HRリスクマネジメント トピックス

「もうすぐ年度末なのに…相次ぐ退職希望者」SPNの森 動物たちが語るHRリスクマネジメント相談室

2026.01.27
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職場におけるトラブルは、様々な要因が複雑に絡み合って起きるもの。複合的な視点でとらえないと、真の問題解決には至りません。
悪事に手を染めるのも人ならば、素晴らしい成果をあげるのも人!どうしたらトラブルを抑えられるだろう、どうしたらもっと力を合わせ、のびのびと力を発揮できるだろう?
SPNの森に生息する動物たちが、今日もチャットで語り合います。
今月からちょっとリニューアル!いろいろな動物さんが登場します!

【SPNの森に生息する動物たち<プロフィール>】
 
みみずくさんのイラストみみずくさん:
SPNの森のお目付け役。愛らしいフォルムと裏腹に、猛禽類らしい鋭い目線で最新のリスクをチェック!さらに森の仲間たちの文章もチェック!夜行性?うーん、夜中に起き出して活動を始めるから、夜行性なのか早起きなのか…?


ペルシャ猫さんのイラストペルシャ猫さん:
ゆったりと過ごすことが好きな猫。ゆったりと過ごしたいが、過ごせなかった過去を持つ。社会保険労務士のほか財務会計の資格もあり、人事労務と財務会計分野の実務経験が長い。SPNの森では日増しに内部通報制度との縁が深くなっています。


ケツァールさんのイラストケツァールさん:
広報の森をいくつか飛んでいる内、数年前にSPNの森へやってきた防災士。現在はBCPや広報など色んなところに顔を出して、勉強しながら日々業務に取り組んでいます。


鶯さんのイラスト鶯(ウグイス)さん:
SPNの森に4月に仲間入りしました。以前の森は幼少~青年の鳥さんたちと関わることが多かったです。臨床心理士と公認心理師。よりよく生きる日々を考えつつ、森で活躍できる範囲を広げられるように日々勉強中です。


キリンさんのイラストキリンさん:
長ーい首で会社のことを見渡せるよう、ペルシャ猫さんの勉強会に毎週リスさん、鶯さんと参加中。この森に来て3年目!首の長さを活かし、アンケート業務では一つの結果に囚われずに全体を俯瞰で見られるよう修行中。


ネコさんのイラストネコさん:
当相談室の留守番ネコ。猫なで声と鋭い爪をあわせ持ち、企業内での人事実務経験が豊富。保有資格は、社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント等。ネコは何回も退職して、この森に流れ着いたニャ…。

今月は、部門の人事責任者であるAさんからのご相談です。

<人事責任者・Aさんからのご相談>

もう勘弁してくださいよ…。年明け早々から退職希望者が相次いで、てんやわんやです。

一人目は、去年の春に入社したXさん。まぁ…ちょっと浮いていたし、あまりやる気も感じられなかったから、「はいはいそうですか」と承認したんです。
そうしたらその翌日、もうじき丸3年になる若手のYさんが退職願いを持って来ました。新卒から育てて、ようやく成果を出せるようになったと思っていたら、「別の世界で自分を磨きたい」と、さっさと次の会社を決めたとのこと。まだまだこれからなのに…。

そして極めつけは、5年前に中途採用で入社したZさん。即戦力として期待して入社させたわりに、1年くらいは低空飛行していたかと思ったら、その後ぐんぐん力を付け、今では部門でトップの成果を上げていて…「さらに頑張ってほしい!」という期待を込めて、去年の冬の賞与では最高ランクの評価を付けていたんですよ。それなのに、「親が大病を患いまして…地元へ帰ることにしました」と!

みんな、賞与をもらって、年末には素知らぬ顔で「来年もよろしくお願いします!」と挨拶しておきながら、急に退職希望だなんて…裏切られたような気分です。これから期末に向けて追い込みの時期だし、来期の人員計画もおおよそ固めていたのに、いったいどうしたものか…。

ニャー、想定していなかった人の退職は、ショックが大きいニャ。しかも一気に3人!困っているAさんの気持ちはわかるけれど、…職場の問題もいろいろありそうニャ。
今後、どうしたらAさんがこれほど困らずに済むか、SPNの森の仲間たちと一緒に考えてみるニャ!

〈ある程度の退職は仕方ない?〉

ネコさんのイラスト 新年一発目のディスカッションですね。今年はいろいろな動物さんたちが参加してくれるとのことで、毎回楽しみニャー。
ケツァールさんのイラスト 2年ぶりくらいに参加します。よろしくお願いします。
ネコさんのイラスト ニャー、ケツァールさん久しぶり!では始めましょう。
ペルシャ猫さんのイラスト この話、大きく以下の2つの方向性が考えられますね。

①退職が続く職場に問題がありそうなので、職場環境を改善しよう
②そもそも、一定数の退職は避けられないのだから、それを見越して採用活動しておこう
ネコさんのイラスト ニャー、②は典型的なブラック企業の考え方だよー。
ペルシャ猫さんのイラスト ただ、実際問題として、本人の事情で退職することも有り得ますし、癌などの大病を患って退職まではいかないまでも本人すら予測できなかった長期の休みも発生するので、②も現実的な考え方だと思っています。
と言うのも、前の森は病院だったのですが、病院の場合、診療報酬の施設基準(患者1人に対して看護師は何名など)の問題があって、人手不足が入院単価に影響するから致命的なんですよ。
なので、前の森では看護師の「見込み採用」なんてものがありました。今はどうか分からないですが。
ネコさんのイラスト その程度は含んでおくべきことと思うけど…。でも、想定外の退職が続くのを「当り前」と思ってはいけないよ。
ペルシャ猫さんのイラスト 今回の相談においては、XさんとYさんは①の方向性、「親が大病を患いまして」のZさんは(本当の理由は分からないですが)②の方向性かと思いました。
ネコさんのイラスト Zさんの退職理由は、理由のほんの一部かもしれないよねー。
確かに親は大病をしたのかもしれないけれど、だからといって「辞める」必要がある?むしろ5年勤めた会社なら、有給休暇の付与日数も多いでしょうし、介護休業だって堂々と取れそうだし。
ペルシャ猫さんのイラスト Zさんは言わないだけで、本当の退職理由の中には職場への不満もあったかもしれない、ということですね。
ネコさんのイラスト 「地元に帰ります」と言って辞めた人と、2年経っても近所のスーパーで会う、なんていう話もよく聞くしね。それにタイミング的にも、Xさんは「早すぎ」だし、Yさんは「これからが収穫期のはず」だし、Zさんは「今さら、そんな…」だし。だから、もっと①の方をしっかり考えるべき状況だと思うの。

〈「あけおめ退職」って、最近多いの?〉

みみずくさんのイラスト タイミング的には、この「あけおめ退職」なのかな?マイナビさんの調査だけど、定義としては「年末年始休暇明けに出社した際、同僚や先輩、後輩など比較的近しい人が退職していたという経験」のようだね。広い意味で今回の相談も含めて考えていいとは思うけど。
ケツァールさんのイラスト こういう「あけおめ退職」は昔からあったのでしょうか?転職経験者ですが年末年始退職を見かけた記憶がありませんでしたので。
ネコさんのイラスト うーん、ネコが人事系の仕事をしていたときは、ほぼ見なかったなぁ。年末年始を保険証無しで過ごすのってけっこう不安だし、賞与をもらってから退職を表明した人はそれから引継ぎなので、退職日は早くても1月末とかが多かったかも…。
みみずくさんのイラスト この調査によると、「企業の中途採用担当者が選ぶ『退職者が多い長期休暇』は『年末年始休暇』がトップ」、「一方、『長期休暇後に退職者が出たことがない企業』は約3割」だそうだ。
ネコさんのイラスト 「五月病」のイメージがあるから、ゴールデンウィーク明け?と思ったけど…いや、ゴールデンウィーク明けもさほど変わらないくらい退職者は出ているような?有意差があると言えるかどうかは…ちょっとこれだけではわからないニャ。
ケツァールさんのイラスト イメージとしては年度末の多い3月なのかと思っていました。
みみずくさんのイラスト もう少し調査結果をみると。「年末年始休暇で『会社を辞めたい』と思ったきっかけは、『給与や待遇への不満』『業務量の多さ』『人間関係の疲れ』など多岐にわたっており、帰省や友人との会話で現状を見直す機会が増えることや、長期休暇明けの負担が『辞めたい』という気持ちを高める要因となっている可能性がある。」だそうな。
鶯さんのイラスト 長期休暇を挟むと「戻るの億劫だな…」の気持ちが出るので年末年始に退職が多いのかも、と。
ペルシャ猫さんのイラスト 私も「年明けの仕事、ダリーな」と思ってますけど(笑)
ネコさんのイラスト それはみんなそうかも(笑)でも、年末年始に「辞めたい」と思っても、実際に辞めるのは次を決めてからということで、もう少し先になるのが普通と思っていたけれど、「いくらでも次の会社あるじゃん?」と思える世代は、「とりあえず辞めよう」もあるのかな。
ペルシャ猫さんのイラスト 売り手市場を経験した世代と、買い手市場を経験した世代では感覚が違うかもしれないですね。

〈「流されて退職」は、ちょっと心配だなぁ〉

みみずくさんのイラスト 職場に問題がある可能性は否定できないけど、Xさん、Yさんの辞め方は本人起因の可能性もあると考えさせられるところは、昔は退職・転職がそんなに一般的ではなかったという意味で、正に今の世相、リアルなんだと思った。「『どんなサポートがあっても辞めたい気持ちは変わらない』という回答も一定数あり、サポートだけでは離職を防ぎきれない現実も示唆される。」というマイナビのコメントも今や「ありうる」なと。
ネコさんのイラスト 若手の離職は、転職サイトや紹介会社の宣伝にのせられている感もあると思います。実際、以前若い人向け転職イベントのキャリア相談コーナーでキャリアカウンセリングをしていたときには、「今の職場に特に不満はないし仕事も好きだけれど、30歳になる前に一度は転職しておくべきなのかな、と思いまして」と相談に来る人もいましたもの。今、仕事が充実しているのなら、無理に転職なんてする必要なんてないよね。この先のキャリアを考えるにしても、今の仕事から身に付くスキルを意識したり、今の仕事を深掘りするための勉強をしたりと、別に転職しなくてもキャリア形成の機会はいくらでもあるし。
キリンさんのイラスト 仰る通り転職サイトのCMだったり駅の広告をよく見かけるので、「一回くらい転職するのが普通(一般的)」と思わせられているようにも感じます。この森にも転職(退職)する方も、転職してくる方も多い状況でもありますが…。
ペルシャ猫さんのイラスト 「どんなサポートがあっても辞めたい気持ちは変わらない」って、もう仕事そのものが嫌になっちゃったって感じですかね…?
ネコさんのイラスト 明確にやりたいことが見つかって、「どうしてもその世界に行きたい!」が勝っているなら、仕方ないと思うけど。前向きな退職は、「一定数」の見込に入れてもいいと思う。

〈もっとキャリア形成に興味を持ってほしい!〉

キリンさんのイラスト 厚生労働省の「令和6年雇用動向調査結果の概況」によると、20代の(個人的)離職理由は、「給料等収入が少なかった」が1位、それに「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」「職場の人間関係が好ましくなかった」が続くようです。
ネコさんのイラスト うーん、仕事内容とか能力を生かすことよりも、労働環境や待遇が退職理由になるんだなぁ。この間、キャリアコンサルタントの資格更新の研修を受けたのだけれど、職業能力開発促進法では、ひたすら自律的なキャリア形成の重要性を意識させようとしているのに。ちなみに、個人だけでなく、企業にも従業員のキャリア形成への「支援」が求められているよ。
みみずくさんのイラスト 社会全般に退職・転職のハードルが下がっていることとキャリアプランを描けているかどうかは完全にはリンクしていないように思う。
ネコさんのイラスト キャリア形成の視点をきちんと持ってもらえたら、退職・転職以外の選択肢も見えるはずなんですけどー。
みみずくさんのイラスト キャリアプランもよく考えないで転職する人が増えているとしたら、会社はその人を「人財」と扱えるかというと、難しいよね。人員不足なので「人材」とはみようとするだろうけど。
ネコさんのイラスト 企業内で活躍するキャリアコンサルタントもいるんですよ。というか、キャリアコンサルタントを有効活用している企業がある。
みみずくさんのイラスト キャリコンを有効活用できたとして、1つの会社だけでは実現できないことの方が多いかもね。育てて「卒業」させる学校みたいだな。
ネコさんのイラスト お互い様なんじゃないかな。会社から期待されていることが、個人としても納得感があるなら、安易に辞めたいとは思わない。会社が数字しか追っていなかったり、期待が志向とズレていたりすれば、どんどんイヤになる。個人の特性を活かしつつ、社業発展に向けられればいい。それが人的資本経営にも通じるんじゃないかと。
みみずくさんのイラスト そのとおりだと思う。が、一定程度の「卒業」を覚悟して、育成をし続けるしかないという、ちょっと社会貢献みたいなとらえ方をしないといけない感じだな。今の状況は。
ネコさんのイラスト 別の形で会社に貢献してくれる人もいますし。お客様を紹介してくれたり、転職先でサービスを導入してくれたりする人もいますから。
キリンさんのイラスト ちなみに、30代前半では、「会社の将来が不安だった」が1位です。
ペルシャ猫さんのイラスト まぁ、私も職場環境とか人間関係とかに不満があったというより、「公務員やゼネラリストのまま定年を迎えると、人生100年時代の到来とAIが台頭する中で、定年後や再雇用期間満了後に働き口がないかも…」という危機感から転職しましたから…(苦笑)

〈退職を考えるきっかけは…?〉

鶯さんのイラスト 20代は選択肢もまだまだたくさんあるので、他にさっと移ろうという人も多い気がしますね。
ペルシャ猫さんのイラスト 次の道(就職先など)が決まっていない退職(ただただ辞めるだけ)はさせちゃいけないと思いますね。
鶯さんのイラスト とりあえず辞めたあと、失業手当をもらいながらしっかり休んで、それから転職活動するタイプも友人にいるので、次が決まっていなくても辞める人もいるようです…。ただ、「とりあえず辞めた」は健康面で「もう続けられない人」がすることが多かったのでなんとも…。
ネコさんのイラスト 健康面で追い詰めているなら、それはやっぱり職場環境に問題ありだね…。
鶯さんのイラスト 誰か辞めると、私も辞めよっかな、と連鎖的退職もあったりするんでしょうかね。元々ちょっと辞めたい、辞める気持ちがあって背中を押された、のような。
ケツァールさんのイラスト それもあるかもしれませんね、その方に近い人の場合、立場が近いと愚痴というか不満というか、そういうのも聞いている可能性があるので。
鶯さんのイラスト そういう話を聞いていると影響は大きい気がしますね。ここで続けていくべきなのか、とか色々考えて退職する方も出そうな…。
キリンさんのイラスト あとはシンプルに、「ボーナスもらって辞めよう」という方も多いそうです。
鶯さんのイラスト 元々辞める気持ちがあって、区切りとしてボーナス後って感じですかね。
ネコさんのイラスト たいした理由もなく、ただ流されるように辞めるのは、ちょっと冷静になった方がいいと思うんだ。でも、辞めたい理由と、「休んで心身を癒す」も含めて、「行きたい方向性」があるなら、自分のキャリアなんだから自分で決めればいい。そのタイミングがボーナス後なら、まっそりゃしょうがない。

〈引き留めは難しい?〉

みみずくさんのイラスト マイナビの調査は、「どんなサポートがあれば辞めたいと思わなくなるか」という設問なので、「どんなサポートでもダメ」はそういうことなんでしょうね。とにかく辞めたいという。
ペルシャ猫さんのイラスト 「とにかく辞めたい」モードに入られると、会社が何をしたって無駄というか受け入れられないということなんですね…。「もう引き留められても迷惑です」って感じなんですかね。気持ちは分からなくもないですが。
ネコさんのイラスト 根深いところで、「ここにいても未来はないな…」という気持ちが積み上がっていたのでは?だから、いよいよ退職願を出してから引き留められても、「今さら、何言ってんの?」と。
みみずくさんのイラスト 会社とか職場に「辞める理由」があり、「引き止めるだけの魅力がない」ってことかな。
ペルシャ猫さんのイラスト 「引き止めるだけの魅力がない」って、辞めるときはそうだったかもしれないですけど、辞めた後に気付くこともありますよね…。私もその口でして…。前の森には前の森なりの魅力があって、何事も一長一短だな、と。あと、前の森が私に色々と将来を見据えたチャンスをたくさん与えてくれていて、ちょうどコロナ禍だったのでメールで退職の挨拶を多くの人にしたら「本当に辞めちゃうの?」「幹部候補だったのにもったいない」「何かあったってことだよね?話を聞いてあげられなくて、力になれなくて、ごめんね」なんて色んな声をいただきました…。
ネコさんのイラスト 離れてみて気付くことはあるよね。組織からの「期待」を、うまく受け止めきれていなかったというか、わかりやすく伝えてもらえなかったというか…。そこにいると「あるのが当たり前」で、ありがたみに気付けないという。
ペルシャ猫さんのイラスト 目の前の仕事が繁忙期を迎えているにもかかわらず、目の前の仕事と明らかに無縁な長期の外部研修に派遣されたことが2回くらいあって、当時は「他にふさわしい人がいるのでは?」と思いましたし、直属の上司たちも「本音では行かせたくない」様子でした。今あらためて当時を振り返ると、私の派遣を決めた上層部は「目の前の仕事はともかく、長い目で見て、幹部候補として人脈を作ってきなさい」と考えていたんだと思います。なんだか「前職に借金抱えて返せてない」気分です(笑)そうすると、社会に返していくしかないんですよね。企業側も一定程度の「卒業」を覚悟して社会貢献として育成していると思いますが、個人も前職の借金分を社会貢献として還元していく…そういう意味では、会社も本人もお互い様かと。
みみずくさんのイラスト よい辞め方をするとお互い様ですが、そうでないと「これまでの投資は何だったんだ」となるのも事実。人的資本への投資はすべて成功するわけじゃないけどね。
ネコさんのイラスト 改めて魅力に気付いた人が、回遊魚のように戻れる制度を用意している会社もあるよね。戻れる可能性があるなら、やっぱり不義理な辞め方はよろしくない。でも、辞めた後で後輩などへ、「なんだかんだで、けっこういい会社だったよ」と言える会社もあれば、「あの会社は辞めて正解だった!絶対に入社しない方がいいよ!」と言いたくなる会社もあって、この違いは大きいよ。
ケツァールさんのイラスト できれば円満に「辞めたけど良い職場だった」と思ってもらうのは重要ですね。

〈やっぱり「辞めたい」と思う理由はある!〉

ケツァールさんのイラスト 新卒若手の2人は、早期退職も何となくわかりますが、中途で入ったZさんが5年で退職したのは、家庭の事情以外でもやっぱり何かあったのかもしれませんね。
鶯さんのイラスト 本当の事情は分かりませんが(話さない人も多いといいますし)、職場になにがしかの違和感があっての退職の場合は、実は小さなサインが以前からあったりするかもしれませんね。
ケツァールさんのイラスト 退職する時に本当の事情を100%話せるような職場だったらそもそもその会社を退職しないのかもしれません。
ネコさんのイラスト ネコが引っかかっているのは、この人事のAさんが、業務成績のことばかり言っていること。成果が上がらないヤツはどうでもいい、自力で成果を上げるようになったら大事にしようとしていない?成果を上げやすいように導くのが人事だよ!オンボーディングを工夫するとか、やることあるだろ!って。人事がこんな感じなら、経営層も人に興味がない可能性が高いぞ、きっと。
キリンさんのイラスト 職場環境、労働条件の問題もありそうですが、退職者は相談者(人事責任者)のAさんと直属の上司とも、関係性はあまり良くなかっただろうなと推測できますよね…。
鶯さんのイラスト 私の前の森は、平均在職歴が2年くらいだったので、職場によっては要改善の状況もあろうかと思います。職場環境を変えられないなら自分が辞めるしかない、といいますか。
ペルシャ猫さんのイラスト 「平均」で2年は短いですね…。
鶯さんのイラスト 経営側を除くと、私が勤続最長でした(笑)私は3月末退職なのですが、上とやりとりしている時はよほど年末(12月末)に退職しようかと思いました(なんて言われても無理!だったので)。ですが、職員間の人間関係が良好であったことや利用者の方との関係性を考え3月末まで続けようと思ったんですよね。Xさん、Yさんも、人間関係がある程度良好であれば、節目まで続けてくれることもあったかもしれません。
ペルシャ猫さんのイラスト 確かに「出来る限り迷惑をかけないように」と考えられるかどうかにかかってきますよね。退職の申し出は早めにして、時間をかけて引継ぎをするとか。
ネコさんのイラスト 利用者さんがいるわけだし、「社会的にも意義がある仕事だ」と思えていたことも、「あと3か月は…!」につながったんじゃないかな。でも、タイミングを調整することはあっても、「退職」はする。
鶯さんのイラスト 辞めること自体をとめることはできないので、せめて時期!と思うなら、人間関係の良好さは大切だと思います。

〈退職を決断するまでの「小さなサイン」〉

ケツァールさんのイラスト Xさん、Yさん、Zさんは、退職のそぶりというか、サインのようなものはあったんですかね。寝耳に水のような書き方ですけど。
鶯さんのイラスト そう、小さなサインが以前からあったかもしれませんよね。
ネコさんのイラスト 小さなサイン、いろいろあると思うよー!例えば、明らかに物申すべきタイミングなのに、何も言わないでいるのも、「ずーっとここにいるつもりはない」というサインなんじゃない?せっかく内部通報窓口があっても、退職が決まってからやっと通報する人もいるし。
ペルシャ猫さんのイラスト 伏線を見逃してたってことかもしれないですね…。
ネコさんのイラスト 前の森で退職者ヒアリングをしていたときに、ある退職者さんから、「退職を決意するまでには、何度も何度も『確認ボタン』を押していた」と言われたことがあったなぁ。上司ともめたときとか、会社の対応に疑問をもったときに、「退職しますか? Yes・No」みたいな確認画面が出るんだって。何度も何度も「Yes」を押して、最後に「実行」しか表示されなくなって、退職表明に至るんだと。だからそこまで行ってから引き留めたって、退職を取りやめるわけないよね。だってもう「実行」を押してしまっているから。
キリンさんのイラスト 愚痴をたくさん言っていた人が言わなくなると、辞めるサインだと聞いたことがあります…(笑)
ケツァールさんのイラスト それは確認ボタンを押し続けて「もう辞める」ってなってしまった人だと思いますので、そこで周りが異変に気づいても遅いんでしょうね。
ネコさんのイラスト もう「実行」ボタンしか表示されていないな。
キリンさんのイラスト ですね…。
ペルシャ猫さんのイラスト 愚痴のレベルになると、半分笑い話になったりするじゃないですか。もう笑えなくなったら辞めるんでしょうね…。私の前の森での上司や先輩たちは、クラッシャーの部下だった人も多くて、たくさんクラッシャーたちのエピソードを話してくれたんですけど、みんな面白おかしく話してくれました。そういう人たちはずっと残っていますね。
ネコさんのイラスト うまく息抜きができていたのでは?
鶯さんのイラスト 話せる相手がいる環境がよかったのかもしれませんね。
ペルシャ猫さんのイラスト 結構、飲み会文化だったので、それが息抜きになっていたと聞いたことがあります。今の時代、その文化がどれだけ通用するか…という問題はありますが。
ネコさんのイラスト 人の要因で、辞めたくなることもあれば、踏み留まれることもあるんだよね。
キリンさんのイラスト このAさんの職場は、踏み留められるような人がいなかったことの裏付けにもなるように思いますが…。今後新しい人を雇ってもその人も辞めてしまうサイクルを止めるには、どうすればいいんでしょう?育成を続けることも答えと思いますが。

〈Aさんへのアドバイス〉

ペルシャ猫さんのイラスト そろそろ時間ですし、相談者Aさんへのアドバイスが必要ですね。キリンさん、良いフリを有難う御座います。
辞める原因となるキーパーソンもいれば、辞めない原因となるキーパーソンもいると思います。ハーバード・ビジネス・スクールの研究報告書“Toxic Workers”によると、周りに悪影響を伝播させてしまう人がいるそうです。なので、キーパーソンを見極めるところからはじめてもよいかもしれません。キリンさんが調べてくれた厚生労働省の調査結果のように、労働条件が原因なのだとしたら、そこも改善した方が良いですね。
みみずくさんのイラスト Aさんのリスクセンスを磨くしかないな。退職を考えている社員の「兆候」を見逃さないという意味もあるし、退職につながる職場の問題を見つけるという意味もある。加えて、退職を踏み留まらせるだけの「魅力」を見つけて社内に発信していくことも人事担当としては必要なセンスだよね。まあ、Aさんに限らずだけど。
鶯さんのイラスト Aさん自身が周囲とどのように関わっているかは、振り返ってみてほしいかもしれませんね。
ケツァールさんのイラスト Aさんの相談からは業務評価の話しか見えてこないので、この3人にどのように関わっていたかはわからないですね。
ネコさんのイラスト 「デキるヤツは大事、デキないヤツはどーでもいい」みたいな考えがにじみ出ているよ!そんな人事は、「引き留める要因」にはならないさ。世の中の流れは「転職しようぜ!」なんだから、がんじがらめにして踏み留まらせるのではなく、自分から「もっとここで何かしたい」「この人と一緒に働きたい」を増やさないと。
ペルシャ猫さんのイラスト 相談内容だけではAさんだけが悪いとも言い難いですけどね。Xさん、Yさん、Zさんにも問題が無いとは言えないですし。あとはAさんがダメだったとしても、Aさん以外に頼れる人をつくるとか…。
ネコさんのイラスト 会社が「何かしてくれる」のを待っているばかりでなく、自分から要望を出したり、質問したり、何をしたいか伝えたりしないといけないね。ということは、安心して「聞ける」「伝えられる」だけの心理的安全性も必要だということ。
鶯さんのイラスト そうですね。まずは組織、体制に改善する点はあったのか、本人要因でどうすることもできないものなのか、そういった見つめ直しが今後の退職者を減らすことにも繋がるかも、と思いました。
ケツァールさんのイラスト 会社の期待を個人に伝えて投資もして、Aさんが誠実なコミュニケーションをとれていたら、Xさん、Yさん、Zさんが年始に一斉に退職することなく、多少なりとも転職時期が遅れる可能性はありそうですね。
ペルシャ猫さんのイラスト 自分のことしか考えていない人は、恩返しもしないで辞めるでしょうけれど(笑)XさんYさんZさんが示し合わせて一斉に退職したのか、お互いに知らずに退職したのかは分からないですが、ウグイスさんがおっしゃっていたように、早めに退職時期を伝えて、極力迷惑がかからないようにするということはあったかもしれないですね。
みみずくさんのイラスト 理由はどうであれ、同じタイミングで複数の方に退職されるというのは大きなダメージ。会社とか職場をあらためて見直す機会ととらえて、改善につなげてほしい。
キリンさんのイラスト 同じく、制度などの他、組織文化や人間関係も見直してみて、Aさん自身で改善できることは改善して欲しいと思います。
ペルシャ猫さんのイラスト 最初に挙げた2つの方向性…

①退職が続く職場に問題がありそうなので、職場環境を改善しよう
②そもそも、一定数の退職は避けられないのだから、それを見越して採用活動しておこう

の視点に戻ってしまって申し訳ないのですが、まずはどちらの方向性なのかを見極めることも必要でしょうし、現実問題、①②の両方の策を講じておくのが良さそうです。

ネコさんのイラスト 会社や残った人を思い遣れるかどうかは、退職する人の問題もあるし、周囲の人の問題もあると思うよ。「仕方ない」で何もしない、という選択はダメだと思う。
鶯さんのイラスト となると、Aさんへのアドバイスは、今一度「自身と組織について見直してみて」になるでしょうか?
ペルシャ猫さんのイラスト そうですね。まとめるとこんな感じですかね?

  1. まずは、退職が続く原因を探ってみよう(安易に本人起因にはしないで)
  2. 上司や職場の問題であるなら、優先順位をつけて手を打とう(経営状況の問題で労働条件の方にはなかなか手が出せないなら、人間関係から先に)
  3. その上で、そもそも人員計画が甘かった可能性もあるので、一定の退職(本人起因)を見越した計画を立てよう
全員 (うんうん)

「HRリスク」とは、職場における、「人」に関連するリスク全般のこと。組織の健全な運営や成長を阻害する全ての要因をさします。
職場のトラブル解決と、もっと力を発揮できる職場づくりに向けて、SPNの森の動物たちは今日も行く!

※このコーナーで扱って欲しい「お悩み」を、随時募集しております。

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