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危機管理トピックス

令和7年版通商白書・通商戦略2025/FATF 金融包摂・AML CFT供与対策/第113回ILO総会結果/金融機関の取組評価アンケート調査

2025.06.30
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更新日:2025年-6月30日 新着27記事

危機管理トピックスサムネイル
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題(2025年6月)」の公表について
  • 健全な企業文化の醸成及びコンダクト・リスク管理態勢に関する対話結果レポートについて
  • 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
  • FATFによる「金融包摂及びマネロン・テロ資金供与対策に関するガイダンス」の公表について
  • 新形態銀行との金融犯罪対策等に係る意見交換会について
  • 「金融機関の取組みの評価等に関する企業アンケート調査」の公表について
首相官邸
  • 原子力防災会議幹事会 第20回 配布資料
  • 農福連携等推進会議(第4回)
消費者庁
  • 住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故
  • 簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起
  • 電話勧誘販売業者【 有限会社マイケア 】に対する行政処分について
厚生労働省
  • 第113回ILO総会結果(概要)
  • 令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
経済産業省
  • 「令和7年版通商白書」及び「通商戦略2025」を取りまとめました
  • TikTok Pte. Ltd.を「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」の規制対象事業者として指定しました
総務省
  • 2024年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表
  • 「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表
  • 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第1回)配付資料
  • デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会(第7回)・デジタル広告ワーキンググループ(第12回)・デジタル空間における情報流通に係る制度ワーキンググループ(第12回)合同会合 配付資料
国土交通省
  • 「令和7年版国土交通白書」を公表します。~みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して~
  • 令和7年4月の宅配便の再配達率は約8.4%
  • 「上下水道政策の基本的なあり方検討会」の第1次とりまとめを公表します~強靱で持続可能な上下水道に向けた組織・経営改革の始動~
  • “防災・減災対策等強化へ”44億円配分~融雪や豪雨等への緊急対策に必要な予算を支援します~
  • 「土地の戸籍」に関する最新の調査実施状況を公表します~「優先実施地域」の進捗率が81%に上昇 ~

~NEW~
警察庁 インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行令の改正について
  • 出会い系サイト規制法施行令の改正
    • 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下、風営法という。)の改正に伴い、インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律施行令が改正され、令和7年6月28日から施行されます。これにより、インターネット異性紹介事業の事業停止事由となる児童の健全な育成に障害を及ぼす罪として、以下の罪が追加されます。
    • 風営法第53条第2号に規定する罪
      • 風営法第22条の2(接待飲食営業を営む者の禁止行為)違反 ※児童である客に対して行われるものに限る。
    • 風営法第53条第7号に規定する罪
      • 風営法第28条第13項及び風営法第31条の3第1項において準用する風営法第28条第13項(いわゆるスカウトバックに係る禁止規定)違反 ※児童の紹介の対価として行われるものに限る。
▼ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)
  • いわゆるホストクラブにおいて遊興又は飲食をした女性客が、売掛金等の名目で多額の債務を負担させられ、ホストやホストクラブ経営者から、その支払のために売春することや性風俗店で稼働すること等を要求される事案が発生し、社会問題化している。
  • 改正の概要
    1. 接待飲食営業※に係る遵守事項・禁止行為の追加
      • 設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
      • 次の行為を接待飲食営業を営む風俗営業者のしてはならない行為(遵守事項)として規定
        • 料金に関する虚偽説明
        • 客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求
        • 客が注文していない飲食等の提供
      • 次の行為を接待飲食営業を営む者に係る禁止行為として規定(罰則あり)
        • 客に注文や料金の支払等をさせる目的での威迫
        • 威迫や誘惑による料金の支払等のための売春(海外売春を含む)、性風俗店勤務、AV出演等の要求
    2. 性風俗店によるスカウトバックの禁止
      • 性風俗店を営む者がスカウト等から求職者の紹介を受けた場合に紹介料を支払うこと(いわゆる「スカウトバック」)を禁止(罰則あり)
    3. 無許可営業等に対する罰則の強化
      • 風俗営業の無許可営業等に対する罰則の強化(2年以下⇒5年以下の拘禁刑、200万円以下⇒1千万円以下の罰金)
      • 両罰規定に係る法人罰則の強化(200万円以下⇒3億円以下の罰金)
    4. 風俗営業からの不適格者の排除
      • 次の者を風俗営業の許可に係る欠格事由に追加
        • 親会社等(A、B及びC)が許可を取り消された法人
        • 警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者
        • 暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響力を有する者

~NEW~
法務省 第75回“社会を明るくする運動”強調月間(7月)等における各種取組について
  • 法務省が主唱する“社会を明るくする運動”は、本年で第75回目を迎えました。同運動の強調月間である7月を中心に、様々な取組が行われますので、お知らせします。
    1. “社会を明るくする運動”について
      • “社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と、犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、新たな被害者も加害者も生まない安全で安心な明るい地域社会を築くための全国的な運動です。昭和26年に始まり、本年で75回目を迎えました。
    2. キックオフイベントの開催について
      • 7月1日(火)12時から、渋谷よしもと漫才劇場において、“社会を明るくする運動” キックオフイベントを開催します。
      • このイベントは、「動画で社会を明るくせよっ」と題し、吉本興業株式会社所属のお笑い芸人9組の方々が、あらかじめ作成した“社会を明るくする運動”をテーマとする動画を紹介するとともに、Instagramに動画を投稿し、同月25日(金)までの間の「いいね」の数を競う「リールコンテスト」を行うものです。
      • 本コンテストの開幕式を含むキックオフイベントの模様は、後日、法務省公式YouTubeチャンネルに掲載する予定であり、同コンテストの結果については、保護局Instagram等で発表します。
    3. 丸善雄松堂株式会社及び株式会社丸善ジュンク堂書店による広報協力等について
      1. シンポジウムの開催について
        • 本運動の一環として、丸善雄松堂株式会社、株式会社丸善ジュンク堂書店、法務省等が共催し、本年8月以降、全国各地の地方公共団体(山梨県甲府市、福島県楢葉町、静岡県、北海道帯広市、香川県善通寺市)の後援を得て、「街・夢・みらい- まなびでつながる更生保護シンポジウム-」を開催し、本年10月には、そのグランドフィナーレを東京で行う予定です。
      2. 「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」による広報について
        • 本運動の強調月間である7月の1か月間、丸善雄松堂株式会社及び株式会社丸善ジュンク堂書店の全国の書店、大学内の物販店舗、賛同いただいた図書館において、全てのスタッフの皆様に「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」を着用いただくほか、本運動のポスターの掲示等の広報協力を行っていただきます。
    4. 有芽の会について
      • 「有芽の会」は、犯罪や非行からの立ち直り支援に深い理解を示された故平山郁夫画伯の呼び掛けにより、次代を担う若手日本画家の研究発表の場として、昭和60年に創設されました。昭和62年からは本運動が協賛しており、現在、法務大臣賞、日本更生保護協会理事長賞、日本更生保護女性連盟理事長賞が設けられています。
      • 本年で40回目を迎える「有芽の会」は、7月4日(金)~同月13日(日)までの間、そごう横浜店6階特設会場(そごう美術館)で開催されます。
    5. イエローライトアップ等について
      • 全国各地の観光スポットや施設を、本運動のシンボルカラーであるイエローにライトアップする活動が広がっています。
      • 強調月間である7月を中心に、法務省赤レンガ棟を始め、東京都庁第一本庁舎、熊本城、大阪万博記念公園の太陽の塔など、全国50か所以上で、史跡、建物等のイエローライトアップが行われます。本年は、京都の清水寺から黄色い一筋の光が放たれ、古都の街並みを照らすといった取組も行われる予定です。

~NEW~
国民生活センター 安価なプランの広告を見て出向いたら高額な美容医療契約に!
  • 事例
    • SNSで安価な医療脱毛の広告が流れたのを見て、無料カウンセリングに行ったが、強引な勧誘が始まり、高額な医療脱毛の契約を断ることができなかった。42回払いのクレジット契約で、総額約45万円となってしまった。クーリング・オフしたい。(当事者:学生)
  • ひとことアドバイス
    • 安価なプランの広告などを見て、無料カウンセリングを受けようと美容医療クリニックに行き、その場で高額な契約をさせられるケースがあるため注意しましょう。
    • 美容目的の施術は、多くの場合、緊急性がありません。「今日契約すれば安くする」などと提案されても、その場での契約や施術はせず、いったん帰宅して冷静に検討しましょう。
    • 自分でもリスクや副作用の情報を収集し、医師から説明を受け納得したうえで判断しましょう。
    • クーリング・オフができる場合があります。困ったときは、早めにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
金融庁 「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題(2025年6月)」の公表について
▼ 「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題(2025年6月)」(概要)
  • マネロン等対策としては、特にFATF第5次対日相互審査(オンサイト審査が2028年8月より実施予定)に向けてさらに実効性を高めるため、有効性検証を通じた態勢の高度化〔第1章〕を進めていくことが重要。
  • 詐欺等の金融犯罪の急増を踏まえ、「国民を詐欺から守るための総合対策」及び「総合対策2.0」〔第2章〕に係る各種施策を推進。金融犯罪対策は「競争領域」ではなく「協調領域」であり、金融機関間・官民の連携が重要。
  • 第1章 マネロン等対策の更なる高度化に向けた取組
    1. マネロン等対策に係る現状
    2. FATF第5次対日相互審査に向けた政府全体の取組
      • 政府行動計画の履行状況等
    3. 基礎的なマネロン等リスク管理態勢整備に係る取組
      • 基礎的な態勢整備に係る期限後の状況
      • 行政対応の事例・要因
      • 経営陣の主導的関与によりマネロン等対策の重要性が組織に浸透
    4. 有効性の確保・高度化に向けた取組
      • リスクベース・アプローチ手法としての金融セクター分析とCRR
      • マネロン等対策における有効性検証の重要性、関連文書の作成・公表、取組事例やモニタリングの状況等
      • 今夏以降、検査で有効性検証の実施状況を確認
      • 為替取引分析業に係る動向
      • 「疑わしい取引の参考事例」の改訂
    5. マネロン等の国際的な規制における2024事務年度の新たな動向
      • FATF基準の改訂
    6. 金融庁所管事業者の取り扱う個別の商品・サービスに関する2024事務年度の新たな動向
      • 暗号資産や高額電子移転可能型前払式支払手段、ステーブルコイン、クロスボーダー収納代行に係る動向
  • 第2章 国民を金融犯罪から守るための取組
    1. 金融犯罪対策に係る取組の現状
      • 「国民を詐欺から守るための総合対策」及び「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」
    2. 「被害に遭わせない」ための対策
      • 相談窓口や無登録業者対応、情報受付窓口、フィッシング対策等
    3. 「犯罪者のツールを奪う」ための対策
      • 法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化に係る要請、フォローアップ結果
      • 金融機関間及び金融機関と警察との情報提供・連携の強化等
      • インターネットバンキングの対策強化
      • 不正利用口座情報の共有
      • 本人確認の厳格化(ICチップ情報読取の義務化)
    4. 利用者向けの周知・広報の強化
      • 他省庁や金融機関と協力した広報の実施
▼ 「マネー・ローンダリング等及び金融犯罪対策の取組と課題(2025年6月)」
  • 「疑わしい取引の参考事例」の活用等
    1. 「犯罪収益移転危険度調査書」でリスクが高いとされた事例の追加
      • インターネット等を通じた非対面取引が拡大する中、近年、他人になりすますなどして開設された口座や譲渡された口座がマネロン等に悪用されていた事例が確認されていること等から、「犯罪収益移転危険度調査書」では非対面取引は危険度が高いとされている。
      • このため、金融庁では、非対面取引において、他人へのなりすまし又は第三者利用の疑いのある取引や、取引パターン又は取引指示等に着目した事例を「疑わしい取引の参考事例」に追加することを検討している。主なものは以下のとおりである。
        • 電話番号、メールアドレス、認証方法等が同じタイミングで変更される等、第三者による操作が疑われる場合
        • 同一の口座に、多数のアクセス環境(IPアドレス、端末等)からの接続がある場合
        • 顧客の申告情報や過去のアクセス情報と整合しないアクセスがある場合・国内居住の顧客であるにもかかわらず、ログイン時の IPアドレスが国外であることや、ブラウザ言語が外国語であることに合理性が認められない、又は情報端末のタイムゾーンの不一致に合理性が認められない場合
        • 同一人物が、異なる氏名(異なるカナ氏名を含む)や生年月日で、複数の口座開設や商品の申込みを行うなど、なりすましによる手続等が疑われる場合や、身分証明書の共有、改ざん等を行い、第三者になりすまして口座開設の申込や諸届の変更等を行っていることが疑われる場合
        • オンライン上での口座開設時や口座へのログイン時等に、オンライン上の異常な行動(ボット制御の可能性を示唆する過度に素早い入力、複数のログイン失敗等)を検知した場合
    2. 最近の社会情勢を踏まえた対応事例の追加
      1. オンラインカジノ
        • オンラインカジノは、海外で合法的に運営されている場合でも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪に当たるため、国内においてオンラインカジノに係る為替取引等が行われないための対応が必要である。
        • このため、金融機関等が、オンラインカジノ関連の取引を検知し、口座凍結等の対応をとるために有用な視点となる事例を以下のとおり追加することを検討している。
          • 振込依頼人名に英数字等が含まれる振込が多数あり、オンラインカジノ関連の収納・決済代行が疑われる取引
          • 同一のアクセス環境(IPアドレス、端末等)から複数の顧客の口座にログインがあり、オンラインカジノ関係者が当該顧客(オンラインカジノユーザー)になりすましてアクセスしていることが疑われる取引
          • オンラインカジノ関係者と同一のアクセス環境(IPアドレス、端末等)からアクセスがある口座及び当該口座と取引のある口座について、不特定多数からの振込があり、オンラインカジノ関連の収納・決済代行が疑われる取引
      2. 貸金庫
        • 貸金庫は、犯罪収益を物理的に隠匿する有効な手段になり得ることから、貸金庫利用に着目した事例を以下のとおり追加することを検討している。
          • 貸金庫契約の締結や利用等に当たって行われる利用目的等の確認に際して、顧客に不審点が見受けられる場合
          • マネー・ローンダリングや貸金庫の不正利用等防止の観点からリスクが高いと考えられる物品等(現金を含む)を格納する目的で貸金庫が利用されていることが疑われる場合
    3. これまでの届出事例に最新の情報等を踏まえた改訂
      • 世界的なデジタル化とオンラインサービスの進展に伴い、サイバー関連詐欺の脅威が増大していること等から、暗号資産取引等に関し、最新の情報等を踏まえ、以下のとおり事例を追加、更新することを検討している。
        • 顧客が、追跡を困難にするツール(ミキサー、タンブラー、ブリッジ等)を介して暗号資産を入庫する場合、及びこれらのツールに対し暗号資産を出庫又は出庫後にこれらのツールを使用する場合
        • ダークネットマーケットプレイス、ランサムウェアグループ、オンラインカジノサイト等に関連するアドレスに、大量若しくは高頻度又は低額相当の暗号資産を送受信する取引
        • 暗号資産や暗号資産に変換された資金の出所を証明する資料がない取引
        • ダークウェブ上の違法行為に関連する暗号資産ウォレットへ暗号資産を移転させる取引
        • アカウントに金銭の入金があった直後に暗号資産に交換した上で、P2Pプラットフォームに関連するウォレット宛てに出庫する、P2Pプラットフォームに関連するウォレットから暗号資産の入庫を受けた後、すぐに現金化する等、P2Pプラットフォームに関連するウォレットに係る不審な取引
  • G7金融犯罪に対する行動要請
    • 本年5月、カナダにおいてG7財務大臣・中央銀行総裁会議が開催され、共同声明とともにマネロン等対策の強化に関するG7の具体的なコミットメントをまとめた「金融犯罪に対する行動要請」が採択された。本行動要請では、北朝鮮の暗号資産窃取に関する深刻な懸念を表明している。
    • 主な内容は以下のとおりであり、金融庁においても、当該行動要請に基づき、引き続き国際的な取組に積極的に貢献するとともに、必要な国内対応を推進していく。
      • 北朝鮮等による暗号資産窃取が前例のない水準に達しているという深刻な懸念を表明。サイバーセキュリティやマネロン等対策の観点から、暗号資産に関する新たなリスクについて調査・情報交換を推進し、必要な措置を講じることに合意。
      • 暗号資産に関する金融活動作業部会(FATF)基準のグローバルな実施の加速や、ステーブルコイン、P2P取引及びDeFiの悪用等から生じる新たなリスクに関するFATFの作業を引き続き支持。
      • クロスボーダー送金の透明性向上に関するFATF基準を強化する進行作業に貢献することを合意。また、この作業と整合的なものとして、クロスボーダー送金の改善に向けたG20ロードマップを支持。

~NEW~
金融庁 健全な企業文化の醸成及びコンダクト・リスク管理態勢に関する対話結果レポートについて
▼ 健全な企業文化の醸成及びコンダクト・リスク管理態勢に関する対話結果レポート(概要)
  • 目指す企業文化に即した企業理念の言語化(可視化)
    • 自社で重視する価値観等を企業理念として言語化することが必要
    • 企業理念の策定に当たっては、多くの役職員が参加・議論する形でボトムアップ形式でまとめていくことが考えられる
    • 【事例】パーパス策定において、多くの役職員を巻き込むことで、
      1. より役職員の共感を得やすいパーパスが策定できる
      2. プロセス関与が策定後の浸透の土壌となる
      3. 理念を共有し、理念について議論すること自体が、カルチャー醸成につながる
        • 従来、企業理念の検討には一部の役員しか関与しておらず、その他の者にとって企業理念が他人事になっていた部分もあった。社員参加型の検討によって、企業理念に共感し、自分事化するというプロセスを経たことに意味があった
  • 企業理念の発信と役職員による認知
    • 企業理念の実践を内外にコミットすることが重要であり、特に組織内に対しては、役職員の日々の判断・行動軸として定着するように努めることが必要
    • 事例紹介
      • 企業理念に基づく経営の推進を経営トップが組織内外に広く宣言
      • 行動規範に加えて迷いが生じた場合の問いかけを記載した冊子を配付
      • 階層別の研修や自社・他社における不祥事等の事例研究の実施
      • 理念共感型採用の実施
  • 企業理念に則した判断・行動を実践するための環境整備
    • 役職員が企業理念に基づいた判断・行動をしなければ、企業理念は企業文化として定着しない
    • 役職員が業務における判断・行動軸として企業理念を実践するように環境整備が必要
      1. コミュニケーション
        • 職場の風通しが悪い中では、企業理念に対する真の理解・共感が広がることはない
        • 健全な企業文化において良好なコミュニケーションは不可欠
      2. インセンティブ
        • 企業理念に基づいた判断・行動を促すには、評価の仕組みも重要
        • 実践機会の提供
        • 役職員が能動的に参加できる機会を設けることも重要
      3. リソースの確保
        • 目先の業務に追われている状況では、実践意思があっても、実践困難
        • 縦のコミュニケーションでは、タウンホールミーティングや1on1ミーティングなどを通じて、相互コミュニケーションの機会、心理的安全性の確保に努めることが重要
      4. 事例紹介
        • 経営トップの本気度をどう伝えるのか、社員と経営との間の信頼をどう醸成するのかが重要
        • トップがピントのずれた話をすると逆効果。社員に伝えるべきことをよく検討している
        • 事前募集した質問に対して、全ての回答を経営トップが自ら考え、プライベートな経験も織り交ぜて自分の言葉で語っている
        • タウンホールミーティングの司会進行・ファシリテーションは、部下にさせずに役員本人が実施
        • 中間マネジメント層と部下との対話では、店舗・部門の業務がいかにして当社のパーパスの実現等につながっていくのかを中間マネジメント層から具体的に伝えている
    • 横のコミュニケーションでは、役職員同士のコミュニケーションの活性化を通じて、身近な同僚のみならず、他部門との相互理解を深めることが重要
      1. 事例紹介
        • グループ会社に「耳の痛い改善提案」を行うには、日頃から感謝・尊敬の気持ちを伝え、信頼関係を構築していくことが不可欠であるとの考え方の下、「グループ会社へのありがとうエピソード」を募集・伝達する取組みを行っている
        • 社内SNSを積極的に活用。役員を含めて自発的に利用。業務外でも、趣味のコミュニティーが多く立ち上がっており、経営陣の想いや役職員の多様な価値観を共有する場となっている
        • 「業務ひっ迫でヨコが見えない。」、「言ったもん負けになる。」という課題を把握。
        • コミュニケーションの深化に向けて、業務の削減、働き方改革を進めるとともに、組織横断で、取り組んだ役職員を評価する仕組みの導入も検討
    • 企業理念に基づいた判断・行動を評価する人事評価制度や社内表彰制度を導入し、企業理念に則して判断・行動するモチベーションを向上させることが重要
      1. 事例紹介
        • 事業部門やグループ会社に対する業績評価において、グッドコンダクトに対して加点評価する、役職員の評価において、「お客さま本位の取組み・コンプライアンス」を前提項目として位置付ける等、組織・個人双方の評価で「適切な動機付け」となるように配慮・工夫
        • コンプライアンスを前向きに捉え、職場・実務の中で創意工夫しながら取り組む姿勢を目に見える形で評価すべく、「コンプライアンス表彰」を実施
        • 人事評定上、「挑戦」に関する目標を設定。くわえて、挑戦によって大きなインパクトを残した取組み、成果とならなくともプロセス面で模範となる取組みについて表彰する制度を新設
    • 役職員が能動的に企業文化改革活動、企業理念浸透・実践活動に参加できる機会を設けることも重要
      1. 事例紹介
        • 社員参加型WGの自律的な運営を尊重し、会社側が関与しない。コンサルタントに支援を依頼したが、メンバーから依頼があった場合の他社事例紹介や、議論が脇道にそれた場合の軌道修正といった対応のみとした
        • 企業理念に基づく活動や企業理念を体現する社員を増やすことを目的として、体現者の取組みを見える化するプロジェクトを実施。グループ各社から公募で選出し、経営トップから任命されたメンバーが、企業理念の浸透施策を企画・実施
        • 地域のためにパーパスを体現する社会貢献活動を実施。社員が自ら考え、地域と対話しながら、地元商店街の活性化、フードバンクへの食品支援、金融教育などの社会貢献活動を行う
    • 業務削減等によって、役職員が企業理念の実践に取り組む余裕を確保することが重要
      1. 事例紹介
        • 各部単位での業務効率化に進展がみられなかったことから、新たに特命役員(専任)を設置の上、全社を挙げたプロジェクトとして取り組んでいる
        • デジタルツールを活用した業務の削減に取り組んでおり、業務プロセスで削減できるところがないかをゼロベースで検討中
        • 「業務見直し・負荷軽減WG」を設置し、本社主導の下、支社・営業スタッフが実感できるレベルを目指して、営業オフィス事務について具体的な削減目標値を定めて段階的に縮減
  • 企業理念の浸透度の評価、課題改善に向けた取組み
    • 目指す企業文化に向けて改革が順当に進んでいるのかを確認することが必要
    • 浸透度の評価を踏まえて、成功要因や課題要因を分析し、改善につなげることが必要
      • 事例紹介
        • 社員意識調査を実施し、エンゲージメントなどに関連する項目のスコアの測定、AIを活用したフリーコメント分析を実施
        • 各種取組みの有効性を測定する指標を設定し、ダッシュボードにまとめて実態を把握
        • 社員意識調査の結果について、前回調査と比較してスコアが下落している項目等に関して、要因を分析し、改善策をコンプライアンス委員会等で議論
        • 企業理念が現場に正しく浸透していない場合は、トップメッセージや研修などの内容に課題を反映して繰り返し働きかけ
        • 企業全体で取り組むべき課題と各部門で取り組むべき課題とを峻別して対応
  • コンダクト・リスク管各金融機関は、社会規範にもとる行為等で自己、ステークホルダー等の利益を害することをコンダクト・リスクと捉え、以下のプロセスで当該リスクを管理していた
    1. 管理フレームワーク
      • 第1線の自己統制、第2線の支援・牽制、第3線の保証・助言によって、全社的にリスクを管理
      • 既存のリスクカテゴリーの枠組みの中でコンダクト・リスクを管理する金融機関もみられた
      • 各金融機関が特定したリスク事象には、既存のリスク事象と類似したものが多くみられた
      • 従来のリスクカテゴリーにとらわれずに潜在リスクを感度高く特定するための意識付けとしてコンダクト・リスクの概念を活用している傾向がうかがわれた
    2. モニタリング
      • 役職員の会話や顧客の相談・苦情の内容、外部の意見を検証
      • KRI(Key Risk Indicator)やKRE(Key Risk Events)を定めて検証
      • 違反発生部店の特徴を分析して予兆管理に活用
    3. ミスコンダクトを誘引しない仕組み
      • 自らの顧客基盤に見合わない目標設定によって不適切販売が生じるリスクを防止するため、営業現場に計画策定の権限を委譲
      • 企業理念に則した判断・行動を評価する人事評価制度の導入
      • 不芳行動を抑制し、推奨行動を促進する行動メカニズムを産学連携で調査理に関する取組み
      • コンダクト・リスクの概念:コンダクト・リスクについて、本対話では[社会規範にもとる行為、商慣習や市場慣行に反する行為、利用者の視点の欠如した行為等によって企業価値を毀損するリスク]と定義した
    4. 各金融機関が特定したコンダクト・リスクの例:一般に不祥事といわれる事象に加えて、企業価値の毀損につながる事象を幅広く特定(以上、順序不同)
      • 金融商品の不適切な勧誘・販売
      • 適合性の原則違反
      • 顧客資産の詐取
      • 利益相反取引
      • 市場慣行に関係する不適切な活動
      • マネーローンダリングの対応不備
      • インサイダー取引
      • 法人関係情報の管理不備
      • 相場操縦
      • 法解釈の誤り
      • 事務プロセスの誤り
      • 商品設計の不完全性
      • 情報の漏えい、目的外利用
      • サードパーティー・リスク
      • システムへの不正アクセス等
      • システムの停止
      • AIの不適切利用
      • 社員による不祥事
      • 各種ハラスメント
      • 社員の健康と安全の毀損
      • 人権侵害
  • 内部監査
    • 対話結果の概要
      • 企業文化
        • 各金融機関は、内部監査の高度化に向けた課題の一つに企業文化に対する監査を掲げて、コソーシングを活用しながら監査に取り組んでいた
        • 健全な企業文化の醸成に向けた取組みを実施するための会議体・運用ルールの整備状況とその十分性、各種取組みの実施状況とその有効性などを主な着眼点として検証
        • 主に準拠性に焦点を当てており、企業文化そのものの評価は行っていなかった
        • 企業文化を評価する難しさについては、以下の意見があった
        • 企業文化の検証において定量的なアプローチを用いることは困難。アンケート結果も感性評価によらざるを得ず、内部監査人が企業文化について十分な客観性をもって否定的に指摘・提言することは難しい
        • 何が望ましい行動なのかは時々の社会の要請等によって変わり得るものであること、強みと思われた企業文化が特定の状況において不正の遠因にもなるといった二面性があることから、正解不正解のモノサシが定まらず文化の良し悪しに言及できない
      • コンダクト・リスク
        • 既存のリスクカテゴリーに係る監査でコンダクト・リスクの観点も意識した検証を行っていた
        • 企業文化に対する監査
      • 事例紹介
        • 「判断軸」の形成や「職場環境」の整備の状況について、コンサルタントのコソーシングを活用しつつ、役職員へのアンケート、営業店ヒアリングなどを通じて調査
        • 企業文化の監査を実施するために、監査部門の態勢の強化に取り組んでいる
        • 支社・営業拠点に対する監査において「支社経営層の姿勢・発信」「コミュニケーション」「合意形成」「浸透・徹底」といった観点でチェック項目を設け、組織風土・統制環境を把握・検証
        • 企業文化・風土に関する監査においては、(1)価値観・倫理観、(2)トップ及びミドルのリーダーシップ、(3)コミュニケーション、(4)適切なインセンティブ、(5)研修、(6)浸透の確認に関する取組状況を主要な着眼点として、インタビューのほか、文書の検証を中心に確認

~NEW~
金融庁 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
▼ 主要行等
  • いわゆる「ボイスフィッシング」による不正送金事犯に係る注意喚起について
    • 警察庁の公表によると、2024年におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は4,369件、被害総額は約86億9000万円となっており、引き続き高水準で推移している。
    • さらに、(一部報道でも取り上げられているが)警察庁によれば、インターネットバンキングに係る不正送金事犯に関し、2024年秋頃から、犯罪グループが銀行関係者を騙り、企業に架電してメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送付する、いわゆる「ボイスフィッシング」という手口による法人口座の不正送金被害が発生、急増しているとのことである。
    • この点、2025年4月、警察庁・金融庁・全国銀行協会等の関係機関が協力し、警察庁のウェブサイト、SNSを通じ、金融機関及びその法人顧客に向け、ボイスフィッシングの手口や対策に関する注意喚起を実施している。
    • 各金融機関においても、今一度、昨今のボイスフィッシングによる不正送金の被害状況を踏まえ、(法人)顧客に対し、注意喚起を徹底されたい。なお、その際、必要に応じ、広報啓発資料も活用いただきたい。
  • パスワード付きファイルの電子メールによる送付について
    • パスワード付きZIPファイル(注)を電子メールに添付して送信する慣行が依然として金融業界に残っている。ZIPファイルであっても、ZIP化されていないものであっても、電子メールに添付するファイルにパスワードをかけると、電子メール受信者側でセキュリティスキャンをかけられなくなること等により、電子メール受信者側がセキュリティ上のリスクに晒されてしまい、実際にマルウェアの被害等が発生している。
    • したがって、パスワード付きファイルの送付は基本的には行うべきではなく、電子メールの通信経路自体を暗号化することが基本である。通信経路を暗号化できない場合は、安全性の高いオンラインストレージを活用してファイルの安全性を確保する等、ほかの手段を用いていただきたい。
    • (注)パスワード付きファイルについて
      • ファイルを相手方に送る際にパスワード付きファイルを作成し(自動的にそうなる場合も含む)、当該ファイルをメールで送付する方法は、受信者側において、メール受信時のウイルスチェックでファイル内のマルウェアを検知できず、メール受信者側がセキュリティ上のリスクに晒されてしまうため、望ましくない。実際に、過去には、このような特性が悪用されてマルウェア(Emotet)が流行した(参考:JPCERT/CC「マルウェア Emotetの感染再拡大に関する注意喚起」https://www.jpcert.or.jp/at/2022/at220006.html)。
      • また、パスワード付きファイルとパスワードが(別送であっても)同一通信経路で送信される場合は、盗聴リスクがある。
      • これらを踏まえ、用途に応じた代替選択肢とその代替選択肢に対するセキュリティ対策(メール通信経路暗号化等)の検討が必要である。
    • 金融庁としては、検査・モニタリング等を通じ、こうした慣行の払拭を促していく予定である。サイバーセキュリティに関する基本的な対策の一部として徹底する必要がある。
  • 不正アクセス事案について
    • 直近、インターネットを利用した証券口座における不正アクセスの事案が発生しているが、これを教訓として、顧客が不正アクセス被害を防ぐための対策を強化すべきである。また、セキュリティ対策はいわば攻撃者との競争であるため、多要素認証を必須化すれば済むものではない。顧客のログイン活動等のリアルタイムモニタリングを行い、ログインが連続して失敗した場合のロック、不審な IP アドレスからのログイン試行の顧客への通知等も併せて考えるなど、攻撃手法の変化に併せてこうした対策を常時見直す必要がある。
    • くわえて、フィッシングを防ぐには、金融機関自ら電子メールにリンク先を貼付しないよう徹底するほか、顧客に対して電子メールに貼付されたリンク先には絶対にアクセスしないよう広報活動を強化する必要がある。あわせて、強固なパスワードを使用することやパスワードの使い回しをやめることを伝達すること等により、セキュリティ強化について顧客への広報活動を強化する必要がある。
    • サイバー攻撃はいつ発生してもおかしくない中、攻撃されてから対策していては遅い。今後も、サイバーセキュリティについては検査・モニタリングで検証予定であるが、不備事例については、検査で指摘されるまでもなく、ガバナンス、内部統制を改善及び強化する必要がある。
  • 「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」について
    • 2025年4月、「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」が策定された。
    • 新たな項目として、預金取扱金融機関間における不正利用口座に係る情報共有や、架空名義口座を利用した新たな捜査手法や関係法令の改正、インターネットバンキングに係る対策強化が盛り込まれている。
    • 2024年の詐欺被害額は2023年の2倍近くに増加しており、その対策が急務となっている。このような状況も踏まえ、今後、利用限度額引上げ時の確認を始めとするインターネットバンキングに係る対策強化等、対応をお願いする予定である。
    • くわえて、全国銀行協会において進められている不正利用口座情報を共有する枠組みの構築についても、官民一体で進めていきたい。
  • オンラインカジノに係る賭博事犯防止について
    • オンラインカジノについては、海外で合法的に運営されている場合でも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪であるが、警察庁の委託調査によると、オンラインカジノで利用されている入金方法として、「クレジットカード」(55.4%)のほか、「電子決済サービス・決済代行業者」(29.8%)や「銀行振込(銀行送金)」(27.4%)も利用されている。また、同調査によると、4割強の人がオンラインカジノの違法性を認識していなかったとされている。
    • こうした状況を踏まえ、預金取扱金融機関・資金移動業者・前払式支払手段発行者・暗号資産交換業者に対し、以下の内容について要請を発出する予定である。
      • 日本国内でオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪であることについて利用者へ注意喚起すること
      • オンラインカジノにおける賭博等の犯罪行為を含む法令違反行為や公序良俗に反する行為のための決済等のサービス利用を禁止している旨を利用規約等で明らかにすること
      • 利用者が国内外のオンラインカジノで決済を行おうとしていることを把握した場合に当該決済を停止すること
    • 各金融機関においては、上記要請も踏まえ、オンラインカジノに係る賭博事犯の発生防止に適切に取り組んでいただきたい。

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金融庁 FATFによる「金融包摂及びマネロン・テロ資金供与対策に関するガイダンス」の公表について
  • 金融活動作業部会(以下、FATF)は、令和7年(2025年)6月23日、「金融包摂及びマネロン・テロ資金供与対策に関するガイダンス」(原題:Guidance on Financial Inclusion and Anti-Money Laundering and Terrorist Financing Measures)を公表しました。
  • 本文書は、本年2月に改訂された「AML/CFT及び金融包摂に関するFATF基準」を反映したものであり、金融排除とデリスキング(注)について金融包摂やAML・CFTの観点から有益な情報を記載するとともに、特に、リスクが低い場合における簡素化された低減措置の確実な適用など、リスクベース・アプローチの徹底に向けたガイダンスを提供しています(例:監督当局等の役割や好事例等)。
    • (注)デリスキング(de-risking):デリスキングとは、一般に、金融機関がFATFのリスク・ベース・アプローチ(RBA)に沿ってリスクを十分に理解し管理するのではなく、リスクを回避するために、特定の顧客または特定の属性の顧客とのビジネス関係やサービスの提供を拒否・終了、または制限することを指す
▼ 公表ページ(翻訳)
  • FATFは、違法な金融に取り組むための比例したリスクベースのアプローチを通じて、より多くの人々をフォーマルな金融セクターに呼び込むために、各国と民間セクターを支援するため、金融包摂およびマネーロンダリング防止およびテロ資金供与対策に関するガイダンスを更新しました。
  • このガイダンスは、マネーロンダリング防止、テロ資金供与対策、拡散金融対策(AML/CFT/CPF)の規制が比例的かつリスクベースのアプローチを通じて実施されなければならないという期待を強化し、各国が金融包摂を促進することを奨励するために、今年初めにFATF基準の勧告1を強化したことに続くものです。
  • 新しいガイダンスは、金融包摂と金融犯罪との闘いが相互に支え合うことを強調しています。金融セクターの透明性と完全性の向上は、犯罪者を金融システムから締め出し、法執行機関の捜査を促進するのに役立つAML/CFT/CPF措置の範囲と有効性を高めます。
  • FATFのエリサ・デ・アンダ・マドラゾ会長は以前、「より多くの人々をフォーマルな金融セクターに引き込むことは、犯罪者やテロリストが活動を隠す闇市場や非公式市場の規模を縮小するため、金融犯罪との闘いにとって極めて重要である」と述べた。しかし、それはまた、私たちの社会における明らかな不正義にも対処しています。金融排除は、不利な立場にあるコミュニティや脆弱なコミュニティの人々に大きな影響を与えます。ほとんどの場合、これらの人々はリスクが高いわけではありませんが、コストや正式な文書の欠如のために金融サービスから除外されています。」
  • 新しいガイダンスは、市民社会、学界、公共および民間部門を含む100を超える回答を集めた広範なパブリックコンサルテーションを受けています。世界中の実践的なケーススタディが含まれています。
  • この報告書は、低所得者や農村部の人々、脆弱な状況に置かれ、身元を確認する手段が容易でない人々、既存の金融商品やサービスで十分なサービスを受けていない人々など、サービスを受けていない人々や十分なサービスを受けていない人々による正式なサービスへのアクセスと利用を促進することに焦点を当てています。
  • リスクベース・アプローチ(RBA)
    • FATFは、各国と民間セクターがリスクベースのアプローチを通じてAML/CFT/CPF措置を実施することを期待しています。AML/CFT対策の実施におけるリスクに配慮したアプローチ(金融排除のリスクや規制された金融システムに人々を参加させることの利点を考慮したアプローチを含む)の認識を高めることは、より包括的な金融システムの構築を目指す国々にとって重要なステップです。
    • リスク評価により、国や金融機関は、低リスクの金融機関に対して適切な金融サービスを提供し、リスクの高いシナリオに対しては強化された措置を適用することができる。
  • ベストプラクティスと実例
    • 更新されたFATFガイダンスには、政策立案者、監督当局、民間セクター、業界団体などがリスクベースのアプローチをどのように実施したかの例が含まれています。例えば:
    • スウェーデンでは、スウェーデン銀行協会がスウェーデン移民庁と協力して、銀行口座を開設する目的で庇護希望者を特定できるようにするプロセスを設計しました。これは、スウェーデン移民局がオンラインプロセスを通じて提供した確認を通じてです。
    • オランダでは、オランダ銀行協会が、EUの高リスク第三国リストに関連する低リスク、中立、高リスクのシナリオに対するAML/CFT措置の実施に関するリスクベースの業界ベースラインを発表しました。ベースラインは、さまざまなリスクシナリオを定義し、金融機関が実際のユースケースで各シナリオにどのようにアプローチすべきかを指定し、比例した対策を講じるのに役立ちます。
    • シンガポールでは、シンガポール金融管理局(MAS)がリテール銀行と協力して、ML/TFリスクが高い個人(重大金融犯罪の元犯罪者など)に対して限定目的銀行口座を提供しています。これらの口座は、個人が基本的な銀行業務のニーズを満たすことを可能にし、悪用を防ぐための強化された監視措置の対象となります。銀行は、リスク評価を文書化し、口座の閉鎖や拒否の場合に備えて明確なレビュープロセスを提供する必要があります。
  • 評価方法の更新
    • FATFはまた、本日、勧告1の変更と整合させるため、評価方法の改訂版を公表しました。
    • これらの改訂は、リスクベース・アプローチの適用に重点が置かれていることを反映しており、将来の評価において評価者の指針となります。

~NEW~
金融庁 新形態銀行との金融犯罪対策等に係る意見交換会について
  • 金融庁は、顧客ニーズの多様化やキャッシュレス決済の進展を背景に、インターネット上でのみサービスの提供を行う銀行や、コンビニ等の店舗網にATMを設置し主に決済サービスの提供を行う銀行など、特色あるビジネスモデルを有する新形態銀行の存在感が高まっている中、新形態銀行(13行)の経営陣との間で金融犯罪対策等に係る意見交換会を令和7年6月6日に開催し、新形態銀行を取り巻く以下の様々な課題について意見交換を行いました。
▼ (別添)意見交換会において提起した論点(令和7年6月6日開催)
  • 口座不正利用要請文のアンケートについて
    • 特殊詐欺をはじめとする金融犯罪については、各金融機関において対応を強化いただいているものの、犯罪の手口もより巧妙化・多様化している。
    • こうした状況を踏まえ、2024年8月、法人口座を含む預貯金口座の不正利用等対策の強化について、要請文を発出した。
    • 金融庁では、本要請を受けた各金融機関の対応状況のフォローアップとして、2025年1月24日、各金融機関に対し、要請への対応状況に関するアンケートを発出し、2025年2月末に回収を行った。
    • アンケート結果については、金融機関向けの詳細な説明会を行ったところ、各金融機関の対応状況の集計・分析について、別途公表する予定である。
    • アンケート項目の中で、未着手と答えた金融機関の割合が多い項目も見受けられた。未着手と回答した項目が著しく多い等、自主的な取組状況が把握できない金融機関については、個別にヒアリングすることも検討している。
    • 今回のフォローアップは、今後も継続して行う予定である。金融機関におかれては、経営陣主導のもと、計画的に対策を実施し、不正利用対策の更なる強化・底上げを図っていただきたい。
  • 「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」について
    • 2025年4月、「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」が策定された。
    • 新たな項目として、預金取扱金融機関間における不正利用口座に係る情報共有や、架空名義口座を利用した新たな捜査手法や関係法令の改正、インターネットバンキングに係る対策強化が盛り込まれている。
    • 2024年の詐欺被害額が2023年の2倍近くに増加しており、その対策が急務となっている。このような状況も踏まえ、今後、利用限度額引上げ時の確認をはじめとするインターネットバンキングに係る対策強化など、対応をお願いする予定である。
    • くわえて、全国銀行協会にて進められている不正利用口座情報を共有する枠組みの構築についても、官民一体で進めてまいりたい。
  • オンラインカジノに係る賭博事犯防止等について
    • オンラインカジノについては、海外で合法的に運営されている場合でも、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪であるところ、警察庁の委託調査によると、オンラインカジノで利用されている入金方法として、「クレジットカード」(55.4%)のほか、「電子決済サービス・決済代行業者」(29.8%)や「銀行振込(銀行送金)」(27.4%)も利用されている。また、同調査によると、4割強の人がオンラインカジノの違法性を認識していなかったとされている。
    • こうした状況を踏まえ、2025年5月14日、預金取扱金融機関・資金移動業者・前払式支払手段発行者・暗号資産交換業者に対し、以下の内容について要請を発出した。
      • 日本国内でオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪であることについて利用者へ注意喚起すること
      • オンラインカジノにおける賭博等の犯罪行為を含む法令違反行為や公序良俗に反する行為のための決済等のサービス利用を禁止している旨を利用規約等で明らかにすること
      • 利用者が国内外のオンラインカジノで決済を行おうとしていることを把握した場合に当該決済を停止すること
    • 各金融機関においては、上記要請も踏まえ、オンラインカジノに係る賭博事犯の発生防止に適切に取り組んでいただくようお願いしたい。
  • マネロン等対策の「有効性検証」に関する対話について
    • マネー・ローンダリング(マネロン)等対策については、各金融機関において2024年3月末の期限までに整備した基礎的な態勢の有効性を高めていくことが重要であり、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン(マネロンガイドライン)では、各金融機関が自社のマネロン等対策の有効性を検証し、不断に見直し・改善を行うよう求めている。
    • また、今後の金融活動作業部会(FATF)の第5次審査も見据えると、各金融機関が自らのマネロン等対策の有効性を合理的・客観的に説明できるようになることも重要である。
    • 金融庁では、「有効性検証」に関する金融機関等の取組を促進するために、「有効性検証」を行うにあたって参考となる考え方や、実際の取組事例集を2025年3月に公表した。
    • 今後は順次、「有効性検証」に係る対話を各金融機関と行う予定であり、当局の具体的な対話手法や着眼点も公表文書に明記している。金融機関においては、これらの文書も参考に、経営陣主導のもと、「有効性検証」の取組を進めていただきたい。
  • 顧客口座・アカウントの不正アクセス・不正取引対策の強化について
    • 昨今の証券口座への不正アクセスについては、その手口として、主に、メールやSMSなどによって顧客を誘導し、実在する組織のウェブサイトを装ったフィッシングサイトなどから顧客情報(ログインIDやパスワード等)を窃取し、口座に不正にアクセスするものや、その他、攻撃者が顧客端末をマルウェアに感染させ、リアルタイムで当該端末を監視するとともに操作し、顧客情報を窃取するものなどが想定される。
    • 今般の事案は、証券業界に限らず、金融業界の信頼を揺るがしかねないものであり、早急に認証の強化、ウェブサイト及びメールの偽装対策の強化、不審な取引等の検知の強化、取引上限の設定、手口や対策に関する金融機関間の情報共有の強化、顧客への注意喚起の強化などの対策を進める必要がある。
    • IDとパスワードだけの認証が脆弱であることのみならず、メールやSMSメッセージによるワンタイムパスワードだけでは昨今のフィッシングに対してはあまり効果がなく、パスキーなどの強度のある多要素認証を必須化していく必要がある。不正の手口がますます巧妙化している状況を踏まえるとともに、対策を講じてもそれを上回る手法が出現することを前提に、攻撃手法と対策の技術動向を注視していく必要がある。
    • セキュリティが担保されない場合は、サービスの提供を停止することも視野に、被害が発生してから対策を講ずるのではなく、予め対策を進めていただきたい。顧客本位の経営の実現には、顧客資産を守ることが不可欠であり、経営陣自らの問題としてしっかり対応していただきたい。
  • 耐量子計算機暗号(PQC)への移行対応について
    • 実用的な量子コンピュータ(量子計算機)の実現は社会に恩恵をもたらす一方、攻撃者が量子コンピュータを悪用することで、インターネットバンキング等に用いられている暗号が解読され、金融機関が保有する顧客情報等の情報の機密性が損なわれるリスクがある。こうしたリスクが発現すれば、顧客情報及び財産が危険に晒され、ひいては金融システムに対する信頼が揺らぐおそれがある。
    • そのため、量子コンピュータの実現によってリスクに晒される重要なシステムやサービスは、耐量子計算機暗号(PQC:Post-QuantumCryptography)を実装したものに移行する必要がある。
    • PQCへの移行には、ITベンダーとの連携を含め、準備段階から多くの時間と人材、投資が必要となる。現在、量子コンピュータが実用化するのは2035年が目途とされているが、大規模なシステム更改は、通常、数年に一度程度が予定されており、PQCへの移行のタイミングは限られている。PQCへの移行に要するリソースを考慮すると、まだ先の問題と捉えて準備への着手を先送りすることは不適切であり、直ちに取り組んでいただきたい。
    • 具体的には、
      • 金融機関は、検討の開始から移行までの一連の作業に関して、直ちにITベンダーとも相談しながらロードマップを作成する必要がある。現在、金融ISACにおいてロードマップのひな型の検討が進められているが、ひな型の完成を待つ余裕はなく、自社でできることは直ちに着手する必要がある。
      • 金融機関においては、PQCへの移行対応の優先順位をつけるため、自らの情報資産を網羅的に把握し、それぞれの情報資産にどのような暗号が用いられているかをリスト化したインベントリを整備するとともに、そのリスク評価(量子コンピュータの実現によって危殆化するリスク、量子コンピュータの実現を待たずにHNDL攻撃(注)に備え、現在から対策を講ずべきリスク等)と重要性・緊急性の評価に取り掛かるべきである。
      • (注)量子コンピュータの実用化前に、犯罪者において攻撃対象の暗号情報を収集し、実用化後に解読する攻撃(HNDL:HarvestNowDecryptLater攻撃と呼ばれる)。
    • 金融庁は、金融ISAC、業界団体と連携するとともに、検査・モニタリング等も活用しながら、各金融機関及び金融業界全体のPQC移行に向けた対応状況を推進、フォローしていく。

~NEW~
金融庁 「金融機関の取組みの評価等に関する企業アンケート調査」の公表について
▼ 「企業アンケート調査の結果」(令和7年6月27日)
  • メインバンクが自社の経営上の課題や悩みを「よく聞いてくれる」または「ある程度聞いてくれる」と回答した企業の割合は全体で80.8%であり、前回調査と比較し、7.8%pt増加。メインバンクの対応について、2024年1月頃と比較して「(課題や悩みを)より聞いてくれるようになった」と回答した企業の割合は、債務者区分が下位になるほど高い。
  • メインバンクが自社の経営上の課題に関する分析結果や評価を「よく伝えてくれる」または「ある程度伝えてくれる」と回答した企業の割合は全体で64.6%であり、前回調査と比較して、8.9%pt増加。メインバンクの対応について、 2024年1月頃と比較して「(課題や評価を)より伝えてくれるようになった」と回答した企業の割合は、債務者区分が下位になるほど高い。
  • メインバンクから伝えられた経営上の課題の分析結果や評価に対する納得感について、「とても納得感がある」または「ある程度は納得感がある」と回答した企業の割合は全体で66.2%であり、前回調査と比較し7.0%pt増加。2024年1月と比較して「納得感が増した」と回答した企業の割合は、債務者区分が下位になるほど高い。
  • メインバンクから伝えられた経営上の課題の分析結果や評価に対する納得感について、「どちらとも言えない」、「納得感がない」と回答した理由として、「担当者の交代が多い」と回答した企業の割合が全体で36.5%と最も高い。上記の結果は、債務者区分が下位になるほど高い
  • メインバンクの評価として「経営上の課題や悩みを聞いてくれる」、「経営上の課題に関する分析結果を伝えてくれる」、「伝えられた経営課題や評価に対する納得感がある」の3つの質問全てに肯定的に回答した先(以下、「課題共有先」という。)は、事業者と金融機関との間で共通理解の醸成が図られており、事業性評価の前提が得られているものと考えられる。こうした「課題共有先」の割合は全体の55.2%であり、前回調査と比較し10.3%pt増加。なお、債務者区分が下位になるほど「課題共有先」の割合は低くなる傾向。
  • メインバンクから経営上の課題や評価を伝えられたことによる企業側の認識として、「従前からの経営課題を再認識している」と回答した企業の割合は全体で32.4%。一方、「新たな気づきは得られていない」と回答した企業の割合は全体で36.0%であった。上記結果について、「課題共有先」と「その他の先」別にみると、「従前からの経営課題を再認識している」と回答した企業の割合は、「課題共有先」が「その他の先」を28.8%pt上回り、「新たな気づきは得られていない」と回答した企業の割合は、「その他の先」が「課題共有先」を51.3%pt上回る。
  • 「事業性を評価した担保・保証によらない融資」を「今後メインバンクから受けたい」と回答した企業の割合は56.2%であり、「現在メインバンクから受けている」と回答した企業の割合28.6%を大きく上回っている。「経営者保証による融資」「信用保証協会の保証付き融資」「不動産を担保とする融資」については、「現在メインバンクから受けている」と回答した企業の割合に対して、「今後メインバンクから受けたい」と回答した企業の割合は少ない。
  • 「事業性を評価した担保・保証によらない融資」について、「現在メインバンクから受けている」と「今後メインバンクから受けたい」と回答した企業を比較すると、債務者区分が下位になるほど、回答の差は大きい。また、企業規模別にみると、規模の小さい企業ほど、回答の差は大きい。
  • 「事業性を評価した担保・保証によらない融資」を希望する理由について、「自社の技術力や販売力といった、目に見えない事業の実態を評価してほしいため」と回答した割合が39.3%と最も多く、次いで「事業を強化、拡大したいため」が38.3%であった。「事業承継等を見据えて、経営者保証を解除したいため」と回答した企業の割合は、債務者区分が下位になるほど高い
  • 自社の事業動向や将来性等に関する対話をメインバンクと継続的に実施することにより、結果的に資金調達コスト(金利等)が増加する場合でも、事業性を評価した担保・保証によらない融資を「強く希望する」または「希望する」と回答した企業の割合は全体で43.3%であった。上記の結果は、「課題共有先」が「その他の先」を8.8%pt上回る
  • メインバンクが「自社の事業内容や将来性、技術力、経営手腕等(以下、事業内容等)を十分理解して、必要な融資を行ってくれている」と回答した企業の割合は全体で70.1%であった。上記の結果は、企業規模が小さい先、債務者区分が下位になるほど低い。
  • 今後、「事業拡大を図りたい」と回答した企業の割合は全体で52.6%であり、企業規模が大きい先、債務者区分が上位になるほど、この割合が高い。
  • 事業計画をもとにしたメインバンク(グループ会社含む)からの支援内容について、「計画をもとにした対話は行っていない」と回答した企業の割合は48.8%と最も高い。
  • 企業価値担保権の認知状況について、「制度内容を含めてよく知っている」または「制度の内容を含めてある程度知っている」または「名前は聞いたことはあるが制度の内容は知らない」と回答した企業の割合は全体で46.9%であった。一方、「知らない(名前も聞いたことがない)」と回答した企業の割合は全体で42.0%であり、企業規模が小さい先、債務者区分が下位である先において、認知度が低い。
  • M&Aに「過去に取り組んだことがある」と回答した企業の割合は17.9%であり、多くの企業はM&Aに取り組んだ経験は無い。実際にM&Aに取り組んだ後に、経営統合や業務統合に係る問題が発生した際、「取引している金融機関」に相談したと回答した企業の割合は23.3%と、相談先の中では最も高い。
  • 過去3年以内に採用した経営人材の役割について「営業・販売力強化(SNS等の活用含む)」と回答した企業の割合が全体で55.9%と最も高く、企業規模が小さいほど割合が高い。中堅企業・中規模企業では「営業・販売力強化(SNS等の活用含む)」より「財務内容の管理・改善」の役割を望む割合が高い。過去3年以内に採用した経営人材の職歴・経験について、企業規模が大きいほど「大企業勤務経験がある」「銀行(政府系含む)等の金融機関の勤務経験がある」と回答した企業の割合が高く、企業規模が小さいほど「中小企業勤務経験がある」と回答した企業の割合が高い。
  • 経営人材の不足状況について、「経営人材が不足している」と回答した企業の割合は全体で53.2%であり、企業規模が大きいほど割合が相対的に高い。業種別では「製造業」「サービス業」、地域別では「関東」「中国」「沖縄」の割合が相対的に高い。
  • 既存融資において個人保証を提供している企業の割合は全体で46.3%であり、企業規模が小さい企業や債務者区分が下位の企業ほど、「提供している」と回答した企業の割合が高い。

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首相官邸 原子力防災会議幹事会 第20回 配布資料
▼ 資料1 「柏崎刈羽地域の緊急時対応」について
  • 地域原子力防災協議会での確認
    • 柏崎刈羽地域では、作業部会を20回開催し、本年〇月〇日(P)の柏崎刈羽地域原子力防災協議会において、「柏崎刈羽地域の緊急時対応」が原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的であることを確認
  • ポイント
    • 地震や津波、豪雪といった自然災害と原子力災害との複合災害を想定し、こうした複合災害にも、原子力災害対策指針の考え方に基づく、避難や屋内退避が行える内容としている
      1. PAZ内及びUPZ内の住民避難に広域避難先を確保
        • PAZ内、UPZ内の住民の避難のために、県内に基本となる避難先を確保
        • 上記県内避難先の被災にも備え、周辺県等の避難先調整も予定
      2. PAZ内及びUPZ内の住民避難に複数の避難経路、輸送手段を確保
        • PAZ内、UPZ内の要配慮者や要避難者の状況等も含めて把握
        • 避難に必要な複数の避難経路、バスや福祉車両等の輸送手段を確保
      3. 能登半島地震の経験、豪雪等地域特性を踏まえた複合災害対応
        • 家屋倒壊等の恐怖から自宅での屋内退避が困難な場合の対応
        • 近隣の指定避難所に避難、これが困難な時は、UPZ外の避難先に避難
        • 大きな幹線道路だけでなく生活道路の除雪
        • 放射性物質放出のおそれにより民間事業者等による除雪が困難な時は、実動組織による人命救助のための除雪作業、避難に係る支援(交通規制等)が実施
      4. 最新の議論の結果の取り込み
        • 屋根の雪下ろしは屋内退避中でも生活の維持に最低限必要な活動として実施可能
        • 様々な理由(心理的困難等)により屋内退避が困難な方は避難が可能

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首相官邸 農福連携等推進会議(第4回)
▼ 資料1 「農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)」に基づく取組状況について
  • 農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)に基づくこれまでの取組と今年度の主な取組
    1. 地域で広げる
      1. 農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)の概要
        • 地域協議会や伴走型コーディネーターの活動を通じて、地域単位の推進体制づくりを後押し
        • 障害者が働きやすい環境整備
        • 現場で農業と福祉をつなぐ専門人材の育成
      2. これまでの取組状況
        • 専門家の派遣による技術指導・助言や6次産業化に向けた支援を実施【厚労省】
        • 障害者が作業しやすい農業の生産・加工施設、休憩所、トイレ等の整備、生産・加工技術の研修等に対する支援【農水省】
        • 農水省及び都道府県における農福連携技術支援者育成研修の実施【農水省】
      3. 今年度の主な取組
        • 市町村、農業や福祉の関係者等が参画する地域協議会の設立に対する支援 【農水省】
        • 伴走型コーディネーターによる農家等と障害者就労施設とのマッチングから事例報告までを支援【厚労省】
    2. 未来に広げる
      1. 農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)の概要
        • ノウフクの日(11月29日)等による企業・消費者も巻き込んだ国民的運動の展開
        • 特別支援学校の実技・実習要望に対する農業者による協力・支援
      2. これまでの取組状況
        • 官邸での「ノウフクの日」制定記念交流会の開催など全国43ヶ所でのノウフクの日関連イベントの実施、一元的な情報発信【農水省】
        • 「ノウフク・アワード2024」の表彰とメディア等を通じた情報発信【農・厚・法・文】
        • 国の農福連携等に関する施策等について、全国の特別支援教育関係者に対する周知【文科省、農水省】
      3. 今年度の主な取組
        • 全国での「ノウフクの日」関連イベントや全国農福連携サミットの実施など国民的運動の推進【農水省】
        • 特別支援学校における就労を見据えた農福連携の取組の推進【文科省】
        • 特別支援学校の生徒の農業分野に関する体験・実習の実施や就労に向けた支援【農水省】
    3. 絆を広げる
      1. 農福連携等推進ビジョン(2024改訂版)の概要
        • 障害者のみならず、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者、犯罪をした者等の農業での就労
        • 世代や障害の有無を超えた多様な者の交流・参画の場としてのユニバーサル農園の拡大
      2. これまでの取組状況
        • ハローワーク等の関係機関の連携による農業分野の雇用・就労の促進【厚労省】
        • 市町村、JA、障害者就労施設等の多様な主体が開設するユニバーサル農園の優良事例集の作成【農水省】
        • 刑事施設と農福連携関係団体等との意見交換会の実施【法務省】
        • 協力雇用主の登録を推進するとともに、保護観察対象者等とのマッチングを支援【法務省】
      3. 今年度の主な取組
        • ユニバーサル農園の開設に対する支援【農水省】
        • 農福連携事業所等を就農先又は就農先候補としている受刑者

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消費者庁 住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故
▼ 概要
  1. 調査の目的
    • 住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故については、行政機関等から危険性及びその対策の周知啓発が継続的にされている。それにもかかわらず、死亡事故が発生し続けていることから、事故等原因を究明し、生命身体被害の発生又は拡大の防止を図るため、調査を開始することとした。
  2. 認定した事実
    1. 事故情報
      • 6歳未満の子どもの住宅の窓及びベランダからの転落死亡事故134件(1993年から2024年までの32年分)の発生状況を調査した。転落箇所別では、窓が42件、ベランダが92件であった。窓からの転落は1歳の事故が最も多く(42件中12件。次いで2歳が10件)、ベランダからの転落事故は3歳の事故が最も多かった(92件中41件。次いで4歳が21件)。
      • なお、事故発生時における保護者の在宅状況は、在宅が134件中65件、不在(家族の送迎、ごみ出しなど短時間の外出を含む。)が55件であった(残り14件は不明)。
    2. 子どもの身体寸法等
      • 子どもは、身長に比して頭部が大きく、重心が高い。住宅の窓及びベランダからの転落に関する数値として、子どもがつま先立ちをして手が届く高さ、頭幅、よじ登る能力等がある。また、危険を理解する判断力の欠如等の行動特性があり、運動機能の発達に応じて様々な事故に遭うおそれも生じる。
    3. 住宅内事故と住環境整備
      • 子どもの不慮の事故の発生場所は住宅内が多いところ(交通事故を除く。)、その整備(住環境整備)方法には住宅の新築・改修工事や製品によるハード面と人的援助等によるソフト面の二つがある。
    4. 住環境に関する設計・整備基準
      • 建築基準法は、住宅について、子どもが居る家庭のみを想定した基準を定めているわけではない。
      • 国土交通省国土技術政策総合研究所『子育てに配慮した住宅と居住環境に関するガイドライン(改訂版)』(2025 年3月公表)(以下「ガイドライン」という。)は、子育てに配慮した住宅と居住環境において配慮すべき事項や要求水準(性能・仕様等)等をまとめており、その中で子どもの窓・ベランダからの転落防止に配慮した技術的情報を定めている。
    5. 住環境を整備するための製品
      • 特定非営利活動法人キッズデザイン協議会は、「キッズデザイン賞」を主催し、子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ製品・空間・サービス・研究活動等を顕彰している。「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」部門で受賞した転落防止対策の作品(製品だけではなく、設計等も受賞している。)については、受賞作品検索サイトにおいて、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」で絞り込み、キーワードに「転落」と入力して検索することが可能である。
    6. 関係行政機関等による安全対策支援
      • 国土交通省は、子育て支援型共同住宅推進事業として、共同住宅を対象に、事故防止や防犯対策などの子どもの安全・安心に資する住宅の新築・改修の取組、子育て期の親同士の交流機会の創出に資する居住者間のつながりや交流を生み出す取組への支援(費用補助)を実施している。補助対象工事「(1)子どもの安全確保に資する設備の設置」の「配慮テーマ」に「転落による事故を防止する」があり、「転落による事故を防止する(バルコニー・窓などからの転落防止)」を目的とする取組が費用補助の対象となっている。
      • 関係行政機関等は、保護者等に対し、子どもの窓・ベランダからの転落の危険性及び対策を定期継続的に周知啓発している。その内容は、窓・ベランダから子どもが転落する危険性、対策の必要性、足掛かりとなり得る物を置かないようにする注意喚起等である。
    7. 保護者の意識・行動
      • 消費者庁が実施した『令和4年度第1回消費生活意識調査』(2022年7月公表)では、「乳幼児(6歳まで)の転落事故の対策について知っているものはありますか。また、実践しているものはありますか。」との質問に対して、「窓が大きく開かないよう補助錠を付ける」を知らなかった割合は47.9%、「実践している・していた」は12.4%であった。また、名古屋市が補助錠配布後に実施したアンケート(2024年10月公表)では配布された補助錠を取り付けなかった世帯が34%、その主な理由は「すでに自身で購入して取り付け済みだったため」が22%であった一方、「取り付けると窓の開閉が不便になるため」が22%であった。
    8. 業界団体からのヒアリング結果等
      • 転落防止対策について、業界団体からのヒアリング及び補助錠のサッシ適合性実験でのアンケートにおいては、人命救助及び避難時脱出への影響、高齢者や障害者に不便な住宅となってしまう(窓の高い位置に取り付けた補助錠を車椅子利用者が解錠することは困難等)、窓や窓サッシが破損する等の指摘があった。
  3. 原因
    • 子どもの窓及びベランダからの転落死亡事故134件の発生状況を、子どもの身体能力並びに窓及びベランダの設計・整備基準の各種数値を参照しつつ、窓とベランダに分けて検証した。
    • 本件事故の原因は、子どもは窓及びベランダから転落する危険性が高いにもかかわらず、ソフトとハードの両面において子どもの窓及びベランダからの転落を防止するのに十分な住環境整備がされていないことと考えられる。
    • なお、保護者が在宅か不在かで転落事故の発生状況に有意な差異はみられなかった。仮に在宅していた場合であっても、転落直前の子どもが身を乗り出した段階で気付いたのでは、保護者が子どもの転落を止めることは難しいと考えられる。
  4. 再発防止策
    1. 転落防止対策をした住宅の普及
      • ガイドラインに基づく仕様等となっていた場合、本報告書で検証した事故の全件を防止できた可能性があり、ガイドラインに基づく仕様等が転落事故防止に効果があることを確認できた。
      • そのため、ガイドラインに基づく住宅を普及することが必要と考える。普及に当たっては、住宅関連事業者(マンション関係団体、設計関係団体、住宅生産関係団体等)へのガイドラインの普及、多くの住宅種別(新築・既存、持ち家・賃貸等)に対応する支援等の施策が講じられることが望ましい。
    2. 転落防止用製品の研究・開発
      • 保護者が住宅や居住環境で重視する点は多様であり、生活圏など様々な事情でガイドラインや推進事業に基づいて転落防止対策がされた住宅に住み替えることが困難な者もいる。そのような者であっても、製品により現在又は今後居住予定の住宅を転落防止対策をした住環境とすることができる。また、ガイドラインは補助錠を子どもの手の届かない位置に取り付けることを定めているものの、その補助錠については、名古屋市による補助錠配布後のアンケートにおいて、無料配布された補助錠を3分の1以上の世帯が取り付けておらず、その主な理由の一つに「取り付けると窓の開閉が不便になるため」があった。また、人命救助活動への支障、子どもが取り外してしまう懸念なども指摘されている。さらに、事務局が実施したアンケートにおいて、転落防止用の製品にデザイン面の工夫、手に取りやすく、室内家具等になじむことを求める声があった。
      • そのため、各種の問題を解消・軽減し、保護者の要望に応える新たな製品の研究・開発を関係団体に働きかけることが必要と考える。働きかけに当たっては、転落防止のための機構をあらかじめ組み込んだ製品だけではなく、既存の製品に取り付けることのできる製品も開発促進の対象とした上、消防隊の外部からの進入や建物内部からの脱出、子どもの特性に耐え得る十分な構造及び強度、保護者の利便性などに配慮することが求められる。また、意匠性などデザイン面での創意工夫がなされることが望ましい。
    3. 転落に至るプロセス及び転落事故防止方法の周知啓発
      • 転落防止のための設計・整備基準が示され、それに基づく住宅の新築・改修を支援する制度もあり、また、転落防止のための製品もある。さらに、足掛かりの除去等の周知啓発が行政機関等から定期継続的にされている。しかし、子どもの他の事故の対策と比べ、ハード面での転落事故防止対策は進んでいない。また、本報告書で検証した事故の大半において、窓付近に家具が配置され、ベランダに普段から物品が置かれている状況が確認された。
      • 子どもの窓及びベランダから転落するプロセス及び転落事故防止方法をより多くの保護者等に知ってもらう必要がある。具体的には、子どもの発達段階に応じた住環境整備が必要であることの周知啓発、乳児家庭全戸訪問事業や母子保健事業(乳幼児健康診査等)を始めとした保護者等に周知啓発するための手段を活用することが望ましい。
  5. 意見
    1. 国土交通大臣への意見
      • 子どもが窓及びベランダから転落する危険への対策をした住宅を普及させるため、住宅を供給する事業者等に対して、ガイドラインの普及、子どもが窓及びベランダから転落する危険への対策をした住宅の新築・改修に対する支援等の施策を講ずること。
    2. 経済産業大臣への意見
      • 子どもの窓及びベランダからの転落防止のための製品の研究・開発が進むよう関係団体に働きかけること。
    3. こども家庭庁長官への意見
      • 子どもが窓及びベランダから転落するプロセス及び転落事故防止方法について、保護者等に対する周知啓発の施策を講ずること。
  6. おわりに
    • 本報告書では、第1フェーズとして、保護者の「見守り」だけに頼る現状からの脱却を目指し、住まい(ハード面)及び住まい方(ソフト面)の両面にわたる「住環境整備」へと、保護者のみならず、社会全体のマインドセットの変容が進むことを促す方針を採ることとした。また、変容を促す働きかけの一つとして、周知啓発資料を作成した。今後もしも第1フェーズの対応での状況改善を確認できない場合には、子どもを守ることを他に優先する観点から、より実効性が高い内容での第2フェーズ(新たな法令の制定又は既存法令の改正の検討を含む。)に踏み込まなければならないだろう。このような事態とならないよう、調査委員会は、関係各位の行動を期待しつつ、状況の変化を注意深くモニタリングしていかなければならないと考えている。

~NEW~
消費者庁 簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起
  • 簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起を行いました。
  • 詳細
    • 令和6年7月以降、SNS等に表示されるアンケート副業に関する広告をきっかけに、「当社が案内する副業はアフィリエイトである。この副業をサポートする。アフィリエイトは、初心者でも簡単に稼ぐことができる」、「このプランなら、月50万が当たり前になる」、「儲けが出なければ返金保証がある」など、副業のサポートプラン契約をすれば、簡単に契約金額以上の報酬を得ることができるなどと勧誘を受け、高額なサポートプランの契約をしたが、報酬が得られなかったなどの相談が各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。
    • 消費者庁が調査を行ったところ、株式会社和(以下「本件事業者」といいます。)が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(断定的判断の提供)を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。
    • また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。
▼ 簡単な副業をうたい高額なサポートプランを契約させる事業者に関する注意喚起
  • 消費者庁が確認した事実
    • 本件事業者は、消費者に対し、副業のサポートプラン契約をすれば、契約金額以上の報酬を得ることができると説明していましたが、前記2(4)及び(5)のとおり、副業によって当該報酬を得ることができるかどうかは、消費者のアフィリエイトの成功報酬に左右される不確実なものでした(断定的判断の提供)。
    • また、消費者庁が行った調査では、副業に係る報酬において、サポートプランの契約金額を上回る報酬を得た消費者は確認できませんでした。
  • 消費者庁から皆様へのアドバイス
    1. 「簡単に稼げる」副業はありません。「簡単」、「高額報酬」を強調する広告や勧誘をうのみにしないようにしましょう。
      • 本件は、当初、消費者が見た「簡単に稼げる」などといったアンケート副業に関する広告をきっかけに、「簡単に稼げる」、「月50万円が当たり前になる」などと勧誘され、高額なアフィリエイト副業のサポート契約を締結させられています。
      • 簡単に稼げるような副業はありません。そのような、「簡単」、「高額報酬」といったキーワードをうのみにしないようにしましょう。
    2. 副業を始めるにあたり、高額なお金を借りたり、振り込んだりすることには慎重になりましょう。
      • 本件では、消費者は、高額なお金を借り入れた後、本件事業者が指定する銀行口座に振り込まされていました。もうかるはずの副業で、高額の借入や振込等を要求された場合は、慎重になりましょう。
    3. 事業者から送信されたメッセージ等は保存しておきましょう。
      • 消費者は、契約締結後、本件事業者から、それまで本件事業者が使用していたLINEアカウントのメッセージを削除するように指示されていました。事業者から送信されたメッセージ等は、経緯等が説明できるよう保存しておきましょう。
      • また、事業者からウェブサイトのURLやPDF等を送信された場合にも、当該画面をスクリーンショット等で保存しておくとともに、事業者名や電話番号等も残しておきましょう。
    4. 副業に関して被害に遭ったら、諦めずにすぐに「188(いやや!)」へ電話しましょう。
      • 何気なく見ているSNS等に表示される副業に関する広告を入口として、消費者を欺く手口は多様になっています。一旦振り込んでしまうと、被害回復は困難です。少しでも変だなと思ったら迷わず、お近くの消費生活センター等に相談してみましょう。

~NEW~
消費者庁 電話勧誘販売業者【 有限会社マイケア 】に対する行政処分について
  • 北海道経済産業局が特定商取引法に基づく行政処分を実施しましたので公表します。
  • 詳細
    • 北海道経済産業局は、健康食品を販売する電話勧誘販売業者である有限会社マイケア(本店所在地:東京都新宿区)(以下「マイケア」といいます。)(注)に対し、令和7年6月25日、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」といいます。)第23条第1項の規定に基づき、令和7年6月26日から同年9月25日までの3か月間、電話勧誘販売に関する業務の一部(勧誘、申込受付及び契約締結)を停止するよう命じました。
    • (注)同名の別会社と間違えないよう会社所在地なども確認してください。
    • あわせて、北海道経済産業局は、マイケアに対し、特定商取引法第22条第1項の規定に基づき、再発防止策を講ずるとともに、コンプライアンス体制を構築することなどを指示しました。
    • また、北海道経済産業局は、マイケアの取締役である前野沢郎(まえの たくろう)に対し、特定商取引法第23条の2第1項の規定に基づき、令和7年6月26日から同年9月25日までの3か月間、マイケアに対して前記業務停止命令により業務の停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含みます。)の禁止を命じました。
    • なお、本処分は、特定商取引法第69条第3項の規定に基づき、消費者庁長官の権限委任を受けた北海道経済産業局長が実施したものです。
▼ 電話勧誘販売業者【 有限会社マイケア 】に対する行政処分について
  • 処分の原因となる事実
    • マイケアは、以下のとおり、特定商取引法に違反し、又は特定商取引法に規定する指示対象行為に該当する行為をしており、北海道経済産業局は、電話勧誘販売に係る取引の公正及び本件消費者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した。
      1. 書面の交付義務に違反する行為(記載不備)(特定商取引法第19条第1項)
        • マイケアは、少なくとも令和6年2月頃に、電話勧誘行為により、本件消費者と本件売買契約を電話により締結したとき、本件消費者に対し、本件売買契約の内容を明らかにする書面を交付したが、当該書面には、特定商取引法第24条第1項の規定による売買契約の解除に関する事項について、特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)第47条第1項第1号イからヘまでに掲げる内容の記載をしていなかった。
      2. 商品の品質に関する事項につき不実のことを告げる行為(特定商取引法第21条第1項)
    • マイケアは、少なくとも令和6年2月頃に、電話勧誘販売に係る本件売買契約の締結について勧誘をするに際し、本件商品の品質について、「ルテインがなんと、業界最大量の20ミリグラムも配合されておりますので」、「ルテインは業界最大量の20ミリグラムも配合されておりますので」などと告げることにより、あたかも、本件商品が他社製品と比較して最も多くのルテインが配合された商品であるかのように告げた(以下、これらを併せて「本件告知」という。)。
    • 本件告知について、特定商取引法第21条の2の規定に基づき、マイケアに対し、期間を定めて、本件告知の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、マイケアから資料が提出されたが、マイケアの提出した当該資料は本件告知の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料とは認められなかった。
    • このため、マイケアが行った本件告知は、特定商取引法第21条の2の規定により、商品の品質につき、不実のことを告げる行為であったものとみなされる。

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厚生労働省 第113回ILO総会結果(概要)
  • 概要
    • 会期:令和7年6月2日(月)~6月13日(金)
    • 場所:スイス国ジュネーブ
    • 出席者等:
      • 政府側:田中厚生労働審議官、秋山大臣官房総括審議官(国際担当) 他
      • 労働者側:清水日本労働連合総連合会事務局長、郷野日本労働組合総連合会参与 他
      • 使用者側:市村日本経済団体連合会労働法規委員会国際労働部会長、長澤日本経済団体連合会労働法制本部参事 他
    • 本総会では、日本政府からは田中厚生労働審議官が代表演説を行った。その他、条約・勧告の適用状況、生物学的な危険に対する予防と保護に関する基準設定討議、プラットフォーム経済におけるディーセントワークに関する基準設定討議、インフォーマリティへの対処とフォーマリティへの移行促進のための革新的アプローチに関する一般討議等について議論が行われ、今後の対応策等をまとめた各議題の結論文書等が採択された。
  • 本会議
    • ウングボ事務局長から「仕事、権利、成長」をテーマとした事務局長報告が行われ、これを受けて各国政労使による演説が行われた。日本政府からは田中厚生労働審議官が代表演説を行い、以下の内容等を発言した。
      • 2022年のILO総会で基本条約に追加された第155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約)の締結について、締結に向けた手続を進めていく。
      • 日本はアジア・太平洋地域における最大の任意拠出国として、これまで50年以上にわたり、ILO・日本マルチバイプログラム等を通じて、世界の国々の実態やニーズに合わせ、労働安全衛生水準の向上や社会保険制度整備などの様々な開発協力を行ってきた。
      • 日本は、ウングボ事務局長が主導する「社会正義のためのグローバル連合」に積極的に貢献してきた。特に、企業に責任ある行動を促すため、企業に対する人権尊重の取組を促すガイドラインの策定や、労働における基本的原則及び権利に関する周知を図るためチェックリストの作成等を行い、企業の理解を助け、取組を支援している。
      • 社会的パートナーとの対話を大切にしながら、仕事の世界における永続的な課題に取り組むためのあらゆる努力を行う。
    • また、「社会正義のためのグローバル連合」について、ドミニカ大統領や各国の閣僚クラスの参加のもと、加盟パートナーが知見を共有するための場として年次フォーラムが開催された。

~NEW~
厚生労働省 令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
  • ポイント
    • 過労死等に関する請求件数 4,810件 (前年度比212件の増加)
    • 決定件数 4,312件(前年度比1,033件の増加)
    • 支給決定件数 1,304件 (前年度比196件の増加)
    • うち死亡・自殺(未遂を含む)件数 159件(前年度比 21件の増加)
  1. 業務災害に係る脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
    1. 請求件数は1,030件で、前年度比7件の増加。
      • うち死亡件数は前年度比8件増の255件。
    2. 支給決定件数は241件で前年度比25件の増加。
      • うち死亡件数は前年度比9件増の67件。
    3. 業種別の傾向
      1. 業種別(大分類)
        • 請求件数は「運輸業、郵便業」213件、「卸売業、小売業」150件、「建設業」128件の順で多い。
        • 支給決定件数は「運輸業、郵便業」88件、「宿泊業、飲食サービス業」28件、「製造業」24件の順に多い。
      2. 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業、郵便業」のうち「道路貨物運送業」155件、76件が最多。
      3. 職種別の傾向
        1. 職種別(大分類)
          • 請求件数は「輸送・機械運転従事者」177件、「専門的・技術的職業従事者」149件、「サービス職業従事者」136件の順で多い。
          • 支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」75件、「サービス職業従事者」34件、「専門的・技術的職業従事者」32件の順に多い。
        2. 職種別(中分類)
          • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」163件、72件が最多。
      4. 年齢別の傾向
        • 請求件数は「50~59歳」411件、「60歳以上」348件、「40~49歳」213件の順で多い。
        • 支給決定件数は「50~59歳」129件、「40~49歳」60件、「60歳以上」44件の順に多い。
      5. 時間外労働時間別(1か月又は2~6か月における1か月平均)の傾向
        • 支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」18件が最も多い。
        • また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」63件が最も多い。
  2. 業務災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況
    1. 請求件数は3,780件で前年度比205件の増加。
      • うち未遂を含む自殺の件数は前年度比10件減の202件。
    2. 支給決定件数は1,055件で前年度比172件の増加。
      • うち未遂を含む自殺の件数は前年度比9件増の88件。
    3. 業種別の傾向
      1. 業種別(大分類)
        • 請求件数は「医療、福祉」983件、「製造業」583件、「卸売業、小売業」545件の順で多い。
        • 支給決定件数は「医療、福祉」270件、「製造業」161件、「卸売業、小売業」120件の順に多い。
      2. 業種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療、福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」589件、152件が最多。
    4. 職種別の傾向
      1. 職種別(大分類)
        • 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」1,030件、「事務従事者」796件、「サービス職業従事者」556件の順で多い。
        • 支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」300件、「サービス職業従事者」182件、「事務従事者」160件の順に多い。
      2. 職種別(中分類)
        • 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」577件、97件が最多。
    5. 年齢別の傾向
      • 請求件数は「40~49歳」1,041件、「30~39歳」889件、「50~59歳」870件の順で多い。
      • 支給決定件数は「40~49歳」283件、「30~39歳」245件、「20~29歳」243件の順に多い。
    6. 時間外労働時間別(1か月平均)の傾向
      • 支給決定件数は「100時間以上~120時間未満」が74件で最も多く、次いで「40時間以上~60時間未満」が70件。
    7. 出来事※別の傾向
      • 支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」224件、「仕事内容・仕事量の大きな変化を生じさせる出来事があった」119件、「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」108件の順に多い。
        • 「出来事」とは精神障害の発病に関与したと考えられる事象の心理的負荷の強度を評価するために、認定基準において、一定の事象を類型化したもの。
  3. 業務災害に係る裁量労働制対象者に関する労災補償状況
    • 令和6年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は4件で、専門業務型裁量労働制対象者が3件、企画業務型裁量労働制対象者が1件であった。また、精神障害の支給決定件数は4件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。
  4. 複数業務要因災害に係る脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況
    • 支給決定件数は6件で、前年度比1件の増加。
    • うち死亡件数は前年度比2件増の3件。
  5. 複数業務要因災害に係る精神障害に関する事案の労災補償状況
    • 支給決定件数は2件で、前年度比2件の減少。
    • うち死亡件数は前年度比1件増の1件。

~NEW~
経済産業省 「令和7年版通商白書」及び「通商戦略2025」を取りまとめました
  • 経済産業省は、「令和7年版通商白書」を取りまとめ、本日、閣議配布しました。通商白書は、国際経済の動向や通商に影響する諸外国の政策の分析を通じて、我が国の通商政策の形成に貢献するとともに、国民の皆様に対して通商政策を基礎づける考え方や方向性を示す重要な白書であり、今回で77回目の発行です。また、現下の国際情勢を踏まえた、我が国が進めるべき通商政策についても、産業構造審議会通商・貿易分科会における議論を経て「通商戦略2025」として取りまとめ、本白書にその目標と方向性を示しています。
  1. 令和7年版通商白書のポイント
    • 令和7年版通商白書では、主に以下の分析を行っています。
      1. 米国関税ショックと不確実性の高まりが世界経済見通しを悪化させているが、その背景には米国の経常収支と財政収支の「双子の赤字」の拡大があり、根底には国内格差の拡大、保護主義への米国内の支持、中国の過少消費といった構造問題がある。
      2. 中国が過去30年間に産業基盤を発展させ、次々と輸出品目を創出してきた結果、規模の経済の悪影響やデフレ輸出の問題が起きている。また、アセアン諸国・韓国・インドといったアジア周辺国の対中依存が高まっている。
      3. デジタルトランスフォーメーション(DX)・グリーントランスフォーメーション(GX)・サプライチェーン強靭化などの課題への対応と産業発展を同時に目指す新たな産業政策を推進する一方で、市場歪曲的措置や依存関係の武器化といった一部の産業政策がもたらす負の外部性への国際的な対処を進めていく必要がある。
      4. 我が国の財の輸出数量が減少しており、高付加価値化を通じた新たな輸出産品・輸出企業・輸出先の開拓や、デジタルを始めとするサービス付加価値の強化が必要である。また、グローバルサウス諸国との共創やコンテンツ産業の海外展開を支援することが重要である。
  2. 通商戦略2025のポイント
    • 令和7年版通商白書で行った分析を踏まえ、我が国が進めていくべき通商戦略の目標と方向性を以下のように示しています。
    • 【目標】国際情勢の変化を踏まえ、国際経済秩序の揺らぎへの対応、保護主義が進む中での自律性・不可欠性の確保といった要請に応えつつ、グローバルサウスを巡る競争の激化、DX・GXの進展の中で、輸出・海外投資を通じて、海外市場を開拓し、日本の付加価値を最大化していくための取組が求められる。
      • 海外投資については、日本が国内に保持すべき高付加価値機能の海外流出を避けつつ、海外のイノベーションを取り込む、あるいは、自律性の確保の観点から、サプライチェーンの多元化を進めるといった形で行われることが重要である。
    • 【方向性】厳しい国際環境を生き抜くための我が国の通商政策の当面の方向性は、大きく以下の3点にまとめられる。
      • 国際経済秩序の揺らぎへの対応として、国際社会の信頼できるパートナーであり続けるという姿勢を明確にしながら、各国とウィンウィンの関係を積み上げつつ、国際経済秩序の再構築に取り組むなど多層的な経済外交を展開する。
      • いかなる秩序においても、DX・GXなど世界の課題解決を通じた付加価値の最大化、海外活力の取り込みに向け、国内投資の増強などを踏まえた輸出市場の確保・多角化や、対外投資を通じたグローバルサウスや同志国との共創による日本企業の高付加価値化を支援する。
      • 保護主義の台頭や過剰供給・過剰依存による脅威の顕在化の中で、サプライチェーンの強靱化、資源の安定供給など自律性の強化、技術等に関する不可欠性の確保に向け、同志国との政策協調や国内制度整備、経済安保確保に向けた海外事業展開など、内外一体の取組を推進する。
▼ 通商白書2025概要文
▼ 通商戦略2025

~NEW~
経済産業省 TikTok Pte. Ltd.を「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」の規制対象事業者として指定しました
  • デジタルプラットフォーム提供事業者と利用事業者との間の取引の透明性及び公正性の確保のために必要な措置を講ずる「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」について、本日、TikTok Pte. Ltd.をデジタル広告分野における規制対象事業者として指定しました。
    1. 背景・趣旨
      • 「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律」(令和2年法律第38号。以下「透明化法」という。)は、デジタルプラットフォームの提供事業者と利用事業者との間の取引の透明性・公正性を高め、両者の間の交渉力の差に起因する競争上の問題が生じにくい環境を整備し、利用事業者の利益を保護することなどを目的としています。
      • 同法では、「特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する法律第四条第一項の事業の区分及び規模を定める政令」(令和3年政令第17号。以下「政令」という。)で定めるデジタルプラットフォームの事業区分ごとに、一定規模以上の事業を提供する事業者を「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定し、規律の対象としています。
      • 今般、TikTok Pte. Ltd. から、同社が提供するメディア一体型広告デジタルプラットフォーム事業について、2024年度における国内売上高が、政令で定める規模以上である旨の届出があったところ、この内容を踏まえ、同社を「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定することとしました。
    2. 規制対象として指定した事業者
      • 本日、デジタル広告分野の「特定デジタルプラットフォーム提供者」として、以下の事業者を指定しました。
      • 指定した事業者
        • TikTok Pte. Ltd. 広告配信役務である「TikTok for Business」を通じて「TikTok」又は「TikTok Lite」に広告を表示する事業
      • 事業者が講ずべき措置
        • 「特定デジタルプラットフォーム提供者」として指定された事業者は、透明化法の規定により、取引条件等の情報の開示及び取引関係における相互理解の促進を図るために必要な措置(体制及び手続の整備等)を行うことが求められます。
        • さらに、2026年度以降は、毎年度、実施した措置について、自己評価を付した報告書を提出することが義務付けられるほか、特定デジタルプラットフォームの透明性及び公正性を評価するプロセス(モニタリング・レビュー)の対象となります。
      • デジタルプラットフォーム取引相談窓口について
        • 経済産業省は、デジタル広告分野のプラットフォームを利用する事業者(広告主や広告を掲載するウェブサイト等の運営者など)を対象とした「デジタルプラットフォーム取引相談窓口」を設置しています。
        • 主な支援内容
        • 特定デジタルプラットフォーム提供者への質問・相談方法に関するアドバイス(過去事案も踏まえた対応、特定デジタルプラットフォーム提供者との相互理解の促進等)
        • 弁護士の情報提供・費用補助
        • 利用事業者向け説明会の実施
        • 複数の相談者に共通する課題の抽出、解決に向けた検討等(ヒアリング等による実態把握も実施)
  • 経済産業省としては、相談窓口を通じて得られた事業者の声をもとに、共通する取引上の課題を抽出し、関係者間で共有すること等を通じて、取引環境の改善を目指しています。

~NEW~
総務省 2024年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表
▼ 別紙「2024年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」
  • ILASテスト結果
    • 全体(全49問)の正答率は、71.5%。(前年度正答率:71.4%)
    • リスクの中分類別の正答率については、前年度と同様に「2c.不適切利用リスク」に対応する問の正答率(79.2%)が最も高く、「2b.不適正取引リスク」に対応する問の正答率(63.1%)が最も低い。
    • 2024年度においては、前年度までの正答率とほぼ横ばいである。(2022年度に一部設問の改修を行っているため、2021年度までの結果は参考値として取り扱う。)
  • アンケート結果
    1. ペアレンタルコントロールの状況
      • SNS等のインターネット利用に関する家庭でのルールの有無について、全体の53.4%が「ある」と回答。家庭におけるルールの内容としては、誹謗中傷の書き込みをしない等の「発信情報の制限」(49.8%)が最も多く、次いで「情報公開(個人情報)の制限」(45.4%)が多い。
      • フィルタリング利用状況については、全体の45.4%が「利用している」と回答。その一方で、34.5%が「利用していない」、20.1%が「わからない」と回答。
      • 家庭でのルールがある者の正答率は、家庭でのルールがない者に比べ、5.2%高い。フィルタリング等を利用している者の正答率は、利用していない者に比べ、2.9%高い。家庭でのルールの有無及びフィルタリング利用の有無と、正答率との関係については、「家庭でのルールあり」かつ「フィルタリング利用あり」の場合、74.9%と最も高く、家庭でのルールとフィルタリング利用がいずれも「なし」の場合に比べて5.2%高い。
    2. 学校における取組の状況
      • 学校で教わったインターネットを利用するにあたっての注意点や対応策について、本年度は前年度に比べ「偽・誤情報(フェイクニュース)」、「ファクトチェック」、「生成AI」の回答率が増加、「長時間利用」や「ネットいじめ」の回答率は低い。偽・誤情報等の流通・拡散の構造的な要因とも指摘されている「フィルターバブル」(15.6%)、「アテンションエコノミー」(15.2%)、「エコーチェンバー」(12.2%)についても学校で教えられたことがあると回答。学校でインターネットを利用するにあたっての注意点や対応策を教わった者の方が、教えてもらっていない者より、ILASテストの正答率が高い。
      • 偽・誤情報(フェイクニュース)に関する危険や注意点等を教わった相手について、前年度に比べ「学校の先生」、「保護者」、「外部の講師・専門家等」の回答率が高い。生成AIに関する危険や注意点等を教わった相手について、前年度に比べ「学校の先生」、 「外部の講師・専門家等」の回答率が増加したが、依然として、「誰にも教わらなかった」という回答が多い(39.7%)。
    3. トラブル遭遇時の対応
      • 全体の52.9%が、インターネット利用に際して、「トラブルの経験はない」と回答。遭遇したトラブル内容については、「迷惑メールを受け取った」(25.7%)との回答が最も多く、「インターネットの長時間利用により睡眠不足になった」(23.8%)、「偽・誤情報(フェイクニュース)に遭遇した」(13.2%)との回答が続く。「偽・誤情報(フェイクニュース)をSNS等で拡散してしまった」との回答は、昨年同様0.3%である。
      • トラブル遭遇時に相談する相手については、全体の74.6%が「保護者」と回答。次いで「友人・先輩・後輩・知人」(49.2%)、「学校の先生、スクールカウンセラー」(17.9%)との回答が多い。前年度に比べ「学校の先生、スクールカウンセラー」に相談するとの回答率が増加し、「兄姉弟妹」に相談するとの回答率が低下した。
      • 偽・誤情報(フェイクニュース)に遭遇した際の対応については、全体の半数以上の58.4%が、「他ではどう言われているか」をチェックした」と回答。「対応は行わず、情報の拡散や情報の拡散や他の人への共有は行わなかった」との回答が18.1%。前年度と比べ、 「他ではどう言われているか」をチェックした」、「『情報源』をチェックした」、「『画像等が本物か』をチェックした」との回答率が増加し、偽・誤情報(フェイクニュース)遭遇時の適切な対応をとれる者が増加。
      • 偽・誤情報(フェイクニュース)に遭遇した際に適切な対応をとっている者の正答率は全体正答率を超え、「SNS上で情報を拡散する等、他の人へ共有した」などの適切でない対応をとっている者の正答率は、全体正答率より低い傾向がみられた。一方で、適切な対応をとっている者と「対応は行わず、情報の拡散や他の人への共有は行わなかった」者の正答率は、ほぼ同程度となった。
    4. 生成AIの利用状況
      • 生成AIについては、全体の40.1%が「使ったことはない」と回答。使ったことがある生成AIとしては、「文章の作成」(35.6%)が最も多く、「わからないことを調べる」(33.3%)や「チャットボットと会話する」(33.3%)が続く。生成AIのイメージとしては、「学習効率や効果があがる」(33.6%)との回答が最も多く、「新たな発見がたくさんできる」(30.1%)、「人の仕事を奪う」(24.6%)が続く。
    5. インターネット接続機器ごとの保有割合
      • 全体の92.1%が、最もよく利用する機器について「スマートフォン」と回答(昨年度より減少)。
      • 全体の3.1%が、最もよく利用する機器について「タブレットPC」と回答し、増加傾向が見られた。
    6. 平日1日当たりの平均スマートフォン利用時間とILASテスト結果
      • スマートフォンの平日1日当たりの平均利用時間は「2~3時間未満」との回答が最も多く(9%)、次いで「3~4時間未満」が20.7%と多い。また、52.6%がスマートフォンを3時間以上利用している。
      • 平日のスマートフォン利用時間別にILASテストの総合正答率の違いの有無をみると、利用時間が長いほど、正答率が低い傾向が見られた。
    7. 休日1日当たりの平均スマートフォン利用時間とILASテスト結果
      • スマートフォンの休日1日当たりの平均利用時間は「6時間以上」との回答が最も多い(29.7%)。
      • スマートフォンの平均利用時間が3時間以上利用者が8割近く(76.9%)を占め、平日と比較すると全体の約24%増加している。

~NEW~
総務省 「令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の公表
▼ 別紙1 令和6年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 概要
  • 令和6年度調査結果のポイント
    1. 主なメディアの平均利用時間
      • 主なメディアの平均利用時間について、全年代では、平日、休日ともに、「インターネット利用」の平均利用時間が最も長く、「テレビ(リアルタイム)視聴」がこれに続く傾向が継続している。
        • 【平日】インターネット:181.8分(+8.2分)、テレビ(リアルタイム):154.7分(-8.2分)
        • 【休日】インターネット:183.7分(+4.0分)、テレビ(リアルタイム):182.7分(-19.3分)
      • 年代別にみると、休日の40代で「インターネット」の利用時間が「テレビ(リアルタイム)」を初めて超過。平日、休日の60代で「テレビ(リアルタイム)」の利用時間が大幅に減少。
    2. 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率
      • 主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率について、全年代では「LINE」が91.1%、「Instagram」が52.6%、「X(旧Twitter)」が43.3%、「Facebook」が26.8%となっている。動画共有系では、「YouTube」が80.8%、「TikTok」が33.2%となっている。
    3. 目的別の利用メディア
      • 「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「インターネット」が54.4%と最も高い。年代別では、10代から50代では「インターネット」、60代及び70代では「テレビ」を最も利用している。
      • 「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「テレビ」が51.6%と最も高い。年代別では、20代及び30代では「インターネット」を最も利用しており、40代では「テレビ」と「インターネット」が同率、それ以外の各年代では「テレビ」を最も利用している。
      • 「趣味・娯楽に関する情報を得る」ために最も利用するメディアとしては、全年代では「インターネット」が80.4%と最も高い。年代別では、10代から60代では「インターネット」、70代では「テレビ」を最も利用している。
    4. メディアの重要度・メディアの信頼度
      • 「情報源としての重要度」は、全年代では「テレビ」が3%と最も高い。年代別では、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
      • 「娯楽としての重要度」は、全年代では「インターネット」が4%と最も高い。年代別では、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
      • 「メディアとしての信頼度」は、全年代では「新聞」が59.9%と最も高い。年代別では、30代及び70代を除く各年代では「新聞」が最も高く、30代及び70代では「テレビ」が最も高い
    5. テレビのリアルタイム視聴とインターネットの並行利用
      • 全年代では、平日、休日ともに「テレビ(リアルタイム)視聴」の時間帯別行為者率が高くなる20時台に、並行利用(ながら視聴)も高い行為者率となっている。
      • ゴールデン・プライム帯(19時台から22時台までの間)においては、「テレビ(リアルタイム)視聴」に占める並行利用(ながら視聴)の割合は、平日は30代の22時台、休日は20代の22時台で最も高くなっている。
    6. インターネットの利用項目別の利用時間
      • 全年代では、平日、休日ともに「動画投稿・共有サービスを見る」が最も長く、平日は「メールを読む・書く」、休日は「ソーシャルメディアを見る・書く」が次に長い。
      • 年代別に見ると、平日、休日ともに10代、20代の「動画投稿・共有サービスを見る」及び「ソーシャルメディアを見る・書く」の平均利用時間が長い。
      • 男女別では、「動画投稿・共有サービスを見る」の平均利用時間は男性が女性に比べて長く、「ソーシャルメディアを見る・書く」の平均利用時間は女性が男性に比べて長い。
    7. コミュニケーション系メディアの比較
      • 平均利用時間は、全年代では、平日は「メール利用」及び「ソーシャルメディア利用」が特に長く、休日は「ソーシャルメディア利用」が長くなっている。「ソーシャルメディア利用」は、平日、休日ともに10代及び20代の平均利用時間が長くなっている。
      • 行為者率については、10代から40代の「ソーシャルメディア利用」の行為者率が「メール利用」を超過。
    8. 目的別の利用メディア
      • 「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ため、10代から50代で「インターネット」、60代及び70代で「テレビ」を最も利用。
      • 「世の中のできごとや動きについて信頼できる情報を得る」ため、20代及び30代で「インターネット」を最も利用、40代は「テレビ」と「インターネット」が同率、それ以外の各年代で「テレビ」を最も利用。「新聞」は60代及び70代で「インターネット」を上回る水準で利用。
      • 「趣味・娯楽に関する情報を得る」ため、10代から60代で「インターネット」、70代で「テレビ」を最も利用
    9. メディアの重要度・メディアの信頼度
      • 「情報源としての重要度」は、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
      • 「娯楽としての重要度」は、10代から40代では「インターネット」が最も高く、50代から70代では「テレビ」が最も高い。
      • 「メディアとしての信頼度」は、30代及び70代を除く各年代で「新聞」が最も高く、30代及び70代では「テレビ」が最も高い。「テレビ」及び「新聞」の信頼度は、前回調査と比較して減少している。

~NEW~
総務省 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第1回)配付資料
▼ 資料1-3 総務省説明資料(ガバナンス関係)
  • フジテレビ第三者委員会報告書
  • 第9章 再発防止に向けた提言
    • 第1 ライツホルダー視点での人権侵害の被害者への対応
    • 第2 人権尊重を基軸に据えた事業と経営の体制構築
      1. 真に人権尊重に資する3つの取組みを迅速に進めること
        • 当社は、改めて取締役会がリーダーシップを発揮してハラスメントリスクを含む当社における重要な人権課題に関して十分に議論を尽くし、(1)人権方針実施体制の見直し、(2)人権デュー・ディリジェンスの強化、(3)人権救済メカニズムの構築、という人権尊重のための3つの取組みを迅速に進めるべきである。
      2. ハラスメントという重要な人権問題に関するリスク管理体制を見直すこと
        • 性的暴力・ハラスメントなどの人権問題は、当社経営に重大な影響を与える重要な経営課題であることを認識し、取締役会のリーダーシップの下で、そのリスクを効果的に管理するためにコンプライアンス・リスク管理体制を強化する必要がある。
        • 具体的には、リスク管理を原局任せにする「原局主義」から脱却し、社内のコンプライアンス専門部署に情報を共有し、組織的に対応する体制を整備すべきである。
        • また、アナウンサーが特に脆弱な立場におかれていることを認識し、ハラスメントや誹謗中傷などのリスクを管理し、職場環境を改善する体制を整備する必要がある。
      3. 取引先・取材先からのハラスメント(カスハラ)に対応する体制を構築すること
        • 有力な取引先と良好な関係を築くための「性別・年齢・容姿などに着目して呼ばれる会合」という悪しき慣習が、CXの社員が取引先の関係者からハラスメントを受けるリスクをもたらしてきた。このような慣習は、組織の人権侵害リスクを「助長」する可能性があり、かつ人的資本を毀損するおそれがある。
        • 過去の悪しき慣習を一掃し、取引先(出演者、芸能プロダクション、制作会社、スポンサー、広告代理店など)・取材先からのハラスメントに対応する体制を構築するとともに、取引先・取材先との健全な関係性を構築するための双方向の対話を始めるべきである。
      4. 人材の多様性(ダイバーシティ)の確保
        • 前記のとおり、組織の強い同質性・閉鎖性・硬直性と、人材の多様性(ダイバーシティ)の欠如が、思慮の浅い経営判断、セクハラを中心とするハラスメントに対する感度の低さをもたらしている。ジェンダーダイバーシティをはじめとする多様性を確保し、同質性等による弊害を解消することは、当社における喫緊の課題である。
    • 第3 取締役会及び監査等委員会・監査役のコーポレートガバナンス機能の強化
      • 2025年6月の定時株主総会に向けて役員指名ガバナンスを機能させること
      • 2025年6月以降にガバナンス機能を強化すること
        • 2025年6月の定時株主総会で新たな取締役会が組成されたら、役員指名ガバナンスの次には、役員報酬ガバナンス、次世代の経営人材を育成するサクセッションプランにも迅速に着手すべきである。
        • また、CXの事業活動の「外部不経済」「人的資本を毀損」という問題にも向き合い、CXの事業のサステナビリティに向けた議論を迅速に進めるべきである。
        • そして、社外取締役が中心となって、外部専門家のサポートも得ながら、今後当社が進める再発防止措置の実践状況を監督するモニタリング機関を設置し、再発防止措置の実践状況を定期的に開示して説明責任を果たすことが、スポンサーをはじめとするステークホルダーからの信頼回復のために必要である。
    • 第4 メディア・エンターテインメント業界全体で協働すること
      • 国連ビジネスと人権作業部会は、2024年5月1日に国連人権理事会に報告した訪日調査の報告書の中で、日本のメディア・エンターテインメント業界について、「放送局、出版社、大手広告会社などの主要企業は、性的虐待を予防し、人権リスクに対処するためにビジネス関係における影響力を行使することによる人権尊重責任を果たしていません。」と指摘した。
      • 性的暴力・ハラスメントという人権課題は、CXに固有のものではなくメディア・エンターテインメント業界における構造的な課題である。セクハラが行われても、「ここは芸能界だから」という加害者の甘えが罷り通り、それが被害者の諦めを生み、被害が再生産されてきた。
      • また、本調査報告書では正面から取り上げなかったものの、この業界には、力関係で劣後する制作会社、プロダクションなどの協力会社の役職員、タレントやフリーランス等に対する各種ハラスメントの問題も見受けられるところである。
      • この状況のまま放置されれば、この業界に人権意識の高い有望な若い人材が入ってくることも定着することも困難となり、いずれは業界の人的資本が枯渇するおそれがある。CXが直面する問題は、業界全体が直面する問題であり、業界全体のサステナビリティの問題である。
      • そして、こうした業界の人権課題に対する指摘がある中で、これまで巨額の広告出稿料を投じて広告効果を得てきた多くのスポンサー企業もまた、この業界の一員である。
      • 業界の第一線で長年活躍してきたトップタレントが引退に追い込まれ、スポンサーがCXへの広告出稿を全面停止したという未曽有の事態に直面したメディア・エンターテインメント業界は、今こそ業界全体での協働(コレクティブアクション)をとり、業界の健全化に向けた取組みを進めるべきである。
  • フジテレビに対する行政指導(令和7年4月3日)
    1. 令和7年1月23日付けで貴社が設置した第三者委員会より、令和7年3月31日付けで貴社が受領した「調査報告書」において、
      • 令和5年6月にフジテレビの番組の出演タレントと同社社員との間で生じた事案は、業務の延長線上における性暴力という人権侵害行為であると認められること。また、当時の同社の代表取締役社長らが、コンプライアンスや経営リスクの問題としてとらえることができず、会社の危機管理としての対処をせずに漫然と当該タレントの出演を継続させたこと。
      • 令和7年1月17日に実施された同社の記者会見は、結果として社会からの大きな批判を招くとともにスポンサー離れを加速させた事実からみれば、失敗に終わった事実は明らかであること。そこには、客観的な調査を行ってステークホルダーへの説明責任を全うしようという意識が決定的に欠落していたこと。
      • 経営陣の人権意識が低く、令和5年11月にフジ・メディア・ホールディングスが策定した人権方針について経営陣のコミットメントが不十分で社内浸透が図られず、人権方針が形ばかりのものであったこと。セクハラを中心とするハラスメントに寛容なフジテレビ全体の企業体質があり、全社的にハラスメント被害が蔓延していたと認められ、その原因としてはハラスメントの適切な対処がなされず、さらに被害が生ずるという負の連鎖が繰り返されてきたからと考えられること。
      • 取締役会による役員指名ガバナンスが機能不全に陥っていること。杜撰な役員指名の背景には、組織の強い同質性・閉鎖性・硬直性と、人材の多様性に欠如があること。
      • などが示され、当省からの確認に対して、これは貴社自身の調査結果であるとの回答があった。
    2. 今回の事態は、貴社が、放送事業者及び認定放送持株会社として本来有すべき放送の公共性や言論報道機関に係る社会的責任に対する自覚を欠き、広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤を失いかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を失墜させたものである。
      • 放送法は、放送事業者による自主自律を基本とする枠組みとしている。これは、放送事業者に対し、自らを律する機会を保障することにより放送法の規律が遵守されることが、放送における表現の自由を確保することになるとの考え方に基づくものである。
      • 今回の事態は、こうした放送事業者による自主自律を基本とする放送法の枠組みを揺るがすものであり、放送を公共の福祉に適合させ、その健全な発達を図ろうとする放送法の目的に照らし、極めて遺憾である。今後、同様の事態が二度と生ずることのないよう厳重に注意する。
    3. さらに、かかる事態を厳粛に受け止め、放送事業者及び認定放送持株会社としての道義的社会的責任を自覚し、貴社から報告のあった「人権・コンプライアンスに関する対応の強化策について」において示された対応の具体化とその着実な実施等を通じて、人権尊重、コンプライアンスやガバナンスに関する施策の実効性を確保するとともに、透明性をもって説明責任を果たす体制を構築し、国民視聴者及びスポンサー等の関係者の信頼回復に社をあげて取り組まれることを要請する。特に、今回の事案をコンプライアンスや経営リスクの問題としてとらえていなかった等の調査報告書の指摘を踏まえ、経営陣の意識改革を強く要請する。
    4. 上記の強化策の具体化については、4月中に、国民視聴者及びスポンサー等の関係者に対してその内容を明らかにするとともに、当省に報告されたい。
      • また、その実施状況についても、本日から3か月以内に同様にその内容を明らかにするとともに、当省に報告されたい。
      • なお、再発防止に向けた取組が十分でないと認められる場合には、貴社が真摯に取り組むよう必要な措置を求めることがあることを申し添える。
▼ 資料1-4 総務省説明資料(検討事項)
  • ガバナンスの原則・内容
    • 次の観点を踏まえ、放送事業を行うに当たって求められるガバナンスとして何が導かれるか。
      • 言論・報道機関としての役割
      • 事業を行うに当たって適切に評価すべきリスク
      • ステークホルダーの範囲と関係性
      • 時代の変化への対応の必要性
  • 実効性の確保
    1. ガバナンスの実効性を確保するために必要な方策として何が考えられるか。その際、放送事業者が
    2. 言論・報道機関であり、放送法が放送事業者の自主自律を基本とする枠組みであることを踏まえて、どのような点に留意すべきか。
    3. ガバナンスの実効性を確保するために、放送事業者、業界団体、国においてそれぞれどういった役割を果たすべきか。
    4. ローカル局などの小規模な放送事業者等におけるガバナンスの確保について、放送事業者の多くが非上場企業であることを踏まえて、留意すべき事項はあるか
  • その他
    • その他、放送事業者のガバナンス確保に関して留意・検討すべき事項は何か

~NEW~
総務省 デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会(第7回)・デジタル広告ワーキンググループ(第12回)・デジタル空間における情報流通に係る制度ワーキンググループ(第12回)合同会合 配付資料
▼ 資料7-2 広告ワーキンググループ中間取りまとめ(案)
  • デジタル広告の流通を巡る諸課題への対応に関するモニタリング指針
    1. 背景及び目的
      • デジタル広告の流通を巡っては、令和5年下半期以降、著名人等の個人又は有名企業等の法人になりすまし、投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘等を図る広告(なりすまし型「偽広告」)を端緒としたSNS型投資詐欺等の被害が急速に拡大した。総務省では、「国民を詐欺から守るための総合対策」(令和6年6月18日犯罪対策閣僚会議決定)を踏まえ、令和6年6月に、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者に対して、SNS等におけるなりすまし型「偽広告」への対応について要請を実施した。
      • 上記要請への対応状況については、デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会「デジタル広告ワーキンググループ」において、令和6年10月に、各プラットフォーム事業者に対してヒアリングを実施し、同年11月にヒアリング結果の評価を「ヒアリング総括」として公表した。各事業者の対応状況に関して、令和7年5月にフォローアップを実施したところである。
      • 上記を含む政府における対応以降、なりすまし型「偽広告」を端緒とした詐欺を含むSNS型投資詐欺の認知件数及び被害額は減少傾向となった一方、依然として高い水準にある。一方、令和7年4月のなりすまし型「偽広告」に関する各事業者の対応状況のフォローアップでは、令和6年11月の「ヒアリング総括」において「非公開」又は「回答なし」となった事項については更新事項がなかったところである。また、デジタル広告の流通を巡っては、正規品のロゴ等を使用し、あたかも正規品を販売しているかのように告知して模倣品を販売するサイトに誘導するなど、商標権等を侵害する広告をはじめ、様々な問題が指摘されている。これらの広告が流通・拡散することにより、権利者・利用者に被害がもたらされるだけでなく、表現の自由の基盤となるデジタル空間における情報流通の健全性が脅かされるおそれがあり、ひいては、民主主義にも影響を与えるおそれも指摘されている。
      • SNS等が国民生活や社会経済活動を支える社会基盤になっていること等を踏まえれば、プラットフォーム事業者はデジタル空間における情報流通の健全性の確保について一定の責任が求められる立場であり、SNS等のサービスの利用者に被害をもたらし得るデジタル広告の流通の防止・抑制に向けたプラットフォーム事業者による対策が不可欠である。上記を踏まえ、総務省において、こうしたデジタル広告の流通を巡る諸課題に関して、SNS等のサービスの利用者の保護の観点から、デジタル広告の事前審査や事後的な削除等に関するプラットフォーム事業者の対応状況について、継続的に実態を把握する必要がある。
      • 本指針は、デジタル広告を巡る諸課題について、総務省がプラットフォーム事業者の対応状況に関するモニタリングを実施し、必要な対応を検討するに当たっての方向性を整理したものである。なお、本指針については、デジタル広告市場の状況等を踏まえ、随時更新することとする。
    2. 対象事業者
      • モニタリングの対象は、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者とする。
    3. 対象とする広告
      • モニタリングを実施する広告は、他人の権利等を侵害しており、プラットフォーム事業者において、規約等により事前審査の不承認や事後的な削除等の対応の判断を行うことが可能な広告を対象とする。具体的には、なりすまし型「偽広告」や商標権等を侵害し模倣品を販売するサイトに誘導する広告を想定する。
    4. モニタリング項目及び着眼点
      • 他人の権利等を侵害する広告の流通の防止・抑制のため、広告出稿時の事前審査及び事後的な削除等の実効性確保の観点から、以下の項目についてモニタリングを実施する。なお、件数や体制等の定量的な数値については、日本におけるサービスに関する数値を把握することとする。モニタリングにおいては、各事業者の公表資料の分析や関連する調査結果の把握等を踏まえて質問票を作成するとともに、質問票への回答を踏まえてヒアリング実施等を判断することとする。
        1. 広告出稿時の事前審査等
          1. 事前審査基準の策定・公表等の状況
            • 事前審査基準における、モニタリング対象となる広告の記載状況
            • 利用者がデジタル広告をクリック又はタップした場合の直接の遷移先の情報も含めて審査の実施状況
            • 事前審査後、遷移先の情報(広告の内容や遷移先URL等)に変更があった場合の再審査の実施状況
          2. 自社が提供するSNS等におけるデジタル広告を端緒とする問題の実態等を踏まえた事前審査の実施状況について
            • 外部(捜査機関、被害を受けている企業・業界団体等)との情報交換の実施状況
            • 上記により把握した実態等を踏まえた事前審査強化の取組状況
            • 広告主や広告の内容に関する情報を利用者が検索・確認できることを目的としたライブラリー等の情報の公開状況
          3. 事前審査により掲載を認めなかった広告の件数の把握・公開状況
          4. 事前審査体制の整備状況
            • 日本語や日本の文化的背景を理解した人員を含む事前審査体制の整備・公開状況
            • AI等のシステムによる自動的な対応及び手動的な対応のそれぞれを含む審査体制の整備・公開状況
            • AI等のシステムによる事前審査の正確性向上のための取組状況
          5. 権利を侵害された者から通報があった場合の事前審査の強化等の状況
            • 権利を侵害された者から通報件数
            • 権利を侵害された者からの通報を受けた場合の、同様の広告に対する事前審査の強化等の状況
          6. 広告主の本人確認等の状況
            • 広告主(個人・法人)に対する本人確認方法
            • 広告代理店が広告を出稿している場合の広告主への本人確認の実施状況
            • その他、広告主が模倣品を販売していないことの確認方法
          7. その他必要事項
        2. 事後的な削除等
          1. 事後的な削除等の実施に関する基準等の策定・公表状況
          2. 迅速な削除対応の状況
            • 削除の申出を行うための窓口・ウェブページ・入力フォームの設置・公開状況
            • 上記窓口等を通じた申出の内訳及び対応状
            • 標準処理期間の設定状況
          3. 運用状況の透明化の状況
            • 日本語や日本の文化的背景を理解した人員を含む削除等の対応に当たる体制の整備・公開状況
            • 削除の申出件数及び実施件数
            • 広告主アカウント停止の申出件数及び実施件数
          4. その他必要事項
    5. モニタリングの頻度
      • モニタリングの頻度は、年に1回程度とする。なお、デジタル広告を巡る突発的な課題の発生等の状況を鑑み、総務省において迅速にモニタリングを実施することとする。
▼ 資料7-3 制度ワーキンググループ中間取りまとめ(案)概要
  • デジタル空間における違法・有害情報への対応
    • インターネットは、多様なコミュニケーションや、情報発信・情報収集を可能とし、人々の日常生活や社会経済活動は飛躍的に発展。現在では、社会生活や経済活動に必要不可欠な場となっている。近時は、スマートフォン等の普及とともに、SNS等のソーシャルメディアや動画共有サービスの利用が急速に拡大し、個人による情報発信がより容易かつ身近になった。
    • その一方で、インターネットにおいて、誹謗中傷をはじめとする違法・有害情報の流通・拡散は依然深刻な状況。また、生成AI等の新しい技術やサービスの進展及びデジタル広告の流通に伴う新たなリスクなど、インターネットにおける情報流通に伴う様々な諸課題が発生。
    • 本WGでは、インターネット上の違法・有害情報への対応について、情報の種類に着目した対応(例:法令違反情報の削除等)と情報の種類に着目しない対応(例:レコメンダシステム)が考えられるところ、議論が実施しやすいよう、(1)情報の種類に着目した切り口と(2)事業者のサービス設計に着目した切り口の2つに分類し、諸外国の政策動向も踏まえつつ、検討を行った。
  • 中間取りまとめのポイント~(1)情報の種類に着目した対応
    1. 違法情報
      1. 権利侵害情報
        • 現状:情プラ法の迅速化規律が適用
        • 課題:(情プラ法が4/1に施行)
        • 提言:情プラ法の適切な運用
      2. 法令違反情報
        • 現状:情プラ法の迅速化規律は適用外
        • 課題:事業者による判断や対応が、以下の理由により、必ずしも迅速に行われない可能性。
          • 事業者によっては、行政機関向けの通報窓口がない。
          • 事業者によっては、通報の優先対応をしていない。
        • 提言:行政機関からの通報に対する迅速な対応は、制度的対応の方向性として有効な手段。表現の自由にも配慮しつつ、ニーズを把握した上で、
          • 窓口整備などの体制整備:実態を把握・分析し、対応を検討
          • 通報する情報の範囲:特に優先的に対応すべき法令違反情報の絞り込みを行った上で、通報を行う行政機関の透明性の確保の在り方と併せて、対応を検討
          • 発信者の手続保障:異議申立手続を追加的に整備するなど、発信者への手続保障のための対応を検討
    2. 有害情報
      • 現状:情プラ法の迅速化規律は適用外
      • 課題:法令により個別の情報の削除を事業者に求めることは、表現の自由の観点から、極めて慎重であるべき。
      • 提言:一部の有害情報については、個別法において違法であることを明確化したり、新たに違法化されることで、事業者による削除等の適切な対応が図られる
      • 「サービス設計に着目した対応」も併せて検討
  • 中間取りまとめのポイント~(2)サービス設計に着目した対応~
    • 本WGでは、SNS等のサービス設計(※)の在り方についても議論。(※サービスの構造そのもの)
    • これらのサービス設計は、利用者の利便性の向上に資するものであると考えられるが、違法・有害情報の流通・拡散を容易にし、また、利用者が触れる情報に偏りを生じさせるといった課題もある。
    • 事業者自身がサービス設計・提供の当事者として、こうした課題への適切な対応について責任を果たすべき。
      1. 違法・有害情報が流通するリスクと対応
        • 事業者が提供するサービス特性は様々であり、サービスから発生し得るリスクも様々
        • 自身のサービスを最もよく知る事業者が、サービス上で流通する違法・有害情報の状況やサービス設計に起因するリスクや社会的影響について自ら評価し、サービス設計上、リスクに応じた対応を自ら実施することが重要
        • 考え得るサービス設計による対応:レコメンダシステムの透明化等、収益化停止措置、リスク評価・軽減措置
      2. 適切な情報開示の在り方
        • 利用者が今見ている情報はなぜ表示されているのか、利用者の間で正確な理解が必ずしも十分に広がっているわけではない状況
        • 考え得るサービス設計による対応:信頼できる情報の優先表示、AI生成物かどうかがわかるラベル付与
      3. 利用者の確認に関する対応の在り方
        • 偽・誤情報や誹謗中傷の投稿の発信を抑止すること、また、犯罪捜査の観点から発信者のトレーサビリティを確保することが重要
        • 匿名表現の自由との関係も踏まえつつ、対応の在り方を整理することが重要
        • 考え得るサービス設計による対応:アカウント開設時の本人確認
  • 業界団体が策定する約束集(行動規範)。総務省は、年内の策定に向けて、積極的に支援等を行うべき
    1. 違法・有害情報の流通・拡散
      1. レコメンダ(推奨)機能の透明化等
        • (1)レコメンダシステムの透明性の確保、(2)プロファイリングに基づかない情報表示の選択肢の利用者への提供等、制度的対応を中心に検討を深めていくことが適当
      2. 収益化停止措置
        • インプレッション数獲得目当ての投稿を減らす等、一定の効果が見込まれるが、表現内容に一定の制約を与えるものであり、有害情報に対する一律の収益化停止措置は、現時点では慎重な検討を要する。
        • まずは事業者自らが取組を約束する※ことで対応することが望ましい。
        • 事業者の取組が不十分な場合、速やかに制度的対応を検討することが適当。
        • ただし、災害時など速やかな対応が求められる状況では、制度的対応もあり得る。
      3. リスク評価・軽減措置
        • 事業者ごとにサービスの内容は様々であり、当該サービスに具備される機能がもたらす様々なリスクへの対応はサービスを設計する事業者自身が実施すべきものである。まずは事業者自らが取組を約束することで対応することが望ましい。
        • 事業者の取組が不十分な場合、速やかに制度的対応を検討することが適当。
    2. 適切な情報表示
      1. 信頼できる情報の優先表示
        • 事業者ごとにサービスの内容は様々であり、当該サービスに具備される機能がもたらす様々なリスクへの対応はサービスを設計する事業者自身が実施すべきものである。まずは事業者自らが取組を約束することで対応することが望ましい。
        • 事業者の取組が不十分な場合、速やかに制度的対応を検討することが適当。
      2. AI生成物へのラベル付与
        • 事業者ごとにサービスの内容は様々であり、当該サービスに具備される機能がもたらす様々なリスクへの対応はサービスを設計する事業者自身が実施すべきものである。まずは事業者自らが取組を約束することで対応することが望ましい。
        • 事業者の取組が不十分な場合、速やかに制度的対応を検討することが適当。
      3. 利用者の確認
        • アカウント開設時の本人確認
        • 匿名表現の自由の保障の観点から、合憲性の評価の際には慎重な比較衡量を行うことが必要。

~NEW~
国土交通省 「令和7年版国土交通白書」を公表します。~みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して~
▼ 【資料1】令和7年版国土交通白書 概要
  • みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して
    • 我が国は、少子高齢化・人口減少が深刻化する中、公務サービスを含むあらゆる産業分野において、労働力の減少が懸念されている。
    • 建設業や運輸業では、今後も就業者の高齢化・若年者の入職の減少が見込まれ、中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題となっている。これに、いわゆる「2024年問題」に加え、エネルギー・資材の物価高等の社会情勢の変化も相まって、生活に必要な身近なサービスの維持・存続が危ぶまれる状況である。
    • こうした「担い手不足等によるサービスの供給制約」に対し、国土交通分野では、労働者の処遇改善や担い手の拡大による労働環境の改善、より少ない人員でサービス供給を可能な限り維持するための新技術の利活用による省人化・省力化の推進、また、供給方法の見直し・需要者側からの協力といった取組も見られ、このような動きが今後、加速していくと考えられる。
    • このような背景等を踏まえ、令和7年版国土交通白書の第1部では、「みんなで支え合う活力あふれる社会を目指して」をテーマとし、担い手不足等によるサービスの供給制約を踏まえた様々な取組を広く取り上げ、これを国土交通分野における課題解決に向けた施策の新展開の萌芽として整理し、我が国の将来を展望する
  • 担い手不足等によるサービスの供給制約
    • 建設業や運輸業では、労働時間が他産業に比べて長く、賃金も低い状態の中で、時間外労働の上限規制に関わるいわゆる「2024年問題」に直面。他産業と比較して高齢化が顕著であり、今後も就業者の高齢化・若年者の入職の減少が見込まれ、中長期的な担い手の確保・育成が喫緊の課題。また、エネルギー・資材の物価高等、サービス供給を取り巻く社会情勢の変化に伴い、サービスの供給主体には、様々な影響が発生。
    • 各将来推計に基づくと、建設技術者数・建設技能労働者数は、2025年以降も減少する見込み。また、物流分野の輸送力は、2030年度には約34%不足する見込み。さらに、バスの運転手数は、2030年に必要人員全体の28%不足する見込み。
  • サービスの供給制約に対する国民意識
    • 担い手不足等によるサービスの供給制約の現状と課題を踏まえ、国土交通分野には、 「賃上げを含む処遇改善による担い手の確保」、「適切な価格転嫁や生産性向上等に関する取組の推進」、「分野の垣根を越えた横串の発想」等の取組が期待される
    • 身近なサービスのうち、廃止あるいはサービス水準の低下が生じると困るものをたずねたところ、「メンテナンス不足で、水道の断水・漏水が発生する」と回答した人が最も多く、次に、「近くの鉄道やバスが減便・廃止される」、「宅配便や郵便物が届くまでの時間が延びる」が多く、生活に密着したサービスの維持が求められている。
    • 年代別に見ると、20代以下、30代は「宅配便や郵便物が届くまでの時間が延びる」を困るものとして回答した人が多く、比較的若い世代には、物流に関するサービスの維持が求められている。
  • 国土交通分野における施策の新展開の萌芽
    • 人材確保が喫緊の課題である国土交通分野において、技術の継承を図り、将来を担う若者の入職・定着を促すためには、担い手にとって魅力ある産業となるよう、賃上げを含む処遇改善、労働環境の改善や担い手の拡大が重要。
    • 働き方改革を推進し、長時間労働の是正と生産性の向上により業務効率化等が進むことも期待。
    • 少ない人員でもサービス供給が維持できるよう新技術等の導入を促進。
    • 「技術で人を代替」(物流施設の自動化、鉄筋結束ロボット)、「技術で作業効率の向上」(ダブル連結トラック、ドローン物流)、「技術が資格・作業能力を補完」(自動運転バス、自動施工)の大きく3つに分類。
    • 労働需給の逼迫が深刻化していく中、サービスの廃止・撤退といった最悪の事態を回避するために、担い手の確保、省人化・省力化の利活用など、需要者側に負担をかけずに供給力を維持する努力が続けられている。
    • 地域の実情に合わせて、サービスの供給方法を見直したり、サービス内容を合理化するなど、サービスの需要者・消費者(エンドユーザー)側の理解・協力の下、様々な工夫・やり繰りで総合的に取り組む事例が見られる。
  • 望ましい将来への展望
    • 「今後、人手不足が深刻化する中でも、どのようなサービスが保たれた社会を望むか」の質問では、「社会インフラの安定的利用」、「物流サービスの確保」、「地域の移動を支える公共交通網の充実」への期待度が高い。
    • 「みんなで支え合う活力あふれる社会」に向けて、サービスの消滅を何としても回避するため、供給側が供給力の維持に努めることに加え、需要者を含む関係者全体で供給制約の問題を共有し、サービスレベルの低下を受け入れる国民的合意の形成が期待される。
    • サービスの供給方法の見直しや需要者側の協力等の取組についての質問では、受容する旨の回答割合は、平均で約7割。
    • 「移動の時間や手間が増えるが、集約された路線バスの幹線と支線への乗換えを前提とする移動」や、「受取場所へ出向く負担がかかるが、自宅以外の場所での宅配便の受取り」など、各質問で受け入れられる(問題なく受け入れられる、受け入れられる、やむをえず受け入れる、の合計)と回答した割合は半数以上。
    • 「サービスの供給方法の見直しに関する取組について、行政にどのような役割を期待するか」の質問では、「民間資金・ノウハウを活用した整備の促進(PPP/PFI)」や「インフラ集約・再編の推進」の回答割合が多い。
    • 「サービスを維持するための取組として、民間の資金・ノウハウを活かす官民連携(PPP/PFI)の取組について」の質問では、 「必要な範囲に限り担ってもらうべき」及び「積極的に担ってもらうべき」と回答した割合が約7割となり、公共サービスの分野において民間領域を広げることに、大きな抵抗感は見られない。
    • みんなで支え合いながら、活力あふれる社会を目指す姿を展望。
    • 省人化・省力化技術を活用した業務効率化として先端技術による「維持管理」、「物流輸送」等の事例を紹介。
    • 将来の人口減少及び高齢社会では、「未来の働き方」、「未来の省人化・省力化技術」、「未来のサービス」が普及し、わたしたちのサービスが維持されていく側面に焦点を当て、想定される暮らしをイラストで紹介。

~NEW~
国土交通省 令和7年4月の宅配便の再配達率は約8.4%
  • 国土交通省では、トラックドライバーの人手不足が深刻化する中、再配達の削減を図るため、宅配ボックスや置き配をはじめ多様な方法による受取を推進しており、これらの成果を継続的に把握すること等を目的として、宅配便の再配達率のサンプル調査を年2回(4月・10月)実施しています。
  • 令和7年4月の宅配便再配達率は約8.4%で、比較年度である令和4年10月(約10.6%)と比べて約2.2ポイント減となりました。
  • 近年、多様化するライフスタイルとともに電子商取引(以下EC)が急速に拡大し、令和5年度には、EC市場が全体で24.8兆円規模、物販系分野で14.6兆円規模となっています。また、ECの拡大に伴い宅配便の取扱個数は約50億個(令和5年度)となっています。
  • 一方で、我が国の物流は、トラックドライバーの時間外労働の上限規制等により、トラックドライバーの担い手不足が顕在化し今後も深刻化することが見込まれる中、再配達率の高止まりによる宅配事業者の負担の増加等により物の持続可能な提供が困難となる事態などに直面しています。
  • 宅配便の再配達率削減はドライバーへの負担軽減につながり、ラストマイル配送における効率化に向けて必要不可欠な取組です。国土交通省では、引き続き宅配便の再配達率削減に取り組んでまいります。

~NEW~
国土交通省 「上下水道政策の基本的なあり方検討会」の第1次とりまとめを公表します~強靱で持続可能な上下水道に向けた組織・経営改革の始動~
▼ 別紙1(第1次とりまとめの概要)
  • 基本認識
    • 「最」重要インフラである上下水道の安全・安心を取り戻すため、国は確固たる方針と強い決意を持ち、これまでのあり方にとらわれない改革を強力に推進する必要。
    • 人口減少による料金収入等の減少、維持管理・更新費等の増大や、経営基盤が脆弱な小規模事業体が多数を占める現状を踏まえれば、近い将来、事業運営に限界が生じることは必至。規模のメリットを生かし専門人材を確保するなど、持続的な経営体制を構築するため、単一市町村による経営にとらわれず、「経営広域化」※を国が主導して実現する必要。
    • 国・事業体等の関係者は、料金等の安さが優先されるあまり安全・安心に必要な投資を先送りしてこなかったかを真摯に振り返り、更新投資を適切に行うとともに次世代に負担を先送りしないための経営改善・財源確保や適正な受益者負担を改めて考えることが必要。
    • 現状の延長線ではこの危機を乗り越えることはできないとの健全な危機感をあらゆる関係者・国民で共有し、産学官が一体となって強靱で持続可能な上下水道を再構築するため、速やかに行動を開始する必要。
  • 強靱で持続可能な上下水道を実現するための基盤の強化に向けた取組の方向性
    1. 単一市町村による経営にとらわれない経営広域化の国主導による加速化
      1. 経営広域化を加速化させる方針・責務の明確化と意識改革
        • 危機感の醸成や経営広域化の効果の明確化による意識改革
        • けん引役としての都道府県の役割をはじめ、関係者の責務の明確化(下水道については制度的対応が必要)
      2. 経営広域化の規模等についての考え方の提示
        • 経営広域化の取組が特に必要な規模等について、対象人口や職員数も踏まえた一定の考え方を提示
        • 都道府県単位やそれ以上の広がりを視野に入れたエリアの考え方の提示。上下水道一体での経営広域化の推進
      3. 上下水道DXの標準実装、資機材規格の統一など経営広域化を円滑に進めるための取組の推進
      4. 経営広域化を加速する国主導の取組(ロードマップの策定、モデル事業等による圏域形成支援、インセンティブ検討、財政支援の集中化等)
    2. 更新投資を適切に行い次世代に負担を先送りしない経営へのシフト
      • あらゆる関係者や国民と健全な危機感を共有するための経営課題の見える化(水道カルテに加え下水道カルテの公表等)
      • 先送りによる収支均衡から適切な投資・経営計画へのシフト(メリハリをつけた点検・更新の考え方や多様な経営改革手法の提示等)
      • 更新投資を先送りしない適正な料金設定等の考え方の更なる明確化(資産維持費※の明確化、下水道については制度的対応が必要)
      • 料金等の地域格差や料金等の水準に関する考え方の提示
    3. 官民共創による上下水道の一体的な再構築と公費負担のあり方の検討
      1. 官民共創による上下水道の一体的な再構築、関連施策のシナジー効果の発揮
        • 広域型・上下水道一体・他分野連携(群マネ)など質の高いウォーターPPPの推進(全体最適を意識した、より質の高い枠組みへの重点支援等)
        • 官民共創に資する、バックキャストによる計画的な取組の推進(基盤強化に向けた国による基本方針や都道府県計画・協議会制度の活用等)
        • 今後検討すべき事項:上下水道一体によるシナジー効果の整理、集約型と分散型のベストミックスの推進、人材確保・育成、強靱化のあり方 等
      2. 1.2.等による経営基盤強化の取組の推進や、強靱化の加速化、公益性の観点も踏まえた、公費負担のあり方の検討
  • おわりに
    • 本第1次とりまとめを踏まえ、関係省庁と連携し検討を深化させ、必要な制度改正や具体的な取組が実施されることを期待
    • 今後は、第1回・第2回で議論された「2050年に目指す社会の姿と上下水道の論点」に基づき、3.(1)の今後検討すべき事項のほか、脱炭素など多様な社会的要請に関する重要テーマについて議論を行い、今後10年程度の上下水道政策の方向性について、段階的にとりまとめを行う予定

~NEW~
国土交通省 “防災・減災対策等強化へ”44億円配分~融雪や豪雨等への緊急対策に必要な予算を支援します~
  • 国土交通省は、「防災・減災対策等強化事業推進費」の令和7年度 第1回配分として、国及び地方公共団体が実施する29件の公共事業(河川・道路・農業)に対し、44億円の予算配分を決定しました。
  • 「防災・減災対策等強化事業推進費」は、災害を受けた地域等で災害復旧事業の対応が出来ない場合等における再度災害防止等の対策、交通インフラ(陸上交通、海上交通、航空交通)において重大事故等が発生した場合の対策(安全性の向上)、突発的な事象への緊急的な対策や新たな課題への追加対策(公共交通の安全確保を含む)に対して、年度途中に緊急的・機動的に予算を配分します。
  • 配分事業の概要(29件51億円(国費))
  • 災害を受けた地域の再度災害防止対策
    • 洪水・浸水対策(河川) 1件 1.00億円
    • 崖崩れ・法面崩壊等対策(道路) 5件 14.79億円
  • 突発的な事象への緊急的な対策等が必要となった地域の事前防災対策
    • 洪水・浸水対策(河川、農業) 12件 17.54億円
    • 崖崩れ・法面崩壊等対策(道路) 9件 9.80億円
    • ため池の防災対策(農業) 2件 0.38億円

~NEW~
国土交通省 「土地の戸籍」に関する最新の調査実施状況を公表します~「優先実施地域」の進捗率が81%に上昇 ~
  • 土地の境界や面積などの基礎的な情報である地籍は「土地の戸籍」とも呼ばれ、昭和26年の国土調査法制定時から主に市町村が主体となって調査が進められています。令和6年度の調査実績は623㎢となり、令和6年度末時点での進捗率は、全国の「地籍調査対象地域」※1で53%、「優先実施地域」※2で81%となりました。
  • 地籍の明確化は、土地取引の円滑化のみならず、災害からの早期の復旧・復興や効率的なインフラ整備、まちづくり等を進める上で大きな役割を果たします。また、成果は自治体が保有するGIS等にも取り込まれ行政サービスの効率化に寄与するほか、法務局へも送付され、登記記録の修正や登記所備付地図として利用されます。
  • なお、登記所備付地図は、令和5年1月よりG空間情報センターのウェブサイト上でオープンデータとして無償公開されています。
  • 令和6年度の調査実績は623㎢となり、全体の調査実績は前年の調査実績(692㎢)を下回ったものの、同年度末時点での進捗率は、全国の「地籍調査対象地域」で53%、「優先実施地域」で81%となりました。
  • 第7次国土調査事業十箇年計画後半に向け、令和6年度に地籍調査作業規程準則の改正を行い、通知に無反応な土地所有者等に対応した調査手続きの導入、リモートセンシングデータを活用した地籍調査の対象地域の拡大を実施しており、これらの活用も推進し地籍調査の加速化に取り組んでまいります。
    • ※ 1 全国土面積から、国有林野及び公有水面(湖沼や河川等)の面積を除いた地域が対象
    • ※ 2 土地区画整理事業等により一定程度地籍が明確化された地域、土地の取引が行われる可能性が低い地域を除く地域

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