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  • デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(金融庁)/経済財政運営と改革の基本方針2022(内閣府)/第87回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/プラットフォームサービスに関する研究会(総務省)/令和4年版 交通政策白書、土地白書、首都圏白書(国交省)

危機管理トピックス

デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(金融庁)/経済財政運営と改革の基本方針2022(内閣府)/第87回新型コロナ対策アドバイザリーボード(厚労省)/プラットフォームサービスに関する研究会(総務省)/令和4年版 交通政策白書、土地白書、首都圏白書(国交省)

2022.06.13
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更新日:2022年6月13日 新着24記事

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【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第5回)議事次第
  • 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第12回)議事次第
消費者庁
  • 令和3年度 特定保健用食品の疾病リスク低減表示に係る調査・検討事業 調査報告書
  • 株式会社あきんどスシローに対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 食品表示の適正化に向けた取組について
  • 令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書
  • 消費者意識基本調査 令和3年度実施(令和3年11月調査)
国民生活センター
  • 保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!
  • 通い放題の脱毛エステ 中途解約に注意
  • 「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?-「詐欺的な定期購入商法」の規制が強化された改正特定商取引法が施行されました!-
厚生労働省
  • 第75回WHO総会結果(概要)
  • 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
  • テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方について、ワンストップで相談できる窓口を設置しました
経済産業省
  • ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
  • ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します
  • 「令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」 が閣議決定されました
国土交通省
  • 道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改定しました~踏切道での安全対策~
  • 「令和3年度交通の動向」及び「令和4年度交通施策」(交通政策白書)について
  • 令和4年版「土地白書」の公表について
  • 令和4年版「首都圏白書」をとりまとめました(令和3年度首都圏整備に関する年次報告)

~NEW~
内閣官房 経済財政諮問会議(令和4年第8回)・新しい資本主義実現会議(第9回)
▼資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(案)
  • 新しい資本主義を実現する上での考え方
    1. 分配の目詰まりを解消し、更なる成長を実現
      • 資本主義は、市場メカニズムをエンジンとして、経済成長を生み出してきた。新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく。しかし、成長の果実が適切に分配され、それが次の成長への投資に回らなければ、更なる成長は生まれない。分配はコストではなく、持続可能な成長への投資である。
      • 我が国においては、成長の果実が、地方や取引先に適切に分配されていない、さらには、次なる研究開発や設備投資、そして従業員給料に十分に回されていないといった、「目詰まり」が存在する。その「目詰まり」が次なる成長を阻害している。待っていても、トリクルダウンは起きない。積極的な政策関与によって、「目詰まり」を解消していくことが必要である。
      • 分厚い中間層の形成は、民主主義の健全な発展にとって重要であり、新たな資本主義における経済社会の主要な担い手である中間層が潤うことで、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、サステナブルな経済社会を実現できる。このため、賃金引上げや中小企業への取引の適正化等のフロー、教育・資産形成等のストック両面から中間層への分配を進めるとともに、今後の人手不足時代に対応したデジタル投資等への支援を通じて持続可能な分配を下支えする。
    2. 技術革新に併せた官民連携で成長力を確保
      • AI・量子等のデジタル技術、クリーンエネルギー・マテリアル技術、バイオテクノロジー・医療の分野でのイノベーションは、多くの社会的課題解決の可能性を秘めるとともに、新時代の競争力の源泉ともなりうることから、各国は、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大胆な投資を実施している。
      • しかしながら、我が国企業における研究開発投資や設備投資は諸外国に大きく遅れをとっている。
      • 我が国においても、新たな官民連携により、イノベーションを大胆に推進し、我が国の経済・社会システムをバージョンアップしていくことが不可欠であり、コストカットによる競争から付加価値の創造へ大胆に変革していく。
      • また、アイディアが実用化されるスピードが速く、新たな技術が高速でアップデートされ続けるDX・GX時代には、競争力の源泉は、従来型の機械設備等のモノではなく、モノよりコト、有形資産より無形資産が重要になっている。そのような時代においては、創造的なイノベーションと経済成長は、人の力が最大限発揮されることによってもたらされる。女性、若者、高齢者等が、それぞれの能力と経験を生かせる社会を実現するとともに、人への惜しみない投資により、一人ひとりのスキルを不断にアップデートしていくことが重要である。
    3. 民間も公的役割を担う社会を実現
      • 多くの社会的課題を国だけが主体となって解決していくことは、困難である。社会全体で課題解決を進めるためには、課題解決への貢献が報われるよう、市場のルールや法制度を見直すことにより、貢献の大きな企業に資金や人が集まる流れを誘因し、民間が主体的に課題解決に取り組める社会を目指す必要がある。また、社会的課題の解決の担い手も、既存企業のみならず、スタートアップ、社会的起業家、大学やNPO等、多様化していくことが不可欠であり、民間が公的役割を担える社会を実現していく。特に、近年、子育て問題や環境問題等、社会的課題の解決を図る社会的起業家を目指す方が増加している。こうした社会的起業家の取組についても、新たな官民連携の形として全面的にサポートしていく。
      • こうした観点から、従来の「リスク」、「リターン」に加えて「インパクト」を測定し、「課題解決」を資本主義におけるもう一つの評価尺度としていく必要がある。
      • その際、課題解決の一つの鍵になるのは、デジタル技術の活用である。規制・制度をデジタル時代に合致したものにアップグレードすることで、デジタル技術を活用して課題解決を進めることを可能にするとともに、民間の力が最大限発揮できるよう、新しい時代にふさわしい公正な競争を確保する競争政策を推進していくことが重要である。
  • 社会的課題を解決する経済社会システムの構築
    • 個社の短期的収益を重視する視点から、社会的価値を重視する視点への転換を図る。
    • 短期的に企業収益が上がりさえすれば良いという考え方は成り立たない。社会面、環境面での責任(人的資本・人権、気候変動、ダイバーシティ等)を企業が果たすことが、事業をサステナブルに維持していくためには不可欠である。金銭的リスク・リターンに加え社会面・環境面のインパクトを考えるマルチステークホルダー型企業社会を推進する。
    • 課題先進国といわれる我が国において、世界に先んじて社会的課題を成長のエネルギーとして捉え、解決していく仕組みを経済社会の中にビルトインしていく。
      1. 民間で公的役割を担う新たな法人形態・既存の法人形態の改革の検討
        • 社会がより複雑化している中で、孤独・孤立対策や環境保護等に加え、医療、介護、教育等、これまで官が担ってきたサービスにおいても、多様なニーズにきめ細かく対応するため、民間の主体的な関与が期待されている。こうした中、我が国では、社会的課題と経済的成長の二兎を追いたい起業家が増えている。
        • 従来の株式会社では、株主利益の追求が大前提である一方、非営利組織においては、事業実施主体として限界があり、資金調達の柔軟性が低いことから、大規模な課題解決が難しいとの指摘もある。
        • 欧米では、ベネフィットコーポレーション等の新たな法制度が整備されつつある。米国では、2010年から2017年までの間に7,704社のベネフィットコーポレーションが設立されており、全米に広く拡大した。ベネフィットコーポレーションへの投資額も、5年間で6倍に、1件当たりの投資額も4倍に増加している。投資家も、インパクト投資家だけでなく、通常の利益追求型の投資家も投資を行っている。
        • 新たな官民連携の形として、このような新たな法制度の必要性の有無について検討することとし、新しい資本主義実現会議に検討の場を設ける。あわせて、民間にとっての利便性向上の観点から、財団・社団等の既存の法人形態の改革も検討する。
      2. 競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化
        • 競争当局は独占禁止法の施行事務以外に、取引慣行や規制により競争が働いていない分野について調査をし、取引慣行の改善や規制の見直しを提言(アドボカシー)する機能を有している。我が国の公正取引委員会についても、DX等の社会の変革の中でアドボカシー機能に対する期待が強い。
        • ここ数年では、携帯電話料金や銀行間送金手数料、スタートアップの新規株式公開等について競争関係の実態調査を行い、アドボカシー(唱導)を実施してきたが、体制を整備し、アドボカシー機能を抜本的に強化する。
      3. 寄付文化やベンチャー・フィランソロフィーの促進など社会的起業家への支援強化
        • 米国では、成功した起業家をはじめ、幅広い者がビジネスで得た果実等を社会に還元し、社会的課題の解決に貢献する、いわゆるフィランソロフィーの概念が確立している。
        • SDGs実現を含む社会的課題に取り組む民間の活動に対し、休眠預金の活用を検討する。その際、投融資の在り方等について検討を進め、本年度中に結論を得る。また、民間の寄付やクラウドファンディング等の資金・人材を呼び込む社会的ファイナンスの活用を促進するとともに、上述の新たな法人形態の創設、財団・社団等の既存の法人形態の改革を検討する。
        • また、起業家教育に当たっては、社会的起業家を育成するシステムの強化を検討する。
      4. インパクト投資の推進
        • 社会的起業家への投資、官民ファンド等によるインパクト投資(経済的利益の獲得のみでなく社会的課題の解決を目指した投資)を推進する。
        • ソーシャルボンド(調達した資金が社会的課題の解決に貢献するプロジェクトのみに充当される債券)について、プロジェクトの実施による社会的な効果を適切に開示できるようにする。ガイドラインの整備を図り、社会的課題ごとに、発行主体の参考となる指標の例を示す。
      5. 孤独・孤立など社会的課題を解決するNPO等への支援
        • 長引くコロナ禍により、貧困を抱える世帯の生活が厳しくなるとともに、孤独・孤立の問題が深刻な社会問題となっている。困難を抱える方々と行政の橋渡しをするNPOは重要であり、孤独・孤立対策に取り組むNPO等の活動をきめ細かく支援する。
        • 地域の課題解決に向けた自治体と企業・NPO等とのマッチングを促進するため、官民連携プラットフォームの機能強化を図る。
        • また、企業の人材を自治体に派遣する取組を進めるため、企業版ふるさと納税のPRを進める。
      6. コンセッション(PPP/PFIを含む)の強化
        • 公共施設の民間事業者による運営を行うコンセッション(公共施設等運営事業)等を加速する。
        • 空港分野では、運営権対価の最大化を図りつつ、地方管理空港を含め、原則として全ての空港へのコンセッション(公共施設等運営事業)の導入を促進する。
        • 空港容量の拡大等の機能強化が引き続き必要であるため、例えば羽田空港では、2020年3月に導入した都心上空新経路により拡大した空港容量を確保すべく、経路下の地域との調整を着実に進める必要がある。また、成田空港については、まずは第三滑走路の建設を含む機能強化事業を着実に実施する必要がある。
        • 今後、コロナ禍の経験等を踏まえたリスク分担の在り方に加え、空港における機能強化の進捗や地域との関係等を踏まえつつ、コンセッション(公共施設等運営事業)の実施について検討する。
        • 鉄道、バス、タクシー等を接続する公共交通ターミナルである「バスタ」について、コンセッション(公共施設等運営事業)の導入を推進する。スタジアム、アリーナ等についても導入を推進する。
        • 林業分野では、樹木採取権制度に基づき、パイロット的に選定された10か所について、樹木採取権の設定を進める。より大規模・長期間のものも含めた今後の樹木採取権設定に関する具体的方針を本年末までに策定する。
        • また、新たに策定したアクションプランに基づき、PPP/PFIを拡大するため、その導入を自治体が優先的に検討する取組の改善を促す等、取組を強化する。
  • 経済社会の多極集中化
    • デジタル田園都市国家構想の推進により、一極集中から、多極集中への転換を図る。
    • 新しい資本主義の象徴は地方・地域である。これまで、我が国の経済社会は、人々の暮らし、企業活動、国土形成等において一極集中を進めてきた。日本では、総人口のうち、50万人以上の大都市に住んでいる割合が73%にのぼり、65%の米国、56%の英国など欧米各国を上回り、大都市に人口が集中している。
    • しかしながら、コロナの拡大は経済社会の分極化の重要性を再認識させた。コロナ禍以降、大都市において、都心部から周辺部へ人口が移動し、地方移住への関心が高まっている。特に、20代や30代の若者層の関心が高い。理由としては、自然豊かな環境に魅力を感じたこと(31.5%)に加え、テレワークによって地方でも働けるようになったこと(24.3%)を挙げている。
    • デジタル技術の発達(DX)は、一極から多極への転換を可能とする力をもたらした。デジタルサービスは、新しい付加価値を生み出す源泉であり、日本の地方が直面する少子高齢化や、過疎化といった課題を解決するための鍵である。デジタルの力で、物理的距離がマイナス要素ではなくなる中、我が国を支える農山漁村の存在やゆとりある生活など地方・地域の豊かな魅力を核に、新しいライフスタイルの支援を幅広く展開する。小さくともキラリと光る地域でのデジタル実装を数多く生み出し、また発見し、横展開していく。東京・首都圏と地方がウィンウィンとなる関係性を構築する。
    • 多様な地域、企業、人材等が広がりつつネットワーク内でつながり、付加価値を生み出す多極型の経済社会を作っていく。
  • 一極集中管理の仮想空間から多極化された仮想空間へ
    • 様々な社会活動のデジタル化が進む一方、特定のプラットフォームによるデータの囲い込みや勝者総取りによる富の偏在、データの取扱いに対する不安など、結果としてデジタル空間が中央集権型となっていることに伴う問題が顕在化してきている。
    • こうした中、より分散化され、信頼性を確保したインターネットの推進や、ブロックチェーン上でのデジタル資産の普及・拡大等、ユーザーが自らデータの管理や活用を行うことで、新しい価値を創出する動きが広がっており、こうした分散型のデジタル社会の実現に向けて、必要な環境整備を図る。
      1. インターネットにおける新たな信頼の枠組みの構築
        • 特定のサービスに依存せずに、個人・法人によるデータのコントロールを強化する仕組み、やり取りするデータや相手方を検証できる仕組み等の新たな信頼の枠組みをインターネットの上に付加するトラステッド・ウェブ(Trusted Web)の実現に向けて、機能の詳細化を進める。様々な産業分野におけるユースケースの支援・検証を行い、国際標準化に向けた取組を進める。
      2. ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備
        • ブロックチェーン技術を基盤とするNFT(非代替性トークン)やDAO(分散型自律組織)等のイノベーションが到来している。ブロックチェーン技術は、自立したユーザーが直接相互につながるなど仮想空間上の多極化を通じ、従来のインターネットの在り方を変え、さらに社会変革につながる可能性を秘めている。Web3.0の推進に向けた環境整備について、検討を進める。
      3. メタバースも含めたコンテンツの利用拡大
        • デジタル化、ネットワーク化を成長の機会とすべく、メタバースも含めたコンテンツの利用に関して、膨大で多種多様な著作物の利用許諾について、簡素で一元的な権利処理を可能とする措置を検討し、来年の通常国会に関連法案の提出を図る。コンテンツ産業等の高度化を図る。
      4. Fintechの推進
        • 事業者のセキュリティトークン(トークンという形でデジタル化された証券:デジタル証券)での資金調達機会を拡大させ、個人投資家を含めた幅広い投資家層に投資機会を提供し資産形成を促す。現在、セキュリティトークンのセカンダリー取引は、証券会社との店頭取引に限られているが、私設取引システムにおいてもセキュリティトークンを取り扱うことができるよう、速やかに制度整備を行う。
        • 暗号資産交換業者が取り扱う暗号資産を新たに追加する際、認定自主規制団体の事前審査に長期間を要している。利用者保護に配慮しつつ、審査基準の緩和を行う。ブロックチェーン上で発行されるデジタルなアイテムやコンテンツ等のうち、同種のものが複数存在する場合、それが暗号資産に該当するかが不明確である。決済手段としての経済機能を有するか否か等を念頭に、解釈指針を示す

~NEW~
内閣府 経済財政運営と改革の基本方針2022
▼経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~(令和4年6月7日閣議決定)
  • 国際情勢の変化と社会課題の解決に向けて
    • 我々はこれまでの延長線上にない世界を生きている。世界を一変させた新型コロナウイルス感染症、力による一方的な現状変更という国際秩序の根幹を揺るがすロシアのウクライナ侵略、権威主義的国家による民主主義・自由主義への挑戦、一刻の猶予も許さない気候変動問題など我が国を取り巻く環境に地殻変動とも言うべき構造変化が生じるとともに、国内においては、回復の足取りが依然脆弱な中での輸入資源価格高騰による海外への所得流出、コロナ禍で更に進む人口減少・少子高齢化、潜在成長率の停滞、災害の頻発化・激甚化など、内外の難局が同時に、そして複合的に押し寄せている。我々に求められるのは、この難局を単に乗り越えるだけでなく、こうした社会課題の解決に向けた取組それ自体を付加価値創造の源泉として成長戦略に位置付け、官民が協働して重点的な投資と規制・制度改革を中長期的かつ計画的に実施することにより、課題解決と経済成長を同時に実現しながら、経済社会の構造を変化に対してより強靱で持続可能なものに変革する「新しい資本主義」を起動することである。こうして我々自身の資本主義をバージョンアップすることにより、自由で公正な経済体制を一層強化していく。
  • このため、本「経済財政運営と改革の基本方針2022」においては、
    • 当面の難局を乗り越えるためのマクロ経済運営の方針を示すとともに、
    • 成長と分配をともに高める「人への投資」を始め、科学技術・イノベーションへの投資、スタートアップへの投資、グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーション(DX)への投資を柱とする「新しい資本主義」の実現に向けた重点投資分野についての官民連携投資の基本方針を示す。
    • あわせて、新しい資本主義が目指す民間の力を活用した社会課題解決に向けた取組や多様性に富んだ包摂社会の実現、一極集中から多極化した社会をつくり地域を活性化する改革の方向性を示す。
    • さらに、世界に開かれた貿易・投資立国であることをこれからも維持しつつ、厳しさを増す東アジア情勢や権威主義的国家の台頭など国際環境の変化に応じた戦略的な外交・安全保障や同志国との連携強化、経済安全保障等についての方向性を示す。
    • また、強靱で持続可能な経済社会に向けた防災・減災、国土強靱化の推進や東日本大震災等からの復興、国民生活の安全・安心に向けた基本的な方針を示していく。
    • その上で、これらの政策遂行の基盤となる強固で持続可能な経済・財政・社会保障制度の構築に向けた経済・財政一体改革の取組方針を示し、短期と中長期の整合性を確保した経済財政運営の方針と令和5年度予算編成の考え方を提示する。
  • 短期と中長期の経済財政運営
    1. コロナ禍からの回復とウクライナ情勢の下でのマクロ経済運営
      1. 当面のマクロ経済運営
        • 我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による強い下押し圧力を受けながらも、持ち直しの動きを続けてきた。この間、医療提供体制の強化やワクチン接種の加速など経済社会活動回復のための環境整備を行うとともに、あらゆる政策を総動員して国民の所得や雇用を下支えし、特に、厳しい影響を受けた方々や事業者に対する金融措置を含む万全の支援を行うことにより、新型コロナウイルス感染症の影響から国民生活を守り、ポストコロナの持続的な成長に向けた基盤整備を進めてきた。その中で生じたのが本年2月のロシアによるウクライナへの軍事侵攻である。
        • 国際商品・金融市場を始め世界経済の不確実性が大きく増す中、我が国のマクロ経済運営については、当面、2段階のアプローチで万全の対応を行う。コロナ禍からの回復が依然として脆弱であることに鑑み、まずは、ウクライナ情勢に伴う原油・原材料、穀物等の国際価格の高騰や希少物資の供給懸念等に対する緊急対策を講ずることにより、コロナ禍で傷んでいる国民生活や経済への更なる打撃をできる限り抑制し、厳しい状況にある方々を全力で支援する。これにより、経済の腰折れを防ぎ、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとしていく。
        • また、今後も感染症の再拡大やウクライナ情勢の長期化に伴う原油価格・物価の更なる高騰の可能性など予断を許さない状況は続くと見込まれることから、予備費の活用等により予期せぬ財政需要にも迅速に対応して国民の安心を確保する。
        • その上で、第2段階として、本基本方針や新しい資本主義に向けたグランドデザインと実行計画をジャンプスタートさせるための総合的な方策を早急に具体化し、実行に移す。
        • これにより、中長期的な課題に対応しつつ、コロナ禍で失われた経済活動のダイナミズムを取り戻し、新陳代謝と多様性に満ちた裾野の広い経済成長と成長の果実が隅々まで行き渡る「成長と分配の好循環」を早期に実現する。あわせて、国際的な人の往来や観光需要の回復、対日直接投資の更なる推進等を通じて旺盛な海外需要を日本経済に取り込む。また、エネルギー分野を始め国際環境の変化にも強靱な経済構造に向けた改革を進め、世界の構造変化を日本がリードしていく。
        • 今後とも、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める経済財政運営の枠組みを堅持し、民需主導の自律的な成長とデフレからの脱却に向け、経済状況等を注視し、躊躇なく機動的なマクロ経済運営を行っていく。日本銀行においては、経済・物価・金融情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
      2. 経済社会活動の正常化に向けた感染症対策
        • 新型コロナウイルス感染症対策については、必要な財政支援や見える化等により医療提供体制の強化を進めるとともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、段階的な見直しを行い、一日も早い経済社会活動の正常化を目指す。
        • 医療提供体制の強化について、国立病院機構等の公立公的病院に法律に基づく要求・要請を行うことによる新型コロナウイルス感染症の専用病床化とともに、個別の病院名を明らかにした病床の確保を行いつつ、感染拡大時には即応病床の増床や病床の使用率向上により、入院を必要とする者がまずは迅速に病床又は臨時の医療施設等に受け入れられ、確実に入院につなげる体制を整備する。
        • 感染拡大時に臨時の医療施設等が円滑に稼働できるよう、都道府県ごとに医療人材派遣の協力可能な医療機関数や派遣者数を具体化するほか、公立公的病院においても都道府県に設置する臨時の医療施設等に医療人材を派遣する。
        • 医療DXを推進し、医療情報の基盤を整備するとともに、G-MISやレセプトデータ等を活用し、病床確保や使用率、オンライン診療実績など医療体制の稼働状況の徹底的な「見える化」を進める。
        • ワクチン、検査、経口治療薬の普及等により、予防、発見から早期治療までの流れを強化して新型コロナウイルス感染症の脅威を社会全体として可能な限り引き下げる。マイナンバーカードを使ったワクチン接種証明書のデジタル化等により、入国時での効率的なワクチン接種履歴の確認など円滑な確認体制を進める。
        • 国際的な人の往来の活発化に向け、感染拡大防止と経済社会活動のバランスを取りながら、他のG7諸国並みの円滑な入国を可能とする水際措置の見直しなど水際対策の緩和を進める。また、新たな変異株が発生する場合にはこれに機動的に対処する。
        • 新型コロナウイルス感染症に関する罹患後症状(いわゆる後遺症)についての実態把握や病態解明等に資する調査・研究を進める。
        • その上で、これまでの新型コロナウイルス感染症対応を客観的に評価し、次の感染症危機に備えて、本年6月を目途に、危機に迅速・的確に対応するための司令塔機能の強化や感染症法の在り方、保健医療体制の確保など、中長期的観点から必要な対応を取りまとめる。
    2. 中長期の経済財政運営
      • 持続的な経済成長に向けて、官民連携による計画的な重点投資を推進する。これによる民間企業投資の喚起と継続的な所得上昇により成長力を高めつつ需要創出を促すとともに、今後の成長分野への労働移動を円滑に促す。また、省エネ・脱炭素を通じた国内所得の海外流出の抑制や同じ価値観を共有する国々との協力関係の強化を通じて、比較優位のメリットをこれまで以上に引き出すとともに国内投資を喚起する。さらには、インバウンドの再生、農林水産物・食品や中小企業の輸出振興といった取組を強化し、産業の構造変化を促す。
      • その際、危機に対する必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期す。経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない。経済をしっかり立て直す。そして、財政健全化に向けて取り組む。
  • 人への投資と分配
    • デジタル化や脱炭素化という大きな変革の波の中、人口減少に伴う労働力不足にも直面する我が国において、創造性を発揮して付加価値を生み出していく原動力は「人」である。自律的な経済成長の実現には、民間投資を喚起して生産性を向上することで収益・所得を大きく増やすだけでなく、「人への投資」を拡大することにより、次なる成長の機会を生み出すことが不可欠である。「人への投資」は、新しい資本主義に向けて計画的な重点投資を行う科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX、DXに共通する基盤への中核的な投資であるとも言える。
    • こうした考えの下、働く人への分配を強化する賃上げを推進するとともに、職業訓練、生涯教育等への投資により人的資本の蓄積を加速させる。あわせて、多様な人材の一人一人が持つ潜在力を十分に発揮できるよう、年齢や性別、正規雇用・非正規雇用といった雇用形態にかかわらず、能力開発やセーフティネットを利用でき、自分の意思で仕事を選択可能で、個々の希望に応じて多様な働き方を選択できる環境整備を進める。
      1. 人的資本投資
        • 成長分野における重点投資等を通じた質の高い雇用の拡大を図りつつ、「人への投資」を抜本的に強化するため、2024年度までの3年間に、一般の方から募集したアイデアを踏まえた、4,000億円規模の予算を投入する施策パッケージを講じ、働く人が自らの意思でスキルアップし、デジタルなど成長分野へ移動できるよう強力に支援する。
        • 企業統治改革を進め、人的投資が企業の持続的な価値創造の基盤である点について株主との共通の理解を作り、今年中に非財務情報の開示ルールを策定するとともに、四半期開示の見直しを行う。男女の賃金格差の是正に向けて企業の開示ルールの見直しにも取り組む。また、政府からの特に大規模な支援を受ける際には、人的資本投資などを通じ、中長期的な価値創造にコミットすることを企業に求める。
        • あわせて、社会全体で学び直し(リカレント教育)を促進するための環境を整備する。学び直しによる成果の可視化と適切な評価、学び直し成果を活用したキャリアアップや兼業・副業の促進、学ぶ意欲がある人への支援の充実や環境整備、成長分野のニーズに応じたプログラムの開発支援や学び直しの産学官の対話、企業におけるリカレント教育による人材育成の強化等の取組を進める。
        • 以上の人的投資に取り組む中で、雇用調整助成金の特例措置等については、引き続き、感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら段階的に縮減していく一方で、人への投資や強力な就職支援を通じて円滑な労働移動を図り、成長分野等における労働需要に対応する。あわせて、同一労働同一賃金の徹底等を通じた非正規雇用労働者の処遇改善や正規化に取り組む。
        • 少子化対策・こども政策は、包摂社会の実現に向けて重要であるだけでなく、「人への投資」としても重要であり、強力に進める。
      2. 多様な働き方の推進
        • 人的資本投資の取組とともに、働く人のエンゲージメントと生産性を高めていくことを目指して働き方改革を進め、働く人の個々のニーズに基づいてジョブ型の雇用形態を始め多様な働き方を選択でき、活躍できる環境の整備に取り組む。
        • こうした観点から、就業場所・業務の変更の範囲の明示など、労働契約関係の明確化に取り組む。専門知識・技能を持った新卒学生や既卒数年程度の若者について、より一層活躍できるようにする観点から、その就職・採用方法を産・学と共に検討し、年度内を目途に一定の方向性を得る。裁量労働制を含めた労働時間制度の在り方について、裁量労働制の実態調査の結果やデジタル化による働き方の変化等を踏まえ、更なる検討を進める。フリーランスについて、事業者がフリーランスと取引する際の契約の明確化を図る法整備や相談体制の充実など、フリーランスが安心して働ける環境を整備する。
        • ポストコロナの「新しい日常」に対応した多様な働き方の普及を図るため、時間や場所を有効に活用できる良質なテレワークを促進する。労働移動の円滑化も視野に入れながら、労働者の職業選択の幅を広げ、多様なキャリア形成を促進する観点から副業・兼業を推進するほか、選択的週休3日制度については、子育て、介護等での活用、地方兼業での活用が考えられることから、好事例の収集・提供等により企業における導入を促進し、普及を図る。また、地域に貢献しながら多様な就労の機会を創る労働者協同組合についてNPO等からの円滑な移行等を図る。
        • 国家公務員について、既存業務の廃止・効率化、職場のデジタル環境整備、勤務形態の柔軟化などを通じた働き方改革を一層推進するとともに、採用試験の受験者拡大やデジタル人材を含めた中途採用の円滑化、リスキリングなど人材の確保・育成策に戦略的に取り組む。
      3. 質の高い教育の実現
        • 人への投資を通じた「成長と分配の好循環」を教育・人材育成においても実現し、「新しい資本主義」の実現に資するため、デジタル化に対応したイノベーション人材の育成等、大学、高等専門学校、専門学校等の社会の変化への対応を加速する。このため、教育未来創造会議の第一次提言等に基づき、以下の課題について、必要な取組を速やかに進める。
        • 新たな時代に対応する学びの支援の充実を図る。このため、恒久的な財源も念頭に置きつつ、給付型奨学金と授業料減免を、必要性の高い多子世帯や理工農系の学生等の中間層へ拡大する。また、減額返還制度を見直すほか、在学中は授業料を徴収せず卒業後の所得に応じて納付を可能とする新たな制度を、教育費を親・子供本人・国がどのように負担すべきかという論点や本制度の国民的な理解・受け入れ可能性を十分に考慮した上で、授業料無償化の対象となっていない学生について、安定的な財源を確保しつつ本格導入することに向け検討することとし、まずは大学院段階において導入することにより、ライフイベントも踏まえた柔軟な返還・納付(出世払い)の仕組みの創設を行う。官民共同修学支援プログラムの創設、地方自治体や企業による奨学金返還支援の促進等、若者を始め誰もが、家庭の経済事情にかかわらず学ぶことができる環境の整備を進める。
        • 未来を支える人材を育む大学等の機能強化を図る。このため、デジタル・グリーンなど成長分野への大学等の再編促進と産学官連携強化等に向け、複数年度にわたり予見可能性をもって再編に取り組める支援の検討や、私学助成のメリハリ付けの活用を始め、必要な仕組みの構築等を進めていく。その際、現在35%にとどまっている自然科学(理系)分野の学問を専攻する学生の割合についてOECD諸国で最も高い水準である5割程度を目指すなど具体的な目標を設定し、今後5~10年程度の期間に集中的に意欲ある大学の主体性をいかした取組を推進する。また、あらゆる分野の知見を総合的に活用し社会課題への的確な対応を図る「総合知」の創出・活用を目指し、専門性を大事にしつつも、文理横断的な大学入学者選抜や学びへの転換を進め、文系・理系の枠を超えた人材育成を加速する。若手研究者と企業との共同研究を通じた人材育成等により大学院教育を強化する。
      4. 賃上げ・最低賃金
        • 今年は、ここ数年低下してきた賃上げ率を反転させたが、ウクライナ情勢も相まって物価が上昇している。こうした中、賃上げの流れをサプライチェーン内の適切な分配を通じて中小企業に広げ、全国各地での賃上げ機運の一層の拡大を図る。
        • このため、中堅・中小企業の活力向上につながる事業再構築・生産性向上等の支援を通じて賃上げの原資となる付加価値の増大を図るとともに、適切な価格転嫁が行われる環境の整備に取り組むほか、抜本的に拡充した賃上げ促進税制の活用促進、賃上げを行った企業からの優先的な政府調達等に取り組み、地域の中小企業も含めた賃上げを推進する。
        • 新しい資本主義実現会議において、価格転嫁や多様な働き方の在り方について合意づくりを進めるとともに、データ・エビデンスを基に、適正な賃金引上げの在り方について検討を行う。
        • また、人への投資のためにも最低賃金の引上げは重要な政策決定事項である。最低賃金の引上げの環境整備を一層進めるためにも事業再構築・生産性向上に取り組む中小企業へのきめ細やかな支援や取引適正化等に取り組みつつ、景気や物価動向を踏まえ、地域間格差にも配慮しながら、できる限り早期に最低賃金の全国加重平均が1000円以上となることを目指し、引上げに取り組む。こうした考えの下、最低賃金について、官民が協力して引上げを図るとともに、その引上げ額については、公労使三者構成の最低賃金審議会で、生計費、賃金、賃金支払能力を考慮し、しっかり議論する。
      5. 「貯蓄から投資」のための「資産所得倍増プラン」
        • 我が国の個人金融資産2,000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている。投資による資産所得倍増を目指して、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、高齢者に向けたiDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める。これらを含めて、本年末に総合的な「資産所得倍増プラン」を策定する。その際、家計の安定的な資産形成に向けて、金融リテラシーの向上に取り組むとともに、家計がより適切に金融商品の選択を行えるよう、将来受給可能な年金額等の見える化、デジタルツールも活用した情報提供の充実や金融商品取引業者等による適切な助言や勧誘・説明を促すための制度整備を図る。

~NEW~
環境省 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)の公表について
  1. 令和2年度の食品ロスの発生量の推計結果を公表しましたので、お知らせします。
  2. 令和2年度の食品ロス量は約522万トンと推計されました。
  3. 食品ロスの削減は資源循環と炭素中立型の経済社会を形成する上で重要な課題であり、環境省では、関係省庁、地方自治体及び事業者等と協力して、より一層食品ロス削減のための取組を進めてまいります。
    • 我が国の食品ロスの発生量の推計値(令和2年度)について
      • 我が国では、食品ロスを含む食品廃棄物等(食品廃棄物及び有価として扱われる物)の発生抑制及び再生利用等を推進するため、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成12年法律第116号。以下「食品リサイクル法」という。)」に基づく国、地方自治体及び事業者等による取組や、特に食品ロスについては「食品ロスの削減の推進に関する法律(令和元年法律第19号。以下「食品ロス削減推進法」という。)」に基づき国民運動としての食品ロスの削減の取組が進められているところです。
      • 今般、事業系食品ロスについては食品リサイクル法に基づく事業者からの報告等をもとに、家庭系食品ロスについては市町村に対する実態調査等をもとに、令和2年度の食品ロス量(本来食べられるにも関わらず廃棄されている食品の量)は約522万トンと推計されました。
      • 食品ロスに関しては、平成27年9月25日に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)のターゲットの1つとして、2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれています。国内では、第4次循環型社会形成推進基本計画(平成30年6月19日閣議決定)及び食品リサイクル法の基本方針(令和元年7月12日公表)において、家庭系及び事業系の食品ロスを2030年度までに2000年度比で半減するとの目標が定められています。また、平成31年3月31日に閣議決定された食品ロス削減推進法に基づく「食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針」においても、これらの削減目標の達成を目指し、総合的に取組を推進することとされております。
    • 環境省の取組について
      • 環境省では、それぞれの主体が食品ロスに関する正確で分かりやすい情報を得ることができるよう、食品ロスに関する情報を集約した「食品ロスポータルサイト」を作成・更新しています。
      • 本サイトは主に「消費者向け」、「自治体向け」及び「事業者向け」に分類されており、それぞれの主体が必要な情報を簡単に得られるような構成としています。以下のURLから御覧ください。
  • 主な取組
    • モデル事業の支援
      • 環境省では、食品ロス削減と食品リサイクルを実効的に推進するための先進的事例を創出し、広く情報発信・横展開を図ることを目的として、モデルとなる事業の募集・支援を行っています。
      • 本年度は「食品廃棄ゼロエリア創出モデル事業」3件、「mottECO導入モデル事業」2件、「食品リサイクル推進・食品ロス削減モデル事業」2件、「学校給食における食品リサイクル推進・食品ロス削減モデル事業」2件の合計9件の事業を採択しました。
      • 令和3年度に実施したモデル事業について、その概要を食品ロスポータルサイトで公開しています。
    • 「フードドライブ実施の手引き」の公表
      • 環境省では、全国の自治体が自らフードドライブを実施する、もしくは地域の団体等がフードドライブを実施する際に参考としてもらうことを目的に、「フードドライブ実施の手引き」を作成しました。
      • 「フードドライブ実施の手引き」は、食品ロスポータルサイト又は以下URLの報道発表資料から御参照いただけます。
    • 「自治体職員向け食品ロス削減のための取組マニュアル」の公開
      • 環境省では、自治体における食品ロス削減の一層の推進のために、全国の自治体で進められている食品ロスの削減に向けた取組の中から先進的な取組20事例の実施の流れ・ポイントを取りまとめ、食品ロスポータルサイトで公開しています。

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第37回)配布資料
▼資料1 プラットフォームサービスに係る違法・有害情報(誹謗中傷、偽情報)への対策に関する主な論点(案)
  • 今後の取組の方向性
    1. 違法・有害情報対策全般
      • インターネット上の誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報の流通に関しては、依然としてSNS等のプラットフォームサービスの影響が大きく、プラットフォーム事業者を中心とした対応が求められる。
      • しかしながら、現在のインターネット環境においては、CDN事業者によるコンテンツのキャッシュや、ホスティング事業者によるコンテンツのホストなど、ネット環境の担い手が多岐にわたっており、情報の削除や発信者特定など、違法・有害情報対策の実務では、これらのネット環境の複雑化に伴う実効性の低下等が問題となっている。また、プラットフォームサービス以外の、中小の掲示板や、まとめサイト等のミドルメディアにおける違法・有害情報も問題となっている。
      • したがって、プラットフォームサービス以外の、CDN・ホスティング(クラウドサービス)・アプリマーケット・ミドルメディア等も射程に含め、コンテンツ流通メカニズム全体を踏まえながら、引き続き違法・有害情報対策に関する検討を行っていくことが必要ではないか。
      • さらに、ヘイトスピーチ・部落差別・性被害・自殺誘引等、様々な類型の違法・有害情報が問題となっていることから、これらの誹謗中傷や偽情報以外も含む違法・有害情報全般について対策を行っていくことが必要ではないか。
      • インターネット上の誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報の流通に関しては、プラットフォーム事業者において、自社サービス上でどのような違法・有害情報が流通しているのか、自ら実態把握とリスク評価を行うことが必要ではないか。
      • 総務省は、誹謗中傷といった違法・有害情報の流通について、相談機関等における相談件数や相談内容に関する傾向の把握や、目撃経験や被害経験に関するユーザ調査等を通じ、実態把握を継続して行うことが必要ではないか。
      • ユーザ自らが望ましいと判断する情報環境を目指すための環境整備が重要ではないか。
      • 個人がデジタルを通じて自身が触れる情報の自律的なコントロールを可能にするための環境整備が重要ではないか。
        1. 鳥海教授発表(第35回会合)
          • アテンションエコノミーの経済圏においては、プラットフォーマ側からみるとより多くのユーザのアクセスを集め、ユーザ側からみると欲しい情報の収集の効率化につながるため、短期的には双方にメリットが生じるが、長期的・社会的には、エコーチェンバーやフィルターバブルの発生によって、インフォデミックやフェイクニュースの拡散、社会的分断といった問題を生じる。
          • この状況について、食をアナロジーに捉え、自らを律して健康的な食事を実現することで長期的な健康維持のために短期的な欲望に勝つように、情報についても、自らが摂取する情報について長期的な利得のための短期的なアテンションに勝つという、情報的健康を考えることができるのではないか。
          • どのような状態が情報的健康であるかについて定義は容易ではなく、どのモデルケースを目指すかは個人の自己判断であるが、複数のモデルケースが提示可能ではないか。また、個人がそのモデルケースを目指すためにも、例えば、情報カロリー表示*1や情報ドック*2といった個人が今どのような状態にあるかを可視化することなどを通じた支援が必要であり、個人が摂取する情報に関する自分自身の状況を理解することが必要となる。
          • *1 情報のメタ情報の提示。例えば、新聞社やメディアの透明性などの評価を提示する機能やニュースがSNS上でどのように理解されているかを提示する機能。
          • *2 人間ドックのような情報的健康度の可視化。例えば、エコーチェンバー可視化システムやYahoo!ニュース検診。
          • この実現のためには、プラットフォームが有するデータの活用が不可欠である。多様な情報をみるユーザの方がサービス継続率が高い可能性があることなども踏まえ、プラットフォーマーによる協力が期待される。
        2. 山本構成員発表(第35回会合)
          • 憲法の「知る権利(知る自由)」は、(1)「さまざまな」意見等に接し、これを摂取する自由であると解されており、また、(2)「さまざまな」意見を摂取する自由の目的は人格発展と民主主義の原理の実現とされている。情報的健康は「さまざまな」情報をバランス良く摂取することでフェイクニュース等に対する免疫を獲得している状態と暫定的に定義づけられるが、「さまざまな意見、知識、情報」を摂取することを、国家に強制されてはならない。国家が、何が健康的な情報で何が不健康な情報かを定義してはならず、国家に求められるのは、多様な情報へのアクセスの機会を保障することであり、コンテンツに立ち入らないことが重要。
          • フィルターバブルやエコーチェンバーは、ユーザが、フィルターバブルに他律的に閉じ込められると、自己決定の機会や人格発展の機会がそがれ、民主主義や国家安全保障にも関わる問題を生じうる。大規模なプラットフォーム事業者には、フィルターバブルによる弊害を防止する措置をとることが期待される。また、ファクトチェック団体との緊密な連携とファクトチェック記事の効果的な表示が期待される。さらに、コンテンツの表示順位を決定するアルゴリズムやパラメータの透明化が必要である。この透明化を図ることで、悪質なアルゴリズムを用いていることが判明した事業者はユーザ市場やメディア等の記事配信・提供先から淘汰されることが期待される。
          • その他、経営とコンテンツの編成の間にファイアウォールを設けることで、コンテンツの提供・配信等について、経営側や社外のステークホルダーによる不当な干渉を阻止することが期待できるのではないか。また、個人データの収集やUIなどにユーザの基本的人権を侵害する不適切なものがないかをチェックする多様な分野の専門家から構成される倫理審査委員会を設置するべきではないか。配信元の妥当性などを監督するコンテンツ審査委員会の設置も期待される。
          • また、自社サービス上で発生している問題の実態を適切に把握する必要があり、調査の結果は営業秘密に抵触しない限り定期的に公表し、生データを含む詳細は報道機関や研究者と共有されるべきではないか。
          • これらの取組をどこまで法律で強制するかは慎重な議論が必要だが、少なくともプラットフォーム間の競争に委ねるための前提となる、当該プラットフォームの取組に関する透明性(情報開示)については、法律で要請する必要がある。その他の取組は基本的にプラットフォームの自主性を尊重しつつその効果等を外部から検証・監査する共同規制的アプローチが考えられる。
        3. ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動
          • それぞれのユーザが他人を個人として尊重し、SNSを始めとするインターネット上での自らの書き込みに対して他人が傷つく可能性を想像し、誹謗中傷を行わないよう心がけるなど、ユーザ自身の情報モラルが最も重要である。誰もが誹謗中傷の加害者になり得るし、誰もが偽情報を拡散する可能性があることを認識することが重要である。
          • 実態把握や分析結果に基づき、産学官民が連携し、引き続きICTリテラシー向上施策が効果的となるよう取り組み、体系的で多元的なリテラシー啓発を実施することが必要ではないか(分析結果の例:ごく少数の者がネット炎上によるネット世論を作る、書き込む動機は正義感、多くの人は自分が誹謗中傷を書いていると気づいていない、等)。
          • 総務省は、これまでのe-ネットキャラバン等の青少年向けの取組に加え、大人も含め幅広い対象に対してICTリテラシー向上のための取組を実施することを検討していくことが必要ではないか。様々な主体により行われている既存リテラシー施策について整理し、様々な主体の連携を促進することが必要ではないか。こうした総務省及び各ステークホルダーによる取組状況を把握し評価を行うことが必要ではないか。
          • 普及啓発を実施するにあたっては、ユーザのどのような行動変容を促すのかといった目標の設定と効果分析の仕組みを設けることが重要ではないか。
          • 個人が自分自身の触れる情報について自覚的になることへの支援が重要ではないか。その際、国が個人に対して、どのような情報が健康的であるかといった内容を押しつけることがあってはならない。
        4. 違法・有害情報全般に共通する対応
          • 誹謗中傷や偽情報以外も含む違法・有害情報全般(ヘイトスピーチ・部落差別・自殺誘引等)に共通する対応として、まず、違法な情報に対して、プラットフォーム事業者をはじめとするサイト運営者は、プロバイダ責任制限法による免責規定や民間団体が策定するガイドラインを踏まえ、迅速に削除等の対応を行うことが求められるのではないか。
          • 法務省人権擁護機関等の関係機関からの削除要請を受けた場合には、それらの手続の正当性や専門性も踏まえ、迅速に削除等の対応を行うことが求められることから、プラットフォーム事業者は、要請された内容に関するポリシーに基づく措置や我が国におけるトラステッドフラッガーの仕組みの導入などについて検討することが望ましいのではないか。
          • プラットフォーム事業者・総務省・法務省人権擁護機関による実務者検討会の継続的な開催等により、削除に関する違法性の判断基準・判断方法や個別の事業者における削除実績等について関係者間で共有し、行政側・事業者側双方の削除に関する対応についての透明性を向上させ、円滑な削除対応を促進することが必要ではないか。
          • 個別の書き込みが違法な情報か有害な情報かの判断が難しい場合も多いこと等を前提に、違法ではないが有害な書き込みについては、自らのポリシーや約款に基づき、適切に削除等の対応を行うことが求められるのではないか。
          • 削除以外にも、それぞれのサービスの特性に応じた、アーキテクチャ上の工夫による違法・有害情報対策を進めることが期待されるところ、ヒアリング結果を踏まえ、特に一定の短期間に大量の誹謗中傷が集まった場合に、既存の機能・取組において効果的な対応が可能なのかという点について自ら検証を行い、仮に効果が見られない場合には、更なるアーキテクチャ上の工夫の導入について検討を行うことが望ましいのではないか。
        5. プラットフォーム事業者による取組の透明性・アカウンタビリティの向上
          • ヒアリングによると、プラットフォーム事業者の誹謗中傷への対応に関する透明性・アカウンタビリティ確保状況は、前回ヒアリング状況から一部進展が見られるものの、一部項目において、依然、透明性・アカウンタビリティの確保が十分とは言えない状況ではないか。
          • 我が国において、コンテンツモデレーションが過不足なく実施されているかに関する透明性・アカウンタビリティ確保が図られていない事業者に関しては、特に透明性・アカウンタビリティ確保の取組を進めることが強く求められるのではないか。
          • 国は、引き続きプラットフォーム事業者等による自主的な削除等の対応を促進すべきではないか。ただし、プラットフォーム事業者等に対して削除義務を課すことや、個別のコンテンツを削除しなかったことに対して罰則等を設ける法的規制を導入することは極めて慎重な検討を要するのではないか。
          • 総務省は、プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかに関する検証可能性を確保する観点から、行動規範の策定及び遵守の求め又は法的枠組みの導入等の行政からの一定の関与を検討することが必要ではないか。
          • 自由放任モデル、伝統的規制モデル、共同規制モデルについて、実効性や表現の自由の侵害のおそれなどの観点から比較したとき、共同規制モデルを基本に透明性確保のための枠組みを検討するのが最も適切ではないか。
          • (1)リスクベースアプローチに基づく検討、(2)特に、リスクの大きい巨大プラットフォームサービスについて、自らのサービスのリスク評価の実施及び結果の公表、(3)リスクを低減するための合理的・比例的・効果的な対応の実施とその結果及び効果の公表、(4)政府及び外部研究者等による継続的なモニタリング、(5)モニタリングを可能とするデータ提供、といった大枠としての共同規制的枠組みの構築を前提に検討を進めることが適当ではないか。
          • 総務省は、プラットフォーム事業者による自らのサービスに関するリスク評価やその低減のための措置と効果、結果等に関して、プラットフォーム事業者の取組状況に対する政府及び外部研究者による継続的なモニタリングを可能にするための枠組みを設ける必要があるのではないか。
          • 総務省は、継続的に国際的な法的規制枠組みの検討状況を把握し、国際的対話を深めていくことが適当ではないか。グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者における適切な対応について、諸外国の情報通信担当部局等と連携しながら、実効的な対応を検討していくことが必要ではないか。G7における成果文書等も踏まえ、グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者の透明性・アカウンタビリティ確保に関して、海外政府や国際機関における議論と協調して実施することが重要ではないか。
          • プラットフォームサービス以外のサービス(CDN・ホスティング(クラウド)・アプリストア等)における違法・有害情報対策に係る取組についても、必要に応じて今後ヒアリングを行い、透明性・アカウンタビリティ確保を求めていくことが望ましいのではないか。また、その必要性を判断するための実態の把握が必要ではないか。
          • ヒアリング結果によると、AIの活用に関して、各社において深層学習を用いた自然言語処理モデルを活用した違法・有害情報への対応がすでに進められていることから、引き続き、これらの取組を進めることが有用ではないか。他方で、AIの活用によるオーバーブロッキング等の懸念もあることから、AIの活用に関して具体的な透明性・アカウンタビリティ確保を図っていくことが望ましいのではないか。
          • 具体的なモニタリング事項や法的枠組みの検討に関しては、既存のヒアリングシートを基本として、プラットフォーム事業者と対話を行いながら検討することが適当ではないか。より適切な指標や項目があると考えられる場合には、プラットフォーム事業者は、自らのサービスの特性を踏まえ、代替案となる指標や取組を積極的に示すことが望ましいのではないか。
        6. 発信者情報開示関係
          • 改正プロバイダ責任制限法の施行に向けて、関係者及び総務省の間で、具体的な運用に関する協議を継続することが必要ではないか。
          • その際、現在のインターネット環境においては、CDN事業者によるコンテンツのキャッシュや、ホスティング事業者によるコンテンツのホストなど、ネット環境の担い手が多岐にわたっており、情報の削除や発信者特定など、違法・有害情報対策の実務では、これらのネット環境の複雑化に伴う実効性の低下等が問題となっていることを踏まえ、プラットフォームサービス以外の、CDN・ホスティング(クラウドサービス)事業者等も含めた協議を継続するべきではないか。
          • 円滑な発信者情報開示制度の運用にむけて、プラットフォーム事業者は、2.(2)に記載の透明性・アカウンタビリティ確保の取組の中で、削除件数以外にも、我が国における発信者情報開示に関する請求や開示件数等について集計・公開することが望ましいのではないか。また、総務省は、法務省や裁判所等と連携し、行政側でも現行制度及び新制度に関する発信者情報開示の件数等を把握することが求められるのではないか。
        7. 相談対応の充実
          • 違法・有害情報相談センターにおいて、引き続き被害者救済のための運用を着実に行うとともに、ユーザビリティに資するシステム更新等を随時検討していくことが望ましいのではないか。
          • 総務省は、複数の相談機関間における連携強化を一層深めていくことが必要ではないか。
          • また、相談を必要としている被害者に対して違法・有害情報相談センター等の必要とされる相談機関の相談窓口に関する情報が届くよう、複数の相談窓口の案内図について広く周知を行うなど、引き続き、被害者にとって相談窓口を分かりやすく示すための取組を行うことが必要ではないか。
        8. 透明性・アカウンタビリティ確保の重要性について
          • 多くのユーザが自由な情報の発信・受信を可能にするプラットフォーム事業者は、自社サービス上で誹謗中傷や偽情報といった違法・有害情報も多く流通する中、情報が流通している状況を覚知した場合には、削除やアカウントの停止、ラベルの付与等のコンテンツモデレーションを実施するなど、情報流通の適正について一定の責任を果たすことが期待されるのではないか。一方で、プラットフォーム事業者は、ユーザによる表現を預かる立場でもあり、ユーザの表現の自由の尊重について一定の責任を果たすことが期待されるのではないか。
          • また、プラットフォーム事業者は、サービスの特性や誹謗中傷等の情報がユーザに与えるリスクを分析した上で、文化的、社会的、政治的背景を踏まえた、コンテンツモデレーションの実施に係るポリシーの設定とその実施に必要な体制の構築をはじめとするリソースの確保や、自社サービス上で生じた紛争解決のための発信者情報開示などの裁判手続きへの適切な協力などが期待されるのではないか。こうしたコンテンツモデレーションについては、削除以外の手法による対応も含め、事業者による自律的な創意工夫による対応が行われることが望ましいのではないか。
          • すでに大規模なプラットフォーム事業者では、誹謗中傷等の不適切な情報への措置を講じる必要性が認識されており、あらかじめ対応方針や基準となるポリシーを自主的に設定し、投稿の削除やアカウントの停止等のコンテンツモデレーションを行っている例が見られる。こうした措置については、措置の対象とされるべき情報に対して確実に措置が行われることが望ましい一方で、行過ぎた措置や恣意的な措置といった不適切な運用によってユーザの表現の自由が損なわれることがないよう、過不足なく実施される必要があるのではないか。
          • 違法・有害情報への対応が、対応されるべき情報が適切に対応されるとともに、ユーザの表現の自由に対する過度な制約とならないように、過不足なく行われるためには、ポリシーの設定状況やその運用状況、対応結果といった項目に関する透明性を確保し、「言論空間のガバナンスに対するガバナンス」、プロセスの透明性を確保することが必要ではないか。
          • その透明性の確保にあたっては、大規模なプラットフォームサービスが情報流通について公共的役割を果たしていることからも、当該サービスのユーザだけではなく、すべての者からの検証可能な環境が確保される必要があるのではないか。
          • また、透明性の確保にあたっては、サービス上における誹謗中傷の発生件数等の流通実態やその抑制のための対策とその効果に関する総量的な数値等の把握というマクロの観点と、個別具体の誹謗中傷等の情報に対する権利回復のための裁判手続きへの対応や、十分に措置が行われないケースや行過ぎた措置が行われたケースが発生した場合の反論や異議申し立ての機会の確保とその対応状況の把握というミクロの観点の両面から、ユーザ及びユーザ以外の者からの検証可能性の確保が必要ではないか。
          • プラットフォーム事業者は、G7における成果文書やサンタクララ原則のような国際的な議論を参考に、国別の数値やモデレーション実施に関する体制の確保などについて、透明性を確保することが望ましいのではないか。なお、サンタクララ原則は行政による規律のひな形ではないと言及されていることに留意する。
          • 透明性・アカウンタビリティ確保のための枠組みの方向性
          • これまで当研究会が実施してきた、大規模なプラットフォーム事業者に対する透明性・アカウンタビリティ確保に関する任意での回答の求めには、その回答状況には一部で進展が見られるものの、プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかを判断するという観点からは、透明性・アカウンタビリティの確保について不十分な点があるのではないか。
          • 研究会において実施したモニタリングにおいて、プラットフォーム事業者による透明性・アカウンタビリティ確保の取組には進展が見られるところ、引き続きその取組に期待するとともに、透明性が確保されることが望ましい事項を明確化することが望ましいのではないか。また、プラットフォーム事業者による透明性・アカウンタビリティの確保について、一過性のものではなく継続的に行われることが担保されることが必要ではないか。
          • また、プラットフォーム事業者に対して対応状況等に係る透明性確保や報告を求めることについては、プラットフォーム事業者側からの予見可能性確保の観点からも、行動規範の策定及び遵守の求めや法的枠組みなどの根拠に基づき行われる必要があるのではないか。
          • プラットフォーム事業者による透明性に関する報告等について、コンテンツモデレーションが過不足なく実施されているかを把握するために透明性が十分確保されているか、ユーザやユーザ以外の者にとって判断可能な内容となっているか、ユーザがリスクを十分に理解・受容した上でサービスを利用できる環境が整っているか、継続的に把握し、評価する仕組みが必要ではないか。
          • 以上を踏まえ、コンテンツモデレーションが過不足なく行われていることがユーザやユーザ以外の者に対しても明らかになるように、総務省は、透明性・アカウンタビリティの確保方策に関する行動規範の策定及び遵守の求めや法的枠組みの導入等の行政からの一定の関与について、具体的に検討を行うことが必要ではないか。
          • この際、表現の自由や検閲の禁止といった規定に十分に留意する必要があるのではないか。また、国は、ユーザやプラットフォーム事業者に対して投稿の削除を義務づけることについて、過剰削除の懸念から表現の自由の萎縮の観点から、引き続き、極めて慎重であるべきではないか。
          • プラットフォーム事業者によるコンテンツモデレーションが過不足なく行われているかの検証可能性を確保するためには、
          • 1 誹謗中傷等に関するポリシー
          • 2 一般ユーザからの申告や削除要請に対応する部署・チームや日本国内の拠点・責任者
          • 3 削除等への苦情等対する苦情受付態勢及び苦情処理プロセス
          • 4 日本における削除要請件数や削除件数
          • 5 発信者情報開示の件数
          • 6 取組の効果分析
          • 7 透明性レポートの公開
          • といった要素について、当研究会において実施したヒアリングシートの項目を中心に、海外における透明性確保に係る議論において対象とされる情報などを参考にしつつ、透明性を確保すべき対象情報について、プラットフォーム事業者の自主的な取組を尊重しながら、透明性・アカウンタビリティが確保されるべき最低限の項目が示される必要があるのではないか。
          • 透明性が確保すべき情報については、機械可読な形で、標準化され相互運用性のある形で透明性が報告されることが重要ではないか。
          • G7における成果文書等も踏まえ、グローバルにサービスを提供するプラットフォーム事業者においては、グローバルのみならず我が国における透明性・アカウンタビリティ確保が行われることが重要ではないか。
        9. 水谷准教授発表(第31回会合)
          • デジタル革命以降、万人が公平に利用可能な情報発信、受信のインフラが登場したものの、思想内容から刺激の競争を背景に情報資本主義、アテンションエコノミーが到来し、それまで憲法学と親和的であったはずの思想の自由市場は機能不全に至り、民主主義を支える熟議が機能しにくくなっている。
          • デジタルプラットフォーム事業者(DPF)は、自身のユーザに対して、心地よく場を利用してもらうため、ひいては自らの経済的な利益のために場の管理等を行い、ユーザが「知るべき」よりもユーザが「知りたい」情報をDPFが「設計した場」に流通させている。ユーザの自由は、DPFの「手のひらの上の自由」となっている。近年、DPFは、自身が定めるルールとその実行組織などを備えた、オンライン言論の新たな統治者(the New Governors)と評されている。
          • DPFは、コンテンツモデレーションについて、その規模の大きさとツールの問題から、AIを用いた自動化と、個人の権利よりもリスクと利益を重視する確率論とシステミックな発想に基づいて実施する。こうしたシステミックな手法においては、必然的に生じるエラーを許容した上でガバナンスの設計に組み込むことが重要。
          • これらを踏まえ、今後、憲法学においても、「オンライン言論ガバナンスに対するガバナンス」が重要であり、特に、プロセスの透明性を高め、その設計がユーザにとって正統性を有するものかと問う、DPFに対するデュープロセス的観点が重要となる。その観点からの国際的な議論としては、市民団体や学識者によるマニラ原則とサンタクララ原則が策定されており、DPFが果たすべき透明性と説明責任に関する基本原則が議論されている。
          • 現代においても政府による発信者に対するコンテンツ規制の対象拡大や厳罰化には慎重を期すべきであり、デジタルプラットフォーム事業者に対する特定のコンテンツ削除義務を課す手法についても、デジタルプラットフォームの「検閲代理人化」とオーバーブロッキングの懸念がある。
          • DPFによるオンライン言論ガバナンスは、削除に限らない様々な手法を駆使できる利点があり、事業者の機能的な「自律性」を認めつつ、政府はDPFのプロセスの透明性や適正性の実現を促進し、ひいてはDPFによるユーザの統治の「正統性」を確保するためのルール形成に注力するべきである。また、政府自身もDPF規制に関しての透明性を確保しなければならない。
        10. 曽我部教授発表(第35回会合)
          • SNS事業者は、情報流通の媒介者であり社会的責任として、利用者の表現の自由の尊重が求められる一方で、違法・有害情報の流通も当然想定される中での情報流通の適正について一定の責任が求められる立場である。また、基本権や憲法上の権利の主体でもあり、SNS事業者に規制を課す場合には法律の根拠を有する。
          • 規律の構想にあたっては、国家・事業者・個人の三面関係を踏まえることを要する。(国民は国家とPFに対する表現の自由を主張しうる立場、PFは国民に対する利用規約やアーキテクチャによる規制等と国家に対する表現の自由と営業の自由を主張しうる立場、国家は国民に対する一般法に基づくPF上の行動の規制とPFに対する削除義務などの直接的な義務づけ等の規律を主張しうる立場)
          • 誹謗中傷対策には、総量を減らすというマクロの視点と、個別の被害救済というミクロの視点がある。このマクロの視点には3つのモデルが考えられる。
            1. 自由放任モデル:特段の規律を設けず、一般法(民法、刑法など)の規律に委ねる。
            2. 伝統的法規制モデル:(監視義務や)削除義務を課し、その違反には責任を問う。
            3. 共同規制(規律された自主規制)モデル:情報流通の適正確保の義務を課し、透明性の確保等を通じ担保。
          • 自由放任モデルには、違法・有害情報も含む情報の拡散力の飛躍的向上やアテンションエコノミーの発生、法執行の困難性、思想の自由市場のフィクション性の顕現による国家の介入による自由な言論空間の確保の必要性などの観点から課題がある。伝統的法規制モデルには、行政による表現内容への介入のおそれや執行リソースの大きさや、判断の困難性と過剰削除のおそれや削除以外の対応という事業者の創意工夫の余地を阻害する点から課題がある。
          • 共同規制(規律された自主規制)モデルでは、透明性・説明責任の義務を通じて、情報流通の適正確保の義務の担保を図る。通報窓口や異議申し立てなどの体制の整備など、具体的な取組に関して義務づけるか事業者の創意工夫に委ねるかについては、事業者に対する予測可能性や過剰・過少削除のおそれの観点からバランスを図る必要がある。近年の欧州の立法などをみても透明性確保による情報流通の適正確保はトレンドといえる。透明性の確保は、国民による監視機能の強化や義務違反の制裁の容易化の効果があり、政府による評価はこれを補助する。放送法における番組準則を各事業者が定める規律に、共同規制モデルは一定の類似性がある。
    2. 偽情報
      1. 自主的スキームの尊重
        • 民間による自主的な取組を基本とした対策を進めていくとともに、総務省はモニタリングと検証評価を継続的に行っていくことが必要ではないか
      2. 我が国における実態の把握
        • PF事業者の認識や実態把握と調査結果とのギャップが生じていることから、プラットフォーム事業者は、自らのサービス上で生じている我が国における偽情報の問題について適切に実態把握を行い、研究者が分析を行うために必要な情報の無償で情報提供が行われることが望ましいのではないか
      3. 多様なステークホルダーによる協力関係の構築
        • 「Disinformation対策フォーラム」 「Innovation Nippon」等において継続的に議論・研究が行われることが望ましいのではないか
      4. プラットフォーム事業者による適切な対応及び透明性・アカウンタビリティの確保
        • プラットフォーム事業者は、リスク評価に基づき偽情報への対応を適切に行い、それらの取組に関する透明性・アカウンタビリティ確保を進めていくことが求められるのではないか
        • 総務省は、これらの取組に関するモニタリングと検証評価を継続的に行っていくことが必要ではないか。どのような方法や情報により偽情報への適切な対応が図られているかどうかを評価することが可能かについて引き続き検討が必要ではないか
        • 国は、引き続きプラットフォーム事業者等による自主的な削除等の対応を促進することとし、プラットフォーム事業者等に対して削除義務を課すことや、個別のコンテンツを削除しなかったことに対して罰則等を設ける法的規制を導入することは極めて慎重な検討を要するのではないか。
      5. 利用者情報を活用した情報配信への対応
        • 広告の種類・対応に応じてリスクや問題の差異を分析したうえで、特に、偽情報を内容とする広告の配信やターゲティング技術の適用については、そのリスクを踏まえ、より注意深い対応と、それに伴う透明性・アカウンタビリティ確保が求められるのではないか
      6. ファクトチェックの推進
        • プラットフォーム事業者・ファクトチェッカー・ファクトチェック推進団体・既存メディア等が連携し、取組がさらに進められることが期待さ
        • れるのではないか
        • 我が国におけるファクトチェック結果を積み重ねて分析を行うことにより、偽情報の傾向分析やそれを踏まえた対策の検討が行われ
        • ることが望ましいのではないか
      7. 情報発信者側における信頼性確保方策の検討
        • 現代のメディア環境に対応した情報の信頼性の確保の在り方について、既存メディア・ネットメディア・プラットフォーム事業者など関
        • 係者の間で検討を深めていくことが望ましいのではないか
        • ミドルメディアを中心とした偽情報の生成・拡散・流通メカニズムに関する実態把握と分析も踏まえ、検討を深めていくことが望ましいのではないか
      8. ICTリテラシー向上の推進
        • 偽情報の特徴を踏まえながら引き続きICTリテラシー向上施策が効果的となるよう取り組むことが必要ではないか
      9. 研究開発の推進
        • ディープフェイク等に対抗にするための研究開発や事業者の対応が進められることが望ましいのではないか
      10. 国際的な対話の深化
        • 偽情報に関する政策について国際的な対話の深化を深めていくことが望ましいのではないか

~NEW~
金融庁 「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」(第5回)議事次第
▼資料1 事務局説明資料
  • 米国連邦法・NY州法におけるステーブルコインに関連する現行規制の概観
    1. 連邦法
      • いわゆるステーブルコインのみを対象とする固有の規制はないが、ステーブルコインを送付等する場合、連邦銀行機密法(BSA)のMoney Transmitterとして、AML/CFT規制に服する。
      • 現状、ステーブルコインに関して、複数の連邦規制当局からの監督を受ける可能性がある(連邦証券諸法、商品取引法等がステーブルコインに適用されるかについては、議論がある。)。
    2. ニューヨーク(NY)州法
      • いわゆるステーブルコインのみを対象とする固有の規制はないが、ステーブルコインの発行・移転等を含む暗号資産事業活動を行う場合、NY州暗号資産規制(23 NYCRR Part 200)に基づきBitLicenseを取得しなければならない。
        • NY州銀行法上の銀行・信託会社であって、当局の承認を得た者は、BitLicenseの取得は不要(NY州暗号資産規制には従う必要)。
        • 法定通貨を送金する場合には、NY州のMoney Transmitterライセンスが必要であり、Bitライセンシーが顧客の暗号資産(NY州法上はステーブルコインを含む)を償還するためには、BitLicenseに加えてNY州法上のMoney Transmitterのライセンスを取得するのが一般的とされている
  • 米国NY州において、いわゆるステーブルコインに関するビジネスを行う場合、
    • 連邦銀行機密法(BSA)に基づく基本的なAML/CFT規制
    • スキームの実態等に応じて送金・銀行規制、暗号資産規制、証券規制、商品先物規制等の中で該当する規制が重畳適用されることになる。
  • NY州における主なステーブルコイン規制の内容
    • ほとんどのステーブルコインは、NY州暗号資産規制上の「暗号資産」に該当すると考えられており、NY州においてステーブルコインに関する事業活動を行うためには、NY州暗号資産規制(23NYCRR Part200)に基づき、BitLicenseを取得する必要がある。
    • Bitライセンシーがステーブルコインの法定通貨への償還を行う場合は、一般的に送金業務に該当し、BitLicenseに加え、連邦法・NY州銀行法に基づくMoney Transmitter免許を取得する必要があるとされている
  • 米国預金保険制度とステーブルコインの関係
    • ステーブルコインと米国預金保険制度に関して、調査報告書によれば、
      • ステーブルコイン発行銀行等(FDIC(連邦預金保険公社)の被保険銀行等)が破綻した場合、ステーブルコインが預金債権に該当し、一定の要件(※1-②)を満たす限り、保有者は預金保険により一定額(各名義口座あたり25万米ドル)が補償されると考えられる。
      • 限定目的信託会社であるステーブルコイン発行者が、受託財産を資産保全先銀行等(被保険銀行等)において分別管理した場合には、発行者の破綻から当該資産が隔離されると考えられる。また、当該資産保全先銀行等の破綻時は、パススルー要件を満たしていれば、当該被保険銀行等における預金保険の補償範囲で償還を受けることが可能と考えられる。
      • いずれの場合も、預金保険制度による補償(償還)を受けるためには、被保険銀行等においてステーブルコインの所有者を認識し得る状態に置かれていることが求められる。
    • UST(Terra USD)の価格下落
      • 5月上旬、米ドルに連動するいわゆるアルゴリズム型(注)のステーブルコインであるUSTの価格が急落。
      • これを受けて、ステーブルコインや暗号資産全体に対する市場の警戒感が高まった。
      • USTでは、価格が変動するLUNAという暗号資産を用意し、常に1USTを1ドル分のLUNAと交換できるようにしてアービトラージのインセンティブを設けることで、価格を安定させるとしていた
    • イエレン米財務長官は以下のような発言を行っている。
      • 5月10日、上院銀行住宅都市委員会で、「テラUSDとして知られるステーブルコインから資金が流出し価値が下落した」と指摘。「これは急速に成長する商品であり、金融安定性へのリスクが存在するため適切な枠組みが必要なことを示していると考える」と発言した。
      • ステーブルコインの規制枠組みの法案を年内に通過させることが「極めて適切だ」と述べた。
      • さらに、現在の規制の枠組みは、新種の決済商品としてのステーブルコインのリスクに対し「一貫性のある」包括的な基準を提供していないとの見解をあらためて示した。
      • 同月12日、下院金融委員会でステーブルコインについて、テラ急落はドルに連動するように設計された暗号資産の危険性を示していると指摘。「現在の規模では金融安定への真の脅威とは見なさないが、非常に急速に成長しており、われわれが何世紀にもわたって経験した銀行取り付け関連のリスクと同様の危険性を呈している」と述べた。
  • 対ロシア制裁について(ウクライナ関連)-G7/FATF
    1. G7首脳声明(2022年3月11日)
      • 第四に、我々は、我々の制限的措置の有効性を維持し、回避を取り締まり、抜け穴を塞ぐことにコミットする。具体的には、回避を防止するために計画されている他の措置に加え、我々は、ロシア政府及びエリート層、代理勢力、オリガルヒが、国際的な制裁の影響を回避あるいは相殺するための手段としてデジタル資産を活用することができないことを確保し、これにより世界の金融システムに対する彼らのアクセスを更に制限する。我々の現在の制裁は、既に暗号資産を対象としていると一般に理解されている。我々は、あらゆる不正な活動をよりよく検知及び阻止するための措置をとることにコミットし、また各国の国内手続と整合的な形で、デジタル資産を用いて自身の富を拡大及び移転するロシアの不法行為者にコストを課す。
    2. G7首脳会合(ベルギー・ブリュッセル 2022年3月24日)
      • 制裁について、岸田総理大臣は、3月12日(日本時間)に発出したG7首脳声明を踏まえ、我が国としても、抜け穴を埋めながら、G7と緊密に連携してロシアへの外交的・経済的圧力を一層強める旨述べました。具体的には、(1)今後、貿易に関する「最恵国待遇」の撤回に向けた法令整備を迅速に進めること、(2)輸出禁止対象に81の軍事関連団体を追加すること、(3)多くのオリガルヒやその家族等を制裁対象に追加すること、(4)贅沢品の輸出禁止措置を速やかに導入すること、(5)デジタル資産を用いたロシアの制裁回避に対応するため、金融面での制裁の実効性を更に強化すべく、このための法令整備も迅速に進めることを表明しました。
    3. ウクライナ情勢に関するFATF声明のポイント
      • FATFは、ロシアのウクライナ侵攻が、マネー・ローンダリング、テロ資金供与および拡散金融に関するリスク環境、金融システム、経済、および、安全保障に与える影響について、重大な懸念を表明。
      • FATFは、現在、FATFにおけるロシアの役割をレビューしており、必要な追加的措置についても検討することに言及。
      • 金融機関や金融システムを標的とした悪意のあるサイバー活動がマネロン等管理体制に与えるリスクに言及。人道支援の観点からNPO活動の重要性を強調。
      • 各国に対し、暗号資産を含め、新たに特定したマネー・ローンダリング、テロ資金供与および拡散金融に関するリスクの評価・軽減に関する民間セクターへの助言提供や民間セクターとの情報共有の促進等を要請。また、制裁回避から生じる新たなリスクの可能性に対して各国が警戒すべき旨、指摘。
  • 米国財務省OFACによる暗号資産ウォレットアドレスの制裁指定
    • 米OFACでは、制裁対象者リストを公表する際、氏名(別称)、生年月日、住所、出生地等を判明した範囲で公表しているとみられる。
    • 制裁指定理由が暗号資産に関わり、かつウォレットアドレスが特定された場合には、ウォレットアドレスも合わせ、公表している。
    • 2018年には2名のイラン人のアドレス、2019年には中国人ハッカーのアドレス、2020年3月には北朝鮮ハッカーの20のアドレス、同年4月には米大統領選へ不正関与しようと試みた16の団体とその利用したアドレスが制裁指定されている。プレスリリースでは、州連邦地検、米司法省犯罪部、米麻薬取締局(DEA)等との連携によるもの、と言及されており、捜査過程で特定されたウォレットアドレスを指定・公表したとみられる。
  • ミキシングサービスとAML/CFT
    • ミキシングとは、第三者から資産移動経路(送金元と送金先のつながり)を秘匿する場合に用いる仕組みであり、ビットコインやイーサリアム等で利用可能である。具体的には、複数の送金元からのコインをプールした上で、それを再分配する。ミキシングサービスについては、送金元と送金先の紐付けは極めて困難(アドレスは無限に生成できるため)。
    • 米国財務省外国資産管理室(OFAC)は、2022年5月、ミキシングサービスの提供者に対して制裁措置を初めて発令。
  • デジタル資産に関する米国の主要な政策目標
    1. 利用者・投資家・企業の保護
      • デジタル資産の独自で多様な特徴は、適切な保護が行われない場合、利用者、投資家、企業に重大な財務リスクをもたらす可能性。
      • 利用者、投資家、企業を保護し、またプライバシーを維持し、人権侵害の一因となり得る違法な監視から保護するために、セーフガードを確保し、デジタル資産の責任ある開発を促進する必要。
    2. 米国及び世界の金融安定の保護、システミックリスクの軽減
      • デジタル資産取引プラットフォーム等は、急速に規模と複雑性を増すも、適切な規制や監督の対象になっていないか遵守していない可能性。
      • デジタル資産の発行者、取引所、取引プラットフォーム、金融安定性に対するリスクを増大させる可能性のある仲介者は、“同じビジネス、同じリスクには同じルールを適用する”という一般原則に沿って、必要に応じて、既存の市場インフラや金融機関を統制する規制監督基準に服し、それを遵守すべき。
      • デジタル資産がもたらす新しい独自の用途や機能は、更なる経済・金融リスクを生み出す可能性があることから、リスクへ適切に対処する規制アプローチの進化が必要。
    3. 不正金融と国家安全保障上のリスクの軽減
      • デジタル資産は、マネロン、サイバー犯罪、テロなどを含む、重大な不正金融リスクをもたらす他、金融制裁等を回避するツールとしても利用される可能性。さらに、一部の法域におけるFATF基準の未実施等は、米国及び世界の金融システムに対して重大な不正金融リスクをもたらす可能性。
      • 分散型金融エコシステム、P2P決済、不透明なブロックチェーンの増大も、将来的に、さらなる市場リスクと国家安全保障上のリスクをもたらす可能性。
      • 現在及び将来のデジタル資産システムに対して、不法行為に対抗し、国家安全保障手段の有効性を維持強化する透明性、プライバシー及びセキュリティの水準を高めるために、適切な管理と説明責任を確保する必要。
    4. 国際金融システム、技術・経済競争力における米国のリーダーシップの強化
      • デジタル資産、国際金融システムにおける新たな決済・資本フローを支える技術についての責任ある開発と設計の先頭に立ち続けること。特に、民主主義的価値、法の支配、プライバシー、利用者・投資家・企業の保護、デジタルプラットフォーム、レガシーシステム、国際決済システムとの相互運用性等を促進する基準の設定が重要。グローバルな金融システムにおける米国のリーダーシップは、米国の金融力を維持し、米国の経済的利益を促進する。
    5. 安全で安価な金融サービスへのアクセス促進
      • 国内外の資金移動をより安く速く安全にし、金融商品・サービスへの費用対効果の高いアクセス促進等を通して、金融サービスへの公平なアクセスを拡大する責任あるイノベーションを促進する必要。
      • 金融イノベーションの恩恵が全ての米国人に等しく享受され、金融イノベーションによるあらゆる格差の影響を緩和する必要。
    6. デジタル資産の責任ある開発と利用を促進する技術進歩の支援
      • プライバシーとセキュリティをアーキテクチャに含め、不正利用を防ぐ機能を有し、暗号資産のマイニングから生じ得る気候への悪影響と環境汚染を低減するよう、デジタル資産技術とデジタル決済エコシステムが、責任ある方法で、開発、設計、実装される必要。
▼資料2 討議いただきたい事項
  1. AML/CFTや利用者保護等の観点から電子決済手段(注)に求められる規律
    • (注)いわゆるステーブルコインは幅広いものを含みうる概念であるが、本日討議いただく電子決済手段は、法定通貨の価値と連動した価格(例:1コイン=1円)で発行され、発行価格と同額で償還を約するもの(及びこれに準ずるもの)であって、不特定の者と間で売買・交換等ができるもの。
    • 金融規制監督においては、技術中立という観点に配意することが重要である。こうした観点から、既存の金融サービスにおいて利用されているパーミッション型の分散台帳だけでなく、パーミッションレス型の分散台帳において流通する電子決済手段についても、中間論点整理で示された(1)~(3)の要件をどのように満たすか検討する必要がある。
    • <デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会「中間論点整理」より抜粋>
      • 送金分野において求められる諸要件
        • 社会経済で広く使われる可能性のある送金・決済手段に求められる水準としては、システムの安全性・強靱性等に加え、一般に
          1. 権利移転(手続、タイミング)に係る明確なルールがあること
          2. AML/CFTの観点からの要請に確実に応えられること
          3. 発行者や仲介者等の破綻時や、技術的な不具合や問題が生じた場合等において、取引の巻戻しや損失の補償等、利用者の権利が適切に保護されることが必要と考えられる。
        • これらの要件のうち、特に(2)AML/CFTの観点からの要請については、システム仕様等、技術的に対応することが重要である。そのための水準を満たす方法については、現時点においては、例えば、システム仕様等で、
          • 本人確認されていない利用者への移転を防止すること
          • 本人確認されていない利用者に移転した残高については凍結処理を行うこと
        • といった事項を求めることを検討することが考えられる。
        • こうしたシステム仕様については、実効性を確保・確認するため、仲介者(又は必要に応じて発行者)に対する業規制(体制整備義務)として、必要な水準を満たすために必要な要件を満たすシステムの採用及びその疎明を求めることが考えられる。
        • 足元の国際情勢等を踏まえ、ステーブルコインや暗号資産一般に、国際機関や各国において、P2P取引によるAML/CFTや金融制裁回避のリスクへの懸念や、こうしたリスクへの対応の必要性が指摘されている。
        • こうした中で、例えば、G7では、ロシアに対する経済制裁等に関する共同声明を発出し、暗号資産が制裁の対象であることを確認した。また、アメリカの財務省OFACは、制裁対象者リストを公表する際、氏名や生年月日に加えて、暗号資産のウォレットアドレスも公表している模様。加えて、本年3月、ホワイトハウスは、暗号資産を用いた違法取引への利用防止を含む措置の検討等を含む大統領令を公表している。
        • 【論点1】電子決済手段の発行者及び電子決済手段等取引業者の体制整備の内容として、上記(1)~(3)の規律を求めることが考えられるが、こうした規律は、足元の国際的な情勢等を踏まえて、十分と考えられるか。
  2. 具体的な方策
    • 【論点2】技術的・法律的に、上記(1)~(3)の規律を実現する方法として、具体的にどのようなものが考えられるか。例えば、以下のような仕組みについてどう考えるか。また、こうした仕組み以外に、上記(1)~(3)の規律を実現する方法があるか。
      1. (1)の体制整備については、法律上の権利移転に係るルールが明確であることに加え、分散台帳上の記録との不整合が生じないよう、適切な運用が図られることが必要と考えられる(注1)。これらの点について、例えば、セキュリティトークンの分野において、信託受益権原簿や社債原簿を用いること等による対抗要件具備が行われている(注2)ことに加え、信託受益権原簿等と分散台帳の記録を紐付けることにより、両者の間の不整合が生じないよう工夫がなされている。
        • CPMI-IOSCO「金融市場インフラのための原則」(2012年4月)の原則8(決済のファイナリティ)に係る重要な考慮要素として、システミックに重要な資金決済システムは、規則・手続で、決済がいつの時点でファイナルとなるのか、決済未了の支払・振替指図・その他の債務を参加者がいつの時点以降に取り消すことができなくなるのか等を明確にすべきとされている。
        • (注2)対抗要件を具備する方法として、例えば産業競争力強化法による第三者対抗要件特例の利用も考えられるか。
      2. (2)(3)に係る体制整備については、いわゆるパーミッションレス型の分散台帳であっても、本人確認されていない利用者間でのP2P取引の防止(注3)や技術的な不具合や問題が生じた場合の対応等を含め、発行者等の判断により、アプリケーションレイヤーにおいてスマートコントラクト等で実装することが可能と考えられる。
        • 実際に、海外におけるセキュリティトークンの分野においては、こうした本人確認や管理者権限の付与等の措置をパーミッションレス型の分散台帳で実現している例がある。
        • (注3)なお、(2)の体制整備に関連して、仮に本人確認されていない利用者間でのP2P取引を許容すると、ミキシングサービス等の利用によって、移転経路が不明確になるリスクが増すと考えられるが、こうした点についてどう考えるか。

~NEW~
金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第12回)議事次第
▼資料3 サステナブルファイナンス有識者会議 報告書(案)
  • 持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定の採択など、持続可能な社会の構築が大きな課題となる中で、新たな産業・社会構造への転換を促し、持続可能な社会を実現する金融(サステナブルファイナンス)の推進が不可欠である。こうした認識に立って、金融庁「サステナブルファイナンス有識者会議」においては、昨年6月、金融行政におけるサステナブルファイナンスの推進に向けた諸施策を報告書としてとりまとめ、公表した(以下、「報告書」)。
  • 報告書においては、サステナブルファイナンスを「持続可能な経済社会システムを支えるインフラ」として位置づけ、これを政策的に推進していく観点から、企業開示の充実、市場機能の発揮、金融機関の投融資先支援とリスク管理の3つの柱で施策を取りまとめるほか、横断的課題として、受託者責任、インパクト、トランジション等の論点・課題を掲げている。
  • これら論点・課題については、金融庁等の関係省庁ほか、民間主体の取組みも含めて、この1年間に様々な進捗が見られたところであり、進捗の状況や更なる課題について、取りまとめて発信していくことが重要と考えられる。
  • 持続可能な経済・社会の構築に向けた諸課題ついては、脱炭素をはじめとして、国内外で急速な環境変化が続いている。報告書の策定時に想定していた施策や論点について対応を進めると同時に、定期的にサステナブルファイナンスに係る全体状況・課題を取りまとめ、新たな課題に迅速に対応していくことも重要である。
  • 気候変動については、この1年の間に、COP26で今世紀中の気温上昇を1.5℃未満に抑えるための取組みの意義が改めて確認され、また、随時公表されたIPCC第6次評価報告書では、このために温室効果ガス排出量を2025年までにピークアウトさせる必要性が示されるなど、課題の緊急性が高まっている。
  • 報告書で横断的課題の1つとして掲げた脱炭素に向けたトランジションについては、COP26や直前10月に行われたG20で、その重要性が確認され、移行の実効性を確保していくための国際的な原則について官民双方で議論が進んでいる。わが国でも、トランジションに活用する技術の工程を示したロードマップが策定され、これに基づく多排出産業による資金調達等の動きが見られる一方、2030年の中間目標を含む排出量の削減計画の具体化に向けた金融界と産業界の対話などは引き続き大きな課題となっている。
  • 更には、国際的な需給ひっ迫やウクライナ侵攻を契機としたエネルギー価格の上昇、安全保障に係る懸念の高まり等も、広くサステナブルファイナンスの動向に様々な影響を与える可能性がある。各国では、エネルギー安定供給のための新たな資源や設備の開発の動きが見られる一方、化石燃料からの転換を加速することで、ロシア等へのエネルギー依存の低減を図る動きも見られる。また、安全保障関連産業や自立的な食料供給のあり方なども含めて、持続可能性を確保する取組みを全体としてどう捉えていくべきか、様々な議論が行われている。
  • 気候変動以外の課題についても、例えば、生物多様性について、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)が、気候変動に係るTCFDの取組みも踏まえて、自然資本や生物多様性に関するリスクや機会を適切に評価し、開示するための枠組みを構築すべく議論を進めている。
  • 同タスクフォースでは、本年後半に開催見込みである生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)第二部に向けて、3月に、TNFDの枠組み構築に向けた第一草稿案を公表し、TCFDにおけるガバナンス・戦略・リスク管理といった基本的な枠組みを踏襲し、この枠組みの中で生物多様性等に関するリスクも統合的に評価・開示するという提言の骨格を示している。
  • 後述のとおり、自然資本や生物多様性については、金融庁においても、さらに検討を深めるべきである。
  • 気候変動や生物多様性などの自然環境に係る課題のほか、経済的な格差、労働やダイバーシティ、そして人口減少・少子高齢化など、社会的課題についても、様々な進展が見られた。
  • 政府は、「新しい資本主義」において、市場だけでは解決できない、いわゆる外部性の大きい社会的課題について、新たな官民連携によって、その解決を目指していくとしている。社会面・環境面での責任を企業が果たすことが、事業をサステナブルに維持していくためには不可欠であるとし、社会的課題を成長のエネルギーとして捉え、解決していく仕組みを経済社会の中にビルトインしていくものとしている。
  • 6月に公表された新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画では、例えば、人的資本や男女間の賃金格差等の非財務情報の開示強化を進めていくこととされており、こうした企業開示の充実や投資家との建設的な対話を通じて、企業の持続的な価値創造につなげていくことが期待される。
  • 更に、有識者会議に設置されている「ソーシャルボンド検討会議」は、ソーシャルボンドの資金使途となるソーシャルプロジェクトの社会的な効果を開示する際の指標例の案について検討を進め、金融庁において、その案を5月に公表した。こうした取組みが広く社会的インパクトを意識した事業・投融資等の広がりにつながっていくことが期待される。
  • 総じて、この1年の間に、サステナブルファイナンスについては、更なる取組みの加速や議論の広がりが見られている。
  • 投資のすう勢を見ても、世界各国において、ESG投資額やESG関連債の発行額は引き続き増加しており、わが国としても引き続き取組みを実施・加速させていくことが重要である。
  • 本報告書は、昨年6月の報告書の公表以後のサステナブルファイナンスに関する施策の実施状況、国内外の動向変化、これらを踏まえた課題等を取りまとめたものである。
  • 本報告書で取りまとめた課題等については、今後も大きく変化していくことが想定されるものであり、継続的に対応状況と課題を取りまとめることなどにより、実効性ある対応を継続して進めていくことが重要である。
  • 企業開示の充実
    • 経済社会の持続可能性に係る課題が大きなものとなる中で、これらが自社の事業活動にどのようなリスクと機会をもたらすかを考え、対応戦略を練ることは、中長期的な企業価値の維持・向上にとって不可欠となっている。
    • 投資家・金融機関のほか、取引先や働き手を含む多様なステークホルダーにとって、外部環境を先んじて捉え、戦略の強靭性(レジリエンス)を検証し、成長につなげていく企業の取組みはこれまでになく重要になっている。
    • また、非財務情報を含む企業のサステナビリティに関する情報開示を活用しつつ、投資家や金融機関と企業が建設的な対話を進めることは、インベストメント・チェーン全体の機能向上に資すると考えられる。
    • こうした観点から、報告書においては、IFRS財団における国際的なサステナビリティ開示基準の策定に向けた議論に積極的に参画し、併せて、TCFDに基づく企業開示の質と量の充実を図り、気候変動情報の開示の充実に向けた検討を継続的に進めていくべきことを掲げている。
    • IFRS財団においては、昨年11月に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)を設置し、併せて同月に気候変動を中心とするサステナビリティに関する開示基準のプロトタイプを公表、続いて本年3月には基準の公開草案につき市中協議を実施し、本年末までに基準を最終化することとしている。
    • わが国でも、本年4月から東京証券取引所の市場構造改革が実施され、プライム市場が発足した。同市場に上場する企業については、コーポレートガバナンス・コードにおいて、「国際的に確立された開示の枠組みであるTCFDまたはそれと同等の枠組みに基づく開示の質と量の充実を進めるべきである」こととされており、これに基づく開示の充実が進みつつある。
  • ESG評価・データ提供機関
    • サステナブルファイナンスが世界的に拡大する中で、企業のESGに関する取組み状況等について情報を収集・提供し、評価を行う「ESG評価・データ提供機関」の役割が増大している。
    • 報告書においては、ESG評価・データ提供機関について、評価の透明性と公平性、ガバナンスと中立性、人材の登用や企業の負担等について課題が指摘されており、金融庁において、IOSCOにおける国際的な議論に積極的に参画しつつ、ESG評価・データ提供機関の行動規範等について議論を進めるべき旨を提言している。
    • 金融庁においては、報告書を受けて、本年2月「ESG評価・データ提供機関等に関する専門分科会」を設置し、ESG評価・データ提供機関のほか、投資家、企業等も含めて、投資市場全体としてESG評価・データが信頼性のある形で利用されるための環境整備を図るため議論を進めている。
  • ソーシャルボンド
    • 持続可能性に係る課題については、気候変動、生態系と生物多様性の危機、海洋プラスチック問題などの自然環境に係る諸課題のほか、社会的課題として、例えば、貧困・飢餓、健康・福祉、教育、格差及びジェンダー平等など、多様な課題が存在する。また、わが国では、高齢社会への対応や地方創生・地域活性化などの課題も考えられる。
    • これら社会的課題の解決に向けた資金を調達するソーシャルボンドについては、世界的に発行が拡大する中で、国内では公的セクターによる発行例が多く、民間企業による発行は始まったばかりである。経済界等からも、わが国の状況に即した詳細なガイドライン(実務指針)の策定を望む声があり、昨年3月に有識者会議に「ソーシャルボンド検討会議」を設置した。
    • 同検討会議における議論やパブリックコメントを踏まえ、国際標準である国際資本市場協会(ICMA)のソーシャルボンド原則との整合性に配慮しつつ、先進国課題を多く抱えるわが国の状況にも対応する「ソーシャルボンドガイドライン」を、金融庁において昨年10月に確定・公表した。
    • 同ガイドラインでは、ソーシャルボンドの発行に当たって、発行体が、ソーシャルプロジェクトの社会的な効果等を適切な指標を用いて開示すべきとしている。一方、民間企業による国内のソーシャルボンドの発行は始まったばかりであり、国内では指標を用いた開示事例の十分な蓄積がなされていない。
    • このため、昨年12月に同検討会議の下に「ソーシャルプロジェクトのインパクト指標等の検討に関する関係府省庁会議」が設置され、発行体における社会的な効果の開示の参考となるよう、ソーシャルプロジェクトの社会的な効果に係る指標等の例示文書の作成を進め、本年5月、その案を金融庁が公表した。
    • 同例示文書においては、わが国の社会的課題に対処する具体的なソーシャルプロジェクトを17例示した上で、各例において当該プロジェクトの社会的な効果がどのような過程によりインパクトに至るかを図示し、アウトプット、アウトカム及びインパクトの各段階における社会的な効果を示すために用いる指標等を例示している。

~NEW~
消費者庁 令和3年度 特定保健用食品の疾病リスク低減表示に係る調査・検討事業 調査報告書
  • 口腔内の健康維持を目的とした製品を販売している事業者は26.5%(18事業者)、販売していないが開発中の事業者は14.7%であった。販売中の18事業者のうち、保健機能食品としての販売をしている事業者は11.1%(2/18事業者)と少なく、いずれも特定保健用食品としての販売であり、今後も継続して販売すると回答があった。一方、機能性表示食品として販売をしている事業者はいなかった。Q4の設問で、口腔内の健康維持を目的とした製品を販売していないと回答した40事業者のうち55%の事業者で口腔内の健康維持を目的とした製品の開発に興味があった
  • Q4の設問で、口腔内の健康維持を目的とした製品を販売中又は開発中と回答した28事業者のうち、60.7%の事業者がう蝕に対する疾病リスク低減トクホの申請をしたいと思うと回答した。
  • Q4の設問で、口腔内の健康維持を目的とした製品を販売中又は開発中と回答した28事業者のうち、39.3%の事業者がう蝕に対する疾病リスク低減トクホの申請をしたいと思わない又はどちらともいえないと回答したが、その理由としては、該当製品がない(4件)、う蝕に対する疾病リスク低減トクホの必要性に対する疑問(2件)、その他(4件)であった。事業者の疾病リスク低減トクホの必要性に対する疑問は、フッ素入り歯磨き粉の使用で十分、う蝕に対する疾病リスク低減のメリットが分からない、といった意見があった。
  • Q4の設問で、口腔内の健康維持を目的とした製品を開発中又は販売していないと回答した50事業者のうち、50.0%の事業者で口腔関連の疾病リスク低減トクホとして開発したい疾病ありと回答があり、主に歯周病を開発対象としたいと回答があった。
  • 葉酸含有製品を販売している事業者は26.5%(18事業者)であった。このうち、栄養機能食品として販売をしている事業者は66.7%(12/18事業者)と多く、一方で、特定保健用食品として販売をしている事業者はいなかった。
  • Q14の設問で、葉酸含有製品を販売中又は開発中と回答した20事業者のうち55%の事業者でコストを、35%の事業者でメリットを感じないことを理由に疾病リスク低減トクホとして申請しないと回答した。(Q16)その他の理由として、例えば、葉酸の栄養素摂取が目的でないため疾病リスク低減トクホとして申請しないと回答があった。
  • Q14の設問で、葉酸含有製品を販売中又は開発中と回答した20事業者、及びQ18の設問で葉酸含有製品の開発に興味ありと回答した12業者の計32事業者に対し尋ねた。
  • 「神経管閉鎖障害予防のため、葉酸は妊娠1カ月以上前から妊娠3カ月まで摂取することが推奨されていますが、知っていましたか。」の質問に対して、32事業者のうち、96.9%の事業者で知っていると回答があった。
  • 葉酸における疾病リスク低減トクホの許可文言については、32事業者のうち、71.9%の事業者で知っていると回答があったが、この許可文言を表示した疾病リスク低減トクホを申請したいという事業者は21.9%と少数であった。
  • 一方、葉酸における栄養機能食品の許可文言については、全ての事業者で知っていると回答があり、この許可文言を表示した栄養機能食品を「販売したい」又は「表示していないが今後したいと思う」と回答した事業者の合計は71.9%であった。
  • この許可文言を表示した栄養機能食品を販売したくない9事業者から、その理由としては、表示が長く消費者に分かりづらい(1件)、栄養機能食品の表示は一律であり他社との差別化が困難(1件)、購買層が限定される(1件)といった回答があった。
  • Q4の設問で、販売中又は開発中と回答した事業者、及びQ7の設問で開発に興味ありと回答した計50事業者に対し尋ねた。
  • 「消費者のトクホの利用状況を考慮した上で、適切かつ継続利用が可能な疾病リスク低減トクホの製品設計は可能ですか。」の質問に対して、34.0%の事業者が可能と回答した。
  • 適切かつ継続利用が可能な疾病リスク低減トクホの製品設計が可能でないと回答した6事業者から、その理由としては、設備はない(1件)、消費者が適切な摂取量を遵守できるとは言い切れない(1件)といった回答があった。どちらともいえないと回答
  • した27事業者から、その理由としては、コスト(5件)、、製品設計だけではなく消費者側の活用や意識が大事である(8件)といった回答があった。
  • Q14の設問で、販売中又は開発中と回答した事業者、及びQ18の設問で開発に興味ありと回答した計32事業者に対し尋ねた。
  • 「消費者のトクホの利用状況を考慮した上で、適切かつ継続利用が可能な疾病リスク低減トクホの製品設計は可能ですか。」の質問に対して、34.4%の事業者が可能と回答した。
  • 適切かつ継続利用が可能な疾病リスク低減トクホの製品設計が可能でないと回答した5事業者から、その理由としては、製品設計だけではなく消費者側の活用や意識が大事(3件)といった回答があった。どちらともいえないと回答した16事業者から、理
  • 由として、製品設計だけではなく消費者側の活用や意識が大事(5件)、コスト(3件)、訴求内容が消費者に理解されるかが分からない(1件)といった回答があった。
  • 全事業者に対して、疾病リスク低減トクホでの柔軟な許可表示に対するニーズを尋ねたところ、既存若しくは新規製品を申請したいと回答した事業者は38.2%であった。
  • 既存若しくは新規製品を申請しないと回答した18事業者から、その理由としては、該当製品がない(5件)、興味がない(2件)、事業戦略との不一致(2件)といった回答があった。どちらともいえないと回答した理由として、コスト(8件)、柔軟な許可表示の内容次第(4件)といった回答があった。
  • 全事業者に対して、疾病リスク低減トクホ制度の必要性を尋ねたところ、必要と回答した事業者は75.0%であった。
  • 必要であると回答した51事業者から、その理由としては、疾病予防(12件)、消費者のメリット(7件)、医療費削減(5件)といった回答があった。一方、不要であると回答した17事業者から、その理由としては、機能性表示食品制度への期待(5件)、消費者にとって複数あるカテゴリの違いが分かりにくい(3件)といった回答があった
  • 全事業者に対して、誰が消費者教育を主導すべきかを尋ねたところ、77.9%の事業者で、国と回答があった。次いで、企業(47.1%)、教育機関(38.2%)、医療機関(38.2%)と回答があった
  • 全事業者に対して、アドバイザリースタッフを知っているか尋ねたところ、52.9%の事業者で知っていると回答があった。
  • 全事業者に対して、『健康食品』の安全性・有効性情報」サイトを知っているか尋ねたところ、55.9%の事業者で知っていると回答があった。さらに、33.8%の事業者で実際に使用していると回答があった。

~NEW~
消費者庁 株式会社あきんどスシローに対する景品表示法に基づく措置命令について
  • 本件料理
    • あきんどスシローは、本件料理(1)の材料であるうにの在庫が本件企画(1)実施期間の途中に足りなくなる可能性があると判断したため、令和3年9月13日に、同月14日から同月17日までの4日間は本件店舗における本件料理(1)の提供を停止することを決定し、本件店舗の店長等に対しその旨周知し、その後、前記決定に基づき、別表1-1「店舗名」欄記載の各店舗において、同表「終日提供されなかった日」欄記載の日に本件料理(1)を提供しなかった(令和3年9月14日から同月17日までの期間において、本件料理(1)を終日提供しなかった日がある店舗は別表1-1「店舗名」欄記載の583店舗である)。
  • 本件料理(2)
    • あきんどスシローは、本件料理(2)の材料であるうにの在庫が本件企画(2)の実施期間の途中に足りなくなる可能性があると判断したため、令和3年9月13日に、同月18日から同月20日までの3日間は本件店舗における本件料理(2)の提供を停止することを決定し、本件店舗の店長等に対しその旨周知し、その後、前記決定に基づき、別表1-2「店舗名」欄記載の各店舗において、同表「終日提供されなかった日」欄記載の日に本件料理(2)を提供しなかった(令和3年9月18日から同月20日までの期間において、本件料理(2)を終日提供しなかった日がある店舗は別表1-2「店舗名」欄記載の540店舗である)。
  • 本件料理(3)
    • あきんどスシローは、別表1-3「店舗名」欄記載の各店舗において、同表「終日提供されなかった日」欄記載の日に、本件料理(3)を提供するための準備をしておらず、取引に応じることができないものであった(令和3年11月26日から同年12月12日までの期間において、本件料理(3)を終日提供しなかった日がある店舗は別表1-3「店舗名」欄記載の583店舗である)。
  • 命令の概要
    • 前記の各表示は、それぞれ、上記のとおりであって、合理的理由がないのに実際には取引する意思がない場合の本件料理(1)若しくは本件料理(2)についての表示又は取引を行うための準備がなされていない場合の本件料理(3)についての表示であり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。
    • 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。
    • 今後、同様の表示を行わないこと。

~NEW~
消費者庁 食品表示の適正化に向けた取組について
  • 消費者庁は、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期において、食品の表示・広告の適正化を図るため、都道府県等と連携し、食品表示法等の規定に基づき下記の取組を実施することとしましたので、お知らせいたします。
    1. 基本方針
      • 不適切な食品の表示に対しては、消費者庁が横断的に取締りを行いつつ、地方出先機関を有し、監視業務についてのノウハウを有する農林水産省及び財務省並びに都道府県・保健所等が相互に連携し、食品表示の関係法令の規定に基づき効果的・効率的な取締りの執行体制を確保しているところです。
      • このような体制の下、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期においては、次のとおり、食品表示の重点事項について、取締り等を行うこととしました。
    2. 夏期一斉取締りの実施について
      • 国及び都道府県等においては、食品衛生の監視指導の強化が求められる夏期において、食中毒などの健康被害の発生を防止するため、従来から食品衛生の監視指導を強化してきたところですが、例年どおり、この時期に合わせ、食品等の表示の信頼性を確保する観点から、食品表示の衛生・保健事項に係る取締りの強化を全国一斉に実施します。
        1. 実施時期:令和4年7月1日から同月31日まで
        2. 主な監視指導事項
          • アレルゲン、期限表示等の衛生・保健事項に関する表示
          • 保健機能食品を含めた健康食品に関する表示
          • 生食用食肉、遺伝子組換え食品等に関する表示
          • 道の駅や産地直売所、業務用加工食品に関する表示
          • 食品表示基準に基づく表示方法の普及・啓発
  • 表示の適正化等に向けた重点的な取組について
    • 国及び都道府県等においては、食品表示の適正化を図るため、従来から食品表示法や景品表示法等に基づく各種通知やガイドライン等により、監視指導を実施してきたところです。
    • 近年、日本で発生している細菌性食中毒の中で、カンピロバクター食中毒の発生件数が最も多いこと、原料原産地表示制度が完全施行されたことなどを踏まえ、夏期一斉取締りに当たっては、改めて、次のとおり監視指導及び啓発活動を実施します。
      1. カンピロバクター食中毒対策の推進について
        • 近年、日本で発生している細菌性食中毒の中で、カンピロバクター食中毒の発生件数が最も多いこと、及び「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル~ 鶏肉等における Campylobacter jejuni/coli ~(改訂版)」(令和3年6月、内閣府食品安全委員会公表)において、「加熱用」等の表示に係る情報伝達の重要性等が示されていることなどに鑑み、カンピロバクター食中毒の予防対策について、引き続き、加熱が必要な旨の確実な情報伝達等により、加熱用の鶏肉等が生食又は加熱不十分で提供されることのないよう、別添の啓発パンフレット等を活用し、食品衛生部局と連携しつつ、食品関連事業者等への周知啓発を図る。
      2. 食中毒等の健康被害発生時の連携について
        • 食中毒等の健康被害事案に関連し、原産地表示等の食品表示法の規定に係る遡及確認等が生じた場合には、被害拡大及び再発防止の観点から、速やかに関係部署及び関係機関が連携して調査等を実施する。
      3. 原料原産地表示制度の普及啓発の協力依頼について
        • 令和4年4月から完全施行された、全ての加工食品を対象とした食品表示基準に基づく原料原産地表示制度について、適切な表示により消費者の自主的かつ合理的な食品の選択の機会を確保する観点から、▼原料原産地表示制度に関する中小企業向けマニュアル等を活用し、関係部署及び関係機関が連携して、食品関連事業者等への積極的な普及啓発を図る。

~NEW~
消費者庁 令和3年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業 報告書
  • 原因食物は鶏卵が最も多く33.4%(2,028例)を占めた。以下、牛乳が18.6%(1,131例)、木の実類が13.5%(819例)であった。前回の調査まで原因食物の上位3品目は鶏卵・牛乳・小麦であったが、今回の調査では木の実類の割合が増加し、第3位となった(前回8.2%、第4位)。落花生までの上位5品目で80.4%を占め、さらに、魚卵、果実類、甲殻類、魚類、大豆、ソバと続いた。
  • 木の実類の内訳を表1に示す。クルミが463例(木の実類の56.5%)で最も多く、全体に対する割合は7.6%で、落花生の6.1%より上位であった。次いで、カシューナッツが174例(木の実類の21.2%)、マカダミアナッツ45例(木の実類の5.5%)が上位3品目であった。その他は、アーモンド、ピスタチオ、ペカンナッツ、ヘーゼルナッツ、ココナッツ、カカオ、クリ、松の実の報告があった。
  • 各年齢群において5%以上占める食物について、0歳群は鶏卵、牛乳、小麦で96.2%を占めた。1・2歳群から7-17歳群までは、鶏卵、牛乳、木の実が上位3品目を占めた。鶏卵・牛乳の占有率は加齢に伴い低下傾向にあり、0歳群では85.3%であったが、7-17歳群31.3%であった。木の実類は、1・2歳群で3位(15.4%)、3-6歳群で1位(27.8%)、7-17歳群で2位(16.9%)であった。18歳以上群では、小麦、甲殻類、果物類の順であった。各年齢群において5%以上の頻度の原因食物が全体に占める割合は、0歳群は96.2%を占めるが、加齢とともに漸減し、18歳以上群では67.8%まで低下した。
  • 誤食例の原因食物は0歳群、1・2歳群は鶏卵、牛乳、小麦が上位3品目を占めていた。3-6歳群、7-17歳群は牛乳、鶏卵、木の実類、18歳以上群は小麦、甲殻類、鶏卵・果物類・牛乳・木の実類の順であった。小麦は7-17歳群で誤食例としての割合は一時低くなったが、18歳以上群で1位(25.9%)と再び高くなっていた。木の実類は3-6歳群で3位(13.2%)、7-17歳群で3位(14.9%)、18歳以上群で3位(6.5%)で、幼児期(1-6歳)以降に割合が高くなった。落花生は3-6歳群で5位(11.4%)、7-17歳群で4位(12.7%)であったが、18歳以上群では7位(5.2%)であった。甲殻類は18歳以上群でのみ認められ、2位(18.1%)であった
  • 皮膚症状が85.2%(5,182例)、呼吸器症状が36.4%(2,216例)、消化器症状が30.8%(1,870例)、粘膜症状が30.5%(1,853例)、ショック症状が10.9%(660例)であった。
  • ショック症状を認めた660例(10.9%)において、年齢は中央値3歳、最高齢は92歳であった。最頻値は0歳群152例であった。年齢群別のショック率は、0歳群が8.1%、1・2歳群が8.2%、3-6歳群が13.0%、7-17歳群が12.1%、18歳以上群が24.6%で、18歳以上群の発症率が高かった。初発でショック症状を引き起こした症例は357例(54.1%)であった。
  • ショック症状を引き起こした原因食物の上位3品目はこれまで鶏卵、牛乳、小麦であったが、木の実類の割合が増加し、第3位となった(前回12.8%、第4位)。木の実類の内訳を表5に示す。クルミは58例(8.8%)で最も多く、全体に対する割合は落花生7.0%より上位であった。次いで、カシューナッツが30例(4.5%)であった。即時型食物アレルギーの原因食物として20例以上報告のあった食物でショック症状発生頻度が高かった上位5品目は、ピスタチオ27.3%(6/22例)、アーモンド20.6%(7/34例)、小麦18.4%(98/533例)、カシューナッツ17.2%(30/174例)、牛乳12.7%(144/1,131例)であり、木の実類のショック発生頻度が高かった。一方でカニ4.8%(2/42例)、リンゴ5.0%(1/20例)、イクラ6.7%(20/300例)、バナナ6.9%(2/29例)、鶏卵7.7%(156/2,028例)は低かった。ショック症状を認めた症例のその他の出現症状は、皮膚症状が84.8%、呼吸器症状が53.2%、粘膜症状が30.8%、消化器症状が48.6%であった。全体と比べて、ショック症例の呼吸器症状及び消化器症状の出現率が明らかに高かった。
  • 即時型症例6,080例において、特定原材料7品目によるものは71.3%(4,332例)を占め、特定原材料等21品目によるものを含めると93.4%(5,676例)を占めた。ショック症例660例において、特定原材料7品目によるものは70.8%(467例)、特定原材料等21品目によるものを含めると92.9%(613例)を占めた。これら特定原材料及び準ずるものの原因食物のカバー率はこれまでの報告と比較して変化していない。また、前回・前々回に引き続き、まつたけの症例報告はなかった。その他、前回に引き続き報告が少なかった品目はゼラチン(前回1例・今回1例)、アワビ(同4例・1例)、鶏肉(同3例・4例)、豚肉(同1例・4例*)、牛肉(同3例・5例*)であった(*「牛肉・豚肉」2例を重複計上)。
  • 全体の35.8%が誤食による症状誘発であり、これまでの調査と同様に引き続き高い割合を示した。誤食例の中で“表示ミス”による健康被害は7.0%に認められた。食品表示法で食物アレルギー表示が管理されているにも関わらず“表示ミス”による誤食は経年的に減少していない。本調査からそれらの要因について明らかにすることはできないため、引き続き違反事例及び自主回収事例に関する情報並びに行政による監視の結果に関する情報の収集に努める必要があると考える。食品製造及び販売会社における徹底した管理が、食物アレルギー患者が安心して生活できる社会へと繋がる。また食物アレルギー表示を正しく理解し、安全に食品を購入できるように、医師や管理栄養士などへの啓発は引き続き必要である。
  • 2020年の調査では、全体の症例数及び原因食物における木の実類の増加傾向が顕著であった。新規発症による症例の増加(初発例の比率は2017年57.8%→2020年64.2%)を認めており、食物アレルギーの有病率が増加している可能性はあるが、食物アレルギーに関する一般の人の関心の高さ、診療レベルの向上、本研究の反復性による協力の得られやすさ等、種々の要因が考えられる。そのため本調査から特定の要因を判断することは難しい。また、前回調査から引き続きクルミを筆頭に木の実類の即時型食物アレルギーの健康被害は増加していることが明らかになった。国民の健康を守るため、誤食症例の発症を予防するための施策が求められ、アナフィラキシー対応の一貫として加工食品の食物アレルギー表示の制度の更なる充実が必要である。

~NEW~
消費者庁 消費者意識基本調査 令和3年度実施(令和3年11月調査)
▼「令和3年度消費者意識基本調査」の結果の概要
  • 消費者庁は「令和3年度消費者意識基本調査」を実施し、全国の満15歳以上の消費者1万人に対し、日頃の消費生活での意識や行動、消費者事故・トラブルの経験等を中心に、アンケート調査を行いました(有効回収率:54.9%)。主な結果は令和4年版消費者白書に反映させていますが、ここでは、紙幅の関係で白書で取り上げることのできなかった結果のうち、特徴的なものを紹介します。
  • 調査結果のポイント
    1. 高齢層は消費者トラブルへの不安を感じている割合が低く、被害発生率は他の世代と同程度である一方、被害金額が大きい
      • 高齢層は消費者被害・トラブルへの不安を感じている割合が低いが(全世代66.1%、70歳代52.9%、80歳以上49.9%)、消費者被害の発生率は他の世代とほぼ変わらない(全世代16.9%、70歳代18.3%、80歳以上15.2%)。
      • 一方、消費者被害に遭った際の「商品・サービスの金額」は、全世代の平均が約10.0万円であるのに対し、70歳代は約14.0万円、80歳以上は約23.6万円と高い。なお、高齢層は、住宅リフォームを含む「工事・建築」に関する消費生活相談が他の世代より多い。
    2. SNSの利用比率は、高齢層でも低くない。
      • 若年層の9割以上がSNSを利用している。さらに、約4割が1日に3時間以上利用しており、利用比率、利用時間とも高い水準にある。一方、60歳代でも過半数が、70歳代でも5人に1人がSNSを利用しており、高齢層のSNSの利用比率は低くない。ただし、1日の利用時間は若年層よりかなり短い
    3. 困っていることや心配事の相談先として重視されているのは「親」、「家族」、「友人・知人」。若年層は、SNSも相談先として考えている。
      • いずれの世代でも、困っていることや心配事の相談先として、家族や親、友人・知人を挙げる人が多い(親64.2%、家族87.4%、友人・知人73.0%)。若年層では、特に親や友人・知人を挙げる人の割合が高い(親:10歳代後半95.4%、20歳代95.6%、友人・知人:10歳代後半91.3%、20歳代86.6%)。
      • 一方、SNS上のフォロワー等を相談先と考えている人は少ないが(8.2%)、若年層では相談先と考えている人が比較的多い(10歳代後半25.8%、20歳代24.1%)。
    4. その他のポイント
      • お金のかけ方について、「食べること」に現在も今後もお金をかけたいと考えている人が多い(48.6%)。また、「旅行」に今後もお金をかけたいと考える人が多い一方(38.9%)、「ファッション」、「通信(電話、インターネット等)」、「車」への支出を減らしていきたいと考えている人が多い(ファッション46.2%、通信44.5%、車43.0%)。このほか、好きなことにお金を惜しまず使う考えの人も多い(42.8%)。
      • 買物をする際、同じ店舗やサイトを利用する人は56.6%であり、消費者は同じ店舗やサイトを利用する傾向が強い(どちらともいえない22.1%、当てはまらない18.8%、無回答2.4%)。
      • サブスクリプションサービスの利用率は、全世代で26.9%だが、20歳代で65.3%、30歳代で53.8%と、若年層の利用率が高い。また、フリーマーケットサービスやオークションサイトで購入した経験がある人は38.4%に対して、不用品等を売却した経験がある人は22.9%にとどまり、CtoC市場への参加方法には個人差がある。
  • ~NEW~
    国民生活センター 保険金で住宅修理ができると勧誘する事業者に注意!
    • 「火災保険を使って自己負担なく住宅の修理ができる」や「保険金が出るようサポートする」など、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理サービスに関する相談が急増しています。
    • 相談件数
      • 年度別相談件数:2018年度は2,610件、2019年度は3,531件、2020年度は6,560件、2021年度は5,093件です。
      • PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのこと。相談件数は2022年4月30日までの登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれない。
      • 本資料では「集合住宅」「戸建住宅」「住宅構成材」「車庫」の修理に関する相談と保険金請求代行サービスのうち、特に相談の多い「訪問販売」「通信販売」「電話勧誘販売」による相談について「『保険金が使える』と勧誘する住宅修理サービス」とし、共済を利用した住宅修理に関する相談を含んでいる。
      • 今回の公表に伴い集計方法の一部を見直した。
    • 消費者へのアドバイス
      • 請求期限が迫っている等の勧誘やインターネット広告をうのみにせず、安易に契約しないようにしましょう
      • 申請サポート会社に頼らずとも、保険金の請求は加入者自身で行えます
      • うその理由で保険金を請求することは絶対にやめましょう
      • 不安に思った場合やトラブルになった場合は早めに消費生活センター等に相談しましょう
    • 消費者ホットライン「188(いやや!)」番 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

    ~NEW~
    国民生活センター 通い放題の脱毛エステ 中途解約に注意
    • 事例
      • 2年間通い放題の脱毛エステを約20万円で契約した。その後、中途解約したいと申し出たら「この契約は5回のプランでそれ以降は無料のアフターサービスとして提供している。5回を消費しているので解約しても返金はない」と言われた。契約期間は2年間のはずなのにおかしいのではないか。(当事者:学生 男性)
    • ひとことアドバイス
      • 脱毛エステの長期間にわたる契約の場合、中途解約や返金の条件もよく確認し慎重に検討しましょう。
      • 通い放題コースの場合「有償での施術期間・回数」と「無償での施術期間・回数(アフターサービス)」に分かれているケースが多くあります。全体の施術可能期間だけを見ず、詳細を書面で確認しましょう。
      • 中途解約して返金がされる期限や1回の施術にかかる料金も確認しましょう。契約前には、施術内容や契約条件について説明を受け、よく理解することが大切です。
      • 不安なときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。

    ~NEW~
    国民生活センター 「おトクにお試しだけ」のつもりが「定期購入」に!?-「詐欺的な定期購入商法」の規制が強化された改正特定商取引法が施行されました!-
    • 販売サイト等で「1回目90%OFF」「初回実質0円(送料のみ)」など通常価格より低価格で購入できることを広告する一方で、定期購入が条件となっている健康食品、化粧品、飲料の通信販売に関する相談が全国の消費生活センター等に引き続き多く寄せられています。
    • 本年6月1日に、「詐欺的な定期購入商法」の規制が強化された改正特定商取引法が施行され、販売業者等は、取引における基本的な事項を最終確認画面等で明確に表示することが義務付けられました。また、販売業者等の誤認させるような表示等により、誤認して申込みをした消費者は、申込みの意思表示を取り消すことができるようになりました。
    • 相談事例
      • 【事例1】「初回550円」という表示を見て化粧品を注文したところ、2回目以降が高額な定期購入契約だった
      • 【事例2】「いつでも解約可能」という表示を見て、定期購入のダイエットサプリメントを注文したところ、初回のみで解約するには条件がついていた
    • 消費者へのアドバイス(インターネット通販中心)
      1. 低価格を強調する広告の場合は、注文する前に販売サイトや「最終確認画面」の表示をよく確認しましょう
        • 必ず「最終確認画面」で、定期購入が条件となっていないか、2回目以降の分量や代金などの販売条件、解約条件等を確認しましょう。
        • 改正特定商取引法では、販売業者等は、販売サイトの「最終確認画面」において、顧客が「注文確定」の直前段階で、分量、販売価格・対価、支払の時期・方法、引渡・提供時期、申込期間(期限のある場合)、申込みの撤回、解除に関することなどの契約の申込みの内容を簡単に最終確認できるように表示することを義務付けています。
        • また、販売業者等がこれらの契約の申込みの内容について、表示しなかったり、不実の表示や消費者を誤認させるような表示を行った場合、これにより誤認して申込みをした消費者は、申込みの意思表示を取り消すことができます。
    • 「最終確認画面」のチェックリスト
      1. 注文する前
        1. 定期購入が条件になっていませんか?
          • 「初回特別価格」「○カ月コース」「定期コース」などと表示されている場合は、特によく確認しましょう。
        2. (定期購入が条件になっている場合、)継続期間や購入回数が決められていませんか?
          • 「○回をお受け取り後に解約できます」「○回のお受け取りが条件になっています」などと表示されている場合はよく確認しましょう。
        3. 支払うことになる総額はいくらですか?
          • 各回の分量、2回目以降の代金は、初回の分量、代金と異なるケースがあります。
        4. 解約の際の連絡手段を確認しましたか?
          • 解約手段が電話やメッセージアプリに限定されている場合は、電話がつながらない、メッセージアプリの操作がうまくできないことも想定しておきましょう。
        5. 「解約・返品できるか」「解約・返品できる場合の条件」(返品特約)、解約条件を確認しましたか?
          • 特に、「次回商品発送の○日前までに連絡をすれば解約できる」など解約の申出に期限がある場合には申出の期限、解約時に違約金などの支払いが必要であればその内容など解約条件の詳細を確認しましょう。
        6. 利用規約の内容を確認しましたか?
          • 利用規約の内容をよく確認しましょう。
        7. 「最終確認画面」をスクリーンショットで保存しましたか?
          • 契約を取り消す際の証拠になります。
      2. 未成年者の場合は以下の点も確認してください*
        • 販売サイトに「法定代理人の同意を得ている」のチェック欄があった際は、同意を得てチェックを入れていますか?
        • 年齢や生年月日を成人であると偽らず、正確に入力して申込んでいますか?
        • 法定代理人が目的を定めて処分を許した財産をその目的のために使う行為や、自由な処分を許された財産を使う行為などは法定代理人の同意は不要。また、未成年者が相手を誤信させる目的で、成年者であると伝えたり、法定代理人の同意を得ていないにもかかわらず同意を得ているなどとうそをついたりすること(詐術)により相手を信用させて契約した場合には原則として取り消しはできない。

    ~NEW~
    厚生労働省 第75回WHO総会結果(概要)
    1. 概要
      • 期間:2022(令和4)年5月22日(日)~5月28日(土)
      • 対面会議
      • 日本政府代表団:後藤茂之厚生労働大臣、日下英司国際保健福祉交渉官等
      • 本会議では、7日間にわたり、全72議題について協議。18の決議と18の決定を採択。
      • WHO総会は、全加盟国代表で構成される最高意思決定機関。毎年5月に開催され、保健医療に関する重要な政策決定を行う。
    2. 政府代表発言
      • WHO総会では、後藤茂之厚生労働大臣がビデオメッセージにて政府代表演説を行い、
        • 健康をもたらす持続的な開発とユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の推進は平和と不可分であること
        • ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、保健医療環境の確保が困難な状況を強く懸念すること
        • 現在および将来の健康危機に対応するために、より強力で包括的な健康危機への備えと対応に取り組むこと
        • 多様化する健康課題への対応において、世界保健機関(WHO)が中心的な役割を果たすために、持続可能な財政が必要と認識していること等を述べた。
    3. 主な成果
      1. 次期事務局長選挙:現職のテドロス事務局長の再任が決定した。任期は2022年8月16日~2027年8月15日。
      2. ウクライナ関連決議:議題「健康危機におけるWHOの取り組み」の下、ウクライナ及びロシアがそれぞれ決議案を提出した。それぞれの決議案について投票が行われ、ロシアのウクライナ侵略と医療機関など保健関連施設への攻撃を非難するウクライナ提案の決議案は賛成多数で採択された一方、ロシアが提出した決議案は否決された。
      3. 台湾のWHO総会へのオブザーバー参加:日本から、国際的な感染症対応においては、台湾のような公衆衛生上の成果を上げた地域を参考にすることや、特定の地域が取り残されることによる地理的空白を生じさせないことが、世界全体の感染拡大防止の目的に適うとの考えを表明した。
      4. 健康危機:2024年5月のWHO総会でのIHR改正案の採択に向け、交渉を行う加盟国作業部会及びIHR再検討委員会の設立を決定した。また、IHR第59条の改正に関する決定案が全会一致で採択された。
        • ※IHR(International Health Regulations: 国際保健規則)は、世界保健機関(WHO)憲章第21 -22条に基づく国際規則であり、その目的は、国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止することである。
      5. 持続可能な財政:WHOの持続可能な財政の確保のため、WHOの財務規律やガバナンス改革の進捗と併せ、遅くとも2030-2031年予算までに、予算に占める分担金の割合を段階的に50%まで引き上げることを決定した。また、WHOの予算、プログラム、資金調達のガバナンス強化を検討する加盟国タスクグループの設置が決定した。
        • ※2020-2021年予算に占める分担金の割合は16%である。

    ~NEW~
    厚生労働省 第87回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年6月8日)
    ▼資料1 直近の感染状況等の分析と評価
    • 感染状況について
      • 全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約97人となり、今週先週比は0.70と減少が続いている。また、年代別の新規感染者数は全ての年代において減少が続いている。
      • 全国の新規感染者数の減少に伴い、療養者数及び重症者数は減少が続くとともに、横ばいで推移していた死亡者数も減少に転じている。
      • 実効再生産数 : 全国的には、直近(5/22)で0.91と1を下回る水準となっており、首都圏、関西圏ともに0.92となっている。
    • 地域の動向 *新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。
      1. 北海道 新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約127(札幌市約140)。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割強。
      2. 北関東 茨城の新規感染者数は今週先週比が0.66と1を下回り、約56。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は1割弱。栃木、群馬でも今週先週比がそれぞれ0.71、0.65と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約48、54。病床使用率について、栃木では1割未満、群馬では約1割。
      3. 首都圏(1都3県) 東京の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約95。30代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強、重症病床使用率は2割弱。埼玉、千葉、神奈川でも今週先週比がそれぞれ0.63、0.67、0.68と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約59、54、70。病床使用率について、埼玉では1割強、千葉では1割弱、神奈川では約1割。
      4. 中京・東海 愛知の新規感染者数は今週先週比が0.72と1を下回り、約106。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。岐阜、静岡、三重でも今週先週比がそれぞれ0.80、0.70、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約132、81、79。病床使用率について、岐阜では3割弱、静岡では約1割、三重では2割弱。
      5. 関西圏 大阪の新規感染者数は今週先週比が0.71と1を下回り、約114。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率、重症病床使用率はいずれも1割強。滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山でも今週先週比がそれぞれ0.56、0.58、0.68、0.72、0.69と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約81、96、93、77、69。病床使用率について、滋賀、京都、兵庫、和歌山では1割強、奈良では1割未満。
      6. 九州 福岡の新規感染者数は今週先週比が0.65と1を下回り、約124。20代以下が中心。全ての年代で微減又は減少。病床使用率は1割強。佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島でも今週先週比がそれぞれ0.65、0.91、0.77、0.65、0.71、0.83と1を下回り、新規感染者数はそれぞれ約97、152、140、110、153、171。病床使用率について、佐賀では約1割、長崎では1割強、熊本では2割強、大分、宮崎では2割弱、鹿児島では3割弱。
      7. 沖縄 新規感染者数は今週先週比が0.88と1を下回り、約590と全国で最も高い。30代以下が中心。全ての年代で減少。病床使用率は4割弱、重症病床使用率は1割強。
      8. 上記以外 青森、岩手、広島、山口の新規感染者数はそれぞれ約105、88、122、103。病床使用率について、青森、広島、山口では約2割、岩手では2割強。
    • 今後の見通しと必要な対策
      1. 感染状況について
        • 新規感染者数について、全国的には概ね全ての地域で報告数の減少傾向が続いている。地域別に見ると、直近1週間の移動平均について、首都圏、愛知県、大阪府や福岡県などの大都市部に加え、一部の地方都市では昨年夏のピーク時を下回る状況となっている。一方、沖縄県では全国で最も高い状況が続いているものの、直近の約3週間は減少がほぼ継続している。
        • 年代別の新規感染者数では全ての年代で減少が継続しており、地域別で見ても概ね同様の傾向が継続している。
        • 新規感染者の感染場所について、高齢者福祉施設、保育所等、事業所及び飲食店における割合が高止まりしている。また、足下の数日では、学校等、病院及び障害者福祉施設における割合が増加基調となっている。
        • 新規感染者数については、GW明けに一旦増加傾向となったが、その後、減少傾向が継続している。今後の感染状況について、大都市部の短期的な予測では減少傾向の継続が見込まれるが、(1)ワクチンの3回目接種と感染により獲得された免疫は徐々に減衰していくこと、(2)6月は梅雨の時期であり、人流は比較的抑制される傾向にあるが、7月以降は夏休みの影響もあり、接触の増加等が予想されること、(3)オミクロン株の新たな系統への置き換わりの可能性もあること等から、夏頃には感染者数の増加も懸念されるところであり、医療提供体制への影響も含めて注視していく必要がある。
      2. 感染の増加要因と抑制要因について
        • 感染状況には、以下のような感染の増加要因と抑制要因の変化が影響するものと考えられる。
          1. 接触パターンについて
            • 夜間滞留人口について、1週間ごとに増減を繰り返す地域もあれば、継続して増加する地域もある。これらの中には、昨年末のピークを超える地域もあるため、今後の感染状況への影響に注意が必要。
          2. 流行株について
            • BA.2系統へ概ね置き換わっており、BA.1系統が優位であった時期と比較すると、減少スピードが遅れる一要因となりうる。また、BA.2.12.1系統とBA.5系統が国内でも検出されており、モニタリングの継続が必要。
          3. ワクチン接種等について
            • 3回目接種が進んでいるが、3回目接種から一定の期間が経過することに伴い、感染予防効果は、より早く接種を受けた人から今後減弱していくことが予想され、留意が必要。また、これまでの感染により獲得した免疫についても、今後徐々に減弱することが予想される。
          4. 気候要因について
            • 気温が上昇する時期は、換気を行いやすい気候条件になる。しかし、気温の上昇やこれから梅雨の時期に入ると、降雨によって屋内での活動が増える場合もある。
      3. 医療提供体制について
        • 沖縄県では、入院者数、病床使用率や重症病床使用率は減少が続いている。全国的にも、新規感染者数の減少傾向が続いていることに伴い、概ね全ての地域で病床使用率が減少となるとともに、全ての地域で自宅療養者・療養等調整中の者も減少。
        • 救急搬送困難事案については、非コロナ疑い事案、コロナ疑い事案ともに地域差が見られるが、全国的に減少傾向が続いている。
      4. オミクロン株による感染拡大を踏まえた取組
        1. サーベイランス等
          • 発生動向把握のため、実効性ある適切なサーベイランスの検討が必要。また、変異株について、ゲノムサーベイランスで動向の監視を継続することが必要。さらに、重症例やクラスター事例等では、変異株PCR検査や全ゲノム解析による確認が求められる。
        2. 自治体における取組
          • 自治体では、オミクロン株の特徴を踏まえた対応強化を図るべく、診療・検査体制や保健所体制の点検も必要である。
          • 地域の感染状況に基づき、必要な医療提供体制の構築に引き続き取り組むことが必要。
          • 高齢者施設等に対する医療支援体制の強化・徹底にあたっては、医療関係部局と介護関係部局が連携し、地域の関係者とも協議しつつ進めていくことが重要。
          • 健康観察等の重点化や患者発生届の処理の効率化など事務連絡に基づき、効率的に保健所業務を実施するとともに、地域に必要な保健所機能を維持するため、外部委託や本庁での一元化による体制を確保することが重要。
        3. ワクチン未接種者、3回目及び4回目接種者への情報提供等
          • 自治体では、ワクチン接種に関する情報提供を進めることが重要。未接種者へのワクチン接種とともに、3回目及び4回目接種を着実に実施していくことも必要。また、ワクチンの初回接種者においては症状が遷延するリスクが低いとの報告がある。さらに、今回、長崎大学による「新型コロナワクチンの有効性に関する研究」の中で、ワクチンの2回接種完了と3回接種完了の有効性の評価が示された。
          • 3回目接種の主な目的は発症予防・重症化予防である。3回目接種率について、6月7日公表時点で65歳以上高齢者では約89%、全体では約60%となった。対象者への3回目の接種を今後も着実に実施し、希望する方にはできるだけ多く接種していただくことが求められている。4回目接種については、重症化予防を目的として、60歳以上の者と、重症化リスクの高い基礎疾患を有する者、その他重症化リスクが高いと医師が認める方を対象として特例臨時接種として5月25日から開始された。また、同日から新たなワクチンを1~3回目接種用として接種開始できるようになった。このワクチンは、従来の新型コロナワクチンとは異なる種類であり、ワクチンの多様性を確保できるとともに、国内で製造が行われることからワクチン供給の安定性の確保につながるものである。
          • 5歳から11歳までの子どもへのワクチン接種については、特例臨時接種として実施されているが、その際、努力義務の規定はこれらの小児について適用しないことを踏まえ、接種を進めていくことが必要。また、小児への感染予防を期待して、保護者や周囲の大人がワクチンの3回目接種を行うことも重要。
        4. 水際対策
          • 海外及び国内の現在の流行状況なども踏まえて水際対策の段階的な見直しを検証していく必要がある。また、出国前検査は継続して求めつつ流入リスクに応じた対応を行うとともに、入国時検査での陽性者は、海外における流行株監視のため、全ゲノム解析を継続させることが必要。
      5. オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底
        • 感染が広がっている場面・場所において、オミクロン株の特徴を踏まえた感染防止策の強化・徹底が求められる。
          • 学校・幼稚園・保育所等においては、児童・生徒の感染リスクが高まる場面を職員や子ども・保護者等と共有しつつ、子どもの感染対策はもとより、教職員や保育士などに対する積極的なワクチンの接種促進も含め感染対策を徹底する。その上で、できるだけ教育活動や社会機能などの継続に取り組むことが必要。子どもや職員が少しでも体調が悪い場合は、休暇を取得できる環境を確保することが重要。あわせて、家庭内での感染対策の徹底も求められる。また、2歳未満の児童についてはマスク着用は推奨しないこと、2歳以上の就学前児については、熱中症のリスクや表情が見えにくくなることによる影響も懸念されることから、マスク着用を一律には求めず、無理に着用させないことについて、保育所等に対し周知・徹底することが必要。学校においては、体育の授業・運動部活動や登下校の際にはマスク着用が必要ないことを学校現場に周知・徹底することが必要。
          • 高齢者の感染を抑制するため、介護福祉施設における対策の徹底が必要。このため、従業者等へは積極的な検査を実施する。また、重症化予防のため、入所者に対するワクチンの4回目接種を進める。さらに、施設等における感染管理や医療に関して外部からの支援体制を確保し、施設で感染が確認された際には早期に迅速な介入が重要。
          • 職場においては、社会機能維持のため、業務継続計画の活用に加え、テレワークの活用や休暇取得の促進等の取組が求められる。また、従業員の体調管理を徹底し、少しでも体調が悪い場合には休暇を取得できる環境を確保することが必要。さらに、職域におけるワクチンの3回目接種を積極的に進めるべきである。
      6. 現在の感染状況を市民や事業者の皆様と広く共有して、感染拡大防止に協力していただくことが不可欠
        • 全国的には昨夏のピークより低い状況となっているが、地方都市を中心に全国の半数以上の地域では未だに高い状況が続いている。このため、基本的な感染対策と日頃の体調管理を徹底し、感染リスクの低減に向けた取組にご協力いただくことが必要。
          1. ワクチン接種について
            • ワクチンの3回目接種は、その種類に関わらず、時期が来れば、早めに受けていただくことが重要。新型コロナウイルス感染症に罹患すると、若年者でも重症化することがあり、また、遷延症状が見られる場合もあることから、重症化リスクの高い高齢者はもとより、若年者も自らの健康を守るために接種していただくことが求められる。あわせて、これまで1・2回目接種できていない方々にも改めて接種を検討していただくことが重要。
          2. 感染対策の徹底
            • オミクロン株においても基本的な感染防止策は有効であることから、不織布マスクの正しい着用、手指衛生、換気などの徹底を継続することが必要。また、三つの密(密集、密閉、密接)が重なるところは最も感染リスクが高いが、一つの密であってもできるだけ避けることが必要。
          3. 外出等に際して
            • 混雑した場所や換気が悪く大人数・大声を出すような感染リスクの高い場面・場所を避けることが必要。行動はいつも会う人と少人数で。飲食は、できるだけ少人数で黙食を基本とし、飲食時以外はマスク着用の徹底が必要。一方で、屋外については、近距離で会話する場合を除き、マスク着用は必要ない。特に、夏場については、熱中症予防の観点から屋外ではマスクを外すことを推奨する。
          4. 体調管理について
            • 軽度の発熱、倦怠感など少しでも体調が悪ければ外出を控えるとともに、自治体等の方針に従って受診や検査をすることが必要。特に、高齢者をはじめ、重症化リスクの高い方と会う機会がある場合には注意が必要。
      7. 参考:オミクロン株の特徴に関する知見
        1. 感染性・伝播性
          • オミクロン株はデルタ株に比べ、世代時間が約2日(デルタ株は約5日)に短縮、倍加時間と潜伏期間も短縮し、感染後の再感染リスクや二次感染リスクが高く、感染拡大の速度も非常に速いことが確認されている。なお、報告されているデータによれば、これまでの株と同様に発症前の伝播は一定程度起きていると考えられる。
        2. 感染の場・感染経路
          • 国内では、多くの感染がこれまでと同様の機会(換気が不十分な屋内や飲食の機会等)で起きており、感染経路もこれまでと同様、飛沫が粘膜に付着することやエアロゾルの吸入、接触感染等を介していると考えられている。
        3. 重症度
          • オミクロン株による感染はデルタ株に比べて相対的に入院のリスク、重症化のリスクが低いことが示されているが、現時点で分析されたオミクロン株による感染の致命率は、季節性インフルエンザの致命率よりも高いと考えられる。また、肺炎の発症率についても限られたデータではあるが季節性インフルエンザよりも高いことが示唆されているが、今後もさまざまな分析による検討が必要。今回の感染拡大における死亡者は、昨年夏の感染拡大と比べ、80歳以上の占める割合が高くなっている。感染前の状況として、医療機関に入院中の方や高齢者施設に入所中の方が多いことが示された。侵襲性の高い治療を希望されない場合や基礎疾患の悪化等の影響で重症の定義を満たさずに死亡する方など、新型コロナウイルス感染症が直接の死因でない事例も少なくないことが報告されており、基礎疾患を有する陽性者でコロナ感染による肺炎が見られなくても感染により基礎疾患が増悪することや、高齢の感染者が心不全や誤嚥性肺炎等を発症することにより、入院を要する感染者の増加に繋がることにも注意が必要。
        4. ウイルスの排出期間
          • オミクロン株感染症例におけるウイルスの排出は、時間の経過とともに減少する。有症状者では、発症日から10日目以降において、排出する可能性が低くなることが示された。なお、無症状者では、診断日から8日目以降において排出していないことが示された。
        5. ワクチン効果
          • 初回免疫によるオミクロン株感染に対する感染予防効果や発症予防効果は著しく低下する。入院予防効果については、半年間は一定程度保たれているものの、その後50%以下に低下することが報告されている。一方で、3回目接種によりオミクロン株感染に対する感染予防効果、発症予防効果や入院予防効果が回復することや、3回目接種後のワクチン効果の減衰についても海外から報告されている。
        6. BA.2系統
          • 海外ではBA.2系統への置き換わりがある中で、感染者数の増加が見られたが、現在は世界的に減少傾向となっている。国内におけるオミクロン株は、当初BA.1とBA.1.1の海外からの流入がともにあったものの、その後BA.1.1が多数を占めた。現在は、BA.2系統へ概ね置き換わった。なお、BA.2系統はBA.1系統との比較において、実効再生産数及び二次感染リスク等の分析から、感染性がより高いことが示されている。BA.2系統の世代時間は、BA.1系統と比べ15%短く、実効再生産数は26%高いことが示された。BA.1系統とBA.2系統との重症度の比較については、動物実験でBA.2系統の方が病原性が高い可能性を示唆するデータもあるが、実際の入院リスク及び重症化リスクに関する差は見られないとも報告されている。また、英国の報告では、ワクチンの予防効果にも差がないことが示されている。
        7. XE、BA.4、BA.5及びBA.2.12.1系統
          • オミクロン株のXE系統は、オミクロン株のBA.1系統とBA.2系統の組換え体であり、XE系統について、検疫で検出されている。WHOレポートによれば、BA.2系統に比べて市中での感染者の増加する速度が10%程度高いと報告されている。また、BA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統は検疫で検出されており、このうちBA.5系統及びBA.2.12.1系統については国内でも検出されている。米国CDCによれば、BA.2.12.1系統は、BA.2系統と比べて感染者の増加する速度が25%程度高いと報告されている。一部の国や地域ではBA.4系統、BA.5系統及びBA.2.12.1系統の検出割合が増加し、BA.2系統からの置き換わりが進んでおり、感染者の増加の優位性が示唆されている。国立感染症研究所によれば、感染力や重症度等に大きな差が見られるとの報告は現時点ではないものの、ウイルスの特性について、引き続き、諸外国の状況や知見を収集・分析するとともに、ゲノムサーベイランスによる監視を続けていくことが必要としている。

    ~NEW~
    厚生労働省 テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方について、ワンストップで相談できる窓口を設置しました
    • 厚生労働省では、適切な労務管理下における「良質なテレワーク」の導入・定着促進のため、令和3年3月にテレワークガイドラインの改定を行ったところです。
    • また、同年4月より「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」を創設し、中小企業事業主が、テレワーク用通信機器等の導入・運用等を実施することで、従業員の離職率の低下について効果をあげた場合に当該経費の助成を行っています。
    • さらに、このたび、「テレワーク・ワンストップ・サポート事業」として総務省と連携し、テレワークに関する労務管理とICT(情報通信技術)の双方について、ワンストップで相談できる窓口をテレワーク相談センターに設置し、テレワークを導入しようとする企業等に対し、ワンストップでの総合的な支援を行うことになりました。
    • 「労務管理」から「ICT活用」まで、テレワークに関するご相談、コンサルティングにワンストップで対応し、「良質なテレワーク」の導入・定着の支援を行います。
    • テレワーク・ワンストップ・サポート事業の概要
      1. 支援内容
        • 相談対応
          • テレワークの導入・実施時の労務管理やICT(情報通信技術)に関する課題について、電話や電子メールにより相談対応いたします。
        • コンサルティングの実施
          • 専門的知識を有するテレワークマネージャーが、企業等からの要望に応じ、具体的な導入支援を行うコンサルティングを実施します。
      2. ホームページ
      3. 問い合わせ先
        • テレワーク相談センター
          • 電話 0120-861009
          • メール sodan@japan-telework.or.jp
          • 受付時間 9時00分~17時00分(土・日・祝日除く)

    ~NEW~
    経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します(輸出貿易管理令の一部を改正)
    • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、今般、主要国が講ずることとした措置の内容等を踏まえ、ロシアへの輸出禁止措置を実施するために令和4年6月10日(金曜日)に閣議決定された輸出貿易管理令の一部を改正する政令を公布・施行します。
    1. 概要
      • ウクライナを巡る国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、令和4年6月7日に、外国為替及び外国貿易法(昭和24年法律第228号。以下、外為法という。)によるロシアの産業基盤強化に資する物品(貨物自動車等)の輸出禁止措置を導入することが閣議了解されました。これらを踏まえ、本日、輸出貿易管理令(昭和24年政令第378号)の一部を改正する政令が閣議決定され、当該措置を6月17日より実施します。
    2. 改正された政令の概要
      • 対象となる品目
        • 木材及びその製品の一部
        • 鉄鋼製の貯蔵タンクその他これに類する容器
        • 手工具用又は加工機械用の互換性工具、機械用又は器具用のナイフ及び刃
        • 機械類並びにこれらの部分品及び附属品の一部
        • 電気機器及びその部分品の一部
        • 鉄道用機関車、鉄道の保守用の車両等
        • 輸送用の機械及びその部分品の一部
        • 測定機器及び検査機器並びにこれらの部分品等
    3. 今後の予定
      • 令和4年6月10日(金曜日) 公布
      • 令和4年6月17日(金曜日) 施行

    ~NEW~
    経済産業省 ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置を実施します
    • ウクライナをめぐる現下の国際情勢に鑑み、この問題の解決を目指す国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため、主要国が講ずることとした措置の内容を踏まえ、閣議了解「ロシア連邦の特定銀行に対する資産凍結等の措置等について」(令和4年6月7日付)を行い、これに基づき、外国為替及び外国貿易法による次の措置を実施することとしました。
    1. 措置の内容
      1. 資産凍結等の措置
        • 外務省告示(6月7日公布)により資産凍結等の措置の対象者として指定されたロシア連邦の特定銀行(2団体)及びベラルーシ共和国の特定銀行(1団体)に対し、(ⅰ)及び(ⅱ)の措置を実施する。
          • 支払規制
            • 外務省告示により指定された者に対する支払等を許可制とする。
          • 資本取引規制
            • 外務省告示により指定された者との間の資本取引(預金契約、信託契約及び金銭の貸付契約)等を許可制とする。
            • (注)資産凍結等の措置の対象となるロシア連邦の特定銀行及びベラルーシ共和国の特定銀行として新たに指定された団体に対する資産凍結等の措置は令和4年7月7日から実施する。
      2. ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置
        • ロシア連邦の産業基盤強化に資する物品の輸出の禁止措置を導入する。
    2. 関連URL

    ~NEW~
    経済産業省 「令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書)」 が閣議決定されました
    ▼令和3年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2022)(概要)
    • 世界的なエネルギー価格の高騰
      • 2021年、世界各地で電力需給が逼迫。その要因は、2015年以降、原油価格下落で化石投資が停滞し、脱炭素の流れも重なって供給力不足が深刻化したこと。また、新型コロナからの経済回復で各国需要が増大する中で悪天候・災害が重なって風力等の再エネが期待通り動かなかったこと等がある。
      • 新型コロナからの経済回復の過程で、世界のガス火力依存度は上昇。こうした中で、欧州では2021年初頭の寒波で暖房需要が増加、域内ガス在庫を取り崩し(例年比2割減)。欧州が世界で天然ガス、さらに原油、石炭を買い求めたこと等により価格は急上昇。ロシアのウクライナ侵略で価格上昇はさらに加速。
    • ロシアのウクライナ侵略によるエネルギーへの影響
      • 欧州は、化石燃料をロシアに大きく依存(天然ガス:ドイツが約50%依存、石油:オランダが約100%依存等)。ロシアのウクライナ侵略は、欧州のエネルギーにとりわけ大きく影響。
      • 量について、2021年中頃から年末にかけて露国営企業ガスプロムの欧州向け天然ガス輸出量が減少。
      • 価格について、ガスプロムの長期契約の価格決定方法は、天然ガスのスポット価格連動が大半。このため、天然ガスのスポット価格の高騰が欧州の長期契約分の高騰に直結(なお、日本の天然ガス長期契約は、油価連動が多い)。
    • 世界的な資源高と各国における影響
      • 新型コロナからの経済回復に、世界的な天候不順、災害、化石資源への構造的上流投資不足が複合的に重なり、天然ガスを始め化石燃料価格が急上昇。ロシアのウクライナ侵略で、価格上昇が加速。
      • 化石燃料の輸入価格も急上昇(英、蘭、独で2倍超。一方、日本はいずれの資源も2倍以下にとどまる)。
      • エネルギーの消費者価格も、世界的に上昇しているが、日本は相対的に上昇幅が低い。
    • 脱炭素を巡る世界の動向
      • 期限付カーボンニュートラル宣言国は、2021年11月のCOP26終了時に154か国・1地域に拡大(世界のCO2排出量の79%、GDPの90%)。気候変動対策は、高い目標を競うだけでなく、いかに目標達成するかの実行段階に突入。
      • 金融面では、気候変動情報開示を上場企業等に法的に求める「ルール化」が進展(英・米・日、TCFD準拠)。政策面では、脱炭素社会のエネルギー構造(①電化+電力の脱炭素化、②水素化、③CCUS)に各国が支援具体化。
      • エネルギーを巡る情勢は各国で千差万別(日本・中国は「産業」、欧州は「民生」、米国は「運輸」政策を強化)。各国の事情を踏まえた現実的な脱炭素の取組が、世界全体の実効的な気候変動対策にもつながる。
    • エネルギー政策を進める上での原点 ~原子力災害からの福島復興~
      • 東京電力福島第一原発の廃炉の完遂と福島の復興は経済産業省の最重要課題。
      • 事故後11年が経ち、一歩一歩取組は進展するも、中長期的な対応が必要な残された課題に、国が前面に立って着実に取り組んでいく必要。

    ~NEW~
    国土交通省 道路の移動等円滑化に関するガイドラインを改定しました~踏切道での安全対策~
    ▼別紙1 改訂の概要
    • 国土交通省では、踏切道での安全対策のため、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定しました。
    • 本年4月、奈良県内において視覚に障害のある方が踏切内で列車に接触してお亡くなりになる痛ましい事故が発生しました。
    • 今般、視覚障害者団体、学識経験者のご意見を伺い、「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定しましたのでお知らせします。
    • 具体的な改定内容としては、以下のとおり位置付けることとしました。
      • 踏切手前部での視覚障害者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容
      • 踏切内での表面に凹凸のある誘導表示等の設置を望ましい整備内容

    ~NEW~
    国土交通省 「令和3年度交通の動向」及び「令和4年度交通施策」(交通政策白書)について
    ▼「令和3年度交通の動向」及び「令和4年度交通施策」(要旨)
    • 我が国の都市における今後のまちづくりは、人口の急激な減少と高齢化を背景として、高齢者や子育て世代にとって、安心できる健康で快適な生活環境を実現すること、財政面及び経済面において持続可能な都市経営を可能とすることが大きな課題となっている。こうした課題に対しては、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地し、高齢者をはじめとする住民が公共交通によりこれらの生活利便施設等にアクセスできるなど、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直し、「コンパクト・プラス・ネットワーク」の考え方でまちづくりを進めていくことが重要となっている。
    • 行政と住民や民間事業者が一体となってコンパクトなまちづくりを促進するため、立地適正化計画制度が整備されている。現在、全国の市町村において立地適正化計画の作成の動きが本格化しており、国はそうした動きに関する財政面・技術面での支援の充実を進めている。
    • 2016年3月、内閣総理大臣を議長とする「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」は「明日の日本を支える観光ビジョン」をとりまとめた。同ビジョンに基づき、すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境を目指し、交通分野では、新幹線、高速道路などの高速交通網を活用した「地方創生回廊」の完備、地方空港のゲートウェイ機能強化とLCC就航促進、クルーズ船受入の更なる拡充、公共交通利用環境の革新等が推進されている。また、コロナ禍の取組方針としては、2020年12月3日の観光戦略実行推進会議において「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」を策定し、安心・安全な旅行ができるよう、宿泊・旅行・交通・空港など観光関係事業者においては業種別ガイドラインを遵守するとともに、旅行者にも2021年11月に最新の状況等を踏まえて改訂した「新しい旅のエチケット」を周知するなど、事業者と旅行者の双方において感染拡大防止策を徹底することとした。さらに、交通事業者等が行うキャッシュレス決済対応等の受入環境整備等の取組が進められている。
    • 我が国の国内旅客輸送量(人ベース)(自家用車によるものを除く。)は、1991(平成3)年度をピークに2004年度まで減少した後、緩やかな増加に転じた。その後、リーマンショックが発生した2008年度を境に減少に転じ、2011年度から再度緩やかな増加に転じたが、2019年度より、新型コロナウイルス感染症の影響により再び減少に転じた。2020年度の各公共交通モードの分担率は、鉄道が81.8%、乗合バスが14.4%、タクシーが3.4%、航空は0.2%、旅客船は0.2%である。
    • 2020年(令和2年)の運輸・郵便業(以下「交通事業」という。)の国内総生産は23.4兆円であり、我が国の国内総生産全体の4.3%を占めている。2000年からの推移を見ると、交通事業の国内総生産は、2007年までは全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、リーマンショックの発生した2008年に大きく落ち込んだ。その後再び全体の国内総生産を上回る伸びを見せたものの、2020年は、新型コロナウイルス感染症の影響で大きく落ち込んでいる。
    • ホームドアの設置番線数は、2020年度末時点、全国で2,192番線(943駅)と整備が進んできており、1日の平均的な利用者数10万人以上の駅では851番線(154駅)中334番線(103駅)となっている。
    • 2020年度の我が国の二酸化炭素排出量は10億4,400万トンであるが、そのうち運輸部門におけるエネルギー起源二酸化炭素排出量は1億8,500万トンで、二酸化炭素排出量全体の17.7%を占めている。さらに、運輸部門におけるエネルギー起源二酸化炭素排出量の内訳を見ると、自動車が87.6%(我が国の二酸化炭素排出量全体の15.5%)を占め、そのうち、自家用乗用車を中心とする旅客自動車が48.4%(同8.6%)、貨物自動車(トラック)が39.2%(同6.9%)を排出している。
    • 2022年3月16日に福島県沖を震源とする最大震度6強の地震が発生した。この地震により東北新幹線の車両が脱線したほか、電柱被害や架線断線等のさまざまな設備の損傷が生じた。この地震による被害に伴い、東北新幹線は2022年4月14日まで一部区間で運転を見合わせた。東北新幹線の復旧に当たって、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から電化柱等の資材提供を行い迅速な復旧を支援するとともに、代替輸送の情報について国土交通省HP等で発信することを通じ、利用者の利便性の確保を行った。
    • 2020年2月に時差出勤・テレワークの実施等の呼びかけを開始して以後、JR、大手民鉄の主なターミナル駅におけるピーク時間帯の利用が落ち込んでいる。特に、2020年4月及び2021年7月に発令された緊急事態宣言期間中の落ち込み幅が大きい。2022年2月下旬以後も、首都圏は概ね2割~4割減少、関西圏は概ね2割~3割減少した水準で推移している。
    • 二人以上の世帯におけるネットショッピング支出額は、2020年以降に急増しており、特に2021年12月は、2019年12月の約1.5倍にまで増加している。コロナ禍が長期化したことにより、非対面・非接触といった新しい生活様式が広がりつつあるといえる。宅配便の個数は、増加傾向であり、2019年から2020年にかけての伸び率も大きくなっている。2019年同月比で見ると、宅配便の個数は、概ね1~2割程度上回る傾向で推移している。新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う巣ごもり消費の拡大等の影響も受け、EC市場の規模が拡大していることが要因と考えられる。
    • 2020年以降、再配達率が減少しており、初回の緊急事態宣言が発出された2020年4月の再配達率は8.5%まで減少した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大前と比較し、再配達率が減少している要因としてテレワークの普及や外出自粛により在宅している人が増加している影響があると考えられる。しかし、2020年10月以降の再配達率はやや増加傾向が見られており、引き続き再配達を減らす取組が求められる。
    • 新型コロナウイルス感染症の感染拡大が始まった後の2020(令和2)年5月と2022年1月とを比較すると、コロナ禍収束後もテレワークを継続したいと考える人は増加している。テレワークに関するアンケート調査を見ると、新型コロナウイルス感染収束後のテレワーク継続意向について「継続意向あり」という人の割合は84.0%と高く、今後もテレワークが新しい働き方として定着する兆しが見られる。一方、「継続意向なし」という人の割合は16.0%であり、その理由は「仕事に支障が生じる」が40.5%、「会社の機器が不十分」が6.5%、「テレワーク実施場所の環境が不十分」が14.2%であり、仕事のしやすさの観点での回答が半数以上を占める。新たな生活様式の定着により、コロナ禍収束後もテレワークを行いたいと考える人も増加しており、人流はコロナ前に戻らない可能性が示唆されている。
    • 地方移住に関するアンケート調査を見ると、移住に関心のある人の割合は、東京圏出身者が37%、東京圏外出身者が43%となっており、東京圏外出身者の方が移住への関心が高い。また、移住を検討する場合の引っ越し先については、関東圏外を含めて検討したいという回答の割合が東京圏外出身・東京圏在住者の方が東京圏出身・在住者よりも高い。テレワークやネットショッピングの拡大とも相まって、暮らし方についても、新たなスタイルが拡大していく可能性が示唆される。
    • 我が国の物流をめぐる環境は、労働力不足の深刻化、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う社会・経済環境の変化、AI・IoT等の最新技術の進化等、様々な変化が生じており、このような中、2021年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」においても、取り組むべき施策として「物流DXや物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化(簡素で滑らかな物流の実現)」が挙げられたところである。
    • 国土交通省では、危機に瀕する地域交通について、感染症を契機に人々のくらしをめぐる環境や価値観も大きく変わる中、地域交通の持つ価値や役割を見つめ直し、移動サービスの質・持続性を向上させるため、地域の多様な関係者による「共創」を推進する研究会を開催した。感染症による交通事業者の経営悪化やニューノーマルにおける利用者のライフスタイルの変化を踏まえ、地域交通が地域で果たすべき役割や、より持続可能性を高めるための方法について、コミュニティ、ガバナンス、ファイナンスという切り口から、官民や分野に捉われない「共創」を交通分野で一層進展させていくための手法を議論し、2022年3月に、中間整理として取りまとめたところである。

    ~NEW~
    国土交通省 令和4年版「土地白書」の公表について
    ▼令和4年版土地白書について
    • 地価公示の推移
      • 全国全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年ぶりに上昇。全体的に昨年からは回復傾向。
    • 土地取引件数の推移
      • 土地取引件数は、ほぼ横ばいで、2年前の水準で推移
    • 土地の資産性に対する国民の意識
      • 「預貯金や株式などに比べて有利」とする割合が低下傾向。
    • 人口減少・高齢化の進展とそれに伴う相続件数の増加、土地利用ニーズの低下と所有意識の希薄化を背景に、所有者不明土地の増加が見込まれることから、平成30年の所有者不明土地法の制定以降、様々な取組や関連施策を推進。
    • 所有者不明土地の利用の円滑化の取組事例
      1. 地域福利増進事業の活用
        • 知事の裁定により、所有者不明土地を公共的目的に使用できる制度(地域福利増進事業)を活用
        • 高台にある所有者不明土地を避難場所(防災広場)として整備予定【新潟県粟島浦村】
      2. 収用手続の合理化
        • 知事の裁定により、所有者不明土地を取得できる制度を活用
        • 高速道路の整備予定地で、通常の土地収用法の裁決手続きに比べて約4カ月短縮【茨城県潮来市】
      3. 所有者探索の合理化
        • 土地所有者等の探索のため、固定資産課税台帳などを利用できる制度を活用
        • 所有者不明と思われた土地の所有者を見つけることができ、広場整備のため権利を取得予定【山口県山口市】
      4. 所有者不明森林の活用
        • 森林の経営管理権を市町村に集積する制度(森林経営管理法)を活用
        • 町が所有者(共有者)不明森林に自らの経営管理権設定し、適正に管理【鳥取県若桜町】
    • 所有者不明土地の発生抑制の取組事例
      • 地籍調査の促進
        • 地籍調査の円滑化・迅速化のため新たな調査手続等を活用
        • 山村部の地籍調査において、航空レーザ測量により作成した筆界案を土地所有者が集会所で確認し、成果に基づき登記【栃木県大田原市】
      • 低未利用土地の活用
        • 県・市・地元住民等が協働し、専門家と連携しながら市内の低未利用土地の利用・管理の促進を図る推進法人を設立予定【広島県三原市】
    • 所有者不明土地法の一部を改正する法律
      • 「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の一部を改正する法律」が成立し、公布された【令和4年5月9日】
      • 地域福利増進事業の対象事業の拡充等による利用の円滑化の促進
      • 勧告・命令・代執行制度等による災害等の発生防止に向けた管理の適正化
      • 協議会制度・所有者不明土地利用円滑化等推進法人等による推進体制の強化
    • 新たな国土計画の検討
      • 国土審議会において、令和3年6月にとりまとめた「国土の長期展望」と「国土の管理構想」を踏まえて、同年9月から計画部会において新たな国土計画の検討に着手
    • デジタル技術を活用した土地取引の円滑化
      • 土地・不動産分野の情報一元化を行うポータル・サイト「土地・不動産情報ライブラリ」を構築し、不動産取引の活発化、探索コストの低減等を図る【R6年度運用開始を目指して構築】
      • 不動産の共通コードに係るルールの運用を順次開始し不動産関連情報の連携・蓄積・活用の促進を図る【R4年度運用開始】

    ~NEW~
    国土交通省 令和4年版「首都圏白書」をとりまとめました(令和3年度首都圏整備に関する年次報告)
    ▼首都圏整備に関する年次報告(要旨)
    • 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の「IPCC1.5度特別報告書」によれば、世界の気温上昇を工業化以前と比較して1.5℃に抑えることは、2℃に抑える場合に比べて気候に関するリスクが大きく異なり、その目標達成には、令和32(2050)年近辺でのカーボンニュートラル実現が必要とされている。令和3(2021)年11月の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の「グラスゴー気候合意」においても、1.5℃に抑える努力の継続への決意が盛り込まれ、世界各国でカーボンニュートラルに向けた動きが進んでいる。
    • こうした中、我が国では、令和32(2050)年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「2050年カーボンニュートラル」が令和2(2020)年10月に宣言された。また、令和3(2021)年4月の地球温暖化対策推進本部では、中期目標として令和12(2030)年度に平成25(2013)年度比で温室効果ガス排出量を46%削減し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることが示された。
    • 全国の温室効果ガス排出量は近年減少傾向にあり、首都圏でもCO2排出量が平成25(2013)年度から継続して減少しているが、令和元(2019)年度で292百万t-CO2を排出しており、国内の3割程度と大きな割合を占めている(図表1-1-1)。その内訳を見ると、都市活動に起因する部門の割合(業務、家庭、運輸の合計)が約60%と全国(約55%)に比べて高くなっている。
    • また、首都圏においても地球温暖化の進展に伴う気候変動が進んでおり、関東地方の平均気温は50年当たり1.2℃のペースで上昇している。東京圏を中心に都市化の影響によるヒートアイランド現象も見られることから、これらの環境変化に対応するとともに、都市の特徴や都市活動の動向を踏まえて、脱炭素化に向けた取組を実施する必要がある。
    • カーボンニュートラルの実現に当たっては、水力、太陽光、バイオマス等の再生可能エネルギーの導入拡大が必要不可欠である。電気事業者による首都圏の再生可能エネルギー発電量は、令和2(2020)年度において16,736百万kWhと着実に増加傾向にあり(全国シェア約13%)、水力発電が占める割合が最も高く、太陽光発電やバイオマス発電についても、近年増加傾向にある。エリア別に見ると、周辺4県において発電量の約8割が集中している。
    • 固定価格買取制度(FIT)による首都圏の再生可能エネルギー導入量も増加傾向で、令和2(2020)年度までに1,628万kW(全国シェア約23%)となっており、太陽光発電が1,511万kWと9割以上を占めている。太陽光発電の導入量のうち非住宅が1,179万kWで、周辺4県の占める割合が高い一方、住宅が332万kWとなっており、東京圏の割合が6割を超えている温室効果ガスの削減にあたっては、再生可能エネルギーの導入に加え、設備の省エネ化や未利用熱の活用などによる資源の有効活用を図り、エネルギー消費量全体の削減を進めていく必要がある。
    • 首都圏における最終エネルギー消費量は平成19(2007)年度以降は漸減傾向で推移し、令和元(2019)年度には約3,915PJ(全国の約3割)となり、人口千人当たりのエネルギー消費量については、全国に比べて低い水準となっている(図表1-1-8)。また、我が国の経済の中心を担う首都圏においては、エネルギー消費を効率化しながら経済成長を続けていく必要があり、首都圏のエネルギー生産性(エネルギー消費量当たりの総生産)は、近年上昇傾向で全国に比べて高い水準であるが、今後も更なる向上が求められる
    • 令和元(2019)年度以降新型感染症が拡大する中で、首都圏では東京圏を中心にテレワークの導入が大きく進み、令和3(2021)年度の首都圏全体におけるテレワーカー率(当該年度までにテレワークを経験した就業者の割合)1)は38.9%(令和元(2019)年度17.6%)となり、各圏域で前年度に続いて増加した(図表1-2-1)。国際エネルギー機関(IEA)によれば、世界でテレワーク可能な人が自宅でテレワークをした場合、家庭でのCO2増加に比べ、通勤などの個人の移動が減少することによるCO2削減量が大きいとされている2)。令和2(2020)年度の全国の温室効果ガス排出量については、令和元(2019)年度比5.1%減と大きく減少しており、各部門(産業・運輸・業務その他・家庭・エネルギー転換)におけるエネルギー起源CO2は運輸部門の減少率(10.2%)が最も大きい。
    • 令和3(2021)年度の首都圏におけるテレワーカー率は約4割となっており、職種別に見ると、管理職、研究職、専門・技術職、事務職、販売・営業(以下「テレワーカー率の高い職種」という。)で高くなっている。また、テレワークを実施したことのない就業者も含めた今後のテレワーク実施意向3)に基づく場合、テレワーカー率は首都圏全体で約5割に達し、職種別では管理職の一部を除き、令和3(2021)年度実績よりも概ね増加が見込まれ、テレワーカー率の高い職種で見ると、特に事務や販売・営業部門での増加が大きくなっている。また、首都圏のテレワーク実施場所は自宅が多く、今後のテレワーク実施意向に基づく場合も含めて、いずれの圏域においても9割を超えている
    • 令和3(2021)年度のテレワーカー率(実績ベース)を基に、各市区町村の職業別就業者人口割合4)から、市区町村別の自宅テレワーカー率を推計したところ、特に東京都区部で高く、40%を超える地域もあり、25%以上となる地域は、概ね都心から60km圏内に含まれる。また、就業者の今後の自宅テレワーク実施意向に基づく自宅テレワーカー率(実施意向ベース)については、周辺4県も含め、30%以上の地域が首都圏で全体的に広がっている。
    • 首都圏における通勤等の実態として、市区町村別の自家用車分担率は、周辺4県を中心に高くなっている。また、自家用車分担率と通勤等の平均距離より推計した「就業者1人当たりの平均自動車通勤距離」は、ばらつきが大きいエリアがあるものの、概ね都心からの距離に応じて増加傾向を示している。令和3(2021)年度の自宅テレワーカー率による削減量(実績ベース)は、首都圏全体で約2,337t-CO2(削減率9.7%)となっており、埼玉県や千葉県が大きい。また、就業者の今後の自宅テレワーク実施意向に基づくCO2削減量(実施意向ベース)は、実績ベースと比較して各都県で大幅に増加し、首都圏全体で約4,554t-CO2(削減率18.9%)となる。なお、削減量を就業者1人当たりに換算すると、実績・実施意向ベースともに、周辺4県(特に茨城県、栃木県、群馬県)が大きくなる首都圏のうち周辺4県は、既に人口の減少局面を迎えており、都市機能や居住機能の集約により、コンパクトなまちづくりを進めていく必要がある。都市のコンパクト化を実現するベースとなる立地適正化計画については、首都圏の30%(令和3(2021)年12月末時点)の市町村で作成され、周辺4県の割合が高く、積極的な取組が見られている。
    • 首都圏では、圏域内での再生可能エネルギーの創出や効率的な消費に当たり、モビリティやオープンスペースの有効活用が進められている。首都圏における再生可能エネルギーが利用できるモビリティの普及実態として、東京圏を中心に電気自動車(EV)の導入が増加傾向で、全国の約3割を占め、電源施設についても10km圏内の充電施設の多いエリア(11施設以上)が広く分布している。また、空間やモノなどの資産をインターネット上のプラットフォーム等を介して他者も利用可能とする「シェアリングエコノミー」の普及が近年進んでいる。首都圏では東京圏を中心にカーシェアリング導入車両台数やステーション数が増加傾向で、全国でも半数以上のシェアを占める中、EV利用に特化したサービスも見られている。
    • 近年、気候変動に伴う災害の頻発化・激甚化等を受け、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能な国土・都市・地域づくりを図るグリーンインフラの取組が進められている。都市の緑化は、ヒートアイランド現象の緩和により、空調のエネルギー負荷を低減するCO2排出抑制や、樹木等の生長に伴うCO2吸収の効果を持ち、脱炭素に寄与することが期待される。首都圏では、1人当たりの都市公園面積が全国と比較して小さく、海外の主要都市との比較においても、東京都区部における緑地の充実度は低いとされている。そのため、首都圏におけるヒートアイランド現象の緩和やCO2吸収源の確保に当たっては、公園を含め様々なスペースを有効活用して、都市の緑化を進めていく必要がある。
    • 緑地の確保に当たり、首都圏では、官民の連携により、都市開発プロジェクトにより創出される公開空地等や、建築物の屋上及び壁面を活用した取組が積極的に進められており、令和2(2020)年までの屋上緑化及び壁面緑化の累計施工面積は、全国の50%以上のシェアを占めている。また、路面緑化技術の開発に伴い、従来長期的な緑化の維持が困難な駐車場や車路、歩行者空間等を芝生で緑化する等、活用が困難であった箇所に緑地空間を創出する事例が見られる。首都圏の総人口は、昭和50(1975)年以降一貫して増加していたが、令和3(2021)年で減少に転じ、令和3(2021)年10月1日現在で4,437万人(全国の35.4%)となっている。圏域別の人口を見ると、東京都は平成7(1995)年以降、近隣3県は昭和50(1975)年以降増加傾向であったが、共に令和3(2021)年は前年と比較して減少した。また、周辺4県は、平成13(2001)年をピークに減少している。人口動態を見ると、出生数から死亡数を引いた「自然増減」は、近年全国及び首都圏の全圏域で減少が続いている。また、転入者数から転出者数を引いた「社会増減」は、新型感染症の拡大した令和2(2020)年以降、全国で減少が続いており、首都圏の圏域別に見ると、周辺4県を除いた圏域において同様の傾向である。国勢調査によれば、平成27(2015)年から令和2(2020)年の人口増減率は、平成22(2010)年から平成27(2015)年に比べ、東京都の増加率上昇が大きく、周辺4県の減少率は引き続き全国に比べて高い。また、市町村の階級別人口増減率(平成27(2015)年~令和2(2020)年)では、東京都と近隣3県でも人口減少となる市町村が半数以上を占めている。
    • 都市のイノベーション創出環境に関する指標である全国のスタートアップ企業の資金調達状況を見ると、令和2(2020)年を除いて増加傾向にある。このうち、東京都の企業が全国の8割以上を占めており、令和3(2021)年の調達額は6,531億円となっている。また、1企業当たりの調達金額は、平成24(2012)年以降継続して増加しており、令和3(2021)年には東京都では約4.66億円となっている。
    • 首都圏の令和3(2021)年の保育所等施設数は約1.3万箇所で、利用定員数は約96万人となっており、保育の受皿の整備が進んでいる。また、令和3(2021)年の待機児童は、全国で約5.6千人、首都圏では約2.1千人と前年を大きく下回っており、東京都では、平成29(2017)年から令和3(2021)年にかけて約9割減少している。
    • 首都直下地震対策特別措置法(平成25年法律第88号)に基づき、「政府業務継続計画(首都直下地震対策)」(平成26(2014)年3月)及び「首都直下地震緊急対策推進基本計画(以下、「基本計画」という。)」(平成27(2015)年3月)が閣議決定された。基本計画には、定量的な減災目標として、平成27(2015)年度から今後10年間で、想定される最大の死者数を約2万3千人から概ね半減、想定される最大の建築全壊・焼失棟数を約61万棟から概ね半減させることが掲げ
    • られている。令和3(2021)年5月には、基本計画に基づき、人命救助に重要な72時間を意識したタイムラインと目標行動の設定等を示す「首都直下地震における具体的な応急対策活動に関する計画」が改定された。改定に当たっては、災害対策に当たる職員や避難所等における感染症対策が盛り込まれるとともに、訓練等を踏まえた進出拠点等の見直しなどが行われている。また、中央省庁は政府業務継続計画(首都直下地震対策)を踏まえ、業務継続計画を定めているが、令和4(2022)年3月に内閣府において、「中央省庁の業務継続ガイドライン」が改定され、水害等の他の災害で活用可能な情報の説明やテレワークを踏まえた体制確保の記載など、新たな視点が示された。
    • 老朽化した木造住宅が密集し、細街路が多く公園等のオープンスペースの少ない密集市街地では、防災上多くの課題を抱えており、早急な整備改善が課題になっている。密集市街地については、令和3(2021)年3月に閣議決定された「住生活基本計画(全国計画)」において、「地震時等に著しく危険な密集市街地」を令和12(2030)年度までに概ね解消することとしている。首都圏では、同密集市街地が令和3(2021)年度末時点で466ha(前年度より198ha減)となっており、都県別に見ると、東京都と神奈川県が首都圏の9割近くを占めている。また、本計画において、同密集市街地における地域防災力の向上に資するソフト対策の実施率を令和7(2025)年度までに全国で100%とすることとしており、首都圏では、令和3(2021)年度末までに全ての地区でソフト対策が完了した。
    • 首都圏においては、大都市周辺における渋滞ボトルネック箇所への集中的対策等に資する首都圏3環状の整備の推進とともに、高速道路ネットワークがつながっておらず地域サービスへのアクセスもままならない地域や災害に脆弱な地域等において、国土のミッシングリンクの早期解消に向けた取組が進められている。また、令和3(2021)年7月には、安定した物流を確保するため、高規格道路を含む道路交通ネットワークの中長期的な整備・管理や道路交通マネジメントの基本となる「新広域道路交通計画」が関東ブロック1)で策定され、空港・港湾等へのアクセス強化などが基本戦略として示されている。
    • 国内では、5Gの利用可能エリアが広がるなど、インターネットの利用に係るデジタルインフラの整備が進められている。総務省の令和2年通信利用動向調査によれば、首都圏のインターネット利用者の割合は約86%となっている(全国では約83%)。利用目的は、電子メールの送受信、情報検索、ソーシャルネットワーキングサービスの利用、商品・サービスの購入・取引で6割を超えている。また、地域活性化や災害時の通信手段として、総務省の「防災等に資するWi-Fi環境の整備計画」を基に地方公共団体の公的拠点(博物館、都市公園等)や防災拠点等においてWi-Fi環境が整備され、首都圏では9割以上が整備済みとなっている(令和3(2021)年10月1日時点)。さらに、クラウドサービスの利用も広がっており、地方公共団体の情報システムにおいても導入が進められ、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県では、全国に比べて高い導入水準となっている。
    • 我が国の社会資本ストックは、高度経済成長期等に集中的に整備されており、今後急速に老朽化することが懸念される。高速道路における天井板落下事故を始めとして、社会資本の維持管理・更新に係る問題が各方面で顕在化している。社会資本の大部分は地方公共団体が管理しており、国のみならず、地方公共団体等も含めた大きな課題である。例えば、首都圏の道路橋梁(橋長2m以上)については、令和3(2021)年3月末時点で、9割以上が地方公共団体の管理であり、予防保全や措置を講ずべき段階の橋梁も多く存在し、約3割から5割の施設で修繕等措置に着手している。また、首都高速道路については、交通量が多く過酷な使用状況にあり、老朽化に対して長期の安全・安心を確保するため、維持管理上の問題等を精査しながら、大規模更新・大規模修繕が実施されている。真に必要な社会資本整備とのバランスを取りながら、いかに戦略的に維持管理・更新等を行っていくかが問われている。

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