HRリスクマネジメント トピックス

「どこまでできる?リモートでの社員研修」三匹(?)が語る!HRリスクマネジメント相談室(22)

2021.01.26
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オンライン研修を受ける女性

職場におけるトラブルは複合的。社内の様々な関係者の協力を得て、複数の視点で捉えなければ、解決が難しい問題も多々あります。でもやっぱり最後は「人」!HRリスクマネジメントが重要です。

職場における様々なトラブルを解決すべく、今、エス・ピー・ネットワークに生息する動物たちが立ち上がりました!今回も三匹(いえ、5匹!)が、チャットにて、それぞれの観点から熱く語ります。

【今月の三匹・プロフィール】
みみずくさんのイラストみみずくさん(みみ):SPNの森のお目付け役。愛らしいフォルムと裏腹に、猛禽類らしい鋭い目線で最新のリスクをチェック!さらに森の仲間たちの文章もチェック!夜行性?うーん、夜中に起き出して活動を始めるから、夜行性なのか早起きなのか…?


モモンガさんのイラストモモンガさん(モモ):小さな皮膜で滑空する夜行性。社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー、運転免許など…すべてペーパーですが、そこそこ長い会社員経験をおなかの袋から取り出しながら実務の間を飛び回ります。SPNの森にも慣れて、時々黒いセリフも飛び出します。


ゴリラさんのイラストゴリラさん(ゴリ):初登場!森の中では大人しくしているが、実は行動派でワイルド。過去の様々な経験から、マニュアルだけでは見つけられない不正のほころびを見つける。ネットからではなく、「生」の情報を集めるのが趣味である変なゴリラ。


ミーアキャットさんのイラストミーアキャットさん(ミーア):SPNの森の仲間になって初めての冬です。この森寒すぎる…。最近はあたたかい毛布にくるまっていることが多くなりました。爪痕を残すという意気込みのもと、毛布の中から前のめり気味で参加します。


ネコさんのイラストネコさん(ネコ):当相談室の留守番ネコ。猫なで声と鋭い爪をあわせ持ち、企業内での人事実務経験が豊富。社会保険労務士で、産業カウンセラー、実はキャリアコンサルタントでもある。反応が見えないWebセミナーには苦労するニャ…。

今月のご相談は、こちら。

社内の教育・研修の担当者です。昨年はコロナ禍で、予定していた研修が思うように実施できず、とても困りました。

新入社員研修は、例年ならば外部の2日間の新入社員向けプログラムを受講させるのですが、昨年は急遽中止になってしまい、私が会議室で電話の取り方や名刺交換の仕方などを教えました。あとは…緊急事態宣言中はあまり出社もさせたくなかったので、在宅で新入社員向けのWeb教材を受講してもらったり、Web会議ツールで各部署の責任者に話してもらったりして、そのレポートを提出させたくらいです。とりあえず、現場に配属されてから大きな苦情はなかったので、「どうにかなった」のかな、と思っています。

毎年恒例のコンプライアンス研修は、E-learningで代用しました。ただ、みなさんテストはパスされましたが…なんとなく形骸化しているような気がします。自分もさーっと飛ばして見てしまいましたし。元々毎年同じような内容になりがちで、根本的に考え直さなければいけないのかな、という気もしています。

新任管理職研修は、人数が少なかったので社内の会議室に集まってもらいました。ただ、例年ならディスカッションやグループワークをするところを、座学中心のプログラムに変更したので、うーん…正直みんな眠そうだったなぁ、という感じです。

こんな感じで、昨年は「最低限」の研修をこなすのにやっとでした。しかし、事業の発展を支えるのは「人」ですので、今年はもう少し積極的に「人材育成」に取り組みたいと思っています。経営層からも、企業理念を浸透させ、自立・自律的に働ける人を増やしていくことが急務だと言われています。

今はリモートでの研修も盛んになっているようですが、どこまでできるものなのでしょう?研修担当者として考えるべきことや、他社での成功事例があれば、教えてほしいです!

さぁ、この担当者さんへどんなアドバイスをしましょうか。SPNの森の動物たち、集合!

チャットでのディスカッションが、とても盛り上がることに気付いたSPNの仲間たち。味をしめて、今月もディスカッション形式でお届けニャ!

〈まずは新入社員研修から〉

ネコ:さぁ、お時間です!よろしくお願いします。

一同:お願いしまーす!

ネコ:ご相談では、①新入社員研修、②毎年恒例のコンプライアンス研修、③管理職研修の話題があがっていますね。どこからいきましょう?ミーアちゃんがいるから、①新入社員研修からかな?
ミーアちゃんの世代は、いきなり在宅でのリモート入社式&リモート研修からの社会人生活スタートだったよね。Webでの研修、どうだった?

ミーア:とてもよかったです!ただ…担当する人によって、個人差が大きかったのを記憶しています。

ネコ:個人差?どんなところで差が付くの?

ミーア:一方通行の人とか、双方向な感じの人とか。あと、話し方とか…。双方向の方が、最後までついていきやすかったです!正直なところ、わからないままどんどん進んで、途中でついていけなくなってしまうこともありました…。

みみ:一方通行か双方向か、理解度を確認しながら進められているかだね。Webだからというか、対面での研修でもあり得る話では?

ネコ:対面でも一緒ですね。正直、研修する側だったネコも、おっかなびっくりだったんだよ。これで伝わるのー?って。だから余計に、ネコはみんなの反応を気にしていたと思う。

ミーア:個人の画面が小さかったので、相槌などリアクションを大きくするように、皆で気を付けていました!

みみ:それは皆で言い出したことなの?

ミーア:人事の方に「反応大きくしてね」と実際言われましたが、「ここまで質問ある?」などと聞かれた際に、大きく反応しないと伝わらないということがあったので、そこから気を付けました。首を全力で縦に振ったり横に振ったり…。

ネコ:人事さんにも言われていたのね。確かに、ネコは大きく反応してくれないと、何度も聞いてしまうわ。

みみ:なるほどね。講師側も受講者側も、手探りの中での工夫でしたね。

ネコ:コミュニケーションは双方の歩み寄りから!いつも講師として、研修で言っているとおりね。
ところで、新入社員研修で聞いた内容って、覚えているもの?

ミーア:そのあとノートにまとめたりしていたので、意外と覚えているような気がします…。

ネコ:お、えらーい!

ミーア:初めて聞いた用語なども多く、調べているうちに話が進んで、さらについていけなくなった事案はありました。いつの間にか調べ物が脱線したり…(小声)。

ネコ:でも、かえって自分で調べたり、まとめたりという行動につながっているという可能性もありますね。

ミーア:Webでの研修があって、その後対面での研修も受けて、それでやっとわかった部分が結構ありました。全く初めて聞く内容をWeb研修で理解しきることはできませんでした…。

みみ:対面だとわかりやすいものなの?対面では感じられること、直感で理解できることが、Webでは感じられない、伝わらない部分があるのかが気になりますね。

ネコ:うーん、対面だから、Webだからという問題ではない気がします。ネコもこの森に来た頃は戸惑ったかも。SPN独自の話だと、複数の人の話を聴いて、やっとわかってきたような。ミドルクライシスの話とか、「知ってるでしょ?」という体で話されると、けっこうキツかったな。対面でも「わからない」とは言いづらかったです。

モモ:対面だと、講師側は、受講者が理解しているかどうか、推し量りやすい気はします。分かっていなそうかなー?と思ったら、別の言い方をしたり、繰り返したりして、理解を進めてもらう工夫はしやすい気がします。ミーアちゃん、その辺りどうかな?

ミーア:対面だとその場にいないといけないので、話についていけなくなったとしても、聞いていることが出来ると思いますし、復帰もしやすい印象があります。Webだと、話についていけなくなった場合、眺めているだけというか、内職とかも最悪出来てしまうので、受講者側の意識に左右されてしまうのかなと思いました。

みみ:Webだと集中できない?監視されていないと思うから?個人的には弁護士のセミナーを受講することが多く、対面でもWebでもあんまり変わらないなぁという印象なのだけれど。そう思いたいからなんだろうか?わからないって、Webだと言いにくいのかな?なんでだろう。

ミーア:タイミングがつかめないとか、みんなは分かっていそうという「止められない雰囲気」ですかね…。

モモ:研修に限らず、会議などでも、Webだとタイミングを掴めず、質問し難かったり、言葉がかぶったりしますよね。

ネコ:対面でも、講師がノリノリで話しているときには割り込めないし。ただ、対面だと聞いていなければバレてしまいそうだし、感想とかも求められそうで、その緊張感はあるなぁ。

ゴリ:新人の場合、講師がどのような方なのかも重要かと思います。

ネコ:講師は本当に、難しいですね。伝える努力がかなり必要。

みみ:講師の問題は…肝に銘じます。

〈eラーニングって、どうなの?〉

ゴリ:私も新人としてWeb研修受けました。私の時は、eラーンニング的な研修で、完全に一方通行。当時はWeb会議のツールを使っておらず、質問はメールのみで、孤独感は感じました。ただ、見直せるところは良かったです。

ミーア:eラーンニングは見ている途中で挫折しやすかったです。

ネコ:Webでも対面でも、一方通行のはどちらもキツイ。eラーニングは一方通行ね。

みみ:eラーニングは基本的に耐え忍ぶもの。

ミーア:…肝に銘じます。

みみ:Webでも対面でも、eラーニングみたいになっちゃいけないってことだよね。

ネコ:双方向なeラーニングって、できないのかしら。

モモ:質問に答えないと次に進めない、というのはありますね。それを双方向と呼ぶかは微妙ですが…。

みみ:強制的に聞かせる仕組みだね。たしかに、双方向のeラーニングってあれば面白いけれど、もはやeラーニングではないという…。AIとかロボットと話すってことかな?

ゴリ:eラーニング後に、講師とWeb面談で質疑応答があれば良いかと。

ネコ:受講後に、誰かと感想を話し合う場があるだけでも、全然違う気がします。程よい緊張感も持てそうですし。
eラーニングって、受講させる側の立場に立っても微妙なんです。効果があったのかなかったのか、つかみどころがなくて。双方向や、受講者同士の横展開ができればいいな。

みみ:eラーニングは効果測定でしか効果は判断できないからね。受講時間のデータと回答だけを共有しあうこともありましたな。昔。

ネコ:相談者さんのところでは、eラーニングのコンプライアンス研修を行って、やっぱり微妙な感じで終わっていますね。内容も「毎年恒例」だと、「ただやっただけ」になりがち。

ミーア:内容を受講者のレベルに合わせるのが、eラーニングだと難しかったりするのでしょうか。

みみ:eラーニングのレベルは、高いところには設定しないものだからね。とにかく最低限のレベルを揃えましたっていう、会社の言い訳づくりだから。

ネコ:やったというエビデンスを作るだけの研修なんて、意味がない気がします。なんだかもったいないなぁ。そこに時間とお金をかけるのは。

モモ:たしかに、eラーニングは「やった」という証拠づくりな気がします。知識だけならeラーニングでも可能かもしれませんが、実感を伴って理解するところまで進めるには、ディスカッション的なワークが必要かな、と思います。

みみ:研修とか教育は双方向であるべきってことかな。一方通行は効果が期待できないってことだろうね。

〈研修受講のモチベーションが大切!〉

モモ:あとは、受講者が自主的に受けているかどうかにもよるかもしれません。自分で何らかの知識を得ようと思って受講した場合は、eラーニングでも頭に入りますが、例えば、会社から受けさせられたとなると、右から左…のような。受講者の自主性の問題はあるかもしれないな、と思います。

ミーア:eラーニングだったり、在宅での受講だったりすると、受講者の自主性が大きく関わるような気がしました。

みみ:対面での研修でも同じですね。講師側が、なんとなく参加した方の自主性をいかに引き出すか。双方向の方がその可能性は高い。対面の方が緊張感と相まってその可能性が高い。

モモ:そうですね。個人的には、判例や事例など、リアルを感じられて興味を惹かれるような内容が入っていると面白く感じます。緊張感で言えば、対面に勝るものはないかと。

みみ:Webの可能性も追求したいところだな。

ネコ:Webでも、チャットをうまく活用したところは良かったですよ。感想を随時垂れ流してOKなことにして、講師もそれをちらちら見て時々反応するだけで、こんなにも双方向感が出るのかぁ、と。

モモ:Webの場合は、途中でアンケートを入れたり、意見や質問コーナーがあったりすると参加している感がありました。チャットも臨場感がありますね。

ミーア:「参加している感」大事かもしれないです!

ゴリ:私は受け身だけより、グループワークも入れて欲しいですが、チャットでグループワークもあるようですね。

みみ:チャットとの組み合わせは、使いこなす側があってのことかも。

ネコ:そうですね。PCは1人1台が当たり前、基本操作は全員が当たり前にできることが前提かも。新しいツールを使うなら、まずはそのレクチャーが必要ですね。

モモ: 確かに、チャットの場合、使いこなし度がある程度似通った人たちでないと、どんどん置いていかれたり、チャット内で話が展開されたりして、集中力の置き所が難しいな、という場面もありました。

ゴリ:この「三匹」でも、入り方が難しいという…。話がずれることもしばしば。

ネコ:ずれてもまた戻れるのも、文字の良いところですよ。

モモ: Webの場合は通信環境や設備投資もある程度必要条件かと思います。快適に受けてもらえる環境は、最低限確保する必要があるかと。

みみ:文字を「打つ」という行為は、考えることにつながっている気がする。「話す」は脳の表面。「打つ」は脳のより深いところ。

ネコ:ネコもそう思います。文字にしようとすると、けっこう考えます。

〈次世代研修への進化・深化に向けて〉

みみ:Webでのセミナーは工夫次第で対面に劣らない。だけどeラーニングの限界はやっぱり克服するのは難しいか。Webでのセミナーが深化すれば、eラーニングは需要がなくなるってことかな。

ネコ:基礎知識を得るという意味では、ありだと思います。目的意識がないと右から左ですが。

モモ:一定の知識を得るのみ、例えば資格試験の勉強に特化するとかならば、eラーニングも需要はあると思いますが、企業研修では難しいかもしれませんね。

ゴリ:時間的制約がある場合は、eラーニングの需要ありかもしれません。

ミーア:eラーニングの場合は、後のサポートが重要ということでしょうか…。

ネコ:eラーニングの後で、ディスカッションとかね。

みみ:相談者さんの会社の話に戻って、コンプライアンス研修の目的からすれば、Webでのセミナーを進化させる方がよいかも。eラーニングだけではダメってことですね。もちろん、基本講習はeラーニングで、その後、グループワークとかならいいかも。

モモ:そういう組み合わせが効果的だと思います。

ミーア:eラーニングで基礎知識(用語とか背景とか)を得たうえで、双方向の研修があると、より内容が入りやすいのではと思いました。

ネコ:結局、やっぱり「双方向」にいかに「巻き込めるか」なのかな。双方向の環境があっても、傍観者になっていたらダメですし。

ミーア:双方向の場合、受講者側が何人までが許容範囲とかあるのでしょうか。それは対面とWebでかわったりするのでしょうか。

ネコ:対面でもWebでも、グループワークやディスカッションは、ある程度少人数の方がいいですね。

モモ:5~6人が適当かな、という気がします。少なすぎれば意見の多様性を期待できないし、それ以上だと話さない人が出てしまう…。

みみ:そろそろ講師も受講者もWebに慣れてきているので、Webとeラーニングを融合した、より効果的な研修のあり方を考えられそうだね。それは対面でも生きるはず。

モモ:参加をしている、学ぶ意識がある。というのが大事ですね。

ミーア:受ける前に研修の重要性を伝えることが肝になるような…。

ネコ:この相談者さんの職場では、②コンプライアンス研修も③管理職研修も、「双方向」がないですね。「何かを得るぞ!」という目的意識も持てていない気がします。

みみ:相談者の会社のやり方では、対面もWebも結局、有効にならないのでは?

〈どうやって研修に引き付けるか?〉

ネコ:研修は「案内」の時点からはじまっているのかも?

みみ:なるほどね。「案内」か。ある会社で「反社」セミナーを自由参加で開催することになって。コンプラ部門がすごいキャッチ―な案内動画(パワポ)を作ったら、数百人申し込みが来たという…。

ネコ:それすごい。

モモ:参考にさせていただきたいですね。

みみ:おどろおどろしい、笑っちゃうような内容で。そんな遊び心も必要かも。興味をもってもらうためには振り切ることも必要。

ミーア:コンプラを守らないとどうなるのか想像させてみるとかですかね…。

ゴリ:公務員向けのセミナーで、非違行為をすると退職金がなくなりますよと、退職金の計算をさせたことがありました。

ネコ:うわっ!

モモ:すごい、自分事になりますね!

みみ:興味をもってもらうことが最重要だということを痛感させられます。退職金の話も(笑)いきなりフルスロットルで参加してくれる。

モモ:事前に質問を募集して、セミナーの中でお答えします。というのも興味を惹かれました。

みみ:コンプライアンス研修といえども、社内営業、社内宣伝のセンスを取り入れないといけなくなっていますね。リモートワークだし、Webだし、余計にね。

ネコ:コンプラ研修や管理職研修のキャッチーなコピー、考え付きますか?

みみ:「君は反社のリアルを知りたいか?」とか。

ネコ:うわ!興味持ちそう。

モモ:それらのテーマは、脅しが効きそうな…。さっきの退職金の話のような。「あなたもうっかりしていると、巻き込まれる可能性がありますよ」「大変なことになりますよ」のような。
それから、知っておかなきゃ!と思わせる。例えば、「老後の2000万円問題」で、お金のセミナーを受ける人がすごく増えたらしいです。

ネコ:セミナーで、「I(アイ)メッセージを使ってみましょう」という話の時には、「家族のために使うといいですよ、そのための練習を会社でしちゃいましょう!」なんて言うこともあります。脅しばかりでなく、本人にとってのメリットが大事なのかな。

モモ:本人のメリット、大事ですね。人間は「損したくない派」と「得したい派」がいるというのも何かで見ました。

ネコ:そうね。その両面から攻めますか。

ゴリ:いかに「危機管理」を損得勘定に乗せるか…。基本的に、「知識」は得なのですが。

モモ:自分事として捉えてもらうか、ですねー。

みみ:たしかに。メリットって人それぞれあると思うから、どう働きかけるか…。「自分事」もキーワードですね。

〈改めて見えてきた、新入社員研修の留意点〉

ミーア:新入社員向けのコンプライアンス研修だと、まず「コンプライアンスって何?」から入るので、自分の損得勘定に乗る以前の段階かもしれないです…。

みみ:お?

ネコ:新入社員研修は、「受けるぞ!」「知識を得るぞ!」の意識が高い印象だったけれど。

ゴリ:何もわからない状況で不安を払拭するには、研修を受けるぞ!の気持が乗るのも当然かも。

ネコ:もともと新入社員は不安が大きいよね。ネコが担当している新入社員研修では、最初に不安な気持ちを認識してもらい、それを肯定するところからスタートしているの。不安を肯定的に認識すると、「聞かなきゃ!」「得なきゃ!」の意識が高まったりしないかな。

ミーア:たしかに「聞かなきゃ!」という一心で研修を受けていました。聞かないと!理解しないと!あと、出来るようにならないと!という意識もあるかと思います。

ネコ:そうかー、だから新入社員研修の効果は、目立って下がったりはしなかったんだな。年をとって、慣れてくると、「聞かないと!」「理解しないと!」が減ってくる。何かメリットがないと食いついてこないのか…。

モモ:新人さんは、「研修=今の業務」ですが、管理職研修などでは、「業務>研修」と思っている方が多く、「こんなことしてる時間があるなら、仕事したい」と思いながら参加する人がいることも、対面やWebの場合のやりにくさの一つかな、と思いました。

ネコ:ベテランの場合、「業務に役立つ」と思わせることも、研修に対する積極性を高めるポイントかもしれませんね。

みみ:「聞かなきゃ!」にこたえる内容を提供できているか。聞いて理解できるような「仕掛け」ができているか。双方向でコミュニケーションがとれているか。講師側もスキルをあげていかないと。

ミーア:新人としては、ついていけなくなった時の絶望感はすごいです。「自分は何も知らなかった…」という現実を突き付けられたみたいで。Webだと、自分だけついていけていない感もあり、不安が大きくなったような…。

みみ:なるほどね。実はみんな同じかもしれないのにね。Webだと空気感が伝わらないから。

ミーア:その講義は、同調圧力で「ついていけているフリ」をして乗り切りました(小声)。

みみ:で、講師も「みんなわかったな」と勘違いするという…。講師と受講者の双方向だけでなく、受講者同士の一体感とか、わからなければ気軽にそう言える雰囲気を創り出すことも考慮しないとね。

モモ:新入社員さんの場合は、早い段階で、何が分からないかとか、理解とレベルのすり合わせをするのも大事かもしれませんね。意欲はあって、真剣に聞いていても、レベルが合っていないと、せっかくの研修がもったいないことになる。
過去の経験ですが、「みんな分かってそうだなー」と思いながら、「私、よく分からないのですが…」とおずおず質問したら、実はみんなも分かっていなかった、といこともありました。

ミーア:そのパターンもありました!

モモ:分からないと言いやすい雰囲気というのを大事にするのもありかもしれません。心理的安全性の確保でしょうか。その場で解決していけるような。

みみ:対面でもそうだけど、Webならなおさら、密なコミュニケーションをとっていくということだね。それで受講者を引き込む、巻き込む。

ネコ:自らのめり込めて、「わかった!」を感じられ、かつ、自然と同じ方向性を目指せる感じ?そんな夢のような研修ができたら良いのですが…。

ミーア:結局講師の力量がカギになるのでしょうか……。

みみ:講師の力量は否定できないね。心理的安全性を確保するのも講師次第のところもあると思う。

ネコ:ニャアァ、講師のプレッシャー…。

みみ:ブーメラン…。

モモ:逆に、受講者側に求められることはどのようなことでしょう?

ミーア:何か得るぞという意識とか…。

みみ:反応かな。正直に反応してほしいかな。

ネコ:ネコは、受講者さんには、とにかく興味を持ってほしい一心で話しているかも。お、何か面白い話をしているぞ、と思ってもらえて、とりあえず片耳ででも聞いてもらうところからスタート。それで、役に立ちそうだなとか、おもしろそうなことを言っているぞと思ってもらえたら、やっと本題に入れる感じ。

みみ:対面なら、ペンが止まる/走り出す。顔をあげる。笑う。Webなら頷く。笑う。困った顔をする。

ネコ:そしてチャットで相槌。チャットは意外と勇気づけられますよ、講師が。

モモ:表情豊かに、受け入れる感じで聞いてもらえると、講師も話しやすくなり、お互いにいい意味での「得」が多くなりそうですね。

みみ:リアルタイムであればあるほど、急速に「場」の雰囲気が高まるのでは?

ネコ:そうそう。場ができてくると、やりやすいです。

みみ:Webでも「場」が温まらないことは察知できるから。そうしたら講師も工夫と知恵の限りを尽くすしかないかと(笑)逆に対面の研修で、そこまで到達したり、工夫したりしてきたか?という反省にもなるね。

ネコ:最近、Web研修では踊ったり歌ったりもしています。本当に。まだまだ模索中です。

モモ:こうして、改めて「研修の在り方」について、深堀するのは大事な時間ですね。

みみ:「聞かなきゃ」をあまり意識しなくよい新入社員研修と、「聞かなきゃ」から創造しないといけない管理職研修とではまた違うし。Webだし。考えさせられます。

モモ:そうですね。管理職や数年経過した社員には、そもそもの研修の目的を理解してもらって、共感してもらい、キャッチーな案内で、受講のハードルを下げるところから。

ミーア:あのぉ…。新入社員研修でチャットを使うと、敬語の表現などに迷って打つのにとても時間がかかりそうだなと思いました(小声)。

ネコ:うわぁ。新入社員さんの心の壁って、思った以上に厚いんだなぁ。

みみ:悩むことが成長につながるし、身につくもんだよ。

ミーア:…肝に銘じます!

「HRリスク」とは、職場における、「人」に関連するリスク全般のこと。組織の健全な運営や成長を阻害する全ての要因をさします。
職場トラブル解決とHRリスクの低減に向けて、エス・ピー・ネットワークの動物たちは今日も行く!
※このコーナーで扱って欲しい「お悩み」を、随時募集しております。

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