危機管理トピックスコラム一覧

コンプライアンスやリスク管理に関するその時々のホットなテーマを、現場を知る
危機管理専門会社ならではの時流を先取りする鋭い視点から切り込み、提言するコラムです。

危機管理トピックス

更新日:2020年8月3日 新着30記事

【新着トピックス】

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第31回)議事次第
▼資料3 顧客本位の業務運営に関する原則(改定案)
  • 重要な情報には以下の内容が含まれるべきである
    • 顧客に対して販売・推奨等を行う金融商品・サービスの基本的な利益(リターン)、損失その他のリスク、取引条件
    • 顧客に対して販売・推奨等を行う金融商品の組成に携わる金融事業者が販売対象として想定する顧客属性
    • 顧客に対して販売・推奨等を行う金融商品・サービスの選定理由(顧客のニーズ及び意向を踏まえたものであると判断する理由を含む)
    • 顧客に販売・推奨等を行う金融商品・サービスについて、顧客との利益相反の可能性がある場合には、その具体的内容(第三者から受け取る手数料等を含む)及びこれが取引又は業務に及ぼす影響
  • 金融事業者は、顧客に対して販売・推奨等を行う金融商品・サービスの複雑さに見合った情報提供を、分かりやすく行うべきである。単純でリスクの低い商品の販売・推奨等を行う場合には簡潔な情報提供とする一方、複雑又はリスクの高い商品の販売・推奨等を行う場合には、顧客において同種の商品の内容と比較することが容易となるように配意した資料を用いつつ、リスクとリターンの関係など基本的な構造を含め、より分かりやすく丁寧な情報提供がなされるよう工夫すべきである
  • 金融事業者は、金融商品・サービスの販売・推奨等に関し、以下の点に留意すべきである
    • 顧客の意向を確認した上で、まず、顧客のライフプラン等を踏まえた目標資産額や安全資産と投資性資産の適切な割合を検討し、それに基づき、具体的な金融商品・サービスの提案を行うこと
    • 具体的な金融商品・サービスの提案は、自らが取り扱う金融商品・サービスについて、各業法の枠を超えて横断的に、類似商品・サービスや代替商品・サービスの内容(手数料を含む)と比較しながら行うこと
    • 金融商品・サービスの販売後において、顧客の意向に基づき、長期的な視点にも配慮した適切なフォローアップを行うこと
    • 金融事業者は、各原則(これらに付されている注を含む)に関して実施する内容及び実施しない代わりに講じる代替策の内容について、これらに携わる従業員に周知するとともに、当該従業員の業務を支援・検証するための体制を整備すべきである
▼資料6 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「顧客本位の業務運営の進展に向けて」概要
  • 「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定から3年が経過する中、その定着状況を検証し、更なる進展を目指す
  • 認知判断能力が低下した高齢顧客やその家族等に対して、顧客本位の観点から、安心で利便性の高い対応を充実
  • 国民の安定的な資産形成の実現に向けて、金融事業者は本原則を採択し、その取組の「見える化」により、顧客がより良い金融商品・サービスを選択するメカニズムの実現を図る(「プリンシプルベースのアプロ―チ」)
    1. 顧客本位の業務運営の更なる進展
      1. 「原則」の具体的内容の充実:実効性を高めていくため、原則により求められる具体的な取組(原則の注記)に以下を追加
        • 顧客のライフプラン等を踏まえた業横断的な商品の提案及び商品提供後の適切なフォローアップの実施
        • 金融商品の組成に携わる金融事業者による想定顧客の公表
        • リスクや手数料、利益相反等の情報を比較できるよう、各業者・商品毎の共通の情報提供フォーム(「重要情報シート」)の導入
      2. 「原則」の一層の浸透・定着:金融庁において、事業者の取組状況等を「原則」の項目毎に比較可能な形で公表
      3. 不適切な販売事例の効果的な抑制:法律上の誠実公正義務や適合性の原則の内容を監督指針で明確化
    2. 超高齢社会における金融業務のあり方
      1. 認知判断能力等の低下した顧客への対応:以下について、金融業界において指針等を策定
        • 代理人等取引のあり方
        • 福祉関係機関等との連携強化
        • 高齢顧客対応の好事例の集約・還元等
      2. デジタル技術を活用した個々の認知判断能力や状況に応じた制度の精緻化の研究
      3. 本人以外でも金融契約の有無を照会できるシステムの検討

~NEW~
警察庁 令和2年6月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和2年1月~6月の特殊詐欺全体の認知件数は6,861件(前年同期8,018件、前年同期比▲14.4%)、被害総額は6億円(152.3億円、▲15.6%)、検挙件数は3,451件(2,949件、+17.0%)、検挙人員は1,207人(1,248人、▲3.3%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は1,041件(3,575件、▲70.1%)、被害総額は8億円(35.9億円、▲19.8%)、検挙件数は1,014件(1,510件、▲32.8%)、検挙人員は305人(764人、▲60.1%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は2,142件、被害総額は0,2億円、検挙件数は480件、検挙人員は363人
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は1,705件(1,393件、+22.4%)、被害総額は0億円(23.0億円、+4.3%)、検挙件数は1,250件(519件、+229.5%)、検挙人員は364人(133人、+173.7%)
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は891件(1,710件、▲47.9%)、被害総額は2億円(43.3億円、▲25.6%)、検挙件数は316件(662件、▲52.3%)、検挙人員は76人(298人、▲25.5%)
  • 還付金詐欺の認知件数は766件(1,155件、▲33.7%)、被害総額は4億円(14.0億円、▲25.7%)、検挙件数は244件(163件、+49.7%)、検挙人員は27人(9人、+200.0%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は192件(139件、+38.1%)、被害総額は1億円(2.0億円、+5.5%)、検挙件数は9件(52件、+73.1%)、検挙人員は26人(9人、+188.9%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は37件(16件、+3%)、被害総額は2.0億円(1.0億円、+100.0%)、検挙件数は15件(16件、▲6.3%)、検挙人員は14人(15人、▲6.7%)
  • 口座詐欺の検挙件数は336件(418件、▲19.6%)、検挙人員は210人(249人、▲15.7%)、盗品等譲受けの検挙件数は1件(4件、▲75.0%)、検挙人員は0人(2人)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は1,233件(1,087件、+4%)、検挙人員は1,024人(896人、+14.3%)
  • 携帯電話端末詐欺の検挙件数は107件(144件、▲25.7%)、検挙人員は86人(105人、▲18.1%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は15件(23件、▲34.8%)、検挙人員は13人(14人、▲7.1%)、組織犯罪処罰法違反の検挙件数は46件、検挙人員は15人
  • 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体では、男性(3%):女性(74.7%)、60歳以上(89.7%)、70歳以上(80.0%)、オレオレ詐欺では、男性(19.2%):女性(80.8%)、60歳以上(98.3%)、70歳以上(94.8%)、融資保証金詐欺では、男性(69.5%):女性(30.5%)、60歳以上(27.7%)、70歳以上(10.9%)
  • 65歳以上の割合は、オレオレ詐欺8%(女性の割合80.5%)、キャッシュカード詐欺盗96.0%(78.6%)、預貯金詐欺98.6%(85.9%)、架空料金請求詐欺41.7%(59.3%)、還付金詐欺85.5%(64.9%)、融資保証金詐欺19.5%(11.8%)、金融商品詐欺83.8%(74.2%)、ギャンブル詐欺18.5%(50.0%)、交際あっせん詐欺16.7%(0.0%)

~NEW~
警察庁 犯罪統計資料(令和2年1~6月)
  • 令和2年1~6月における刑法犯総数について、認知件数307,644件(前年同期363,654件、前年同期比▲15.4%)、検挙件数136,531件(141,217件、▲3.3%)、検挙率4%(38.8%、+5.6P)
  • 脅迫の認知件数1,831件(1,750件、+6%)、検挙件数1,562件(1,428件、+9.4%)、検挙率85.3%(81.6%、+3.7P)
  • 窃盗犯の認知件数211,409件(257,107件、▲17.8%)、検挙件数85,369件(87,501件、▲2.4%)、検挙率4%(34.0%、+6.4P)
  • 万引きの認知件数43,047件(48,145件、▲10.6%)、検挙件数31,688件(33,003件、▲4.0%)、検挙率6%(68.5%、+5.1P)
  • 知能犯の認知件数16,354件(18,099件、▲9.6%)、検挙件数8,434件(8,913件、▲5.4%)、検挙率6%(49.2%、+2.4P)
  • 詐欺の認知件数14,619件(18,099件、▲9.9%)、検挙件数7,132件(7,417件、▲3.8%)、検挙率8%(45.7%、+3.1P)
  • 特別法犯総数について、検挙件数32,176件(34,154件、▲4.2%)、検挙人員27,736人(29,185人、▲5.0%)、入管法違反の検挙件数3,093件(2,868件、+8%)、検挙人員2,243人(2,175人、+3.1%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数1,327件(1,139件、+16.5%)、検挙人員1,100人(933人、+17.9%)、不正アクセス禁止法違反の検挙件数235件(182件、+29.1%)、検挙人員56人(67人、▲16.4%)、不正競争防止法違反の検挙件数33件(31件、+6.5%)、検挙人員41人(35人、+17.1%)、銃刀法違反の検挙件数2,483件(2,587件、▲4.0%)、検挙人員2,187人(2,247人、▲2.7%)、麻薬等取締法違反の検挙件数413件(448件、▲7.8%)、検挙人員210人(213人、▲1.4%)、大麻取締法違反の検挙件数2,611件(2,577件、+1.3%)、検挙人員2,222人(2,036人、+91.%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数5,335件(5,392件、▲1.1%)、検挙人員3,732人(3,809人、▲2.0%)
  • 来日外国人による重要犯罪犯の国籍別検挙人員について、総数263人(230人、+3%)、中国48人(44人、+9.1%)、ベトナム37人(35人、+5.7%)、ブラジル32人(19人、+68.4%)、韓国・朝鮮18人(15人、+20.0%)、フィリピン12人(16人、▲25.0%)、インド10人(5人、+100.0%)
  • 暴力団犯罪(刑法犯)の罪種別検挙件数・人員について、刑法犯計の検挙件数5,364件(9,855件、▲45.6%)、検挙人員3,252人(3,831人、▲15.1%)
  • 暴行の検挙件数417件(489件、▲14.7%)、検挙人員397人(443人、▲10.4%)、傷害641件(772件、▲17.0%)、検挙人員733人(843人、▲13.0%)、脅迫の検挙件数194件(191件、+6%)、検挙人員176人(171人、+2.9%)、恐喝の検挙件数181件(245件、▲26.1%)、検挙人員225人(302人、▲25.5%)、窃盗2,436件(5,945件、▲59.0%)、検挙人員499人(621人、▲19.6%)、詐欺の検挙件数708件(1,108件、▲36.1%)、検挙人員516人(643人、▲19.6%)、賭博の検挙件数26件(61件、▲36.1%)、検挙人員94人(66人、+42.4%)
  • 暴力団犯罪(特別法犯)の主要法令別検挙件数・人員について、特別法犯計の検挙件数3,442件(3,915件、▲12.1%)、検挙人員2,536人(2,782人、▲8.8%)
  • 暴力団排除条例違反の検挙件数28件(8件、+0%)、検挙人員78人(15人、+420.0%)、銃刀法違反の検挙件数65件(77件、▲15.6%)、検挙人員51人(51人、±0.0%)、麻薬等取締法違反の検挙件数76件(106件、▲28.3%)、検挙人員23人(36人、▲36.1%)、大麻取締法違反の検挙件数489件(578件、▲15.4%)、検挙人員340人(386人、▲11.9%)、覚せい剤取締法違反の検挙件数2,282件(2,506件、▲8.9%)、検挙人員1,583人(1,707人、▲7.3%)

~NEW~
首相官邸 全世代型社会保障に関する広報の在り方会議
▼全世代型社会保障に関する広報の在り方会議 報告書 本文
  • 「かけがえのない存在としてのあなた」のより良い「選択」を最適なタイミングで支えるための広報
    • 「社会保障」に求められる広報はブランドの訴求や政策PRではなく、必要な人に必要な情報がしっかりと届き、制度を知らないことで国民(市民、住民)が不利益を被ることがないようにしなければならないことが重要
    • 国民がサービス利用者としての存在にとどまらず、制度の支え手としての意識を高め、あるべき社会保障の在り方について、構築に向けて共に参加する意識啓発、行動促進のための広報が求められる
  • 「かけがえのない」国民一人ひとりのニーズに徹底的に寄り添うコミュニケーション型広報への転換
    • 行政からのトップダウンによる情報伝達だけではなく、国民の意思を尊重した、ボトムニーズから設計する情報発信文化を醸成する
    • 従来の制度提供側の視点による一方的な情報提供や調査手法だけでなく、行政がもつビックデータと民間事業者が有する様々なビックデータを活用した分析を通じて、国民ニーズの把握を「広聴」と捉えなおす
  • 国民のライフスタイルや行動モデルに応じた適切な広報
    • オープンデータの視点を持った徹底的な情報開示をすすめ、国民のクリティカルシンキングを通じた社会保障制度の持続可能性の確保に向けた不断の改善に向けた議論を促進する
    • 前の傾聴・認知獲得・関心惹起・探索誘導・着地点整備(信頼確保・共感形成)・情報共有支援・途中の傾聴の各段階から成るメディア活用モデルに基づく広報を行う
  • 受け手の視点に立ち「分かりやすく、伝わる言葉」を使った、国民に届く「広報コンテンツ」による発信
    • 「ほしい情報の把握」「わかりやすく伝える」「最適な形で届ける」という3軸を追求することが求められる。行政の公式HPだけでなく、国民のニーズの変化に合わせた各種民間プラットフォームとの連携など幅広い情報流通構造の設計が有効
    • 受け手の視点に立った“伝わる言葉”や、情報の受け手の地域性や文化を踏まえた「型」を活用
    • 行政広報のコンテンツの質を高めていくことに加えて、国民のインタレストに届けられるよう、より見やすい仕様で提供する
  • 広報の改善活動に向けたKPI設定とPDCAサイクル
    • 広報は不断の改善が必要であり、目標達成に向けたロジックモデルに基づいた段階ごとのKPIを設定し、不断に検証することが重要
    • 具体的には、国民からの定量・定性フィードバックデータに基づきPDCAサイクルを実行することで、データの再循環モデルを構築することが重要。ICT活用により、個別のデータを利用しながら、個人に最適な情報提供サービスを実現していくことが、「便利」という利用想起につながり、個々人の習慣化に発展する
  • 情報技術の進展に合わせた「広報人財」の育成
    • 日々進化する情報技術革新を広報に活用すべく幅広いICT人財の獲得やシビックテックによる協同の仕組みを構築し、モバイル可能なパーソナルダッシュボードの構築が期待される
    • コミュニケーション全体を効果的に実施するためには高度な専門性に基づいた計画が必要。コミュニケーションプランニングを的確に実施するための人材を育成し、才能を組織に蓄積することが必要

~NEW~
首相官邸 未来投資会議(第42回) 配布資料
▼資料1:拡大未来投資会議の検討項目のタタキ台
  1. ウィズ・コロナ、ポスト・コロナ社会の基本理念
    1. 新しい働き方(働き方改革)を定着させ、リモートワークにより地方創生を推進し、デジタルトランスフォーメーションを不退転の決意で進めることで、分散型居住を可能とする
    2. 資本主義の形が、変化への対応力があり、強靱性・復元力を持った長期的な視点に立った像へ変化(特定の場所・国に過度に依存しないサプライネットへ)
    3. 眼前の利益にとらわれず、長期的なビジョンに立った企業像
    4. 持続可能性を持った社会像(脱炭素社会・循環経済の実現のためのエネルギー供給構造改革)の設計が求められている
  2. 新しい働き方の定着と一極集中の是正
    • デジタルトランスフォーメーションの地域実装を通じた地方創生の推進
    • 多様な働き方・暮らし方暮らしの場としての地方→強靱性の確保(防災・減災)、魅力ある交通ネットワークの整備、フリーランスの健全な拡大とその適正な保護の検討、スタートアップ・NPOや若者、エッセンシャルワーカーへの支援
    • テレワークの障壁の解消のため、仕事のやり方のさらなる見直し
    • デジタルデバイド、セキュリティデバイドへの対応
    • 高齢者や基礎疾患を持つ方の保護
    • 地域の中小企業のデジタルトランスフォーメーションの推進、農林業・漁業のスマート化
    • 契約の電子化
    • オンライン診療など地域における医療提供体制の整備
    • オンライン面会
    • リカレント教育、オンライン教育
    • バーチャル株主総会の検討
    • ローカル5Gを含めた5Gの早期全国展開、ポスト5G、6Gの推進
    • 未来社会の実験場としての大阪・関西万博
  3. 人々の間の信頼・接触の回復
    • 海外との人・物の動きの再開
    • 人流をテレワークで、完全には代替できず
    • 国内的にも、観光立国2030年訪日外国人6000万人軌道への回復のためには、人流の回復が不可欠。このための検査体制の拡充と段階的に人流を回復するルールの整備
    • 大規模イベントなどの再開→入場者に検査を課すことによるイベント開催
    • 情報発信の改善
  4. 当面の経済運営の留意点
  5. 金融市場の安定化
  6. 産業再生・事業再構築
    • 中長期的に、不可逆なビジネスモデルの変化、産業構造の変化
    • サプライネットの構築
    • オープンイノベーションの促進→スタートアップ企業への投資
    • 無形資産への投資
    • 接触回避のためのロボット活用(生産現場の自動化。宅配ロボット)
    • 接触を避けるためのキャッシュレス化の推進
    • 中小企業と大企業の共存共栄モデルの確立
  7. エネルギーを巡る課題への対応と今後のエネルギー戦略
  8. 科学・技術イノベーションのあり方
  9. 政府・自治体のあり方
    • マイナンバーの利活用の拡大とこれを活用したオンライン手続の強化
    • 政府のデジタル化・スマート化。→マイナンバーと銀行口座の接続
    • 自治体において共通する事務の標準化。
  10. 国際環境への対応
    • 経済安全保障の強化、セキュリティの強化、安全保障上重要な企業への対応
    • DFFT(Data Free Flow with Trust)に向けたデータ流通等のルール作り
    • 国際協調による自由貿易体制の維持・強化
▼資料2:基礎資料
  • 日本企業に対するアンケート調査によると、ウィズ・コロナ、ポスト・コロナを見据え、「企業戦略を見直した」又は「見直す予定がある」と回答した企業は71%。見直しの内容としては、「持続可能性を重視した経営への転換」が69%と最も多い
  • 日本企業に対するアンケート調査によると、今回の経験を踏まえて、今後注力すべきサプライチェーン上の課題として、「業務プロセスの改革」が必要と考えている企業は、全体の3%。課題の内容としては、業務の標準化・効率化(39.5%)、部品等の購入先の分散化・複数化(22.6%)、部品の共通化・標準化(21.8%)などが挙げられている
  • 2020年6-7月に実施した企業に対するアンケートによると、「テレワークを現在実施している」と回答した企業の割合は、大企業では2%、中小企業では26.2%。一方、「感染拡大以降に実施したが、現在は取りやめた」と回答した企業は、大企業では29.7%、中小企業では26.2%となっている
  • 職種別のテレワークの実施率は、コンサルタント(75%)、ウェブデザイナー(69%)、企画・マーケティング(66%)等の専門職で高く、福祉系専門職(3%)、理美容師(3%)、ドライバー(3%)等のサービス職で低い
  • 職場がテレワークを推奨・義務付けしていない理由を尋ねると、「職場以外でできる業務内容でない」(5%)が最も多い。その他には「セキュリティ上、パソコンや仕事道具を持ち帰れない」(15.3%)、「印鑑などインターネットで完結できない作業がある」(6.9%)が挙げられている。業務に対する考え方の更なる見直し、セキュリティの強化が必要
  • テレワークの拡大もあり、東京23区・東京圏では、通勤時間が半分以上減少した者が3割以上にのぼる
  • テレワークの拡大と通勤時間の減少もあり、2020年4月における平日の就労時間は、2019年平均と比較して1時間23分減少。一方、余暇(+37分)、家事・育児(+28分)、自己啓発・学習(+7分)の時間が増加
  • 2020年5-6月に実施した個人に対するアンケートによると、感染拡大の影響により、「地方移住への関心が高まった」と回答した三大都市圏居住者の割合は、全体の0%。地方移住への関心は、特に20歳代(22.1%)、30代(20.0%)やテレワーク経験者(24.6%)で高まっている
  • 感染拡大に伴い、東京圏への転入超過数は2019年5月の7,729人から、2020年5月には1,267人まで減少。特に東京都や東京23区では、2020年5月にそれぞれ▲1,069人、▲1,314人と転出超過に転じた
  • 企業経営者に対するアンケートによると、東京にオフィスを有する経営者のうち、全体の38%が東京のオフィスを縮小する意向を持つと回答
  • 海外への渡航禁止・自粛により研究に大きな支障が生じている者は、理学では博士課程在籍者の28%、修了・退学者の41%、工学では在籍者の34%、修了・退学者の27%、保健(医学、歯学、薬学等)では在籍者の30%、修了・退学者の34%
  • スイスの世界経済フォーラムは、2021年1月のダボス会議のテーマを「グレート・リセット」とし、今回の危機を契機に、より公平で、持続可能で、強靱な未来を作るため、経済社会の基盤をリセットする必要があると主張
    1. 公平性の確保
      • 今回の危機は、社会の結束、機会の不平等、包摂性の観点で、古いシステムが持続可能でないことを明らかにした
      • グレート・リセットにより、全ての人間の尊厳が尊重される、新たな社会契約を作る必要がある
    2. 第4次産業革命の加速
      • 今回の危機は、第4次産業革命の時代への移行を加速している
      • デジタルやバイオ等の新たな技術が、人間中心であり続け、社会全体に貢献し、全ての人々が公平に利用できるものとする必要がある
    3. 国際協力の回復
      • 今回の危機は、我々がいかに相互に接続しているのかを示した
      • 今後50年の課題を解決するための、スマートな国際協力に関する実効的な仕組みを回復しなければならない
    4. ステークホルダー資本主義
      • 短期から長期志向へ、株主資本主義からステークホルダーとしての責任へと、我々の考え方を変えることが必要
      • 環境、社会、良いガバナンスを、企業や政府の説明責任の一部としなければならない

~NEW~
首相官邸 観光戦略実行推進会議(第38回)議事次第
▼資料1 観光庁資料
  • 富裕旅行者は、欧米豪5ヶ国と中国だけでも、全体の0%の旅行者で消費額全体の11.5%を占める
  • 世界レベルの宿泊施設は、熱烈なファンが存在。ホテルの進出が地域のブランド価値を向上させ、観光地としての魅力にもつながる。顧客を抱える世界レベルの宿泊施設の誘致が有効
  • アクセスが悪くても感動を与えられる何か(自然や文化等)があるか、その土地でしかできない体験か、などが重要。世界レベルの宿泊施設は、上質な体験やそこでしかないコンテンツを用意できる地域に立地する
  • 世界レベルの宿泊施設の誘致は、施設の周囲も含めて良質な自然環境の維持が重要。地域住民の理解を得る必要もある。宿泊施設周辺の自然環境維持のために地方公共団体の協力が必要
  • 海外では、質の高いサービスを求める観光客専門のトラベルエージェントがいて、まだ誰も注目していない特別な旅行先を探している。日本にはまだまだそうした場所が多いという。エージェントが集結するILTM(カンヌ)などのトラベルトレードショーに引き続き参加して、プロモーションを実施することが重要
  • 質の高いサービスを求める観光客を受け入れていくためには、地域の観光の質の向上が必要
  • 世界レベルの宿泊施設の誘致やコンテンツの造成・磨き上げ等を支援していく
  • 我が国の観光は、特定の時期に休暇取得することや、宿泊日数が短いこと等による観光消費額の伸び悩みがある。新型コロナウイルス感染症による社会変化を受け、今こそ休暇分散に取り組む機会
  • Go to トラベルキャンペーンの広報の中で、感染リスクの低減に資する休暇の分散化、ワーケーションなどの新しい旅行スタイルの普及を図る。同時に、観光地や宿泊施設において、「新しい旅行スタイル」を実施するためのコンテンツ整備、受入環境整備を進める
  • 宿泊施設等において、ワーケーション・サテライトオフィス需要に対応するための取組が進んでいる。観光庁は、ワーケーション環境構築のため、宿泊施設へのアドバイザー派遣や、施設改修等を支援
▼資料2 環境省資料
  • 新型コロナウイルスの流行以降、感染リスクの低いキャンプ場等の自然志向の高まりとテレワークの定着が進み、ワーケーションの機運が高まっている。ワーケーションを受け入れるための環境整備を行い、自然の中でクリエイティブに仕事を行うとともに、家族も安心して自然を満喫できる、国立公園等で「遊び、働く」という新たなライフスタイルを示す
  • ワーケーション推進に伴うロングステイとエコツアーの利用促進により、withコロナ時代の地域経済の下支えや平日の観光地の活性化を目指す
  • 新型コロナウイルスの影響により、国内外の観光客が大幅に減少し、国立・国定公園におけるツアーや宿泊等の事業者に大きな影響が生じている。コロナ収束前の段階から、収束後を見据えたツアー準備等に取り組むことで、関係事業者の雇用を維持・確保するとともに、魅力的なツアー等による旅行者数の増加、地域経済の活性化を目指す
  • 上質なサービスを求める旅行者の誘客に向けた取組
    1. 分譲型ホテル等の認可に係る規制緩和
      • 国立公園において分譲型ホテル等を公園事業として認可する規制緩和を実施。2019年9月30日に新たな審査基準を施行
      • 伊勢志摩では分譲型ホテルを認可
    2. 上質な宿泊施設の誘致等
      • 日光では2020年7月15日に上質な宿泊施設が開業
      • 霧島では2021年に上質な宿泊施設が開業予定
    3. 民間事業者と連携したグランピングの実施
      • 阿寒摩周、大山隠岐等の7国立公園において民間事業者と連携し、自然景観や文化、地域の食材、アクティビティ等と組み合わせたグランピングを実施
      • 2020年度にグランピングの補助事業を新設

~NEW~
内閣府 令和2年第13回経済財政諮問会議
▼資料1-1 中長期の経済財政に関する試算(2020年7月)のポイント(内閣府)
  • 中長期的なマクロ経済の姿
    • 成長実現ケースでは、GDP成長率は、感染症の影響による需要不足が解消する過程で伸びが高まるが、中長期的にも、骨太方針2020の実行により生産性が着実に上昇することで、実質2%程度、名目3%程度を上回る成長率を実現。名目GDP600兆円の達成時期は、感染症の経済への影響を見極める必要があるが、2023年度頃となる見込み。できるだけ早く日本経済を正常な軌道に復帰させるとともに、「新たな日常」を通じた「質」の高い経済社会を実現することがデフレ脱却と経済再生のために不可欠
  • 中長期的な財政の姿
    • PBについては、感染症による経済への影響が歳入の鈍化をもたらすため、歳出改革を織り込まない自然体の姿では、2025年度に対GDP比で1%程度の赤字となり、黒字化は2029年度。これまで同様の歳出改革を続ける場合、前回試算と同様に3年程度の前倒しは視野に入るものの、2025年度黒字化のためには、政府歳出に頼らない民需主導の経済を実現し、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとすると同時に、これまで以上の歳出・歳入両面の改善を続けることが重要。公債等残高対GDP比は、2020年度は補正予算の追加歳出の影響により上昇するものの、成長実現ケースでは、試算期間内において安定的に低下
  • 経済の想定
    • 「2020年1-3月期2次QE」及び「令和2年度内閣府年央試算」を反映
    • 潜在成長率の想定として、成長実現ケースでは、TFP上昇率は足元の4%から2025年度までの5年間で1.3%に上昇。ベースラインケースでは、TFP上昇率は将来 にわたって0.7%程度で推移
    • 長期金利は、成長実現ケースにおいて消費者物価上昇率が2%程度に到達する時期が2024年度以降となる見込みであることから、2023年度までゼロ金利が続くと想定
  • 財政の想定
    • 足元の国・地方の財政状況は、「令和元年度国・一般会計決算概要」、「令和元年度地方税収入決算見込額」、「令和2年度第2次補正後予算」等を反映
    • 2021年度以降の歳出は、高齢化や物価・賃金等の経済動向に応じた、歳出改革を織り込まない歳出自然体の姿
▼資料2 中長期的に持続可能な経済成長と財政の実現に向けて(有識者銀提出資料)
  • 中長期試算を通じて、改めて感染症が経済・財政に与えた影響の甚大さが明らかになった。感染症の下で、現在はあらゆる政策を総動員し、できるだけ早く日本経済を正常な軌道に復帰させることが、財政健全化を達成する意味でも最も重要であるが、事態が収束した後を見据え、デフレ脱却と経済再生を実現するとともに、ワイズスペンディング等の経済・財政一体改革に手を緩めることなく取り組み、中長期的に持続可能な財政を実現していくことが不可欠である
  • そのカギは、骨太方針2020に明記された「新たな動きを後戻りさせず社会変革の契機と捉え、少子高齢化や付加価値生産性の低さ、東京一極集中など積年の課題を解決するとともに、通常であれば10年かかる改革を、将来を先取りする形で一気に進める」ことであり、この1年を改革のジャンプスタートを切る年とすべきである
  • また、中長期に経済を成長させていく上では、グローバルな需要をいかに取り込むかが重要課題であり、国際的な連携関係の構築等を今から進めていく必要がある
  1. 誰もが実感できる「質」の高い経済成長の実現
    • 新型感染症を契機に、デジタル化、東京一極の回避、ワークライフバランス等の動きが進み、内外の経済構造や人々の行動変容を大きく変えてきている。こうした影響の程度をしっかり評価しつつ、骨太2020で明記された実行計画と歩調を合わせ、今後の中長期試算においても、成長に当たっての量的規模感のみならず、QOLや満足度、分配も含めた質的な面からも成長を掘り下げられるよう経済展望を示していくべき
    • グローバルな需要を積極的に取り込むことは、中長期的な経済成長を考えるうえで欠かせない視点。世界経済の構図が変わりつつある中、多角的通商体制の維持・発展、デジタル化が進む中でのグローバルなルールづくりや連携関係へのリーダーシップの発揮等を含め、世界経済との連携の仕方について、道筋をつけるべき。短期的には、感染防止を適切に図りながら、国際間の人の移動を、いかに再開していくかの検討が不可欠。PCR検査体制の拡充は、そのための鍵でもある
  2. 経済・財政一体改革の着実な推進
    • 中長期的に持続可能な経済成長と財政を実現するためには、「経済再生なくして財政健全化なし」との基本方針の下、デフレ脱却と経済再生への道筋を確かなものとすると同時に、歳出・歳入両面からの着実な改革を続けていく以外に道はない
    • ワイズスペンディングを徹底すべき。そのためには、現状の歳出が期待した成果を十分にもたらしているかのチェックが不可欠。また、行動変容を促す「見える化」や「先進・優良事例の横展開」、業務改革と民間負担を軽減する「デジタル・ガバメントの断行」、民間活力を引き出す「公的サービスの産業化」を徹底すべき
    • 年後半における経済・財政一体改革の議論に当たっては、優先課題を取り上げ、メリハリをつけて改革を推進すべき
    • 社会保障制度の持続可能性確保は待ったなし。新型感染症を踏まえた制度見直しを含め、団塊の世代が75歳に入り始める2022年までに着実に基盤強化を進めるべき
    • 2021年度予算は、新経済・財政再生計画の基盤強化期間の最終年度予算となる。上記の取組に優先順位をつけて予算のメリハリをつけるとともに、新型感染症の影響にも留意しつつ、制度改革の効果を含め、これまでの取組をしっかり評価・分析していくべき
  3. 年後半における経済・財政一体改革の主な優先課題
    1. 次世代型行政サービスの早期実現
      • 国・地方の業務プロセス・情報システムの標準化
      • 共有化と財源面を含めた国による主導的な支援
      • 地方自治体のデジタル化・クラウド化の展開等
    2. 社会保障
      • 感染症への対応の視点も含めた質が高く効率的で持続可能な医療提供体制
      • 医療・介護分野におけるデジタル化、国際標準化、データ利活用の推進
      • 予防・健康づくりの推進・2022年度までの社会保障制度の基盤強化の推進等
    3. 地方行財政
      • 国・地方が連携し、複数地方自治体による広域的な対応を可能とする公共サービスの広域化・共同化の推進
      • 地方行財政の「見える化」の推進等を通じた先進・優良事例の横展開
      • 地方自治体の業務改革を伴う標準化・デジタル化等
    4. 社会資本整備
      • デジタル化・スマート化を原則とした、抜本的な生産性向上
      • 予防保全の高度化・効率化による長寿命化、集約等を通じた公的ストックの適正化と適切な維持管理
      • PPP/PFIなどの官民連携手法を通じた民間資金・ノウハウの積極活用等
    5. 文教・科学技術
      • アクティブ・ラーニングやGIGAスクール構想、学びの個別最適化に関するEBPMやPDCAの構築
      • 教育研究の定量的成果等に応じた財政支援のメリハリ付けの強化等
    6. エビデンスに基づくワイズスペンディングの推進
      • 歳出に関する成果の検証、国民各層の意識変革や行動変容につながる見える化、先進・優良事例の全国展開、インセンティブ改革等の推進
      • 専門家の知見を活用したEBPMの枠組みの強化
      • EBPMの基盤であるデータの活用を加速するための戦略体制整備等

~NEW~
内閣府 令和2年版高齢社会白書を公表しました
▼令和2年版高齢社会白書(概要版)
  • 高齢化率は28.4%
    • 我が国の総人口は、令和元(2019)年10月1日現在、1億2,617万人
    • 65歳以上人口は、3,589万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は28.4%
    • 「65歳~74歳人口」は1,740万人、総人口に占める割合は13.8%。「75歳以上人口」は1,849万人、総人口に占める割合は14.7%で、65歳~74歳人口を上回っている
    • 令和47(2065)年には、約2.6人に1人が65歳以上、約3.9人に1人が75歳以上
  • 年齢階級別の就業率の推移
    • 年齢階級別に就業率の推移を見てみると、60~64歳、65~69歳、70~74歳では、10年前の平成21(2009)年の就業率と比較して、令和元(2019)年の就業率はそれぞれ13.3ポイント、12.2ポイント、10.4ポイント伸びている
  • 健康寿命は延伸し、平均寿命と比較しても延びが大きい
    • 日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、平成28(2016)年時点で男性が72.14年、女性が74.79年となっており、それぞれ平成22年(2010)年と比べて延びている(平成22年→平成28年:男性1.72年、女性1.17年)。さらに、同期間における健康寿命の延びは、平均寿命の延び(平成22年→平成28年:男性1.43年、女性0.84年)を上回っている
  • 60歳以上の人の約4分の3が心配なく暮らしている
    • 60歳以上の男女に、現在の経済的な暮らし向きについて聞いたところ、「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」が20.1%、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」が54.0%となっており、合わせると約4分の3(74.1%)が心配なく暮らしている
    • なお、平成28年「高齢者の経済・生活環境に関する調査」(内閣府実施。以下「平成28年調査」という。)の結果では、心配なく暮らしているとする割合が6割強(64.6%)となっており、今回調査の方が心配なく暮らしている割合が高くなっている
  • 年齢が上がるほど経済的な不安は少なくなる傾向
    • 60歳以上の男女に、今後の生活で、経済的な面で不安なことを聞いたところ、「不安と思っていることはない」(34.2%)が最も多いが、不安がある場合の内容は、「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎること」(30.8%)、「自力で生活できなくなり、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかること」(26.0%)、「収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなること」(25.8%)の順に多くなっている
    • 性・年齢別に見ると、男女とも年齢が上がるほど、「不安と思っていることはない」とする割合が高くなる傾向にある。また、「収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなること」は、60歳代の男性で特に高く、年齢が上がるにしたがって低くなる傾向が見られる
  • 60歳以上の人の約8割が生きがいを感じている
    • 60歳以上の男女に、現在、どの程度生きがい、喜びや楽しみを感じているかを聞いたところ、「十分感じている」が37.2%、「多少感じている」が42.5%となっており、合計すると約8割(79.6%)の方が生きがいを感じている
  • 幅広い年齢層で、仕事をしている割合が増加
    • 60歳以上の男女に現在の就業状況を聞いたところ、「収入のある仕事をしている」とする者が4割近く(37.3%)となっている
    • また、平成28年調査と比較すると、男女とも、ほぼ全ての年齢階級で収入のある仕事をしている割合が増えている
  • 仕事をする理由は年齢が上がるほど多様化
    • 現在収入のある仕事をしている人に、仕事をしている理由を聞いたところ、「収入がほしいから」(45.4%)が最も多く、続いて「働くのは体によいから、老化を防ぐから」(23.5%)、「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから」(21.9%)の順となっている
    • 性・年齢別に見ると、「収入がほしいから」とする割合は、男性の60~64歳層で特に高いが、男女とも年齢が高くなるに従って就業の理由は多様化する傾向が見られる
  • 働いている60歳以上の人の9割近くが70歳以上まで働きたいと考えている
    • 全国の60歳以上の男女に、何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいか(又はしたかったか)を聞いたところ、「65歳くらいまで」(25.6%)、「70歳くらいまで」(21.7%)、「働けるうちはいつまでも」(20.6%)の順となっている
    • このうち収入のある仕事をしている人は、「働けるうちはいつまでも」(36.7%)が最も多く、次いで「70歳くらいまで」(23.4%)、「75歳くらいまで」(19.3%)、の順となっており、9割近く(87.0%)の人が70歳以上まで働きたいと考えている

~NEW~
内閣府 令和2年版交通安全白書を公表しました。
▼令和2年版 概要
  • 交通事故死者数が大きく減少する中で75歳以上の死者数は微減にとどまる
    • 年齢層別に平成元年と令和元年の交通事故死者数を比較すると、15歳以下の交通事故死者数は約12分の1(623人→52人),16~24歳の年齢層の交通事故死者数は約11分の1(3,156人→276人),25~64歳の年齢層の交通事故死者数は約4分の1(4,787人→1,105人)と大きく減少した。一方,65歳以上の高齢者の交通事故死者数は約3割減少(2,520人→1,782人)に,75歳以上については微減(1,280人→1,192人)にとどまる
  • 保育所等に子供を預けて働く世帯は近年増加傾向
    • 少子化が進み,年少人口が減少する一方,近年の保育所等の施設数及び利用児童数は,ほぼ変動は見られないが,保育所等に子供を預けて働く世帯は、近年増加傾向
  • 未就学児,小学生の交通事故死者数は近年大きく減少
    • 近年,12歳以下の交通事故死者数は,全体として減少傾向。5歳以下については平成20年の44人から令和元年は24人に,6~12歳については52人から21人に減少
  • 未就学児及び小学生とも「歩行中」の死者が最も多い
    • 過去5年間の交通事故死者数を状態別に見ると,未就学児及び小学生共に,「歩行中」の死者が最も多く,それぞれ約6割,約5割を占める
  • 通行目的別に見ると,未就学児は「私用」,小学生は「通学中」の交通事故死者数が多い
    • 状態別に見て最も交通事故死者数が多い「歩行中」の死者数について通行目的別に見ると,未就学児については,買物や遊戯等「私用」が最も多く(66人,84.6%),「通園中」は限られている(8人,10.3%)。一方,小学校低学年については「通学中」の交通事故死者が目立つ。
  • 「歩行中」死者数は,小学1年生は6年生の8倍
    • 過去5年間の小学生の状態別死者数を学年別に見ると,小学1年生の「歩行中」の死者数は,小学6年生の8.0倍
  • 小学1年生は,入学間もない4月よりも5月が第1のピーク
    • 発生月別に「歩行中」死者・重傷者数を見ると,1年生は,入学間もない4月よりも5月が第1のピーク。全年齢層では,年末に向けて増加傾向にあるが,小学生は3~6月及び10・11月が多い
  • 運転免許保有者の高齢化:70歳以上の運転免許保有者は1,195万人
    • 70歳以上の運転免許保有者は,年々増加し続け,令和元年は1,195万人と昭和50年の13万人の90倍弱,昭和61年の80万人の約15倍。運転免許保有者の5%を占める
  • 高齢運転者による死亡事故件数はおおむね横ばい
    • 75歳以上及び80歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は,平成21年にはそれぞれ422件,180件であったものが,令和元年には401件,224件。令和元年は前年と比較して,それぞれ59,28件減少
  • 高齢運転者は車両単独の事故が多い
    • 75歳以上の高齢運転者と75歳未満の運転者について,死亡事故を類型別に比較すると,75歳以上は,75歳未満と比較して,車両単独による事故(工作物衝突や路外逸脱)が多い
  • 高齢運転者はハンドル操作不適の事故が多い
    • 75歳以上の高齢運転者と75歳未満の運転者について,死亡事故を人的要因別に比較すると,75歳以上は,操作不適による事故が28%と最も多く,このうちハンドル操作不適が7%となっている
    • ブレーキとアクセルの踏み違い事故は,75歳未満が全体の0.5%に過ぎないのに対し,75歳以上は7.0%と高い
  • 通行目的別:買物、訪問等が多い一方、職業運転、業務目的も一定割合
    • 65歳以上を中心に,年齢層別に,乗用車について第一当事者の通行目的別死亡事故件数割合を見ると,観光・娯楽,買物,訪問,送迎,通院といった目的での外出時の事故が大きな割合
    • 一方,職業運転,業務目的,出勤・退社等職業生活上の事故も一定割合見られる
  • 駆動補助機付自転車による死亡事故件数の8割以上は65歳以上
    • 年齢層別に,自転車及び駆動補助機付自転車による死亡事故を件数割合で見ると,65歳以上の割合が,駆動補助機のない自転車については増加傾向にあり,駆動補助機付自転車については8割以上と高い割合を占めている
  • 高齢者の人口10万人当たりの交通事故死者数は引き続き減少しているものの,交通事故死者数のうち高齢者は1,782人であり,その占める割合は55.4%と依然として高い
  • 令和元年中の交通死亡事故発生件数を事故類型別にみると,正面衝突等(988件,構成率31.5%)が最も多く,次いで歩行者横断中(735件,構成率23.5%),出会い頭衝突(400件,構成率12.8%)の順で多くなっており,この3類型を合わせると全体の67.8%を占めている
  • 状態別交通事故死者数は,歩行中(1,176人,構成率36.6%)が最も多く,次いで自動車乗車中(1,083人,構成率33.7%)が多くなっており,両者を合わせると全体の70.3%を占めている
  • 歩行中死者数(人口10万人当たり)については,高齢者で多く,特に80歳以上(3.80人)では全年齢層(0.93人)の約4倍の水準となっている。
  • 鉄道交通における運転事故は,長期的には減少傾向にあり,平成11年に904件であったものが,21年には844件,令和元年には605件で前年比10.5%減であった。運転事故による死者数は247人で前年比8.9%減であり,乗客の死者数はゼロであった
  • 踏切事故は,踏切保安設備の整備等により,長期的には減少傾向にある。令和元年は208件で前年比16.8%減であり,踏切事故による死者数は92人で前年比6.1%減であった
  • 令和元年の人身障害事故は346件で前年比10.4%減,死者数は153人で前年比11.6%減,このうちホームから転落して又はホーム上で,列車と接触して死傷する事故(ホーム事故)は,元年は156件で前年比37件(19.2%)減であり,ホーム事故による死者数は28人で前年比8人(22.2%)減であった
  • 我が国の周辺海域において,交通安全基本計画の対象となる船舶事故隻数の推移をみると,第2次交通安全基本計画期間(昭和51~55年度)の年平均では3,232隻であったものが,令和元年では2,053隻となっており,約4割減少した。海難による死者・行方不明者の数は,第2次交通安全基本計画期間の年平均で426人であったものが,令和元年では80人となっており,8割以上の減少となった
    • 令和元年は,海難船舶2,053隻の中で自力入港した639隻を除いた1,414隻のうち,1,196隻が救助され,救助率(自力入港を除く海難船舶隻数に対する救助された隻数の割合)は85%であった。海上保安庁は,巡視船艇延べ2,086隻,航空機延べ369機及び特殊救難隊員延べ242人を出動させ,海難船舶507隻を救助した
    • 船舶事故による死者・行方不明者数,船舶からの海中転落による死者・行方不明者数ともに漁船によるものが最も多く,それぞれ全体の61%,67%を占めている
    • 小型船舶の事故隻数は,1,547隻であり,前年より46隻減少した。これに伴う死者・行方不明者数は50人であり,前年より16人増加した
    • プレジャーボート等の海難船舶1,038隻の中で自力入港した162隻を除いた876隻のうち755隻が救助され,救助率は86%であった
  • 我が国における航空事故の発生件数は,令和元年は13件,これに伴う死亡者数は1人,負傷者数は12人である。近年は,大型飛行機による航空事故は,乱気流等気象に起因するものを中心に年数件程度にとどまり,小型飛行機等が事故の大半を占めている
  • 我が国の航空運送事業者に対して報告を義務付けている事故,重大インシデントに関する情報は,令和元年に16件報告された。なお,我が国の特定本邦航空運送事業者(客席数が100又は最大離陸重量が5万キログラムを超える航空機を使用して航空運送事業を経営する本邦航空運送事業者)における乗客死亡事故は,昭和60年の日本航空123便の御巣鷹山墜落事故以降発生していない

~NEW~
内閣府 男女共同参画局 男女共同参画白書
▼令和2年版男女共同参画白書 概要版
  • これまで「ワーク・ライフ・バランス」では、各個人の、働き過ぎ防止、仕事と生活の調和、仕事と家庭の両立に着目。一方、我が国では、女性が「家事・育児・介護」の多くを担っている現状の中で、「仕事」での働き過ぎだけでなく、「家事・育児・介護」の働き過ぎの影響も考える必要がある。また、共働き世帯の増加など家族の在り方が変化する中で、「家事・育児・介護」において男性が主体的な役割を果たしていくことがますます重要になっている。そこで、今回の特集編では、家事・育児・介護に多くの時間を割いている人にとってのバランスをめぐる状況や家庭内での家事・育児・介護の分担に焦点を当て、あらゆる男女にとってのバランスの推移や現状、課題を整理
  • 「家事・育児・介護」と「仕事」のより良いバランスや分担を考え、見直してみることの意義・重要性を示すとともに、各個人にとってだけでなく、各家庭にとって、さらには社会も含めた最善の分担・配分を考えていく材料を提供。
  • 女性の「家事・育児・介護時間」は若い世代で減少しており、晩婚化や未婚化によるもの。結婚している女性では変わらないか増加
  • 「6歳未満の子を持つ夫婦」で、妻の「家事・育児・介護時間」は、共働き世帯でも専業主婦世帯でも増加。共働き世帯の妻の「仕事等時間」は夫の5割程度
  • 「共働き世帯」の増加の大部分は妻がパート(短時間勤務)の共働き世帯数の増加によるもの
  • 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に反対する者は6割程度に達し、夫婦とも「外で働く」ようになったが、依然として妻が家庭を守る役割、夫が稼得役割を分担
  • 「家事時間」は、単独世帯では男女差がないが夫婦では女性は男性の2倍以上に。「仕事等時間」は、男性は女性の1.3倍(「夫婦+子供世帯」の仕事のある日)「育児時間」は、有業女性は有業男性の2.1~2.7倍(仕事のある日)。就業時間が長いほど夫の育児時間は短くなる。
  • 男性は「育児」を担うか否かで「仕事等時間」に差は無いが、さらに「介護」が加わると、「介護」が無い場合と比較して「仕事等時間」が短い
  • 「食材や日用品の在庫の把握」や「食事の献立を考える」といった「家事・家庭のマネジメント」は、妻が担っている割合が高い
  • 30歳未満の男性介護者で仕事を持つ割合が短期間で大きく低下
  • 外部サービス(家事・育児・介護支援サービス)の利用率は低いが潜在的な利用意向は利用率より高い(介護9%育児33.5.%家事26.3%)
  • 有業者の仕事のある日の「育児時間」や「介護時間」の長さが、生活満足度の低下、ディストレス(抑うつ・不安)の強さにつながる傾向
  • 末子が中学生以降では、希望の働き方を「正社員でフルタイム勤務」とする女性は4~5割だが、実際に末子が中学生以降で「正社員でフルタイム勤務」で働いている人は2割弱
  • 男性に期待されている「仕事」の在り方や男性自身の「仕事」への向き合い方の変革と併せて、男性の「家事・育児・介護」参画を進めることが必要
  • 女性の稼得役割を確保し男性が家族ケアを担えるようにしておくことは家庭単位のリスクヘッジに。家庭内分担のみならず外部サービス等の活用
  • 仕事をしている女性の「仕事のある日」の育児時間が長くなるほど、生活満足度が低下し、ディストレス(抑うつ・不安)が強くなる傾向。男女とも育児時間が特に長い層は、ディストレスが強い傾向
  • 「家事・育児・介護」の負担が女性に偏り、生活の質への影響、就業継続や仕事との両立の難しさにつながっている状況を改善するためには、男性に期待されている「仕事」の在り方や男性自身の「仕事」への向き合い方の変革と併せて、男性の「家事・育児・介護」への参画を進めていくことが必要
  • 女性の「仕事」による稼得役割を確保し男性が家族ケアを担えるようにしておくことは家庭単位で見た場合のリスクヘッジという側面
  • 女子の大学(学部)への進学率は平成期を通じて大きく上昇したが、なお男子より低い。社会人の学びの理由は、仕事のためが男女とも最多。家庭のためは女性が男性より多い。教員に占める女性の割合は、教育段階が上がるほど、また上位の職になるほど低い傾向がある
  • 研究者に占める女性の割合は緩やかな上昇傾向にあるが、6%と諸外国と比べて低い。研究者の大半を占める工学・理学分野の女性研究者割合が特に少ない
  • 過去10年間に、65歳以上の就業者数は女性7倍、男性1.5倍、65~69歳女性の就業率は12.3%ポイント上昇。65歳以上の雇用者は女性の8割以上、男性の7割以上が非正規雇用
  • 平成15年以降、同水準で推移。ひとり親世帯のうち8%が母子世帯。母子世帯の37.6%が年間所得額200万円未満、45.1%が生活を「大変苦しい」と実感。離婚相手から養育費を受けているのは、母子世帯で24.3%、父子世帯で3.2%
  • 配偶者からの暴力について、女性の3割、男性の2割に被害経験あり。複数回あった者の割合は女性が8%、男性が4.8%。女性の4割、男性の7割がどこ(だれ)にも相談していない。配偶者暴力相談支援センターは、全国287か所。センターへの相談件数は年間10万件を超える高水準で推移
  • 配偶者暴力相談支援センターは、全国287か所。センターへの相談件数は年間10万件を超える高水準で推移。配偶者暴力防止法に基づく保護命令件数は、1,591件(令和元年)
  • 令和元年のストーカー事案の相談等件数は2万912件、ストーカー規制法違反の検挙件数は864件でいずれも昨年より減少。令和元年の強制性交等の認知件数(1,405件)は前年に比べて増加、強制わいせつの認知件数(4,900件)は前年に比べて減少。令和元年の検挙件数は児童買春事犯784件、児童ポルノ事犯3,059件でいずれも前年に比べて減少

~NEW~
内閣府 子供・若者白書について
▼令和2年版 子供・若者白書(概要版)
  • 子供・若者の意識と求める支援について
    • 他者との関わりについて、「家族・親族」や「学校で出会った友人」との関わりが強く、困難経験が改善したきっかけについても「家族や友人の助け」と考える者が多いこと
    • 公的な支援機関や専門家から支援を受ける場合に求める支援の形態について、様々なニーズがあることがうかがわれるとともに、メールやSNSによる相談を求める者が多いこと
    • 困難を抱えたまま、誰にも相談したり、支援を受けたりしたいと思わない者が一定割合いること
    • 困難改善経験があった者は、ほかの者に比べて社会参加への意識が高いことがうかがわれること
  • 「今の生活が充実していると思いますか。」という質問に対する回答を見ると、「充実している」又は「どちらかといえば充実している」と回答した者の割合は68.9%であり、「充実していない」又は「どちらかといえば充実していない」と回答した者の割合の31.1%より高い結果となった。年齢区分別でみると、「充実している」又は「どちらかといえば充実している」と回答した者の割合は、年代が若いほど高くなっており、13~14歳(83.6%)が最も高い結果となった
  • 「自分自身」、「家族・家庭」、「学校」、「仕事・職場」のうち、困難経験の主な理由として特に影響が強かったと思うことについて尋ねたところ、全体で最も高いものは「自分自身の問題」(66.8%)であり、次いで高いものは、順に「学校の問題」(29.6%)、「家族・家庭の問題」(26.9%)、「仕事・職場の問題」(23.9%)という結果となった
  • 調査対象となった子供・若者のうち約半数が、今までに、困難経験があったと思うと回答しており、その経験の理由については、人付き合いが苦手、何事も否定的に考えてしまった、悩みなどを相談できなかったなど、自分自身の問題の影響が特に強いと思っている者の割合が高い結果となった
  • 支援を受けた中で最も役に立ったと思う専門職については、「学校の先生」(23.8%)、「医師や保健師などの医療関係者」(14.4%)、「スクールカウンセラー」(13.1%)、「臨床心理士や各種カウンセラー」(7.7%)などが高い結果となった。一方、「効果があったものはない」との回答も全体では30.4%を占める結果となった。年齢区分別でみると、「学校の先生」は全体と比べ、13~14歳(38.3%)が10ポイント以上高く、25~29歳(13.0%)は10ポイント以上低くなっている。なお、25~29歳では、「医師や保健師などの医療関係者」が19.7%と最も高い結果となった
  • 年齢区分別でみると、15~19歳においては、「メールで相談する」(30.2%)よりも、「SNSで相談する」(32.2%)の方が割合が高い結果となった
  • 公的な支援機関や専門家から受ける支援の形態については、全体として様々なニーズを子供・若者が持っていることがうかがわれる結果となったが、他の項目と比べて、メールやSNSでの相談を求める者の割合が高い結果となった。年齢別に見ると15~19歳については、SNSでの相談を求めている者の割合が最も高い結果となった。一方で、困難経験を抱えたまま、誰にも相談したり、支援を受けたりしたいと思わないという子供・若者も一定割合いる結果となった
  • 「社会のために役立つことをしたい」及び「ボランティア活動に興味がある」との質問に対する回答については、困難経験があり、困難改善経験があった者のグループが、他のグループに比べて、いずれも顕著に高く、社会参加への意識が高い傾向がうかがわれる結果となった

~NEW~
内閣府 少子化社会対策白書
▼令和2年版 概要
  • 少子化をめぐる現状
    • 総人口は、2019年で1億2,617万人
    • 年少人口(0~14歳)、生産年齢人口(15~64歳)、65歳以上人口は、それぞれ1,521万人、7,507万人、3,589万人となっており、総人口に占める割合は、それぞれ12.1%、59.5%、28.4%
    • ・2019年の出生数は、86万5,234人となり、過去最少(「86万ショック」)。※将来推計人口の出生中位推計(90万4,342人)と出生低位推計(82万1,121人)の間に位置。・2019年の合計特殊出生率は、1.6と、全円より0.06ポイント低下
    • 諸外国(フランス、スウェーデン、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア)の合計特殊出生率の推移をみると、1970年から1980年頃にかけて、全体として低下傾向となったが、1990年頃からは、合計特殊出生率が回復する国もみられる。ただし、2010年頃からはそれらの国々の出生率も再び低下傾向にある
    • アジアの国や地域について、シンガポール、香港、台湾、韓国の合計特殊出生率の推移をみると、1970年の時点では、いずれの国や地域も我が国の水準を上回っていたが、その後低下傾向となり、現在では人口置換水準を下回る水準
    • 2019年の全国の合計特殊出生率は1.36であるが、47都道府県別の状況をみると、これを上回るのは36県。合計特殊出生率が最も高いのは沖縄県(1.82)、次は宮崎県(1.73)。最も低いのは東京都(1.15)、次は宮城県(1.23)
  • 深刻さを増す少子化
    • 2019年の出生数は90万人を割り込み、「86万ショック」とも呼ぶべき状況。合計特殊出生率も1.36と前年から0.06低下した。危機的な少子化の進展が浮き彫りになる中、深刻さを増す少子化の問題は、社会経済に多大な影響を及ぼし、新型コロナウイルス感染症を乗り越えた先にも存在し続ける国民共通の困難である。この困難に真正面から立ち向かい、子供や家族が大事にされる社会への転換が急務である
  • 新たな大綱における主な施策
    • 少子化の背景には、核家族化の進展など家族を取り巻く環境の多様化や、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っている
    • こうした少子化の問題に取り組むための基本方針として、2020年5月29日に新たな少子化社会対策大綱を閣議決定した。新たな大綱では、基本的な目標として「希望出生率1.8」の実現を掲げ、そのための具体的な道筋として、結婚支援、妊娠・出産への支援、男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備、地域・社会による子育て支援、多子世帯への支援を含む経済的支援など、ライフステージに応じた総合的な少子化対策に大胆に取り組むこととしており、具体的に、以下の施策などを盛り込んでいる
      1. 結婚支援…地方公共団体が行う総合的な結婚支援の一層の取組を支援
      2. 妊娠・出産への支援…不妊治療の費用助成を行うとともに、適応症と効果が明らかな治療には広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充
      3. 男女共に仕事と子育てを両立できる環境の整備…男性の育休取得促進策を講じた上で、育児休業給付について、その充実を含め、効果的な制度の在り方を総合的に検討
      4. 地域・社会による子育て支援…保護者の就業の有無等にかかわらず多様なニーズに応じて、全ての子育て家庭が、それぞれが必要とする支援にアクセスでき、安全かつ安心して子供を育てられる環境を整備
      5. 多子世帯への支援を含む経済的支援…児童手当について、財源確保の具体的な方策と併せて、子供の数や所得水準に応じた効果的な給付の在り方を検討
    • さらに、新型コロナウイルス感染症は、安心して子供を生み育てられる環境整備の重要性を改めて浮き彫りにしており、非常時の対応にも留意しながら、事態の収束後に見込まれる社会経済や国民生活の変容も見通しつつ、取組を進めることとしている
    • 新たな大綱に基づく施策の具体化に速やかに取り組み、個々人の結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む隘路の打破に強力に取り組んでいく
  • 男性の育児を目的とした休暇・休業の取得に関する現状
    • 育児休業【平成30年度雇用均等基本調査(厚生労働省)の結果より】
      • 男性の育児休業取得率は6.16%(2018年度、女性は82.2%)。取得日数は「5日未満」が最も多い36.3%で、2週間未満の取得者が7割を超える
    • 配偶者の出産直後の男性の休暇取得【男性の子育て目的の休暇取得に関する調査研究(内閣府,2019年度)の結果より】
      • 配偶者の妊娠中から出産後2か月以内の休暇取得の実態:配偶者の出産後2か月以内に半日又は1日以上の休み(年次有給休暇、配偶者出産時等に係る特別休暇、育児休業等)を取得した男性の割合は58.7%
      • 休暇を取得した父親の職場の特徴:末子の出生後2か月以内に休暇を取得した者の割合は、「300人以上」の大企業に勤務する者で66.4%、「官公庁・その他」に勤務する者で66.5%と高いが、「30人未満」の小規模な企業では42.0%と低く、勤務先の従業員規模による差が大きい。また、休暇取得促進のために必要なこととして「休暇の取りやすい職場」が最も多く挙げられており、職場環境整備の重要性が示唆された
      • 休暇を取得した父親の家庭の特徴:休暇取得のきっかけは「日ごろの配偶者との会話」が43.5%、「配偶者からのリクエスト」が32.8%となるなど、配偶者とのコミュニケーションが重要な要素となっている
      • 父親の家事・育児への参画意識:出生前の男性の家事・育児参画に関する意識については、男性の家事・育児参画に肯定的な者が大半である

~NEW~
内閣府 令和2年版障害者白書
▼令和2年版 概要
  • 雇用・就労の促進施策
    • 公務部門における障害者雇用について:公務部門において障害者雇用の不適切計上及び法定雇用率の未達成状況が明らかになったことを受け、政府一体でこの事態に対応するため、事態の検証等を踏まえて策定された「公務部門における障害者に関する基本方針」に基づき、法定雇用率の速やかな達成等のための取組を進めた。具体的には、各府省からの専門的・技術的な相談に対応する専門アドバイザー等の設置、障害者を雇用する際に必要な基礎知識や支援策等を整理したマニュアルの策定、各府省が行う特別支援学校等と連携した職場研修の実施支援や職場定着に関する相談窓口の設置等の取組を推進また、公務部門における障害者の活躍の場の拡大に関する措置や、短時間であれば就労可能な障害者の民間における就業機会の確保の促進等のため、「障害者雇用促進法」を改正
    • 障害特性に応じた雇用支援策の充実:ハローワークに配置した専門の相談員による求職者へのきめ細かな相談支援や事業主に対する支援、就職や職場定着のために必要な支援等の情報を共有するための「就労パスポート」の作成等
    • 障害のある人への地域における就労支援:身近な地域での就業面及び生活面の一体的な支援の実施、福祉的就労から一般就労への移行等の支援
    • 障害者の就労支援における農福連携:農業分野に取り組もうとする就労継続支援事業所等に農業分野の専門家を派遣し、農業に関する知識・技術習得や販売・加工の助言・指導等を実施。また、全国的な機運の醸成を図り、今後強力に推進していく方策を検討するため、「農福連携等推進会議」を設置し、「農福連携等推進ビジョン」を策定
  • 障害のある人の住みよいまちづくりと安全・安心のための施策
    • 移動等の円滑化の一層の推進
      • バリアフリー法の改正:移動等円滑化に係る「心のバリアフリー」の観点からの施策の充実などソフト対策を強化するため、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」を改正
    • ユニバーサルデザインの考え方を踏まえたバリアフリー施策の推進
      • バリアフリー法に基づく心のバリアフリーの推進:「バリアフリー教室」の全国各地での開催、鉄道利用者への声かけキャンペーン等の啓発活動の推進、障害のある人等が公共交通機関を利用する際等の支援、接遇を的確に行うための研修プログラムやマニュアルを事業者に向けて作成、教育・研修を促進
    • 建築物のバリアフリーの推進
      • ホテル・旅館のバリアフリー化 ホテル・旅館におけるバリアフリー化を促進するため、「建築設計標準」を改正
    • 公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化の推進
      • 鉄道におけるバリアフリー化:2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、バリアフリールートの複数化、エレベータの大型化やホームドアの設置等のバリアフリーの高度化を推進。新幹線における車椅子用フリースペース(仮称)の創設や車椅子対応座席の予約方法の改善等について中間とりまとめ
    • 防災、防犯対策の推進
      • 110番アプリシステム 聴覚に障害のある人等、音声による110番通報が困難な人が、スマートフォン等を利用して文字等で警察に通報できる「110番アプリシステム」を全都道府県警察に整備し、運用を開始
  • 障害のある人の情報アクセシビリティを向上するための施策
    1. 情報アクセシビリティの向上
      • 障害のある人や高齢者等がICT機器の利用方法を学ぶことのできる「デジタル活用支援員」の仕組みの検討等を内容とする「デジタル活用共生社会実現会議報告」を取りまとめ
    2. 読書バリアフリー法の制定
      • 障害の有無に関わらず、全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に向けて、視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進するため、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」が成立
    3. 情報提供の充実
      • 日本銀行券の券種の識別性向上に向けた取組 日本銀行券について、偽造抵抗力強化の観点に加え、視覚に障害のある人が触った時や見た時に券種の区別をしやすくする工夫を施す等のユニバーサルデザインの観点も踏まえ、新たな様式で発行するための準備に着手
    4. コミュニケーション支援体制の充実
      • 電話リレーサービス 聴覚に障害がある人が家族などに頼らずに電話をかけられるよう、手話通訳や文字通訳に対応するオペレーターを配置して支援する「電話リレーサービス」を推進。公共インフラとしての電話リレーサービスを実現するため、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」が成立
  • 新型コロナウイルス感染症への対応
    • 社会福祉施設等における各種サービスの継続的な提供のための感染拡大防止に向けた取組や視聴覚障害者等に対する障害特性を踏まえた情報提供の配慮を地方自治体に要請。加えて、障害のある人の雇用の維持等を事業者団体に対して要請
    • 特別支援学校等を含めた学校における安全確保のため、保護者、教職員等に対する感染症対策の対応に係る情報の周知・指導を教育委員会等に依頼。また、学校設置者に対して感染拡大防止の観点からの全国一斉の臨時休業を要請。その後、学校再開に向け、児童生徒等の感染リスクを低減するための取組の参考になるよう衛生管理マニュアル等を作成

~NEW~
消費社庁 消費者のデジタル化への対応に関する検討会
▼消費者のデジタル化への対応に関する検討会報告書
  • デジタル時代 への消費者の向き合い方
    1. 各世代のデジタル技術の習熟度や使い方の差が今後は消費者の価値観や行動に非連続な変化を起こしていく。例えば今後の消費をけん引するミレニアル世代(1981年~1997年生まれ)はそれ以前の世代と比較して消費に対する価値観も大きく異なっている。それ以前の世代はモノに対して活発に消費が行われていたのに対して、ミレニアル世代はイベントへの参加など共感や体験といったコトの実現に価値を見出し、社会への貢献やつながりを重視して自らの仕事や購入する商品に「目的」を求める。2010年代以降に生まれ今後育ってくるアルファ世代は、無意識に望んでいることをAIが先回りして提案する環境で物心つく時から育つために、日常生活における思考及び行動のパターンやそれに伴って遭遇する消費トラブルの内容も根本的に変化する可能性がある
    2. 消費者の購買履歴や趣味嗜好、信用度といった多様な個人データの活用がビジネスに大きな影響を与えるため、消費者取引の様相が多様化・複雑化すると見込まれる。多方面での活用可能性がある一方で、企業による目的外利用やAIが処理することによるデータ取扱いのブラックボックス化への懸念が指摘されており、個人データ活用における消費者の信頼醸成が重要課題になると見込まれる
    3. デジタル時代には、消費者が個々に実現したい価値・コトを、様々な企業が業界の枠を超え連携してサービス提供していくと考えられる。これまでの大量生産・大量消費時代では、消費者と対峙するのは各産業において市場に対して商品を提供する事業者であったが、今後は産業を超えて様々な商品・サービスを一括して提供するより大きな「エコシステム」へと変化すると考えられ、消費者がそれにどのような姿勢で対峙するか、評価軸・評価基準を構築することが課題となる
    4. 人と機械の関係性が多様化することにより、人間が行ってきた作業がAIやロボットによって自動化され効率化する領域と、人の創造性が価値を生み出す領域とが出現し、消費者に対するインターフェースも人(アドバイザー、インフルエンサー等)が対面するものとAIが機械的に処理するものとに二極化される。供給側の体制も再編されて、供給側に求められる人材像が変化し、アパレル企業であればプロのスタイリストやブランドイメージを訴求するインフルエンサー、顧客とコミュニケーションに秀でた人材が必要となり、更にデジタル化・自動化を進める上でAIなどのデジタル技術を活用できる人材が今以上に求められる
    5. 消費者が求める消費の在り方・態様がポストコロナ時代の新たな生活様式を踏まえたものに変化する。従来の大量生産・大量消費から、今後は消費の態様はモノの消費から利用へと転換し、デジタル技術を使ったシェアリング、サブスクリプション型サービスなどの新しいビジネスモデルの普及が進むほか、消費の客体が家での生活を楽しむための生活スタイルに適したもの(オーダーメイドのインテリア等)に変化すると考えられる
  • デジタル時代における消費者への普及啓発の在り方
    • PR(パブリック・リレーションズ)とはテレビや新聞や雑誌の広告媒体を購入して宣伝するのではなく、発表した内容や情報自体がひとりでに広がっていくことを指す。高コストの広告よりも安価で、メディアや口コミの力で拡散するPRは広報予算が限られている消費者庁等にとっては有効な手段である。その活用のためには、PR用のリリース内容について大量の情報をただ発信するのではなく、メディア等に興味を持ってもらえる情報となるよう「情報開発」の観点から文脈やコンテンツを工夫・加工し、その取り上げ方自体がニュースになり広がるような発表の仕方を戦略的に行うことが重要である
    • PRプラットフォームサービス(PR TIMES等のプレスリリース配信サイト)の活用を検討すべきである。こうしたサービスにリリース情報を入れると、記者や専門家、マスメディアやWEBメディアなどの媒体に配信されて多数のサイトに届き広がるため、情報の発信を効率的・効果的に行うことができる。またデジタルメディアは多様化・セグメント化が進んでおり、普及啓発の対応メディアの多様化等も必要である
  • 認証制度においては、プラットフォーマーが遵守すべき事項として以下のような内容を認証時の審査事項としている。具体的には、
    1. 連絡手段を利用者に登録をしてもらうこと。特に安全性や適法性が要求されるものについては公的身分証で本人確認を確実に行うこと
    2. 利用規約を明確に定めること。利用規約違反があった場合には利用停止等の処分を行うこと。この中にはパラメーターの変更等についての透明性の確保措置が含まれる
    3. サービス提供の実施に先立ち、利用者間で直接相互に連絡あるいは問合せ等を行えるような機能を提供していること
    4. 個人間の取引において相手方が本当に信頼できるのかを担保する仕組みとして、レーティング、評価制度を導入し、取引相手に関する事後評価機能が備わっていること
    5. トラブル防止及び相談窓口として、利用者から問合せ等がある場合の窓口の設置やその際の体制・対応プロセスを定めていること。トラブル解決のサポートについては、当事者間でのトラブル解決を基本とするのではなく、トラブルの解決に向けて、プラットフォーム側も解決に資するような取組を積極的に実施する観点から、「類型的に発生するトラブルについて、その解決事例がある場合にはFAQに分かりやすく提示するなど解決に資する仕組みを整えることが望ましい」としている
    6. 情報セキュリティとして、プラットフォーム側で個人情報を管理するための情報の適正な取扱いについて体制整備等を行っていること
  • デジタルプラットフォームを介した取引については、「デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会」での検討を注視しつつ、当面消費者は以下の事項について注意すべきである
    1. 取引相手が事業者か個人かを確認すること。個人間取引(CtoC)の場合は、相手も不慣れであったり、提供される商品・サービスの質が事業者に比べて均一でなかったりする点に注意が必要である
    2. 取引相手や商品・サービスが信頼できるものか評価・レビューを確認すること。フリマの場合は事前に質問してみることもトラブル予防になる
    3. 取引相手との連絡方法があるかを確認すること。ない場合にはプラットフォームの相談窓口の連絡先や連絡方法も確認しておくべきである
    4. トラブル発生時の運営事業者の対応について利用規約を確認すること。利用者間のトラブルに介入しないとされている場合、トラブル解決が困難なケースがあることをあらかじめ理解して取引に臨むべきである
    5. 補償制度の有無や補償の範囲・条件を確認すること。なお、補償の際の対応は事業者により差があり、個々の事情によっても異なってくることに留意すべきである
    6. 禁止事項を遵守すること。フリマなどで商品受け取り前に評価するよう持ちかけられても応じてはいけない。またプラットフォームを介さずにSNS等で直接取引してはならず、決済方法に銀行振込を持ちかけられても応じてはいけない。違反した場合には問題が発生しても返金されることが困難になる
    7. 未成年者の利用に注意すること。取引金額が少額の場合には小遣いの範囲(自由に使えることができるお金)だとして未成年者取消権が認められないことがある。保護者のクレジットカードやキャリア決済等の管理が十分でない場合に子供が勝手に使ってしまうことに注意が必要である
    8. その他サービスの種類に応じたトラブル防止対策を行うこと。民泊は届出住宅かを確認すること。フリマサービスの出品の場合には追跡可能な輸送方法の選択や、エスクローサービスが設けられている場合にはこれを利用すべきである
    9. 何か困ったことがあれば迷わず速やかに消費者ホットライン(3桁の電話番号188。年末年始(12月29日~1月3日)を除いて原則毎日利用可能)に電話し、最寄りの消費生活センター又は消費生活相談窓口に相談すること
  • SNSのサービス特性によって起きているトラブルの内容に差があるが、例えば、SNS上の現金プレゼント企画として、投稿者のアカウントを登録してくれたらお金をプレゼントするとした広告を掲示して、登録をした人達に「お金が欲しいならこういうノウハウがある」と情報商材を売り込むケース、「副業」「ネットビジネス」といったワードを検索した者に対して仮想通貨でもうかる方法を教えるという広告をSNS上で掲示するケースがある。後者について、SNSではタグ検索が頻繁に用いられており、例えば「♯副業探してます」というタグの場合、少なくないケースで、ノウハウを知りたい者を自らのサイトに誘導し、コンタクトを取ると「個別にクローズでやり取りしましょう」としてSNSを用いてセミナーの勧誘やツールを売りつける手口が典型的な手口である
  • 特に健康食品等の定期購入トラブルは消費生活相談の件数も近年急増しているところ、そのほとんどは特定の事業者がトラブルを起こしていることが多い。業界団体に入らずバーチャルオフィス等を使っているような事業者がSNS広告を用いてトラブルを大量に引き起こしているものと思われる
  • 業界団体でも被害をなくしていくための取組は始まっているが、消費者側でも被害から自分の身を守るために、SNSの利用に当たっては以下の事項について注意すべきである
    1. SNSに表示された広告を不用意にクリック(タップ)すると、広告の商品とは関係のないサイトに接続されることがあり、SNS広告から購入画面に直接遷移するケースもあることに注意する
    2. 個人情報の提供について同意した場合、SNS上での閲覧・投稿履歴や位置情報等が、SNSに表示される広告の選定等のために利用されることを認識する
    3. SNS上の広告やSNSを通じた連絡などがきっかけとなって被害に遭うことがあることを認識する
    4. 実際に会ったことのない「知り合い」の話はすぐに信用せず、慎重に対応する
    5. SNS上の疑わしい広告は信じず、無視する。SNS上の広告に関しては、悪質事業者が「今日で売り切れます」、「誰でも簡単に楽して稼げます」などの安易なキーワードを多用しており、そういうものを安易に信じない
    6. 広告表示をブロックするアプリの利用を検討する
  • キャッシュレス決済については、デジタル化によるキャッシュレス決済手段の多様化・重層化に伴い、以下のような課題が出現している
    1. 後払い決済(コンビニ払い)については、クレジットカードが利用できないような信用レベルの低い事業者による販売にも利用されており、後払い決済サービス事業者において加盟店を適正に審査し管理する能力が十分でないにもかかわらず当該事業者との取引を継続・推進していたり、消費者への過剰与信や第三者による不正利用を防止する取り組みや消費者への対応が十分に行われていない
    2. キャリア決済については通信事業者の苦情相談への対応が協力的でないことから、相談あっせんが不調に終わる事例が少なくない
    3. ブランドデビットやブランドプリペイドについては、消費者はクレジットカードと同じ感覚で使用できる一方で、クレジットカードにある抗弁接続(販売業者に対して契約の解除や無効など支払を拒否できる事情がある場合にクレジットカード会社にもその旨を主張できる制度)などが適用できないため、割賦販売法により手厚い消費者保護が図られるクレジットカードに対し、ブランドデビットやブランドプリペイドの発行者などの対応が不十分になっている
    4. キャッシュレス決済に係る一部の支払手段や決済代行会社については、法律の根拠があいまいなものや、適用される規制・制度がないものがあり、法律に基づく紛争解決が困難な事案が増加している
  • こうした課題については消費者のキャッシュレス決済に関する知識が十分でないことが考えられ、キャッシュレス決済に関係する者全てが適正な取引のために一定の役割を果たすよう、当面の対応としての以下の事項など、制度整備も含めた環境整備が必要である
    1. キャッシュレス決済の重層化により紛争解決・被害救済が困難になっていることを理解し、消費者がキャッシュレス決済を用いる際には自らが仕組みを理解できる手段に絞り、仕組みの分からない決済手段は利用しないよう心掛けるべきである
    2. 全ての世代の消費者がキャッシュレス決済に関する知識を身に付け、情報セキュリティの観点では、自らの情報管理が十分でない消費者が集中的に狙われているという状況を認識すべきである
    3. 若年者層は家計や支出の概念も理解して毎月の支払額を常に確認するほか、簡単な手続で支払いができる場合でもそれにより多重債務に陥るおそれがあることを認識すべきである
    4. 行政が決済代行業者や立替払事業者など、事業者(売主)と消費者(買主)との間の決済取引に関わっている全ての者の実態と役割を調査して明らかにした上で、消費者向けにガイドブックその他の啓発資料を作成して分かりやすく情報提供すべきである
    5. キャッシュレス決済が関係する消費者生活相談が円滑に行われるよう、消費者行政関係者、具体的には消費生活相談員等へのキャッシュレス決済の仕組みに関する教育の強化、専門人材を育成すべきである
  • AIについては、データを大量に集めて蓄積し処理(比較)をするディープラーニングなどの手法を用いて多様な産業に導入されつつあり、消費生活でも例えば音声認識機能を搭載したスマートスピーカーやスマートフォンを使って声で家電を操作することなどが可能となっている。また、いわゆる個人情報に加え、IoT機器やセンサー等を通じて収集されたデータを活用したサービスは今後急速に消費者生活に浸透してくると見込まれる。膨大な情報・データの取扱を消費者個人の自己責任に委ねるのは時期尚早である。個人データを用いることで、企業の人事採用や個人への与信、犯罪予測等にも利用されることにより不平等や差別が発生するおそれがある。個人の尊厳にかかわることがブラックボックスであってはならず、自分のデータは自分のものとして自分で管理することが重要であり、今後の消費者政策の課題として重要になる
  • 新しい技術については利便性とリスクの双方を評価する必要があり、例えば自動運転で買物に出かけることができれば買物弱者の救済に資する一方で、ハッキングにより運転中に不正操作されれば事故につながるおそれがある。AIによる病気の診断には医療過誤が生ずる恐れが、AIによるインフラの異常検知でもAIが異常を見逃す恐れがあり、AIは決して万能の存在ではない
  • そのため消費生活へのAIの本格普及期に当たり、イノベーションを促進しながら、消費者がAIを有効に利活用するためにどういう方策が有効なのか、消費者の利便性向上と消費者保護のバランスを図った社会のルールの在り方等について検討しておく必要がある
  • 今後登場する新たなデジタル機器・サービスについても、AIと同様の課題を指摘することができよう。働き方改革を進め創造的な仕事ができる、生活の質を高めるなど、デジタル化によるメリットは数多い。消費者保護の枠組みは、事業者に対し説明義務・表示義務を課し、違反行為があった場合に罰則を適用することが一般的ではあるが、消費者としてもデジタル機器・サービスに関する仕組みについて最低限のことを理解した上で、それらを消費生活に取り入れることの利便性とリスクの双方を公平・客観的に評価し、自らの責任の下で賢く利用することが望まれる
  • ネットワーク上を数多のデータが流通してその真正性や適格性を検証することが困難になり、AIその他のデジタル機器の動作が一般の消費者には理解困難になるなど、デジタル化により社会の複雑化が加速している。そのため、人間の処理能力を超えるような情報を自分で処理しようとするのではなく、信頼できる存在に自らの判断を委ねる、情報処理を分業できるような存在・手法を見出すことが、消費者が新たなデジタルサービス等を賢く利用するために望まれる。事業者側からはそうした信頼性(trust)を保証するための技術開発が進められているが、消費者側も事業者側の取組に依存するのではなく、自らの判断を委ねることのできる信頼できる存在があることが望ましい
▼(別添1)デジタルプラットフォームを介した取引の利用者向けガイドブック
  • 匿名配送は、出品者と購入者がお互いの氏名・住所・電話番号等の個人情報を知らせることなく取引をすることができることから、プライバシーに配慮した安心な配送方法として活用することが考えられる。なお、出品者においては、出品数等に応じ、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号。以下「特定商取引法」という。)の事業者に該当する場合は、同法の規定に基づき、氏名、住所及び電話番号等の表示が求められる可能性がある
  • これまで、商品のイメージが違う、届いた商品に不具合がある等の消費生活相談が寄せられている。そのため、購入しようとする商品等の全体像や特徴(傷等がある場合はその部分)について、明瞭な写真や商品説明が掲載されているかどうか確認することで、購入者自らの求める品質・数量等が確保されているか否かを確認することが望ましい。また、商品写真がほかから盗用等されているケースがあるが、このような商品は偽造品・模倣品や出品者本人の手元にない商品である可能性が考えられるので、そのようなケースが疑われる商品には注意が必要である
  • 最近では、出品者が要冷蔵の商品を常温配送で購入者に送るケースがみられるが、これは商品のあるべき品質が保てず、毀損の原因となる。こういった誤った配送方法は、トラブルの原因となり得るので、そのような商品を選択しないことが望ましい
  • 出品者にも様々な者がおり、品質管理、問合せ対応等の面における対応力に較差があること等について、購入者は、落札等の手続に入る前の段階で十分に認識することが重要である。また、インターネットオークションの場合においては、ほかの購入者と競り合う状況になったとしても、自身の支払能力等を考慮し、冷静に判断すべきことを認識しておくことも重要である
  • 昨今、インターネットショップのサイトのぜい弱性等が狙われたクレジットカード番号の漏えい被害が増えていることから、消費者庁として、経済産業省と共同で、令和2年2月に注意喚起を行ったところであり、また、フィッシングによるものとみられる被害も増加傾向にある。プラットフォーム事業者のウェブサイトのセキュリティ水準に不安がある場合は、必要に応じて問い合わせるとともに、クレジットカード会社のWEB明細やアプリの利用履歴を適切に確認することが重要である。仮に、クレジットカードの利用明細や利用履歴に覚えのない利用の記載があった場合には、すぐにクレジットカード会社に連絡することも必要となる
  • エスクローサービスは、プラットフォーム事業者が代金の支払及び商品等の提供に関与することにより、代金を支払う購入者に安心感を与え、当該プロセスにおける消費者トラブルの抑止に極めて有効である。プラットフォーム事業者において当該サービスを導入しているかについては、ユーザー登録の段階において事前確認をすることも考えられるものである。ただし、エスクローサービスの導入の有無は、あくまでもプラットフォーム選択のオプションにすぎないことに留意されたい
  • なお、エスクローサービスを導入しているプラットフォームの場合、出品者からエスクローサービス(又はプラットフォーム事業者から指定された支払方法)とは別の支払方法を求められても、決して応じてはならない。これに応じてしまうと、二重支払等詐欺被害の原因となり得る。実際、プラットフォーム事業者において設定した方法以外で支払を進めたこと(出品者の銀行口座に直接振り込む等)による消費者トラブルも寄せられている
  • 出品者等と購入者の相互の信頼関係の下で安全・安心で公正な取引を成立させていく観点から、プラットフォーム内の秩序の安定確保を当事者自身が担っていることを認識し、評価を記載する際には真実を記載することや誠実な評価をすることが重要である
  • トラブルが発生した場合、まずは相手方と丁寧な交渉を行うことが必要である。まれに購入者の問合せ等に対する出品者の回答があった場合で、その後購入者が全く対応しない(又は誠実に対応しない)という事例があるが、そのような行為は、その後のトラブル解決手続において不利益を被る可能性がある
  • また、自らトラブル解決に向けて最後まで対応する考えの方もいると想定されるものの、事案や個人の対応能力により限界があり得ることから、少なくとも、プラットフォーム事業者への相談先や、補償サービスの概要・利用時の要件等を的確に活用できるかを確認しておくことが重要である。なお、一部のプラットフォーム事業者においては、カスタマーサービスの観点から、相談対応や補償サービスの提供の対応をしている
  • 特定商取引法第11条及び特定商取引に関する法律施行規則(昭和51年通商産業省令第89号)第8条の規定により、「販売業者」等に該当する場合、氏名、住所及び電話番号等を表示しなければならないとされており、その対応を確認する必要がある。なお、一部のオンラインフリーマーケットにおいては、利用を事業者性のない個人に限ることとした上で、上記のような情報を記載した際には、ユーザー登録時に付与されたIDなどを利用できないようにする等の運用としている場合があるので、利用者が意識しないうちにプラットフォームの利用規約に抵触することにならないよう、利用者自身が怠りなく把握する必要がある
  • 適正な取引を確保する観点から、プラットフォーム事業者においては、ブランド品の模倣品などを中心に、出品禁止商品を定めているほか、医療機関で処方された薬等の医薬品の出品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第24条第1項の医薬品の販売業の許可を要する。)、酒類の反復出品(酒税法(昭和28年法律第6号)第9条第1項の酒類の販売業免許を要する。)などの禁止行為を明確にしており、事前に確認しておく必要がある。また、一部のプラットフォーム事業者においては、安全・安心な取引の実現に向けて、偽ブランド品の撲滅等のための能動的な取組を進めている場合もあり、事業者を選択する際の参考となる
  • 携帯電話の保有情報について、違法行為に当たる利用に係る対応が関係省庁において強化されていることを踏まえ、プラットフォーム事業者においては、当該情報を用いて、例外のない形で会員認証(いわゆるSMS認証)を実施するなど、一定水準以上の本人確認を行っていることが一般的である。なお、プラットフォーム事業者の提供するサービスが、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)の資金移動業者として提供するサービスその他のサービスと関連付けられている場合にあっては、より詳細な会員認証が実施されることとなり、当該仕組みの下では、より厳正な本人確認の水準が担保されることとなる。これらの水準について比較検討することも、事業者を選択する際の参考となり得る
  • エスクローサービスは、プラットフォーム事業者が代金の支払及び商品等の引渡債務の履行に関与することにより、購入者に対する安心感をもたらすことが期待されるだけでなく、当該プロセスにおける消費者トラブルの抑止に、極めて有効である。プラットフォーム事業者において設定した方法以外で支払を進めたこと(出品者の銀行口座に直接振り込む等)による消費者トラブルも寄せられていることから、プラットフォーム事業者において、当該サービスを導入しているかについては、ユーザー登録の段階において事前確認をすることも考えられる
  • 出品者の側からエスクローサービス又はプラットフォーム事業者の指定する決済手段以外の手段による支払を求めた場合、詐欺等に購入者を巻き込もうとしていると受け取られる可能性もあり、注意を要するだけでなく、出品者等が自らを適切に律することが求められる
  • プラットフォーム外で情報商材等の商品の購入を約し、その支払のためにプラットフォームを使うことを背景とした消費者トラブルも発生している。仮に、当該行為について、プラットフォーム事業者が明確に利用規約で禁じている場合には、利用規約潜脱行為によるトラブルが発生するだけでなく、利用規約違反として評価され、個々のケースに対する評価次第で、結果として、不利益措置を受ける等の可能性が高い。仮に明確な利用規約の定めがなかったとしても、出品者・購入者相互に、プラットフォーム外の取引での関係をプラットフォームでの取引関係に持ち込むべきでないことに十分に留意し、とりわけ、出品等しようとする者が自らを適切に律する必要がある
  • 取引に付随する論点等
    1. 出品者に支払われる金銭の税制上の取扱い【出品者が留意すべき事項】
      • 給与所得者がインターネットオークション等により20万円以上の副収入を得た場合においては、確定申告が必要(ただし、生活の用に供している資産(古着や家財など)の売却による所得は非課税(この所得については確定申告が不要)で、損失は生じてないものとみなされる。)となるため、注意が必要である
    2. 私法の一般的な考え方に関する知識の必要性【出品者・購入者の双方が留意すべき事項】
      • インターネットオークション等においては、個人間での取引となるため、民事ルールとして適用されることが最も考えやすいのは、民法(明治29年法律第89号)になる。まず、インターネットオークション等をめぐる法的関係の場合、債務不履行責任、契約不適合責任等の適用可能性のあるトラブルの発生も否定されないことから、注意が必要である
      • また、同法の成年年齢引下げに伴い、18歳・19歳の者は、同法上の未成年者取消権の行使ができなくなることについても、注意が必要である
      • なお、成年年齢引下げの前後を問わず、インターネットオークション等での商品購入等に際し、未成年者が画面上で虚偽の年齢を入力すること等が、詐術を用いたと法的に評価され、契約を取り消すことができなくなる可能性に鑑み、避けるべき行動として認識する必要がある

~NEW~
消費者庁 第5回 特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会(2020年7月28日)
▼【資料2】特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会報告書骨子(案)
  • 少子高齢化の進展や様々な技術進歩等を背景に、消費者の脆弱性につけ込む、より巧妙な悪質商法による被害が増加。また、デジタル化の進展により、デジタル・プラットフォームを介した消費者取引が加速度的に拡大するとともに、従来にはなかった方法での消費者への働きかけが可能になるなど、消費者取引を巡る全く新しい環境が出現。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた「新たな日常」が模索される中、国民の消費行動も大きく変容していくことが見込まれるところ。消費者取引分野においても、新たな課題に機動的に対応していくことがより重要に
  • 消費者の脆弱性につけ込む悪質商法の手口の巧妙化・複雑化に対応し、悪質事業者に対する法執行の強化と消費者利益の擁護及び取引の公正確保の更なる推進のため、消費者被害を発生させる悪質事業者(「共通の敵」)にターゲットを絞った実効的な規制・制度を新たに措置する抜本的な制度改革を実行すべき。その際には、平成28年に改正された特定商取引法(以下「28年改正特商法」という。)の運用状況も踏まえる
  • 「新たな日常」が模索される中、消費生活や社会経済環境の劇的な変化に対応しながら、消費者の不安をできる限り払しょくし、取引の安全を確保する環境整備を図る取組をより強く推進していくことが必要不可欠
  • 判断力が低下した高齢者、社会経験の乏しい若年成人など一定の属性を有する者はもちろん、デジタル化の進展等によって、取引の際の状況次第で全ての消費者が「脆弱性」を有していると捉えるべき。消費者の脆弱性を補完する、さらには、脆弱性が発現しないような消費社会を実現するための制度的な環境整備と執行体制の強化を図ることが重要
  • 販売を伴う預託等取引契約については、販売代金の支払という形で消費者から事実上の金銭の出捐(預り金や出資、投資に相当するようなもの。物の介在により元本保証類似のスキームであるとの誤認をするケースも多い。)を意図せず行わせるとともに、新規の契約者への物品の販売代金で預託等取引契約において供与することを約した財産上の利益(いわゆる配当)を既存の契約者へ一時的に支払うことが可能であり、また、売買の対象となる物品が存在しない又は存在しなくなったことが発覚しづらいことなどから、消費者に財産上の被害を及ぼす反社会性のある取引というべき。なお、過去に発生した大規模な消費者被害は、この類型に属する。さらに、通常の事業者の資金調達行為としても想定され難く、かつ、顧客資産の受入れ及び運用等を行う場合は金融商品取引法及び信託業法等の他法令に基づく枠組みで実施可能。
  • このように販売預託取引については、本質的に詐欺的・欺まん的な性質を有し、取引行為それ自体が無価値であると捉えるのが相当であり、預託法において、明確に原則禁止とすべき。その前提で対象となる取引の範囲の明確化等を実務的に検討すべき。違反に対しては、十分な抑止力を持った法定刑を設けるとともに、その取引によって締結された契約については、民事上無効とすることが必要
  • 特定商取引法において、合理的な根拠を示す資料の提出の対象となる行為を拡大すべき。具体的には、現行の特定商取引法における対象(効果・効能等に係る不実告知等)に加え、専門的又は複雑な事項も多いために立証に時間を要する事案に対する迅速な行政処分が可能となるよう、過量販売等を対象に追加することを検討すべき
  • また、特定商取引法における不実告知等の禁止行為について、詐欺罪等の法定刑も勘案しながら、消費者被害の未然防止に資するとともに、違法収益の没収も可能となるレベルへの罰則の引上げについても検討すべき
  • 「詐欺的な定期購入商法」に該当する定期購入契約を念頭に、特定商取引法における顧客の意に反して通信販売に係る契約の申込みをさせようとする行為等の規制を強化。具体的には、独立した禁止行為とした上で、規制の実効性を向上させるとともに、違反のおそれのあるサイト等へのモニタリング等を外部の専門的リソースも最大限に活用して法執行を強化するなど抜本的な措置を検討。また、解約・解除を不当に妨害するような行為を禁止するとともに、解約権等の民事ルールの創設等も検討
  • さらに、特定商取引法に基づくガイドラインである「インターネット通販における『意に反して契約の申込みをさせようとする行為』に係るガイドライン」の見直しを早期に実施するともに、法執行を強化
  • デジタル・プラットフォームを経由した取引等については、デジタル・プラットフォーム企業と連携を図りつつ、オンライン・ショッピングモール等における販売業者等の特定商取引法の表示義務の履行の確保及び法執行時の販売業者等に対する追跡可能性の確保のために必要な規定を検討すべき
  • また、消費者庁とデジタル・プラットフォーム企業が適切にコミュニケーションを図ることができるような定期的な情報提供・意見交換の場を設定することが必要
  • クロスボーダーでのデジタル取引が急速に増加する中、越境消費者取引の適正化を図ることが必要。また、法の適用と執行について、国内事業者と海外事業者とのイコールフッティングを確保することが不可欠。このため、特定商取引法等の執行を担う消費者庁が海外のカウンターパートとなる外国当局と執行協力をしていくことが重要であり、国境を越えて活動を行う悪質事業者にも厳正に対応することが必要。さらに、そのための制度的な措置も検討すべき
  • 「新たな日常」が模索される中、通信販売の重要性が従来に増して高まっており、通信販売に係る取引や市場の一層の信頼性と透明性、公正性を確保していく必要性が高まっている。これに即応して、消費者被害を発生させる詐欺的な事業者に対する法執行を更に強化するとともに、技術革新の進展等を踏まえた新たな課題に対応するための制度改革を行っていくべき。また、通信販売協会の取組やデジタル取引関連業界の取組を始め産業界の自主的な取組を強くエンカレッジしていく環境整備を加速度的に進めていくべき。同時に、十分かつ的確な情報をしっかりと持った(well-informed)賢い消費者を育成していく取組を抜本的に強化していくことが不可欠
  • 新型コロナウイルスを巡る社会不安の中、自宅にとどまっている消費者をターゲットに、マスク等の「送り付け商法」が問題化。こうしたいわゆるネガティブ・オプションについては、消費者が送付された商品の代金支払義務を負わないことの周知を強化。さらに、こうした「送り付け商法」は何ら正常な事業活動とはみなされないものであることに鑑み、販売業者による消費者への一方的な商品の送り付けについては、諸外国の法制も参考に必要な制度的な措置を検討
  • 上記のほか、検討委員会の議論等で指摘のなされた以下の事項については、極めて重要な論点を含むものであり、今後引き続き検討を行っていく
    • 特定継続的役務に係る新たな対象の追加(特定の分野に係る今後の消費者からの苦情・相談の動向を引き続き注視し、対象分野の見極めや規制の要否、適否等を判断するために必要な事項について継続的に情報把握・分析を実施。)
    • アフィリエイト広告の違反行為への対応(虚偽・誇大広告や詐欺的な販売方法等を主導的に行う第三者の法的な位置付けにつき、今後要検討。)
    • 新たなデジタル取引の出現などを踏まえたBとCの境界の在り方
    • 通信販売における適格消費者団体の差止請求の対象範囲の拡大(特定商取引法に基づく差止請求の事案の動向を引き続き注視し、拡大の要否、適否等を判断するために必要な事項について継続的に情報把握・分析を実施。)

~NEW~
国民生活センター まだまだ多い 物干しざおの移動販売トラブル
  • 内容
    • 物干しざおが古くなったので、車で近所を回っていたさおだけ屋を呼び止めた。値段を聞くと「ニーキュッパ」だというので、2,980円だと思い2本注文した。業者が長さを測って切った後、59,000円を請求してきた。1本29,800円だった。切ってしまった後なので断れないと思い、仕方なく支払った。(60歳代 女性)
  • ひとこと助言
    • 物干しざおの移動販売に関する相談が依然として寄せられています。販売価格を明確に伝えられないまま、作業後に高額な請求をされるケースが多くみられます。購入前に「1本〇〇円」と明確な販売価格を確認しましょう
    • 領収書が渡されない、連絡がつかない等、返金交渉が困難なケースもみられます。納得できない場合はその場でお金を支払わないようにしましょう
    • 無理やり支払いを求められた場合は、周囲の人や警察に助けを求めましょう。車のナンバーを記録しておくのもよいでしょう
    • 契約の取り消しが可能な場合もあります。困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)

~NEW~
国民生活センター 登録をした覚えがないのに会員料金を請求された!
  • 質問
    • 通販サイトで買い物をした際、気づかないうちに有料会員登録されていました。サイトの会員料金を請求されましたが、仕方がないのでしょうか
  • 回答
    • 有料になることがわかるような画面が表示されないまま会員登録されたのであれば、有料会員に申し込むつもりはなかったとして契約を取り消すことができる可能性があります
  • 解説
    • 質問のようなトラブルの場合、申し込みが確定される直前の画面がどのようなものだったのかが重要なポイントになります
    • インターネット上の契約では、契約が成立する前の申し込み画面上で消費者が契約内容を確認できるようになっていなかった場合、消費者は事業者に対して錯誤(勘違い)により契約を取り消すことができるとされています(電子消費者契約法3条)。消費者が表示された画面の内容を確認せずに先の画面へ進んでしまい確認画面を見逃したような場合は、消費者に重大な過失(落ち度)があったと判断され、錯誤による契約の取消しが認められない可能性があるため注意が必要です
    • トラブルを防ぐために
      • サイトによっては、「有料の会員に登録する」という部分にあらかじめチェックが入れられていることがあります。質問のケースのようなトラブルを防ぐため、サイトを利用する際には、不用意に先の画面に進まず、記載されている説明を注意深く読むようにしましょう。
    • 確認画面がわかりにくかった場合
      • 通信販売は特定商取引法の規制を受けます。インターネット通販の場合、ホームページ上などに、事業者名、商品等の価格、契約の解除に関することなどを表示することが義務づけられています。さらに同法に基づいて定められたガイドライン(注)では、あるボタンをクリックすれば有料の申込みとなることが、消費者にわかりにくい表示であった場合や、消費者が申し込み内容を容易に確認し、訂正できるようにしていない場合は、「消費者の意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に当たるとしており、行政処分の対象となる可能性があります
      • 画面がわかりにくいときは、消費者庁のホームページにある「特定商取引法違反被疑情報提供フォーム」にて情報提供することができます
▼(注)インターネット通販における「意に反して契約の申込みをさせようとする行為」に係るガイドライン(特定商取引法ガイド)

~NEW~
国民生活センター 洋菓子店で洋菓子を購入したところ、消費期限の表示がなかった
  • 質問
    • 洋菓子店でショーケース内に並べてあった洋菓子を購入したところ、持ち帰り用の箱に消費期限の表示がありませんでした。表示しなくてもよいのでしょうか
  • 回答
    • 容器包装に入っていない商品を持ち帰り用の箱に入れた場合は、消費期限の表示義務はありません。その場で販売者に消費期限や保管方法等を確認し、期限内に食べきりましょう
  • 解説
    • 食品表示法は、食品の表示に関するルールを定めている法律です。この法律に基づいて定められた「食品表示基準」によって、消費期限や賞味期限等の期限表示について細かいルールが決められています
    • 食品表示基準の対象となるのは、容器包装に入れられた商品です。店頭で容器包装に入れずに販売し、それらを持ち帰り用の箱に入れた場合は、食品表示基準の対象外であり、期限表示の表示義務はありません
      1. 期限表示について
        • 期限表示は、食品を開封前の状態で、10℃以下で保存など、あらかじめ定められた方法で保存した場合の期限を示しており、消費期限と賞味期限の2つがあります
      2. 消費期限とは
        • 品質(状態)が急速に劣化しやすい食品につける表示で、安全に食べることができる期限を示す年月日のことです。一度開封した食品は、期限にかかわらず早めに食べきるようにし期限を過ぎたら食べないようにしましょう
        • (対象となる食品)弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、食肉、生めん類等
      3. 賞味期限とは
        • 品質の劣化が比較的穏やかな食品につける表示で、おいしく食べられる期限を示す年月日のことです。期限を過ぎたら必ずしもすぐ食べられなくなるわけではありませんが、一度開封した食品は、期限にかかわらず早めに食べきるようにしましょう
        • (対象となる食品)スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品等
      4. 期限表示を省略できるケースについて
        • 販売方法や品目によっては期限表示が省略できることがあります
        • 品質の変化が極めて少ないことを理由として、期限の表示を省略することが認められている品目
        • (例)チューインガム、アイスクリーム等
  • 表示のない飲食料品を購入する際には、その商品を製造しているメーカーのHPを見たり、販売者に直接聞くなどして消費(賞味)期限や日持ちの目安、保管方法等を確認しましょう

~NEW~
厚生労働省 第131回労働政策審議会安全衛生分科会(資料)
▼資料3-1 副業・兼業に係る実態把握の内容等について
  • 正社員の副業・兼業について、「医療・福祉」を除き、「認めている」と回答した事業所の割合より「認めていない」と回答した事業所の割合の方が高い。正社員以外の副業・兼業について、「複合サービス業」を除き、「認めていない」と回答した事業所の割合より「認めている」と回答した事業所の割合の方が高い。業種ごとの明確な傾向は確認できなかった
  • 定期健康診断を実施した事業所の割合は、全体として2012年と比べて2019年の方が割合が高くなっており、業種に関わらず、100%に近くなっている
  • 定期健康診断を実施した事業所の割合は、2012年と比べて2019年の方が割合が高くなっており、事業所規模に関わらず、100%に近くなっている
  • 副業・兼業を認めている事業所も認めていない事業所も実施率はほぼ100%であるが、明確な規定や制度のある事業所の方が、ない事業所に比べて実施率が高い傾向にある
  • ストレスチェックの実施状況について、労働者50人以上の事業所について、「農林漁業・鉱業」、「卸売業・小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「生活関連サービス、娯楽業」、「教育・学習支援業」、「医療・福祉」において、全体と比べて実施率が低い。労働者50人未満の事業所について、業種ごとの明確な傾向は確認できなく、全体として実施率が低い。事業所規模が小さくなるにつれて、実施率が低くなる傾向にある。副業・兼業の許可等の状況や事業所規模に関わらず、明確な規定や制度のある事業所の方が、ない事業所に比べて実施率が高い傾向にある
▼資料3-2 副業・兼業を行う場合の健康確保措置について
  1. 第130回分科会(前回・令和2年6月10日)におけるご指摘等(事務局における要約)
    • 労災補償、労働時間の通算、健康確保の3つをトータルでパッケージとして考えることも重要
    • 副業・兼業を行う場合、雇用か非雇用かを問わず、労働時間が長くなるという認識。労働者の健康確保の観点から、現場が混乱しないよう、明確なものを示す必要がある
    • 副業・兼業を行う際、過重労働とならないようにするために許可するときの条件が重要。本業の時間外労働と副業を足して30時間の場合のみ許可するなどルールを設けている企業も有り、このような労使の自治を尊重して欲しい
    • 健康確保の面でデータを取って平均を取ると、長時間労働になるから副業・兼業は認めないという議論になってしまうことを懸念。組織と個人の意思を尊重しなければならないという側面もある
    • 事業所調査について、業種・業態別に見る必要があるのではないか。次回はより詳しい調査結果を示して欲しい
    • 文献調査について、数多くある文献の中から今回の資料に入れる文献を選んだのだと思うが、その選定プロセスを明らかにして欲しい
  2. これまでの指摘事項、検討会報告書等を踏まえた論点
    • 健康確保措置を検討すべき副業・兼業の範囲についてどう考えるか
      • 非雇用での副業・兼業についてどう考えるか(なお、デイ・トレード、フリーマーケットへの出品等は範囲外とのコンセンサスで良いか)
    • 副業・兼業をしている者の労働の状況(労働の状況には、労働時間のほか、業務内容や作業環境等の健康に影響を与えるものを含む)の把握についてどう考えるか
      • 事業主による把握の必要性についてどう考えるか
      • 事業主による把握の方法についてどう考えるか
      • 自らの事業場及び他の事業場の間での情報提供等についてどう考えるか
    • 労働者の自己申告による把握という方法についてどう考えるか
      • 把握できなかった場合における事業主の健康確保措置の在り方についてどう考えるか
      • 副業・兼業をしている者の労働の状況を踏まえた健康確保措置の在り方についてどう考えるか
      • 事業主が、他の事業場での労働の状況を踏まえて、自らの事業場における健康確保措置を講ずることについてどう考えるか
      • 事業主が、労働者に対して、他の事業場との相談その他の適切な措置を求めることを義務づけることについてどう考えるか
      • 産業医が、他の事業場における労働の改善について勧告等を行うことについてどう考えるか
      • 副業・兼業をしている者についてそれぞれの事業主が連携して健康確保措置を講ずることについて、どう考えるか
    • 労働者本人による健康管理についてどのように考えるか
    • 推進、ルールの形式についてどのように考えるか
    • 中小企業等への配慮の必要性についてどのように考えるか

~NEW~
厚生労働省 「令和元年 医師の勤務実態調査」及び「医師の働き方改革の地域医療への影響に関する調査」の結果の公表について
▼医師の働き方改革の地域医療への影響に関する調査(概要)
  • 調査結果(1)<1週間の兼務先を含む平均労働時間>
    • 両大学6診療科いずれも大学病院での労働時間だけで、平均週60時間(時間外・休日労働時間年間960時間換算)を超えなかった
    • B大学と比較し、A大学の方が週80時間以上勤務(時間外・休日労働時間年間1,920時間換算)の割合が多かった。(A大学22.2%>B大学11.4%)
    • 調査対象期間の1週間で労働時間が100時間を超える医師は、回答者142名中1名(B大学 救急科)のみであった
    • 宿直・日直中の待機時間を含む労働時間の集計では、両大学とも大学での労働時間が短い医師の方が兼務先での労働時間が長い傾向にあった
  • 調査結果(2)<1週間の労働時間と宿直・日直業務>
    • 大学病院と兼務先の労働時間を通算すると、週の労働時間(待機含む)が、2024年4月から適用される時間外労働規制の(B)水準の上限である年1,860時間に相当する時間を超過して勤務する医師は一定数存在するが、労働時間から宿直・日直中の待機時間を除外するとその割合は、顕著に低くなる
    • また、宿直・日直業務の内容を確認したところ、ほとんどの診療科で兼務先での宿直・日直中の診療時間の割合は、大学病院での宿直・日直中の業務の診療時間の割合と比較して、少なかった
  • 調査結果(3)<勤務間インターバルと代償休息>
    • 調査回答者全142名中、日勤帯業務が連続する日で、勤務間インターバルが9時間確保できなかったのは1名(1日)のみであり、その他の医師は9時間のインターバルが確保できていた(確保できなかった1名も、1週間以内に勤務間インターバルの幅の延長により代償休息が取得できた)
    • いずれの大学でも宿直明けも引き続き日勤業務に就いている勤務が見られた(最長36時間連続勤務)。連続勤務時間の上限となる28時間以降は、勤務間インターバルとして、当該インターバル中に行った労働時間を代償休息の付与対象となる時間として取扱い、調査期間内での代償休息の付与についてシミュレーションを行ったところ、宿直・日直に従事した医師全員が代償休息の付与が必要となった時点から、1週間以内に所定労働時間中における時間休を取得することなく、勤務間インターバルの幅の延長により付与することが可能であった(翌週に持ち越す代償休息は0時間であった)
  • 調査結果(4)<上限規制が適用された場合のシミュレーション>
    • 各診療科で時間外労働上限規制が適用された場合、「各診療科毎の平均労働時間勤務する医師」(診療科の平均労働時間が上限規制を超える場合は、「規制時間のまで時間勤務する医師」)があと何人必要となるか、シミュレーションを行った<宿直・日直中の待機時間を労働時間に含めて試算>
    • 上限1,860時間/年の場合、理論上補填に必要な医師数はA大学ではいずれの診療科でも約1名、B大学ではいずれの診療科でも1名以下であった
    • 大学病院および兼務先の宿直・日直中の待機時間を労働時間に含めない場合は、上記の結果より、少ない医師で補填が可能となる試算であった
  • 大学からヒアリングにおいて得られた意見
    • 兼務先での業務は、派遣する診療科医師でなくても対応可能な業務であるが、慣習的に当該診療科の医局で対応している
    • 宿直・日直は勤務が可能な医師に、なるべく均等になるようにシフトを組んでおり、本調査で休日・時間外労働時間の上限を超えると指摘された医師の多くも、たまたま調査対象の1週間に複数回宿直・日直となっていたためであり、1ヶ月の期間でみると上限は超えないと考えられる
    • 自院での労働時間の短縮の取り組みだけでなく、各医療機関の機能や役割を明確化するなど抜本的な改革をしないと労働時間の短縮は達成できないと感じている
    • 地域の医療を守るという観点から関連病院等への医師の派遣をやめることは難しい
    • 今回の調査においては時間外労働時間の上限規制を遵守するため、関連病院等からの医師の引き上げを第一選択とする医局はなかった
  • 調査のまとめ
    • 兼務先での宿直・日直については、当該診療科の専門性が高い業務というよりも、内科一般・外科一般といった業務もあることを鑑みると、特定の診療科で対応するのではなく、大学病院の複数の診療科(医局)で対応することで宿直・日直の労働時間の短縮につながる可能性がある
    • 兼務先によっては、宿直・日直中にほとんど診療業務が発生していない病院もあり、そのような兼務先で宿直・日直許可を取得することができれば、労働時間の短縮に繋がることが示唆された。特に労働時間のうち兼務先での労働時間の割合の高い診療科においては、兼務先における宿直・日直許可の取得の有無が労働時間に与える影響が大きいと考えられる
    • 医師の労働時間短縮を達成するためには、自院における取組みの推進だけではなく、夜間等の救急医療提供体制の集約化や医療圏内での各医療機関の役割の明確化等、地域の医療提供体制についてもあわせて検討する必要性が示唆された
    • 診療科によって医師数や勤務状況は異なり、大学内での変形労働時間制の導入や、2名当直から1名当直への変更、兼務先の宿直・日直中の勤務内容を確認し宿直・日直許可の取得についての検討を促すなど、それぞれが講じ得る効果的な労働時間短縮計画は異なることが示された
    • 大学病院での労働時間だけをみると、宿直・日直中の待機時間を含めても(A)水準(時間外・休日労働年960時間以内)の範囲内であり、兼務先の労働時間を通算した場合に、年間960時間を超過している医師が両大学通じて多く(43名/30.3%)見られた
  • 調査研究班からの問題提起
    • 大学病院での労働時間が時間外・休日労働時間が960時間/年以内であっても、兼務先の労働時間を通算すると960時間/年を超過する医師が多い
    • 主たる勤務先での時間外・休日労働時間が年960時間の範囲内であるため(B)/(C)水準病院の申請を行わない場合に、以下を踏まえた制度設計とすることが重要である
      • 兼務先の労働時間を通算したときに年960時間を超過する医師に対してもれなく追加的健康確保措置を履行する必要があること
      • 通算して年960時間を超えないようにするため主たる勤務先が兼業を禁止する措置を講じてしまうなど、従来から兼務していた病院の医療提供体制が維持できなくなるといったことが無いようにする必要があること

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厚生労働省 令和元年簡易生命表の概況
  • 令和元年簡易生命表によると、男の平均寿命は41年、女の平均寿命は87.45年となり前年と比較して男は0.16年、女は0.13年上回っている。平均寿命の男女差は、6.03年で前年より0.03年減少している。また、主な年齢の平均余命をみると、男女とも全年齢で前年を上回っている
  • 平均寿命の前年との差を死因別に分解すると、男女とも悪性新生物<腫瘍>、心疾患(高血圧性を除く、以下同じ)、脳血管疾患、肺炎及び不慮の事故などの死亡率の変化が平均寿命を延ばす方向に働いている
  • 令和元年簡易生命表によると、男女それぞれ10万人の出生に対して65歳の生存数は、男89,637人、女94,509人となっている。これは65歳まで生存する者の割合が男は89.6%、女は94.5%であることを示している。同様に、75歳まで生存する者の割合は男75.8%、女88.2%、90歳まで生存する者の割合は男27.2%、女51.1%となっている
  • 生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存すると期待される年数を寿命中位数といい、令和元年においては、男84.36年、女90.24年となっている。平均寿命に比べ、男は2.95年、女は2.79年上回っている
  • 人はいずれ何らかの死因で死亡することになるが、生命表上で、ある年齢の者が将来どの死因で死亡するかを計算し、確率の形で表したものが死因別死亡確率である
  • 令和元年の死因別死亡確率をみると、0歳では男女とも悪性新生物<腫瘍>が最も高く、次いで、男では心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では心疾患、脳血管疾患、肺炎の順になっている。65歳では男女とも0歳に比べ悪性新生物<腫瘍>の死亡確率が低く、心疾患及び肺炎の死亡確率が高くなっており、75歳及び90歳では更にこの傾向が強くなっている
  • 前年と比較すると、悪性新生物<腫瘍>の死亡確率は、男女とも0歳で低下している。心疾患、脳血管疾患及び肺炎の各死亡確率は、0歳、65歳、75歳及び90歳のすべての年齢で男女とも低下している
  • 「悪性新生物<腫瘍>、心疾患及び脳血管疾患」の死亡確率は、前年と比較すると0歳、65歳、75歳及び90歳のすべての年齢で男女とも低下し、平成15年の調査開始以来初めて、男の0歳で5割を下回っている
  • ある死因で死亡することがなくなったとすると、その死因によって死亡していた者は、その死亡年齢以後に他の死因で死亡することになる。その結果、死亡時期が繰り越され、平均余命が延びることになる。この延びは、その死因のために失われた平均余命としてみることができ、これによって各死因がどの程度平均余命に影響しているかを測ることができる
  • 令和元年の特定死因を除去した場合の平均余命の延びを主要死因についてみると、0歳においては男女とも悪性新生物<腫瘍>、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順になっている。65歳及び75歳においては男では悪性新生物<腫瘍>、心疾患、肺炎、脳血管疾患、女では悪性新生物<腫瘍>、心疾患、脳血管疾患、肺炎の順になっている。一方、90歳においては男では悪性新生物<腫瘍>及び心疾患が同じ延びで多く、次いで、肺炎、脳血管疾患、女では心疾患が最も多く、悪性新生物<腫瘍>、さらに次いで、脳血管疾患と肺炎が同じ延びで続いている
  • 「悪性新生物<腫瘍>、心疾患及び脳血管疾患」を除去した場合の延びは、0歳では男65年、女5.45年、65歳では男5.43年、女4.34年、75歳では男4.07年、女3.55年、90歳では男1.72年、女1.79年となっている

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厚生労働省 第97回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(資料)
▼資料6 第152回職業安定分科会における主な意見
  • 高齢者が安心・安全に働き続けられる環境整備は重要な課題であり、現場が混乱しない具体的な指針となるよう、これまでの議論の積み重ねを踏まえつつ、検討を進めていくべき
  • 新型コロナウイルス感染症の影響もある中で、施行に向けて各企業が着実に準備を進めていけるよう、様々な手段で、また平易な表現でわかりやすく周知を行うべき
  • 雇用によらない選択肢が新設されるため、企業がこれらの選択肢の内容を具体的にイメージできているかについての調査や、好事例の横展開を行うべき
  • 高齢者は健康状態・意欲等の個人差が大きいほか、特に中小企業などは人事労務のマンパワーやノウハウが足りず、さらに働き方改革関連法の施行への対応等の負担もあるため、助成や相談体制の充実などの支援策を強力に講じるべき
  • 新型コロナウイルス感染症の影響もある中で、改正法の内容に関する周知に加えて、省令や指針等の詳細の検討にあたっては、各企業がいつまでにどのような対応を行えばよいのかについて、現場で混乱が生じないよう、実態を踏まえた議論を行うべき
  • 高年齢者就業確保措置を講じていない企業への指導等についても、新型コロナウイルス感染症の影響の下、政府から雇用維持の要請が寄せられている中で、企業の実情に配慮した柔軟な対応とすべき

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厚生労働省 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議(第3回)資料
▼【資料】骨子案
  • 海外製造依存によるリスク、サプライチェーンが複数化されていないことによるリスク
    • 原薬やその原料物質の製造が外国に過度に依存している場合、突然供給が停止するリスクがある。当該国の状況・情勢に依存するリスクが高い
    • サプライチェーンが複数化されていないと、災害や製造所の閉鎖などにより、突然供給が停止するリスクがある。サプライチェーンが複数化されていても、その出発物質の製造元が複数箇所存在しない場合もある
    • 原産国の情報が開示されておらず、継続的に安定供給できる品目かどうか判断することが難しい
  • 価格引き下げの圧力、厳しい経営環境
    • 医療機関の卸に対する値下げ要求が強く、卸の一次売差マイナス(納入価が仕切価よりも低い(逆ざや)状況)が常態化している
    • 医療機関の経営環境が厳しいため、価格交渉において厳しく対応せざるを得ない
  • 日本と海外の薬事規制・手続の違い等
    • 日本向けの原薬について、品質規格・基準に関する要求が海外での要求に比べて厳しい場合がある
    • 日本と海外では薬事に関する手続が異なるため、製造方法や製造所の変更が効率的に進められない場合がある
    • 日本の輸入数量が欧州や米国に比べて相対的に少ない。品質規格に上乗せ規格等がある特殊グレードの場合は売り手優位の価格交渉となる
  • 供給不安の情報の共有不足
    • 各地域での供給と在庫の状態をリアルタイムで捉えることが難しい
    • このため、医療機関等の不安が増幅し、在庫確保のための過剰発注等により、在庫偏在や品薄状態に拍車がかかるおそれがある
    • 急な供給中止やその情報伝達が遅い場合、医療現場においても対応に苦慮している
    • 一つの品目が供給不安になると、その代替薬についても、需要が増加し、連鎖的に供給不安が発生する場合がある
  • 安定確保医薬品の要件 ※現時点のイメージ :以下のイ)~ハ)のいずれの要件にも合致すること
    • 対象疾患が重篤であること(重篤であること:生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)であること又は病気の進行が不可逆で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患であること)
    • 代替薬又は代替療法がないこと
    • 多くの患者が服用(使用)していること
  • 安定確保医薬品について、その製造販売業者は、原薬や出発物質等の製造国のリスク情報を収集し、業界団体で既に策定しているチェックリスト等を活用して今後の供給に関するリスク評価を実施した上で、必要な対策を検討する(対策の例)
    • 原薬等の在庫積み増し
    • 出発物質を含めたサプライチェーンの複数化(複数ソース化)
    • 原薬等の国内製造への移行
    • 原薬等の共同購入
    • 原薬製造企業との適切な契約の締結
  • 検討に当たり、上記等の取組により企業横断的なサプライチェーンが把握された品目については、その情報も考慮する。併せて、原薬等の製造国に関する情報の公開を可能な限り進める
  • 個別の対策等に関して、次のような意見が出された
    • 原薬や原料を在庫する場合、原薬等の安定性、品質等に影響するおそれがあるため、留意が必要である。製品の有効期限の延長を図ることも考えられるのではないか
    • 在庫積み増しによる追加のコストについては、税制上の措置や、国が費用補償する検討も必要ではないか
    • 国内製造に移行したとしても、国内の複数個所への分散や、国内製造と海外体制との組み合わせにしなければ、災害時などに対応できない場合があるのではないか
    • 政府全体で、医療提供に必要な物資の安定確保を図る観点から、医薬品の安定確保の推進に当たっては、厚労省だけでなく、経産省などの他省庁とも連携することが必要ではないか
  • 安定確保医薬品の薬価の在り方等について、以下のような意見が出された
    • 原材料費の高騰やサプライチェーンの複数化などにより採算割れとならないよう、必要に応じて薬価算定の見直しが行える仕組みを検討する必要があるのではないか
    • サプライチェーンの複数化や国内製造への移行等を行っても継続して経済活動が成り立つような支援が必要ではないか
    • 市場での自由取引で行き過ぎたディスカウント(値引き)が起こらないよう、流通改善や取引価格のモニタリングを行う必要があるのではないか
  • 医療用医薬品の安定確保の方策等に関して、各構成員から次のような意見が出された
    • 安定供給に寄与(例:欠品を起こさないこと、供給不安時の報告・情報提供が適切であること)している製薬企業や卸業者にインセンティブを与える仕組みを考えられないか
    • 企業の努力が評価されるよう、原薬工場の査察結果や、品質試験結果、供給状況を数値化し、公表することを検討してはどうか
    • 中小規模の医療機関や地方(僻地)の医療機関の場合、関係者に十分に対応いただけるのか、必要な情報が得られるのか不安を感じる
    • 承認審査時に、原薬を複数の国又は地域から入手しているか、複数の製造ラインを有しているか、供給不安定の際には十分な情報提供が可能な体制を有しているか等を確認してはどうか
    • 国際紛争、天災、パンデミックなどの国家的な危機に対する国防という観点も踏まえ、医薬品の安定確保について法整備を検討する必要があるのではないか

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厚生労働省 第97回労働政策審議会障害者雇用分科会(資料)
▼資料1-1 障害者雇用率の0.1%引上げの時期について(案)
  • 新型コロナウイルス感染症による障害者雇用への影響について
    • 障害者雇用率は、社会連帯の理念に基づき、一般労働者と同じ水準で障害者の雇用機会を確保するため、事業主に対して平等に課された義務。民間企業に法定雇用率が義務化された昭和51年以降、いかなる社会・経済環境の中にあっても、法定雇用率は、公労使・障害者代表の合意の下、計算式の結果に基づき設定されてきた。※リーマンショック(平成20年)の際にも法定雇用率の引下げ等は行われていない。前回の雇用率引上げ時の障害者雇用分科会(平成29年5月30日)において、「障害者の雇用の促進及び安定」が1%引上げの条件ではないこと、できる限り速やかに0.1%引き上げること等が全体で確認された上で、政令案の諮問・答申がなされた
    • 新型コロナウイルス感染症の影響に対しては、政府において、雇用調整助成金の特例措置を含め、雇用の維持と事業の継続に関する各種支援措置を講じてきた
    • その上で、ハローワーク業務統計や関係団体・企業からの回答によれば、新型コロナウイルス感染症による障害者雇用への影響が一定程度見られる一方、実雇用率や法定雇用率達成企業割合、今後の見通しが堅調であり、法定雇用率1%引上げを猶予・凍結する状況にはないと考えられる
    • 障害者の雇用数(6月頃まで)に関する回答は、「増やした」が22.2%(18社)、「維持した」が77.8%(63社)、「減らした」が0.0%(0社)となっている
    • 障害者の雇用数(今後の見通し)に関する回答は、「増やす」が36.0%(31社)、「維持する」が64.0%(55社)、「減らす」が0.0%(0社)となっている
    • 今後の雇用拡大や採用の見通しに関する回答は、「計画通り遂行する」が66.7%(46社)、「計画を縮小し遂行する」が10.1%(7社)、「計画を再検討する」が17.4%(12社)、「その他」が5.8%(4社)となっている
    • 全障協及びSACECのアンケートにおける主な意見
      • コロナ禍のなか雇用抑制の話もあるが、当社としては積極的に障害者向けの仕事の開発や、採用を進める
      • 来春の法定雇用率3%の必達は企業の当然の責務である、という認識のもと、今後も積極的に障がい者の方を採用する所存である
      • 雇用率の達成が出来ておらず、法令遵守のためにも計画通り遂行予定です
      • 基本的には計画通りに進める予定であるが、社会情勢を見極めながら計画を見直すことも視野に入れている
      • 雇用維持と拡大を図る所存であるが、斯様な経済状況の中、雇用率や除外率の変更は、慎重にご判断頂きたい
      • コロナ禍の影響で想定していた通りには受注が進まない現状において、3%への引上げに伴う人件費上昇は経営をますます圧迫する。せめて1年程度延期できないか、見直しをして頂ければ有難い
      • 経済状況が悪化している中で、少なくとも現在の障害者雇用を維持することが最重要。今年度に予定されている法定雇用率の改正を実施すると、経営環境低迷の中、負担増となる企業が増えると思われる。是非、法定雇用率の改定を延期(撤廃)して頂きたい
  • 企業規模別にみると、100~300人未満企業、300~500人未満企業では実雇用率が低下している一方、45.5~100人未満企業、500~1,000人未満企業、1,000人以上規模企業では実雇用率が上昇している
  • 民間企業の雇用状況雇用者数56.1万人(身体障害者35.4万人、知的障害者12.8万人、精神障害者7.8万人)実雇用率2.11%法定雇用率達成企業割合48.0%雇用者数は16年連続で過去最高を更新。障害者雇用は着実に進展
  • 令和元(2019)年度の就職件数・新規求職申込件数は、前年度から更に増加。就職件数は103,163件と11年連続で増加。新規求職申込件数は223,229件と20年連続で増加

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厚生労働省 第24回アルコール健康障害対策関係者会議
▼【参考資料1】これまでの関係者会議で出された御意見等
  • 大学における取組の現状・課題
    • 大学の取組は、イッキ飲み防止、アルコールハラスメント、飲酒運転の防止等の「危機管理型」が多いが、リスク飲酒に関わる指導や啓発(ビンジ飲酒による事故や性・生殖に関する問題、生活習慣病のリスクを高める飲酒の量やアルコール依存や肝疾患以外の健康障害など)等「基本法・基本計画準拠型」も進めていく必要がある
    • 学生支援の取組み状況に関する調査(H29独立行政法人日本学生支援機構)によると、国立大学に比べて短大とか高専の取組みがやや遅れている
    • 大学の呼び掛けが届かない学生層にどう働き掛けていくのかが課題
    • 上回生に対する教育機会が相対的に少ない
    • 若い時代に無茶苦茶な飲み方を覚えてしまうと、社会人になってからもリスクが高い飲酒行動を取る傾向がある。若者のときの教育が重要
    • 大学における飲酒問題に対するさらなる実態調査、分析が必要
    • 大学でのベストプラクティスをほかの大学に広げるため、意見交換、情報共有、教材の共通開発など、各大学の責任者が集まる場が必要
    • 大学生の飲酒に関する調査方法が確立しておらず、手法の開発が必要
    • 大学生における問題飲酒スクリーニングを検討するべき
  • 大学における具体的な取組
    • 飲酒に係る問題を安全対策、ハラスメント防止対策として明確に位置づけ、「学生生活の手引」への記載等を進めるべき
    • 実際の回復者による大学等へ啓発が有効
    • イッキ飲み防止キャンペーン等の啓発ポスターの掲示を進めるべき
    • 危険なお酒の飲み方(お酒のエナジードリンク割り、など)に関するリスクについて啓発をするべき
    • 大学新入生を対象とした入学時オリエンテーション時の取組(アルコールパッチテストの実施、啓発チラシの配布)が有効ではないか
    • 全1回生を対象に、被害防止(下級生)の観点、加害防止(上回生)の観点から前後期に分けて授業を実施することが有効ではないか
    • DVD「STOP!アルコールハラスメント」等を活用した個別の授業の実施
    • サークル等の課外授業における取組として、学生団体における飲酒監督担当者設置の義務付け、サークルリーダーに対する研修、飲酒に関する意思表明を明確・容易にするための「学生コンパバッジ&シール」の配布の取組を行っている事例がある
    • 学部や教職員間で問題認識に温度差があり、教職員を対象とした講習が必要
  • 普及啓発の内容
    • 飲酒のガイドラインを明確にするべきではないか。「不適切な飲酒」として、飲んではいけない状況での飲酒(20歳未満、妊産婦、運転前など)、依存症や生活習慣病につながるリスクのある習慣飲酒(男性1日40g以上、女性20g以上)、事故や犯罪につながるビンジ飲酒(1回に60g以上)の3つをあげ、低リスク飲酒として(男性1日20g未満、女性・高齢者・お酒に弱い人は半分程度)をあげる
    • 低リスク飲酒の指標、リスクを高める飲酒の指標、ビンジ飲酒の指標をわかりやすく伝えるべき。女性や高齢者は分解により時間がかかり害を受けやすいことも伝えるべき
    • 性別、年齢、体格、顔が赤くなる等の体質等に応じた啓発など身近に感じられるような啓発をするべき
    • 国民の関心が高いがん等の生活習慣病リスクに関する啓発をすすめるべき
  • 医療機関等の関係機関の連携について
    • 今後のアルコール依存症対策の重要な施策として、スクリーニングから簡易介入、専門医療への紹介、自助グループへの紹介までの関係機関の連携体制(SBIRTS)の展開を推進するべき。このような連携を推進するための診療報酬の加算などが重要ではないか
    • かかりつけ医の社会的機能の一環として、専門医療との連携を推進するべき
    • 地域のアルコール専門病院と一般医療機関のネットワーク化により、内科医の関わりが増え、紹介しやすくなる効果があるが、実際の患者の受診につなげるためには、継続的な交流、講習会が必要
    • 依存症は、うつ病や自殺企図、生活習慣病、飲酒運転等と関連することから、精神科医、内科医、総合病院、救急病院等と専門医療機関との連携を推進すべき。また二次医療圏ごとの連携体制づくりをすすめるべき
    • 依存症専門医療機関、相談拠点は二次医療圏ごとに1つ以上を目安に整備するべきではないか
    • 精神科のコメディカルなどアルコール依存症の関連スタッフを一般医療機関や保健所等に派遣して、アルコール対策や自殺対策への関与を高めると、アルコール関連障害対策、自殺対策に有用である
    • 医療と福祉、警察、司法等との連携モデルの収集、普及が必要ではないか
  • 精神科における依存症対応について
    • 精神科医・精神科スタッフの中には依存症への誤解、陰性感情を持っている人が多い。うつ病で受診するケースにアルコール問題を持つ患者が多いので、こうした患者への支援の実施により成功体験を得ることが誤解、陰性感情の解消につながるのではないか
    • 積極的治療の阻害要因としては診療所の問題、患者側の問題、医療供給体制の問題、それから社会的問題、家族側の要因がある
  • 職域での取組
    • 産業保健分野での取組を一層強化するべき
    • 職域での対策の意義として、専門スタッフからのメッセージ、介入、サポートが非常に届きやすいことや、女性の社会進出が進む中で、女性の問題飲酒者に対しても働き掛けがしやすいことがある
    • 依存症などの方が職場で問題を起こしても健康管理部門にはつながりにくい。飲酒に甘い風土が多くの職場にある。また、健康管理部門につながっても、そこから先の専門医療機関につながりにくい
    • 依存症全般の偏見の除去を、社会全体、企業、健保組合等でやっていかないと、なかなかカミングアウトができない
    • 職場の人事担当者や管理職、産業保健に携わる専門家を含め職場にある偏見を解消していくことが重要
  • 高齢者のアルコール問題
    • 精神保健福祉センターにおいても高齢者のアルコ-ル関連の相談が増えている
    • お酒をやめるために必要なことは、仕事を続けること、子どもや配偶者など家族がいること、断酒会など何かやりがいがあること。人間関係をうまく保つことがお酒をやめるには重要であり、孤立している高齢者にいかに関わりを持っているかということが大事
    • 認知症の中には断酒によって認知機能が改善する人が多い。認知症対策の観点からもアルコール依存症の治療を捉えるべき
  • 介護部門とアルコール対策の連携
    • 高齢化社会になって、介護とアルコール対策との連携ニーズは増えてくると考えられる
    • 介護部門(ヘルパー、訪問介護、訪問看護)から、アルコールを飲まれている単身高齢者に関する相談が保健所に入ってくることが多い
  • 民間事業者の取組に係る国際的な動き
    • 国連ハイレベル会合で採択された宣言では、アルコールの有害な使用の低減、未成年者飲酒に対する対策における民間部門の貢献が求められている
    • 酒類業界のグローバルな取組みとして、IARD(世界の大手酒類メーカーで作る責任ある飲酒のための国際連盟)において、未成年者飲酒の低減、マーケティング業界自主基準の強化・展開、消費者への情報開示促進と責任ある製品開発、飲酒運転の低減、有害な飲酒の削減に向けた飲食店等を含む小売業界の協力獲得、の5つの分野の取組みを2013年からコミットしている
    • 2018年からはデジタル媒体に関する世界的なルール作りを広告業界Facebookやインスタグラム、ツイッターといったプロバイダーと組んで開始をしている
  • 酒類業界における広報、宣伝(自主基準)について
    • ストロング系酎ハイ9%500mL缶を2本飲むと、摂取純アルコール量は72gであり、30度泡盛の量に換算すると7合に当たる。ストロング系の酎ハイは非常に飲みやすく、それほど飲んでいる意識はなくてもかなりのアルコール量を摂ってしまうことがある
    • 飲酒を誘引するポスターやコマーシャルが多く、依存症の当事者や家族にとって、本当に辛くテレピが見られないという人が多くいる
    • お酒を持ってにこっとしているポスターは依存症当事者にとって飲酒の引き金になってしまう
    • 妊婦向けの表示は文字が小さいので、海外の事例のようなビジュアル表示にするべきではないか
    • 公共交通機関で、例えばトレインチャネルでは動画の自主規制といっても静止画面がパラパラ動く形になっていたり、あるいは駅の通路などの空間がお酒の広告だけに占められたり、ポスター1枚といっても駅丸ごととてつもなく巨大になっていたりしている。こうしたものの自主基準についても更新するべき
  • 飲酒運転問題
    • 飲酒運転の原因としては、倫理的な規範意識の欠如のほか、アルコール依存症の特性から生じるとするデータもある
    • 昼間の飲酒運転、飲酒の濃度などのデータを踏まえた啓発を検討するべき
    • 飲酒運転の啓発対策事例として、飲酒事故の当事者や被害者による実体験等に基づいた講話を行う事業、積極的に飲酒運転対策を行っている事業所を「飲酒運転根絶対策優良事業所」として認定する制度などがある
  • アルコール肝硬変等の傾向について
    • 肝硬変で死亡する例もまだ多いが、肝硬変の治療が進歩してきたので、肝癌になって死亡する例が増加傾向
    • 肝硬変におけるアルコール性の割合、アルコール性肝硬変患者数いずれも増加傾向
    • アルコール性肝硬変の高齢化が進んでいる
    • 肥満や糖尿病、合併症がベースにあると、比較的少ない飲酒でも肝硬変に到達する傾向にある

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厚生労働省 第162回労働政策審議会労働条件分科会(資料)
▼資料No.2 副業・兼業の場合の労働時間管理について
  1. 労働条件分科会における主なご意見
    • 事業主を異にする場合でも労働時間は通算するという現行の行政解釈を維持すべき。時間外労働の上限規制や割増賃金の支払について労働時間を通算すべき
    • 副業・兼業を普及促進することで労働者の健康が阻害されることは本末転倒であり、労働者の健康確保が最も大事である
    • 労働者保護の観点から、過重労働防止や健康確保、使用者の実務上の雇用責任や安全配慮義務、個人情報保護の観点からの労働者のプライバシーの取扱など様々な問題や課題をバランスよく満たす方策について、丁寧かつ慎重に議論すべき
    • 企業が副業・兼業を認めない理由として、企業実務の観点から労働時間の通算規定への対応が難しいという声がある。企業実務に混乱のない労働時間管理、労務管理ができるよう議論を進めるべき
    • 副業・兼業を前提として、労働時間管理や働き過ぎ防止のための実効的な仕組みを考える必要。この点、健康確保措置に重点を置いた労働安全衛生法や、労働契約の付随義務として副業・兼業に関する情報を、どこまで使用者、労働者に申告を求めることができるのかといった問題を多角的に捉えて、相互補完的に作用することで、実効性のある仕組みを作ることができるのではないか
    • 副業・兼業の把握に係る自己申告について、どのように把握すべきか等について明確にすべき
    • 副業・兼業を認める場合、自己申告が前提となるが、競業等の場合の企業情報の管理の観点から、副業・兼業先の企業の情報が、本業の企業による副業・兼業が可能かの判断に必要。必要な情報についてどのように考えるか
    • 労働時間は労働者による自己申告や自己管理が現実的
    • 副業・兼業により労働時間を通算した場合の時間外労働に関し、企業による対応について検討すべき
    • 労働者の自己申告で労働時間を把握することは一つの選択肢であり検討すべきだが、副業・兼業も含め、労働時間管理及び健康管理の責任は、一義的には使用者が負うといった原則に戻って検討すべき
    • 副業・兼業の場合の労働契約の先後等に応じた労働時間の捉え方について、一般的に理解されているかも考える必要
    • 学生時代のアルバイトを継続したまま就職した場合についてどう考えるか等について整理が必要
    • 本業と副業・兼業先について、就業先が3つあった場合についてはどう考えるか等について整理が必要
    • 競業避止、情報漏洩、安全配慮義務の問題等について、どのような課題があるか
    • この他、検討会報告書において示された健康確保措置は評価、今後十分検討すべき等の意見があった
  2. 今後検討すべき事項のイメージ
    • 労働者の健康確保に留意し、長時間労働・過重労働につながらないようにするという観点を持ちつつ、副業・兼業の場合の実効性ある労働時間管理の在り方
    • 労働者の副業・兼業の確認及び副業・兼業を認めるに当たっての判断に必要となる情報
    • 副業・兼業を行っている労働者の労働時間の把握、特に労働者の自己申告による労働時間の把握
    • 副業・兼業を行っている労働者の労働時間を通算して管理するに当たって、本業、副業・兼業先及び労働者の間において必要となる情報
    • 「本業」及び「副業・兼業先」の考え方
    • 本業、副業・兼業先が3つ以上になった場合等の取扱
    • 月単位での労働時間の管理等、使用者の労務管理の負担軽減を図りつつ、簡便に労働時間を管理する方法
    • 副業・兼業の場合の競業避止、情報漏洩、安全配慮義務等
  3. 安全配慮義務
    • 労働契約法第5条において、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」とされており(安全配慮義務)、副業・兼業の場合には、副業・兼業を行う労働者を使用する全ての使用者が安全配慮義務を負っている。副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、使用者が、労働者の全体としての業務量・時間が過重であることを把握しながら、何らの配慮をしないまま、労働者の健康に支障が生ずるに至った場合等が考えられる
    • 就業規則において、長時間労働等によって労務提供上の支障がある場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくこと
    • 副業・兼業の届出等の際に、副業・兼業の内容について、労働者の安全や健康に支障をもたらさないか確認すること
    • 副業・兼業の開始後に、副業・兼業の状況について労働者からの報告等により把握し、労働者の健康状態に問題が認められた場合には適切な措置を講ずること等が考えられる
  4. 秘密保持義務
    • 労働者は、使用者の業務上の秘密を守る義務を負っている(秘密保持義務)。副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、自ら使用する労働者が業務上の秘密を他の使用者の下で漏洩する場合や、他の使用者の労働者(自らの労働者が副業・兼業として他の使用者の労働者である場合を含む。)が他の使用者の業務上の秘密を自らの下で漏洩する場合が考えられる
    • 就業規則において、業務上の秘密が漏洩する場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくこと
    • 副業・兼業を行う労働者に対して、業務上の秘密の漏洩が生じないよう注意喚起すること等が考えられる
  5. 競業避止義務
    • 労働者は、一般に、在職中、使用者と競合する業務を行わない義務を負っていると解されている(競業避止義務)。副業・兼業に関して問題となり得る場合としては、自ら使用する労働者が他の使用者の下でも労働することによって、自らに対して当該労働者が負う競業避止義務違反が生ずる場合や、他の使用者の労働者を自らの下でも労働させることによって、他の使用者に対して当該労働者が負う競業避止義務違反が生ずる場合が考えられる
    • したがって、使用者は、競業避止の観点から、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができるが、競業避止義務は、使用者の正当な利益を不当に侵害してはならないことを内容とする義務であり、使用者は、労働者の自らの事業場における業務の内容や副業・兼業の内容等に鑑み、その正当な利益が侵害されない場合には、同一の業種・職種であっても、副業・兼業を認めるべき場合も考えられる
    • このため、就業規則において、競業により、自社の正当な利益を害する場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくこと、副業・兼業を行う労働者に対して、自社の正当な利益を害することがないよう注意喚起すること、他社の労働者を自社でも使用する場合には、当該労働者が当該他社に対して負う競業避止義務に違反しないよう確認や注意喚起を行うこと等が考えられる
  6. 誠実義務
    • 誠実義務に基づき、労働者は秘密保持義務、競業避止義務を負うほか、使用者の名誉・信用を毀損しないなど誠実に行動することが要請されている
    • このため、就業規則において、自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくこと、副業・兼業の届出等の際に、それらのおそれがないか確認すること等が考えられる
  7. 副業・兼業の禁止又は制限
    • 副業・兼業に関する裁判例においては、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であること、例外的に、労働者の副業・兼業を禁止又は制限することができるのは、(1)労務提供上の支障がある場合、(2)業務上の秘密が漏洩する場合、(3)競業により自社の利益を害する場合、(4)自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合のいずれかに該当する場合であることとされている
    • このため、就業規則において、原則として、労働者は副業・兼業を行うことができること、例外的に、上記(1)~(4)のいずれかに該当する場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくことが考えられる
    • なお、副業・兼業に関する裁判例においては、就業規則において労働者が副業・兼業を行う際に許可等の手続を求め、これへの違反を懲戒事由としている場合において、形式的に就業規則の規定に抵触したとしても、職場秩序に影響せず、使用者に対する労務提供に支障を生ぜしめない程度・態様のものは、禁止違反に当たらないとし、懲戒処分を認めていない
    • このため、労働者の副業・兼業が形式的に就業規則の規定に抵触する場合であっても、懲戒処分を行うか否かについては、職場秩序に影響が及んだか否か等の実質的な要素を考慮した上で、あくまでも慎重に判断することが考えられる

~NEW~
経済産業省 「社外取締役の在り方に関する実務指針」を策定しました
▼社外取締役の在り方に関する実務指針(社外取締役ガイドライン)
  • 《心得1》社外取締役の最も重要な役割は、経営の監督である。その中核は、経営を担う経営陣(特に社長・CEO)に対する評価と、それに基づく指名・再任や報酬の決定を行うことであり、必要な場合には、社長・CEOの交代を主導することも含まれる。
    • 《前説》に述べたとおり、社外取締役の最も重要な役割は、株主の付託を受けて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図る観点から経営を監督することである
    • 会社の経営を一義的に担っているのは経営陣であり、日々の業務執行は自律的になされるべきものであるが、社外取締役の役割は、こうした経営陣による会社の経営について、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の観点から適切に行われているか評価・確認し、必要に応じて軌道修正を行うことである
    • このように、「経営の監督」の中核は経営陣(特に社長・CEO)に対する監督であり、平時から、資本コストを踏まえた会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の実現という観点から、経営陣の評価が適切に反映されるような報酬の設計を行うとともに、少なくとも年に1回、こうした評価に基づいて現在の経営者に引き続き経営を委ねるべきか否かの判断を行い、必要な場合には、適時適切に社長・CEOの交代を促していくことが基本的な任務である
    • 平時における経営陣の評価については、取締役会や指名委員会・報酬委員会において、中期経営計画等に掲げた経営目標・KPIやインセンティブ報酬におけるKPI等を踏まえた業績評価を行うとともに、取締役会等における経営戦略に関する議論を通じて、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の観点から、経営陣の立案能力や方向性の判断、実行状況やスピード感について評価していくことが重要である
    • 《心得2》社外取締役は、社内のしがらみにとらわれない立場で、中長期的で幅広い多様な視点から、市場や産業構造の変化を踏まえた会社の将来を見据え、会社の持続的成長に向けた経営戦略を考えることを心掛けるべきである
    • 会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をさせるために会社の経営戦略を検討し、決定することは取締役会の主要な役割・責務の一つである。しかしながら、現状、日本企業においては、中長期的な経営戦略に関する取締役会での議論は短時間にとどまっている
    • 会社の経営戦略の立案は、一義的には社長・CEOを中心とする経営陣が行うものであるが、取締役会において経営陣の案について検討し、決定する際には、社外取締役は、経営陣の説明をよく聴いた上で、社内のしがらみにとらわれない立場から、市場や産業構造の変化を踏まえた会社の将来を見据え、中長期的で幅広い多様な視点を提供することは、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るという役割を果たす上で極めて重要である
  • 《心得3》社外取締役は、業務執行から独立した立場から、経営陣(特に社長・CEO)に対して遠慮せずに発言・行動することを心掛けるべきである。
    • 社外取締役は、社内のしがらみにとらわれず、社内の人が言いにくいことを言うことができる立場にあることから、業務執行から独立した立場として、あえて空気を読まずに、経営陣(特に社長・CEO)に対して遠慮せず、忖度なく発言・行動することを常に心掛けるべきである
    • 経営陣を監督するという役割を果たし、必要な場合には社長・CEOの交代を主導することも期待されるため、社外取締役には、会社及び経営陣からの独立性が求められる。経歴や血縁関係等に基づく客観的独立性のほか、いつでも会社を辞任できる覚悟を含む精神的な独立性、そのために会社に対して経済的に過度に依存しすぎないことが重要である
    • なお、経営陣と親しく、経営陣から頼まれて就任した社外取締役についても同様に、あくまでも独立した立場から経営陣を監督することが役割であり、就任の経緯やそれまでの個人的な人間関係にかかわらず、こうした役割を果たせるよう、特に意識することが求められる
  • 《心得4》社外取締役は、社長・CEOを含む経営陣と、適度な緊張感・距離感を保ちつつ、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くことを心掛けるべきである。
    • 社外取締役は、経営を監督するという役割を果たすため、経営陣と適度な緊張感・距離感を保つことが求められるが、実効的な監督を行うためには、率直な意思疎通により社内の状況をよく知ることが重要であり、そのためには、経営陣との間でそれぞれの役割について相互に尊重し合う信頼関係を構築することが不可欠である
    • こうした観点から、社長・CEOを含む経営陣と、適度な緊張感・距離感を保ちつつ、コミュニケーションを図り、信頼関係を築くためには、「監督者」として一方的に自分の考えを述べるのではなく、経営陣の話をよく聴き、自分の意見に対する反論にも真摯に耳を傾ける謙虚な姿勢が望まれる
  • 《心得5》会社と経営陣・支配株主等との利益相反を監督することは、社外取締役の重要な責務である
    • 会社と経営陣・支配株主等50との利益相反が生じ得る場面においては、利害関係のあり得る者がその判断に関与することは適切ではないため、独立的な立場から社外取締役が積極的に関与し、その妥当性を判断することが期待される
    • 会社と経営陣や支配株主等との利益相反が生じ得る場面の例として、以下のような場面が考えられる
      • MBO(マネジメント・バイアウト)や支配株主による従属会社の買収への対応
      • 支配株主等との取引
      • 敵対的買収への対応(買収防衛策の導入や実行等)
      • 第三者割当増資等
    • 上記のうち、「MBO(マネジメント・バイアウト)や支配株主による従属会社の買収への対応」については、取締役や支配株主の利益と一般株主の利益との間の利益相反リスクが特に深刻となり得る場面であり、企業価値の向上と一般株主共同の利益の確保を図るという社外取締役の役割を果たすため、平時よりも踏み込んだ対応が求められる
    • また、「敵対的買収への対応」や「第三者割当増資」等の場面においても、MBO等に近い利益相反リスクが存在し得るため、これに準じた対応が求められると考えられる
    • 特に、支配株主等が存在する企業においては、支配株主等とそれ以外の一般株主との間に利益相反リスクが存在するため、上記のような取引においては、社外取締役は、単にすべての株主に対して中立的な立場ということではなく、支配株主等以外の一般株主の利益を確保する観点から判断・行動することが求められる

~NEW~
経済産業省 「DX企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0(案)」の意見公募手続き(パブリックコメント)を開始しました
▼(別添2)「DX企業のプライバシーガバナンスガイドブックver1.0(案)概要」
  • 国際動向(EU・米国の動き):プライバシーの企業価値への影響の高まり
    • EUではGDPRにより基本的人権の観点から、米国ではFTC法(第5条)により消費者保護の観点から、多額の罰金や制裁金の執行がなされ、経営者がプライバシー問題を経営上の問題として取り扱うことが認識されている
    • GDPRにおいては、独立したDPO(Data Protection Officer)の設置など、企業に求められる体制も位置づけられている
    • そのような環境下で、プライバシーを経営戦略の一環として捉え、プライバシー問題に適切に対応することで、社会的に信頼を得て、企業価値向上につなげている企業も現れている
  • 国内動向:グローバルで活躍する国内企業の動き、個人情報保護法制度改正大綱への対応
    • 国際的なデータ流通により経済成長を目指すDFFTを実現する観点からも、セキュリティやプライバシーの確保を通じた、人々や企業間の信頼が必要とされている。海外で求められるレベルへの目配せが国内企業にも必要となってきている
    • 個人情報保護法制度改正大綱でも、特にデジタル技術を活用した分野においては、民間主導の取組の更なる推進が必要としている。その一環で、個人データの取扱いに関する責任者の設置やPIAの実施などの自主的取組が推奨されている
  • 昨今ビジネスモデルの変革や技術革新が著しく、イノベーションの中心的役割を担うDX企業は、イノベーションから生じる様々なリスクの低減を、自ら図っていかなければならない
  • プライバシーに関する問題について、個人情報保護法を遵守しているか否か(コンプライアンス)の点を中心に検討されることが多かった。しかし法令を遵守していても、本人への差別、不利益、不安を与えるとの点から、批判を避けきれず炎上し、企業の存続に関わるような問題として顕在化するケースも見られる
  • 企業は、プライバシーに関する問題について能動的に対応し、消費者やステークホルダーに対して、積極的に説明責任を果たし、社会からの信頼を獲得することが必要である。経営者は、プライバシー問題の向き合い方について、経営戦略として捉えることで、企業価値向上につながるといえる
  • 経営者が取り組むべき3要件
    • 要件1:プライバシーガバナンスに係る姿勢の明文化(経営戦略上の重要課題として、プライバシーに係る基本的考え方や姿勢を明文化し、組織内外へ知らしめる)
    • 要件2:プライバシー保護責任者の指名(組織全体のプライバシー問題への対応の責任者を指名し、権限かと責任の両方を与える)
    • 要件3:プライバシーへの取組に対するリソースの投入(必要十分な経営資源(ヒト・モノ・カネ)を漸次投入し、体制の構築、人材の配置・育成・確保等を行う)
  • プライバシーガバナンスの重要項目
    1. 体制の構築(内部統制、プライバシー保護組織の設置、社外有識者との連携)
    2. 運用ルールの策定と周知(運用を徹底するためのルールを策定、組織内への周知)
    3. 企業内のプライバシーに係る文化の醸成(個々の従業員がプライバシー意識を持つよう企業文化を醸成)
    4. 消費者とのコミュニケーション(組織の取組について普及・広報、消費者と継続的にコミュニケーション)
    5. その他のステークホルダーとのコミュニケーション(ビジネスパートナー、グループ企業等、投資家・株主、行政機関、業界団体、従業員等とのコミュニケーション
  • プライバシーガバナンスに係る姿勢の明文化
    • 明文化の具体的な形としては、宣言の形をとったプライバシーステートメントや、組織全体での行動原則を策定するケースもある
  • 消費者とのコミュニケーション(組織の取組の公表、広報)
    • 透明性レポート(transparency report)のように、消費者が特に懸念する項目等を、積極的に分かりやすく公表していく方法は有効である。データの高度な利活用が進むほど、新しいプライバシーリスクが発生する。消費者が懸念点を解消できるよう、取組の情報を定期的に取りまとめて発信することで、消費者も安心してサービスを利用することができる
  • 消費者とのコミュニケーション(消費者との継続的なコミュニケーション)
    • 定期的なレポートだけではなく、新たな消費者へ向けた機能追加や利用規約等の改訂のタイミング等では、どのようにサービスやプライバシーリスクに係る対応が改善したのか、迅速に、分かりやすくWebサイト等でお知らせすることで、消費者も迅速に情報を得ることができ、サービスへの信頼につながる
    • 情報更新時には、利用者へプッシュ通知でお知らせをしたり、プライバシー設定についてあまり関心を払っていない利用者に対しては確認や見直しを働きかける案内を通知するなど、企業から消費者へ、継続的に、積極的なアプローチをすることが大切である
    • プライバシーは変化しうるものという特徴を踏まえ、消費者の意識について、各種消費者との接点から、把握できるよう努める必要がある
    • 特にデータ分析を主な事業とする企業などは、日頃対面で消費者と接する事業会社との協業に当たって、自らもプライバシー保護の知見を高める必要があり、継続的にプライバシー問題に関わる意識調査等を行い、社会受容性などについて把握することも一つの方法である。その際には、調査実施自体で満足することなく、意識調査等の結果を自社の取組へ反映させていくことが重要である
  • (参考)新型コロナウイルス感染症対策とパーソナルデータの活用
    • 新型コロナウイルス感染症への対策において、各国でパーソナルデータの活用のニーズが急速に高まった。日本でも、政府から事業者等に対するデータ提供要請が行われ、データ提供を要請された企業は、コロナ対策という公益のためのデータ提供とユーザのデータ・プライバシーを守ることによるユーザとの信頼関係のバランスという課題の中で、プライバシーガバナンスを企業内で確立していくおくことが重要であることが示唆された
  • プライバシー・バイ・デザイン、プライバシー影響評価(PIA)
    • 基本的なプライバシー保護の考え方として、参照できるグローバルスタンダードの1つに、プライバシー・バイ・デザインというコンセプトがある。これは、ビジネスや組織の中でプライバシー問題が発生する都度、対処療法的に対応を考えるのではなく、あらかじめプライバシーを保護する仕組みをビジネスモデルや技術、組織の構築の最初の段階で組み込むべきであるという考え方である
    • プライバシー影響評価(PIA)とは、個人情報及びプライバシーに係るリスク分析、評価、対応検討を行う手法である。なおISO/IEC 29134:2017では、PIAの実施プロセス及びPIA報告書の構成と内容についてのガイドラインを提供している。今後、JIS規格も発行される見込みである
    • 個人情報保護法改正大綱でも「民間の自主的な取組を促進するため、委員会としても、PIAに関する事例集の作成や表彰制度の創設など、今後、その方策を検討していくこととする」と記載がある

~NEW~
総務省 「2019年経済構造実態調査」二次集計結果【甲調査編】
▼「2019年経済構造実態調査」二次集計結果【甲調査編】
  • 製造業及びサービス産業の付加価値等の構造を毎年明らかにし、国民経済計算の精度向上に資することを目的として、2019年6月に初めて実施した「経済構造実態調査」の結果のうち、二次集計結果【甲調査編】を公表します。今般の調査の結果により、事業活動別の売上高や費用の構成等が初めて明らかになります
  • 経済構造実態調査における売上(収入)金額及び付加価値額
    • 2018年の産業大分類別の売上(収入)金額(以下「売上高」という。)をみると、「卸売業,小売業」が497兆9810億円と最も多く、次いで「製造業」が413兆2808億円、「金融業,保険業」が118兆3485億円などとなっている
    • 付加価値額をみると、「製造業」が77兆9292億円と最も多く、次いで「卸売業,小売業」が48兆16億円、「金融業,保険業」が19兆1983億円などとなっている。
  • 経済構造実態調査における事業活動別売上高
    • 各企業等は、企業全体の主な事業の種類により、1つの産業(主業)に分類されているところであるが、主業以外にも複数の事業を行っている場合がある
    • 2018年の主業以外の事業活動による売上高の総和をみると、「卸売業,小売業」によるものが33兆6345億円と最も多く、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」によるものが9兆5949億円、「製造業」によるものが7兆2250億円などとなっている

~NEW~
国土交通省 令和元年度の証券化対象不動産の取得額は約4.1兆円~令和元年度「不動産証券化の実態調査」の結果の公表~
  • 国土交通省では、不動産証券化の全体的なボリュームを把握するため、不動産証券化の対象として取得された(証券化ビークル等※が取得した)不動産又は信託受益権の資産額を調査し公表しています。令和元年度に、不動産証券化の対象として取得された不動産又は信託受益権の資産額は約4.1兆円となりました。(※リート、不動産特定共同事業、その他私募ファンド(TMK、GK-TKスキーム))
  • 不動産証券化の市場規模
    • 令和元年度に不動産証券化の対象として取得された(証券化ビークル等が取得した)不動産又は信託受益権の資産額は約4.1兆円となった。また、証券化ビークル等が譲渡した資産額は約3.9兆円であった
  • スキーム別の実績
    • 令和元年度に取得された資産をスキーム別にみると、リートが約1.72兆円で全体の約42%を占め、不動産特定共同事業が約0.18兆円となった。また、令和元年度に譲渡された資産は、リートが約0.26兆円で、不動産特定共同事業が約0.07兆円となった

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