• ホーム
  • SPN JOURNAL Online
  • 連載コラム
  • 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点(金融庁)/「新型コロナウイルス感染症のいまに関する11の知識」を12月版に更新(厚労省)/デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方(総務省)

危機管理トピックス

業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点(金融庁)/「新型コロナウイルス感染症のいまに関する11の知識」を12月版に更新(厚労省)/デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方(総務省)

2021.12.13
印刷

更新日:2021年12月13日 新着23記事

マスクを着用しスマートフォンを操作する人
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
  • (株)モルフォ役員による内部者取引に対する課徴金納付命令決定の取消しについて
  • 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第13回) 議事次第
  • 第17回金融審議会公認会計士制度部会議事次第
内閣府
  • 令和4年度予算編成の基本方針
  • 移植医療に関する世論調査
  • 令和2年「公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」
国民生活センター
  • 家庭用ゲーム機でも! オンラインゲームの課金に注意
  • 「光回線をアナログ回線に戻せば料金が安くなる」という勧誘にご注意ください-事業者名や契約内容をしっかり確認! アナログ回線に戻す手続きはご自身でも可能です-
  • フレームが破断した電動アシスト自転車(相談解決のためのテストから No.160)
厚生労働省
  • 第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」
  • 「新型コロナウイルス感染症のいまに関する11の知識」を12月版に更新しました
  • 新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールについて
  • 第62回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年12月8日)
経済産業省
  • 安全安心な小型空撮ドローンの基盤技術を開発、製品化へ
  • 第1回 未来人材会議
国土交通省
  • 漂流軽石回収に関する技術・アイデア集の公表
  • 船の年末年始安全総点検を実施します!~新型コロナウイルス感染症対策及びテロ対策も確認します~

~NEW~
外務省 米国主催 民主主義のためのサミット(結果概要)
  • 12月9日から10日にかけて(日本時間)、米国主催の民主主義のためのサミットがオンライン形式にて開催され、岸田文雄内閣総理大臣が初日のセッションに参加したところ、概要は以下のとおりです。中谷元総理大臣補佐官も同席しました。
  • 12月9日から2日間の日程で、ジョセフ・バイデン米国大統領(The Honorable Joseph R. Biden, Jr., President of the United States of America)の呼びかけの下、「腐敗との闘い」、「権威主義からの防衛」、「人権尊重の促進」をテーマとした民主主義のためのサミットが開催され、世界各国の政府、市民社会等から幅広く多様なリーダーが集まり、民主主義を強化するための議論が行われています。
  • 岸田総理大臣は、首脳プレナリー・セッションにオンラインで参加し、民主主義を含めた普遍的価値を重視する立場から、民主主義を守り、世界における人権を促進するために重視している点について、概要以下のとおり述べました。
    1. 自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を損なう行動に対しては、有志国が一致してワンボイスで臨んでいかなければならない。深刻な人権状況については、これからもしっかりと声を上げていく。また、北朝鮮による拉致問題は、日本の主権や国民の生命と安全に関わる重大な問題であるとともに、基本的人権の侵害という国際社会全体の問題でもある。
    2. 各国の歴史的経緯を尊重することこそが、民主主義の定着に寄与する。我が国はこうした信念の下、アジアの国々における和平プロセス、平和の定着、復興の後押しなど、二国間対話を通じ、各国の自主的な取組を後押ししてきた。現在、アジアを中心に世界各地74を超える国々に対し、人材育成、メディアの自由の強化、選挙、司法を含む各種制度の構築・整備支援を行っており、引き続き、各国の民主化に向けた取組を支援していく。
    3. 健全な民主主義の発展のためには、その中核的な土台として、中間層が質・量両面で分厚くなっていくことが不可欠である。しかしながら、金融資本主義経済の急激な展開が、格差の拡大や国際社会の分断など多くの弊害を生み、世界の多くの国で、健全な民主主義に歪みをもたらしつつある。日本は、デジタルとグリーンをキーワードとする経済社会の歴史的変革の中で、成長も分配も実現する「新しい資本主義」の実現に取り組み、健全な民主主義の中核である中間層を守るとともに、気候変動などの地球規模の課題や「人」を大切にした未来に向けた投資に、力強く取り組んでいく。
    4. 人権に関する取組を進めるために、中谷元議員を総理補佐官に任命した。また、企業における人権尊重の取組も、企業の予見可能性を確保しつつ、積極的に進めていく。国際機関との連携も重要であり、国際機関に対して約1,400万ドルを拠出することを決定した。
    5. 日本は、強靭な民主主義、基本的人権の尊重を、多くの国・地域に広げ、根付かせていくために、国際社会と共に歩んでいく決意である。
  • 本サミットにおいては、全ての招待国・地域の首脳による各国の取組等についてのビデオ・メッセージ及び主要なテーマに沿った国内・国外双方における取組に関するコミットメントの発出が呼びかけられており、日本は、民主主義を含めた普遍的価値を重視する立場から、岸田総理大臣による首脳プレナリー・セッションへのオンライン参加に加え、ビデオ・メッセージ及び日本の取組についてのコミットメントを発表しました。
▼岸田総理大臣によるビデオ・メッセージ
▼米国主催 民主主義のためのサミット ~日本の取組~

~NEW~
内閣官房 「孤独・孤立対策の重点計画の素案等」に関する意見募集について
▼「孤独・孤立対策の重点計画の素案等」
  • 我が国においては、2000年以降、グローバリゼーションが進む中で、それまで定着していた終身雇用、年功賃金や新卒一括採用等に基づく日本型雇用慣行が変化し、パートタイム労働者・有期雇用労働者・派遣労働者といった非正規雇用労働者が増加するなど、雇用環境が大きく変化してきた。
  • また、インターネットの普及等に伴う情報通信社会の急速な進展等により、国民の生活環境やライフスタイルは急速に変化してきた。
  • さらに、人口減少、少子高齢化、核家族化、未婚化・晩婚化、これらを背景とした単身世帯や単身高齢者の増加といった社会環境の劇的な変化が進み、地域社会を支える地縁・血縁といった人と人との関係性・つながりは希薄化の一途をたどってきた。
  • このような雇用環境・生活環境や家族及び地域社会の変化は、雇用形態の多様化や所得格差の拡大等を背景として、職場内・家庭内・地域内において人々が関わり合いを持つことによって問題を共有しつつ相互に支え合う機会の減少をもたらし、人々が「生きづらさ」や孤独・孤立を感じざるを得ない状況を生む社会へと変化してきたと考えられる。
  • こうした状況は、例えば、OECDの2005年の調査によれば「家族以外の人」との交流がない人の割合がわが国は米国の5倍、英国の3倍高いとされていること等、孤独・孤立に伴う様々な社会問題がこれまで発生してきたことにも表れている
  • 2020年1月に国内で最初の新型コロナウイルス感染者が確認され、緊急事態宣言の発出による飲食店等に対する休業要請や感染拡大防止対策、外出自粛要請が行われて以降、我が国における人々の生活は一変した。
  • 例えば、緊急事態宣言の発出に伴う経済活動の停滞の影響により、休業者の増加だけでなく、それまで増加傾向であった就業者数は女性の非正規雇用労働者を中心に大幅に減少し、收入が減少した就業者が増加した。それらの結果として、生活の困窮をはじめとした生活に関する様々な不安や悩みを抱える人が増え、相談支援機関への相談件数の増加等が生じることとなった。
  • また、感染拡大防止措置の影響により、それまで行政機関やNPO等が各地域で提供してきた、地域の子どもや高齢者等の交流・見守りや支え合いの場、あるいは相談支援を受ける機会などが失われたほか、それらの提供主体の側においても、直接や対面でのコミュニケーションを行いながら支援等が必要な人に対して支援等を行う従前の取組・活動について、休止や手法の変更等を余儀なくされることとなった。
  • さらに、外出自粛の影響により、人々が自宅にいる時間が長くなり、自宅で家族とともに過ごす時間が増加したという面もある一方で、家族と一緒に過ごす中でも一人で悩む人が存在すると見込まれる中、負の側面として、児童虐待等の事案の増加や、配偶者からの暴力(DV)に係る相談件数が増加することとなった。これらの状況は、自殺者数は令和2年に総数で前年比912人増の21,081人(うち、女性は
  • 7,026人で前年比935人増、児童生徒は499人で前年比100人増で過去最多)となり11年ぶりに対前年度比で増加したこと、DV相談件数は令和2年度で19万0,030人(前年度の約1.6倍)となったこと、児童虐待相談対応件数は令和2年度で20万5,029件(前年比1万1,249件増)となったこと、小・中学校における長期欠席者のうち不登校児童生徒は令和2年度で19万6,127人(前年度18万1,272人、前年度比14,855人増)となったこと等にも表れている。
  • 我が国の社会生活を一変させた新型コロナウイルス感染拡大は、それまでの社会環境の変化等により孤独・孤立を感じやすくなっていた社会において内在していた孤独・孤立の問題を顕在化させ、あるいは一層深刻化させる契機になったと考えられる
  • これまでの政府の取組み
    • 新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化することにより、孤独・孤立の問題がより一層深刻な社会問題となっていることを受けて、政府においては、令和3年2月に孤独・孤立対策担当大臣が司令塔となり、内閣官房に孤独・孤立対策担当室を立ち上げ、政府一丸となって孤独・孤立対策に取り組むこととした。
    • 政府においては、令和3月3月以降、孤独・孤立対策担当大臣を議長とし、全省庁の副大臣で構成する「孤独・孤立対策に関する連絡調整会議」を定期的に開催し、3つのタスクフォース(ソーシャルメディアの活用、実態把握、孤独・孤立関係団体の連携支援)の立ち上げ、様々なライフステージに応じた孤独・孤立対策の整理及び施策のさらなる充実・強化の検討など、政府全体として総合的かつ効果的な孤独・孤立対策を検討・推進している。
    • 令和3年2月には、様々な支援の存在を周知するとともに、感染防止に配慮した形でつながりの活動を展開することが大切であることや、悩んでいる方に向けて、様々な支援策があり、悩みを相談してほしいことなどをメッセージとして発出することを目的として、「孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム」を開催し、「つながりを切らないために、感染防止に配慮した形でつながりの活動を展開していくことが大切である」、「躊躇せずに、悩みに相談してほしい」等のメッセージを発出した。
    • その後、同年6月以降、実際に支援活動に取り組んでいるNPO等の方々などから直接現場の声を聞き、今後の孤独・孤立対策の立案に活かす目的で、「孤独・孤立に関するフォーラム」を計10回開催した
  • 孤独・孤立対策の基本理念・基本方針等に関する議論の整理
    1. 孤独・孤立対策の基本理念
      1. 「孤独」「孤立」双方への対応
        • 一般に、「孤独」とは主観的概念であり、ひとりぼっちである精神的な状態を指し、「孤立」とは客観的概念であり、つながりや助けのない状態を指す。
        • 「人間関係の貧困、困窮」とも言える孤独・孤立の状態は、「痛み」や「辛さ」を伴うもの。健康面への影響や経済的な困窮等の影響も懸念。
        • 孤独・孤立に至る背景や当事者(※)が置かれる状況は多岐。孤独・孤立の感じ方・捉え方は人によって多様。
        • 一律の定義の下で所与の枠内での施策の実施ではなく、「孤独」「孤立」の双方に対して当事者の状況等に応じた多様なアプローチ手法により施策を実施。
        • ※生活困窮者、ひきこもりの状態にある方、妊娠・出産期の女性、子育て期の親、シングルマザー等の困難を抱える女性、DV等の被害者、子ども、学生、不登校の児童生徒、中卒者や高校中退者で就労等していない人、高齢者、求職者、中高年、社会的養護の出身者、刑務所出所者、犯罪被害者、被災者、障害者、難病等の患者、在留外国人、ケアラー、LGBTQなど
        • 個人の領域に対する公的な関与は謙抑的でなければならないことに留意。
        • 社会の変化による当事者が望まない「孤独」と「孤立」を対象として、実態やニーズに応じた施策を有機的に連関。
        • 「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、さらに「誰もが自己存在感・自己有用感を実感できるような社会」「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指す。
        • 「社会的孤立」がセルフネグレクトや社会的排除を生むという「負の連鎖」を断ち切る観点からも取組を推進。
        • 実態把握の結果を踏まえ、関連データを利活用して、施策を点検・評価。
      2. 当事者や家族の立場に立った施策の推進
        • 孤独・孤立は、人生のあらゆる場面において誰にでも起こり得る。
        • 孤独・孤立の問題は、人生のどの場面で発生したかや当事者の属性・生活環境等によって多種多様。
        • 当事者のニーズや生活基盤を置く地域の実情等は多様。支援に当たって配慮すべき事情を抱える方、当事者の家族が困難を抱えている場合も存在。
        • まずは当事者の目線に立って、当事者のライフステージや属性・生活環境、多様なニーズや配慮すべき事情等を理解した上で施策を推進。
        • その時々の当事者の目線や立場に立って、切れ目がなく息の長い、きめ細やかな施策を推進。
        • 孤独・孤立の問題を抱える当事者の家族も含めて支援する観点からの施策を推進。
      3. 人と人との「つながり」を築くための施策の推進
        • 孤独・孤立の問題を抱える当事者が相談できる誰かや信頼できる誰かと対等につながるという形で、人と人との「つながり」を築くことが重要。
        • 疎外感が強い関係に形式的につないでも孤独・孤立の問題は解消しない。
        • こうした考え方の下で施策を推進。当事者の精神的な支援の充実は重要。
        • 孤独・孤立の問題は、当事者個人の問題ではなく、社会の変化により当事者が孤独・孤立を感じざるを得ない状況に至ったもの。当事者が悩みを家族に相談できない場合があることも踏まえると、行政・民間を含めて社会全体で対応しなければいけない問題。
        • 幼少期から「共に生きる力」を育む教育も重要。
        • 孤独・孤立の問題が顕在化する前の「予防」的な対応、関連分野や因果関係が多岐にわたる問題や行政に積極的にアクセスしない者への対応は、行政のみでは困難又はなじみづらい。行政と民間の連携が必要不可欠。
        • 行政・民間の施策の有機的な連携及び充実を図り、行政(特に基礎自治体)における既存の取組も活かした推進体制の整備、住民組織との協力、NPO等の民間法人との相互連携により、当事者に対して安定的・継続的に施策を展開。
    2. 孤独・孤立対策の基本方針
      1. 孤独・孤立に陥っても支援を求める声を上げやすい社会とする
        1. 孤独・孤立の実態把握
          • 施策の効果的な実施や評価・検証、施策の在り方の検討、関係者との情報共有に資するよう、孤独・孤立に関する実態の把握を推進。
          • 実態把握の結果を踏まえ、孤独・孤立に陥る要因を分析し、予防の観点からの施策の在り方について検討。
        2. 支援情報が網羅されたポータルサイトの構築、タイムリーな情報発信
          • ポータルサイト等による継続的・一元的な情報発信、24時間対応の相談体制、ワンストップの相談窓口、プッシュ型の情報発信等を推進。
        3. 声を上げられる環境整備
          • 孤独・孤立に陥っても「ためらい」「恥じらい」の感情により支援を拒む方、基本的に「申請主義」である制度の下で支援制度を知らない等により支援を受けていない方、孤独・孤立に陥っている方の家族など周りの方が困難を抱える場合が存在。
          • 当事者がその意思・意向により支援を求める声を上げることができ、当事者の家族等の周囲が気づきや対処をできるような環境を整える。
          • 社会全体の機運の醸成や支援制度を知るための情報発信や広報及び普及啓発、アウトリーチ型支援を含めた当事者への働きかけや「伴走型」支援を推進。
      2. 状況に合わせた切れ目のない相談支援につなげる
        1. 相談体制の整備(電話・SNS相談の24時間対応の推進等)
          • 当事者一人ひとりの多様な事情やニーズ等の状況に合わせて、切れ目がなく、息の長い、きめ細かな相談支援を受けられるよう、全国において、24時間対応の相談など相談体制の整備を推進。
          • 各種相談支援制度の有機的な連携や各相談支援機関の対等な連携を進める。ワンストップの相談窓口等の一元的・包括的な相談支援体制の整備を検討。
        2. 人材育成等の支援
          • 関係機関において相談支援に当たる人材の確保、育成及び資質の向上を推進。
          • 相談支援に当たる人材へのケア等の支援により定着を促進。
      3. 見守り・交流の場や居場所づくりを確保し、人と人との「つながり」を実感できる地域づくりを行う
        1. 居場所の確保
          • 人との「つながり」を持つ場や相談等の場となり、地域コミュニティの形成・維持にも資する「居場所」づくりや担い手の増大を推進。NPO等が利用しやすい支援の在り方を検討。
          • 「つながり」の場づくりそのものを施策として評価。
        2. アウトリーチ型支援体制の構築
          • 支援を求める声を上げることができない当事者を支援につなげることができるよう、当事者の意向や事情にも配慮したアウトリーチ型の支援を推進。NPO等が利用しやすい支援の在り方を検討。
        3. 保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの推進
          • かかりつけ医等と医療保険者が協働し、加入者の健康面や社会生活面の課題について情報共有しながら、加入者の重症化予防に必要な栄養指導等の保健指導の実施や地域社会で行っている相談援助等の活用を進めることで、加入者の健康面及び社会生活面の課題を解決するための取組を推進。社会的支援に公的施設を活用する取組も推進。
        4. 地域における包括的支援体制の推進
          • 孤独・孤立の問題を抱えている、あるいは陥りやすい当事者に対して、地域の専門職等による継続的・緊急的支援、当事者が選択して役割を見出せる場となる地域コミュニティへつなぐ支援、コミュニティ(職場・世帯)間移動の支援等を行う各種制度での対応を充実。
          • 包括的支援体制の構築のツールである地域福祉計画の下で、福祉と教育の連携(例えば、子どもが通う学校を起点・拠点として問題を早期に把握して地域での支援へつなぐ仕組み)、福祉と雇用・就労や住まいの連携など、各分野の取組を有機的に連携させて分野横断的に、当事者を中心に置いた包括的支援体制を推進。
          • 地域において当事者を重層的に支えるセーフティネットを構築し、小学校区や自治会等の地域の実情に応じた単位で人と人とのつながりを実感できる地域づくりを推進。
      4. 孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動をきめ細かく支援し、官・民・NPO等の連携を強化する
        1. 孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動へのきめ細かな支援
          • NPOや福祉関係法人等の活動(人材育成を含む)に対して継続的・安定的にきめ細かな支援を実施。
        2. NPO等との対話の推進
          • 対策が当事者のニーズ等に即してより効果的なものとなるよう、NPO等との対話により、官民一体で孤独・孤立対策の取組を推進。
          • NPO等が当事者への支援を進めるに当たって必要な場合には、当事者の意向にも配慮しつつ、個人情報の取扱いに関する先行事例等の情報をNPO等や地方自治体へ提供・共有。
        3. 連携の基盤となるプラットフォームの形成支援
          • まずは各種相談支援機関やNPO等の連携の基盤となる全国的なプラットフォームの形成の支援により、人と人とのつながりを実感できる地域づくりや社会全体の気運の醸成を図りつつ、官民一体で孤独・孤立対策の取組を推進。
        4. 行政における孤独・孤立対策の推進体制の整備
          • 孤独・孤立の問題への対応や官・民・NPO等の連携を円滑に進める観点から、地方自治体(特に基礎自治体)における既存の取組も活かした孤独・孤立対策の推進体制の整備を促進。
          • 地方自治体における体制整備や、地域の実情に応じた施策の展開・底上げを支援するため、地方自治体に対し、政府の施策や好事例等の情報を提供・共有。
    3. 孤独・孤立対策の重点計画の基本的事項
      • 本重点計画に掲げられた施策の実施状況の評価・検証や、本重点計画の見直しの検討を、毎年度実施

~NEW~
首相官邸 行政改革推進会議(第46回)議事次第
▼資料1 令和3年秋の年次公開検証の取りまとめ(案)
  • 保健・医療等体制
    • 非常時における保健・医療等体制の在り方については、新型コロナウイルス感染症から得た教訓を踏まえ、まずは、国、都道府県・保健所設置自治体の役割や、どの主体がリーダーシップをとり責任を負うのかといったガバナンス関係を明確にすべきである。
    • 病床がひっ迫した問題については、病床の稼働率を向上させることが求められるが、そのためには、空き病床の把握と医療機関の役割分担、連携協力が不可欠である。自治体の成功事例から、軽症から重症、重症から軽快といった患者の症状の変化に応じた医療機関間の患者の円滑な受け渡し(いわゆる「上り」、「下り」の連携)が重要であることが再認識できたことからも、行政、医療機関だけでなく、国民目線に立って病床の見える化を進め、医療機関間の連携促進を図るべきである。
    • また、病床確保のための補助金等の支援については、その在り方について検討するとともに、今後、より的確な支援を迅速に行うためにも、医療機関の経営状況等の見える化(データ・ベース化)にも取り組むべきである。なお、第5波において自宅療養者が多く発生したことを踏まえ、オンライン診療のさらなる活用についても検討を行うべきである。
    • 国立病院機構等の公的病院の非常時における病床確保の在り方については、その機能や規模等も踏まえ、具体的に整理すべきである。
    • いわゆる「かかりつけ医」についての議論もあったが、医療機関の役割分担、自宅療養者の対応にも資することから、その在り方について検討を進めるべきである。
    • 非常時の保健所長に求められる資格要件・権限についても指摘があったことから、その在り方について整理、検討すべきである。
    • なお、非常時に備えた地域完結型の保健・医療等体制の構築に必要な取組、国の支援の在り方について整理、検討すべきである。また、医療資源の分散化の是正に向けた取組、病床機能の在り方、病院の機能分化、人材確保等について、第8次医療計画等においても、具体的方策を示すべきである。
  • 今後の円滑なワクチン接種に向けた課題の整理
    • 先行諸外国を上回る接種率を、関係する方々や国民の協力によって短期間で達成したことについては大いに評価できるとの意見が大勢であった。
    • 接種を安全かつ的確に行うために、国と地方が保有する情報に係る共有権限・管理権限や役割分担について検討すべき。
    • 国と地方及び地方自治体間で、デジタル技術も活用し、保有情報を共有したり、伝達したりする仕組み等について検討すべき。
    • 国民・社会に対する適切な情報提供の在り方等を検討すべき。
    • 緊急時の円滑なワクチン接種にあたり、何が適切かも含め、KPIの設定について検討すべき。
    • 今回のワクチン接種の経験を踏まえ、国と地方の新たな役割分担の検討に生かすことが望まれる
  • 子供の貧困・シングルペアレンツ問題
    • 昨年の秋のレビュー以降、各府省において、指摘を受け止め、様々な取組が着実に進められていることは評価できるが、手薄になっている取組や、支援策等は存在するものの十分に活用されていないと思われる施策があることから、更に「ワンストップ化」「プッシュ型」の支援の実現を加速するために、関係府省において、こうした施策の改善を図っていく必要がある。また、指摘がありながら、取り組まれていない諸課題についても、迅速な検討が必要である。
    • 文部科学省、厚生労働省においては、申請に使えるツールの見直し、拡充を含め、支援を受ける側、支援を行う側双方の事務負担、心理的ハードルを下げる措置を講じること等により、支援メニューの活用を促す取組を進めるべきである。また、SNSやICTの活用など、利用者がアクセスしやすい仕組みの構築も検討すべきである。また、利用者の利便性を増すための申請基準の整合化、申請書類の統一化も検討を要する。
    • 内閣府、文部科学省、厚生労働省においては、子供に関わる部局間の連携・NPO等との連携が一層進むよう、先進事例を参考にしつつボトルネックの分析を進め、意識改革も含めた取組を進めるべきである。その際、自治体内外の壁となり得る個人情報保護に係る問題については、早急に整理し、具体例を盛り込んだ「ガイドライン」を策定し、自治体へ通知するべきである。
    • 内閣府、文部科学省、厚生労働省において、今後の取組を進めるに当たっては、各地方自治体における福祉部局と教育部局の連携強化・一体的体制の構築など、教育部局が把握した情報をいち早く福祉部局に共有し、潜在的に支援を必要としている親に対する支援に繋げるための方策を含め、検討を進めるべきである。また、地方自治体の努力によって、現行制度でもできることがあることを踏まえれば、地方自治体自身の創意工夫や努力も求められる。
    • 内閣府、文部科学省、厚生労働省においては、学校を拠点とすることを前提とするのではなく、あらゆる子供が保護や支援を受けられるように、子供に対する直接的支援や学校外教育クーポンの制度化などの提案を踏まえ、貧困の連鎖を断ち切る教育を実現するための学習支援の更なる充実を早急に検討すべきである。また、高校中退者に対する支援等の在り方を検討し、子供の成長に応じた切れ目のない支援の実現に取り組むべきである。
    • 文部科学省、厚生労働省においては、スーパービジョン体制の構築や研修等による支援を行う側の質の向上・キャリアアップを図り、高い意欲と能力を有する者の待遇改善につなげるために実効性のある取組を行うべきである。また、NPO等の積極的活用によるマンパワーの確保、支援現場におけるICTの利活用についても促進を図るべきである。
    • 内閣府、文部科学省、厚生労働省において、これらの取組を進めるに当たっては、今般のコロナ禍の中で顕在化した問題にも配慮しつつ、状況に応じて必要な計画・施策の見直しを行うべきである。

~NEW~
消費者庁 年末年始等に帰省の際は、実家等で消費者トラブルが起きていないかご確認ください!
  • 年末年始に帰省の際、高齢者に多い消費者トラブルが起きていないか実家等の様子を確認しましょう。
  • スマートフォン上で閲覧しやすいリーフレットを作成しましたので、こちらを活用しながら身近な方々と消費者トラブルについて話し合い、ご家族でトラブルを防止しましょう。
▼帰省したら…実家でトラブルが起きていないか確認を
  • 架空請求
    • 身に覚えのない請求をされた場合、慌てて相手に連絡をしたりお金を支払ったりしないようにしましょう。
  • 送り付け商法
    • 注文していないのに一方的に送り付けられた商品は、直ちに処分可能。金銭の支払い義務なし!
  • 定期購入お試しのはずが…
    • インターネット通販では、お試しのつもりで申し込んだら定期購入になっていたというトラブルが増加!
  • インターネット回線
    • 料金が安くなると言われて別業者に乗り換えたけど、認識と違う契約になっていたというトラブルも。
  • 偽サイト・不審サイト
    • ほしかった商品が格安になっているサイトがあったら、それは偽サイトかもしれません
  • 不要なリフォーム、点検商法
    • 「補助金と保険金が受給できると勧誘されて屋根工事の契約をしたが虚偽だった」という相談も。

~NEW~
総務省 「デジタル社会における多様なサービスの創出に向けた電気通信番号制度の在り方」
▼別紙1 情報通信審議会からの答申
  • 制度見直しから約2年半が経過したところであるが、電気通信市場や社会環境の変化が進み、多様なサービスが新たに出現してきており、これらに係る電気通信番号のニーズや課題等に対応していく必要が出てきている。
  • このうち、携帯電話の音声サービスについては、一部のMVNOから、自社設備をホストMNOの設備と接続することにより、能動的に多様な付加価値サービスの創出・提供を実現するため、音声伝送携帯電話番号の指定を自ら受けたいとの要望が寄せられている。また、BWAの音声利用についても、「デジタル変革時代の電波政策懇談会」(令和2年11月~令和3年8月)では、それを認める方向で検討することを促している。
  • そのほか、電話転送サービスについては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止や、社会全体のデジタル化の促進等によるテレワーク需要の増大も受けて、その利用ニーズが高まっているところ、クラウドPBXの普及をはじめとする技術の進展もあったことから、固定電話番号に係る制度の見直しを求める意見も寄せられている。
  • 電気通信番号制度に関連するこれらの現状や今後の動向を踏まえ、デジタル社会における多様なサービスの創出を促進する観点から、音声伝送携帯電話番号の指定の在り方等及び固定電話番号を使用した電話転送役務の在り方について検討を行ってきたものである。
  • MVNO等への音声伝送携帯電話番号の指定の可否
    • 我が国においては、音声伝送携帯電話番号の指定を受けるためには、携帯電話に係る基地局の免許等を受けていることが条件の1つとなっているなど、現状、MNOにのみ同番号を指定することを想定して同番号の指定条件が設定されているといえる。
    • 他方、諸外国においては、例えば、欧州ではイギリス、フランス、ドイツにおいて、また、アジアでは韓国において、MVNOも音声伝送携帯電話番号の指定を受けることが制度的に可能となっている
    • このように、諸外国において、MVNOも番号指定を受けることが可能な国も一定程度存在し、我が国においてもMVNO等からの要望があり、MVNOにおいてMNOと同等のサービスを提供できることが見込まれる場合、携帯電話に係る基地局の免許等の条件を今後も維持し続ける積極的理由に乏しいと考えられる。
    • また、関係者ヒアリングにおいて、MVNOからは、単に音声伝送携帯電話番号の指定を要望するという趣旨だけでなく、基本的な音声伝送役務に加えて、MNOが行っていない新たなサービスを提供すること等により利用者ニーズに応えつつ、市場の活性化、国際競争力の強化等に寄与していく考えが示されており、これを促進していくことが電気通信の健全な発達に資すると考えられる。
    • 加えて、今般の検討においては、MNO等からは、音声伝送携帯電話番号の指定の条件の同等性を確保すること、音声接続に関する課題の検討が必要であること等についての意見・指摘はみられたが、「MVNO等に音声伝送携帯電話番号を指定すること」については、反対する意見はみられなかった。
    • 以上を踏まえると、電波政策的な観点からのBWAの音声利用に関する今後の検討に留意する必要はあるものの、MVNO等に対しても、一定の要件の下、音声伝送携帯電話番号の指定を行うことに支障はないと考えられ、これを基本として電気通信番号制度その他の関連制度の見直しを行うことが適当である。
  • MVNO等への音声伝送携帯電話番号の指定の条件
    • 音声伝送携帯電話番号の指定を受けるMVNOに対して、携帯電話に係る基地局の免許等に代わる条件として、少なくとも、以下の条件を新たに設け、これらを適用することが適当である。
      1. 音声呼の制御に必要な設備(IMS18又はこれに相当する設備)を設置すること
      2. 加入者情報の管理・認証に必要な設備(HLR/HSS19又はこれに相当する設備)を設置するとともに、IMSI20の指定を受けること
      3. MNOが提供エリアとする全国での発着信が可能となるようホストMNOとの連携を行うこと
    • MVNO等がMNOと同等の携帯電話の音声伝送役務を提供するためには、MVNO等の音声伝送役務を提供するための電気通信設備についても、MNOと同等の技術基準に適合することが求められ、これを確保するためには、MVNO等に対し、現行の技術基準と同等の条件を適用することが適当である。
    • MVNO等に対し、固定電話番号又は音声伝送携帯電話番号のいずれかの指定を受けた電気通信事業者との間での通話を可能とすること等を求める現行の基準を適用することが適当である。
    • MVNO等による緊急通報の提供については、関係者ヒアリングにおいてその意向が一部で示されているように、自ら「全国の緊急通報受理機関に接続する」ことも排除されないが、提供エリア(ローミングエリアを含む。)の全部又は一部のエリアにおいて、ホストMNO等のネットワークを介した緊急通報の実現も認めることが適当である。
    • 番号ポータビリティに関する条件については、電気通信番号の指定を受ける電気通信事業者として一定の対応が求められるが、引き続き、現行と同様の基準を適用することが適当である。
  • 音声伝送携帯電話番号の指定単位
    • MVNO等に対しては1万番号単位で音声伝送携帯電話番号を指定する一方で、MNOに対しては、引き続き、10万番号単位で指定することが適当である。
    • なお、指定番号単位が混在することにより、既存事業者への影響も想定されるが、今後、こうした課題についても対応を検討していくことが適当と考えられる
  • 060番号の音声伝送携帯電話番号への開放時期
    • 引き続き、需要の動向は注視していく必要があるが、今後、総務省において、060番号の開放が適時適切に行えるよう、電気通信市場の環境変化も踏まえながら対応していくことが適当である。
    • データ伝送携帯電話番号の指定の条件に関し、携帯電話に係る基地局の免許等を受けていることについては、少なくとも、音声伝送携帯電話番号の指定を受けるMVNO等に対して適用しないこととする(又は、音声伝送携帯電話番号の指定を受けたMVNO等であることを代替として認める)方向で、制度の見直しを検討することが適当である。なお、携帯電話に係る基地局の免許等の条件に代わる条件として、前述の3つの条件に相当する条件を設定することも考えられる。今後、総務省において、データ伝送携帯電話番号の指定の条件に関する要望等を踏まえつつ、検討していくことが適当である。
    • MNOが音声伝送携帯電話番号の指定を受ける場合は「端末系伝送路設備及び当該設備に接続される利用者の端末設備」を識別するものとし、MVNO等が音声伝送携帯電話番号の指定を受ける場合は「利用者の端末設備」を識別するものとして、その識別対象を分離する案や、全体を見直して、「携帯電話又はPHSに係る役務」を識別する案も考えられる。いずれにしても、現行の規定を維持する場合に具体的にどのような支障が生じるか、また、どのように規定することが電気通信番号計画の全体をみて整合的か、などを踏まえつつ、総務省において、見直しの必要性も含めて検討することが適当である。
  • 特殊詐欺等の現状と対策
    • 従来の携帯電話を用いた特殊詐欺に代わり、電話転送機能を悪用して、相手方に「03」等の固定電話番号を表示させたり、官公署を装った電話番号への架電を求めるはがきを送りつけたりする手法が増加している。こうした状況を踏まえ、令和元年6月に犯罪対策閣僚会議により決定された「オレオレ詐欺等対策プラン」の下、総務省においては、警察庁とも連携しながら、「特殊詐欺に利用された固定電話番号の利用停止」や「電話転送サービス事業者に対する指導監督の強化」などに取り組んでいる。
    • このような政府の取組を受け、電気通信事業者では、特殊詐欺に利用された固定電話番号について、令和2年中に3,378件の利用停止を実際に行っている。
    • 委員会において、特殊詐欺等の現状・対応ついて、関係者ヒアリングを行ったところ、次のような意見があった。
      • 過去の電話詐欺に関する新聞記事において、捜査関係者によると、詐欺グループは、番号購入の際に身元確認が厳しい大手電話会社ではなくて、元請再販業者が転売した2次・3次の再販業者から入手して足をつきにくくしていること、都内で2019年に起きたニセ電話詐欺の9割は固定電話番号が使われていたことなどの状況が報じられている。
      • 電話番号と住所というのは、普通はセットで消費者の側に示されるものであると考える。電話番号が示す場所に拠点がない場合の転送電話番号利用というのは虚偽の住所を使っていることがほとんどであろうと推測できるし、あるいは電話のみを使ってだます手口のものに使われていると推察される。
      • 事業者は警察から利用状況や利用者に関して照会を受けることがあるものの、照会時にその背景等の説明はないため、不適正な利用を知ることはできない。しかし、協会を通じて警察庁や捜査機関との意見交換を行い、不適正な利用の実態把握に努め、対策について議論している。(JUSA)
      • 提供している転送電話を利用したサービスで不適正な利用を認知したことはない。事業者として特殊詐欺利用の番号と判断することはなく、警察等からの情報に基づく場合に限られる。警察庁との間のスキームにより、利用停止の要請をいただいた番号については、利用停止を行っている。(KDDI)
      • 通信の内容については把握していないため、犯罪を認知することはできない。捜査事項照会があった際にも、照会理由は付されていないため知り得ない。(まほろば工房)
      • 捜査機関からの捜査事項照会はあるものの、照会の理由や目的は明かされないのが通例であることから、当社が犯罪の事実・実態を知ることはほぼ不可能である。(三通テレコム)
    • 「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺は、令和2年において、認知件数が13,550件、被害額約285億円と依然高い水準にある。特殊詐欺の被害者は、65歳以上の高齢者が8割を占めるとされ、また、特殊詐欺を行うツールとして、固定電話番号を使用した電話転送役務が利用されている実態がある。
    • 総務省においても、関係省庁と連携して、これまでどおり取組を進めていく必要がある。
    • そのほか、各事業者や自治体等においても特殊詐欺による被害防止に資する取組を行っており、一定の効果があると考えられる。例えば、通話録音機能付き端末(特殊詐欺対策アダプター)から、録音した通話内容をクラウド上の特殊詐欺解析AIにより解析し、特殊詐欺の疑いがある場合に、契約者本人や親族等に注意喚起を行うサービスが一部の電気通信事業者から提供されている。また、メーカーからは、防犯機能付きの電話機が販売されている。加えて、自治体では、特殊詐欺の被害防止のための地域住民に向けた周知・啓発活動を地元警察等と共同で行ったり、防犯機能付きの電話機の購入補助を行ったりしている
    • バーチャルオフィスの運営者は、同オフィスの利用者に対し、電話転送、電話受付代行、郵便物の転送等のサービスも行っていると考えられる。このようなバーチャルオフィスの運営者による電話転送サービスは、提供の実態が不透明なものになっている。
    • また、関係者ヒアリングにおいても、業界団体からは、電気通信番号使用計画の認定を受けていないと見られる者が多数あり、これを放置することは電気通信番号制度におけるモラルハザードにつながることから、違反事業者や犯罪利用を繰り返し発生させる者の指導等を進めていくことが重要である旨が指摘されている。
    • これらを踏まえ、電気通信番号の不適正利用を防止し、制度運用の適正化を図っていく必要がある
  • 本人確認及び最終利用者の拠点確認
    • 固定電話は、国民生活や社会経済活動において重要な役割を担うことが期待されており、引き続き、地理的識別性及び社会的信頼性を確保していくことが重要である。
    • このため、固定電話番号を使用した電話転送役務については、引き続き、本人特定事項や番号区画内における活動の拠点の有無を確認するという条件を課していくべきである。
    • また、最終利用者が勤務・居住するなどしている「活動の拠点」に対して、固定電話番号により識別される固定端末系伝送路設備の一端が設置されることについては、引き続き原則とすべきである。
    • 他方で、固定端末系伝送路設備に関し、その一端の設置場所について、最終利用者の実際の居所とせずに、それと同一の番号区画内のDC等とし、インターネットや携帯電話回線を用いて当該DC等と最終利用者との間を転送しているサービスも少なからず存在している。
    • 利用者の利便性の観点からは、このような事例の許容についても、利用者の実際の居所及びDC等が同一の番号区画に存在するという条件の下で、引き続き継続すべきである。この場合において、固定端末系伝送路設備の一端については、固定端末設備等を接続できるようにし、転送によらない固定電話を利用可能な状態としておくべきである。
    • 「発信転送」及び「着信転送」の定義については、利用者の実際の居所ではないDC等における転送を許容するのであれば、転送すべき呼が着信する「端末設備等」に関しては、「利用者」に所有権・利用権があると明記する必要はないなど、技術の進展による実態を踏まえて適切に見直すべきである
  • 不適正利用を踏まえた今後の制度運用の在り方
    • 関係者ヒアリングにおいて、固定電話番号を使用した電話転送役務を提供しているにもかかわらず、電気通信番号使用計画の認定を受けていない者が存在し、こうした者に対する検挙・指導を進めるべきとの意見があった。総務省においても、認定を受けていない者への指導等をこれまで行ってきているが、制度運用の安定性・適切性を確保し、利用者が安心してサービスを利用できる環境を整備していく観点から、こうした者に対する指導等の取組を一層充実させていくことが重要と考えられる。
    • このような取組を進めていく上で、その実効性を確保するため、日頃から行政、電気通信事業者等が情報共有を行い、問題事例が生じた場合の対応方策をはじめ、諸課題の改善に向けて連携して取組を進めていくことを目的として、関係者による連絡会のような組織を設置することが適当である。
    • また、電話転送役務に係る電気通信番号制度について、利用者・事業者の双方の理解が深まるよう取り組むことが、不適正利用の防止に資すると考えられ、適切に周知・広報を行っていくことが重要と考えられる。
    • このため、総務省において、今後も電話転送役務に係る電気通信番号制度の一層の周知・広報に努めるとともに、利用者がより安心して電話転送役務を利用することができるようにするため、電気通信番号使用計画の認定を受けた電気通信事業者名等を公表することなどについて、検討することが適当である。これにより、電気通信事業者間での数次卸等の取引においても、相手方が電気通信番号制度に関して必要な手続を受けているかを確認することで、一定の信頼性が生まれることになると考えられる。
    • なお、経過措置については、現状、その適用を受けた電気通信事業者からは期限までに何らかの対応を行うことが示されており、役割を終えることになると認められることから、予定どおり現行制度の施行後3年経過をもって措置期間を終了し、特例的に許容されてきた事項については廃止の方向とすることが適当である。
  • バーチャルオフィスへの対応
    • バーチャルオフィスについては、そのサービスの趣旨からみて、レンタルオフィスやシェアオフィスと異なり、それを活動の実態が伴う場所と整理することには無理があると考えられる。バーチャルオフィスの運営者による電話転送役務の提供例をみると、最終利用者の活動の拠点の場所の如何にかかわらず、電話転送役務を提供しているものもみられる。すなわち、最終利用者は、バーチャルオフィスと異なる番号区画の場所に活動の拠点を置きながら、固定電話番号を使用した電話転送役務の利用が可能となっている状況がみられる。
    • この点、現行の電話転送役務に係る電気通信番号の使用に関する条件に照らせば、「固定端末系伝送路設備の一端」が設置されているバーチャルオフィスの住所(クラウドPBXによる電話転送役務の場合は、そのDC等の住所)と、最終利用者の実際の「活動の拠点」が同一の番号区画内に存在しない場合には、当該条件を満たしていない状態が生じていると考えられる。
    • バーチャルオフィスの運営者が最終利用者に電話転送役務を提供することは、通常、電気通信事業に該当するものと考えられ、電気通信事業法の規律が適用される。すなわち、バーチャルオフィスの運営者は、電気通信番号制度においても、電気通信番号の使用に関する条件に従い、電気通信役務を提供することが求められる。
    • 総務省では、バーチャルオフィスについて問合せがあれば、「法人登記をしたバーチャルオフィスの住所は、最終利用者の活動の拠点ではない」ことを説明する等の対応は行ってきているが、現行制度の施行に際して設けた経過措置の適用を受ける電気通信事業者には拠点への設備設置確認等の条件の適用を一部免除していることから、これまで電気通信番号制度上の適用関係を必ずしも明確に示してこなかった経緯がある。
    • このため、総務省において、電気通信番号使用計画の認定の申請に関する手引きを改正するなどにより、バーチャルオフィス等の運営者・最終利用者に対する固定電話番号を使用した電話転送役務の提供に係る電気通信番号の使用に関する条件の適用関係について、分かりやすく整理の上、公表すべきである。
    • 加えて、既に提供されているバーチャルオフィス等の運営者による固定電話番号を使用した電話転送役務に関し、電気通信番号の使用に関する条件を満たさない最終利用者が存在する場合、当該最終利用者において適正な電気通信番号の利用となるよう、関係事業者等とも連携しつつ、制度の厳格な運用を図るべきである。

~NEW~
金融庁 業界団体との意見交換会において金融庁が提起した主な論点
▼主要行等(令和3年11月10日)
  • 事業者支援について
    • 感染の落ち着きにより経済活動は徐々に再開されてきたが、事業者の状況については、引き続き、売上の回復スピードは緩やかであるといった、厳しい見方も聞かれている。政府では、まもなく経済対策を策定し、事業者への支援を行っていくが、地域経済と事業者の状況を丁寧に把握し、最適な支援を行っていただきたい。
  • 改めて、以下をお願いしたい。
    • コロナの影響により資金繰りが厳しい事業者の状況を十分に勘案し、事業者の立場に立った最大限柔軟な資金繰り支援を徹底すること、
    • 事業者の経営改善・事業再生・事業転換支援等を、スピード感をもって進めること
  • 還付金詐欺被害の増加について
    • 新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、在宅の機会が増えたことに乗じた還付金詐欺などの被害が増加する中、各行において、70歳以上の顧客についてATMにおける振込限度額を設定するなど、被害の拡大防止に向けた取組みを実施しているものと承知。
    • しかしながら警察庁の統計によれば、令和3年に入ってから、還付金詐欺の認知件数・被害金額が増加しており、特に60代後半の高齢者を狙った還付金詐欺が急増している
    • こうした犯罪被害の発生を防止するため、前述の被害状況を踏まえた預金者の啓発・注意喚起や、ATM周辺での携帯電話の利用自粛など、預金者の保護に向けた取組みを引き続き検討・実施いただきたい。
  • 電話転送サービスを悪用した不正送金について
    • 通信事業者の提供する電話転送サービスを悪用し、銀行が本人確認のために用いるIVR認証を不正に利用する手口が確認されている。
    • 関係省庁の協力・申入れもあって、現在、複数の通信事業者において、こうした電話転送サービスの悪用防止に向けた検討を進めているところ。
    • これまでに確認されてきた不正送金などの手口も踏まえ、例えば、IVR認証とSMS認証を併用したセキュリティの高度化を図るなど、いま一度、不正送金の防止に向けた対策の強化を検討いただきたい。
  • 国内不動産向け与信に関するモニタリング結果について
    • 長引くコロナ禍が経済活動に様々な影響を与える中、国内不動産向け与信に関しては、バブル崩壊時やリーマンショック時に多額の与信コストが発生したことも踏まえ、昨年に続けて実態把握を実施した。
    • その結果、以下が確認された。
    • 各行とも商業・ホテル関連の不動産について厳しい見方をしている一方、物流関連の不動産ではEコマース拡大による底堅い需要増を見込むなど、セクターによって市況認識が異なること
    • リーマンショック以降、与信先の選別やコベナンツ強化等の与信管理の改善に取り組んできたことから、引き続き与信コストの発生見込みは限定的であること
    • 各行とも、リスク管理を行いつつも資金需要にはしっかりと対応する方針に変わりないこと
    • 国内不動産向けについては、コロナ禍を契機とした不動産需要の変化に伴うリスクや、主要中銀の金融政策変更による海外からのマネーフローの変化などの不確実性に留意し、十分なリスク管理の下で、適切な金融仲介機能発揮を継続していただきたい。
  • 顧客本位の業務運営に関する「金融事業者リスト」の公表等について
    • 11月10日、金融庁ウェブサイトにて、9月に続き、「金融事業者リスト」を公表した。リストへの掲載対象は、顧客本位の業務運営に関する原則を採択した金融事業者でリストへの掲載を希望する旨の報告(9月30日期限)があった先のうち、原則の各項目と各金融事業者の取組方針との対応関係が明確であることが確認できた先のみとなる。
    • 9月の意見交換会で申し上げたとおり、「金融事業者リスト」の作成は、昨年8月の金融審議会市場ワーキング・グループ報告書の提言を踏まえている。金融事業者からの報告内容をみると、取組状況を検証、評価するのに役立つ事例も見受けられる。
    • 具体的には、例えば、「顧客にふさわしいサービスの提供(原則6)」におけるアフターフォローなどのサービスに関して、「定期的」や「丁寧」などといった抽象的・主観的な表現ではなく、どのような場合に実施するか・目的・内容等を具体的・定量的に示しているもの、更には、「動機づけの枠組み等(原則7)」について、業績評価の項目として、単に「顧客本位に資する」といった抽象的な説明ではなく、具体的な評価項目を示しているものがある。
    • 他方で、引き続き、「見える化」の施策が顧客向けであることが必ずしも理解されていないと見受けられる先もある。
    • 金融庁としては、取組状況のモニタリングも含め、金融事業者と対話を行い、好事例の公表を行う予定である。各金融機関においては、来年に向けて取組方針に基づく取組状況の整理を意識して対応していただきたい。
  • 10月開催のG20の成果物について
    • 10月に開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議及び首脳会議について、主要な成果である以下を紹介したい。
      1. サステナブルファイナンス
      2. クロスボーダー送金の改善
      3. FATFにおける暗号資産・ステーブルコインを巡る議論
      4. ノンバンク金融仲介
    • サステナブルファイナンス
      • G20傘下に設置されているG20サステナブルファイナンス作業部会(SFWG)が策定した「G20サステナブルファイナンスロードマップ」及び「統合レポート」が承認された。ロードマップでは、気候と持続可能性に関するSFWGの今後複数年にわたる作業計画等が示されている。
      • 具体的な項目として、わが国が主張してきたトランジションファイナンス、すなわち、脱炭素化に向け、グリーンかグリーンでないかという二元論でなく、排出削減が難しいセクターの着実な移行を支援する取組みの必要性が広く認識された。今後SFWGがトランジションファイナンスに関するハイレベル原則を策定する予定。
      • 今後の課題として、サステナブルファイナンスの対象を気候変動だけでなく、生物多様性や社会問題にも徐々に広げることの重要性が、G20で共通の認識となっている。10月31日に公表されたG20ローマ首脳宣言においては、特に生物多様性などに関する財務情報開示の作業の重要性が認識されている。このほか、COP26や、生物多様性に関して気候変動と同様に定量的な目標設定などを目指す国際会議(COP15)についても、その議論をぜひフォローしていただきたい。
    • クロスボーダー送金の改善
      • クロスボーダー送金の改善については、費用・速さ・透明性・アクセスの4つの課題の対処に向けた定量目標が承認され、2027年末までにグローバルな平均送金コストを1%以下に引き下げることを目指す等、野心的な目標となっている。まずは目標のモニタリングに必要なデータの収集方法等について日本銀行や民間決済事業者等と議論を行うなど、実現に向けて公的部門と民間部門の連携を進めてまいりたい。
    • FATFにおける暗号資産・ステーブルコインを巡る議論
      • FATFにおける暗号資産・ステーブルコインを巡る議論については、「2回目の12ヵ月レビュー報告書」(21年7月公表)及び「改訂暗号資産ガイダンス」(21年10月公表)の2つが公表された。前者の報告書は、特に暗号資産(と暗号資産交換業者)に係るFATF基準の早期実施を求めている。これを踏まえ、後者のガイダンスは、ステーブルコインがFATF基準の対象であること等を明記している。したがって、例えば本邦金融機関がステーブルコインを取り扱う場合には、当然、FATF基準の遵守が必要となり、本報告書及びガイダンスに沿った対応が期待されることとなる。なお、金融庁は、FATFにおいてこれらを担当するコンタクト・グループの共同議長として作業に貢献した。
    • ノンバンク金融仲介
      • ノンバンク金融仲介(NBFI)については、新型コロナウイルス感染症の拡大による昨年3月の市場の混乱を踏まえ、金融安定理事会(FSB)及び証券監督者国際機構(IOSCO)をはじめとする各基準設定主体において分析作業が進められ、G20首脳会議に進捗報告書が提出された。関連して、マネー・マーケット・ファンド(MMF)に関する政策オプションを示す最終報告書も公表されている。
    • G20/OECDコーポレートガバナンスコードの見直し
      • G20の財務大臣・中銀総裁及び首脳からは、G20/OECDコーポレートガバナンスコードの見直しへの期待が示された。コロナ後を見据えた経済回復に資する重要な作業であり、今後の企業運営に大きく関係するため、各金融機関の意見もよく伺いつつ、国際的な議論に貢献してまいりたい。
  • COP26の議論・成果物について
    • 10月31日から11月12日に開催されたCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)について紹介したい。
    • 首脳級、大臣級、様々な会合が開催されたが、特に、11月3日、開催国である英国が「FinanceDay」と定め、行われた議論内容について共有したい。各国政府・団体主催の会議が行われ、気候変動問題へ対処するための公的・民間資金の役割について議論された。主な項目は2点
    • 一点目として、IFRS財団の傘下でサステナビリティ開示の基準を策定予定の国際サステナビリティ基準審議会(International Sustainability Standards Board)の設置が公表され、日本を含む各国政府や各基準設定主体が歓迎の意を表明した。
    • 二点目として、民間セクターでの取組みとして、マークカーニー前イングランド銀行総裁が議長を務め、日本の金融機関も参加しているGFANZ(The Glasgow Financial Alliance for Net Zero)の活動報告も行われた。民間資金の一層の拡大は、新たな産業・社会構造への転換を促すために不可欠なものである。こうした民間部門の取組みについて、引き続き情報をいただけると幸い。
    • 今後、COP26での議論を受けて、2050年ネットゼロに向けた官民の具体的な対策は実装段階に入っていく。金融庁としては、(1)排出削減が難しいセクターの着実な移行、すなわちトランジションファイナンス、(2)生物多様性などの気候変動以外のテーマの扱いについて、引き続き、各金融機関と連携して取り組んでまいりたい。
▼全国地方銀行協会(令和3年11月17日)/第二地方銀行協会(令和3年11月18日)
  • REVICareer(レビキャリ)の積極的な活用について
    • 金融庁は、令和2年度より「地域企業経営人材マッチング促進事業」を開始。大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創出し、地域企業の経営人材確保を支援している。
    • 10月1日より、地域経済活性化支援機構(REVIC)に整備する大企業人材の情報登録システム(通称「REVICareer(レビキャリ)」)が本格稼働を開始。
    • 有料職業紹介事業の許可を受けている地域金融機関等が、大企業人材リストを閲覧することが可能となり、10月以降、多くの地域金融機関からレビキャリの利用申込をいただいており、協力に感謝申し上げる。
    • 年明けからは、地域金融機関が地域企業の求人情報をアップロードし、それを大企業が閲覧する機能がシステムに追加される予定。大企業からは、地域企業の求人ニーズを具体的に知ることができれば、社内での登録呼びかけをしやすくなるという意見もいただいている。将来的には、求人情報を閲覧した大企業側から地域金融機関へのアプローチも期待できると考えている。11月末には具体的な手続きについての説明会を行う予定としており、求人情報の積極的な登録に協力いただきたい。
    • レビキャリを積極的に活用いただきながら、人材マッチングも含めた地域企業の経営課題解決支援等に取り組んでいただきたい。
  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策について<第二地銀協のみ>
    • 継続的な顧客管理について
      • 継続的顧客管理については、マネロンガイドラインでも対応すべき事項の1つとして、2024年3月末までに態勢整備をお願いしている。
      • 3月に金融庁が公表した「マネロンガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」において、リスクに応じた簡素な顧客管理(SDD)という考え方を示しているが、その内容について、わかりづらいとの声があることは承知している。
      • そのような声を踏まえ、現在、SDDについて、よりわかりやすくお示しできないか検討を行っているところ。
    • マネロン広報について
      • 金融庁としても、政府広報含め、各業界団体と連携して、国民の皆様に、マネロン・テロ資金供与対策に係る確認手続きについて広報活動等を行う予定である。
      • 広報についても、金融業界から、より広く国民へ周知してほしいとの声があることから、その意見を踏まえ、今後の広報活動等について検討してまいりたい。
▼日本証券業協会(令和3年11月16日)
  • 証券会社を取り巻く足元の状況について
    • 証券会社の2021年9月期の決算を見ると、市場の好調を反映し、全体としては、業績が比較的好調だった会社が多いと認識。こうした状況の良いときこそ、持続可能な経営の確立に向けて、経営がリーダーシップを発揮していただくことが重要。
    • そのためには、顧客本位の営業は大前提。その観点からは、最近、ラップ口座や仕組債、外国株・外国投資信託の販売などが伸びているが、顧客の理解の上での販売を徹底することが重要。
    • 顧客の信認なくして持続可能な経営はあり得ず、経営陣においては、現場の隅々まで顧客本位の営業が徹底されるよう、目を配っていただきたい。
  • 金商業者向け監督指針の改正について
    • 協会が令和2年9月に公表した「プリンシプルベースの視点での自主規制の見直しに関する懇談会」報告書における要望も踏まえ、11月9日、金商業者向け監督指針を改正し、投資信託の販売・乗換え勧誘上の留意点等について、真に顧客の投資目的や理解度に応じた説明が行われるよう、プリンシプルベースでの見直しを行った。
    • 具体的には、投資信託の勧誘に係る留意事項において、販売手数料の保有期間に応じた1年あたりの負担率の説明に係る記載を削除したほか、投資信託の乗換えに関する重要事項の説明に係る留意事項において、(1)顧客への具体的な説明事項を削除し、顧客の理解度に応じて、乗換えが顧客の投資目的に沿ったものであるか顧客が判断するために必要な事項の説明を行う旨を記載、(2)顧客への説明状況の検証に係る社内管理体制の構築に関し、社内記録の作成等の例示を削除し、実効的な検証を求める内容としたといった改正を行った。
    • ただし、画一的に説明を減らしてよいということでは当然なく、本改正の内容・趣旨を十分踏まえ、顧客の状況に応じた適切な説明を行うよう心掛けていただきたい。
  • IOSCOのAI/MLに係る最終報告書の公表について
    • 9月7日、IOSCOは、「人工知能(AI)及び機械学習(ML)を利用する市場仲介者及び資産運用会社むけのガイダンス」を公表した。
    • 同ガイダンスは、AI及びMLの利用について、「既存のプロセスの効率性を高め、投資サービスのコストを削減し、他の活動のためにリソースを開放することによって、市場仲介者、アセットマネージャー、投資家に利益をもたらす」と述べる一方で、「リスクを生み出したり、増幅させたりすることで、金融市場の効率性を損ない、消費者や他の市場参加者に損害を与える可能性もある」という警鐘も鳴らしている。
    • こうした状況認識を踏まえ、同ガイダンスでは、「適切なガバナンスやコントロール」、「十分な知識・経験を有するスタッフの配置」、「強固で一貫性のある開発とテスト」、「適切な情報開示」等に関する措置が示されている。
    • 市場仲介者及び資産運用会社にとっては、AI及びMLを利用する場合に期待される行動規範を示したものとなっているため、参照いただきたい。
  • IOSCOのアウトソーシング原則について
    • IOSCOは、10月27日に最終報告書「アウトソーシングに関する原則(Principles on Outsourcing)」を公表した。
    • 本原則は、外部委託を行うに際して、様々な市場参加者が考慮すべき基本的な原則を記載したもの。対象となる市場参加者としては、取引所、市場仲介業者、マーケットメイカーなど自己勘定ベースで活動する市場参加者、信用格付会社などを想定している。
    • 拘束力はなく、IOSCOによる実施状況レビューも予定されていない、業界向けの文書である。また、本原則は、外部委託の規模・複雑性・リスクに応じて適用され実施されるべきとされており、杓子定規な適用を想定したものではない。
    • 本原則は、外部委託先の選定プロセスとモニタリング、契約交渉、情報セキュリティの確保、秘密保持、特定の外部委託先への業務集中、外部委託先の保有する情報へのアクセス、外部委託契約の解除など、外部委託先に関与する様々な局面において考慮すべき原則と、その実施に向けたガイダンスを記載している。
    • 有益な記載が含まれるため、外部委託関係の検討をされる際には参照いただければ幸い。
▼日本暗号資産取引業協会(令和3年11月4日)
  • 金融行政方針について
    • 8月31日、本事務年度の金融行政方針を公表した。毎年、事務年度のはじめに、金融庁として進める施策の方向性を明らかにするもの。
    • 暗号資産関連ビジネスは目まぐるしく変化している中で、暗号資産交換業者におけるビジネスモデルや内包するリスクを適切に把握し、フォワードルッキングな監督業務を実施するため、ビジネスモデルにかかるヒアリングや、財務リスク等の把握、経営管理態勢及び業務運営態勢の適切性にかかるモニタリングを実施する方針。
    • また、新規の業登録に関して、審査プロセスの透明性を維持しつつ、より迅速に登録審査を進めることとしている。
    • 現在、暗号資産交換業者においては、NFT関連事業やIEOの取扱いなど、従来の暗号資産交換業に含まれないものも含めた新たな業務が開始・検討されているため、イノベーションの促進と利用者保護のバランスに留意しつつ、モニタリングしていくべき範囲や深度、着眼点を検討していきたい。
  • 暗号資産移転における通知義務対応について
    • 貴協会で検討中の通知義務、いわゆる、トラベルルールの自主規則については、来年4月に施行される予定で検討が進められていると承知している。引き続き、会員各社と連携して対応いただきたい。
      1. FATF(金融活動作業部会)における暗号資産を巡る議論
        • 暗号資産・暗号資産交換業者に関するFATF基準についての2回目の12ヵ月レビュー報告書
        • 7月5日に公表された「2回目の12ヵ月レビュー報告書」については、各国に暗号資産にかかるFAFT基準の早期実施を要請するとともに、トラベルルールに関して、官民双方に早期実施を要請している。FATFとしては、来年6月に、これらの進捗状況を整理することとしており、各国における進捗に注目が集まっている状況。
      2. 暗号資産及び暗号資産交換業者に対するリスクベースアプローチに関するガイダンス
        • 2019年6月の暗号資産及び暗号資産交換業者に関するFATF基準の最終化とともに採択していたFATFの暗号資産ガイダンスの改訂版が10月28日に公表された。主要な改訂テーマは、(1)FATF基準の適用範囲(VA,VASPの定義)(2)P2P取引のリスク削減、(3)ステーブルコイン、(4)トラベルルールなど。
        • 例えば、トラベルルールに関しては、取引相手の暗号資産交換業者のデューデリジェンス、通知すべき情報・タイミング等について記載しており、トラベルルール実施に向けた自主規制規則策定や業務運営に有益な情報が盛り込まれているところ、是非参考にしていただきたい。
        • 金融庁は、FATFにおいて本件を担当するコンタクト・グループの共同議長国として、これらの作業に貢献してきた。こうした点も踏まえ、ガイダンスの詳細な内容については、今後、業界向けにも説明・意見交換等を行っていく。
        • 報告書・ガイダンスは、先日のG20財務大臣・中央銀行総裁会合コミュニケでも言及されており、国際的な関心も非常に高い。金融庁は、今後とも、国際的な議論に貢献するとともに、そこで得た知見・情報を国内関係者にも幅広く共有していく方針。
  • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策について
    1. FATF第4次対日審査の公表等について
      • FATFの第4次対日審査報告書が8月30日に公表された。
      • 今回の対日審査では、前回審査以降の取組みを踏まえ、日本のマネロン・テロ資金供与対策の成果が上がっているとの評価を得た。同時に、日本の対策を一層向上させるため、金融機関等に対する監督の強化等に優先的に取り組むべきとされている。
      • 当報告書の公表を契機として、政府は今後3年間の行動計画を策定・公表している。「行動計画」の中で、金融庁は、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策の監督強化、金融機関等による継続的顧客管理の完全実施を含む、リスク低減策の高度化、取引モニタリングの共同システム実用化の検討等に取り組んでいくこととしている。
      • これらの対策は、利用者の官民が連携してしっかりと対応していく必要があることから、引き続き、マネロン・テロ資金供与対策の高度化の取組みへの協力をお願いしたい。
    2. デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会について
      • 金融庁では、7月に「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」を設置し、送金手段や証券商品などのデジタル化のあり方等について、金融のデジタル化が加速していることを踏まえ、民間のイノベーションを促進しつつ、利用者保護などを適切に確保する観点から、これまで4回にわたり議論が行われた。
      • 直近(11月1日)開催された第4回研究会においては、(1)パーミッションレス型の分散型台帳等を利用した金融サービスに関する基本的な課題、(2)ステーブルコインを巡る諸課題等について議論が行われた。
      • ステーブルコインを巡る諸課題等については、引き続き、金融審議会資金決済ワーキンググループにおいて制度整備に向けた論点について議論が行われる予定。
      • 研究会には、貴協会もオブザーバーとして出席しているが、今後、制度整備の検討に当たっては、意見を伺うこともあるかと思うので、協力をお願いしたい。

~NEW~
金融庁 (株)モルフォ役員による内部者取引に対する課徴金納付命令決定の取消しについて
  • 金融庁は、被審人に対して、平成30年12月20日に課徴金納付命令決定(内容は下記のとおり)を行いましたが、令和3年1月26日、同決定にかかる課徴金納付命令取消請求事件において同決定を取り消す判決が出され、同年11月24日、同控訴事件において、控訴棄却の判決が出され、同年12月9日、判決が確定しました。
  • これにより、同決定は取り消されました。
  • 決定の内容 平成28年度(判)第35号金融商品取引法違反審判事件
    • 被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。
      1. 納付すべき課徴金の額 金133万円
      2. 課徴金の納付期限 平成31年2月21日

~NEW~
金融庁 金融審議会「市場制度ワーキング・グループ」(第13回) 議事次第
▼資料1 事務局説明資料(経済成長の成果の家計への還元促進)
  • 顧客本位の業務運営に関するこれまでの取組-「顧客本位の業務運営に関する原則」
    • 家計の安定的な資産形成の実現に向けて、インベストメントチェーンの各金融事業者は、短期的利益の追求ではなく、顧客本位の良質な金融商品・サービスを提供することが求められてきた。こうした中、より良い取組を行う金融事業者が顧客から選択されるメカニズムの実現を目指して、2017年3月に「顧客本位の業務運営に関する原則」(以下「FD原則」)が策定された。
    • 【7つの原則】
      1. 顧客本位の業務運営に関する方針の策定・公表等
      2. 顧客の最善の利益の追求
      3. 利益相反の適切な管理
      4. 手数料等の明確化
      5. 重要な情報の分かりやすい提供
      6. 顧客にふさわしいサービスの提供
      7. 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等
    • 2021年1月にはFD原則を改訂し、求められる具体的な取組内容についての記載を充実させたほか、重要情報シートを導入。あわせて、適合性原則違反等の不適切事例にはルールベースで適切に対応するため、監督指針の改正を実施。
      • 顧客本位の商品提案力の向上(顧客のライフプラン等を踏まえたポートフォリオに基づく商品提案、業横断的に類似商品や代替商品と比較した提案)
      • 商品提供後の適切なフォローアップの実施
      • 金融商品の組成に携わる金融事業者による想定顧客属性の公表
      • リスクや手数料、利益相反等の情報を比較できるよう、各業者・商品毎の共通の情報提供フォーム(「重要情報シート」)の導入
    • 顧客本位の業務運営の足元の状況には進展がみられるが、重要情報シートの導入状況や記載内容に課題もあるなど、道半ば。
  • 重要情報シートの導入状況
    • 投資家がより自身にふさわしい金融商品等を選択できるよう、金融審議会市場WGにおいて、金融商品等の販売・推奨にあたり、顧客に対し、(1)重要な情報を分かりやすく、(2)業態を超えた類似の商品と比較しやすい形で提供する観点から、「重要情報シート」の導入が提言された。
    • 導入状況にバラつきはあるものの、主要行・大手証券会社等では、一部の投資信託や特定保険について順次導入が開始されている一方、仕組債、ファンドラップ、外貨建て債券等については、導入が進んでいない。
    • 導入済みの重要情報シートについては、幅広い商品で定型的な記載が多く見受けられるなど、多様な商品の比較を行いやすくするという重要情報シートの趣旨実現に向けては道半ば。
  • 仕組債の販売状況
    • 仕組債の販売額は近年増加傾向。こうした中、仕組債の販売に関する苦情も寄せられている。
    • こうした状況を受け、日証協では顧客への注意喚起文書の交付や重要事項説明等、リスク説明のための取組を行っている。他方、商品性にかかわる情報であるコストは開示されていない(顧客にはコストを内包した販売価格のみが提供される)。また、重要情報シートも導入されていない。
    • 欧州ではプロダクトガバナンスの観点から、仕組債のコストとして、販売価格と公正価格の差額が開示されている。また、米国でも目論見書の表紙に仕組債の推定価値を記載することが要請されている。
  • ファンドラップの販売状況
    • 個人向け投資一任であるファンドラップの契約件数は近年増加傾向。
    • 顧客が負担するコストは、ファンドラップ手数料のほか、投資一任受任料や組入れ対象ファンドの信託報酬があり、コスト控除後のパフォーマンスはバランス型投資信託の平均と比べて総じて劣後している。
    • ファンドラップの重要情報シートは一部で導入が始まった段階。導入事例では、ファンドラップがバランス型投資信託と類似した商品であること、バランス型投資信託の中にはファンドラップよりも管理費用が割安な商品があること等が指摘されている。
  • 投資信託の費用開示
    • 顧客の商品選択において、費用の比較は重要なポイントとなる。しかしながら、事前に料率が確定しない一部の費用が契約前に開示されておらず、そうした費用が信託報酬以上の大きさになっているファンドもある。こうした状況に対し、事後に運用報告書で開示されている直近の「総経費率」を、契約前に提供する取組が業界で検討されている。なお、「総経費率」においても、顧客が間接的に負担する費用のうち、売買委託手数料等、一部が含まれていない。
    • また、信託報酬については、そこに含めるべき費用が統一されていない。例えば、目論見書等の法定書類の作成に係る費用を、「信託報酬」に含めて計上して事前開示しているファンドがある一方、「その他費用」に分類し、事前の開示ではあたかも費用が少ないように見えるファンドもある。
  • 同一ベンチマークに連動するインデックスファンドの費用体系
    • 同一ベンチマークに連動するインデックスファンドについて、一つの販売会社・資産運用会社において信託報酬水準の異なる複数のファンドが取り扱われており、例えば日経225連動型の投資信託では、ミリオン(従業員積立投資プラン)向け銘柄で1.6%以上と高くなっている。
    • こうした中、販売会社においては、対面取扱の投資信託の信託報酬を、運用会社と協議の上、同一ベンチマークの最低水準に統一するとともに、最低水準でない銘柄を非勧誘とする取組が見受けられる。
    • 信託報酬の異なる複数の類似商品を取り扱う場合は、重要情報シートの質問例を活用するなどにより、信託報酬がより低く、顧客利益に資すると見込まれる商品を勧めることが期待される。
  • 顧客に対する交付書面のデジタル化と顧客本位の業務運営の観点からの情報提供の推進
    • 現状、顧客に対する交付書面については、顧客の意思表示があれば、電磁的方法による情報提供が可能とされている。
    • 加えて、顧客に対して重要情報シートを使用して所定の事項を適切に説明した場合には、目論見書等の電子提供が可能である。
    • これらの措置に加えて、目論見書、契約締結前交付書面、契約締結時交付書面及び投資信託の運用報告書を含む顧客交付書面の原則デジタル化についての要望が、日本証券業協会から規制改革推進会議に寄せられたところ。先般(12月2日)、日本証券業協会及び金融庁に対するヒアリングが行われ、対応が求められている。
    • ヒアリングにおいては、スケジュール感を持って原則デジタル化についての検討を進めるべき、顧客の理解向上の観点から情報提供方法を検討して顧客にベストな形で進めるべき、原則デジタル化の対象とする顧客の範囲を類型化することも検討すべき(販売会社への電子メールアドレス登録者、一定年齢以下の者等)、販売会社の業務効率化に配慮すべき、といった論点が指摘されたところ。
  • 顧客の資産形成に向けた金融商品取引業者等のアドバイスの重要性
    • 「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」によれば、リスク性金融商品の購入にあたって、金融機関からの提案を受けたことがないとの回答が約4割を占める一方、提案を参考にするとの回答が過半数を占めており、金融機関の提案に対するニーズが見られる。
    • 金融商品取引業者においては、証券取引の単なる仲介業務に留まらず、顧客の資産形成に係るコンサルティングやアドバイスに重点を置いたビジネスモデルへの転換の動きが一層進んでいる。
  • 金融商品取引業者の残高連動手数料の例
    • 金融商品取引業者が顧客の資産形成に係るコンサルティングやアドバイスを重視する中で、株式売買等の都度に徴収する従来型の手数料(都度手数料)に代えて、顧客の預り資産残高に応じた包括的な手数料(残高連動手数料)を導入する動きが見られる。
    • 有償の投資顧問契約に基づいて投資助言を提供する場合、投資助言・代理業(金融商品取引業)に該当するが、残高連動手数料方式による投資助言を投資助言・代理業として提供するか、付随業務(金融商品取引業に非該当)として提供するか、金融商品取引業者間で対応が分かれている。また、投資助言を金融商品仲介業者(いわゆるIFA)が提供する例も見られる。※米国では、証券会社(broker-dealer)が残高連動手数料を徴収して投資助言を提供する場合、通常、投資助言業者(investment adviser)の登録が必要。
    • なお、金融商品取引業者からは、投資助言・代理業を選択しない理由として、投資助言・代理業に係る規定の一部が負担になる、という意見がある。
  • 二種ファンドを巡る状況
    • 第二種金融商品取引業者が運営する高利回りを謳うファンドの参入が相次ぐ中、足元、いわゆる「ソーシャルレンディング(注)」において、ファンドの運用内容や運用財産の管理状況の確認、運用先に対するモニタリング等が不適切な問題事例が発生。(注)インターネットを用いてファンドの募集を行い、投資家からの出資を企業等に貸し付ける仕組み
    • ソーシャルレンディングを含む第二種金融商品取引業者がオンラインで運営するファンドの販売・運用に適用される金融商品取引法上のルールと、類似のファンドの販売・運用に適用されるルールに相違が見られる。
  • 投資信託(委託者指図型)の運用財産の適切な管理・保全のあり方
    • 投資信託(委託者指図型)の委託者(投資運用業者)及び受託者(信託銀行等)には、投資家である受益者に対する善管注意義務及び忠実義務等様々な行為規制が課せられている。
    • こうした中、足元で、海外ファンドへの投資を通じたファンド・オブ・ファンズ形式の投資信託において、委託者・受託者共に、投資先の運用体制、運用方法や運用財産の管理・保全状況を把握していない事案が発生。
  • 販売・勧誘できる顧客についての基準
    • 金融商品・サービスが多様化する中、投資家保護の観点から、複雑でリスクの高い商品等、一部の商品について販売・勧誘をすることのできる顧客について基準が設けられている。
    • 具体的には、金融商品取引法上、個人向け店頭デリバティブ商品等について不招請勧誘の規定が置かれている。また、日本証券業協会や二種業協会の自主規制規則では協会員が勧誘開始基準や取引開始基準を策定することが求められており、これを受けて各協会員は基準を定めている。
  • 資産運用会社の運用高度化
    • 「資産運用業高度化プログレスレポート」(2020年・2021年公表)において、資産運用会社に関し、顧客利益の観点からのガバナンスの強化、目指す姿・強みの明確化、顧客への商品内容や運用状況の分かりやすい説明やファンド本数・内容の適正な管理を含むプロダクトガバナンスの強化等、運用高度化の重要性を指摘。
    • 国内資産運用会社において、運用高度化に向けた問題意識が高まりつつあり、取組に一定の進展が見られる。ガバナンスや競争力の強化の観点からより実効性のある取組とし、中長期的に良好で持続可能な運用成果の実現や資産運用残高拡大に繋げていくことが重要。
    • 英国では、FCA(金融行為監督機構)が、市場調査(Asset Management Market Study)及び監督活動の結果を踏まえ、資産運用会社が顧客に対して提供する価値について従来十分に考慮せず、価値の低い商品が提供されてきたことで、投資家が不利益を受けてきたと指摘。
    • こうした認識の下、FCAは、米国のファンドガバナンスを手本に、資産運用会社に対し、2名かつ全体の25%以上の独立取締役の設置や年次での「value for money」(手数料に見合った価値)の評価・開示を求めるなど、制度改正を含む一連の施策を実施。資産運用会社のガバナンスの改善を起点として、顧客利益の向上を図っている。
    • 米国SEC(Securities and Exchange Commission)は2020年3月、投資家保護の観点から、1940年投資会社法に定めるファンド名称規制(Names Rule)に関するパブコメを実施。
  • 金融リテラシー等に関する調査結果
    • 「リスク性金融商品販売に係る顧客意識調査結果」によれば、リスク性金融商品を購入しない理由として、「余裕資金がないから」、「資産運用に関する知識がないから」、「購入・保有することに不安を感じるから」という回答の割合が比較的高い。
    • 「金融リテラシー調査 2019年」によれば、国際的にみても、日本の金融リテラシーの水準は高いとは言えない状況にある(特に、「複利」、「インフレ」、「分散投資」)。また、前回調査(2016年)からの大きな変化は見られない。
  • 討議事項
    • 家計の資産形成に向けた市場仲介者の役割
      • 販売者・運用会社がプロフェッショナリズムを発揮し、家計の安定的な資産形成を実現していくため、今後、どのような取組が必要か。
    • 顧客への金融商品・サービス提供のあり方
      • これまで顧客本位の業務運営の進展に向け、「重要情報シート」による顧客への分かりやすい情報提供や適切な対象顧客設定、顧客本位の商品提案力の向上等の取組が進められてきた。他方、
        • 「重要情報シート」の導入状況や商品の「費用」や比較についての情報提供の内容、
        • 対象顧客設定の適切性、さらには、
        • 顧客のポートフォリオ全体を踏まえた提案、
        • デジタルツールを活用した分かりやすい情報提供
        • 等の課題が指摘されている。こうした課題に適切に対応するためには、どのような対応が必要か。
        • このほか、顧客本位の業務運営を進め、経済成長の成果の家計への還元を促進する上で、どのような課題への対応が優先度が高いと考えられるか。
      • 金融商品取引業における助言の本業化・預り資産残高重視への動き等も踏まえ、顧客への勧誘・説明や助言について、顧客の最善の利益の確保、受託者等としての責任の発揮を促していくため、どのような取組が必要か。
      • 最近のソーシャルレンディングや投資信託を巡る不正事案等を踏まえ、投資家保護の確保等のために、どのような取組が必要か。
    • 資産運用の高度化等
      • 資産運用について、運用機関のガバナンスの強化等を通じてその高度化を図るとともに、投資商品に関するプロダクトガバナンス(顧客の利益に資する商品組成・提供・運用・管理)をより適切に実践していくうえで、海外の動向も踏まえつつ、どのような取組が必要か。
    • 家計の資産形成に向けた金融リテラシーの向上
      • これまでの金融経済教育への取組とその成果も踏まえ、投資家被害を防ぐとともに、家計の資産形成に向けた取組を後押しし、ライフプランに応じたポートフォリオを構築していくため、どのような金融リテラシーの向上の具体的な取組が考えられるか。

~NEW~
金融庁 第17回金融審議会公認会計士制度部会議事次第
▼資料1 事務局資料
  • 公認会計士制度の見直しの方向性(案)
    1. 登録制の導入
      • 上場会社等の財務書類についての監査証明業務(以下、「上場会社監査」)を行う監査事務所は、日本公認会計士協会(以下、「協会」)への登録を受けることとする。
    2. 登録時の適格性の確認
      • 登録を受けようとする監査事務所は、協会に登録申請を行い、協会から上場会社監査を実施する者としての適格性の確認を受けることとする。
      • 例えば、業務停止処分中でないことや、「一定の社員数」を有すること等が考えられるか
      • 「一定の社員数」とは、例えば、-現行の公認会計士法において、監査法人に対し、公認会計士である社員を5人以上有することを求めていることに倣い、制度導入当初は「公認会計士である社員を5人以上有すること」とした上で、-制度導入後、協会が実施する中小監査事務所への育成支援による体制整備の進展を踏まえながら見直していくことが考えられるか。
    3. 登録後の継続的な規律付け
      • 登録を受けた監査事務所には、上場会社監査に係る体制整備や情報開示について、登録を受けていない監査事務所より高い規律付けを設ける。
      • 例えば、監査法人のガバナンス・コードの受け入れや、充実した情報開示を求めることなどが考えられるか。
      • 現行の公認会計士法上、監査法人には、業務及び財産の状況に関する事項を記載した説明書類を作成し、公衆の縦覧に供することが求められている。上場会社監査を行う者に対し、充実した情報開示・付加的な情報開示を求めるべき事項は何か。また、それらを法令で定めるべきか又は自主規制に委ねるべきか。
      • 現行の公認会計士法上、公認会計士個人が上場会社監査を行うことも許容されているが、単独で監査を行うことは原則として認められておらず、他の公認会計士若しくは監査法人と共同し、又は他の公認会計士を補助者として使用して行わなければならないこととされている。上場会社監査を担う公認会計士については、今後、協会が実施する中小監査事務所への育成支援を通じて、組織的な対応に向けた取組みを促すことが考えられるか。
      • 登録後に上場会社監査を公正・的確に実施する体制が整備されていないこと等が確認された場合、協会は、登録を取り消すことができることとする。
    4. 被監査会社側の手当て
      • 金融商品取引法の規定により上場会社等が提出する財務書類について、登録を受けた監査事務所から監査証明を受けなければならないこととする。
      • 公認会計士法上の立入検査等の権限について、金融庁から公認会計士・監査審査会へ権限委任する範囲を見直し、業務の運営の状況に関して行われるものか否かに関わらず、公認会計士・監査審査会において権限行使できることとする。
      • 監査法人の社員の配偶者が会社等の役員等である場合に当該監査法人の監査証明業務が制限されることとなる社員の範囲を、現行の全ての社員から、当該会等の財務書類について当該監査法人が行う監査証明業務に関与する社員等に限ることとする。
      • 組織内会計士の登録事項について、監査事務所以外の勤務先を記載することとする。
      • 公認会計士の資格要件である実務経験期間(業務補助等の期間)を、現行の2年以上から3年以上とする。
      • 継続的専門研修(CPE)の受講状況が著しく不適当な公認会計士について、資格審査会の議決に基づき、登録を抹消することができることとする。
      • 併せて、虚偽の申請等に基づいて登録を受けた場合や、2年以上継続して所在が不明である場合についても、資格審査会の議決に基づき、登録を抹消することができることとする。
      • (参考)資格審査会は、協会に設置される機関であり、公認会計士等の登録の拒否(公認会計士の信用を害するおそれがある者など)や抹消(公認会計士が心身の故障により公認会計士の業務を行わせることがその適正を欠くおそれがあるとき)について必要な審査を行っている。協会の会長並びに公認会計士、金融庁の職員及び学識経験者のうちから委嘱される委員4人から構成される。

~NEW~
内閣府 令和4年度予算編成の基本方針
▼令和4年度予算編成の基本方針(令和3年12月3日閣議決定)
  1. 基本的考え方
    1. 我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さがみられる。先行きについては、経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、供給面での制約や原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、足元では新たな変異株の出現による感染拡大への懸念が生じていることから、新型コロナウイルス感染症による内外経済への影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。
    2. このように先行き不透明な中、岸田内閣では、最悪の事態を想定しつつ水際対策を行うなど、喫緊かつ最優先の課題である新型コロナウイルス感染症対応に万全を期し、感染症により大きな影響を受ける方々の支援等を速やかに行うべく必要な対策を講ずるとともに、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとした新しい資本主義を実現すべく精力的に取り組んでいるところである。
    3. まず、新型コロナウイルス感染症対応については、これまでも、感染状況や、企業や暮らしに与える影響に十分に目配りを行い、予備費なども活用して必要な対策を柔軟に行ってきているが、今般、新型コロナウイルス感染症の拡大防止、「ウィズコロナ」下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え、未来社会を切り拓く「新しい資本主義」の起動、防災・減災、国土強靱化の推進など安全・安心の確保を柱とする「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」(令和3年11月19日閣議決定)を策定したところであり、これを速やかに実行に移していく。
    4. 経済財政運営に当たっては、最大の目標であるデフレからの脱却を成し遂げる。危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期する。経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない。まずは、経済をしっかり立て直す。そして、財政健全化に向けて取り組んでいく。
    5. その上で、岸田内閣が目指すのは、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとする新しい資本主義の実現である。
      • 成長を目指すことは極めて重要であり、その実現に全力で取り組む。しかし、分配なくして次の成長なし。成長の果実をしっかりと分配することで、初めて次の成長が実現する。
      • 具体的には、科学技術立国の実現、地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」、経済安全保障の推進を3つの柱とした大胆な投資により、ポストコロナ社会を見据えた成長戦略を国主導で推進し、経済成長を図る。また、賃上げの促進等による働く人への分配機能の強化、看護・介護・保育等に係る公的価格の在り方の抜本的な見直し、少子化対策等を含む全ての世代が支え合う持続可能な全世代型社会保障制度の構築を柱とした分配戦略を推進する。
    6. 加えて、東日本大震災からの復興・創生、高付加価値化と輸出力強化を含む農林水産業の振興、老朽化対策を含む防災・減災、国土強靱化や交通、物流インフラの整備等の推進、観光や文化・芸術への支援など、地方活性化に向けた基盤づくりに積極的に投資する。
      • 年代・目的に応じた、デジタル時代にふさわしい効果的な人材育成、質の高い教育の実現を図る。2050年カーボンニュートラルを目指し、グリーン社会の実現に取り組む。
      • これまでにない速度で厳しさを増す国際情勢の中で、国民を守り抜き、地球規模の課題解決に向けて国際社会を主導するため、外交力や防衛力を強化する等、安全保障の強化に取り組む。
      • これまでの政府・与党の決定を踏まえた取組を着実に進めるとともに、財政の単年度主義の弊害を是正し、科学技術の振興、経済安全保障、重要インフラの整備などの国家課題に計画的に取り組む。
  2. 予算編成についての考え方
    1. 令和4年度予算編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症への対応に万全を期すとともに、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現に向けて、上記1.基本的考え方を踏まえる。
    2. 具体的には、新型コロナウイルス感染症の克服に向け、国民を守る医療提供体制や検査体制の確保、変異株を含む新たなリスクに対する万全の備えのためのワクチン・治療薬等の研究開発、雇用・事業・生活に対する支援等を推進する。
    3. また、「コロナ後の新しい社会」を見据え、成長と分配の好循環を実現するため1.⑤に掲げる成長戦略、分配戦略などに基づき予算を重点配分する。また、1.⑥のとおり、東日本大震災を始め各地の災害からの復興・創生や防災・減災、国土強靱化等に対応するとともに、現下の国際情勢に的確に対応し、国家の安全保障をしっかりと確保する。
    4. あわせて、「経済財政運営と改革の基本方針 2021」(令和3年6月18日閣議決定)における令和4年度予算編成に向けた考え方に基づいて、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえつつ、メリハリの効いた予算とする。また、いわゆる「16か月予算」の考え方で、令和3年度補正予算と、令和4年度当初予算を一体として編成する。その中で、単年度主義の弊害是正のため必要に応じ新たに基金を創設する等の措置を講じていく。加えて、EBPMの仕組み等を活用し、適切かつ効果的な支出を推進する

~NEW~
内閣府 移植医療に関する世論調査
  • 臓器移植に関心があるか聞いたところ、「関心がある」と答えた者の割合が65.5%、「関心がない」と答えた者の割合が30.9%となっている。
  • 臓器を提供する・しないについての意思表示をすることができる方法を知っていたか聞いたところ、「医療保険の被保険者証の裏面の臓器提供意思表示欄」を挙げた者の割合が63.5%、「運転免許証の裏面の臓器提供意思表示欄」を挙げた者の割合が61.9%と高く、以下、「臓器提供意思表示カード」(34.4%)などの順となっている。なお、「いずれも知らなかった」と答えた者の割合が10.3%となっている。
    • 臓器提供の意思表示について、どのように考えるか聞いたところ、「臓器提供に関心があるが、臓器を提供する・しないは考えていない」と答えた者の割合が42.9%、「臓器提供に関心があり、臓器を提供する・しないを考えている」と答えた者の割合が13.3%、「臓器を提供する・しないは決めたが、意思表示するまでは考えていない」と答えた者の割合が10.7%、「臓器を提供する・しないは決めており、意思表示することを考えている」と答えた者の割合が5.0%、「既に意思表示をしている」と答えた者の割合が6.7%、「既に意思表示したことを、家族または親しい方に話している」と答えた者の割合が3.5%となっている。なお、「関心がない」と答えた者の割合が16.0%となっている。
  • 臓器提供の意思表示をしていない理由は何か聞いたところ、「臓器提供に不安感があるから」を挙げた者の割合が34.3%と最も高く、以下、「臓器提供に抵抗感があるから」(27.1%)、「自分の意思が決まらないからあるいは後で記入しようと思っていたから」(22.6%)などの順となっている。
  • 臓器提供について知っていることは何か聞いたところ、「日本の臓器提供数は、欧米諸国と比べて少ない」を挙げた者の割合が49.0%、「提供したくないとの意思表示を行うことができる」を挙げた者の割合が46.9%、「脳死になると回復することはない」を挙げた者の割合が43.5%などの順となっている
  • これまでに家族や親しい方のうちどなたかと臓器提供について話をしたことがあるか聞いたところ、「話をしたことがある」とする者の割合が43.2%(「しばしば話をしたことがある」1.8%+「たまに話をしたことがある」21.5%+「一度話をしたことがある」20.0%)、「話をしたことがない」と答えた者の割合が56.2%となっている。
  • 仮に、自分が脳死と判定された場合または自分の心臓が停止し死亡と判断された場合に、臓器提供をしたいと思うか聞いたところ、「提供したい」とする者の割合が39.5%(「提供したい」15.3%+「どちらかといえば提供したい」24.2%)、「どちらともいえない」と答えた者の割合が35.8%、「提供したくない」とする者の割合が24.3%(「どちらかといえば提供したくない」10.7%+「提供したくない」13.6%)となっている。
  • 仮に、家族の誰かが脳死と判定された場合または心臓が停止し死亡と判断された場合に、本人が臓器提供の意思を書面によって表示をしていた場合、その意思を尊重するか聞いたところ、「尊重する」とする者の割合が90.9%(「尊重する」44.3%+「たぶん尊重する」46.6%)、「尊重しない」とする者の割合が8.4%(「たぶん尊重しない」5.4%+「尊重しない」3.0%)となっている。
  • 仮に、家族の誰かが脳死と判定された場合または心臓が停止し死亡と判断された場合に、本人が臓器提供について何も意思表示をしていなかった場合、臓器提供を承諾するかどうかは家族の総意で決まるが、家族の臓器提供を決断することに対し負担を感じるか聞いたところ、「負担に感じる」とする者の割合が85.6%(「大いに負担に感じる」25.8%+「負担に感じる」36.5%+「少し負担に感じる」23.3%)、「負担に感じない」とする者の割合が13.9%(「あまり負担に感じない」7.2%+「負担に感じない」3.9%+「全く負担に感じない」2.8%)となっている。
  • 一部の病院では、入院した患者全員に対して、例えば、パンフレットの配布などの臓器提供に関する情報提供がされているが、自身あるいは家族が入院した際に臓器提供に関する情報を知りたいと思うか聞いたところ、「知りたい」とする者の割合が66.3%(「よく知りたい」13.5%+「ある程度知りたい」52.7%)、「知りたくない」とする者の割合が32.6%(「あまり知りたくない」24.3%+「知りたくない」8.3%)となっている。
  • 「骨髄バンク」について知っているか聞いたところ、「知っている」と答えた者の割合が75.7%、「知らない」と答えた者の割合が23.3%となっている。
  • 「骨髄バンク」について「知っている」と答えた者(1,290人)に、「骨髄バンク」を知ったきっかけは何か聞いたところ、「テレビ・ラジオ」を挙げた者の割合が85.0%と最も高く、以下、「新聞・雑誌・書籍」(41.9%)などの順となっている。
  • 「骨髄バンク」へのドナー登録状況について「登録していない」と答えた者(1,269人)に、「骨髄バンク」にドナー登録していない理由は何か聞いたところ、「痛み、後遺症などの骨髄の提供による身体的不安を感じるから」を挙げた者の割合が42.2%と最も高く、以下、「年齢制限・健康上の理由により登録できないから」(32.9%)、「ドナー登録方法や骨髄を提供するまでの流れがわからないから」(31.1%)、「骨髄の提供に抵抗感があるから」(26.1%)などの順となっている。
  • 「骨髄バンク」について「知らない」と答えた者(397人)に、「骨髄バンク」にドナー登録したいと思うか聞いたところ、「登録したい」とする者の割合が14.4%(「登録したい」2.3%+「どちらかといえば登録したい」12.1%)、「登録したくない」とする者の割合が82.9%(「どちらかといえば登録したくない」48.6%+「登録したくない」34.3%)となっている。
  • 「骨髄バンク」へのドナー登録意思について「どちらかといえば登録したくない」、「登録したくない」と答えた者(329人)に、「骨髄バンク」にドナー登録したくない理由は何か聞いたところ、「痛み、後遺症などの骨髄の提供による身体的不安を感じるから」を挙げた者の割合が42.6%、「年齢制限・健康上の理由により登録できないから」を挙げた者の割合が40.7%、「骨髄の提供に抵抗感があるから」を挙げた者の割合が31.9%と高く、以下、「入院費用や休業による収入減などの骨髄の提供による経済的不安を感じるから」(19.5%)などの順となっている。

~NEW~
内閣府 令和2年「公益法人の概況及び公益認定等委員会の活動報告」
▼概要
  • 令和2年12月1日の公益法人は9,614法人(前年比+33)である。公益法人数の変動は、公益認定又は移行認定により増加し、法人の解散、公益認定の取消し及び合併に伴う減少がある。
  • 社員員(公益社団法人)は、社員総会に参加して議決権を行使する。社員総会は、定款変更、役員の選解任等を行う権限を有する公益社団法人の最高議決機関である
  • 評議員については3名以上でなければならない。評議員によって構成される評議員会は、定款変更、役員の選解任の権限を有する公益財団法人の最高議決機関である。
  • 理事は、一般法人の役員である。全理事で構成する理事会は、公益法人においては必置であり、法人の業務執行を決定し、理事の中から代表理事や業務執行理事を選定する権限と責任を有し、各理事の職務執行を監督する責任をもつ。
  • 公益法人には監事を置くこととされ、計算書類等の監査及び理事の職務執行の監査を行う。一定の場合には、法人の利益を守るための行動をとることが求められるなど、監事は法人の重要な機関である。
  • 公益目的事業を事業目的別に見ると、多い順に「19.地域社会発展」34.6%、「7.児童等健全育成」21.3%、「4.高齢者福祉」17.7%となっている
  • 公益目的事業を事業類型別に見ると、多い順に「(3)講座、セミナー、育成」67.4%、「(6)調査、資料収集」35.9%、「(5)相談、助言」33.4%となっている。
  • 公益目的事業を費用規模別に見ると、「1千万円以上5千万円未満」と「1億円以上5億円未満」の法人が多い
  • 公益法人制度においては、行政庁が、民間有識者からなる合議制の機関の意見に基づき、法人の公益性を認定することとされている。一般法人の公益認定、特例民法法人の移行認定・移行認可、公益法人の変更認定、一般法人の公益目的支出計画の変更認可、合併による地位の承継の認可等の申請に対し行政庁が処分をしようとする場合には、原則として、合議制の機関(行政庁が内閣総理大臣の場合は、公益認定等委員会)に諮問しなければならないとされている。また、合議制の機関は、報告徴収、立入検査等の結果を踏まえ、必要があると認めるときは、公益認定の取消し等の措置をとることについて、行政庁に勧告をすることができる

~NEW~
国民生活センター 家庭用ゲーム機でも! オンラインゲームの課金に注意
  • 内容
    • 事例:息子が家庭用ゲーム機でゲームのポイントを入手するために、約7万円課金していたことが分かった。ゲーム機にはクレジットカードを登録している父親のアカウントしかなく、息子は父親のアカウントでゲームをしていた。息子は動画サイトでポイントの入手方法を見てその通りにやったと言い、課金されているとは知らなかったようだ。ゲーム機会社に返金を申し出たが、断られた。(当事者:小学生 男児)
  • ひとことアドバイス
    • 家庭用ゲーム機でもインターネットに接続でき、課金してアイテムなどが入手できるゲームがあります。
    • 最近の家庭用ゲーム機では保護者用と子ども用のアカウントを分けて管理できるようになっています。子どもが保護者の許可なく課金しないように、保護者用のアカウントを子どもに使わせることは避けましょう。保護者用のアカウントで子どもが課金した場合、子どもが課金したと証明することが難しく、未成年者取消しが認められないことがあります。
    • 子どもの予期せぬ課金を防ぐためにも、ペアレンタルコントロール機能を利用しましょう。
    • オンラインゲームのルールについて、家族でよく話し合うことが大切です。
    • 困ったときは、すぐにお住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

~NEW~
国民生活センター 「光回線をアナログ回線に戻せば料金が安くなる」という勧誘にご注意ください-事業者名や契約内容をしっかり確認! アナログ回線に戻す手続きはご自身でも可能です-
  • インターネットの光回線の契約をしている消費者に対して、「アナログ回線(アナログ電話)に戻せば料金が安くなる」などと勧誘し、手続き代行やオプションサービスの料金として高額な請求をするいわゆる「アナログ戻し」のトラブルが増えています。
  • 年度別相談件数:2018年度は316件、2019年度は565件、2020年度は873件、2021年11月30日までの件数は1,398件です。
  • 相談事例:アナログ回線に戻すと安くなると説明をされて断ったのに生活サポートの契約をしたことになっていた
    • 大手通信会社を名乗る者から両親宅に電話があり、「インターネット回線を解約し電話をアナログ回線に戻すと今より料金が安くなる。アナログ戻しの工事をすれば費用をキャッシュバックする」と説明され、大手通信会社だと思い込んだ父が事業者の来訪を了承した。訪問してきた事業者から「指定期間に自分で電話会社にアナログ戻しを申し出るように。工事完了後にキャッシュバックする」と言われて、書面への記載を執拗に求められたが、不審に思った両親が断った。
    • しかし、事業者が勝手に置いていった書面を私が確認すると、月額約5,000円の生活サポートの契約を大手通信会社ではない別の事業者としたことになっていた。両親は契約内容を全く理解していないので解約させたい。(2021年10月受付 80歳代 男性)
  • 消費者へのアドバイス
    • 勧誘を受けた事業者名と契約内容をしっかり確認しましょう
    • 必要のない契約はきっぱり断りましょう
    • 光回線契約をアナログ回線に戻す場合には、NTT東日本またはNTT西日本に問い合わせましょう。手続きは消費者自身でも可能です
    • 不安に思った場合や、トラブルが生じた場合は、すぐに最寄りの消費生活センター等へ相談しましょう

~NEW~
国民生活センター フレームが破断した電動アシスト自転車(相談解決のためのテストから No.160)
  • 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。
    • 「電動アシスト自転車で走行中、フレームが破断した。破断した原因を調べてほしい。」という依頼を受けました。
    • 当該品はフレームがスチール製で折りたたみ可能な電動アシスト自転車でした。フレームの折りたたみ部の後方の、上側のパイプ材及び下側のパイプ材と、フランジとの突合せ溶接部で破断していました。
    • 当該品は破断する1年前に通信販売で購入して通学に使用しており、1日当たりの走行距離は25kmほどで、折りたたむ頻度は週3~5回程度、破断する以前の転倒は5回以下とのことでした。
    • 上側パイプ材と下側パイプ材の肉厚は共に約2mmでした。また、破断部全体に錆が見られました。上側パイプ材には変形が見られました。
    • 破断面を詳細に観察した結果、当該品のフレームは折りたたみ部において、最初に下側パイプとフランジとの突合せ溶接部が疲労破断し、このことによって上側パイプとフランジとの突合せ溶接部に過大な繰返し曲げ応力が作用し、疲労破断したものと考えられました。最初に下側パイプとフランジとの突合せ溶接部に亀裂が発生した原因は、溶接不良(母材に対する溶融金属の溶け込み不良)であると考えられました。
  • 依頼センターがテスト結果を製造販売事業者に伝えたところ、後日製造販売事業者から全額返金に応じること、同様な事例がないこと、テスト結果の今後の活用が伝えられました。

~NEW~
厚生労働省 第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」
  • 現状
    • 現行認定基準の策定から約10年が経過する中、労災請求件数は大幅に増加し、年に2,000件を超える状況となっている。
    • 平均処理期間はいったん短縮がみられたが、近年の請求件数の増加を反映して再び長期化傾向にあり、令和2年度の平均処理期間は8.5か月となっている。(調査・決定の流れは別紙のとおり。)
    • この間、働き方の多様化が進み、労働者を取り巻く環境も変化している。また、新たな医学的知見としてのストレス評価に関する調査研究等も行われ、裁判例、支給決定事例等の蓄積も進んでいる。
  • 課題
    • 今後も請求件数が増加することが考えられ、審査のより一層の迅速化、効率化を図る必要がある。
    • 現下の労働環境の変化等に対応するため、最新の医学的知見、裁判例、支給決定事例等を踏まえ、認定基準の全般にわたって検証を行い、より迅速かつ適切な業務による心理的負荷の評価等が行えるものとする必要がある。
  • 論点(案)
    • 以上を踏まえ、次のような事項の検討が必要ではないか。
      1. 精神障害の成因、認定要件とその考え方について
      2. 対象疾病について
      3. 業務による心理的負荷の評価について(具体的出来事の追加・修正・統合、出来事ごとの心理的負荷の強度、出来事が複数ある場合の評価、労働時間の評価、評価期間等)
      4. 業務以外の心理的負荷及び個体側要因の評価について
      5. 発病の有無、発病時期、悪化等の判断、自殺の取扱いについて
      6. 療養及び治ゆについて
      7. 認定基準の運用について
▼資料11 精神障害の労災認定の考え方について
  1. 精神障害の成因
    • 現行認定基準は、精神障害の成因について、下記のとおり「ストレス-脆弱性理論」に依拠している。この考え方は、現在の医学的知見等に照らしても、適当と考えてよいか。
    • (認定基準 第3 認定要件に関する基本的考え方(一部抜粋))
      • 対象疾病の発病に至る原因の考え方は、環境由来の心理的負荷(ストレス)と、個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まり、心理的負荷が非常に強ければ、個体側の脆弱性が小さくても精神的破綻が起こるし、逆に脆弱性が大きければ、心理的負荷が小さくても破綻が生ずるとする「ストレス-脆弱性理論」に依拠している。
    • (精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(平成23年11月)
      • 2 検討に当たっての基本的考え方 (3)成因に関する考え方(ストレス-脆弱性理論に基づく評価)
      • 精神障害の成因(発病に至る原因の考え方)として、判断指針及び11年報告書が依拠している「ストレス-脆弱性理論」は、平成11年以後の精神医学上の知見を考慮しても最も有力な考え方といえ、また、裁判例においても是認されている。したがって、本検討会においても、精神障害の成因としては、「ストレス-脆弱性理論」に依拠することが適当と考える。
        • (注)「ストレス-脆弱性理論」は、環境由来のストレスと個体側の反応性、脆弱性との関係で精神的破綻が生じるかどうかが決まるという考え方であり、ストレスが非常に強ければ、個体側の脆弱性が小さくても精神障害が起こるし、逆に脆弱性が大きければ、ストレスが小さくても破綻が生ずるとする考え方である。この場合のストレス強度は、環境由来のストレスを、多くの人々が一般的にどう受け止めるかという客観的な評価に基づくものによる。
  2. 認定要件の考え方
    • 「ストレス-脆弱性」理論に基づくとした場合に、現行認定基準の認定要件の基本的な考え方(※)は、現在の医学的知見等に照らしても、適当と考えてよいか。
    • ※精神障害を発病し、業務による強い心理的負荷が認められ、業務以外の心理的負荷及び個体側要因により発病したとは認められない場合に、業務上の疾病として取り扱うこととしている。
    • ※対象疾病の範囲や評価期間等の詳細については、次回以降検討。
    • (認定要件)
      • 対象疾病を発病していること。
      • 対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること。
      • 業務以外の心理的負荷及び個体側要因により対象疾病を発病したとは認められないこと。
    • 3 判断の基準となる労働者
      • 「ストレス-脆弱性」理論に基づくとした場合に、心理的負荷の強度を客観的に評価するに当たり、どのような労働者にとっての過重性を考慮することが適当か。
    • (認定基準 第3 認定要件に関する基本的考え方(一部抜粋))
      • この場合の強い心理的負荷とは、精神障害を発病した労働者がその出来事及び出来事後の状況が持続する程度を主観的にどう受け止めたかではなく、同種の労働者が一般的にどう受け止めるかという観点から評価されるものであり、「同種の労働者」とは職種、職場における立場や職責、年齢、経験等が類似する者をいう。

~NEW~
厚生労働省 「新型コロナウイルス感染症のいまに関する11の知識」を12月版に更新しました
▼(2021年12月版)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識 (※2021年12月7日掲載)
  • 日本では、これまでにどれくらいの人が新型コロナウイルス感染症と診断されていますか。
    • 日本では、これまでに1,722,664人が新型コロナウイルス感染症と診断されており、これは全人口の約1.4%に相当します。国内の発生状況などに関する最新の情報は、▼こちらのリンクをご参照ください:
  • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人や死亡する人はどれくらいですか。
    • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化する人の割合や死亡する人の割合は年齢によって異なり、高齢者は高く、若者は低い傾向にあります。
    • 重症化する割合や死亡する割合は以前と比べて低下しており、2020年6月以降に診断された人の中では、重症化する人の割合は約1.6%(50歳代以下で0.3%、60歳代以上で8.5%)、死亡する人の割合は約1.0%(50歳代以下で0.06%、60歳代以上で5.7%)となっています。
  • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、重症化しやすいのはどんな人ですか。
    • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち重症化しやすいのは、高齢者と基礎疾患のある方、一部の妊娠後期の方です。
    • 重症化のリスクとなる基礎疾患等には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙があります。
    • また、ワクチン接種を2回受けることで、重症化予防効果が期待できます。
  • 海外と比べて、日本で新型コロナウイルス感染症と診断されている人の数は多いのですか。
    • 日本の人口当たりの感染者数、死者数は、全世界の平均や主要国と比べて低い水準で推移しています。
  • 新型コロナウイルスに感染した人が、他の人に感染させてしまう可能性がある期間はいつまでですか。
    • 新型コロナウイルスに感染した人が他の人に感染させてしまう可能性がある期間は、発症の2日前から発症後7~10日間程度とされています。
    • また、この期間のうち、発症の直前・直後で特にウイルス排出量が高くなると考えられています。
    • このため、新型コロナウイルス感染症と診断された人は、症状がなくとも、不要・不急の外出を控えるなど感染防止に努める必要があります。
  • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、どれくらいの人が他の人に感染させていますか。
    • 新型コロナウイルス感染症と診断された人のうち、他の人に感染させているのは2割以下で、多くの人は他の人に感染させていないと考えられています。
    • このため、感染防護なしに3密(密閉・密集・密接)の環境で多くの人と接するなどによって1人の感染者が何人もの人に感染させてしまうことがなければ、新型コロナウイルス感染症の流行を抑えることができます。
    • 体調が悪いときは不要・不急の外出を控えることや、人と接するときにはマスクを着用することなど、新型コロナウイルスに感染していた場合に多くの人に感染させることのないように行動することが大切です。
  • 新型コロナウイルス感染症を拡げないためには、どのような場面に注意する必要がありますか。
    • 飲酒を伴う懇親会等、大人数や長時間におよぶ飲食、マスクなしでの会話、狭い空間での共同生活、居場所の切り替わりといった場面でも感染が起きやすく、注意が必要です。
    • 新型コロナウイルス感染症は、3密(密閉・密集・密接)の環境で感染リスクが高まります。一つの密でも避けて、「ゼロ密」を目指しましょう。
  • 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査にはどのようなものがありますか。
    • 新型コロナウイルス感染症を診断するための検査には、核酸検出検査(PCR法等)、抗原定量検査、抗原定性検査等があり、いずれも被検者の体内にウイルスが存在し、ウイルスに感染しているかを調べるための検査です。
    • 新たな検査手法の開発により、検査の種類や症状に応じて、鼻咽頭ぬぐい液だけでなく、唾液や鼻腔ぬぐい液を使うことも可能になっています。
    • なお、抗体検査は、過去に新型コロナウイルス感染症にかかったことがあるかを調べるものであるため、検査を受ける時点で感染しているかを調べる目的に使うことはできません。
  • 新型コロナウイルス感染症はどのようにして治療するのですか。
    • 軽症の場合は経過観察のみで自然に軽快することが多く、必要な場合に解熱薬などの対症療法を行います。
    • ただし、重症化リスクのある方については、中和抗体薬の投与を行い重症化を予防します。呼吸不全を伴う場合には、酸素投与や抗ウイルス薬、ステロイド薬(炎症を抑える薬)、免疫調整薬の投与を行い、改善しない場合には人工呼吸器等による集中治療を行うことがあります。
    • こうした治療法の確立もあり、新型コロナウイルス感染症で入院した方が死亡する割合は低くなっています。発熱や咳などの症状が出たら、まずは身近な医療機関に相談してください。
  • 現在、日本で接種できる新型コロナワクチンはどのようなワクチンですか。接種はどの程度進んでいますか。
    1. ワクチンと接種対象者
      • <初回(1回目・2回目)接種>12月1日現在、国内では、ファイザー社、武田/モデルナ社、及びアストラゼネカ社の3つのワクチンが接種されています。メッセンジャーRNAワクチンであるファイザー社と武田/モデルナ社のワクチンは、12歳以上の方が接種の対象です。ウイルスベクターワクチンであるアストラゼネカ社のワクチンは、原則、40歳以上の方が接種の対象(※1)です。 ※1 18歳以上の方も接種を受けることが可能な場合があります。
      • <追加(3回目)接種>12月1日より、2回目の接種を完了した日から、原則8か月以上経過した方を対象に追加接種が開始されています。現時点では、薬事承認されているファイザー社のワクチンを18歳以上の方に接種します。
    2. ワクチンの有効性について
      • 新型コロナウイルス感染症を予防する効果があります。接種を受けた人が受けていない人よりも、新型コロナウイルス感染症を発症した(熱が出たり、せきが出たりすること)人が少ないということがわかっています。(発症予防効果は約70~95%(※2)と報告されています。)また、感染や重症化を予防する効果も確認されています。 ※2 コミナティ、COVID-19ワクチンモデルナ、バキスゼブリア添付文書より
    3. ワクチンの安全性について
      • 接種後に注射した部分の痛み、疲労、頭痛などが接種した人の50%以上、筋肉や関節の痛み、寒気、下痢、発熱などが10%以上に見られると報告されています。こうした症状の大部分は数日以内に回復しています。
  • 新型コロナウイルスの変異について教えてください。
    • 一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものであり、新型コロナウイルスも約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられています。現在、1.1.529系統の変異株(オミクロン株)が世界各地で確認されており、こうした新たな変異株に対して警戒を強めていく必要があります。
    • 厚生労働省では、新型コロナウイルスのゲノムを解析し、変異の状況を監視しています。現在、国内外では、1.617.2 系統の変異株(デルタ株)が占めている状況です。
    • また、世界保健機関(WHO)や専門家とも情報交換を行い、こうした変異の分析・評価を行うとともに、国内の監視体制を強化しています。また、変異株事例が確認された場合には、検査や積極的疫学調査を強化して、感染拡大防止に取り組んでいます。
    • 個人の基本的な感染予防対策は、変異株であっても、3密(密集・密接・密閉)や特にリスクの高い5つの場面の回避、マスクの適切な着用、こまめな換気、手洗いなどが有効です。
    • 国民の皆様には、これまで以上に感染予防対策の徹底へのご協力をお願いいたします。なお、変異株についての最新の情報は、厚生労働省ホームページ 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料をご覧ください。
▼新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等(第46回~)

~NEW~
厚生労働省 新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールについて
  • 新型コロナウイルスを題材とした攻撃メールが出回っていますので御注意ください。
  • 攻撃メールは、件名、メールアドレス、本文等に、誤字や不自然な点がある他、厚生労働省を装っている場合が見られます。このようなメールを受信した場合は、メール本文中のURLをクリックする、添付ファイルを開く、または届いたメールに対して返信するなどの行為は行わないようにしてください。詳細は、情報処理推進機構(IPA)による注意喚起をご参照ください。
  • 厚生労働省を装った不審メールが出回っていますが、本人に事前の同意を得ずに、厚生労働省及び検疫所から国民の皆様へメールすることはありません。また、自治体等を装った偽メールが出回っています。自治体のメールアドレスかどうかご確認いただく、自治体の相談窓口に確認する等、十分ご注意をお願いします。
  • また、国立感染症研究所に類似した機関による新型コロナウイルス感染症の注意喚起を装うメールも出回っていますので御注意ください。詳細は国立感染症研究所による注意喚起をご参照ください。
  • さらに、厚生労働省を騙るフィッシングサイトが確認されましたのでご注意ください。
  • フィッシングサイトのURLは、次のとおりです(「.」を「。」に変更しています。)
    • 例:nlhw[。]go[。]jp[。]●●●●[。] xyz
    • nlhw[。]go[。]jp[。]●●●●[。]shop
  • ただし、上記以外のドメイン、URLも使われている可能性がありますのでご注意ください。
    • 【注意】
      1. フィッシングサイトは本物のサイトの画面をコピーして作成されることが多く、見分けることは非常に困難です。政府機関のWebサイトへアクセスする際は、ドメイン名の末尾が「.go.jp」であることを必ず確認ください。
      2. フィッシングサイトにアクセスしてしまった場合は、氏名、緊急連絡電話、証明書写真、コロナウイルス関連の症状、現在の体温、ワクチン接種の状況等を、絶対に入力したりアップロードしないよう、ご注意ください。

~NEW~
厚生労働省 第62回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年12月8日)
▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約0.6と、昨年の夏以降で最も低い水準が続いているが、直近の今週先週比は1.11と増加傾向となった。また、療養者数、重症者数や死亡者数も低い水準が続いている。
    • 実効再生産数:全国的には、直近(11/21時点)で0.87と1を下回る水準が続き、首都圏では0.91、関西圏では0.74となっている。
  • 今後の見通しと必要な対策
    • 新たな変異株(オミクロン株)は、WHOによれば、12月7日までに米国や欧州各国を始めとして57か国で感染例が報告されており、感染の拡大が懸念されている。また、海外からの入国者が検疫でコロナ陽性と判明した3名の方は、ゲノム解析でオミクロン株が確認された。オミクロン株については、ウイルスの性状に関する実験的な評価はまだなく、また、疫学的な評価を行うための十分な情報も得られていないが、感染性・伝播性の高さ、再感染のリスク、ワクチンや治療薬の効果への影響などが懸念されている。
    • また、重症度についても十分な知見が得られていない。水際措置におけるオミクロン株対策への重点化に加え、国内のサーベイランス体制の強化のため、全ての陽性者に対する変異株PCRスクリーニングの実施や、全ゲノム解析の強化、特に渡航歴のある陽性者に対する全ゲノム解析など実施が必要。引き続き、WHOや諸外国の動向や、臨床、疫学及びウイルス学的な情報を収集・分析するとともに、国立感染症研究所におけるオミクロン株の感染性、重症度、ワクチン効果に与える影響などの評価も踏まえ、適切に対応していくことが必要。
    • 全国の新規感染者数は非常に低い水準となっているが、感染伝播は未だに継続しており、一部の地域では、事業所や社会福祉施設等でのクラスターや感染経路不明事案の発生による一時的な増加も見られ、下げ止まりが懸念される。また、都市部を中心に夜間滞留人口が増加している地域もある。年末に向けて気温が低下し、屋内での活動が増えるとともに、忘年会、クリスマスやお正月休み等の恒例行事により、さらに社会経済活動の活発化が想定されるため、今後の感染者数の動向に注視が必要。
    • ワクチンの2回接種完了者は全国民の約77%となり、12~19歳でも約72%が2回接種済となった。接種率をさらに高めるため、未接種者へのワクチン接種を進めることも必要であり、自治体においては、ワクチン接種に至っていない方への情報提供を進めることが求められる。あわせて、12月から開始している追加接種を対象者のうち希望する者に対して着実に実施していくことも必要。
    • 感染伝播は低い水準であるものの継続しており、今後の感染拡大にも注意が必要。従って、ワクチン接種者も含め、マスクの正しい着用、手指衛生、ゼロ密や換気といった基本的な感染対策の徹底を継続することが必要であり、これは、オミクロン株であっても推奨されている。今後年末に向けて、忘年会なども含め飲食の機会が増えることが予想されるが、その際は、第三者認証適用店を選び、飲食時以外はマスクを着用すること、また、外出の際は、混雑した場所や感染リスクの高い場所を避けることが必要。
    • 特に、帰省や旅行等は日常では生じない接触が生じる機会となること等を踏まえ、発熱等の症状がある場合は県をまたぐ移動は控えることが必要。また、軽度の発熱、倦怠感などの症状でも積極的に受診し、検査につなげることも重要。
    • 感染拡大防止につなげるため、感染経路不明事案に対する積極的疫学調査の徹底が必要。また、社会福祉施設や医療機関における感染伝播においては、幅広の検査による積極的な対応が求められる。
▼資料2-5 今夏の感染拡大を踏まえた保健・医療提供体制の整備
  1. 病床の確保、臨時の医療施設の整備
    • 今夏ピーク時の2割増となる入院受入数を国から目標として示し、全体像では3割増をめざすとしていたところ、都道府県と医療機関が協議し3割増の体制を構築。
  2. 自宅・宿泊療養者への対応
    • 全ての自宅・宿泊療養者について、陽性判明当日ないし翌日に連絡をとり、健康観察や診療を実施できる体制を構築。
    • 症状の変化に迅速に対応して必要な医療につなげ、また重症化を未然に防止する体制を構築。
  3. 医療人材の確保等
    • 人材確保・配置調整等を一元的に担う体制を構築。
    • 医療ひっ迫時に医療人材の派遣に協力する医療機関と、職種ごとの具体的な派遣可能人数を調整。
▼資料4 新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応等
  • SARS-CoV-2 の変異株1.1.529 系統(オミクロン株)について(第3報)
    • WHOは2021年11月24日にSARS-CoV-2の変異株1.1.529系統を監視下の変異株(Variant Under Monitoring; VUM)に分類したが(WHO. Tracking SARS-CoV-2 variants)、同年11月26日にウイルス特性の変化可能性を考慮し、「オミクロン株」と命名し、懸念される変異株(Variant of Concern; VOC)に位置づけを変更した(WHO. Classification of Omicron (B.1.1.529))。同じく、欧州CDC(ECDC)も、11月25日時点では同株を注目すべき変異株(Variant of Interest; VOI)に分類していたが(ECDC. SARS-CoV-2 variants of concern)、11月26日にVOCに変更した(ECDC. Threat Assessment Brief)。
    • 2021年11月26日、国立感染症研究所は、PANGO系統で1.1.529系統に分類される変異株を、感染・伝播性、抗原性の変化等を踏まえた評価に基づき、注目すべき変異株(VOI)として位置づけ、監視体制の強化を開始した。2021年11月28日、国外における情報と国内のリスク評価の更新に基づき、B.1.1.529系統(オミクロン株)を、懸念される変異株(VOC)に位置付けを変更した。
  • ウイルスの性状・臨床像・疫学に関する評価についての知見
    • オミクロン株については、現時点ではウイルスの性状に関する実験的な評価や疫学的な情報は限られている。国内外の発生状況の推移、重症度、年代別の感染性への影響、ワクチンや既存の治療薬の効果についての実社会での影響、既存株感染者の再感染のリスクなどへの注視が必要である。
      1. 感染・伝播性
        • 南アフリカにおいて流行株がデルタ株からオミクロン株に急速に置換されていることから、オミクロン株の著しい感染・伝播性の高さが懸念される(WHO:Classification of Omicron (B.1.1.529),ECDC; Threat Assessment Brief)。
        • 南アフリカでは10月にウイルスゲノム解析された検体の84%がデルタ株であったが、11月には 73%がオミクロン株であった(National Institute for Communicable Diseases: SARS-COV-2 GENOMIC SURVEILLANCE UPDATE (3 DEC 2021))。ただしS gene target failure(詳細は後述)を認める検体(オミクロン株であることが疑われる検体)を優先的にウイルスゲノム解析しているのであれば、73%という値は過大評価である可能性がある。また、10月にはデルタ株の流行が減少していた時期でもあるため、解釈に注意が必要である。
        • 南アフリカでの予備的なデータによると、デルタ株に比べてオミクロン株の感染・伝播性はかなり高いと推測されている。モデリングによる予測ではオミクロン株は今後数カ月以内にEU/EEAにおけるSARS-CoV-2感染の半数以上を占めるようになるとされている(ECDC: Threat Assessment Brief: Implications of the further emergence and spread of the SARS CoV 2 B.1.1.529 variant of concern(Omicron) for the EU/EEA first update 2 December 2021)。
        • オックスフォード大学が行った立体構造予測では、オミクロン株に存在する変異は、抗体結合に影響を与える可能性が高く、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際の受容体であるACE2との結合がこれまでの変異株よりも高まる可能性があることが示唆された(データの詳細はまだ公開されていない)(UK HSA SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 30)。
        • 香港では、同じホテルに隔離中だった南アフリカから入国した無症状のオミクロン株感染例が、他者へ感染させたことを示唆される事例が認められた。2名とも2回のワクチン接種歴があり廊下を挟んで反対側の部屋に隔離されていた。この2名から検出されたオミクロン株については、全ゲノム解析で1塩基のみの違いであった。疫学調査では、この2名で共有した物品はなく、お互いが部屋に出入りする機会もなかった。それぞれがドアを開ける機会は食事を廊下から回収するときと、定期的なPCR検査を受けるときであった。ただし、2名の帰国日は異なっていたため定期的なPCR検査を受ける日程が同日であった可能性は低い(Probable transmission of SARS-CoV-2 omicron variant in quarantine hotel, Hong Kong, China, November 2021.Emerg Infect Dis.)。
      2. ワクチン効果への影響や免疫からの逃避
        • オミクロン株の有する変異は、これまでに検出された株の中で最も多様性があり、感染・伝播性の増加、既存のワクチン効果の著しい低下、及び再感染リスクの増加が強く懸念されるとしている(ECDC; Threat Assessment Brief)。
        • 一方で、現時点で明らかな細胞性免疫からの逃避についての情報はなく、重症化予防効果への影響は不明である。
        • 南アフリカにおいてSARS-CoV-2陽性例および検査のサーベイランスデータを用いた研究では、2種類の手法を用いて、非オミクロン株とオミクロン株への再感染のしやすさについて検討された(Increased risk of SARS-CoV-2 reinfection associated with emergence of the Omicron variant in South Africa. MedRxiv)。まず、初回感染の発生率に対する再感染の発生率の比が第1波と同じであると仮定して、その後の再感染者数を予測したところ、第2波(ベータ株主流)、第3波(デルタ波主流)で観察された再感染者数は予測範囲内であったが、11月に観察された再感染者数は予測範囲を上回っていた。次に、全期間について初回感染の発生率に対する再感染の発生率の比を算出したところ、第1波(従来株主流)は0.15、第2波(ベータ株主流)は0.12、第3波(デルタ株主流)は0.09であったが、11月以降は0.25と上昇していた。比は一貫して1を下回っており、初回感染よりも再感染の発生率は低いが、ベータ株やデルタ株の流行時に比較して、再感染の発生率は高まっている可能性があった。なお、この検討では、個々のSARS-CoV-2陽性例のワクチン接種歴が得られていないためワクチン接種による感染予防効果は検討されていない。また、SARS-CoV-2陽性例のウイルスゲノム解析結果は不明であり、検査対象は時系列的に変化し、受療行動が変化している可能性があることにも留意する必要がある。
      3. 重症度
        • オミクロン株感染例について、現時点では重症度について結論づけるだけの知見がない。十分な観察期間と年齢、SARS-CoV-2の感染歴、ワクチン接種歴などの情報を含めた、さらなる研究が必要である( Implications of the further emergence and spread of the SARS-CoV-2 B.1.1.529 variant of concern(Omicron) for the EU/EEA – first update 2 December 2021)。
        • 南アフリカハウテン州ツワネ市都市圏からの報告では、重症度の上昇を示唆する所見は現段階で見られていないが、オミクロン株の流行の初期段階であることから、特に今後二週間の動向について注視する必要がある(South African Medical Research Council. Tshwane District Omicron Variant Patient Profile – Early Features)。
      4. 検査診断
        • 国立感染症研究所の病原体検出マニュアルに記載のPCR検査法のプライマー部分に変異は無く、検出感度の低下はないと想定される。
        • オミクロン株は国内で現在使用されるSARS-CoV-2 PCR診断キットでは検出可能と考えられる。
        • Thermo Fisher社TaqPathにおいて採用されているプライマーにおいて、ORF1, N, S 遺伝子のPCRでS遺伝子が検出されない(S gene target failure; SGTFと呼ばれる)特徴をもつ。一方で、これまで多くの国で流行の主体となっているデルタ株では S 遺伝子が検出されることから、この特徴を利用し、デルタ株が主流である国においてはオミクロン株の代理マーカーとして、SGTFが利用できる(WHO: Classification of Omicron (B.1.1.529) )。なお、SGTFはアルファ株でもみられ、代理マーカーとして使用された。
        • 抗原定性検査キットについては、ヌクレオカプシドタンパク質の変異の分析で診断の影響はないとされるが、南アフリカ政府において検証作業が進められている(NCID: Frequently asked questions for the B.1.1.529 mutated SARS-CoV-2 lineage in South Africa)。
      5. 感染拡大状況
        • アフリカでは、感染例が報告されていない国からの輸出例が確認されていること、またゲノムサーベイランスが十分に実施されていない国もあることを考慮すると、すでに広い範囲でオミクロン株による感染が拡大している可能性がある。
        • 世界各地でオミクロン株感染例の報告が増加しており、アフリカ以外でも複数の国・地域から市中感染の可能性が示唆される事例が報告されている。さらに、ゲノムサーベイランスの質が十分でない国・地域においては探知されていない輸入例が発生している可能性やオミクロン株による感染拡大の程度が過少評価されている可能性がある。

~NEW~
経済産業省 安全安心な小型空撮ドローンの基盤技術を開発、製品化へ
  1. 背景
    • 近年、災害時における被災状況の調査や、老朽化するインフラの点検、警備など、公共部門をはじめとする様々な分野でドローンの利活用ニーズが拡大していることに伴い、飛行データや撮影画像データに関する強固なセキュリティを有するドローンが求められています。
    • こうした背景から、2020年度より、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)において「安全安心なドローン基盤技術開発」プロジェクト(経済産業省2019年度補正予算「安全安心なドローン基盤技術開発事業費」によるプロジェクト)が実施され、今般、本プロジェクトにおける研究開発成果をもとに、株式会社ACSLが小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を製品化し、本日12月7日に製品発表会を開催いたします。
  2. 成果の概要
    • 今回製品化される小型空撮ドローンSOTEN(蒼天)は、ユーザーからのニーズを踏まえて研究開発を重ね、以下の優れた特長を有する機体として開発されました。
      1. ISO15408(国際標準化機構(ISO)により発行されているコンピュータセキュリティのための国際規格)に基づくセキュリティ対策によるデータの漏洩や抜き取りの防止性能、機体の乗っ取りへの耐性
      2. 小型・軽量(展開時の寸法約637mm×560mm、重量1.7kg)の機体で、プロペラアームの収納、カメラのワンタッチ交換などの高い携帯性
      3. 高い操縦性・飛行性能を実現し、業界標準の機体制御プロトコルMAVLink(Micro Air Vehicle Linkの略で、ドローンと地上ステーションの間で通信用データの送信と受信に関わるプロトコル)に対応した拡張性のあるフライトコントローラ
      4. 撮影画素数20Mピクセルの4Kカメラと、赤外線やマルチスペクトルカメラ、ズームカメラ
      5. 準天頂衛星システム「みちびき」のサブメータ級測位補強サービス(SLAS)を活用した高精度な位置情報の取得
  3. 期待される効果
    • 今回製品化される小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」が市場へ投入されることにより、災害時における被災状況の調査や老朽化するインフラの点検などの公共部門におけるニーズに加え、企業における重要インフラの点検等の用途においても、「安全安心なドローン」の一層の利活用促進が期待されます。
    • 経済産業省では、引き続きドローンに関連する事業者や業界団体、関係省庁といったステークホルダーと連携し、調査・物流・点検・測量等の様々な分野における安全安心なドローンの産業利用推進を支援し、その普及促進を進めていきます。

~NEW~
経済産業省 第1回 未来人材会議
▼資料4 事務局資料
  • 日本の生産年齢人口は、2050年には現在の3分の2程度まで減少。
  • 民間企業の試算では、世界のGDPランキングにおいて、日本は2050年に世界第7位に下落。
  • 技能実習や、専門的・技術的分野の在留資格など、多様な形態で外国人が就労している。
  • 技能実習制度では、令和2年末時点の在留者の7割は、1人あたりGDPが3~4千米ドルの国が送り元となっている。これは、日本の1人あたりGDPの10分の1程度。新興国の1人あたりGDPの向上により、技能実習生の受入れが今後減少するおそれ。
  • 民間企業の試算によれば、日本において自動化されるリスクが高く、雇用者数も多い職種として、総合事務員や会計事務従事者などの事務職が多く挙げられている。その結果、日本の労働人口の49%がAIやロボット等に代替される可能性が高いとの予測。
  • デジタル化に伴う変化スピードに対応できると認識している日本の経営層は、約4割に留まる。
  • 世界経済フォーラムの試算によれば、脱炭素の潮流は、特に化石燃料に関連する産業の雇用を減少させる一方、再生可能エネルギーなどで新たな雇用も創出する。
  • 民間企業の調査によれば、日本企業の従業員で士気・熱意がある者の割合は5%と、東アジアに絞ってみても、最低水準。
  • 民間企業と大学による国内企業を対象にした調査では、従業員エンゲージメントスコア(ES)と営業利益率、労働生産性の間に相関関係を確認。
  • 民間企業の調査によれば、現在の勤務先で働き続けたい者の割合は、日本が最も低い。
  • 民間企業の調査によれば、転職意向、独立・起業志向のある人の割合も、日本が最も低い。
  • かつて、日本型雇用システム(終身雇用、年功制、企業別組合を代表とする仕組み)は若年労働力の確保と企業内人材育成を両輪に経済成長を牽引。しかし、人口ピラミッドの変化に伴って管理職ポストの空きがなくなった結果、昇格しづらく、賃金が伸び悩むようになるとともに、共働き世帯の増加で「仕事に人生を捧げる」働き方が困難になるなど、日本型雇用システムが限界を迎えている可能性。
  • 民間企業の調査によれば、日本企業の部長の年収は、タイと比較しても約120万円少ない。日本では、優秀な人材に対して、適切な報酬が支払われていない状況。
  • 民間企業の調査では、米・仏では「評価のフィードバック時」などで賃上げの交渉を行っているのに対し、日本は「賃上げを求めたことはない」との回答が最も多い。
  • 民間企業の調査によれば、日本の雇用者における給与満足度は、米・仏よりも低い。
  • 労働市場の流動性と労働生産性は、正の相関関係。日本の労働市場の硬直性が、労働生産性の低迷を引き起こしている可能性。
  • リリエン指標(産業間の労働移動の活発さ)は、各産業の雇用変動と産業全体の雇用変動の乖離を集計したもの。値が大きいほど産業全体の雇用変動に比べて産業間の労働移動が活発であると示す。2000年代前半より、産業間の労働移動が停滞している可能性。
  • 民間企業の調査によれば、「転職によって賃金が増加した」と回答した転職者の割合が、日本は22.7%と小さい。日本では、転職が十分に賃金上昇の機会となっていない可能性。
  • 同一企業への勤続年数別の賃金をみると、日本では勤続15-19年目以降から急速に上昇。
  • この20年で、大企業の賃金カーブはフラット化するとともに、全体的として実質賃金の水準も低下。特に、男性40-54歳で低下の幅が大きい。
  • 望ましい昇給・昇格の方法として、「成績重視型」と回答した若年層の割合は90年代に上昇したが、その後は低下傾向。「年功序列型」と回答する若年層の割合は大きく変化していない。
  • 民間企業の調査によれば、東大生・京大生の注目企業ランキングの上位に外資企業が多い。また、20代前半の転職者数は、2009-2013年度の平均に比べ2018年度は約4倍に増加。
  • 民間企業の調査によれば、コロナ禍以降に多様な働き方の重要性が増したと回答した者は61%。テレワーク、多様な勤務時間、柔軟な勤務制度などを導入している企業が多い。
  • オンラインで仕事を受注しようとする人が増加するとともに、仕事の発注件数も増加。また、現地法人を持たずとも、オンラインで現地の人材を確保できるサービスも現れている。
  • 国際経営開発研究所(IMD)の世界人材力ランキングでは、日本は38位。OECDの国際人材誘致ランキングでは、日本は25位。
  • 主要国において、博士号取得者数が減少傾向にあるのは日本のみ。日本の理系博士課程修了者は58%が大学に就職。民間企業等に就職したのは36%。米国の博士課程修了者(理系分野+社会科学、心理学、保健分野)の雇用先は、民間企業等が56%であり、日本とは対照的。
  • 日本企業のOJT以外の人材投資(GDP比)は、諸外国と比較して最も低く、低下傾向。社外学習・自己啓発を行っていない個人の割合は半数近くで、諸外国と比較しても不十分。
  • OFF-JTとして、高等教育機関での教育訓練の機会を与えている企業はごくわずか。企業が高等教育機関での就学を認めない理由としては、「本業に支障をきたす」「教育内容が実践的ではなく現在の業務に生かせない」ことが挙げられている。
  • 社会人学生が職場に希望する項目として、「卒業資格の評価」、「フレキシブルな労働時間」との回答が多い。
  • 実証分析によると、教育訓練投資は企業の労働生産性や賃金にプラスの効果がある。
  • グローバル企業の多くは、人材を重要な資本と捉えて、多様な取組を実施。
    1. ダノン(フランス)<人材育成と従業員のロイヤリティマネジメントの好事例>
      • 社内に「ダノンアカデミー」を設置し、リーダーシップスキルを始めとした様々なトレーニングを実施。eラーニングを通して2000種類以上の研修コースを受講可能であり、従業員のスキル・知識習得を支援。
      • このほか、以下のような取組を通じ、従業員のロイヤリティやエンゲージメントの向上に努めている。
      • 毎年、全従業員から20名程度が選出され、経営層との意見交換を実施。
      • すべての従業員に1株を付与し、年次株主総会での投票権を付与。等
    2. P&G(米国)<裁量権とスピード感のある人材育成制度の好事例>
      • P&Gは、PVP(Purpose, Values, Principles)を明確に定め、それに基づき採用基準・評価基準を設定。内部昇進制を採用し、管理職・経営陣を外部からヘッドハントせず自社で育成。
      • 具体的には、「入社10年以内に5つの異なる役割を経験させる」・「2.5年(以内)ごとに昇進機会を提供する」等、裁量権の大きさと昇進スピードの迅速さを重視した人材育成を実施。
  • 国際比較すると、日本の経営者の内部昇格割合は97%と、突出して高い。社外経験のある経営者も少なく、同質性の高さがうかがえる。
  • グローバル競争が過熱する中でも、グローバル経験を有する経営者の割合が少ない。
  • 経済同友会の報告書では、「グローバル経営を加速させる人物像」として4つのタイプを類型化
    • グローバル経営人材(グローバルリーダー)
      • 多様な人材を束ね、イノベーションを牽引する人材。社内外から最適な人材を選び、任用していくことが重要。
    • グローバル人材
      • グローバルな環境できちんと仕事ができ、リーダーシップを発揮できる人材。単に日本語以外の語学が出来るだけではなく、企業ビジョンを世界で体現し、自社のDNAをグローバルな環境で伝播させていくことが求められる。
      • このような人材には、自己表現力(自ら考え、意見を持ち、それを表明できる)、異文化柔軟性(異文化を理解し、変化を楽しみ、現地に馴染んでいく)、多様性牽引力(多様な人材と協働し、信頼され、リーダーシップを発揮)が必要であり、コミュニケーションツールとしての多言語も必要。
    • ローカル経営人材
      • グローバルで成果を出す意識を持ちながらローカル経営を担う人材。ローカル人材から登用していくことが重要。
    • ローカル人材
      • 各地域で活躍する人材。日本限定で活躍する人材も含まれる。
  • 人材コンサルティングファームのマーサーは、グローバル人材育成アプローチの国内外の違いを整理。そのうえで、日本企業は、「スキル志向」の中長期的な視点はそのままに、将来の成長を左右するような「コアポジション」を明確化し、早期から人材育成のPDCAを回すべきとしている。
  • 国外の高等教育機関に留学する日本人学生数は2004年をピークに3割ほど低下し、近年は横ばいが続く。他方、中国、インド、米国などでは国外に留学する学生数が年々増加している。
  • 民間のアンケート調査によると、「海外で働きたいと思わない」新入社員がこの20年近くで倍増。
  • 米国の調査会社によると、ユニコーン企業は、米国471社、中国169社、欧州111社。日本は、プリファードネットワークス(深層学習)、スマートニュース(ニュースアプリ)、スマートHR(人事労務クラウド)、スパイバー(高機能素材)、リキッド(仮想通貨)、プレイコー(モバイルゲーム)の6社。日本のユニコーン企業の合計時価総額は、企業数以上に諸外国と大きな差がある。
  • 日本の起業家へのアンケート結果によると、起業が少ない原因は、「失敗に対する危惧」(37.6%)、「身近に起業家がいない」(19.5%)、「学校教育」(15.0%)という回答が多い。
  • 世界50ヶ国・地域の個人に対するアンケート調査によると、「自分は起業に必要なスキル・知識を有している」と回答した割合は、日本は14.0%と最下位。
  • 今まで見たこともない「未踏的な」アイデア・技術を持つIT人材を発掘・育成する事業。2000年開始。産業界・学界の第一線で活躍する方を、プロジェクトマネージャー(PM)に委嘱し、IT人材の発掘から育成までを一貫して行う。これまでに、延べ1,900人超の人材を育成し、約300人が起業・事業化。
  • デジタル、グリーンといった成長分野の市場規模等から、2030年、2050年の労働需給、雇用創出効果を推計するとともに、求められるスキル・課題を明らかにし、政府として「目指すべき姿」として公表。
  • 半導体受託製造最大手のTSMCは、熊本県に子会社JASMを設立すると発表。約1,500人の先端技術に通じた人材の雇用が見込まれる。今後、ジョブディスクリプションの作成等を通じて、具体的な人材像やスキルセットを詳細に整理。それに基づき、教育機関が人材育成プログラムを作成し、必要な人材育成や確保を図る。
  • 御議論いただきたい論点と対応の方向性
    1. 人材育成
      • デジタル、グリーンなど、産業構造の転換が進行する中、どのような人材が必要か、企業は把握できているのか。
      • 産業界は、今後求められる人材像について、具体的なニーズを教育機関に示すことができているのか。
      • 教育機関は、産業界のニーズを把握しておらず、実社会で活躍する人材を育成できているのか。
      • 社会が必要とする現場人材(農業、自動車整備、建設等)の将来像も含めた鳥瞰的な人材像が必要ではないか。
    2. 雇用・労働
      • 大企業内の遅い昇進により、グローバルに戦える経営人材が育っていないのではないか。
      • スキル・ポジションに見合わない賃金や処遇により、国内外の優秀な人材を確保できていないのではないか。
      • 過度に厳格な労働時間管理等により、柔軟な働き方が阻害され、個人の能力が十分に発揮されていないのではないか。
      • 長期雇用を前提とした制度(給与体系、退職金税制等)が個人の自律的なキャリア形成を阻害しているのではないか。
    3. 対応の方向性
      • 2030年、2050年の産業構造を複数のシナリオとして設定し、どのような労働需給となるかを推計してはどうか。
      • それを踏まえ、将来求められるスキルや能力を明らかにする必要があるのではないか。
      • その上で、採用・雇用から教育まで、全体を見渡した人材政策を展開する必要があるのではないか。
      • 例えば、TSMCの熊本への投資を契機とした半導体の人材育成モデルを念頭に置いて国全体に広げてはどうか。
      • なかんずく、未来の日本を担うイノベーション人材を輩出・確保するための環境整備に取り組むべきではないか。

~NEW~
国土交通省 漂流軽石回収に関する技術・アイデア集の公表について
  • 海底火山の噴火に伴う漂流軽石の回収技術の充実化に向けて、民間事業者等からご応募頂いた技術やアイデアを取りまとめて公表します。
  • 国土交通省では、漂流軽石回収技術検討ワーキンググループでの議論を踏まえ、軽石の回収技術をより一層充実させるため、令和3年11月17日から同年11月25日にかけて、民間事業者、団体が有する軽石回収に関する技術、アイデアを募集致しましたところ、多数のご応募を頂きまして誠にありがとうございました。
  • 今般、ご応募頂いた技術やアイデアについて、募集時に示した要件を満たし、提案者の責任において実施可能であることが確認されたものを「漂流軽石回収に関する技術・アイデア集」として取りまとめましたので公表します。
  • 本資料が、より効果的な軽石回収方法を検討するための一助としてご活用いただくことを期待しています。
  • 港湾局では、引き続き、水産庁、関係団体、研究機関、港湾管理者等と連携して、必要な取り組みを進めて参ります。
▼軽石回収技術検討ワーキンググループのホームページ

~NEW~
国土交通省 船の年末年始安全総点検を実施します!~新型コロナウイルス感染症対策及びテロ対策も確認します~
  • 国土交通省は、旅客等の輸送が増加する年末年始に、「年末年始の輸送等に関する安全総点検」を全国で実施します。
  • 安全総点検では、年末年始に旅客船を安心して利用していただけるように、緊急時に使用される設備、新型コロナウイルス感染症対策、テロ対策を中心に事業者による自主点検、国土交通省職員による現地確認を行います。
  • なお、初日となる12月10日(金)は、海事局及び関東運輸局幹部によりクルーズ船に対する現地確認(日の出桟橋にて)を実施する予定です。
  1. 期間
    • 令和3年12月10日(金)~令和4年1月10日(月)
  2. 令和3年度安全総点検における重点点検事項
    1. 法令及び安全管理規程の遵守状況
    2. 安全に関する設備の備付け及び旅客・乗組員・貨物に関する安全対策の実施状況(特に火災対策、荒天時における安全確保対策、飲酒対策の実施状況)
    3. テロ防止のための警戒体制の整備状況や乗客等の安心確保のための取組、テロ発生時の通報・連絡・指示体制の整備状況及びテロ発生を想定した訓練の実施状況
    4. 新型コロナウイルス感染症対策等の実施状況
    5. 自然災害、事故等発生時の乗客等の安全確保対策のための通報・連絡・指示体制の整備・構築状況

ページTOPへ

Back to Top