危機管理トピックス
更新日:2025年7月22日 新着16記事

【新着トピックス】
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
- 文部科学省 令和6年度 文部科学白書
- 防衛省 令和7年版防衛白書
- 首相官邸 外国人との秩序ある共生社会推進室発足式
- 内閣府 7月21日は海の日。海に触れてみませんか?
- 消費者庁 地方公共団体における食品ロス削減の取組状況
- 国土交通省 2030年までに日本人クルーズ人口を100万人とする新たな目標を定めます!~「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会」とりまとめを公表します。~
- 経済産業省 生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」において、新たに計算資源の提供支援を行うAI基盤モデル開発テーマ計24件を採択しました
金融庁
- 「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について
- 金融安定理事会による「ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靭性向上:進捗報告書」の公表について
警察庁
- 令和7年上半期における車名別盗難台数の状況
- ランサムウェアPhobos/8Baseにより暗号化されたファイルの復号ツールの開発について
国民生活センター
- 2025年7月号【No.155】(2025年7月15日発行)
- ヘアアイロンによる子どものやけど 置き場所や置き方に気をつけて
総務省
- 情報通信審議会 総会(第53回)配付資料・議事概要・議事録
- 株式会社インターネットイニシアティブに対する通信の秘密の保護に係る措置(指導)
- 情報通信法学研究会AI分科会(令和7年度第1回会合)
~NEW~
文部科学省 令和6年度 文部科学白書
▼ 科学技術・学術政策の総合的推進
- Society5.0サービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術
- AI等情報科学技術の研究開発の推進
- Society5.0の基盤技術である人工知能技術について、政府はAIの様々な課題に対応するため令和5年5月に「AI戦略会議」を新たに設置し、「AIに関する暫定的な論点整理」を取りまとめるとともに、6年6月に閣議決定した「統合イノベーション戦略2024」では、AIの技術変化や国際動向を踏まえて、AI分野の競争力強化と安全・安心の確保、国際的な連携・協調の推進を目的としたAI戦略を打ち出しています。
- 具体的には、競争力強化に向けたAIの計算資源整備・拡充や、令和6年2月に設置した「AIセーフティ・インスティテュート」を中心としたAI安全性の評価手法の検討、行政事務における生成AIの活用など様々な取組が進められています。
- また、令和6年7月AI戦略会議の下に「AI制度研究会」を設置し、AIの透明性などの適正性を確保し開発・活用を進めるためのAI制度の在り方について「中間とりまとめ(案)」を同年12月に公表しています。
- 文部科学省では、「AIP(Advanced Integrated Intelligence Platform Project):人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト」として、理化学研究所に設置した革新知能統合研究センター(AIPセンター)における研究開発とJSTにおける「戦略的創造研究推進事業(新技術シーズ創出)」による研究支援とを一体的に推進しています。具体的には、理化学研究所AIPセンターにおいて、①深層学習の原理解明や汎用的な機械学習の基盤技術の構築、②我が国が強みを持つ分野の科学研究の加速や我が国の社会的課題の解決のためのAI基盤技術等の研究開発、③AI技術の普及に伴って生じる倫理的・法的・社会的問題(ELSI)に関する研究等を実施するとともに、JSTを通じて、AI等の分野における若手研究者の独創的な発想に基づく研究や、新たなイノベーションを切り開く挑戦的な研究課題に対する支援(AIPネットワークラボ)を一体的に推進することで、AI基盤技術に関する政府全体での総合的な取組に貢献しています。また、情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)に設置した大規模言語モデル研究開発センターにおいて、アカデミアを中心として、産学官の多様なプレイヤーが参画する生成AIモデルの研究開発に関するオープンなコミュニティを形成し、生成AIモデルに関する研究力・開発力の醸成および生成AIモデルの学習・生成機構の解明等による透明性・信頼性の確保に資する研究開発に取り組んでいます。
- あわせて、文部科学省では、Society5.0以降を見据えた未来社会における大きな社会変革を実現可能とする革新的な情報通信技術の創出と、革新的な構想力を有した高度研究人材の育成に取り組み、我が国の情報通信技術の強化を実現するため、JSTを通じて、令和6年度から新たに情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)を実施しています。CRONOSでは、挑戦的な研究開発を促す上で、情報通信科学の常識を変えるビジョンを有するとともに社会問題への大きなインパクトをもたらす挑戦的な目標であるグランドチャレンジを設定し、その達成に向け、基礎研究と応用研究の垣根を越える機動的な運用スキームの下で、様々な研究アプローチにおける革新的な情報通信技術の創出と人材育成を推進しています。
- 研究のデジタル・トランスフォーメーション(研究DX)の推進
- ポストコロナ社会において研究活動におけるニュー・ノーマルを実現するためには、研究のデジタル・トランスフォーメーション(研究DX)を推進し、新たな科学的手法の発展や魅力的な研究環境の構築、生産性の向上を図ることが重要です。
- そのために文部科学省では、研究データを戦略的に収集・共有・活用するための取組やAI・データ駆動型研究を推進するとともに、時間や距離に縛られず研究を遂行できるように研究施設・設備のリモート化・スマート化を推進しています。同時に、これらの基盤となる次世代デジタルインフラとして、高速通信ネットワーク「SINET」やスパコン「富岳」をはじめとした高性能・大規模な計算資源の整備や機能強化に取り組む等、総合的に研究DXを推進しています
- 量子技術イノベーションの戦略的な推進
- 量子技術は、例えば量子コンピュータにより近年爆発的に増加しているデータの超高速処理を可能にすると考えられるなど、新たな価値創出のコアとなる強みを有する基盤技術です。そのため、海外では米欧中を中心に、「量子技術」を、社会に変革をもたらす重要・新興技術と位置づけ、政府主導で研究開発戦略を策定し、研究開発投資額を増加させています。さらに、世界各国の大手IT企業も積極的な投資を進め、ベンチャー企業の設立・資金調達も進んでいます。
- こうした量子技術の先進性やあらゆる科学技術を支える基盤性と、国際的な動向に鑑み、政府は令和2年1月、統合イノベーション戦略推進会議の下、国家戦略として「量子技術イノベーション戦略」を策定しました。同戦略に基づき「量子技術イノベーション拠点」(7年1月現在、国内11拠点)を整備し、拠点を中心として戦略的な研究開発等に取り組んできました。また、量子産業をめぐる環境が変化する中で、将来の量子技術の社会実装や量子産業の強化を実現するため、4年4月に「量子未来社会ビジョン」を策定し、量子技術の国内利用者1,000万人などの2030年に目指すべき状況を示し、その後、5年4月には「量子未来産業創出戦略」を策定し、2030年目標を実現していくために産学官の連携の下で重点的・優先的に取組むべき内容をまとめました。さらに、昨今の量子技術の著しい進展や各国の戦略、国内外の実用化・産業化の状況変化にいち早く対応するため、既存三戦略の下、早急に強化・追加すべき取組を、6年4月に「量子産業の創出・発展に向けた推進方策」としてまとめ、政府全体として取組を推進しています。文部科学省では、平成30年度から実施している「光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)」において、①量子情報処理(主に量子シミュレータ・量子コンピュータ)、②量子計測・センシング、③次世代レーザーを対象としたFlagshipプロジェクトや基礎基盤研究、人材育成プログラム開発を推進しています。このほか、量子科学技術研究開発機構(QST)では、量子技術イノベーション拠点として、量子生命拠点(令和3年2月発足)において、量子計測・センシング等の量子技術と生命・医療等に関する技術を融合した量子生命科学の研究開発に取り組むとともに、量子技術基盤拠点(5年4月発足)において、高度な量子機能を発揮する量子マテリアルの研究開発等に取り組んでいます。
- 価値共創型の新たな産業を創出する基盤となるイノベーション・エコシステムの形成
- 国内外の知的資源を活用し、新しい価値の創出とその社会実装を迅速に進めるため、企業、大学、公的研究機関の本格的連携とベンチャー企業の創出強化等を通じて、人材、知、資金が、組織やセクター、さらには国境を越えて循環し、各々が持つ力を十分に引き出し、イノベーションが生み出されるシステム構築を進め、我が国全体の国際競争力を強化し、経済成長を加速させることとしています。
- 政府は、産学官連携の体制を強化し、企業から大学・国立研究開発法人等に対する投資額を令和7年度までに平成26年度の3倍に増やすことを目指すこととしています。
- この政府目標を踏まえ、文部科学省は経済産業省と共同して開催した「イノベーション促進産学官対話会議」において、産業界から見た、大学・国立研究開発法人が産学官連携機能を強化する上での課題とそれに対する処方箋を取りまとめた「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を平成28年11月に策定し、「組織」対「組織」の本格的な連携体制の構築を促してきました。加えて、本取組を一層加速させるため、ガイドラインに基づく体制構築に向けて大学等においてボトルネックとなっている課題への処方箋や、産業界における課題とそれに対する処方箋を「追補版」として取りまとめ、令和2年6月に公表しました。さらに、4年3月にはガイドライン及び追補版の記載内容についての理解に資するため、実務者にとって実効性が高い具体的な手法や解釈を「ガイドラインを理解するためのFAQ」として整理するとともに、ガイドライン及び追補版の記載内容へのアクセス性を向上させるため、「ガイドライン検索ツール」として記載内容をデータベース化しました。5年3月には、ガイドライン、追補版、FAQの考え方を踏まえ、大学等の「知」の価値を評価・算出する方法を実務的な水準まで整理した「産学協創の充実に向けた大学等の「知」の評価・算出のためのハンドブック」を取りまとめました。
- さらに内閣府及び経済産業省とともに、ガイドラインの附属資料として、大学が有する多くのミッションの中でも、大学知財の社会実装機会の最大化及び資金の好循環を達成しようとする場合に必要となる、大学における知財マネジメント及び知財ガバナンスに関する考え方を示す「大学知財ガバナンスガイドライン」を取りまとめました。また、7年3月、一般社団法人日本経済団体連合会及び経済産業省と共同で「大学ファクトブック2025」を公表し、産学官連携活動に関する大学の取組の「見える化」を進めました。
- 平成16年4月の国立大学法人化以降、総じて大学等における産学官連携活動は着実に実績を上げています。令和5年度は、大学等と民間企業との「共同研究実施件数」は3万1,185件(前年度比9%増)、「研究費受入額」は約1,028億円(前年度5.2%増)と、前年度と比べて研究費受入額は増加しており、このうち1,000万円以上の「共同研究実施件数」は1,937件、「研究費受入額」は約595億円、また「特許権実施等件数」は2万4,870件になっており、これらも前年度と比べて着実に増加しています。
- 企業、大学、公的研究機関における推進体制の強化
- 大学等の知財マネジメント力向上のためには、技術移転機関(TLO:Technology Licensing Organization)と連携することも重要な方策となります。TLOは、大学等の研究成果に基づく特許権等について企業に実施許諾を与え、その対価として企業から実施料収入を受け取り、大学等や発明者である研究者に研究資金として還元することなどを事業内容とする機関です。令和7年3月末時点で、30のTLOが、「大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律」に基づいて、文部科学省及び経済産業省の承認を受けて活動しています。
- 科学技術振興機構(JST)は、優れた研究成果の発掘・特許化を支援するための取組を進めています。具体的には、「知財活用支援事業」において、大学等における研究成果の戦略的な外国特許取得の支援、各大学等に散在している特許権等の集約・パッケージ化による活用促進を実施するとともに技術移転人材の育成強化を図るなど、大学等の知的財産の総合的活用を支援しています。
- 人材、知、資金が結集する「場」の形成
- 科学技術によるイノベーションを効率的にかつ迅速に進めていくためには、産学官が協働し、取り組むための「場」を構築することが重要です。具体的には、JSTの「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」において、令和2年度から、国連の持続可能な開発目標(SDGs)にもとづく未来のありたい社会像の実現に向けた、バックキャスト型の研究開発を行う産学官共創拠点の形成を支援しています。現在、国の政策方針に基づき文部科学省が設定する「政策重点分野」、国レベルやグローバルレベルの社会課題の解決を目指す「共創分野」、地域が自立的に地域課題解決・地域経済発展を進めることができる持続的な地域産学官共創システムの形成を行う「地域共創分野」を設け、支援を行っています。6年度は、価値の創出に向けた産学官共創の研究開発とそのマネジメントを推進する本格型について33件の拠点を支援しています
- 民間の研究開発投資促進に向けた税制措置
- 民間企業の研究開発投資を維持・拡大することにより、イノベーション創出につながる中長期・革新的な研究開発等を促し、我が国の成長力・国際競争力を強化するため、企業等の試験研究費のうち一定割合に相当する金額を法人税額や所得税額から控除する措置(研究開発税制)を設けています。
- また、大学・研究機関等の共同研究等を促進する観点から、企業等の試験研究費のうち、大学等との共同研究等に要した費用(特別試験研究費)については、より高い割合に相当する金額を法人税額等から控除する措置(特別試験研究費税額控除制度(オープンイノベーション型))を設けています。
- 令和5年度税制改正では、国内の既存企業とスタートアップとのオープンイノベーションを加速させるため、オープンイノベーション型において、共同研究等の対象となる研究開発型スタートアップの定義を見直したほか、質の高い研究開発を促進し、革新的なイノベーションを生み出す観点から、博士号取得者等を雇用した場合に、一定要件の下、その人件費の一部を税額控除する類型を新たに創設するなどの改正を行いました。
- AI等情報科学技術の研究開発の推進
~NEW~
防衛省 令和7年版防衛白書
▼ 令和7年版 日本の防衛
- わが国を取り巻く安全保障環境
- 概観
- 戦後最大の試練の時を迎える国際社会
- 普遍的価値やそれに基づく政治・経済体制を共有しない国家が勢力を拡大。力による一方的な現状変更やその試みは、既存の国際秩序に対する深刻な挑戦。国際社会は戦後最大の試練の時を迎え、新たな危機の時代に突入。グローバルなパワーバランスが大きく変化し、国家間の競争が顕在化し、特に米中の国家間競争が今後一層激しさを増す可能性がある。
- 科学技術の急速な進展により、安全保障のあり方が根本的に変化。各国は、いわゆるゲーム・チェンジャーとなりうる先端技術の開発を推進。
- 従来の軍隊の構造や戦い方に根本的な変化が生起している。
- サイバー領域などにおけるリスクの深刻化や、情報戦の展開、気候変動など、グローバルな安全保障上の課題も存在している。
- 領域をめぐるグレーゾーン事態が恒常的に生起。軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせるハイブリッド戦がさらに洗練された形で実施される可能性がある
- 厳しさを増すインド太平洋地域の安全保障
- このようなグローバルな安全保障環境と課題は、わが国が位置するインド太平洋地域で特に際立っており、将来、さらに深刻さを増す可能性が存在する。
- ウクライナ侵略と同様の深刻な事態が、将来、インド太平洋地域、とりわけ東アジアにおいて発生する可能性は排除されない。
- 戦後最大の試練の時を迎える国際社会
- ロシアによる侵略とウクライナによる防衛
- ロシアによるウクライナへの侵略は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国連憲章を含む国際法の深刻な違反。このような力による一方的な現状変更は、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすものである。
- 国際の平和と安全の維持に主要な責任を負うこととされている安保理常任理事国が、国際法や国際秩序と相容れない軍事行動を公然と行い、罪のない人命を奪うとともに核兵器による威嚇ともとれる言動を繰り返すという事態は前代未聞。このような侵略を容認すれば、他の地域でも力による一方的な現状変更が認められるとの誤った含意を与えかねず、わが国を含む国際社会として、決して許すべきではない。
- ウクライナ自身の強固な抵抗に加え、国際社会が結束して強力な制裁措置などを実施。NATO加盟国である米国の同盟国であり、欧州とはユーラシア大陸を挟んで対極に位置するわが国として、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であるとの認識のもと、その戦略的な影響を含め、今後の欧州情勢の変化に注目していく必要がある
- 諸外国の防衛政策など
- 米国 ~第2期トランプ政権の成立~
- 2024年11月に行われた米国大統領選の結果、トランプ前大統領が第47代大統領として当選。2025年1月に第2期トランプ政権が成立した。
- トランプ大統領は、就任以前から、ウクライナ情勢、中東情勢、また台湾情勢などの安全保障分野について発信しており、第2期政権成立以降、同大統領および国防長官などは精力的に活動している。
- 米国の安全保障分野における動向は、わが国の所在するインド太平洋地域の安全保障環境に大きく影響するものであり、今後の動向が引き続き注目される。
- 中国 ~力による一方的な現状変更の試みや活動の活発化~
- 中国の対外的な姿勢や軍事動向などは、わが国と国際社会の深刻な懸念事項であるとともに、これまでにない最大の戦略的な挑戦であり、わが国の総合的な国力と同盟国・同志国などとの協力・連携により対応すべきものである。
- 過去30年以上、透明性を欠いたまま、継続的に高い水準で国防費を増加。核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に軍事力の質・量を広範かつ急速に強化している。
- 尖閣諸島周辺をはじめとする東シナ海、日本海、さらには西太平洋など、いわゆる第一列島線を越え、第二列島線に及ぶわが国周辺全体での活動を活発化させている。
- 2024年には、8月の中国軍機による領空侵犯や9月の中国海軍空母によるわが国領海に近接した海域での航行などが相次いで発生した。中国による活発な軍事活動がわが国の安全に深刻な影響を及ぼし得る状況となっており、強く懸念される。
- 2025年5月には、尖閣諸島周辺においてわが国領海侵入中の中国海警船からヘリコプターが発艦しわが国の領空を侵犯した。中国は、尖閣諸島周辺において力による一方的な現状変更の試みを執拗に継続しており、強く懸念される状況となっている。
- 台湾周辺での軍事活動を活発化させている。台湾周辺海空域で軍事演習をたびたび実施している。中国は、台湾周辺での一連の活動を通じ、中国軍が常態的に活動している状況の既成事実化を図るとともに、実戦能力の向上を企図しているとみられる。
- 南シナ海において、既存の海洋法秩序と相いれない主張に基づき活動を活発化させ、軍事拠点化を推進している。力による一方的な現状変更とその既成事実化を一層推し進める行為であり、わが国として深刻に懸念している。南シナ海をめぐる問題はインド太平洋地域の平和と安定に直結するものであり、南シナ海に主要なシーレーンを抱えるわが国のみならず、国際社会全体の正当な関心事項である。
- 軍事活動を含め、ロシアとの連携を一層強化。わが国周辺では、爆撃機の共同飛行や艦艇の共同航行を実施。こうした度重なる共同での活動は、わが国に対する示威活動を明確に意図したものであり、わが国の安全保障上、重大な懸念がある。
- 激化する米中の戦略的競争、緊張感が高まる台湾情勢
- 中国の国力伸長によるパワーバランスの変化や種々の懸案などにより、近年、米中の政治・経済・軍事にわたる競争が一層顕在化している。
- 中台の軍事バランスは、全体として中国側に有利な方向に急速に傾斜する形で変化している。
- 台湾について、中国は、台湾は中国の一部であり、台湾問題は内政問題であるとの原則を堅持。武力行使を放棄していない旨たびたび表明。中国は、台湾周辺での軍事活動をさらに活発化している。
- 中国のグレーゾーンでの軍事活動を通じた統一の追求にも警戒感の高まり。軍事的威嚇、封鎖などが台湾に対する目下の主要オプションである旨の指摘も。台湾封鎖では、海警を前面に展開させグレーゾーンでの封鎖を行う可能性がある。
- 北朝鮮 ~核・ミサイル開発の進展~
- 北朝鮮の軍事動向は、わが国の安全保障にとって従前よりも一層重大かつ差し迫った脅威。地域と国際社会の平和と安全を著しく損なうもの。
- 大量破壊兵器などの不拡散の観点からも、国際社会全体にとって深刻な課題となっている。
- 北朝鮮は、過去6回の核実験を実施し、技術的には、わが国を射程に収める弾道ミサイルに核兵器を搭載してわが国を攻撃する能力を保有しているとみられる。
- 近年、極めて速いスピードで継続的にミサイル開発を推進し、変則的な軌道で飛翔する弾道ミサイルや「極超音速ミサイル」と称するものなどを発射。
- 核兵器の搭載を念頭に置いた長距離巡航ミサイルの実用化も追求している。
- 2023年以降、固体燃料推進方式の大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星18」や「火星19」の発射、衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射などを実施。保有する装備体系の多様化や、核・ミサイル運用能力を補完する情報収集・警戒監視・偵察(ISR)手段の確保といった、質的な意味での核・ミサイル能力の向上に注力している。
- ロシア ~「強い国家」を掲げるロシアと中国の戦略的連携~
- ロシア軍は、極東方面にも最新の装備を配備する傾向にあるなど、わが国周辺における活発な軍事活動を継続。わが国を含むインド太平洋地域におけるロシアの軍事的動向は、中国との戦略的な連携と相まって安全保障上の強い懸念となっている。
- 「強い国家」を掲げるロシアは、各種の新型兵器の開発・配備を進めてきたが、ウクライナ侵略開始後は、兵員数の増加や部隊編制の拡大改編も指向している。
- わが国固有の領土である北方領土において、不法占拠のもと、軍の活発な活動を継続。所在部隊の施設整備を進めているほか、海軍所属の沿岸(地対艦)ミサイルや航空宇宙軍所属の戦闘機などの新たな装備も配備し、周辺海・空域において大規模な演習も実施されている。
- その他の地域など
- イスラエルとハマスとの衝突が発生後、イスラエルとレバノンのヒズボラやイエメンのホーシー派などとの間でも衝突が発生した。
- 2024年には、イスラエルとイランの間で攻撃の応酬が発生し、現在も双方の間では高い緊張状態が継続している。
- シリアでは、シャーム解放機構を中心とする反体制派がシリア政府軍に対する攻勢をかけ、2024年12月に首都ダマスカスを制圧。アサド政権は崩壊し、「シリア救済政府」に対し、暫定的に政府の権限を委譲することで合意された。
- 米国 ~第2期トランプ政権の成立~
- 概観
- 宇宙・サイバー・電磁波の領域や情報戦などをめぐる動向・国際社会の課題など
- 情報戦などにも広がりをみせる科学技術をめぐる動向
- 科学技術とイノベーションの創出は、わが国の経済的・社会的発展をもたらす源泉であり、技術力の適切な活用は、安全保障だけでなく、気候変動などの地球規模課題への対応にも不可欠である。
- 各国は、技術的優越を確保すべく、AI、量子技術、次世代情報通信技術など、将来の戦闘様相を一変させる、いわゆるゲーム・チェンジャーとなりうる先端技術の研究開発や、軍事分野での活用に注力している。
- 偽情報の拡散などを通じた情報戦などが恒常的に生起している。
- 宇宙・サイバー・電磁波の領域をめぐる動向
- 宇宙空間を利用した技術や情報通信ネットワークは、人々の生活や軍隊にとっての基幹インフラ。一方、中国やロシアなどは、他国の宇宙利用を妨げる能力を強化し、国家や軍がサイバー攻撃に関与していると指摘されている。
- 各国は、宇宙・サイバー・電磁波領域における能力を、敵の戦力発揮を効果的に阻止する攻撃手段として認識し、能力向上を企図している。
- 大量破壊兵器の移転・拡散
- 核・生物・化学兵器などの大量破壊兵器やその運搬手段である弾道ミサイルの移転・拡散は、冷戦後の大きな脅威の一つである。
- 近年、国家間の競争や対立が先鋭化し、国際的な安全保障環境が複雑で厳しいものとなるなか、軍備管理・軍縮・不拡散といった共通課題への対応において、国際社会の団結が困難になっていることが懸念されている。
- 情報戦などにも広がりをみせる科学技術をめぐる動向
- わが国自身の防衛体制
- わが国に対する侵攻への対応など
- 海に囲まれ長大な海岸線を持つわが国は、本土から離れた多くの島嶼や広大な排他的経済水域(EEZ)、大陸棚を有しており、そこに広く存在する国民の生命・身体・財産、領土・領海・領空と多くの資源を守り抜くことが課題である。また、資源や食料の多くを海外との貿易に依存するわが国にとって、自由で開かれた海洋秩序を強化し、航行・飛行の自由や安全を確保することも不可欠である。
- 防衛省・自衛隊は、陸・海・空の領域と宇宙・サイバー・電磁波の領域における作戦能力などを有機的に融合させるとともに、陸・海・空自の部隊を連携させて統合作戦を行い、わが国に対する侵攻を阻止・排除する。
- また、侵攻への対処だけでなく、力による一方的な現状変更やその試みなどにも対応するため、平素から常時継続的に情報収集・警戒監視を行い、領空侵犯や領海侵入に対しても迅速かつ的確に対応する態勢を維持している。
- 2024年度の緊急発進(スクランブル)回数は704回(中国機に対して464回、ロシア機に対して237回であった。同年度中は中国機(8月)とロシア機(9月)、2025年5月には中国機による領空侵犯に空自機が緊急発進し、対応した。
- さらに、偽情報の流布や、政府の信頼低下、社会の分断を狙った情報の拡散などにより、人の認知に働きかけ、世論や政府の意思決定に影響を及ぼす「認知領域を含む情報戦」にも対応し、その中心的な役割を担う情報本部が必要な措置を講じている。
- このほか、国連安保理決議に違反する北朝鮮の「瀬取り」への対応や、わが国の重要なシーレーンの安定的利用を確保するため、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処や中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な取組も継続して行っている。
- わが国の防衛力の抜本的強化
- 今後の防衛力は、相手の能力と新しい戦い方に着目し、抑止力と対処力を高めるために、「スタンド・オフ防衛能力」、「統合防空ミサイル防衛能力」、「無人アセット防衛能力」、「領域横断作戦能力」、「指揮統制・情報関連機能」、「機動展開能力・国民保護」、「持続性・強靱性」の7つの分野を重視して、わが国の防衛力を抜本的に強化していく。
- 侵攻する艦艇や上陸部隊などに対して、その脅威圏の外から対処するスタンド・オフ防衛能力を強化するため、2025年度は、12式地対艦誘導弾能力向上型(地上発射型)の配備や米国製トマホークを取得するほか、これらのミサイルを運用する上で必要となる目標情報を収集するための衛星コンステレーションの構築を開始する。
- 多様化・複雑化・高度化する経空脅威に対処するため、統合防空ミサイル防衛能力を強化することとし、イージス・システム搭載艦の建造のほか、極超音速滑空兵器(HGV)に対処することができる滑空段階迎撃用誘導弾(GPI)の日米共同開発を開始した。
- 危険な環境下や長時間連続で運用できる無人アセットについては、2024年度に滞空型無人機MQ-9B(シーガーディアン)の導入を決定したほか、英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機に随伴して飛行し、次期戦闘機を支援する無人機の開発を計画している。
- 領域横断作戦能力に関しては、2025年度に宇宙作戦団(仮称)を新編するなど、宇宙領域把握(SDA)に関する能力を強化していくほか、サイバー攻撃への対応について、政府全体での取組と連携して能力を強化していく。また、電子戦能力と電磁波管理機能についても引き続き強化していく。
- 指揮統制・情報関連機能に関しては、今後、各自衛隊の一元的な指揮統制を可能とする防衛省クラウド(仮称)基盤の整備や、空自の自動警戒管制システム(JADGE)の大規模な換装などを行うほか、防衛駐在官の派遣を含む様々な手段を適切に活用し、隙のない情報収集体制を構築していく。
- 機動展開能力に関しては、特に南西地域において必要な部隊の配備を進めるとともに、輸送船舶や輸送機などの取得を推進している。2024年度は、陸・海・空自の共同の部隊として自衛隊海上輸送群を新編(2025年3月)した。
- 国民保護についても、警察、消防、海上保安庁など様々な関係省庁と連携しつつ、被害状況の確認、人命救助、住民避難の支援などを行うこととしている。
- 持続性・強靱性の強化の取組として、弾薬・燃料の確保、装備品の可動数の向上、防衛施設の強靱化などを推進する。
- 国全体の防衛体制の強化
- 政府は、防衛力の抜本的強化に加えて、外交力、情報力、経済力、技術力を含めた国力を統合し、あらゆる政策手段を体系的に組み合わせて国全体の防衛体制を構築することとしている。
- このため、総合的な防衛体制の強化を進めることとし、「研究開発」、「公共インフラ整備」、「サイバー安全保障」、「わが国と同志国の抑止力の向上などのための国際協力」の4つの分野における取組を推進することとしている。
- このほか、平素からの常時継続的な警戒監視や宇宙領域に関する取組、大規模災害や在外邦人等の保護措置・輸送への対応なども、国の総力を挙げて対応すべき取組であるため、防衛省・自衛隊は、関係省庁などと緊密に連携して各種活動を行っていく。
- サイバー安全保障に関しては、2025年5月にサイバー対処能力強化法と同整備法が成立したことを受け、防衛省・自衛隊は、関係省庁と連携して政府の取組に積極的に貢献していく。
- また、災害派遣に関して、2024年度は、能登半島地震にかかる災害派遣を継続して行ったほか、大雨や土砂災害、林野火災にかかる災害派遣などにおいて、関係省庁と連携して活動を行った。
- 在外邦人等の保護措置または輸送を迅速かつ的確に行うため、自衛隊は、部隊を速やかに派遣する態勢を維持している。2024年度は、在レバノン共和国邦人等の輸送を行った。
- わが国自身による防衛体制を強化するための訓練・演習など
- 防衛省・自衛隊は、様々なハイレベルの共同訓練・演習や他省庁・自治体を交えた各種演習を積極的に行い、抑止力・対処力のさらなる向上に努めている。
- 2024年9月から11月にかけて、全国の陸自部隊が参加する「令和6年度陸上自衛隊演習」を行い、作戦準備段階から作戦段階までを一連の各種部隊行動の演練を通じて任務遂行能力や運用の実効性向上を図るとともに、抑止力・対処力の強化に寄与している。
- わが国に対する侵攻への対応など
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首相官邸 外国人との秩序ある共生社会推進室発足式
- 令和7年7月15日、石破総理は、総理大臣官邸で外国人との秩序ある共生社会推進室発足式に出席し、訓示を行いました。
- 総理は、訓示で次のように述べました。
- 「『外国人との秩序ある共生社会推進室』の発足に当たり、一言申し上げます。
- 少子高齢化や人口減少が進む我が国が、今後、成長型経済への移行を確実なものとするためには、一定の範囲での外国人労働者の受入れ、インバウンド消費の拡大などにより、海外の活力を取り込んでいくことが重要であります。
- 他方で、一部の外国人による犯罪や迷惑行為、各種制度の不適切な利用など、国民の皆様方が不安や不公平を感じる状況も生じております。
- 国民の皆様の安全・安心の確保は、経済成長の不可欠の前提であり、ルールを守らない方々への厳格な対応や、外国人を巡る現下の情勢に十分に対応できていない制度・施策の見直しは、政府として取り組むべき重要な課題であります。
- こうした問題意識の下、本日、内閣官房に、外国人施策の司令塔となる事務局組織として、『外国人との秩序ある共生社会推進室』を設置いたしました。
- 出入国在留管理の一層の適正化、外国人の社会保険料等の未納付防止、外国人による土地等の取得を含む国土の適切な利用・管理など、取り組むべき課題は多々存在しております。
- 皆様におかれましては、これらの課題に的確に対処するため、省庁の枠を超えて緊密に連携し、外国人の懸念すべき活動に対する実態把握、関係機関のより緊密な連携を可能とするための国・自治体における情報基盤の整備、各種制度・運用の点検・見直しなどに取り組んでいただきたいと思います。
- 国民の皆様も、高い関心をもって、政府の対応を注視しておられます。
- 皆様が、その職責を十分に認識し、外国人との秩序ある共生社会の実現に向けて、総合的・横断的に取り組んでいただくことをお願い申し上げ、私の訓示といたします。どうぞよろしくお願いいたします。」
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内閣府 7月21日は海の日。海に触れてみませんか?
- 7月には3連休があります。これは、毎年7月の第3月曜日が、「海の日」という国民の祝日となっているためです。旅行やレジャー、海水浴などを楽しむ方も多いと思いますが、この「海の日」について、皆さんはどのくらいご存じでしょうか。
- 「海の日」ってなあに?
- 「海の日」の起源は、明治時代にまで遡ります。
- 1876年(明治9年)、明治天皇が東北地方を巡幸された際、初めて軍艦以外の船舶に乗って航海をし、7月20日に横浜港にご帰着されました。この出来事を記念し、海に感謝する日として、7月20日を「海の記念日」に制定したことに由来します。
- その後、1996年(平成8年)から7月20日を「海の日」として祝日にし、さらに、2003年(平成15年)に、7月の第3月曜日を「海の日」とすることに変更され、今年は海の日制定から30回の節目を迎えます。
- 「海の日」を国民の祝日としている国はほかに例がなく、四方を海に囲まれ、海と共に文化や歴史を紡いできた日本ならではの祝日と言えます。
- 海を知ろう!
- 日本は、領海※1を含む排他的経済水域(Exclusive Economic Zone:EEZ※2)の総面積が世界第6位を誇る海洋国家で、その広さは国土面積の約12倍にもなります。北海道、本州、四国、九州、沖縄本島をはじめ、周囲が100m以上ある島だけでも約1万4千島、小さなものまで入れると10万以上あると言われており、これらの島は日本の広大な管轄海域の根拠となる重要な役割を担っています。
- 私たちにとって海は古くから物資の輸送や豊かな食を得る場として欠かせない存在であり、また、観光や文化の面でも大きな役割を果たしてきました。
- 1:領海とは、基線から12海里(約22km)までのこと。
- 2:排他的経済水域とは、基線から200海里(約370km)までのことで、漁業をしたり、石油などの天然資源を掘ったり、科学的な調査をしたりという活動を自由に行うことができる水域のこと。
- 海について知ることは、地球全体を理解することにもつながります。内閣府では、皆さんが海について理解を深め、親しみを持てるように、「海洋教育情報プラットフォーム」というWEBサイトを立ち上げました。
- 夏休みの自由研究や日頃の自主学習教材として活用できるコンテンツをたくさんご紹介しておりますので、「海の日」を機会に、改めて私たちの海のことや海に関わる仕事について学びませんか?
- 海洋教育情報プラットフォーム
- 全国の海に関する施設(水族館・博物館など)や、オンライン教材(海について学べる動画や読みもの)等を掲載しています。「海の日」にちなんだ様々なイベントが各地で開催されますので、あなたの住むまちについてもぜひ検索してみてください!意外と知らなかった観光スポットに出会えるかもしれません。
- 内閣府が作成した海について学べるコンテンツ
- 中学生向け
- ▼ リーフレット「海の魅力、どれくらい知っていますか?」
- 海の動植物の生態をはじめ、私たちの暮らしを支える海の仕事(水産業・海運業等)や、鉱物資源やエネルギー資源のことなど、海の世界を分かりやすく解説しています。
- また、気候変動に伴う海面上昇やプラスチックごみ等による海洋汚染、サンゴ礁の死滅など、現在の海が抱える課題についても考えるきっかけになります。
- ▼ リーフレット「海の魅力、どれくらい知っていますか?」
- 高校生向け(必修科目「情報I」学習用)
- ▼ 動画「地球温暖化で北極や南極の氷が溶けると地球はどうなる?!地球規模のオープンデータを活用し、探究的な問題解決に挑戦しよう!」
- 南極に滞在したことがある情報科目の専門講師が、地球科学の専門家とともにオープンデータを活用しながら、地球温暖化が私たちに与える影響を探究します。
- 中学生向け
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消費者庁 地方公共団体における食品ロス削減の取組状況
▼ 令和6年度取組状況
- 令和6年度は全ての都道府県及び指定都市で、食品ロス削減の取組を実施(実施率100%は8年連続)。市区町村における実施割合は、7%であり、令和5年度と比較して、約3.6%増加
- 令和6年度に、全国で最も多く取り組まれたのが「住民・消費者への啓発」で966自治体。次いで「災害用備蓄食料の有効活用」、「フードバンク活動と連携」
- 令和6年度は、全ての都道府県で「住民・消費者への啓発」を継続的に実施。次いで、「フードバンク活動と連携」、「飲食店での啓発促」を実施
- 令和6年度は、全ての指定都市で「住民・消費者への啓発」を実施。次いで、「飲食店での啓発促進」「子どもへの啓発・教育」を実施
- 令和6年度には、「住民・消費者への啓発」をはじめ様々な取組を実施した市区町村が年々増加。次いで、「災害用備蓄食料の有効活用」を実施した市区町村は、令和5年度から大幅に増加
- 都道府県において、「策定・公表済み」と回答したのは、47自治体。全都道府県で計画を策定済み
- 指定都市において、「策定・公表済み」と回答したのは19自治体。「令和7年度以降に策定予定」は1自治体
- 令和6年度には、全都道府県が食品ロス削減に関する計画の策定を完了。「新規の計画を策定」と、「既存の計画の一部として対応」との回答がほぼ同程度。指定都市においては、ほとんどが「既存の計画の一部として対応」と回答
- 市区町村において、「策定・公表済み」と回答したのは、265自治体。「令和7年度に策定予定」は、31自治体。「令和8年度以降に策定予定」は、24自治体。半数以上の自治体が「現時点では策定予定はない」と回答
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国土交通省 2030年までに日本人クルーズ人口を100万人とする新たな目標を定めます!~「日本のクルーズ市場の持続的発展に向けた有識者検討会」とりまとめを公表します。~
▼ 検討会とりまとめのポイント
- これまで
- 日本のクルーズ産業は、主として「現役引退後のシニア世代の楽しみ」としたラグジュアリ船を中心に普及・定着してきた。
- 世界のクルーズは、ラグジュアリ船だけでなく、プレミアム、カジュアル船の全世代型海洋レジャーとして成長して、クルーズ人口は3400万人を超えた。
- 日本では、プレミアムおよびカジュアルマーケットが大型の外国船の進出によって成長し、2019年にはクルーズ人口が35万人を達成。(世界の約1%)
- コロナ禍により日本のクルーズ人口は激減したが、4万人に回復。
- これから
- 昨年12月の三井オーシャンフジ、本年7月の飛鳥IIIに加え、2028年にはディズニークルーズラインの新造船が日本籍船として登場。
- ラグジュアリおよびプレミアムクラスの日本船、プレミアムおよびカジュアルな外国船によって、ファミリー層、ヤングアダルト層等を含めた幅広いターゲットに訴求する商品造成や事業展開が期待され、「多様化のフェーズ」へ発展。
- さらなる創意工夫と課題克服のための連携・協力を促進し、業界全体の持続的な成長へとつなげるため、関係者が日本のクルーズ市場の将来像を共有することが重要。
- 日本クルーズ関係者の「旗印」として、以下の目標を掲げる。
- 2030年の日本人のクルーズ人口 100万人 ※2024年は22.4万人
- 併せて、日本のクルーズ市場が健全で持続的な成長を遂げる観点から、以下の参考指標を設定する。
- 指標(1):日本人の新規クルーズ旅客数が着実に増加していること
- 指標(2):日本発着クルーズにおける外国人旅客数も着実に増加していること
- クルーズ人口の増加を通じた我が国クルーズ産業の発展、地域の経済波及効果による観光立国への貢献
- クルーズ産業を中心とした新たな海事クラスターの育成(海運、造船、船員、旅行業、港湾・・海事産業の魅力度の向上)
- クルーズ体験を通じた海事思想の普及(海に関心を持ち、理解を深め、愛情をもつ)
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経済産業省 生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」において、新たに計算資源の提供支援を行うAI基盤モデル開発テーマ計24件を採択しました
- 経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、生成AIの開発力強化に向けたプロジェクト「GENIAC」において、基盤モデルの開発に必要な計算資源の提供支援の第3期を行います。
- 背景
- 生成AIは、インターネットに匹敵する技術革新とも言われており、労働力不足などの社会課題の解決にも貢献すると期待されています。生成AIの利活用があらゆる分野で検討され、開発競争が国際的に激化している中、日本として生成AIの開発力を確保・強化していくことが重要となります。
- 「GENIAC」の概要
- 可及的速やかに生成AIに関する開発力を国内に形成するために、経済産業省とNEDOでは、2024年2月から「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」プロジェクトとして、基盤モデルの開発に必要な計算資源の提供支援やコミュニティの運営等を行っています。第1期(開発期間:2024年2月から8月)においては計10件、第2期(開発期間:2024年10月から2025年4月)においては計20件の基盤モデル開発を支援しました。今回は第3期となります。
- 計算資源の提供支援
- 基盤モデルを開発する上では、計算資源の確保が大きな課題となります。NEDOが実施する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」を活用し、計算資源の利用料等を補助する形で支援します。公募を経た各採択者の事業概要については、下記「3.採択テーマについて」の関連リンク先をご参照ください。
- 採択テーマについて
- このたび、NEDOにおいて以下の公募を実施し、採択結果を発表しました。採択テーマの詳細と実施予定先は、以下のURL先をご覧ください。
- 計算資源の提供支援
- ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発(助成)
- 事業期間:2025年度
- 背景
▼ 採択テーマ及び実施予定先外部リンク
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金融庁 「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について
▼ (別紙1)「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)【新旧対照表】
- インターネット取引は、金融商品取引業者にとっては低コストのサービス提供を可能とするものであるとともに、利用者にとっては利便性の高い取引ツールとなり得るものである。一方、インターネット取引は、非対面で行われるため、異常な取引態様を確認できないことなどの特有のリスクを抱えている。
- 金融商品取引業者が顧客にサービスを提供するに当たっては、顧客の財産を安全に管理することが求められる。従って、金融商品取引業者においては、利用者利便を確保しつつ、利用者保護の徹底を図る観点から、インターネット取引に係るセキュリティ対策を十分に講じるとともに、顧客に対する情報提供、啓発及び知識の普及を図ることが重要である。
- 内部管理態勢の整備
- インターネット等の不正アクセス・不正取引等の犯罪行為に対する対策等について、犯罪手口が高度化・巧妙化し、被害が拡大していることを踏まえ、最優先の経営課題の一つとして位置付け、取締役会等において必要な検討を行い、セキュリティ・レベルの向上に努めるとともに、利用時における留意事項等を顧客に説明する態勢が整備されているか。
- また、インターネット取引の健全かつ適切な業務の運営を確保するため、金融商品取引業者内の各部門が的確な状況認識を共有し、金融商品取引業者全体として取り組む態勢が整備されているか。
- その際、金融ISACやJPCERT/CC等の情報共有機関等を活用して、犯罪の発生状況や犯罪手口に関する情報の提供・収集を行うとともに、有効な対応策等を共有し、自らの顧客や業務の特性に応じた検討を行った上で、今後発生が懸念される犯罪手口への対応も考慮し、必要な態勢の整備に努めているか。
- 加えて、リスク分析、セキュリティ対策の策定・実施、効果の検証、対策の評価・見直しからなるいわゆるPDCAサイクルが機能しているか。
- セキュリティの確保
- セキュリティ体制の構築時及び利用時の各段階におけるリスクを把握した上で、自らの顧客や業務の特性に応じた対策を講じているか。また、個別の対策を場当たり的に講じるのではなく、効果的な対策を複数組み合わせることによりセキュリティ全体の向上を目指すとともに、リスクの存在を十分に認識・評価した上で対策の要否・種類を決定し、迅速な対応が取られているか。
- インターネット取引に係る情報セキュリティ全般に関する方針を作成し、各種犯罪手口に対する有効性等を検証した上で、必要に応じて見直す態勢を整備しているか。また、当該方針等に沿って個人・法人等の顧客属性を勘案しつつ、「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」や日本証券業協会の「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」等も踏まえ、提供するサービスの内容に応じた適切なセキュリティ対策を講じているか。その際、犯罪手口の高度化・巧妙化等(「中間者攻撃」や「マン・イン・ザ・ブラウザ攻撃」など)を考慮しているか。
- また、フィッシング詐欺対策については、メールやSMS(ショートメッセージサービス)内にパスワード入力を促すページのURLやログインリンクを記載しない(法令に基づく義務を履行するために必要な場合など、その他の代替的手段を採り得ない場合を除く。)、利用者がアクセスしているサイトが真正なサイトであることの証明を確認できるような措置を講じる、送信ドメイン認証技術の計画的な導入、フィッシングサイトの閉鎖依頼等、提供するサービスの内容に応じた適切な不正防止策を講じているか。
- (注)情報の収集に当たっては、金融関係団体や金融情報システムセンターの調査等、金融庁・警察当局から提供された犯罪手口に係る情報などを活用することが考えられる。
- インターネット取引を行う場合には、提供するサービスの内容に応じて、以下の不正防止策を講じているか。また、内外の環境変化や事故・事件の発生状況を踏まえ、定期的かつ適時にリスクを認識・評価し、必要に応じて、認証方式等の見直しを行っているか。
- ログイン、出金、出金先銀行口座の変更など、重要な操作時におけるフィッシングに耐性のある多要素認証(例:パスキーによる認証、PKI(公開鍵基盤)をベースとした認証)の実装及び必須化(デフォルトとして設定)
- (注1)フィッシングに耐性のある多要素認証の実装及び必須化以降、顧客が設定に必要な機器(スマートフォン等)を所有していない等の理由でやむを得ずかかる多要素認証の設定を解除する場合には、代替的な多要素認証を提供するとともに、解除率の状況をフォローした上で、認証技術や規格の発展も勘案しながら、解除率が低くなるよう多要素の認証の方法の見直しを検討・実施することとする。
- (注2)フィッシングに耐性のある多要素認証を実装及び必須化するまでの間は、代替的な多要素認証を提供するとともに、当該実装及び必須化に向けた具体的なスケジュールについて顧客に周知する必要がある。また、それまでの期間においても、振る舞い検知やログイン通知等の検知機能を強化する必要がある。
- 顧客が身に覚えのない第三者による不正なログイン・取引・出金・出金先口座変更を早期に検知するため、電子メール等により、顧客に通知を送信する機能の提供
- 認証に連続して失敗した場合、ログインを停止するアカウント・ロックの自動発動機能の実装及び必須化
- 顧客のログイン時の挙動の分析による不正アクセスの検知(ログイン時の振る舞い検知)及び事後検証に資するログイン・取引時の情報の保存の実施
- 不正アクセスの評価に応じて追加の本人認証を実施するほか、当該不正が疑われるアクセスの適時遮断、不正アクセス元からのアクセスのブロック等の対応の実施
- その他、日本証券業協会の「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」においてスタンダード(着実に実行する必要があるもの)とされた措置の実施
- さらに、例えば、以下のような不正防止策を講じているか。
- 取引時や他の銀行口座との連携サービス提供時におけるフィッシングに耐性のある多要素認証の提供
- 取引金額の上限や購入可能商品の範囲を顧客が設定できる機能の提供
- 不正なログイン・異常な取引等を検知し、速やかに利用者に連絡する体制の整備
- その他、日本証券業協会の「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」においてベストプラクティス(対応することが望ましいもの)とされた措置の実施
- 顧客対応
- インターネット上でのID・パスワード等の個人情報の詐取の危険性、類推されやすいパスワードの使用の危険性(認証方式においてパスワードを利用している場合に限る。)、被害拡大の可能性等、様々なリスクの説明や、顧客に求められるセキュリティ対策事例の周知を含めた注意喚起等が顧客に対して十分に行われる態勢が整備されているか。
- 顧客自らによる早期の被害認識を可能とするため、顧客が取引内容を適時に確認できる手段を講じているか。
- 顧客からの届出を速やかに受け付ける体制が整備されているか。また、顧客への周知(公表を含む。)が必要な場合、速やかにかつ顧客が容易に理解できる形で周知できる体制が整備されているか。特に、被害にあう可能性がある顧客を特定可能な場合は、可能な限り迅速に顧客に連絡するなどして被害を最小限に抑制するための措置を講じることとしているか。
- 不正取引を防止するための対策が利用者に普及しているかを定期的にモニタリングし、普及させるための追加的な施策を講じているか。
- 不正取引による被害があった場合には、被害状況を十分に精査し、顧客の態様やその状況等を加味したうえで、顧客の被害補償を含め、被害回復に向けて真摯な顧客対応を行う態勢が整備されているか。
- 不正取引に関する記録を適切に保存するとともに、顧客や捜査当局から当該資料の提供などの協力を求められたときは、これに誠実に協力することとされているか。
- その他
- インターネット取引が非対面取引であることを踏まえた、取引時確認等の顧客管理態勢の整備が図られているか。
- インターネット取引に関し、外部委託がなされている場合、外部委託に係るリスクを検討し、必要なセキュリティ対策が講じられているか。
- 監督手法・対応
- 犯罪発生時
- インターネット取引における不正アクセス・不正取引を認識次第、速やかに「犯罪発生報告書」にて当局宛て報告を求めるものとする。
- なお、財務局は金融商品取引業者から報告があった場合は直ちに金融庁担当課室に連絡すること。
- 問題認識時
- 検査結果、犯罪発生報告書等により、金融商品取引業者のインターネット取引に係る健全かつ適切な業務の運営に疑義が生じた場合には、必要に応じ、法第56条の2第1項に基づき追加の報告を求める。その上で、犯罪防止策や被害発生後の対応について、必要な検討がなされず、被害が多発するなどの事態が生じた場合など、投資者保護の観点から問題があると認められる場合には、法第51条に基づき業務改善命令を発出する等の対応を行うものとする。
- 犯罪発生時
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金融庁 金融安定理事会による「ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靭性向上:進捗報告書」の公表について
▼ プレス・リリース(翻訳)
- FSB、ノンバンク金融仲介のレバレッジによって生じる金融安定リスクに対処するための提言を公表
- レバレッジに関する推奨事項により、当局は、潜在的な悪影響を考慮しながら、自国の管轄区域でNBFIレバレッジによって生じる金融安定性リスクに最も適切に対処するための措置を選択、設計、調整する柔軟性を得ることができます。
- NBFIの進捗報告書は、FSBが政策立案からNBFIの脆弱性の監視、データの課題への対処、メンバーの洞察と政策アプローチの共有、政策実施の評価へと移行したことを強調しています。
- FSBのアンドリュー・ベイリー議長が議長を務めるノンバンク・データ・タスクフォースは、ソブリン債市場におけるレバレッジ取引戦略に関するテストケースを通じて、ノンバンク・データの主要な課題に対処する方法を評価しています。
- 金融安定理事会(FSB)は本日、ノンバンク金融仲介(NBFI)の強靭性を高めるための作業計画に関連する3つの報告書を公表した。
- NBFIレバレッジによって生じる金融安定性リスクに対処するための最終的な政策提言
- G20に提出されたNBFIレバレッジに関する提言は、NBFIレバレッジによって生じる金融安定性リスクに対処するための統合的なアプローチを示しています。このアプローチの下で、当局はそのようなリスクを特定し、特定したリスクに対処するための適切な政策措置を講じるべきです。この勧告により、当局は、管轄区域固有の状況に合わせて政策対応を調整する柔軟性を得ることができます。これには、潜在的な悪影響を考慮しつつ、金融安定リスクに対処する政策措置(または指標の組み合わせ)の選択、設計、調整が含まれます。当局は、例えば、FSB監督上の議論を通じて、政策対応を共有する。
- この勧告はFSB加盟国当局に向けられており、NBFIレバレッジが金融安定性リスクをもたらす市場、事業体、活動に焦点を当てています。これらのリスクは管轄区域によって異なります。FSB及び基準設定主体(SSBs)は、当局が勧告を適用することを支援及び支援するための更なる作業を行う。この作業は、当局間の監督上の議論から始まり、今年後半には、メンバーは、その作業の潜在的な範囲を定義することを含め、特定の勧告に関するフォローアップ作業を追求するかどうかを検討します。
- 推奨事項は、パブリックコンサルテーションからのフィードバックを反映しています。特に、FSBは、ノンバンクの高度な不均一性を認識しています。一部のNBFIセグメントにおけるレバレッジは比較的限定的であり、財務安定性リスクをもたらす可能性が低いこと。銀行とさまざまなタイプのノンバンクとの違いは、さまざまな規制アプローチを動機付けています。また、ノンバンクによる特定のレバレッジ活動は、金融市場のヘッジを促進し、効率を高め、流動性を支えることができる。
- NBFI年次進捗報告
- 2025年NBFI進捗報告書は、これまでに実施された作業は、2020年3月の市場混乱に対応して合意されたFSBのNBFI作業プログラムの当初の政策要素をほぼ完成させたと指摘しています。FSBの業務は、政策立案から脆弱性の評価、データ課題への対処、メンバーの政策洞察の共有、改革の実施と影響の評価へと移行します。
- ノンバンクデータの課題に対処するための作業計画
- NBFIの作業プログラムを実施するにあたり、FSBは、当局がノンバンクセクターの脆弱性を効果的に評価する能力を妨げるいくつかのデータ課題を特定しました。これに対処するため、FSBは、アンドリュー・ベイリーFSB議長を議長とするノンバンク・データ・タスクフォース(NDTF)を設立しました。NDTFには3つの目的があります。
- FSB加盟国当局がノンバンク・セクターに起因する脆弱性を特定し評価する能力を向上させる。
- ノンバンク・セクターから生じる金融安定リスクを軽減するための政策を評価・調整する当局の能力を向上させる。
- 当局がデータを含む情報を共有し、金融安定性の重大な脅威を軽減できるかどうか、またどのように共有できるかを探る。
- この取り組みの一環として、FSBは、ソブリン債市場におけるレバレッジ取引戦略に関するテストケースを立ち上げ、主要なノンバンクデータの課題への対処にどの程度の進展が見込めるかを評価しています。この分野が選ばれたのは、金融の安定性にとって極めて重要であることと、国境を越えた大きな側面を持つものを含む主要なデータ上の課題があるためです。
- G20議長国南アフリカの要請を受け、FSBはノンバンク・データの課題に対処するための作業計画を提出しており、NDTFの作業がどのように構成され、次のステップがどのようなものになるかを概説しています。FSBは、2026年半ばまでにNDTFテストケースに関する報告書を発行し、特定されたデータの課題に対処する方法を詳述する予定です。これに続いて、FSBは、他の分野でさらなる作業を行うべきかどうかを決定する。
- これと並行して、FSBは、プライベート・クレジットの脆弱性に関する分析的な深堀りを行うことを決定し、これにはこの分野におけるデータの課題の特定も含まれます。
- NBFIの作業プログラムを実施するにあたり、FSBは、当局がノンバンクセクターの脆弱性を効果的に評価する能力を妨げるいくつかのデータ課題を特定しました。これに対処するため、FSBは、アンドリュー・ベイリーFSB議長を議長とするノンバンク・データ・タスクフォース(NDTF)を設立しました。NDTFには3つの目的があります。
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警察庁 令和7年上半期における車名別盗難台数の状況
- 車種/令和7年上半期盗難台数/令和6年上半期盗難台数
- トヨタ ランドクルーザー 65 590
- トヨタ プリウス 289 287
- トヨタ アルファード 191 303
- トヨタ レクサスRX 141 80
- トヨタ レクサスLX 120 112
- トヨタ クラウン 107 44
- トヨタ ハイエース 97 60
- トヨタ レクサスLS 55 44
- トヨタ ハリアー 50 17
- スズキ キャリイ 43 44
- 複合的な防犯対策を
- 自動車に対する防犯対策
- 警報装置のほか、ハンドルロックやホイールロック等の固定器具、GPS追跡装置等の盗難防止機器を活用しましょう。また、車種を特定させないために自動車用ボディカバーも有効です。
- 駐車場に関する防犯対策
- センサーライトや防犯カメラ、車止めポール等を設置しましょう。また、自宅以外の駐車場を利用する場合は、防犯設備が充実し、管理された駐車場を利用しましょう
- 自動車に対する防犯対策
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警察庁 ランサムウェアPhobos/8Baseにより暗号化されたファイルの復号ツールの開発について
- 復号ツールの概要等
- 関東管区警察局サイバー特別捜査部において、世界各国で少なくとも2,000件の被害が確認されているランサムウェアhobos/8Baseによって暗号化された被害データを復号するツールを開発し、令和7年6月、警察庁サイバー警察局からユーロポールに提供した。
- この度の情報発信については、世界中の被害企業等の被害回復が可能となるよう、日本警察が米国FBIの協力を得ながら復号ツールを開発し、日本警察とユーロポール、米国FBIにおいて、同ツールの有意性が実証されたことから、ランサムウェア対策を世界規模で進め、その活用を促す観点から実施することとしたものである。
- 日本警察の今後の対応
- 日本国内の被害企業等に対して、最寄りの警察署等への相談を促すと共に、相談があった場合には、その求めに応じ、復号ツールを活用して被害回復作業を実施することとしている
▼ ランサムウェアPhobos/8Baseにより暗号化されたファイルの復号ツールの利用について
▼ ガイドライン
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国民生活センター 2025年7月号【No.155】(2025年7月15日発行)
▼ 消費者が身に付けたい科学リテラシー
- はじめに
- さまざまな情報で溢れている現代社会。なかには根拠が乏しかったり、十分な裏付けのないものも少なくありません。誤情報やニセ情報、フェイクニュースなどの単語が連日のように報じられており、一般の消費者の混乱につながっていることがうかがえます。本稿では、科学分野のニセ情報といえる「疑似科学」を中心的なトピックに、根拠に乏しい情報に騙されてしまうヒトの認知的な特性や、我々消費者が身に付けておきたいリテラシーについて解説します。
- 科学/疑似科学とは何か?
- 「疑似科学(pseudoscience)」とは、科学的な外観を備えているにもかかわらず、実際には科学としての要件を満たしていないために誤った結論に至った研究群や、それに基づく主張の総称です。超常現象(幽霊やUFO)、美容や健康に関する商品など、疑似科学の事例は非常に広範囲にわたり、なかには消費者個人や社会に深刻な影響を及ぼし得るものもあります。「○○は体に良い(悪い)」「○○を食べると病気が治る(病気になる)」といったような表現がよく目につく一方、例えば「認知症が治ると電話で勧誘を受けたキノコ粉末健康食品」などに対する苦情・相談が消費生活センターに寄せられています(平林2017)。同種の相談や被害事例はPIO-NETでも散見され、読者の中にも、実際にそうした事例を見かけたり、対応された経験のある方もいるのではないでしょうか。
- さて、こうした疑似科学的な言説や商法について考えるために、そもそも科学とは何であるかといったことや、科学と疑似科学の関係について、軽く振り返っておきます。科学とは、「一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。また、その成果としての体系的知識」と説明されます(小学館デジタル大辞泉)。言い換えると、科学とは何かを究明するための「方法論」であり、その範囲は「自然」だけでなく、「社会」や「人文」にも及びます。もう少し具体化すると、科学という方法論は、大きくは仮説と検証のサイクルによって成り立っているものといえます。ある理論や仮説が提唱され、データによってそれが検証されることによって正当化・一般化していくといったプロセスが繰り返されて、科学の知見や成果は発展しています。そこで得られた成果が我々の文明社会を支えており、日々の生活環境などさまざまな面で、科学の成果による恩恵を私たちは受けています。
- 疑似科学を見抜くための考え方
- 科学と疑似科学は対極であると考えられますが、両者の線引きは簡単ではありません。というのも、「○○という条件を満たさなければ科学とはいえない」とか、「○○という条件を満たせば科学である」といった「科学であるための必要十分条件」は実は存在せず、科学と疑似科学の間には膨大なグレーゾーンが広がっているからです。先ほど「大きくは」と書いたように、科学の方法論の大枠は認識することができますが、「髪の毛〇本以上の場合はハゲじゃなく、〇本未満であればハゲとする」といった基準の策定が不可能であるように(これを哲学分野では「ハゲ頭のパラドックス」と呼びます)、科学と疑似科学の間に厳密な基準を設定したとしても、例外の出現や判定の曖昧さからは逃れることはできないのです。このことは「境界設定問題」と呼ばれ、科学哲学等の分野で議論されてきたのですが(伊勢田 2019などに詳しい)、科学と疑似科学の間の画一的な線引きは困難だという結論に落ち着いています。実際、例えば境界線を「厳しく設定」すると、将来有望な知見が摘み取られ、逆に「緩く設定」すると、問題商法などがはびこるおそれがあるといったジレンマが生じます。
- とはいえ、科学という営みが「何でもあり」というわけではなく、科学をかたち付け、疑似科学を峻別するための基準については、さまざま考えられてきました。最も有名なのは、カール・ポパーによる「反証可能性」の概念でしょうか。反証可能性とは、「ある理論や命題が実験や観察を通じて反証される可能性があること」を意味し、ポパーはこれを科学の基準として提唱しました。例えば、「すべてのカラスは黒い」といった説を提唱した場合、もし白いカラスが発見されれば、この説は反証されます。しかし、白いカラスが見つかった場合にも、「このカラスは神様の意思で白くされた特別なカラスだ」などと後付けで主張すると、反証は困難になってしまいます。
- 「神様の意思」なるものがいかなるものか定義されなければ観測や測定も不可能なため、科学的な主張とはいえないということです。
- こうしたポパーの反証可能性を始めとして、科学と疑似科学の特徴付けについては、主に疑似科学的情報がもたらす社会的な影響という側面を発端として、いくつかの実践的な試みが国内のほか海外でも進められています(例えば『スタンフォード哲学百科事典』など)。我々の研究グループでも、過去の科学哲学や科学社会学の議論を参考に、対象の科学性を推し量る基準として、「理論の観点」「データの観点」「理論とデータの関係性の観点」「社会的観点」といった4つの観点と、各観点の下位条件である10条件という考え方を編み出し、それを基準に、世の中にある「疑似科学とされるもの」について個別具体例の科学性の判定を行っています。消費者が情報を吟味する際にも使える視点だと思いますので、我々が使っている考え方を簡単に紹介します。
- 1つ目の「理論の観点」では、説明が矛盾なく一貫していること、他の科学分野の理論と整合的であること、限定的な条件や特殊な前提の下でしか適用できない理論ではないかということを評価します。例えば、人間の死後の存在を想定する幽霊理論では、幽霊は観測される状況によって壁を叩いたり、すり抜けたりする存在であるとして説明されます。しかし、「どういう条件であれば壁を叩く/すり抜けるのか」が説明されていなければ科学的とはいえず、相反する物理現象である「叩く」と「すり抜ける」が幽霊側の都合で解釈されているに過ぎません。
- 2つ目の「データの観点」では、実験によって繰り返し再現されていることや主観を排した客観的なデータ収集になっていることが評価のポイントです。因果関係を推定するに足るデータであるかどうかは、認知バイアス(ヒトの思考や判断に影響を与える偏りや歪み)の影響が考慮されているか、ランダム化比較試験のように厳密にコントロールされ、なおかつ十分な被験者数や追試などでも確かめられているデータであるかといった点から考えていきます。ヒトを対象とした場合、データの信用度のランク付けの目安として「エビデンスレベル」といった考え方が知られていますが、こうした概念も参考になるでしょう。
- 3つ目は「理論とデータの関係性の観点」です。理論に基づく仮説に対して妥当なデータ収集がなされていることやデータによって理論が反証可能な構造にあることが評価ポイントであり、理論が説明する範囲に対応したデータが過不足なく収集されていない場合や、得られたデータに沿って理論が「後付け」されていたりする場合は低い評価になります。例えば「水素水」の理論は、水素分子が生体に浸透して細胞で生体によい反応があるといった基本構図になっていますが、その理論を裏付ける指標が特定されていないため、理論に基づいた実験を行うのが困難です。「どういった人がどの程度飲用すればどのくらいの効果が得られるのか」といった理論とデータの関係性の知見が不十分な点で、低い評価になります。一方、かつての「脚気論争」において病原菌説がビタミン説に覆された過程に示されるように、データによる理論の反証は、科学という取り組みによる成果や進歩の歴史の中核を成しているともいえるでしょう。
- 4つ目は「社会的観点」です。学会などのオープンな仕組みがあることや、権威に対する信奉ではなく批判的な議論が行われていること、社会に適切に応用されていることがポイントです。「〇〇学会によるお墨付き」や「特許取得」などの宣伝広告、「癌に効く」などの過剰な効果標ぼうが散見されますが、もちろんこのような場合は評価が低いと判断します。
- 我々の運営するウェブサイトでは、「牛乳有害説」「マイナスイオン」「水素水」「デトックス」など、およそ30の言説について、上記基準に基づいて評定していますので、興味がありましたらご覧ください(https://gijika.com/rate/)。
- さて、疑似科学問題で難しいのは、ねずみ講や特殊詐欺などの明らかな法律違反とは異なり、前述の科学と疑似科学の境界線という、ある種のグレーゾーンがかなり膨大に広がっていることにあります。多くの疑似科学商法は、そうしたグレーゾーンを突いた商法であるため、法律などによる規制や行政指導が有効に働きにくいのです。少なくとも現在の社会状況を見る限り、消費者個人がリテラシーを身に付けて対処していかざるを得ないというのが実情でしょう。「国や行政がなんとかすべき」といった意見を耳にすることもあり、確かにそうした問題もあるとは思いますが、根本的には、市民のリテラシーの向上やコミュニケーションの促進が、こうした情報に対抗するための原動力になるものと筆者は考えています。
- なぜ根拠に乏しい情報を信じてしまうのか?
- ここで、疑似科学を始めとした根拠に乏しい情報を、我々人間はなぜ信じてしまうのか、ヒトの心の仕組みを背景に考えてみます。
- 筆者が見てきた限り、疑似科学的な情報や商法の多くでは、認知バイアスを活用?した表現がよく使われているようです。我々が情報を解釈する際に、偏りや歪みになり得るポイントをいくつか紹介します。
- ほかにも、疑似科学などの根拠に乏しい情報を信じてしまう心の構造はあり、科学と社会の関係におけるいくつかのトピックでも、こうしたバイアスによって意見の対立がもたらされています。冷静に情報を見極めるためには、こうしたバイアスの存在や影響を内省しながら考えていく必要があるでしょう。
- また最近では、いわゆる生成AIによる情報も見逃せなくなってきています。生成AIの回答では、同じ質問を投げかけても返ってくる回答が異なる場合があり、文章構成や表現によって、回答から受ける印象や解釈に影響が出ることが考えられます。例えば、「牛乳は癌の原因ですか?」といった“疑似科学情報”をAIに投げかけると、各サービスによって表2の回答が返ってきます。冒頭部分だけ眺めた場合、ツールによって、回答から受ける印象がかなり異なることが体感されると思います。
- 実際のところ、それぞれのAIの回答も、最後まで読むと致命的な回答差はないようなのですが、場合によっては錯覚する可能性もあるかもしれません。特に、コアな疑似科学情報の場合、そうした用語で検索を行うのはその疑似科学の信奉者である場合も多いため、現在の生成AIの仕組みでは、疑似科学的な情報の価値が相対的に高くなることも懸念されます。
- おわりに
- 本稿では、疑似科学をテーマに、根拠に乏しい情報に騙される背景やそれを見抜くための視点について解説しました。最後に、そうした情報の判定に資するウェブサイトを紹介します。適宜活用いただければと思います。また、拙著『科学がつきとめた疑似科学』でも、疑似科学や科学リテラシーについて、図解などでより詳しく解説していますので、興味がありましたらご覧ください。
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国民生活センター ヘアアイロンによる子どものやけど 置き場所や置き方に気をつけて
- 内容
- 事例1
- 使用後のヘアアイロンを浴室のドアのタオル掛けに吊るしていたところ、子どもの手にあたってやけどを負った。ヘアアイロンは180℃で使用後、電源を切ってから5分以内だった。(当事者:2歳)
- 事例2
- 普段は手の届かないところに置いているが箱を台にして使用後のヘアアイロンを触り、左手の指先に水疱あり。(当事者:1歳)
- 事例1
- ひとことアドバイス
- 家族が使用したヘアアイロンを触るなどして、子どもがやけどをしたという事故が報告されています。
- 子どもの手が届かない高さに置いたつもりでも、身の回りのものを踏み台にしたり、電源コードを引っ張ったりしてヘアアイロンに触れてしまうケースもあります。ヘアアイロンは子どもが近づけない場所に置きましょう。
- ヘアアイロンは加熱面以外も高温になります。取り扱いには十分注意し、高温部には決して触れさせないようにしましょう。
- ヘアアイロンは電源を切ってもすぐに温度は下がりません。使用中だけでなく使用後も、ヘアアイロンが十分冷めるまでの間は、置き場所に注意しましょう。
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総務省 情報通信審議会 総会(第53回)配付資料・議事概要・議事録
▼ 資料53-1―1 「新たな情報通信技術戦略の在り方」に対する第5次中間答申(案)概要
- 戦略的に推進すべき技術領域(戦略4領域)
- 社会情勢の今後の見通しや近年の技術動向に鑑みると、国際競争力の強化や経済安全保障の確保をはじめとした我が国の重要政策の実現に当たって不可欠な技術として、「AI・コミュニケーション」「Beyond 5G」「量子情報通信」「サイバーセキュリティ」の4つの技術領域について、戦略的な取組を推進していくことが適当。
- これら戦略的に推進すべき技術領域においては、NICTが民間投資や人材育成を活性化するための触媒となるべく、中長期的なビジョンを構想し、産学官で共有しながら、基礎的・基盤的な研究開発から社会実装まで連携して取り組んでいく産学官連携の中核・連結点としての役割を果たすべき。
- NICTが民間投資や人材育成を活性化するための触媒に。
- 中長期的なビジョンを構想し、産学官で共有しながら、基礎的・基盤的な研究開発から社会実装まで連携して推進。
- AI・コミュニケーション
- 高品質な日本語データをNICTで継続的に蓄積し、国内企業によるLLM開発に提供するとともに、その開発を支援することにより、我が国における信頼性あるAI開発力を強化する。
- LLMの出力の信頼性・バイアス等について、国内公的機関や安全保障等のニーズを踏まえ、広く用いられている単なる質問リストではない、LLM同士の議論や関連情報確認技術を応用した能動的評価基盤を構築する。
- 次世代のAI・コミュニケーション技術(例:分野特化型AIの連携、諸外国の文化等を考慮した翻訳技術、同時通訳を含む高精度な翻訳等)の研究開発を産学官で推進する。
- Beyond 5G
- 社会実装に向けた産学官連携の中核・連結点としての役割を強化するとともに、我が国として戦略的に研究開発を推進するため、目利き人材の確保・活用やNICTの自主研究で培った成果・知見・ノウハウとの連携等によって研究資金配分機関としての機能を強化し、ユーザ価値を起点としたユースケース/サービスの創出を促進する。
- Beyond 5Gのネットワークからサービスまでを総合的に検証できるようテストベッドの機能を拡張し、イノベーションハブとして民間企業等に提供する。
- 宇宙通信分野において、民間企業による積極的な投資が進められていることも踏まえ、国立研究開発法人として取り組むべき課題を十分に見極めた上で、ユーザニーズに沿った形での研究開発を実施する。
- 量子情報通信
- 様々な分野の潜在的なユーザを巻き込んで多様なユースケースを検証し、社会実装に向けた取組を加速化させるため、複数の企業間を結ぶ量子暗号ネットワークテストベッド「東京QKDネットワーク」について、長期間の安全なデータ保管や遠距離拠点からの接続等が可能となるよう高度化・拡充する。
- 日本の技術優位性を引き続き確保するため、量子鍵の生成速度の高速化技術や量子状態のまま中継伝送する技術、量子セキュアクラウドを実現する技術等の研究開発・国際標準化を推進する。併せて、衛星量子暗号通信について、JAXAや関係事業者と連携し、小型低軌道衛星に搭載可能な量子暗号装置の開発や当該装置を用いた衛星と可搬型地上局間の実証実験などに取り組む。
- 中長期的視点から、量子中継技術等の次世代の量子情報通信技術を実現するための研究開発や量子人材の育成に取り組む。
- サイバーセキュリティ
- 技術開発やサービス開発の源泉となるサイバーセキュリティに関する一次データ収集能力を強化する。また、ステークホルダーとの調整やコンプライアンスの遵守、技術移転モデルの確立などを進める能力を有する人材も含めた体制の整備も併せて推進する。
- 収集した一次データの分析能力を強化するため、AI分析基盤を構築し、AI for ecurityを推進する。また、AIシステムへの攻撃可能性の検証といったAIのセキュリティ検証技術等(Security for AI)の検討も推進する。
- 高度化・複雑化するサイバー分野の脅威・攻撃に対応できる現場人材を育成するため、NICTが有する最新のデータを活用したサイバーセキュリティ演習を推進する。
- AI・コミュニケーション
- 重点的に推進すべき基礎的・基盤的研究開発分野等
- NICTが、ICTを専門とする我が国唯一の国立研究開発法人として蓄積された技術力や知見・経験等を最大限活用する観点から、第5期中長期目標から引き続き、下記の5分野を重点的に推進すべき基礎的・基盤的研究開発分野に位置付けることが適当。
- NICTは、重点分野の研究開発等を通じて、2030年代に目指すべき社会像の実現に貢献すべき。
- 2030年代に目指すべき社会像
- 激甚化する自然災害に対応した強靭な社会
- 誰もがICTの恩恵を享受でき、安心して技術を活用できるデジタル安全社会
- クリーンエネルギーとデジタルインフラによる持続可能で活力のある社会
- 労力の最小化と利益の最大化を可能にする人間中心のAI社会
- ICTを専門とする我が国唯一の国立研究開発法人として蓄積された技術力や知見・経験等を最大限活用。
- 2030年代に目指すべき社会像の実現に研究開発等を通じて貢献。
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総務省 株式会社インターネットイニシアティブに対する通信の秘密の保護に係る措置(指導)
- 総務省は、本日、株式会社インターネットイニシアティブ(代表取締役社長執行役員 谷脇 康彦)に対し、同社における通信の秘密の漏えい事案に関し、通信の秘密の保護の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じるよう、文書による行政指導を行いました。
- 経緯等
- 株式会社インターネットイニシアティブ(代表取締役社長執行役員 谷脇 康彦)からの報告により、同社が提供する法人向け電子メールホスティングサービス「IIJセキュアMXサービス」(以下「本サービス」といいます。)において、令和6年8月3日から令和7年4月17日にかけて、外部からの不正侵入に起因する情報流出事案(以下「本事案」といいます。)が発覚しました。
- 本事案は、本サービスの外部接続サーバの一つで利用していたソフトウェアに存在した、未知の脆弱性を悪用することで引き起こされたものであり、本事案を受けて、同社においては、未知の脆弱性に対する防御可能性の向上及び侵害の早期検知能力の向上を目的とした複数の再発防止策を講じるとのことです。
- 措置の内容等
- 本事案は、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第4条第1項に規定する通信の秘密の漏えいがあったものと認められることから、総務省は、本日付けで、同社に対し、再発防止策の徹底及び業界全体の将来的なサイバーセキュリティ水準の向上へ向けた取組みを求める旨の、文書による指導を行いました。
- 総務省は、通信の秘密の保護を図るため、引き続き、必要な指導・監督に努めてまいります。
- 経緯等
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総務省 情報通信法学研究会AI分科会(令和7年度第1回会合)
▼ 資料1 松尾構成員発表資料
- ロボットの定義
- 『ロボット法』においては、ロボットは「<感知/認識>+<考え/判断>+<行動>の循環」ー”sense-think-act”cycleーを有する機械(人造物)と定義される(平野晋『ロボット法』(弘文堂、第2増補版、2024年)59頁)。つまり、ロボットの定義において、「人造物」が前提とされていた。
- ブレインテックにおいては、もちろん、「脳波を使ってドローンや遠隔操作ロボット(OriHime等)を動かす」シチュエーションは存在するものの、人間の肉体もAIのコントロールの対象となる。
- 例えば、脊椎が損傷して脳の指示がうまく四肢に伝わらない人に対して、脳信号を一度BMIを通じて外に出し、再度四肢に伝えて(バイパスして)これを動かすことがあり得る。これは手足に対してBMIを通じてAIが処理した情報を伝えるものであり、AIが肉体を動かしている。
- まだ技術的には発展途上ではあるものの、今後は、手足の動かし方等をよりよくする(例えば野球をする際により速いボールを投げる、サッカーをする際にボールをより遠くに蹴る等)ためにAIが最適な信号を手足に伝える等、広く利用される可能性がある。
- このような利用において、コントロールは未だに人間側にある。
- 将来的には、支援の程度が上がった結果として、又は、ハッキング等により、AIが自律的に肉体をコントロールすることも生じ得る。
- 例えば、「アイドルグループの1人が急病なので、研修生がその話代役を務めるが、練習が足りないので、ブレインテックを利用し、AIによって支援させて本来の人と同じようなダンスを踊り歌を歌えるようにする」というのは、代役の能力や過去の練習量によっては、ほぼ全てAIの操作に基づき手足を動かし声帯を震わせることになるかもしれない。理論的にはその曲を全く知らなくても完璧に歌いきり、踊り切るようにAIがコントロールするだろう。
- ここまで至ると(この曲を歌いたい、という程度の指示は人間が出していても)AIにより肉体がコントロールされていると評価できる場合がありそうである
- また、悪いハッカーがブレインテックで支援を受けている人をハッキングして乗っ取り、そのハッカーの思うままに身体を動かすという場合はあり得る。この場合に「1万人でデモ行進をしなさい」といった程度の指令で、個別にどのプラカードを持ち、どのように整列して行進するかは全てAIの自律的判断に基づきコントロールされるかもしれない(技術的には「選挙結果をこのように変更したい」だけで具体的に何をするかレベルは全部AIが考えて実施するようなレベルまでAIのコントロールで行うことも可能だろう。)。
- このような時代においては、肉体をいわば「生体ロボット」として人間のコントロールの下、AIの支援を得て動かしていき、場合によっては、AIに肉体をコントロールされることになるだろう。
- 認知過程の自由とは
- 神経科学技術であるブレインテックが大幅な進展を遂げる中、脳への介入等に対して特別な保護を行うべきではないかとして、新たな自由概念である「神経権(Neurorights)」や「認知過程の自由(cognitive liberty)」が論じられている。
- 「神経権(Neurorights)」という用語は、2017年にMarcello IencaとRoberto Andornoが提案したものであり、脳神経技術の発展に伴う倫理的・法的な課題に対処するため、認知的自由、精神的プライバシー、精神的完全性、心理的連続性という4つの権利を提案した(Marcello Ienca & Roberto Andorno, Towards new human rights in the age of neuroscience and neurotechnology, 13 Life Sciences, Society and Policy, 5 (2017).)
- 脳神経に関する権利について、「認知過程の自由(cognitive liberty)」を中心に把握する見解もある。この見解は、神経系のインテグリティを核心に据え、インプット=処理過程=アウトプットという一連の流れを想定して精神的自由権の体系全体を捉え直す統合的プラットフォームとしての権利性も視野に入れている(小久保智淳「『認知過程の自由』研究序説――神経科学と憲法学――」法学政治学論究126号(2020年秋季号)397-400頁。)
- 認知過程の自由の議論の問題意識というのは、以下のようなものと理解される。即ち、従来の思想良心の自由(憲法19条)論においては、技術的に内心を正確に読み取ることができないことを前提として、世界観等が内心の領域にとどまる限りには絶対的に自由である(芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法』(岩波書店、第8版、2023年)161頁)と論じられていた。しかし、例えば、冒頭でブレインテックを利用してチェスをプレイする事例を紹介したが、チェスをプレイするためには、どの駒をどこに動かそうとしているのか等、その人が内心で考えていることを読み取る必要がある
- これはまさに、技術的に内心を読み取ることができる時代が到来したということである。当然のことながら、これらの手法は少なくとも日本国憲法制定時には想定されておらず、伝統的な憲法19条論もここまでの状況を想定して議論してきたものではないと思われる。このような新たな時代においては、認知過程の自由という枠組みを利用して、神経系のインテグリティーをベースに認知過程への不当な干渉に抗っていくという考え方は1つの考え方であろう。
- もちろん、間接的な干渉はこれまでも可能であり、アウトプットのレベルでの間接干渉の制限(例えば、踏み絵により、間接的に内心を吐き出させることや、プロファイリングへの規制)やインプットレベルでの間接干渉の制限(例えばサブリミナル手法の利用制限)等は存在したものの、直接介入が技術的に難しかったこともあり、ダイレクトに認知過程への介入そのものを規制するという発想が薄かった。そして、まさに正面からこの点を問題としようとしているところに認知過程の自由論の新しさがあると考えられる。
- AIを利用して認知過程に影響を与えることはすでに行われてきた。例えば、ターゲティング広告により一番弱いタイミングで購入の意思決定を強いられる等が批判されている。その意味では、AIを利用した認知過程へのアプローチはAI・ロボット法も既に問題視していた。
- そして、その巧妙さがブレインテックによってより高まる結果として、認知過程の自由が脚光を浴びる中、これまでの尊厳・プライバシー等を元にしたAIを利用した認知過程に対する規制・制限論について、「認知過程の自由」を元に再構成することもあり得るだろう。
- 例えば、(プライバシーに関するものを含む)情報が取得される(アウトプット)とか、(フェイクニュース等を含む)問題のある情報が表示される(インプット)といった観点から規制をするのではなく、実際にはそのアウトプット規制・インプット規制の趣旨が、脳の中で本人の意図に沿わない、本人の意図が捻じ曲げられる等、問題のある処理が行われることを防ぎたいが、それを直裁に規制できず、従来はアウトプット・インプットのところで規制するしかなかった、というのであれば、認知過程の自由論がこの点を直裁に規制する根拠を与えてくれるかもしれない。
- もちろん、認知過程の「自由」を認めるとしても、それは絶対的自由ではなく、例外が認められるか、または、絶対的自由とされる範囲が限定されるはずである。例えば、従来ターゲティング広告についての規制について検討がされてきた(https://www.jiaa.org/wpcontent/uploads/2019/11/JIAA_BTAguideline.pdf)。そのような知見を、認知過程の自由論にフィードバックしていく等、AI・ロボット法からブレインテック法へのフィードバックもあり得るように思われる。
- AI・ロボットと脳の「一体化」がもたらす人格の新たな問題
- AI法においては、既にAIに人格を認めるべきかが論じられていた。しかし、ブレインテックによって高度にエンハンスされた人間はもはやAIと見分けがつかず、ブレインテックによって高度に人間に組み込まれたロボット(サイボーグ)はもはやロボットと見分けがつかない。まさにブレインテックがAI・ロボットと脳の「一体化」をもたらすことで、人格について新たな問題が生じている
- 生死の定義が揺るがされる時代
- 例えば、母胎の腹部にブレインテックデバイスを当て、胎児の脳波を詳細かつ性格に読み取り、また、胎児の脳に正確な情報を伝達することができるようになる時代が到来するかもしれない。そのような時代には胎児も脳波を通じてコミュニケーションし得ることになる。従来は、「私権の享有は、出生に始まる。」(民法3条1項)という観点から胎児の権利能力を原則否定してきた。しかし、胎児が乳幼児レベルのコミュニケーションが取れるようになった場合には、出生前後で区別する合理性が問われるだろう。
- しかし、三徴候又は脳死判定がされた死体でも、脳を取り出し、酸素や栄養を供給すると、脳活動を継続できる可能性がある。実際BrainExと呼ばれる技術により、死後4時間の豚の脳の活動を継続させることができたとの報告がある。今後技術が進展すれば、例えば現行法上は既に死亡して、権利能力がないとされる「死後」の人(の脳)から脳波を読み出し、脳に信号を送ることでコミュニケーションを行うことも可能となるだろう。場合によっては、契約を結ぶことも可能となる。その場合においては、従来の法的な「死」の定義に当てはまっても、生前と同様に権利を得、義務を負うことが可能な主体を法的にどう扱うか、とりわけ権利能力を認めるかという問題が生じる
- 複数人の脳が繋がる時代
- 複数人の脳をつなげることで、独立に存在していた個々人の意識が融合して新たに1つの意識ができあがると言われている(笹井俊太朗=駒村圭吾「Law of IoB―インターネット・オブ・ブレインズの法【第6回】Think Communicationとは何か?[前編:基調報告]」法セ812号(2022)69頁)。
- 学際的な共同作業のときに、多様な研究者たちが集まって議論する場合があるが、議論だけではその背景知識までつながってこない。そこで、数学者と物理学者と生物学者といった複数の専門家がオールインワンになっている状況を作り、数学者と物理学者と生物学者といった複数の専門家が集まることで、個々人では絶対にできないような素晴らしい発明が可能になるかもしれない(笹井俊太朗ほか「Law of IoB―インターネット・オブ・ブレインズの法【第7回】Think Communicationとは何か?[後編:ディスカッション]」法セ813号(2022)57頁)
- それぞれの関係者が引き続き意識を持ち続けた上で、ブレインテックを単なる「コミュニケーションツール」として利用するだけであれば、従来の議論と大差はないだろう。
- とはいえ、ブレインテックを利用する結果として、複数人が共同して1つの意識を持つ(意識が統合される)場合には、人格の問題等が問われるだろう
- そのような時代において、その3名の意思決定は3名全員に帰属するものなのだろうか。結果責任を問う形になるのも問題があるが、三人全てが「自分はそのように思っていない」といって責任を回避できてしまうことも問題である。そうなった場合に従来の共同不法行為のような枠組みで考えて良いのか。また、そのような複数人が結合した「主体」を、個別のAさんとBさんとCさんの組み合わせと捉えて良いのだろうか。例えばその複数人の「自己」決定は単純な「Aさんの自己決定」「Bさんの自己決定」「Cさんの自己決定」の個別の自己決定の集合体とも異なるように思われる。例えば三人が全員それぞれ甲と考えても、統合した意識は乙と考えるかもしれない。ABが丙と考えてCが丁と考える時に単純な多数決で丙となるのではなく、丁や、戊になるかもしれない
- そこで、どのように考えるべきかが問われるだろう。まさに、「自己」として従来想定されていたもの(人格・主体)を拡張し、複数主体が一つの人格を(アドホックに)形成し得ることを認めるべきかが問題となるだろう。もちろん、従来も、人格的主体たる人間同士の交流により、より良いものが生まれる(思想の自由市場論)等、人格同士の「やり取り」は想定された。しかし、その前提たるやり取りに参加する者がそれぞれ人格を持っているという部分がこのような複数人の脳を接続するブレインテックの場合には揺り動かされ得る
- 境界が曖昧になることで人間の本質が問われる
- 要するに、ブレインテック時代にはさまざまな形で、何が「人間」の本質なのかが更に問われるだろう。ある意味では、ブレインテックというこれまでの常識が揺るがされる技術が登場したことで、これまで一見当たり前と思われていた人間とAI・ロボットの境界、生死の境界、そして人格の境界等が揺るがされ、それによって人間の本質が問われる時代が到来したといえよう。
- AI・ロボット法はそのような時代にこれまでのどのような場合にAIに人格を認めるべきか等という議論をさらに精緻化させることで対応していくべきだろう
- おわりに
- ニューラルネットワーク技術を想定すれば、元々人間の脳をモデルとして作られたAIについて、脳科学の知見に基づき新たな検討を行うというのは、一見新たな問題ではあるものの、一種の「先祖帰り」でもある。
- AI・ロボット法は今後ブレインテック技術の進展によりチャレンジングなものとはなるものの、より面白くなっていくと思われる。
- 本報告がそのような議論のたたき台になれば幸いである。