危機管理トピックス

特殊詐欺の認知・検挙状況等/暗号資産を用いた不動産取引に関する要請/技術流出対策ガイダンス第2版

2026.05.11
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更新日:2026年5月11日 新着22記事

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【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 暗号資産を用いた不動産取引に関する要請について
  • 有価証券報告書レビュー及び大量保有報告書等のレビューについて(令和8年度)
  • 「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の一部を改正する件(案)」の公表について
  • 金融安定理事会による「プライベートクレジットにおける脆弱性に関する報告書」の公表について
警察庁
  • 特殊詐欺の認知・検挙状況等について
  • オンライン上の児童の性的搾取等事犯の集中取締りに係る国際協同オペレーション『オペレーション・サイバー・ガーディアン』の実施結果について
内閣官房
  • 中東情勢に関する関係閣僚会議(第6回)議事次第
  • 社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応に係る関係府省庁連絡会議(第3回)
  • 総合的な国力から安全保障を考える有識者会議(第1回)議事次第
内閣府
  • 第5回経済財政諮問会議
消費者庁
  • 尿失禁対策用の下着販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 外食・中食における食物アレルギーの情報提供に関する実態調査報告書
国民生活センター
  • 巧妙化する定期購入のトラブルにご注意-購入中に「さらにお得なご案内」!?-
経済産業省
  • 「技術流出対策ガイダンス第2版」を取りまとめました
  • ダイバーシティ経営推進に向けて企業に求められる具体的アクション実践事例集(ダイバーシティレポート別添2)を公表しました
  • 「企業価値を高める標準化・ルール形成 ―投資家と経営層の新たな視点―」を公表しました
  • 高性能AIへの対応に関して赤澤経済産業大臣が重要インフラ事業者との意見交換を実施しました
総務省
  • 2025年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表
  • 「巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策の在り方に関する検討会」の開催
  • 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)
国土交通省
  • 海上運送法の事業登録等について改めて周知します~沖縄県名護市辺野古沖における転覆事故を踏まえた再発防止策として~
  • 「i-Construction 2.0」の2年目(2025年度)の取組成果をまとめました~建設現場のオートメーション化による省人化(生産性向上)~

~NEW~
金融庁 暗号資産を用いた不動産取引に関する要請について
▼ 暗号資産を用いた不動産取引について(要請)
  • 宅地建物取引業者が取り扱う不動産は、財産的価値が高く、多額の現金との交換を行うことができることから、マネー・ローンダリング等に悪用される危険性があります。
  • また、近年では資産の保全又は投資を目的として不動産が購入される場合も多く、国内外の犯罪組織等が犯罪による収益の形態を変換する目的で不動産取引を悪用する危険性もあるところです。
  • 特に、その移転が国境を越えて瞬時に行われる性質を有する暗号資産は、マネー・ローンダリング等を目的として不動産取引の決済方法として利用される危険性が高いと思われます。
  • つきましては、傘下会員に対して、
    • 暗号資産を法定通貨に交換、交換の媒介等をする行為は暗号資産交換業に該当する可能性があり、当該行為を暗号資産交換業者としての登録を受けずに行うことは資金決済法に違反するおそれがある旨に留意すること
    • また、無登録で暗号資産交換業を行っている等の疑いがあることを発見した場合には警察当局に情報提供を行うとともに、宅地建物取引業者が自ら売主となり売却代金として暗号資産を受け取り法定通貨に換金するなど暗号資産交換業に該当しない行為を行う場合にも無登録の暗号資産交換業者を利用しないこと
    • 宅地建物取引業者において、暗号資産を用いた不動産取引を行う場合については、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成19年法律第22号)に基づく取引時確認を厳格に行うとともに、所管行政庁への疑わしい取引の届出、及び事件性が疑われる場合の警察当局への通報を適切に行うこと
    • 暗号資産交換業者において、例えば、顧客が不動産売買代金を暗号資産により受け取り、顧客の属性に見合わない高額な取引を行おうとしている場合等、取引に不審な点が認められる場合には、犯罪による収益の移転防止に関する法律に基づく取引時確認を厳格に行うとともに、所管行政庁への疑わしい取引の届出、及び事件性が疑われる場合の警察当局への通報を適切に行うこと
      など、暗号資産を用いた不動産取引の健全性を確保するための対応について周知方宜しくお願いいたします。
  • なお、こうした実態把握の観点からも、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号)では、(1)海外から3,000万円相当額を超える暗号資産等を受領した者については「支払又は支払の受領に関する報告書」、(2)非居住者が本邦にある不動産等を取得した場合には「本邦にある不動産又はこれに関する権利の取得に関する報告書」(令和8年4月1日以降に本邦にある不動産を取得した場合には、取得の目的を問わず、報告対象となっております。)を提出する義務があるため、併せて対応・周知方宜しくお願いいたします。

~NEW~
金融庁 有価証券報告書レビュー及び大量保有報告書等のレビューについて(令和8年度)
  1. 有価証券報告書レビューについて
    1. 有価証券報告書の作成・提出に際しての留意すべき事項等(識別された課題への対応にあたって参考となる開示例集を含む)について
      1. 令和7年度 有価証券報告書レビューの審査結果及び審査結果を踏まえた留意すべき事項等
        • 令和7年度の有価証券報告書レビューでは、令和6年度の審査において識別された課題の状況等を踏まえ、以下の有価証券報告書及び内部統制報告書の記載項目を対象に法令改正等関係審査を実施しました。
          • 令和6年4月に施行された重要な契約等の開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
          • 令和7年1月に施行された政策保有株式等の開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」及び関連する開示項目(「株式の保有状況」における政策保有株式の保有目的等に関する開示)
          • 令和6年4月に施行された内部統制報告書等に関する「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための体制に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
        • また、サステナビリティに関する企業の取組の開示及びコーポレート・ガバナンスに関する開示(政策保有株式関連の開示を含む)を重点テーマとした審査(以下「重点テーマ審査」)も実施しました。
        • 加えて、令和7年3月に金融担当大臣より発出された「株主総会前の適切な情報提供について(要請)」に関する調査を法令改正等関係審査と併せて実施し、また、当該調査票の回答を勘案し、重点テーマ審査において深度ある調査を実施しました。
        • 法令改正等関係審査及び重点テーマ審査の結果、前年度の有価証券報告書レビューで識別された課題が当年度においても複数の審査対象会社で識別されました。また、当年度において新たな課題も識別されました。
        • 識別された主な課題は以下の通りです。なお、当年度において新たに識別された課題については下線を付しております。
          • サステナビリティに関する考え方及び取組
            • サステナビリティ関連のガバナンスに関する記載がない又は不明瞭である。
            • サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価及び管理するための過程の記載がない又は不明瞭である。
            • 識別したサステナビリティ関連のリスク及び機会に対応する戦略並びに指標及び目標に関する記載がない又は不明瞭である。
            • サステナビリティ関連のリスク及び機会の記載がない又は不明瞭なため、サステナビリティに関する戦略並びに指標及び目標に関する記載が不明瞭である。
            • 戦略並びに指標及び目標のうち、重要なものについて記載がない。
            • 人的資本に関する方針、指標、目標及び実績のいずれかの記載がない又は不明瞭である。
          • コーポレート・ガバナンスの状況等
            • 取締役会、会社が任意に設置する指名・報酬委員会、監査役会等の開催頻度、具体的な検討内容、出席状況等の記載がない。
            • 内部監査が取締役会に直接報告を行う仕組みの有無に関する記載がない。
            • 政策保有株式の銘柄ごとの保有目的(保有目的が提出会社と当該株式の発行者との間の営業上の取引、業務上の提携その他これらに類する事項を目的とするものである場合には、当該事項の概要を含む)が具体的に記載されていない。
            • 政策保有株式の銘柄ごとの保有目的が安定株主の確保にあるにもかかわらず、当該目的が記載されていない。
            • 取締役会等における政策保有株式の保有の適否に関する検証についての開示と実態に乖離がある。
            • 保有目的を純投資目的に変更した場合に、保有目的の変更の理由の記載、又は、変更後の保有又は売却に関する方針の記載が不明瞭である。
          • 重要な契約等
            • 企業・株主間のガバナンスに関する合意に該当する重要な契約等の開示において、取締役会における検討状況その他の当該提出会社における当該合意に係る意思決定に至る過程、又は、当該合意が当該提出会社の企業統治に及ぼす影響(影響を及ぼさないと考える場合には、その理由)の記載がない又は不明瞭である。
            • 重要な契約等が令和6年4月に施行された改正開示府令等の施行日(2024年4月1日)前に締結された契約である場合に、記載を省略する旨の記載(2025年4月1日より前に開始する事業年度に係る有価証券報告書までの経過措置)をしていない。
          • 内部統制報告書
            • 内部統制報告書の「財務報告に係る内部統制の評価の範囲」の記載について、改正内部統制府令ガイドラインで定められている事項について「決定した事由」の記載がない又は不明瞭である。
      2. 識別された課題への対応にあたって参考となる開示例集
        • 今後の提出会社による自主的な改善に資するよう、有価証券報告書レビューで識別された課題への対応にあたって参考となる開示例をPDF別紙2として取りまとめましたので、ぜひご活用ください。
    2. 有価証券報告書レビューの実施について
      • 令和8年3月31日以降に終了する事業年度に係る有価証券報告書のレビューについては、以下の内容で実施します。なお、過去の有価証券報告書レビューにおいて、フォローアップが必要と認められた会社についても、別途審査を実施します。
        1. 法令改正等関係審査
          • 近年の内閣府令の改正並びに令和7年度の審査において識別された課題の状況等を踏まえ、令和8年度においては、以下の有価証券報告書の記載項目を対象に審査を実施します。
          • 令和6年4月に施行された重要な契約等の開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
          • 令和8年2月に施行された人的資本開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」
          • 有価証券報告書提出会社は、別添の「EXCEL調査票」に記載の調査項目の内容に回答いただくことを予定しています。
          • なお、令和8年3月31日以降に終了する事業年度に係る有価証券報告書のレビューより、調査項目の内容に対する回答提出をMicrosoft Formsを用いて実施することを予定しています。
          • 具体的な提出方法等については、原則として提出者用EDINETに登録されている事務連絡者情報のE-mailアドレス宛にPDF別紙3掲載のスケジュールで所管の財務局等から別途ご連絡いたします。
        2. 重点テーマ審査
          • 近年の内閣府令の改正や実務動向を踏まえ、令和8年度においては、以下を重点テーマとして審査を実施します。審査対象となる会社には、所管の財務局等から別途ご連絡いたします。
          • 重点テーマ
            • 人的資本に関する開示
            • 令和8年2月に施行された人的資本開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」の適用にともない、有価証券報告書において開示される「従業員の状況等」に関する記載内容について提出会社による自主的な改善に資するよう審査します。また、有価証券報告書において開示される「サステナビリティに関する考え方及び取組」における人的資本に関する記載内容についても、同様に審査します。
        3. 情報等活用審査
          • 上記に該当しない場合であっても、適時開示や報道、一般投資家等から提供された情報等を勘案した審査を行うことがあります。
          • 参考
            • 開示義務違反等に関する金融庁の情報受付窓口(ディスクロージャー・ホットライン)
  2. 大量保有報告書等のレビューについて
    • 令和6年金融商品取引法等改正における大量保有報告制度の改正(以下「本改正」)が令和8年5月1日より施行されます。これを踏まえ、令和8年度においては、大量保有報告書及び変更報告書(以下「大量保有報告書等」)を対象に本改正に係る記載を重点的に審査します。
    • なお、令和8年4月24日に「大量保有報告書等の提出について」を公表しており、改正内容についても説明をしているので参考にしてください。

~NEW~
金融庁 「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令第十七条の二及び第十七条の三の規定に基づき国又は地域を指定する件の一部を改正する件(案)」の公表について
  • 本件は、犯罪による収益の移転防止に関する法律第10条の3及び第10条の5の規定に相当する外国の法令の規定による通知の義務が定められていない国又は地域(以下「法域」)として、金融庁長官及び財務大臣が指定する法域について、各法域における法令の施行状況を踏まえ改正するものです。
▼ (資料1)トラベルルールの対象法域について
  • 我が国は、暗号資産・電子決済手段の取引経路を追跡することを可能にするため、暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者(VASP)に対し、暗号資産・電子決済手段の移転時に送付人・受取人の情報を通知する義務(トラベルルール)を課している。
  • 通知対象の国又は地域(法域)の法制度が整備されていなければ通知の実効性に欠けること等に鑑み、トラベルルールの対象は、我が国の通知義務に相当する規制が定められている法域に所在する外国業者への移転に限ることとしている。
  • 今般、各法域におけるトラベルルールの施行状況(注)を踏まえ、下表の法域を追加することとする。(注)各国のFATF相互審査結果及びそのフォローアップ報告書、法令・ウェブサイト等を参照し確認したもの
  • 現在の対象法域(58法域)
    • アイルランド、アメリカ合衆国、アラブ首長国連邦、アルバニア、イスラエル、イタリア、インド、インドネシア、ウズベキスタン、英国、英領バージン諸島、エストニア、オーストリア、オランダ、カナダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、ケイマン諸島、ジブラルタル、ジャージー、シンガポール、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、セルビア、大韓民国、チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、ナイジェリア、ナミビア(暗号資産のみ)、バーレーン、バハマ、バミューダ諸島、ハンガリー、フィリピン、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベネズエラ、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、香港、マルタ、マレーシア、マン島、南アフリカ共和国、モーリシャス、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク
  • 今回追加する法域(5法域)
    • アンギラ、オマーン、キューバ、ドミニカ国、ボツワナ
▼ (資料2)トラベルルールについて
  • 暗号資産・電子決済手段の移転に係る通知義務(トラベルルール)2023.6.1施行
    • 暗号資産・電子決済手段の取引経路を追跡することを可能にするため、暗号資産交換業者・電子決済手段等取引業者(以下「VASP」という。)に対し、暗号資産・電子決済手段の移転時に送付人・受取人の情報を通知する義務を新設
  • 対象とする移転[法第10条の3、第10条の5]
    • 国内VASPへの移転・外国VASP(資金決済に関する法律に規定する外国暗号資産交換業者・外国電子決済手段等取引業者)への移転を対象とする(個人・無登録業者は対象外)。
    • 金額、種類にかかわらず、全ての移転を対象とする(電子決済手段のうち特定信託受益権は対象外)。
  • 除外される移転[政令第17条の2、第17条の3]
    • 我が国の通知義務に相当する規制が定められていない国又は地域に対する移転については、除外する。(告示指定)
  • 通知事項[規則第31条の4、第31条の7]
    1. 送付人情報
      • 自然人
        • 氏名
        • 住居 or 顧客識別番号等
        • ブロックチェーンアドレス or当該アドレスを特定できる番号
      • 法人
        • 名称
        • 本店又は主たる事務所の所在地 or 顧客識別番号等
        • ブロックチェーンアドレス or当該アドレスを特定できる番号
    2. 受取人情報
      • 自然人
        • 氏名
        • ブロックチェーンアドレス or当該アドレスを特定できる番号
      • 法人
        • 名称
        • ブロックチェーンアドレス or当該アドレスを特定できる番号
  • 通知事項の記録・保存義務[規則第24条]
    • 通知した事項・通知を受けた事項について記録・保存義務を課す。

~NEW~
金融庁 金融安定理事会による「プライベートクレジットにおける脆弱性に関する報告書」の公表について
▼ プレス・リリース(翻訳) FSBが民間信用の脆弱性に警告
  • FSBの報告書は、民間信用には利点も伴う一方で、銀行との複雑な相互関係、借り手の信用品質に関する懸念、評価の不透明性など脆弱性も伴うと強調しています。
  • 民間信用は急速に成長しており、長期にわたる経済不況の中で未だに試されたままであり、高いレバレッジと特定セクターへの集中がストレスを増幅させる可能性があります。
  • FSBは、当局に対し、データギャップの解消、定義の調和による監視強化、金融相互接続や流動性問題の分析を深めることを促し、監督の洞察を共有しています。
  • 金融安定委員会(FSB)は本日、民間信用における金融安定性の脆弱性に関する報告書を発表しました。この活動は急速に成長し、2024年末時点で資産は1.5兆から2兆ドルにのぼり、いくつかの管轄区域に集中しています。プライベートクレジットがもたらす利点、つまり企業向けのカスタマイズされたファイナンスや投資家の多様化という側面に加え、いくつかの脆弱性も内包しています。
  • 金融安定委員会(FSB)は本日、民間信用における金融安定性の脆弱性に関する報告書を発表しました。この活動は急速に成長し、2024年末時点で資産は1.5兆から2兆ドルにのぼり、いくつかの管轄区域に集中しています。プライベートクレジットがもたらす利点、つまり企業向けのカスタマイズされたファイナンスや投資家の多様化という側面に加え、いくつかの脆弱性も内包しています。
  • 銀行との連携:プライベートクレジットエコシステムは、資産運用会社、銀行、保険会社、プライベート・エクイティ企業間の相互関係が深まっていることが特徴です。銀行とプライベート・クレジット・ファンドは、資金調達の取り決めや戦略的パートナーシップによって結ばれています。FSB加盟国全体では、利用可能なデータでは、約2200億ドルの引き出された・未引き出の銀行信用枠が民間信用ファンドに直接曝露されている一方で、一部の商業推計では2,700億から5,000億ドルの範囲があります。このレンジは民間信用におけるデータ上の課題のいくつかを示しています。しかし、同時に民間信用ファンドから借入する企業にリボルビングクレジットファシリティを提供する銀行や、合成リスク移転の利用増加など、さまざまな間接的なリスクリスクのリスクリスクも潜在的に存在します。
  • 借り手の信用リスクと評価の実務:報告書は、評価の不透明性やプライベート信用格付けへの依存がストレスの負担を増幅させる可能性があると警告しています。民間信用借り手は通常、公的格付けを持っておらず、市場全体の監視において透明性に課題が生じています。利用可能な証拠によれば、借り手は通常、同等の公開市場で見られる借り手よりも信用の質が低く、レバレッジが高いことが示されています。現物支払いの利用が増加し、低水準からのデフォルト率が一部上昇したことで、借り手のストレスの兆候が見られます。格付け依存の投資家(保険会社を含む)が投資を促進するために、時にはあまり知られていないプロバイダーからの民間格付けの利用が増加していることも、監視に値します。民間信用貸付は技術、医療、サービスなどの限られたセクターに集中しており、監視を複雑にし、企業やセクター固有のショックが市場全体のストレスに変わるリスクを高めています。
  • 集中力、レバレッジ、流動性の問題:集中は、テクノロジー、ヘルスケア、サービスなどの分野に大きく触れていることから生まれます。レバレッジは不透明で多層構造の存在に反映されます。流動性問題は、投資家に償還オプションを提供するファンドの人気が高まっていることに起因しており、これが民間信用の景気循環性を高める可能性があります。
  • データギャップ:報告書は、データギャップがセクターの効果的な監督を妨げると警告しています。管轄区域間の定義の違いや、ファンドおよびローンレベルの情報の限られているため、エクスポージャーや潜在的な伝達チャネルの評価が困難です。報告書は、市場規模と成長、銀行や保険会社との連携、レバレッジ、流動性の特徴、集中、国境を越えた活動、借り手の信用品質を追跡するための、類似のコア指標セットを提案しています。
  • FSBは当局に対し、以下のことを推奨しています:
    • 詳細なファンドおよびローンレベルのデータの不足、そして統一されたグローバルな定義の欠如など、データ上の課題に対処します。
    • プライベートクレジットとプライベート・エクイティおよび保険会社の相互連結性や、プライベート・クレジットファンドにおける流動性ミスマッチの分析を深化させる。
    • プライベートクレジットに関わる銀行および非銀行のリスク管理およびガバナンスに関する株式監督アプローチ、エクスポージャーの集約、評価実務、プライベート格付けの利用などが含まれます。

~NEW~
警察庁 特殊詐欺の認知・検挙状況等について
▼ 令和8年3月末における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値)
  • 令和8年3月末における特殊詐欺の概要
    • 認知件数 11,093件、被害額937.9億円(前年同期比+2,576件、+413.9億円)
    • 令和5年の年間被害額(907.7億円)を3月末時点で超える
    • 1日当たりの被害額は10.4億円であり、令和7年(8.9億円)と比べ1.5億円増加
    • SNS型投資詐欺の被害額が特殊詐欺全体の48.6%を占める
      • 1日当たりの被害額については、令和8年は3か月(90日)、令和7年は12か月(365日)で計算
  • 手口別の被害状況
    • SNS型投資詐欺
      • 被害額(億円)(前年同期比) 456.1億円(+326.0億円)
      • 既遂1件当たりの被害額(万円) 1,351.4万円
    • ニセ警察詐欺
      • 222.4億円(+50.7億円)
      • 1,029.0万円
    • SNS型ロマンス詐欺
      • 135.9億円(+18.0億円)
      • 1,041.4万円
    • 架空料金請求詐欺
      • 43.4億円(+4.7億円)
      • 290.3万円
    • オレオレ詐欺
      • 30.4億円(-2.1億円)
      • 401.1万円
    • その他
      • 49.7億円(+16.6億円)
      • 273.2万円
    • 合計
      • 被害額(億円)(前年同期比) 937.9億円(+413.9億円)
      • 遂1件当たりの被害額(万円) 859.3万円
  • 最近のニセ警察詐欺の特徴について(令和8年3月末時点)
    • 認知件数 2,204件、被害額 222.4億円(前年同期比+310件、+50.7億円)
    • 当初接触ツールは電話が2,168件で全体の9割以上を占める
    • 携帯電話が全体の約6割を占める
    • 50代以下は携帯電話、60代以下は固定電話が半数以上を占めており、50代と60代を境に当初接触ツールの割合が入れ替わる
  • 犯人と接点を持たないことが最重要!!
    • 携帯電話 ⇒ 警察庁推奨アプリをインストールして犯人からの着信を遮断(ダウンロード総数 累計 537,500件)
    • 固定電話 ⇒ 国際電話の利用休止を申し込んで犯人からの着信を遮断(手続件数 累計 945,600件)
      • 数値はいずれも概数
  • 金地金等をだまし取られる被害
    • 認知件数 77件 被害額35.0億円
    • 被害の99.0%が手交によるもの
    • 既遂1件当たりの被害額は4,548.8万円 特殊詐欺全体(859.3万円)と比べて高額
  • ニセ社長詐欺による被害 ※自社の経営者等になりすまして、メール等を送った後、SNSに遷移して金銭等をだまし取る手口
    • 認知件数 68件 被害額23.1億円
    • 令和8年1月に入り減少が続く
    • 既遂1件当たりの被害額は3,449.1万円 特殊詐欺全体(859.3万円)と比べて高額
▼ 【資料2】最近の特殊詐欺の特徴について

~NEW~
警察庁 オンライン上の児童の性的搾取等事犯の集中取締りに係る国際協同オペレーション『オペレーション・サイバー・ガーディアン』の実施結果について
  • オペレーション結果
    • 期間:2026年3月23日(月)~4月17日(金)
    • 参加国:日本・シンガポール・タイ・韓国・香港・ブルネイ・マレーシア(7つの国・地域)
    • 捜査対象:オンライン上の児童の性的搾取等事犯の被疑者445人(最年少12歳・最年長72歳、男性430人・女性15人)
    • 捜索差押箇所:382箇所
    • 押収電子機器:パソコン116台、携帯電話等340台、タブレット25台、外部記録媒体140個、ルーター16台
  • 日本の取組
    • 本オペレーション期間を「児童ポルノ撲滅に関する国際協力強化期間」と位置付け、他国との間での相互の情報提供等に基づくCSAM(Child Sexual Abuse Material)に係る捜査のほか、都道府県警察においてオンライン上の児童の性的搾取等事犯の積極的な取締りを推進
  • 児童ポルノ撲滅に関する国際協力強化期間結果(国内)
    • 検挙人員
      • 99人
      • 最年少14歳・最年長72歳
      • 男性95人・女性4人
    • 職業例
      • 団体職員、地方公務員
      • 会社役員、会社員、学生(大学生・高校生・中学生)等
    • 検挙罪名
      • 児童ポルノ公然陳列・製造・所持・提供・保管、児童買春、不同意性交等
    • 捜索差押箇所・押収電子機器
      • 131箇所
      • パソコン45台、携帯電話等101台
      • タブレット16台、外部記録媒体49個
  • 主な検挙事例
    • 無職の男(60歳代)が、インターネット上において、不特定多数のファイル共有ソフト利用者に対して児童ポルノを閲覧可能な状態にさせた児童ポルノ公然陳列事件
    • 元児童通所施設職員の男(40歳代)が、施設を利用していた10歳未満の女児に対し、わいせつ目的で被疑者の自宅に連れ込み誘拐し、わいせつな行為をしたうえ、その様子をスマートフォンで撮影したわいせつ誘拐、不同意わいせつ、児童ポルノ製造等事件
    • 公立高校教諭の男(20歳代)が、10代の女児に被疑者の自宅でわいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで撮影した児童ポルノ製造等事件
    • 無職の男(20歳代)が、同居する10代の女児らにわいせつな行為をし、その動画を撮影した児童福祉法違反、不同意わいせつ、性的姿態撮影及び児童ポルノ製造等事件
  • 今後の取組
    • 更なる国際連携の強化に努め、児童の性的搾取等事犯に対して効果的な取締りを推進する。

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内閣官房 中東情勢に関する関係閣僚会議(第6回)議事次第
▼ 資料1 経済産業省提出資料
  • 原油の代替調達の現時点の動向
    • 原油について、5月は、現時点で、過半を超えて、約6割の代替調達の確保に目途がついたところ。中東や米国に加え、中央アジア、中南米、アジア太平洋からの原油も届く見込み。
    • 仮に、「6月以降は5割しか代替調達が実現しない」という保守的な仮定を置いても、年を越えて日本全体として必要となる石油の量が確保できる見通しが立っているところだが、6月の代替調達についても、5月の水準を更に上回る水準を確保するべく、最大限取り組む。
  • 米国からの代替調達
    • コスモ石油が3月22日(日)に米国テキサス州で原油を積んだ原油タンカーが、パナマ運河を経由して、4月26日(日)に日本(千葉沖)に到着。中東情勢悪化の後に調達・積載され、日本に到着する初めての米国原油を積んだタンカーとなった。
    • 米国からは、5月に前年比約4倍まで調達が拡大する見込み(確定契約ベース)。
  • ナフサ由来の化学製品の需給見通し
    • 国内でのナフサの精製を継続していることに加え、米国やアルジェリア、ペルーなど中東以外からのナフサの輸入が、中東情勢緊迫化の前の水準に比べると、5月には「3倍」(45万kl/月→4月90万kl→5月135万kl超)となる。これらの輸入ナフサは、5月にも日本に届く。
    • また、ポリエチレンなどの中間段階の化学製品の足下の在庫は約8か月分となっており、これらをあわせると、ナフサ由来の化学製品の供給は、これまでの「半年以上」から更に伸び、年を越えて継続できる見込み。
  • ナフサ由来の化学製品の需給見通し
    • 原料のナフサの中東以外からの輸入を更に加速することで、川中製品の在庫を活用して供給を確保できる期間は、年を越えて延長される見込み。
  • 需要側の過剰な発注が流通の目詰まりに繋がった事例
    • (1)川上の供給量が足りている、(2)中間財メーカーも通常の量の供給が維持しているにもかかわらず、流通・需要側の一部が、普段よりも多く石油製品を発注した結果、中間財メーカーや卸小売の混乱を招き、「流通の目詰まり」に繋がった事例が見られる。
    • 原油やナフサ由来の化学製品の供給が、「年を越えて」継続できることの理解を広め、前年同月同量を基本とした調達を行って頂くよう徹底的な周知・広報を進めていく。
  • ホームセンターにおける工務店等への協力依頼
    • 個人事業者を含む工務店等が、円滑に住宅の新築・リフォームを行うためには、サプライチェーン上の各プレイヤーが製品の安定供給や通常量の発注を行うことが重要。これまで、サプライチェーンの各プレイヤーに働きかけを実施。
    • 4月28日、経済産業省から日本DIY・ホームセンター協会に対し、工務店等がシンナー、塗料等を購入するホームセンターにおいて、(1)通常量での購入の協力、(2)情報提供窓口の紹介を記載した店頭掲示(貼り紙)を要請
  • 燃料の供給の偏り・流通の円滑化等への主な対応状況
    • 直接販売スキーム及び前年同月比同量の要請を元に、155件を解消
      1. 医療関係
        • カテーテルの滅菌工程に必要なボイラー用A重油について、供給確保
        • 手術用器械などの医療機器を製造する際に必要な潤滑油について、新規に石油元売会社からの直接販売を実施 【直販】
        • 医療機器の素材製造に使用するA重油について、供給確保
        • 錠剤製造の滅菌工程に必要なボイラー用灯油について、供給確保
      2. 交通・公共サービス関係
        • 九州地方の路線バスの軽油について、供給確保
        • 海底ケーブル敷設船の燃料となるA重油について、供給確保
        • 下水処理施設の雨水ポンプの運転に必要なA重油について、供給確保
        • 中部地方のし尿処理施設で使用するA重油について、新規に石油元売会社からの直接販売を実施 【直販】
        • 学校給食の製造に必要なA重油について、供給確保
        • 離島向けフェリーの運航に使用するA重油について、供給確保【直販】
        • 海洋調査の研究船の運航に使用するA重油について、供給確保
      3. 農水畜産業関係
        • 乳製品工場で使用するA重油について、供給確保
        • 九州地方の茶製造に必要なA重油について、新規に石油元売会社からの直接販売を実施 【直販】
        • 大規模な農村地域における農業機械用のガソリン・軽油について、石油元売会社からの直接販売を実施【直販】
        • 養殖用の稚魚や畜産用の飼料製造に必要なA重油について、供給確保
        • 東海地方の茶製造に必要なA重油について、新規に石油元売会社からの直接販売を実施 【直販】
        • と畜場のボイラー稼働に必要なA重油について、供給確保
      4. 重要物資製造業関係
        • 半導体製造に必要なボイラー稼働に使用するA重油について、供給確保
        • 電池製造に必要なボイラー稼働に使用するA重油について、供給確保
  • 緊急的な激変緩和措置について
    • 緊急的な激変緩和措置を3月19日(木)から実施。
    • ガソリン小売価格を全国平均で1リッター当たり170円程度に抑制するための補助を実施。軽油、灯油、重油はガソリンと同額、航空機燃料はその4割を補助。
    • これにより、制度開始前の3月16日(月)に190.8円であったガソリンの全国平均小売価格は、170円程度、軽油、灯油もそれぞれ160円程度、140円程度の水準に低下。
▼ 資料3 農林水産省提出資料
  • 農林水産業・食品産業関連資材の確保に向けた取組状況
    1. 農林水産業・食品産業関連資材について、流通構造等の実態把握を実施中。
    2. このうち、ソース等の調味料を製造するメーカーの業務用容器である、「BIB(Bag in Box)」の一部に供給の懸念があるとの情報を受け、農林水産省と経済産業省が連携し、関係事業者と供給状況等について情報交換を実施。
      • その結果、「BIB」については、経済産業省の協力の下、業務用容器メーカーから当面の供給が可能であることを確認。
      • これに伴い、ソース等の調味料を製造するメーカーにおいても、引き続き、川下の事業者へのBIBを用いた製品の販売が継続可能であることを確認。
    3. 一方、食品産業事業者や消費者からは、種々のプラ製食品容器包装の将来の調達に不安の声があるところ。このため、経済産業省と連携し、食品容器包装ごとの供給状況等に応じて、以下の取組を実施。
      1. 今後も引き続きポリエチレン等を安定的に供給するための原料メーカーへの働きかけ
      2. 食品産業事業者や食品容器包装資材の製造・流通事業者に対して、調達支障時の関係者との協議や、供給困難になる前の農林水産省への早めの相談、受発注の平準化などを要請

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内閣官房 社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応に係る関係府省庁連絡会議(第3回)
▼ 資料2 社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応に係る机上演習の結果について
  • 国内外で発生するインフラ障害事案
    • 昨今、国内外において、サイバー攻撃やシステム障害等により、主要インフラの障害が発生し、それに伴い社会経済活動への影響が顕在化する事案が増加している。
      1. 【国内】名古屋港のコンテナターミナル停止
        • 2023年7月4日、名古屋港のシステムがランサムウェア攻撃を受け、約3日間にわたりコンテナの搬入・搬出作業が停止した。
        • ロシア系ハッカー集団「LockBit」による攻撃とされ、港湾の物流に大きな影響を与えた。
      2. 【国内】大阪医療機関での診療機能停止
        • 2022年10月に、大阪急性期・総合医療センターで、電子カルテシステムがランサムウェアに感染し、
        • 一部診療機能が停止。完全復旧まで約2か月を要した。
      3. 【海外】スペイン・ポルトガルでの大停電
        • 2025年4月28日12時30分過ぎ(現地時間)、スペインやポルトガルを含むイベリア半島全域で大規模停電が発生(復旧は翌日29日)。
        • 同年6月のスペイン政府の公式調査では、停電の第一要因として、適切な電圧制御ができなかったことによる送電網における系統電圧の上昇と、それに対する発電所の調整能力の低下・不足が原因と報告されている。
      4. 【海外】ウクライナ侵略前の通信障害
        • 2022年2月24日、サイバー攻撃の影響で、米Viasat社が提供する衛星通信サービス(KA-SAT network)が利用不能に。
        • ウクライナ国内のほか、ドイツの風力発電所等にも影響拡大。
  • 自然災害によらないインフラ障害の不透明性・事態長期化の可能性
    • 自然災害の場合、発災とともに甚大な被害が発生し、その後復旧・復興に向かっていくことが予想される。他方、例えば、サイバー攻撃のように悪意ある攻撃者が裏に存在するようなケースでは、攻撃者の特定や被害実態の把握が困難な場合があることに加え、次に何が起こるか分からないという不透明性が特徴。具体的対策を想定しづらいことから関係機関同士での情報共有や対処体制の強化、支援・応援の要請といった最初期の対応の足並みがそろわず、かつ、事態が長期化する可能性も高い。
    • 現代社会においては、単体のインフラの障害であっても、インフラ間の「相互依存性」を介して、他のインフラへの連鎖障害が短期間で拡散し、それが社会経済への影響を加速度的に増幅してしまうことが予想される。さらに、インフラ障害が長期化する場合には、その影響の深刻さと範囲の広さはより一層拡大する。
  • サイバー攻撃により電力・通信・水道等のインフラが停止し、その障害が拡大・長期化する場合、他のインフラ・産業にも影響が波及し、国民生活・経済活動に甚大な被害が生じ得る。
  • 社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応について(ガイダンス)の概要
    • 大規模インフラ障害への政府としての対応を議論し、必要な施策を検討・推進するため、「社会的影響が特に深刻な大規模インフラ障害への対応に係る関係府省連絡会議」(議長:副長官補(内政担当)及び副長官補(事態対処・危機管理担当))を設置。
    • 2025年7月、大規模インフラ障害への対応の基本的考え方を周知するため、地方公共団体向けのガイダンスを公表するとともに、国の問い合わせ窓口も整理。今後、全ての地方公共団体を対象としたオンライン説明会を開催予定。
      1. 対応の基本的考え方・障害発生時における対応
        • 大規模インフラ障害が発生した時点では、事態の推移を予測することは難しく、不透明な状況が続くことから、自然災害や事故災害とは異なる性格を持つと言える。他方、発生している被害に着目すると、住民の避難の必要性などの社会的影響が生じ得るという意味において、自然災害や事故災害と同様の対応が必要。
        • 大規模インフラ障害が一定期間以上継続することが見込まれる場合には、災害対策基本法上の「災害」として取り扱い、災害対策基本法等の関係法令に基づく対応を実施する。
      2. 障害への備え
        1. 地方公共団体等における訓練の実施
          • 毎年行われている防災訓練において、大規模インフラ障害も念頭に置いた訓練を行う。(令和7年度の総合防災訓練大綱においては、大規模インフラ障害を想定した防災訓練を実施するよう努める旨を記載)
        2. 主要インフラ事業者との連携
          • 主要インフラ事業者等との共同訓練の実施も検討する。
          • 災害連携協定等の対象範囲を確認し、大規模インフラ障害時にも発動できるよう、必要に応じて見直しを行う。
          • 応急復旧等について、国・地方公共団体・事業者間での役割分担を平時から確認する。
        3. 地方公共団体や主要インフラの強靱化
          • 地方公共団体や主要インフラについて、非常用発電機等の備えを通じて強靱化を図る。
  • 大規模インフラ障害への対応に係る机上演習の結果概要
    • 近年急速に高まっているサイバー攻撃の脅威等を踏まえ、2025年12月18日、内閣官房・東京都の共催で「自然災害によらない大規模インフラ障害」をテーマとした机上演習を実施。
    • 政府・地方公共団体・インフラ事業者等から約300名が参加し議論を行った。
  • 総合的な経済安全保障シンクタンク(経済安全保障推進法の改正)
    • 経済安全保障をめぐる課題は複雑化しており、外交・情報・防衛・経済・技術の専門知識を結集して対応することが重要。
    • 機動的に調査研究を行い、政府全体の幅広い政策要請に応える総合的な経済安全保障シンクタンク機能を創設するべく準備中。(経済安全保障推進法の改正(R8特別国会にて提出))
    • 当該シンクタンクにおいては、その業務の一つとして、自然災害によらない大規模インフラ障害を含む、経済安全保障上のリスクに関する分析・提言を行う。インフラ間の相互依存性を意識したシナリオを作成・発信すること等を通じて、企業や地方公共団体等における訓練・演習の実施を推進することを想定。
  • 法改正概要(シンクタンク関係部分)
    1. 総合的な経済安全保障の調査研究に関する基本指針の策定
    2. 総合的な経済安全保障シンクタンク機能の構築
      • 内閣総理大臣は、経済安全保障に関する総合的な調査研究を行うこととし、その一部をRIETIに行わせることを可能とする。
      • 当該業務を行うRIETIの役職員に国家公務員と同等の守秘義務を求める。
      • RIETI法を一部改正し、RIETIの所掌に調査研究業務を追加した上で、当該業務の主務大臣を内閣総理大臣とする。
  • 想定される調査研究・政策提言テーマ(案)
    1. インフラ・リスク点検
      • 幅広いインフラ産業等に係る経済安全保障上のリスクについて、新興リスクも含め、発生可能性や影響度等を分析・評価。優先的に対処すべきリスクを特定し、インフラ間の相互依存性も意識しつつ、想定されるシナリオを作成。企業や地方公共団体等の自主的取組・意識醸成を図るためのTTX(机上演習)にも活用する。
    2. サプライチェーン
      • 二国間の輸出入における依存度の分析のみならず、海上輸送リスクや、輸出規制等の事象を想定した際の代替行動までも織り込んだ、多国間におけるサプライチェーンの強靱性についての分析等、高度な専門性を必要とする調査研究を行う。
    3. 技術
      • 安全保障や地政学的な関心を背景とした国内外の先端的な技術動向の把握・分析を行う。また、この分析結果について、他機関の成果も取り込みつつ、実効性のある政策提言につなげる。あわせて、こうした地政学も加味した技術動向に関する情報発信を行い、企業の理解促進につなげる。
  • 演習で確認された課題・教訓
    • 演習全体に共通する課題・教訓
      1. 自然災害との違い
        • 自然災害によらない大規模インフラ障害では、災害対応への切り替えの基準を明確に定義しにくく、被害の範囲や様相、障害の原因や復旧の見通しが明らかとなっていない不透明な状況下において、関係機関同士での情報共有や対処体制の強化、支援・応援の要請といった最初期の対応の足並みがそろわないリスクがある。インフラ事業者等による発信はもちろん、政府や地方公共団体が業種横断的に情報収集を行い積極的な発信を行うことで、各組織の迅速な対応を促していくことが重要。
        • 自然災害を前提としている協定・契約(飲料水や燃料の優先供給協定・契約など)及び組織内のマニュアル・BCP等について、大規模インフラ障害時にも適用できるかどうか、各組織が確認・見直しを行うことが必要。
        • 電力・通信等の主要インフラに障害が発生した場合には、インフラの相互依存関係に起因して、他のインフラに対しても波及的に被害が拡大する。また、被害の拡大に伴い、支援を必要とする人の範囲が、時間経過とともに広がっていくことが想定される(例えば医療分野における人工呼吸器使用患者や透析患者等)。こうした被害拡大の態様やその対応に必要なリソースの規模は、必ずしも既存の自然災害の想定とは一致しない部分も想定されるところ、想定される被害及び必要な対応のタイムラインを関係省庁・地方公共団体・事業者等、ひいては国民との間で共有し、必要な準備を促していくことが重要。
        • 障害の原因や復旧の見通しが判明しない不透明な状況下では、国民の不安・混乱が過度に増大するリスクがあり、それを抑制するための政府・地方公共団体・事業者等が連携した積極的な情報発信が重要
      2. 被害長期化への対応(優先順位付けの議論の重要性)
        • 大規模なインフラ障害発生と急速な障害連鎖に伴う社会経済の混乱、さらに、その長期化による被害の拡大が想定される状況下では、復旧の要請に対して必ずしも即時にリソースが手当てできない状況が想定されるなど、不都合な事実に平時のうちから目を向けておく必要がある。まずは、地方公共団体やインフラ事業者において、電源車等の具体的な台数など、地域内のリソースの現状を把握・相互に共有することを進めるべきである。
        • 手当てできる復旧リソースの到着遅延を前提とすると、大規模インフラ障害が発生・長期化した場合には、リソースをどこから配分していくか優先順位付けの議論が必要となる。原則として、都道府県災害対策本部が要請を集約(※)し、インフラ事業者等、政府が連携しながら重要施設等の機能維持を図ることとなるが、都道府県内のリソースで対応できない場合や、被害が複数の都道府県に及ぶ場合などには、都道府県間のリソース配分について、政府、インフラ事業者等が主体的、積極的に調整することが望ましい。こうした考え方を前提に、障害発生時の連絡ルートを明確化するとともに、演習の実施等を通じて、優先順位付けの考え方について関係者間での共通認識形成に努めていく必要。また、自組織内でのトリアージの方針についても、各組織で事前に整理しておくことが必要。 (※)水道の運営主体が市町村である場合は、応急給水の要請は市町村の災害対策本部での集約が基本。
        • 被害が広範囲に及ぶ状況を想定し、都道府県を越えた広域でのオペレーションの検討が必要。
        • 自衛隊の災害派遣を効果的に活用するため、(自然災害同様)地方公共団体と自衛隊が、平素から意思疎通を図っておくことが重要。
      3. 平時の備え
        • 地方公共団体や主要インフラ施設において、非常用発電機等の備えを通じて強靱化を図っていくことが必要。所管省庁において、必要に応じて対策状況の実態把握や対策水準の周知・要請を実施していくべき。
        • 大規模インフラ障害発生時の対応に当たっては、政府・地方公共団体・民間の主要インフラ事業者等の連携が必要不可欠であるところ、それぞれの組織の能力や限界について平時から本音で率直なコミュニケーションを図るとともに、想定される対応について演習等を通じて業種を越えた共有を図っていくことが必要。
        • サイバー攻撃の可能性がある障害を念頭においた場合、サイバー担当部門と防災・危機管理担当部門において、どのような場面でどのような連携が想定されるか、演習等も通じて、各組織で事前に整理しておくことが必要。
  • 個別論点に関する課題・教訓
    1. 交通渋滞への対応
      • 渋滞が発生した場合、救急車等の緊急車両や燃料を輸送するローリー・電源車などの応急復旧に必要な車両の円滑な通行を確保することが重要。警察含め現場の人的リソースには限界がある中で、渋滞の解消・抑制のため、どのような対応の選択肢があり得るのか、道路管理者、都道府県警察、関係省庁等において平時から整理しておくことが重要。
      • 渋滞の発生を抑制する観点から、車両の利用自粛について、報道機関とも連携した徹底的な発信が重要。
    2. 帰宅困難者への対応
      • 現状の帰宅困難者対応(一時滞在施設の協定等)は、基本的に自然災害を前提として設計されているため、自然災害によらない大規模インフラ障害において応用が可能かについて確認が必要。
      • 自然災害とは異なり、帰宅経路における落下物や余震等の危険は想定されないものの、自動車利用の抑制等による緊急車両の通行確保や鉄道駅等への過度な人流の集中防止の必要性などを勘案し、「一斉帰宅の抑制」を行うのかどうかを政府・地方公共団体・インフラ事業者が連携して迅速に意思決定するとともに、積極的かつ統一的な情報発信が必要。
    3. 燃料分野での影響への対応
      • 大規模かつ長期間の停電や通信障害が発生した場合には、燃料油の陸上出荷の手配がスムーズにできず、出荷の遅れにつながる可能性があるところ、需要家側においても、十分な備蓄の確保や協定の締結、平素からの取引の確保などの自衛策の徹底が求められる。
    4. 通信障害への対応
      • 停電が発生している状況下では一般家庭のテレビや充電が切れた電子機器は使えず、通信障害が発生するとインターネットを通じた情報取得に支障が生じるなど、通常どおりの情報へのアクセスが困難になる。政府・地方公共団体・事業者等において、各組織のHPやSNSなどデジタル空間を通じた情報発信のみならず、地方公共団体の防災行政無線や広報車、避難所等の拠点、マスメディアなどあらゆる手段を活用し、国民に直接情報を届けることを検討する必要がある。
      • 通信障害時には、衛星電話や無線通信を始め各組織が備えているバックアップ手段等を活用し、必要な連絡をとっていくことが想定されるところ、連絡を取るべき関係者との間で通信障害時の連絡手段を予め相互に確認しておく必要がある。
    5. 医療分野での影響への対応
      • 在宅人工呼吸器使用患者等からの支援要請が区市町村や消防(119番)等へ寄せられ得るところ、どこにどのように情報を集約するか、地域内の関係者において整理をしておくことが必要。
      • 災害時の透析について、全国的なネットワーク整備により、基本的な体制はできているものの、既存の震災想定を超える停電・断水の被害が生じる場合は対応しきれないとの懸念が挙げられた。患者搬送における自衛隊を始めとした他機関との連携も含め、考えられる対応を整理しておくことが必要。
      • 透析患者を始めとする被災地で必要な医療行為が受けられない人々などの広域避難や、復旧におけるリソース配分等の議論において、都道府県を越えた広域での調整・意思決定が必要となり得る。
    6. 金融分野での影響への対応
      • 停電時は多くの小売店等においてキャッシュレス決済や読み取り機を用いたクレジットカード決済が困難となることから、現金需要の増加が予想されるところ、現金引き出しなどの混乱防止のため、官民連携した情報発信が重要。
    7. 被災者支援
      • 都道府県において、災害救助法の適用をどのように判断していくのか、事前の検討を深めておくことが有益。
      • 広域の停電・断水発生時、受入れ可能な人数を超えた人々が避難所に集まってしまう可能性があるところ、そうした状況も念頭に、必要な情報発信の在り方含め対応を事前に想定しておくことが有益。
      • 小売店における住民への食料・物資の販売継続については、物流(電力・通信・交通・燃料等の多岐にわたるインフラに依存)や金融決済手段がどれだけ機能するかに依存しており、必ずしも販売が継続される保証がない。さらに、自然災害と同様に、膨大な数の避難者等が発生し被災地内への物資の供給が不足すること、被災地内外での買い占めが発生する可能性があることなども勘案すると、通常の商流による食料・物資の供給は不安定化する可能性も念頭に、平時から、物資の供給体制等の検討をしておくことが必要である。
    8. その他
      • 停電に伴う自宅や事業所のセキュリティシステムへの影響、偽情報・誤情報等による社会的混乱の発生、それらに伴う治安の悪化等への対応も必要になり得る
▼ 資料3 想定される主な被害・対応のタイムラインの例

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内閣官房 総合的な国力から安全保障を考える有識者会議(第1回)議事次第
▼ 資料3 我が国を取り巻く安全保障環境の変化と「総合的な国力」の重要性(内閣官房国家安全保障局提出資料)
  • 安全保障環境の変化(概観)
    • 法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序への挑戦が勢いを加速し、国際秩序は流動化。
    • 国際社会における諸課題に対する米国の優先順位が変化する中、米国の同盟国・同志国が一層主体的に取り組まなければならない課題が生じ、果たすべき役割が変化することは不可避。
    • インド太平洋地域における安全保障環境は悪化・複雑化。
    • ロシアによるウクライナ侵略は4年以上継続。「新しい戦い方」への対応と継戦能力の確保の重要性。
    • 平素からの安全保障上の課題が多様化し、経済力・技術力が外交力・防衛力を決する時代に。「情報力」と「人材力」を合わせ、6つの要素を有機的に連携させたものとする必要。(経済安保の重要性の増大、サイバー攻撃や認知戦の対応、AIの飛躍的な進歩等)
  • 中国内政・経済・外交
    • 中国は2049年(建国100周年)までに「社会主義現代化強国」を全面的に完成し、「中華民族の偉大な復興」を実現することを目指して総合国力と国際的影響力の強化に取り組んでいる。
    • こうした中で、軍事力を広範かつ急速に強化するとともに、外交面でも「特色ある大国外交」を標榜し、「一帯一路」や独自のイニシアティブ(例:グローバル発展イニシアティブ、グローバル安全イニシアティブ)等を推進している。
    • また、経済面でも「双循環」の考え方の下、先端技術獲得とサプライチェーンの強靭化に邁進。
    • 一方で、足下の中国経済は不動産市場の低迷や地方債務の問題に見られるように、不透明感が増している。さらに中長期的にも、急速な少子高齢化と人口減少が進む中で、成長と分配の両立に課題が指摘されている。
  • 中国の軍事力強化と活動の拡大・活発化
    • 海上・航空戦力や核・ミサイル戦力を中心とした軍事力を広範かつ急速に強化。米軍を含む地域の軍事バランスは過去10年間で変化。
    • 海空域での活動を急速に拡大・活発化。一方的な活動のエスカレーションも。
  • 中露の軍事連携の強化
    • ウクライナ侵略を継続する中でも、ロシアは北方領土を含む極東での軍備強化を継続。
    • 核戦力を含む相当規模の戦力が存在するほか、新型装備への更新が進展。
    • 各種演習、爆撃機の共同飛行、艦艇の共同航行などを通じ、中露の軍事連携は強化。
  • 北朝鮮内政・経済・対外関係
    • 北朝鮮は核・ミサイル開発を継続しながら、ロシアのみならず、中国等との関係強化を通じて、自らの経済発展に資する環境の整備に尽力。その上で、地方経済の発展計画やリゾート開発などの経済政策を推進。
    • また、核・ミサイル計画の資金源の一つとして、悪意あるサイバー関連活動を展開。
    • 韓国には、敵対的な姿勢を堅持する一方、米国に対しては、今後の関係は米国側の態度次第との立場。
      • 対外関係
        1. ロシア
          • 2024年6月、包括的戦略的パートナーシップ条約に署名(同年12月発効)
          • 多くの北朝鮮労働者をロシアに派遣
        2. 中国
          • 2025年9月、金正恩委員長は訪中し、中朝首脳会談を実施
          • 中国は北朝鮮にとって最大の貿易相手国
        3. 米国
          • 2026年2月の朝鮮労働党第9回大会において、金正恩委員長は、憲法に明記された我が「国」家の現在の地位を尊重し、対北朝鮮敵視政策を撤回するならば、米国と良好な関係を築けない理由はないと発言
        4. 韓国
          • 金正恩委員長は、韓国を「最も敵対的な」国家と位置付けている旨を繰り返し発言
      • 経済政策
        • 現代的な地方工業工場や病院、サービス施設等を毎年20市・郡ずつ、10年以内に全ての市・郡に建設する「地方発展20×10政策」を推進。
    • 悪意あるサイバー関連活動
      • 北朝鮮のサイバー攻撃グループが、引き続き暗号資産関連事業者などを標的。
      • 北朝鮮IT労働者が身分を偽って仕事を受注することで収入を獲得。悪意あるサイバー関連活動にも関与との指摘
  • 北朝鮮の核・ミサイル開発及び通常戦力の強化
    • 北朝鮮は、現行の三文書策定以降も、核・ミサイル開発に邁進。新たな弾道ミサイルも登場。
    • 自らの優先課題に沿って開発・試験を着実に実施し、関連技術等を向上。
    • 最近は通常兵器を広範に開発・改良するなど、近年は通常戦力の強化にも注力。
      1. 北朝鮮の弾道ミサイル開発動向
        • 北朝鮮のミサイル防衛突破能力が向上。我が国の弾道ミサイル防衛がますます困難に。
        • 北朝鮮が対米抑止力を十分に確保したと一方的に認識した場合、地域における北朝鮮による挑発行為が一層増加・重大化するおそれ。
          1. 短距離弾道ミサイルの実戦使用
            • ウクライナに対する実戦使用を通じ、短距離弾道ミサイルの能力を検証。更なる能力向上を企図。
          2. BMD突破のための極超音速兵器開発
            • 新たな「極超音速ミサイル」を発射。ミサイル防衛網の突破を企図し、引き続き開発や能力向上を追求。
          3. 対米抑止のための長射程ミサイル開発
            • 複数の固体燃料推進方式ICBM級が登場。再突入技術検証のための試験発射は未実施なるも、射程は米国全土を収める。
      2. 北朝鮮による核開発の現状
        • 核兵器の小型化・弾頭化を実現し、我が国を射程に収める弾道ミサイルに搭載可能とみられる。
        • また、核兵器開発のため、核分裂性物質の生産も拡充。
          1. 核兵器の小型化・弾頭化
            • 過去6回の核実験を実施し、核兵器の小型化・弾頭化を既に実現。
          2. 我が国は核攻撃の射程圏内
            • 北朝鮮は、我が国に対する核兵器の投射手段として、ノドンやスカッドERなどを使用可能。
          3. 核分裂性物質の生産拡充
            • 北朝鮮は兵器級ウランなどを継続的に生産。
            • 約50発の核弾頭を保有していると指摘されている。
            • 金正恩委員長は、核兵器開発のための濃縮ウランの更なる増産を指示。
      3. 北朝鮮の通常戦力強化
        • 通常戦力では韓国軍と在韓米軍に対して著しい質的格差がみられる一方、北朝鮮は、近年、戦車や艦艇を含む通常兵器を広範に開発・改良するなど通常戦力を強化。
        • 2026年2月の朝鮮労働党第9回大会においても、無人アセットや電子戦システムなど各種兵器の開発目標を提示。
  • 露朝軍事協力の進展
    • ウクライナ侵略が継続するなか、北朝鮮はロシアとの軍事協力を急速に進展。
    • 弾道ミサイルを含む武器・弾薬の供与に加え、兵士をロシアに派遣し、直接的に支援。
    • 無人アセットの使用を含む「新しい戦い方」の経験蓄積により、戦術面で能力を強化。
    • 露朝軍事協力を通じて、北朝鮮の軍事力が中長期的に底上げされるおそれ。ロシアからの見返りが様々指摘されるなか、仮に、ロシアの核・ミサイル関連技術が移転した場合、北朝鮮の「極超音速兵器」や「再突入技術」などの開発が大きく進展するおそれも。
      1. 武器・弾薬の供与
        • ウクライナは、ロシアが使用する弾薬の約半数が北朝鮮製と主張
        • 2024年のうちに少なくとも100発の弾道ミサイルを供与
      2. 兵士の派遣
        • 2024年終盤に1万1000人を超える兵士をロシアに派遣
        • 2025年1月から3月には3000人を超える兵士を追加で派遣
      3. 北朝鮮とロシアの「包括的戦略的パートナーシップ条約」※2024年6月署名、同年12月発効
        • 第4条「双方のうちいずれか一方が一つ又は複数の国家から武力侵攻を受けて戦争状態に置かれることとなった場合、他方は、国連憲章第51条並びに北朝鮮及びロシア連邦の法令に従って、遅滞なく自らが保有する全ての手段により、軍事的及びその他の援助を提供する。」
        • 弾道ミサイルの更なる性能向上
          • 北朝鮮の短距離弾道ミサイルがロシアに供与され、ウクライナでの実戦使用を通じた北朝鮮製ミサイルの更なる性能向上が懸念される。ミサイル防衛網の突破を企図し、極超音速ミサイル等の開発や能力向上を継続。
        • 弾道ミサイルの生産体制強化
          • ロシアの需要に応えるため、弾道ミサイルの生産体制が強化されている可能性が指摘。ウクライナ侵略終結後、その生産能力が北朝鮮の軍事力整備に振り向けられるおそれ。
          • 「新しい戦い方」の経験による戦術面での能力強化
        • ウクライナ軍との戦闘により、無人アセットの使用を含む「新しい戦い方」の様相を経験。この経験が北朝鮮軍全体に普及されるおそれ。
        • ロシアとの装備・技術協力の進展
          • 北朝鮮は対ロシア支援と引き換えに、ロシアの装備品や技術を獲得する立場に。ロシアの核・ミサイル関連技術が北朝鮮に移転する可能性も。
  • ウクライナの教訓
    • 防衛力の一層の強化に当たっては、今、世界の中で現実に行われている「新しい戦い方」、「非対称な戦い方」や長期戦への備えとしての継戦能力の確保が必要。
    • こうした教訓を踏まえつつ、大陸国家であるロシア・ウクライナとは異なる、海洋国家である我が国が置かれた戦略環境に適した我が国独自の新しい戦略が必要。
      1. 航空侵攻・海上侵攻・着上陸侵攻といった伝統的な態様の侵攻に先立って、宇宙・サイバー領域において攻撃が行われることに
      2. 安価・大量の無人機等の活用により、戦場の状況認識能力が向上。各種アセットがネットワークにより連接され、データを統合し、AIを活用したシステムにより、迅速かつ的確な意思決定を行うことが重要に
      3. 弾道・巡航ミサイルと無人機(UAV)を組み合わせた大規模な複合攻撃や多様な無人アセットによる攻撃により、相手方に新たな対応コストを賦課。同時に、電子戦を含め、効果の高い対応手段の確立も必要に
      4. 戦場での教訓や変化を迅速に装備品や戦術へ反映させることが重要に また、継戦能力の確保の観点から防衛生産・技術基盤の構築も一層重要に
      5. DIMET※を最大限活用して戦争を遂行することに。例:偽情報の流布や社会の分断を狙った情報の拡散などによる自らに有利な情報環境を構築など
        • Diplomacy:外交、Intelligence:情報、Military:軍事、Economy:経済、Technology:技術
  • 平素からの安全保障上の課題の多様化
    1. 経済安全保障の重要性
      • 安定的な国際秩序が流動化し、国際情勢の不透明化が増す中で、有事をも見据えた対応が求められている。
      • ウクライナ侵略が長期化する中で、国家安全保障の前提として、国民の理解、国民生活・産業活動の維持の重要性が改めて浮き彫りに。
      • 特に、経済安全保障分野をめぐる3つの新たな潮流が生じる中、我が国の自律性及び優位性・不可欠性を高め、抑止力・対処力を一層高めていく必要。
        1. 国家安全保障の前提としての国民生活・産業活動の維持
          • ウクライナ侵略における主要インフラ施設への攻撃などの事例に鑑みると、社会の営みを持続可能なものとする国民の理解、国民生活・産業活動の維持なくして、自衛隊の継戦能力は成り立たない。
        2. 経済安全保障分野をめぐる3つの新たな潮流
          • 国際経済秩序の動揺と自国優先主義の先鋭化:中国の過剰生産問題等により西側諸国において国内製造業が衰退し、マクロな経済不均衡への不満が増大する中で、国際経済秩序への信頼が低下、自国優先主義が先鋭化。
          • 大国間の技術開発競争激化に伴う科学技術・イノベーションと安全保障の融合:科学技術・イノベーションが競争力や安全保障のカギを握るとの認識に立ち、大胆に政策を再構築、トップ人材の獲得を戦略的に加速。
          • 特定国によるサプライチェーン支配の深刻化:重要な新興基盤技術の育成強化、重要鉱物・レアアース輸出規制などの経済的な依存を活用した「経済の武器化」が一層深刻化.
    2. サイバー攻撃の巧妙化・深刻化
      • サイバー攻撃関連通信数の増加やサイバー攻撃の巧妙化・深刻化により、サイバー攻撃は質・量ともに増大。
      • 国内でもサイバー攻撃事案が発生し、重要インフラへの長期間の潜伏や情報・財産の窃取等の国家を背景とする高度なサイバー攻撃も見られる中で、平素から社会全体のレジリエンスを強化する必要性が増大。
    3. 影響工作・認知戦
      • 生成AI等の新技術、ウクライナの教訓、SNS上での外国からの影響工作と思われる偽情報の流布や事実に基づかない言説の流布等を踏まえれば、影響工作・認知戦は安全保障上の課題。
      • 平素の段階から外国からの影響工作に強靱な情報空間を創出する必要があり、政府横断的な対応が必要。
  • 認知戦の例:ロシア
    1. ゼレンスキー大統領の「偽降伏」情報
    2. ルーマニア大統領選挙へのロシアによる介入
      • 2024年11月のルーマニア大統領選挙において、極右の親ロシア派候補ジョルジェスク氏がSNSを駆使して予想外の首位に立った。
      • ルーマニア情報機関がロシアによる選挙介入の疑いを指摘し、憲法裁判所が選挙を無効と宣言。やり直し選挙では、親EU派でブカレスト市長のダン氏が当選。
    3. モルドバ議会選挙へのロシアによる介入
      • 2024年10月・11月のモルドバ大統領選及び同国のEU加盟を問う国民投票において、モルドバ政府はロシアが偽情報拡散や有権者買収、報酬付きデモなどの影響工作を実施したと発表。
      • 2025年9月のモルドバ議会選挙において、モルドバ政府は今次選挙においてもロシアが介入しているとして国民に繰り返し注意喚起したほか、影響工作に関わる団体を捜査・摘発。選挙の結果、親EU与党が議席の過半数を維持。
  • 日本に関する偽情報とその対応
    1. 防衛省・自衛隊に関する偽情報の事例
      • No.1:2025年4月8日、日本は7隻の準空母と140機のステルス戦闘機を隠し持っていると主張。
      • No.2:2025年6月11日、日本が3時間以内にロシア太平洋艦隊を壊滅させると宣言と主張。
      • No.3:2025年10月8日、日本のむらさめ型護衛艦が、北朝鮮によって撃沈されたと主張。
    2. 関係省庁ホームページを活用した偽情報に対する国民の情報リテラシー向上のための発信
  • 「総合的な国力」の重要性について
    1. 安全保障環境の変化と課題
      • 国際秩序の流動化
      • 安全保障環境の悪化(中国、ロシア、北朝鮮)
      • ウクライナ・中東情勢の教訓(新しい戦い方、長期戦)
      • 安全保障上の課題の多様化(経済の武器化、サイバー、影響工作・認知戦等)
    2. 安全保障上の目標
      • 我が国の主権と独立の維持、領域と国民の生命財産を守り抜く
    3. 戦略的なアプローチ
      • 外交・防衛
        • 国際秩序づくりに向けた自主的・能動的取組とインド太平洋地域の自律性・強靱性強化
        • 防衛力の変革・抜本的強化(新しい戦い方への対応、継戦能力の確保、防衛産業)
      • 経済・技術
        • 優位性、不可欠性獲得のための取組
        • 技術、サプライチェーン、インフラの自律性・強靱性の向上
  • 基軸である日米同盟の強化、同志国との連携強化
  • 「総合的な国力(外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、人材力)」を強化していく

~NEW~
内閣府 第5回経済財政諮問会議
▼ 資料1 人口減少を踏まえた持続可能な地域の経済社会の構築に向けて(有識者議員提出資料)
  • 高市内閣が目指す「日本列島を、強く豊かに」の実現に向けて、小規模市町村の増加(2050年には人口1万人未満の市町村が4割を超える)、インフラ老朽化の加速、地域経済の担い手不足の深刻化といった課題を克服し、強い地域経済、持続可能な地域経済社会を構築することが必要。
  • そのためには、地域のレジリエンスと「稼ぐ力」を高める危機管理投資・成長投資への予算の重点配分、自治体間連携の加速やデジタル技術の徹底活用が必要。併せて、EBPMの実効性向上や適切な評価により財政支出の質の向上を図るべき。
  • このような問題意識の下、官民が連携し、以下の対応を早急に進めるべき。
    1. 強い地域経済の構築
      • 多様な主体(地方公共団体と経済団体や企業・大学、研究機関等)が都道府県の枠を超えて広域で連携することを促進。各種計画(国土形成、産業クラスター、各地経済団体が関わるビジョン等)が有機的に連携することで、重層的且つ柔軟な広域連携を進め、地域経済社会の自律的・持続的な発展を目指すべき。
      • 既存のクラスターの拡大に向け、地場産業の更なる付加価値向上のための取組(新技術導入、海外含む販路拡大、地域人材の育成・確保等)に対する支援を強化すべき。
      • 地域経済への影響が大きな官公需における価格転嫁・取引適正化について、国の地方支分部局・独法、地方自治体等の取組を徹底していくべき。
      • 併せて、地域の創意工夫を最大限生かすための制度改革等(土地規制の柔軟化、農地の集約化等)を推し進めるべき。
    2. 持続可能な地域経済社会の構築
      • 効率的なインフラ整備のため、地域の将来を見据えて、優先順位をつけ、効果的に予防保全の取組を行うべき。取組を広域で行う自治体には予算を重点配分するべき。
      • 諸外国の制度や専門的な知見も踏まえ、便益の計測について、経済・雇用・人口動態等の多様な効果を加えるなど、公共事業評価全体の評価基盤の刷新を図るべき。特に社会的割引率については、金利の変化等を踏まえた適時・適切な見直しを行うべき。
      • インフラ整備におけるデータ連携やAIなど新技術・DXの活用を促進すべき。
      • 行政区域に捉われない「生活圏単位」での機能分担、施設の集約化を促進するとともに、地域の需要に応じた施設等の有効活用を図るための制度改革(施設の複合化・転用・廃止に係る補助金返還要件の緩和等)等の検討を進めるべき。
      • 行政サービスの効率化と質の向上に向けて、効果の見える化の促進等により自治体DXの取組を加速するほか、自治体におけるAX1を大胆に推進すべき。
      • 地方分権改革の下で整理された役割分担の原則(市町村中心の完結的な業務遂行、国・都道府県の補完的な役割)を見直し、地域の将来人口やデジタル技術の進展を考慮し、国・都道府県・市町村の役割分担の在り方を再定義するとともに、各行政分野(福祉、教育、インフラ等)における効率的な行政事務の手法を整理するべき。
▼ 資料5 AIの社会実装を前提とした人材力の強化に向けて
  • 「AIを前提」として社会や産業、教育の在り方を再構築する時代に入っている。現場力やすり合わせ技術、きめ細かな品質管理、暗黙知、ロボットといった我が国の強みと相性の良いAIの活用は、経済成長を支える重要な基盤となる。
  • しかしながら、我が国の教育システムは、正解の記憶や計算といったAIが得意とする分野に重点を置いており、時代のニーズとの間のミスマッチが日本の国力の足を引っ張る弱点となっている。特に、短期間で陳腐化・淘汰され得る賞味期限の短いスキルの習得よりも、新しいスキルを学ぶ力に重点を置いた人材育成が不可欠。また、我が国が世界有数の知的創造・イノベーション拠点となるためのグローバル人材の育成・確保に加え、人材不足が見込まれるエッセンシャルワーカーの育成も必要。同時に、人口減少の影響を和らげる観点からも、一人ひとりが意欲と能力に応じて最大限に活躍できる環境整備が求められる。
  • AI活用と人材育成・確保・流動化、人材総活躍を一体で進め、我が国の持続的成長につなげるため、以下、「人材力」の強化に向けた取組を提案する。
  1. AIの社会実装を前提とした教育・人材育成
    • 急速な人口減少に直面する日本こそ、AIを徹底活用する意義がある。AIにより到来する予測不可能な未知の社会において、その効果的な利活用に向け、初等教育以降の各教育段階をはじめ、国民全体に対する教育・人材育成の在り方を見直すべき。
    • 初等・中等教育段階から教育のOSを転換するため次期学習指導要領の改訂を進めるべき。具体的には、個人の関心・課題探究型への転換、AIの適切かつ効果的な活用をはじめとした情報活用能力の抜本的な向上、自ら問を立て解決のために意思をもって動き物事を進める起点力、学び方を学ぶ「メタスキル」、変化に対応できる多様な能力・視点、自分で深堀り自分で正否を判断する力、エドテックを活用した英語教育の推進、異なる背景の人たちを束ねて動きを作るリーダーシップなどに重点を置くべき。
    • あわせて、引き続き学校現場の教育環境整備に取り組むとともに、学習指導要領の改訂を待たずに可能なものから実践レベルの改革を進めるべき。
    • 本人の興味・関心を前提とした理工農・エンジニアリング・デジタル分野、地域に不可欠な医療・福祉・産業・インフラ分野等の人材の確保に向け、18歳人口の減少への対応も含め、高校教育改革、高等専門学校の新設・拡充、大学の機能強化と量的規模の適正化を進めるべき。大学入試・カリキュラム改革にも取り組み、「出口における質の保証」「教育成果や質に関する情報提供」を強化するべき。
    • 理系人材の出口、キャリアとして、若手研究者や博士人材が魅力的な処遇の下、将来に対する不安なく研究に打ち込める環境を整備すべき。わが国を世界有数の知的創造・イノベーション拠点とすべく、一人でも多くの学生・研究者の海外留学・派遣を進め、伸ばすべき大学へ優先的にリソースを配分すべき。
    • あらゆる世代が持続的な社会参加と活躍に向けた学びを続けられる「全世代型教育システム」を構築するため、高等教育を単線型教育から脱却させる改革を進めるとともに、企業も働き手が主体的にスキルを高め、円滑に労働移動が進むインセンティブを含んだ採用・雇用体系への転換を進めるべき。
  2. 人材総活躍社会の構築
    • 人口減少が加速する中でも、労働投入量の減少を緩和するため、フィジカルAIやロボットなど労働節約的な生産性向上を促進すべき。それらで代替されるまでの間は、特に、年齢・性差にとらわれずに働きたい方が働ける環境整備を推進すべき。
    • 正社員と同様に、無期やフルタイムといった形で雇用されているにも関わらず、職場で「非正規雇用労働者」と呼称され、賃金が低く抑えられている方が数多く存在。同一労働同一賃金の徹底による不合理な待遇差の是正など、構造的な見直しを推進することが重要。女性、シニアを含め誰でも働きやすい雇用環境の整備や、再就業を図る女性の正規雇用促進に資する男性の家事・育児参加の拡大を図るべき。
    • 変化の激しい時代を見据えた環境整備が必要。「イノベーションが持続的に起こる土壌」として、人材の流動化を図り生産性が高い企業への人材の移動を促すべき。なお残る硬直的な雇用構造を是正するとともに、労働者の仕事へのエンゲージメントを高め人的資本投資を促進するため、個人に対する雇用のセーフティーネットを確保しつつ、労働市場の流動性、マッチング機能、リ・スキリング支援の在り方を総点検すべき。
    • 創造性発揮を促し、成果に応じて報酬を得たい人が時に集中して働ける環境を整備する観点から、健康確保を大前提に、裁量労働制の拡充を図るべき。

~NEW~
消費者庁 尿失禁対策用の下着販売事業者2社に対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 消費者庁は、令和8年4月27日及び同月28日、尿失禁対策用の下着販売事業者2社に対し、2社が供給する尿失禁対策用の下着に係る表示について、それぞれ、景品表示法に違反する行為(同法第5条第1号(優良誤認)に該当)が認められたことから、同法第7条第1項の規定に基づき、措置命令を行いました。

~NEW~
消費者庁 外食・中食における食物アレルギーの情報提供に関する実態調査報告書
  • アンケート調査の結果概要
    1. 外食・中食の利用状況
      • 微量のアレルゲンの摂取でもアレルギー症状を発症する方は、外食・中食ともに利用が「できていない」ことが多い。
      • その他の方(微量のアレルゲンの摂取ではアレルギー症状を発症しない方)では、外食・中食ともに7割前後が利用「できている」。
      • 中食の利用は、外食よりもできていない。
    2. 新型コロナウイルス感染症発生前からの外食・中食の利用状況の変化
      • 外食・中食ともに「変わらない」が多数だが、全体としてはやや利用が増え、中食よりも外食、微量のアレルゲンの摂取でもアレルギー症状を発症する方よりも発症しない方で、利用が「増えた」とする意見が多い。
      • 利用機会が増えた理由は「治療が進んだこと」「事業者による対応の進展」「衛生面での改善」等である。
    3. 従業員の食物アレルギー対応
      • 従業員の食物アレルギー対応について「あまり満足していない」と「満足していない」と回答した団体が多数。特に微量のアレルゲンの摂取ではアレルギー症状を発症する方で「満足していない」ことが多い。
    4. 外食・中食での食物アレルギーに関する情報入手状況
      • 外食・中食での食物アレルギーに関する情報入手には、まだ課題があるが、新型コロナウイルス感染症発生前と比べて一定程度、改善が進んでいる。
      • 微量の摂取でもアレルギー症状を発症する方は、中食でより情報が得られていない。
    5. 外食・中食を利用する際に最低限必要となる情報
      • 更新日、料理に使用している原材料のうちアレルゲンの情報、アレルゲン情報の対象範囲、店舗での食物アレルギー対応の有無が、最低限必要となる情報として挙げられた。これらに加えて微量のアレルゲン摂取でもアレルギー症状を発症する方では、コンタミネーションの可能性、持ち込みの可否が挙げられた。
    6. 食物アレルギーの情報提供に関して改善が必要と思われる事項
      • ホームページ等による情報提供の拡大、提供する情報の拡充、情報提供方法・内容の統一、気兼ねなく問い合わせができるような工夫、従業員教育の徹底、外食・中食における表示ルール等の啓発等が挙げられている。
  • ヒアリング調査の結果概要
    1. アレルギー専門医による外食・中食の利用に関する指導
      • アレルギー専門医から、外食・中食に特化した指導を受けていないことが一般的である。
      • 微量のアレルゲン摂取でもアレルギー症状を発症する方では、経口免疫療法で決められた摂取量は家庭の食事により摂取することが基本とされ、外食・中食は避けるよう指導されている傾向がある。
      • その他の方でも外食・中食に特化した指導は受けていないことが多いが、外食・中食を利用する際のホームページのアレルギー情報の確認、店舗への事前確認等が指導されている例があった。
    2. 外食・中食の利用実態
      • 微量のアレルゲン摂取でもアレルギー症状を発症する方では、外食の利用を控えていることが多い。ホームページでの確認、店舗での再確認によりアレルゲンが含まれていないことを確認の上、利用している患者もいる。外食よりも中食の利用が難しいという意見が多くみられた。中食では調理工程でのコンタミネーションへの不安、ショーケース等に陳列時のアレルゲンの混入への不安がある。
      • その他の方では、積極的に外食する患者が多くなっているが、家庭での考え方による違いがある。外食・中食を利用する際にはホームページでの確認だけになることが増える。外食と中食の利用しやすさに差はないという意見が多かった
    3. 5~6年前と比べた外食・中食の利用状況の変化
      • 微量のアレルゲンの摂取でもアレルギー症状を発症する方では、アレルギー表示に取り組む飲食店の増加、低アレルゲンメニュー等の提供拡大、飲食店の衛生への意識向上、SNS等による情報共有の進展等により、外食の利用は増えている。一方、地域によっては取組が進展しておらず利用状況に変化はないという意見もあった。
      • その他の方でも、アレルギー表示に取り組む飲食店の増加、治療が進んだことにより、外食の利用が増えている。一方、地域によっては取組が進展しておらず利用状況に変化はないという意見もあった。
      • 中食は、外食に比べて取組が進展しておらず、利用状況に変化はないという意見が多い。
    4. 外食・中食での情報入手
      • 大手チェーン店を中心にアレルギー情報は得られやすくなっているが、アレルギー情報の更新日、28品目以外の情報が得られない、小規模店での情報が得にくい、表示方法が統一されていないという状況がある。また、微量のアレルゲンの摂取でもアレルギー症状を発症する方ではコンタミネーションに関する情報入手が難しい。
      • 中食では表示対象品目が限られるなど、外食に比べて提供される情報が不足している。
    5. 外食・中食での従業員対応
      • 微量のアレルゲンの摂取でもアレルギー症状を発症する方では従業員への確認は必須となるが、アルバイトの知識不足や誤った回答、フロアと厨房との連携不備等の状況がある。その他の方では、コンタミネーションに関する情報の確認が不要となるため、従業員への確認は少なくなり、従業員の対応への許容度が高くなる。
    6. 外食・中食での情報提供等に関する改善要望等
      • 事業者からの情報提供の方法を行政側が統一して示すことについて、概ね有効であると回答された。
      • その他、情報提供の拡充と徹底、従業員教育の徹底、患者からの問い合わせがしやすくなるような仕掛けが要望として挙がった。

~NEW~
国民生活センター 巧妙化する定期購入のトラブルにご注意-購入中に「さらにお得なご案内」!?-
  • え、1回だけじゃない!?1回限りの契約だったはずなのに。。#定期購入 に関する相談が多く寄せられています。
  • 申込みの途中等でさらに“お得”な案内や別の商品を提示するなどして、意図せず定期購入や購入回数縛りのあるプランへ誘導するケースも。
  • 困ったときは188に相談!
  • 相談事例
    1. 「1回限り」とあった化粧クリームを注文したのに2回目が届き定期購入だと気づいた
      • スマートフォンの広告で「1回限り2,980円」の化粧クリームを注文した。クリームが届き、同封された請求書を用いて代金を支払った。
      • しかし、2回目の商品が届き、定期購入になっていたことに初めて気がついた。請求金額は約2万円で、最初の注文時には定期購入になるとはわからなかった。最終確認画面や注文完了メール等はよく覚えていない。どうしたらよいか。(2026年1月受付 50歳代 女性)
    2. インフルエンサーが「定期縛りなし」と勧めていたせっけんを申し込んだところ、クーポンが表示され、意図せず回数縛りのある定期購入となってしまった
      • SNSでインフルエンサーが「定期縛りなし」と勧めていたせっけんを申し込んだところ、「まだ画面を閉じないで」という文字とともにスペシャルクーポンが表示された。クーポンを利用するつもりはなかったが、「クーポンを利用する」というボタンしかなく、やむなく押したら注文確認画面になり、注文を確定するボタンを押してしまった。
      • 注文後、届いた受注メールに、4回の縛りがあって総額約2万5,000円になると書いてあったので驚いた。1回限りのお試し価格770円で申し込むつもりだったので、キャンセルしたいと電話をかけたら、初回でキャンセルする場合は、キャンセル料金として定価との差額を支払う必要があると言われた。(2026年2月受付 20歳代 女性)
    3. SNSの広告を見てシワ改善クリームを注文したが、洗顔クリームの定期コースを追加注文したことになっていた
      • 妻がSNSの広告を見てシワ改善クリームが欲しいと言ったので自分が注文した。商品説明には「定期縛りなし」と記載されており、代金はクレジットカード払いとした。
      • 注文後、「ちょっとお待ちください」という表示が出た後、洗顔クリームを追加購入できるという画面が現れた。タップしたか覚えていないが、その直後に契約内容が変更になったというメールが届き、洗顔クリームを定期コースで注文したというメールが届いた。洗顔クリームを注文した覚えはないので、事業者に電話したところ、「洗顔クリームを定期コースで申し込まれている。変更やキャンセル等は注文後3時間以内に連絡してもらうことになっている。明日商品を発送する」と言われた。シワ改善クリームの定期購入はそのまま続けたいが、洗顔クリームは注文した覚えがないので取り消したい。どうすればよいか。(2025年6月受付 60歳代 男性)
  • 消費者へのアドバイス
    1. 「定期縛りなし」という記載があっても定期購入の契約かもしれません
      • 全国の消費生活センターには、「定期縛りなし」や「回数縛りなし」という広告をみた消費者が注文したところ、実は解約しない限り継続的に商品が届く定期購入の契約だったという相談が寄せられています。「定期縛りなし」は「最低購入回数の指定がない契約」(「いつでも解約できる定期購入」)である可能性がありますので契約時には注意が必要です。
    2. 契約条件等を確認し、納得した状態で商品を購入しましょう
      • 消費者が購入する際、“さらにお得”“今だけ使えるクーポン”などが表示され、より高額な商品を勧められたり、関連商品の追加購入を案内されたりするケースもあります。注文後においても、消費者が意図していない定期購入や購入回数に縛りのあるコースを表示し、注文変更を勧めることもあります。
      • 購入する際には、「お得」「今だけ」などに惑わされず、広告表示だけではなく、契約条件も細かく確認し、本当にその商品・数量・コースが必要かどうかをしっかりと検討した上で、その契約条件や購入の必要性について十分納得してから購入しましょう。
    3. 注文する前に販売サイトや「最終確認画面」の表示をよく確認しましょう
      • SNS等の広告内容だけで判断するのではなく、注文する際に必ず「最終確認画面(契約の申込みが完了することとなる画面)」で、定期購入が条件となっていないか、最低購入回数に指定(縛り)がないか、2回目以降の代金等の販売条件や解約の条件を確認しましょう。
      • 上記の表示がなかったり、不実の表示や消費者を誤認させるような表示をし、そのために誤認して申込みをした場合には、当該申込みの意思表示を取り消せる場合があります。その際、「最終確認画面」のスクリーンショットは証拠になります。
    4. 契約条件に関する記載はスクリーンショットで必ず保存しましょう
      • 定期購入の中には、「いつでも解約できる定期購入」を申し込むつもりが、「最低購入回数の指定のある契約」(「○回受け取るまで解約できない定期購入」)に誘導される場合があるため、表示は最後までよく確認し、「最終確認画面」も含め、契約条件に関する記載は全てスクリーンショットで保存しましょう。また、注文する際にやり取りした事業者からのメール等があれば、それらも保存しておきましょう。
      • なお、スクリーンショットの方法がわからない場合は、契約している通信事業者や携帯電話ショップ等に問い合わせるか、通信事業者の公式ホームページ等で確認してください。
    5. 不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう

~NEW~
経済産業省 「技術流出対策ガイダンス第2版」を取りまとめました
▼ 技術流出対策ガイダンス第2版
  • 本ガイダンスの目的
    • 技術優位性は、経済安全保障上の観点から、我が国の自律性・不可欠性を維持、強化していく上で、最も不可欠な要素である。また、産業界にとっても、国際競争を勝ち抜き、利益を得ていくための基盤である。これは諸外国においても同様であり、近年、大国間の競争が激しさを増す等国際情勢が不安定化する中で、各国は、大規模な研究開発プロジェクトをはじめとする支援措置や、デュアルユース技術に対する管理強化措置等、技術を巡る施策を強化している
    • その中で、国家が主体となって、他国の企業が保有する優れた技術を獲得しようとする動きも加速している。経済産業省が産業界に行ったヒアリングでは、多くの企業から技術流出リスクに直面しているとの声が聞かれる。同時に、役務提供としての技術移転、人材の流出、買収、技術情報の不正取得・開示等多様なケースで技術流出が生じており、その手法も巧妙化しているため、具体的にどのように対処すべきか悩む声も多い。産業界の保有する優れた技術の流出は、我が国の経済安全保障上も深刻な問題であり、産業界自身にとっても大きな経済的損失をもたらすため、官民いずれにおいても、技術流出対策の強化は急務である
    • 経済産業省では、外為法に基づき、産業構造審議会安全保障貿易管理小委員会中間報告(令和6年4月)において指摘された技術管理強化のための官民対話スキームを導入する等、規制的手法の強化にも取り組んでいる。しかしながら、技術流出の経路の多様化や手法の巧妙化が常に進んでいる状況において、全ての技術流出リスクに対し、規制的手法によって対処することは現実的ではない。「国が決めた規制さえ遵守していれば良い」と考えている企業は、直ちにこの認識を捨て、自己の利益や信頼を守る観点から、自主的に取組を強化していく必要がある
    • 経済のグローバル化が進む現在において、企業の成長にとって、海外の様々な地域における拠点設置、多様で優秀な人材の活用、優れた海外企業との提携等に戦略的に取り組むことが重要である。技術流出を過度におそれ、委縮していては、激しい国際競争を生き残ることはできない。同時に、グローバル市場での成長に伴って高まる技術流出のリスクにも、適切に対処していくことが必要である。技術流出対策は、企業にとって単なるコストではなく、企業活動における将来的なコスト・損失を軽減し、持続的な企業経営を目指す上で必要な投資と認識すべきである(経済安全保障リスクに関して経営者等が認識すべき原則については、経済安全保障経営ガイドライン(第1.0版)も参照)
    • 具体的にどのような技術流出対策を行えばよいかは、各企業の置かれた状況や取引の形態によっても様々であり、画一的な正解は存在しない。これが、上述のヒアリングにおける各企業の悩みにもつながっており、ビジネスの過度な委縮をもたらすことも懸念される。このような問題の解決の一助とするため、本ガイダンスでは、想定される様々なビジネスシーンに応じ、どのような技術流出リスクが存在するかを整理し、各企業の好事例等も含め、有効と考えられる技術流出対策を整理し、選択肢として提示する
  • 本ガイダンス策定に当たってのスタンス
    1. 本ガイダンスに記載する対策は企業に対する義務付けではない
      • 本ガイダンスは、あくまで自主的な技術流出対策の選択肢を提示するものであり、外為法を遵守するための義務事項や、営業秘密として保護されるための要件の解説等は行わない
      • したがって、本ガイダンスに記載した対策を義務付けるものではなく、技術流出の防止という本ガイダンスの目的を達成するために、各企業が独自の手法で取り組むことを妨げるものでもない。むしろ、各企業のビジネスに応じて創意工夫を凝らして効果的な技術流出対策を実践することが期待される
    2. 官民対話に活用する
      • 外為法に基づく技術管理対話スキームを含め、技術流出対策を強化するために官民で対話する際に、本ガイダンスを参照しながら議論、相談を進める
    3. 企業に対して完璧を求めない(完璧な技術流出対策は存在しない)
      • 完璧な技術流出対策は存在せず、どれだけ対策を講じても技術流出を完全に防ぐことはできない
      • したがって、各企業は、技術流出を予防することの重要性を認識した上で、本ガイダンスに過剰に依存せず、最大限の努力をするという前提の下で本ガイダンスを活用する
      • 特に中小企業にとっては、全ての対策を講じることは、リソース面から限界がある。取り組める対策から確実に実行していくことが望ましい
    4. 本ガイダンスは見直し・拡張されていくものである
      • 第1版としては、(1)外為法に基づく技術管理対話スキームが対象とする生産拠点の海外進出に伴う技術流出と、(2)産業界においても重要課題と認識されている人を通じた技術流出に焦点を当てた
      • 第2版としては、第1版の内容をアップデートするとともに、他企業等に対する技術提供を伴う取引として、(3)共同研究と、(4)すり合わせに伴う技術流出に焦点を当てた
      • また、研究成果の公開を前提とする競争的研究費のうち、一定の研究開発プログラムについては、内閣府主催の「研究セキュリティと研究インテグリティの確保に関する有識者会議」が取りまとめた「研究セキュリティの確保に関する取組のための手順書」に示すリスクマネジメントを実施する必要があるため、参考までに、本ガイダンスとの対応関係についても、参考資料としてまとめている
      • 完璧な技術流出対策が存在しない以上、本ガイダンスは一度策定して完成するものではない。経済産業省では、各企業による独自の好事例の取り込み等、随時アップデートを図っていく
  • 経営層によるリーダーシップとアクション
    • 経済安全保障リスク(技術流出リスクを含む)への対応は、短期的には対応コストが先行し得るものの、中長期的に損失を抑えるために重要であるが、時に短期的な利潤最大化に相反する経営判断や、大きな経営戦略の変更を伴う可能性もあることから、現場の担当者に判断を委ねることは適切ではない。経済安全保障への対応を重要な経営事項として位置付け、経営者等自らがリーダーシップを発揮して、自社のリスクに応じた対策の推進を主導する必要がある。
    • その際、激しい国際競争を生き残っていくことと経済安全保障を両立させるためには、自社に関わる経済安全保障リスクに過度に萎縮することなく、リスクを適切に把握し対応することが求められる
    • 企業においては、自社の技術優位性・不可欠性を確保するため、中長期的成長の観点からイノベーション創出のための研究開発投資や事業投資等を行うことは言うまでもないが、自社のコアとなる技術等の喪失・流出を防止するために対策を講じることはますます重要になっている。このため、本ガイダンスの活用に当たって、まずは「経済安全保障経営ガイドライン」を参照しながら、経営層のリーダーシップの下、全社的な体制を構築の上、取組を進める
  • 司令塔となる部署の設置
    • 技術流出対策の強化には、現場の判断に任せきりにするのではなく、組織横断的な対応が不可欠
    • 関係部署がそれぞれの担当所掌で責任を果たすとともに、既存部署の利活用や機能の拡大、専任部署の新設も含め、技術流出対策の司令塔となる部署を設置し、部署間を連携させ、全社的な対策を講じることが重要
  • サイバーセキュリティについて
    • 様々なビジネスの現場において、ITの利活用は企業の収益性向上に不可欠なものとなっている一方で、企業が保有する重要な技術情報等を狙うサイバー攻撃は増加傾向にあり、その手口は巧妙化している。
    • また、サプライチェーンを介したサイバーセキュリティ関連被害の拡大を踏まえた、サプライチェーン全体を通じた対策の推進の必要性も高まっている。
    • このため、経営者のリーダーシップの下で、サイバーセキュリティ対策を推進することが重要である。経済産業省の策定した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」では、サイバー攻撃から企業を守る観点で、経営者が認識する必要のある「3原則」、及び経営者が情報セキュリティ対策を実施する上での責任者となる担当幹部(CISO等)に指示すべき「重要10項目」をまとめているため、参考にされたい。
  • 重要技術の位置づけを評価
    • 戦略的に自社の技術を育て、効果的・効率的に技術流出対策を講じるためにも、自社に関わる様々な技術の重要性について、経営戦略等を踏まえながら、評価を行うことが重要。また、技術の重要性や位置づけは、国内外の技術動向等に伴い変化していくことから、評価を適宜見直すことも重要
    • 具体的には、(1)自社の競争力の源泉となるコア技術を明確にするとともに、自社の技術が、(2)軍事転用懸念のある安全保障上の重要技術や(3)経済安全保障に関わる重要技術に該当するかどうかも評価し、社内での情報管理に反映させていく必要がある
    • また、破壊的技術革新が進む領域に関しては、現在、自社が保有していない技術について、海外との共同研究等も通じ、自社の技術優位性を磨きあげながら、同時に防衛策(技術流出対策)を講じていく必要がある。このため、(4)自社が保有しておらず、獲得をしたい技術も評価をしておく
  • 自社の競争力の源泉となるコア技術の特定
    • 企業の研究開発等の活動を通じて生み出す技術情報は膨大であり、その重要度・機微度にも差がある。このため、技術流出を防止するためには、技術の重要度に応じたメリハリのある対策が肝要
    • 例えば、企業グループ内における技術提供や生産拠点の海外進出等の技術提供を伴う取引を検討する際に、どの範囲で技術提供するかは、経営戦略上の重要な判断。輸出管理の対象技術に留まらず、自社の競争力上重要な技術(コア技術)を安易に海外に移転しない。経営戦略上、海外に移転すると判断する場合も、技術流出対策の一層の徹底が必要。流出対策に自信が持てないまま短期的な利益を追求すると、長期的には競争力を失うことに繋がりかねない
    • いずれの方針を取るにしても、正しくコア技術を特定することが前提。これを誤れば、意図しない技術流出を招き、ビジネスを毀損してしまうおそれもある
  • 技術の特徴等に応じた適切な知的財産戦略
    • 技術情報を秘匿・ブラックボックス化し、徹底して流出対策を強化するクローズ戦略と並び、特許等による知的財産(知財)権の獲得や、プラットフォームを獲得するといった戦略も重要
    • クローズ戦略と戦略のいずれを取るかは経営戦略上の判断であるが、技術特性や競合他社の開発動向等を踏まえて判断しなければ、守るべき技術を誤って流出させてしまうおそれがある
  • 営業秘密管理の徹底
    • 自社の重要技術のうち、特許取得せず、オープンにもしない重要技術については、営業秘密管理を徹底する
    • 仮に流出した場合に、不正競争防止法に基づく対応を講じることができるよう、必要最低限の前提として、営業秘密として法的保護を受けるために必要な水準の秘密管理措置を行う必要がある

~NEW~
経済産業省 ダイバーシティ経営推進に向けて企業に求められる具体的アクション実践事例集(ダイバーシティレポート別添2)を公表しました
▼ 企業の競争力強化のためのダイバーシティ経営(ダイバーシティレポート)
  • 経営陣へのメッセージ
    • 日本企業はグローバルな競争に直面している。近年は海外直接投資も増加し、組織と経営の複雑性が高まっている。企業は競争力の維持・強化のため、事業戦略、財務戦略、DX推進、GX推進等、様々な観点での戦略立案と実行が必要であるが、本レポートで取り上げる多様性のマネジメントはこれら経営戦略実現のために必要な手段の一つである。
  • グローバルな経営環境や労働市場の供給構造が大きく変化する中で、同質性が高い組織は、変化に対する柔軟な対応力に乏しく、自社の価値観や戦略を現状維持としがちで、中長期的な競争環境下を勝ち抜くにはリスクが大きい。それだけでなく、チャンスを狭める可能性もある。
  • 企業は、同質性が高い状態から脱却し、経営戦略実現に必要かつ多様な知・経験を持つ人材が活躍することができる環境の整備と、組織文化の醸成を行うことで、イノベーションを生み出し価値創造につなげていくことができる。
  • このような経営を経済産業省では「ダイバーシティ経営」と呼んでいる。
  • 今後更にグローバル化や人口減少が進む中、従業員の国籍や性別構成の変化、経験や価値観の多様化が日本企業においても進むことは避けられず、この点からも多様性をマネジメントすることが不可欠な状況にある。
  • 我が国企業の現状を鑑みると、多様な人材の活躍を推進するための制度構築・整備に取り組んではいるものの、それを企業価値向上に結び付けることに難しさを抱えている企業が多い。
  • ダイバーシティ経営を進める上で特に鍵となるのは、「多様性をいかすマネジメント」が取締役会と社長・CEOら経営陣双方の取り組むべきテーマであるという理解と、実際の行動である。そのためには、取締役会自体に知・経験のダイバーシティがあることで、社内の特定の論理に縛られない柔軟性を保ちつつ、その役割を果たす中で、組織の多様性をいかそうとするマインドセットが欠かせない。その上で、言葉のみならず実際に行動で示す社長・CEOら経営陣が選定され、経営会議でも多様性推進を議論し、オーソライズされることが肝心である。
  • 現在、海外でDEIに関して様々な議論が起こっているが、本レポートで取り上げるように、日本企業にとって競争力強化のために多様性推進が重要であることは変わりない。成長の機会として多様性推進を捉え、真の目的である企業価値向上を追求していくことは重要である。
  • 企業が置かれた環境や事業戦略によってダイバーシティ経営の取組は異なる。自社の状況にあった形で「ダイバーシティ経営」の要素である、「Diversity」「Equity」「Inclusion」それぞれの必要性と対応する取組を考え、企業の競争力を強化するために本レポートを活用していただきたい。
  • 形式から実質への深化に向けて
    • 法令遵守や情報開示などの社会的要請をきっかけに、形式を整えることから多様性推進に取り組み始めた企業も多いのではないだろうか。
    • 多様性を実質的な競争力に結びつけるには、形式を整えること(右図のNot Only This)に加え、企業の価値向上につながる取組を行うことが重要である(右図のBut Also This)。その際には、例えば、性別、年齢、障害の有無、国籍などに着目するのみならず、経営戦略実現に必要な知・経験といった観点で自社の多様性を捉えていくことが重要である。
    • 自社の状況に合った対応を進めていくことで、中長期的な企業価値向上につなげていくことができるだろう。
  • 本研究会におけるダイバーシティ経営の定義
    • ダイバーシティ経営とは多様な人材をいかし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営
    • ダイバーシティ経営の要素である「Diversity」「Equity」「Inclusion」について、本研究会における定義は右のとおり。
    • 実際に各社において取組を進める際には、それぞれについて、自社にとっての意義や定義等を考えながら自社の価値創造・競争力強化に資する取組を行う必要がある
      1. Diversity
        • 性別、年齢、国籍、人種、価値観、キャリア、働き方の意向等を限定せず、企業の経営戦略実現の上で必要な知・経験を持つ多様な人材のポートフォリオを整えること。
      2. Equity
        • 経営戦略実現の上で必要な知・経験を持った人材が能力を十分発揮できるよう、制度や業務プロセス等において阻害される要因があればそれを是正するとともに、適切な機会を提供し、支援すること。
          • 各社にとって必要な取組は、職場環境や事業活動の進め方等により異なることにも留意が必要。
      3. Inclusion
        • 企業の経営戦略実現の上で必要な知・経験を持つ多様な人材が、本人ならではの強みを発揮しつつ、組織に帰属感を持ち、その能力を十分に発揮して職場や企業の成果に貢献できていると実感できる状態をつくること。
  • 経営観点から見た多様性の必要性に関する課題感
    • 知・経験のダイバーシティが企業の競争力にどのような影響をもたらすのか明確になっていない
    • 多様性がなぜ必要なのか、ダイバーシティ経営はどのような影響をもたらすのか、といった点に疑念を抱える取締役会と社長・CEOら経営陣も多い。
      1. 事業上の必要性がわからない
        • 多様性が大事なことはわかっているが、それによって事業にどうプラスになるのかが分かりづらい
        • 事業環境の不確実性や変化に対応するという事業上の必要性の観点で取組を進めていない
        • 経営陣自体、これまで同質性の高い組織環境における特段の不都合を感じていなかったため、多様性確保に対する必要性を感じられていない
      2. 性別、年齢、障害の有無、国籍などの観点のみの対応となっている
        • 知・経験のダイバーシティ&インクルージョンではなく、性別、年齢、障害の有無、国籍などのみの対応となっている
      3. 競争力強化へのパスが不明瞭
        • 多様性推進に関する取組の効果を定量的に測定することが難しく、企業価値向上につなげることに苦悩している
        • 多様性推進への過剰な期待があり、職場に及ぼす影響にプラスとマイナスの両面があることを認識しづらい
      4. 倫理的対応がベースであることが分かりづらい
        • 倫理的対応(人権尊重に基づく基本的な対応)や法令で定められる対応(制度整備や特定の指標の情報公表)と、経営合理としての多様性推進の取組との関係性が分かりづらい
  • 知・経験のダイバーシティと企業の価値創造との関係性
    • 前述のとおり、多様性推進は、企業の競争力の維持・強化を目的とした経営戦略実現のために、様々ある手段のうちの一つである。
    • 例えば、ビジネスに大きなインパクトを及ぼす外部環境変化への対応やドラスティックな組織再編・事業再編等の局面においては、同質性の高い組織の文化や慣行等が経営戦略実現を阻む可能性がある一方で、ダイバーシティ経営が特に経営戦略実現の大きな推進力になると考えられる。
    • 経営戦略実現に必要な知・経験を持つ人材が活躍できる環境を整備することは、経営戦略実現に向けた他の様々なビジネス上の取組の効果を高める。
    • これにより、企業のパーパスと個人のパーパス(自己実現)が合致し、それぞれのミッション・パーパスの達成を介して、企業の価値創造につながっていく。
  • ダイバーシティ経営の取組方針を考えるステップ
    • 企業の経営戦略は、各社の事業構造や事業を展開する国内外社会の基礎・制約となる共有された観念によって異なり、かつ変化するものである。
    • そのため、経営戦略実現のために必要な人材像と、その人材が価値を創出するメカニズムにおけるDiversity、Equity、Inclusionそれぞれの取組を仮説として設計し、変化する環境に応じて不断の見直しが求められる。
    • 次に、各企業にとってのDiversity、Equity、Inclusionの意味や目的、必要性に関する解像度を上げ、理念を実際の状況に応じて明確化し、それをグループ全体に共有・浸透させることが必要である。また、ミッションやパーパスの共有も、経営戦略実現に必要な知・経験を持つ多様な人材がいる組織の求心力を高めるためには不可欠である。
    • そのための取締役会と社長・CEOら経営陣双方の選任・選定プロセスの重要性や、実際に求められる行動についてはP24-26、コラムP38に記載。
  • 日本の社会的背景から考える多様性推進の意義
    • 「多様性推進」というと、「マイノリティに下駄を履かせることではないか」という疑問が必ず挙がる。例えば、女性を積極的に管理職として登用することや、そのために育成の機会を提供することなどを「登用基準に満たなくても、マイノリティであることだけを理由に登用する取組」と捉える声もある。
    • しかし、我が国の歴史的経緯に基づくと、女性活躍推進のための諸々の施策は女性優遇のためではない。例えば、「仕事は男性の役割/育児や家事は女性の役割」という社会の根強い価値観や、その結果として生じた実態が、女性の就労や活躍の機会を狭めてきたことを是正する取組である。これは、女性に関し登用基準を下げることではなく、別の評価軸を見出す等により、女性が既に持っている能力を「発揮する機会」を適切に提供することと捉えられる。
    • こういった取組は企業の競争力強化の観点からも有用である。すなわち、企業にとって必要な知・経験を持つ人材であれば、性別・国籍・年齢等によらず採用し、活躍できる環境を整えることが必要である。その際に前述した従来の社会構造を前提にした制度・規範が、人材の能力発揮の阻害要因となっているならば、それを是正することで、企業は、これまで能力を十分に発揮できていなかった人材のポテンシャルを十分に引き出すことができるようになる。
    • 例えば、社会環境、働く人のマインド、雇用慣習等の変化に伴い、求められるマネジメントスタイルは変化していく。その際、従来の評価軸ではなく、変化したマネジメントスタイルに対応する新たな評価軸を用いることで、従来とは異なる、女性を含む多様な人材が管理職として登用されるようになる。
  • 労働市場からみたダイバーシティ経営
    • 業況感や企業業績といった需要側の増減をベースとして労働者の過不足が決定する社会から、労働供給量自体がボトルネックになる労働供給制約社会が2040年までに到来すると予想されている。2024年卒の新卒採用充足率は過去11年で最も低い水準となった。
    • こういった厳しい状況の中、近年の若手従業員のワークライフバランスを重視する傾向も踏まえた各企業の対応により、従業員の労働環境は好転している。
    • 一方、若手従業員の今後の職業生活における価値観は、ワークライフバランス以外の観点で多極化の傾向が見られる。若手だからというのでなく、全ての世代の中で価値観が多様化している中、どのように一人一人をいかしていくか検討する必要がある。
    • また、企業が経営を維持し、成長し続けるためには、新卒採用を基軸とした学歴別年次管理などによる人材活用を前提として人材を採用する姿勢を再考することも重要である。今後は、多様な価値観を持つ従業員一人一人が、個人のパーパスを実現できる状態を職場内に作ることも必要である。
  • 資本市場からみたダイバーシティ経営
    • 内閣官房が公表する人的資本可視化指針においては、ダイバーシティに関する開示は、企業の社会的責任に対する「リスク」マネジメントのみならず、イノベーションや生産性といった戦略的な「価値向上」の双方の観点で重要な開示事項と位置付けられている。
    • コーポレートガバナンス・コード(2021年6月版)においても、企業の持続的な成長を目的とし、取締役の多様性確保についての考え方等を提示している。
    • 実際に、機関投資家はダイバーシティ経営を対話・議決権行使の重要なテーマとしている。2022年6月総会において、「女性役員」「女性取締役」ともに不在(0名)の場合に国内外投資家の平均反対率は大幅に上昇している。
    • こういった状況を踏まえ、企業は、多様性が自社の価値創造とどのようにつながるのか、それを実現するために現状をどのように捉え、どのような取組を行うのかという内容について、自社の状況に応じた指標データに加え、ナラティブな説明も交えた開示や対話を行うことで投資家に対して説明していく必要がある。
    • なお、投資家とひとことで言っても、運用手法に応じて、対話の方法や投資判断は異なる。また、昨今、多様性の取扱いについて、方針の変更を行う投資家も見られる。資本市場を「投資家」と一括りでみるのではなく、どのような投資家に対して、何を目的として、どうアピール(開示)するかを考慮することが重要である。
  • SX経営、CX、人的資本経営等とダイバーシティ経営の関係性
    • 企業の競争力の維持・強化のためには、様々な観点での戦略立案と実行が必要である。経済産業省では、高い資本効率・収益性を確保しつつ、社会課題の解決を通じた成長戦略を策定することで成長期待を集め、持続的に企業価値を向上させる経営(=価値創造経営)の実現に向けて、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)経営、CX(コーポレート・トランスフォーメーション)、人的資本経営等を推進している。本コラムでは、各取組とダイバーシティ経営との関係性を整理することで、各取組を企業価値向上に向けて加速させるヒントを提供する。
    • 「SX経営」「CX」「人的資本経営」の定義は図のとおり。これらにダイバーシティ経営の要素は組み込まれているが、企業経営において共通して必要とされる視点・取組として改めて認識することで、夫々の効果を増大させ、価値創造経営の実現へつなげていくことが可能になるのではないか。
    • 例えば、SX経営においては、「多様な視点」からリスクと機会を分析し、長期的な価値創造につなげる戦略を構築していくこととされているが、企業には、それを可能とする知・経験を持つ人材が活躍できる環境整備が求められる。
    • また、CXにおいては、グループ組織の設計思想の幹となるパーパス/コアバリューに基づき、ファイナンス・HR・DXといった経営のコアとなる機能を再設計・運用する際に、経営戦略実現に必要な知・経験を持つ人材が活躍できる機能となっているか、といった視点も求められる。
    • 人的資本経営については、人材版伊藤レポート2.0において、経営戦略と連動した人材戦略について、3つの視点(Perspectives)と5つの共通要素(Common Factors)を3P・5Fモデルとして示した。中長期的な企業価値向上のためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な個人の掛け合わせである。このため専門性や経験、感性、価値観といった知と経験のダイバーシティを積極的に取り込むことが必要となる。

~NEW~
経済産業省 「企業価値を高める標準化・ルール形成 ―投資家と経営層の新たな視点―」を公表しました
  • 経済産業省は、標準化・ルール形成について、企業の経営戦略における位置づけを向上させていく中で、企業経営層や投資家がその重要性を理解し、一歩踏み出す契機とすることを目的として、「企業価値を高める標準化・ルール形成 ―投資家と経営層の新たな視点―」を公表しました。
  • 近年、世界的に規制・標準の再編が加速し、標準化・ルール形成が市場創出の手段の一つとなっており、他国が主導する中、日本企業は“技術で勝ってビジネスで負ける”状況を解消する必要性が高まっています。
  • 一方で、我が国では、標準化・ルール形成の重要性が指摘されつつも、それが企業価値や投資判断とどのように結びつくのかについて、必ずしも十分に整理・共有されてきませんでした。標準化の取組が経営戦略や投資家との対話の一部に組み込まれるためには、企業と投資家との間での共通の言語が必要不可欠です。本資料は、こうした課題意識の下、標準化・ルール形成を単なる技術的活動やコスト要因としてではなく、企業価値設計そのものとして捉え、その考え方を明確にし、企業及び投資家への浸透及び両者の対話に役立てることを目的に作成したものです。
  • 本資料では、投資家・企業の生の声や、これまでに確認できた標準化・ルール形成の取組事例等を参考にしつつ、標準化・ルール形成の基礎や市場参入の具体的なステップを提示するとともに、企業価値や投資家評価の向上につなげるための考え方やアクションまでを解説しています。
  • 本資料を通じて、投資家における標準化・ルール形成の理解が深まること、そして、企業と投資家の対話が促進されることが期待されます。また、事業部・R&D部門、標準化・企画担当等が、企業経営層へ標準化・ルール形成を経営戦略としてインプットする際の基礎資料として活用されることも想定しています。
▼ 企業価値と「標準化・ルール形成」(METI/経済産業省)

~NEW~
経済産業省 高性能AIへの対応に関して赤澤経済産業大臣が重要インフラ事業者との意見交換を実施しました
  • ソフトウェアの脆弱性発見について高い能力を有するAIの開発が進んでいる状況を踏まえ、本日、赤澤経済産業大臣は、電気事業連合会の森会長、送配電網協議会の白銀会長、日本ガス協会の内田会長、石油化学工業協会の野田副会長、日本クレジット協会の山本会長、石油連盟の森下危機管理委員長、電力分野の重要インフラ事業者(計24社)の代表者等との意見交換を実施しました。
  • 会談では高性能AIの出現を踏まえた影響と重要インフラ分野(電力、ガス、化学、クレジット、石油)におけるリスクを低減する観点から必要な対応について、関係者で認識を共有しました。
  • 会談では、赤澤大臣から、以下の旨について発言しました。
    1. 高性能AIは、未知の脆弱性の早期発見や是正によりセキュリティ向上に役立つ一方で、仮に悪意ある者に使われた場合には、サイバーセキュリティ上のリスクが一気に高まるおそれがある。
    2. 電力やガスなどの重要なインフラがサイバー攻撃によって事業の停止や誤作動を引き起こし、国民生活や経済活動に大きな影響を及ぼすことがないように、いち早くこうした動向に対応する必要がある。
    3. 対応に向けたキーワードは、(1)組織のトップによる主導(経営上の最優先課題との認識の下での必要なリソースの確保と日々の対応)、(2)脆弱性情報の早期把握と対応、(3)「ゼロトラスト」への移行であり、これら3点を徹底することにより相当程度リスクを抑えることが出来る。特に社会インフラ全体の基盤となる電力分野の主要事業者の皆様には、上記(2)の観点から、自社のIT基盤や資産の把握と状況確認、1か月を目途とした担当部局への報告をお願いしたい。
    4. 高性能AIを活用したサイバーセキュリティ産業の育成も重要であり、高度な人材育成や研究開発などにも取り組む。
  • これに対して各業界団体等の代表者からは、以下の旨の発言がありました。
    1. 高性能AIの出現を踏まえたサイバーセキュリティ上のリスクへの対応は、重要インフラ事業者としての責務を果たす上で喫緊の課題である。
    2. 既に同リスクに対応するための一定のサイバーセキュリティ対策を実施しているが、「ゼロトラスト」への移行や人材育成も含めた更なる対応を、組織のトップが主導する形で、業界全体で進めていきたい。
    3. 対策の実装に当たって、政府からの情報提供や高度な人材の育成などについての政府の支援策に期待する。
  • 引き続き、急速な技術の進展等に対応しながら産業界全体でのサイバーセキュリティ対策を強化し、また、サイバーセキュリティ産業を振興するための政策の企画・実行を進めていきます。

~NEW~
総務省 2025年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表
  • ILASテスト結果の概要
    • 正答率について、高校1年生は72.4%(前年度71.5%)、中学生は76.8%、小学生(4~6学年)は71.7%、小学生(1~3学年)は71.4%であった。
    • リスクの中分類(「参考」の1a~3bの7分類)別において、最も正答率が低かった分野は、高校1年生では「不適正取引リスク(フィッシング、ネット上の売買等)」、中学生では「有害情報リスク(不適切投稿、炎上等)」、小学生(4~6学年)では「プライバシーリスク(プライバシー、個人情報の流出等)」、小学生(1~3学年)では「違法情報リスク(著作権、肖像権等)」であった。
  • アンケート結果の概要
    • SNS等のインターネット利用について、「家庭ではルールがある」と答えた者は、高校1年生は41.3%(前年度53.4%)、中学生は78.4%、小学生(4~6学年)は79.9%、小学生(1~3学年)は84.9%であり、学齢が低くなるほど家庭でのルールが決まっている割合が高くなった。
    • SNS等のインターネット利用について、「家庭ではルールがある」と答えた者のテストの正答率は、いずれの学齢でも、「家庭ではルールがない」と答えた者の正答率よりも高くなった。正答率の差について、高校1年生は+1.4ポイント、中学生は+4.2ポイント、小学生(4~6学年)は+8.2ポイント、小学生(1~3学年)は+19.1ポイントであり、学齢が低くなるほど、家庭でのルールの有無が、テストの正答率に影響を与えていることが伺えた。
    • インターネットを利用するに当たっての注意点、または対応策について、一つでも「学校で教えてもらったことはある」と答えた者のテストの正答率は、「いずれも教えてもらっていない」と答えた者の正答率よりも高くなった。正答率の差について、高校1年生は+15.6ポイント、中学生は+15.8ポイント、小学生(4~6学年)は+21.6ポイント、小学生(1~3学年)は+14.5ポイントであり、インターネットを利用するに当たっての注意点や対応策を学校で学習したかどうかが、テストの正答率に影響を与えていることが伺えた。
    • 生成AI(文章や画像、音声等のコンテンツを生成できるAI)について、「使ったことはない」と答えた者は、高校1年生は12.6%、中学生は15.9%、小学生(4~6学年)は24.2%にとどまっており、児童生徒にも生成AIの利用が広がっていることが伺えた。
▼ 別紙 2025年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果
  • ILAS等調査 結果概要
    • 高校生
      1. ILASテスト結果
        • 全体(全49問)の正答率 72.4%(前年度正答率:71.5%)
        • リスクの中分類別の正答率
          • 不適切利用リスク(過大消費、ネット依存等)」に対応する問の正答率(79.5%)が最も高く、「不適正取引リスク(フィッシングやネット上の売買等)」に対応する問の正答率(62.9%)が最も低い。
          • ※リスクの中分類別の正答率については、前年度までの正答率とほぼ横ばい。
      2. アンケート結果
        • ペアレンタルコントロールの状況
          • SNS等のインターネット利用に関する家庭でのルールの有無について、全体の41.3%が「ある」と回答(前年度:53.4%)。「家庭でのルールあり」かつ「フィルタリング利用あり」の場合、ILASテストの正答率は74.0%と全体の正答率よりも高い。ペアレンタルコントロールの周知啓発を引き続き行うことが重要。
        • 学校における取組状況・トラブル遭遇時の対応
          • 学校で教えられた注意点等について、「長時間利用」、「生成AI」「フィルターバブル」の回答率は、前年度よりも増加。「ネットいじめ」や「個人情報・プライバシー」等の課題に加え、「生成AI」等の新たな課題について学ぶ機会が増加。
          • フェイクニュースに遭遇した際の対応について、他での言及をチェックしたや情報源などの適切な対応をとったとの回答率は前年度より低下。
        • 生成AIの利用状況
          • 生成AIについて、全体の12.6%が「使ったことはない」と回答し、前年度よりも大幅に低下。用途としては、「わからないことを調べる」との回答が最も多い(61.4%)。
          • 生成AIのイメージとしては、「学習効率や効果があがる」との回答が最も多い(51.8%)。
    • 中学生
      1. ILASテスト結果
        • 全体(全14問)の正答率 76.8%
        • リスクの中分類別の正答率
          • 「違法情報リスク(著作権、肖像権等)」に対応する問の正答率(93.3%)が最も高く、「有害情報リスク(不適切当校、炎上等)」に対応する問の正答率(43.7%)が最も低い。
      2. アンケート結果
        • 家庭でのルールの有無の状況
          • SNS等のインターネット利用に関する家庭でのルールの有無について、全体の78.4%が「ある」と回答。家庭でのルールの内容について、「使用時刻の制限」が最も多い(40.9%)。「家庭でのルールあり」の場合、ILASテストの正答率は77.5%と全体の正答率よりも高い。
        • 学校における取組状況・トラブル遭遇時の対応
          • 学校で教えられた注意点等について、「ネットいじめ」(88.0%)、「個人情報・プライバシー」(86.1%)、「インタ-ネットの使いすぎ」(79.1%)との回答が多い。
          • トラブルに遭遇した経験ついて、全体の48.7%が「トラブルの経験はない」と回答。経験がある場合は「迷惑メールを受け取った」(26.1%)との回答が最も多い。
          • フェイクニュースに遭遇した際の対応について、他での言及や情報源をチェックしたなどの適切な対応をとったとの回答率は約4割。
        • 生成AIの利用状況
          • 生成AIについて、全体の15.9%が「使ったことはない」と回答。用途としては、「わからないことを調べる」との回答が最も多い(63.6%)。
          • 生成AIのイメージとしては、「新たな発見がたくさんできる」との回答が最も多い(50.0%)。
    • 小学校高学年
      1. ILASテスト結果
        • 全体(全14問)の正答率 71.7%
        • リスクの中分類別の正答率
          • 「違法情報リスク(著作権、肖像権等)」に対応する問の正答率(83.1%)が最も高く、「プライバシーリスク(プライバシー、個人情報の流出等)」に対応する問の正答率(53.8%)が最も低い。
      2. アンケート結果
        • 家庭でのルールの有無の状況
          • SNS等のインターネット利用に関する家庭でのルールの有無について、全体の79.9%が「ある」と回答。家庭でのルールの内容について、「使用時刻の制限」が最も多い(44.8%)。「家庭でのルールあり」の場合、ILASテストの正答率は73.3%と全体の正答率よりも高い。
        • 学校における取組状況・トラブル遭遇時の対応
          • 学校で教えられた注意点等について、「いじめ」(75.4%)、「インタ-ネットの使い過ぎ」(71.3%)、「簡単に自分のことをインターネットに書かない」(71.1%)との回答が多い。
          • トラブルに遭遇した経験ついて、全体の69.8%が「トラブルにあったことはない」と回答。経験がある場合は「まちがっている情報を見た」(16.8%)との回答が最も多い。
        • スマートフォンの使い方を学んだ方法
          • スマートフォンの使い方を学んだ方法について、「おうちの人やまわりの大人」との回答が最も多い。(63.6%)
        • 生成AIの利用状況
          • 生成AIについて、全体の24.2%が「使ったことはない」と回答。用途としては、「わからないことを調べる」との回答が最も多い(46.7%)。
          • 生成AIのイメージとしては、「新たな発見がたくさんできる」との回答が最も多い(43.8%)。
    • 小学校低学年
      1. ILASテスト結果
        • 全体(全14問)の正答率 71.4%
        • リスクの中分類別の正答率
          • 「不適切利用リスク(過大消費、ネット依存等)」に対応する問の正答率(88.2%)が最も高く、「違法情報リスク(著作権、肖像権等)」に対応する問の正答率(57.6%)が最も低い。
      2. アンケート結果
        • 家庭でのルールの有無の状況
          • SNS等のインターネット利用に関する家庭でのルールの有無について、全体の84.9%が「ある」と回答。家庭でのルールの内容について、「使用時刻の制限」が最も多い(42.8%)。「家庭でのルールあり」の場合、ILASテストの正答率は73.9%と全体の正答率よりも高い。
        • 学校における取組状況・トラブル遭遇時の対応
          • 学校で教えられた注意点等について、「いじめ」(58.2%)、「インタ-ネットのつかいすぎ」(52.6%)、「ほかのひとの、しゃしんをインターネットだすのはよくないこと」(46.2%)との回答が多い。
          • トラブルに遭遇した経験ついて、全体の82.7%が「トラブルにあったことはない」と回答。
        • スマートフォンの使い方を学んだ方法
          • スマートフォンの使い方を学んだ方法について、「おうちのひとや、まわりのおとな」との回答が最も多い。(52.3%)

~NEW~
総務省 「巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策の在り方に関する検討会」の開催
  • 総務省は、電気通信事業者をはじめとした関係主体がサイバーセキュリティの確保のために講じる対策の在り方について検討するために、「巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策の在り方に関する検討会」を開催します。
  1. 目的
    • 情報通信ネットワークは、国民生活や経済社会に不可欠な重要インフラであると同時に、サイバー攻撃が飛び交うサイバー空間のインフラそのものであり、そのインフラを担う電気通信事業者がサイバーセキュリティの確保のために果たすべき役割は大きいところです。
    • 特に近年、ランサムウェア攻撃等のサイバー攻撃の巧妙化や、攻撃インフラの複雑化が進展しており、こうした脅威に対し、一層実効的な対策を講じていくことが安全・安心なサイバー空間の実現に当たって重要な課題となっています。
    • そこで、電気通信事業者をはじめとした関係主体がサイバーセキュリティの確保のために講じる対策の在り方について検討することを目的として、「巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への対策の在り方に関する検討会」を開催します。
  2. 主な検討事項案
    • 巧妙化・複雑化するサイバー攻撃への実効的な対策について
    • サイバー攻撃対策における関係主体の連携について
    • その他

~NEW~
総務省 我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)
  1. こどもの数は1329万人、45年連続の減少
    • 2026年4月1日現在におけるこどもの数(15歳未満人口。以下同じ。)は、前年に比べ35万人少ない1329万人で、1982年から45年連続の減少となり、過去最少となりました。
    • 男女別では、男子が681万人、女子が648万人となっており、男子が女子より33万人多く、女子100人に対する男子の数(人口性比)は105.0となっています。
    • こどもの数を年齢3歳階級別にみると、12~14歳が309万人(総人口に占める割合2.5%)、9~11歳が296万人(同2.4%)、6~8歳が268万人(同2.2%)、3~5歳が243万人(同2.0%)、0~2歳が213万人(同1.7%)となっています。
    • これを中学生の年代(12~14歳)、小学生の年代(6~11歳)、未就学の乳幼児(0~5歳)の三つの区分でみると、それぞれ309万人(同割合2.5%)、564万人(同4.6%)、456万人(同3.7%)となっています。
  2. こどもの割合は8%、52年連続の低下
    • こどもの割合(総人口に占めるこどもの割合。以下同じ。)は、1950年には35.4%と総人口の3分の1を超えていましたが、第1次ベビーブーム期(1947年~1949年)後の出生児数の減少を反映し、1970年には23.9%まで低下しました。
    • その後、第2次ベビーブーム期(1971年~1974年)の出生児数の増加によって僅かに上昇し、1974年には24.4%まで上昇したものの、1975年から再び低下を続け、2026年は10.8%(前年比0.3ポイント低下)で過去最低となりました。
    • なお、こどもの割合は、1975年から52年連続して低下しています。

~NEW~
国土交通省 海上運送法の事業登録等について改めて周知します~沖縄県名護市辺野古沖における転覆事故を踏まえた再発防止策として~
  • 沖縄県名護市辺野古沖における船舶転覆事故と同様の事業登録のない船舶による今後の事故被害を防止するため、海上運送法に基づく許可又は登録が必要となる運送行為の具体例、許可等を受けた事業者を利用することの重要性などについて、新たに作成したリーフレットにより改めて周知徹底を図ります。
  • 本年3月16日に沖縄県名護市辺野古沖で発生した船舶転覆事故について、当該事故を起こした船舶を使用した運送は、海上運送法に基づく事業登録が行われていませんでした。
  • 事業登録のない船舶による今後の事故被害を防止するため、まずは、
    • 海上運送法に基づき許可又は登録が必要となる運送行為の具体例
    • 無償の運送であっても、事業に該当し、許可又は登録が必要となる場合があること
    • 観光、レジャー、イベント等で船舶を利用する際には、安全確保の観点から、許可又は登録を受けた事業者を利用することが重要であること
      などについて船舶運航者・利用者に向けた周知・啓発を改めて徹底する必要があることから、そのためのリーフレットを新たに作成しました。
  • 当該リーフレットについては、地方運輸局等のホームページに掲載するほか、4月9日に報道発表した「小型船舶に対する安全キャンペーン」の一環としてマリーナ・漁港等において配布します。

~NEW~
国土交通省 「i-Construction 2.0」の2年目(2025年度)の取組成果をまとめました~建設現場のオートメーション化による省人化(生産性向上)~
▼ 報道発表資料
  • 2025年度の2年目の i-Construction 2.0 取組成果
    1. 施工のオートメーション化
      • 自動遠隔施工の実施件数が前年度から倍増、地域建設業での自動化の実装が進展
      • 地域建設業における更なるICT施工の普及促進・支援を実施
      • ICT施工StageⅡの取組拡大により「建設現場のジャストインタイム」本格実装
      • AIを活用した海底測量の効率化、海上工事における自動・自律化施工の取組
    2. データ連携のオートメーション化(デジタル化・ペーパーレス化)
      • 設計段階の3次元モデルと2次元図面の整合確認方法を要領化
      • 3次元モデルを用いた設計と積算のデータ連携(BIM/CIM積算)の導入工種を拡大
      • 工事間のスケジュール共有機能を試行開始
    3. 施工管理のオートメーション化(リモート化・オフサイト化)
      • ICTにより新たな品質管理手法を導入⇒出来形管理から品質管理へ
      • プレキャスト原則適用範囲を一部大型構造物まで拡大
  • Construction2.0 2026年 「躍動の年」
    1. AI活用
      • OPERAを中心とした自動施工フィジカルAI開発
      • AIを活用した海底測量の効率化
    2. 規模(企業・工事)に依らない普及
      • 簡易な施工技術(2DMG)を活用する「導入型ICT活用工事」の新設
    3. 試行から本格運用へ
      • ICT施工StageⅡの試行工事から本格運用へ
    4. さらに原則化へ
      • ICT舗装工の発注者指定型範囲拡大(例)
  • 【施工】自動遠隔施工の推進
    • 2025年度は直轄工事にて自動施工・遠隔施工ともに実施件数が倍増。
    • 自動施工はダム工事以外にも、遠隔施工は砂防工事以外にも、様々な工事種別に実装が拡大。
    • また、大手企業での自動施工の実装に加え、地域建設業での自動化の取組が進展。
  • 【施工】自治体発注工事へのICT施工の普及促進
    • 自治体発注工事への更なるICT施工の推進のため、国交省がICT専門家を派遣し、「人材・組織の育成」の実施をサポート。
    • 例として、札幌市において、小規模の市街地施工現場(都市型土木)に適した独自のICT活用の運用方針を検討。生活道路整備に着目し、新たな要領・マニュアルを作成するために(2025年度より運用開始)、地域特有のニーズに応じた運用方針検討のサポートを行った。
  • 【施工】「導入型ICT活用工事」による地域建設業への普及促進
    • ICT施工未経験企業や地方自治体工事を主に受注している企業へのICT技術の導入を促すため、小規模工事を対象に、これまでのハードルが高かった3次元建設機械による施工に、2次元建設機械による施工など簡易なICT技術活用を加えた要領を新たに整備する。
    • 工事内容に応じオーバースペックにならず、最適な技術を選択することで、小規模工事における更なる現場の省人化を図る。ICT技術の利便性に触れていただくことでステップアップにつながることも期待。
  • 【施工】小規模工事等へのICT活用の手引きの整備
    • 「3次元計測技術を用いた出来形管理要領」の記載内容以外でも、施工の途中段階においてICT機器を用いた便利な使い方が多くある。
    • そのような技術の使い方も含め、既存の手引きを拡充し、新たに「導入型ICT活用工事の手引き」として整備。
  • 【施工】施工データの活用(ICT施工StageⅡ)の取組
    • 令和6年度は45件であったが、令和7年度は、111件(内69件が一般土木C等級の企業による実施)に大幅増加。
    • 様々な事例が蓄積し、建設現場のジャストインタイムの本格的な実現へ。
  • 【施工】ICT施工StageⅡ-建設現場のジャストインタイムの取組事例 アスファルト舗装工
    • 舗装工事の施工段階において、ダンプトラックの位置情報により、舗装合材の荷下ろし地点における待機台数や接近状況を見える化することで、材料供給の調整に関わる人員を省人化(2人→1人)。渋滞やプラント不具合等による材料供給停滞リスクを早期に把握することで、出荷・搬入計画の迅速な調整が可能となる。
    • 舗装合材プラントにおいて、ダンプトラックの位置情報により接近状況を見える化することで、材料出荷のタイミングに応じた機械の稼働・停止判断ができ、ダンプトラックへの積込待ちが軽減。
  • 【施工】 ICT施工StageⅡ-建設現場のジャストインタイムの取組事例
    • 施工段階において、ICT建設機械の施工履歴データにより、日々の掘削土量や置土の土量を見える化、置土の土量に合わせたダンプ台数の調整や出水後のダンプ増車の判断に活用した。
    • 突発的な出水により土砂が流出した際、進捗把握のために取得した出水直前の施工履歴データを活用し、設計変更に関わる出水時の流出土量を見える化。設計変更に関わる測量作業や書類作成作業を軽減し、協議までの工程を短縮(5日間→約2日間)。
    • 出水後の工程遅延を防止するために、一時的なダンプ台数増車(9日間3台増車)の判断に進捗情報を活用。
  • 【施工】施工データの活用 (ICT施工 StageⅡ)実施要領等の改定・試行から本格運用
    • 2025年度は、111件の国土交通省発注工事において、ICT施工StageⅡの取り組みを実施、ヒアリングやアンケート調査により効果を把握した。
    • 結果を踏まえ、実施要領を改訂し、適用工種・実施項目を拡大した本要領を策定するとともに、活用事例や効果をまとめた参考資料を拡充し、2026年度から本格運用開始
  • 【施工】AIを活用した海底測量の効率化
    • 海底地形の3次元測量に用いるマルチビーム測深は、これまでノイズ除去を手動で行っており、多大な時間を要していた。このため、AIを活用し、これまでの解析データを学習させることで、大半のノイズを自動除去する「マルチビームデータクラウド処理システム」(以下、「MBC」という)を開発。
    • 2025年度は、ICT活用工事における全直轄工事の起工測量(工事実施前の海底地形の測量)でのMBC使用を開始した。
    • 2026年度より、ICT浚渫工の出来形測量(水路測量)へのMBC使用を開始。
  • 【施工】海上工事における自動・自律化施工の取組
    • 自動・自律化施工技術が開発されているが、社会実装(全国での活用、普及)のための仕組みづくりが必要。
    • 2025年度は、検討ワーキングを設置するとともに、安全対策の検証や自動運転に必要となる施工データを収集するため現地試験を6件実施。
    • 2026年度は、作業船の実証試験を4件程度実施し、安全管理・施工管理ルール等をとりまとめる。
  • 【データ連携】3次元モデルの工事契約図書化
    • 3次元モデルを工事契約図書として活用し、積算や施工への高度利用につなげるための取り組みを実施
    • 2025年度は、設計段階で3次元モデルと2次元図面を別々に作成した場合の整合確認方法を標準化し、工事契約図書化の試行工事として、183件の工事でアンケート等により課題整理を実施。
    • 2026年度は、3次元モデルの工事契約図書化に関するガイドラインの作成を予定。
  • 【データ連携】属性情報の活用(BIM/CIM積算)
    • 3Dモデルから自動算出される数量を、データ連携により積算に活用可能な情報に自動変換する取組を推進
    • 2025年度は、砂防堰堤への試行工種の拡大を図り、11件の試行業務を実施したことに加え、国際組織が主催する国際賞において、BIM/CIM積算の取組が日本初の部門最優秀賞を受賞
  • 【データ連携】ASPの機能拡充による現場管理の効率化
    • 工事施工中におけるスケジュール管理、工事書類管理などの機能を備えたASP(情報共有システム)について、API連携・共有を図ることにより、複数工事の工程や臨場等のスケジュールを一元管理することが可能となり、受発注者双方における現場管理の効率化が実現することから、プロジェクトチームを立ち上げてASPの拡充検討を進めていく。
    • 2025年度は、スケジュール共有機能の試行を実施した。
    • 2026年度は、発注者(監督員)のスケジュール共有機能を実装する。
  • 【施工管理】出来形管理から品質管理への適用拡大
    • ICT技術の発達により、路盤施工時の機械の施工履歴データ等から現場密度を面的に計測する技術や、舗装時の温度管理をリアルタイムで行い、トレーサビリティの確保・省力化を図る技術開発が進められてきた。
    • このような、現場の省力化が図れる技術について、現場実証を踏まえ、新たな手法として管理要領(案)を策定するとともに、「土木工事施工管理基準(案)」の品質管理基準及び規格値(案)に追加する。
    • 令和7年度末に、新たに要領化
      • 地盤変形量測定装置を用いたプルーフローリング管理要領(案)
      • 表面温度測定装置を用いたアスファルト舗装の温度管理要領(案)
  • 【施工管理】プレキャスト原則適用に向けた動向
    • 建設現場において生産性向上を図る上で、従来工法に対してコスト面を中心とした形式や工法を選定していた。
    • これからは、コスト(Money)に対して、省人化、働き方改革寄与度、安全性向上、環境負荷低減、メンテナンスのし易さなどの価格以外の価値(Value)を評価する手法(Value for Money)を導入する。
    • 2025年度は、VFM試行要領の見直しと設計業務による試行をするとともに、内空断面積35m2以下の大型構造物については5mピッチでの規格の標準化を検討した。
    • 2026年度からは、VFM実施要領を直轄工事に適用するとともに、内空断面積35m2以下で標準寸法の大型構造物については、PCaの原則適用とする

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