危機管理トピックス
更新日:2025年10月27日 新着20記事
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
- 国民生活センター 利用明細は必ず確認!意図せぬリボ払いに注意
- 経済産業省 半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドラインの日本語版・英語版を策定しました
- 警察庁 国際文書「最新の防御可能なアーキテクチャのための基礎」への共同署名について
金融庁
- 金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」(第4回) 議事次第
- 「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度第1回)議事次第
- 金融安定理事会による「金融セクターにおけるAI導入と関連する脆弱性の監視」に係る報告書の公表について
- 証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書「『暗号資産・デジタル資産に関する勧告』の実施に係るテーマ別レビュー」の公表について
- 金融安定理事会による「FSBの暗号資産関連の活動に関するグローバルな規制枠組みのテーマ別レビュー」の公表について
首相官邸
- 基本方針
- 総合経済対策の策定について(内閣総理大臣指示)
厚生労働省
- 令和7年版自殺対策白書
- 第5回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」資料
- 第85回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
- フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備に対応できていますか?
総務省
- オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会(第8回)
- 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第6回)配付資料
国土交通省
- 国際海運におけるゼロエミッション燃料船の導入促進のための条約改正の審議が継続されることとなりました~国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会臨時会合(10/14~17)の開催結果~
- 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について
- ウクライナの建設現場での遠隔施工の普及に向けデモンストレーションを行いました!~日本発の技術でウクライナの復興に貢献~
- 「航空大学校の養成に関する検討会」とりまとめの公表
~NEW~
国民生活センター 利用明細は必ず確認!意図せぬリボ払いに注意
- 内容
- 数年前ショッピングモールで勧誘されてクレジットカードを作った。利用明細はオンラインで確認するようだったが、スマホが苦手なので見ていなかった。最近、クレジットカードを使っていないのに毎月一定額の引き落としがあることに気づいた。カード会社に問い合わせると「申し込み時からリボ払いになっており、残債が18万円ある」と言われた。リボ払いにした覚えはなく、手数料を支払いたくない。(60歳代)
- ひとこと助言
- リボルビング払い(リボ払い)は、利用金額や回数にかかわらず、あらかじめ設定した一定の金額を毎月支払うクレジットカードの支払方法です。月々の支払額を一定に抑えることができますが、支払いが長期化し手数料がかさむことがあります。
- 特に、リボ専用カードや自動リボ設定されているカードは、利用の際に「一括払い」と告げても自動的にリボ払いになります。カード申込みの際は、よく確認しましょう。
- 利用明細を確認することで、毎月の支払残高や支払額(手数料)などがいくらになるのかが分かるため、意図せずリボ払いになっていたことに早く気づけます。利用明細は必ず毎月確認し、不明な点があれば、すぐにカード会社に連絡しましょう。
- 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。
~NEW~
経済産業省 半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドラインの日本語版・英語版を策定しました
- 経済産業省は、半導体産業における国際的な各種セキュリティ規格と整合する形で、我が国の半導体産業向けの工場セキュリティ対策指針を「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」として日本語版・英語版ともに策定しました。今後、経済産業省の投資促進関連施策の要件等に対する本ガイドラインで示すセキュリティ対策基準の紐付け等について検討していく予定です。
- 背景
- サイバー攻撃はますます多様化・高度化しており、多くの制御装置等が攻撃され、工場における生産が停止する等の被害が発生しています。また、各種の開発機密(知的財産)がサイバー攻撃によって流出する危険も増しており、半導体産業の経済及び安全保障上の重要性や足下でのサイバー脅威・リスクの高まりを踏まえると、高度なサイバー攻撃への対応を含めたセキュリティ対策を進めていく必要があります。
- 国外では、国際的な半導体関連の業界団体であるSEMIにより、半導体製造装置に係るE187/E188規格が策定され、また、米国立標準技術研究所(NIST)においてもCybersecurity Framework 2.0(NIST CSF 2.0)について、半導体製造プロファイルの策定が進められています。
- 一方、我が国では、経済産業省が2022年に汎用的な組立型の工場を対象とした「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」を策定し公表していますが、一般的にプロセスオートメーション型の工場であり、工場の規模が大きく、汎用OSを用いた製造装置の台数が多い等の特徴を有する半導体工場には、当該ガイドラインがなじまないといった実態があります。
- こうした課題意識の下、経済産業省では、2024年11月より産業サイバーセキュリティ研究会の下で半導体産業サブワーキンググループ(座長:東京大学 江崎教授)を開催し、半導体デバイスメーカーや半導体製造装置メーカーを含めた国内外の様々な企業・団体関係者を交えて、我が国の半導体デバイス工場における制御システム(OT)のセキュリティ対策のあり方について議論を進め、国際的な半導体産業における各種セキュリティ規格とも整合した、半導体デバイス工場向けの工場セキュリティ対策の指針である「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン(案)」日本語版・英語版の双方を取りまとめました。その後、当該ガイドライン案について、同年6月27日(金曜日)から8月26日(火曜日)に実施した意見公募で頂いた御意見を踏まえ必要な修正を行い、今般、成案化しました。
- 半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドラインの概要
- 「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」(以下「本ガイドライン」といいます。)は、主として半導体デバイスメーカーの製造部門(実務者レベル)向けに、「生産目標の維持」、「機密情報の保護」、「半導体品質の維持」を守るべき対象として、最も高度な攻撃者(国家の支援を受けたグループ(APT))を想定した対策レベルを実現するために必要な工場セキュリティ対策の指針を示すものです。当該セキュリティ対策指針は、上述したE187/E188やNIST CSF 2.0などの各種セキュリティ規格と整合しています。
- 本ガイドラインは、工場のセキュリティ対策を進めるための一般的なプロセスにおいて、リスクベースのサイバーセキュリティフレームワーク(サイバー・フィジカル・セキュリティ対策フレームワーク(CPSF)及びNIST CSF2.0)を活用したリスク分析や、具体的な対策を検討する際などに活用されることが想定されます。
- 本ガイドラインで示す対策項目としては、大きく以下の2点です。
- 半導体デバイス工場のリファレンスアーキテクチャに基づき、リスク対策フレームワーク(CPSF及びNIST CSF2.0)を活用して洗い出された、半導体デバイス工場の特徴を踏まえたリスク源(脅威、脆弱性)に対応するセキュリティ対策項目
- Purdueモデルで分類したファブエリア、ファブシステムエリア、外部サービス及びIT/OT DMZ、組織・ヒト側面についての対策項目
- 今後、経済産業省の投資促進関連施策の要件等に対する本ガイドラインで示すセキュリティ対策基準の紐付け等について検討していく予定です。
- 背景
▼ 「半導体デバイス工場におけるOTセキュリティガイドライン」概要資料
~NEW~
警察庁 国際文書「最新の防御可能なアーキテクチャのための基礎」への共同署名について
- 令和7年10月23日、国家サイバー統括室及び警察庁は、豪州通信情報局(ASD)豪州サイバーセキュリティセンター(ACSC)が策定した「最新の防御可能なアーキテクチャのための基礎(以下「本件文書」という。)」の共同署名に加わり、本件文書を公表しました。
- 本件文書は、豪州のインシデント対応やセキュリティテスト実施等の経験等を踏まえ、各組織が、サイバー脅威に対応したシステムの構築、維持、更新、強化のために役に立つアプローチを提供するものです。
- 本件文書は、「最新の防御可能なアーキテクチャのための基礎」、「上級意思決定者向けの最新の防御可能なアーキテクチャ」及び「最新の防御可能なアーキテクチャへの投資」と題する3つのガイダンスから構成されています。
- 本件文書の目的である、各組織におけるサイバー脅威に対応したシステムの構築、維持、更新、強化の促進は、我が国のサイバーセキュリティ環境の向上にも資することから、共同署名に加わることとしました。
- 本件文書に共同署名した国は、豪州、日本の他、ドイツ、カナダ、ニュージーランド、韓国、チェコの計7か国です。
- 本件文書の概要
- 背景・目的
- 本文書は、豪州のインシデント対応やセキュリティテスト実施等の経験等を踏まえ、各組織が、サイバー脅威に対応したシステムの構築、維持、更新、強化のために役に立つアプローチを提供する。
- 最新の防御可能なアーキテクチャを導入するための10の原則
- 一元管理された企業ID:IDを一元管理することで可視性と正確性を向上させ、ID侵害の可能性と影響を軽減する。
- 高い信頼性の認証:強力で信頼性の高い認証方法を使用し、認証の不正利用等を防止する。
- 文脈に沿った承認:アクセスの認証に際し、ユーザーとシステムとの継続的なやりとり、前後関係や文脈に沿った認証を行うことで、より信頼性のある正確な認証が可能となる。
- 信頼性ある資産一覧:一元的な資産一覧により、エンドポイント、ネットワーク、アプリケーション、暗号資産、保存データ等の組織が所有する資産の完全かつ包括的な知識を得る。
- 安全なエンドポイント:検証された強靱なエンドポイントを用いることで、サイバー攻撃の影響を制限する。
- 制限された攻撃経路:攻撃経路を制限することで、正しい場所における、より質の高い緩和策を講じることが可能になる。
- 強靭なネットワーク:障害耐性があり、サイバー攻撃に対して強靱で、横展開や縦移動の制限を通じて、データを保護するためのネットワークを実現する。
- セキュア・バイ・デザインのソフトウェア:ハードウェア・ソフトウェアが、セキュリティ第一の原則等を通じて設計等され、プライバシーとデータを保護し、セキュリティの維持を確保する。
- 包括的な保障と管理:セキュリティ対策について、緩和策とビジネスの双方の有効性が確保されるよう検証する。
- 継続的かつ実行可能なモニタリング:リアルタイムで自動化された監視を通じて、組織の環境等に対する行動を可視化する
- 背景・目的
~NEW~
金融庁 金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」(第4回) 議事次第
▼ 資料2 事務局説明資料①
- 暗号資産を巡るサイバー攻撃の状況
- ビットコイン誕生以降、全世界で暗号資産の流出に繋がるサイバー事案が数多く発生。
- かつてのGox事件では秘密鍵の盗難が原因となったが、直近の事案では、ソーシャルエンジニアリングを用いるなど、⼿⼝がより巧妙化。
- これらの事案が発生していることに加え、国内外の投資家において暗号資産が投資対象と位置付けられる状況が生じていることを踏まえて、業界・個社のサイバーセキュリティ体制の継続的な強化に向けた官⺠の対応が不可避。
- 直近の⼤規模な流出事案を踏まえたサイバーセキュリティ強化の取組み
- 2024年5⽉に発生した国内暗号資産交換業者における利用者財産の不正流出事案を踏まえ、同年9⽉、暗号資産の流出リスクへの対応及びシステムリスク管理態勢に関して、金融庁は、以下の点について注意喚起を行った上、自主点検を行うことを要請。
- 経営陣の認識・関与
- 暗号資産の流出リスクは利用者保護の観点から最重要課題であると認識する必要。
- 経営陣は社内外の情報を活用し、実効性のある管理態勢を整備する責任がある。
- 暗号資産の管理態勢
- 事務ガイドライン・自主規制規則に沿った態勢構築が必要。
- 3線管理の有効性を含め、問題意識を持って点検を実施する必要。
- 点検において特に検証すべき項
- コールドウォレット管理:
- 入出庫オペレーションの⼿続きに関する社内規則等の規定と実行
- リスク低減に向けた措置の是⾮に関する検討
- 外部ウォレット利用に伴う流出リスクの分析・特定と対応策の整備
- 不正行為の原因究明:取引ログの保存状況と検証体制の確認
- 経営陣の認識・関与
- また、当該不正流出事案に関する具体的なソーシャルエンジニアリングの⼿法が判明後、同年12⽉、警察庁・内閣サイバーセキュリティセンター・金融庁の連名で、参考となる⼿⼝例や緩和策を⽰しつつ、注意喚起を発するとともに、注意喚起の内容を踏まえて、改めて速やかに自主点検を行うことを要請。
- 以上の自主点検をフォローアップする等、当庁としても継続的なモニタリング・監督対応を行っていく必要。
- 2024年5⽉に発生した国内暗号資産交換業者における利用者財産の不正流出事案を踏まえ、同年9⽉、暗号資産の流出リスクへの対応及びシステムリスク管理態勢に関して、金融庁は、以下の点について注意喚起を行った上、自主点検を行うことを要請。
- 業界全体における共助の重要性
- 「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」には以下の通り記載。
- 1.3. 業界団体や中央機関等の役割(抄)
- 業界団体や中央機関等が、必要に応じて当局と連携しながら、金融機関等にとって参考とすべき情報や対応事例の共有、態勢構築に関する⽀援その他業態全体のサイバーセキュリティ強化のための活動(演習、シナリオ分析、⼈材育成など)等の共助の取組みを推進することにより、金融機関等による対応の向上に中⼼的・指導的な役割を果たすことが望ましい。
- 金融機関等は、共助機関である金融ISAC等が⽀援している、技術的な課題への対応、ベストプラクティスの共有、最新のサイバー攻撃の動向や脆弱性情報の分析などの知⾒を、必要に応じ、積極的に活用することが望ましい。
- JVCEA「暗号資産交換業者に係るシステムリスク管理に関する規則」には以下の通り記載。
- 第3章 サイバーセキュリティ管理(抄)第9条 会員は、次の各号の事項を含め、サイバーセキュリティ管理態勢の整備に努めなければならない。
- (4)情報共有機関等を通じた情報収集、
- (5)情報共有体制
- 個社が国家レベルの攻撃に⽇々さらされる中で、サイバーセキュリティ対応は、自助・共助・公助の組み合わせで対処すべき課題。特に、業界共助の取組みの発展が不可⽋であり、当局としても後押ししていく必要
- 第3章 サイバーセキュリティ管理(抄)第9条 会員は、次の各号の事項を含め、サイバーセキュリティ管理態勢の整備に努めなければならない。
- 「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」には以下の通り記載。
▼ 資料4 事務局説明資料②
- 兼業規制
- 第一種金商業では、他業(本来業務以外の業務)での失敗が経営の基礎を危うくすることのないようにする観点から、兼業規制が課されている。第一種金商業の兼業規制は、金商業者の業務を一定の範囲内に制限するものでなく、他業を営んでも問題がないか確認するものであり、そのための手続は、本来業務(金商業)との関連性等に応じ、業務ごとに異なる。具体的には、他業が付随業務・届出業務・承認業務に分類され、前二者に該当しないものは、承認業務として事前承認を受けることを要するものとされる。
- 暗号資産交換業者については、現行法上、兼業規制は設けられておらず、実際に暗号資産交換業以外にも多様な業務が行われている状況にある。暗号資産交換業を金商法で規律する場合、現行と同様に兼業規制を設けないことも考えられるが、他業のリスクによる投資者に不測の影響が生じることのないよう、暗号資産交換業との関連性等に応じ、行政による一定の事前チェックを行うことが適当ではないか。例えば、暗号資産交換業では、第一種金商業の場合に比べ、これを本業としない業者(注1)の参入も想定されることを踏まえ、特段の手続を経ずに行える付随業務(注2)として法令上に列挙した業務以外は、事前承認ではなく事前届出を求めることなどが考えられるのではないか。
- (注1) 例えば、通信関連サービスを広く提供している業者など
- (注2) 例えば、暗号資産やブロックチェーン等に係るコンサルティング業務、電子決済手段等取引業など
- なお、第一種金商業者など、暗号資産交換業以外の業務を行う金商業者が、暗号資産交換業を行おうとする場合には、変更登録を必要とすることとする。
- 利用者財産の管理
- 現行の資金決済法では、暗号資産交換業者は、流出リスクを低減させる観点から、業務の円滑な遂行等のために必要なものを除き、顧客の暗号資産をコールドウォレット(常時インターネットに接続されていないウォレット)等で管理し、ホットウォレット(コールドウォレット等以外のウォレット)で管理する顧客の暗号資産については、流出時の補填に資するよう、別途見合いの弁済原資(同種・同量の暗号資産)を保持することが義務付けられている。
- また、現行の資金決済法では、暗号資産交換業に係る情報の漏えい、滅失等の防止など、情報の安全管理のために必要な措置を講じる義務が設けられている。
- 他方、最近の流出事案では、ソーシャルエンジニアリングが用いられるなど、手口がより巧妙化しているところ、暗号資産を金商法の規制対象とする場合、暗号資産の流出リスクへの対応の観点から、引き続き上記の義務を課すとともに、新たに法律上の義務として利用者財産の安全管理義務を定め、サプライチェーン全体を含めたより包括的なセキュリティ対策の強化を求めることとしてはどうか。その際、具体的なセキュリティ対策については、技術の進展等を踏まえて柔軟に対応できるようガイドライン等で定めることが適当ではないか。
- なお、事業者が、利用者の暗号資産を移転するために必要な秘密鍵の一部を預かるにとどまる場合には、暗号資産の管理を行っているものではないため、暗号資産交換業の登録は不要とされているが、秘密鍵の紛失等が生じた場合、利用者が暗号資産を移転できなくなるリスクがある。現状では、一般投資家は、国内の暗号資産交換業者が提供するウォレットを利用することが中心であるため、そうしたサービスについて直ちに規制を設ける必要性は低いと考えられるところ、当該事業について暗号資産交換業の対象とすることは規制が過重なものとなり得るとの指摘があることも踏まえ、どのように規制していくべきか、将来的な課題として検討していくことが適当ではないか。
- 責任準備金
- 金商法では、第一種金商業者に対し、証券事故発生時の顧客への賠償金の支払いを円滑にするため、責任準備金の積立てが義務付けられ、業者側の違法・不当な行為につき顧客の損害を補償する場合以外は、個別に行政の承認を受けなければ責任準備金を使用することができない。
- 暗号資産交換業者に第一種金商業者相当の規制を課す場合、責任準備金の積立義務も課すことが考えられるが、現行規定はハッキングによる顧客財産の流出事案を想定していないため、現行規定をそのまま暗号資産交換業者に適用すると、ハッキングにより顧客の暗号資産が流出したとしても、業者の違法性・不当性がない場合、個別に承認を受けなければ、責任準備金による補償を行うことはできないことになる。
- このため、ハッキングによる顧客暗号資産の流出事案に備え、過去の流出事案の発生状況等を踏まえた適切な水準の責任準備金の積立てを求めるとともに、流出事案の原因究明に時間を要し、迅速な顧客対応を損なうことのないよう、流出事案が生じた際は、承認を受けずに責任準備金による補償を可能とすることが適当ではないか。また、補償の原資を確保するための選択肢を拡大する観点から、責任準備金の積立てに代えて、又は責任準備金の積立てと併せて、保険加入による補償原資の確保を認めることとしてはどうか。
- 業務管理体制の整備
- 現行の資金決済法では、暗号資産交換業者に対し、取引に関して犯罪行為が行われた疑いがあると認めるときは取引の停止等を行うなど、利用者の保護を図り、及び暗号資産交換業の適正かつ確実な遂行を確保するために必要な措置を講じることが義務付けられている。
- 金商法では、金商業者に対し、業務の類型毎に金商業を適確に遂行するための業務管理体制の整備を義務付けているところ、暗号資産を金商法の規制対象とする場合、暗号資産交換業者にも業務管理体制の整備を義務付け、現行の資金決済法で義務付けられている措置を講じることに加え、顧客保護の観点からより一層の体制整備を求めることが適当ではないか。例えば、(1)取り扱う暗号資産の審査体制、(2)顧客がリスク負担能力の範囲内で取引を行うことを確保するための確認を行う体制、(3)売買監視体制、(4)暗号資産の発行者が情報提供規制に違反した場合には、当該暗号資産を取り扱わないようにするための体制、等の整備を求めてはどうか。
- 退出時における顧客財産の適切かつ円滑な返還
- 市場制度WGにおいて、金商業者の退出時における顧客財産の適切かつ円滑な返還を確保する観点から、現在の経営陣には適切な業務運営が期待できない場合に、行政において管理人を選任し、当該経営陣に代わって業務及び財産を管理すること等を可能とする仕組みを導入することが検討されている。
- 暗号資産交換業者が破綻した場合等の業者の退出時における顧客財産の移管や返還が適切かつ円滑に行われるよう、暗号資産交換業者もこのような仕組みの適用対象とすることが適当ではないか。
- 仲介業規制
- 令和7年資金決済法改正により、過不足のない規制を適用することによって電子決済手段や暗号資産の取引の媒介のみを行う事業者によるサービスの提供を行いやすくする観点から、電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の類型が創設された。
- 電子決済手段・暗号資産サービス仲介業は、所属制(暗号資産取引の仲介を行う場合は暗号資産交換業者に所属する)を採る等、金商法上の金融商品仲介業と基本的な規制の建付けが共通している。暗号資産取引を金商業規制の対象とすることに合わせ、暗号資産取引に係る仲介業も金商法上の仲介業規制の対象とすることが適当ではないか。その場合、必要な経過措置を設けた上で、基本的に金融商品仲介業に適用される規制(例えば外務員制度など)と同様の規制を適用することが適当ではないか。
- 無登録業者への対応
- 無登録業者による違法な勧誘を抑止するため、暗号資産の売買等について金融商品取引業の対象とすることにより刑事罰を強化することが適当ではないか。
- また、金商法上、金融商品取引業の無登録業者に対する対応として設けられている規定を暗号資産交換業にも適用することとし、無登録業者に対する暗号資産交換業を行う旨の表示等の禁止の規定や裁判所による緊急差止命令、証券取引等監視委員会による緊急差止命令申立権限とそのための調査権限を整備することが適当ではないか。
- (注)なお、市場制度WGにおいて、主に無登録金商業と不公正取引の複合事案へ適切に対応する観点から、無登録金商業について証券取引等監視委員会による犯則調査の対象とすることが検討されている。
- 株式等については、無登録業者による未公開株式等の取引に係る投資者被害を踏まえ、無登録業者等による未公開株式等の売買契約等は暴利行為に該当するものと推定して売買契約等を原則として無効とする民事効規定が設けられている。暗号資産については、海外無登録業者等との取引もある中、一律に無登録業者の売買契約等が暴利行為に該当するものと推定してよいか慎重に検討する必要があるが、一方で、無登業者による詐欺的な勧誘等による投資者被害が生じていることも踏まえながら、民事効規定を創設することが適切か否か検討すべきではないか。
- 投資運用等に係る不適切行為への対応)
- 暗号資産取引についての投資セミナーやオンラインサロン等が出現している現状に鑑みれば、暗号資産の投資運用や投資アドバイスについても投資運用業及び投資助言業の対象とすることで業務の適切な運営を確保することが適当ではないか。
- 支払手段としての利用者被害の未然防止
- 最近のトラブル事案では、無登録業者による暗号資産投資勧誘のほか、何らかの詐欺的な投資商品勧誘に伴う支払手段として暗号資産が利用されるケースが増加している。こうしたケースでは、被害者が国内の暗号資産交換業者に口座を新規開設・入金して暗号資産を購入し、加害者側のアンホステッド・ウォレットに暗号資産を移転するケースが多いことが指摘されている。
- 現状、一部の暗号資産交換業者では、例えば、新規口座開設や取引時に不審な点がある場合や顧客が高齢者である場合には、新規口座開設や取引の動機等をヒアリングする対応や、新規口座開設・入金から一定期間は暗号資産の移転を制限する対応、海外の無登録業者も含め登録業者以外への送金を全面的に禁止する対応などが行われている。
- 暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払手段として利用されることを未然に防止するため、暗号資産交換業者に対し、法令上の義務として、顧客がアンホステッド・ウォレットや無登録業者のウォレットに暗号資産を移転する場合に、詐欺的事案の可能性に関する警告や移転目的の確認、取引モニタリングの適切な実施、新規口座開設直後及び新規ウォレット先への移転について一定の熟慮期間を設ける等の対応を求めることが適当ではないか
- また、海外の無登録業者への対応を講じていくべきではないか。
- DEXへの対応
- DEXに係るプロトコルの開発・設置は、利用者に暗号資産同士の交換を可能とするものであり、その点ではサービスの暗号資産交換業該当性が論点となり得るが、自らは顧客への勧誘は行わない、開発後はプロトコルでサービスが提供されて人為的要素が少ない等の特徴があり、欧米においては、一定のDEXについて日本の暗号資産交換業と同等の規制の対象外との整理がなされている。
- ※欧州のMiCAでは、暗号資産サービスが仲介者なしで完全に分散化された方法で提供される場合、当該サービスは同法の適用範囲に含まれるべきではないとされており、米国で下院通過したCLARITY法案でも、DEXを含むDeFi(分散型金融)の活動は、当局による反詐欺・反相場操縦の権限の適用を除き、同法案の規制の対象外とされている。また、いずれも具体的な運用の詳細は明らかではない
- 一方で、DEXには、プロトコルの不備等により利用者が不測の損害を被るリスクがある他、適切なAML/CFT対策が実施されないことにより、マネー・ローンダリングに利用されるリスクも存在している。顧客資産の預かりを行わずとも流動性供給者により暗号資産の提供がなされる点も踏まえ、開発後はプロトコルの変更が出来ないDEXを開発・設置する者等に対しては、現在の暗号資産交換業者に対する規制とは異なる、技術的性質に合わせた過不足のない規制のあり方について、今後、各国の規制やその運用動向も注視しながら、継続して検討を行うことが適当ではないか。
- なお、DEXに係るプロトコルの開発・設置が国内で行われているかの判断が必ずしも容易ではない、規制の名宛人を特定することが困難であるといった事態も想定されることから、適切なAML/CFT対策のあり方等の論点を中心に、国際的な議論を行っていくことが考えられるか
- DEXに係るプロトコルの開発・設置は、利用者に暗号資産同士の交換を可能とするものであり、その点ではサービスの暗号資産交換業該当性が論点となり得るが、自らは顧客への勧誘は行わない、開発後はプロトコルでサービスが提供されて人為的要素が少ない等の特徴があり、欧米においては、一定のDEXについて日本の暗号資産交換業と同等の規制の対象外との整理がなされている。
- 禁止行為
- 上場有価証券等のインサイダー取引規制では、「売買等」を禁止行為として規定し、売買・交換・現物出資等の所有権を移転する行為を規制対象としている一方、会社法の諸規定によって発行時の投資家保護が図られているため、新規発行に対応する原始取得は禁止行為に含まれていない。
- 暗号資産についても、上場有価証券等と同様に、「売買等」を禁止行為とするとともに、会社法と同様の規制がないこと等を踏まえ、暗号資産(中央集権型暗号資産(類型①))の新規発行とそれに対応する原始取得(有償取得によるものに限り、マイニング等によるものを除く。)も禁止行為に含めることについてどう考えるか。
- 適用除外
- 上場有価証券等のインサイダー取引規制では、未公表の重要事実を「知って」取引した場合を規制対象としつつ、保護法益に鑑みて規制対象とする必要がないと考えられる取引の類型が具体的に適用除外として列挙されている。(金商法第166条第6項、第167条第5項)
- 暗号資産のインサイダー取引規制においては、保護法益に鑑みて規制対象とする必要がないと考えられる取引類型について十分な事例の蓄積がなく、また、上場有価証券等のインサイダー取引規制で規定されている適用除外の類型を規定するだけでは不十分な場合もあり得る。このため、例えば、未公表の重要事実を「知って」取引することを規制対象としつつ、取引に関する証拠が行為者側に遍在していること等を踏まえ、「重要事実を知らなくとも取引したことを行為者が立証した場合」を適用除外の類型として追加すること等により、保護法益に鑑みて規制対象とすべき行為のみを捉えることが考えられるか。
- 未公表の重要事実の伝達・取引推奨の禁止
- 上場有価証券等については、利益を得させる目的等による未公表の重要事実の伝達・取引推奨はインサイダー取引を助長し、そうした取引が行われる蓋然性を高めるとともに、類型的に会社関係者に近い特別の立場の者にのみ有利な取引を可能とし、インサイダー取引規制の保護法益である「市場の公正性・健全性の確保に対する投資者の信頼」を損なうおそれがあるとして、これを禁止している(金商法第167条の2)。
- 暗号資産についても、上場有価証券等と同様に、未公表の重要事実の伝達・取引推奨を禁止しなければ、国内の暗号資産交換業者の提供する取引の場の公正性・健全性に対する投資者の信頼を十全に確保できないため、インサイダー取引規制の導入に併せて、利益を得させる目的等による未公表の重要事実の伝達・取引推奨を禁止することが適当ではないか
- 罰則
- 暗号資産に係るインサイダー取引規制(情報伝達・取引推奨規制を含む)の罰則は、上場有価証券等のインサイダー取引規制(「五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」)と基本的に合わせることが適当ではないか。
- 犯則調査・課徴金
- インサイダー取引規制の実効性を確保する観点から、これらの禁止規定への違反について、証券取引等監視委員会による犯則調査の対象とするとともに、上場有価証券等のインサイダー取引規制と同様の課徴金規定を設けることが適当ではないか。
- その他の不公正取引規制
- インサイダー取引規制以外にも、例えば以下のような相場操縦行為など、暗号資産にも妥当すると考えられる不公正取引規制については併せて整備すべきではないか。
- 安定操作取引の禁止(金商法第159条3項)は、人為的に高騰・下落を遅らせている相場を自然の需給関係により形成された相場と誤認して売買した取引参加者が、安定操作の停止に伴う相場の高騰・急落により損失を被る事態を防止するために規定されている。当該規制趣旨は暗号資産においても妥当するため、暗号資産の不公正取引規制として整備することが適当ではないか
- 暗号資産特有の不公正取引規制
- 前述の暗号資産のインサイダー取引規制の枠組みによれば、無登録業者のみで扱われる暗号資産についてはインサイダー取引規制の対象とはならない。また、相場操縦やインサイダー取引の禁止では抑止できない暗号資産特有の不公正取引が行われる可能性もあり得るが、そうした不正行為については、暗号資産の不正行為の一般禁止規制や偽計等(金商法第185条の22-23)により対応する余地があるのではないか。その上で、今後、実際に生じた不正行為事案に応じて類型的に抑止を図っていく必要性が認められた場合には、将来的に検討を行っていくことが適当ではないか。
- 課徴金制度
- 不公正取引規制の実効性を確保し、違反行為への抑止力を高めていく観点から、上場有価証券等の不公正取引に係る課徴金制度と同様に、暗号資産に係る不公正取引についても課徴金制度を創設することが適当ではないか。その際、暗号資産についてはP2P取引やDEXでの取引もあり得る等、その特徴を踏まえた制度設計が必要と考えられるが、他にどのような点に留意する必要があるか。
- 市場監視体制
- 有価証券については、日本証券業協会が会員である証券会社に対し不公正取引を防止するための売買管理体制の整備を求めている。また、取引所から独立した組織である日本取引所自主規制法人が、東京証券取引所及び大阪取引所から委託を受けて、自主規制業務として売買審査を実施し、発見した不公正取引を証券取引等監視委員会へ報告を行うことで、実効性ある市場監視体制が構築されている。これらを参考に、暗号資産取引についても、実効的なエンフォースメントのため、暗号資産交換業者による売買審査や、自主規制機関(JVCEA)による市場監視体制の抜本的強化が必要ではないか。
- 暗号資産取引では、複数の暗号資産交換業者を横断的に悪用した相場操縦行為も想定されるため、自主規制機関による横断的な市場監視体制の整備の重要性は上場有価証券等におけるものと同様と考えられる
- 犯則調査権限、課徴金調査権限
- 不公正取引規制の実効性を確保し、違反行為への抑止力を高めていく観点から、上場有価証券等の不公正取引に係るエンフォースメントと同様に、証券取引等監視委員会における犯則調査権限を創設するとともに、課徴金制度の創設に伴う調査権限を設けることが適当ではないか。
- 外国規制当局に対する調査協力
- 金融取引のグローバル化に伴い外国規制当局との連携の重要性は高まっている。暗号資産は容易にクロスボーダー取引が可能であり、また、海外投資家が国内の暗号資産交換業者における取引の場で不公正取引に及んだ場合への対応が必要であることを踏まえると、外国規制当局との協力・情報交換は必要不可欠である。このため、暗号資産取引についても、相互主義の下、外国規制当局に対する調査協力(金商法第189条)の対象とすることが適当ではないか。
- (注)なお、市場制度WGにおいて、外国規制当局に対する調査協力に係る権限に出頭を求める権限を追加することが検討されている
- 投資者の慎重な取引を促す方策
- 投資者がリスクと商品性を十分に理解し、リスクを許容できる範囲で投資を行うことができるようにするため、暗号資産交換業者に対し、(1)暗号資産の価格推移の実績や将来予測を殊更強調するなど、リスクを正しく認識することを妨げ、投機的な取引を誘引するような表示を禁止するとともに、(2)顧客がリスク負担能力の範囲内で取引を行うことを確保するための確認を行う体制の整備や、(3)自主規制規則に基づく取引開始基準や取引・保有限度額の設定等に係る運用の徹底等を求めることが適当ではないか。
- DEXや海外無登録業者での取引に係るリスク周知
- DEXや海外の無登録業者での取引を行う場合には、利用者に不測の損害が生じるリスクを、行政や暗号資産交換業者等において、十分に周知することが適当ではないか。
- 暗号資産投資に係る金融リテラシーの向上に向けた方策
- 現状、金融経済教育推進機構(J-FLEC)において、詐欺的な勧誘等による金融トラブルを防止する観点を踏まえ、若手層・中堅層の社会人向けの教材に、暗号資産等の仕組みが難しい商品に関連した勧誘への注意喚起が盛り込まれているところ、J-FLECの提供する教材の改訂等を通じて、詐欺的な暗号資産の勧誘等による金融トラブルの防止にとどまらず、例えば以下の暗号資産のリスクや特性について啓発することが適当ではないか。
- 需給関係によって価格が決まる傾向が強く、価格が大きく変動する可能性があること、
- 暗号資産交換業者においてハッキング等によりその管理する暗号資産が流出するリスクがあり、当該リスクが顕在化した場合には、利用者の暗号資産が毀損するおそれがあること、
- 投資者が暗号資産特有の上記のリスクと商品性を十分に理解し、投資者自身のリスク許容度を踏まえた上で、余裕資産の範囲内で投資をすることが肝要であること(暗号資産の特性を理解しないまま投資をしないこと)
- 現状、金融経済教育推進機構(J-FLEC)において、詐欺的な勧誘等による金融トラブルを防止する観点を踏まえ、若手層・中堅層の社会人向けの教材に、暗号資産等の仕組みが難しい商品に関連した勧誘への注意喚起が盛り込まれているところ、J-FLECの提供する教材の改訂等を通じて、詐欺的な暗号資産の勧誘等による金融トラブルの防止にとどまらず、例えば以下の暗号資産のリスクや特性について啓発することが適当ではないか。
- 金融取引のグローバル化に伴い外国規制当局との連携の重要性は高まっている。暗号資産は容易にクロスボーダー取引が可能であり、また、海外投資家が国内の暗号資産交換業者における取引の場で不公正取引に及んだ場合への対応が必要であることを踏まえると、外国規制当局との協力・情報交換は必要不可欠である。このため、暗号資産取引についても、相互主義の下、外国規制当局に対する調査協力(金商法第189条)の対象とすることが適当ではないか。
- 有価証券については、日本証券業協会が会員である証券会社に対し不公正取引を防止するための売買管理体制の整備を求めている。また、取引所から独立した組織である日本取引所自主規制法人が、東京証券取引所及び大阪取引所から委託を受けて、自主規制業務として売買審査を実施し、発見した不公正取引を証券取引等監視委員会へ報告を行うことで、実効性ある市場監視体制が構築されている。これらを参考に、暗号資産取引についても、実効的なエンフォースメントのため、暗号資産交換業者による売買審査や、自主規制機関(JVCEA)による市場監視体制の抜本的強化が必要ではないか。
- インサイダー取引規制以外にも、例えば以下のような相場操縦行為など、暗号資産にも妥当すると考えられる不公正取引規制については併せて整備すべきではないか。
~NEW~
金融庁 「コーポレートガバナンス・コードの改訂に関する有識者会議」(令和7年度第1回)議事次第
▼ 資料4 事務局説明資料(金融庁)
- コーポレートガバナンス・コードのスリム化/プリンシプル化
- 現状の課題に関する指摘
- 形式的なコンプライにとどまっている場合もあり、各主体の間で取組みの質に大きな差がある。
- プリンシプルベースかつコンプライ・オア・エクスプレインのアプローチを採っている趣旨に立ち返り、すべての企業・投資家において、共通して必要となる対応に加え、各主体の規模や置かれた状況に応じ、きめ細かく必要な取組みを検討することが必要。
- コードを形式的に遵守することより、むしろ丁寧にエクスプレインすることも重要。
- 企業・投資家の声
- 企業からは、他の開示書類との重複もあり開示負担が大きいとの声。
- 投資家からは、企業の対応が実質化され、必要な情報が適切に開示されることが重要であるとの声。
- 諸外国の状況
- 諸外国では、コンプライ・オア・エクスプレインの対象とせずに、企業に対するアドバイスや各原則への対応方法の具体例等を示している例(英、独等)があり、これにより、企業の開示負担を軽減しつつ、コードへの対応の実質化が図られている。
- 英国のコーポレートガバナンス・コード改訂(2024年)においても、企業の報告負担を最小限に抑えつつガバナンスの質を向上させることを意図して、的を絞ったアプローチを採用。
- 再整理の方向性(案)
- 現行実務等に照らし、引き続き、重要性が認められ、かつ、コンプライ・オア・エクスプレインの規律に付する必要性が認められる補充原則は原則に格上げする
- 現行実務等に照らし、コンプライ・オア・エクスプレインの規律の対象とするよりも、他の原則等の補助的な位置づけとしつつ、より実質的な対応を促進することが適切と考えられる箇所については、原則の「考え方」を新設した上で記載する
- その他、実務への浸透が進む等によりコードに記載する必要性が低下した箇所、コード策定以降にルール化され重複が生じている箇所等は削除する
- 現状の課題に関する指摘
- ご議論いただきたい事項
- 総論
- 企業の持続的な成長と中長期的な企業価値向上というコーポレートガバナンス改革の趣旨に照らして、コーポレートガバナンス・コードが果たしている役割と、コーポレートガバナンス改革の実質化に向けた今後の課題をどう考えるか。そうした課題を踏まえ、アクション・プログラム2025で示唆された検討の方向性(スライド9)について、どう考えるか。
- コーポレートガバナンス・コードの中で、形式的な遵守にとどまっていることにより、ガバナンス改革の実質化の妨げとなっている原則はあるか。
- コーポレートガバナンス・コードのスリム化/プリンシプル化
- 補充原則を中心に再整理を行うこと(スライド11の方向性)について、どう考えるか。
- 上記に加えて、スリム化の観点から、複数箇所に記載されている同一のテーマの事項を統合することについて、どう考えるか。
- (例) 株主に関する記載(第1章(株主の権利・平等性の確保)・第5章(株主との対話))、サステナビリティ課題への対応、経営戦略等の策定・実行等と経営資源の配分
- プリンシプルベース、コンプライ・オア・エクスプレインの趣旨の再周知
- プリンシプルベース、コンプライ・オア・エクスプレインの趣旨を再周知する観点から序文を設けることについて、どう考えるか。
- 総論
▼ 資料5 事務局説明資料(東京証券取引所)
- 現状と今後の方向性
- 上場会社の対応状況については明確な差が出てきており、
- プライム市場では開示率が9割を超え、アップデートを行う企業が中心となってきていることから、取組みの実行フェーズにある企業を後押しするため、ポイント・事例集のアップデートなど、企業のフェーズに合ったプラクティカルなコンテンツを提供
- スタンダード市場では足元で初回の開示やアップデートを行う企業も出てきているものの、
- 要請から2年以上が経つなかで、依然として約半数の企業が未開示である点が課題
- また、企業の取組みが進捗するなかで、機関投資家からは、ROE8%、PBR1倍を超えていれば一安心という意識の企業が多いとの声もあり、企業の目線感を上げていくための啓発が必要
- 機関投資家とのコミュニケーション促進の観点からは、機関投資家に対する理解を深めるためのサポートを継続的に実施しつつ、企業・投資家双方からのニーズに応じて開示企業リストを改良
- 上場会社の対応状況については明確な差が出てきており、
- コンプライが形骸化していると指摘されている事例
- 株主・投資者に向き合いながら企業価値向上に取り組む上場会社が増えている一方、合理的な理由もなく対話に応じないなど、株主・投資者に向き合う姿勢が十分ではないと指摘される上場会社も依然として存在
- 2025年7月から全上場会社にIR体制の整備を義務化するとともに、実効的なIR活動の促進に向けて、「IR体制・IR活動に関する投資者の声」を公表。今後も継続的にフォローアップを実施予定
- 独立社外取締役の選任状況
- 独立社外取締役を3分の1以上選任するプライム市場上場会社は98.8%、半数選任は41.2%、過半数選任は26.2%
- 独立社外取締役を2名以上選任するスタンダード市場上場会社は85.3%、3分の1以上選任は59.3%、半数選任は15.0%、過半数選任は6.8%
- 組織形態の推移
- プライム・スタンダード・グロース市場の全上場会社のうち、監査役会設置会社は52.6%、監査等委員会設置会社は44.9%、指名委員会等設置会社は2.5%であり、監査等委員会設置会社が増加傾向
- 指名委員会・報酬委員会の設置状況
- プライム市場上場会社のうち、法定の指名委員会等設置会社は5%、監査等委員会設置会社または監査役会設置会社で任意の指名委員会・報酬委員会を設置している会社は9割超
- 指名委員会・報酬委員会の独立性
- 任意の指名委員会・報酬委員会を設置するプライム上場会社のうち、構成員の過半数を社外取締役とする会社は9割超、委員長を社外取締役とする会社は7割超まで増加し、委員会における独立性の確保が進捗(※)コード上、プライム市場上場会社では、任意の指名委員会・報酬委員会の構成員の過半数を「“独立”社外取締役」とすることを基本としているが、以下ではデータの制約上、「社外取締役」を集計対象としている
~NEW~
金融庁 金融安定理事会による「金融セクターにおけるAI導入と関連する脆弱性の監視」に係る報告書の公表について
▼ プレス・リリース(翻訳)
- FSBは、AI監視に関する当局の次のステップを概説
- FSBの報告書は、金融セクターにおける人工知能(AI)の導入の監視に関連する課題に取り組む方法について当局へのアドバイスを定めています。
- このレポートは、金融システムにおけるAIの導入と関連する脆弱性の監視をサポートするために、さまざまな直接的および代理的な指標を特定しています。
- このレポートには、AIサプライチェーンの最近の発展と、金融機関がいくつかの重要なサードパーティプロバイダーに依存していることの影響に関するケーススタディが含まれています。これらには、重要度、集中度、および代替可能性に関連する脆弱性が含まれます。
- 金融安定理事会(FSB)は本日、当局が金融セクターにおけるAIの導入と関連する脆弱性をどのように監視しているかを調査した報告書を発表しました。この報告書は、人工知能の金融安定性への影響に関するFSBの2024年報告書に基づいている。
- 金融当局はAIのユースケースとその利点と脆弱性の理解を進めていますが、監視の取り組みはまだ初期段階にあります。この報告書は、データのギャップや標準化されたタクソノミーの欠如など、当局が直面する課題を強調し、金融システムにおけるAI導入と関連する脆弱性の監視をサポートするさまざまな指標を特定しています。
- サードパーティのサービスプロバイダーは、金融機関が効果的なAIアプリケーションを効率的に開発および展開できるよう支援する上で重要な役割を果たしています。しかし、このような関係は金融機関を運用上の脆弱性にさらし、生成AI(GenAI)の使用の増加は、重大なサードパーティの依存関係につながる可能性があります。このレポートは、生成AIが特殊なハードウェア、クラウドインフラストラクチャ、事前トレーニング済みモデルなど、少数の主要サプライヤーに依存していることを強調しています。この依存度が高いと、利用可能な代替手段がほとんどない場合に脆弱性が生じる可能性があります。GenAIのケーススタディでは、FSBのサードパーティリスク管理ツールキットを活用し、サードパーティAIサービスプロバイダーの重要度、集中度、代替可能性、体系的関連性を評価する指標を提案することで、これらの課題を調査しています。
- FSBは、各国当局に対し、報告書に示された指標を活用して監視アプローチを強化するよう奨励している。これらの取り組みを支援するため、FSBは国境を越えた協力を通じて、タクソノミーと指標の整合性を促進します。
~NEW~
金融庁 証券監督者国際機構(IOSCO)による最終報告書「『暗号資産・デジタル資産に関する勧告』の実施に係るテーマ別レビュー」の公表について
▼ プレス・リリース(翻訳)
- IOSCO、暗号資産およびデジタル資産市場に関する勧告の実施状況をレビュー
- 証券監督者国際機構(IOSCO)は本日、暗号資産およびデジタル資産(CDA)市場に関するIOSCO勧告の実施状況を評価するテーマ別レビューの最終報告書(以下「報告書」)を公表しました。
- 暗号資産市場の急速な発展と成長を踏まえ、IOSCOと金融安定理事会(FSB)を含むその他の関係機関は、暗号資産およびグローバル・ステーブルコインの規制と監督のための包括的な政策枠組みを策定しました。これらの枠組みが各国・地域において完全かつ一貫して実施されることを促進するため、IOSCOとFSBはそれぞれ別個でありながら補完的なテーマ別実施レビューを実施し、本日、共同文書を添付して公表しました。
- IOSCOのレビューは、フィンテック・タスクフォースと評価委員会によって共同で実施されました。本レビューは、投資家保護と市場の健全性に焦点を当て、先進国と新興国の20の法域が、IOSCOの2023年暗号資産およびデジタル資産市場に関する政策勧告をどのように実施しているかを検証しました。評価対象となった勧告は、ガバナンス、利益相反、詐欺および市場濫用、国境を越えた協力、カストディ、個人顧客保護、情報開示に関する事項を網羅しています。本レビューは、暗号資産市場の規制における進捗状況と、実施における一貫性の向上、規制裁定のリスクの軽減、執行慣行の強化など、継続的な進展が求められる主要分野の両方に焦点を当てています。本レビューは、急速に進化する暗号資産エコシステムが依然として投資家保護と市場の健全性に関連するリスクを孕んでいることを指摘しています。本レビューは、法域に対し、既存および新たなリスクを監視し、CDA政策勧告を可能な限り早期に完全実施するための措置を講じるよう求めるものです。この目的のため、IOSCOは、知識共有を促進し、管轄区域の実施努力を支援することを目的として、能力構築プログラムの強化に努めます。
- 管轄区域は依然として国境を越えた協力のための規制枠組みを策定・実施している段階であるため、国境を越えた情報共有のための既存のメカニズムの活用は依然として比較的限られています。主要な暗号資産サービスプロバイダー(CASP)のほとんどが世界的に展開していることから、より緊密な国際協力の必要性が高まっています。本レビューは、IOSCOに対し、動向を注視し、執行を超えた協力メカニズムの改善を含む、情報共有を促進するための強化策を検討するよう勧告しています。
- 急速に進化する暗号資産エコシステムを踏まえ、この評価報告書は、各国・地域に対し、これらの市場がもたらす投資家保護と市場の健全性に関する課題に、法的および規制上の枠組みが十分に対応していることを保証する上で重要な節目となります。同日に公表されたIOSCO報告書とFSB報告書の補完性は、実施状況を分析する上で重要です。IOSCO報告書は、国際基準設定主体がこれらの世界的な課題に対して原則に基づく解決策を提供できる能力を示しています。 – ジャン=ポール・セルヴェ、IOSCO理事会議長
- 「各国・地域は依然として規制枠組みの策定と実施の過程にありますが、IOSCOの報告書では、暗号資産およびデジタル資産市場の規制における新たな慣行の有益な事例が示されています。IOSCOとFSBは共に、各国・地域に対し、既存および新たなリスクを監視し、CDA政策勧告の実施を含む、一貫性のある国際基準を採用するよう求めています。IOSCOは、各国・地域による実施努力を支援するため、能力構築プログラムを引き続き強化していきます。」– トゥアン・リー・リム、シンガポール金融管理局(MAS)アシスタント・マネージング・ディレクター、IOSCOフィンテック・タスクフォース議長
- 「国境を越えた協力は、IOSCOとFSBの報告書の両方において、重要な共通焦点領域として浮上しています。規制裁定に対処し、一貫性と整合性のある監督を確保するためには、国際協力の強化が不可欠です。私たちの報告書は、認可、監督、執行の各段階を含む、規制ライフサイクル全体にわたる積極的な情報共有の必要性を強調しました。」– マシュー・ロング、英国金融行動監視機構(FCO)決済・デジタル資産担当ディレクター、レビュー共同議長
- 「多くの法域で進展が見られる一方で、暗号資産は世界中でその影響力を拡大しています。そのため、私たちの報告書では、特に新しい暗号資産ビジネスモデルが開発され、既存のリスクが変化し、様々な新たなリスクが出現していることを踏まえ、更なる取り組みが必要であると指摘しています。本報告書は、IOSCOの暗号資産導入ロードマップに基づいて実施された初期評価であり、IOSCOによる今後のレビューのための評価手法の開発に役立つものとなるでしょう。」– ローラン・ヴァン・ブリック、ルクセンブルクCSSFユニット長、レビュー共同議長
~NEW~
金融庁 金融安定理事会による「FSBの暗号資産関連の活動に関するグローバルな規制枠組みのテーマ別レビュー」の公表について
▼ プレス・リリース(翻訳)
- FSBは、仮想通貨とステーブルコインの推奨事項の実施に重大なギャップと矛盾を発見しました
- ピアレビューにより、FSB暗号資産活動グローバルフレームワークの実施に重大なギャップと矛盾があり、金融の安定と回復力のあるデジタル資産エコシステムの発展にリスクをもたらす可能性があることが明らかになりました。
- 管轄区域は暗号資産市場と活動に関する勧告の実施において進歩を遂げているが、世界的なステーブルコインの取り決めに対する規制は遅れている。
- FSBは、規制上の裁定取引のリスクを最小限に抑え、本質的にグローバルな暗号資産市場の監視を改善するために、完全かつ一貫した実施を優先するよう管轄区域に要請します。
- 金融安定理事会(FSB)は本日、FSBの暗号資産活動に関するグローバル規制枠組みに関するテーマ別ピアレビューを発表しました。この報告書は、暗号資産サービスプロバイダーとステーブルコインの取り決め、データの報告と収集、国境を越えた協力と調整に関する勧告など、FSBの2023年グローバルフレームワークの実施の進捗状況を評価するためのピアレビューの結果について説明しています。
- 暗号資産市場と規制は急速に変化しています。このレビューによると、2025年8月の時点で、各自治体は暗号資産活動の規制と、程度は低いもののグローバル・ステーブルコイン・アレンジメント(GSC)の規制において進歩を遂げている。しかし、金融の安定や回復力のあるデジタル資産エコシステムの発展にリスクをもたらす可能性のある重大なギャップや矛盾も明らかになります。
- 各管轄区域は暗号資産市場と活動に関する勧告の実施に向けて目覚ましい進歩を遂げてきましたが、GSCの規制枠組みを最終決定した管轄区域はほとんどありません。規制の枠組みが最終決定されたとしても、特にステーブルコインの取り決めや暗号資産サービスプロバイダーに関して、FSBの勧告との完全な整合性は依然として限られています。さらに、管轄区域は枠組みの更新、修正、改良を継続する可能性があります。
- この見直しは、FSBとその加盟管轄区域に対し、この分野での作業に優先順位を付け、完全かつ一貫した実施に到達するためにさらに努力するよう求めている。具体的には、実施の進捗状況、包括性と一貫性、国境を越えた協力と調整の観点から、未解決の問題に対処するためのいくつかの勧告を提唱しています。「進歩の進展は依然として不完全で、不均一で、一貫性がありません。これにより、規制上の裁定取引の機会が生まれ、本質的にグローバルで進化する暗号資産市場の監視が複雑になります」と、香港金融管理局の副総裁で報告書を作成したチームの委員長であるアーサー・ユエン氏は述べた。
- 本日、国際証券監督者機構(IOSCO)も、IOSCOの暗号・デジタル資産フレームワークの実施に関するテーマ別レビューの結果を発表した。共同情報ノートは、FSBとIOSCOの補完報告書の範囲と調査結果の概要を提供します。
~NEW~
首相官邸 基本方針
- 今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る。世界が直面する課題に向き合い、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。日本と日本人の底力を信じてやまない者として、日本の未来を切り拓く責任を果たすべく、絶対にあきらめない決意をもって、国家国民のため、内閣の総力を挙げて、以下の政策を推し進める。
- 強い経済の実現
- 様々なリスクや社会課題に対し、官民手を携えて先手を打って行う「危機管理投資」を肝として、日本経済の強さを取り戻すための成長戦略を始動させ、軌道に乗せる。
- 財政の持続可能性には常に配慮しつつも、「責任ある積極財政」の考え方の下、戦略的に財政出動を行うことにより、暮らしの安全・安心を確保するとともに、所得を向上させ、消費マインドを改善し、税収を増加させる。
- そのため、物価高対策、経済安全保障の強化、食料安全保障、エネルギー・資源安全保障の確立、国土強靱化、サイバーセキュリティ対策の強化、健康医療安全保障の構築、人材総活躍の環境づくりに取り組む。
- 地方を伸ばし、暮らしを守る
- 地方の「暮らし」と「安全」を守るため、地域ごとの産業クラスターの形成、地方のDX化の推進、地場産業の強化、地域公共交通の維持に取り組む。
- 外国人問題に関する司令塔機能を強化し、総合的な対策を推進する。組織犯罪対策等を講じ、治安の維持・向上を図る。
- 万一、大規模な自然災害、テロ、感染症など、国家的な危機が生じた場合、国民の生命と財産を守ることを第一に、政府一体となって、機動的かつ柔軟に全力で対処する。
- 東日本大震災、能登半島地震をはじめとする大規模災害からの復興に全力を尽くす。
- 外交力と防衛力の強化
- 日本の国益を守るため、世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す。外交力・防衛力・経済力・技術力・情報力を含む総合的な国力を強化しつつ最大限活用し、我が国の平和と安全、繁栄、国際社会との共存共栄を推進する。
- 日米同盟を基軸に、自由で開かれたインド太平洋というビジョンの下、同志国やグローバルサウス諸国との外交・防衛・経済等の多角的な連携を拡大する。インテリジェンス機能の強化に取り組む。北朝鮮による拉致被害者の早期帰国に取り組む。
- 我が国の主体的判断において、防衛力の抜本的強化を図る。
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首相官邸 総合経済対策の策定について(内閣総理大臣指示)
- 日本は今、少子化、物価高、国際情勢の緊迫、そして地方の衰退などの大きな岐路に立っています。日本経済は緩やかに回復していますが、潜在成長力は伸び悩み、米国関税措置に関する日米協議は合意に至ったものの世界経済には不透明感があります。こうした中、食料品を中心とした物価高が当面の景気下押しリスクとなっています。
- 「未来への不安を希望に変える」ため、まずは、今の国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じるとともに、日本経済の強さを取り戻すための経済政策を作り上げていきます。
- こうした基本的な考え方のもと、物価高から暮らしと職場を守ること、大胆な危機管理投資と成長投資で暮らしの安全・安心の確保と強い経済を実現すること、そして防衛力と外交力の強化で日本の平和を守ること、といった重要課題に速やかに対応することを目的として、「総合経済対策」を策定します。
- 経済対策の柱は、第一に、生活の安全保障・物価高への対応です。
- 足元の物価高に対しては、重点支援地方交付金により、地域のニーズにきめ細かく対応します。厳冬期の電気・ガス代を支援します。国・自治体と民間の請負契約単価を物価上昇等を踏まえて適切に見直します。当分の間税率の廃止に向けた政党間協議を進め、制度実施までは燃料油激変緩和補助金の基金残高を活用します。給付付き税額控除の検討に着手します。
- 地方の伸び代を活かし、地方の暮らしの安定を図ります。医療・介護等について、職員の方々の処遇を改善するとともに、経営改善支援を行います。地域交通、小売りをはじめとする地域の基幹産業の活性化を図ります。
- 地方発の世界をリードする技術・ビジネスの創出を進めます。国民一人一人が生きがいや役割を持つ包括的な地域共生社会を実現します。外国人問題への対応、治安対策、公教育再生や政党間合意を踏まえた教育無償化への対応も進めます。
- 中小企業・小規模事業者をはじめとする賃上げ環境の整備も進めます。3.の(1)に記載の重点支援地方交付金を活用します。価格転嫁対策の徹底、中小企業等の稼ぐ力の強化や省力化投資の支援を行います。
- 第二の柱は、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現です。官民が連携した積極的な投資により、我が国の課題を解決し、先端産業を開花させていくことで、日本経済の強い成長の実現を目指します。
- 経済安全保障の強化のため、AI、半導体、造船、量子、バイオ、航空・宇宙など、戦略分野の官民連携投資と重要物資のサプライチェーンの強化を進めます。サイバーセキュリティ対策を強化します。
- 食料安全保障の確立に向けて、農林水産業の構造転換を図るとともに、農林水産物・食品の輸出拡大を図ります。
- エネルギー・資源安全保障の強化のため、原子力については、安全性の確認を前提とした原子炉の再稼働を進めるとともに、原子力防災等にも取り組みます。資源開発、省エネ・再エネ、GXも進めます。
- 事前防災や道路関連インフラの保全をはじめ、防災・減災・国土強靱化にも取り組みます。
- 先端科学技術、スタートアップ・コンテンツ、健康医療、人への投資など、未来に向けた投資を拡大させていきます。
- 第三の柱は、防衛力と外交力の強化です。
- 外交・安全保障環境の変化に対応するため、防衛力整備に引き続き取り組みます。自衛隊員の処遇改善、多角的な経済外交の展開などにも取り組みます。
- 米国関税措置への対応として、合意内容を誠実かつ速やかに実行していくため、日米戦略的投資イニシアティブに必要な措置を講じます。事業者の状況やニーズに応じた多様な支援を行えるよう、中小企業向けの資金繰り支援等により、国内経済・産業への影響緩和に万全を期します。
- 以上三つの柱に沿って、経済財政政策担当大臣を中心に、与党と十分連携して具体的な検討を行い、党派を超えた議論も踏まえて、経済対策を取りまとめてください。経済対策を決定した上で、補正予算を提出いたします。取りまとめに当たっては、課題の性質に応じて、規制・制度改革や財政投融資の手法なども積極的に活用してください。財政措置を伴うものについては、財務大臣と十分に内容を協議してください。
- 閣僚各位におかれましては、国民の皆様の声を聞き、施策の具体化に取り組んでいただくよう、よろしくお願い申し上げます。
~NEW~
厚生労働省 令和7年版自殺対策白書
▼ 概要版
- 自殺の現状
- 令和6年の自殺者数は20,320人と、前年より1,517人減少し、統計開始以降2番目に少ない数値となった。男女別にみると、男性は3年ぶりの減少、女性は2年連続の減少となった。
- 年齢階級別の自殺死亡率(10万人当たりの自殺者数)をみると、令和6年はほとんどの年齢階級で低下し、特に、70歳代及び80歳以上は統計のある平成19年以降で最も低く、50歳代及び60歳代は2番目に低い数値となった。一方で、10歳代は平成29年以降上昇傾向にあり、令和6年の小中高生の自殺者数は529人と、統計のある昭和55年以降、最多の数値となった。
- 職業別にみると、「有職者」、「無職者」ともに減少したが、「学生・生徒等」は増加した。
- 自殺の原因・動機別にみると、「学校問題」は増加し、それ以外(「家庭問題」、「健康問題」、「経済・生活問題」、「勤務問題」、「交際問題」、「その他」)は減少した。
- 若者の自殺をめぐる状況
- 若者(15~29歳)の自殺者数は、令和2(2020)年以降3,000人を超えて高止まり傾向にある。若年女性は増加傾向にあり、令和6(2024)年に「15~19歳」の女性が男性を上回ったが、20歳代では依然男性の方が多い。
- 若年女性の自殺者は自殺未遂歴のある割合が20歳代から4割を超えて高く、30歳代前半までその傾向が続く。
- 自殺の手段は全ての年齢階級で「首つり」が最も多いが、若年女性は、男性や女性(全年齢)に比して「服毒(医薬品)」の割合が高い。また、若者の自殺未遂の手段で、最も多いものは過量服薬である。
- 若者の自殺死亡率を職業別にみると、「無職者」の自殺死亡率が他の属性に比して高く、そのうち特に男性が著しく高い。
- 「有職者」では、年齢階級が低い方が自殺死亡率はやや高い。
- 「無職者」では、男性は年齢階級が高くなるにつれて自殺死亡率が大きく上昇するが、女性は「20~24歳」の自殺死亡率がやや高い。
- 「学生・生徒等」のうち大学生及び専修学校生等の自殺者数は、男性は女性よりも多く、おおむね横ばいで推移しているが、女性は増加傾向である。
- 大学生等の自殺の原因・動機は、男性では、「学業不振」、「進路に関する悩み(入試以外)」といった「学校問題」が多い。
- 女性では、「病気の悩み・影響(うつ病)」、「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」といった「健康問題」が多い。
- 大学生の各歳別自殺者数をみると、男性は、多くの年で21歳を頂点とした山形となっており、令和2(2020)年をピークに、徐々になだらかになっている。一方、女性は、令和3(2021)年以降は21歳が多く、山も高くなるなど、傾向が男性に近づいている。
- 21歳の大学生の原因・動機をみると、男女ともに「進路に関する悩み(入試以外)」の割合が最も高く、女性では大学生等で最も多かった「病気の悩み・影響(うつ病)」などの「健康問題」を上回った。
- 若年有職者の自殺死亡率は、男性は、おおむね横ばい又は低下傾向にある。女性は若年層全体で上昇傾向である。
- 若年有職者の自殺の原因・動機は、男女ともに「病気の悩み・影響(うつ病)」といった「健康問題」の割合が高く、「職場の人間関係(その他)」や「仕事疲れ(その他)」といった「勤務問題」の割合も高い。また、20歳代の男性の有職者では、「負債(多重債務)」といった「経済・生活問題」の割合が高い。
- 若年無職者の自殺死亡率は、男性で著しく高く、年齢階級が高いほど上昇する。また、女性では近年上昇傾向である。
- 若年無職者の区分別自殺者数をみると、男女ともに、ほとんどの年齢階級において「その他の無職者(ひきこもり以外)」が最も多いが、「その他の無職者(ひきこもり)」は「失業者」より多い。
- 若年無職者の自殺の原因・動機をみると、「病気の悩み・影響(うつ病)」が最も高い割合となるなど、総じて「健康問題」の割合が高い。
- 「その他の無職者(ひきこもり以外)」では、「失恋」や「生活苦」、「就職失敗」が上位となる。
- 「その他の無職者(ひきこもり)」では、「親子関係の不和」や「就職失敗」、「孤独感」が上位となる。
- 「失業者」では、「生活苦」、「失業」などの「経済・生活問題」が上位となり、「失恋」や「職場の人間関係(その他)」も上位10位以内となる。
- 分析を通じて分かったこと(推移・全体的傾向)
- 若者(15~29歳)の自殺者数は、令和2(2020)年以降3,000人を超えて高止まり傾向にある。若年女性は増加傾向にあり、令和6(2024)年に「15~19歳」の女性が男性を上回ったが、20歳代では依然男性の方が多い。
- 若年女性の自殺者は自殺未遂歴のある割合が20歳代から4割を超えて高く、30歳代前半までその傾向が続く。
- 自殺の手段は全ての年齢階級で「首つり」が最も多いが、若年女性は、男性や女性(全年齢)に比して「服毒(医薬品)」※の割合が高い。
- 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ包括的な支援
- 主な取組
- 地域の自殺未遂者等支援の拠点機能を担う医療機関の整備
- 救急医療機関における精神科医による診療体制等の充実(「自傷・自殺未遂レジストリ」の運用)
- 医療と地域の連携推進による包括的な未遂者支援の強化(地域のかかりつけの医師等と、専門医・専門医療機関が適切に連携できるよう「かかりつけ医等心の健康対応力向上研修事業」を実施)
- 居場所づくりとの連動による支援
- 家族等の身近な支援者に対する支援
- 学校、職場等での事後対応の促進
- オーバードーズ対策
- 市販薬の乱用の危険性等について、パンフレットや動画の作成、厚生労働省Webサイトなどを活用した啓発を実施
- オーバードーズに苦しむ若者を適切な支援先につなぐためのマニュアル「ゲートキーパーとしての薬剤師等の対応マニュアル-OTC医薬品を販売する薬剤師・登録販売者、及び学校薬剤師向け-」を作成し、現場での活用を促進
- 主な取組
- 分析を通じて分かったこと(属性別にみた自殺の原因・動機)
- 大学生の自殺者数は、男女とも21歳を頂点とした山形となっており、女性の傾向が男性に近づいてきている。また、自殺の原因・動機は、男性では「学業不振」や「進路に関する悩み(入試以外)」といった「学校問題」が多く、女性では「病気の悩み・影響(うつ病)」や「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」といった「健康問題」が多いが、21歳では、女性も男性と同様、「進路に関する悩み(入試以外)」が最も多い。
- 若年有職者の自殺の原因・動機は、男女ともに「病気の悩み・影響(うつ病)」といった「健康問題」の割合が高く、「職場の人間関係(その他)」や「仕事疲れ(その他)」といった「勤務問題」の割合も高い。また、20歳代の男性の有職者では、「負債(多重債務)」といった「経済・生活問題」の割合が高い。
- 若年無職者の自殺者は、男女ともおおむね「その他の無職者(ひきこもり以外)」が最も多いが、「その他の無職者(ひきこもり)」は「失業者」より多い。また、自殺の原因・動機は、「病気の悩み・影響(うつ病)」といった「健康問題」の割合が高い。
- 属性に応じたきめ細かな対策
- 大学生等
- 各大学等での相談体制の構築、専門家との連携等による学生の悩みや不安に寄り添ったきめ細かな支援等
- 大学教職員等に対する「大学における自殺対策推進のための研修」の実施
- 「新卒応援ハローワーク」等による大学等への出張相談を含む就職支援
- 有職者
- 各事業場におけるストレスチェックやハラスメント対策の推進
- ポータルサイト「こころの耳」における若年労働者や新入社員向けのメンタルヘルス対策の紹介
- 若者等を対象に多重債務などの金融トラブル防止のための出前講座等の実施
- 無職者
- 「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」を活用した支援
- 地域若者サポートステーションでの職業的自立に向けた専門的な相談等の実施
- 失業者が長期失業に至ることのないよう、ハローワーク窓口においてきめ細かな相談支援を実施
- 大学生等
- 令和6年度の自殺対策の実施状況
- 地域レベルの実践的な取組への支援を強化する取組
- 地域自殺実態プロファイル、地域自殺対策政策パッケージの作成
- 「地域自殺実態プロファイル」の提供
- 市区町村単位での効果的な自殺対策に資するよう、地方公共団体の自殺実態の分析や各地域の特性の評価等を行った、「地域自殺実態プロファイル」を各地方公共団体に提供。
- 「地域自殺実態プロファイル」の提供
- 地域自殺対策計画の策定・見直し等の支援
- 地域自殺対策推進センターへの支援
- 自殺対策の専任職員の配置・専任部署の設置の促進
- 地域自殺実態プロファイル、地域自殺対策政策パッケージの作成
- 国民一人ひとりの気付きと見守りを促す取組
- 自殺予防週間と自殺対策強化月間の実施
- 長期休暇の時期を踏まえた大臣連名メッセージの発信
- 国民やこども・若者に向けたメッセージについて、厚生労働大臣、文部科学大臣、こども政策担当大臣及び孤独・孤立対策担当大臣の連名で広く情報発信を実施。
- 児童生徒の自殺対策に資する教育の実施
- 「SOSの出し方に関する教育」の推進
- 文部科学省・厚生労働省の連名通知(平成30年)を踏まえ、引き続き「SOSの出し方に関する教育」を推進。
- 「SOSの出し方に関する教育」の推進
- 自殺や自殺関連事象等に関する正しい知識の普及、うつ病等についての普及啓発
- 長期休暇の時期を踏まえた大臣連名メッセージの発信
- 自殺予防週間と自殺対策強化月間の実施
- 自殺総合対策の推進に資する調査研究等を推進する取組
- 自殺の実態や自殺対策の実施状況等に関する調査研究・検証
- 成果活用
- 子ども・若者及び女性等の自殺調査、死因究明制度との連動
- 児童生徒の自殺予防に向けた調査研究の推進
- 「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針(平成26年改訂版)」の改訂に向けた議論を実施。
- こどもの自殺の要因分析の実施
- 警察や消防、学校や教育委員会、地方公共団体等が保有する自殺に関する統計及びその関連資料を集約して要因分析を行う調査研究を実施。
- 児童生徒の自殺予防に向けた調査研究の推進
- うつ病等の精神疾患の病態解明等につながる学際的研究
- 自殺の実態や自殺対策の実施状況等に関する調査研究・検証
- 自殺対策に関わる人材の確保、養成及び資質の向上を図る取組
- 大学や専修学校等と連携した自殺対策教育の推進
- かかりつけ医、地域保健スタッフ、公的機関職員等の資質向上
- 教職員に対する普及啓発
- 様々な分野でのゲートキーパーの養成
- ゲートキーパー養成研修講師向け研修の実施等
- ゲートキーパー養成研修の講師や指導者となる者を対象とした研修を実施。また、各分野のゲートキーパー養成に係る研修教材をWebサイト「まもろうよこころ」へ掲載。
- ゲートキーパー養成研修講師向け研修の実施等
- 自殺対策従事者への心のケア
- 家族や知人、ゲートキーパー等を含めた支援者への支援
- 心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを推進する取組
- 職場におけるメンタルヘルス対策の推進
- 地域における心の健康づくり推進体制の整備
- 学校における心の健康づくり推進体制の整備
- スクールカウンセラー等を活用した教育相談体制の充実
- 児童生徒の抱える様々な問題に対応するため、スクールカウンセラー等の課題に応じた配置の充実のための予算を拡充。
- スクールカウンセラー等を活用した教育相談体制の充実
- 大規模災害における被災者の心のケア、生活再建等の推進
- 能登半島地震における「被災地心のケア事業」の実施
- 石川こころのケアセンターを設置し、心のケアを必要とする方に対して、専門ダイヤルによる電話相談や訪問支援等を実施。
- 能登半島地震における「被災地心のケア事業」の実施
- 適切な精神保健医療福祉サービスを受けられるようにする取組
- 精神科医療、保健、福祉等の連動性の向上、専門職の配置
- 各施策の連動性を向上させるための研修等の実施
- 精神保健医療福祉サービスを担う人材の養成等
- オーバードーズに苦しむ若者の支援の実施
- オーバードーズ対策として、相談窓口を記載したWebサイトや啓発資材、薬剤師や登録販売者が適切な支援先につなぐためのマニュアルを作成し、セミナーの実施等、現場で活用を促す取組を実施。
- オーバードーズに苦しむ若者の支援の実施
- 子どもに対する精神保健医療福祉サービスの提供体制の整備
- うつ等のスクリーニングやうつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策
- 精神科医療、保健、福祉等の連動性の向上、専門職の配置
- 社会全体の自殺リスクを低下させる取組
- 相談体制の充実と相談窓口情報等の分かりやすい発信、アウトリーチの強化
- 多重債務の相談窓口の整備とセーフティネット融資の充実
- 金融経済教育の強化
- 令和6年に設立した金融経済教育推進機構(J-FLEC)において、金融経済教育の講義資料を作成・学校や企業等への出張授業を実施し、借金や多重債務等のトラブルについて、幅広い層に対する周知を実施。
- ICT(インターネット・SNS等)の活用
- 1人1台端末を効果的に活用したSOSの発信や心身の状況把握
- 1人1台端末を効果的に活用したSOSの発信や心身の状況把握について、普及への取組を実施。
- 1人1台端末を効果的に活用したSOSの発信や心身の状況把握
- インターネット上の誹謗中傷及び自殺関連情報対策
- ひきこもり、児童虐待、性犯罪・性暴力の被害者、生活困窮者、ひとり親家庭に対する支援
- ひきこもりの方への支援の充実
- 現状の課題を踏まえたひきこもり支援の新たな指針として、「ひきこもり支援ハンドブック~寄り添うための羅針盤~」を策定するなど、支援の充実のための取組を実施。
- ひきこもりの方への支援の充実
- 性的マイノリティに対する支援の充実
- 自殺対策に資する居場所づくりの推進
- 報道機関に対するWHOの手引き等の周知
- 自殺対策に関する国際協力の推進
- 自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ取組
- 地域の自殺未遂者支援の拠点機能を担う医療機関の整備
- 救急医療機関における精神科医による診療体制等の充実
- 自殺未遂者ケア研修の実施
- 救急医療の従事者を対象とした「自殺未遂者ケア研修『一般救急版』及び『精神科救急版』」を実施。
- 自傷・自殺未遂レジストリの運用
- 自殺未遂者に対してより実効的な介入、援助の方法を確立すべく、救命救急センターにおける登録システムである「自傷・自殺未遂レジストリ」を運用。
- 自殺未遂者ケア研修の実施
- 医療と地域の連携推進による包括的な未遂者支援の強化
- 家族等の身近な支援者に対する支援
- 遺された人への支援を充実する取組
- 遺族の自助グループ等の運営支援
- 自死遺族等支援団体向け研修・意見交換会の開催
- 令和6年に作成した「自死遺族等を支えるために 総合的支援の手引(改訂版)」を踏まえた研修・意見交換会を開催し、その研修動画を公開。
- 自死遺族等支援団体向け研修・意見交換会の開催
- 学校、職場等での事後対応の促進
- 遺族等の総合的な支援ニーズに対する情報提供の推進等
- 遺族等に対応する公的機関の職員の資質の向上
- 遺児等への支援
- 遺族の自助グループ等の運営支援
- 民間団体との連携を強化する取組
- 民間団体の人材育成に対する支援
- 地域における連携体制の確立
- 民間団体の相談事業に対する支援
- 民間団体に対する財政的支援等
- 電話相談事業を行う団体等を含む自殺防止対策に取り組む民間団体に対して財政的支援を実施。さらに、広く若者一般を主な対象とするSNSを活用した相談事業について支援を実施するとともに、SNS相談の支援ノウハウを集約したガイドラインを公表。
- 民間団体に対する財政的支援等
- 民間団体の先駆的・試行的取組や自殺多発地域における取組に対する支援
- 子ども・若者の自殺対策を更に推進する取組
- いじめを苦にした子どもの自殺の予防
- 学生・生徒への支援の充実
- 学校における自殺防止の強化
- 教育委員会等に対し、1人1台端末等の活用による「心の健康観察」などによるSOSの早期把握の推進や、「校内連携型危機対応チーム」等の設置等による危機管理体制の速やかな構築等について通知。
- 学校における自殺防止の強化
- 子ども・若者への支援や若者の特性に応じた支援の充実
- 子ども・若者の自殺対策を推進するための体制整備
- 「こどもの自殺対策緊急強化プラン」のロードマップの公表
- 「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づく各施策の目標や進捗を見える化したロードマップを公表。
- 「こどもの自殺対策緊急強化プラン」のロードマップの公表
- 勤務問題による自殺対策を更に推進する取組
- 長時間労働の是正
- 労働基準法遵守のための支援等
- 都道府県労働局等において、時間外労働の上限規制の遵守等のための相談・支援を実施。
- 労働基準法遵守のための支援等
- 職場におけるメンタルヘルス対策の推進
- 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
- 職場におけるメンタルヘルス対策に関する最新情報や取組事例、働く方のセルフケアに役立つツール等、様々なコンテンツを提供しているほか、働く方向けに電話・メール・SNSによる相談窓口を設置し、メンタルヘルス不調等の相談対応を実施。
- 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」
- ハラスメント防止対策
- 長時間労働の是正
- 女性の自殺対策を更に推進する取組
- 妊産婦への支援の充実
- 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の構築
- こども家庭センターの整備の促進や、出産後の母子に対して心身のケアや育児のサポート等を行う「産後ケア事業」の全国展開等を実施。
- 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援体制の構築
- コロナ禍で顕在化した課題を踏まえた女性支援
- 困難な問題を抱える女性への支援
- 女性支援新法に基づく新たな支援の定着・推進
- 女性相談支援センター全国共通短縮ダイヤル「#8778(はなそうなやみ)」の開設、女性支援特設サイト「あなたのミカタ」の運営、全国フォーラムの開催等を実施。
- 女性支援新法に基づく新たな支援の定着・推進
- 妊産婦への支援の充実
- 地域レベルの実践的な取組への支援を強化する取組
- 自傷・自殺未遂レジストリのデータによる若者の自傷・自殺未遂の概況
- 日本臨床救急医学会といのち支える自殺対策推進センターでは、自殺のリスク因子である自傷・自殺未遂の実態や支援の課題等を把握することを通じて、実効性のある施策に結び付けるため、自傷・自殺未遂に関する症例登録システム「自傷・自殺未遂レジストリ(JA-RSA)」を協働して運用している。
- 2022年12月の運用開始から2024年12月31日までに全国78の救命救急センターの参加を得ており、症例の登録は4,521件に上る。
- 2025年1月の受診症例から、各症例の自傷・自殺未遂の原因・動機、支援の課題などの情報も新たに収集している。
- 登録症例のうち半数以上が39歳以下の若者
- 39歳以下の症例における特徴:
- 性別は女性が多い
- 手段は過量服薬が最も多く、6割超
- 約半数は過去に自傷・自殺未遂歴あり
- 約7割は精神科受診歴あり
- 大学生の自殺予防について
- 大学生は、メンタルヘルスの問題が顕在化して急増し、自殺のリスクも高まりやすい時期である一方で、本人の意思決定によって医療機関へ受診しやすく、「成人」として対応可能な精神科医療の幅が広がる。本人が支援を求めやすくなり、かつ周囲が支援につなげやすい体制を整えることが重要。
- 大学入学前からメンタルヘルスに関する教育を推進した上で、大学入学後には支援の体制について心理相談室などを通した医療機関との連携が行われる必要がある。
- 大学生特有の状況
- 調査によると、重症自殺未遂者の背景要因として、10歳代は「家族・家庭」と「学校」に関連した要因が多いが、20歳代は学業上の問題のほか家庭での問題、恋愛(夫婦)の問題、アルコール・薬物の問題が生じる。
- 社会の中での役割が大きく変わり、成人として社会と様々な関わりを持つようになり、親元を離れることも多くなることから、背景の要因もより多様になると考えられる。
- 特に大学生の場合、精神疾患が生じた場合に学業上の困難に結び付きやすく、学業の支援と合わせて相談を行うことが求められる。
- 大学生に対する実際のアプローチ
- 大学入学後に精神疾患を発症し、飛び降り。
- 救急医療機関入院中から精神科医師が大学職員・家族と相談し、治療しつつ修学に関わる支援。
- 大学入学後にバイト・サークルの人間関係に難儀して孤独感を抱く。抑うつ状態になり単位も取れず、服毒。
- 救急医療機関から精神科に相談があり、精神科への受療継続と復学のための支援。
- 幼少期より吃(きつ)音と自閉スペクトラム症に対する支援を受け、高校から希死念慮があり、大学の心理相談室で相談。
- 心理面接で、就職活動に難航し希死念慮が強まり、市販薬を過量服薬していることをカウンセラーに話し、精神科を受診。
- 大学入学後に精神疾患を発症し、飛び降り。
- 若者をひとりぼっちにさせないために
- 「育て上げネット」では、ひきこもりや求職中の若者の支援として、働きたくても働けない若者のための就労支援プログラム「ジョブトレ」等を実施。他者との関係性を作り、自己効力感を取り戻しながら、若者と「働く」をつなげている。
- 社会から孤立し、孤独とともに生きるのは苦しいこと。若者たちをひとりぼっちにさせないため、ジョブトレ等の「場」で、若者たちがつながりを作れるよう、若者の孤独を知った私たち一人一人が、できることを少しずつ、みんなでやっていく必要がある。
- 職場上司からのハラスメントによって体調を崩し、ひきこもりがちな生活が5年ほど続いた20歳代男性
- 働く力はあるものの、他者と関わることに強い不安感があり、ジョブトレを利用。若者を応援してくれる企業での職場見学や職業体験、地域活動などを通じて少しずつ他者とのコミュニケーションに慣れていき、1年ほどの在籍
- 「いのちの電話」における若者の相談の状況について
- 「いのちの電話」では、全国約5,900名の電話相談員(2025年4月現在)が365日24時間体制、匿名性、一回性※、「傾聴」のスタンスを基本に電話相談を実施しているほか、2016年4月にはインターネット相談(メール)も開始。※相談は一回ごとに終結。
- インターネット相談では、電話相談に比べ自殺傾向のある(自殺することを考えている)相談の割合がおおむね高い。電話では「誰かと話したい」という人との交流への希求が多く、インターネットの方が電話よりも自殺への気持ちが表れやすい可能性がある。
- 自殺傾向のある相談の割合は特に20歳代で高く、10~20歳代の自殺傾向のある相談の特徴は、「自分の弱さを打ち明けることへの強い抵抗感」、「悩みを一人で抱え込んで孤立し、対処できない自分を責めて自尊心が低下した結果の自殺念慮」、「『死にたいほど現実が辛い』という気持ちの訴え」などであった。
~NEW~
厚生労働省 第5回「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」資料
▼ 【資料1】高額療養費制度について
- 今後の議論の進め方について(案)
- 我が国は、誰もが安心して医療を受けることができる世界に誇るべき国民皆保険を実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきた。
- この成果を次世代にも継承していくために、中長期的な視点にたち目指すべき方向性を踏まえた上で、医療保険制度について社会・経済環境の変化に応じた必要な改革を積み重ねていくことが必要。特に、日本経済が新たなステージに移行しつつある中での物価や賃金の上昇、人口構造の変化や人口減少を踏まえた医療需要の変化や人材の確保、現役世代の負担の抑制努力の必要性を踏まえた対応は喫緊の課題。
- 制度の見直しにあたっては、負担能力に応じた負担を通じた所得再分配機能の強化、予防・健康づくりのさらなる後押し、セーフティネット機能の確保、医療DXの推進など医療提供の効率化、社会保険の原理・原則を含め制度をわかりやすく説明していくこと等により、幅広い世代の制度への納得感と制度の持続可能性を高めていくことが必要。
- こうしたことから、以下の4つの視点を踏まえ、医療保険部会での議論を進めていくこととしてはどうか。
- 世代内、世代間の公平をより確保し全世代型社会保障の構築を一層進める視点
- 高度な医療を取り入れつつセーフティネット機能を確保し命を守る仕組みを持続可能とする視点
- 現役世代からの予防・健康づくりや出産等の次世代支援を進める視点
- 患者にとって必要な医療を提供しつつ、より効率的な給付とする視点
- これまでの専門委員会における主な御意見を踏まえた今後の議論(案)
- 「高額療養費制度の在り方に関する専門委員会」のこれまでの議論において、高額療養費制度は、セーフティネット機能として患者にとってなくてはならない制度であり、また、諸外国と比べてもこのような恵まれている制度を擁している国はほとんどなく、今後もこの制度を堅持していく必要性について認識の一致が見られた。
- こうした共通認識の下で、高齢化の進展や医療の高度化、高額医薬品の開発などが今後も見込まれる中で、また、現役世代の保険料負担に配慮する必要がある中で、制度改革の必要性は理解するが、その際には、(この専門委員会の所掌を超えることになるが、)高額療養費制度だけではなく、他の改革項目も含め、医療保険制度改革全体の中で全体感を持って議論していくことが必要という点も共通していた。
- その上で、これまでの議論を踏まえると、高額療養費制度の在り方の検討にあたっては、例えば、以下の諸点について更に議論を深める必要があるのではないか。
- 現行制度においても、患者によっては医療費負担が極めて厳しい状況にあるという意見があった一方で、医療費が増大する中において、制度を将来にわたって維持し、かつ、現役世代の保険料負担への配慮の必要性なども踏まえると、低所得者の方や長期にわたり継続して治療を受けている患者の負担に配慮しつつ、負担額の一定の見直しは必要ではないかといった意見もあった。また、高額療養費制度における応能負担の在り方についてどう考えるか、更には、制度を見直す際は、仮のモデルを設定した負担のイメージやデータを踏まえる必要があるという意見もあった。これらを踏まえ、高額療養費制度における給付と負担の在り方についてどのように考えるか。
- 仮に自己負担限度額を引き上げるとした場合、限度額に到達せず、多数回該当に該当しなくなり、負担が急激に増加する事例が発生する可能性がある、また、長期にわたり継続して治療を受ける患者の経済的負担に配慮し、例えば、患者負担に年間上限を設けてはどうかという意見もあった。これらを踏まえ、高額療養費制度を見直す場合に留意すべき点として、どのような制度的配慮が必要か。
- 現行の高額療養費制度においても、例えば、加入する保険者が変わった場合に多数回該当のカウントが引き継がれない、現物給付化されていることで費用総額が見えにくくなっているため、制度を意識する機会が少ない、また、コスト意識という面での課題を指摘する意見もあった。これらを踏まえ、現行制度における課題への対応として、運用面を含めどのような対応が考えられるか。
- 本日ご議論いただきたい事項(案)
- 高額療養費制度については、医療保険制度改革全体の中で議論していくことが必要という点に共通認識が得られているが、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会や医療保険部会のこれまでの議論を踏まえると、制度の在り方の検討に当たっては、以下の論点を中心に更に議論を深めていく必要があるのではないか。
- 高齢化の進展や医療の高度化等により増大する医療費への対応
- 現行制度においても、患者によっては医療費負担が極めて厳しい状況にあるという意見があった一方で、高齢化の進展や医療の高度化等により医療費が増大する中において、制度を将来にわたって維持し、かつ、現役世代の保険料負担への配慮の必要性なども踏まえると、自己負担限度額について一定の見直しは必要ではないかという意見もあった。また、制度を見直す際は、仮のモデルを設定した負担のイメージやデータを踏まえる必要があるといった意見もあった。
- これらを踏まえ、高齢化の進展や医療の高度化等により今後とも増大が見込まれる医療費への対応として、高額療養費の負担の在り方をどのように考えるか。
- 年齢にかかわらない負担能力に応じた負担
- 年齢にかかわらない負担能力に応じた負担という全世代型社会保障の考え方に基づき、70歳以上の高齢者のみに設けられている外来特例の在り方について意見があった。この点を踏まえ、外来特例の在り方についてどのように考えるか。
- また、負担能力に応じた負担を求める観点から、現行制度において大括りとなっている所得区分の在り方に関する意見があった。一方で、現在でも、一定の所得を有する方は応分の保険料を負担している中において、給付面の応能負担をこれ以上強めることは制度への納得性を損なうこととなるといった意見もあった。この点を踏まえ、所得区分の在り方についてどのように考えるか。
- セーフティネット機能としての高額療養費制度の在り方
- 高額療養費制度はセーフティネット機能として患者にとってなくてはならない制度であり、今後もこの制度を堅持していく必要性については認識が一致している。その上で、制度を将来にわたり維持していく観点から、仮に自己負担限度額の見直しを行っていく場合であっても、特に、現行制度においても医療費負担が重くなっていると考えられる長期にわたって継続して治療を受けられる方や所得が低い方の負担が過重なものとならないよう配慮すべき、といった意見も多かった。
- 医療費が増大する中で、仮に自己負担限度額の見直しを行っていく場合であっても、患者の経済的負担に配慮したセーフティネット機能の在り方として、どのように考えるか。
- 高齢化の進展や医療の高度化等により増大する医療費への対応
- 高額療養費制度については、医療保険制度改革全体の中で議論していくことが必要という点に共通認識が得られているが、高額療養費制度の在り方に関する専門委員会や医療保険部会のこれまでの議論を踏まえると、制度の在り方の検討に当たっては、以下の論点を中心に更に議論を深めていく必要があるのではないか。
~NEW~
厚生労働省 第85回労働政策審議会雇用環境・均等分科会
▼ 資料2-2 職場におけるカスタマーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の骨子(案)
- はじめに
- 職場におけるカスタマーハラスメントの内容
- 職場におけるカスタマーハラスメントの定義(職場において行われる(1)顧客等の言動であって、(2)その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるもの。なお、顧客等からの正当な申入れ等は職場におけるカスタマーハラスメントに該当しない)
- 「職場」とは、事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、当該労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、当該労働者が業務を遂行する場所については、「職場」に含まれること。
- 「労働者」の範囲(派遣労働者も含まれること)
- 「顧客等」の範囲(潜在的な顧客等が含まれることなど)
- 「その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えた」言動の考え方、典型的な例
- 「労働者の就業環境が害される」ことの考え方(「平均的な労働者の感じ方」を基準とすべきであることなど)
- 事業主等の責務
- 事業主の責務、労働者の責務
- 事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容
- 措置の内容
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発
- 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 職場におけるカスタマーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(迅速・正確な事実確認、被害者への配慮措置、再発防止)
- 職場におけるカスタマーハラスメントへの対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置
- 1.から4.までの措置と併せて講ずべき措置(相談者等のプライバシー保護、相談等を理由とした不利益取扱いの禁止)
- 措置を講じる際に留意が必要なこと(消費者の権利、障害者への合理的配慮の提供義務、各業法等の定め)
- 措置の内容
- 他の事業主の講ずる雇用管理上の措置の実施に関する協力
- 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の内容
- 事業主が職場において行われる自らの雇用する労働者以外の者に対する顧客等の言動に関し行うことが望ましい取組の内容
▼ 資料2-3 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の骨子(案)
- はじめに
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの内容
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントの定義(事業主が雇用する労働者による性的な言動により求職者等の求職活動等が阻害されるもの)
- 「求職活動等」とは、求職者その他これに類する者として厚生労働省令で定めるものによるその求職活動その他求職者等の職業の選択に資する活動を指す。なお、事業主が雇用する労働者が通常就業している場所で行われるものに限らない。
- 「労働者」の範囲(派遣労働者も含まれること)
- 「性的な言動」の範囲
- 「求職活動等におけるセクシュアルハラスメント」の考え方、典型的な例
- 事業主等の責務
- 事業主の責務、労働者の責務
- 事業主が雇用管理上講ずべき措置の内容
- 事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発(面談等を行う際のルールをあらかじめ定めること等)
- 相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 求職活動等におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応(迅速・正確な事実確認、被害者への配慮措置、行為者に対する措置、再発防止)
- 1.から3.までの措置と併せて講ずべき措置(相談者等のプライバシー保護、事実関係の確認等を理由とした不利益取扱いの禁止)
- 事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関し行うことが望ましい取組の内容
- 事業主が求職活動等におけるパワーハラスメントに類する行為等に関し行うことが望ましい取組の内容
▼ 資料3-2 公益社団法人 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 提出資料
- 消費者の権利と事業者の責務
- 苦情・クレームや意見を事業者に申し出るのは消費者の権利。
- 事業者はその声を商品・サービス・経営に活かすことが求められる。
- ほとんどの消費者は善良な消費者であり、ほとんどの苦情・クレームは正当な内容
- 苦情・クレーム = カスハラ とならないように。
- 事業者は、現場の実態を把握し、雇用管理上の措置のみではなく、カスハラ対策全般の策定と社内への周知をすることが必要
- 定義、対応方針、体制整備、マニュアル作成、研修、メンタルケア 等
- その前提として
- 「カスハラ」と「正当な苦情・クレーム」の違いの明確化
- 消費者からの正常なお申し出にきちんと対応できる体制づくり、対応スキル向上
- 従業員の安全・尊厳を守る体制と、消費者の声をしっかり聴き活かすことの両立
- 消費者が事業者に意見を言いにくくならないように留意
- カスハラ対応について相談した従業員にとって不利益にならないように、従業員が安心して相談できるように、申し出しやすい環境づくりが大切
- 「カスハラ」と「正当な苦情・クレーム」の違いの明確化
- 消費者からの正当な苦情・クレーム等の申し出に対し、事業者はしっかりと対応できる体制づくり、対応スキルの向上などを進めることが大切
- 消費者の中には、認知症や障がいのある人など合理的な配慮が必要な人も存在することに注意
- 事業主にとって、カスハラはお客様対応の問題だけではなく、経営問題・労務問題であるという認識をもっていただく
- 事業者における従業員へのサポート施策・体制の具体的事例
- 社内相談窓口、外部メンタルカウンセラー、定期的面談、二次対応体制 等
- カスハラが原因と労災認定された実例
- 不当要求やカスハラによる影響を調査した下記のようなデータ
- 従業員のメンタル低下・モチベーション低下50.9%
- 対応の手間に伴う本来の仕事への圧迫28.8%
- カスタマーハラスメントの言葉がひとり歩きして、消費者がクレームを言いにくくなること、企業担当者が対応努力を怠ることは避けたい。
- 消費者と企業がお互いに尊重し合い、協働・共創して安全・安心な消費社会、消費者市民社会を創っていきたい
- 不当要求やカスハラによる影響を調査した下記のようなデータ
~NEW~
厚生労働省 フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備に対応できていますか?
- 都道府県労働局における令和6年度の法施行状況をみると「ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)」と「募集情報の的確表示義務(法第12条)」の違反に関する指導等が多くなっています。
- フリーランス・事業者間取引適正化等法の施行(令和6年11月1日)から1年を迎える中、発注事業者の皆様は改めて法に沿った取組ができているか確認しましょう。
- ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)
- ハラスメント対策の体制整備はできていますか?
- 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害することのないよう相談対応のための体制整備など以下の措置を講じなければなりません。
- ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化、方針の周知・啓発
- 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 業務委託におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
- (1)~(3)と併せて、相談者・行為者などのプライバシー保護するために必要な措置を講じ、従業員およびフリーランスに対し周知すること、フリーランスが相談したこと等を理由に契約の解除などの不利益な取扱いをされない旨を定め、フリーランスに対し周知することが必要になります。
- 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害することのないよう相談対応のための体制整備など以下の措置を講じなければなりません。
- 都道府県労働局における指導等の事例
- 清掃用具の販売・レンタル業等を営む特定業務委託事業者Aは、自らの顧客に対する商品の配達や交換等の役務提供を特定受託事業者に委託しているが、ハラスメント対策に係る体制整備に関し、就業規則等にハラスメント防止措置を規定し、労働者及び特定受託業務従事者に周知しているところ、当該措置の対象に特定受託業務従事者が含まれる旨を定めていなかった。
- ゲームソフトウェア業を営む特定業務委託事業者Bは、自らが提供するオンラインゲームの音楽、イラスト、デザイン等の情報成果物作成を特定受託事業者に委託しているが、ハラスメント対策に係る体制整備に関し、ハラスメント防止に関する方針を定め、ハラスメント加害者に対しては厳正な処罰を行う旨の措置を規定するとともに、相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、特定受託事業者を含め、従業員等に周知しているところ、当該措置の対象に特定受託業務従事者が含まれる旨を定めていなかった。
- 出版業を営む特定業務委託事業者Cは、自らが出版する雑誌等の編集制作の情報成果物作成、営業促進等の役務提供を特定受託事業者に委託しているが、ハラスメント対策に係る体制整備に関し、労働者に対するハラスメント防止規定の整備や相談窓口の設置の措置は講じているところ、特定受託業務従事者を対象とする旨を定めていなかった。
- 建設業を営む特定業務委託事業者Dは、自らが使用するシステムサポート、経営指導及び物流業務サポートの役務提供を特定受託事業者に委託しているが、ハラスメント対策に係る体制整備に関し、職場におけるハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化及び周知・啓発等の措置は実施しているところ、特定受託業務従事者を対象とする旨を定めていなかった。
- 広告業を営む特定業務委託事業者Eは、自らが提供するマーケティング業務、制作業務に係る情報成果物作成を特定受託事業者に委託しているが、特定受託業務従事者のハラスメント対策に係る体制整備に関し、相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置及び特定受託業務従事者がハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由として不利益な取扱いをしてはならない旨を定めていなかった。
- 宿泊業等を営む特定業務委託事業者Fは、自らが提供する結婚式場サービスの司会、音響、ソリスト、エスコーター、神主、牧師等の役務提供を特定受託事業者に委託しているが、ハラスメント対策に係る体制整備に関し、労働者に対するハラスメント防止措置は講じているところ、特定受託業務従事者を対象とする旨を定めていなかった。
- ハラスメント対策の体制整備に当たっての参考資料
- 発注事業者の皆様がハラスメント対策の体制整備を進めていく上で参考にしていただける社内規定等の対応例を紹介しています。検討の際にご活用ください。
- ハラスメント対策の体制整備はできていますか?
▼ あらまし(就業環境の整備)(※令和7年4月2日更新)
▼ ハラスメント対策を講じるにあたっての対応例(あらまし抜粋版)
- 募集情報の的確表示義務(法第12条)
- 発注事業者は、広告等(※1)によりフリーランスを募集する際は、その情報(※2)について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
- 1:広告等とは、(1)新聞、雑誌に掲載する広告、(2)文書の掲出・頒布、(3)書面、(4)ファックス、(5)電子メール・メッセージアプリ等(メッセージ機能があるSNSを含む。)、(6)放送、有線放送等(テレビ、ラジオ、オンデマンド放送、ホームページ、クラウドソーシングサービスのプラットフォーム等)をいいます。
- 2:業務の内容、業務に従事する場所・期間・時間に関する事項、報酬に関する事項、契約の解除・不更新に関する事項、フリーランスの募集を行う者に関する事項
- その募集情報の表示は大丈夫ですか?
- 上記(※2)の情報を広告等に表示している場合、虚偽の表示・誤解を生じさせる表示となっていませんか?正確かつ最新の内容となっていますか?
- また、募集を行う者の氏名又は名称等の6事項((1)氏名又は名称等、(2)住所(所在地)、(3)連絡先、(4)業務の内容、(5)業務に従事する場所、(6)報酬)が記載されていますか。記載がない場合は誤解を生じさせる表示に該当します。
- 都道府県労働局における指導等の事例
- 清掃業等を営む特定業務委託事業者Gは、自らが提供する清掃の役務提供を特定受託事業者に委託するため、クラウドソーシングサービス事業者が提供するプラットフォームに募集情報を掲載していたところ、誤解を生じさせる表示とならないために必要な6情報のうち、業務に従事する場所及び報酬を表示していなかった。
- 建設業等を営む特定業務委託事業者Hは、自らが請け負う住宅の建築及びリフォームに係る設計、インテリアコーディネート等に係る役務委託及び情報成果物作成を特定受託事業者に委託するため、自社ホームページに募集情報を掲載していたところ、自社の親会社名を強調して表示することにより、実際に業務委託を行う自社と、自社の親会社による業務委託とが混同されるような誤解を生じさせる表示を行っていた。
- 運送業を営む特定業務委託事業者Iは、自らが請け負う配送の役務委託を特定受託事業者に委託するため、求人情報誌に募集情報を掲載していたところ、既に募集を終了していたにも関わらず、募集情報の提供を終了していなかったほか、誤解を生じさせる表示とならないために必要な6情報のうち、業務に従事する場所を表示していなかった。
- フリーランス・事業者間取引適正化等法の広報を11月30日まで強化しています。
- 公正取引委員会では、令和6年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」の認知度及び理解度を高め、発注事業者による違反行為の未然防止を図るとともに、フリーランス法の違反被疑事実についての申出窓口を広く周知するため、広報強化期間を設け、広報活動を実施しています。
- 令和7年10月6日から11月30日までの期間をフリーランス・事業者間取引適正化等法広報強化期間の第2弾と位置付け、公正取引委員会では、ビジネス映像メディア「PIVOT」において解説動画をYouTube配信するほか、第1弾に引き続き、イラストレーター兼漫画ブロガーのBUSON(ブソン)氏のオリジナルキャラクター「しきぶちゃん」とタイアップしたフリーランス法の広報活動等を実施しています。
- 詳細は以下のリンク先をご覧ください。
~NEW~
総務省 オンラインカジノに係るアクセス抑止の在り方に関する検討会(第8回)
▼ 資料8-1 技術的課題(事務局)
- ブロッキングの主な手法等【各論】
- DNSブロッキング
- ISPのDNSサーバにおいて、利用者のアクセス先が遮断ドメインに該当すると判明した場合、ISPがその接続を遮断する
- 幅広い事業者で実装が比較的容易
- 児童ポルノサイトのブロッキングで実施済みであり、安定的運用が可能
- オーバーブロッキングのリスクあり
- 考えられる回避策(留意点)
- VPN等・パブリックDNSの利用(利用率との関係性に留意)
- 直接接続(カジュアルユーザ対策との関係性に留意)
- URLブロッキング
- ISPの設備において、利用者のアクセス先が遮断URLに該当すると判明した場合、ISPがその接続を遮断する
- オーバーブロッキングのリスクが比較的小さい
- 大規模事業者の実装が困難
- HTTPSに対応できない場合あり(多くのカジノサイトはHTTPS)
- 考えられる回避策(留意点)
- VPN等(同上)
- IPブロッキング
- ISPの設備において、利用者のアクセス先が遮断IPアドレスに該当すると判明した場合、ISPがその接続を遮断する
- 閲覧者側の回避策が比較的少ない
- オーバーブロッキングのリスクが大きい
- 通信障害のおそれあり
- カジノサイト側で回避可能
- 考えられる回避策(留意点)
- VPN等(同上)
- DNSブロッキング
- CDNとオンラインカジノについて
- CDN(Content Delivery Network)とは、閲覧者とオリジンサーバ(配信元サーバ)との間に、オリジンサーバの代わりにコンテンツを配信するキャッシュサーバを介在させ、データを効率よく最適に配信する仕組み。
- CDNの通信の流れは、以下、イメージ図のとおり。
- キャッシュサーバに特定のコンテンツ(コピーデータ)の保存ができる場合
- キャッシュサーバに特定のコンテンツ(コピーデータ)の保存ができない場合
- オンラインカジノの賭け行為を含む双方向のやり取り等は、保存になじまないため、②の流れであると考えられており、CDNは全てのデータを保存しないため、配信行為はCDNで完結しない(CDNは一部の通信を媒介)。
- 違法有害情報への対応について、CDN事業者は、配信内容を把握しないが、利用規約に反する旨の通報があった場合、契約者(配信元)に確認し、情報削除・契約解除・ジオブロッキングなどを行う。主な課題として、(1)契約解除等をしてもオリジンサーバは残り続けるため、他のCDN利用に流れること、(2)技術的理由等によりジオブロッキングについて対応できない事業者がいることなどが挙げられる。
▼ 資料8-3 オンラインにおける違法スポーツ賭博の現状(スポーツエコシステム推進協議会)
- 違法スポーツ賭博はオンラインカジノへの集客手段として機能
- 利用者は、親しみやすさから違法スポーツ賭博に興味を持ちやすい
- ほとんどの違法スポーツ賭博サイトでは、スポーツベッティングとその他のオンラインカジノが、いずれも同じサイト上で一つのアカウントにて利用可能とされている
- 違法事業者は、違法スポーツ賭博の利用者を、より賭けの回数・金額・種類の多い他のオンラインカジノへと誘導している
- 違法オンラインカジノと違法スポーツ賭博の問題は不可分一体であり、共通した対策を実施していくことが必要
- 違法スポーツ賭博における各種リスク
- 不正操作(八百長)リスク
- 違法スポーツ賭博市場・フリーライド市場では多くのプロ・アマスポーツの試合が賭けの対象になっており、その市場規模は拡大しているため、選手・監督・審判その他の関係者が、違法事業者や反社・マフィアから不正操作(八百長)を持ちかけられるリスクは年々高まっている
- 特に近時は以下の理由により、違法スポーツ賭博において不正操作(八百長)が起きやすい状況にある
- SNS等を通じて選手・関係者に対して容易にアプローチすることが可能
- 多様な賭け方が存在(例えば、特定の選手のヒット数・得点数等について賭けることが可能)
- また違法スポーツ賭博には、海外送金を担う違法な決済代行業者が介在し得るところ、払戻金の送金時に住民票等の個人情報が必要となるため、違法事業者や反社・マフィアに弱みを握られやすい
- 選手・関係者が利用している場合、八百長持ちかけのきっかけになる
- 依存症リスク
- 選手・関係者が違法スポーツ賭博の依存症になるリスクは、一般人と比べて約30%高いと言われている
- 依存症を引き金にして、選手・関係者が自身の関与するスポーツ・試合に賭けるリスクや、自身が賭けた試合への不正操作(八百長)のリスクが増大することに繋がる
- 権利侵害リスク
- 前述のとおり、日本からアクセス可能な海外スポーツベッティングサイトやその広告の一部において、著作権、肖像権・パブリシティ権等の権利を侵害する可能性のある態様でサービスを提供している例が散見
- 誹謗中傷リスク
- 個々の選手のプレーが賭けの結果に影響を及ぼすことになることから、選手個人が違法スポーツ賭博の利用者等から過度に攻撃的言動(誹謗中傷)を受けるケースが増加
- 不正操作(八百長)リスクと同様に、特に近時は以下の理由により、違法スポーツ賭博において選手の誹謗中傷が起きやすい状況にある
- SNS等を通じて選手に対して容易にアプローチすることが可能(ダイレクトメッセージでの誹謗中傷も多い)
- 多様な賭け方が存在し、試合の勝敗だけではなく選手の一挙手一投足が賭けの対象とされている
- 不正操作(八百長)リスク
- 日本違法越境市場とフリーライド市場の拡大
- 日本違法越境市場
- 日本居住者が日本居住者向けに運営されている海外スポーツベッティングサイトを利用することにより形成される市場/年間賭け金総額推計 約6.5兆円
- フリーライド市場
- 日本を含む全世界において日本のスポーツを賭けの対象とするスポーツベッティング市場/年間賭け金総額推計 約4.9兆円
- 日本からアクセス可能な違法スポーツ賭博サイトやその広告の一部において、著作権、肖像権・パブリシティ権等の権利を侵害する可能性のある態様でサービスを提供している例が散見
- 日本違法越境市場
- マコリン条約と国際連携
- 目的
- スポーツの自律性の原則に従い、スポーツの倫理及び公平/公正性を守るため、スポーツ競技の不正操作を打倒すること
- 機能
- スポーツ競技の不正操作(特に八百長や賭博関連の不正行為)を防止するための国際的な法的枠組みを提供
- 主な目標
- 不正行為の防止、発見、制裁に関する共通の法的基盤を提供し、公的機関、スポーツ団体/競技主催者、関係事業者等の国内/国際的な協力を促進することスポーツの健全性を維持することを目指す
- 目的
- 違法スポーツ賭博におけるブロッキングの実効性(初期的ヒアリング結果)
- フランス Autorité Nationale des Jeux (ANJ)
- 行政措置に基づくブロッキングにより迅速な対応が可能となり、一部の違法事業者をフランス市場から追い出すことには成功した
- 他方で、ブロッキングだけでは抑制できず、司法措置、関連事業者との連携、違法な資金環流の遮断等の複合的な施策が必要である
- デンマーク Danish Gambling Authority (DGA)
- 司法措置に基づくブロッキングの効果について、DGAではチャネリング率(規制市場の利用割合)を継続的にチェックしている。2024年のチャネリング率は90.3%に達しており、一定の効果が認められる
- 違法事業者はミラーサイトによるブロッキングが可能であるため、一度の裁判所命令によりミラーサイトを含めてブロックが可能となる仕組みを検討している
- ギリシャ Hellenic Gaming Commission (HGC)
- ブロッキングは、他の措置と組み合わせることにより、有意義な抑止力として機能する。具体的には、違法事業者の参入障壁を高めるとともに規制市場への誘導効果も認められる
- ユーザーの啓発、関連事業者との連携、国際的なデータ共有等により、ブロッキングの効果を高めることができる
- フランス Autorité Nationale des Jeux (ANJ)
▼ 資料8-4 アプリストア運営事業者の取組状況等(事務局)
- Apple(App Store)概要
- Appleは、アプリ審査に関するガイドラインを作成し、配信前に同ガイドラインに遵守しているかどうか審査し、遵守しているアプリのみ配信を許可している。
- ガイドラインには、配信される地域の法令を遵守する必要があることを規定している(リアルマネーゲームを提供するアプリは、配信されるすべての地域で必要なライセンスと権限の保持が必要。)。
- Appleは、政府当局等からの正当な削除要請に対応している。
- Appleは、違法アプリの配信に対抗するために莫大なリソースを費やしているが、悪意のある者が、アプリの内容を偽装して審査を通過し、アプリ配信後に、当該アプリの内容を改変することがある。
- 政府当局等には、違法アプリを特定した場合に、Appleに対し、削除要請を行うことを要望する。公営競技に関するアプリなど、合法なアプリについては、引き続き流通できるようにすることが必要であり、関係当局と連携し、適切に違法アプリの削除等に対処するのが最善と考える。
- Google(Playストア)概要
- Googleは、事業を展開する各国の法令を遵守することが基本方針であり、日本国内において、違法なオンラインカジノを含む賭博関連アプリは、許可していない。
- 上記方針については、ポリシーに明確に定めており、本ポリシーに違反したアプリを発見した場合、当該アプリの公開停止、削除、悪質な開発者のアカウントの停止など、厳格な措置を講じている。
- Googleでは、ポリシーを実効的に遵守させるため、アプリの事前審査、継続的な監視と違反の検出、利用者や政府機関からの報告対応など、多層的なアプローチで対策を講じている。
- 健全なプラットフォーム・エコシステムを維持するためには、悪意のある者を排除する一方で、誠実な開発者の権利を保護するというバランスが不可欠であり、取引の透明性・公正性を確保しつつ、実効的な対策を自主的に推進していくためには、プラットフォーム事業者の責任範囲に関する明確で予見可能性の高い規制環境が極めて重要である。プラットフォームにおけるポリシー執行の取組みが過度に抑制されることのないよう要望する。
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総務省 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会(第6回)配付資料
▼ 資料6-4 放送事業者におけるガバナンス確保に関する骨子案
- 取組の目的
- 放送は、憲法が規定する表現の自由の保障の下、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。
- 放送がこの価値を将来に亘って発揮できるよう、放送事業者は、「放送に携わる者の職責」を強く自覚し、表現の自由を享有する主体として、社会環境の変化に対応しながら、国民の知る権利に奉仕し続けることが求められる。
- このためには、放送事業者の信頼性・放送事業の継続性が確保されなければならない。
- このことから、放送事業者は、ガバナンス確保に関する取組について、その内容を社会環境の変化に応じて適時適切に更新しながら、不断に実施するべきである。
- 取組の対象
- 先述のとおり、放送は高い公益性・公共性を有しており、その事業主体には高い信頼性・事業の継続性が期待される。
- これを踏まえ、今回の議論の契機にも着目すると、放送事業者におけるガバナンス確保に関する取組の対象としては、一般に会社法で株式会社に求められるようなガバナンスの確保は前提として、まずは人権尊重・コンプライアンス確保を中心とし、内部統制、財務、取引適正化等のガバナンスに含まれる幅広い事項については、他の検討の場での議論を踏まえて必要な措置を講ずるほか、業界団体において自主的な取組を推進するべきである。
- 集中的に取り組む人権尊重・コンプライアンス確保のうち、芸能事務所・番組出演者との関係におけるものについては、民放事業者だけでなくNHKも取り組む必要があることから、この限りにおいて、NHKと民放の二元体制の下、放送業界全体として取り組むべきである。
- 取組の方針
- ガバナンス確保に関する取組の実施に当たっては、当然の前提として、表現の自由や放送事業者の自主・自律を踏まえて番組編集の自由を維持するものとした上で、一義的には自主・自律の下で、実効性のある取組を推進するべきである。
- 具体的には、ガバナンス確保に関する取組は、まずは事業主体である各放送事業者が推進するべきである。その取組の内容については、会社の規模、上場・非上場等の経営体制・経営状況、これらを踏まえたリスク等、各放送事業者の多様な状況に応じて最適化し、状況変化を踏まえて適時適切に更新するべきである。
- 他方、このように放送事業者の規模等は多様であり、リソースの限られた小規模な事業者も多いこと等に鑑みると、業界団体が積極的に役割を果たすべきである。
- まずは、これらの放送事業者・業界団体の取組を基本として、行政は、経理的基礎に基づく経営基盤の確保や、基幹放送普及計画に基づく放送の普及・健全な発達のための適切性等に着目し、放送事業者の自主・自律に十分配慮して番組内容等への介入にならない範囲において、必要に応じて適切に関与するべきである
- 取組を進める際の留意事項
- 放送事業者が、社会環境の変化に対応しながら国民の知る権利に奉仕し続けられるよう、今般明らかになったガバナンスにおける脆弱性を踏まえて、信頼性の向上、より強固な経営体制の構築や事業の継続性の強化に向けてガバナンスを確保するべく、一過性のものではなく永続的な取組を実施することが必要である。
- このガバナンス確保に関する取組には、リスク管理として事業活動におけるリスクを特定・分析して必要な措置を講ずる面と、リスク管理を行っていてもなおリスクが発現した場合の危機対応の面があり、これらの両面について並行して取り組むことが重要である。
- 取組の実施に当たっては、各放送事業者・業界団体と行政を含む関係者との間において丁寧に対話を重ねるとともに、国民・視聴者やスポンサー等において、放送の高い公益性・公共性や放送事業者の自主・自律等、放送固有の文脈を踏まえた上での理解が深まるよう、十分に説明責任を果たすことが重要である。また、外部の視点から取組状況をレビューすることも重要であり、例えば、番組審議会が、体制等を踏まえて実効的な範囲内で一定の役割を果たすことも考えられる。
- また、不祥事等に関する情報を社内関係者の間で適時適切に共有し、各管理職等の個人ではなく組織として適切に対対応するとともに、ステークホルダー等の外部関係者に対して、不祥事等の内容に応じて適切な範囲で早期に情報開示を行い、透明性を確保することで信頼性を維持することが重要である。あわせて、社内・社外において通報・相談窓口を構築し、実効的に運用することも重要である。実効的な運用を確保するためには、運用状況を随時フォローすることが必要である。
- 放送事業者は、これらの事項に留意しながら、「放送に携わる者の職責」を現代的にアップデートする取組としてガバナンス確保に取り組み、社会環境の変化に応じてサプライチェーンを含む事業のリスク管理を高度化するとともに、説明責任を果たすことによって、報道機関としての信頼性・事業の継続性を確保する必要がある。
- さらに、人権尊重、コンプライアンス確保を中心に取組を進めながら、あわせて、新たな事業への展開等、放送の将来像を念頭に置いた前向きな取組を進め、放送の社会的価値の一層の発揮を図ることが重要である。
- フレームワーク・事案の未然防止(平時の取組)・事案の発生後の対応
- フレームワーク
- ガバナンス確保の取組のフレームワークとして、「事案の未然防止」(平時の取組)と「事案の発生後の対応」に分けて整理する。
- 事案の未然防止(平時の取組)
- 基幹放送普及計画における放送の普及・健全な発達の観点から、各放送事業者は、それぞれの経営の規模等に応じて十分にガバナンス確保のための体制整備を行うべきである。
- 業界団体は、人権・ハラスメントに関する不祥事等を契機として策定されたスポーツ団体ガバナンスコードなど、他の分野におけるガバナンスコードを参考として、ガバナンス確保のための指針を策定するべきである。また、各放送事業者の取組に資するため、指針に基づいた取組の具体例や、取組に当たって留意すべき事項を併せて示すべきである。
- 日本民間放送連盟では、本年6月、会員社の人権尊重に関する取組の参考になるよう「民間放送におけるビジネスと人権対応ガイドブック」を策定し、ビジネスと人権に関する全体像や、具体的な対応事項・留意すべき点等をまとめており、今般のガバナンス確保についても、同様の役割を果たすことが期待される。
- この指針に基づいて、各放送事業者は、具体的な取組を実施し、その取組状況を自ら定期的に評価するとともに、その結果を公表するべきである(アプライ・アンド・エクスプレイン方式の採用)。これに当たって、業界団体は、評価の観点を示すとともに、公表事項等のフォーマットを整備するほか、各放送事業者の取組状況・評価を取りまとめて確認し、ベストプラクティスの共有や、日常的な取組に関する助言等を行うべきである。
- なお、実効性を確保するためには特に評価が重要であるところ、自己評価が「お手盛り」にならないよう客観性を担保することが必要である。このため、各放送事業者の自己評価や業界団体の確認においては、第三者の意見を聴き、その結果を反映する仕組みを設けるべきであるほか、後述のフォローアップにおいて、有識者も交えて取組状況を確認するべきである。
- 事案の発生後の対応
- 重大な事案が発生した際は、当該事案が発生した事業者が自ら対応することはもとより、業界団体も必要な対応を行うべきである。例えば、当該事業者に対して、事案の内容や対応の報告を求めることや、助言を行うこと、事案の内容・性質、対応等に応じて業界団体のルールに基づいて処分を行う※こと等が考えられる。
- 例えば、日本民間放送連盟からの除名については、放映権の交渉や著作権処理、キー局からローカル局への番組配信のためのネット回線など、同連盟が一括して対応するスキームが利用不可能となり、事業の継続性に多大な影響を与えることから、ガバナンス確保に関するインセンティブが生じるため、一定の強度がある処分と考えられる
- 当該事業者や業界団体の対応を見極めた上で、行政の関与については、
- 収支に大幅な変動が見込まれるなど経理的基礎が脅かされるおそれのある重大な事案の場合には、一定の基準に基づいて当該事案に関する報告を求めるほか、
- 当該事案発生後の対応状況等を踏まえて特に必要な場合には、免許において、事業の継続性を確保する観点から条件を付す
ことについて、必要な検討を行うべきである。
- この際、放送の普及・健全な発達を目的とし、制裁ではなく事業の継続性を確保するためであること、放送事業者の自主・自律に十分配慮して番組内容への介入にならないよう慎重に制度設計することに留意するべきである
- 重大な事案が発生した際は、当該事案が発生した事業者が自ら対応することはもとより、業界団体も必要な対応を行うべきである。例えば、当該事業者に対して、事案の内容や対応の報告を求めることや、助言を行うこと、事案の内容・性質、対応等に応じて業界団体のルールに基づいて処分を行う※こと等が考えられる。
- フレームワーク
- ガバナンス確保に関する指針・具体的な取組の基本的方向性<基本原則>
- 人権尊重・コンプライアンス確保の徹底
- 社内だけでなく、番組出演者、取引先等の社外との関係も含め、事業活動全般において、人権尊重・コンプライアンス確保を徹底すること。
- 具体的には、以下の取組が考えられる。
- 人権尊重・コンプライアンス確保に関する方針の策定
- 社内関係者、番組出演者、取引先等の社外関係者との適切な接遇方法に関するルールの策定
- 事案の覚知・上層部への報告・初動等に関するルールの策定
- 策定した方針・ルールの運用状況等に関する定期的なレビューの実施、必要に応じて方針・ルールの改定
- 社員一人一人が普段の業務から留意すべき事項や、過去の事案・再発防止策等に関する研修の実施
- 社内からのみならず、社外からも通報可能な相談窓口の整備
- 留意事項
- 単に方針やルールを策定するだけでなく、それらが経営陣から現場の職員まで組織全体に浸透し、日頃の業務において着実に実践されることが必要である。このため、取組状況について自ら日々振り返るとともに、外部からのレビューも定期的に実施し、これらを踏まえて随時見直しながら、不断の取組を行うことが重要である。
- 番組制作現場等、放送事業者に特有の環境を自覚し、当該環境に起因するリスクを分析した上で、必要な措置を講ずることが重要である。
- 経営陣や管理職が率先して自由闊達で風通しの良い組織風土の醸成に努め、良くない情報であっても報告・相談しやすい環境を整えることにより、事案に関する情報を適時適切に把握し、迅速かつ的確な対応をできるようにすることが重要である。
- 事案発生時の対応については、個々人の能力に委ねることなく組織として的確に対応できるよう、一定のルールに基づいて対応フローを整理するなど、客観的な枠組みを整備することが重要である
- 適切な組織運営の実施
- 外部の第三者が実効的に経営を監督する体制を含め、適切な経営が行われる体制を整備し、十分に機能させることによって適切な組織運営を実施すること。
- 具体的には、以下の取組が考えられる。
- 企業・経営陣が、人権尊重・コンプライアンス確保をはじめガバナンス確保に責任を果たすことについて、コミットメントを社内外に表明
- 独立性が担保された社外取締役・監査役の選任、取締役会への出席・意見陳述等の実効的な活動
- 役員の多様性の確保
- 取締役会における自由闊達な議論による業務執行の適切な監督
- 人権尊重・コンプライアンス確保をはじめとするガバナンス確保について、人事戦略等に反映
- 留意事項
- 体制整備として単に人員を配置するだけでなく、それぞれが求められる役割を果たすことが必要である。特に、社外取締役や監査役が、第三者の視点から適切にモニタリングを行い、その結果を十分に反映することが重要である
- 透明性・信頼性の確保
- 取引先等のみならず、国民・視聴者に対しても、積極的に情報を開示し、信頼性を確保すること。
- 具体的には、以下の取組が考えられる。
- 企業理念、経営計画、役員構成、財務情報等、経営に関する情報開示
- 人権尊重・コンプライアンス確保等のガバナンス確保の取組に関する情報開示、ステークホルダーへの丁寧な説明・対話
- 事案発生時における迅速かつ的確な範囲での情報開示
- 留意事項
- 自らが開示したい・開示できると考える情報を一方的に開示するのではなく、社内外のステークホルダーと丁寧な対話を重ねながら情報を吟味して開示し、信頼性の確保に繋げることが重要である。
- 公共性の発揮
- 放送事業者は、「放送に携わる者の職責」を強く自覚し、表現の自由を享有する主体として、社会環境の変化に対応しながら、災害時における命を守る情報や地域情報の発信等を含め、国民の知る権利に奉仕し続け、健全な民主主義の発達に貢献すること。
- <その他>
- 事業環境の変化等に応じ、随時見直しを行う。
- 各放送事業者において、事業の規模、経営体制、経営状況等を踏まえ、ガバナンスに関するリスクを特定・分析し、必要な措置を講ずるとともに、事案が発生した場合の対応について検討し、必要な措置を講ずる。
- 人権尊重・コンプライアンス確保の徹底
- フォローアップ
- 先述のフレームワークの実効性について、外部からのチェック機能が働くよう、例えば円卓会議を開催するなど、官民が連携してフォローアップする仕組みを整備し、必要に応じて取組の充実等の見直しを行うべきである。
- 官民が連携してフォローアップする仕組みのイメージ(案)
- 有識者・業界団体・NHK・行政機関から構成される円卓会議を開催し、情報共有・意見交換を実施。
- テーマとしては、業界団体のガバナンス確保のための指針の策定・改定に当たっての報告、各放送事業者の当該指針の遵守状況の報告、業界団体の各放送事業者に対する助言等の活動の報告、芸能事務所・番組出演者との関係における人権尊重・コンプライアンス確保など放送業界全体として取り組むべき事項の取組状況の報告、重大な事案発生時における当該事案に関する報告、これらを踏まえた取組の充実等の見直し等。
- 官民が連携してフォローアップする仕組みのイメージ(案)
- 先述のフレームワークの実効性について、外部からのチェック機能が働くよう、例えば円卓会議を開催するなど、官民が連携してフォローアップする仕組みを整備し、必要に応じて取組の充実等の見直しを行うべきである。
~NEW~
国土交通省 国際海運におけるゼロエミッション燃料船の導入促進のための条約改正の審議が継続されることとなりました~国際海事機関(IMO)海洋環境保護委員会臨時会合(10/14~17)の開催結果~
- 令和7年10月14日~17日に、IMO※海洋環境保護委員会臨時会合が開催されました。 「2050年頃までに国際海運からの温室効果ガス(GHG)の排出ゼロ」という国際目標の実現に向けた条約改正案について交渉が行われましたが、各国意見が収束しなかったため、1年後に臨時会合を開催し、再度採択のための審議を行うこととなりました。
- 船舶の安全・環境等に関する世界統一ルールを策定する国際連合の専門機関。本部はロンドン。
- 今次会合の審議結果は以下のとおりです。
- 国際海運からのGHG削減のための新たな対策
- 2023年7月、IMOは、「2023 IMO GHG削減戦略」を採択し、国際海運からのGHG削減目標として「2050年頃までにGHG排出ゼロ」等を掲げた以降、我が国も策定を主導してきた燃料規制制度とゼロエミッション船等に対する経済的インセンティブ制度を含む条約改正案について継続的な交渉が行われ、本年4月、この条約改正案が基本合意(承認)されました。条約改正の最終合意(採択)に必要な締約国への6か月間の回章を経て、今般の臨時会合を開催し、最終採択のための審議を行うこととなっていました。
- しかし、今次会合では、各国意見が収束しなかったため採択には至らず、1年後に臨時会合を開催し、再度採択のための審議を行うこととなりました。
- 1年後に再度臨時会合が開催されるまでの間、燃料規制制度やゼロエミッション船等に対する経済的インセンティブ制度の詳細なガイダンス等の作成に向けた作業が行われる予定です。
- 国際海運からのGHG削減のための新たな対策
~NEW~
国土交通省 航空従事者に対する航空法に基づく行政処分について
- 航空従事者1名に対して、本日付で航空法第30条に基づく行政処分を行いました。
- 操縦士A
- 事案の概要
- 令和7年8月28日、操縦士Aは機長として乗務予定であったところ、運航規程において、『乗員は、所定の場所に出頭すべき時刻を起点としてそれより前12時間以内に飲酒を行ってはならない。それ以前であっても過度な飲酒を行ってはならない。』と規定されていることを認識していたにもかかわらず、これに抵触する飲酒を行ったことが確認された。
- また、身体検査等の結果を踏まえた管理の中で、禁酒を宣言していたにもかかわらず、上記のとおり過度な飲酒を行い、またその事実を隠ぺいするため、アルコール検知器の検査日時のデータを改ざんするなどの行為に及んだことは、飲酒に関する安全意識の著しい欠如を示す悪質な行為であったと認められる。
- 操縦士Aの行為は、航空法第30条第2号に規定する航空従事者としての職務を行うに当たっての非行に該当するものである。
- 処分内容
- 操縦士Aに対して、60日間の航空業務停止(本日付、行政処分)
- 事案の概要
- 操縦士A
~NEW~
国土交通省 ウクライナの建設現場での遠隔施工の普及に向けデモンストレーションを行いました!~日本発の技術でウクライナの復興に貢献~
- 国土交通省では、今後のウクライナにおける国土交通分野のインフラ復興への日本企業による参画を加速させるため、本年1月に「日ウクライナ・国土交通インフラ復興に関する官民協議会」(JUPITeR)※を設立するなど、ウクライナの復興支援を行っています。
- ウクライナでは、今後膨大な建設需要が見込まれる一方、人手不足が深刻化しています。この問題に対処するため、国土交通省は、日本で培ってきた遠隔施工技術をウクライナに導入し、男女問わず誰もが安全な環境から建設機械を操作できるようにすることを目指しています。
- 今回、国土交通省は官民合同でウクライナに渡航し、国連機関関係者、ウクライナ政府関係者、地方自治体関係者等を対象に、技術実証を兼ねたデモンストレーションイベントを開催しました。将来遠隔施工技術に携わることが期待される関係者に体験していただいた結果、参加者からは遠隔施工技術をウクライナのインフラ復興事業に導入することに大きな期待が寄せられました。
- Japan – Ukraine Platform on the Infrastructure Technology for Recovery and Reconstruction
- デモンストレーション開催結果
- 日 程 令和7年10月9日(木)
- 会 場 キーウ工科大学(ウクライナ・キーウ)
- 参加者(合計約80名)
- (主催者側)
- 小島 優 国土交通省 大臣官房審議官
- 民間企業 八千代エンジニヤリング(株)、(株)ソリトンシステムズ、コーワテック(株)、コベルコ建機(株)
- (参加者側)
- マリーナ・デニシウク ウクライナ地方・国土発展省 次官
- 中込 正志 駐ウクライナ日本国特命全権大使
- 国連機関 UNDP(国際連合開発計画)、UNEP(国際連合環境計画)、UN Women等
- その他 ウクライナ政府関係者、地方自治体関係者 等
- (主催者側)
- 内容
- デモンストレーション会場からキーウ及び神戸市に設置された建設機械(会場からそれぞれ約25km、約8,000km)を遠隔で操作しました。ウクライナの環境でも、日本で培った遠隔施工技術によって建設機械が問題なく動作することを確認しました。
- イベント参加者に実際に遠隔操作を体験してもらい、技術の有用性をアピールしました。
- 参加者からは、遠隔施工技術のウクライナへの早期導入に向けた期待が寄せられました。
~NEW~
国土交通省 「航空大学校の養成に関する検討会」とりまとめの公表
- 本年4月に立ち上げた有識者検討会にて、(独)航空大学校における訓練遅延の解消、安定養成の実現等に必要な取組について、議論を重ね、今般、とりまとめを行いました。
- 背景
- 航空大学校は我が国唯一の公的な操縦士の養成機関であり、現在我が国の航空会社で働く3割程度の操縦士を養成。
- ここ数年、訓練遅延が拡大している状況を受け、本年3月にとりまとめた「航空整備士・操縦士の人材確保・活用に関する検討会」の報告書において、訓練遅延の更なる要因の分析・必要な対策の検討を継続する必要があると提言。
- とりまとめ内容(概要は別紙参照)
- 訓練遅延の主な要因
- 訓練遅延の常態化
- 事故を受けた安全意識の高まりや、「教育の質」を重点とした教育により、訓練遅延への意識が相対的に低下
- H30入学定員増に向けた体制構築の事前検証
- 不測の事態を考慮した機材等の確保、訓練時間の短縮化、訓練管理の厳格化等の検証が不十分
- 訓練管理・組織運営
- 訓練遅延が発生した際の改善が十分に実施されておらず、組織的な対応が不十分
- 訓練遅延の常態化
- 主な対策
- 待機学生の早期解消
- 土日フライトの実施、現行リソースを最大限活用した養成、外部養成施設・体制の活用
- 訓練遅延防止・安定養成
- 訓練遅延への意識の徹底、訓練カリキュラムの抜本的見直し、デジタル化の推進、追加訓練時間の上限の設定
- 社会ニーズへの適応
- 私立大学への技術支援充実、女性活躍の推進、将来の世界動向や社会ニーズを踏まえた検討
- 待機学生の早期解消
- 訓練遅延の主な要因


