週刊・危機管理PLUS

危機管理のプロの観点から時事ニュースを考察しました。

SNSの凶暴性を自覚し、「安易さ」を排除せよ~

以前、ある芸能人が、悪質な書き込みをしていた男女7人を名誉毀損や脅迫の疑いで訴えた。ネット上の書き込みによる事実無根の誹謗中傷で一斉摘発された初のケースとなったが、面識がなかった容疑者らは「自分はデマ情報にだまされた被害者」と一様に訴えるなど、罪の意識は希薄だったという。最近も、女子プロレスラーの自殺を受け、自らの投稿に不安を感じた者らが弁護士に相談するケースも相次いでいる。SNS上での発言に責任が持てないならそもそも発言すべきではないが、そこに付きまとう「安易さ」は、刹那的な感情を表現しやすく、フィルターバブルやエコーチェンバーによってバイアスがかかりやすいSNSの特性と密接に関係がある。SNSの凶暴性に気づいた今こそ、バイアスを自覚し、SNSとの適切な距離感を持つ「リテラシー」の重要性を認識してほしい。(芳賀)

IoTの普及とサイバーリスク

先日報道された本田技研工業での事案など、急増する工場や施設へのサイバー攻撃による被害の背景にはIoT機器の脆弱な管理が一つの要因としてあげられる。サポートの切れたOSや出荷時の初期パスワードがそのまま機器に使用されていれば、攻撃側からすれば”最も攻めやすい部分”であることをあらためて認識し、早急に機器の技術面、および運用面のそれぞれで防御態勢を整え、侵入口を増やさない運用が求められる。多くのつながりのなかで、目が行き届いていない機器の存在を把握し、機器自体の状態、他の機器との通信状況、および不正な中継点とならないよう管理・運用上の規制を機能させる必要がある。機器の性質・設置環境などのリスクを評価したうえで、まずは優先的に対応をとるべき機器の特定と防御すべき範囲を明確にする取り組みが急務だ。(佐藤)

帰宅困難者対策に段ボールベッドを

梅雨に入り、今年も水害が懸念される時期がやってきた。平成28年10月台風、平成29年7月九州豪雨、平成30年7月豪雨、令和元年10月の大雨と、近年は水害のない年の方が珍しいといえる。今年はそれに新型コロナ対策も加わるため、これまで以上の警戒が必要だ。マスクやアルコール消毒液などはいうまでもないが、避難所の感染症対策に有力な備蓄として段ボールベッドを挙げておきたい。もともと日本人は畳文化のため床の雑魚寝に抵抗がないが、海外では避難所生活におけるベッドは必需品。床には埃とともに病原菌も付着する可能性が高いため、ベッドは感染症対策にも有効だ。もともと空気の層に保温効果があることや、ベッドの中身が収納スペースになるなど避難所で多くの利点が指摘されてきた。企業も帰宅困難者対策の一環として、ぜひ検討してほしい。(大越)

公益通報者保護法改正 田布施町にみる組織のリスク

税の不適切徴収を告発した町職員が報復人事を受けたとされている。町側は報復人事を否定しているが、同僚のいない一人部屋で従来と全く異なる業務を担当させるのは、「隔離」や「過少な要求」といったパワハラの典型例にあたりうる。今回の法改正では、通報したことを理由とする不利益取扱を行った場合の、組織に対する罰則規定の導入は見送られたが、3年後の再改正に向け検討が進められるという。組織の風土は一朝一夕に変えられるものではない。もし通報者=反逆者とするような雰囲気が組織内にあるならば、いますぐにでも意識改革を行わなければ厳しい批判に晒されることになる。外部への告発を防止し自浄作用向上のために設置されたはずの窓口が画餅では勿体ない。経営層は今一度、制度の運用如何が組織の命運を分け得ることを意識すべきだ。(福田)
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