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  • デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)(デジタル庁)/人権教育・啓発白書(法務省)/環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(環境省)/新しい資本主義実現会議(内閣官房)

危機管理トピックス

デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)(デジタル庁)/人権教育・啓発白書(法務省)/環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(環境省)/新しい資本主義実現会議(内閣官房)

2023.06.12
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更新日:2023年6月12日 新着30記事

危機管理トピックス

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

関東財務局
  • 株式会社千葉銀行に対する検査結果に基づく勧告について
  • FTX Japan株式会社に対する行政処分について
内閣官房
  • 「孤独・孤立対策推進法」が公布されました。
  • 新しい資本主義実現会議(第19回)
  • 再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議(第4回)議事次第
農林水産省
  • 令和4年度食育白書を本日公表~特集テーマは「「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進」~
  • 最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに~食品ロス量(令和3年度推計値)を公表~
内閣府
  • 令和5年第8回経済財政諮問会議
  • 総合科学技術・イノベーション会議(第69回)議事次第
消費者庁
  • 第3回取引デジタルプラットフォーム官民協議会(2023年6月9日)
  • 「令和5年度消費生活意識調査(第1回)」の結果について
国民生活センター
  • 20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意
  • 古い扇風機から発火!
厚生労働省
  • 障害者のテレワーク雇用を推進する企業向け相談窓口を開設しました
  • 令和5年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始します~募集期間は6月6日~7月31日、テレワーク推進企業などを厚生労働大臣が表彰~
経済産業省
  • 「令和4年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2023)が閣議決定されました
  • 「企業買収における行動指針(案)」に係るパブリックコメントの受付を開始しました
  • 『新時代のインバウンド拡大アクションプラン』を決定しました
  • 「日本スタートアップ大賞2023」の表彰式を行いました!~スマートニュース株式会社が大賞を受賞!~
  • 貿易関連の経済的威圧及び非市場主義的政策・慣行に対する共同宣言を発出しました
  • ENEOS株式会社に対して高圧ガス保安法に基づく行政処分等を行いました
国土交通省
  • 所有者不明土地等対策に関する最新の基本方針・工程表を決定~第12回所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議の開催結果~
  • 「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」中間とりまとめを公表~誇りをもって、笑顔で働き続けられる業界へ!!~

~NEW~
金融庁 「サステナブルファイナンス有識者会議」(第16回)議事次第
▼資料1 事務局説明資料
  • 金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ報告(2022年6月公表)を踏まえ、有価証券報告書におけるサステナビリティ情報の「記載欄」を新設し、「ガバナンス」及び「リスク管理」については全ての企業が開示し、「戦略」及び「指標及び目標」については各企業が重要性を判断して開示する(2023年3月期から適用)
  • 国内外におけるESG/サステナブル投資は増加傾向。一方で、ESG/サステナブルを掲げる投資・投資商品に関する資産運用会社等の実務は、投資家の誤解を招いているのではないかとの懸念(グリーンウォッシュ)も指摘されている。
    1. ESG/サステナブル投資の拡大
      • ESG関連資産へのサステナブル投資の増加傾向は、コロナを契機に加速しており、特に欧州で顕著。
      • 世界的な投資規模として、2025年までに、53兆ドル(全投資金額の約3分の1)を超える見込み。
      • 国内においても、ESG関連投資信託の新規設定本数は増加傾向。(ただし、2022年はロシアによるウクライナ侵攻後の資源価格上昇でESG投資に逆風が吹いたこともあり、新規設定本数は減少)
    2. グリーンウォッシュへの懸念
      • 投資戦略等を特段変更することなく、サステナブル関連の投資商品として、誤解を招く形で提供し、投資家の期待に応えられていないのではないか。
    3. 各国当局がESGファンドに対する監視を強化する中、金融庁は、資産運用会社37社が取扱う225本のESG関連投資信託の実態を調査。〔5月27日公表「資産運用業高度化プログレスレポート2022」参照〕
  • ESG投信に関する金融商品取引業者等向けの監督指針改正
    • 令和5年3月に改正。「資産運用業高度化プログレスレポート2022」における実態調査の結果を踏まえ、「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」の一部改正案を策定し、ESG投信の範囲やESGに関する公募投資信託の情報開示、投資信託委託会社の態勢整備について、具体的な検証項目を定めた。
      1. ESG投信の範囲の明確化
        • 下記に該当する公募投資信託とする。
          1. ESGを投資対象選定の主要な要素としていること かつ
          2. 交付目論見書の「ファンドの目的・特色」に、(1)を記載していること
      2. 顧客誤認の防止
        • ESG投信ではない公募投資信託の名称又は愛称にESGに関連する用語(例:ESG、SDGs、グリーン、脱炭素、インパクト、サステナブル)が含まれていないか
      3. ESGに関する情報開示の強化
        • 交付目論見書や運用報告書に下記の事項が記載されているか
          1. 投資戦略
            • 主要な要素となるESGの具体的内容や勘案方法、勘案の際の制約・リスク、スチュワードシップ方針 等
          2. ポートフォリオ構成
            • ESGを主要な要素として選定する投資割合の目安や目標
          3. インデックス運用
            • 参照指数のESG勘案方法
          4. 定期開示
            • ESGを主要な要素として選定した投資割合、ESG評価指標の達成状況、スチュワードシップ活動
            • インパクトの達成状況 等
      4. 必要な態勢整備
        1. 組織体制
          • ESG関連のデータ、インフラ、人材等、ESG投信の運用のためのリソースを確保しているか
        2. ESG評価・データ提供機関
          • 利用に際し、組織体制や評価対象、手法、制約、目的を理解する等、デューデリを適切に実施しているか
      5. 外部委託運用
        • 投資戦略を踏まえ、運用会社がESG投信の該当性を判断
        • 委託先の運用状況を反映した開示を行うとともに、デューデリや開示内容の確認を行うための体制を整備しているか
  • ESG投信の資産残高をみると、本邦の250億ドルに対し、欧州84倍、米国は11倍の規模となっており、ファンド1本あたりの平均残高についても、欧米と比べ低い水準となっている
  • 国内のパッシブ型ESG投信は500億円以下のものが大半で、アクティブの上位5本がESG投信全体の約35%を占める
  • ESG評価・データ提供機関に係る行動規範
    • 金融庁「ESG評価・データ提供機関に係る専門分科会」において、企業のESGの取組みを評価する「ESG評価機関等」について評価の透明性・公平性を確保するための「行動規範」の案を取りまとめ。併せて、評価を利用する機関投資家や、評価を受ける企業への提言と併せて、報告書として公表。(2022年7月)
    • 「行動規範」について、7月~9月に実施したパブリックコメントを踏まえ最終化(2022年12月)。
    • ESG評価機関への期待
      1. 透明性の確保
        • 自社のESG評価について、目的・考え方・基本的方法論等を公表すること
      2. 人材の育成
        • 専門人材等を確保し、また、自社で専門的能力の育成等を図ること
      3. 利益相反の回避
        • 業務の独立性・客観性・中立性を損なう可能性のある業務・場面を特定し、潜在的な利益相反を回避し、又はリスクを適切に管理・低減すること
      4. 企業とのコミュニケーション
        • 評価を行う企業との窓口を明確化し、評価の根拠となるデータは確認・訂正を可能とし、こうした手順を予め公表すること
    • 機関投資家・企業への期待
      • 自らの投資でESG評価をどう活用しているか、明らかにすること(投資家)
      • サステナビリティに関する企業情報をわかり易く開示し、評価機関との窓口を明確化すること(企業)
  • カーボンクレジット(CC)の国内取引は、現状、基本的には取引所を介さない相対取引で行われているものの、東証が2023年度中に正式にCC取引所を開設予定。
  • GXリーグでは、第1フェーズ(2023-2025年)の削減不足分について、2026年夏頃までに市場で調達することを求める。省エネや森林保全由来のJクレジット等の供給量も増加していく見込みであり、CC市場での取引拡大が見込まれる。
  • 脱炭素等に向けた金融機関等の取組みに関する検討会報告書
    1. 概要
      • 近年、脱炭素に向けてコミットメントを行う金融機関が増加しており、金融機関と企業との実効的な対話(エンゲージメント)が重要となっている。金融機関が脱炭素に向けて企業と対話を行っていく際の課題や留意点、金融機関の取組みを推進するために政府等が取り組むべき事項について検討会において議論を行い、以下を提言する報告書として取りまとめた(6月公表予定)。
    2. カーボンニュートラルに向けたを目指す金融機関への提言(ガイド)
      • 金融機関の移行のとらえ方
        • 金融機関の融資先の排出量(Financed Emissions)に加えて、様々な指標をもって金融機関の移行を捉えることが重要
      • 温室効果ガス(GHG)排出量データの整備
        • GHG排出量データの重要性が高まっており、グローバルな視点やサプライチェーンにおける計測支援も含め、充実を図っていく必要
      • パスウェイに照らした排出経路の適格性(企業の移行計画の策定支援)
        • 様々なパスウェイの特性を理解した上で、業種・企業ごとの特性を踏まえて使い分けていくことが重要
    3. 金融機関等の脱炭素を促す環境整備に向けた政府等への提言
      1. CO2排出量のデータ整備に関する取組み
        • サプライチェーン・ファイナンスも活用した金融機関による「見える化」の促進
        • データの標準化、共通化やプラットフォームの構築、様式の統一
        • グローバルな連携、企業データの充実
      2. トランジションファイナンスの推進
        • 経済産業省による分野別技術ロードマップの拡充(1.5℃目標との整合性)
        • アジアにおける脱炭素の取組みの拡大
          • 金融機関や事業会社等が情報・課題を共有する場の設置
          • 多排出設備の除却に伴うカーボンクレジットの発行にかかる検討
      3. リスクマネーの供給に向けた取組み
        • リスクマネー供給に向けた金融商品の多様化
          • グリーンやトランジションに資する優先株や劣後債の発行促進やESG投信の普及に向けた検討
        • 脱炭素目線からのインパクト投資の推進
        • ブレンデッドファイナンスの推進
      4. 地域の中小・中堅企業における脱炭素の促進
        • 財務局等におけるセミナーの開催(中小・中堅企業に向けた啓発活動や地域金融機関同士の連携)
        • 地域金融機関を通じた支援策の普及
          • カーボンニュートラルに関する施策集の作成
          • 地域金融機関への説明会の開催等も通じた情報提供の充実
  • グリーン・デジタル・トラック・ボンドの枠組み
    • 「環境データを可能な限り自動的・電子的かつ継続的にデイリーベースで記録し、日々開示する仕組み」を構築することにより、発行会社・投資家双方の課題を解決することを企図
    • 第1号案件では、JPX(日本取引所グループ)自らが、再生可能エネルギー発電(太陽光・バイオマス)に係る資金調達を同スキームで実施
    • 将来的にはサステナビリティ・リンク・ボンドへの適用など、複雑な計算を要する金融商品を低コストで運用できる可能性
  • インパクト投資等に関する検討会報告書概要
    • 脱炭素や少子高齢化等の社会・環境課題の重要性が高まる中で、課題解決に資する技術開発や事業革新に取り組む企業の支援は喫緊の課題となっている。インパクト投資は「社会・環境的効果」(インパクト)と投資収益の双方を企図する投資として、国際的にも推進の重要性が指摘されている。
    • 金融庁が2022年10月に設置した「インパクト投資等に関する検討会」では、「インパクト投資」の基本的意義等について議論を進め、投資の要件、推進のための施策等と併せて取りまとめ、6月に報告書として公表する予定。
    • 日本が中心となってインパクト投資を推進するよう、インパクト投資の基本的指針を策定する。また、投資家や企業等が参加し、事業評価に関するデータ整備や人材育成等を促進するための対話の場(コンソーシアム)を立ち上げるために必要な支援を行う。加えて、日本政策投資銀行や自治体の推進策と協働し、投資実績の蓄積を図る。
    • 「社会・環境的効果」(インパクト)と「収益性」の双方の実現を図る「インパクト投資」に必要な要件等を「基本的指針案」として取りまとめ。最終化に向けて、市中協議を実施し、国内外の市場関係者に能動的に発信・対話を行う。
  • 金融業界向けサステナブルファイナンス人材育成アンケート
    • 約半数以上の回答機関がサステナブルファイナンスのいずれかの分野で自社の人材が不足していると回答。
    • 分野別には、ESG課題では気候変動、生物多様性、人権、サーキュラーエコノミーについて、知識実践ではインパクト投資と国内の政策等の動向について、不足を指摘する回答が多い。
    • 人材不足への対応策としては、「社内で育成」する機関が最も多く43%となる一方、「中途採用」を行う機関は全体の2割弱とだが、うち人材を採用できていない機関は4割で、「適切な人材を採用できた」のはごく少数(1社)。
    • 需給双方から中途採用が人材不足への対応策として必ずしも十分に活用されていないことが伺われる。望ましいバックグラウンドへの期待は同業種の実務経験が中心で、例えば海外・NGO・研究機関等での経験まで広がっていない。
    • 現在実施している担当者の育成方法として、「社内研修」や「引継ぎもしくはOJT」を挙げる機関がそれぞれ約4割である一方、今後検討したい方法としては「業界団体による社外研修」や「同業他社の担当者同士のネットワーキング」が4~5割となっており、個社での育成に止まらない業態全体の取組みを期待する声が大きい
    • 経営層へのトレーニングについても、「今後、実施を検討したい」とする回答が6割弱と、ニーズの高さが伺える

~NEW~
警察庁 サイバー特別捜査隊をかたる不審メールについて(注意喚起)
  • 現在、警察庁関東管区警察局のサイバー特別捜査隊をかたる不審メールが確認されています。
  • メールの内容等は、以下のとおりとなります。
    • 不審メールの概要
      • 差出人名:サイバー特別捜査隊
      • 送信元メールアドレス:nifty_NAP@npa.go.jp(※1)・
      • 件名:【重要】サイバー特別捜査隊調査協調要請
      • 添付ファイル:HTMLファイル
      • なお、現在まで把握している不審メールでは、本文はありませんでした。
    • 添付されたHTMLファイル
      • メールに添付されたHTMLファイルを開くと、図1に示す「【重要】サイバー特別捜査隊調査協調要請」との内容が表示されます。「捜査確認」のボタンをクリックすると、以下のURLへアクセスし、図2に示すユーザーIDやパスワードを入力する画面(※2)が表示されます。
      • https://sso.nifty.file-view[.]ink/sso/login/view/ (※3)
      • ※1:メールアドレスは偽装されたものです。
      • ※2:受信先のメールアドレスによって画面の表示が異なる可能性があります。
      • ※3:受信先のメールアドレスによってURLを変化して送付される可能性があります。また、URLの一部を[.]に置換しています
  • このようなメールが届いた場合、リンクや添付ファイルは開かないようにしてください。また、リンクを開くなどして、フィッシングサイト(※)にアクセスしてしまった場合、個人情報やID・パスワード等の入力はしないようにしてください。警察からこのような形で個人情報やID・パスワード等の入力を求めるメールを送ることはありません。
  • 万一、フィッシングサイトに個人情報やID・パスワード等を入力してしまった場合は、管轄の都道府県警察まで御相談ください。
    • ※フィッシングサイト:個人情報やID・パスワード等の窃取などを目的として、正規のウェブサイト等を装って作られた偽サイトのこと

~NEW~
首相官邸 知的財産戦略本部会合 議事次第
▼資料1 「知的財産推進計画2023」(案)概要
  • 基本認識~多様なプレイヤーが世の中の知的財産の利用価値を最大限に引き出す社会に向けて~
    • イノベーションの国際ランキング(WIPO「グローバルイノベーション指数)が低迷。13位 韓国6位、中国11位(2022年)
    • マークアップ率が低水準で推移しており、知財・無形資産の活用による差別化が行われていない。
    • 特許の創出力とグローバルなブランド価値を持つ新事業創出力がアンバランスな状況。
    • 競争力や新たな価値創出に結実する知財戦略が必要。
    • 製品の高度化、製品サイクルの短期化が進む中、自社の経営資源に依存した垂直統合モデルに限界。
    • 外部の知識や技術を積極的に取り込んでいくオープンイノベーションによる持続的な価値創造が必要。
    • 画像や文章などを生み出す生成AI技術が急速に進歩
    • 新たなAI技術の活用促進と社会全体の知的財産の創造インセンティブの維持の両立が喫緊の課題。
    • デジタル化の進展に伴うコンテンツの国民経済上の重要性の高まり
    • コンテンツ産業の構造転換と競争力強化、クリエイターへの対価還元の拡大、制度インフラ・ITインフラの整備等を推進。
  • 大学の知財マネジメントの課題例と解決方策
    • 大学が共有特許をスタートアップ(SU)にライセンスするには企業の同意が必要。同意が得られない場合、研究成果が社会実装されない。
    • 共同研究先の企業が、一定期間内に、具体的な目標を正当な理由なく達成しない場合、大学の判断で第三者に実施許諾することができる旨事前に合意。
    • SUが大学からライセンスを受ける際の対価支払に、SUの株式・新株予約権が十分に活用できていない。
    • 大学は、適切と判断する事案につき、ライセンス対価としてSUの株式・新株予約権を選択肢として積極的に検討。
    • 「大学知財ガバナンスガイドライン」を、「産学官連携ガイドライン」の附属資料として位置づけたこと等に伴い、「産学官連携ガイドライン」等を踏まえた体制等の整備を要件としている国際卓越研究大学制度との連携や、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業との連携等を通じ、全国の対象大学に浸透させる。
  • 生成AIと著作権
    • AIをめぐる最近の動向として、「生成AI」の技術が急激に発展。画像生成、文章作成等の分野で急速に普及。
    • 生成AIがオリジナルに類似した著作物を生成するなどの懸念や、著作権侵害が大量に発生し、個々の権利者にとって紛争解決が困難となる等のおそれも指摘。
    • AI技術の発展とクリエイターの権利保護等の双方の観点に留意しながら、必要な方策を検討
    • 整理すべき論点
      • AI(学習済みモデル)を作成するために著作物を利用する際の、著作権法第30条の4ただし書に定める「著作権者の利益を不当に害する場合」についての考え方
      • AI生成物が著作物と認められるための利用者の創作的寄与に関する考え方
      • 学習用データとして用いられた著作物と類似するAI生成物が利用される場合の著作権侵害に関する考え方
  • 「知財・無形資産の投資・活用促進」の実現に向けて
    • 激しい国際競争を勝ち抜いていくためには、知財・無形資産の投資・活用の戦略の構築・実行とその開示が不可欠。投資家・金融機関の適切な評価を受け、企業価値の向上、更なる知財・無形資産への投資資金の獲得という好循環を加速化するメカニズムの構築が必要。
    • 企業と投資家・金融機関の思考構造のギャップを埋め、投資家・金融機関に期待される役割を整理して示すために、知財・無形資産ガバナンスガイドラインを今回改訂。
    • スタートアップ等においても、知財・無形資産を活用した融資を受けられるよう、知財・無形資産を含む事業全体を対象とする担保制度(事業成長担保権)について、関連法案の早期国会提出を目指す。
  • 標準の戦略的な活用/データ流通・利活用環境の整備
    • 総合的な標準戦略を策定・推進するとともに、有識者・専門家(政府CSO)が評価・指導を行う体制を整備。
    • 我が国の企業が、事業戦略の策定、国際標準化、事業展開といった事業プロセス全体の中で、国際標準戦略を使いこなす能力を高めていく、エコシステムの整備が必要。支援機関・企業等の支援能力が強化される環境を整備。
    • データ流通を推進する上で課題となるデータ流用やプライバシー侵害などステークホルダーの懸念・不安を払拭するため、「プラットフォームにおけるデータ取扱いルールの実装ガイダンス」を策定(昨年3月)し、コントローラビリティの確保を中心に対応策を提示。⇒準公共分野や相互連携分野等の重点分野において、プラットフォーム等の構築、ルール実装を推進。
  • デジタル時代のコンテンツ戦略
    • デジタル化・グローバル化の進展等により、コンテンツはデジタル経済の主要な中間財となり、成長産業の中核の一つに。
    • ボーダレス化により、海外プラットフォーマーの支配力が高まり、内外の競争は激化。一方、世界に売り込む機会も提供。
    • 日本のコンテンツ産業は、国内向けのビジネスモデルが主流。世界市場を前提として業態を超えた構造転換が不可欠。
    • クリエイターの活発な創作活動がカギ。我が国が持つコンテンツ資産をフル活用できる環境の構築に向け官民一体となった戦略推進が必要。
  • デジタル時代に対応した著作権制度・関連政策の改革
    • デジタル時代のスピードに対応し、権利処理にかかる手続コスト・時間コストを大幅に削減
    • 「創作」と「利用」の循環による価値創造を加速・拡大
    • 権利者への対価還元拡大
    • 分野を横断する一元的な窓口組織を活用した新しい権利処理の仕組みを創設
    • 著作権者等が不明の場合や意思表示のない著作物の利用が可能に
    • 分野横断権利情報検索システムを構築し、これを活用した権利者等の探索を実施
    • 可能な限りデジタルで完結する仕組みを目指す
    • 多様な個人・プレーヤーが社会に蓄積されたコンテンツを最大限に活用し、新たな価値創出を促進していくよう、膨大かつ多種多様な著作物について、簡素で一元的な権利処理が可能となる制度を創設【2023年通常国会で改正著作権法が成立】
    • 改正法に基づく未管理著作物裁定制度の運用に必要な体制を整備
    • 簡素で一元的な権利処理のための窓口組織の円滑な整備に向けた取組
    • 分野横断権利情報検索システムの構築推進 ※コンテンツの創作・利用のサイクルを活性化し、価値増殖を加速させるデジタル時代の新たな社会インフラ整備
    • 幅広いステークホルダー(権利者・利用者・通信関係事業者等)の理解と協力を得ながら推進を図ることが必要
  • クールジャパン戦略の本格稼働と進化
    • 「アフターコロナ」を迎え、インバウンドの回復や農林水産品等の輸出増など明るい兆し、日本のコンテンツへの高い関心
    • 2025年大阪・関西万博は、クールジャパンを世界に向けて発信する絶好のチャンス
    • 訪日外国人は「リアル・オーセンティックな日本」を求めている
    • 日本の「埋もれた魅力」を発掘し、地方のオンリーワンの魅力を磨き上げるとともに、CJの担い手同士のネットワークを構築し、持続的なCJの取組を確立

~NEW~
デジタル庁 第4回デジタル社会推進会議
▼資料1-2:デジタル社会の実現に向けた重点計画(案)概要資料
  • 目指す姿を実現する上で有効な戦略的な取組(基本戦略)
    • デジタル臨時行政調査会
      • アナログ規制の見直しに係る工程表確定・法案提出。技術検証の実施、テクノロジーマップ整備等を進め、工程表に沿った規制見直しを図る
    • デジタル田園都市国家構想実現会議
      • デジタル田園都市国家構想交付金による支援等を通じ、マイナンバーカード利用サービスの横展開、「書かない窓口」等を推進する
    • 国際戦略の推進
      • DFFT/諸外国デジタル政策関連機関との連携強化
    • サイバーセキュリティ等の安全・安心の確保
      • 国際情勢の変化等へ対応/国家安全保障上のリスクへの対応としてのサイバーセキュリティの確保/個人情報保護
    • 急速なAIの進歩・普及を踏まえた対応
      • AI戦略チーム等の連携体制/AIの社会実装
    • 包括的データ戦略の推進と今後の取組
      • データ連携基盤、ベース・レジストリ等を重点的に取り組む
    • Web3.0の推進
      • ブロックチェーン技術を基盤とするNFT
  • 国民に対する行政サービスのデジタル化
    • 国・地方公共団体・民間を通じたトータルデザイン
      • アーキテクチャの将来像整理/公共サービスメッシュの整備
    • マイナンバー制度の利用の推進
      • 情報連携の拡大/国家資格等のデジタル化の推進/特定公的給付制度の活用及び公金受取口座の登録・利用の推進
    • マイナンバーカードの普及及び利用の推進
      • オンライン市役所サービス/市民カード化/民間利用推進/健康保険証利用/運転免許証と一体化/個人認証アプリの開発・活用促進/次期マイナンバーカード検討
    • 公共フロントサービスの提供等
      • マイナポータル継続改善/預貯金付番の円滑化
  • 安全・安心で便利な暮らしのデジタル化
    • 準公共分野のデジタル化の推進等
      • 健康・医療・介護(医療DX/オンライン診療/次の感染症危機への備え)/教育(GIGAスクール構想/教育データ利活用)/こども/防災(防災デジタルプラットフォーム/防災DXサービスマップ)/モビリティ/取引(デジタルインボイス等)/
  • アクセシビリティの確保
    • サービスデザイン体制強化/ウェブアクセシビリティ/デジタル推進委員/多言語対応
  • 産業のデジタル化
    • デジタルによる新たな産業の創出・育成
      • クラウドサービス産業の育成/ITスタートアップ等の育成
    • 事業者向け行政サービスの質の向上に向けた取組
      • e-Govのガバメントクラウド移行・利便性向上/Jグランツの内部開発推進・利用拡大
    • 中小企業のデジタル化の支援
      • IT専門家派遣/IT導入補助金/サイバーセキュリティ対策支援
    • 産業全体のデジタルトランスフォーメーション
      • DX認定制度/DX銘柄/DXセレクション/DX投資促進税制/サイバーセキュリティ強化
  • デジタル社会を支えるシステム・技術
    • 国の情報システムの刷新
      • 情報システム整備方針の策定・一元的なプロジェクト監理/ガバメントクラウドの整備/ネットワークの整備及び府省LAN統合/デジタルマーケットプレイス/スタートアップ参画促進
    • 地方の情報システムの刷新
      • 標準準拠システムへの移行支援
    • デジタル化を支えるインフラの整備
      • Beyond 5G(6G)/半導体/自動運転・ドローン物流
    • デジタル社会に必要な技術の研究開発・実証の推進
      • 情報通信・コンピューティング・セキュリティ技術高度化
  • デジタル社会のライフスタイル・人材
    • テレワーク・シェアリングエコノミーの推進
      • 民間・地方でのテレワーク推進/国家公務員のテレワーク定着・推進
    • デジタル人材の育成・確保
      • プログラミング必修化/リカレント教育/AI普及等を踏まえたデジタルスキル標準アップデート/デジタル人材教育プログラム充実/数理・データサイエンス・AI教育の推進/女性人材

~NEW~
法務省 「令和4年度人権教育及び人権啓発施策」(人権教育・啓発白書)について
▼(資料1)令和4年度人権教育及び人権啓発施策の概要
  • 女性の人権に関する取組
    • DV・セクシュアルハラスメントをテーマとする啓発動画の配信、全国一斉「女性の人権ホットライン」強化週間による相談体制の強化
  • こどもの人権に関する取組
    • 「全国中学生人権作文コンテスト」や「人権教室」に加え、いじめや児童虐待への関心を促す啓発動画の配信等の啓発活動の実施
    • 全国一斉「こどもの人権110番」強化週間、「こどもの人権SOSミニレター」、SNS等による相談体制の充実
  • 生徒指導提要の改訂について
    • 生徒指導の基本的な考え方や取組の方向性等を再整理するとともに、今日的な課題にも対応していくため、生徒指導提要を12年ぶりに改訂し、令和4年12月に文部科学省のHPに公開
  • こども基本法
    • こども家庭庁の設置と併せ、こども施策を社会全体で総合的かつ強力に実施していくための包括的な基本法として令和4年6月に成立・令和5年4月に施行
  • 保護者の信仰に起因したこどもの悩みの解決に向けた取組
    • 保護者の信仰に起因してこどもの権利・利益が脅かされているといった相談を的確に把握し、地域ネットワークを活用した重層的支援を行うなど関係機関の連携による実効的な対応を実施
  • 高齢者の人権に関する取組
    • 高齢者を含む全ての人の人権が尊重される社会の実現を訴える啓発動画の配信、社会福祉施設における相談体制の強化
  • 障害のある人の人権に関する取組
    • 障害のある人を含む全ての人の人権が尊重される社会の実現を訴える啓発動画の配信・冊子の配布等、障害者支援施設における相談体制の強化
  • 部落差別(同和問題)に関する取組
    • 部落差別をテーマとする啓発動画の配信、インターネット上の差別を助長する書き込み等に対する削除要請の実施
  • 外国人の人権に関する取組
    • ヘイトスピーチは許されないことを訴えるポスター等の活用、インターネット上のヘイトスピーチの解消に焦点を当てた啓発動画の配信やSNSによる定期的な情報発信、日本語を自由に話すことの困難な外国人等からの人権相談への多言語(約80言語)対応化による相談体制の充実
  • 感染症に関連する人権問題に関する取組
    • 新型コロナウイルス感染症を含む感染症をテーマとする啓発動画の配信
  • ハンセン病問題に関する取組
    • 関係省庁が連携してシンポジウムの開催などの啓発活動等の実施、「ハンセン病に係る偏見差別の解消のための施策検討会」による提言の公表
  • インターネット上の人権侵害に関する取組
    • SNS・掲示板等のインターネット上の誹謗中傷等の根絶を呼び掛ける啓発動画のウェブサイトや街頭ビジョン、テレビCM等の多様なメディアでの配信
    • 中高生及び保護者向け啓発冊子の大幅な改訂
    • 有識者検討会の取りまとめ(インターネット上の書き込み等のうち削除されるべきものの基準等について法的に整理)を踏まえた削除要請の実施、プロバイダ事業者等との意見交換
    • 自治体等の働き掛けもあり、プロバイダ事業者等の理解が進み、誹謗中傷等に該当する違法な書き込みや差別を助長するおそれのある動画等が削除された事例も確認
  • 性的マイノリティの人権に関する取組
    • 多様性を尊重する共生社会を実現するため、性的マイノリティをめぐる多岐にわたる課題について、関係府省が横断的に連携しながら取組を進めていく必要
    • 講演会の開催
    • 性的マイノリティをめぐる人権問題について解説した啓発冊子の配布・動画の配信
    • 性的マイノリティに対する理解増進に資することを目的に、各企業・団体が進める取組事例を紹介する特設サイトの開設
  • 「ビジネスと人権」に関する我が国の取組
    • 企業関係者等に対し、「ビジネスと人権」に関する行動計画への理解を促進するとともに、特設サイトの周知等、人権的視点に立った企業活動を促すための取組を実施
  • 職場におけるハラスメント防止対策の推進
    • 厚生労働省において、職場におけるハラスメント防止に向けた周知啓発、事業主への助言指導等を実施するとともに、カスタマーハラスメントに関する企業向け対策マニュアルを活用した周知啓発を実施
  • 人権擁護に関する世論調査
    • 令和4年に実施した「人権擁護に関する世論調査」の結果を基に、人権教育・人権啓発をめぐる国民の意識を概観
    • 関心のある人権課題は何か
      • 「インターネット上の誹謗中傷などの人権侵害」(53.0%)【前回:43.2%】
      • 「障害者」(50.8%)【前回:51.1%】
      • 「こども」(43.1%)【前回:33.7%】
    • 人権問題の解決に向けて、国が力を入れるべきことは何か
      • 「学校内外の人権教育の充実」(57.6%)【前回:59.8%】
      • 「啓発広報活動の推進」(46.9%)【前回:43.1%】
    • どのような方法による啓発広報活動が効果的か
      • 「テレビ・ラジオ」(67.5%)【前回:70.3%】
      • 「SNSを含むインターネット」(49.5%)【前回:41.9%】
      • 「新聞・雑誌」(32.9%)【前回:41.8%】
    • 今後の人権教育・啓発の方向性
      • 世論調査の結果を踏まえ、国民が関心のある人権課題を中心に、インターネットなどの新たな媒体を活用した人権教育・啓発の充実を図る必要
  • 学校における人権教育の充実
    • 令和5年3月に、学校における人権教育の手引きである「人権教育の指導方法等の在り方について」[第3次とりまとめ]の補足資料を令和4年度1年間の動向等を踏まえて更新し、改訂版生徒指導提要に係る内容、こども基本法などこどもの人権に係る動向、ハンセン病問題に係る動向等を追記。
  • 生徒指導提要の改訂について
    • 生徒指導の基本的な考え方や取組の方向性等を再整理するとともに、今日的な課題にも対応していくため、生徒指導提要を12年ぶりに改訂し、令和4年12月に文部科学省のウェブサイトに公開。
    • 今般の改訂では、課題が発生する前から児童生徒の発達を支えるような生徒指導の側面に着目し、特定の課題を意識せずに全ての児童生徒を対象に行う「発達支持的生徒指導」という働きかけを重視しており、例えば、人権教育の推進などを行うことが重要であると示している。
    • 性犯罪・性暴力に関する対応については、課題未然防止教育として、全ての児童生徒が性犯罪・性暴力に対して適切な行動をとれる力を身に付けることができるように「生命(いのち)の安全教育」を実施することを新たに記載。
    • 「性的マイノリティ」に関する課題と対応については、教職員への適切な理解の促進、教職員の人権感覚の醸成及び相談体制の整備が重要であること、「性的マイノリティ」とされる児童生徒への配慮と他の児童生徒への配慮との均衡を取りながら支援を進めること等について新たに記載。
    • さらに、学校における懲戒と体罰の区別や不適切な指導と考えられる具体例を挙げながら、体罰や不適切な言動等が決して許されないことを記載。
  • いじめ・暴力行為等に対する取組の推進
    • 問題を抱える児童生徒への適切な相談等の支援のためスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置等の教育相談体制の整備への支援や、「24時間子供SOSダイヤル」の整備、地方公共団体へのSNS等を活用した相談体制の整備への支援等、総合的な取組を推進。
    • 令和5年2月の通知において、犯罪に相当するいじめ事案については直ちに警察に相談・通報を行い、適切な援助を求めなければならないことや、児童生徒への指導支援の充実等、取組の徹底を求める事項について周知。
  • こどもの性被害に係る対策
    • 生命(いのち)を大切にし、こどもたちを性暴力の加害者・被害者・傍観者にさせないための「生命(いのち)の安全教育」の教材・指導の手引き等を作成し、令和3年4月に公表。令和4年度は、教員向け研修動画の公開及び児童生徒向け動画教材の活用等を周知するとともに、生徒指導提要において性犯罪・性暴力の対応について新たに整理する等、取組を促進。
    • 令和3年5月に成立した「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」に定められた施策を総合的かつ効果的に推進するため、基本的な指針を令和4年3月に策定。また、同法が定める特定免許状失効者等に関するデータベースに係る規定の施行に合わせ、令和5年3月に通知を発出し、運用に係る注意事項や、児童生徒性暴力等の防止等のために学校及びその設置者が行うべき主な対応を改めて周知。また、教育委員会や学校における教員に対する研修や意識啓発の取組がより効果的なものとなるよう、令和4年度には、啓発動画や研修用動画、好事例集等を作成・公表
  • 保護者の信仰に起因したこどもの悩みの解決に向けた取組
    • 宗教2世・3世と呼ばれるこどもや若者が抱える様々な悩みを救い上げて救済につなげていくためには、教育の役割も重要。
    • 各都道府県教育委員会等に対し、学校においては、宗教に関係することのみを理由として消極的な対応をすることなく、課題を抱える児童生徒の早期発見、早期支援・対応等に努めることや、児童生徒の心のケアを図る必要がある事案については、学校内の関係者で情報を共有し、チーム学校として教育相談に取り組むことを周知。大学等も含めた各学校に対しては、生徒・学生等から経済的支援に関する相談があった場合には丁寧に対応するなど、生徒等に寄り添った対応を行うことなどを周知。
  • 障害のある人に対する支援の充実
    • 令和4年に実施した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」において、学習面又は行動面で著しい困難を示す児童生徒が通常の学級にも一定の割合で在籍していることが判明。障害のあるこどもと障害のないこどもが可能な限り共に教育を受けられるように条件整備を行うとともに、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を受けられるよう、「障害のある子供の教育支援の手引」の改訂・周知等の取組を実施。
    • 障害のある人が、一生涯を通じ、本人の希望する学習を主体的・継続的に行うことができる環境を整備するためのプログラムに「大学・専門学校等における生涯学習機会創出・運営体制のモデル構築」を加えたほか、学びの場の担い手の育成や学びの場の拡大を目指した「共に学び、生きる共生社会コンファレンス」を開催。
  • ハンセン病患者・元患者やその家族に対する偏見・差別をなくし、、理解を深めるための教育・啓発活動
    • 関係省庁間の連携の下で一体的な施策を進めるため、令和3年度に引き続き、各学校設置者に対して、厚生労働省作成の中学生向けパンフレット「ハンセン病の向こう側」や法務省作成の人権啓発動画・冊子、国立ハンセン病資料館の講師派遣などハンセン病に関する教育に有用な資料等の活用を法務省、厚生労働省との連名通知により要請。
    • 独立行政法人教職員支援機構が実施する人権教育推進研修等において、専門的知見を活用して組織的な取組等を推進する人材の育成を行っているほか、同機構が提供する校内研修用の動画コンテンツの一環としてのハンセン病問題に係る講義動画について周知を図るなど、各学校設置者に対するハンセン病問題に係る情報提供や、指導者の育成及び資質向上の支援等を実施。
  • 性的マイノリティに関する人権
    • 性的マイノリティの児童生徒等へのきめ細やかな対応に資するよう、関連通知や教員向けパンフレット等により学校における適切な教育相談の実施等を促したほか、各都道府県教育委員会等の人権教育担当者を対象とした会議や独立行政法人教職員支援機構が実施する人権教育推進研修、大学等の教職員が出席する会議等での周知等の取組を推進。また、令和4年12月に公表した改訂版生徒指導提要において、性的マイノリティに関する項目を新設。

~NEW~
環境省 令和5年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の公表について
  • 令和5年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のテーマ
    • ネットゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブ経済の統合的な実現に向けて~環境・経済・社会の統合的向上~
    • 気候変動や生物多様性の損失等の地球環境の悪化は、環境問題の枠にとどまらず、経済・社会にも大きな影響を与える問題として認識されています。直面する数々の社会課題に対し、地域循環共生圏の構築やGX等の取組を加速させ、炭素中立(ネットゼロ)・循環経済・自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成を実現させることで、環境・経済・社会の統合的向上につなげることをお伝えしています。
  • 令和5年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書のポイント
    • 気候変動や生物多様性の損失等の地球環境の悪化は、環境問題の枠にとどまらず経済・社会にも大きな影響を与える問題として認識されており、引き続き、世界が危機に直面している現状と、国際的な動向を踏まえ紹介。
    • 持続可能な経済社会システムの実現に向けて、炭素中立だけでなく、循環経済・自然再興の面からの取組も相互に連関しており、3つの同時達成に向けた相乗効果が出るよう統合的な取組を紹介。
    • 炭素中立・循環経済・自然再興の同時達成のためには、環境をきっかけとして、地域やそこに住んでいる人々の暮らしを、豊かさやwell-beingへとつなげていくことが重要であり、そのための取組である「地域循環共生圏」やライフスタイルシフト等について紹介。
    • 東日本大震災や原発事故の被災地の環境再生取組の進捗や、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を紹介。
  • 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の特色
    • 環境白書、循環型社会白書及び生物多様性白書の3つの白書は、法律にのっとってそれぞれ国会へ提出する年次報告書ですが、環境問題の全体像を分かりやすく示すために3つの白書を合わせて編集し、1つの白書としてまとめています。
    • 冊子で使用している紙は、持続可能な木材を使ったFSC®認証紙です。日本の官公庁の白書において初めての使用となります。
▼令和5年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(要約)
  • 第1章 気候変動と生物多様性の現状と国際的な動向
    • 気候変動や生物多様性の損失等の地球環境の悪化は、環境問題の枠にとどまらず、経済・社会にも大きな影響を与える問題として認識され、引き続き、世界は危機に直面している。
    • 地球環境の限界(プラネタリーバウンダリー)の考え方やIPCCをはじめとする科学的知見の進展、G7・G20における首脳級の議論、COP27やCOP15等の国際動向、TNFD、SATOYAMAイニシアティブなど。
    • 2022年も世界各地で高温や大雨等の異常気象が発生。
    • 我が国では、8月上旬には北海道地方や東北地方及び北陸地方を中心に記録的な大雨となり、3日から4日にかけては複数の地点で24時間降水量が観測史上1位の値を更新し、河川氾濫や土砂災害の被害が発生。
    • 高温が顕著だった6月下旬には東・西日本で、7月上旬には北日本で、1946年の統計開始以降、当該旬として1位の記録的な高温となり、全国の熱中症救急搬送人員は、調査開始以降、6月は過去最高、7月は2番目に多い。
    • 世界的に見て各国のNDC(国が決定する貢献)は全く不十分であり、排出ギャップは依然として大きいままである。
    • 追加的な対策を実施しなければ、現行対策シナリオでは今世紀の気温上昇は2.8℃となる。条件無又は条件付NDCの実施により、気温上昇はそれぞれ2.6℃、2.4℃まで抑えられるだろう。
    • ネットゼロ誓約の信頼性と実行可能性は未だ不確実性が高い。
    • 2020年の世界の人為起源の温室効果ガスの総排出量は、全体でおよそ540億トンCO2、大気中の温室効果ガス濃度は上昇が続いていて、気候変動問題の解決のためには、速やかで持続的な排出削減が必要。
    • 我が国の2021年度の温室効果ガス排出量は、11億7,000万トンCO2であり、前年度の排出量と比べて、2.0%(2,320万トンCO2)増加となっている。
    • 我が国の2021年度の森林等の吸収源対策による吸収量は、4,760万トンCO2であり、排出量からこの吸収量を引いた排出・吸収量は、11億2,200万トンCO2となっている。
    • 2021年度の温室効果ガス排出・吸収量の国連への報告においては、我が国として初めて、ブルーカーボン生態系の一つであるマングローブ林による吸収量2,300トンを報告。
  • 第2章 持続可能な経済社会システムの実現に向けた取組
    • 経済社会システムの変革は、炭素中立だけでなく、循環経済・自然再興の面からの取組も相互に連関していく。3つの同時達成に向けて相乗効果が出るよう統合的に取組を推進する。
    • GXの実現、地域の脱炭素化、成長志向型カーボンプライシング構想、地域と共生した再生可能エネルギーの最大限の導入、ESG金融の推進、プラスチック資源循環の促進、海洋プラスチック汚染対策、生物多様性国家戦略、2030年までに陸と海の30%以上の保全(30by30)、外来生物対策など。
    • 世界では、2022年にロシアによるウクライナ侵攻が発生し、世界のエネルギー情勢が一変。我が国においても、気候危機とも言われる状況の中、経済社会の構造を変化に対してより強靭で持続可能なものに変革する新しい資本主義の観点から、取組を加速することが必要。2050年カーボンニュートラルと2030年度46%削減目標の実現に向けて、2030年までの期間を「勝負の10年」と位置づける。
    • 全ての社会経済活動において脱炭素を主要課題の一つとして位置づけ、持続可能で強靱な社会経済システムへの転換を進めることが不可欠。
    • 炭素中立(カーボンニュートラル)・循環経済(サーキュラーエコノミー)・自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時達成に向け、統合的に取組を推進することが必要。
    • 我が国の産業構造・社会構造を変革し、将来世代を含む全ての国民が希望を持って暮らせる社会を実現すべく、「GX実現に向けた基本方針」を2023年2月に閣議決定。
    • 今後10年間で150兆円超とされる巨額のGX投資を官民協調で実現するため、「成長志向型カーボンプライシング構想」を速やかに実行・実現していく。
    • 「GX経済移行債」等を活用した20兆円規模の大胆な先行投資支援(規制・支援一体型投資促進策等)、カーボンプライシング(排出量取引制度・炭素に対する賦課金)によるGX投資先行インセンティブ及び新たな金融手法の活用の3つの措置を講じることとされ、これらの早期具体化及び実行に向けて、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案(GX推進法案)」を2023年2月に閣議決定し、第211回国会に提出。
    • 地域脱炭素は、地方の成長戦略として、地域の強みをいかした地域の課題解決や魅力と質の向上に貢献する機会。意欲と実現可能性が高いところからその他の地域に広がっていく「実行の脱炭素ドミノ」を起こしていく。
    • 地域脱炭素ロードマップに基づき、2030年度までにカーボンニュートラルを実現する脱炭素先行地域を2025年度までに少なくとも100か所選定するとともに、脱炭素の基盤となる重点対策を全国展開。2022年度までに2回の募集により46の脱炭素先行地域を選定とともに、32の地方公共団体における脱炭素の基盤となる重点対策の加速化を支援。
    • 脱炭素事業に意欲的に取り組む民間事業者等を集中的、重点的に支援するため、財政投融資を活用した株式会社脱炭素化支援機構が2022年10月に設立。2023年3月末までに、WOTA、ゼロボード、コべックへの支援決定を公表。
    • 「循環経済(サーキュラーエコノミー)」は、昨年のG7でも、気候変動対策、生物多様性の保全と並んで、行動を強化すべき分野として位置づけられるなど、国際社会共通の課題。
    • 2022年9月公表の「循環経済工程表」で、目指すべき循環経済の方向性や施策の方向性を示した。ライフサイクル全体での資源循環に基づく脱炭素化の取組を、官民が一体となって推進し、脱炭素社会の実現に幅広く貢献する。
    • 2022年4月に「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行され、プラスチック使用製品のライフサイクル全般にわたって、3R+Renewable(バイオマス化・再生材利用等)の原則に則り、あらゆる主体におけるプラスチック資源循環の取組を促進するための措置を講じている。
    • 「自然再興(ネイチャーポジティブ)」とは、愛知目標をはじめとするこれまでの目標が目指してきた生物多様性の損失を止めることから一歩前進させ、損失を止めるだけではなく回復に転じさせるという強い決意を込めた考え方。
    • COP15で「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、我が国ではそれを踏まえ、2023年3月に生物多様性国家戦略2023-2030を閣議決定。「2030年ネイチャーポジティブ」を達成するための5つの基本戦略を掲げた。
    • 新枠組の決定に先駆け、我が国では国内の30by30目標の達成に向けた「30by30ロードマップ」を2022年4月に公表するとともに、取組をオールジャパンで進めるため、有志の企業、地方公共団体、NPO等で構成される「生物多様性のための30by30アライアンス」を発足。
  • 第3章 持続可能な地域と暮らしの実現
    • 炭素中立、循環経済、自然再興の同時達成は、地域やそこに住んでいる人々の暮らしを、環境をきっかけとして豊かさやwell-beingにもつなげていくことが重要。「地域循環共生圏」を更に発展させるとともに、全国規模に広げていく。
    • 地域循環共生圏の拡大と深化、ESG地域金融・環境教育等、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動、官民連携協議会、ライフスタイルシフト(住まい、食、ファッション、移動など)の変革、人の命と環境を守る(熱中症対策、エコチル調査、化学物質対策)など。
    • 地域循環共生圏は、地域資源を活用し、環境・経済・社会の統合的向上を実現するビジネスや事業(ローカルSDGs事業)を生み出し続けることで地域課題を解決し続け、自立した地域をつくるとともに、地域の個性を活かして地域同士で支え合うネットワークを形成する「自立・分散型社会」を示す考え方。
    • 2019年度より「環境で地域を元気にする地域循環共生圏づくりプラットフォーム事業」にて、環境整備や事業化支援等を実施。加えて、ポータルサイトの運用にて「しる」「まなぶ」「つくる」「つながる」機会等を提供していく。
    • ESG地域金融の推進や、環境教育の推進と人材の育成・確保も肝要。
    • 我が国の温室効果ガス排出量を消費ベースで見ると、全体の約6割が家計によるものという報告があり、カーボンニュートラル達成のためには、今までの慣れ親しんだライフスタイルを変える必要があると言える。
    • 国民・消費者の行動変容、ライフスタイルの変革を促すため、2022年10月に「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」を開始。
    • 新しい国民運動の発足と同時に立ち上げた官民連携協議会では、国・自治体・企業・団体・消費者との連携による足並みやタイミングを揃えた取組・キャンペーンの展開等を図っていく。
    • 消費ベースで見た我が国のライフサイクル温室効果ガス排出量において、全体における各分野の排出は、住居は18%、移動は11%、食は11%、消費財は8%を占める。
    • 我が国の熱中症による救急搬送人員や死亡者数は高い水準で推移しており、2022年5月から9月の救急搬送人員は約7万1千人であり、死亡者数は5年移動平均で1,000人を超える年が続き、増加傾向で、熱中症対策は喫緊の課題。
    • 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(平成11年法律第86号)の対象となる化学物質の見直しを行う改正施行令が2023年4月から施行。
  • 第4章 東日本大震災・原発事故からの復興・再生に向けた取組
    • 被災地の環境再生の取組の進捗や、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を伝える。
    • 帰還困難区域の復興・再生に向けた取組、福島県内除去土壌等の県外最終処分に向けた取組、復興の新たなステージに向けた未来志向の取組、ALPS処理水に係る海域モニタリング、リスクコミュニケーションの取組など。
    • 帰還困難区域において特定復興再生拠点区域全域の避難指示解除に向け、
    • 6町村(双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村、葛尾村)での除染・家屋等の解体を実施。また、福島県内の除染で発生した除去土壌等の県外最終処分に向け、減容・再生利用の取組の必要性・安全性等に関する全国での理解醸成活動を推進。
    • 環境再生の取組に加え脱炭素・資源循環・自然共生という環境の視点から復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を推進。
    • ALPS処理水の海洋放出に関し、客観性・透明性・信頼性を最大限高めた海域モニタリングを行い、結果を国内外へ広く発信する。2021年7月から放射線健康影響に係る差別・偏見を払拭する取組「ぐぐるプロジェクト」を推進。

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第46回)配布資料
▼資料4プラットフォームサービスにおける偽情報等への対応に関する透明性・アカウンタビリティ確保状況について(2023年)(事務局)
  • プラットフォーム事業者の偽情報への対応については、一部で進展が見られるものの、取組状況及び透明性・アカウンタビリティ確保の進展は限定的*。多様なステークホルダーによる協力関係の構築、ファクトチェック推進等に関しては、まだ十分とは言えないものの、我が国においても取組が進められつつある。
    • *Twitterからは、研究会に出席し発表が行われたものの、ヒアリングシート及び説明資料の提出がなく、透明性・アカウンタビリティ確保の取組について後退があった。
  • 偽情報等対策に関するプラットフォーム事業者における透明性・アカウンタビリティ確保状況に関する主な項目
    1. 我が国における実態の把握
      • 前回ヒアリング(2022年)に引き続き、すべての事業者において、我が国における偽情報の実態把握及び結果の分析・公開は未実施。
    2. 多様なステークホルダーによる協力関係の構築
      • 「Disinformation対策フォーラム」での議論や同フォーラムの報告書を受けて創設された日本ファクトチェックセンターを通じた協力関係の構築、一般社団法人ソーシャルメディア利用環境整備機構(SMAJ)における偽情報対策に係る行動規範策定の議論など、一定の進展がみられる。
    3. プラットフォーム事業者による適切な対応及び透明性・アカウンタビリティの確保
      • すでにプラットフォーム事業者では、偽情報等の不適切な情報への措置を講じる必要性が認識され、あらかじめ対応方針や基準となるポリシーを自主的に設定し、投稿の削除やアカウントの停止等を行っている。
      • プラットフォーム事業者による偽情報の削除等に関する透明性・アカウンタビリティ確保の取組の進捗は、前回ヒアリングに引き続いて、限定的であるものの、新たに公表する項目があるなど一部進展もあった。
    4. 利用者情報を活用した情報配信への対応
      • 前回ヒアリングに引き続き、すべての事業者において、偽情報に関する広告や政治広告について、広告配信先の制限や、広告内容に関する何らかの制限を規定するなど、一定の対応を実施。
    5. ファクトチェックの推進
      • 日本ファクトチェックセンターの設立にあたり、ヤフー及びGoogleが、一般社団法人セーファーインターネット協会への資金提供等を通じて寄与。日本で活動する複数のファクトチェック団体がIFCNに加盟。
      • LINE及びMetaにおいても、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)加盟のファクトチェッカーとの連携を推進。
    6. ICTリテラシー向上の推進
      • 前回ヒアリングに引き続き、すべての事業者において、偽情報の問題に対応したリテラシー教育に関する取組が実施されている。
    7. 研究開発の推進
      • すべての事業者においてAI技術に関する研究開発が行われている。また、Google及びMetaにおいては、「ディープフェイク」対策の研究開発も実施されている。
    8. 情報発信者側における信頼性確保方策の検討
      • 前回ヒアリングに引き続き、いずれの事業者も、公共性の高い情報等をユーザの目に入りやすい位置に優先的に配置する等の取組を行っている。

~NEW~
関東財務局 株式会社千葉銀行に対する検査結果に基づく勧告について
  • 勧告の内容
    • 関東財務局長が株式会社千葉銀行(千葉市中央区、法人番号2040001000019、取締役頭取 米本 努、資本金1,450億円、常勤役職員4,269名、登録金融機関)を検査した結果、下記のとおり、当該登録金融機関に係る問題が認められたので、本日、証券取引等監視委員会は、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して、金融庁設置法第20条第1項の規定に基づき、行政処分を行うよう勧告した。
  • 事実関係
    • 金融商品仲介業務に関し、投資者保護上の問題が認められる状況
      • 株式会社千葉銀行(以下「当行」という。)は、ちばぎん証券株式会社(千葉市中央区、法人番号4040001034601、代表取締役社長 稲村 幸仁、以下「ちばぎん証券」という。)との間で、金融商品仲介業務に係る提携契約を締結し、金融商品仲介業務として同証券に顧客を紹介する業務(以下「紹介型仲介」という。)を行っている。紹介型仲介では、顧客に対し、ちばぎん証券が扱う商品概要の説明のみを行うこととしている。また、同業務は顧客紹介のみを行うとしていることから、当行において、顧客属性(知識、投資経験、財産の状況、投資目的)の確認を行っていない。
      • 紹介型仲介による収益は、紹介顧客がちばぎん証券で取引をした際に支払った手数料等のうち、一定割合が当行に配分される仕組みとなっている。また、当行の行員は、個別商品に係る説明が禁止されているため、自らが直接収益を発生させることはできないにもかかわらず、行員の収益目標には、ちばぎん証券が紹介顧客から得る個別商品に係る収益(みなし評価)も含まれていることがあった。
      • 今回検査において、当行が行う金融商品仲介業務の状況について検証したところ、以下のとおり問題が認められた。
        1. 顧客属性を確認及び検討しないまま、顧客を仕組債購入へ誘引している状況
          • 紹介型仲介では、顧客に対し、ちばぎん証券が扱う商品概要の説明のみを行うこととしているところ、これに反し、仕組債に誘引している事例が認められた。
          • 商品概要の説明のみにとどまらず、仕組債を提案するのであれば、顧客属性を十分確認し、どのような提案が適切であるか慎重に検討した上で行うべきところ、当行においては、顧客属性を確認しないまま、高金利等の優位性を強調して仕組債に誘引しており、投資者保護上問題のある行為であると認められる。
        2. 内部管理態勢が不十分な状況
          • 当行は、ちばぎん証券が立ち上げた銀行紹介顧客への販売に係る苦情対策を議論する会議体にオブザーバーとして参加し、当行の紹介顧客に関する苦情が同証券に対して継続的に多数寄せられていること等を把握していたにもかかわらず、苦情の発生原因分析や改善策の立案等に十分に取り組んでおらず、苦情処理に関する内部管理態勢が不十分であると認められる。
          • また、当行では、顧客毎の交渉結果記録に紹介顧客に対する説明内容が詳細に記載されていない状況にあり、このため、営業部店、内部管理部門及び監査部門による確認も形式的なものにとどまっているなど、顧客への説明状況に関する実効性のあるモニタリング態勢も不十分であると認められる。
          • さらに、経営陣が、行員が顧客を仕組債購入へ誘引している状況を把握していないこと、行員が収益目標達成のために概要説明を超えた商品説明をして顧客を誘引する事象が発生しうる仕組みとなっていることを適切に認識していないこと、紹介顧客からの苦情が多数寄せられている実態を把握していたにもかかわらず、担当部署に任せきりにし、その取組内容が不十分なものとなっていることを看過しているなど、紹介型仲介に関し、経営陣のガバナンスが十分に発揮されていないことも要因となり、紹介型仲介に関する業務運営態勢の構築も不十分であると認められる。
    • 登録金融機関が金融商品仲介業務を行うに際しては、金融商品取引法上、投資者保護の観点から、適切な態勢整備や業務運営が求められているところ、上記(1)及び(2)のとおり、当行においては、金融商品仲介業務を行うための適切な態勢整備が行われない中で、顧客属性を確認しないまま、顧客を仕組債購入へ誘引している状況が認められており、投資者保護上、問題があるものと認められる。なお、これらの状況は、結果として、ちばぎん証券の適合性の原則に抵触する業務運営にも繋がっているものと認められる。
    • 以上のことから、当行における紹介型仲介の業務運営は、投資者保護上重大な問題があり、金融商品取引法第51条の2に規定する「業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。

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関東財務局 FTX Japan株式会社に対する行政処分について
  • FTX Japan株式会社(本社:東京都千代田区、法人番号:7010401115356、以下「当社」という。)に対して令和5年3月9日付で発出した資産の国内保有命令の期限が令和5年6月9日に到来するものの、当社は、親会社であるFTX Trading LimitedによるFTXグループ会社に係る米国連邦破産法第11章手続の対象に含まれている状況であり、当社の資産が国外の関連会社等に流出し、投資者の利益が害されるといった事態を招かぬよう、引き続き、万全を期する必要がある。
    • 当社のこうした状況は、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「法」という。)第56条の3に定める「公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認める場合」に該当するものと認められる。
  • 以上のことから、本日、当社に対し、法第56条の3の規定に基づき、下記のとおり行政処分を行った。なお、令和4年11月10日付で命じた法第51条の規定に基づく業務改善命令は継続している。
  • 資産の国内保有命令
    • 令和5年6月10日から令和5年9月9日まで、各日において、当社の貸借対照表の負債の部に計上されるべき負債の額(保証債務の額を含む)から非居住者に対する債務の額を控除した額に相当する資産を国内において保有すること(公益又は投資者保護の観点から問題がないものとして、当局が認めた場合を除く)。

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内閣官房 「孤独・孤立対策推進法」が公布されました。
▼孤独・孤立対策推進法(令和5年5月31日成立 令和5年6月7日公布)概要
  • 趣旨
    • 近時における社会の変化を踏まえ、日常生活若しくは社会生活において孤独を覚えることにより、又は社会から孤立していることにより心身に有害な影響を受けている状態にある者への支援等に関する取組について、その基本理念、国等の責務、施策の基本となる事項及び孤独・孤立対策推進本部の設置等について定める。
    • 「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指す
  • 概要
    1. 基本理念
      • 孤独・孤立対策(孤独・孤立の状態となることの予防、孤独・孤立の状態にある者への迅速かつ適切な支援その他孤独・孤立の状態から脱却することに資する取組)について、次の事項を基本理念として定める。
        1. 孤独・孤立の状態は人生のあらゆる段階において何人にも生じ得るものであり、社会のあらゆる分野において孤独・孤立対策の推進を図ることが重要であること。
        2. 孤独・孤立の状態にある者及びその家族等(当事者等)の立場に立って、当事者等の状況に応じた支援が継続的に行われること。
        3. 当事者等に対しては、その意向に沿って当事者等が社会及び他者との関わりを持つことにより孤独・孤立の状態から脱却して日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるようになることを目標として、必要な支援が行われること。
    2. 国等の責務等
      • 孤独・孤立対策に関し、国・地方公共団体の責務、国民の理解・協力、関係者の連携・協力等を規定する。
    3. 基本的施策
      • 孤独・孤立対策の重点計画の作成
      • 孤独・孤立対策に関する国民の理解の増進、多様な主体の自主的活動に資する啓発
      • 相談支援(当事者等からの相談に応じ、必要な助言等の支援)の推進
      • 関係者(国、地方公共団体、当事者等への支援を行う者等)の連携・協働の促進
      • 当事者等への支援を行う人材の確保・養成・資質向上
      • 地方公共団体及び当事者等への支援を行う者に対する支援
      • 孤独・孤立の状態にある者の実態等に関する調査研究の推進
    4. 推進体制
      • 内閣府に特別の機関として、孤独・孤立対策推進本部(重点計画の作成等)を置く。
      • 地方公共団体は、関係機関等により構成され、必要な情報交換及び支援内容に関する協議を行う孤独・孤立対策地域協議会を置くよう努める。
      • 協議会の事務に従事する者等に係る秘密保持義務及び罰則規定を設ける。
  • 施行期日
    • 令和6年4月1日

~NEW~
内閣官房 新しい資本主義実現会議(第19回)
▼資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版案
  1. 資本主義のバージョンアップに向けて
    1. 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画の改訂の考え方
      • 昨年6月に閣議決定した「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」に基づき、この1年の間に、
        • 人への投資、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GX及びDXの4本柱への計画的な重点投資、
        • 昨年11月に策定した「スタートアップ育成5か年計画」に基づく、1兆円規模の予算事業、スタートアップへの投資を促す税制、オープンイノベーション促進税制の拡充等の措置、
        • 同じく、昨年11月に策定した「資産所得倍増プラン」に基づく、NISA制度(少額投資非課税制度)の抜本的拡充・恒久化、消費者に対する中立的なアドバイザー制度の創設等の措置、
        • 本年5月のリ・スキリング、職務給の導入、労働移動の円滑化からなる「三位一体の労働市場改革の指針」の策定
          など、新しい資本主義に関する具体的政策が着実に進展してきた。また、民間部門においても、30年ぶりとなる高い水準の賃上げ、企業部門に醸成されてきた高い投資意欲など、これまでの悪循環を断ち切る挑戦が確実に動き始めている。
      • 「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」は、成長と分配の好循環を目指す政府の複数年度にわたる計画である。
      • 他方で、日本を新たな成長軌道に乗せていくため、急速な少子高齢化による国内市場の縮小、既存の市場におけるシェア重視の経営体質、そして労働市場と企業組織の硬直化など、日本経済の様々な構造問題を背景とする人への投資や設備投資の遅れといった課題に更に加速して取り組む必要性もこの1年間で明らかになってきた。このため、足元の高い賃金上昇を持続的なものとするべく、コストの適切な転嫁を通じたマークアップ率の確保を図り、三位一体の労働市場改革を実行することを通じた構造的賃上げを実現することで、賃金と物価の好循環へとつなげる。あわせて、人への投資、レジリエンス上の我が国の優位性を活かした国内企業立地促進、GXの実現に向けた投資等、市場や競争に任せるだけでは過少投資となりやすい分野について、官が的を絞った公的支出を行い、これを呼び水として民間投資を拡大させる。
      • こうした観点を踏まえ、今般「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を改訂し、閣議決定を行うものである。
      • 新しい資本主義を通じて、官民が連携し、社会課題を成長のエンジンへと転換することで、経済の付加価値を高めつつ、企業が上げた収益を労働者に分配し、消費も企業投資も伸び、更なる経済成長が生まれるという成長と分配の好循環を成し遂げ、分厚い中間層を復活させていく。
    2. 市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護
      • 1980年代から2000年代にかけて、市場や競争に任せればうまくいくという「新自由主義」と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで経済は活力を取り戻し、世界経済が大きく成長した。新自由主義は、成長の原動力の役割を果たしたと言える。
      • 一方で、経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済安全保障リスクの増大、人口集中による都市問題の顕在化、市場の失敗等による多くの弊害も生んだ。特定国・地域に依存するサプライチェーンでは、国民の健康や国家の経済安全保障が確保できないことが明らかになる等、各国において危機管理リスクが増大している。
      • さらに、今般のロシアによるウクライナ侵攻は、国際経済における地政学的リスクの存在や権威主義的国家による挑戦も顕在化させている。自由と民主主義は、権威主義的国家資本主義からの挑戦にさらされている
    3. 「市場も国家も」による課題解決と新たな市場・成長、国民の持続的な幸福実現
      • 資本主義は過去に2回、大きな転換を遂げた。自由放任主義は、2つの世界大戦を経験する中で、政府による社会保障を重視する福祉国家の考え方に取って代わられた。その後、冷戦構造の中で、競争力を失いつつあった経済を立て直すため、新自由主義の考え方が台頭した。今回は、資本主義の歴史上、3回目の大きな転換の契機であり、新しい資本主義すなわち資本主義の第4ステージに向けた改革を進めなければならない。
      • 資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。主役はあくまでも民であり、市場である。
      • しかし、これまでの転換が、「市場か国か」、「官か民か」の間で振り子の如く大きく揺れ動いてきたのに対し、新しい資本主義においては、市場だけでは解決できない、いわゆる外部性の大きい社会的課題について、「市場も国家も」、すなわち新たな官民連携によって、その解決を目指していく。
      • その際、課題を障害物としてではなく、エネルギー源と捉え、新たな官民連携によって社会的課題の解決を進め、それをエネルギーとして取り込むことによって、包摂的で新たな成長を図っていく。
      • 新しい資本主義は一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現するものでなければならない。官民連携による社会的課題の解決とそれに伴う新たな市場創造・成長の果実は、多くの国民・地域・分野に広く還元され、成長と分配の好循環を実現していく必要がある。また、気候変動、少子高齢化等の社会的課題への取組を通じて、国民の暮らしにつながる、誰一人取り残さない、持続可能な経済社会システムを再構築し、国際社会を主導する必要がある。
      • 以上のとおり、新しい資本主義を貫く基本的な思想は、(1)「市場も国家も」、「官も民も」によって課題を解決すること、(2)課題解決を通じて新たな市場を創る、すなわち社会的課題解決と経済成長の二兎を実現すること、(3)国民の暮らしを改善し、課題解決を通じて一人ひとりの国民の持続的な幸福を実現すること、である。
      • 特に、資本主義の持続可能性と強靱性を高め、全ての人が成長の恩恵を受けられるようにするためには、人への投資・スタートアップ育成・先端技術開発といった、市場だけでは進みにくい分野に対して、重点的に官民が連携し、大規模に実行を進める必要がある。このことは、少子高齢化の中で今後労働力人口が不足する我が国においては、決定的に重要である。
      • その際、子育て支援の充実、少子高齢化を迎えて国民が能力に応じて支え合う社会保障の実現、いつでも、どこでも、だれでもが希望する働き方で働ける働き方の改革が求められるとともに、権力、資力、資源等が集中しない、分権型の経済社会の追求も重要である
      • 加えて、男女間賃金格差の是正等を通じた経済的自立等、横断的に女性活躍の基盤を強化することで、日本経済・社会の多様性を担保し、イノベーションにつなげていくことも重要である。
    4. 経済安全保障の徹底
      • 国民を豊かにする新しい資本主義の実現のための基礎的条件は、国家の安全保障である。G7広島サミットの成果も踏まえ、戦略的な外交・安全保障や我が国の経済を強靱なものとする経済安全保障、エネルギー・食料安全保障を推進する。また、新しい資本主義では、外交・防衛のみならず、持続可能で包摂性のある国民生活における安全・安心の確保を図る。
      • また、権威主義的国家の台頭に対しては、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視する国々が団結し、自由で開かれた経済秩序の維持・強化を進め、自由貿易を推進するとともに、不公正な経済活動に対する対応を強化する必要がある。このため、G7広島サミット等を契機として、政策運営の国際的なコンセンサス形成と、同志国との連携強化に向けた議論をリードしていく
  2. 新しい資本主義を実現する上での考え方
    1. 分配の目詰まりを解消し、更なる成長を実現
      • 資本主義は、市場メカニズムをエンジンとして、経済成長を生み出してきた。新しい資本主義においても、徹底して成長を追求していく。・しかし、成長の果実が適切に分配され、それが次の成長への投資に回らなければ、更なる成長は生まれない。
      • 分配はコストではなく、持続可能な成長への投資である。
      • 我が国においては、成長の果実が、地方や取引先に適切に分配されていない、さらには、次なる研究開発や設備投資、そして従業員給料に十分に回されていないといった、「目詰まり」が長い間存在してきた。その「目詰まり」が次なる成長を阻害してきた。この1年間、積極的な官民連携によって、「目詰まり」を解消する努力は成果を上げてきたし、2年目も更にその努力を強化していく必要がある。
      • 分厚い中間層の形成は、民主主義の健全な発展にとって重要であり、新たな資本主義における経済社会の主要な担い手である中間層が潤うことで、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、サステナブルな経済社会を実現できる。このため、賃金引上げや中小企業への取引の適正化等のフロー、教育・資産形成等のストック両面から中間層への分配を進めるとともに、今後の人手不足時代に対応したデジタル投資等への支援を通じて持続可能な分配を下支えする。
    2. 技術革新に併せた官民連携で成長力を確保
      • イノベーションは、多くの社会的課題解決の可能性を秘めるとともに、新時代の競争力の源泉ともなりうることから、各国は、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大胆な投資を実施している。
      • しかしながら、我が国企業における研究開発投資や設備投資は諸外国に大きく遅れをとってきた。
      • 我が国においても、新たな官民連携により、イノベーションを大胆に推進し、我が国の経済・社会システムのバージョンアップを更に加速していくことが不可欠であり、コストカットによる競争からマークアップの確保を通じた付加価値の創造へ大胆に変革していく。
      • また、アイディアが実用化されるスピードが速く、新たな技術が高速でアップデートされ続けるDX・GX時代には、競争力の源泉は、従来型の機械設備等のモノではなく、モノよりコト、有形資産より無形資産が重要になっている。そのような時代においては、創造的なイノベーションと経済成長は、人の力が最大限発揮されることによってもたらされる。女性、若者、高齢者等が、それぞれの能力と経験を活かせる社会を実現するとともに、人への惜しみない投資により、一人ひとりのスキルを不断にアップデートしていくことが重要である。
    3. 民間も公的役割を担う社会を実現
      • 多くの社会的課題を国だけが主体となって解決していくことは、困難である。社会全体で課題解決を進めるためには、課題解決への貢献が報われるよう、市場のルールや法制度を見直すことにより、貢献の大きな企業に資金や人が集まる流れを誘引し、民間が主体的に課題解決に取り組める社会を目指す必要がある。知的財産制度や標準の整備、規制の不断の見直し、デジタル市場の環境整備、国際ルール作りを含む経済安全保障への対応に、取り組んでいく。
      • また、社会的課題の解決の担い手も、既存企業のみならず、スタートアップ、大学やNPO等、多様化していくことが不可欠であり、民間が公的役割を担える社会を実現していく。特に、近年、子育て問題や環境問題等、社会的課題の解決を図るインパクトスタートアップ(社会的起業家)を目指す方が増加している。こうした取組についても、新たな官民連携の形として全面的にサポートしていく。こうした観点から、従来の「リスク」、「リターン」に加えて「インパクト」を測定し、「課題解決」を資本主義におけるもう一つの評価尺度としていく必要がある。
      • 課題解決の一つの鍵になるのは、デジタル技術の活用である。規制・制度をデジタル時代に合致したものにアップグレードすることで、デジタル技術を活用して課題解決を進めることを可能にするとともに、民間の力が最大限発揮できるよう、新しい時代にふさわしい公正な競争を確保する競争政策を推進していくことが重要である。
  3. 人への投資・構造的賃上げと「三位一体の労働市場改革の指針」
    1. 三位一体の労働市場改革の指針の基本的考え方
      • 働き方は大きく変化している。「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となってきた。職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリ・スキリングを行え、職務を選択できる制度に移行していくことが重要である。そうすることにより、内部労働市場と外部労働市場をシームレスにつなげ、社外からの経験者採用にも門戸を開き、労働者が自らの選択によって、社内・社外共に労働移動できるようにしていくことが、日本企業と日本経済の更なる成長のためにも急務である。
      • これまでの我が国の賃金水準は、長期にわたり低迷してきた(先進国の1人あたり実質賃金の推移を見ると、1991年から2021年にかけて、米国は1.52倍、英国は1.51倍、フランスとドイツは1.34倍に上昇しているのに対して、日本は1.05倍)。この間、企業は人に十分な投資を行わず、個人は十分な自己啓発を行わない状況が継続してきた。
      • GXやDXなどの新たな潮流は、必要とされるスキルや労働需要を大きく変化させる。人生100年時代に入り就労期間が長期化する一方で、様々な産業の勃興・衰退のサイクルが短期間で進む中、誰しもが生涯を通じて新たなスキルの獲得に努める必要がある。他方で、現実には、働く個人の多くが受け身の姿勢で現在の状況に安住しがちであるとの指摘もある。
      • この問題の背景には、年功賃金制などの戦後に形成された雇用システムがある。
      • 職務(ジョブ)やこれに要求されるスキルの基準も不明瞭なため、評価・賃金の客観性と透明性が十分確保されておらず、個人がどう頑張ったら報われるかが分かりにくいため、エンゲージメントが低いことに加え、転職しにくく、転職したとしても給料アップにつながりにくかった。また、やる気があっても、スキルアップや学ぶ機会へのアクセスの公平性が十分確保されていない。
      • 人口減少による労働供給制約の中で、こうしたシステムを変革し、希望する個人が、雇用形態、年齢、性別、障害の有無を問わず、将来の労働市場の状況やその中での働き方の選択肢を把握しながら、生涯を通じて自らの生き方・働き方を選択でき、自らの意思で、企業内での昇任・昇給や企業外への転職による処遇改善、更にはスタートアップ等への労働移動機会の実現のために主体的に学び、報われる社会を作っていく必要がある。
      • 企業側の変革も待ったなしである。企業が人への十分な投資を行っていない間に、諸外国との賃金格差は拡大し、先進諸国間のみならず、アジアにおける人材獲得競争でも劣後するようになっているおそれがある。グローバル市場で競争している業種・企業を中心に、人材獲得競争の観点からジョブ型の人事制度を導入する企業等も増えつつあるが、そのスピードは十分ではなく、人的資本こそ企業価値向上の鍵との認識の下、変化への対応を急ぎ、人への投資を抜本強化する必要がある。
      • こうした変革においては、働き手と企業の関係も、対等に「選び、選ばれる」関係へと変化する。一人ひとりが主役となって、キャリアは会社から与えられるものから、一人ひとりが自らの意思でキャリアを築き上げる時代へと、官民の連携の下、変えていく必要がある。
      • このため、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化、の三位一体の労働市場改革を行い、客観性、透明性、公平性が確保される雇用システムへの転換を図ることが急務である。
      • これにより、構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていく。
      • また、構造的賃上げを行っていくためには、我が国の雇用とGDPの7割を占める地方、中小・小規模企業の対応も鍵となる。三位一体の労働市場改革と並行して、3月15日の政労使の意見交換でも基本的な合意があったように、「中小・小規模企業の賃上げには労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠である」という考え方を社会全体で共有し、賃上げの原資を確保し、成長と“賃金上昇”の好循環を実現する価格転嫁対策を徹底する必要がある。
      • あわせて、こうした取組と生産性向上支援の取組を通じて、地域の人手不足対策や、働く個人が安心して暮らすことができる最低賃金の引上げを実現する。
      • これらの改革に、官民を挙げて、大胆に取り組むことを通じて、国際的にも競争力のある労働市場を作っていく。
    2. 改革の方向性
      • 三位一体の労働市場改革を進めるに当たり、その前提として、在職中からのリ・スキリング支援やコンサルティング・助言機能の強化等を含めて雇用のセーフティネット機能を確保・拡充していくことが重要であり、民間の力も活用しつつ、官民一体となったリ・スキリングやマッチング機能の強化が求められる。その際、以下の3つの視点が重要となる。
        • 企業内の人事・賃金制度の改革等により内部労働市場が活性化されてこそ、外部労働市場、すなわち労働市場全体も活性化する。人的資本こそ企業価値向上の鍵との認識の下、個々の企業の実態に応じて、労使による企業内の人事・賃金制度の見直しを中核に位置付けつつ、労働移動に対する不安感等を徐々に払拭するとともに、人への投資の抜本強化等を通じて仮に転職しても将来戻ってきてもらえるような人材を惹きつける企業を増やしていく。
        • 今回の改革は、我が国の雇用慣行の実態が変わりつつある中で、働く個人にとっての雇用の安定性を保全しつつ、構造的賃上げを実現しようとするものである。働く個人の立場に立って、円滑な労働移動の確保等を通じ、多様なキャリアや処遇の選択肢の提供を確保する。
        • こうした改革を中小・小規模企業の成長機会にもつなげていく。大企業内の人事制度が柔軟なものになれば、例えば、一定期間の中小・小規模企業への出向や副業・兼業等を通じた経験がスキルとして客観的に認識されるようになり、大企業と中小・小規模企業間の人材交流が活発化し、人手不足に直面する地域の中小・小規模企業の人材支援にもつながる。あわせて労務費等の価格転嫁対策を徹底的に講じることにより、中小・小規模企業の収益確保に万全を期すとともに、賃上げにつなげていく。また、リ・スキリング等に関する支援の充実により、経済格差が教育格差を生む負のスパイラルを断ち切り、全ての人が生きがいを感じられる社会を作ることにつなげる。
      • 上記の視点を踏まえつつ、以下の改革を三位一体で進めることとする。
        • リ・スキリングによる能力向上支援
        • 個々の企業の実態に応じた職務給の導入
        • 成長分野への労働移動の円滑化
      • あわせて、多様性の尊重と格差の是正を重点事項として掲げ、最低賃金の引上げ、労務費の適正な転嫁を通じた取引適正化、正規雇用労働者・非正規雇用労働者間等の同一労働・同一賃金制の施行の徹底、中小・小規模企業労働者のリ・スキリングの環境整備、キャリア教育の充実等の取組を一体的に進めることとする。
      • この際、こうした改革には時間を要するものも含まれることから、一定期間ごとに官民でその進捗を確認し、時間軸を共有しながら、計画的に見直しを行っていく。
      • また、改革への対応は、業種別にも大きく異なることが想定されることから、事業所管省庁との連携により、きめ細やかに対応を行う。
  4. GX・DX等への投資
    1. 国内企業立地促進の考え方と戦略分野
      • 権威主義的、国家資本主義的国家と、自由主義、民主主義国家との対立が深刻化する中、欧米を中心とする先進各国では、地政学的なリスクも踏まえながら、自国・隣国・有志国へと、グローバルなサプライチェーンを移転する動きが強まっている。
      • また、GXやDXなどの中長期的成長が見込まれる戦略分野について、政府が大規模・長期・包括的な支援を行うことにより、自国内への民間企業の立地・投資を誘致する動きも強まっている。
      • そうした中で、現在、コロナ禍やウクライナ侵略などを背景として、世界全体の不確実性が高まっており、相対的に安定している我が国の政策・経済情勢や、コスト面での我が国の立地環境の変化も踏まえ、投資先としての我が国の魅力が高まりつつある。
      • 我が国としては、この機会を捉えて、官民挙げて、設備、人材等に積極果敢な投資を行っていくことが重要である。
      • 他方で、各国では、戦略分野について、5年から10年にわたる初期投資にとどまらないランニングコストを含めた包括的支援が、既に実施又は予定されている。米国では、インフレ削減法等の枠組みを通じて、予算・減税措置を行うこととした。
      • 欧州企業の中にはこれを踏まえて米国内での事業を検討する企業も出てきたことから、EUはこれに対抗する形で、EU域内での国家補助規制をGX分野の投資については緩和する方向で改正することを発表した。
      • 我が国としても、成長の見込まれる戦略分野を中心に、国内外の企業に中長期的な予見可能性を示すことのできる規模・期間での包括的な支援を行うことが必要である。
      • 地方を中心とした国内投資拡大は、良質な雇用を増やし、若者層の結婚・子育ての希望を高めるものであり、少子化対策にも貢献する。実際、九州と中部の官民による半導体投資は、投資拡大と良質な雇用拡大の好循環を生んでいる。
      • 他方で、半導体・蓄電池・バイオものづくり・データセンターといった戦略分野を中心とした投資は、国内に大規模な立地・投資を計画する必要があり、事業のランニングコストも巨額に上る。このため、民間事業者にとっては、中長期にわたって十分な予見可能性が確保されていることが重要である。
      • 以上のような諸点を踏まえ、世界に遜色ない水準で、税制面、予算面の支援を検討する。
    2. 戦略分野への対応(半導体、蓄電池、バイオものづくり、データセンター等)
      1. 半導体
        • 半導体は、高性能化・低消費電力化することにより、高度・高速・省電力でのデータ処理や計算が可能となり、生産性向上や社会生活に与える影響も大きい。自動車や産業ロボットなどの利用側でのデータ処理が拡大することが確実である中、GX・DXの観点からも、安定的なサプライチェーンの確保や、関連産業を含めた国内投資促進が期待される。
        • 世界の半導体メーカーは、今後の爆発的な需要増加を見据え、積極的な設備投資への意欲を示しており、世界各国で半導体関連産業の自国への誘致競争が活発化している。
        • 我が国においても、先端半導体メーカーであるTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:台湾積体電路製造)の熊本県への誘致では、関連産業の投資拡大、人材育成のための連携、九州地域における賃金の上昇など、投資拡大と良質な雇用拡大の好循環の兆しが現れており、こうした事例を我が国に広く横展開していくことが重要である。先端・産業向け半導体、製造装置、部素材、原料の製造基盤の拡大や、人材育成を進める。
        • また、次世代半導体について、日米欧協力の枠組みを政府レベルで設置し、生産主体となる企業・研究組織を国際連携のハブとして、国内外のトップ人材の呼び込みを図るとともに、有志国との連携、研究開発・量産化支援を通じ、2020年代のうちに次世代半導体を実用化するための設計・製造基盤を確立する。さらに、2030年代以降の実現を見据え、光電融合等の将来技術の開発を進める。
      2. 蓄電池
        • 蓄電池は、モビリティの電動化や再生可能エネルギーの導入拡大など、GXを進める上で不可欠であり、上流資源から川下の製造基盤まで、サプライチェーン全体を囲い込む動きが世界各国で進んでいる。こうした中、我が国が世界の蓄電池のサプライチェーンにおける中核を占めるようになっていくことが重要である。
        • 現在主流であるリチウムイオン電池は、日本が世界で初めて開発・実用化した技術であり、日本の優位性を維持・向上するため、蓄電池・部素材・製造装置の製造基盤の更なる拡大を行う。
        • 他方、2030年前後にはバッテリーメタルの需給ひっ迫が見込まれており、上流資源の確保が急務である。商社や川下企業等が権益を確保し、安定したバッテリーメタルの調達をできるよう、官民連携体制の構築や、エネルギー・金属鉱物資源機構の機能拡充を図る。
        • 上流資源を有するカナダ・オーストラリアや、巨大市場を有する米国との連携を強化した上で、資源保有国である、いわゆる「グローバル・サウス」と呼ばれる国・地域を包摂した強靱なグローバルサプライチェーンを構築するため、戦略的な有志国間連携と海外展開を進める。
        • また、世界的に次世代電池の開発競争も激化しているところ、日本が開発でリードしている全固体電池をはじめとした次世代電池の量産を見据えた技術開発・実証や人材育成等を通じて、蓄電池分野における新たなイノベーションの創出を図る。
      3. バイオものづくり
        • バイオものづくりは、遺伝子技術により、微生物が生成する物質の量や性質を変化させ、地球温暖化などの社会課題解決に貢献する成長分野である。
        • 微生物設計プラットフォーム事業者を起点とした大規模な技術開発・実証を進めるとともに、バイオ由来製品の初期需要の創出や消費者の受容性を高める品質表示のための制度の整備など、大規模生産・社会実装に向けた取組を進める。
        • また、我が国が強みを有するバイオ分野で、最先端のアカデミアやスタートアップが集積する地域を対象に、民間企業とも連携し、インキュベーション拠点の整備・拡充を加速するとともに、海外展開を目指すスタートアップが米国等に進出し、現地のエコシステムとネットワークを構築することを支援する。
      4. データセンター
        • データセンターは、AI、特に生成AIの利用が世界的に急増する中、AIに適したサーバーを増強することが重要である。また、情報処理の爆発的な増加を踏まえ、東京圏一極集中是正によるレジリエンス強化や、脱炭素電源活用の観点から、段階的に分散立地の促進を図る。
        • あわせて、相互接続を確保し、効率的、効果的に計算資源を活用する観点からも、国内海底ケーブルの整備を支援し、日本を周回するケーブルを完成させる。また、我が国が国際的なデータ流通のハブになるよう、有志国等と連携しながら国際海底ケーブルの多ルート化を速やかに進める。
    3. 平時からの食料安全保障の確立
      1. 食料安全保障の考え方
        • 食料安全保障について、国際連合食糧農業機関では、国全体で必要な食料を確保するというだけでなく、国民一人ひとりにまで行き渡るようなものと定義されている。こうした国際的な定義も参考に、食料安全保障について、不測時に限らず平時にも、国民一人ひとりが食料にアクセスでき、健康な食生活を享受できるようにすることを含むものへと再整理する。
      2. 輸入リスクの軽減に向けた食料の安定供給の強化
        • 食料の安定供給の確保に向けては、安定的な輸入と備蓄とを適切に組み合わせつつ、輸入依存度の低減に向けて国内生産の増大を基本とし、水田の畑地化・汎用化を推進しつつ、麦や大豆、加工・業務用野菜、飼料作物等の需要に応じた生産拡大や、米粉の利用拡大、肥料の国産化の推進等の構造転換対策を進める。
      3. 適正な価格形成に向けた持続可能な食料システムの構築
        • 食料システム全体を持続可能なものとするため、生産から加工・流通・販売までの各段階の関係者が協議できる場を創設し、食料の適正な価格形成を行う仕組みを構築する。
        • また、食料システムの重要な構成員である食品産業の持続的な発展を図るため、産地・食品産業が連携して産地育成・安定調達等を図りやすくする仕組みや、環境負荷低減、人権に配慮した原材料調達など、食品産業による持続可能性に配慮した取組を促進する仕組みを構築する。
      4. 全ての国民が健康的な食生活を送るための食品アクセスの改善
        • 円滑な食品アクセスの確保を図るため、関係省庁が連携し、物流の2024年問題への対応、買い物弱者対策、フードバンク・子ども食堂への寄附の促進等の取組を推進する。
      5. 食料安全保障を担保する仕組みの構築
        • 国内の食料供給力の状況や物流を含めたサプライチェーンの状況などを示す様々な指標を活用・分析することにより、平時から我が国の食料安全保障の状況を定期的に評価する仕組みを構築する。また、不測時に関係省庁が連携して対応できるよう、政府全体の意思決定を行う体制を構築するとともに、不測時の対応根拠となる法制度の整備を図る
    4. AI
      • 大規模言語モデル等の基盤モデル(大量・多様なデータを学習し、様々な用途のAIの基盤となる大規模なAI)を活用した生成AI(文章、画像等のコンテンツを生成するAI)の性能が向上し、人間との対話によって自然な文章、画像、音声、プログラム等を生成できるようになるなど、AIは飛躍的に進歩し、専門家でない人の間でも急速に利用が広がりつつある。
      • 生成AIは、従来のAIモデルに比べ、計算資源やデータの規模がその性能を左右する度合いが大きく、規模の競争によって大規模なAIがますます優位になっていく可能性がある。
      • また、AIが学習に用いるデータのうち我が国に関するデータが少ないために、我が国に関連する質問に対してAIが適切な回答をしないことが起こりうるだけでなく、AI製品・サービスの海外への依存度が高いことから、供給途絶等で我が国の国民生活や産業に影響が及ぶおそれもある。
      • さらに、生成AIの技術進歩と普及によって、AIがどのようなデータをどのように処理しているのかが分からない、巧妙な偽情報が拡散するなど、AIが社会にもたらす不安やリスクへの懸念が世界的に高まっており、安全保障上のリスクも指摘されている。
      • そこで、AIに関する国際的な議論、多様なリスクへの対応を進めるとともに、AIの利用の促進、AIの開発力の強化を図る
  5. 企業の参入・退出の円滑化とスタートアップ育成5か年計画の推進
    • 基本的考え方
      • 人口減少・経済低成長が続き、社会課題が山積している日本では、社会全体に閉塞感が広がっているとの指摘がある。新しい資本主義では、政府のみならず民間による公的役割に着目し、官民協力によって旧来型の制度や慣習を抜本的に見直すことで、硬直的になっている日本社会を活性化する。その担い手となるのがスタートアップである。スタートアップは、新しい技術やアイディアにより社会課題をスピード感をもって解決していく存在であると同時に、市場に新たな刺激を与えることで市場の活性化や既存企業の生産性向上をもたらす。
      • 昨今の世界の社会・経済情勢の急速な変化により、スタートアップを巡る環境は厳しさを増しており、スタートアップへの政策的対応の重要性は一段と増している。
      • 昨年11月に取りまとめた「スタートアップ育成5か年計画」では、スタートアップへの投資額を「5年後の2027年度に10倍を超える規模(10兆円規模)」とする目標を掲げた。その実現のためには、同計画の初期に、スタートアップ・エコシステムの育成に不可欠な法律・税制等の制度面の整備が急務である。ストックオプション制度の他、金融・ファンド法制、研究開発ファンディング、在留資格、税制等は、スタートアップ・エコシステムを形成する基盤的制度であり、早急な制度整備が求められる。
      • 昨年11月に策定した「スタートアップ育成5か年計画」に基づき、その後の深掘りの検討を含め、下記のとおり具体策を実施する。各政策で設定したKPIに沿ってスタートアップ担当大臣によりフォローアップを行いながら、官民での大きな方向性の実現に向けて、努力していく
  6. 社会的課題を解決する経済社会システムの構築
    1. インパクトスタートアップの認証制度・新たな法人形態の検討
      • 国際認証を踏まえ、インパクトスタートアップの日本版の認証の枠組みとして、スタートアップ支援育成プログラム(J-Startup)のインパクトスタートアップ版を早期に発足させる。
      • 上記の認証制度において認定された企業に関しては、公共調達における優遇措置を導入する。また、地方自治体においてソーシャルインパクトボンドを活用しながらインパクトスタートアップの公共調達への参加を奨励・促進するための措置を講じる。
      • あわせて、米国等の諸外国の事例を参照し、民間で公的役割を担う新たな法人形態の制度について、検討を進める
    2. 休眠預金の活用
      • 休眠預金の制度創設5年後見直しに即し、活用事業による、創業期などのインパクトスタートアップに対する出資を可能にし、これを推進する。
    3. 国・自治体による成果連動型事業の拡大
      • 社会課題の解決に向けた成果連動型民間委託契約等の活用促進のため、民間からの資金調達を行うソーシャルインパクトボンド等の活用を進める。
    4. 公益法人を通じた寄付性の高い資金の流れの拡大
      • 富裕層からインパクトスタートアップへの寄付性の高い資金の流れを拡大するため、公益法人によるインパクトスタートアップへの「出資」や「助成」を促進する。
      • そのために、公益法人が事業を迅速・柔軟に変更できるよう、変更認定手続を見直すとともに、公益信託の活用を推進させるため、税制・優遇を受けられる受託者の要件を緩和し、インパクトスタートアップも参入可能とする。
    5. 競争当局のアドボカシー(唱導)機能の強化
      • 競争当局は独占禁止法の施行事務以外に、取引慣行や規制により競争が働いていない分野について調査をし、取引慣行の改善や規制の見直しを提言(アドボカシー)する機能を有している。
      • グリーン・デジタルなど、市場が急速に変化する分野を中心に、新たな実態調査を進め、アドボカシー機能を発揮する。これらの分野の迅速な取引実態の把握のため、クラウドや情報技術、情報セキュリティ、経済分析等の専門性を有する人材の公正取引委員会への登用を進める
  7. 資産所得倍増プランと分厚い中間層の形成
    1. 基本的考え方
      • 「新しい資本主義」を資金の流れで見ると、企業部門に蓄積された325兆円の現預金を、人・スタートアップ・GX・DXといった重要分野への投資につなげ、成長を後押しするとともに、我が国の家計に眠る現預金を投資につなげ、家計の勤労所得に加え金融資産所得も増やしていくことが重要である。
      • 我が国の家計金融資産2,000兆円は、半分以上がリターンの少ない現預金で保有されており、年金・保険等を通じた間接保有を含めても、株式・投資信託・債券に投資をしているのは244兆円、投資家数は約2,000万人にとどまる。
      • 他方、米国や英国では、中間層でも気軽に上場株式・投資信託に投資できる環境が整備されており、米国では20年間で家計金融資産が3.4倍、英国では2.3倍になっているが、我が国では1.4倍にとどまっているのは、こうした投資環境の違いが背景にある。
      • 我が国において家計金融資産に占める現預金の割合が欧米諸国に比べて大きいことは、戦後、企業が銀行などの金融機関からの借入れで調達する間接金融が発展してきたことも一因である。貯蓄から投資を実現し、直接金融への転換を推進することは、ベンチャーキャピタルから資金を調達するスタートアップのエコシステムを構築する上でも重要であり、企業の成長を支えるリスクマネーを円滑に供給することにもつながる。
      • 中間層がリターンの大きい資産に投資しやすい環境を整備すれば、家計の金融資産所得を拡大することができる。また、家計の資金が企業の成長投資の原資となれば、企業の成長が促進され、企業価値が向上する。企業価値が拡大すれば、家計の金融資産所得は更に拡大し、成長と資産所得の好循環が実現する。
      • デジタル化により、アプリ上での簡単な資産の管理や、低廉な手数料での豊富な金融商品へのアクセスも可能になっており、投資経験の浅い方も含めて、幅広く資産形成に参加できる仕組みを整備し、中間層の資産所得を大きく拡大することが可能である。
  8. 経済社会の多極化
    1. デジタル田園都市国家構想の実現
      • デジタル臨時行政調査会において、ⅰ)目視規制、ⅱ)実地監査規制、ⅲ)定期検査・点検規制、ⅳ)常駐・専任規制、ⅴ)書面掲示規制、ⅵ)対面講習規制、ⅶ)往訪閲覧・縦覧規制、の7項目のアナログ規制等について、集中的に改革を実施する。
      • 見直し方針・工程表に基づき、既存の規制・制度をデジタル技術で代替可能か検証を要する規制(1,000件)について、早期に検証を行う。その結果も踏まえ、来春を目途に7項目のアナログ規制等に関する法令(1万条項)及び通知・通達等(2,500条項)について、法令改正等の見直しを実施する。また、行政手続等についてデジタル完結に向けた2025年度までの工程表を作成し、実施する。
      • また、デジタル田園都市国家構想を先導することが期待されるスーパーシティ及びデジタル田園健康特区の取組を推進する
    2. 企業の海外ビジネス投資の促進
      • 日本の成長力強化及び経済安全保障の観点から、政府として、中小企業による製品開発や販路開拓を含め、技術と意欲ある企業の海外ビジネス投資をサポートすることが重要である。「海外ビジネス投資支援パッケージ」に基づき、日本が優位性を持つ技術の在外公館を通じた海外でのPRや、商工会議所を通じた支援メニューの広報など、政府ワンチームによる海外ビジネス投資への支援を図るとともに、在外公館等の連携の実績、支援の成功の実績などをベンチマークし、半年毎に進捗状況をフォローする。

~NEW~
内閣官房 再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議(第4回)議事次第
▼資料1-1 「水素基本戦略」の改定のポイントについて(案)
  • 水素基本戦略(アンモニア等を含む)を改定し、関係府省庁が一体となって水素社会の実現に向けた取組を加速する。
    • (1)2030年の水素等導入目標300万トンに加え、2040年目標を1200万トン、2050年目標は2000万トン程度と設定(コスト目標として、現在の100円/Nm3を2030年30円/Nm3、2050年20円/Nm3とする)(2)2030年までに国内外における日本関連企業の水電解装置の導入目標を15GW程度と設定(3)サプライチェーン構築・供給インフラ整備に向けた支援制度を整備(4)G7で炭素集約度に合意、低炭素水素等への移行
  • 水素産業戦略~「我が国水素コア技術が国内外の水素ビジネスで活用される社会」実現~
    1. 「技術で勝ってビジネスでも勝つ」となるよう、早期の量産化・産業化を図る。
    2. 国内市場に閉じず、国内外のあらゆる水素ビジネスで、我が国の水素コア技術(燃料電池・水電解・発電・輸送・部素材等)が活用される世界を目指す。
      • →脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の「一石三鳥」を狙い、大規模な投資を支援。(官民合わせて15年間で15兆円のサプライチェーン投資計画を検討中)
  • つくる
    • 水電解装置
    • 電解膜、触媒などの部素材
    • 効率的なアンモニア合成技術
    • A社(素材)は、国内外大手と連携、水電解装置による国内外の大規模グリーン水素製造プロジェクトに参画。
    • B社(自動車)は、燃料電池の技術力をベースに多くの共通技術を活かす水電解装置を開発・実装。
    • C社(ベンチャー)は、GI基金を通じアンモニア製造の新技術を開発・実証
  • はこぶ
    • 海上輸送技術(液化水素、MCH等)
    • D社(重工)は、世界初の液化水素運搬技術を確立し、G7でも各国閣僚から高い関心。
    • E社(エンジニアリング)は、欧州でのMCHによる輸送プロジェクトの事業化調査に着手。
  • つかう
    • 燃料電池技術
    • 水素・アンモニア発電技術
    • 革新技術(水素還元製鉄、CCUS等)
    • F社(自動車)は、燃料電池の海外での需要をみこして多用途展開を促し、コア技術としての普及を目指す。
    • G社(重工)は、大型水素発電の実証・実装で世界を先行。
    • H社(発電)は、アンモニア混焼の2020年代後半の商用運転開始に向け、実証試験を実施。
  • 需給一体の国内市場の創出 規制・支援一体型の制度を、需給の両面から措置、水素普及の加速化
    • 供給
      • 既存燃料との価格差に着目した大規模サプライチェーン構築支援
        • ーS+3Eの観点からプロジェクト評価
        • ーブレンデッド・ファイナンスの活用
      • 効率的な供給インフラ整備支援 ー国際競争力ある産業集積を促す拠点を整備
      • 低炭素水素への移行に向けた誘導的規制の検討
      • 保安を含む法令の適用関係を整理・明確化
      • 上流権益への関与や市場ルール形成による安定したサプライチェーンの確保
    • 需要
      • 需要創出に向けた省エネ法の活用
        • 工場、輸送事業者・荷主等の非化石転換を進め、将来的に水素の炭素集約度等に応じて評価。
        • トップランナー制度を発展させ、機器メーカーに水素仕様対応等を求めることを検討。
      • 燃料電池ビジネスの産業化(セパレーター等の裾野産業育成)
        • 国内外のモビリティ、港湾等の燃料電池の需要を一体で獲得することでコストダウン・普及拡大
      • 港湾等における「塊の需要」や意欲ある物流事業者等による先行取組への重点的支援
      • 地域での水素製造・利活用と自治体連携※、国民理解※特に「福島新エネ社会構想」の取組加速
  • 世界市場の獲得 拡大する欧米市場で初期需要を獲得、将来のアジア市場を見越し先行投資
    • 規模・スピードで負けないよう大胆な民間の設備投資を促す政策支援
    • 大規模サプライチェーン構築支援の有効活用
    • 海外政府・パートナー企業との戦略的連携、トップセールスによる海外大規模プロジェクトへの参画
    • 『アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)』構想等の枠組みを活用したアジア連携
    • 日本の水素ビジネスを支える国際的な知財・標準化の取組(GI基金等も活用)
    • 人材育成の強化・革新技術の開発
    • 米国:インフレ削減法(IRA)により、低炭素水素製造に10年間で最大3ドル/kgの税額控除を実施予定(約50兆円規模※水素以外も含む)
    • 欧州:グリーンディール産業計画で、グリーン投資基金の設立や水素銀行構想を発表(約5.6兆円規模※水素以外も含む)
    • 英国:国内低炭素水素製造案件について15年間の値差支援や、拠点整備支援を実施予定(第一弾として約5,400億円規模)

~NEW~
農林水産省 令和4年度食育白書を本日公表~特集テーマは「「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進」~
▼概要
  • 食育を国民運動として推進していくため、国、地方公共団体による取組とともに、地域においては、学校、保育所等、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティア等の様々な立場の関係者の緊密な連携・協働の下、食育を推進。
  • 我が国の食料安全保障と食育の推進
    • 食育の推進は、国民の食生活が自然の恩恵の上に成り立ち、食に関する人々の様々な行動に支えられていることへの感謝の念や理解を深めることにつながる。
    • 食料安全保障上のリスクが高まっている中、できるだけ多くの国民が、我が国の食料・農林水産業・農山漁村の持つ役割や食料自給率向上の意義を理解する機会を持ち、自らの課題として将来を考え、それぞれが主体的に支え合う行動を引き出していくことが重要。
    • 政府は、第4次食育推進基本計画に基づき、「食に関する感謝の念と理解」や「食料自給率の向上への貢献」を促すため、様々な体験活動や適切な情報発信を通じて、自然に生産者等に対する感謝の念や理解が深まっていくよう配慮した施策等を推進。
  • 我が国の食料安全保障をめぐる状況/国民理解の醸成と国産農林水産物の積極的な選択等
    • 気候変動等による世界的な食料生産の不安定化や、世界的な食料需要の拡大に伴う調達競争の激化等に、ウクライナ情勢の緊迫化等により、供給が不安定化し、食料安全保障の強化が国家の喫緊かつ最重要課題。
    • 2022年12月に「食料安定供給・農林水産業基盤強化本部」(本部長・内閣総理大臣)において、「食料安全保障強化政策大綱」を決定し、継続的に講ずべき食料安全保障の強化のために必要な対策とその目標を明らかに。
    • 食料安全保障は国民一人一人に関わる問題であり、その強化には、食料・農林水産業・農山漁村への国民の理解や、国産農林水産物の積極的な選択を促す消費面の取組が重要。
    • 「ニッポンフードシフト」等を通じて行動変容を促すとともに、「BUZZMAFF」等によりSNSを通じて情報発信。
    • 我が国の未来を担う子供への食育の推進も重要。学校給食では、地場産物を使用し、生産者の努力や食に関する感謝の念を育む。第4次食育推進基本計画において、「学校給食における地場産物・国産食材を使用する割合」を維持・向上させることを目標として定め、学校や地域において取組を積極的に推進。
  • 第4次食育推進基本計画における位置付け
    • 第4次食育推進基本計画では重点事項の1つに「「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進」を位置付け。
    • 新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークの増加等で、在宅時間や家族で食を考える機会が増加。食を見つめ直す契機となり、家庭での食育の重要性が高まる。
    • 新型コロナウイルス感染症の影響により、デジタル技術の活用が一層推進。
    • ICT(情報通信技術)や社会のデジタル化の進展を踏まえ、食育活動にもデジタルツールやインターネットを積極的に活用していくことが必要
  • 新型コロナウイルス感染症の影響下における食生活等の変化
    • 新型コロナウイルス感染症の拡大前に比べて、現在の食生活が変化したかについて尋ねた。
    • 「増えた」と回答した人の割合が最も高いのは、「自宅で食事を食べる回数」(38.5%)で、次いで「自宅で料理を作る回数」(27.9%)、「持ち帰りの弁当や惣菜の利用」(21.1%)。
    • 「減った」と回答した人の割合が最も高いのは、「家族以外の誰かと食事を食べる回数」(67.0%)で、次いで「持ち帰りの弁当や惣菜の利用」(11.4%)。
    • 「変わらない」と回答した人の割合が最も高いのは、「朝食を食べる回数」(87.0%)で、次いで「規則正しい食生活リズム」(84.9%)、「栄養バランスのとれた食事」(82.5%)。
    • 若い世代(20~30歳代)で見ると、「増えた」と回答した人の割合は「自宅で食事を食べる回数」(51.3%)、「自宅で料理を作る回数」(37.8%)。
    • 地域や所属コミュニティ(職場等を含む。)での食事会等の機会があれば「参加したいと思う」(「とてもそう思う」又は「そう思う」)と回答した人の割合は、2019年度の43.3%から2020年度に30.8%に減少した後、2021年度は36.7%、2022年度は36.9%にやや増加。
    • また、「参加したいと思う」と回答した人のうち、過去1年間に食事会等に「参加した」と回答した人の割合は、2019年度の73.4%、2020年度の70.7%から、2021年度に42.7%に大幅に減少した後、2022年度は57.8%に増加。
  • デジタル技術を活用した食育に関する国民の実践の状況
    • 家族の中でデジタル技術を活用した食育を利用したことがあるかについて、「利用したことがある」と回答した人の割合は22.2%。利用したことがある人を年齢別にみると、20~60歳代において約2割。
    • 利用したことがあるデジタル技術を活用した食育については、「料理レシピ動画など、調理に関する動画の視聴」を挙げた人の割合が88.8%と最も高く、次いで、「SNS等での料理レシピ等、食に関する情報の入手や収集」(61.9%)、「食育に関するアプリ(料理レシピ、栄養バランス、フードロス削減など)の利用」(34.3%)。20~70歳代以上のいずれの年代においても利用
  • ポストコロナ、ウィズコロナ時代における食育の推進
    • デジタル技術を活用した食育を経験してよかった点について、「好きな時間や短時間に利用できる」を挙げた人の割合が80.6%と最も高く、次いで、「繰り返して利用できる」(66.6%)。
    • デジタル技術を活用した食育を利用する場合に、どのような課題や障壁があるかについて、「どのような情報や体験があるかわからない」を挙げた人の割合が45.5%と最も高く、次いで、「利用方法がわからない」(42.2%)、「嗅覚や味覚等の五感を活かした体験が難しい」(37.8%)
    • 今後、利用したいデジタル技術を活用した食育については「料理レシピ動画など、調理に関する動画の視聴」を挙げた人の割合が52.4%と最も高く、次いで、「SNS等での料理レシピ等、食に関する情報の入手や収集」(30.7%)、「食育に関するアプリ(料理レシピ、栄養バランス、フードロス削減など)の利用」(27.8%)。
    • 対面での食育の取組に加え、デジタル技術を活用した食育の取組を効果的に組み合わせながら、多様で広がりを持った食育を推進することが必要。
    • デジタル化された情報の利用に当たって、偽情報等も瞬時に流通することで社会的混乱を招くこともあり、情報の発信者・利用者双方が情報の真偽を見極めるリテラシーを向上させることが必要。
  • 子供の基本的な生活習慣の形成
    • 朝食の摂取は栄養補給だけではなく、体内時計のリズムを整えるために必要であり、適切な生活習慣の育成と、心身の健康の保持につながる。
    • 小・中学生の朝食欠食率は、近年は横ばい傾向。
    • 文部科学省は、独立行政法人国立青少年教育振興機構、「早寝早起き朝ごはん」全国協議会と連携・協力し、「早寝早起き朝ごはん」国民運動を推進。
  • 学校における食に関する指導の充実
    • 文部科学省は、「食に関する指導の手引-第二次改訂版-」等を活用しながら、子供が望ましい食習慣を身に付けることができるよう、幼児教育から高等学校まで、切れ目のない食育を推進。
    • 栄養教諭は、学校における食育推進の要として、食に関する指導と学校給食の管理を一体的に展開。
    • 公立小・中学校等の栄養教諭の配置数は、全国で6,843人(2022年5月1日時点)。
    • 全ての児童生徒が栄養教諭の専門性を生かした食に関する指導を等しく受けられるよう、栄養教諭の配置をより一層促進。
    • 2021年度には、各教育委員会における栄養教諭に期待する職務や役割等を調査し、全国の実態や課題等を把握。今後、栄養教諭の一層の配置促進と学校における食育の推進を充実。
  • 健全な食生活の実践を促す食育の推進
    • 「食育ガイド」、「食生活指針」、「食事バランスガイド」等の普及啓発を図り健全な食生活の実践を促進。
    • 栄養バランスに優れた「日本型食生活」の実践を推進し、中心となるごはん(主食)の消費拡大を応援する「やっぱりごはんでしょ!」運動を実施。
    • 農林水産省では、農林水産省職員がYouTuberとして情報発信する「BUZZ MAFF」において、農林水産大臣や芸能人が出演する動画の投稿等、米の消費を喚起する取組を実施。「米と健康」に着目した「ごはんで健康シンポジウム」を2022年12月に開催。
  • 健康寿命の延伸につながる食育の推進
    • 厚生労働省では、「健康日本21(第二次)」において、健康寿命の延伸等を目指して栄養・食生活等に関する目標を設定。その達成に向けた取組を更に普及・発展させるため、企業・団体・地方公共団体と協力・連携する取組として「スマート・ライフ・プロジェクト」を推進。
    • 厚生労働省では、2022年3月に「健康的で持続可能な食環境づくりのための戦略的イニシアチブ」を立ち上げ、「食塩の過剰摂取」、「若年女性のやせ」、「経済格差に伴う栄養格差」等の栄養課題等の解決に向けた参画事業者の行動目標の設定及び遂行について、事業者の環境・社会・企業統治(ESG)評価向上の視点も踏まえた支援を行いながら、食環境づくりを推進
    • 第4次食育推進基本計画では、2025年度までに、1日当たりの野菜摂取量の平均値を350g以上、果物摂取量100g未満の人の割合を30%以下とすることを新たに目標として設定。
    • 農林水産省では、企業・団体等の「野菜サポーター」と連携して「野菜を食べようプロジェクト」を実施するとともに、生産者団体と協力して「毎日くだもの200グラム運動」を実施するなど、野菜や果実の摂取量増加に向けた取組を推進。
  • 貧困等の状況にある子供に対する食育の推進
    • 子供がある全世帯の16.9%が食料が買えない経験があるという調査結果もある中、地域住民等の自主的な取組として広がるこども食堂や子供宅食等の活動を支援。
    • 政府を中心として、貧困の状況にある子供たちに対する食育の推進や貧困の連鎖の解消につながるこども食堂等の活動への支援を含む官公民の連携・協働プロジェクト「こどもの未来応援国民運動」を推進。
    • 厚生労働省では、ひとり親家庭の子供に対し、基本的な生活習慣の習得支援や学習支援と併せて、食事の提供を行うことが可能な「子どもの生活・学習支援事業」(居場所づくり)を行う。
    • 農林水産省では、地域における共食のニーズの把握や生産者とのマッチングの実施等を支援。また、食育の一環として、こども食堂等へ政府備蓄米を無償交付。新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、2021年7月からは、現場からの要望を踏まえて取組を拡充。
    • 新規需要を開拓するため、こども食堂等をターゲットとして牛乳を安価に提供する活動等を緊急的に支援。
  • 職場における従業員等の健康に配慮した食育の推進
    • 従業員等が健康であることは、職場の活力向上や生産性向上等の組織の活性化をもたらす。
    • 厚生労働省では、「健康な食事」のための食環境整備の考え方を活用した取組を実施。
  • 災害時に備えた食育の推進
    • 大規模な自然災害等の発生に備え、地方公共団体、民間企業等における食料の備蓄に加え、各家庭で食料を備蓄しておくことが重要。
    • 農林水産省では、2022年4月に単身者を対象とした「災害時にそなえる食品ストックガイド」を公表し、食品の備蓄の必要性やその始め方等を分かりやすく解説するなど、家庭での食料の備蓄について普及啓発。
  • 地産地消の推進
    • 地域で生産したものを地域で消費する地産地消の取組は、農山漁村の活性化を図る上で重要な取組。
    • 農山漁村の活性化や所得向上に取り組んでいる優良事例を選定し、全国に発信。その他、学校給食等における支援や地域資源を活用した新商品の開発等の直売所の売上げ向上に向けた取組や施設整備への支援を行った。
    • 食料の輸送量に輸送距離を乗じた指標として「フード・マイレージ」がある。国内生産・国内消費の拡大、地産地消の推進等の取組は、環境負荷の低減に資することも期待。
    • 食と環境を支える農林水産業・農山漁村への国民の理解と共感・支持を得つつ、国産の農林水産物の積極的な選択といった具体的な行動変容に結びつくよう、若者(Z世代)を重点的にターゲットとした官民協働による国民運動として「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」を展開。
  • 環境と調和のとれた持続可能な食料生産とその消費にも配慮した食育の推進
    • 2022年7月には、みどりの食料システム戦略の実現に向けて「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」(令和4年法律第37号)が施行。同法では、消費者の努力として、環境と調和のとれた食料システムに対する理解と関心を深め、環境への負荷の低減に資する農林水産物等を選択するよう努めなければならない旨を規定しているほか、環境負荷の低減に資する農林水産物等の消費を促進する観点から、食育の推進を位置付け。
    • 学校給食での有機食品の利用など有機農業を地域で支える取組事例を共有するセミナーを開催するなど連携の強化に取り組むとともに、2023年1月には、都道府県等の食育担当部局に、学校給食における有機農産物の活用に係る支援策や事例の紹介による情報発信を実施。
  • 食品ロス削減に向けた国民運動の展開
    • 我が国では、2020年度の推計で、食品ロスが522万トン発生。
    • 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」では、持続可能な開発目標(SDGs)において、小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料廃棄の半減をターゲットとして設定。この「2030アジェンダ」も踏まえて、我が国では家庭系食品ロス量及び事業系食品ロス量をそれぞれ2030年度までに2000年度比で半減させる目標を設定。
    • 国民運動として食品ロスの削減を推進するため、「食品ロスの削減の推進に関する法律」(令和元年法律第19号)が、2019年10月に施行。
    • 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化により、こども食堂や生活困窮者等へ食品を届きやすくすることが課題。フードバンクに対して、食品の受入れ・提供を拡大するために必要となる経費を支援するとともに、食品提供元の確保等の課題解決に資する専門家を派遣。
    • 消費者庁では、「令和4年度「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテスト」を実施し、「日本から世界に広がれ「もったいない」」を内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)賞に選定。
    • 読み聞かせを通じて親子で食品ロス問題を学べるよう、食品ロス削減啓発絵本を作成し、中国・四国地方にある10か所の国立大学附属幼稚園において、読み聞かせイベントを実施。
    • 環境省では、食品ロスに関する情報を集約したポータルサイトを作成。食品ロスに関して正確で分かりやすい情報を得ることができる環境を整備。
    • キャラクター「すぐたべくん」を活用した啓発活動のほか、外食時に食べ残してしまった場合には消費者の自己責任の範囲で持ち帰り「mottECO」を行うことが当たり前になるよう普及に取り組む。
    • 消費者庁、農林水産省、環境省では、全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会と共同で、「「おいしい食べきり」全国共同キャンペーン」を2022年12月から2023年1月にかけて実施。
  • リスクコミュニケーションの充実
    • 食品の安全性等に関するリスクコミュニケーションの取組の一つとして、消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省等が連携して、意見交換会等を開催。特に、「食品中の放射性物質」に関する取組を強化。
    • 2022年度は、生産現場で行われている放射性物質の低減対策の取組や食品中の放射性物質に関する検査結果の現状等について、東京都及び大阪府では広く消費者全般を対象とし、福岡県、滋賀県、東京都及び福島県では大学生を対象とした意見交換会を実施。
  • 食品の安全性に関する情報の提供
    • 科学的知見に基づき合理的な判断を行う能力を身に付けた上で、食品を選択することができるよう、消費者に対する的確な情報提供が重要。消費者庁では、消費者に向けた分かりやすい情報提供を実施。
    • 農林水産省では、2022年度は「安全で美味しい夏野菜カレーづくり」、「安全で美味しいお弁当の作り方」をテーマに動画を作成し、食中毒予防に向けた注意喚起を実施。動画の中に子供を登場させるなど工夫して、子供を含む幅広い世代が親しみやすい内容とした。

~NEW~
農林水産省 最新の食品ロス量は523万トン、事業系では279万トンに~食品ロス量(令和3年度推計値)を公表~
  • 農林水産省は、食品ロス削減の取組の進展に活かすため、食品ロス量の推計を行い、消費者庁、環境省とともに公表しています。
  • 令和3年度の食品ロス量は523万トン(前年度比+1万トン)、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は279万トン(前年度比+4万トン)、家庭から発生する家庭系食品ロス量は244万トン(前年度比▲3万トン)となりました。
  • 今後とも事業者や消費者、地方公共団体、関係省庁とも連携し、より一層の食品ロス削減のための取組を進めてまいります。
  • 食品ロス量(令和3年度推計値)
    • 農林水産省は、令和元年7月に公表した「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)の基本方針において、食品関連事業者から発生する事業系食品ロスを2000年度比で2030年度までに半減させる目標を設定しています。一般家庭から発生する家庭系食品ロスについても「第四次循環型社会形成推進基本計画」(平成30年6月閣議決定)において同様の目標を設定しているところです。
    • 令和3年度の食品ロス量推計値は、523万トンとなり、前年度より1万トン増加しました。
  • 食品ロスについて
    • 「食品ロス」とは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品です。
    • 平成27年9月に国際連合で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で定められている「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)のターゲットの1つに、2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食品廃棄物を半減させることが盛り込まれるなど、国際的な食品ロス削減の機運が近年高まっています。
    • 我が国においても、食品ロス削減の取組を「国民運動」として推進するため、令和元年に食品ロス削減推進法が施行され、令和2年3月には、基本方針(「食品ロスの削減に関する基本的な方針」)が閣議決定されました。

~NEW~
内閣府 令和5年第8回経済財政諮問会議
▼資料1 経済財政運営と改革の基本方針2023(仮称)原案
  • 多様な働き方の推進
    • 三位一体の労働市場改革と併せて、人手不足への対応も視野に入れ、多様な人材がその能力を最大限いかして働くことができるよう、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築するとともに、個々のニーズ等に基づいて多様な働き方を選択でき、活躍できる環境を整備する。このため、週所定労働時間20時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大について検討し、2028年度までを目途に実施する。あわせて、時間や場所を有効に活用できる良質なテレワークやビジネスケアラーの増大等を踏まえた介護と仕事の両立支援を推進するほか、勤務間インターバル制度の導入促進、メンタルヘルス対策の強化等の働き方改革を一層進めながら、副業・兼業の促進、選択的週休3日制度の普及等に取り組む。また、フリーランスが安心して働くことができる環境を整備するため、フリーランス・事業者間取引適正化等法の十分な周知・啓発、同法の執行体制や相談体制の充実等に取り組む。
    • 国家公務員については、デジタル環境の整備、業務の見直し、時間や場所にとらわれない働き方の充実等により働き方改革を一層推進するとともに、採用試験の受験者拡大や中途採用の活用、職員としての成長に資する業務経験やスキルアップ機会の付与、民間知見の習得など人材の確保・育成に戦略的に取り組む
  • グリーントランスフォーメーション(GX)
    • 2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度比)、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、我が国が持つ技術的な強みを最大限活用しながらGX投資を大胆に加速させ、エネルギー安定供給と脱炭素分野で新たな需要・市場を創出し、日本経済の産業競争力強化・経済成長につなげる。このため、少なくとも今後10年間で、官民協調で150兆円超の脱炭素分野での新たな関連投資を実現する。
    • 徹底した省エネルギーの推進に向け、複数年の投資計画に切れ目なく対応できる中小企業向けの省エネ補助金や、省エネ効果の高い住宅の新築・改修、断熱窓への改修を含むZEH・ZEB13等の取組を推進するとともに、産業の非化石エネルギー転換に集中的に取り組む。産業部門のエネルギー使用量の4割を占める主要5業種(鉄鋼業・化学工業・セメント製造業・製紙業・自動車製造業)に対して国が2030年度の非化石目標の目安を提示することなどを通じ、製造業の燃料・原料転換を加速する。
    • 再生可能エネルギーについては、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら、S+3E14を大前提に、主力電源として最優先の原則で最大限導入拡大に取り組む。このため、地域間を結ぶ系統については、今後10年間程度で過去10年(約120万kW)と比べて8倍以上の規模(1000万kW以上)で整備を加速し、2030年度を目指して北海道からの海底直流送電を整備する。分散型エネルギーシステムなど真の地産地消にも取り組むよう促す。また、再エネ導入に向けたイノベーションを加速するため、次世代太陽電池(ペロブスカイト)や浮体式洋上風力等の社会実装16、次世代蓄電池やスマートエネルギーマネジメントシステムの技術開発、再エネ分野におけるサプライチェーン構築や人材育成を進める。
    • 原子力の活用については、安全性の確保を大前提に、原子力規制委員会による審査に合格し、かつ、地元の理解を得た原子炉の再稼働を進める。また、原子力の安全性向上を目指し、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む。そして、地域の理解確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えの具体化を進めていく。あわせて、安全性向上等の取組に向けた必要な事業環境整備を進めるとともに、研究開発や人材育成、サプライチェーンの維持・強化に対する支援を拡充する。原子力規制委員会による厳格な審査を前提に、現行制度と同様に、「運転期間は40年、延長を認める期間は20年」との制限を設けた上で、一定の停止期間に限り、追加的な延長を認める。また、核燃料サイクルの推進、廃炉の着実かつ効率的な実現に向けた知見の共有や資金確保等の仕組みの整備や最終処分の実現に向けた国主導での国民理解の促進や自治体等への主体的な働き掛けの抜本強化を行う。
    • 改定「水素基本戦略」17に基づく対応を進め、既存燃料との価格差に着目した事業の予見性を高める支援や、需要拡大や産業集積を促す拠点整備支援を含む、規制・支援一体型での制度整備に需給両面で取り組み、2030年頃までの商用開始に向けて、水素コア技術を国内外で展開しつつ、水素・アンモニアの大規模かつ強靱なサプライチェーンの早期構築を目指す。自動車については、2030年代前半までの商用化を目指す合成燃料(e-fuel)の内燃機関への利用も見据え、2035年までに新車販売でいわゆる電動車(電気自動車、燃料電池自動車、プラグインハイブリッド自動車及びハイブリッド自動車)を100%とする目標等に向け、蓄電池の投資促進・技術開発等や、車両の購入、充電・充てんインフラの整備、中小サプライヤー等の業態転換を支援する。また、カーボンニュートラルポートの形成やゼロエミッション船の開発・導入、持続可能な航空燃料(SAF)等を含む船舶・航空・鉄道等の輸送分野やまちづくりGXを含むインフラの脱炭素化を更に進めるとともに、森林吸収源対策等21を加速する。カーボンリサイクル22やCCS23、地熱を含め、各分野においてGXに向けた研究開発や設備投資、需要創出の取組を推進する。
    • 今後10年間で150兆円超の官民GX投資の実現を目指し、GX推進法に基づくGX推進戦略を定め、今年度から発行する将来の財源の裏付けをもった「GX経済移行債」等を活用した大胆な先行投資支援を規制・制度措置と一体的に講ずるなど、「成長志向型カーボンプライシング構想」を速やかに実現・実行する。
    • 地域・くらしの脱炭素化に向けて、中小企業等の脱炭素経営や人材育成への支援を図りつつ、2025年度までに少なくとも100か所の脱炭素先行地域を選定するなどGXの社会実装を後押しする。また、新たな国民運動の全国展開等により、国民・消費者の行動変容・ライフスタイル変革を促し、脱炭素製品等の需要を喚起する25。サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向け、産官学連携のパートナーシップを活用しつつ、環境制約・資源制約の克服や経済安全保障の強化、経済成長、産業競争力の強化に取り組む。また、動静脈連携26による資源循環を加速し、中長期的にレジリエントな資源循環市場の創出を支援する制度を導入する。
    • GX投資を支えるファイナンスについて、日本をアジアにおけるGX投資のハブとすべく国際金融センター機能を強化する。グリーン・ファイナンスの拡大、トランジション・ファイナンスに対する国際的な理解醸成へ向けた取組の強化を図るとともに、公的資金と民間資金を組み合わせた金融手法(ブレンデッド・ファイナンス)を開発・確立する。加えて、TCFD28等に基づく開示の質と量の充実を含めたサステナブルファイナンス全体を推進するための環境整備を図る。
  • デジタルトランスフォーメーション(DX)、AIへの対応
    • デジタル化の恩恵が広く実感できるための取組を地方公共団体、民間事業者などと連携して進める。起業や補助金の申請手続など事業者向けの行政サービスがより容易にできるようにするためのGビズID、Jグランツ30等の利用拡大の促進、法人基本情報データベースの整備等を行う。デジタル臨時行政調査会が示したアナログ規制約1万条項の見直し工程表に沿って、2024年6月までを目途に、一括して規制を見直す。また、行政手続のデジタル完結、テクノロジーマップの整備・実装を進める。さらに、ベンダーロックインなどの課題を解消するため、政府の情報システム調達の見直しに向けた取組を進める。
    • 「サイバーセキュリティ戦略」に基づく取組などを進める。また、携帯電話市場における、公正な競争環境の整備を進め、料金の低廉化を図るとともに、通信障害など非常時における事業者間ローミングの実現等の必要な対応を行う。安全保障にも資する地理空間(G空間)情報の充実・高度活用や準天頂衛星等の更なる整備35及び衛星データの利活用を図る。デジタル空間の誤情報等への対応を行う。スマートフォンアプリ等の市場の競争環境確保に必要な法制度を検討する。
    • 分散型のデジタル社会の実現に向け、利用者保護等にも配慮しつつ、Web3.0に係るトークンの利活用やコンテンツ産業の活性化に係る環境整備、担い手やアイデアの裾野の拡大に必要な取組などを行う。
    • 我が国経済の持続的かつ健全な発展と国民の幸福な生活の実現に寄与するデジタル社会の形成に向け、デジタル庁を中心に、政府全体で、重点計画に基づき、デジタル3原則等を基本原則としつつ、行政のデジタル化を着実に推進する。
    • デジタル社会のパスポートとしてのマイナンバーカードについて、政府が一丸となって制度の安全と信頼の確保に努めるとともに、ほぼ全国民に行きわたりつつある状況を踏まえ、今後は官民様々な領域での利活用シーンの拡大など、マイナンバーカードの利便性・機能向上、円滑に取得できる環境整備に取り組む。
    • デジタル社会の実現において不可欠なデータ基盤強化を図るため、デジタル庁が関係府省庁と連携し、データの取扱いルールを含めたアーキテクチャを設計した上で、健康・医療・介護、教育、インフラ、防災、モビリティ分野等におけるデータ連携基盤の構築を進める。
    • マイナポータルの利便性向上に加えて、個人や法人の税務・社会保障を始めとする各種手続の負担軽減に向けた取組を進めるとともに、デジタル技術の導入により、社会保障給付に要する事務コストを効率化し、行政機関間の情報連携を推進する。
    • 自治体の基幹業務システムの統一・標準化に向けて、「地方公共団体情報システム標準化基本方針」に基づき、2025年度末までにガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへの移行の取組を推進する。住民・事業者目線に立ったワンストップのデジタル・ガバメントの実現には、デジタルの力を活用して国が地方を支えることが重要との考え方に基づき、共通的なデジタル基盤の活用やローカルルールの見直しなどにより、国・自治体を通じた行政サービスの見直しを進め、国民の利便性を高める。
    • また、総務省は、推進計画に基づき、デジタル人材の確保・育成やデジタル技術の活用、住民との接点(「フロント」)の改革44など、行財政の効率化等につながるデジタル化の取組を推進する。
    • CBDCについて、政府・日本銀行は、年内目途の有識者の議論の取りまとめ等を踏まえ、制度設計の大枠を整理し、発行の実現可能性や法制面の検討を進める。
    • AI戦略会議における「AIに関する暫定的な論点整理」も踏まえ、「広島AIプロセス」を始めとする国際的な議論をリードする。生成AIの開発・提供・利用を促進するためにも、言わばガードレールとして、AIの多様なリスクへの適切な対応を進めるとともに、AIの最適な利用や、計算資源・データの整備・拡充などAI開発力の強化を図る。
    • また、DFFTを具体化する国際枠組みを立ち上げ、関連プロジェクトを進める。
  • 外交・安全保障の強化
    • ロシアのウクライナ侵略など、国際秩序が重大な挑戦にさらされる歴史の転換期にあって、G7広島サミットの成果も踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の堅持のための外交を積極的に展開する137。G7が結束し、食料、保健など地球規模課題等への取組を進め、いわゆるグローバル・サウスへの関与を強化するとともに、対露制裁並びにウクライナ及び周辺国への強力な支援を推進する。「核兵器のない世界」に向け、「ヒロシマ・アクション・プラン」の着実な実施等を通じ、核を含む軍縮・不拡散に向けた国際的な取組を主導する。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、日米同盟を基軸に、米豪印や韓国を始め各国・地域との協力連携を進める。・特に我が国のアジア外交の中心に据え、長年の貢献により、相互信頼関係を築いてきたASEANとは特別首脳会議を機に将来のビジョンと幅広い協力を打ち出し、包括的かつ戦略的関係を深める。太平洋島しょ国とも太平洋・島サミットを通じ関係強化を図る。
    • 「開発協力大綱」142に基づいたODAの効果的・戦略的な活用を進めるとともに、OSAを戦略的に推進し、強化する。安保理改革を含む国連の機能強化、国際機関邦人職員の増強、国際裁判を含む国際法に基づく紛争解決、人権、WPS、人間の安全保障、親日派・知日派の育成等の課題に取り組む。北朝鮮との関係では、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す。
    • 合理化・効率化を図りつつ、外交の基盤となる人的体制の強化や財政基盤の整備、緊急時の邦人保護体制を含む在外公館の強靱化、領事サービスの向上、デジタル化・情報防護の強化など、実施体制を含む外交力の強化を図る。
    • 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対応すべく、「国家安全保障戦略」等に基づき、令和9年度までの5年間で防衛力を抜本的に強化する。その際、スタンド・オフ防衛能力、統合防空ミサイル防衛能力、無人アセット防衛能力、領域横断作戦能力、指揮統制・情報関連機能、機動展開能力・国民保護、持続性・強靱性の7つの柱を重視し、現有装備品を最大限有効に活用するため、可動状況の向上や弾薬・燃料の確保、主要な防衛施設の強靱化への投資を加速するとともに、将来の中核となる能力を強化する。
    • 日米同盟の抑止力と対処力を強化するとともに、同志国等との連携を強化する。
    • 装備品の安定的な調達を確保するため、防衛生産・技術基盤を国内において維持・強化する。防衛生産基盤強化法の着実な執行等により、力強く持続可能な防衛産業の構築、様々なリスクへの対処、防衛装備移転の推進を図るとともに、画期的な装備品等を他国に先駆けて実現する研究開発、民生の先端技術の積極的な活用に取り組む。
    • 優秀な人材の確保、生活・勤務環境の改善や処遇の向上等を通じて人的基盤を強化するほか、衛生機能を強化する。また、在日米軍再編及び基地対策の推進等を図る。
    • 防衛力のみならず、外交力・経済力を含む総合的な国力を活用するという考えの下、防衛力の抜本的強化を補完し、それと不可分一体のものとして、研究開発、公共インフラ整備、サイバー安全保障、我が国及び同志国の抑止力の向上等のための国際協力の4つの分野における取組を関係省庁の枠組みの下で推進し、総合的な防衛体制を強化する。
    • サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国並みに向上させるため、政府のサイバーセキュリティの強化を図るとともに、能動的サイバー防御の実施に向けた体制を整備する。偽情報対策等の情報戦対応を含めた情報収集・分析、対外発信に係る我が国の体制と能力を強化する。南西地域を含む住民の迅速な避難を実現すべく、様々な種類の避難施設の確保等を含め、国や地方公共団体等が協力して、住民を守るための取組を進めるなど、国民保護のための体制を強化する。
    • 「海洋基本計画」に基づき、海洋状況把握等による総合的な海洋の安全保障等の取組を推進するほか、「海上保安能力強化に関する方針」に基づき、巡視船等の増強、無操縦者航空機等の新技術の活用推進、警察・自衛隊、外国海上保安機関等との連携協力の強化、人材育成等を進める。「宇宙基本計画」に基づき、自衛隊等による宇宙利用を強化するなど、宇宙の安全保障に関する総合的な取組を強化する。
  • 経済安全保障政策の推進
    • 我が国の平和と安全や経済的な繁栄等の国益を経済面から確保する観点から、経済活動の自由との両立を図りつつ、我が国の自律性の向上、技術等に関する我が国の優位性、不可欠性の確保等に向けて必要な経済施策を総合的、効果的かつ集中的に講じていく。その際、同盟国・同志国等との連携を強化するとともに、各産業等が抱えるリスクを継続的に点検し、政府一体となって必要な取組を行う。
    • 経済安全保障推進法152の着実な実施と取組の更なる強化を行う。
    • 重要な物資のサプライチェーンについて不断の点検・評価を行った上で、把握された課題への対応を検討し、安定供給確保のために必要な措置を着実に講ずる。国民の生存や国民生活・経済活動にとって重要な物資の製造等を担う民間企業への資本強化を含めた支援の在り方について、更に検討を進める。
    • 先端的な重要技術の育成に向け、新たに支援対象とするべき技術を示し、官民の伴走支援の下で着実に研究開発を行いつつ、切れ目なく強力な支援を実現する。安全・安心に関するシンクタンクにおいて経済安全保障推進法に基づく調査研究を着実に実施すべく、本格的な設立準備を進め、政府における調査研究を充実させる。
    • 基幹インフラの事前審査制度及び特許出願の非公開制度の2024年春の円滑な施行に向け、必要な周知等を行うとともに、関係省庁における必要な体制を整備する。重要なインフラ分野については、同盟国・同志国等と協調しつつ、国際通信における自律性向上も含め、脆弱性解消に向けたインフラ強靱化に取り組む。
    • 主要国の情報保全の在り方や産業界等のニーズも踏まえ、セキュリティ・クリアランスを含む我が国の情報保全の強化に向けた法制度等の検討を更に深め、速やかに結論を得る。
    • データ・情報保護について、国際的な環境の変化等を踏まえ、関係省庁が緊密に連携しつつ、機微なデータや情報通信技術サービスの安全性・信頼性確保に関してとるべき措置を検討する。政府が扱う情報の機密性等に応じた方針に基づき情報システムの利用を進めるとともに、その方針における考え方について民間事業者等へも周知・広報を行っていくほか、必要なクラウドの技術開発等を支援しその成果を公共調達に反映する。
    • 外為法上の投資審査について、地方支分部局も含めた情報収集・分析・モニタリング等の強化を図るとともに、指定業種の在り方について、引き続き検討を行う。ロシアによるウクライナ侵略も踏まえ、新たな安全保障貿易管理の枠組みの検討も含めた先端技術を保有する民主主義国家による責任ある技術管理や、各種制裁の効果的な実施に引き続き取り組む。同盟国・同志国等と緊密に連携しつつ、外国からの経済的な威圧に対する効果的な取組の在り方を検討するとともに、取組を進める。研究インテグリティの確保や留学生・外国人研究者等の受入れの審査強化に引き続き取り組む。重要土地等調査法に基づき、区域指定を進め、調査等を実効的かつ着実に実施するとともに、法の執行状況や安全保障を巡る内外の情勢等を見極めた上で、更なる検討を進める。
    • 国家安全保障局を司令塔とした、内閣府(経済安全保障担当)等の関係省庁を含めた経済安全保障の推進体制を強化する。インテリジェンス能力を強化するため、情報の収集・分析等に必要な体制を整備する。経済安全保障を巡る情報の発信を始めとした地方公共団体を含む関係者との連携に取り組む。
  • エネルギー安全保障の強化
    • ロシアのウクライナ侵略によって国際的なエネルギー市場が混乱する中、我が国では、エネルギー価格の高騰や国内における電力やガスの需給ひっ迫の懸念など、エネルギー危機が危惧される緊迫した状況にある。安定的で安価なエネルギー供給は、国民生活、社会・経済活動の根幹であり、脱炭素化の取組とともに、エネルギー危機に耐え得る強靱なエネルギー需給構造に転換していく必要がある。
    • このため、化石エネルギーへの過度な依存からの脱却を目指し、需要サイドにおける徹底した省エネルギー、製造業の燃料転換などを進めるとともに、供給サイドにおいては、足元の危機を乗り切るためにも再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用する。また、電力需給ひっ迫を踏まえ、供給力の確保、電力ネットワークやシステムの整備などを図るとともに、脱炭素のエネルギー源を安定的に活用するためのサプライチェーン維持・強化、安全確保を大前提とした原子力の活用、厳正かつ効率的な審査を含む実効性ある原子力規制や、道路整備等による避難経路の確保等157を含む原子力防災体制の構築を進めていく。
    • 世界の資源・エネルギー情勢がより複雑かつ不透明となる中、資源の大部分を海外に依存する我が国においては、石油・天然ガス、金属鉱物資源の安定供給確保のため、国が前面に立って資源外交を行うほか、政府系機関を通じた支援強化の取組を進める。加えて、アジア各国と連携したLNGの確保などアジア全体でのエネルギーの安定供給を図るとともに158、同志国等との協調などを通じて重要鉱物の安定供給の確保159に取り組む。また、戦略的余剰LNGの構築やSS160事業者の経営力強化等を通じて、燃料供給体制を強化する。
    • また、レアメタル権益の確実な確保に向けた支援措置など安定供給体制の強化や、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、レアアース泥等の国産海洋資源の確保に取り組む。
  • 防災・減災、国土強靱化
    • 激甚化・頻発化する自然災害、インフラ老朽化等の国家の危機から国民の生命・財産・暮らしを守り、国家・社会の重要な機能を維持するため、「国土強靱化基本計画」に基づき、現下の資材価格の高騰等も踏まえ、必要・十分な予算を確保し、自助・共助・公助を適切に組み合わせ、女性・こども等の視点もいかしつつ、ハード・ソフト一体となった取組を強力に推進する。5か年加速化対策185等の取組を推進し、災害に屈しない国土づくりを進める。
    • これまでの着実な取組によって大規模な被害が抑制されているところ、中長期的かつ明確な見通しの下、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが重要であり、5か年加速化対策後の国土強靱化の着実な推進に向け、必要な検討を行う。
    • 今夏を目途に策定する新たな「国土強靱化基本計画」について、デジタル田園都市国家構想や新たな「国土形成計画」と一体として取組を一層強化する。将来の気候変動の影響を踏まえた流域治水186、インフラ老朽化対策の加速化等187の「国民の生命と財産を守る防災インフラの整備・管理」、災害に強い交通ネットワークの構築等188の「経済発展の基盤となる交通・通信・エネルギーなどライフラインの強靱化」、サプライチェーンの強靱化や、船舶活用医療の推進、医療コンテナの活用等による医療の継続性確保等の「災害時における事業継続性確保をはじめとした官民連携強化」に加え、次期静止気象衛星等の活用による防災気象情報等の高度化189や消防防災分野のDX、防災デジタルプラットフォームの構築、住民支援のためのアプリ開発促進等の防災DXの推進による「デジタル等新技術の活用による国土強靱化施策の高度化」、災害ケースマネジメント192の促進、災害中間支援組織を含む被災者支援の担い手確保・育成、地域の貴重な文化財を守る防災対策、消防団への幅広い住民の入団促進等による消防防災力の拡充・強化等、多様性・公平性・包摂性を意識した「地域における防災力の一層の強化」を新たな施策の柱とし、国土強靱化にデジタルと地域力を最大限いかす。
    • 火山災害対策を一層強化するため、火山調査研究推進本部の体制整備、専門的な知識や技術を有する人材の育成と継続的な確保等を行う
  • 国民生活の安全・安心
    • 良好な治安確保のため、関係府省庁間で連携し、テロの未然防止、インテリジェンス機能の強化を含むサイバーセキュリティ対策、有事に備えた国民保護施策、マネロン・テロ資金供与・拡散金融対策等を推進する。
    • 高齢運転者等の事故防止や自動車事故による被害者の支援、海上保安庁の救助・救急体制の強化、関係省庁や関係事業者と連携した特殊詐欺等への対策に向けた取組を推進する。
    • 「第二次再犯防止推進計画」198に基づく施策の推進、国内外の予防司法支援機能や総合法律支援の充実・強化、司法分野・司法試験のデジタル化の推進、インターネット上の人権侵害への対策の強化、安全・安心な社会を支える人的基盤の整備に向けた法曹人材の確保及び法教育の推進を図るとともに、基本計画及び「犯罪被害者等施策の一層の推進について」に基づき、犯罪被害者等施策を強化する。また、性犯罪・性暴力対策に取り組む。さらに、G7・ASEAN等と連携しつつ、司法外交を外交一元化の下で推進し、法制度整備支援、国際仲裁の活性化及び国際法務人材の育成等に取り組む。
    • こども用製品等の事故防止、消費生活相談のサービス向上への体制再構築、食品衛生基準行政の機能強化、悪質商法被害防止のための消費者教育、食品表示基準の国際基準への整合化を推進するとともに、食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージを年末までに策定する。
    • 花粉症という社会問題の解決に向けて、「花粉症対策の全体像」206に基づき、約30年後の花粉発生量の半減を目指した発生源対策、飛散対策、発症・曝露対策等に政府一体となって取り組む。
    • 改正法207に基づき、熱中症特別警戒情報の活用や指定暑熱避難施設の指定の働き掛けなど、熱中症対策を強化する。
    • 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に変更されたことに伴い、医療体制、公費支援など様々な政策・措置の段階的な移行を進めるとともに、基本的な感染対策を推進しつつ、重層的な流行状況の把握体制を確保するなど、必要な対策等を講じていく。また、罹患後症状(いわゆる後遺症)やワクチンの副反応についての実態把握に資する調査・研究等を進める。
    • 次なる感染症危機への対応に万全を期すため、内閣感染症危機管理統括庁を今秋に設置し、感染症危機管理の司令塔機能を強化するとともに、これまでの新型コロナウイルス感染症への対応の検証を踏まえて政府行動計画を見直す。国立健康危機管理研究機構を2025年度以降に創設し、質の高い科学的知見を迅速に提供する。また、医療措置協定締結の推進、保健所や地方衛生研究所等の体制強化、臨床研究の基盤整備、人材育成や災害派遣医療チーム(DMAT)の対応力強化等に取り組む。

~NEW~
内閣府 総合科学技術・イノベーション会議(第69回)議事次第
▼資料1-1 統合イノベーション戦略2023(案)(概要)
  • 科学技術・イノベーションは、我が国の成長戦略の柱。社会課題を成長のエンジンへ転換し、持続的な経済成長を実現する原動力。同時に、感染症などから安全・安心を確保する観点からも国家の生命線。ウクライナ情勢の長期化による影響拡大を背景に、科学技術・イノベーションへの期待は新たなフェーズへ
  • 我が国を取り巻く国際環境が厳しさを増す中、科学技術・イノベーションを要として、官民が連携・協力した国家的重要課題への戦略的な対応が一層重要
  • 第6期基本計画の下での3年目の年次戦略として、実効性のある政策を強力に推進するとともに、進捗を踏まえた取組強化や情勢変化への機動的な対応が必要
  • 現状認識
    1. 国内外における情勢変化
      • ロシアによるウクライナ侵略の長期化(エネルギー・食料含め国際環境の厳しさ増大、サプライチェーンの重要性拡大など)
      • ポストコロナの新たな国際連携構築の加速
      • 先端技術の急加速(生成AI、フュージョンエネルギー(核融合)など)
      • 国家間競争の激化(投資拡大と人材獲得競争)
    2. 科学技術・イノベーション政策への期待・要請
      • 総合的な国力を裏付ける手段としての重要性の高まり(国際社会での存在感と貢献度の拡大や安全保障環境の改善)
      • 国際社会の厳しさを踏まえた同志国連携と頭脳循環形成
      • 我が国の研究力の相対的な低下を打開する、新規ファンディングの駆使と、情勢変化に対応する産学官の英知の結集
  • 政権のアジェンダ
    • 新しい資本主義の実現
      • 「人」、「科学技術・イノベーション」、「スタートアップ」等の重点投資分野、エネルギーや食料を含めた経済安全保障強化
    • 新たな国家安全保障戦略の策定
      • 先端技術の急加速とマルチユースな性質を背景として、「技術力の適切な活用は安全保障環境の改善に重要な役割を果たす」との位置付け
    • これらアジェンダとも軌を一にする、「総合知による社会変革」と「知・人への投資」の好循環と、Society5.0の実現
  • 高度な生成AI、量子をはじめとする先端科学技術が切り拓く、我が国が目指す社会(Society5.0)の実現に向けて、我が国の産学官の力を結集できるよう、実現プロセスの更なる具体化と、情勢変化に機動的に対応しうる新たな連携の形成が不可欠
  • 科学技術・イノベーション政策の3つの基軸
    • 大学改革が築く知の基盤や、イノベーションの担い手スタートアップ、価値創造の原動力となる人材を強化、英知を結集し、先端科学技術を要に国際社会での存在感と貢献を拡大
      1. 先端科学技術の戦略的な推進
        • 生成AIを契機とした対応強化、量子、フュージョンエネルギーの戦略強化やシンクタンクの起動により、戦略的な実現プロセスを描き、Kプログラム、SIP第3期、ムーンショットの推進により、経済安全保障強化や社会実装を加速
        • 国家的重要課題に官民で連携して対応し、反転攻勢を本格化
        • 国家安全保障戦略を踏まえたマルチユース先端技術の貢献
          1. 重要技術の国家戦略の推進と国家的重要課題への対応
            • AIのリスクへの対応と最適利用の促進・開発力強化、量子、フュージョンエネルギー新戦略に基づく戦略的な研究開発や社会実装の推進、農業・食料イノベーションの強化、e-CSTIの分析機能の強化
            • 社会のデジタル化、グリーン、半導体、バイオ、マテリアル、健康・医療、宇宙、海洋、Beyond5Gなどの国家的重要課題に官民が力を合わせて対応
          2. 安全・安心の確保に向けた先端科学技術の貢献拡大
            • Kプログラムによる強力な支援、シンクタンク設立準備の本格化
            • 先端技術の研究開発成果の安全保障分野での活用強化
            • 適切な技術流出対策の推進
          3. 社会課題解決を加速する研究開発・社会実装の強化
            • SIP第3期の始動とBRIDGEの一体的運用(Society5.0への橋渡し)、ムーンショットの充実、国際標準化戦略の強化、総合知活用
            • 術の優位性・不可欠性も念頭に、我が国の未来を支える技術を育て社会実装に繋げる。
      2. 知の基盤(研究力)と人材育成の強化
        • 大学ファンドと地域中核・特色ある研究大学振興の両輪で機能強化を図り、基礎研究・学術研究を振興し、多様な知の基盤を構築
        • 分野にとらわれず、創造的な研究をリードする若手、女性などの多様な人材の育成や教育の強化と活躍のキャリアパス拡大
        • G7を契機として、パートナー国との連携強化や国際頭脳循環の形成、学術ジャーナル問題への対応強化を推進
          1. 大学ファンド/地域中核大学等の振興による研究基盤の強化と大学改革
            • 大学ファンドの助成開始に向けた国際卓越研究大学の認定実施
            • 地域中核大学等の総合振興パッケージの改定を踏まえ拡充した事業の開始
            • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想の実現
          2. 創造的で多様な人材の育成/教育の充実と活躍促進
            • 博士課程学生を含む若手支援と活躍のキャリアパス拡大
            • 研究時間確保など研究環境改善の取組促進
            • 探究・STEAM教育の強化、理数系ジェンダーギャップ解消、リカレント教育の充実、成長分野への大学・高専の学部再編等の支援
          3. 価値観を共有する同志国やパートナー国との連携
            • G7会合を契機とした戦略的な科学技術外交の推進
            • 学術ジャーナル問題への対応強化などオープンサイエンスの推進、研究DXプラットフォームの構築、研究セキュリティ・インテグリティ確保の協力、広島AIプロセスへの貢献
            • 国際頭脳循環の加速、戦略的な国際共同研究の強化、ASEAN連携
            • 国際頭脳循環を形成し、科学技術・イノベーションと価値創造の源泉を創出する
      3. イノベーション・エコシステムの形成
        • イノベーションの担い手として、我が国が強みを持つディープテックをはじめとするスタートアップを「スタートアップ育成5か年計画」に基づき政府一体で徹底支援
        • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想や拠点都市の推進により、スタートアップが次々と生まれ成長するエコシステム形成を強化
  • 政策ツールを総動員して成長志向の資金循環形成を促進し、官民の研究開発投資の拡大
    • スタートアップの徹底支援(スタートアップ育成5か年計画の推進)
      • 先端技術分野の実証支援をはじめSBIR制度による強力な支援
      • スタートアップ育成のための政府調達の活用
      • アントレプレナーシップ教育など起業家育成
    • 都市や地方,大学,スタートアップの連携強化
      • グローバル・スタートアップ・キャンパス構想実現に向けた本格始動、拠点都市を中心としたグローバル展開の加速
    • 成長志向の資金循環形成と研究開発投資の拡大
    • デジタル田園都市国家構想の加速
      • スマートシティサービスの幅広い活用促進、ロードマップ策定
      • 大学を核とした産学官連携やオープンイノベーションの促進
    • スタートアップを前面に押し出し、科学技術・イノベーションの恩恵を国民や社会に届ける

~NEW~
消費者庁 第3回取引デジタルプラットフォーム官民協議会(2023年6月9日)
▼資料1 事務局説明資料
  • 取引DPF提供者の努力義務に関する指針 望ましい取組みの例
    • ストアが自社の出店ページを編集するシステムにおいて、問合せ先住所、メールアドレス、電話番号、運営事業者、営業日及び営業時間を明記するシステム制御を導入している。(物販系DPF)
    • 利用者が販売業者等に必要に応じてコンタクトすることができるようにサイト上で連絡をとりたい販売業者名をクリック後、“質問する”ボタンをワンクリックするだけで簡単にメッセージが送れる仕組みを構築している。これにより、利用者は販売業者等に自身のメールアドレスを開示することなく、商品情報や返品ポリシーの問合せが可能である。(物販系DPF)
    • 販売業者等の連絡手段及び連絡先が機能しているかを確認するためのパトロールを定期的に実施するとともに、消費者からの情報受付窓口を設置してウェブサイト経由での問合せによって情報収集している。(役務提供系DPF)
    • 消費者からの連絡に正当な理由なく返信しない販売業者等がいる場合には、DPFから販売業者等に回答を促している。回答を促しているにもかかわらず、販売業者等が応じない場合には、DPFから関係者へのヒアリング、内容証明の送付を行っている。さらに、消費者から販売業者等に連絡が付かないという問合せがあった場合の内部的な標準処理期間は2~3日以内に対応できるようにしている。(クラウドファンディング系DPF)
    • 消費者からの苦情の申出の受付はヘルプページでリンク先を案内している。また申出を受け付けた旨及び受付への対応について回答している。苦情の申出の受付は購入後に限定せず、疑義情報の通報等の購入前も受け付けている(物販系DPF)
    • リスクの高い商品等について必要な関係者にスムーズに照会できる仕組みを整えている。権利侵害品については関係団体を通じて各権利者に照会している。また、製品安全、薬機法関連など各行政機関にコネクションを持ち、担当者から速やかに確認を実施できるフローを構築している。(オークション・フリマDPF)
    • 不適正な表示が行われた場合には比例的な制裁を行っている。また、販売業者等による表示の違反の状況を蓄積し、利用規約等の改定、販売業者等への注意喚起といった予防措置の改善に活用している。(予約サービスDPF)
    • 販売禁止対象商品・禁止行為を専用ページで周知し、更にヘルプページでも案内している。特に消費者の生命・身体に危険が及ぶような商品については、安全リスクや関係法令に基づき一部商品の事前審査を行うとともに、機械学習等の最先端ツールの活用、利用者からの申告、行政機関との連携を通じ、専門調査チームが365日継続的にモニタリングをし、不正行為を取り締まっている。また、行政機関等のリコール情報に基づき、過去に注文された商品がリコールの対象の可能性がある利用者向けにリコール情報を配信している(物販系DPF)
    • ストアアカウントを開設する場合には、販売業者等の特定に資する情報及び公的書類の提出を必須として求めている。販売業者等の基本情報(販売業者等の氏名・名称、代表者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、事業内容)以外に求めている公的書類としては、法人の場合は法人番号・登記事項証明書、個人事業主の場合は写真付きの身分証明書(パスポート、運転免許証等)・住民票・事業証明書等である。また、販売業者等の氏名・名称が登録された銀行口座の名義と一致しているかについては、アカウントの登録時等に確認している。取扱予定商材の種類等に応じて、必要な営業許可・資格等(古物取扱、酒類・医薬品販売等)の公的書類の提出を求めている。さらに、取引の過程で登録情報と異なる情報に接したときは、再度本人確認書類の提出を求めるほか、必要に応じて内容証明郵便を送付の上、疎通確認を実施している。(オークション・フリマDPF)

~NEW~
消費者庁 「令和5年度消費生活意識調査(第1回)」の結果について
  • 「クーリング・オフ」制度について、「制度の名称と内容を知っている」と回答した人の割合は60.3%、「名称のみ知っている」と回答した人の割合は28.5%であり、「クーリング・オフ」制度の名称の認知度は約9割に上る。
  • 他方で、「クーリング・オフ」制度について、消費者の理解度には課題があった。例えば、「クーリング・オフ」制度の「名称と内容を知っている」と回答した人の中で、「クーリング・オフ」制度の対象ではない「通信販売での買い物」について誤った選択肢の「できる」と回答した人は82.4%に上った。
  • 「クーリング・オフ」制度の名称について認知している回答者に対し、その認知経路について聞いたところ、「ニュースや報道」と回答した人の割合が最も高く、51.5%であった。
  • 年代別にみると、30歳代以上では、すべての年代において「ニュースや報道」と回答した人の割合が最も高く、10歳代及び20歳代においても、「学校・勤務先」に次いで、2番目に回答した人の割合が高かった。
  • 一方的に商品を送り付けられた際の対応について、正しい選択肢を回答した人(16.6%)に対し、その認知経路について聞いたところ、「ニュースや報道」と回答した人の割合が最も高く、51.6%であった。
  • 詐欺的な定期購入商法にあった際の対応について、正しい選択肢を回答した人(33.4%)に対し、その認知経路を聞いたところ、「ニュースや報道」と回答した人の割合が最も高く、41.1%であった

~NEW~
国民生活センター 20歳代が狙われている!?遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる副業や投資の勧誘に注意
  • 副業や投資に関する情報商材のトラブルに関する相談が依然として寄せられています。特に20歳代の若者の場合、支払いのために借金をさせられるケースが多くみられますが、最近の相談事例をみると、副業や投資に関する情報商材を購入後、高額なサポート契約を勧誘され、「お金がない」と断った消費者に対して遠隔操作アプリを悪用して借金をさせる手口が目立っています。
  • そこで、消費者トラブル防止のために相談事例を紹介し、消費者への注意喚起を行います。
  • 遠隔操作アプリとは
    • 自分のスマートフォンやパソコンに遠隔地の第三者が接続して、両者が画面を共有しながら遠隔操作を行うアプリのことを指します。例として、パソコンメーカーや通信事業者がユーザーサポートを行う場面などで利用されます。遠隔操作される端末によっては、遠隔操作はできず、画面共有のみにとどまる場合があります。本トラブルでは、消費者の端末が事業者に画面共有された状態で事業者から指示され借金をさせられるケースが多くみられます。
  • 相談事例
    • 副業の高額サポート契約を勧誘され、お金がないと断ると、遠隔操作アプリを通して借金の仕方を指南された
      • 動画投稿サイトで広告を見て、副業サイトにアクセスし、無料通話アプリで友達登録した。「情報商材の購入が必要」というので、約2,000円の情報商材を購入すると、後日、事業者から電話があり「詳細を説明するので予約をするように」と案内された。約束した日に事業者から電話で「アフィリエイトや動画配信サービスの仲介ビジネスでもうかる方法を教える。手っ取り早くもうかる約200万円のサポートプランがあなたに合っている」と勧められた。「お金がない」と断ると、「貸金業者で借金する方法を教えるのでスマートフォンに遠隔操作アプリを入れるように」と案内され指示に従った。電話で事業者から言われるままスマートフォンの操作を行い、勤務先について嘘の申告をするように指示され、2社の貸金業者から50万円ずつ合計100万円を借金し、指定された個人名義の口座に振り込んだ。「残金は別の貸金業者で借金するように」と言われたが、借金の返済が苦しいので返金してほしい。(2022年12月受付 20歳代 女性)
    • その他、以下のような相談も寄せられています
      • 遠隔操作アプリで画面共有をしながらFXの自動売買ツールのプランの勧誘を受け、そのまま借金の申請も誘導された。
      • 副業のサポートプランを勧誘され、遠隔操作アプリを用いて複数の貸金業者に借金するよう指示された。
  • 消費者へのアドバイス
    1. 「簡単に稼げる」「もうかる」ことを強調する広告をうのみにしないようにしましょう「借金」してまで契約しないようにしましょう
      • 相談事例を見ると、「稼ぐためのサポートをする」などと言われて、広告にはなかった高額なサポート契約を勧誘されるケースが目立ちます。その際に、「簡単に稼げる」「もうかる」「借金してもすぐに元が取れる」などと言われることがありますが、簡単に稼げるようなうまい話はありません。また、借金をすぐ返せる保証は一切ないほか、事業者に解約や返金を求めても突然連絡が取れなくなり、トラブルの解決が困難になる恐れもあります。勧誘トークをうのみにせず、冷静によく考えましょう。
    2. 遠隔操作アプリは安易にインストールしないようにしましょう
      • 事業者から「副業や投資の説明のために必要」「借金する方法を教える」などと言われ、遠隔操作アプリをインストールするよう指示されますが、遠隔操作によって自分が望まない操作をされる恐れがありますので、遠隔操作アプリを安易にインストールするのは避けましょう。
    3. 遠隔操作等で貸金業者サイトに登録してしまったら、IDやパスワードを変更するなど悪用されないための対策をとりましょう
      • 遠隔操作アプリを利用した状態で貸金業者サイトに登録した場合、IDやパスワードが事業者にも知られてしまっている恐れがありますので、すぐにパスワードを変更しましょう。また、事業者によってIDやパスワードを勝手に変更されてしまう恐れもありますので、その場合は、事業者ではなく、すぐに登録した貸金業者に連絡を取り事情を伝え、悪用されないようにしましょう。
      • なお、知られてしまった個人情報を悪用される恐れもありますので、信用情報機関の本人申告制度の利用も検討しましょう。また、自分宛てに身に覚えのない請求が来ていないか、適宜確認するようにしましょう。
    4. 不安に思った場合やトラブルに遭った場合は、消費生活センター等に相談しましょう
      • 不安に思った場合やトラブルに遭った場合には、一人で悩まず、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。
      • *消費者ホットライン「188(いやや!)」番
        • 最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です。

~NEW~
国民生活センター 古い扇風機から発火!
  • 内容
    • 15年以上前に購入した扇風機を久しぶりに数時間使い続けたところ、羽根の付け根部分から火が出た。食卓テーブルの上に置いていたものが燃え、消火器で火を消したが、テーブルクロスに小さな焼け焦げができた。(当事者:90歳代)
  • ひとこと助言
    • 家電製品は、長期使用に伴い部品や材料に劣化が生じ事故が起きることがあります。事故の予兆としては、過度な発熱、異常な音や振動、異臭、スイッチを入れても正常に作動しない等があります。こうした場合は、すぐに電源プラグをコンセントから外して、使用を控えるか、製造事業者等に相談しましょう。
    • 製造年、標準使用期間などを確認しましょう。標準使用期間とは、一般的な使用条件の下で使用した場合に安全に使用することができる期間です。ただし、使用頻度や使用環境によっては、期間内であっても経年劣化に起因する事故が発生する可能性がありますので注意しましょう。
    • 製造から長期間経過した扇風機は、使用しないときは電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。そのまま放置していて出火に至った例もあります。

~NEW~
厚生労働省 障害者のテレワーク雇用を推進する企業向け相談窓口を開設しました
  • 厚生労働省は、ICTを活用した障害者のテレワーク雇用を推進するため、個別具体的な課題の解決に向けたサポートを行う企業向け相談窓口を開設しました。
  • テレワークは、障害者の多様な働き方のひとつであり、自宅でも働くことができる機会として大きな可能性があるとともに、企業の方にとっても、全国から優秀な人材を確保することができるというメリットがあります。こうしたことを踏まえ、これまで、支援機関や企業での事例の紹介等を行う全国フォーラム、障害者雇用におけるテレワークの導入に向けた手順等について説明する企業向けガイダンス、個別企業の課題に応じたコンサルティング等を実施しました。
  • 令和5年度においては、障害者をテレワークで雇用することを検討している企業等を対象に、より気軽にご相談できる窓口を開設しました。情報収集中である、相談事項が明確になっていないといった状況であっても、経験豊富な専門アドバイザーが、他社事例の紹介や課題整理に向けた支援等を行い、受け入れ前から採用、その後の定着まで各段階においてサポートします。
  • 企業向け相談窓口の詳細及びお申し込み先については、「障害者のテレワーク雇用を推進する企業向け相談窓口リーフレット」及びホームページ(https://www.mhlw-telework.com/)をご参照ください。

~NEW~
厚生労働省 令和5年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始します~募集期間は6月6日~7月31日、テレワーク推進企業などを厚生労働大臣が表彰~
  • 厚生労働省では、このたび、令和5年度の「輝くテレワーク賞」※の募集を開始します。※「輝くテレワーク賞」は「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰」の通称
  • 「輝くテレワーク賞」とは、テレワークの活用によって、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業や団体を厚生労働大臣が表彰するものです。
  • テレワークは、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方であり、子育てや介護と仕事の両立など、ワーク・ライフ・バランスの向上に役立つほか、業務効率化による生産性の向上や人材の確保につながるなど、労使双方にメリットがある働き方です。
  • 今年度の「輝くテレワーク賞」の募集期間は、6月6日(火)から7月31日(月)までです。審査結果は10月中に特設サイトなどで発表し、11月27日(月)に開催予定の表彰式にて表彰を行います。
  • 輝くテレワーク賞 概要
    • 表彰の対象と種類
      • テレワークの活用によって、労働者のワーク・ライフ・バランスの実現を図るとともに、他社の模範となる取組を行っている企業・団体を対象とする。
        • 厚生労働大臣賞「優秀賞」
          • 対象となる企業のうち、その取組が総合的に優れていると認められる者を表彰
        • 厚生労働大臣賞「特別奨励賞」
          • 対象となる企業のうち、その取組が優れていると認められる者を表彰
    • 募集期間
      • 令和5年6月6日(火)~7月31日(月)(応募締切:7月31日(月)必着)
    • 応募方法
      • 専用ホームページにおいて募集要項をご確認のうえ、応募フォームに必要事項を入力し、応募してください。
▼「輝くテレワーク賞」特設サイト
  • 審査
    • テレワークに関して知見を有する学識者などから構成される審査委員会で審査を行います。
    • 審査の過程で、不明点についてお尋ねすることや、追加の補足資料などの提供をお願いする場合があります。あらかじめご了承ください。
  • 審査結果の発表
    • 審査結果は、10月中に公表を行い、応募者へお知らせします。
    • 11月27日に開催予定の表彰式(千代田区)にて、受賞者を表彰します。

~NEW~
経済産業省 「令和4年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2023)が閣議決定されました
▼令和4年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2023)概要
  • エネルギー政策を進める上での原点~原子力災害からの福島復興~
    • 2022年6月以降、葛尾村・大熊町・双葉町・浪江町・富岡町・飯舘村の特定復興再生拠点区域の避難指示を解除。特に双葉町では震災後、初の住民帰還が可能となった。
    • 2023年1月、ALPS処理水の具体的な海洋放出時期を「本年春から夏頃を見込む」と示した(関係閣僚等会議)。
    • 水中ロボットを活用した1号機の原子炉格納容器内の調査が進展。
    • ALPS処理水の処分に向けた取組
      • 2023年1月の関係閣僚等会議において、ALPS処理水の具体的な海洋放出時期を「本年春から夏頃を見込む」と示した。
      • ALPS処理水の安全性について、国際原子力機関(IAEA)によるレビューを受け、その内容や結果を発信。また、テレビCMやWEB広告、新聞広告、SNS等を活用した広報等を実施。
      • 風評影響が生じた場合の備えとして水産物の需要対策のための基金に加え、海洋放出に伴う影響を乗り越えるため、漁業者の事業継続のための基金を措置
    • 燃料デブリの取り出しに向けた取組
      • 燃料デブリの取り出しに向け、1号機の原子炉格納容器底部の堆積物の分布等を把握するため水中ロボットを投入し、内部調査を実施。
      • ペデスタル内外に堆積物、ペデスタル開口部及び内部の壁面下部のコンクリート損傷、鉄筋の露出を確認。内部調査の結果を踏まえ、東京電力はペデスタルの耐震性評価等を行う予定。
    • 事故後12年が経ち、福島の復興は一歩一歩進展するも、まだ多くの課題が残されている。
    • 改めて二度とあのような悲惨な事態を引き起こしてはならないことを再確認する必要。
    • 事故への反省と教訓を一時も忘れず、最後まで、福島第一原発の廃炉と福島の復興に全力を挙げる。
  • ロシアによるウクライナ侵略がもたらしたエネルギー危機
    • EUやG7を中心にロシア産エネルギーからの脱却を目指す中、天然ガスをはじめエネルギーをロシアに依存していた欧州には「代替エネルギーの確保」という喫緊の課題が発生。
    • 欧州では省エネや石炭火力・原子力の活用等を進めつつ、LNG輸入を急速に拡大して対応。
  • 世界的な「LNG争奪戦」とその影響
    • 欧州のLNG輸入増加の影響で、LNGの需給ひっ迫・価格高騰が発生。アジアでは輸入を減らした国も。
    • 従来、中国経済に連動していたアジアLNG価格が欧州ガス価格と連動。一部のアジアの国では計画停電を実施。
    • 経済制裁の長期化に伴い、さらに高まるLNG需要に対し、LNG生産能力はすぐに追いつけない見通し。LNG需給は2025年頃にかけてさらにひっ迫、世界的な「LNG争奪戦」は短期間では終わらない様相に。
  • 世界的なエネルギーの価格高騰と各国における影響
    • ドイツでは、天然ガスの輸入物価が一時10倍近くまで急騰。日本においても約2倍に上昇(2020年1月比)。(日本はLNGの多くを長期契約・油価連動で調達しており、欧州と比べて上昇幅が小さい)
    • 各国同様、日本も電気料金等が高騰。オイルショック以来のエネルギー危機が危惧される緊迫した事態に直面。(LNGの輸入物価に加え、電気料金の燃料費調整制度等の影響で、日本は欧州と比べて上昇幅が小さい)
  • G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合での天然ガス・LNGに関する議論
    • 2023年4月に国際エネルギー機関(IEA)から発表されたレポートによると、各国のCN目標等を織り込んだ野心的なシナリオ(APS)においても、既存ガス田の減衰等を要因に、追加の天然ガスの上流投資が必要であることが明示された。
    • また、同月の「G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合」の閣僚声明でも、天然ガス・LNGの必要性が示された。具体的には、
    • 世界的な資源確保競争が激化したことによるエネルギー危機が環境・経済・社会的に悪影響を及ぼしている等、さらにガス需要の増加が見込まれるアジアを中心とするグローバルサウスにも配慮した合意文となった。
    • その上で、「ガス部門への投資」が「危機により引き起こされる将来的なガス市場の不足に対応するため適切でありうる」とされた。
    • さらに、ガス生産国と消費国の間の対話を通じて、より長期的な展望を考慮しながら、ガスセキュリティにおけるIEAの機能と役割が、さらに強化されることを期待する、とされた。
  • 日本におけるエネルギー価格高騰と対応
    • 日本では、電気・都市ガス・ガソリン等の価格上昇の影響を受ける家庭・企業等を、国が支援。
    • 電気・都市ガス:電気は月2,800円※の値引き、都市ガスは月900円※の値引き(2023年1月使用分より)。
    • ガソリン:1リットル170円程度に抑制(補助がなければ1リットル200円超の時期も)
  • 世界の動向と日本の「GX実現に向けた基本方針」
    • 欧米を中心に、排出削減と経済成長を実現するGXに向けた投資競争が激化。⇒再エネ・原子力・水素・EV等の導入加速に向け、こうした脱炭素分野への投資を国家を挙げて支援。
    • 日本でも、エネルギー安定供給の確保・産業競争力の強化・脱炭素の同時実現に向け、今後10年を見据えた取組方針を取りまとめた「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定。
  • 「GX実現に向けた基本方針」の概要
    1. エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組
      1. 徹底した省エネの推進
        • 複数年の投資計画に対応できる省エネ補助金の創設
        • 省エネ効果の高い断熱窓への改修等、住宅省エネ化への支援強化
      2. 再エネの主力電源化
        • 次世代太陽電池(ペロブスカイト)や浮体式洋上風力の社会実装化
      3. 原子力の活用
        • 安全性の確保を大前提に、廃炉を決定した原発の敷地内での次世代革新炉への建て替えを具体化
        • 厳格な安全審査を前提に、40年+20年の運転期間制限を設けた上で、一定の停止期間に限り運転期間のカウントから除外を認める
      4. その他の重要事項
        • 水素・アンモニアと既存燃料との価格差に着目した支援
        • カーボンリサイクル燃料(メタネーション、SAF、合成燃料等)、蓄電池等の各分野において、GXに向けた研究開発・設備投資・需要創出等の取組を推進
    2. 「成長志向型カーボンプライシング構想」等の実現・実行
      1. GX経済移行債を活用した、今後10年間で20兆円規模の先行投資支援
      2. 成長志向型カーボンプライシングによるGX投資インセンティブ
      3. 新たな金融手法の活用
        • 今後10年間で150兆円を超えるGX投資を官民協調で実現・実行
      4. 国際展開戦略
        • クリーン市場の形成やイノベーション協力を主導
        • 「アジア・ゼロエミッション共同体」(AZEC)構想を実現
      5. 公正な移行などの社会全体のGXの推進
        • 成長分野等への労働移動の円滑化支援
        • 地域・くらしの脱炭素化を実現
      6. 中堅・中小企業のGXの推進
        • サプライチェーン全体でのGXの取組を推進

~NEW~
経済産業省 「企業買収における行動指針(案)」に係るパブリックコメントの受付を開始しました
  • 背景・趣旨
    • 経済産業省は、公正なM&A市場における市場機能の健全な発揮により、経済社会にとって望ましい買収が生じやすくすることを目指し、買収を巡る両当事者や資本市場関係者にとっての予見可能性の向上やベストプラクティスの提示に向けた検討を進めるべく、2022年11月に「公正な買収の在り方に関する研究会」(座長:神田秀樹学習院大学大学院法務研究科教授)を立ち上げました。同研究会では、諸外国における法制度や実務、国内外の関係者から提供された意見等も踏まえつつ、日本におけるM&Aを健全な形で更に発展させていく観点から、買収に関する当事者の行動の在り方等について検討を行ってきました。
    • 経済産業省は、同研究会における議論等を踏まえて、日本の経済社会において共有されるべきM&Aに関する公正なルールとして、「企業買収における行動指針」を新たに策定する予定です。
    • つきましては、同研究会において取りまとめられた本指針(案)について、広く国内外の皆様から御意見をいただきたく、以下の要領で意見の募集をいたします。
▼「企業買収における行動指針(案)」
  • 3つの原則
    • 本指針では、上場会社の経営支配権を取得する買収一般において尊重されるべき原則として、以下の3つを提示する。
      • 第1原則:企業価値・株主共同の利益の原則
        • 望ましい買収か否かは、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、又は向上させるかを基準に判断されるべきである。
      • 第2原則:株主意思の原則
        • 会社の経営支配権に関わる事項については、株主の合理的な意思に依拠すべきである。
      • 第3原則:透明性の原則
        • 株主の判断のために有益な情報が、買収者と対象会社から適切かつ積極的に提供されるべきである。そのために、買収者と対象会社は、買収に関連する法令の遵守等を通じ、買収に関する透明性を確保すべきである。
  • 基本的視点
    • 望ましい買収
      • 買収によるシナジーの実現や、非効率な経営の改善などは、企業価値を本源的価値に近付け、又は本源的価値を高めるための、経営にとっての一つの重要な手段である。
      • 通常、買収は、現在の株価(現在の経営陣が経営し続けることを前提として市場が見通している株式の価値)に現れている水準よりも企業の価値を大きく向上させることに買収者が自信を持っている場合に行われるものである。買収が成立した場合には、買収者は自らの経営戦略の実行により向上した企業価値が買収対価を上回る部分を享受でき、他方で株主は、買収対価が足元の株価を上回る部分(いわゆるプレミアム)を享受できる。
      • このように、買収取引の実施について買収者や対象会社、株主には動機があり、これらの者が合理的に行動し買収取引が活発に行われることを通じて、シナジーによる価値向上や、経営の効率の改善を促すことが期待される。加えて、買収の可能性があることは、現在の経営陣に対する規律として機能する。
      • これらの買収が持つ機能が発揮され、市場が経済的な効果を上げるためには、対象会社の経営陣が会社と株主の利益を損ねて買収を阻止しようとする、買収に応じて株式を売るか否かの判断において株主が自らの本来の意思に反する行動を強いられる、買収者が本来享受すべきではない利益を買収を通じて得る、といった問題が生じないよう、買収の当事者・関係者が尊重し遵守すべき行動規範が求められる。
    • 企業価値の向上と株主利益の確保
      • 企業価値とは、概念的には、企業が将来にわたって生み出すキャッシュフローの割引現在価値の総和を表すものである。その中には、事業活動において従業員や取引先などのステークホルダーが貢献することにより、定量的に将来のキャッシュフローが増加することによる価値も含まれている。
      • すなわち、企業の経営陣は、従業員のスキル、知識、モチベーションなどの人的資本の活用、テクノロジーやビジネスモデルの追求、キャッシュを含む資産の活用等を行いながら戦略を遂行する能力を市場に示すことで、将来のキャッシュフロー創出に対する期待を醸成し、企業価値に対する定量的な市場の評価を形成する。特に近年は、投資家・株主が企業の中長期的な企業価値を評価する上で、地域社会や地球環境との関係などを含む非財務情報の要素が重要になっている。株主はより高いキャッシュフロー創出力を実現できる経営陣を選択し、経営陣はその期待に応えて迅速・果断な意思決定、ガバナンス体制の構築、地域社会や地球環境を含む多様なステークホルダーにも配慮したサステナブルな事業活動を通じて経済的な企業価値の向上を実現する。
      • 企業価値を資本の調達源泉の側面から見れば、企業価値は株主価値(市場における評価としては時価総額)と負債価値の合計として表される。会社の経営を通じて企業価値を向上させることは、市場の評価を通じて株式の時価を高めることにより、株主全体の利益(株主共同の利益)に資する関係にある。また、「企業価値」は定量的な概念であり、対象会社の経営陣は、測定が困難である定性的な価値を強調することで、「企業価値」の概念を不明確にしたり、経営陣が保身を図る(経営陣が従業員の雇用維持等を口実として保身を図ることも含む。)ための道具とすべきではない。他方で、通常の事業運営においては、事業活動を行うことにより中長期的な企業価値を向上させ、そのことを通じて株主共同の利益を確保することを目指して会社を経営することについて、対象会社の経営陣は基本的な裁量を有するというべきである。
      • 買収が実行される局面においては、買収者が株式の売り手である株主から株式を取得することとなり、売却に応じる株主は、会社の中長期的な企業価値の向上による利益の享受という形ではなく、買収対価を受領することによって直接に利益を享受する関係に立つ。
      • 一般に、買収が実行される場合には、対象会社の企業価値を向上させ、かつ、その企業価値の増加分が当事者間で公正に分配されるような取引条件で行われるべきである。
      • 理論的には、株主に対して公正に分配すべき利益(株主が享受すべき利益)としては、「買収を行わなくても実現可能な価値」が最低限保障された上で、「買収を行わなければ実現できない価値」(買収によって生じる利益)の公正な分配としての部分も保障されるべきである。もっとも、実際の事案においては、これらの価値を客観的かつ厳密に区別・算定することや、買収の動きが明らかになる前の市場株価が「買収を行わなくても実現可能な価値」をどれほど反映しているかを厳密に把握することには限界もある。
      • また、「買収を行わなければ実現できない価値」についても、株主が享受すべき部分には一定の幅があると考えられる。
      • したがって、価格等の取引条件自体については一定の幅があるものとして取り扱われるべきものであるが、特に取締役会が買収に応じる方針を決定する場合(積極的に買収提案を模索している場合も含まれる。以下同じ。)においては、対象会社の取締役が会社及びその株主の利益のために行動する、すなわち、会社の企業価値を向上させるか否かの観点から買収の是非を判断することに加えて、株主が享受すべき利益が確保される取引条件で買収が行われることを目指して合理的な努力が行われるべきである。こうした努力が適切にされる場合には、買収が企業価値を向上させ、かつ、その企業価値の増加分が買収者と対象会社の株主の間で公正に分配されるような取引条件で行われたものと期待しやすい(「3.2取締役会が買収に応じる方針を決定する場合」参照。特に具体的な行動について「3.2.3株主にとってできる限り有利な取引条件を目指した交渉」参照)。
      • 対象会社がこうした行動を行うに当たっては、経営陣の利益相反の問題への対応や、取引条件の改善の観点から、社外取締役が重要な役割を果たす。また、個別の事案における利益相反の程度や情報の非対称性の問題の程度、対象会社の状況や取引構造の状況等に応じて、特別委員会の活用や外部のアドバイザーの助言等の公正な手続(公正性担保措置)を講じることが考えられる。このような公正な手続を取ることにより、通常は株主が享受すべき利益がより確保されやすくなるものと考えられる(「3.3公正性の担保-特別委員会による機能の補完・留意点」参照)。
      • なお、本指針において用いている「株主共同の利益」「株主の利益」「株主が享受すべき利益」等には、株主としての立場で享受する利益のみが含まれており、株主以外の立場で享受する利益(例えば、買収者、対象会社取締役、及びこれらの者と重要な利害関係を共通にする株主が買収において他の株主と異なる利益を得る場合など)は含まれない。
    • 株主意思の尊重と透明性の確保
      • 会社を支配する者の変動に関わる事項については、原則として、株主の合理的な意思に依拠すべきであるが、買収者や対象会社の取締役会と株主の間には情報の非対称性があり、買収の是非や取引条件に関する正しい選択を株主が行うためには、十分な情報が株主に提供される必要がある。
      • このように、第2原則及び第3原則は、第1原則を実現する前提として求められるものである。通常、買収における株主意思の尊重は、公開買付けへの応募等を通じて株主の判断を得る形で行われるものであり、そのために必要な情報(対象会社による意見表明を含む)や時間を確保するための制度枠組みが構築されている。基本的には、買収者と対象会社がこうした制度を遵守することを通じて、透明性を高め、株主に十分な情報や時間を提供することで、株主の適切な判断(インフォームド・ジャッジメント)が行われることが期待される。その際、買収者は、買収の公表に至るまでは対象会社に対して説明を行うとともに、公表後は公開買付届出書などへの適切な記載を通じて株主を含めた市場に対する説明責任を果たす必要がある。また、対象会社の取締役会は、当該買収が企業価値の向上及び株主利益の確保に資すると考えるか、より望ましい方策が他にあるかについて、自らの利害を離れて、自らの意見を株主に示すことが求められる。
      • 他方で、透明性の確保の観点から、前記のような制度的な枠組みによる対応では十分でないと考えられる例外的かつ限定的な場合に、同意なき買収に対して、会社の発意で買収への対応方針・対抗措置を用いることがある。このような場合には、買収への対応方針や対抗措置への賛否を巡って、株主総会における株主の合理的な意思を確認することが基本となる。
    • 取締役会における検討
      • 付議された取締役会では、「真摯な買収提案」に対しては「真摯な検討」をすることが基本となる。「真摯な買収提案」(具体性・目的の正当性・実現可能性のある買収提案。英語のbona fide offerに相当する。)の該当性は、取締役会として今後、時間とコストをかけて「真摯な検討」を進めるに値する提案かどうかを判断するための一つの指標であるが、検討の当初段階で用いられるだけでなく、検討を進めた後の段階において検討の継続・中止を判断する際にも用いられることを想定している。
      • 例えば、以下のような各要素を総合考慮することにより、具体性・目的の正当性・実現可能性が合理的に疑われる場合には、「真摯な買収提案」に当たらないと判断することもありうるが、「真摯な買収提案」を恣意的に解釈し、企業価値を高める提案を安易に断ることにならないよう留意する必要がある。「真摯な買収提案」該当性の検討に際して判断に迷う場合や、社外取締役のM&Aに関する専門性が不足する場合には、情報管理を適切に行った上で外部のアドバイザーの助言を受けることも検討されるべきである。
        • 具体性が合理的に疑われる場合
          • 買収対価や取引の主要条件が具体的に明示されない買収提案
        • 目的の正当性が合理的に疑われる場合
          • 経営支配権を取得した後の経営方針が示されない買収提案
          • (他の買収者がいる状況において)買収価格を吊り上げる目的で行われる買収提案
          • 競合他社により情報収集等を行う目的で行われる買収提案
        • 実現可能性が合理的に疑われる場合
          • 買収資金の裏付けのない買収提案
          • 当局の許認可など買収実施の前提条件が得られる蓋然性が低く、客観的に見て実施に至ることが期待できない買収提案
          • 支配株主が保有する支配的持分を第三者に売却する意思がないことが判明している中における支配的持分の買収提案
      • 「真摯な買収提案」であるとして、取締役会が「真摯な検討」を進める際には、買収提案についての追加的な情報を買収者から得つつ、買収後の経営方針、買収価格等の取引条件の妥当性、買収者の資力・トラックレコード・経営能力、買収の実現可能性等を中心に、企業価値の向上に資するかどうかの観点から買収の是非を検討することとなる。
      • また、自社の株価が提案の価格を大きく下回っている場合には、そもそもなぜこの乖離が生じるのかについて、取締役会(特に社外取締役)や経営陣が関心を持ち、検討や分析を行う契機とすることが考えられる。
      • この際、買収価格等の取引条件が軽視されるようなことがあってはならず、過去の株価水準よりも相応に高い買収価格が示されていることから、合理的に考えれば企業価値を高めることが期待し得る提案であれば、取締役・取締役会としてはこれを十分に検討する必要がある。
      • また、取締役会は、買収者が提示する買収価格や企業価値向上策と現経営陣が経営する場合の企業価値向上策を、定量的な観点から十分に比較検討することが望ましい。
      • さらに、買収提案への対応や買収提案に応じるかどうかという判断の合理性について、(事後的に)説明責任を果たせるように行動すべきである。多くの場合、買収価格は直前の株価(現在の経営陣やその経営戦略に対する市場の評価を基礎として形成される)よりも高いと考えられ、取締役会として買収提案に賛同しない場合には、この点を踏まえた説明が事後的に必要となり得ることも想定した比較検討をすることが考えられる。
      • 上記のほか、買収提案を巡る検討・対話を進めるために必要な情報を買収者や対象会社が提供する上で必要な場合には、秘密保持契約、デュー・デリジェンスへの対応について検討することとなる。これらに関する基本的な視点の整理については、「別紙1:取締役・取締役会の具体的な行動の在り方」1.及び 2.を参照されたい。
    • 買収時における情報の開示・提供
      • 大量保有報告書や公開買付届出書を提出しようとする者は、これらの制度に基づき買収の目的について充実した開示を行うことが望ましい。
      • また、市場内買付けの場合には、公開買付制度に基づく情報開示規制が適用されないが、短期間のうちに市場内買付けを通じて経営支配権を取得するような場面においては、買収が企業価値に及ぼす影響を理解した上で株主が買収に応じるか否かの判断をできるよう、買付の目的、買付数、買収者の概要、買収後の経営の基本的な方針等の重要な項目については、少なくとも公開買付届出書における記載内容と同程度の適切な情報提供を、資本市場や対象会社に対して任意の方法で行うことが望ましい。
      • また、買収後にステークホルダー(従業員、主要取引先等)との関係に重要な変化を想定している場合、株主・投資家にとって重要な情報であるため、どのような戦略を描いているかに関する情報を開示・提供することも株主・投資家にとって有益と考えられる。
    • 株主の意思決定を歪める行為の防止
      • 株主が買収に対する判断を行う際には、必要な情報の提供を受けた上で、合理的な意思決定が阻害されない状況が確保されることが重要である。
      • この観点から、買収者が以下のような行為を行うことは望ましくない。
        • 強圧的二段階買収等の強度の強圧性を有する買収手法を行うこと
        • 不正確な情報開示や株主を誤導するような情報開示・情報提供を行うこと
        • 買収の意図があるにも関わらず、それを隠して買付けを進めること
        • 買収のために要する資力など、公開買付けを実際に行う合理的な根拠なく、公開買付けの実施を予告すること
        • 買収者の取引先株主等への優越的な地位に乗じた働きかけを行うこと
        • 議決権行使や委任状の勧誘を行う際に、金品・財物の交付を行うこと。また、同様の観点から、対象会社が以下のような行為を行うことは望ましくない。
        • 不正確な情報開示や株主を誤導するような情報開示・情報提供を行うこと
        • 対象会社の取引先株主等への優越的な地位に乗じた働きかけを行うこと
        • 議決権行使や委任状の勧誘を行う際に、金品・財物の交付を行うこと

~NEW~
経済産業省 『新時代のインバウンド拡大アクションプラン』を決定しました
  • 観光立国推進閣僚会議(主宰:内閣総理大臣)の第20回会合を開催し、「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を決定しました。これまでの「外国人観光客を呼び込む」という観点から更に視野を広げて、「インバウンド需要をより大きく効果的に根付かせる」方策を取りまとめました。経済産業省は、各施策を通じて、新たなビジネス・インバウンド市場の創出等を目指します。
  • 概要
    • 今回のアクションプランでは、「ビジネス分野」、「教育・研究分野」、「文化芸術・スポーツ・自然分野」の3つの分野を柱とし、合計約80の施策によって、国際的な人的交流を伴う取組みの深化と掘り起しを図り、インバウンドの着実な拡大を図ります。
    • 3月に閣議決定した観光立国推進基本計画とともに、このアクションプランに定める施策を着実に力強く実施することにより、持続可能な形での観光立国の復活を実現してまいります。
  • 経済産業省の取組
    • グローバル企業の企業ミーティングの日本への誘致、ジャパンモビリティショー等の展示会の国際化促進を行うことで、ビジネス目的の訪日客を増やします。
    • ビジネス目的で来日した訪日客を地方に送客し、延泊を促進するため、地域に眠るアートやデザイン等の産業資源を観光資源として可視化し、ツアー化を促すなど、これまでにない新たなビジネス・インバウンド市場の創出を目指します。

~NEW~
経済産業省 「日本スタートアップ大賞2023」の表彰式を行いました!~スマートニュース株式会社が大賞を受賞!~
  • 本日、「日本スタートアップ大賞」の表彰式を、総理大臣官邸で行いました。本大賞は、若者などのロールモデルとなるようなインパクトのある新事業を展開するスタートアップを政府として称えるものです。内閣総理大臣賞として、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」を使命に、グローバルに事業成長を遂げているスマートニュース株式会社が選ばれました。また、経済産業大臣賞では、グローバル賞として、世界中の新興国で低価格かつ高品質な金融サービスを提供する五常・アンド・カンパニー株式会社が、ダイバーシティ賞として、経営の多様化を重視しつつ、見積もりを自動化するプラットフォームを提供する株式会社ミツモアが選ばれました。
  • 日本スタートアップ大賞受賞企業
    • 日本スタートアップ大賞(内閣総理大臣賞)スマートニュース株式会社
    • グローバル賞(経済産業大臣賞)五常・アンド・カンパニー株式会社
    • ダイバーシティ賞(経済産業大臣賞)株式会社ミツモア
    • 農業スタートアップ賞(農林水産大臣賞)株式会社ビビッドガーデン
    • 大学発スタートアップ賞(文部科学大臣賞)マイクロ波化学株式会社
    • 医療・福祉スタートアップ賞(厚生労働大臣賞)株式会社ミライロ
    • 国土交通スタートアップ賞(国土交通大臣賞)株式会社アンドパッド
    • 審査委員会特別賞 株式会社ispace
    • 審査委員会特別賞 株式会社CureApp
    • 審査委員会特別賞 株式会社坪田ラボ
  • 「日本スタートアップ大賞」について
    • 次世代を担う若者や起業家のロールモデルとなるような、社会的インパクトのある新事業を創出したスタートアップを表彰することにより、積極的な挑戦の重要性や起業家への評価を浸透させ、社会全体のチャレンジ精神の高揚を図ることを目的としています。なお、本大賞は、2015年から実施の「日本ベンチャー大賞」を昨年から改称したものです。

~NEW~
経済産業省 貿易関連の経済的威圧及び非市場主義的政策・慣行に対する共同宣言を発出しました
▼日本語仮訳
  • 貿易関連の経済的威圧並びに非市場指向の政策及び慣行(以下、「非市場的政策・慣行」という。)の使用は、ルールに基づく多角的貿易体制を脅かし、損なうとともに、国家間の関係を害するものである。この宣言の目的は、貿易関連の経済的威圧及び非市場的政策・慣行を効果的に抑止し、これに対処するため、我々の共通の懸念を表明し、国際的な協力を強化していくとのコミットメントを確認するものである。
  1. 我々は、貿易、投資及び競争を歪め、国家間の関係を害することで、ルールに基づく多角的貿易体制の機能及び信頼を損なう、貿易関連の経済的威圧及び非市場的政策・慣行に対し、深刻な懸念を表明する。貿易関連の経済的威圧及び非市場的政策・慣行は、我々の市民生活を脅かし、労働者及びビジネスに害を及ぼすとともに、世界の安全及び安定を損ない得る。
  2. 懸念される非市場的政策・慣行には、過剰生産能力を助長する産業政策・慣行、蔓延する補助金、国有企業又は国家に支配されている企業による差別的及び反競争的な活動、規制の恣意的又は不当な適用、強制技術移転、国家が関与する貿易関連の機密情報の窃取、政府による民間の意思決定への干渉又は指示、並びに規制と市場における不十分な透明性が含まれる。非市場的政策・慣行は、経済的威圧のための手段としても使われてきている。
  3. 我々は、戦略的な政治的若しくは政策上の目的を達成するため、又は、外国政府の正当な主権的権利の行使や選択について妨害若しくは干渉するために、濫用された、恣意的な、又は何らかを口実とする態様で貿易及び投資に影響を与える措置又はその脅威を用いて、外国政府に圧力をかけ、誘導し、若しくは影響を与えて、決定若しくは行動をとらせる、あるいはとらせないようにする貿易関連の経済的威圧に対し、特に懸念を表明し、反対する。この貿易関連の経済的威圧は、多くの場合、推進しようとしている戦略的目標とは関係のない、政府による正当な規制措置又は公共政策上の措置として頻繁に偽装されることがある。また、国有企業、国家に支配されている企業若しくは民間企業に対する政府の委託又は指示を通じて、間接的に行われる場合もある。
  4. 我々は、国家主導の強制労働を含む、グローバルなサプライチェーン上での強制労働の使用についても深く憂慮する。あらゆる形態の強制労働は、経済問題であると同時に、重大な人権侵害であり、これらの慣行を終わらせることは道徳的な責務である。我々は、これらの慣行を利用して不公正な競争上の優位性をもたらす国を認識し、世界の貿易体制においてそのような慣行の余地があってはならないことを確認する。
  5. 我々は、関連する国際的なルール及び規範に照らして、この宣言は、透明性のある方法で、誠実に、正当な公共政策上の目的のために採用され及び維持される措置には適用されないことを確認する。正当な公共政策上の措置とは、健康及び安全に関する規制、環境規制、貿易救済、国家安全保障上の措置及び制裁並びに金融システム及び金融機関の信頼性及び安定性を悪用から守るための措置を含む。
  6. 我々は、全ての政府に対し、貿易関連の経済的威圧及び非市場的政策・慣行を控えるとともに、国際貿易関係における公平な競争条件及び無差別待遇を促進し、全てのエコノミーに利益をもたらし、全ての人々の共通の繁栄を確保する、開かれた市場志向の政策及び原則に基づく自由で公正な貿易を支持するよう要請する。
  7. 我々は、貿易関連の経済的威圧及び非市場的政策・慣行について特定し、予防し、抑止し及び対処するために、WTO等の多数国間機関を通じたものを含め全ての関係するパートナーとの間で、協働することにコミットする。これらの取組には、適切な場合には、これらの慣行に異議を唱えるためのWTO 委員会及び紛争における協力が含まれる。また、我々は、こうした課題に対応するため、これらの政策・慣行に関する情報、データ及び分析を共有すること、並びにルールに基づく多角的貿易体制を支援及び強化する新たな外交上及び経済的手段の開発を追求することにもコミットする。

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経済産業省 ENEOS株式会社に対して高圧ガス保安法に基づく行政処分等を行いました
  • 経済産業省は、本日、ENEOS株式会社に対して、同社川崎製油所浮島北地区及び浮島南地区の高圧ガス保安法に基づく完成検査に係る認定を取り消す行政処分を行い、その旨を同社宛てに通知しました。
  • また、同社に対して、法令遵守及び保安管理の徹底について厳重注意を行いました。
  • 経済産業省は、ENEOS株式会社から報告のあった同社川崎製油所浮島北地区及び浮島南地区の変更工事等の法令違反を受けて、本年3月にこれらの事業所に立入検査を実施し、その結果を踏まえて、本年3月31日に同社に対して、法令違反の内容等について報告徴収命令を行い、本年4月28日に報告を受けました。
    立入検査及び同社からの報告により、完成検査に関する法手続に必要な資料の整備や業務管理等に不備があり、製造施設の変更工事の未許可及びこれに伴う完成検査の未実施等の法令違反や認定基準に不適合となる事実が確認されたことなど、完成検査の保安体制に重大な不備が認められたことから、本日同社に対して、同社川崎製油所浮島北地区及び浮島南地区に対する完成検査に係る認定(認定完成検査実施者、特定認定完成検査実施事業者)を取り消す行政処分を行い、その旨を通知しました。
    なお、上記法令違反により、製造施設等の安全性に影響が生じていないことは確認済みです。
  • 取消の理由
    • 法手続に必要な資料の整備や業務管理等が不十分であったこと等により、製造施設の変更工事について、都道府県知事の許可を受けずに当該設備の変更工事を行い、工事を完成したときに、都道府県知事が行う完成検査の受検又は自らが行った完成検査の記録の都道府県知事への届出を行わず、当該設備を使用していたこと、製造のための施設の軽微な変更工事の都道府県知事への届出等が適切に行われていなかったことなど、法令違反や認定基準への不適合が認められたこと。
    • 製造施設の変更工事の未許可及びこれに伴う完成検査の未実施という完成検査に関する重大な法令違反があること、これは過去の同様の法令違反の再発であること等から、完成検査の保安体制に重大な不備が認められたこと。
  • また、同社に対して、法令遵守及び保安管理の徹底について厳重注意を行いました。
  • 今回の認定の取消しにより、同社川崎製油所浮島北地区及び浮島南地区は、自ら法定検査(完成検査)を行うことができなくなり、神奈川県知事又は指定完成検査機関が行う検査を受けることになります。また、今後2年間は認定を受けることができなくなります。経済産業省としては、引き続き、神奈川県等、関係機関とも連携をとりつつ、事業者による法令遵守及び保安管理の徹底を図ってまいります。

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国土交通省 所有者不明土地等対策に関する最新の基本方針・工程表を決定~第12回所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議の開催結果~
  • 本日開催された「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」において、所有者不明土地等対策の新たな基本方針及び工程表が決定されました。
    • 「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」は、所有者不明土地等に係る諸課題について、関係行政機関の緊密な連携の下、政府一体となって総合的な対策を推進するため、平成30年1月に設置されました。
    • 本日持ち回り開催された第12回会議において、国土交通省からは地籍調査の加速化について報告し、所有者不明土地等対策のための新たな基本方針及び工程表の改定が決定されました。
  • 閣僚会議の概要
    • 日時:令和5年6月6日(火)(持ち回り開催)
    • 議事:※会議資料は内閣官房のHPに掲載されます。
      • 各省の検討状況等について
      • 基本方針(案)について
  • 国土交通省提出資料の概要
    • 地籍調査の加速化に向け、令和2年国土調査法等改正で措置した新たな調査手続について、手引き作成や研修会の開催等により、活用を促進していきます。
    • また、地籍調査の更なる円滑化・迅速化のため、令和6年度に第7次国土調査事業十箇年計画の中間見直しを予定しています。制度の課題や自治体のニーズを踏まえ、見直しの具体的な方向性について検討を進めていきます。
  • 基本方針・工程表の改定のポイント(国土交通省関係)
    • 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づく各制度について、昨年拡充・新設されたものを含め、関係者への周知を徹底するとともに、地方整備局等の更なる体制整備や地域の関係者の支援に係る予算の確保に努める。
    • 地籍調査について、第7次国土調査事業十箇年計画の中間年(令和6年)の検証・見直しを見据え、より円滑かつ迅速に推進する方策を検討し、当該計画の目標達成に向けた所要の改善措置を講じる。

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国土交通省 「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」中間とりまとめを公表~誇りをもって、笑顔で働き続けられる業界へ!!~
  • 航空機の運航に不可欠な空港業務(グランドハンドリング・保安検査)の持続的な発展に向け、人材確保やDX化・GX化などについて地域の関係者一丸となった取組を推進していくため、本年2月に「持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会」を立ち上げ、検討を実施してきました。
  • 今般、空港業務における今後の取組の方向性について、中間とりまとめを行いました。
  • 中間とりまとめのポイント
    • 空港業務の位置付けについて
      • 空港業務は公共交通や貨物輸送により国民生活や社会経済活動を支える航空ネットワークの根幹であり、インバウンドの推進等を通じた地域振興を実現するための拠点でもある、「空港」の機能を維持していく上で、極めて重要な役割を果たしていることを明確化。
      • 空港業務を持続可能なものにしていくためには、地方自治体を含む官民の空港関係者が連携し、取組を推進することが必要であることを明確化。
    • 取組の方向性・今後の具体的な取組について
      • 持続的な発展に向けて重要となる視点から整理した課題について、関係者一丸となって取り組んでいく。
      • 令和5年度末までにコロナ禍前に近い水準の受入体制を整備していくこと等を目指し、時間軸等を意識しながら進めていく。
    • 取組の具体例
      • 個社:賃上げ等の処遇改善に不可欠な受託料の引き上げ、長期に誇りをもって勤められるキャリアパスの整備
      • 業界:グラハンの業界団体の設立・ルールの整備(資格の共通化等)、カスハラ対策の推進
      • 空港会社等:空港内の労働環境改善、スマートレーン等の先進機器の導入
      • 地方自治体:地元グラハン会社・検査会社とのコミュニケーション強化 空港業務支援も誘致支援の一部と位置付けた上での関係部局(観光等)と連携した支援の実施
      • 国:生産性向上・業務効率化の実現に向けた取組支援、保安関係料金の適性水準のあり方の検討 等
▼持続的な発展に向けた空港業務のあり方検討会

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