラブルやお悩みがありますね。ご相談には変わらずお答えしていきますよ。


ペルシャ猫さんのイラストペルシャ猫さん:
ゆったりと過ごすことが好きな猫。ゆったりと過ごしたいが、過ごせなかった過去を持つ。社会保険労務士のほか財務会計の資格もあり、人事労務と財務会計分野の実務経験が長い。SPNの森では日増しに内部通報制度との縁が深くなっています。


キリンさんのイラストキリンさん:
長ーい首で会社のことを見渡せるよう、ペルシャ猫さんの勉強会に毎週リスさんと参加中。この森に来て3年目!首の長さを活かし、アンケート業務では一つの結果に囚われずに全体を俯瞰で見られるよう修行中。


鶯さんのイラスト鶯(ウグイス)さん:
SPNの森に4月に仲間入りしました。以前の森は幼少~青年の鳥さんたちと関わることが多かったです。臨床心理士と公認心理師。よりよく生きる日々を考えつつ、森で活躍できる範囲を広げられるように日々勉強中です。


シマエナガさんさんのイラストシマエナガさん:
SPNの森に4月に仲間入りしました!以前は小鳥さんたちの先生をしていたシマエナガです。小鳥さんたちと歌って踊るのが大好きでした。今は森を飛び回りながら防災について勉強中です!持っている資格は保育士、幼稚園教諭です。

ネコさんのイラストネコさん:
当相談室の留守番ネコ。猫なで声と鋭い爪をあわせ持ち、企業内での人事実務経験が豊富。保有資格は、社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント等。涼しいところに行きたいニャー。

今月は、小売店の店長・Aさんからの相談です。

ただでさえ人手不足なのに、夏休みシーズンは休暇の希望が多くて、参っています。

先月採用したパートさんは、今年の夏は1か月間お子さんと共に実家で過ごすことが既に決まっていたので、それを許可する条件で入社していました。もちろん有給休暇はありませんので、無給です。

ところが、それを知った他のパートさんたちが、「一人だけずるい!」と言い出して…。皆、次々と有給休暇の申請を出してきたんです。

特にお盆の時期に休暇希望が重なって、正社員でどうにかやりくりしようとしたのですが…、3か月前に休暇届を出していた社員がいたことを忘れていたんですよね。特に理由は書かれておらず、お盆の時期に合わせて7日間も休むと!

慌てて、「おい、この忙しいときになんで7日も休むんだ?少しは協力しろよ!」と言ったら、「有給休暇は権利です。理由を説明する必要はないはずですし、私は3か月も前から申請しています!」と、反抗的な態度で食って掛かられて。思わず「査定に響くからな!」と言ってしまったことを内部通報されて…これは反省しています。

でも、権利なのはわかるけれど、正社員なんだから、少しは協力してもいいんじゃないか?有給休暇は、会社側に「時季変更権」があるって、研修でも聞いた気がするんだけど。

SPNの森のみなさん、助けてよ…。

ニャー、店長さんの苦労はわかるけれど、3か月前から決まっていた休暇なら…簡単に変更できない理由もありそうニャ。

休暇と人のやりくりについて、SPNの森の仲間たちと一緒に考えるニャー。

〈休暇の調整、大変だよね…〉

ネコさんのイラスト 今日は4月からSPNの森にやって来た2羽にも来ていただきました。自己紹介、どうぞ!
シマエナガさんのイラスト はい!シマエナガです。以前は小鳥さんたちの先生をしていました。持っている資格は保育士、幼稚園教諭です。よろしくお願いします!
ネコさんのイラスト おおー小鳥さんたちの先生ね!よろしくー。
鶯さんのイラスト シマエナガさんと一緒にSPNの森に飛んできました、鶯(うぐいす)です。よくメジロと間違われるのですが、梅とセットならば間違われないと思います。ゆっくりするのが好きです。持っている資格は臨床心理士と公認心理師です。よろしくお願いいたします!
リスちゃんのイラスト ゲストのおふたり、よろしくお願いします!
ネコさんのイラスト 鶯さんもよろしくね!あ、あと、今日はペルシャ猫さんが外出中なので、あとでコメントをいただくことになっています。では始めましょう。
リスちゃんのイラスト 今回のご相談を見て、学生時代にアルバイト先の店長から「うちの店、年末年始はパートの人達がいなくて社員と学生バイトで回すからよろしくね(断れない圧)」と言われたことを思い出しました。当時の私はお金が欲しかったのと暇を持て余していたので喜んでシフトに入りましたが、休み希望が重なると調整が大変ですよね。
ネコさんのイラスト あるあるだね。「正社員ならかくあるべし」とか「学生アルバイトなんだから出ろ」とか、ほんと、圧だなー。学校休みのときにがっちり稼ぎたい人には好都合だけど…学生ばかりとか、小さな子どものお母さんばかりとか、在籍している人の属性が偏っていると、いろいろ大変そうだね。属性の多様性、大事かと。
リスちゃんのイラスト お店が回らない程の状況になりそうなら、他の店舗や本部に応援依頼するなどの調整も必要そうですね。
ネコさんのイラスト どこも困っているから、取り合いになりそう…。
シマエナガさんのイラスト 以前の森でもゴールデンウィークの間の平日などは争奪戦でした。年末年始やお盆、ゴールデンウィーク、シルバーウィークは年度の初めに希望を聞いて割り当てていました。
鶯さんのイラスト 私の以前の森では「有給は使っていいよ」と言われていましたが、そのカバーをする人の負担を考えると中々申請できない状況でしたね。
ネコさんのイラスト 「休めって言われてもねぇ…」ってやつね。
みみずくさんのイラスト 店長のパワハラ的言動は許されないけど、心情的には同情できるところはあるなあ。態度に出さずとも「無言の圧」を周囲は感じるだろうね。仕事に対する温度感の違いがはっきりするから、後を引くこともありそうだし。
黒豹さんさんのイラスト あと、パートさん、アルバイトさんから、「休むんだったら自分で代わりの人を見つけてね」と言われた…という通報は多いです。
ネコさんのイラスト うわわ、それはアウト!「シフトの調整は誰の仕事ですか?同一労働同一賃金、大丈夫?」と言いたくなります。
みみずくさんのイラスト 人手不足もあり、代替要員を確保するのが難しい問題は、いろいろなところに深刻な影響を及ぼしそうだね。時季変更権を巡るトラブルも増えるはず。

〈事前に申請していたのにー!〉

リスちゃんのイラスト ご相談者のAさん、調整が難しいことを見越して3か月前から休暇希望を申請していた方の分も忘れてしまっていたようですね…。
鶯さんのイラスト 3か月前の申請はよほど重要な予定がある気がするんですが…。
シマエナガさんのイラスト そうそう、今回の正社員の方は、3か月も前から申請するほど重要な予定、ということですよね。それで査定に響くと言われたら…それはトラブルになりそうです。
リスちゃんのイラスト Aさんが焦る気持ちもわかりますが、3か月前から申請しているのにいきなり「少しは協力しろよ!」なんて言い方されたら、社員さんがムッとしてしまうのもわかります。伝え方で損している気がします。
ネコさんのイラスト ただ忘れていたというか、適当にしか見ていなかったんじゃないの?自分に予定がないからって、部下まで暇人扱いすんな!仕事だけしていられるほど暇じゃないんだ!シャーッ!
キリンさんのイラスト 私も社員の方が3か月も前に連絡していたなら優先してあげてよと思いますし、Aさんは少々管理不足と思いました。
鶯さんのイラスト シフトの調整がうまくいかず気持ちに余裕がなかったとはいえ、それをそのまま伝えるのはよろしくないですよね。言い方一つで変わると思います、本当。
ネコさんのイラスト 昔いた小さな森で、年度末の時期に友達と海外旅行に行こうとして、何か月も前から上司に届を出していた人がいたのだけれど、それを上司が止めていて、結局旅行の前日になって役員に出したら、その役員が怒り狂って。結局、その人は退職届を出して旅行に行った。なんか理不尽過ぎて悔しかった…。
鶯さんのイラスト 上司が止めていいんですか…??あまりに理不尽な仕打ちで驚きました…。
ネコさんのイラスト 理不尽が過ぎて、社長に直訴してしまった。「今更引っ込みがつかないから」と、結論は覆らなかったけれど、社長はその役員にはビシッと言ってくれたらしい。…社長に謝られたよ。その時は「私じゃなくて、辞めた彼女に謝ってよ!」と怒っていたけれど…今思えば、役員の非を認めて、「管理不行き届きだった」って秘書(ネコ)に頭を下げるなんて、誠実な社長だったなぁ…。

〈どうして協力し合えないのかなぁ…〉

リスちゃんのイラスト そもそもこの店舗では、普段のシフト調整は問題なくできているのでしょうか…。ちょっと心配になってしまいました。
黒豹さんさんのイラスト 「誰がいつ休んでも大丈夫なぐらい潤沢に人を雇ってよ」という従業員側の言い分もあるだろうし、上司の配慮も不可欠だけど、スタッフ同士のお互いへの配慮も大事よね。そういう雰囲気ができている職場がいいな~。
シマエナガさんのイラスト 他のパートさんが「ずるい」という理由で休暇を申請するところも、良い関係性ができていれば、「そこをなんとか」で時季の変更もお願いできたのかもしれないなぁと思いました。
ネコさんのイラスト ホント、そう思う!お互い様で助け合いたいところが、「一人だけずるい!妨害してやる!」になるのには、きっと日頃から何か問題があるはず。…まぁ、採用時の条件なのだから、入社した時点でAさんが皆にも言っておけば、こんなことにならなかったのかもしれないけれど。
リスちゃんのイラスト ギスギスしていると「みんなが良くなるように」という発想にならずに、足の引っ張り合い的な発想に繋がりますよね…。
鶯さんのイラスト 現状、すでに負担が偏っているかもしれませんね。誰が悪いとかではなく、それぞれの事情があると思うのですが、たまたまカバーを多くする人もいるかもしれません。そうすると「お互い様」の気持ちを持ち辛くなるかも…。
ネコさんのイラスト 負荷が一部の人に偏ると、キツイよね。結局ずーっと休めないままの人が出そう。有給休暇、5日間は消化が義務になったら、逆に5日間しか取れない人が出ている気がする。「とにかく5日間は、絶対取ってね!」が、「有給休暇があと5日残っている」に誤変換される感じ。
鶯さんのイラスト 会社側が「5日取得させればOKだよね」という認識になるとおそろしいですね。
モモンガさんのイラスト 政府の数値目標では、2025(令和7)年までに年次有給休暇の取得率を70%にすることとされていたんですけどね。
(少子化社会対策大綱(令和2年5月29日閣議決定)では2025年までに70%目標、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」では令和10年(2028年)までに有給休暇取得率を70%とすることが目標)

〈有給休暇の理由、聞いていいの?〉

黒豹さんさんのイラスト 有休を申請したら「理由を聞かれた」という通報も結構あるよ。
ネコさんのイラスト 有給休暇は既に付与されているものだから、時季を指定するのに理由は必要ないはずですよね。
キリンさんのイラスト 何の説明もなく理由だけ聞かれたら、今回の社員の方みたいに反発してしまうかもしれないです。もし、他の人には聞いていないのに自分にだけ聞くとか、聞いた理由もふんわりした理由だったなら、意固地になってしまうと思います。
黒豹さんさんのイラスト ホント。聞き方によるよね。「有休の理由は聞かない」というのがスタンダードになっているという認識は必要。ただ、有休の理由も上司や同僚にさらっと伝えられるような関係性ができているのが理想かな。
ネコさんのイラスト 絶対に聞いてはいけないわけではないんですけどね。休みの希望が重なって、優先順位を判断するのに必要とか、そういう合理性があれば聞けるんですけどね。
黒豹さんさんのイラスト 確かに。でも聞き方が難しいね。
ネコさんのイラスト そう?「ちょっと休暇の希望者が重なっちゃってさ。誰か調整できる人がいないかなーと思って、理由を聞いて回っているんだけど…」とか、強制ではない雰囲気で、目的をきちんと説明すれば、「調整ができる用事か、できない用事か」くらいは教えてもらえると思うけどなー。
黒豹さんさんのイラスト 個別に確認するのはありかも。皆がいる場で聞いたら、譲り合いになるか、シーン…となるか。後者だと何となく後が怖い…。
ネコさんのイラスト はい、個別にすべきだと思います!
キリンさんのイラスト Aさんはまず部下に対してある程度は事情を伝えないと、部下から反感を買ったり伝えるべきことも伝えられなくなったりする状況を生みそうで心配です。
ネコさんのイラスト 理由は「聞かない」ということは、言うタイミングもないのだけれど…いつどこで災害があるかわからないし、ネコは「どこに行くか」くらいはうっすら伝えておきたいような気もします。事故や災害に巻き込まれて、自分からは連絡も取れない状態になったときに、誰にも気付いてもらえないのはちょっと寂しいし、仕事のフォローもしてもらえないと困る…。
シマエナガさんのイラスト たしかにそうですよね。最近は地震も台風もいろいろ心配なことは続いていますし、知っておくことで情報として安否確認をする際にも役立ちそうです。
黒豹さんさんのイラスト 「海外に渡航する場合はプライベート旅行でも滞在先を記載した書面を提出させている」という企業さんがあって、強制はやめた方がいいとアドバイスしたことが、わりと最近ありました。
キリンさんのイラスト 海外にいる場合は連絡を取りにくいと思うので、事前に「連絡を取りづらい」と伝えた方が良いかもと思いましたが、滞在先まで強制となると旅行も行きにくくなりそうですよね…。
モモンガさんのイラスト スマホが普及してからは、海外にいる場合も滞在先までは聞かない会社も増えた気がしますが、昔の名残で習慣的に、「海外に行く場合は、いつ、どこにいるか」などを申告させてしまっているのかもしれませんね。
黒豹さんさんのイラスト そうね。今は社員同士がSNSなどで繋がっていることが多いから、本当に「いざ」という場合には、連絡が取れる人を介して連絡を取るという手段もあるよね。
ネコさんのイラスト いや、でも、本当に何か起きていたら連絡付かないんじゃ…。
黒豹さんさんのイラスト そりゃそうだ。本人が巻き込まれていたらどんな手段も無理だわ。
ネコさんのイラスト 各地で戦争も起きているし、災害もあるし、「安否確認のための参考として」とか、何か理由とか共有範囲を明示しておけば良いような気がするけどなー。皆に公開されると、お土産の圧力とかになりそうだから、「上司だけ」「人事だけ」とか限定で、とか。強制はせずに、ネコのような「伝えておきたい派」が自然に伝えられればいいのになー。

〈「時季変更権」はあるけれど…〉

鶯さんのイラスト 今回のご相談、夏シーズンは人手が少ないことが毎年予想されるんですよね?となると、毎年同じ悩みにあたると思うのですが、「この時期のお休みはなるべく避けてほしい」のようなことは、社員さんやパートさんに伝えても良いものなのでしょうか…??
ネコさんのイラスト 「協力のお願い」なら、できると思うけれど。
モモンガさんのイラスト 有給休暇は、「事業の正常な運営を妨げる場合」には、会社の側に「時季変更権」があります。ただ、行使できる条件がかなり厳しいのですが…。
ネコさんのイラスト そうそう、時季変更権は、正しく理解する必要があるね。ものすごく簡単に、ざっくり言えば…その日にその人がいないと事業の運営ができなくなる、その人が事業運営に不可欠なレベルで、代替要員の確保が難しい状態、それも「恒常的な人手不足」ではダメで、「いろいろ手を尽くしたけれど、どうにもならん!」くらいの状態で、やっと行使できるという感じかな。
みみずくさんのイラスト 時季変更権って行使するには条件が厳しいけれど、店長とか管理職の裁量で行使が正当なら、従わない人を罰することも可能だよね。けれども、時季変更権が職場の人間関係に大きく影響を受けるというか、お互い様とか配慮に依存している構図というのは、店長とか管理職にとって色んな意味で厳しすぎるって思う。そこを上手くやる役割なのだろうけど。もう少しクリアなルールにならないのかな。
ネコさんのイラスト 尊敬できる店長とか管理職なら、自然と協力してもらえそうなのになー。
みみずくさんのイラスト このケースはいろいろ店長にも問題あるけど、協力を得られない、時季変更権を行使できない状態だと、店長が無理するでしょ。それはルールとして問題があるのでは?
リスちゃんのイラスト 小売店の店長さんだと、その他の業務にも追われて休めないことも多そうですし、店長さん自身の負担は多そうですよね。
みみずくさんのイラスト 記者会見中に倒れた、名古屋市長みたいになっちゃうよ。
キリンさんのイラスト 6月は1日しか休んでいなかったみたいですね…。
みみずくさんのイラスト そう。月に休み1日。
シマエナガさんのイラスト 月に1回しか休んでないのでは、体力がどんなにあっても辛いですね…。
黒豹さんさんのイラスト ニュースで見た。フラフラな感じで気の毒になっちゃった。
シマエナガさんのイラスト 実際、私が学生時代にアルバイトしていた先の店長が、「月4回も休める社員がうらやましい」ってつぶやいているのを聞いてしまったことがあります。負担が偏るとわかっているなら、早めの調整ができればよいですよね。
ネコさんのイラスト (家事に休みはないニャ…。)

〈どうしたらうまくいくだろう…?〉

ネコさんのイラスト もっと早くに「調整」をはじめれば良かったんじゃないかな。
みみずくさんのイラスト 結論的にはそのとおりだと思う。代替要員の確保もできるように。
リスちゃんのイラスト 早いに越したことはないですよね。今回は、忙しすぎて、ギリギリになって気づいた感じなんでしょうか。
ネコさんのイラスト 夏休みシーズンは休暇の希望が重なりがちなので、「この日でないと!」という予定がある人はいついつまでに申請してね、とか、3か月前に言っておけばどうにかなったのでは?
モモンガさんのイラスト 人手不足になる時期は、早めに計画的なシフトを組んでおく必要がありますよね。今は隙間時間で働きたい人とのマッチングサービスもありますし、こういうサービスを利用して、上手にやりくりする会社もあるようです。ただ、業務に慣れていない人を忙しい時期に配置するのは、教えたり、ミスをカバーする時間がかかって、かえってリスクになるので、そういうサービスは余裕がある時期に計画的に試しておくとか、店舗というより、組織・企業としての事前の対策が必要なのかな、と思います。
みみずくさんのイラスト そう。会社から早めに繁忙期の人員確保の指示を出すとかね。
モモンガさんのイラスト そうですね。店長さんは日常に謀殺されるので、会社側のサポートやフォローが必要ですよね。
リスちゃんのイラスト 以前、「本社から全然業務内容を把握していない人が応援に来た(レジ対応未経験の人が操作方法すら知らずにレジ応援に来た)」という話を聞いて、忙しいのに双方気の毒だなと思ったことがあります。頭数だけにとらわれずフォローできる体制がいいですね。
みみずくさんのイラスト 本当にそのとおりだと思う。
鶯さんのイラスト 忙しい時期に人に何かを教えるというのは、現場の人からするとかなりのしんどさがあるように思います。仕事が増えている…!
シマエナガさんのイラスト 早めに人材を確保して、研修などを終えて独り立ちした時期に繁忙期なら心強いですよね。
ネコさんのイラスト うん…でも、本当にそんなに「休みたい日」が重なるかなぁ。説明もなく、いきなり「命令」とか「圧力」とかで来るのが嫌なんだよ。権利と義務の関係よりも、助け合いの精神が働けば平和。
みみずくさんのイラスト 時季変更権を行使しなくてよい状況を、いかに作るかってことかなあ。
ネコさんのイラスト Aさんは、今からならどうしたらいい?何ができる?
黒豹さんさんのイラスト こういう言い方をしてしまうA店長は、日常的にテンパっちゃっている様子が目に浮かびます。店長が少し余白の時間を持てるようにしてあげられると状況は変わるかもしれない。「言い方」「伝え方」の研修も必要かもだけど…。
ネコさんのイラスト 言い方、伝え方の研修ね。伝える「内容」は大事です。理由や背景、自分が困っているのだということをちゃんと伝えないと、圧にしかならない。ほら、アサーティブなコミュニケーションの一つに「DESC法」ってあるでしょう?DESC法を使おう!
みみずくさんのイラスト 時季変更権は「伝家の宝刀」。抜かないことに意味がある。中長期的なスケジュール感を共有する。会社も早め早めの対応を促す。時季変更権を使うまでもなく、職場内でのコミュニケーションやお互いの配慮で自然に解決する、っていうのがいいよね。
モモンガさんのイラスト 店長さんに、研修で「伝え方」を学んでもらったり、基本的な労務管理の知識(労基法や労働契約法の一部)を持ってもらうことは大事だと思います。知らず知らずに法令違反や、無用な軋轢を生むことを避けられると思うので。急がば回れで、まずは正しい知識を!
ネコさんのイラスト 今、すでにバタバタなのは、もう謝るしかないんじゃないかな。「今度からは早めに調整するから、どうか協力をお願いします」って頭を下げて。「私、ずらしてもいいですよ」と言ってくれる人が出てくるのを期待する。
鶯さんのイラスト 私もそう思います。圧をかける、ではなく、お願いする、という姿勢であれば聞いてくださる方もいるように思います。
モモンガさんのイラスト 繁忙期の時給をちょっと上げるなどの方法もあるかもしれません。「それなら出ていいよ」という人もいると思います。インセンティブを働かせるというか…。
ネコさんのイラスト お金を出せるならそれも手だね。でも「お金」より「情」の人もけっこういるから、お金で解決できなくても、諦める必要はない!ただ…「やる気」や「情」を安く買い叩く会社はサイテーだけど。
キリンさんのイラスト お互い自分のことだけでなく視野を広げられると良いですね。上位職者だけでなく、若手も「休暇理由を聞くのはハラスメントだ」と頭でっかちにならないように、お互い知識を付けられれば良いなと思いました。

〈いつも「そもそも論」を語りがちなペルシャ猫さんが帰ってきた!〉

ネコさんのイラスト あ、ペルシャさん!おかえりー。
ペルシャ猫さんのイラスト ディスカッションに参加できず、申し訳ありませんでした。おかげさまで、研修をご発注いただくことになりましたよ。
ネコさんのイラスト やったね!お疲れさまでした。では、皆さんのコメントを見て、ご意見どーぞ!
ペルシャ猫さんのイラスト 皆さんのコメントを拝読して、あえて違った切り口から申し上げると…。
前の森では、休暇明けに所属する課の全員に「お休みをいただいて有難う御座います」と一人一人お礼回りをする慣行がありました。その正確な理由は分かりませんが、お礼回りをすることで、周りの人だけではなく、休暇を取った本人の気持ちも軽くなるように思います。
私もこの森に来たばかりの頃は、朝会で「昨日は有難う御座いました」と申していたのですが、ネコさんから「権利だから言わなくていいんだよ」と言われて、「組織によって休暇に対する考え方が違うんだな」とやめました(笑)
(ただ、先日はまさに休暇明けで、朝会でお礼を言うか否かを迷ったのも事実です(苦笑))
ネコさんのイラスト ありゃ、ごめんねぇ。ネコは、休暇明けの「ありがとうございました」は、休暇を取ることが「申し訳ないこと」「わざわざお礼を言わないといけないこと」みたいに思われて、取得しづらくしそうだからイヤなんです。「リフレッシュしてきましたー♪」と言ってくれるなら、「おかえりー、よかったねぇ」で済むのですけれど。「よーし、私も頑張って仕事を終わらせて休むぞー!」となれますし。
ペルシャ猫さんのイラスト 一方で、前の森で初めて現場勤務になったときに、初日のオリエンテーションで、ある部門(私が所属する部ではない)の部長が「権利を主張する前に義務を果たせ」と言っていたことを思い出しました。
ネコさんのイラスト おお?かなりの圧だね。
ペルシャ猫さんのイラスト その部の場合、夜勤込みで人員を24時間364日で回さないといけないので、夜勤免除の申請があがったりすると、誰かの夜勤回数が増えて、それはそれで健康面の問題が出てきます。
ネコさんのイラスト あぁ、たいへんな職場だ。
ペルシャ猫さんのイラスト だからこそ、部長が初日に釘を刺したんだと思いますが、言われてみれば、労働契約は「労働者が使用者の指揮命令下で労働を提供し、使用者がそれに対して賃金を支払う契約」で、あくまで「労務の提供」の方が先です。つまり「権利ばかり主張するな」という部長の言い分は、ある意味、「労働契約とはそもそも何ぞや」という話と理屈は通るわけです。
ネコさんのイラスト …なるほど。
ペルシャ猫さんのイラスト それを踏まえて、労基法上、年次有給休暇が要件を満たせば当然の(使用者の許可や承認を必要としない)権利として発生し、時季変更権がなかなか認められないのかを考えてみると、そもそも初回の付与は6か月、2回目以降は1年間、継続勤務し、全労働日の8割以上出勤していることが付与要件になっているからだと推測しています。
つまり、先に労務提供をしていることが前提の制度になっているので、「労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るため、また、ゆとりある生活の実現にも資するという位置づけから、休日のほかに毎年一定人数の有休休暇を与える」という制度が成り立つんだと思います。
そういう意味では、年次有給休暇の付与要件を満たしている人は、そもそもそれに見合うだけの労務の提供をしているわけで、会社としてはその人が年次有給休暇をとることを想定して体制を組むしかないという話になるのでしょうね。
ネコさんのイラスト 結局はそこに行きつくのね。
ペルシャ猫さんのイラスト Aさんも、こういう「そもそも論」がインプットされていたら、感情的に「査定に響くからな!」とは言わなかったかもしれません…(苦笑)
ネコさんのイラスト うん…そうね。感情にブレーキをかけられたかもね。
ペルシャ猫さんのイラスト 会社によっては、付与要件を緩くして、入社日に年次有給休暇を付与するところもありますが、それはあくまでその会社の判断ということで。
ネコさんのイラスト (笑)
ペルシャ猫さんのイラスト 私が知る限り、実際に年次有給休暇が認められなかったのは、当該事業場のストライキ目的のものくらいです。ストライキそのものが「事業の正常な運営を妨げる」ために行われるものですし、会社がストライキ中の給与を払うことが労組法の不当労働行為(経費援助)に該当するからです。
ネコさんのイラスト あぁ…なるほど。
ペルシャ猫さんのイラスト Aさんの会社に労働組合があるのかどうか分かりませんが、パートたちが嫌がらせ目的に示し合わせて一斉に年次有給休暇をとろうとしているのなら、それはそれで年次有給休暇の本来の目的(上記の「労働者の心身の疲労を回復させ、…」の部分)とは大きく外れると思います。
ネコさんのイラスト ニャー!嫌がらせはそもそも駄目ニャー!

「HRリスク」とは、職場における、「人」に関連するリスク全般のこと。組織の健全な運営や成長を阻害する全ての要因をさします。

職場のトラブル解決と、もっと力を発揮できる職場づくりに向けて、SPNの森の動物たちは今日も行く!

※このコーナーで扱って欲しい「お悩み」を、随時募集しております。

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