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危機管理トピックス

テレワークでの働き方に関する検討会報告書(厚労省)/ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集(案)意見募集(経産省)/「DXレポート2(中間取りまとめ)」(経産省)

2021.01.04
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更新日:2021年1月4日 新着44記事

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【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
警察庁
内閣官房
首相官邸
内閣府
消費者庁
国民生活センター
厚生労働省
経済産業省
総務省
国土交通省

~NEW~
金融庁IOSCOによるCOVID-19がリテール市場のコンダクトに与えた影響に関する調査報告書の公表について
▼COVID-19等のストレス時のリテール市場におけるコンダクト問題への規制当局の対応に関するIOSCOの支援の試み
▼報告書
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)代表理事会は、現在のCOVID-19パンデミック等のストレス時に引き起こされるリテール市場のコンダクト問題への規制当局の対応を支援する報告書を公表した。投資家保護と証券市場の公正性に対する信頼の強化は、IOSCOにとっての基本的な目的である。
  • 本報告書はCOVID-19のパンデミックの間、金融サービス業界において広く生じたリテール投資家に対するミスコンダクトのリスクを調査し、この前例のない困難な環境への当局の対応を支援するための施策を提示している。
  • IOSCOのリテール市場コンダクトタスクフォース(Retail Market Conduct Task Force, RMCTF)によって作成された本報告書はIOSCOメンバーの経験に基づく予備的発見と考察を共有するとともに、ストレス時の潜在的なミスコンダクトが増えるきっかけとなるような、業者とリテール投資家の振る舞いに影響を与える共通の要素を特定している。本報告書はIOSCOメンバーから提供されたケーススタディを引用しつつ、これらのリスクを軽減するためにメンバーが用いた施策を説明するとともに、メンバーの経験から得られた教訓を導き出している。
  • 本報告書は、COVID-19の危機が業者やリテール投資家の振る舞いにどのように影響を与えたのかについて説明している。IOSCOの調査結果によると、2020年3~4月の間の極端な価格のボラティリティの高まりと業者の収益性におけるCOVID-19のプレッシャーの高まりによって、リスクの高い商品の提供の増加とリテール投資家のそのような商品への流入が生じた可能性があることが示されている。COVID-19の経験はまた、リテール投資家の脆弱性は様々な形態をとること、及び脆弱な投資家はマーケットのストレス時において経済的に搾取されやすいことを明らかに示している。
  • IOSCOの調査結果は、リテール投資家に対するミスコンダクトは、無登録業者による詐欺的または略奪的な行為といった悪質な例から、登録業者による不注意によって引き起こされたミスコンダクトまで幅があることを示している。ストレス時に増加する可能性のある有害な行為の典型例としては、不適切販売、不正表示、誤解を招く開示や投資助言が挙げられる。
  • ケーススタディの検討に基づき、IOSCOはCOVID-19のパンデミックによって生じた課題に対して、規制当局がとることのできる数々の施策を提案している。これらの施策には以下が含まれる
    • 投資家の行動と、脆弱な投資家をターゲットとした募集の積極的なモニタリング
    • 潜在的なミスコンダクトの存在を示唆する可能性がある業者の挙動に対する監督上の調査
    • ストレス時における規制上のコミュニケーション
    • 平常への回帰におけるモニタリングと効果的な法執行の措置
    • ストレス時における経験を活用した、規制要件と規制へのアプローチの強化
    • クロスボーダーの協力と規制上の協調
    • 在宅勤務やソーシャルディスタンスによって出現したリスクへの対処
  • リテール市場コンダクトタスクフォースは、本報告書や分野横断的なインプリケーションを有しうる他の国際機関における主要な教訓を踏まえつつ、規制当局を対象としたリテール市場のコンダクト問題に対処するためのガイダンス作成の作業を進める予定である。

~NEW~
金融庁 令和2年資金決済法改正に係る政令・内閣府令案等の公表について
  • 金融庁では、令和2年資金決済法改正に係る政令・内閣府令案等を以下のとおり取りまとめましたので、公表します。
  • 改正の概要
    • 令和2年6月5日に成立した「金融サービスの利用者の利便の向上及び保護を図るための金融商品の販売等に関する法律等の一部を改正する法律」(令和2年法律第50号)の一部(資金決済法関係)の施行に伴い、関係政令・内閣府令等の規定の整備を行うものです。
    • 主な改正等の内容は以下のとおりです。
      1. 資金移動業に係る制度整備
        • 第二種資金移動業及び第三種資金移動業における送金上限額、第一種資金移動業を営む場合の業務実施計画の認可、他の種別の資金移動業を営む場合の変更登録等、資金移動業者の種別や手続に関する規定を整備する。
        • 資金移動業の種別ごとの利用者資金の保全・管理方法、利用者に対する情報提供、為替取引に用いられることがないと認められる利用者の資金を保有しないための措置等、資金移動業者の業務に関する規定を整備する。
        • 資金決済法第2条の2の規定により為替取引に該当するものとされる一定の行為の要件に関する規定を整備する。
      2. 前払式支払手段に係る制度整備
        • 利用者に対する情報提供、発行者が提供する仕組みの中で未使用残高の移転が可能な前払式支払手段を発行する場合に当該前払式支払手段の不適切な利用を防止するための適切な措置等、前払式支払手段発行者の業務に関する規定を整備する。

~NEW~
金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」の設置について
▼別紙1 概要
  • サステナブルファイナンス有識者会議の設置について
    • 2050年カーボンニュートラルを「経済と環境の好循環」につなげることが政府全体の課題。
    • 日本企業は脱炭素社会の実現に貢献する高い技術・潜在力を有しているが、必ずしも活かせてない。
    • 国内外の成長資金が、こうした企業の取組みに活用されるよう、金融機関や金融資本市場が適切に機能を発揮することが重要。
  • 脱炭素化に貢献する設備投資や事業展開
    • 金融庁に産業界・金融界・学者・関係省庁から構成されるサステナブルファイナンス有識者会議を設置し、以下のテーマについて検討していく。
    • テーマ(案)
      • 金融機関によるサステナブルファイナンスの推進⇒投資や融資を通じて、顧客企業の高い技術・潜在力が発揮されるよう支え、カーボンニュートラル社会への移行を促進
      • 金融資本市場を通じた投資家への投資機会の提供⇒カーボンニュートラル社会に貢献する投資機会とその収益を、幅広く国民へ提供
      • 企業による気候関連開示の充実⇒企業のイノベーションに向けた取組みの「見える化」を進め、有用な技術やプロジェクトの資金調達を後押し
    • なお、同有識者会議の下に、ソーシャルボンドの実務指針を検討する会議体を設置予定。

~NEW~
金融庁 「トランジション・ファイナンス環境整備検討会」の開催について
▼クライメート・トランジション・ファイナンス・ ハンドブック 発行体向けガイダンス(仮訳)
  • クライメート・トランジション(移行)は、主に発行体における気候変動関連のコミットメントと実践に関する信頼性(credibility)に着目した概念である。パリ協定で定められた「今世紀の世界的な平均気温の上昇を産業革命前と比べて少なくとも2℃より十分低く保ち、理想的には1.5℃に抑える」との、世界的な目標を達成するには、極めて巨額の資金が必要になる。この点に関して、資本市場は、気候変動リスクへの対策を検討している発行体に対して、投資家から効率的な資金供給を確保することによりクライメート・トランジションの実現を促す重要な役割を担っている。
  • 本ハンドブックは、このような資金供給を促進するため、資本市場参加者が以下のいずれかの形式によって、クライメート・トランジション関連の目的を持って債券市場で資金調達を行う際に参照できるような、慣行や行動、開示についての明確なガイダンスと一般的な期待事項を示すことを目的としている。
    1. 資金使途を特定した(Use of Proceeds:UoP)債券:グリーン及びソーシャルボンド原則またはサステナビリティボンド・ガイドラインに整合したものと定義。
    2. 資金使途を特定しない債券:サステナビリティ・リンク・ボンド原則に整合したもの。
  • トランジションへの経路(pathways)は発行体のセクター(業種)ごと、また事業地域毎に考えなければならないことであり、また一般的に発行体は異なる出発地点や経路にあるため、本ハンドブックでは、トランジション・プロジェクトについての定義やタクソノミーを提示せず、この分野におけるいくつかの取り組みが世界各地で進められていることを示すことにしている。本ハンドブックでは、特に排出削減困難(hard-to-abate)なセクターにおいて、トランジションに向けた資金調達を目的とした資金使途を特定した債券またはサステナビリティ・リンク・ボンドの発行に際して、その位置付けを信頼性のあるものとするために推奨される、発行体レベルでの開示要素を明確化している。推奨される開示は、以下に基づき定められている。
    • グリーン及びソーシャルボンド原則執行委員会の主導の下でクライメート・トランジション・ファイナンス・ワーキング・グループが行った作業。(当該ワーキング・グループは、資本市場に参加する80機関以上の代表者で構成。)
    • 気候変動の緩和や適応に関して、関連業界団体、規制機関、科学界が行ってきた分析や策定してきた既存の気候変動開示フレームワーク。
  • 本ハンドブックにおける推奨は、これらのフレームワークを活用するとともに、資金使途を特定した債券やサステナビリティ・リンク・ボンドとの関連を明確にしている。)
  • 本ハンドブックでは、重要な推奨開示要素を4つ示している。
    1. 発行体のクライメート・トランジション戦略とガバナンス
    2. ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ
    3. 科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略(目標と経路を含む)
    4. 実施の透明性
  • 資金使途を特定した債券、あるいは、サステナビリティ・リンク・ボンドの発行に関連付けて、これらの開示要素に関する項目を開示すべきである。なお、これらの開示は投資家に公開されている限り、会社のアニュアルレポート、フレームワーク・ドキュメント、または投資家向けプレゼンテーションにて行うことが可能である。また、本ハンドブックにおいて推奨されている独立したレビュー、保証および検証(後述)は、発行文書の一部となるセカンド・オピニオン、または発行体のESG報告(特に環境データの保証・検証の場合)のいずれかで行うことができる。
  • クライメート「トランジション」と金融商品にラベルを付けたい発行体は、発行に際して本ハンドブックを「2020年版クライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブック」として参照文献に挙げることも可能である。
  • 要素 1.発行体のクライメート・トランジション戦略とガバナンス
    • クライメート・トランジション・ファイナンスを活用した資金調達の目的は、発行体によるクライメート・トランジション戦略の実現であるべきである。負債性金融商品に「トランジション(移行)」という表示を付す場合、それは、発行体の企業戦略が、気候関連リスクに効果的に対応するとともに、パリ協定の目標と整合を取ることに寄与する形で、ビジネスモデルを変革するために実施されるものであることを、伝えることに役立つものであるべきである。
  • 要素 2.ビジネスモデルにおける環境面のマテリアリティ
    • 計画したクライメート・トランジションの軌道は、発行体のビジネスモデルにおいて環境面でのマテリアルな部分に関連するものとすべきである。その際、現在のマテリアリティに関する判断に影響を及す可能性のある将来のシナリオを複数考慮すべきである。
  • 要素 3.科学的根拠のあるクライメート・トランジション戦略(目標と経路を含む)
    • 発行体の気候戦略は、科学的根拠のある目標とトランジションに向けた経路に基づくべきである。なお、計画したトランジションの軌道は以下の要件を満たすべきである。
      • 長期間、一貫性のある測定方法により定量的に測定可能
      • 認知度が高く、科学的根拠のある経路に整合する、ベンチマークされている、またはそれ以外の形で参照されている(そのような経路が存在する場合)。
      • 中間目標を含む形で公表されている。(理想的には主要な財務諸表などの開示)
      • 独立した保証または検証などの裏付けがある
  • 要素 4.実施の透明性
    • 発行体のクライメート・トランジション戦略の実行のための資金調達を目的とする金融商品の提供にあたり、市場におけるコミュニケーションでは、設備投資(Capex)や業務費、運営費(Opex)を含む基本的な投資計画についても、実践可能な範囲で透明性を確保すべきである。対象には、研究開発関連支出(該当する場合)やOpexが「通常の事業活動における支出ではない(non-Business as Usual)」とみなされる条件の詳細、またその他投資計画によるトランジション戦略の実行を支援する方法を示す情報(例:ダイベストメントやガバナンス、プロセス変更の詳細など)が含まれる。

~NEW~
金融庁 「銀行口座と決済サービスの連携に係る認証方法及び決済サービスを通じた不正出金に係る調査」の調査結果について
▼「銀行口座と決済サービスの連携に係る認証方法及び決済サービスを通じた不正出金に係る調査」の調査結果について
  • 資金移動業者の提供する決済サービスを悪用した不正出金事案が多発したことを踏まえ、預金取扱金融機関に対して、銀行口座と連携する決済サービスに係るセキュリティの状況や被害発生状況について実態把握をするため調査を実施したもの。
  • 190金融機関のうち117金融機関(62%)が、銀行口座と連携する決済サービスを導入している。
  • 金融機関と資金移動業者等との間の決済サービスに係る契約件数は699件。うち62%は資金移動業者との契約。
  • 口座連携時の認証方法として多要素認証を導入している契約数は全699件のうち483件(69%)、多要素認証を導入していない契約数は207件(30%)。
  • 全699件の契約のうち、336件(48%)の契約において他の事業者への依拠による取引時確認(犯収法上の取引時確認義務を負わない事業者が行う本人確認を含む。以下同じ。)が行われている。
  • 資金移動業者等が行う取引時確認の実施状況について、金融機関において把握していないとする契約数は全699件の契約のうち86件(12%)。
  • 全699件の契約のうち104件(15%)の契約に係るサービスにおいて、不正出金が発生している。
  • 銀行口座と連携する決済サービスを導入する全117金融機関のうち44金融機関(38%)で不正出金が発生している。
  • 不正出金に用いられた個人情報の流出原因が「不明」となっている不正出金被害は、過去5年間で計948口座で発生。総被害金額は1億8,758万円。
    • (注)本調査では、銀行口座と連携して利用する決済サービスを提供している事業者を通じて、銀行口座から不正な出金が行われた事案の被害状況の把握を目的としているため、不正出金の原因が「不明」となっている事案を分析対象とした(不正出金の原因が明らかな事案(フィッシングサイトに口座情報等を入力してしまった、犯罪者に口座情報等を伝達してしまった(顧客過誤)等)は分析対象から除外。)。
  • 不正出金被害が発生した948口座・1億8,758万円のうち資金移動業者が提供する決済サービスにおける被害口座数は641口座(68%)、被害金額は1億6,170万円(86%)。次いで多かったのは、銀行が提供する決済サービスで、被害口座数は254口座(27%)、被害金額が2,017万円(11%)。
  • 不正出金被害の発生時期について、被害金額が最も多かったのは2019年4~6月、被害口座数が最も多かったのは2020年7~9月であった。
  • 不正出金の発覚経緯として最も多かったのは顧客からの申し出で、不正出金被害が発生した948口座のうち649口座(68%)。資金移動業者等からの連絡は178口座(19%)、金融機関によるモニタリングは96口座(10%)となっている。
  • 不正出金被害が発生した口座のうち銀行が資金移動業者の行う取引時確認の手法を把握している907口座についてみると、以下となっている。
    • 一要素認証により口座連携をしている口座は809口座(89%)
    • 他の事業者への依拠による取引時確認を実施している口座は652口座(72%)
    • 他の事業者への依拠による取引時確認を行い、一要素認証により口座連携している口座は584口座(64%)
    • (注)多要素認証を導入しているが被害が発生した事案では、多要素認証の中でも他の方式と比べて堅牢性が劣ると考えられる認証方式を採用していたことが認められた。

~NEW~
金融庁 金融安定理事会によるプレス・リリース「IFRS財団及び当局に対し、TCFD提言を気候関連財務リスクの開示の基礎として用いることを推奨」の公表について
▼プレス・リリース
  • 企業による気候関連財務リスクに関するグローバルに一貫した比較可能な開示は、気候変動に起因するリスクを管理し、機会をつかむために必要な情報を金融市場に提供する手段として、市場参加者や金融当局にとって一層重要になってきている。
  • 金融安定理事会(FSB)は、企業が直面している気候関連財務リスクについて、投資家、貸手、保険引受人の意思決定に有用な情報を提供する際に企業が利用する自主的な開示に関する提言を策定するため、2015年に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)を設置した。TCFDは2017年に開示に関する提言を公表した。それ以来、約1,700の機関がTCFD提言への支持を表明している。世界の公開企業の企業規模上位100社のうち60%近くがTCFDを支持しているか、TCFD提言に沿った報告をしているか、あるいはその両方を行っている。TCFDは、引き続き世界中でTCFD提言の採用を促進し、またモニタリングしており、その実施を支援するための補足ガイダンスを公表した。
  • 一貫性のある自主的な気候関連開示を促進する業界主導の取組みの進展と並行して、公的部門が国や地域レベルで要件や指針を策定したり、国際基準の策定を検討したりする取組みも増加している。グローバルに一貫した開示を促進し分断を避けることについて、公的部門と民間部門の足並みが十分に揃っていることが重要である。
  • そのため、FSBは、2020年9月に公表されたサステナビリティ報告に関するIFRS市中協議文書において提示されているような、最初は気候関連財務情報開示に関する基準に焦点を当てるというIFRS財団評議員会の推奨するアプローチを歓迎する。財務リスク管理上の気候関連情報に対する投資家の関心が高まっていること、また、この分野に関する要件や指針を策定するために国や地域の当局が既に取り始めている行動における世界的な一貫性の重要性を考えると、最初は気候関連情報に焦点を当てることは適切であると思われる。
  • このような国際的に合意された開示のための最低基準は、通常通り、個々の当局が希望すれば、それ以上の取り組みを行うことを妨げるものではない。
  • FSBは、IFRS財団に対し、TCFD提言を気候関連財務情報開示に関する基準の基礎として用いることにより、TCFDの取組みに基づいた作業を進めることを強く推奨する。TCFD提言は、世界中の様々な金融・非金融セクターの財務報告書の利用者及び作成者が発展させ、彼らのニーズに直接対応する包括的な枠組みを示している。TCFD提言は、財務報告書の利用者及び作成者から広く支持されている。
  • FSBは、気候関連開示に関する要件や指針を策定している国や地域の当局に対し、TCFD提言を基礎として用いることを検討するよう強く推奨する。このようなアプローチの一貫性は、法域間で、また、現在策定されている要件や指針と将来導入される可能性のある国際基準との間での、市場分断のリスクを回避するのに役立つであろう。
  • グローバルな協調を一層促進するために、FSBは、グローバルに比較可能で、質が高く、監査可能なTCFD提言に基づく開示基準を促進する方法を、基準設定主体や他の国際機関と共に模索していく。FSBは、2021年7月に開催されるG20財務大臣・中央銀行総裁会議にこの分野の進捗状況を報告する。

~NEW~
金融庁 第9回「金融業界における書面・押印・対面手続の見直しに向けた検討会」
▼資料2「書面・押印・対面手続の見直しに向けた論点整理」の概要
  1. 預金取扱金融機関 ※概要は銀行業界を中心に記載
    1. 全体方針
      • 「あらゆる取引の電子化」を目指す姿とし、今後も各銀行及び全銀協として取組みを進める。
  2. 個別論点
    • 融資契約
      • 個人向けの少額融資を除き、電子化は一部の銀行にとどまる。電子署名に係るQ&Aの公表により法的な解釈が明確化されたところ、今後、先行事例の共有により電子化を進めていく。なお、抵当権設定に関しては司法書士業界におけるオンライン化の取組が必要。
        ※証書貸付・当座貸越・銀行取引約定書等につき、電子署名を利用した電子契約を採用している事例。
        ※少額・短期の事業性融資(例:最大1,000万円、6か月以内(元金均等返済の場合))につき、電子契約を採用している事例。
        ※住宅ローンに関して、電子署名を利用した電子契約を採用し、正式申込・書類授受・契約の手続を電子化している事例。
    • 口座開設
      • 個人口座に比べ、法人口座開設手続の電子化は一部の金融機関にとどまる。今後、オンラインでの本人確認手段の採用により、マネロン対策等の観点も踏まえつつ、電子化を進めていく。
        ※取引担当者についてオンラインで完結する本人確認方法を活用するとともに、法人の本人確認については銀行が登記情報提供サービスを利用して登記情報を取得し確認する方法を活用することにより、オンラインでの口座開設サービスを提供している事例。
    • インターネットバンキング(IB)
      • 個人・法人ともに大部分の金融機関がサービスを提供しているが、特に法人について利用促進が課題。金融機関における使い勝手や料金等の改善に加え、顧客企業に対するデジタル化支援を行う。
        ※利用できるサービスを限定したうえで固定利用料を無料とするプランを用意する事例。
        ※顧客企業のデジタル化提案と併せて2、3年と長いスパンで粘り強く顧客に利用メリットを説明している事例。
      • 手形・小切手や税・公金の収納業務についても関係者と連携しつつ、電子化・効率化を進めていく。
  3. 証券
    • 今回の危機を課題を解決する好機と捉えて、証券業界を挙げていま取り組むべきであり、会員各社がスピード感を持って全社を挙げてこれらの課題への取組みを推進していく。※業界において「証券業界における書面・押印・対面手続の見直しに関するワーキング・グループ」を設置し、2020年12月15日に第2次取りまとめを公表。
  4. 保険
    • 生保
      • 慣例的な押印実務の廃止や手続頻度が高く比較的シンプルな手続のデジタル化の優先的な検討に加え、各社判断のもと優先順位が高いと考える領域から順次デジタル化による効率化・顧客利便性向上を進めていく。
    • 損保
      • これまでも取り組んできた書面・押印・対面手続きの見直しに資する事務領域の共通化・標準化を引き続き進めながら、顧客ニーズ・顧客利便・費用対効果に配慮しつつ、各社の一層の取組を推進する。

~NEW~
金融庁 「事業者を支える融資・再生実務のあり方に関する研究会」論点整理について公表しました。
  • 金融機関が事業の価値創造を持続的に支えていくためには、そこから得られるリターンとコストを釣り合わせること等が必要となる。しかし、外部環境が大きく変化した現代にあって、こうした前提はより一層満たしにくくなっている。
  • 高度成長期には、限りある資金は主に繊維工業や重化学工業に振り向けられ、これにより右肩上がりの経済発展が期待されるなど、将来の見通しを立てるコストが現在ほど大きくなかった。
  • しかし、現代では、何が成長に資する投資かが明確ではなく、融資先への役員派遣や株式持ち合いも解消に向かい、高度成長期のような形での経済成長は期待しにくい。先行きの見通しが難しい中、金融機関が価値ある事業の継続や発展を支えることは、より一層難しくなっている。例えば、
    • 融資実行において、事業性評価等の取組みは進んでいるものの、現在の金融機関には多様化する事業を理解しリスクを見極めて融資を実行するだけのノウハウが必ずしも蓄積されていないとの指摘もある。
    • 期中管理も、かつては資金不足の中で、メインバンク制等、緊密な関係を継続する仕組みが存在したが、現在は、事業者と金融機関の関係性が大きく変化したことで、例えば再生局面において、事前に把握していたよりも取引金融機関数や債務額が多いなど、事業者の追加借入れや事業のリスクの変容について、メインバンクすらも容易に把握できない事案が散見される。
    • 再生局面も、右肩上がりの経済成長が終わり、一時をしのぐだけでは十分ではない場合が多くなった。事業実態の正確な理解に基づき、できるだけ早期に、抜本的な経営改革を進めることが重要になった。しかし、複数の貸し手が多様な利害も持つため、その調整コストが大きく、その調整の間に事業価値が劣化してしまうことが多い。更に、経営者保証の存在によって抜本的な経営改革がより一層難しくなっているとの指摘もある。
  • 我が国の金融機関は、こうした難しい環境の中でも、事業性評価に基づく融資等、事業の価値創造を支えるための融資等を進めてきた。再生局面でも、実務家等とともに、大きな調整コストを負いつつも、事業の再生に取り組んでいる。
  • しかし、依然として、貸倒れリスクの低い事業者に融資が集中しがちで、事業者支援のために早めにミドルリスクの資金を供給することが難しい、といった課題が指摘されている。その要因の一つには、現在の制度環境の下では、事業の価値創造を支えるコスト・不確実性が相対的に高いことがあると考えられる。
  • 特に、現行の担保法制の下では、担保権者の関心が有形資産の換価価値に向きやすく、事業者における資金調達の選択肢が十分に用意されているとは言い難い。そのため、有形資産を持たない事業者は、現在の選択肢だけでは、将来性があっても必要な借入れや資金調達のコストを下げにくい。また、経営者保証を負担せざるを得ない場合も多い。創業や承継、成長途上の局面にある事業者が、生産性を高め、大きな付加価値を生み出そうとするときに、金融機関が事業全体に関心を向ける動機付けとなるための選択肢が必要とされている。
  • また、再生局面においても、個別資産の担保を持つだけで再生支援に必ずしも積極的でない貸し手が、再生支援に積極的で事業価値の棄損を防ごうとする貸し手よりも、より多くの債権を回収できる場合もある。現在の制度環境を見直すことで、金融機関が、事業再生を主導するコストとリターンを適切に釣り合わせることのできる余地があると考えられる。金融機関に対して、早期の抜本的な経営改善を支え、価値ある事業の継続や発展につなげることを適切に動機付けるための選択肢が求められる。
  • 上記課題には、私法・業法等の制度環境や金融機関のこれまでの実務等、多くの領域が関係する。本研究会は、このうち担保法制における新たな選択肢として、従来の担保権に加え、事業全体に対する包括的な担保権を導入することを検討した。現在の担保権の対象が土地や工場等の有形資産に限られる点を補い、ノウハウや顧客基盤等の無形資産を含む事業全体に対して、事業者と金融機関が共通の利益を持つことができるよう、制度設計を含め、議論した。
  • 事業を継続・発展させようとする事業者が、包括的な担保権を活用すれば、自身の情報・将来性等をアピールすることで、金融機関の関心を事業全体に向けさせ、創業・承継・成長・再生に必要なニューマネーを引き出しやすくなることが期待される。この結果、下記のように実務が改善されうる。
    • ビジネスモデルが多様化・複雑化する現代にあっても、無形資産を含む事業の将来性・事業価値に着目した資金供給の可能性が拡がり、創業・承継・成長途上の局面で、資金調達が容易になる。
    • 事業者と金融機関が緊密な関係を構築しやすくなることで、事業の成長が借り手・貸し手の共通の利益となるため、事業の実態に即した融資・支援や、経営悪化時の早期支援が進む。
    • 価値ある事業を見極め、早期に抜本的な経営改革を進めることが借り手・貸し手の共通の利益になるため、再生計画の合意形成等が容易になること、また、商取引先やDIPファイナンスが保護され、事業の継続の可能性も高まる。
    • もちろん、従来の担保権の活用を否定しているものでは決してない。不動産等の資産を有している事業者等にとっては従来の担保権の活用が望ましい場合もある。事業者にとって、資金調達の選択肢は多い方が望ましい。
    • なお、事業者が、包括的な担保権を従来の担保権と同時に活用し、優先関係等が複雑になるような形で活用するというような場合は、取引のコストが高まってしまうおそれがある。そのため、既存の個別資産への担保権の上に、追加的に包括的な担保権を設定することは想定しにくく、むしろ、包括的な担保権の設定を受けた金融機関(団)が、事業者のすべての資金需要に対応する、といった活用の形が考えられる。
  • また、金融機関が事業を支え、事業者とともに事業価値を高めていけるかどうかは、担保法制だけではなく、その他の制度環境や事業者・金融機関双方におけるノウハウの蓄積や事業理解の深化等、その他の様々な要因の変化も必要となる。
    • 例えば、金融機関には、事業者の様々なライフステージにおいて、事業を理解しリスクを見極めるノウハウの蓄積等、多様な取組みが求められる。金融庁も、こうした取組みを後押しできるよう、これまで、例えば監督指針において、人事ローテーションや職場離脱制度等、特定の方法を定めていた記載を見直すなどの対応を行っている。
    • また、事業者としても、金融機関が事業を理解しリスクをとることができるよう、必要な情報を共有した上で、事業の将来性(事業計画)等をアピールするような動機を持てることが重要となる。
  • 以上も踏まえながら、担保法制以外の、価値ある事業の継続や発展を支えていくために必要な要素について、金融機関や事業者、学識経験者、事業再生に関わる実務家等の意見を参考として、今後も検討を深めていくことが重要となる。
  1. 新たな担保権の適切な活用
    • 包括的な担保権は、創業・成長・再生等のあらゆる局面で、事業者が価値ある事業の継続や発展のためにリスクをとる際に、経営者保証によらずに資金を調達するための新たな選択肢となることが期待される。もっとも、経営者保証が果たしてきた規律付けの機能自体は否定されるべきではないことから、例えば経営者の保証や個人資産への担保権設定につき、一定の停止条件を付すこと等が考えられる。
    • 包括的な担保権の活用によって、平時でも危機時でも事業の価値創造を支えていけるような、事業者・金融機関の緊密な関係構築が進むことが期待される一方、例えば、無登録業者等による担保権の濫用のおそれ等の弊害を懸念する声もある。こうした濫用を予防するため、例えば、担保権者の範囲について、監督指針や業界団体の自主規制等によって必要な手当てがされている貸し手に限定することが考えられる。もっとも、現行法の下で事業者が重要資産に担保権を設定した場合も同様の濫用は生じうることから、担保法制全体の問題でもある。
    • なお、包括的な担保権を活用した新たな資金調達の手法として、担保付シンジケートローンが考えられる。現行法では担保権と債権の同一人への帰属が前提とされ、高い取引コストが伴うところ、例えばこの分離を認めることも検討に値する。
  2. 事業継続に不可欠な利害関係者等との優先関係
    • 事業活動には資金が必要となる。包括的な担保権者が適切にリスクをとって資金を供給できるよう、他の貸し手との優先関係等について予測可能性が確保される必要がある。予測可能性の確保にあたっては、事業価値向上の観点から、判断の材料を提供する側のコストと利用する側のコストを併せて最小化することが重要となる。例えば、優先関係の基準について、原則として登記の先後としつつ、例外を法令で明確に定めることや、登記には目的物の厳格な特定を求めず、第三者への担保権設定の警告程度で十分とする(概括的な特定を認める)こと等が考えられる。
    • 事業活動には、資金だけでなく、顧客・商取引先や労働者等の存在が不可欠である。そのため、優先関係において例外的な保護が求められる。しかし、こうした例外を無制限・不明確に設ければ、資金の出し手の予測可能性が大きく損なわれる結果、事業者の資金調達が難しくなり、かえって事業活動が制約を受けるおそれもある。そのため、例外的な保護の対象を、例えば事業の継続や発展に資する債権者等に限定することや、貸し手の予測可能性に資するような上限額を設けることがありうる。その際、特に、仕入先(財・サービスの売り手)の保護について、既存の実務に混乱をきたさぬよう、現在の商取引慣行を十分に踏まえる必要がある。また、顧客(財・サービスの買い手)も、通常取引を維持できるよう、通常の営業の外観を信頼して取引に入った者の保護等を検討する必要がある。
    • また、窮境時において、価値ある事業の毀損を防ぎ、再生につなげていくために、DIPファイナンスは重要な役割を果たす。資金繰りの安定や必要な設備投資の実行等を支えるDIPファイナンスには、一定の条件の下で、他の担保権(不動産担保権を除く)に優先する特別の担保権(Priming Lien)の設定を認めることが考えられる。
  3. 新たな担保権の実行手続
    • 新たな担保権が実行されるのは、主に事業者と担保権者が事業計画について共通の目線を持てなくなり、更に、現経営者の事業計画や将来性に理解を示す金融機関が新しく現れないために、延滞に至ってしまうといった状況と考えられる。
    • まず、事業者と包括的な担保権者は、事業計画について共通の目線を持ちやすくなる。そのため、業況悪化の兆候が出た時点で、事業計画に関する協議を行い、一般的な再生局面よりも早い段階で事業の再建を図ることが期待される。仮に事業者が業況不振に陥った場合でも、自力で経営改善できる可能性があれば、事業計画の見直し等を進め、また、金融機関はそれに必要な資金を手当てすることとなる。この場合、必要に応じて、財務制限条項(コベナンツ)も修正等されるため、担保権の実行は考えにくい。
    • もっとも、何らかの理由で、事業者と包括的な担保権者が事業計画について共通の目線を持てなくなる可能性もある。しかし、この場合にも、例えばコベナンツ抵触後、直ちに事業者の意思に反して担保権を実行するようなことは、事業価値(担保価値)の毀損を招くため、担保権者としても慎重にならざるをえない。事業者は、事業計画や将来性に理解を示す新たな金融機関を探すと考えられ、担保権者も、その新たな貸し手からリファイナンスされることを望むと考えられる。
    • しかし、その後、現経営者の事業計画や将来性に理解を示す金融機関が現れない場合は、最終的に延滞に至ってしまうことになる。この時点では、既に事業価値は毀損し、被担保債権額を下回ると考えられる。しかし、事業を清算・解体するよりは、スポンサーへの事業譲渡によって雇用・商取引等も含む事業の継続を支える方が、債権回収の最大化を図ることができる可能性もある。事業譲渡による実行手続の整備にあたっては、こうした状況を主に念頭に置くことが考えられる。
    • なお、上記のいずれの段階でも、事業者が、自力での経営改善を断念し、スポンサーを探索する可能性もある。この場合は、事業の任意売却のほか、契約承継等のメリットがある場合であれば、担保権の実行によることが考えられる。制度設計を議論する際は、こうした状況も念頭に、現経営者主導の手続を許容するといった調整も検討に値する。
    • 各々の手続を検討するにあたっては、利害関係者の財産権や適正な手続の保障の観点が重要となる。同時に、これらの権利を絶対視する場合、手続・調整コストが嵩むことで、かえって事業価値が損なわれ、利害関係者の利益を害するおそれがあることにも留意が必要となる。また、特に中小企業では、窮境時になればスポンサーが現れにくくなるといった点も考慮される必要がある。こうした事業を巡る様々な実情に対応するため、競売手続のほか、迅速に事業譲渡を行うための実行手続として、例えば、競売によらない手続等が考えられる。
  4. 今後の議論に向けて
    • 本研究会では、従来の担保権の課題を補う新たな選択肢として、包括的な担保権を追加することを検討した。具体的な担保法制は、法制審議会において今後検討されることになるが、その議論に貢献できるよう、包括的な担保権の意義や課題、論点の洗い出し・整理を進めた。その過程で、議論を深めるための一つの制度イメージ・たたき台として「事業成長担保権(仮称)」も用いた。
    • 今後、関係者において、本文書も材料としつつ、更なる検討が積み重ねられ、事業者を支える融資・再生実務に向けた議論が活発に行われることを期待する。特に、金融庁においては、本文書について、金融機関や事業者、学識経験者、事業再生に関わる実務家等との議論を重ねることで、包括的な担保権の制度設計はもちろん、事業者を支える融資・再生実務のために改善できるその他の事項や関連する施策について、更に検討を深めていくことが期待される。

~NEW~
金融庁IOSCOによる報告書「暗号資産に関する個人投資家の教育」の公表
▼IOSCOメディアリリース(仮訳)
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)の代表理事会は、本日、規制当局が個人投資家に対して暗号資産のリスクと特性に関する情報を提供する一助となることを目的とした報告書を公表した。
  • 暗号資産には個人投資家が十分に理解できていないリスクがあり、これらの資産への投資で損失を被る可能性が高くなっている。IOSCOの暗号資産に関する投資家教育に係る報告書では、市場の流動性の欠如、脆弱性、投資額の一部または全部の損失、情報開示の不足、不正行為など、投資家にとって起こり得るリスクを挙げている。
  • 本報告書では、規制当局が個人投資家に対して、暗号遺産に投資する際のリスクに関する教育的資料を提供するために利用可能な方法を説明しており、以下の活動を対象とした4つの分野のガイダンスを示している。
    • 暗号資産に関する教育コンテンツの開発
    • 認可されていない企業や詐欺を行う企業の公表
    • 投資家に情報を提供するための様々なコミュニケーションチャネルの利用
    • 関係者との連携による教育的資料の開発・普及
  • 近年、IOSCOメンバーは取引、管理、清算・決済、会計、評価、仲介、投資ファンドなどの分野における暗号資産の利用について懸念を示してきた。これを受け、IOSCO代表理事会は、暗号資産を2019年と2020年の最優先課題の1つとした。
  • 2018年1月、IOSCOは、イニシャル・コイン・オファリング(ICOs)に関連する懸念についての声明を発表し、ICOsに関連するリスク、特に、投資家の所在法域外からしばしば行われる、オンライン流通チャネルを通じて個人投資家をターゲットとする団体に関するリスクについて注意喚起した。ICOで配布される暗号資産はリスクの高い投資であり、悪用や詐欺に対して脆弱である。
  • 2019年、教育的資料開発の第一歩として、IOSCOの個人投資家に関する委員会である第8委員会は、メンバーを対象に暗号資産に関する実態調査を行った。IOSCOは、本報告書の資料や教育アプローチの全てがメンバーの法域に適しているわけではなく、メンバーの法的・規制枠組みと一致しているわけではないことを認識している。その代わり、加盟国が各法域に最も適した資料や教育アプローチを採用することを推奨している。
  • 本報告書の付録には、IOSCOメンバーが、様々な暗号資産に関する投資家活動やイニシアティブを利用した例が掲載されている。

~NEW~
金融庁 金融庁の1年(2019事務年度版)
▼全体版(容量が14KBを超えていますのでご注意ください)
  • 政府の成長戦略等における金融庁の取組み
    1. 「成長戦略(2020年)」(2020年7月17日閣議決定)
      • 2019事務年度、「未来投資会議」及び下部会合である「構造改革徹底推進会合」や「産官協議会」において、成長戦略の策定に向けた検討がなされ、金融庁に関わる施策として、フィンテック、コーポレート・ガバナンス及び中小企業・小規模事業者の生産性向上に関する議論がなされた。これらの議論等を踏まえ、「成長戦略実行計画」「成長戦略フォローアップ」及び「令和2年度革新的事業活動に関する実行計画」(総称:「成長戦略(2020年)」)が策定された(2020年7月17日閣議決定、金融庁関連の施策については別紙1参照)。
    2. 「経済財政運営と改革の基本方針2020」(2020年7月17日閣議決定)
      • 経済・財政一体改革を推進し、当面の経済財政運営と改革の基本方針のあり方を示すため、経済財政諮問会議での議論を経て、「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太方針2020)が取りまとめられた(2020年7月17日閣議決定、金融庁関連の主な施策については別紙2参照)。
    3. 「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」(2019年12月20日閣議決定)
      • 政府は、まち・ひと・しごとの創生に同時かつ一体的に取り組むため、2014年12月に、2015年度を初年度とする5ヵ年の政策目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を閣議決定し、その後は情勢の推移を踏まえて毎年度必要な見直しを行っている。2019年度は「総合戦略」の5年目にあたり、2020年度からの5ヵ年を対象とする「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」が策定された(2019年12月20日閣議決定)。
      • また、本総合戦略に掲げられた基本目標及びその達成に向けて作成された政策パッケージ・個別施策について、今後の対応方向をとりまとめた「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」が策定された(2020年7月17日閣議決定)。(※「第2期『まち・ひと・しごと創生総合戦略』」及び「まち・ひと・しごと創生基本方針2020」の金融庁関連の主な施策については、別紙3及び別紙4参照。)
    4. 「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月14日閣議決定)の変更(2020年7月17日閣議決定)
      • 政府のIT戦略として、国民が安全で安心して暮らせ、豊かさを実感できるデジタル社会を実現することを目指して、「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」(2019年6月14日閣議決定)が改定された(2020年7月17日閣議決定)。金融庁関連の主な施策は、「金融機関における取引でのマイナンバーカード(公的個人認証サービス)の活用促進」の1つ。
  • コーポレートガバナンス改革の深化に向けたこれまでの取組み・進捗状況
    1. コーポレートガバナンス改革の深化に向けたこれまでの取組み(別紙1参照)
      • 金融庁においては、成長戦略の一環として、(1)2014年2月に機関投資家の行動原則であるスチュワードシップ・コードを策定し、機関投資家に対して、企業と建設的な対話を行い、中長期的視点から投資先企業の持続的成長を促すよう働きかけるとともに、(2)2015年6月に上場企業の行動原則であるコーポレートガバナンス・コードを策定し、上場企業に対して、幅広いステークホルダーと適切に協働しつつ、実効的な経営戦略の下、中長期的な資本効率等の改善を図るよう促す取組みを進めてきている。
      • また、両コードの普及・定着状況をフォローアップするとともに、上場企業のコーポレートガバナンスの更なる充実に向けて、必要な施策を議論・提言することを目的として、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(以下、フォローアップ会議という)が設置され、2018年6月には、コーポレートガバナンス・コードの改訂と「投資家と企業の対話ガイドライン」の策定が行われた。
      • また、フォローアップ会議で取りまとめられた意見書「コーポレートガバナンス改革の更なる推進に向けた検討の方向性」(以下、意見書という)等を踏まえ、「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(令和元年度)を開催し、2020年3月24日にスチュワードシップ・コード(再改訂版)を公表した。
    2. コーポレートガバナンス改革の進捗状況(別紙2参照)
      • 両コードを「車の両輪」として、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組みが進められてきたところ、以下のような進捗が見られる。
        • 独立社外取締役を2名以上選任する企業が大きく増加し、東証一部上場企業において9割を超える。
        • 政策保有株式について、金融機関と事業法人ともに保有が減少しつつあるものの、事業法人における減少は緩やかなものに留まっている。
        • 個別の議決権行使結果とその理由を公表する機関投資家が増加している。
        • スチュワードシップ・コードの受入れを表明している企業年金は35機関に増加している。(2019年以降、新たに21機関が受入れを表明。うち1機関は規約型企業年金。)
  • スチュワードシップ・コード(再改訂版)の公表について(別紙3、4参照)
    • 再改訂の経緯
      • 2019年4月に公表した意見書等を踏まえ、スチュワードシップ・コードの再改訂に向けて、同年10月から12月に「スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」(令和元年度)を計3回開催した。同有識者検討会における議論や、同年12月から2020年1月まで実施したパブリックコメントの結果等も踏まえ、同年3月24日にスチュワードシップ・コード(再改訂版)を公表した。現在コードを受け入れている機関投資家は、遅くとも公表の6ヶ月後(同年9月末)までに、再改訂の内容に対応した公表項目の更新を行うことが求められる。
    • 再改訂の概要
      • スチュワードシップ・コード(再改訂版)では、コーポレートガバナンス改革の実効性をより高めるため、以下の項目が新たに盛り込まれた。
        1. 全体に関わる点
          • 中長期的な企業価値の向上及び企業の持続的な成長という目的にスチュワードシップ活動が向けられたかを意識すべき
          • サステナビリティ(ESG要素を含む中長期的な持続可能性)の考慮
          • 「スチュワードシップ責任」の遂行に資する限りにおいて、上場株式以外の資産(債券等)を保有する機関投資家へコードを適用することが可能
        2. 運用機関
          • 外観的に利益相反が疑われる議案や、議決権行使方針に照らして説明を要すると判断される議案について、「賛否の理由」を公表すべき
          • スチュワードシップ活動の結果や自己評価について、中長期的な企業価値の向上や企業の持続的成長に結び付いたかを意識して公表することが重要
        3. アセットオーナー(年金基金等)
          • アセットオーナーの規模や能力等に応じて、運用機関による実効的なスチュワードシップ活動が行われるよう、運用機関に促すべき
        4. 議決権行使助言会社・年金運用コンサルタント
          • 議決権行使助言会社・年金運用コンサルタントを含む機関投資家向けサービス提供者の利益相反管理体制の整備
          • 議決権行使助言会社が助言の正確性や透明性を確保するための、人的・組織体制の充実、助言策定プロセスの透明性の確保、企業との積極的な意見交換
  • 金融上の措置に関する要請と金融業界等における取組み
    • 民間金融機関による事業者等の資金繰り支援促進等のための施策
      • コロナ禍の影響により、事業者が厳しい資金繰り状況に直面する中、金融庁は、関係省庁と連携しつつ、金融機関による、事業者への迅速かつ適切な資金繰り支援等が実施されるよう、様々な取組みを進めてきた。(別紙1参照)
      • 具体的には、金融機関に累次の要請を行うほか、民間金融機関による「実質無利子・無担保融資」の整備や官民金融機関の連携強化、金融機関との取引に係る相談を受け付ける相談窓口の開設などに取り組んだ。金融機関は既往債務の条件変更や新規融資の実施など、資金繰り支援に取り組んでおり、その結果、貸出金も足元で大幅に増加している。
      • また、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、保険契約者との対面での保険契約の手続が困難な事案が生じた場合、保険料の払込及び保険契約の更新について猶予期間を設ける等適宜の措置を講じるよう、保険契約者保護の観点から要請を実施した。その他、新型コロナウイルス感染症に乗じた犯罪等に関する注意喚起について、金融庁ウェブサイトに啓発ページを掲載し、金融機関に対しても周知を実施した。
    • 金融機関等の業務継続体制について
      • 金融庁は、新型コロナウイルス感染症に係る金融機関等の業務継続体制について、金融機関等に対し、累次の要請を実施した。(別紙2参照)
      • 緊急事態宣言が発出された2020年4月7日には、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言を踏まえた金融システム・金融資本市場の機能維持について」(麻生金融担当大臣談話)において、金融機能の維持や顧客保護の観点から、金融機関等に対し「緊急事態宣言の対象地域における金融機関の対顧客業務の継続に係る基本的な考え方」に基づき、必要業務の継続について適切な対応に努めることを要請した。
      • また、緊急事態措置の対象区域が全国に拡大された同年4月16日や、同措置の期間が同年5月31日まで延長されることが決定した同年5月4日にも、同様の要請を実施した。
      • さらに、緊急事態解除宣言がなされた同年5月25日、金融機関等に対して、緊急事態解除宣言後においても、感染拡大防止に努めるとともに、国民の経済活動を支援する金融機能の維持等の観点から、業務の継続について適切な対応に努めるよう要請した。
  • 消費者基本計画における金融庁関連の施策
    • 消費者基本計画及び工程表には、金融庁所管に係る施策として、以下の施策等が盛り込まれている。(注)以下の番号は、消費者基本計画の番号に対応。
      • Ⅰ 消費者被害の防止
        • (2)取引及び表示の適正化並びに消費者の自主的かつ合理的な選択の機会の確保
          • 2 商品やサービスに応じた取引の適正化
            • ウ 金融機関における顧客本位の業務運営の推進
            • エ 詐欺的な事案に対する対応
            • オ 投資型クラウドファンディングを取り扱う金融商品取引業者等 についての対応
            • カ 暗号資産交換業者等についての対応
          • 6 詐欺等の犯罪の未然防止、取締り
            • ア 「オレオレ詐欺等対策プラン」の推進による特殊詐欺の取締り、被害防止の推進
            • イ 「架空請求対策パッケージ」の推進等による被害防止
            • オ 偽造キャッシュカード等による被害の防止等への対策の推進
            • サ 振り込め詐欺救済法に基づく被害者の救済支援等
        • (3)「ぜい弱性」や「生きづらさ」を抱える消費者を支援する関係府省庁等の連携施策の推進
          • 1 成年年齢引下げを見据えた総合的な対応の推進
          • 6 「多重債務問題改善プログラム」の実施
        • (4)消費者の苦情処理、紛争解決のための枠組みの整備
          • 5 金融 ADR 制度の円滑な運営
      • Ⅲ 消費生活に関連する多様な課題への機動的・集中的な対応・
        • (1)デジタル・プラットフォームその他デジタルサービスの利用と消費者利益の保護・増進の両立
          • 1 経済のデジタル化の深化に伴う取引・決済の高度化・円滑化等への対応
            • ア キャッシュレス決済及び電子商取引における安全・安心の実現
      • Ⅳ 消費者教育の推進及び消費者への情報提供の実施
        • (1)消費者教育の推進
          • 3 地域における消費者教育の推進
          • 6 金融経済教育の推進

~NEW~
金融庁 金融審議会 銀行制度等ワーキング・グループの報告書の公表について
▼(別紙)銀行制度等ワーキング・グループ報告ー経済を力強く支える金融機能の確立に向けてー
  • 銀行
    • 一般事業会社が銀行を保有する場合の他業リスクや利益相反の問題は、銀行が一般事業会社を保有する場合のそれと同じであり、将来的には、銀行持株会社を頂点とする銀行グループと、銀行を保有する一般事業会社グループ(以下「事業親会社グループ」という)の業務範囲を共通とすることを目指すべきとの指摘もある。
    • 他方、今日一般事業会社が保有する銀行は、実態として事業性融資を広くは取り扱っていないなど、提供している銀行機能は限定的である。また、銀行持株会社を頂点とする銀行グループの規制の差異に関しては、以下の点に留意する必要がある。
      • 銀行グループの業務範囲規制は、これまでも累次にわたり緩和されてきた。今回の見直しにより、銀行グループが営むことができる一般事業の範囲は、さらに拡充されることとなる。
      • 銀行グループについては、事業親会社グループと比較して充実したセーフティネットが整備されている。
    • このほか、一般事業会社が保有する銀行が、少なくとも現在までの間、それら以外の伝統的な銀行にはないかたちで課題を顕在化させたとは言い難いことを踏まえれば、現在銀行を保有している一般事業会社について、銀行主要株主としての追加的な規制を直ちに課す必要はないと考えられる。
    • 社会経済情勢の変化を踏まえた今後の留意点
      • 銀行主要株主規制が創設されてから今日までの間、社会経済情勢は大きく変化した。直近では、いわゆるビッグ・テックなどのテクノロジー企業の躍進が見られる。
      • こうした中、いわゆるデジタルプラットフォームをめぐっては、そのサービスが短期間で大規模に普及(マス・アダプション)し得ることが指摘されている。将来、単一のデジタルプラットフォームが保有する銀行が、短期間で日本の銀行機能の多くを担うようになる可能性も否定できない。
      • また、デジタルプラットフォームを含む影響力の大きな経済主体が銀行を保有し、銀行業に係る優越的地位をも利用することで、自社や関連会社に不当に優位なかたちで取引などを行う可能性も考えられる。
    • 以上の将来的な課題に対応するため、引き続き、以下の観点から検討を行うことが考えられる。
      • 事業親会社グループが保有する銀行について、その規模などに鑑みて金融システムに著しく大きい影響を及ぼし得ると考えられる場合には、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に課されるものを参考に、通常よりも厳格な自己資本規制を課す必要があるのではないか。加えて、銀行の危機時におけるグループによる支援など、システム上重要な業務を継続するために必要な方策を、平時より策定するよう求める必要があるのではないか。
      • 事業親会社グループが銀行業を併せ営むことによって生ずる優越的地位の濫用52などがないよう、モニタリングを適切に行っていく必要があるのではないか。
  • 地域銀行等
    • 地域銀行等(以下「地銀等」という)が、厳しい経営環境の下、顧客ニーズに対応して貸出に留まらない総合的な金融サービスを提供し、ポストコロナの地域経済の回復・再生に貢献するためには、経営基盤の強化が従来にも増して重要となる。
    • 地銀等の経営基盤強化に向けた戦略は様々であり、いずれの戦略を選択するかは各地銀等の経営判断による。同時に、現下の経営環境の厳しさを踏まえると、地銀等の経営基盤強化の選択肢をさらに拡充する施策が求められる。
    • 第1章で述べた業務範囲規制や出資規制の緩和は、地銀等による収益力の強化や経費の合理化に資するとの観点からは、こうした施策の一環とも位置付けられる。加えて、人口減少地域などにおける対面の融資サービスを維持する選択肢となるよう、銀行代理業等の規制を緩和することが考えられる。また、地域密着型のビジネスモデルを強化する観点から行う非上場化にあたって配意すべき点ついて検討する。さらに、合併・経営統合等に取り組む地銀等に対する「資金交付制度(仮称)」を時限措置として創設することが考えられる。
    • 対応の方向性
      1. 兼業の代理業者による貸付けの代理・媒介の制限緩和
        • 2006年の制度創設以来、銀行代理業者・信金代理業者等(以下「代理業者」という)のうち一般事業を併せ営むものについては、代理業に係る優越的地位の濫用や利益相反を防止する観点から、取扱可能な貸付けの範囲が制限されている。
        • 今後、人口減少地域などでは、従来型店舗の維持が困難となり、機能の縮小や廃止を検討せざるを得ないことも考えられる。その際には、地域の利用者利便が低下しないよう、最大限配意することが重要となる。
        • このような観点から、人口減少地域などにおいて従来型店舗を縮小する場合について、既存顧客への対面サービスを可能な限り維持することを目的として、一般事業を併せ営む代理業者が取扱可能な貸付けの範囲に係る制限を緩和することが考えられる。
        • その際、優越的地位の濫用や利益相反などの弊害については、現行制度上設けられている規制を実効性ある形で運用することにより適正に防止することが重要である。
      2. 地域密着型の持続可能なビジネスモデルと非上場化
        • 現在、地銀の多くが上場しているが、非上場化を通じてより地域経済に関係の深い安定的な株主構成が実現されれば、地域密着型の持続可能なビジネスモデルの構築に資するとの指摘がある。
        • これに関しては、ガバナンス(情報開示、機関設計)や株式流動性が低下するとの指摘もあり、地銀には、非上場化に際して以下の配意が求められる。
        • 情報開示に関しては、銀行法上、上場・非上場問わず、半期毎の業務及び財産の状況に関する説明書類(ディスクロージャー誌)の公衆縦覧などが義務づけられており、非上場化後もこうした義務を適切に果たしていくことが求められる。
        • 機関設計に関しては、銀行法等により、上場・非上場問わず、会計監査人による監査などの規律が設けられている。非上場化する場合、上場時に取引所上場規程で求められた独立役員の確保は求められなくなるが、会社法上一定の要件を満たす場合には社外取締役の設置が義務づけられることとなる。
        • 非上場化に伴う株式の流動性低下は、株主に大きな影響を与える。このため、その必要性・合理性をしっかりと検討し、非上場化後の対応61を含めて株主に充分な説明を行うなど、適正な手続きを確保することが必要である。
      3. 資金交付制度の創設
        1. 基本的な考え方
          • 地銀等には、ポストコロナの地域経済の回復・再生を支える「要」としての役割が期待されている。しかし、生産年齢人口の減少や低金利環境の継続など地銀等の経営環境は厳しく、特に人口減少地域では将来的にその役割を充分に果たせなくなるおそれがある。
          • このため、地銀等がこうした役割を持続的に果たせるよう、その業務範囲や出資に関する規制の緩和と合わせて、地銀等が合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しを行う際の時限的な支援措置として「資金交付制度」を創設することが考えられる。
          • 「資金交付制度」の枠組みに関しては、以下の5点が重要と考えられる。
            1. 合併・経営統合等は各地銀等の自主的な経営判断に基づくものであることを前提に、地銀等からの申請に基づく制度とする。
            2. 人口減少などにより特に経営環境の厳しい地域における貸出を含む利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの維持・強化を目的とする。このため、対象となる地銀等は地域における貸出を含む利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの提供において相当程度の役割を果たしており、他の機関ではその役割を代替できないと考えられる先とする。
            3. 資金交付の申請の際に利用者ニーズの高い基盤的な金融サービスの提供についての計画の提出を求め、その実施状況をモニタリングする仕組みとする。これにより地銀等の救済を目的としたものではないことを明確にする。
            4. 支援は、合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しに伴い必要となる追加的な初期コスト(システム統合費用等)の一部とし、経常的な経費への支援は行わない。資金交付の際に、交付された資金により行う金融機関の取組みが金融機関相互間の適正な競争環境を阻害しないか審査する仕組みとする。
            5. 財源は、税財源(国の一般会計税収)を使用しないこととし、預金保険機構の金融機能強化勘定の利益剰余金(金融機能強化法に基づき資本参加した金融機関からの配当収入の内部留保分)を活用する。
        2. 対象金融機関
          • 上記の制度趣旨・目的に鑑み、少なくとも、以下の基準全てを満たす地銀等を対象とすることが考えられる。
            1. 合併・経営統合等の抜本的な事業の見直しを行うこと
            2. 地域において相当程度の貸出を含む基盤的な金融サービスを提供していること
            3. 人口減少地域などを主たる営業地域とし、特に経営環境が厳しいと見込まれること
            4. 抜本的な事業の見直しにより、貸出を含む基盤的な金融サービスを持続的に提供することが可能となると見込まれること
        3. 経営強化計画の提出・審査
          • 資金交付を申請する金融機関には、経営基盤強化のための計画(原則5年間。以下「経営強化計画」という)の提出を求め、監督官庁は、金融機能強化審査会の意見を聴取しつつ、経営強化計画により、ポストコロナの地域経済の回復・再生に資する経営基盤を構築し、地域のニーズに沿った貸出を含む基盤的な金融サービスが持続的に提供可能となるかどうかについて、審査を行うことが考えられる。
          • 経営強化計画の審査においては、貸出について生産年齢人口の減少などを考慮して実質的に同水準が維持されているか、地域の実情や顧客ニーズを踏まえつつ、貸出に留まらない総合的な金融サービスの提供が強化されるか、といった点を確認することが考えられる。併せて、交付された資金により行う金融機関の取組みが金融機関相互間の適正な競争環境を阻害しないかについても確認することが考えられる。また、今後、経営基盤の強化にあたって重要となるITガバナンスの強化についても確認することが考えられる。
      4. 資金交付額
        • 抜本的な事業の見直しに必要となる追加的な初期コストの一部を支援することとし、システム統合費用や業務の集約・共同化に要する費用などの臨時的又は一時的に負担する経費(物件費)を対象とすることが考えられる。人口減少などにより特に経営環境の厳しい地域において金融機能を維持するとの目的などに鑑み、例えば、地銀等における年間のシステム関連経費や近年の合併・経営統合事例における統合費用の水準などを勘案した上で、交付額に一定の上限を設けることが考えられる。
      5. 財源
        • 地域における経済の活性化等を目的として預金保険機構に設置された金融機能強化勘定の利益剰余金(金融機能強化法に基づき資本参加した金融関からの配当収入の内部留保分)を活用することが適当である。同勘定の利益剰余金は、将来、業務を終了し、同勘定の廃止の際に残余があれば国庫納付することとされている。資金交付制度の政策目的は、人口減少地域などにおいてポストコロナの地域経済の回復・再生に資する金融機能を維持・強化することであり、金融機能強化勘定の設置目的と同趣旨であることから、その利益剰余金を財源として活用することは適当であると考えられる。
      6. 監督・モニタリング
        • 監督官庁は金融機関から提出を受けた経営強化計画の履行状況について原則5年間モニタリングを行い、ポストコロナの地域経済の回復・再生に資する方策の実施状況が不充分な場合には、経営強化計画の適切な履行を求めることができることとし、抜本的な事業の見直しが実施されない場合には、交付した資金の返還を求めることが考えられる。経営強化計画の履行状況のモニタリングにあたっては、金融機関の事務負担や経済状況の変化等を踏まえて柔軟に行うよう配意することが必要である。
      7. 申請期間
        • 新型コロナウイルス感染症による経済への影響が見通せないことを踏まえ、5年程度の申請期間を確保することが適当と考えられる(2026年3月末が申請期限)。

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第5回) 議事次第
▼資料1 金融審議会 市場制度ワーキング・グループ 第一次報告(案)
  1. 海外の投資運用業者等の受入れに係る制度整備
    • 外国法人や一定の資産を保有する外国居住の個人を対象とする投資運用業については、通常の投資運用業と同等の規制とする必要性が低いと考えられることから、ファンドの主な顧客がそのような者である場合、適格機関投資家による出資を必須とせず、出資人数の制限もない形で、「届出」により、日本国内9で業務を行えるよう、新たな類型を整備することが適切であると考えられる。
    • 現行の適格機関投資家等特例業務と同様、投資運用業の中でも、投資家が保有する権利の流通性が低い上記(ア)「組合型集団投資スキーム持分の自己運用」を対象とすることが適当と考えられる。
    • 基本的には適格機関投資家等特例業務と同様、通常の投資運用業者と同様の行為規制や当局による監督対応・立入検査等の対象とすることが適当と考えられる。
    • 運用上のニーズと投資者保護とのバランスを考慮し、プロと称される一部の国内投資家(適格機関投資家及び当該運用事業者の関係者)については、一定の出資比率の範囲内で出資を認めることが適当と考えられる。具体的には、主として海外の資金を運用する事業者であることが前提であることから、こうした国内投資家による出資額の割合は50%未満とすることが考えられる。
    • 国内の投資運用業者についても、ファンドの主な顧客が外国法人や一定の資産を保有する外国居住の個人であるといった制度上の要件を満たす場合、競争上の公平性確保の観点から、新たな類型の対象とすることが適当と考えられる。
    • 適格機関投資家等特例業務では、「届出」により、組合型集団投資スキーム持分の取得勧誘を行うことが可能であり、新たな類型で参入する事業者についても同様に、「届出」により、取得勧誘を行うことを可能とすることが適当と考えられる。
    • 海外の資金のみを運用する事業者が、海外で一定の業務実績(トラック・レコード)があり、一定の海外当局による許認可等を受けていることを勘案した上で、日本で「登録」等を得るまでの一定の期間に関し、海外で既に行っている投資運用業等について、「届出」により、引き続き日本国内で業務を行えるよう、新たな特例を整備すべきであると考えられる。
    • 海外事業者が日本で業務実績(トラック・レコード)を積み、その後、金商法による登録等の手続を完了させる必要があることを踏まえれば、「5年程度」の期間とし、当該移行期間終了までに恒久的な類型に移行するよう求めることが適当と考えられる。また、前述の新たな類型と同様に、新たな特例を恒久措置として設けることも考えられるが、海外事業者を日本に集中的に呼び込む趣旨を踏まえ、また、既存業者との競争上の公平性や投資者保護の観点から、本件新たな特例自体を「3~5年程度」の時限的な措置として設けることが適当と考えられる。
    • 新たな特例の対象は、既に海外で運用業務を行っている事業者であり、海外当局の監督を受けて主として海外の有価証券の運用を行う事業者が想定されることから、(ア)日本で活動している間は、引き続き海外当局による許認可等を受けていること、(イ)海外で一定の業務実績(トラック・レコード)があること、(ウ)ファンド全体として主な運用対象が海外有価証券であること(ファンド全体として運用対象とする国内有価証券の割合が50%未満であること)等を勘案することが適当と考えられる。その上で、通常の投資運用業者については、金融商品取引業を適確に遂行するための人的構成を有し、必要な体制整備を行うことが参入要件(欠格事由)とされているところ、本件新たな特例においても、適切な人的構成を有し、必要な体制整備を行っていることを法令上手当することが適当と考えられる。
    • 海外当局の範囲については、投資家保護の観点から、我が国が行う調査協力の要請に応ずる保証がある外国金融商品取引規制当局であることに加え、当該外国の規制・監督が投資者保護の観点からの要件を満たすことを前提とすることが適当と考えられる。すなわち、全体として日本と同様の市場ルール等が存在し、日本の監督当局と基本的に同じプリンシプルで実質的な金融監督が行われている外国であることを基本とすべきである。
  2. 外国法人顧客情報に関する銀証ファイアーウォール規制(情報授受規制)の緩和
    1. 検討の背景と目的
      • いわゆる銀証ファイアーウォール規制は、同一金融グループ内の「銀行」・「証券会社」間において、顧客からの同意のない、顧客の非公開情報等の共有禁止等を定めるものである。本規制は、1993年に、「銀行」・「証券会社」間において、業態別子会社方式による相互参入の解禁時に、証券会社間の公正な競争の確保(グループ銀行の優越的地位を濫用した営業の防止等)、利益相反取引の防止、顧客情報の適切な保護等を確保するために設けられたものである。
      • 以後、2008年の抜本的な見直し(オプトアウト制度の導入・利益相反管理体制の整備義務導入など)など、諸外国における規制環境の動向や、規制目的に照らした規制内容との比較衡量等の観点を踏まえつつ、累次にわたり、見直しが行われてきた。
      • 本件に関しては、本年夏の「成長戦略フォローアップ」(2020年7月17日閣議決定)において、我が国金融機関と海外金融機関との競争条件のイコールフッティングを確保し、我が国金融・資本市場の魅力向上を図る観点から、「外国法人顧客に関する情報の銀証ファイアーウォール規制の対象からの除外等について検討すべきである。なお、国内顧客を含めたファイアーウォール規制の必要性についても公正な競争環境に留意しつつ検討する。」との記載が盛り込まれた。
    2. 現行制度の概要と課題(外国法人顧客関係)
      • 現行、銀証ファイアーウォール規制により、同一金融グループ内の「銀行」・「証券会社」間で顧客に関する非公開情報等を共有する場合、原則として、書面による事前の同意取得が必要とされているが、外国法人顧客に関する非公開情報等については、オプトアウト制度の対象となっているほか、電子メールでの同意取得を可能とする等の特例が設けられている。
      • 例えば、本邦金融機関が、クロスボーダーM&A等の案件を進めるために同一グループ内で非公開情報等を共有しようとする場合、原則として、書面による事前の同意取得が必要となる。この点、情報授受規制が存在しない国では現地企業からの同意書の取得に難航し、情報授受規制の適用を受けない海外金融機関との間で競争上不利となっているとの指摘や、企業が本邦金融機関から銀証一体となった提案を受ける機会が制約されているとの指摘がある。
    3. 制度整備のあり方
      • こうした指摘に対して、当ワーキング・グループでの議論においても、(1)海外規制との同等性の確保、海外金融機関との国際競争力強化等の観点から、緩和する方向での検討が望ましい(2)諸外国において利益相反管理等の顧客保護に係る取組みが進展している中、当該顧客が経済活動を行う国における規制に上乗せして本邦規制を課す必要性は必ずしも高くないとの意見が出された。
      • こうした意見を踏まえ、外国法人顧客に係る非公開情報等について、情報授受規制の対象から除外することが適当と考えられる。

~NEW~
警察庁 Oracle WebLogic Serverの脆弱性(CVE-2020-14882)を標的としたアクセスの観測等について
  1. Oracle WebLogic Serverの脆弱性(CVE-2020-14882)を標的としたアクセスの観測
    • Oracle WebLogic ServerはOracle社が開発販売するソフトウェア製品であり、Java EEでウェブアプリケーションを作成する際に利用されるアプリケーションサーバです。令和2年10月2日、Oracle WebLogic Serverに存在する脆弱性(CVE-2020-14882)が公表されました。当該脆弱性は、遠隔の攻撃者に不正な操作をされる可能性があります。また海外の共有ウェブサービスにおいて、当該脆弱性を対象としたPoCが公開されていることを確認しました。
    • 警察庁のインターネット定点観測において、令和2年10月29日以降、Oracle WebLogic Serverを標的としたアクセスの増加を観測しています。
    • また、これらのアクセスのうち、10月30日以降は、宛先ポート80/TCP及び7001/TCPに対して、当該脆弱性を悪用し不正にコマンドの実行を試みるアクセスを観測しています。
    • 観測したアクセスには、外部サーバから不正プログラムのダウンロード及び実行を試みるものが含まれていました。
    • 使用しているOracle WebLogic Serverのバージョンが脆弱性の影響を受けることが判明した場合には、以下の対策を実施してください。
      • Oracle社から当該脆弱性の修正プログラムを入手し、アップデートの実施を検討してください。
      • Oracle WebLogic Serverの管理用に利用される7001/TCP等、一般の利用者がアクセスする必要がないポートについては、インターネットからのアクセスを遮断する又は特定のIPアドレスからのみアクセスを許可する等の適切なアクセス制限を実施してください。
      • アップデートされないまま管理用ポートがインターネットからアクセス可能となっていたOracle WebLogic Serverは、既に攻撃を受けている可能性があります。該当するサーバ等に不審なプロセス、ファイル、通信等が存在しないか確認してください。
  2. 宛先ポート5501/TCPに対するMiraiボットの特徴を有するアクセスの増加
    • 警察庁のインターネット定点観測において、令和2年10月下旬より宛先ポート5501/TCPに対するアクセスの増加を観測しました。このアクセスは、宛先IPアドレスとTCPシーケンス番号の初期値が一致するMiraiボットの特徴を有しています。
    • 観測した宛先ポート5501/TCPに対するアクセスの多くは、外部サーバから不正プログラムのダウンロード及び実行を試みるものでした。
    • 海外製デジタルビデオレコーダやIoT機器の利用者は、以下の対策を参考に、総合的にセキュリティ対策を行うことを推奨します。
      • 製造元のウェブサイト等で周知される脆弱性情報に注意を払い、脆弱性が存在する場合にはファームウェアのアップデートや、必要な設定変更等の適切な対策を速やかに実施してください。
      • 製品によっては、ファームウェアの自動アップデート機能が存在するものもあります。このような製品を使用している場合には、同機能を有効にしてください。
      • IoT機器をインターネットに接続する場合には、直接インターネットに接続せずに、ルータ等を使用してください。
      • インターネットからのアクセスを許可する場合は、必要なポートのみに限定してください。また、必要なIPアドレスのみにアクセスを許可したり、VPNを用いて接続することも検討してください。
      • 必要がない限りは、ルータのUPnP機能を無効にしてください。
      • ユーザ名及びパスワードは初期設定のままで使用せず、必ず変更してください。また、ユーザ名及びパスワードを変更する際は、推測されにくいものにしてください。
      • 製造終了から年月が経過した製品は、製造元のサポートが終了し、脆弱性への対応が実施されない場合があります。そのような製品を使っている場合には、サポート中の製品への更新を推奨します。

~NEW~
警察庁 令和2年11月の特殊詐欺認知・検挙状況等について
  • 令和2年1月~11月の特殊詐欺全体の認知件数は12,291件(前年同期15,403件、前年同期比▲20.2%)、被害総額は245.7憶円(286.8憶円、▲14.3%)、検挙件数は6,736件(6,171件、+9.2%)、検挙人員は2,427人(2,585人、▲6.1%)
  • オレオレ詐欺の認知件数は2,013件(6,161件、▲67.3%)、被害総額は55.3億円(62.3億件、▲11.2%)、検挙件数は1,759件(3,022件、▲41.8%)、検挙人員は594人(1,499人、▲60.4%)
  • キャッシュカード詐欺盗の認知件数は2,649件(3,378件、▲21.6%)、被害総額は36.9憶円(52.5憶円、▲29.7%)、検挙件数は2,294件(1,456件、+57.6%)、検挙人員は664人(422人、+57.3%)
  • 預貯金詐欺の認知件数は3,792件、被害総額は0.2憶円、検挙件数は1,504件、検挙人員は824人
  • 架空料金請求詐欺の認知件数は1,791件(3,192件、▲43.9%)、被害総額は67.7憶円(79.2億円、▲14.5%)、検挙件数は466件(1,241件、▲62.4%)、検挙人員は154人(560人、▲72.5%)
  • 還付金詐欺の認知件数は1,581件(2,292件、▲31.0%)、被害総額は21.6憶円(29.1憶円、▲25.8%)、検挙件数は418件(296件、+41.2%)、検挙人員は60人(27人、+122.2%)
  • 融資保証金詐欺の認知件数は266件(297件、▲10.4%)、被害総額は3.5憶円(4.5憶円、▲22.2%)、検挙件数は199件(86件、+131.4%)、検挙人員は55人(25人、+120.0%)
  • 金融商品詐欺の認知件数は55件(25件、+120.0%)、被害総額は3.9憶円(1.8憶円、+116.7%)、検挙件数は30件(28件、+7.1%)、検挙人員は29人(20人、+45.0%)
  • ギャンブル詐欺の認知件数は92件(35件、+162.9%)、被害総額は2.0億円(2.6憶円、▲24.2%)、検挙件数は35件(12件、+191.7%)、検挙人員は14人(11人、+27.3%)
  • 口座詐欺の検挙件数は631件(869件、▲27.4%)、検挙人員は435人(514人、▲15.4%)、盗品等譲り受け等の検挙件数は5件(5件、±0%)、検挙人員は3人(4人、▲25.0%)、犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は2,324件(2,275件、+2.2%)、検挙人員は1,892人(1,859人、+1.8%)、携帯電話端末詐欺の検挙件数は193件(264件、▲26.9%)、検挙人員は152人(195人、▲22.1%)、携帯電話不正利用防止法違反の検挙件数は29件(42件、▲31.0%)、検挙人員は25人(28人、▲10.7%)、組織犯罪処罰法違反の検挙件数は95件、検挙人員は18人
  • 被害者の年齢・性別構成について、特殊詐欺全体では、男性26.4%:女性73.6%、60歳以上89.6%、70歳以上79.4%、オレオレ詐欺では、男性19.6%:女性80.4%、60歳以上95.2%、70歳以上92.0%、融資保証金詐欺では、男性68.4%:女性31.6%、60歳以上29.1%、70歳以上11.0%、特殊詐欺被害者全体に占める高齢(65歳以上)被害者の割合・女性の割合については、特殊詐欺85.8%(76.9%)、オレオレ詐欺94.6%(79.9%)、預貯金詐欺98.3%(83.9%)、架空料金請求詐欺45.3%(54.2%)、還付金詐欺87.5%(64.5%)、融資保証金詐欺20.7%(14.3%)、金融商品詐欺74.5%(70.7%)、ギャンブル詐欺23.9%(36.4%)、交際あっせん詐欺19.0%(0.0%)、その他の特殊詐欺34.5%(80.0%)、キャッシュカード詐欺盗96.7%(80.0%)

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内閣官房 フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン(案)
▼ガイドラインの概要
  • 事業者とフリーランスとの取引について、独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法、労働関係法令の適用関係を明らかにするとともに、これらの法令に基づく問題行為を明確化するため、実効性があり、一覧性のあるガイドラインについて、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省連名で策定し、フリーランスとして安心して働ける環境を整備
    1. フリーランスの定義
      • 本ガイドラインにおける「フリーランス」とは、実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者。
    2. 独禁法、下請法、労働関係法令との適用関係
      • 独占禁止法は、取引の発注者が事業者であれば、相手方が個人の場合でも適用されることから、事業者とフリーランス全般との取引に適用。
      • 下請法は、取引の発注者が資本金1000万円超の法人の事業者であれば、相手方が個人の場合でも適用されることから、一定の事業者とフリーランス全般との取引に適用。
      • これらの法律の適用に加えて、フリーランスとして業務を行っていても、実質的に発注事業者の指揮命令を受けていると判断される場合など、現行法上「雇用」に該当する場合には、労働関係法令が適用。
    3. フリーランスと取引を行う事業者が遵守すべき事項
      1. フリーランスとの取引に係る優越的地位の濫用規制についての基本的な考え方
        • 自己の取引上の地位がフリーランスに優越している発注事業者が、フリーランスに対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、優越的地位の濫用として、独占禁止法により規制される。
      2. 発注時の取引条件を明確にする書面の交付に係る基本的な考え方
        • 優越的地位の濫用となる行為を誘発する原因とも考えられ、発注事業者が発注時の取引条件を明確にする書面をフリーランスに交付しない場合は、独占禁止法上不適切。
        • 下請法の規制の対象となる場合で、発注事業者が書面をフリーランスに交付しない場合は、下請法第3条で定める書面の交付義務違反となる。
      3. 独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型
        • 優越的地位の濫用につながり得る行為について、行為類型ごとに下請法の規制の対象となり得るものも含め、その考え方を明確化。(1)報酬の支払遅延(2)報酬の減額(3)著しく低い報酬の一方的な決定(4)やり直しの要請(5)一方的な発注取消し(6)役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い(7)役務の成果物の受領拒否(8)役務の成果物の返品(9)不要な商品又は役務の購入・利用強制(10)不当な経済上の利益の提供要請(11)合理的に必要な範囲を超えた秘密保持義務等の一方的な設定(12)その他取引条件の一方的な設定・変更・実施
    4. 仲介事業者が遵守すべき事項
      1. 仲介事業者とフリーランスとの取引について
        • 仲介事業者は、フリーランスが役務等を提供する機会を獲得・拡大することや、発注事業者や消費者が、フリーランスから良質廉価な役務等を受けることに貢献。
        • 一方で、今後フリーランスと仲介事業者との取引の増加により、仲介事業者が取引上優越した地位に立ち、フリーランスに対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与える場合も考えられる。
      2. 規約の変更による取引条件の一方的な変更
        • 規約の変更を一方的に行うことにより、自己の取引上の地位がフリーランスに優越している仲介事業者が、フリーランスに対して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることとなるときは、優越的地位の濫用として問題となる。
    5. 現行法上「雇用」に該当する場合の判断基準
      1. フリーランスに労働関係法令が適用される場合
        • フリーランスとして請負契約や準委任契約などの契約で仕事をする場合であっても、労働関係法令の適用に当たっては、契約の形式や名称にかかわらず、個々の働き方の実態に基づいて、「労働者」かどうか判断。
        • 労基法上の「労働者」と認められる場合は、労働基準法の労働時間や賃金等に関するルールが適用される。
        • 労組法上の「労働者」と認められる場合は、団体交渉を正当な理由なく拒んだりすること等が禁止される。
      2. 労働基準法における「労働者性」の判断基準とその具体的な考え方
        1. 「使用従属性」に関する判断基準「指揮監督下の労働」であること(労働が他人の指揮監督下において行われているか)/「報酬の労務対償性」があること(報酬が「指揮監督下における労働」の対価として支払われているか)
        2. 「労働者性」の判断を補強する要素事業者性の有無(仕事に必要な機械等を発注者等と受注者のどちらが負担しているか等)/専属性の程度(特定の発注者等への専属性が高いと認められるか。)
      3. 労働組合法における「労働者性」の判断要素とその具体的な考え方
        1. 基本的判断要素事業組織への組み入れ(業務の遂行に不可欠ないし枢要な労働力として組織内に確保されているか)/契約内容の一方的・定型的決定(労働条件や労務の内容を相手方が一方的・定型的に決定しているか)/報酬の労務対価性(労務供給者の報酬が労務供給に対する対価などとしての性格を有するか)
        2. 補充的判断要素業務の依頼に応ずべき関係(相手方からの個々の業務の依頼に対し、基本的に応ずべき関係にあるか)/広い意味での指揮監督下の労務提供(労務供給者が、相手方の指揮監督の下に労務の提供を行っていると広い意味で解することができるか等)
        3. 消極的判断要素(この要素が肯定される場合には、労働組合法上の労働者性が弱まる場合がある)顕著な事業者性(恒常的に自己の才覚で利得する機会を有し自らリスクを引き受けて事業を行う者か)

~NEW~
内閣官房 国・地方脱炭素実現会議(第1回)議事次第
▼資料2 地域脱炭素ロードマップ策定の趣旨・目的について
  • 2050年までに脱炭素社会実現を目指すとの宣言は、我が国に対する国際社会の評価に大きな好影響をもたらしているが、これは決して30年後の話ではない。私たち自身が今から何を実行すべきかの決断と実行が迫られており、これにより、我が国の本気度に対する国際的な評価も決まってくる。
  • この強い危機感・決意のもと、本会議では、地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる主要分野(詳細は裏面)において、国と地方とが協力して、2050年までに、脱炭素で、かつ持続可能で強靭な活力ある地域社会を実現する行程(地域脱炭素ロードマップ)を描く。
  • 今後5年程度を集中期間とする対策強化
    • イノベーションの成果を待たず、既存技術でできる有効な重点対策のメニューを示し、全国津々浦々で実施(確実に行う対策と、選択的に行うものがある)
      ※地域の脱炭素に不可欠なイノベーション(制度やナッジ等の社会システムを含む)も並行して進める。
    • 既存技術のパッケージ導入により、一定の限定的な範囲や排出源(とりまとめまでに要件を具体化)で脱炭素を実現したモデルケースを複数創出。
  • 2050年に向けた地域の脱炭素ドミノの拡大
    • モデルケースからスタートした脱炭素ドミノを、2030年までにできるだけ多く実現(エネルギー需要密度が小さく再エネポテンシャルが大きいなど、比較的脱炭素の素地のある離島や農山漁村や、脱炭素型の設備やシステムを比較的共通で実装しやすい街区レベルでの取組を中心に想定)
    • その後、ドミノをより広域に拡大。地域間連携(削減ダブルカウント回避に留意)やイノベーション技術・システムの実装により、全体の脱炭素を完遂。
    • ←地域の主体的な取組を引き出す施策(誘導的・規制的手法、人材育成や連携枠組等)を総動員。実効性を確保するための指標や仕組みも盛り込む。
    • ロードマップの内容のうち、直ちにできることは直ちに実践していくとともに、地球温暖化対策計画、長期戦略や成長戦略実行計画、温暖化対策法に基づく地方公共団体実行計画等、そのほか法制度などの各種施策に反映しつつ、国・自治体・地域企業等が一丸となって速やかに実践に移す。
  • ロードマップが対象とする地域の取組と国民のライフスタイルに密接に関わる主要分野
    • 本会議・ロードマップの対象分野の外縁を示すもの。対策施策は、各分野を縦割りに検討するのではなく、分野・組織を超えて横断的に検討。
      1. 地域のエネルギーや資源の地産地消
        • 地域企業や自治体等が主体となり、徹底した省エネと併せて、地元の自然資源を活用して地域・環境と共生した再エネ電気や熱、水素等をつくり、利用(ポテンシャルや環境保全の観点から再エネ立地に適する区域(ゾーニング)の自治体による設定も有効)。収益は地域内に循環させ、地域の課題解決に活用(見守り・防災・インフラ更新等)。地域間でも再エネ融通(ESG資金の流入になる)。食品や衣服などモノやサービスも、地域内での循環利用を含め、持続可能な形で生産・消費。
      2. 住まい
        • 全ての地域住民が当事者となる住まいで、断熱・気密の向上や省エネ・再エネ・蓄エネ(電動車との接続含む)、高効率設備・機器の導入に取り組み、デジタル技術による最適運用で、脱炭素化(ZEH)。健康で快適な暮らしを享受し、蓄エネにより防災性能も向上。
      3. まちづくり・地域交通
        • 各地の人口動態などの特徴に応じ、都市機能の集約やグリーンインフラ、Eco-DRR(生態系を活用した防災・減災)など脱炭素型のまちづくりを進めつつ、再エネ電源で動くLRT/BRT、燃料電池鉄道車両などの公共交通や電動車カーシェア、自転車インフラ、デジタル技術を活用した新たなモビリティなど、脱炭素型の地域交通を整備し、地域住民の利用を促進。
      4. 公共施設をはじめとする建築物・設備
        • 高度成長期に整備され老朽化の進む庁舎などの公共施設を、更新・改修の機会に、2050年まで供用することを想定して省創蓄エネ設備を導入し、脱炭素化(ZEB)。公用車には電動車を導入し、災害時に蓄エネを利用。公共施設周辺の建築物とも連携し、地域の中心区域全体の脱炭素を先導。
      5. 生活衛生インフラ(上下水道・ごみ処理など)
        • 上下水道やごみ処理などの生活インフラで、未利用エネの活用や再エネの導入、さらなる高効率化を実施。地域の多様な条件に応じて、2050年まで供用することを想定した施設を広域化・統合、分散化(集落単位の整備)。汚泥や廃棄物等の生成物をエネルギーとして地域内で利用。
      6. 農山漁村・里山里海
        • 豊富な再エネの活用(木質・畜産由来バイオマス、営農型太陽光発電等)、スマート農林水産業や農林業機械・漁船の電化、吸収源対策(農地炭素貯留、間伐や再造林、建築物への木材利用、藻場・干潟の造成・再生・保全等)を実施。湿原・サンゴを含む生態系の再生や鳥獣害抑制につなげ、自然共生も実現。2050年までに食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現。
      7. 働き方、社会参加
        • テレワークや二地域居住、副業など多様な働き方・住まい方の広がりを積極的に活用し、都市住民による地方の再エネ事業等への参加を促進。新しい生活様式の中で価値の高まる余暇について、国立公園等をモデルに、観光拠点の施設を脱炭素化し、脱炭素型ツアーを提供。
      8. 地域の脱炭素を支える各分野共通の基盤・仕組み
        • 自治体、国の支分部局、地元企業、金融機関等の関係主体がプラットフォームを通じてつながり、ニーズ(課題)とシーズ(知見・資源)をマッチング。脱炭素を担う人材の育成・確保や、地域のESG金融を通じた脱炭素投資(域内経済循環)につなげる。これらはデジタルトランスフォーメーション(DX)を基盤として行う。また、行政が、公共調達・契約等から率先実行する。

~NEW~
首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第50回(令和2年12月28日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、増加が続き、過去最多の水準。首都圏では東京を中心に増加が続いており、関西圏、中部圏では、明らかな減少は見られない。また、大都市圏の感染拡大が波及することにより、新たな地域での感染拡大の動きも続き、全国的に感染が拡大している。
    • 実効再生産数:全国的には1を上回る水準となっている(12月6日時点)。東京等首都圏、愛知、京都、大阪、兵庫などで1週間平均で1を超える水準となっている(12月6日時点)。
    • 11月以降の対策にもかかわらず、関東圏、中部圏、関西圏では新規感染者数の明らかな減少が見られていない。これに伴い、入院者数、重症者数、死亡者数の増加が続いている。対応を続けている保健所や医療機関の職員はすでに相当に疲弊している。予定された手術や救急の受入等の制限や、病床を確保するための転院、認知症や透析の必要がある方など入院調整に困難をきたす事例など通常医療への影響も見られており、医療提供体制等が相対的に弱まる年末年始が迫る中、各地で迅速な発生時対応や新型コロナの診療と通常の医療との両立が困難な状況が懸念される。
    • 英国で、最近の流行の主な系統となった変異株については、ECDC等からは、重症化を示唆するデータは認めない一方、感染性が高いとの指摘がなされており、医療への負荷が危惧される。この変異株については、これまでのところ国内では確認されていないが、輸入リスクについて留意が必要である。
  • 感染拡大地域の動向
    • 北海道 新規感染者数は減少傾向が見られる。新規感染の多くは病院・施設内の感染。旭川市の医療機関および福祉施設内の感染状況は引き続き注意が必要。
    • 首都圏 東京都で新規感染者数の増加が継続し、直近の一週間では10万人あたり30人を超えている。医療提供体制も非常に厳しい状況が継続。重症者の受入が困難になりつつある。また、病床確保のため、通常の医療を行う病床を転用する必要性が生じてきている。感染者の抑制のための実効的な取組が求められる状況にあり、感染経路は不明者が多いが飲食を介した感染の拡大が推定される。首都圏全体でも、埼玉、神奈川、千葉でも新規感染者が増加しており、医療提供体制が厳しい状況。
    • 関西圏 大阪では新規感染者数に減少の動きが見られるが、依然高い水準。重症者数の増加も継続し、医療提供体制の厳しさが増大。院内感染と市中での感染が継続。感染経路不明割合は約6割。兵庫でも感染が継続。医療提供体制が厳しい状況。京都では新規感染者数の増加が継続。奈良でも感染が継続。
    • 中部圏 名古屋市とその周辺で感染が継続。名古屋市では新規感染者数が高止まりし、減少傾向が見られない。医療の提供体制が厳しい状況が継続。岐阜県でも感染が継続。
    • その他 沖縄は、新規感染者数は減少傾向であるが、感染が継続。その他、宮城、群馬、岡山、広島、高知、福岡、熊本などこれまで大きな感染が見られなかった地域でも、新たな感染拡大や再拡大の動きが見られる。特に、広島では、広島市を中心に新規感染者数が大幅に増加し、医療提供体制が急速に厳しくなっている。
  • 感染状況の分析
    1. 主に北海道、首都圏、愛知、大阪における11月からの対策による感染状況へのインパクトについて分析した。
      • 北海道では、飲食店の時短要請が早かった札幌では11月中旬から人流の減少がみられ、実効再生産数が1以下を継続している。北海道全体でも新規感染者数の減少が続いている。しかし、直近では実効再生産数が1に近づきつつあり、注意が必要。
      • 東京都では11月下旬に一時、実効再生産数が1以下となったが、その後1以上が継続している。時短要請が行われているものの、人流の低下は見られていない。東京の感染が継続することで周辺自治体にも拡大し、埼玉、千葉、神奈川とともに首都圏で新規感染者の増加が継続している。
      • 大阪府では、大阪市の11月下旬以降営業時短地域における人流の減少が見られ、実効再生産数が1近辺となった。大阪府でも12月中旬から新規感染者がやや減少傾向となった。しかし、関西圏で、京都は増加が継続、兵庫は高止まりの状況
      • 愛知県では人流の減少は小さく、実効再生産数も1近辺が続いている。新規感染者数は高止まりの状況。
      • 人流の増減と実効再生産数の上下には一定の関係が見られる。
    2. 以上のように、北海道以外は新規感染者数の明らかな減少が見られていない。関東圏では増加が継続しているが、特に東京における感染の継続が周辺自治体の感染拡大にも影響している。大都市圏の感染拡大は、最近の地方における感染の発生にも影響していると考えられ、大都市における感染を抑制しなければ、地方での感染を抑えることも困難になる。
    3. 飲食などの社会活動が活発な20-50才台の世代の感染が多く、大都市圏も含め直近の感染拡大では、飲食をする場面が主な感染拡大の要因と考えられる。
  • 必要な対策
    • 感染が拡大・継続している地域、特に、ステージⅢ相当の対策が必要で、分科会の提言にあるシナリオ3および2相当と考えられる地域においては、取組の強化が必要である。特に東京をはじめとする首都圏では、新規感染者数の増加が続いているため早急に対策の強化が求められる。
    • これまで大きな感染が見られなかった地域でも感染の発生が見られており、医療機関、福祉施設における感染も頻発している。特に急速な感染拡大により、医療提供体制の急速な悪化が起こりうるため、年末に向けて、宿泊療養施設を含め医療提供体制の準備・確保等を直ちに進めることが必要である。感染拡大が見られる場合には、飲食店の時短要請等の対策も検討する必要がある。
    • 感染拡大の抑制には、市民の皆様の協力が不可欠である。忘年会や新年会を避けるとともに、年末年始の買い物も混雑を避けるなど静かな年末年始を過ごしていただくよう、適切かつ強力なメッセージを発信していくことが求められる。
    • 12月14日の政府対策本部で年明けまでを見据えた対策の強化策が示されたが、こうした取組の効果を注視し、感染状況の分析・評価を進めて行く必要がある。その上で、効果が不十分であれば必要な対応を検討することが求められる。
    • さらに、国内の厳しい感染状況の中で、英国等で見られる変異株の流入による感染拡大を防ぐことが必要である。このため、関係国との往来の在り方や検査・モニタリングの在り方について、適切な対応を速やかに行うべきである。
  • 感染拡大に伴う入院患者増加に対応するための医療提供体制パッケージ
    • これまで、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療と、必要とされる一般医療を両立して確保することを目指し、都道府県では策定した病床確保計画に基づき、病床確保を推進。
    • 一方、全国の新規感染者数の増加が続き、過去最多の水準であるなど、急激に感染拡大が進行。
    • これに伴い、入院者数、重症者数の増加が続いており、対応を続けている医療従事者への負荷も増大。今後も、継続して医療従事者へ負荷がかかることが見込まれる。
    • こうした新たな局面においても、一般医療を確保しつつ、新型コロナウイルス感染症患者に対する医療提供体制を拡充していくため、以下の取組を推進。
      1. 更なる病床確保のための新型コロナ患者の入院受入医療機関への緊急支援
      2. 既存施設等の最大限の活用等による病床確保
      3. 院内感染の早期収束支援
      4. 看護師等の医療従事者派遣の支援等による人材確保
      5. 高齢者施設等での感染予防及び感染発生時の早期収束
  • 新型コロナウイルス感染症(変異株)の状況について
    • 令和2年12月19日に、英国において感染力が高い可能性のある新型コロナウイルス感染症(変異株)が見つかったと発表。
    • 英国において報告された変異した新型コロナウイルスについては、12月21日、WHOにおいて、英国調査によると従来よりも最大70%感染しやすい可能性があること、この変異株によって重症度、抗体反応、ワクチンの有効性に何らかの影響を与えることを示唆する証拠はないこと等の見解が公表されている。
    • 我が国においては、空港検疫の検査で陽性となった患者の検体や、英国からの帰国歴のある陽性者等の検体について、国立感染症研究所において、ゲノム解析を実施。
    • <日本における変異株の確認状況>※全て英国で報告された変異株
      • 12月25日 英国から到着した乗客で、検疫における検査で陽性となった者 合計5名
      • 12月26日 英国からの帰国歴のある航空機の乗員で自宅待機中に陽性が確認された者及びその濃厚接触者 合計2名
      • 12月27日 英国から帰国した乗客で、検疫における検査で陰性、宿泊施設で待機中に陽性が確認された者 1名
  • 水際対策強化に係る新たな措置(2)(令和2年12月25日)
    1. 南アフリカ共和国からの新規入国の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第43回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年9月25日)資料4の1(2))に基づき、本年10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可しているところであるが、12月26日以降、当分の間、この仕組みによる南アフリカ共和国からの新規入国を拒否する。
      • (注)上記に基づく措置は、12月26日午前0時(日本時間)前に外国を出発し、同時刻以降に到着した者は対象としない。
    2. 南アフリカ共和国への短期出張からの帰国・再入国時における特例措置の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第44回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年10月30日)資料5の1)に基づき、本年11月1日から、日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時に、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、14日間待機緩和を認めているところであるが、12月26日以降、当分の間、この仕組みによる南アフリカ共和国からの帰国者・再入国者については14日間待機緩和を認めない。
    3. 検疫の強化
      1. 南アフリカ共和国から帰国する日本人については、新たに出国前72時間以内の検査証明を求める(12月29日の帰国者から当分の間)。帰国時に検査証明を提出できない帰国者に対しては、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る。)で14日間待機することを要請する。また、12月26日以降、当分の間、新たに帰国時に位置情報の保存等(接触確認アプリのダウンロード及び位置情報の記録)について誓約を求める。
      2. 南アフリカ共和国から再入国する在留資格保持者については、出国前72時間以内の検査証明を求めていたところであるが、これに加え、12月26日以降、当分の間、新たに入国時に位置情報の保存等(接触確認アプリのダウンロード及び位置情報の記録)について誓約を求める。
        • 以上の対象者は、本邦への帰国日又は上陸申請日前14日以内に南アフリカ共和国における滞在歴のある者
      3. 英国及び南アフリカ共和国から入国して14日間経過していない者について、健康フォローアップを徹底する。
      4. オーストラリアは入国拒否対象地域とはなっておらず、本邦への帰国又は上陸申請日前14日以内に同国に滞在歴のある者について、空港での検査を原則実施していないが、12月26日以降、新たに空港での検査を実施する。
        • (4)の対象者は、本邦への帰国日又は上陸申請日前14日以内にオーストラリアにおける滞在歴のある者
    4. 南アフリカ共和国への短期渡航の自粛要請南アフリカ共和国に対しては、現状、感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)が出ていることも踏まえ、日本在住の日本人及び在留資格保持者に対し、日本への帰国・再入国を前提とする南アフリカ共和国への短期渡航を当分の間、自粛するよう改めて要請する。
  • 水際対策強化に係る新たな措置(4)(令和2年12月26日)
    1. 全ての国・地域からの新規入国の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第43回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年9月25日)資料4の1(2))に基づき、本年10月1日から、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件として、原則として全ての国・地域からの新規入国を許可しているところであるが、本年12月28日から令和3年1月末までの間、この仕組みによる全ての国・地域(英国及び南アフリカ共和国を除く)からの新規入国を拒否する。
      • (注1)上記1.に基づく措置は、12月28日午前0時(日本時間)から行うものとする。
      • (注2)この仕組みを使うことを前提とした発給済みの査証を所持する者については、原則として入国を認める。
      • ただし、本邦への上陸申請日前14日以内に英国または南アフリカ共和国における滞在歴のある者、並びに令和3年1月4日午前0時(日本時間)以降の入国者で、本邦への上陸申請日前14日以内に感染症危険情報レベル3(渡航中止勧告)対象国・地域における滞在歴のある者を除く。
    2. 全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時における特例措置の一時停止
      • 「国際的な人の往来の再開」(第44回新型コロナウイルス感染症対策本部(令和2年10月30日)資料5の1)に基づき、本年11月1日から、日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、全ての国・地域への短期出張からの帰国・再入国時に、防疫措置を確約できる受入企業・団体がいることを条件に、14日間待機緩和を認めているところであるが、本年12月28日から令和3年1月末までの間、この仕組みによる全ての国・地域(英国及び南アフリカ共和国を除く)からの帰国者・再入国者について、14日間待機緩和を認めない。
    3. 検疫の強化
      • 国内で変異ウイルスの感染者が確認されたと政府当局が発表している国・地域(英国及び南アフリカ共和国は除く)(注1)からのすべての入国者及び帰国者(ビジネス・トラック及びレジデンス・トラックによる入国者及び帰国者を除く。)について、本年12月30日から令和3年1月末までの間、出国前72時間以内の検査証明を求めるとともに、入国時の検査を実施する。検査証明を提出できない者に対しては、検疫所長の指定する場所(検疫所が確保する宿泊施設に限る。)で14日間待機することを要請する。
      • (注1)該当する国・地域は、外務省及び厚生労働省において確認の都度、指定し公表する。12月26日現在、該当する国・地域は以下のとおり。フランス、イタリア、アイルランド、アイスランド、オランダ、デンマーク、ベルギー、オーストラリア、イスラエル
      • (注2)本邦への上陸申請日前14日以内に注1の国・地域に滞在歴のある入国者及び帰国者を対象とする。
      • (注3)上記3.に基づく措置は、12月30日午前0時(日本時間)から行うものとする。今後指定された国・地域については、指定の日の4日後の日の午前0時から実施する。

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首相官邸 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT総合戦略本部) デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針
▼デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針 概要
  • デジタルの活用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会~誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化~
  • デジタル社会形成の基本原則((1)オープン・透明、(2)公平・倫理、(3)安全・安心、(4)継続・安定・強靱、(5)社会課題の解決、(6)迅速・柔軟、(7)包摂・多様性、(8)浸透、(9)新たな価値の創造、(10)飛躍・国際貢
  • IT基本法の見直しの考え方
    1. IT基本法施行後の状況の変化・法整備の必要性
      • データの多様化・大容量化が進展し、その活用が不可欠
      • 新型コロナウイルス対応においてデジタル化の遅れ等が顕在化
      • IT基本法の全面的な見直しを行い、デジタル社会の形成に関する司令塔としてデジタル庁(仮称)を設置
    2. どのような社会を実現するか
      • 国民の幸福な生活の実現:「人に優しいデジタル化」のため徹底した国民目線でユーザーの体験価値を創出
      • 「誰一人取り残さない」デジタル社会の実現:アクセシビリティの確保、格差の是正、国民への丁寧な説明
      • 国際競争力の強化、持続的・健全な経済発展:民間のDX推進、多様なサービス・事業・就業機会の創出、規制の見直し
    3. デジタル社会の形成に向けた取組事項
      • ネットワークの整備・維持・充実、データ流通環境の整備
      • 行政や公共分野におけるサービスの質の向上
      • 人材の育成、教育・学習の振興・安心して参加できるデジタル社会の形成
    4. 役割分担
      • 民間が主導的役割を担い、官はそのための環境整備を図る
      • 国と地方が連携し情報システムの共同化・集約等を推進
    5. 国際的な協調と貢献、重点計画の策定
      • データ流通に係る国際的なルール形成への主体的な参画、貢献
      • デジタル社会形成のため、政府が「重点計画」を作成・公表
  • デジタル庁(仮称)設置の考え方
    1. 基本的考え方
      • 強力な総合調整機能(勧告権等)を有する組織
      • 基本方針策定などの企画立案、国等の情報システムの統括・監理、重要なシステムは自ら整備
    2. デジタル庁(仮称)の業務
      • 国の情報システム:基本的な方針を策定。予算を一括計上することで、統括・監理。重要なシステムは自ら整備・運用
      • 地方共通のデジタル基盤:全国規模のクラウド移行に向けた標準化・共通化に関する企画と総合調整
      • マイナンバー:マイナンバー制度全般の企画立案を一元化、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)を国と地方が共同で管理
      • 民間・準公共部門のデジタル化支援:重点計画で具体化、準公共部門の情報システム整備を統括・監理
      • データ利活用:ID制度等の企画立案、ベース・レジストリ整備
      • サイバーセキュリティの実現:専門チームの設置、システム監査
      • デジタル人材の確保:国家公務員総合職試験にデジタル区分(仮称)の創設を検討要請
    3. デジタル庁(仮称)の組織
      • 内閣直属。組織の長を内閣総理大臣とし、大臣、副大臣、大臣政務官、特別職のデジタル監(仮称)、デジタル審議官(仮称)他を置く
      • 各省の定員振替・新規増、非常勤採用により発足時は500人程度
      • CTO(最高技術責任者)やCDO(最高データ責任者)等を置き、官民問わず適材適所の人材配置
      • 地方公共団体職員との対話の場「共創プラットフォーム」を設置
      • 令和3年9月1日にデジタル庁(仮称)を発足

~NEW~
内閣府 男女共同参画局 第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~(令和2年12月25日閣議決定)
▼第5次男女共同参画基本計画(概要)
  • 社会情勢の現状、予想される環境変化及び課題
    1. 新型コロナウイルス感染症拡大による女性への影響
    2. 人口減少社会の本格化と未婚・単独世帯の増加
    3. 人生100年時代の到来(女性の51.1%が90歳まで生存)
    4. 法律・制度の整備(働き方改革等)
    5. デジタル化社会への対応(Society 5.0)
    6. 国内外で高まる女性に対する暴力根絶の社会運動
    7. 頻発する大規模災害(女性の視点からの防災)
    8. ジェンダー平等に向けた世界的な潮流
      1. 「202030目標」:社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度となるよう期待する(2003年に目標設定)
      2. この目標に向けて、女性就業者数や上場企業女性役員数の増加等、道筋をつけてきたが、全体として「30%」の水準に到達しそうとは言えない状況。
      3. 国際社会に目を向けると諸外国の推進スピードは速く、日本は遅れている。
  • 進捗が遅れている要因
    • 政治分野(有権者の約52%は女性) 立候補や議員活動と家庭生活との両立が困難・人材育成の機会の不足 ・候補者や政治家に対するハラスメント
    • 経済分野 管理職・役員へのパイプラインの構築が途上
    • 社会全体 固定的な性別役割分担意識
  • 新しい目標
    • 2030年代には、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会となることを目指す。
    • そのための通過点として、2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める。
  • 第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大
    • 政党に対し、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律の趣旨に沿って女性候補者の割合を高めることを要請
    • 地方議会における取組の要請(議員活動と家庭生活との両立、ハラスメント防止)
    • 最高裁判事も含む裁判官全体に占める女性の割合を高めるよう裁判所等の関係方面に要請
    • (参考)衆議院の女性議員比率9.9%、参議院の女性議員比率22.9%(出典)衆議院HP、参議院HPより内閣府確認/裁判官に占める女性割合22.6%、女性最高裁判事15名中2名(出典)内閣府男女共同参画局「女性の政策・方針決定参画状況調べ」(2020)/国家公務員の各役職段階に占める女性の割合指定職相当4.4%、本省課室長相当職5.9%(出典)内閣人事局「女性国家公務員の登用状況のフォローアップ」(2020)
  • 第2分野 雇用分野、仕事と生活の調和
    • 男性の育児休業取得率の向上
    • 就活セクハラの防止
  • 第3分野 地域
    • 地域活動における女性の活躍・男女共同参画が重要
    • 固定的な性別役割分担意識等を背景に、若い女性の大都市圏への流出が増大。地域経済にとっても男女共同参画が不可欠
    • 地域における女性デジタル人材の育成など学び直しを推進
    • 女性農林水産業者の活躍推進
    • (参考)地域における10代~20代女性の人口に対する転出超過数の割合
  • 第4分野 科学技術・学術
    • 若手研究者ポストや研究費採択で、育児等による研究中断に配慮した応募要件
    • 女子生徒の理工系進路選択の促進
    • (参考)研究職・技術職に占める女性の割合
  • 第5分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶
    • 「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」に基づき、今後3年間を「集中強化期間」として取組を推進
    • 「生命を大切にする」「性暴力の加害者にならない」「被害者にならない」「傍観者にならない」ことを教える教育
    • 新型コロナウイルス感染症に対応するため、DV相談支援体制を強化
    • (参考)コロナ禍によるDV・性暴力の相談件数の増加・DV:5月、6月は前年同月の1.6倍・性暴力:4~9月は前年同期の1.2倍
  • 第6分野 貧困等生活上の困難に対する支援と多様性の尊重
    • ひとり親家庭への養育費の支払い確保
    • 高齢者、障害者、外国人等が安心して暮らせる環境の整備
    • (参考)ひとり親家庭が置かれた状況:およそ30年間で、母子世帯は約1.5倍、父子世帯は約1.1倍母子世帯数(注)123.2万世帯(ひとり親世帯の約87%)父子世帯数(注)18.7万世帯(ひとり親世帯の約13%)(注)母子又は父子以外の同居者がいる世帯を含めた全体の母子世帯、父子世帯の数
  • 第7分野 生涯を通じた健康支援
    • 不妊治療の保険適用の実現。それまでの間、現行の助成制度の大幅な拡大。仕事との両立環境の整備
    • 緊急避妊薬について検討
    • 「スポーツ団体ガバナンスコード」に基づく各中央競技団体における女性理事の目標割合(40%)の達成に向けた取組
    • (参考)不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の割合不妊を心配したことがある約2.9組に1組/不妊の検査や治療を受けたことがある約5.5組に1組(出典)国立社会保障・人口問題研究所「社会保障・人口問題基本調査」(各年版)(注)妻の年齢が50歳未満の初婚どうしの夫婦を対象(回答者は妻)に調査(年)
  • 第8分野 防災・復興等
    • 女性の視点からの防災・復興ガイドラインに基づく取組の浸透、地方公共団体との連携
    • (参考)ガイドラインの主な内容
      □避難所の責任者には男女両方を配置する
      □プライバシーの十分に確保された間仕切りを用いる
      □男女別の更衣室や、授乳室を設ける
      □女性用品(生理用品、下着等)は女性担当者が配布を行う
      □女性トイレと男性トイレは離れた場所に設置する
      □性暴力・DV防止ポスターを、避難所の見やすい場所に掲示する
      □自治体の災害対策本部において、下部組織に必ず男女共同参画担当部局の職員を配置する
  • 第9分野 各種制度等の整備
    • 税制や社会保障制度をはじめとする社会制度全般について、経済社会情勢を踏まえて不断に見直し
    • 各種制度において給付と負担が世帯単位から個人単位になるよう、マイナンバーも活用しつつ、見直しを検討
    • 第3号被保険者については、縮小する方向で検討
    • 旧姓の通称使用拡大
    • 夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方に関し、国会における議論の動向を注視しながら、司法の判断も踏まえ、更なる検討を進める
  • 第10分野 教育・メディア等を通じた意識改革、理解の促進
    • 校長・教頭への女性の登用
    • 医学部入試について、男女別合格率の開示促進
  • 第11分野 男女共同参画に関する国際的な協調及び貢献
    • 我が国が国際会議の議長国となる場合、ジェンダー平等を全ての大臣会合においてアジェンダとして取り上げる
  • Ⅳ推進体制の強化
    • EBPMの観点を踏まえ、計画中間年(令和5年度目途)における点検・評価を実施
    • 男女共同参画の推進に当たっては、若年層を含め国民の幅広い意見を反映
    • 地域における男女共同参画センターの機能強化

~NEW~
内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議
▼令和2年12月 閣僚会議資料
  • 日本経済の基調判断
    • 現状 【判断維持】景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。
    • 先行き 先行きについては、感染拡大の防止策を講じるなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待される。ただし、感染症拡大による社会経済活動への影響が内外経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
  • 政策の基本的態度
    • 政府は、東日本大震災からの復興・創生、激甚化・頻発化する災害への対応に取り組むとともに、決してデフレに戻さないとの決意をもって、新型コロナウイルス感染症の感染対策と経済活動を両立し、雇用の確保、事業の継続を通じて国民生活を守り抜く。その上で、感染症によって明らかになったデジタル化などの新たな目標について、規制改革など集中的な改革、必要な投資を行い、再び力強い経済成長を実現する。そのための主要施策について、「経済財政運営と改革の基本方針2020」等に基づき、経済財政諮問会議で議論される大きな方向性と重点課題に沿って、成長戦略会議において、改革を具体化する。
    • 令和2年度第1次補正予算及び第2次補正予算の迅速な実行に加え、国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、グリーンやデジタルをはじめ新たな成長の突破口を切り開くべく、12月8日に閣議決定した「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を円滑かつ着実に実行する。政府は、それを具体化するため、令和2年度第3次補正予算案(概算)(12月15日閣議決定)を編成するとともに、「令和3年度予算編成の基本方針」(12月8日閣議決定)及び「令和3年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(12月18日閣議了解)も踏まえ、令和3年度政府予算案(概算)(12月21日閣議決定)を取りまとめた。
    • 日本銀行においては、12月18日、引き続き企業等の資金繰りを支援していく観点から、新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラムの延長等を決定した。日本銀行には、感染症の経済への影響を注視し、適切な金融政策運営を行い、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する
  • 個人消費
    • 週当たり消費額は、12月に入っても過去3年の水準を維持。財の消費は、新車販売台数が高水準にあるなど底堅い。他方、外食や旅行といったサービス消費は、足下で支出した人の割合が低下し、宿泊施設稼働率も再び昨年からの低下幅が拡大するなど、弱い動き。個人消費は、総じてみれば持ち直しの動きが続いているものの、このところ一部に足踏みもみられる。
    • 街角景気の先行きでは、個人消費が下押しされることが懸念されている。
  • 雇用情勢
    • 雇用者数は、7月以降増加しているものの、水準はなお3月対比で85万人少ない状況。日次有効求人数の増加が続くなか、有効求人倍率は下げ止まりつつある一方、失業率は依然として上昇傾向。雇用情勢は、一部の指標に底堅さもみられるが、総じてみれば弱い状態が続いている。
    • 雇用や暮らしを守るため、「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の円滑かつ着実な実施が重要。
  • 設備投資
    • 設備投資は、2四半期連続で減少。2020年度計画(日銀短観12月調査)も、9月時点から下方修正され、前年度比マイナスの見通し。ソフトウェア投資の計画は、前年度比プラスを維持したが、9月時点からは下方修正。設備投資には慎重さが増している。
    • 「総合経済対策」の円滑かつ着実な実施により、ワイズスペンディングの下、デジタル・グリーンをはじめ成長分野に民間投資を大胆に呼び込むことが重要。
  • 輸出・生産
    • 輸出は、増加している。品目別にみると、自動車関連財の持ち直しが続いているほか、IC等の情報関連財も堅調に増加。・生産も、持ち直しが続く。自動車やスマートフォンなど幅広い財に使用される半導体の出荷は、5G対応やオンライン通信機器の需要の高まりから、2021年も増加見込み。
  • 企業の収益・業況
    • 企業収益は、前年比大幅減が続いているが、7-9月期は製造業、非製造業ともに前期比増。規模別でも、大中堅企業のみならず中小企業も7-9月期は戻しているが、水準はなお低い。
    • 企業の景況感は、改善の動きがみられるものの、依然として「悪い」という回答が「良い」を上回っている。また、先行きについても「悪い」が「良い」を上回る状況が続く。
    • 倒産件数は、資金繰り支援もあり、足下で緩やかに減少しているが、先行きを引き続き注視。
  • 世界経済
    • 国際機関の見通しによれば、欧米では感染症の影響が続き2021年の景気回復は緩やかな見込み。
    • 欧米諸国では感染症の拡大に伴う経済活動の再制限を実施。オンライン販売が消費動向を支えているとみられるものの、20年10-12月期のユーロ圏のGDP成長率はマイナスの見通し。

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内閣府 第26回休眠預金等活用審議会
▼資料2 第9回休眠預金等活用審議会ワーキンググループの議論の概要
  • 全般について
    • ヒアリングを通じ各団体の頑張りなどが分かってよかった。JANPIAがPTを設置し今後、改善していくことを歓迎。WGにも途中報告頂き、次回募集までに改善できるよう、スピーディにPDCAを回してほしい。(同旨ご意見複数あり)
    • この制度は社会実験であり、「今まではこうだった」と頑なにならず、柔軟に、相互に高い敬意を持ち臨みながら、変えるべき部分は変えていくべき。もっと様々な団体が算入することを期待。
    • 厳しい意見の団体もあったが、一緒にどう休眠預金を活用するか考えていきたい。草の根の団体の底上げにつなげることも大事。三層構造の利点を活かしつつ、本当に良いものにしていく段階だと思う。(同旨ご意見複数あり)
    • 資金分配団体、実行団体、JANPIA等が休眠預金のフレームで日本を変えていくコミュニティ、さらには誰かの成功を皆で喜ぶ「ファミリー」を目指すと良いブランディングになると思う。
    • 休眠預金が力のある団体だけでなく地域に根差したところに届き、誰ひとり取り残さないとの心で皆が考えることが大事。新たな活動の最初をサポートすることで、住民も成長し新しい価値を生むと思う。
    • ヒアリングを通じ、立派な団体ほど経験と違う方法に一言、となると感じた。JANPIAでは、(1)変えるべきこと、(2)走りながら一緒に考えていくこと、(3)コンプライアンスやガバナンス上しっかりやるべきこと、この3つに分けて、話を聞いたりフィードバックして頂くのが良いと思う。
  • 簡素化、負荷軽減等
    • 課題は書類の煩雑さ。JANPIAは事務処理のバックオフィス機能を強化するとのことで、既に改善に向けて動いていることを歓迎。
    • 実行団体も様々なレベル感がある中で、特に実行団体は少し書類を簡素化し、例えば資金分配団体が記入するとか、マルバツで済むなど、負担の軽減方法を考えてほしい。(同旨ご意見複数あり)
    • 不正はあってはならないが、過度な制約にならないようバランスが必要。不都合があれば変えていく、オープンにしていくとよいと思う。
    • 自己資金比率20%は努力目標だと思うが、口座管理も含めて徒労感につながっている。実際に赤字になっているとか、次回申請に抵抗がある等を聞く。改善点は改善していく必要があると思う。
  • 伴走支援、その他
    • 伴走支援には、1つは経営上・進捗管理上の事務管理支援、もう1つは実行団体や資金分配団体が自立していくためのマネジメントやガバナンスの支援の2つが大切だと思う。JANPIAの案のバックオフィス機能確保は事務処理削減に有効だろう。ガバナンスやマネジメント支援には外部専門家の活用も有効であり、データベース化できれば今後にも活かせるのではないか。
    • 経験上、行政と現場は様々なコミュニケーションを重ねる中から、次の活動や解決方法を見い出したりする。顔を合わせることで、次の価値を生むことができるので、月に1回の面談はやってほしい。
    • 実行団体の方の発表の場を設けることは、相互に解決策を見つけたり連携したり、有効だと思うので検討してほしい。
    • 3年間の事業の継続性に関し、採択できなかった団体について、別の資金分配団体が拾い上げることができるか、あるいは、当該分配団体が次のテーマで拾い上げていくかも検討事項だと思う。
    • JANPIAの職員やPOが一人で抱え込まないよう、お願いしたい。

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消費者庁 新型コロナウイルスの抗体検査キットの販売事業者6社に対する行政指導について
  • 消費者庁は、新型コロナウイルスの抗体検査キットの表示に関し、景品表示法に違反(同法第5条第1号(優良誤認表示)に該当)するおそれがあることから、6事業者に対し、再発防止等の指導を行いました。また、SNSを通じて一般消費者等への注意喚起を行いました。
  • 今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、自分が現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかの判定への一般消費者の関心が高まっています。
  • 現在流通している新型コロナウイルスの抗体検査キットについては、「わずか15分!高精度・新型コロナウイルス判定」や、「PCR法では難しいとされる感染初期での判別も可能」等の表示が行われていることがありますが、抗体検査は、新型コロナウイルス感染によって産生される抗体の有無を判定する用途に用いられるものであって、使用することによって、現在、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判定できるものではありません。
  • これらのことを踏まえ、消費者庁は、あたかも、当該抗体検査キットを使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かが判定できるかのように示す表示によって、一般消費者が新型コロナウイルスの抗体検査キットの効果について著しく優良であると誤認し、ウイルスの感染予防について誤った対応をしてしまうことを防止する観点から、行政指導の対象となった事例の概要を公表いたします。なお、新型コロナウイルスの抗体検査については、厚生労働省において見解が示されておりますのでご参照ください。
  • 消費者庁では、引き続き、不当表示に対する継続的な監視を実施し、法に基づく適切な措置を講じてまいります。
  • 行政指導の対象となった事例の概要
    • 表示の概要
      • 新型コロナウイルスの抗体検査キットを一般消費者に販売するに当たり、自社ウェブサイトにおいて、例えば、以下のように表示することにより、あたかも、当該抗体検査キットを使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かの判定ができるかのように示す表示をしていた。
      • わずか15分!高精度・新型コロナウイルス判定
      • PCR法では難しいとされる感染初期での判別も可能
      • 10分で新型コロナウイルス感染の有無を目視で簡単に判定できます。
      • 「検査結果目安」、「IgG(-)IgM(-)非感染者または抗体が出来ていない」及び「IgG(-)IgM(+)感染能力ありの可能性が否定できない」
      • IgM抗体が「陽性」で、IgG抗体も「陽性」の場合新型コロナウイルスに感染しており、現在感染活動期であると考えられます。
      • 「M」に線が出ている場合、IgM抗体が陽性です。新型コロナウィルスに感染し初期段階であると考えられ、感染している可能性があります。
      • 陽性反応 感染中でウイルス所持の疑い
    • 実際
      • 実際には、新型コロナウイルスの抗体検査キットは、使用することにより、現在、新型コロナウイルスに感染しているか否かを判定できるものではない。
    • 令和2年12月24日時点版厚生労働省ホームページ・新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)(抜粋)
      • 5症状がある場合の相談や新型コロナウイルス感染症に対する医療について問7新型コロナウイルスに感染すると抗体・免疫ができるのですか。抗体検査について注意すべき点はありますか。
      • 麻しん(はしか)等のウイルス感染症では、感染後に体内でそのウイルスに対して抗体という特殊なたんぱく質が作られ、その感染症に対する免疫が得られる(その感染症に再度かかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになる)ことが知られています。
      • 新型コロナウイルスに感染した人の体内でも、新型コロナウイルスに対する抗体が作られることが知られていますが、どのくらいの割合の人で抗体が作られるのか、その抗体が感染後どのくらいの時期から作られ、その後どのくらい持続するのか、それにより新型コロナウイルスに対する免疫が獲得できるのかは、現時点では明らかになっていません。従って、一度新型コロナウイルスに感染した方であっても、再度感染する可能性は否定できませんので、引き続き適切な行動をとっていただくようお願いします。
      • また、上記のことから、新型コロナウイルスへの抗体を持っていないことが分かっても、そこから現在新型コロナウイルスに感染していない、あるいは過去に感染したことがないと判断することはできません。

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消費者庁 第39回インターネット消費者取引連絡会(2020年12月17日)
▼資料1 フードデリバリーサービスの動向整理
  • フードデリバリーサービスについて
    • PCやスマートフォンを通じて、オンラインで料理を注文し、配達を得るフードデリバリーサービスの利用が増えている。
    • 飲食店やピザ屋等が注文を受け付け、飲食店等の店員が配達するサービスは従来から存在している(自店注文配達型)。これらの形態でも、これまでの電話での注文に加えてPCやスマートフォンを通じた注文が可能になっている。
    • 近年は、飲食店等以外のプラットフォーム事業者が、飲食店を集めて注文を取り次ぐサービス(マーケットプレイス型)や、注文の取り次ぎに加えて配達も代行するサービス(注文・配達代行型)が提供されている。
    • 注文・配達代行型には自社配達員が配達を行うもの、個人事業者等が配達を行うものがある。
      • またこれらマーケットプレイス型、注文・配達代行型の両者とも取り扱うハイブリッド型のプラットフォーム事業者もある。
      • 本調査では、飲食店等以外の第三者となるプラットフォーム事業者(フードデリバリープラットフォーム事業者)が介在するマーケットプレイス型、注文・配達代行型を特に取り上げて調査した。
  • 外食産業は1997年をピークに減少していたが、2012年から増加傾向。中食産業の市場規模は増加傾向で推移。2019年の市場規模は7.3兆円。
  • レストラン業態(小売店、自販機、社員食堂、学生食堂を除く。宅配ピザを含む)における出前市場は、2018年に4,084億円に成長。うち約44%を主要出前7サービスが占める。
  • 日本の消費者向けフードサービス市場においてホームデリバリーが占める比率は、2014年の2.0%から2019年には3.1%に増加。米国でホームデリバリーが占める比率は日本の2倍以上となる6.9%(2019年)。
  • 2020年11月時点で、39.7%がフードデリバリーサービスの利用経験*を有する。うち、5.0%は新型コロナウイルス感染拡大後にはじめて利用。若い年代ほど利用経験者が多い。20代(46.8%)、30代(46.4%)の利用経験率は半数近くになっている。
  • 1都3県に居住する、この1年間にフードデリバリーサービスを利用した者のうち、1/4が月に1回程度以上利用する一方、約半数は半年に1回以下の利用(2018年5月時点)。フードデリバリーサービス(宅配、出前)では「ピザ・パスタ」(83.8%)、「寿司」(38.5%)をオーダーしている者が多い。
  • フードデリバリー利用時に懸念すること、不便なことでは「配達料金が高い」(30.6%)、「配達エリアが限られる」(23.0%)が多く挙げられている。「特に気になるものはない」は30.5%。配達品質に関係する「配達員に対する信頼性」、「デリバリー時の品質管理」はともに14.2%。食品の安全性に関係する「食品の安全面」、「置き配時の衛生面」は1割程度。
  • フードデリバリーサービスに特化した法令はないが、ECと同様、フードデリバリーサービスに出店する飲食店は、景品表示法の事業者、特定商取引法上の販売業者又は役務提供事業者に当たることが一般的と考えられる。特定商取引法により、通信販売における広告の表示事項、誇大広告等の禁止が定められている。
  • 新型コロナウイルス感染症の流行拡大を受け、飲食店が、新たに持ち帰り(テイクアウト)や宅配(出前)等のサービスを開始する事例が増えている状況の中、2020年5月8日、厚生労働省では、これからの季節の気温や湿度の上昇により食中毒のリスクが高まることから、一般的衛生管理の徹底に加え、以下の事項について留意して実施するとともに消費者に対しても、これらの食品は速やかに喫食するよう注意喚起するよう求めている。
    • 持ち帰りや宅配等にしたメニューを選定すること(鮮魚介類等の生ものの提供は避けるなど)
    • 施設設備の規模に応じた提供食数とすること
    • 加熱が必要な食品は、中心部まで十分に加熱すること
    • 調理済みの食品は、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃~50℃)に置かれる時間が極力短くなるよう、適切な温度管理(10℃以下又は65℃以上での保存)を行うこと(例)小分けによる速やかな放冷、持ち帰り時の保冷剤の使用、保冷・保温ボックスによる配達など
    • 消費者に対して速やかに喫食するよう口頭やシールの貼付等により情報提供すること
  • 世界におけるホームデリバリーの市場規模は拡大しており、2019年には2014年の2.1倍の2,181億ドルとなった。2019年の国別の市場規模は、中国が679億ドル、米国が416億ドル、イギリスが94億ドル、日本が64億ドル、フランスが36億ドルである。
  • フードデリバリープラットフォーム事業者の取組例(事業者やサービス内容等により異なる)
    • 注文者の確認有効なメールアドレス、携帯電話番号を登録
    • 出店者の確認・審査一定以上のメニュー数の提供があるか等を確認・必要な営業許可等(飲食店営業許可証、酒類を販売する場合には酒類販売業免許)を有しているか確認
    • 写真・表示の確認等店舗名、住所等が営業許可証等と合致しているか確認・出店者によるメニューの写真、説明等がプラットフォームの定めるルールに則っているか確認・出店者の特定商取引法に基づく表示を統一フォーマットで表示
    • 注文確認メールの送付注文者に注文確認メールを送付。確認メールには店舗等の連絡先情報を記載。
    • 配達員の品質管理配達員の身分証明書を確認。一定の要件を満たしていることを確認(国内での就労が可能か等)・配達車両持ち込みの場合、運転免許証、ナンバープレート写真(軽自動車、125cc超のバイクでは事業用ナンバープレート)、自賠責保険等の証明書等を確認。・新規に採用した配達員に対する研修の実施。交通安全講習、食品安全講習等の実施・配達員への情報提供(事故情報、新型コロナウイルス対策、等)
    • ピックアップ、受渡時の商品確認料理を配達員に渡すときに、注文番号、配達員名等を店舗が確認・料理を受け取るときに、商品名、数量等を店舗と配達員が相互に確認・注文者に料理を渡すときに配達員が商品名を声に出して確認
    • 配達時の食品管理配達バッグの衛生状態の確認、消毒・適切な温度環境の維持(保冷剤等の使用等)
    • 出店者への連絡機能注文時に、出店者に伝えたい情報(アレルギー、配達先の詳細な情報、等)を連絡できる機能を提供
    • 配達状況の確認・連絡アプリを通じて配達状況を確認可能な機能を提供・電話番号等を知られることなく、注文者から配達員に連絡できる機能を提供
    • 問い合わせ窓口を設置配達員の交通マナー等、利用者以外からの問い合わせも受け付ける窓口を設置
    • 評価システム配達完了後、出店者等の評価システムを導入

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消費者庁 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針(案)に関する意見募集の結果の公示及び同執行方針の成案の公表について
▼別紙3 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示に対する執行方針(概要)
  • 将来の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示(基本的な考え方)
    • 表示時点で未だ現実のものとなっておらず、将来の需給状況等の不確定な事情に応じて変動し得るものであり、(過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示と比較して、)表示方法自体に、表示と実際の販売価格が異なることにつながるおそれが内在しているといわざるを得ない
    • 販売することが確かな場合(需給状況等が変化しても販売することとしている場合など)以外、基本的に行うべきではない
  • 景品表示法上の考え方
    • 有利誤認表示となるおそれ → 比較対照価格とされた将来の販売価格で販売する確実な予定を有していない場合
    • 「比較対照価格とされた将来の販売価格で販売する」→ 一般的な販売活動において販売すること(比較対照価格の根拠を形式的に整える手段である場合は該当しない)
    • 「確実な予定」を有している → 合理的かつ確実に実施される販売計画をセール期間を通じて有していること
  • 考慮事項
    • 比較対照価格とされた将来の販売価格で実際に販売している場合は、通常、合理的かつ確実に実施される販売計画に基づいて販売しているものであると推測される
    • 特段の事情が存在しないにもかかわらず、当該将来の販売価格で販売していない場合には、通常、合理的かつ確実に実施する販売計画を有していないと推認される
    • 表示開始時点から有利誤認表示であるものとして取り扱う(消費者庁による景品表示法適用において考慮)
    • 合理的かつ確実に実施する販売計画を有していたことを示す資料やデータを有し、特段の事情が存在する等の場合には合理的かつ確実に実施する販売計画を有していなかったことは推認されない
    • 有利誤認表示であるものとして取り扱うことはない
    • 「特段の事情が存在する」と認められる → 販売できなくなったことが事業者の責に帰することができない不可抗力を原因とする場合を例示
    • 「特段の事情が存在する」とは認められない → 合理的に予見できないものであったとはいえない場合を例示
  • 将来の販売価格での販売期間
    • 特段の事情が存在しないにもかかわらず、将来の販売価格で販売したのがごく短期間であった場合には、通常、合理的かつ確実に実施する販売計画を有していないと推認される
    • 表示開始時点から有利誤認表示であるものとして取り扱う
    • 「ごく短期間」→ 一般的には、2週間以上継続した場合、ごく短期間であったとは考えない

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消費者庁 第11回デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者取引における環境整備等に関する検討会(2020年12月24日)
▼デジタル・プラットフォーム企業が介在する消費者 取引における環境整備等に関する検討会 報告書(骨子)案
  • 論点整理においては、多岐にわたる分野のうち、違法な製品や事故の恐れがある商品等に係る取引による重大な消費者被害の防止等の特に必要性が高く優先的な取組が求められるものについて、各種の課題点に留意しつつ、必要な法的枠組みを含め優先的に検討を進めるべきとされた。
  • 論点整理において述べられたとおり、デジタルプラットフォームを利用した取引では、取引に不慣れな者や悪質な事業者であっても売主として参入が容易となるといった特性が消費者トラブルの原因の一つとなっていることは否めない。デジタルプラットフォームが消費生活の幅広い場面において頻繁に利用される「場」であることに鑑みると、消費者が不当にトラブルに巻き込まれることを防止するための対応が急務となっている。
  • 本年8月には、各企業の自主的な取組の強化等を目的として「オンラインマーケットプレイス協議会(JOMC)」が設立され、12月には加盟各社の「消費者保護のための自主的取組」が公開されるなど、利用者がより安心して取引できる環境整備に向けて、更に各企業による取組の機運が高まっている。
  • 一方で、デジタルプラットフォーム企業を介した取引は、売主側と買主側のいわゆる「両面市場」の性質を有している。各企業は、問題のある商品の削除や利用規約の変更等による消費者保護のための措置を行うにあたっては、売主に対する法的・契約上の責任との関係から、一定の制約条件のもとで対応せざるを得ないことも事実である。
  • さらに、デジタルプラットフォームはグローバルに提供されるものであると同時に、新規参入も活発である。海外に拠点を置くものやいわゆるアウトサイダーを含め、あらゆるデジタルプラットフォームにおける対応を早急に確保していくためには、先進的な企業による取組が慣行として定着し、水平的に広がっていくことを待つだけでは十分とは言えない。
  • 「新しい生活様式」の下で、消費者がデジタルプラットフォームにおいて安全で安心して取引できる環境整備を加速化するためには、政策面での思い切ったテコ入れを図る必要がある。すなわち、(1)各デジタルプラットフォーム企業が消費者保護のために対応すべき事項について一定の範囲でルール化することにより、その創意工夫を生かした取組がステークホルダーの理解と協力を得つつ広がっていくことを促進するとともに、(2)各デジタルプラットフォーム企業が特に緊要な対応を躊躇なく講じることができるように後押しするための法的枠組みを整備すべきである。
  • 論点整理において必要な法的枠組みを含め優先的に検討を進めるべきとされた課題は、以下のとおりである。
    1. 違法な製品や事故の恐れがある商品等に係る取引による重大な消費者被害の防止
    2. 緊急時における生活必需品等の流通の確保
    3. 一定の事案における取引の相手方の連絡先の開示を通じた紛争解決・被害回復のための基盤の確保
    4. デジタルプラットフォーム企業の自主的な取組の促進と取組状況の開示を促すようなインセンティブ設計等
  • 新法は、以下の(1)~(3)を骨格としたものであることが望ましいと考えられる。
    1. デジタルプラットフォーム企業が対応すべき画一的な義務を定めるのではなく、各デジタルプラットフォーム企業が創意工夫を生かしつつ、リスクベースでの対応を行うことを前提とする仕組みとし、かつ、それらの取組が客観的に評価可能なものとなるような仕組みを設けること。
    2. より消費者被害のリスクが高い取引の防止や紛争解決の必要が高い事態への対応のために、デジタルプラットフォーム企業が思い切った対応を取ることができるよう、実質的に各企業の責任を免除したり負担を軽減する仕組みを設けること。
    3. 消費者啓発や悪質事業者への対応などデジタルプラットフォーム企業だけでは対応しがたい問題について、各種の主体の連携による取組が確保されるよう、制度的枠組みを設けること。
  • また、内外のイコールフッティングを図ること。
  • デジタルプラットフォーム企業が役割を果たすために実施すべき具体的取組を定める指針を設けることとしてはどうか。
  • デジタルプラットフォーム企業が役割を果たすために実施している取組の開示を促し、それらの取組を客観的に評価できるような仕組みが必要ではないか。
  • 違法・危険製品など重大な消費者被害をもたらしうる商品等が取引デジタルプラットフォームを利用して販売され、かつ、売主が特定できない等の理由により迅速な被害防止を図ることが困難な場合に、行政から、デジタルプラットフォーム企業に対して、売主による商品等の販売停止等の必要な措置を求めることができるようにしてはどうか。
  • 取引デジタルプラットフォームを利用した取引における紛争解決・被害回復のための基盤を確保するため、不当な利用の防止にも留意しつつ、取引の相手方の連絡先の開示に係る買主の民事上の請求権に関する規定を設けることとしてはどうか。売主が事業者でない個人である場合についても同様の規定を設けるべきか。その場合、売主にも同様の民事上の請求権を設けるべきか。
  • SNSを利用して行われる取引やデジタル広告、不正又は悪質なレビューに関する課題は、実態調査等を進めたうえで、いかなる主体に対してどのような規律を設けることが消費者の安全・安心確保のために実効的か等についても、今後の検討事項としてはどうか。またパーソナルデータのプロファイリングに基づく表示については、取引デジタルプラットフォーム以外のプラットフォームにおける実態調査も視野に入れつつ、パーソナルデータの管理や利活用についてどのように考えるべきかについても、今後の検討事項としてはどうか。

~NEW~
国民生活センター 物のウイルス対策等をうたう「次亜塩素酸水」
  • 新型コロナウイルスの感染拡大により、除菌や消毒をうたう商品の需要が高まり、店頭にはさまざまな商品が販売されています。そのような中、ウイルス対策等をうたい次亜塩素酸水として販売されている商品(以下、「次亜塩素酸水」とします)が多数みられます。
  • 2020年6月に厚生労働省、経済産業省、消費者庁の3省庁連名で公表された「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」において、物に付着したウイルス対策の手法として、熱水や塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)、洗剤(界面活性剤)、「次亜塩素酸水」、一定濃度のアルコールが挙げられています。「次亜塩素酸水」の性質や取扱においては、製法と原料が基礎的な情報となるとされ、また、「次亜塩素酸水」の効力は有効塩素濃度(残留塩素濃度)と酸性度が指標となるとされています。一方で、次亜塩素酸濃度やpH、製法や原料が明記されていない商品が多いという報告もされています。
  • また、PIO-NETには、新型コロナウイルスに関連した相談のうち、「次亜塩素酸水」に関する相談が498件寄せられており、中には、手に刺激を感じた等の危害が発生したという事例もみられます。
  • そこで、市販されている「次亜塩素酸水」15銘柄について、有効塩素濃度やpH、表示等について調べ、消費者に情報提供することとしました。
  • テスト結果
    • 有効塩素濃度
      • 商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに有効塩素濃度の表示がみられた14銘柄中8銘柄は、購入時期によって有効塩素濃度が表示の9割以下の場合がありました
    • 液性(pH)
      • テスト対象銘柄の液性は弱酸性から中性であり、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトにpHの表示がみられた13銘柄中2銘柄はpHが表示と異なっていました
    • 表示・広告の調査
      • 15銘柄中5銘柄は、商品本体や取扱説明書等に有効塩素濃度に関する表示がみられませんでした
      • 9銘柄は、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに、対象となる物の汚れを落としてから使用する旨の表示がありませんでした
      • 5銘柄には、商品本体、取扱説明書等や販売者等のウェブサイトに、手指や口腔の洗浄等、化粧品に酷似した効果等に関する表示がみられ、消費者に誤認を与えるおそれがありました
      • 商品本体及び取扱説明書等から使用期限が分からない銘柄が5銘柄ありました
  • 消費者へのアドバイス
    • 「次亜塩素酸水」は、有効塩素濃度が購入時点で表示の濃度と大きく異なる場合があることを知っておきましょう
    • 「次亜塩素酸水」を購入、使用する際には、有効塩素濃度やpH、使用期限、使用方法などの表示をよく確認するようにしましょう
    • 物に付着した新型コロナウイルスの消毒や除菌には「次亜塩素酸水」や一定濃度のアルコール、界面活性剤等、さまざまな選択肢があります。目的に合ったものを適切に使いましょう
  • 事業者への要望
    • 商品本体や取扱説明書等に有効塩素濃度やpH、使用期限、使用方法を表示し、使用期限内は表示の有効塩素濃度やpHが保たれるよう要望します
    • 効果等について、消費者に誤認を与えないよう、表示の見直しを要望します

~NEW~
国民生活センター 新型コロナウイルスに便乗した悪質商法にご注意!(速報第8弾)-「コロナで困っている」等と言い、嘘や強引な勧誘で魚介類を購入させる手口に気をつけて-
  • 新型コロナウイルスの感染拡大に関連した相談が、全国の消費生活センター等に寄せられています。その中から、速報第8弾として、観光地に出向いてカニなどの魚介類を購入する人が減少している状況に便乗して、消費者の自宅へ電話をかけて「魚介類の産地を観光で訪れる人が減り、経営が苦しい。助けてほしい」などと消費者の関心を引き、強引な勧誘や嘘を言って魚介類を購入させる手口について、被害の未然防止のために相談事例を紹介します。
  • 魚介類の送り付け商法については、以前から相談が多く寄せられていますが、新型コロナウイルスの影響により在宅する人が増えているとみられるため、このような電話勧誘には注意が必要です。
  • 相談事例
    • 【事例1】過去に購入したことがあると言う業者に同情して魚介類を購入したが、嘘だった
      • 昨日、魚介類の販売業者から「過去に注文実績がある顧客にお得な魚介類の販売を案内している」という電話があった。「コロナ禍で地元の観光客が減少している」という話をされたので同情してしまい、1万5000円の魚介類セットを注文してしまった。商品は来月初めに代引き配達で受け取ることになっている。販売会社名は名乗ったが、担当者名や連絡先は聞いていない。電話を切った後、過去に購入したことのある業者は別の業者で、電話をかけてきた業者の言ったことは嘘だったことがわかった。注文をキャンセルしたいが、どうしたらよいか。(受付年月:2020年11月 契約当事者:60歳代 女性)
    • 【事例2】助けてほしいと言われて魚介類を購入したが、値段に見合わないような商品だった
      • 5~6年前に土産として魚介類を購入したことがある他県の業者から、1週間前に電話がかかり、「感染症流行のために経営が苦しいので商品を買って助けてほしい」と頼まれた。人助けになるならと思い、約2万円の品物を注文した。しかし、昨日届いた品物は、貧弱なカニの足2本とかす漬のサンマ3切れに塩辛など、値段に全く見合っていない物だった。代金は既に支払済みだ。クーリング・オフしたいと思って業者に何度も電話しているが、電話に出ない。対処法を知りたい。(受付年月:2020年8月 契約当事者:60歳代 男性)
    • 【事例3】断ったにもかかわらず、魚介類を送ると言われた
      • 遠方の業者から「25年前に当地に旅行をした際に魚介類を購入された名簿があり、電話した。現在、コロナの影響で困っているので魚介類を買ってください」と電話があった。何度も断ったのに、業者は「送ります」と言って電話を切った。もし届いたらどうすれば良いか。(受付年月:2020年11月 契約当事者:70歳代 女性)
  • 消費者へのアドバイス
    1. おかしいと感じたら、「すぐに」「きっぱりと」断りましょう
      • 電話をかけてくる業者は、「新型コロナウイルスの影響でお客が減少している」「助けてほしい」などと消費者の関心を引き、魚介類の購入を勧めてきますが、連絡先を言わない、話の内容に嘘があるなど、不審な点があった場合には、相手と話し込まずに、きっぱりと断りましょう。
    2. 業者からの電話で契約をしたときは、クーリング・オフができます
      • 業者からの電話勧誘によって契約をした場合、特定商取引法に定める「電話勧誘販売」に該当します。もし、業者からの電話で魚介類の購入を承諾してしまっても、特定商取引法に定める書面を受け取った日から数えて8日間は、クーリング・オフ(無条件解除)をすることができます。
    3. 一方的に商品が届いても受け取らない、受け取ってしまったら14日間は保管しましょう
      • 電話で勧誘され、魚介類の購入を承諾していないにもかかわらず、一方的に商品を送り付けられたときは、できれば送り主の名称や所在地をメモしてから、受け取りを拒否しましょう。もし、商品を受け取ってしまっても、代金を支払う必要はありません。特定商取引法により、所定の期間(受け取った日から14日間、消費者が商品の引き取りを業者に請求した場合は、その請求の日から7日間)は商品を保管する必要がありますが、その期間内に業者が商品を引き取らなければ、消費者が自由に処分してよいことになっています。
    4. 不審に思った場合や、トラブルにあった場合は、最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
      • 今後も、魚介類に限らず、新型コロナウイルスによる苦境を口実にした電話勧誘が行われる可能性があります。少しでもおかしいと感じたら、早めにご相談ください。

~NEW~
国民生活センター 模倣品や海賊版などを見つけたら
  • 質問
    • オンライン・ショッピング・モール内のサイトや直販サイトで、極端に価格が安いブランド品やソフトウエア、DVDなどが販売されていることがありますが、模倣品や海賊版の可能性があると思います。それらを見つけた場合、どこに連絡したらよいでしょうか。
  • 回答
    • 模倣品・海賊版等(以下、模倣品等)を見つけた場合は、サイト上の申告フォーム等を利用してオンライン・ショッピング・モールの運営事業者に通報したり、商品の権利者や関係機関(権利者団体や管理団体等)に情報提供しましょう。サイトからの商品の削除や注意喚起、ショップのサービス停止等につながる可能性があります。
    • また、最寄りの警察署に通報・相談することもできます。
  • 解説
    • 模倣品・海賊版等とは
      • 模倣品とは特許権、商標権などの知的財産権を侵害した製品のことで、バッグや財布、時計などの偽ブランド品のほか、有名メーカーの電化製品などを模倣した例があります。
      • 海賊版は著作権者の許諾を受けずに複製(コピー)された製品のことで、書籍、音楽・映像・写真やソフトウエアなどを複製した例があります。
    • 模倣品等を購入しないようにしましょう
      • 模倣品等は知的財産権を侵害しており、健全な商品流通を阻害するだけでなく、購入することが、それらを製造・販売する組織的な犯罪に加担することにつながります。
      • 模倣品等を販売するサイトには以下のような特徴が見られますので、購入前にしっかりチェックしましょう。
        • 正規品に比べ、販売価格が極端に安い。
        • 販売事業者の連絡先(氏名(名称)・住所・電話番号)が記載されていない。もしくは存在しない連絡先が記載されている。
        • 商品説明等の日本語の表現が不自然
        • 支払い方法が前払いの銀行振り込みのみになっている。
      • 模倣品等かどうかの判断が難しい場合、商品の特徴や情報について、製造元の事業者が対応する際は問い合わせるなどして、出どころが不確かなブランド品等は購入しないようにしましょう。
      • また、音楽・映像などの著作物を権利者に無断で複製(コピー)したり(私的利用等、著作権法で認められている複製を除)、インターネット上にアップロードすること、海賊版であることを知りながらダウンロードすることは罪に問われる可能性があります。これらのことは絶対にやめましょう。
    • 模倣品等を見つけたら
      • 模倣品等と思われる商品を見つけた場合、申告フォーム等を利用してオンライン・ショッピング・モールやフリーマーケット等の運営事業者に通報したり、商品の権利者や関係機関(権利者団体や管理団体等)に情報提供しましょう。
      • オンライン・ショッピング・モールやフリーマーケット等の運営事業者は申告フォームやシステム内のパトロールなどで模倣品等の情報を得て、サイトからの商品の削除や注意喚起、ショップのサービス停止等の措置を行っている場合があります。
      • 模倣品等を購入した場合などトラブルにあった際は、お近くの消費生活センター等(消費者ホットライン188)にご相談ください。
  • 主な通報・情報提供窓口

~NEW~
厚生労働省 雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会 これまで(令和元年6月中間整理以降)の議論のご意見について
▼「雇用類似の働き方に係る論点整理等に関する検討会 これまで(令和元年6月中間整理以降)の議論のご意見について」
  1. 総論
    • 交渉力の格差の観点からの保護の必要性、役務提供という債務の特殊性からの保護の必要性の双方があるのではないか
    • 詳細な対象者は、具体的な保護の内容ごとに議論すべき
    • 保護の内容ごとにどの程度対象者が異なるかは考えておくべき
    • 対象者が狭いのであれば、より労働法の規律に近い保護を与える必要があるのではないか
    • 生身の人間としての安全や生活を保護する必要性、構造的な交渉力の格差を念頭に就業条件の適正化を図る必要性の2点が軸になるのではないか
    • プラットフォームを介して業務を受託するプラットフォーム・ワーカーも含め、保護の必要性の程度や具体的な規制の内容に応じて、対象者の詳細な要件を調整していくべきではないか
  2. 委託者からの委託に基づき就業することについて
    • 発注者からの募集に応じて応募のための作業がなされた後に応募の中から選ばれたものについて契約が締結される場合のように、役務提供が契約締結に先行するケースについて、契約の中身が実質的に個人としての役務提供に当たるのであれば、雇用類似就業者としてよいのではないか
    • 仕事の成果物の取引に当たる場合でも、役務提供行為が契約の中身である成果物の取引と不可分一体になっているなど、実質的に役務提供を内容とする関係である場合は、雇用類似就業者に含めるべきではないか
    • 不特定多数への募集について、最終的に契約する相手方が、その発注者のために業務を行ったといえる関係があれば対象としてよいのではないか。ただし、事前の募集でどこまで条件を明示させる必要があるかも検討する必要があるのではないか
    • 高い交渉力の有無は判断が難しいため、交渉力が高い者等について特別扱いしない方がよいのではないか
  3. 主として個人で就業することについて
    • 同居の親族については、労働基準法や労働契約法で適用除外とされていることとの関係についても意識すべき
    • 他人を使用しているかが事業者性の現れとして考慮されると考えられるが、最終的には具体的な問題ごとに検討していく必要がある
    • 家内労働法の取扱いと同様で良いのではないか
  4. 役務提供の範囲について
    • 本検討会の趣旨に照らし、物品の製造、加工等についても含めるべき
    • 独禁法分野でも、商品と役務とで特に基準は変えていないのではないか
  5. 対償として報酬を得ることについて
    • 有償ボランティアや無償ボランティアを対象に含めるべきかという問題もあるが、保護の内容との関連では、働いたことに対する「対償として報酬を得る」という要素は必要であろう
  6. その他の要件について
    • 出資者が自然人である場合、少なくとも、所有と労働と経営を行う者が全て一致しているような一人会社の場合は、対象としても良いのではないか
    • 法人化しているかという形式ではなく、主として個人で役務を提供しているかという観点で、実態で判断すべき
    • 中間整理での対象者の定義は発注者と役務提供者との直接的な法律関係がある場合を想定しているが、法人化した場合は法人が契約主体となり、実際に働く役務提供者は形式的には対象から外れるのではないか。法人を対象とするなら、自然人とは規律の在り方が異なり、「対償として報酬を得る者」の要件見直しが必要なのではないか
    • 実際に役務を提供している者が誰かというところが重要
    • 法人の実態を有している場合、信用や税制上のメリットを受けつつ、労働者に類似した実体的保護も付与することとしてよいのか
    • 労働者の副業が進む方向の中で、特段専業性を一律に設ける必要はなく、保護の中身との関係で必要な場合にのみ要件を追加すればよいのではないか
    • 法人化、専属性等については、一律に議論するのではなく、交渉力を測る要素としてみるべきではないか
    • 専属性を要件とする場合、労働時間と収入の多寡、アウトサイドオプションの有無等との関係で交渉力の基礎をどのように測れば良いのか、発注側が発注量を抑える等、働く側に対しネガティブに作用しないか等も見ていく必要がある
    • 対象者の要件について、一定の職種や一定以上の報酬の方については対象から除外するなど、本当に保護が必要な人を特定すべきではないか
  7. 委託者の要件について
    • プラットフォーマー等の仲介事業者については、「委託者」に当たるかどうかという議論だけでは足りないのではないか
    • 仲介者がいることで顕在化する問題もあること、プラットフォームが市場で大きなウェイトを占めつつあるといった今の実態等を踏まえると、プラットフォームが介在する取引やプラットフォーム・ワーカーについても、「雇用類似の働き方」として保護を検討すべき対象者から除外すべきではないのではないか
    • プラットフォーマー自身を発注者や使用者とみるべきケースもあるのではないか
    • プラットフォーマーが報酬やルールを決めている場合、委託者や使用者にあたらないとしても、契約条件等を実質的に決めている者、相当程度支配力を有している者に対するルールの検討ということもあるのではないか。その基準については熟慮が必要
    • プラットフォーム・ワーカーを議論の対象外とはしないものの、一般消費者からの委託については取引の非対称性等は特に問題にならないと思われるため、一般の消費者と役務提供者の関係までをもここで議論するのではなく、事業者性のある者からの委託を中心に議論すべきではないか
    • プラットフォームを介した契約については、プラットフォーム間の競争があるかどうかについても配慮しなければいけないのではないか
    • プラットフォームが介在する場合については、三者間の関係が問題となり、その特殊性に対応した特別の規制を構想すべきであり、プラットフォームに関する議論と雇用類似就業者一般の議論とは峻別して捉えるべきではないか
  8. 各検討課題に係る共通事項(実効性確保手段)
    • ルールの性質や違反の効果によって、対象者や事柄の範囲等が異なることにも留意が必要
    • 実効性を確保する手段とセットで検討が必要
    • 行政監督のような規制をかける場合には、発動に対して法律等のルールに厳格に従う等の適正さが求められ、保護の必要性をより丁寧に見ていくことが必要。行政的な規制は柔軟な適用の可能性には制約がある。民事的な仕組みは個別具体の状況に応じた利害調整に対応可能。ソフトロー的な規制は、必ずしも確たることが言えない場面において原則的な考え方を示す対応が可能。雇用類似就業者のように対象者の範囲の限界を画することが難しい場面においては、ガイドライン的なもので望ましい方向を示すことが、労働法の世界におけるソフトロー(ガイドライン)の重要性以上に重要性が大きい
    • これらの手段は、相互排他的ではないのではないか
    • 強行規範との関係では問題にならない当事者間の契約等のトラブルについて迅速に処理できるようなシステムを構築することが、実効性確保の観点から重要
    • 望ましい方向に当事者の行動を誘導するという意味合いが強くなる場合には、ルールの在り方として、ガイドライン的なものが望ましくなるなど、目的との関係でルールの形態の考慮が必要になるのではないか
    • 労働法においても、労働者の多様化に応じて、特別規制や適用除外など内容が多様化している。雇用類似就業者について規制を及ぼす場合も、多様な規制が必要なのではないか

~NEW~
厚生労働省 「これからのテレワークでの働き方に関する検討会報告書」を公表します
▼これからのテレワークでの働き方に関する検討会 報告書 概要
  1. 総論
    • テレワークはウィズコロナ・ポストコロナの「新しい生活様式」に対応した働き方であると同時に、時間や場所を有効に活用できる働き方であり、今後とも良質なテレワークの導入・定着を図ることが重要である。
    • テレワークの推進には企業のトップや経営層の理解が不可欠であり、企業が方針を示すなど企業全体として取り組む必要がある。さらに、取引先との関係等にも左右されることから、グループ企業などの垂直関係、業界単位などの水平関係も含めたテレワークの実施の呼びかけ等を進めていくことが重要である。また、テレワークの導入に当たっては労使でよく話し合いを行うことが重要である。テレワークの推進のためには、わかりやすいマニュアルが必要であり、テレワークガイドラインを見直すべきである。その改定に当たっては、テレワークのメリットが十分に伝わるようにしつつ、使用者が適切な労務管理を行うとともに、労働者が安心して働くことができるよう、労務管理全般の記載を追加する等、企業が良質なテレワークを積極的に導入できるようなものにするべきである。
    • 加えてテレワークを初めて導入する企業、中小企業等がどのようにテレワークを導入・実施しているのかという事例を展開していくことが必要である。特に、人事評価や人材育成といった側面については、好事例を周知すべきである。
  2. 各論
    1. テレワークの対象者を選定する際の課題について
      • テレワークを実施するのが難しい業種・職種がある。一般にテレワークを行うことが難しい業種・職種であってもテレワークを実施できる場合があり、必ずしも既存の業務を前提にテレワークの対象業務を選定するのではなく、仕事内容の本質的な見直しを行うことが有用である場合がある。
      • 正規雇用労働者、非正規雇用労働者といった雇用形態の違いのみを理由として、テレワーク対象者を分けることのないよう留意する必要がある。
      • テレワークという働き方を希望しない労働者がいる場合もあり、テレワークの実施に関する考え方にミスマッチが生じないよう、労使における話し合いの機会を持つことが重要である。
    2. テレワークの実施に際しての労務管理上の課題について
      1. 人事評価
        • 人事評価の評価者においても、適正な評価を実施できるよう、評価者に対する訓練等の機会を設ける等の工夫が考えられる。
        • テレワークを行わずに出社しているということのみで高く評価することや、テレワークを行う者が時間外のメール等に対応しなかったこと等のみを理由として不利益な人事評価を行うことは不適切である。
      2. 費用負担
        • 個々の企業毎の業務内容、物品の貸与状況等により費用負担の状況は様々である。企業毎の状況に応じたルールを定め、ルールを遵守することが必要であり、労働者を採用する際やテレワークを導入する際に、取扱いについてよく話し合うことが望ましい。
        • 在宅勤務に伴い増加する通信費等については、その実際の費用のうち業務に要した実費を、勤務時間等の在宅勤務の実態を踏まえて合理的・客観的に計算し、支給することも考えられる。
      3. 人材育成
        • 人材育成については、例えば新入社員等に対して状況に応じてオンラインと対面の方法を組み合わせて実施することも有用。
        • 自律的に業務を遂行できる人材育成に企業が取り組むことが望ましい。併せて、労働者が自律的に働くことができるよう、適切な業務指示ができるようにする等、管理職のマネジメント能力向上に取り組むことも望ましい。
    3. テレワークの際の労働時間管理の在り方について
      • テレワークは、業務を効率的に行える側面がある一方、長時間労働になる可能性があり、過度な長時間労働にならないように留意することが重要である。健康管理の観点からも、使用者が労働時間を適切に把握することが重要である。
      • 一方で、使用者が仕事の遂行状況を常時把握・管理するような方法はあまり現実的ではない場合もあり、テレワークのメリットを失うことになりかねないという点についても留意が必要である。
      • 成長戦略会議の実行計画において指摘されているように、自己申告された労働時間が実際の労働時間と異なることを客観的な事実により使用者が認識している場合を除き、労働基準法との関係で、使用者は責任を問われないことを明確化する方向で検討を進めることが適当である。
      • テレワークを自宅で行う際には生活の場所で仕事を行うという性質上、中抜けが生ずることも想定される。このことから、労働時間について、少なくとも始業時間と終業時間を適正に把握・管理すれば、労働基準法の規制との関係で、問題はないことを確認しておくことが適当である。
      • 企業がテレワークを積極的に導入するよう、テレワークガイドラインにおいては、テレワークの特性に適した労働時間管理として、フレックスタイム制、事業場外みなし労働時間制がテレワークになじみやすい制度であることを示すことが重要である。
      • 事業場外みなし労働時間制については、制度を利用する企業や労働者にとって、その適用の要件がわかりやすいものとなるよう、具体的な考え方をテレワークガイドラインにおいて明確化する必要がある。
      • 規制改革実施計画において指摘されているように、所定労働時間内の労働を深夜に行うことまでを原則禁止としているとの誤解を与えかねないテレワークガイドライン上の表現について見直しを行うべきである。
      • テレワークは生活と仕事の時間の区別が難しいという特性があり、時間外・休日・深夜の業務連絡の在り方について、労使間で話し合いルールを設けることも有効である。
    4. テレワークの際の作業環境や健康状況の管理・把握、メンタルヘルスについて
      • テレワーク中心の働き方をする場合、周囲に同僚や上司がおらず、対面の場合と比較してコミュニケーションが取りづらい場合があるため、業務上の不安や孤独を感じる等により、心身の健康に影響を与えるおそれがあり、その変化に気づきにくい。
      • 自宅での作業環境が確保されていることの確認について、チェックリストの活用など労働者自らが容易に確認可能な方法により、労使が協力して作業環境の確認、改善を図ることが重要である。
      • 安全衛生教育、健康診断や長時間労働者に対する面接指導等の健康管理、ストレスチェック等のメンタルヘルス対策については働く場所にかかわらず実施する必要があり、テレワークを行う労働者に対してこれらの措置を講ずるに当たり、事業者が留意すべき事項をチェックリストなどわかりやすい形で示す必要がある。
      • 自宅が狭隘であるなどテレワークを実施するために必要な作業環境整備が困難である場合や、生活と仕事の線引きが困難になることにより問題が生じる場合もあり、サテライトオフィス等の活用も有効である。
    5. その他
      1. テレワークを推進するための有効な方策
        • 押印や署名等がテレワークの導入・実施の障壁となっているケースがあるため、不必要な押印や署名の廃止、書類のペーパーレス化、決裁の電子化等を進めることが期待される。
        • セキュリティの観点から全ての業務を一律にテレワークの対象外と判断するのではなく、関連技術の進展状況等を踏まえ、解決方法の検討や業務毎の個別の判断、「テレワークセキュリティガイドライン」を活用した対策の実施や従業員への教育等が必要である。
      2. テレワークを実施する際に発生しうる問題への対処
        • テレワーク実施中にもパワーハラスメントやセクシュアルハラスメント等が起きることがあり、共通認識としてガイドラインに示すべきである。
        • テレワークを行っている場合にも、労働契約に基づいて事業主の支配下にあることによって生じた業務上の災害については、労災保険給付の対象になることを引き続き周知し、事業主が災害発生状況等を正確に把握できるよう、労働者が当該状況を記録しておくこと等の手段を示すべきである。
        • 在宅勤務手当や実費支給の通勤手当が社会保険料の算定基礎となる報酬に該当するか等の取扱いについて明確化すべきである。
    6. 最後に
      • 新型コロナウイルス感染症の感染防止対策としてのテレワークの実施も求められるが、働き方改革の推進の観点から良質なテレワークの推進が求められる。
      • とりまとめを踏まえ、テレワークガイドラインの改定をはじめ必要な対応を速やかに行うことを求めたい。

~NEW~
厚生労働省 第156回労働政策審議会職業安定分科会資料
▼資料1_2020年度雇用政策研究会報告書(概要版)
  • 今後の雇用政策を実施するにあたっての基本的視点;コロナ禍では、感染状況の動向等に敏感に影響を受け、社会経済活動のレベルが敏感に変動し、「短期的に大きな局面変化」が続くことが予測され、雇用・失業情勢への影響を適切に分析・把握した上で、財源・政策資源の効率的な配分といった観点も含め、運用までを含めた機動的かつ効果的な雇用政策を実施していくことが求められる。その際、アフターコロナを見据えて、働き方、暮らし、企業経営を視野に入れ、人材の有効活用、ウエル・ビーイングの向上につながる構造的変化に向かって政策展開が必要である。
  • アフターコロナを見据えた政策の具体的な方向性
    1. 新型コロナウイルス感染症禍における労働市場のセーフティーネット機能の強化
      • 雇用調整助成金等による雇用維持の取組への支援と、勤め先企業が休業中でもウェル・ビーイングと生産性の向上を図るため、雇用調整助成金の教育訓練のコースによる支援に加え、出向元及び出向先双方の企業に新たな助成制度を創設するとともに、産業雇用安定センターによるマッチング体制を強化
      • マザーズハローワーク等における子育て中の女性等を対象とした担当者制による職業相談・職業紹介等の支援に加え、子育て中の女性等が仕事と家庭の両立を図りやすいテレワークが可能な求人といったように、女性求職者の様々なニーズを踏まえた求人開拓を行う等、早期再就職を支援することで、不本意な非労働力人口化を防止
      • 一定の求職期間を経たとしても、職業情報提供サイト「日本版O-NET」等も活用しつつ、キャリアコンサルティング、充実した離職者訓練、求人開拓と合わせたきめ細かな再就職支援等を経ることで、ウェル・ビーイングと生産性の向上を実現できる新たな職に転職できる「失望なき労働移動」を目指していくことが重要
      • 事業転換やキャリアチェンジ等を促進する都道府県の取組への支援に加え、地方での就職を希望される方々に対し、個々のニーズに応じた再就職支援を実施
    2. 新たな就職氷河期世代を生むことなく、就職氷河期世代には継続的な支援を実施
      • 新卒応援ハローワークの積極的な利用を周知、個別状況に応じたきめ細かな支援を実施するほか、大学のキャリアセンター等と連携した対策を講じていく等、新たな就職氷河期世代を生まないといった観点から、取組を進めることが重要
      • 就職氷河期世代の方々がより厳しい状況となることを防ぐため、引き続き着実に支援を実施することが重要
    3. デジタル技術の活用によってエンパワーされた人材の育成
      • アクセスしやすく多様な方法での能力開発の機会の提供、継続的にリスキリングできる仕組みを充実し、デジタル技術によりエンパワーされた人材の育成を推進することが重要
    4. 雇用政策のデジタル化の推進による機動的・効果的な対応とサービス向上
      • ハローワークにおいて求人・求職申込みのオンライン化に加え、職業相談も試行的なオンラインでの実施などに取り組んでおり、また、雇用調整助成金等は申請のオンライン受付の対応も図った
      • 今後、求職者等には、対面型の支援に、オンラインを活用して「つながり」を維持しながら継続的に支援を実施する等、デジタル技術を活用した支援を組み合わせながら、「日本版O-NET」等も活用しつつ、その態様・ニーズに応じたきめ細かな支援を効果的に実施することが重要
      • 企業には、労働市場や働き方の多様化を踏まえた人材確保・育成や雇用管理改善について、「日本版O-NET」等も活用し、提案型の総合的コンサルテーションを提供していくことが求められるまた、労働市場の需給調整機能を高める観点から、民間人材サービスとセーフティーネットとしてのハローワーク等の機能との在り方等の検討も必要
      • 雇用関係の助成金のオンライン申請化は、支給迅速化と適正な支給を図る観点、活用状況・効果の分析と財源・政策資源の効率的な配分による政策の効果最大化を図る観点から、不断の取組として推進することが重要
    5. テレワーク等のデジタル技術を活用した個人の多様な働き方の推進
      • 中長期的に多様な働き方を推進していく観点等から、必要な時に、また、多様な人材が活用できるよう、テレワーク等の恒常的な促進・定着を図るため、インフラ、人事・労務管理等に関する環境整備、業務内容・プロセスの見直しの推進・支援等が重要
      • 厚生労働省「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」の議論の結果を踏まえ「情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン」の必要な改定に取り組み、周知を徹底することが必要
      • デジタル技術を活用した働き方について、労使双方の立場から、就業時間の考え方の確認、管理職の在り方、人事評価・育成方法等を話し合うことが重要
    6. 個人や組織の変化・危機への対応力の向上
      • 個人の「変化・危機への対応力」を高めることが重要であり、日頃から多様な価値観に触れることのできる学習習慣、アクセスしやすい学習機会が重要
      • 目指すキャリアに必要なスキルを可視化し、主体的なリスキリングを促進するため、「日本版O-NET」のコンテンツをさらに充実し、労働市場の情報基盤を整備
  • 新型コロナウイルス感染症が雇用・失業情勢に及ぼしている影響
    • 「非正規の職員・従業員」(原数値)の前年同月差を詳細にみると、直近10月では、「アルバイト」で35万人減少と最も大きくなっており、次いで、「嘱託」で18万人減少、「契約社員」で14万人減少、「労働者派遣事業所の派遣社員」で10万人減少、「その他」で6万人減少、「パート」で3万人減少
    • 「宿泊業,飲食サービス業」「小売業」「医療,福祉」などでは、「パート・アルバイト」として就労する女性の「非正規の職員・従業員」が多いといった産業特性などを反映し、女性の「非正規の職員・従業員」に強い影響が生じている
    • 雇用者数については、リーマン・ショック後には、男性への影響が強かった一方で、「卸売業,小売業」「医療,福祉」「宿泊業,飲食サービス業」などを中心とし、大企業の女性の雇用には増加がみられた。他方、新型コロナウイルス感染症禍では、中小企業の女性への影響が続いており、大企業の女性の雇用にも引き続き注視が必要である。中小企業(従業員規模100人未満)に着目すると、リーマン・ショック後と新型コロナウイルス感染症禍では、「製造業」「建設業」といった影響を受けた業種に共通点もあるが、「宿泊業,飲食サービス業(男性・女性)」「生活関連サービス業,娯楽業(女性)」に影響がみられる差異がある。業種によって状況は異なるが、例えば「宿泊業,飲食サービス業」では、大企業よりも中小企業において、雇用者数の前年同月比への大きなマイナス寄与がみられ、一部の業種では、企業規模間による差が生じている可能性も懸念される。2021年3月大学等卒業予定者の就職(内定)率(10月1日現在)は69.8%と、前年同期と比較すると、7%ポイント低下しており、引き続き注意が必要。
    • リーマン・ショック後には、新型コロナウイルス感染症禍のような休業者数の急増はみられなかった。新型コロナウイルス感染症禍において休業者数が急増した背景としては、それ以前に企業は深刻な人手不足に直面していた経験もあり、雇用維持に積極的な姿勢があること、さらには雇用調整助成金の各種の特例措置等をはじめとした政策効果などが要因と考えられる
    • 「テレワーク制度等が導入されている」と回答した雇用型テレワーカーの割合は、新型コロナウイルスの感染拡大前であるが、2019年度は9.8%となっており、女性に比べ、男性の割合が高く、男女ともに加齢に伴い割合が低下する傾向、「情報通信業」「学術研究,専門・技術サービス業」で割合が高く、対人サービス業(「宿泊業,飲食業」「医療,福祉」など)で割合が低い、「地方都市圏」に比べ、「首都圏」「近畿圏」「中京圏」で割合が高いといった傾向があった。
    • 全国に緊急事態宣言が発令された際、テレワークは急速に広まったが、その後、出社勤務に戻る動きがみられた(JILPTの調査では、テレワークの実施日数について、5月の第2週では「0日」が4.8%まで急激に低下したものの、7月最終週では「0日」が49.8%まで上昇)。労働者の属性をみれば、業種別では「情報通信業」において、また、職種別では「専門・技術職」「管理職」において、緊急事態宣言後も在宅勤務・テレワークを継続して行っている傾向がみられる。
    • テレワークの定着状況について分析すると、緊急事態宣言より前にテレワークが適用されていた人・会社では、宣言解除後の定着率が高い一方で、緊急事態宣言を契機に、緊急的な対応としてテレワークが適用された人・会社では、出社勤務に戻る動きがみられる。つまり、在宅勤務・テレワークのオプションが整備されていた人・会社では、それを行使して、新型コロナウイルス感染症禍を契機に在宅勤務・テレワークの定着といった働き方改革が進んでいると考えられ、新型コロナウイルス感染症への対応にかかわらず、中長期的に多様な働き方を推進していく観点からは、恒常的にテレワークの促進・定着を図っていくことが重要。テレワークの実施に当たって、職場におけるコミュニケーションや人間関係に関する不安は低下してきており、緊急対応として実施した後、一定の馴れにより不安が解消している面もあるが、若年層を中心に「上司から公平・公正に評価してもらえる不安」「将来の昇進や昇格に影響がでないか不安」「成長できる仕事を割り振ってもらえるか不安」などといった人事評価やキャリア形成への不安がみられる
    • テレワークについて企業側が感じる課題としては、「できる業務が限られている」が最も多く挙げられており、次いで、「従業員同士の間でコミュニケーションが取りづらい」「紙の書類資料が電子化されていない」「テレワークできない従業員との間で不公平感がある」「労働時間の申告が適正かどうかの確認が難しい」「勤怠管理が難しい」などが多く挙げられており、「情報通信機器等の導入による費用負担が大きい」といった費用面の課題も挙げられている
    • 新型コロナウイルス感染症の拡大前後で比較すると、テレワークを実施している者は仕事より生活を重視するようになる傾向が強い。また、新型コロナウイルス感染症禍において、夫がテレワーク等の従来とは異なる働き方をしている場合、家事・育児における夫の役割が増加し、さらに、家事・育児における夫の役割が増加している家庭では、感染拡大前後を比較した際の生活満足度の低下幅は相対的に小幅。ただし、増大した家事・育児の負担が妻に集中していることもうかがえた。新型コロナウイルス感染症禍におけるテレワークの実施等の働き方の変化が、家事・育児に関する家庭内分業の在り方を見直すきっかけとなり、女性の家事・育児に関する過剰な負担の適正化が図られ、男女間格差の縮小に資することが期待される
    • 副業をしている理由をみると、金銭的な理由の割合が高く、本業の業種別では「宿泊業,飲食サービス業」「生活関連サービス,娯楽業」「卸売業,小売業」などでその割合が高い。1ヶ月当たりの本業・副業を含めた総実労働時間別に金銭的理由の割合をみると、相対的に総実労働時間が長い場合に水準が高いことがうかがえる

~NEW~
厚生労働省 自費検査を提供する検査機関一覧(令和2年12月28日時点版)
  • 掲載されている検査機関は、内容に虚偽または不正確な情報がないこと等を予め誓約しています。
  • 検査機関の任意の協力により、令和2年12月25日正午までに、都道府県経由又は直接、厚生労働省に回答及び誓約書兼同意書が到達した検査機関のみを掲載しております。上記日時までに回答及び誓約書兼同意書が到達した検査機関であっても、情報確認中の検査機関については、一部、掲載されていないものもあります。
  • 令和3年1月上旬を目処に次回の更新を行う予定です。
  • なお、上記データを用いる場合、医療機関については、誘引性(患者の受診等を誘引する意図があること)、特定性(医業若しくは歯科医業を提供する者の氏名若しくは名称又は病院若しくは診療所の名称が特定可能であること)のいずれの要件も満たす場合には医療広告に該当し、医療法等関係法令の規制の対象となることがありえますのでご留意願います。

~NEW~
経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』を取りまとめました
▼DXレポート2(概要)
  1. 検討の背景と議論のスコープ
    • 経済産業省が2018年に公開した「DXレポート」では、老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムがDXを本格的に推進する際の障壁となることに対して警鐘を鳴らすとともに、2025年の完了を目指して計画的にDXを進めるよう促した。
    • その後、経済産業省においては、企業におけるDX推進を後押しすべく、企業内面への働きかけ(DX推進指標による自己診断の促進やベンチマークの提示)と、市場環境整備による企業外面からの働きかけ(デジタルガバナンス・コードやDX認定、DX銘柄によるステークホルダーとの対話の促進、市場からの評価等)の両面から政策を展開してきた。
    • しかし、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がDX推進指標の自己診断結果を収集し、2020年10月時点での回答企業約500社におけるDX推進への取組状況を分析した結果、実に全体の9割以上の企業がDXにまったく取り組めていない(DX未着手企業)レベルか、散発的な実施に留まっている(DX途上企業)状況であることが明らかになった。自己診断に至っていない企業が背後に数多く存在することを考えると、我が国企業全体におけるDXへの取組は全く不十分なレベルにあると認識せざるを得ない。このことは、先般のDXレポートによるメッセージは正しく伝わっておらず、「DX=レガシーシステム刷新」、あるいは、現時点で競争優位性が確保できていればこれ以上のDXは不要である、等の本質ではない解釈が是となっていたとも言える。
    • 一方、2020年に猛威を振るった新型コロナウイルスの影響により、企業は事業継続の危機にさらされた。企業がこの危機に対応するなかで、テレワークをはじめとした社内のITインフラや就業に関するルールを迅速かつ柔軟に変更して環境変化に対応できた企業と、対応できなかった企業の差が拡大している。押印、客先常駐、対面販売など、これまで疑問を持たなかった企業文化、商習慣、決済プロセス等の変革に踏み込むことができたか否かが、その分かれ目となっており、デジタル競争における勝者と敗者の明暗がさらに明確になっていくことになろう。
  2. DXの現状認識とコロナ禍によって表出したDXの本質
    • DXレポート発行から2年が経過した今般、DX推進指標の自己診断に取り組み、結果を提出した企業の中でも、95%の企業はDXにまったく取り組んでいないか、取り組み始めた段階であり、全社的な危機感の共有や意識改革のような段階に至っていない。先行企業と平均的な企業のDX推進状況は大きな差がある
    • 自社のデジタル化に関する取組状況を「トップランナー」と評価する企業が約4割。一方で、現在のビジネスモデルの継続を前提としている企業、部分的なデータ分析にとどまってる企業が多く、変革への危機感の低さが垣間見える
    • 緊急事態宣言(7都府県)を受けて、導入率は1ヶ月間で2.6倍と大幅に増加→経営トップのコミットメントの下でコロナ禍を契機に、速やかに大きな変革を達成。テレワークをはじめ社内のITインフラや就業規則等を迅速に変更してコロナ禍の環境変化に対応できた企業と、できなかった企業の差=押印、客先常駐、対面販売など、これまでは疑問を持たなかった企業文化の変革に踏み込むことができたかが、その分かれ目。事業環境の変化に迅速に適応すること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することの重要性が明らかに
    • 変化に迅速に適応し続けること、その中ではITシステムのみならず企業文化(固定観念)を変革することがDXの本質であり、企業の目指すべき方向性。コロナ禍によって人々の固定観念が変化した今こそ企業文化を変革する機会。ビジネスにおける価値創出の中心は急速にデジタルに移行しており、今すぐ企業文化を変革しビジネスを変革できない企業は、デジタル競争の敗者に
    • ベンダー企業について、現行ビジネスの維持・運営(ラン・ザ・ビジネス)から脱却する覚悟を持ち、価値創造型のビジネスを行うという方向性に舵を切るべき。ユーザー企業とDXを一体的に推進する共創的パートナーとなっていくことが求められる。また、ITに関する強みを基礎として、デジタル技術を活用して社会における新たな価値を提案する新ビジネス・サービスの提供主体となっていくことも期待される。
  3. 企業の経営・戦略の変革の方向性
    • コロナ禍でも従業員・顧客の安全を守りながら事業継続を可能とするにあたり、以下のようなカテゴリの市販製品・サービスの活用による対応を検討すべき。こうしたツールの迅速かつ全社的な導入には経営トップのリーダーシップが重要。企業が経営のリーダーシップの下、企業文化を変革していくうえでのファーストステップとなる
      • 業務環境のオンライン化
        • テレワークシステムによる執務環境のリモートワーク対応
        • オンライン会議システムによる社内外とのコミュニケーションのオンライン化
      • 従業員の安全・健康管理のデジタル化
        • 活動量計等を用いた現場作業員の安全・健康管理
        • 人流の可視化による安心・安全かつ効率的な労働環境の整備
        • パルス調査ツールを用いた従業員の不調・異常の早期発見
      • 業務プロセスのデジタル化
        • OCR製品を用いた紙書類の電子化
        • クラウドストレージを用いたペーパレス化
        • 営業活動のデジタル化
        • 各種SaaSを用いた業務のデジタル化
        • RPAを用いた定型業務の自動化
        • オンラインバンキングツールの導入
      • 顧客接点のデジタル化
        • 電子商取引プラットフォームによるECサイトの開設
        • チャットボットなどによる電話応対業務の自動化・オンライン化
    • DX推進に向けた短期的対応
      • DX推進に向けた関係者間の共通理解の形成
      • CIO/CDXOの役割・権限等の明確化
      • 遠隔でのコラボレーションを可能とするインフラ整備
      • 業務プロセスの再設計
      • DX推進状況の把握
    • DX推進に向けた中長期的対応
      • デジタルプラットフォームの形成
      • 変化対応力の高いITシステム構築を構築するために
      • ベンダー企業の事業変革
      • ユーザー企業とベンダー企業との新たな関係
        • ベンダー企業はユーザー企業との対等なパートナーシップを体現できる拠点において、ユーザー企業とアジャイルの考え方を共有しながらチームの能力を育て(共育)、内製開発を協力して実践する(共創)べき。同時に、パートナーシップの中で、ユーザー企業の事業を深く理解し、新たなビジネスモデルをともに検討するビジネスパートナーへと関係を深化させていくべき
        • ベンダー企業はデジタル技術における強みを核としながら、ビジネス展開に必要な様々なリソース(人材、技術、製品・サービス)を提供する企業、業種・業界におけるデジタルプラットフォームを提供する企業や、さらにはベンダー企業という枠を超えた新たな製品・サービスによって直接社会へ価値提案を行う企業へと進化していくことが期待される
      • ジョブ型人事制度の拡大
      • DX人材の確保
  4. 政府の政策の方向性
    • DX推進に向けた関係者間の共通理解の形成に向け、関係者間での対話の中身をとりまとめた「ポイント集」を整理する
    • DX推進を経営レベルで推進できるようにするためには、CDOやCIOの役割を明確にする必要がある。CxOが担うべき役割や、ガバナンスの対象事項について再定義を行う
    • 経営者は経営とITが表裏一体であるとの認識をもち、DXに向けた戦略を立案する必要がある。その際にDXの取組領域や具体的なアクションを検討する際の手がかりとなる「DX成功パターン」を策定する
    • DX成功パターンには、DXに向けた戦略の立案・展開にあたって前提となる、「組織戦略」、「事業戦略」、「推進戦略」が含まれる
    • 企業がDXの具体的なアクションを設計できるように、DXを3つの異なる段階に分解する。これらは必ずしも下から順に実施を検討するものではない
    • 企業が経営資源を競争領域に集中するためには、個社が別々にITシステムを開発するのではなく、業界内の他社と協調領域を合意形成して共通プラットフォームを構築し、協調領域に対するリソースの投入を最小限にすべきである。幅広い業界へ共通プラットフォームの横展開が可能となるように、共通プラットフォームの形成を阻害している要因の除去や、一層の加速のための施策について検討する
    • デジタル社会の実現を見据えて、個社のみでは対応しきれない顧客や社会の課題を迅速に解決するために、デジタル企業同士が横連携してエコシステムを形成できるデジタルプラットフォームを形成することが重要である。情報処理推進機構のデジタルアーキテクチャ・デザインセンターにおいて、産学官の連携の下、全体の見取り図である「アーキテクチャ」を設計するとともに、その設計を主導できる専門家の育成を進める
    • 企業がラン・ザ・ビジネスからバリューアップへ軸足を移し、アジャイル型の開発等によって事業環境の変化への即応を追求することで、ユーザー企業・ベンダー企業の垣根はなくなっていくと考えられる。ベンダー企業は、受託開発型のビジネスとは決別し、ユーザー企業のDXを支援・伴走してけん引するようなパートナーに転換していく。レガシー企業文化から脱却して変化に迅速に適応できる「優れた」ベンダー企業が有する機能・能力を明確にし、ベンダー企業の競争力を定量的または定性的に計測できる指標を策定する

~NEW~
経済産業省 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました-「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策-
▼資料1 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略(経済産業大臣説明資料)
  1. 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略
    • 2020年10月、日本は、「2050年カーボンニュートラル」を宣言した。
    • 温暖化への対応を、経済成長の制約やコストとする時代は終わり、国際的にも、成長の機会と捉える時代に突入。従来の発想を転換し、積極的に対策を行うことが、産業構造や社会経済の変革をもたらし、次なる大きな成長に繋がっていく。こうした「経済と環境の好循環」を作っていく産業政策=グリーン成長戦略
    • 「発想の転換」、「変革」といった言葉を並べるのは簡単だが、実行するのは、並大抵の努力ではできない。産業界には、これまでのビジネスモデルや戦略を根本的に変えていく必要がある企業が数多く存在。新しい時代をリードしていくチャンスの中、大胆な投資をし、イノベーションを起こすといった民間企業の前向きな挑戦を、全力で応援=政府の役割
    • 国として、可能な限り具体的な見通しを示し、高い目標を掲げて、民間企業が挑戦しやすい環境を作る必要。産業政策の観点から、成長が期待される分野・産業を見いだすためにも、前提としてまずは、2050年カーボンニュートラルを実現するためのエネルギー政策及びエネルギー需給の見通しを、議論を深めて行くに当たっての参考値として示すことが必要。こうして導き出された成長が期待される産業(14分野)において、高い目標を設定し、あらゆる政策を総動員。
    • 電力部門の脱炭素化は大前提
      • 再エネ・・・最大限導入。系統整備、コスト低減、周辺環境との調和、蓄電池活用。洋上風力・蓄電池産業を成長分野に
      • 水素発電・・・選択肢として最大限追求。供給量・需要量の拡大、インフラ整備、コスト低減。水素産業を創出
      • 火力+CO2回収・・・選択肢として最大限追求。技術確立、適地開発、コスト低減。火力は必要最小限、使わざるを得ない(特にアジア)カーボンリサイクル・燃料アンモニア産業の創出
      • 原子力・・・確立した技術。安全性向上、再稼働、次世代炉。可能な限り依存度は低減しつつも、引き続き最大限活用安全性に優れた次世代炉の開発
    • 電力部門以外は、「電化」が中心。熱需要には、「水素化」、「CO2回収」で対応。電力需要は増加。省エネ関連産業を成長分野に
      • 産業・・・水素還元製鉄など製造プロセスの変革
      • 運輸・・・電動化、バイオ燃料、水素燃料
      • 業務・家庭・・・電化、水素化、蓄電池活用
      • 水素産業、自動車・蓄電池産業、運輸関連産業、住宅産業を成長分野に
      • 蓄電・・・カーボンニュートラルは電化社会。グリーン成長戦略を支えるのは、強靱なデジタルインフラ=「車の両輪」。デジタルインフラの強化。半導体・情報通信産業を成長分野に
      • 電力・・・スマートグリッド(系統運用)、太陽光・風力の需給調整、インフラの保守・点検等
      • 輸送・・・自動運行(車、ドローン、航空機、鉄道)
      • 工場・・・製造自動化(FA、ロボット等)
      • 業務・家庭・・・スマートハウス(再エネ+蓄電)、サービスロボット等
    • 全ての分野において、技術開発から、社会実装+量産投資によるコスト低減へ。機械的な試算によると、この戦略により、2030年で年額90兆円、2050年で年額190兆円程度の経済効果が見込まれる。
  2. 2050年カーボンニュートラルの実現
    • 電力需要は、産業・運輸・家庭部門の電化によって現状より30~50%増加。(約1.3~1.5兆kWh)(熱需要には、水素などの脱炭素燃料、化石燃料からのCO2の回収・再利用も活用)
    • 再エネについては、最大限の導入を図る。⇒調整力・送電容量・慣性力の確保、自然条件や社会制約への対応、コスト低減といった様々な課題に直面⇒全ての電力需要を100%再エネで賄うことは困難と考えることが現実的⇒多様な専門家間の意見を踏まえ、2050年には発電量の約50~60%を再エネで賄うことを、議論を深めて行くに当たっての一つの参考値とし、今後の議論を進める。
    • 世界最大規模の洋上風力を有する英国の意欲的なシナリオでも約65%。米国(日本の26倍の国土、森林率は半分で風力・太陽光のポテンシャルが高い)でも、再エネ55%(ただし2050年80%削減ベース)
      • 災害時の停電リスクの課題を解消できなければ年間約30~40%程度とする試算や、立地制約の観点だけでも、規制緩和を勘案しても50%程度が最大とする試算などが存在。
    • CO2回収前提の火力と水素については、依然、開発・実証段階の技術であり、今後の技術・産業の確立状況次第。⇒実行計画により社会実装が順調に進むことを前提として、水素・アンモニア発電10%程度、原子力・CO2回収前提の火力発電30~40%程度を、議論を深めて行くに当たっての参考値とする。
    • 今後、エネルギー基本計画の改訂に向けて、上記に限定せず、更に複数のシナリオ分析を行い、議論を深めていく。
  3. グリーン成長戦略の枠組み
    • 企業の現預金(240兆円)を投資に向かわせるため、意欲的な目標を設定。予算、税、規制・標準化、民間の資金誘導など、政策ツールを総動員。グローバル市場や世界のESG投資(3,000兆円)を意識し、国際連携を推進。
    • 実行計画として、重点技術分野別に、開発・導入フェーズに応じて、2050年までの時間軸をもった工程表に落とし込む。技術分野によってはフェーズを飛び越えて導入が進展する可能性にも留意が必要。
      • 研究開発フェーズ:政府の基金+民間の研究開発投資
      • 実証フェーズ:民間投資の誘発を前提とした官民協調投資
      • 導入拡大フェーズ:公共調達、規制・標準化を通じた需要拡大→量産化によるコスト低減
      • 自立商用フェーズ:規制・標準化を前提に、公的支援が無くとも自立的に商用化が進む
    • 2050年カーボンニュートラルを見据えた技術開発から足下の設備投資まで、企業ニーズをカバー。規制改革、標準化、金融市場を通じた需要創出と民間投資拡大を通じた価格低減に政策の重点。
      • 予算(高い目標を目指した、長期にわたる技術の開発・実証を、2兆円の基金で支援)
      • 税(黒字企業:投資促進税制、研究開発促進税制、赤字企業:繰越欠損金)
      • 規制改革(水素ステーション、系統利用ルール、ガソリン自動車、CO2配慮公共調達)
      • 規格・標準化(急速充電、バイオジェット燃料、浮体式風力の安全基準)
      • 民間の資金誘導(情報開示・評価の基準など金融市場のルールづくり)

~NEW~
経済産業省 海外現地法人四半期調査(2020年7~9月期)の結果を取りまとめました-リーマン時よりも早い持ち直し 売上高6.7%減、減少幅縮小-
  • 経済産業省では、我が国企業の国際展開や、海外での業況を把握することを目的に、我が国企業の製造業海外現地法人の海外事業活動に関する調査を実施し、四半期毎に公表しています。この度、2020年7~9月の調査結果を取りまとめました。
  • 我が国企業の海外現地法人における売上高(2020年7~9月、ドルベース)は、前年同期比で7期連続の減少となったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で工場の稼働停止等により大きく落ち込んだ2020年4~6月期からは経済活動再開等を受け、リーマンショック時の回復より早いペースで持ち直しの動きが見られました。
  • 結果概要
    1. 売上高
      • 売上高(全地域合計)は、前年同期比-6.7%と7期連続の減少となりました。
      • 地域別(北米、アジア、欧州)にみると、構成比の高いアジア(構成比52.6%)は、同-4.2%と7期連続の減少となり、特に輸送機械が減少となりました。
      • また、北米(構成比29.8%)は、前年同期比-5.8%と4期連続の減少、欧州(同10.7%)は、同-11.8%と9期連続の減少となりました。
    2. 設備投資額
      • 設備投資額(全地域合計)は、前年同期比-16.4%と4期連続の減少となりました。
      • 地域別にみると、構成比の高いアジア(構成比47.0%)は、同-29.1%と4期連続で減少となり、特に輸送機械が減少となりました。
      • また、北米(構成比30.7%)は、前年同期比-5.0%と3期連続の減少、欧州(同11.2%)は、同-22.5%と4期連続の減少となりました。
    3. 従業者数
      • 従業者数(全地域合計)は、前年同期比-5.3%と6期連続の減少となりました。
      • 地域別にみると、構成比の高いアジア(構成比68.5%)は、同-5.5%と6期連続の減少となり、特に輸送機械と電気機械が減少となりました。
      • また、北米(構成比14.1%)は、前年同期比-3.9%と3期連続の減少、欧州(同9.9%)は、同-6.7%と3期連続の減少となりました。

~NEW~
経済産業省 「2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会」提言が取りまとめられました-「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」の実現に向けて-
▼「2020年代の総合物流施策大綱に関する検討会」提言
  • 現大綱においては「強い物流」の構築を目標としてきたところであるが、労働力の不足、トラック積載効率の低迷等物流が抱える多くの課題は継続し、近年のEC市場のさらなる成長や災害の激甚化・頻発化などによって、物流を取り巻く環境は厳しさを増している。その上で、今般の新型コロナウイルス感染症の流行により、ヒトに比べてモノの動きは相対的に活発化し、トラックドライバーをはじめとした労働力の不足に拍車がかかることで、物流を取り巻く厳しい状況はさらに加速する可能性がある。加えて、新しい生活様式に対応した物流への変革も迫られるなど、我が国の物流は極めて大きな岐路に差し掛かっている。
  • しかし、一面では、こうした状況下においては、これまで進捗しなかった物流の構造改革や生産性向上に向けた取組を加速度的に促進させる大きな好機となる可能性もある。
  • 新しい生活様式への対応には、まず非接触・非対面型の物流への転換が喫緊に求められる。今なお物流の現場では、書面手続や対人・対面に拠るプロセスが多いが、デジタル化による作業プロセスの簡素化や汎用化は、非接触・非対面型物流の構築に必須の施策である。
  • ウィズコロナとなった現在の社会情勢においては、物流産業におけるDXを積極的に推進できる環境にある。例えば、これまで物流効率化や省人化等を目的に導入されてきた輸配送や庫内作業用のロボットは、非接触・非対面という観点から普及が促進される可能性がある。また、これまで個人の経験や既存の商慣習・様式に依存してきた物流業界において、デジタル技術を駆使して様々なデータを可視化し、関係主体が対人・対面によらずとも即時にそれを共有可能とすることは、作業プロセスの汎用化等を通じた多様な担い手の確保や、検品レスをはじめとしたプロセスの大幅な合理化を促すきっかけともなり得る。
  • こうしたDXの推進のためには、その前提として各種要素の標準化が必要である。これまでは様々な商慣習等のため、物流の標準化は進捗を得られない面もあったが、物流に対する関係者の危機感が増すにつれ、様々な業界で具体的な取組が進みつつあり、全体的な機運も高まっている。
  • デジタル技術の社会実装が急速に進みつつある中、我が国の物流のあらゆる局面において、時機を逸せず集中的に物流産業におけるDXと標準化が推進されるべき時期に来ているといえる。
  • また、2024年度からのトラックドライバーへの時間外労働の上限規制の適用を控えているほか、物流事業に従事する労働者の社会的価値が大きく見直されている現状においては、これまでなかなか進まなかった革新的な取組を実施できる好機である。リードタイムの見直し等による計画的でゆとりのある物流の実現をはじめ、今こそ重点的に構造改革を進めるべきである。
  • さらに、昨今の災害の激甚化・頻発化や新型コロナウイルス感染症の流行により、有事においても機能する物流ネットワークの構築が一層重視される状況となっているほか、グローバルサプライチェーンの脆弱性が顕在化し、その多元化等の必要性も高まっている。加えて、物流事業者の海外展開や農林水産物・食品の輸出等のほか、SDGsやグリーン社会の実現を目指した取組など、経済や地球環境の持続可能性を高めるための取組も積極的に推進すべき状況にある。
  • 以上のとおり、現下の我が国の物流が直面する課題は、今般の新型コロナウイルス感染症の流行による社会の劇的な変化も相まって、より先鋭化・鮮明化しているといえる。新たな総合物流施策大綱の下では、そうした課題に対応した施策に重点的に取り組むべきである。
  • これを敷衍すれば、今後の物流施策は、大きく下記の(1)~(3)の3つの観点に分類した上で、取り組むべき施策を整理することが適当である。
    1. 物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(「簡素で滑らかな物流」の実現)
    2. 労働力不足対策と物流構造改革の推進(「担い手にやさしい物流」の実現)
    3. 強靱で持続可能な物流ネットワークの構築(「強くてしなやかな物流」の実現)
  • 現大綱においては「強い物流」の構築が大きな目標であったが、新型コロナウイルス感染症の影響による社会の劇的な変化により、既存の慣習や様式にとらわれずに施策を進める環境が醸成されつつあることから、「強い」という概念に限らない、「簡素で滑らかな物流」、「担い手にやさしい物流」、「強くてしなやかな物流」の実現に向けた施策を推進していくことを、新しい総合物流施策大綱が目指す方向性とすべきである。
  • この認識は、直接物流に携わる事業者、労働者だけでなく、製造事業者、荷主、一般消費者など物流に関わるすべての関係者に共有されることが重要であり、上に掲げた今後の物流が目指す方向性の実現に向け、あらゆる関係者が一致協力して各種の取組を推進することが期待される。また、この目標の達成のためには、これまで「競争領域」とされる部分が多かった物流について、「協調領域」もあるという前提のもと、協調領域を積極的に拡大する方向で捉え直すことも重要である。加えて、あらゆる施策を講じるにあたり、安全の確保が大前提となることは言うまでもない。
  • 今後取り組むべき施策
  • 提言(1)物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)
    • 物流デジタル化の強力な推進
    • 労働力不足や非接触・非対面型の物流に資する自動化・機械化の取組の推進
    • 物流標準化の取組の加速
    • 物流・商流データ基盤の構築等
    • 高度物流人材の育成・確保
  • 提言(2)時間外労働の上限規制の適用を見据えた労働力不足対策の加速と物流構造改革の推進(担い手にやさしい物流の実現)
    • トラックドライバーの時間外労働の上限規制を遵守するために必要な労働環境の整備
    • 内航海運の安定的輸送の確保に向けた取組
    • 労働生産性の改善に向けた革新的な取組の推進.
    • 農林水産物・食品等の流通合理化
    • 過疎地域におけるラストワンマイル配送の持続可能性の確保
    • 新たな労働力の確保に向けた対策
    • 物流に関する広報の強化
  • 提言(3)強靱性と持続可能性を確保した物流ネットワークの構築(強くてしなやかな物流の実現)
  • 感染症や大規模災害等有事においても機能する、強靱で持続可能な物流ネットワークの構築
  • 我が国産業の国際競争力強化や持続可能な成長に資する物流ネットワークの構築
  • 地球環境の持続可能性を確保するための物流ネットワークの構築

~NEW~
経済産業省 「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集(案)」についての意見を募集します
▼別紙1:ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド(別冊)実施事例集(案)
  • バーチャル株主総会の配信方法【参加型・出席型共通】
    • 実施ガイドでは、インターネット等の手段とは、「物理的に株主総会の開催場所に臨席した者以外の者に当該株主総会の状況を伝えるために用いられる、電話や、e-mail・チャット・動画配信等のIT等を活用した情報伝達手段」としている。
    • 具体的な手段の選択に当たっては、動画配信システムに限らず、電話会議やインターネットを通じた音声の配信の活用も可能と考えられる。
    • また、例えば、審議等の状況を動画配信しつつ、質問の受付は電話を利用する等、いくつかの手段を組み合わせて実施することも考えられる。
  • 取締役等のバーチャル出席【参加型・出席型共通】
    • 議長を含む、取締役や監査役等についても、株主に対する説明義務を果たすための環境を確保しながら、インターネット等の手段により出席する事例もみられた。
  • インターネット等で出席する取締役等の議決権の行使【参加型・出席型共通】
    • 株主である取締役等の議決権の行使は、事前に議決権行使書を提出したり包括委任状を用いることがあるが、株主総会に取締役として出席するだけでなく、株主としても出席し、その場で議決権行使をする場合もある。
    • ハイブリッド出席型バーチャル株主総会においても、インターネット等で出席する取締役等が、株主としても出席して議決権を行使することができると考えられる。
    • しかし、取締役等が株主総会に出席している間に、別途、バーチャル出席のためのシステムにアクセスするのは簡単ではない。義務として株主総会に出席している取締役等については、その議決権行使は、他の株主とは異なる合理的な方法(例えば、インターネット等を通じての音声や行動、書面・メール等での確認)によったとしても、株主平等原則に反するとまではいえないと考えられる。
    • ハイブリッド参加型バーチャル株主総会においても、上記と同様に、義務として株主総会にインターネット等で出席する取締役等について、他の株主とは異なる方法(例えば、インターネット等を通じての音声や行動、書面・メール等での確認)によって議決権行使を認めたとしても、株主平等原則に反するとまではいえないと考えられる。
  • 株主のバーチャル参加・出席の事前登録【参加型・出席型共通】
    • 動画配信システム等にアクセスが集中した場合における通信回線の安定性への懸念の声がある。
    • 通信の安定性等を確保するためにも、バーチャル参加・出席を希望する株主に対し、事前登録を促すことも考えられる。
    • この場合には、全ての株主に登録の機会を提供するとともに、登録方法について十分に周知し、株主総会に出席する機会に対する配慮を行うことが重要である。
  • インターネット等の手段による株主への周知等【参加型・出席型共通】
    • 招集通知に記載すべき法定事項以外の株主への周知や申込受付等に当たっては、自社のウェブサイト上での掲載等の様々な方法が可能である。
  • 肖像権等への配慮【参加型・出席型共通】
    • 審議等の状況が外部に向けて配信された場合、映像等で配信される株主の肖像権等に関して留意事項が存在。
    • 実施ガイドでは、株主に限定して配信した場合には、肖像権等の問題が生じにくいとしている。
    • そのほか、例えば、撮影・録音・転載等を禁止することや、配信により株主の氏名が公開される場合には事前に通知をする等の対応をとることが考えられる。通知の方法としては招集通知によることも考えられる。
  • リアル株主総会の会場【参加型・出席型共通】
    • ハイブリッド型バーチャル株主総会の開催に伴い、一定数の株主はバーチャル参加・出席を選択することが見込まれる。
    • 実務的には、物理的な会場の規模は例年の出席株主数等を基に設定されることが多い。ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施に当たっても、例年のリアル出席株主数等に加え、バーチャル参加・出席が想定される株主数を合理的に予測した上で、リアル株主総会の会場を設定することを考える余地がある。また、会場の設定に当たっては、円滑なバーチャル株主総会の実施に向けたシステム活用等の環境の観点も重要である。
    • 新型コロナウイルスの感染拡大の中で、ハイブリッド型バーチャル株主総会が活用されてきた。新型コロナウイルスの感染拡大防止に必要な対応をとるため、やむを得ないと判断される場合には、合理的な範囲内において、自社会議室を活用するなど、例年より会場の規模を縮小することや、会場に入場できる株主の人数を制限することも、可能と考えられる。
  • 配信遅延への対応【出席型】
    • 動画配信システム等を用いた配信では、数秒から十数秒程度の軽微な配信遅延(タイムラグ)が生じることが想定される。
    • 軽微な配信遅延によって、直ちに議事進行に支障が生じるものではないが、議事進行を円滑に行うためも、例えば、議決権行使の締切り時間をあらかじめ告知すること、議決権行使から賛否結果表明までの間に一定の時間的余裕を持たせることといった運用方法等が考えられる。
  • 通信障害対策【出席型】
    • 実施ガイドでは、会社が通信障害のリスクを事前に株主に告知し、かつ通信障害の防止のために合理的な対策をとっていた場合には、決議取消事由には当たらないと解することも可能であると示している。
    • 事前の議決権行使により株主の意思が事前に表明されることから、事前の議決権行使を促すことが重要であるが、具体的な対策については個別の事情等に応じて検討する必要がある。例えば、以下のような対策が考えられる。
    • システムやバックアップシステムに関する自社の理解度等を考慮しつつ、一般に利用可能なライブ配信サービスやウェブ会議ツールを利用することや、第三者が提供する株主総会専門システムのサービスを利用すること/通信障害が発生した場合でも代替手段によって、審議又は決議の継続ができるように、インターネットの代替手段や電話会議等のバックアップ手段を確保しておくこと
    • 株主総会当日に向けた備え事前に通信テスト等をしておくこと/実際に通信障害が発生した場合を想定し、考えられる想定パターンの対処シナリオを準備しておくこと
  • 本人確認(なりすまし対策を含む)【出席型】
    • 実務ガイドにおいて示したとおり、事前の電磁的方法による議決権行使において、ID・パスワード(又は固有のQRコード)を用いたログイン方法が採用されていることと同様に、バーチャル出席時の本人確認についても、基本的にはID・パスワード等を用いたログイン方法が相当である。
    • そのほか、個別の事情等に応じて、例えば、(1)株主に固有の情報(株主番号、郵便番号等)を複数用いること、(2)画面上に本人の顔と整理番号を映し出すこと等によって本人確認を行うといった運用方法も考えられる。
    • 一定数以上の議決権を有する株主については、より慎重な本人確認を実施することも可能と考えられる。また、法人株主のID・パスワードの管理を容易にするための工夫として、議決権行使書面等でID・パスワードの記載面を再貼付が不可能なシールで覆うといった工夫も考えられる。
    • これらの場合であっても、なりすまし対策等に慎重を期すべきと考える場合には二段階認証やブロックチェーンの活用といった方法を採用することも可能。
  • 株主総会の出席と事前の議決権行使の効力の関係【出席型】
    • 株主意思をできる限り尊重し、無効票を減らすという観点から、バーチャル出席株主のログイン時点では事前の議決権行使の効力を取り消さず、当日の採決のタイミングで事前の議決権行使と異なる議決権行使が行われた場合に限り、事前の議決権行使の効力を破棄することが考えられる。
    • 一方で、リアル株主総会の実務と同様に、ログインをもって出席とカウントし、それと同時に事前の議決権行使の効力を取り消すといった方法も見られた。
    • 議決権行使の効力関係については、あらかじめ招集通知等で株主に通知しておくことが必要である。
  • 質問の受付・回答方法【出席型】
    • 実施ガイドでは、質問を取り上げるための準備に必要な体制や時間を考慮し、リアル出席株主とバーチャル出席株主の出席する株主総会を一つの会議体として運営するための合理的な取扱いを示している。もちろん恣意的な運営は許容されない。
    • 例えば、1人が提出できる質問回数や文字数、送信期限などの事務処理上の制約や、質問を取り上げる際の考え方、個人情報が含まれる場合や個人的な攻撃等につながる不適切な内容は取り上げないといった運営ルール等を示している。
    • また、事前の質問受付を実施したり、会社のおかれている状況によっては、適正性・透明性を確保するための措置として、後日、株主の関心の高かった質問で、受け取ったものの回答できなかった質問の概要を公開するなどの工夫を行うことが考えられる。
    • 投稿フォームではなくリアル出席における質問の取扱いと同様に、ウェブ会議システムの挙手機能を利用すること、電話を利用すること等によって、リアル出席の場合の取扱いと同様に、議長の指名があった場合にはじめて質問・発言ができるようにすることといった運営方法も考えられる。
  • 動議の取扱い【出席型】
    • バーチャル出席株主による動議については、会社の合理的な努力で対応可能な範囲を超えた困難が生じることが想定される。
    • このため、実施ガイドでは、原則として動議の提出については、リアル出席株主からのものを受け付けることで足りると示している。
    • ただし、将来的なシステムインフラの整備状況等によってはバーチャル出席株主からの動議の受付も可能とすることも考えられる。
    • その際、リアル株主総会と同様に濫用的であると認められる場合には取り上げない等の運用は許容されるほか、会社の合理的な努力で対応可能な範囲を超えた困難が生じると判断される場合に、招集通知等による事前の通知を前提として、そのような困難に対処するために必要な限度でバーチャル出席における動議に制限を設けることは許容されると考えられる。
  • 賛否の確認方法【出席型】
    • 議決権行使データのシステム連携等を図ることによって、バーチャル出席株主による議決権行使分も含め、リアルタイムで賛否の議決権数を示すことは、バーチャル出席に臨場感を与える効果があると考えられる。
    • 他方、リアル株主総会と同様に、事前の議決権行使等の状況を勘案し、簡便な方法を選択し、賛否の結果のみを示すことでも足りると考えられる。
    • この場合であっても、バーチャル出席に一体感を与えることを重視する場合には、例えば、議決権行使とは別に拍手ボタンを設置すること等の運用方法も考えられる。

~NEW~
総務省 「「ポストコロナ」時代におけるデジタル活用に関する懇談会」中間整理の公表
▼別紙 中間整理
  1. はじめに~コロナ禍とデジタル化~
    • 近年、IoT、ビッグデータ、AI等の技術の高度化とデータの多様化・大容量化により、人々の生活様式や企業のビジネスモデルを一変させるデジタルトランスフォメーション(DX)の動きが進展しつつある。また、GAFAをはじめとするデジタル企業が新たな機器・サービスを次々と投入し、グローバル市場における存在感を高めている。
    • 本年初頭以降の世界規模での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴い、人々の行動が制約される中、テレワーク、オンライン教育、オンライン診療等、非対面・非接触での生活様式を可能とするデジタル活用の重要性が一層増大している。また、コロナ下の経済において、非対面・非接触型のサービスを提供するデジタル企業の存在感はさらに高まっている。
    • 一方、国内に目を転じると、我が国は光ファイバや携帯電話等のインフラについては世界最高水準にあるものの、行政や企業等におけるデジタル活用の面では欧米やアジアの諸外国に比べて大きく遅れを取り、企業の生産性が低位に止まる一因とされてきた。また、我が国のデジタル企業はハード・ソフト両面においてグローバル市場でのプレゼンスが低下し、国際競争力の後退が顕著となってきている。
    • 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、我が国の行政や社会のデジタル化の遅れが改めて課題として顕在化した。今後は、リモート化と様々なデータの集積・活用を通じて、国民一人ひとりの幸福な生活の実現に資するとともに、多様な付加価値の創出により経済回復の原動力とすることが必要である。また、デジタル分野は経済安全保障の面で重要性を増しており、デジタル機器・サービスのサプライチェーンリスクに対応する観点からも、デジタル企業の競争力回復が求められる。
  2. ポストコロナ時代のデジタル社会像
    • 新型コロナウイルス感染症への対応において顕在化した行政や社会のデジタル化の遅れに対応するため、政府は、「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)」の全面的な見直しと、司令塔としての役割を担うデジタル庁(仮称)の設置の方針を決定した。
    • 上記の方針においては、デジタル化を目的ではなく手段として位置づけ、デジタル化によって多様な国民がニーズに合ったサービスを選択でき、国民一人ひとりの幸福に資する「誰一人取り残さない」、「人に優しいデジタル化」を進めることとされている。さらに、価値創造力を高めていくことが国民一人ひとりの幸せに資するという観点から、デジタル技術とデータの活用により、国際競争力の強化、持続的かつ健全な経済発展の実現を図ることとしている。
    • このようなデジタル社会の形成に向けては、リモート化と様々なデータの集積・活用を通じて現実世界をサイバー空間で再現し、サイバー空間上で課題の発見やその解決を図るなど様々なニーズに対応することが肝要であり、そのツールとなるIoT、AI、クラウドコンピューティング等のデジタル技術やインフラの一層の高度化と安全性の確保を図ることが必要である。
    • 今後の具体的な施策の立案・実施においては、(1)デジタル企業による高度かつ安全なデジタル技術・インフラの開発・提供・維持、新規サービスの創出や市場の開拓(供給面)、(2)行政や企業等によるデジタル技術の導入(需要面)、(3)行政や企業等からサービスを受ける利用者によるデジタル技術の活用(受容面)、という3つに区分された課題について、相互に整合性を図りながら取組を進めるべきである。以下、3つの区分ごとに、これまでの本懇談会やワーキンググループにおいて指摘された課題を例示する。
      1. デジタル技術・インフラの開発・提供・維持、新規サービスの創出や市場の開拓(供給面)
        • デジタル技術・インフラについては、インターネットを通じて流通するデータの多様化、大容量化への対応が求められており、IoT等の新たなサービスの利用や災害時の対応をも念頭に置きつつ、光ファイバや5Gといった高度情報通信ネットワークがいつでもどこでも利用できるように整備・維持する必要ある。その際、インターネット経路上の諸課題の把握や地域格差のない通信品質の確保、我が国を取り巻く国際的な通信インフラの多様化の状況に着目することが重要である。
        • また、今回のコロナ禍に対応したデジタル化の推進を我が国のデジタル企業の国際競争力強化や持続的な経済成長のための好機と捉え、リモート社会にも対応可能なビジネスモデルを変革するようなDX投資を促進すべきである。
        • その際、新たなサービスの創出には、インフラに加えてバックエンドの開発・運用・管理等のデジタル技術全体のバランスや多様性が重要であることに留意しつつ、技術で勝ってビジネスで負けないよう、利用者の視点を意識し、多様なステークホルダーを巻き込んだプラットフォームの構築や市場を拡大する意識が重要である。
        • さらに、中長期的な観点から、強靱でセキュアなデジタル環境の実現に向け、Beyond5G、AI、量子暗号通信等の最先端技術への研究開発投資の促進、研究開発成果の国際展開・国際標準化の推進、5G、光海底ケーブル、医療ICTといったデジタルインフラ・ソリューションの海外展開の推進、安全・安心かつオープンなグローバルICT環境の整備、カーボンニュートラルに向けたグリーン化の推進、サイバー空間におけるセキュリティの充実・強化、クラウドサービスの積極的活用や公正競争環境の整備などの課題に取り組む必要がある。
      2. 行政や企業等によるデジタル技術の導入(需要面)
        • 行政・企業等においては、デジタル化により効率化を追求するだけではなく、サービス利用者の利便性向上と新たな価値の創造を目指し、UI/UXに十分配慮しながらデジタル技術の導入に取り組む必要がある。また、短期的には行政やユーザ企業におけるデジタル人材の充実化を目指し、ベストプラクティスの共有などに取り組むことに加え、中長期的な観点からはベンダーに偏ったデジタル人材配置の適正化や処遇の改善、育成に努めていくことが重要である。
        • さらに、国・地方の行政のデジタル化を強力に推進することに加えて、NPOを含む民間や準公共部門におけるデジタル化の支援、データ利活用・標準化の推進、サイバーセキュリティの実現等の取組を進める必要がある。
      3. 利用者によるデジタル技術の活用(受容面)
        • 誰もが参画でき、個々の能力を発揮できる包摂性・多様性のあるデジタル社会を形成するためには、信頼性が高く有用な情報が流通する安心・安全な情報環境を整備するとともに、全ての国民が、年齢や地理的条件等に関わらず、自由な情報発信を行い、有用な情報に手頃な対価でアクセスすることができる環境をデジタル及びアナログの両面から整備することが必要である。その際、個人の属性に着目するだけではなく、ライフステージのそれぞれの段階に焦点を当てた検討を行うことも有用である。
        • そのためには、例えばデジタル活用に不安を持つ高齢者等を対象としたデジタル活用へのアクセス支援、デジタル活用の際の不安を取り除くためにユーザの意見を汲み取ることや情報モラル・リテラシー向上の支援、違法・有害情報等への対策、テレワークによる多様な働き方の支援などに総合的に取り組むことが必要である。また、手頃な対価で情報へのアクセスが可能となるよう、利用者が適切なサービスを選択可能となる環境の整備に取り組むことが求められる。

~NEW~
総務省 消防庁 「令和2年版 救急・救助の現況」の公表
  • 令和元年中の救急出動件数は、消防防災ヘリコプターによる件数も含め、664万2,772件(対前年比3万4,431件増、0.5%増)、搬送人員は598万258人(対前年比1万7,645人増、0.3%増)で救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となった。
  • 令和元年中の救急自動車による救急出動件数は663万9,767件(対前年比3万4,554件増、0.5%増)、搬送人員は597万8,008人(対前年比1万7,713人増、0.3%増)で救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となった。なお、対前年比の増加率は、いずれも過去10年で最低にとどまっている。救急自動車は約4.7秒(前年約4.8秒)に1回の割合で出動し、国民の21人に1人(前年21人に1人)が搬送されたことになる。
  • 令和元年中の救急自動車による救急出動件数の内訳を事故種別ごとにみると、急病が433万5,687件(65.3%)、一般負傷が101万3,435件(15.3%)、交通事故が43万2,492件(6.5%)などとなっている。事故種別ごとの救急出動件数の推移をみると、急病と一般負傷は増加している一方で、交通事故は減少している。
  • 令和元年中の救急自動車による搬送人員の内訳を事故種別ごとにみると、急病が392万2,274人(65.6%)、一般負傷が92万6,553人(15.5%)、交通事故が41万1,528人(6.9%)などとなっている。事故種別ごとの搬送人員の推移をみると、事故種別ごとの救急出動件数と同じように、急病と一般負傷は増加している一方で、交通事故は減少している。
  • 令和元年中の救急自動車による搬送人員の内訳を年齢区分別にみると、高齢者が358万9,055人(60.0%)、成人が189万2,457人(31.7%)、乳幼児が28万728人(4.7%)などとなっている。年齢区分別の搬送人員の推移をみると、乳幼児、高齢者の搬送割合が増加している。
  • 令和元年中の救急自動車による搬送人員の内訳を傷病程度別にみると、軽症(外来診療)が286万9,027人(48.0%)、中等症(入院診療)が254万3,545人(42.5%)、重症(長期入院)が48万6,164人(8.1%)などとなっている。傷病程度別の搬送人員の推移をみると、総搬送人員に占める軽症の傷病者の割合は、約5割で緩やかに減少している。
  • 令和元年中の救急自動車による現場到着所要時間(入電から現場に到着するまでに要した時間)は、全国平均で約8.7分(前年約8.7分)、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は、全国平均で約39.5分(前年約39.5分)となっている。現場到着所要時間と病院収容所要時間の推移をみると、どちらも延伸傾向にある。
  • 令和元年中に一般市民が目撃した心原性心肺機能停止傷病者数は2万5,560人で、そのうち一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数は1万4,789人(57.9%)となっている。一般市民が心肺蘇生を実施した傷病者数のうち、一般市民がAEDを使用し除細動を実施した傷病者数は1,311人で、そのうち1ヵ月後生存者数は703人(53.6%)、1ヵ月後社会復帰者数は603人(46.0%)となっている。
  • 令和元年中における全国の救助活動の状況は、救助出動件数9万6,424件(対前年比1,005件減、1.0%減)、救助活動件数6万1,340件(対前年比167件減、0.3%減)、救助人員6万3,670人(対前年比166人減、0.3%減)であり、前年と比較して救助出動件数、救助活動件数及び救助人員はいずれも減少している。
  • 消防防災ヘリコプターは、令和2年11月1日現在、全国44都道府県に合計74機配備されている(総務省消防庁ヘリコプター4機を含む)。令和元年中の消防防災ヘリコプターの救急出動件数は3,005件(対前年比123件減、3.9%減)、救助出動件数は1,993件(対前年比65件減、3.2%減)となっている。その他に、火災出動件数は1,014件(対前年比28件減)、情報収集・輸送等出動件数は144件(対前年比125件減)となっており、全ての出動件数を合わせた合計は6,156件(対前年比341件減)となっている
  • 令和元年中の消防防災ヘリコプターの救助出動件数は、「山岳」が1,201件(対前年比3件増、0.3%増)、「水難」が524件(対前年比15件増、2.9%増)、「自然災害」が78件(対前年比56件減、41.8%減)、「火災」が1件(対前年比1件増)、「その他」が189件(対前年比28件減、12.9%減)となっている。
  • 大規模災害発生時には、消防防災ヘリコプターは、緊急消防援助隊航空小隊として出動し、機動力を活かした救助、救急、情報収集、資機材・人員輸送等、多岐にわたる任務を遂行し、大きな成果をあげている。令和元年中における消防防災ヘリコプターの緊急消防援助隊航空小隊としての出動件数及び救助・救急搬送人員は57件(対前年比103件減)・115人(対前年比185人減)。このうち、令和元年8月の前線に伴う大雨による災害は2件・0人、令和元年東日本台風(台風第19号)は55件・115人となっている。

~NEW~
総務省 インターネット上の海賊版対策に係る総務省の政策メニューの公表
▼インターネット上の海賊版対策に係る総務省の政策メニュー
  • 依然として社会問題となっているインターネット上の海賊版に対する総合的な対策の一環として、総務省として、関係省庁・関係団体及び事業者と連携しつつ実施する取組について、以下の政策メニューを新たに取りまとめ、今後推進を行う。
    1. ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動
      • 「e-ネットキャラバン」の講座内容に2021年1月に施行される著作権法改正(海賊版コンテンツのダウンロード違法化)の内容をアップデート【今年度内に実施】
      • 著作権法改正の内容をアップデートした「インターネットトラブル事例集(2021年版)」を作成・公表し、全国の総合通信局等や教育委員会等を通じて子育てや教育の現場へ周知【今年度内に実施】
      • 出版社や携帯事業者等の関係者と協力し、青少年フィルタリングの普及啓発を通じて海賊版対策にも資する動画を作成・公表。携帯事業者の全国の販売店の店頭や青少年への普及啓発の現場等において広範な周知・啓発を実施【今年度内に実施】
    2. セキュリティ対策ソフトによるアクセス抑止方策の促進
      • セキュリティ対策ソフトによるアクセス抑止機能に関するユーザの意向調査を実施【実施済、継続的に実施】
      • セキュリティ事業者等との実務者検討会を開催。上記調査結果等も踏まえ、セキュリティ事業者や携帯電話事業者が提供するセキュリティ対策ソフトにおいて全年齢に向けたアクセス抑止機能が導入されるよう働きかけ【継続的に実施】
    3. 発信者情報開示に関する取組
      • 海賊版コンテンツをアップロードする匿名の発信者の特定に資するため、開示対象となるログイン時情報の明確化、新たな裁判手続の創設といった内容を含む、発信者情報開示制度に係る法制度整備を速やかに実施【次期通常国会へ向けて法案提出準備】
    4. 海賊版対策に向けた国際連携の推進
      • 海賊版サイトのドメイン名に関し、ドメイン名の管理・登録を行う事業者による事後的対応の強化について、国際的な場(ICANN等)において議論を推進【次回ICANN会合(2021年3月)に向けて準備】
      • 国外の海賊版サイトのサーバ設置国の通信所管省庁等に対して、著作権を侵害する違法コンテンツの削除や発信者情報開示制度に関する意見交換及び対応強化に関する働きかけを実施【来年開催される二国間政策対話等に向けて準備】

~NEW~
総務省 「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」等の公表及び意見募集の結果
▼別添1 「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」等の改定について
  • 「三層の対策」:2015年の年金機構の情報漏えい事案を受け、短期間で自治体の情報セキュリティ対策を抜本的に強化=「三層の対策」
    1. 自治体内の情報ネットワークの分離・分割による事務効率の低下
      • 例:マイナンバー利用事務系のシステムへのデータの取込み、インターネットメールの添付ファイルの取得など
    2. 新たな時代の要請
      • 行政アプリケーションを自前調達方式からサービス利用式へ(政府における「クラウド・バイ・デフォルト」原則)
      • 行政手続を紙から電子へ(デジタル手続法を受けた行政手続のオンライン化)
      • 働き方改革(テレワーク等のリモートアクセス)
      • サイバー攻撃の増加、サイバー犯罪における手口の巧妙化等
  • 「三層の対策」の効果や課題、新たな時代の要請を踏まえ、効率性・利便性を向上させた新たな自治体情報セキュリティ対策を検討会において検討し、本年5月に「三層の対策」の見直しを公表
  • 主な改定内容
    1. マイナンバー利用事務系の分離の見直し
      • 住民情報の流出を徹底して防止する観点から他の領域との分離は維持しつつ、国が認めた特定通信(例:eLTAX、ぴったりサービス)に限り、インターネット経由の申請等のデータの電子的移送を可能とし、ユーザビリティの向上や行政手続のオンライン化に対応
    2. LGWAN接続系とインターネット接続系の分割の見直し
      • 効率性・利便性の高いモデルとして、インターネット接続系に業務端末・システムを配置した新たなモデル(βモデル)を提示(ただし、採用には人的セキュリティ対策の実施が条件)
    3. リモートアクセスのセキュリティ
      • 業務で取り扱う情報の重要性に合わせて、LGWAN接続系のテレワークについての基本的な考え方、リスク及びセキュリティ要件とともに、想定されるモデルを記載
    4. LGWAN接続系における庁内無線LANの利用
      • LGWAN接続系において庁内無線LANを利用する場合のセキュリティ要件を記載
    5. 情報資産及び機器の廃棄
      • 神奈川県におけるHDD流出事案を踏まえ、情報システム機器の廃棄等について、情報の機密性に応じた適切な手法等を整理
    6. クラウドサービスの利用
      • クラウドサービスを利用するにあたっての注意点(サービスレベルの検討の必要性、バックアップを含めた必要なサービスレベルを保証させる契約締結等)を記載
    7. 研修、人材育成
      • 各自治体の情報セキュリティ体制・インシデント即応体制の強化について記載

~NEW~
国土交通省 7月豪雨は過去最大クラスの広域災害~令和2年の土砂災害発生件数の速報値を公表~
  • 令和2年の土砂災害発生件数(土石流等、地すべり、がけ崩れが発生した件数(火砕流は除く)。1月1日から12月22日までの速報値)は1,316件で、平均の約1.2倍。
  • 令和2年7月豪雨は、記録に残る主な自然災害(集計開始の昭和57年以降において、土砂災害発生件数の記録が残っている気象現象等(豪雨、台風、地震など)。)の中で、土砂災害の発生が確認された都道府県数は1番多く、発生件数においても3番目であり、過去最大クラスの広域災害であった。
  • 今年の土砂災害
    • 46都道府県で1,316件の土砂災害が発生し、平均発生件数(S57-R1)の約1.2倍
    • 地すべりの発生件数(116件)が、直近10年(H22-R1)の平均発生件数(109件)を上回った。
    • 令和2年7月豪雨は37府県で961件の土砂災害をもたらし、過去最大クラスの広域災害
    • 7月豪雨で最も被害が大きかった熊本県では集計開始以降最多の発生件数(227件)を記録。(これまでの最多件数は、平成28年の223件)

~NEW~
国土交通省 ~『「空間」・「機能」確保のための開発』から『「価値」・「持続性」を高める複合的更新』へ~「市街地整備2.0 新しいまちづくりの取り組み方」に資する事例集を公表しました
  • 市街地整備をとりまく環境の大きな変化を踏まえ、昨年度、国土交通省に「今後の市街地整備のあり方に関する検討会」を設置し、令和2年3月にその報告がとりまとめられました。
  • とりまとめにおいて、新たな市街地整備のあり方は、『行政が中心となって公共空間確保・宅地の整形化・建物の不燃共同化を大規模に志向した開発』から、『「公民連携」で「ビジョンを共有」し、「多様な手法・取組」を組み合わせて、「エリアの価値と持続可能性を高める更新」』(市街地整備2.0)へと大きく転換を図る必要があること等の提言を受け、その考え方を広めるために本事例集を作成しました。
  • 本事例集の特徴
    • 本事例集は、上記報告で示された市街地整備にかかる考え方の転換について、市街地整備に関わる多くの方々に広く知っていただき、まちづくりの多様な場面でご活用いただくことを念頭に、参考となる事例を、下記の通りまとめたものです。
      1. 市街地整備の進め方の転換
        • 行政関係者、地域住民、民間事業者など、幅広い関係者向けに、今後の市街地整備で取り組むべき新たな方向性についての基本的な考え方や留意事項などのポイントを示すとともに、この考え方に近い事例として7つのまちづくりの事例を取上げています。
      2. 市街地整備手法のあり方
        • 行政や民間事業者等専門家向けに、今後求められるであろう市街地整備手法の考え方に加え、市街地再開発事業や土地区画整理事業などの事例、エリアマネジメントなどにおける工夫事例を紹介しています。

~NEW~
国土交通省 鉄道用地外からの災害リスクへの提言~「鉄道用地外からの災害対応検討会」のとりまとめ~
  • 近年、豪雨や台風などの自然災害が多頻度かつ激甚化傾向にある中、鉄道用地外の隣接する斜面からの土砂流入などが続発しているところです。このような状況について鉄道事業における課題等の整理・検討を行ってきた「鉄道用地外からの災害対応検討会」において、今般、「鉄道用地外からの災害リスクへの提言」が取りまとめられました。
  • 近年、豪雨や台風などの自然災害が多頻度かつ激甚化傾向にあり、これまでに考えられなかったような災害が続発しているところです。こうした中、鉄道用地外の隣接する斜面からの土砂流入などが発生しています。鉄道用地外に起因する災害は、鉄道事業者の管理地外から生じるため、早期復旧や有効な防災対策の措置が困難な場合がある等の課題があります。これを受け、学識経験者、鉄道事業者、関係団体、研究機関、省庁関係者、鉄道局からなる「鉄道用地外からの災害対応検討会」において、他分野における制度事例や鉄道事業における課題等の整理・検討を行い、今般、「鉄道用地外からの災害リスクへの提言」として取りまとめました。
  • 本提言では、鉄道施設に障害を及ぼすおそれがあり、かつ、やむを得ないときにおいて、樹木の伐採等を可能とする制度や、災害発生後の早期復旧のため、鉄道用地外を一時的に使用できる制度の検討のほか、鉄道用地外からのリスク評価の実施や、地権者との円滑な関係づくり等の取組をさらに進めていくべきであること等が示されております。
  • 国土交通省では、この提言を踏まえ、引き続き必要な検討を進めてまいります。

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