危機管理トピックス

AML・CFTに関するガイドライン一部改正案の公表/月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料/令和7年版 消防白書 概要版

2026.01.26
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更新日:2026年1月26日 新着19記事

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【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 金融庁 いわき信用組合に係る虚偽報告及び虚偽答弁の告発について
  • 金融庁 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)の公表について
内閣官房
  • 内閣官房 「人的資本可視化指針(改訂版)」(案)に関する意見募集を開始しました。
  • 内閣官房 国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議(第35回)議事次第
内閣府
  • 内閣府 第1回経済財政諮問会議
  • 内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
国民生活センター
  • 国民生活センター 男性の美容医療トラブルも増加!
  • 国民生活センター 契約内容は自身でよく確認!ネットの旅行予約
  • 国民生活センター 球形のチーズによる子どもの窒息に注意!
厚生労働省
  • 厚生労働省 フリーランスに対するハラスメント対策の研修動画ができました!
  • 厚生労働省 「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」及び「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル」を公表します
  • 厚生労働省 「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」の報告書を公表します
総務省
  • 総務省 「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会取りまとめ」及び意見募集の結果の公表
  • 総務省消防庁 「令和7年版 救急・救助の現況」の公表
  • 総務省 令和7年版 消防白書 概要版

~NEW~
首相官邸 首相官邸ホームページの偽サイトに御注意ください(注意喚起)
  • 首相官邸ホームページの偽サイトの存在が確認されています。高市総理の映像を悪用し、「日本政府が開発した金融ソリューション」、「政府の保証により」などと投資を勧誘するものです。アクセスすると、投資詐欺や個人情報を盗まれる等の被害にあうおそれがあります。
  • 「必ずもうかる」といった話は詐欺です。くれぐれも御注意をいただき、少しでも怪しいと感じたら、迷わず警察や周りの方に御相談ください。
  • 首相官邸ホームページ(日本語)の正しいURLは「https://www.kantei.go.jp/」です。アクセスする前に必ず御確認ください。

~NEW~
消費者庁 健康食品の適正な使用を促す情報の発信について
  • 消費者庁では、いわゆる「健康食品」に関する啓発事業を実施し、幅広い世代に、「健康食品は薬の代わりにはならない」等の健康食品の誤った認識について気付きを促す以下の情報発信を行います。
  • 詳細
    1. 概要
      1. 啓発動画のソーシャルメディア等への投稿
        • 消費者庁では、健康食品の誤った使い方により逆に健康を損なってしまった事例を8つのパターンに分類し、これらを紹介する動画を制作しました。本動画はYouTube等のソーシャルメディアで配信します。
        • 健康食品は、不確かな情報に惑わされず、正しく活用することが大切であることの重要性について、理解いただくことを目的としています。
      2. 診断サイトの開設
        • みなさまがどのパターンに該当するかを確認いただく診断サイトを開設します。いくつかの質問にご回答いただくことで判定が可能となっています。
      3. 啓発イベントの開催
        • 思い込みを見直すことを気付かせる不思議な展示を行う他、ノベルティや啓発資料の配布も行います。
    2. 開催日時
      • 啓発動画のソーシャルメディア等への投稿及び診断サイトの開設は、1月28日から開始し、啓発イベントは、2月6日(金)~8日(日)の3日間 MAGNET by SHIBUYA109にて開催を予定しています。

~NEW~
経済産業省 経済安全保障経営ガイドライン(第1版)」を取りまとめました
  • 経済産業省は、企業が経済安全保障対応を進めていく中で、経済安全保障上のリスクに起因する損失を中長期的に抑え、企業価値の維持・向上も見据えた経営戦略を考える上の推奨事項として「経済安全保障経営ガイドライン(第1版)」を取りまとめました。
  • 我が国の経済安全保障の実現には、産業・技術基盤の主体である民間企業自身が、自社の自律性・不可欠性を高めていくことが重要です。こうした背景から、経済産業省は、企業経営層が自社における自律性・不可欠性確保及びガバナンス強化に係る取組を経営戦略として考え、実行する上での推奨事項を「経済安全保障経営ガイドライン(第1版)(案)」として示し、2025年11月26日(水曜日)から同年12月26日(金曜日)までの間、意見募集を行いました。
  • その後、意見募集の窓口に寄せられたご意見などを踏まえ、第1版を取りまとめました。今後も国際情勢や経済安全保障政策の動向に応じて、継続的に更新を行っていく予定です。
▼ 経済安全保障経営ガイドライン(第1版)
  • 経営者等が認識すべき原則
    • 経済安全保障リスクへの対応は、時に短期的な利潤最大化に相反する経営判断や、大きな経営戦略の変更を伴う可能性もあることから、現場の担当者に判断を委ねることは適切ではない。経済安全保障への対応を重要な経営事項として位置付け、経営者等自らがリーダーシップを発揮して、自社のリスクに応じた対策の推進を主導する必要がある。その際、激しい国際競争を生き残っていくことと経済安全保障を両立させるためには、自社に関わる経済安全保障リスクに過度に萎縮することなく、リスクを適切に把握し対応することが求められる。地政学的不安定性が高まる現在においては、リスクが機会になり得ることから、下記の3つの原則を認識し、主体的に対策を進めることが重要である。
      1. 自社ビジネスを正確に把握し、リスクシナリオを策定する
        • 厳しい国際競争の中、企業が持続可能な経営を進めていく上で、これまで多くの企業が、競合他社、市場動向等の情報を収集・分析し、経営戦略を立案している。その過程で、研究開発から、調達、生産、品質管理、マーケティング・販売、保守・サービス、それらを支える経営基盤などを含めたバリューチェーン全体における自社の特徴、他社と比べた強みや弱み、外部環境変化に対する自社の現状についても一定程度把握していると考えられる。
        • 経済安全保障リスクは、いつ、どこで発現するかの予見可能性が低く、自社の事業のどの部分に、どの程度の影響を及ぼすかを予め正確に把握することは容易ではないが、発現し得るリスクシナリオを用意した上で、対応策を検討することが重要である。そのためには、まずは、自社のバリューチェーン上での、企業別および国・地域別、製品やサービス別に、どのくらいの量や金額の取引があるか、事業上の相互依存関係を可能な限り正確に把握することが重要である。例えば、製造業であれば、まずはあらゆる商材の調達、生産、販売データを収集し、データベース化すること、ソフトウェア関連企業であれば、システム内のソフトウェア部品の構成等を把握することから始める。国内子会社や海外製造拠点等がある場合は、関連会社を含めたグループ全体でのデータを収集することを心掛ける。また、自社ビジネスを把握する過程で、競争優位の源泉となる自社のコアとなる技術等を適切に見極めることも重要である。
        • 自社のバリューチェーン上の脆弱性を特定した上で、他国による経済的威圧や地域紛争、自然災害、疫病流行等の外的ショックによって、どのような製品・サービスが途絶するか把握すること、および自社のコアとなる技術等の喪失・流出へ繋がる可能性のある事象などを把握することが重要である。こうしたリスクシナリオをもとに、重要度や緊急度等に応じて、代替調達や備蓄、流出防止策等の対策を検討していくことが重要である。
      2. 経済安全保障への対応を単なるコストではなく、投資と捉える
        • 企業による経済安全保障への対応は、安全保障貿易管理制度などの法令遵守のイメージが強く、場合によってはコストと認識することが多い。しかし近年では、企業が直面する経済安全保障上のリスクが多様化する中、法令遵守の枠に留まらず、経営戦略に大きな影響を与えるケースも増えつつある。経済安全保障への対応は、短期的な利潤最大化と相反する場合もある一方で、自社の自律性・不可欠性を確保することは、企業価値の維持だけでなく、取引先や株主等のステークホルダーからの信頼や評価の獲得においてもますます重要になりつつある。したがって、経済安全保障への対応を単なるコストではなく、企業活動における将来的なコスト・損失を軽減し、持続的な企業経営を目指すうえで必要な投資と認識すべきである。
      3. マルチステークホルダーとの対話を欠かさない
        • 経済安全保障リスクの予防や発現時の損失を低減することは、我が国全体の経済安全保障の観点だけでなく、企業の事業継続性や企業価値の観点からも重要である。ただし、個社単位での対応には限界があり、取引先、金融機関、株主、政府や地方自治体等のステークホルダーとの連携が不可欠である。
        • 経済安全保障リスクが発現した際の初動対応の円滑化や、その後の損失低減に向けて、平時より、リスクに関する情報収集や、その対応策について、関係者と適切にコミュニケーションをとる必要がある。例えば、サプライチェーン強靭化に向け調達先の多角化の検討を進める場合は、原材料の代替サプライヤーのみならず、自社のサプライチェーンの下流に位置する顧客企業等の理解や、融資元の金融機関等の理解も不可欠である。国の政策との連動性も重要であるため、政府や地方自治体等のホームページから情報収集し、必要であれば関係省庁や地方自治体等と直接コミュニケーションを図ること、仮に経済安全保障という名前が付かなくても、自社の自律性・不可欠性確保に繋がる政策はあるため、幅広く意思疎通することが有用である。
        • また、取引先や業界他社、バリューチェーンで連なる企業等から、経済安全保障対応の要請、連携が求められる場合は、誠実に対話に応じ、自社だけでなく相手先や業界全体等への影響を意識した上で、対応の必要性を検討することが重要である。
        • なお、企業が主体的に自社の自律性・不可欠性確保に向けた取組を進めていくには、経済安全保障政策の拡充や政府による後押しだけでなく、ステークホルダーによる当該企業の取組への評価が重要である。経済安全保障リスクが高まる中においては、価格の要素のみならず、供給安定性や信頼性等の新たな市場価値を考慮した製品・サービスの供給や開発が進んでいる。
        • 我が国全体の経済安全保障確保の観点から、金融機関や投資家などの幅広いステークホルダーが、このような経済安全保障に価値を見出す企業を評価していくことも期待される。
  • 経営者等に期待される経営意識
    • 短期的な利潤最大化だけでなく、調達の多角化などを通じた製品・サービスの供給安定性や信頼性等の価格以外の要素も考慮した経営は、持続的な企業経営や長期的な企業価値向上に貢献し得ることを認識する
    • 足下の地政学的不安定性の高まりを踏まえ、特定の国・地域や企業への調達、供給や生産拠点等の過度な集中がサプライチェーンの混乱・途絶リスクを高める可能性を認識する
    • 平時より、自社の製品・サービスが供給途絶した場合の自社および取引先等への影響のリスクを点検し、安定供給を確保するための計画の策定の重要性および必要性を認識する
    • 自社の製品・サービスの途絶リスクの点検および供給計画の策定に際し、自社サプライチェーンの間接供給源が特定の国・地域・企業に過度に依存している可能性も考慮し、さらに上流のサプライチェーンの集中度などについても可能な限り把握に努める
    • 自社の自律性を確保するために、既存のサプライチェーンの把握・分析、再編・多様化を行うことは短期的なコスト増を伴うところ、コスト最適化だけでなく、製品・サービスの供給安定性やセキュリティの堅牢性等も重要であることを認識する。さらに、そのような認識を従業員に普及・啓発することを経営事項として捉え、強いリーダーシップと中長期的な目線を持って行う
  • 自律性確保に向けた全体最適なサプライチェーン戦略の立案
    • リスクが顕在化する前に、自社にとって重要な原料・製品・サービス等を対象に、想定しうるリスクシナリオを重要度や緊急度等に応じて検討し、代替調達や備蓄等の対策を検討する。とりわけ、現在シングルソースに調達を依存している場合は、万が一供給途絶が発現した場合に備えて、例えば、予め代替調達となり得る事業者等との間で自社の製品・サービス等に組み入れるための原材料等の認証を行っておくなど、有事において代替調達先からの調達に速やかに移行できるような体制や調達先との関係構築を行うことも重要である
    • 代替調達や備蓄等の対策の検討に際しては、自社のみでの対応に限界があることを認識し、政府や同業他社、自社サプライチェーン上の調達先、供給先、ステークホルダー等との情報交換、認識共有、共同対策等も検討する
    • 資源や食糧の大部分を海外に依存せざるを得ない我が国の国際経済環境や、重要鉱物等の国際的な偏在性等を踏まえれば、代替調達源への切り替えや備蓄等の対応には自ずと限界があることも認識する必要がある。このため、途絶リスクが高い素材・原料等について、最終製品の性能発揮に必要とされる機能に比してスペックが過度となっている場合の当該スペックの見直し等を通じた使用の合理化、リサイクル技術、代替技術の開発等の中長期的な戦略立案も有用である
    • サプライチェーン多角化のために製造拠点の海外移転や外国企業への技術供与、海外パートナーとのアライアンス提携等を行う場合にも、流出対策を徹底し、自社の重要な技術等を安易に海外に移転しない
    • IT・ソフトウェア産業においては、ネットワーク遮断がサプライチェーン上のリスクと認識した上で、ネットワークの冗長化およびセキュリティ対策を検討する
  • 自律性確保における組織体制の構築
    • 短期的な利潤最大化に相反する対応策の検討も想定されるため、生産や調達に関わる特定の部門だけでなく、調査、法務、財務・経理、技術等の関連部門・機能が連携し、社内横断的に対応策を検討する体制を構築する。必要があれば、経済安全保障を横断的に管轄する専門部門・機能等を設置し、一定の経営判断の際に決裁ラインに当該専門部門・機能等を位置付ける等、適切な権限を与えることも有用である
    • サプライチェーンに関するリスクは突発的に発現し、迅速な経営判断が求められることもある。このため、対応策を実行する部門・機能に対して、経営者等が直接指示ができる体制構築も意識する
    • 自然災害に起因するものと異なり、他国による経済的措置等の地政学リスクに伴うサプライチェーン途絶は、必ずしも時間とともに沈静化するとは限らない。このため、対応策の検討にあたり、当該事案が継続する、または悪化する可能性も念頭に置きながら、社内対応が進められる体制等を予め検討する
  • ステークホルダーとの対話
    • 調達先、生産拠点の多様化などサプライチェーン強靱化の取組には短期的なコスト増が伴うことから、取引先や金融機関、株主等の理解が不可欠である。経営者等自らの言葉で、平時よりこれらのステークホルダーに対して、潜在リスクおよび対応策を共有し、これらサプライチェーン強靱化の取組が中長期的な企業価値向上に貢献し得ることの理解を得るよう努める
    • サプライチェーン多様化の取組を進めるためには、自社の製品・サービス等を購入するサプライチェーン下流の顧客企業等の理解と行動も重要である。経営者等が率先して、これら顧客企業等との意思疎通を図り、自社のサプライチェーンが内在する潜在的リスクやその対応策について理解を得るよう努める
    • 自社のサプライチェーン上流に位置するサプライヤーや業界団体等から、安定供給確保のための調達先、生産拠点の多様化等の相談がある場合、自社のサプライチェーン強靱化を通じ、中長期的な企業価値向上に貢献し得るものとして誠実に対話に応じる
    • 重要な材料・製品等の調達途絶リスクに即時に対応するため、経営から現場までの各階層で、平時からサプライヤーと意思疎通し、密に情報共有できる体制を構築する。この際、サプライヤーとの間で、予め重要な原材料・製品等の供給途絶リスクシナリオを共有し、リスクが発現した時の代替供給確保のための計画を策定することも有用
    • 他国による唐突な国境措置等によってサプライチェーンの混乱および途絶が発生し組織体制構築で記載する事項はあくまで一例であるため、自社の経営資源を考慮した上で、自社にとって最適な組織体制を構築することが期待されるた場合、情報収集を含め個社での対応には限界がある。官民一体で対応することが不可欠な事案もあるため、必要に応じて企業から経済産業省等へ相談するとともに、経済産業省からも企業へ情報共有し対応策をともに検討する
  • 経営者等に期待される経営意識
    • イノベーション創出のための研究開発投資等のみならず、自社のコアとなる技術等を守ること、さらには取引先等の技術情報等の流出防止対策にも万全を期すことは、自社を取引先等のステークホルダーにとってかけがえのない存在とすることにつながり、企業価値向上に貢献し得ることを認識する
    • 自社が優位性を有するコアとなる技術や情報が流出した場合、自社が参入している市場におけるシェアの喪失にとどまらない結果へと繋がり得る。特に技術等が海外に流出した場合、他国のキャッチアップが急速に進み、将来的に自社のみならず我が国業界全体の優位性・不可欠性の喪失につながり、ひいては我が国の産業・技術基盤に影響を及ぼす可能性があることを認識する
    • 事業拡大等のため、委託先や共同研究先、事業提携先等を選定するにあたっては、これらの取引先からも自社のコアとなる技術等の流出リスクがあることを認識した上で、取引先の技術等の管理体制についても考慮する。なお、取引先等の経営資源に限りがあり、自力で十分な管理体制を構築できない場合もあるため、取引先等と協力して技術等の流出対策に取り組むことも有用である
    • 経営者等は、自社のコアとなる技術等の管理は自社の優位性・不可欠性の確保に直結する経営課題そのものと認識する。そのため、コアとなる技術等の特定や、その潜在的な流出リスクの洗い出し、万が一流出した際の経営への影響度の把握を通して、技術等の流出対策を講じる
    • どれだけ対策を講じても技術等の流出を完全に防ぐことは難しいが、自社の技術等の重要度・機微度に応じて最大限の努力を行う。なお、自社の経営資源に限りがある場合は、取り組める対策から確実に実行していくことが望ましい
  • 不可欠性確保に向けた中長期的な経営戦略の立案
    • コアとなる技術等の流出対策を適切に行ったとしても、中長期的には国内外の競合他社によるキャッチアップ等により、当該技術等はいつかはコモディティ化すると認識する。その上で、現在のコアとなる技術等に過度に依存した経営にとどまるのではなく、継続的なイノベーションを行うことで当該技術等がコモディティ化した後も新たな不可欠性を創出するための中長期的な経営戦略を立案する
    • 自社のみならず、業界および我が国全体の不可欠性を確保するという観点では、技術等の協調領域を見極めた上で、業界全体や政府が育成するプロジェクト等に参画することも有用
    • イノベーション創出や事業投資等の攻めの経営戦略を立案する際に、コアとなる技術等の喪失・流出リスクの把握や、流出対策の必要性を検討する
    • 買収や資本提携等を通じたノウハウや技術流出リスクなどを踏まえ、上場の是非を含め事業拡大等のための資本政策を検討する。例えば、上場することで、株式市場を通じた資金調達の多様化に加え、社会的信用力の増加や知名度の向上が期待される一方、業務執行事項に関する株主提案を受けることで、経営判断の自主性が失われる懸念や、買収提案を受ける可能性が広がる点を十分に認識する必要がある
  • 不可欠性確保における組織体制・風土の構築
    • 適切な技術等の流出対策を行うことで、新たな取引先や共同研究相手の開拓が進むなど自社の成長機会に繋がると認識し、技術等の流出対策を研究開発や生産技術、事業部門等の責任者の問題にとどめず、経営の問題として、経営者や経営企画、人事や法務等の間接部門・機能の責任者など全社を挙げた取組とする
    • コアとなる技術等の流出は、役職員の転職等によっても生じ得ることを認識し、社外への流出リスクを低減させるため、必要に応じて待遇向上等も検討する
    • 待遇の向上に限らず、社内の技術者等のコミュニティの活性化や、定年等による退職者との良好な関係の構築に繋がる企業風土を醸成する
  • ステークホルダーとの対話
    • 技術等の流出は企業価値の毀損に繋がりうるリスクであるため、株主、金融機関、取引先等の主要なステークホルダーにとって、かかるリスクに対する評価や対策状況は関心事の一つである。このため、自社の実施する技術等の流出対策や体制整備について理解を得ることは、技術等が流出した場合におけるレピュテーションの毀損を軽減できる可能性がある。したがって、平時より自社の技術等の流出対策や社内管理体制について、これらのステークホルダーへの説明を心掛ける
    • 複数の日本企業が同じ分野で日本の産業・技術基盤を支える優位な技術等を有する場合、その中の1社から他国に技術等が流出すると、将来的に他国に優位性を奪われ、当該技術等を保有する日本企業全体の利益が損なわれる恐れがあることを認識する。その上で、自らが有するコア技術等の位置づけ、情報収集の方法、流出対策の検討等に関し、少しでも悩みや不安を抱える場合、経済産業省へ相談をし、その相談結果等を踏まえつつ、同じ分野の技術等を持つ他企業との対話を心掛ける
  • 技術等が流出した場合の対応
    • 技術等が流出した原因分析、および再発防止策の策定・徹底を迅速に進めるべく、経営者等自らが組織横断的に指示する
    • 技術等の重要度・機微度、流出の影響度等も考慮し、報道等されることによるレピュテーションリスクを過度に恐れて内々に処理するのではなく、必要に応じて懲戒処分や訴訟提起等の毅然とした対応を講じるほか、ステークホルダーとの対話を図る
  • 経済安全保障に関する情報収集
    • リスクマネジメントを進めるには、まずは土台となる自社のビジネスの強み、弱みやサプライチェーン情報といった社内情報に加えて、国内外の規制動向や国際政治情勢といった外部情報が重要である。自社の経営資源だけでなく外部専門家の活用や政府との対話等も有用であることを認識した上で、社内外の情報収集体制を整備する
    • 自社の経営資源に限りがあり十分な情報収集体制の整備が難しい場合は、政府のホームページおよびニュースや新聞等のメディアを介した情報を継続して収集すること、ならびにシンクタンクや業界団体等が発信する情報を定期的に収集することも有用である
    • 経営者等と現場で保有する情報に非対称性が生じる可能性もあるため、双方のコミュニケーションが一方通行にならないことを心掛けるとともに、経営者等から積極的に現場の声に耳を傾ける
  • 経済安全保障リスクおよび機会の特定・分析・評価
    • 経済安全保障に関する外部情報と自社データを掛け合わせた上で、自社の事業や企業経営に与えるリスクを特定、評価するとともに、新たなビジネス機会の拡大も模索する
    • その際、自社が直面するリスクおよび機会を可能な限り定量化することを含め、客観的な分析・評価が行われているかを確認する
    • 社だけでなく、取引先を含むサプライチェーンや業界全体を見据えて、リスク・機会の評価を行う
  • 経済安全保障リスクへの対応策の検討・実行・モニタリング
    • 時に短期的な利潤最大化に相反する迅速な意思決定が求められ得ることを認識した上で、中長期的かつ全体最適の目線で経営判断に繋げる
    • 次の打ち手の検討に繋げるため、対応策の効果検証に加え、経済安全保障対応における組織体制・風土や責任・権限の割り当て等が適切かどうかをモニタリングする
  • 経済安全保障対応における組織体制の構築
    • 各部門が重要とする指標等が異なるため、経済安全保障のリスク認識や対応の必要性が全社に浸透しにくいこと、特定の部門だけで経済安全保障を対応することの難しさを認識する。その上で、間接部門や事業部門を含む部門・機能が有機的に連携し社内横断的に対応策を検討・実行する組織に加え、迅速な意思決定等が必要な場合に備え、対応策を実行する部門・機能に対して、経営者等が直接指示できる体制を構築する
    • リスクを管理する対応策だけでなく、機会と捉えて投資等に転じる対応策を検討できる組織体制の構築を意識する
    • 対応策の実効性を一層担保させるため、役員間の連携を促進する仕掛けや、必要に応じて経営者等が自ら現場に対して、対応策実行の必要性や目指すべき姿等を示すことも有用である
    • 既存部署の利活用や機能の拡大、専任部署の新設も含め、経済安全保障対応を統括する司令塔部門・機能を設置することも有用である
    • 社内で理解と協力を得やすくするため、司令塔部門・機能やリスク対応策を検討・実行する組織に、十分かつ適切な権限を与えることも有用である
    • 経営者等との連携を滞りなく推進するため、部門長等を責任者として設置するほか、経済安全保障を担当する執行役員以上の職責の者(専任・兼務問わず)を定めることも有用である
    • なお、自社の経営資源に限りがあり十分な組織体制が構築できない場合は、必ずしも新しい組織の設立や要員補充等を実行する必要はなく、既存組織や要員等で対応することを念頭に置く
    • 経済安全保障対応を中長期的な経営に活かすため、経済安全保障に知見・経験を有する人材の育成も有用である

~NEW~
国土交通省 「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」の実現に取り組みます~「グリーンインフラ推進戦略2030」を策定しました!~
  • 2030年度までに「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」を実現するため、グリーンインフラの更なる実装に向けた全体の方向性を整理し、「グリーンインフラ推進戦略2030」を策定しました。
    • 国土交通省では、2023年に「グリーンインフラ推進戦略2023」を策定し、官と民が両輪となってグリーンインフラのビルトインに取り組んできました。
    • 前戦略によるグリーンインフラの実装の進展や国内外の動向などを踏まえ、2025年6月に策定した「国土交通省環境行動計画」に係る実行計画として新たに「グリーンインフラ推進戦略2030」を策定しました。
    • 本戦略の計画期間は2030年度までとし、「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」の実現を図り、2050年に向けて「自然共生社会」の実現を目指します。
    • 本戦略のポイントは以下の3点です。
      1. グリーンインフラの普及に資するよう、定義*1や効果を整理等した上で更に分かりやすく説明。
      2. 「グリーンインフラの活用が当たり前の社会」の実現に向けた分野横断的な環境整備策をまとめ、初めて20項目のKPIを設定。
      3. 社会課題解決に向けたグリーンインフラを実装する国土交通省の個別事業等を体系的に整理し、代表的な19項目のKPIを設定。
    • 今後は、本戦略に基づいて、「グリーンインフラ官民連携プラットフォーム*2」を中心に地方公共団体や民間事業者、市民団体、地域コミュニティに至るまでの多様な主体と連携してグリーンインフラの実装を更に推進していきます。
  • グリーンインフラの定義
    • 自然の多様な機能を活用した社会資本であり、将来にわたり持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくり及びウェルビーイング向上に貢献するもの。
    • これは、人と自然の関わりから形成されるものであり、戦略的な計画、持続的な維持管理、幅広いステークホルダーの参画などを通じてより大きな効果の発現が期待できる。
▼ グリーンインフラ官民連携プラットフォーム

~NEW~
金融庁 「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)の公表について
  • 金融庁はこれまで、金融機関等に対し、「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の「対応が求められる事項」に則した態勢の整備について、2024年3月末までに完了させることを要請し、金融機関等ではマネロン等リスク管理の基礎的な態勢整備を実施してきました。金融機関等における基礎的な態勢整備が概ね完了した中、今回の改正は、預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策強化やFATF第五次審査のメソドロジー等、足許の金融機関を取り巻く環境変化等を整理し、金融機関等におけるマネロン等リスク管理態勢の維持・高度化を促進するものです。
▼ (別紙)「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の一部改正(案)(新旧対照表)
  • 【削除】また、「対応が求められる事項」に係る態勢整備を前提に、特定の場面や、一定の規模・業容等を擁する金融機関等の対応について、より堅牢なマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の構築の観点から対応することが望ましいと考えられる事項を「対応が期待される事項」として記載している。
  • 【新設】また、金融庁は、金融機関等における理解を促進すること等を目的として、必要に応じて、本ガイドラインで示す「対応が求められる事項」や当局としてのモニタリングのあり方等についての考え方を示す文書等を作成・公表している。金融機関等は、そうした文書等にも留意しつつ、マネロン・テロ資金供与対策に取り組むことが必要である。
  • 【削除】対応が期待される事項
    • 自らの事業環境・経営戦略等の複雑性も踏まえて、商品・サービス、取引形態、国・地域、顧客の属性等に関し、リスクの把握の鍵となる主要な指標を特定し、当該指標についての定量的な分析を行うことで、自らにとって重要なリスクの高低及びその変化を適時・適切に把握すること
    • 自らが提供している商品・サービスや、取引形態、取引に係る国・地域、顧客属性等が多岐にわたる場合に、これらに係るリスクを細分化し、当該細分類ごとにリスク評価を行うとともに、これらを組み合わせて再評価を行うなどして、全社的リスク評価の結果を「見える化」し(リスク・マップ)、これを機動的に見直すこと
    • 団体の顧客についてのリスク評価に当たっては、当該団体のみならず、当該団体が形成しているグループも含め、グループ全体としてのマネロン・テロ資金供与リスクを勘案すること
    • 取引対象となる商品の類型ごとにリスクの把握の鍵となる主要な指標等を整理することや、取扱いを制限する商品及び顧客の属性をリスト化することを通じて、リスクが高い取引を的確に検知すること
    • 商品の価格が市場価格に照らして差異がないか確認し、根拠なく差異が生じている場合には、追加的な情報を入手するなど、更なる実態把握等を実施すること
    • 書類受付時に通常とは異なる取引パターンであることが確認された場合、書類受付時と取引実行時に一定の時差がある場合あるいは書類受付時から取引実行時までの間に貿易書類等が修正された場合には、書類受付時のみならず、修正時及び取引実行時に、制裁リスト等と改めて照合すること
    • 輸出入取引等に係る資金の融通及び信用の供与等の管理のために、ITシステム・データベースの導入の必要性について、当該金融機関が、この分野において有しているリスクに応じて検討すること
    • マネロン・テロ資金供与対策を実施するために、自らの規模・特性・業容等を踏まえ、必要に応じ、所管する専担部室を設置すること
    • 同様に、必要に応じ、外部専門家等によるレビューを受けること
    • マネロン・テロ資金供与リスク管理態勢の見直しや検証等について外部専門家等のレビューを受ける際には、検証項目に照らして、外部専門家等の適切性や能力について、外部専門家等を採用する前に、経営陣に報告しその承認を得ること
    • また、必要に応じ、外部専門家等の適切性や能力について、内部監査部門が事後検証を行うこと
    • 役職員の人事・報酬制度等において、マネロン・テロ資金供与対策の遵守・取組み状況等を適切に勘案すること
  • 海外拠点等を有する金融機関等グループにおいて、各海外拠点等のリスク評価の担当者に対して、単にリスク評価の手法についての資料等を作成・配布するのみならず、リスク評価の重要性や正確な実施方法に係る研修等を当該拠点等の特殊性等を踏まえて実施し、その研修等の内容についても定期的に見直すこと
    • 海外拠点等を有し、海外業務が重要な地位を占める金融機関等グループにおいて、マネロン・テロ資金供与対策に関わる職員が、マネロン・テロ資金供与に係る国際的な動向について、有効な研修等や関係する資格取得に努めるよう態勢整備を行うこと
  • 【削除】先進的な取組み事例
    • 外国PEPsについて、外国PEPsに該当する旨、その地位・職務、離職している場合の離職後の経過期間、取引目的等について顧客に照会し、その結果や居住地域等を踏まえて、よりきめ細かい継続的顧客管理を実施している事例
    • 顧客リスク評価を担当する部門内に、データ分析の専門的知見を有する者を配置し、個々の顧客情報や取引情報をリアルタイムに反映している事例。
    • コルレス先管理について、コルレス先へ訪問してマネロン・テロ資金供与リスク管理態勢をヒアリングするほか、場合によっては現地当局を往訪するなどの方法も含め、書面による調査に加えて、実地調査等を通じたより詳細な実態把握を行い、この結果を踏まえ、精緻なコルレス先のリスク評価を実施し、コルレス先管理の実効性の向上を図っている事例
    • グループベースの情報共有について、グループ全体で一元化したシステムを採用し、海外拠点等が日々の業務で知り得た顧客情報や取引情報を日次で更新するほか、当該更新情報を本部と各拠点で同時に共有・利用することにより、本部による海外拠点等への監視の適時性を高めている事
  • 【新設】対応が求められる事項
    • 検知した取引の疑わしさの度合いやマネロン・テロ資金供与リスクの動向等に応じて、適切なリスク低減措置を講ずること
    • 新技術の有効性を検討し、他の金融機関等の動向や、新技術導入に係る課題の有無等も踏まえながら、マネロン・テロ資金供与対策の高度化や効率化の観点から、自らの規模・特性・業容等を踏まえ、こうした新技術を活用する余地がないか、その有効性も含めて必要に応じ、検討を行うこと
    • マネロン・テロ資金供与リスク管理に係る業務を外部委託する場合に、「対応が求められる事項」が目標としている効果と同等の効果を確保する観点から外部委託先の態勢を検証すること
  • 【新設】各金融機関等において、業務の特性等を踏まえ、項目によっては、マネロン・テロ資金供与リスク管理に係る業務を外部委託することも考えられる。部委託に伴う様々なリスクの管理等について、関連する法令の規定をその適用関係に応じ遵守し、業態ごとの監督指針等に留意することは当然として、それに加えて、特にマネロン・テロ資金供与リスク管理に係る業務を外部委託する場合には、「対応が求められる事項」が目標としている効果と同等の効果を確保する観点から、外部委託する業務に係る外部委託先の態勢を検証することが求められる。
  • 【削除】以下のように、本部がグループ共通の視点で海外拠点等も含む全社的なリスクの特定・評価を行いつつ、実地調査等を踏まえて各拠点に残存するリスクを実質的に判断し、グループベースの管理態勢の実効性強化に役立てている事例。具体的には、海外拠点等を含む全社的なマネロン・テロ資金供与対策プログラムを策定し、これに基づき、本部のマネロン・テロ資金供与対策主管部門において、拠点別の口座数、高リスク顧客数等の情報を一括管理し、海外拠点等も含む各部門・拠点のリスクを共通の目線で特定・評価している。その上で、部門・拠点ごとの低減措置につき、職員の人数、研修等の実施状況、IT等のインフラの特異性等も踏まえながら、各拠点と議論した上で低減措置の有効性を評価している。さらに、低減措置を踏まえてもなお残存するリスクについては、必要に応じて本部のマネロン・テロ資金供与対策主管部門が実地調査等を行い、残存するリスクが高い拠点については監視・監査の頻度を上げるなど、追加の対策を講じ、全社的な対策の実効性を高めている。

~NEW~
内閣官房 「人的資本可視化指針(改訂版)」(案)に関する意見募集を開始しました。
▼ 人的資本可視化指針(改訂版)の骨子(案)
  1. 人的資本投資及びその可視化の意義
    1. 成長投資としての人的資本投資とその可視化の重要性
      • 人的資本への投資は、強い日本経済の実現を目指し、中長期的な企業価値の向上を後押しするために不可欠な要素。
      • 日本企業の全要素生産性は他国と遜色なく、他国との最大の違いは資本投入量である。特に、金融危機以降、多くの日本企業は海外で投資を拡大しつつ、日本での投資は横ばい傾向。
      • 設備投資や研究開発投資(どちらも海外子会社の投資分も含む)はここ10年で金額は増加(金額ベースで、設備投資は+42%、研究開発投資は+45%)。一方、対売上高比では伸び悩み。
      • 特に、人的資本への投資は諸外国と比べて低迷。また、人的資本投資額(OFF-JTに関する直接費用+間接費用)の対GDP比率は、他の先進諸国と比べて、ドイツ・英国では増加傾向であるのに対し、日本では減少傾向。
      • 企業価値向上に向けて、人的資本投資を含めた無形資産投資の重要性が高まっている。一方で、日本における無形資産投資は先進諸国と比べて低く、10年間でほとんど増加していない。
      • 実際に、イノベーションの源泉である研究開発における人件費について、購買力平価換算でみると、企業の研究開発費は、日本が1,351億ドルであるのに対し、米国は5,654億ドル。研究開発費のうちの人件費は、日本は約40%であるのに対し、米国:約62%、ドイツ:約64%、韓国:約48%と、研究開発人材に対する投資が進んでいない可能性。
      • このように、日本企業が人的資本の能力を引き出すことにおいて他国企業に劣後しているという点は大きな課題。早急に課題解決に取り組み、その内容及び進捗状況を可視化することは極めて重要。
      • また、経済産業省が実施した2040年就業構造の推計においては、今後の成長の実現に向けて、労働供給が減少する中において大きな不足を生じさせないためには、AI・ロボットの活用促進や、リスキリング等による労働の質の向上を実現することが重要と指摘されている。また、現在の人材供給のトレンドが続いた場合、職種間、学歴間によって需給のミスマッチが発生する可能性も想定されており、戦略的な人材育成や円滑な労働移動の推進が必要であると推計されている。
      • このように、日本経済の力強い成長に向けて、人的資本投資については、投資量の拡大にとどまらず、企業価値の向上につながる質の高い投資の拡大に向けた取組が重要。
      • その上で、企業における人的資本投資のポイントとして、以下のような内容が考えられる。
        • 重要なスキルを持つ人材に対する投資:高いスキルが要求される分野(IT、データアナリティクス、プロジェクトマネジメント、営業/マーケティング、技術研究、経営・企画など)と全職種平均を比較した際の賃金差は小さい。企業の競争力の維持・強化に向けて、スキルの重要度を踏まえた報酬体系となっていない可能性。
        • ジョブ・スキルに基づく処遇制度の導入:従来の我が国の雇用制度は、新卒一括採用中心、異動は会社主導、企業から与えられた仕事を頑張るのが従業員であり、将来に向けたリスキリングがいきるかどうかは人事異動次第となる、従業員の意思による自律的なキャリア形成が行われにくいシステムであった。個々の職務に応じて必要となるスキルを設定し、スキルギャップの克服に向けて、自ら職務やリスキリングの内容を選択していくジョブ型人事に移行することで、自律的なキャリア形成を目指したスキルの涵養を図ることも考えられる。その際、個々の企業の経営戦略や歴史など実態が千差万別であることに鑑み、自社のスタイルに合った導入方法を各社が検討できることが大切。このため、政府としてジョブ型人事の導入拡大に向けて、「ジョブ型人事指針」を公表、多様な企業の導入事例に基づき、実践的な情報提供を行ったところ。
        • 女性活躍:日本企業においては、役職が上がるにつれて女性の割合は下がっており、社内の女性が有効に活用されていない状況。一方、投資家は、長期的な業績の向上に向け、優秀な人材確保のために女性活躍が必要だと認識。ライフイベント等を踏まえた女性のキャリア形成支援や、柔軟な働き方を可能とする環境整備、女性特有の健康課題への対応など性差の観点も含めた従業員の健康投資も重要。女性活躍に資する施策は、ワークライフバランスや組織風土の改善など、性別を問わず全ての属性の従業員にプラスとなり得るものであり、多様でレジリエンスのある組織づくりに寄与する。
        • ダイバーシティ:多様なマーケットの中で企業がイノベーションを創出するために、人材の多様性についての重要性が指摘される一方、日本においては、諸外国に比して経営層等の多様性が低い傾向。人材の多様性確保に加え、多様な知と経験を活かす環境整備が必要。
      • こうした人的資本投資を通じて企業が人的資本の能力を最大限発揮し、持続的に企業価値向上に結びつけ拡大していくためには、資本市場、労働市場に対して人的資本投資の現状を適切に可視化し、新たな資金・人材の獲得へとつなげることで、人的資本投資の実践と開示の好循環を形成していくことが不可欠である。
    2. 人的資本投資に対する投資家の期待
      • 人的資本に対する投資については、中長期的な投資・財務戦略において特に重視すべきと考える投資家が6割以上おり、人的資本に対する投資の重要性は多くの投資家が認識している。投資家は、企業の人材戦略・人的資本投資について、企業が将来の成長・収益力を確保するためにどのような人材を必要としていて、具体的にどのような取組を行っているか、人材戦略に関する経営者からの説明を期待している。
      • その際、企業ごとに経営戦略・ビジネスモデルが異なる中で、企業固有の経営課題に対する取組の進捗状況を把握するために、比較可能性のある指標のみならず独自性のある指標を開示することが期待されている。
      • 特に、企業の人的資本に関する情報開示のうち、投資家は人材戦略が企業価値の向上につながるストーリーや、人材戦略が影響を与える経営戦略・事業戦略、人材戦略が影響を与える財務指標に関心をもつ。
      • なお、投資家の関心事項の1つには株主配当があり、この株主配当の拡大と人的資本投資の拡大は相反するものと捉えられることもある。しかしながら、両者は相反するものではなく、人的資本投資の拡大を通じた企業価値の向上は、中長期的には投資家の期待にも沿うものである。
      • また、転職希望者や自社の従業員も、企業の人的資本投資に関心を持つ。
      • こうした中で、人的資本投資に関する企業の情報開示については、内閣官房に設置された非財務情報可視化研究会が、2022年に「人的資本可視化指針」を公表、2023年には有価証券報告書において人的資本に関する開示が義務化された。
      • 各社の情報開示が進んできた一方、投資家からは、企業価値向上に向けた経営戦略の実現及びそれに関連した財務指標の改善に向けて必要な人的資本投資が行われているか、という観点からの情報開示が不十分との指摘がある。
      • さらに、人的資本を含むサステナビリティ開示については、国際基準の検討が進み、2023年6月には国際サステナビリティ基準審議会よりISSB基準が公表された。今後投資家とのコミュニケーションにおいて、こうした国際基準を踏まえた人的資本開示も期待されると考えられるが、人的資本に特化した開示の考え方は未だ明らかではない。
  2. 人的資本の可視化に向けた考え方
    1. 投資家の期待に応えるための人的資本開示(経営戦略と人材戦略の連動)
      • 改訂前の人的資本可視化指針では、経営戦略と人材戦略の連動の重要性が強調された。この点について、国内の投資家のみならず、海外の投資家からも、経営戦略と人材戦略を関連付けた開示は有用であるとの意見が広く聞かれるところである。
      • 改訂版の人的資本可視化指針では、経営戦略と人材戦略の連動の可視化に関する、より具体的な考え方を示している。
      • 今後、生成AIなどの革新的技術の急速な進展や人口減少などに伴い、経営環境や業務プロセスが大きく変化することが予想される中、企業の経営戦略・成長戦略を達成するために将来必要となる人材ポートフォリオをできるだけ鮮明に描くことがまずは肝要である。
      • こうした「あるべき組織・人材の姿」を明確にし、それを踏まえた人的資本に関する課題に対処するための「必要となる人的資本投資」を整理することにより、自社にとっての経営戦略と連動した人材戦略を明確にすることが可能になると考えられる。
      • 「あるべき組織・人材の姿」及び「必要となる人的資本投資」の検討と、それを踏まえた開示を検討するにあたり、国際基準における考え方が参考になる。
      • IFRSS1付録B適用ガイダンスにおいて、戦略上の目的を達成(経営戦略を実現)するために高度に専門的な労働力を必要とする(高度に専門的な労働力に依存する)企業の例が記載されている。この例においては、企業の将来の成功は、当該人的資本を惹きつけて維持する企業の能力に「依存」し、人的資本を惹きつけて維持する企業の能力は、企業の従業員の研修への投資、従業員の福利への投資、従業員満足度、従業員との対話(従業員エンゲージメント)の「影響」を受けるという相互作用が記載されている。
      • また、このような関係(相互作用)がサステナビリティ(人的資本)関連のリスク及び機会を生じさせる場合があるとされている。
      • 経営戦略から生じる人的資本関連のリスク及び機会、また、それらのリスクや機会を踏まえた人材戦略や人的資本への投資を関連付けることで、企業は自社の経営戦略と人材戦略を統合的なストーリーとして説明することができると考えられる。
      • 以上を踏まえ、人的資本可視化指針(改訂版)において、経営戦略と人材戦略の関係を「人的資本への依存と影響」「人的資本関連のリスクと機会」という2つのステップを介してより具体的な形で説明する。このような考え方は、国際基準における考え方とも整合していると考えられる。
        • 人的資本への依存・影響:企業の経営戦略の実現は、将来の「あるべき組織・人材の姿」を踏まえて、必要となる人的資本を確保できるか否かに「依存」する関係にある。また、このような人的資本を確保するために、企業は「必要となる人的資本投資」を行い人的資本に「影響」を与える。企業と人的資本の間には、このような相互関係がある。
        • 人的資本のリスクと機会:このような相互関係を明らかにすることは、企業にとって重要な人的資本関連のリスク及び機会を整理することに資すると考えられる。
      • (4つの要素に従った開示)
        • SSBJ基準において、4つの要素(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に基づく開示が求められている。これらのうち、「(人材)戦略」と「(人的資本関連の)指標と目標」に関して、経営戦略と関連付けた開示が投資家から期待されている。
        • さらに、「(人材)戦略」と「(人的資本関連の)指標と目標」と関連付ける形で、「ガバナンス」と「リスク管理」の開示を行うことにより、投資家が期待する4つの要素に従った開示が可能になると考えられる。
        • 投資家の期待に応える人的資本開示を行う上で、企業はSSBJ基準で示された4つの要素の考え方を踏まえた人的資本開示を行うことが考えられる。
          • ガバナンス:人的資本関連のリスク及び機会をモニタリングし、管理し、監督するために用いるガバナンスのプロセス、統制及び手続
          • 戦略:人的資本関連のリスク及び機会を管理する企業の戦略(人材戦略)
          • リスク管理:人的資本関連のリスク及び機会を識別し、評価し、優先順位付けし、モニタリングするために用いるプロセス
          • 指標及び目標:人材戦略に関して企業が用いている指標及び目標
    2. 経営戦略と連動した人材戦略・人的資本投資の実践(経営戦略と連動した人材戦略・人的資本投資)
      • 経営戦略と連動した人材戦略の策定に向けては、例えば事業規模の拡大や、事業の収益性の向上といった経営戦略における重要な項目、あるべき組織・人材の姿をまず検討し、その上で求められる人材戦略・人的資本投資を体系的に整理する必要がある。
      • その際、経営に重要な影響を与える(1)事業セグメント・地域ごとの事業戦略(例:新規事業拡大、既存事業の収益性向上等)を踏まえ、(2)事業セグメント・地域ごとでの人材の質・量の充足や活性化に向けた目標を定めた上で、(3)具体的な人材戦略・人的資本投資について検討することも有益。またガバナンス体制を含めた組織的な基盤構築の取組も重要。
      • こうした経営戦略に基づく質の高い人的資本投資を着実に実行することで、研究開発やデジタル分野等における高度人材の育成・獲得や組織・人材の活性度の向上を通じて、当該企業における安定した無形資産の形成・蓄積の実現による企業価値の向上へとつなげていくことが可能となる。
      • また、経営戦略と連動した人材戦略を策定し、企業価値向上につながる人的資本投資を進めていくためには、当然のことながら経営層のコミットメントが必要不可欠である。
      • 今後、生成AIなどの革新的技術の急速な進展や人口減少などに伴い、経営環境や業務プロセスが大きく変化する中では、必要な人材ポートフォリオや人材戦略の不断の見直しについても、経営層による迅速な意思決定の重要性がますます高まっていくと考えられる。
      • 経営戦略の実現に必要な組織・人材の状態や、必要となる人的資本投資を明らかにし、経営戦略と連動した人材戦略を検討することは、国際基準の考え方と整合的と考えられる。
      • (人材戦略・人的資本投資の可視化)
        • 人材戦略・人的資本投資の可視化にあたっては、前述のとおり、経営戦略に基づきあるべき組織・人材の姿をまず検討し、現状との差分に基づき課題を整理する。その上で必要となる人的資本投資を特定し、経営に与える重要度を基に優先順位・時間軸を踏まえた人材戦略を策定するところから着手することが必要。
        • その上で、当該人材戦略及びその効果について不断にその進捗状況を把握するべく、可能な限り定量的な指標・目標を適切に設定し、可視化することにより、人的資本投資を企業価値向上に結びつく質の高いものとしていくことが重要。その際には、人材戦略・人的資本投資と経営戦略とのつながりについて、比較可能性の高い指標のみならず独自性のある指標について、定性的な説明も適切に活用しつつ、財務・人事の両面から一貫したストーリーとして説明することが重要。
        • その際、人的資本情報の開示にあたっては、あくまでそれぞれの経営戦略に基づく人的資本投資の考え方、現状と課題やリスク、今後の取組を説明することが重要であり、特定の項目について画一的な開示が求められている訳ではないことに留意が必要である。
        • 人材戦略・人的資本投資の可視化にあたっては、経営戦略と人材戦略が連動している前提の下、以下のようなポイントが考えられる。
        • 企業は、具体的な実践を通じて、自社の人的資本経営を継続的にアップデートしていくことが重要。その際には、人的資本の可視化についても、社内体制の構築や議論も行いながら段階的に充実させていくことが必要と考えられる。

~NEW~
内閣官房 国土強靱化の推進に関する関係府省庁連絡会議(第35回)議事次第
▼ 資料3:国土強靱化年次計画2026の策定方針(案)のポイント
  • 国土強靱化年次計画とは
    • 毎年度、国土強靱化基本計画に基づき、当該年度に取り組む施策をとりまとめるとともに、KPIにより進捗をフォローアップするもの。国土強靱化推進本部決定
  • 国土強靱化年次計画2026 (案)のポイント
    1. 5か年加速化対策の最終的な実施結果を取りまとめる
      • 目標に対する達成状況を評価し、課題を分析する
      • 成果事例を取りまとめ、国土強靱化の取組の効果を発信する
      • 5か年加速化対策の成果・課題を実施中期計画等の実施や次期基本計画の検討等に確実に反映する
    2. 実施中期計画の施策の実効性を高める
      • 計画初年度の予算確保の状況を取りまとめる
      • 広域連携や民間事業者との連携、まちづくり等との連携など、施策間連携等に関する取組状況を取りまとめる
      • 施策ごとに予算執行額とKPIの進捗との関係を整理するなど、施策目標達成への道筋を明らかにする
      • 計画の初年度から実施中期計画の施策を着実に進捗させる
    3. 地域の強靱化や民間の取組の促進、国土強靱化に関する普及啓発の取組を取りまとめる
      • 国土強靱化地域計画の内容充実等に関する取組状況を取りまとめる
      • 事業計画の策定等による企業の強靱化や企業による自主的な防災減災投資の拡大に関する取組状況を取りまとめる
      • 国土強靱化の広報・普及啓発活動を取りまとめる
    4. 防災・国土強靱化分野の成長戦略の取組を取りまとめる
      • 防災・国土強靱化分野の成長戦略を踏まえ国土強靱化の取組やその実施方針を取りまとめる

~NEW~
内閣府 第1回経済財政諮問会議
▼ 資料1-1 中長期の経済財政に関する試算(2026年1月)のポイント(内閣府)
  • 経済の中長期的な展望
    • 成長移行ケース
      • 全要素生産性(TFP)上昇率※が過去40年平均の1.1%程度まで高まるシナリオ。
      • 実質成長率が1%を安定的に上回る成長、名目成長率は中長期的に3%程度の成長。
      • 成長に向けた投資拡大と生産性向上を伴う成長型経済に移行し、潜在成長率を高めることが重要。※※
    • 過去投影ケース
      • TFP上昇率が直近の景気循環から足下の平均並み(0.6%程度)で推移するシナリオ。
      • ゼロ近傍の成長を過去数値より投影し、中長期的に実質0%台半ば、名目1%程度の成長。
  • 財政の中長期的な展望
    1. 国・地方の公債等残高対GDP比
      • 2024年度から2025年度、2026年度にかけて、成長率の範囲内に公債等残高の伸びを抑制することで着実に低下。
      • その後、成長移行ケースでは、金利の上昇が押上げ要因となるものの、高い経済成長率、PB黒字が押下げ要因となり、試算期間を通じて、着実に低下する。一方、過去投影ケースでは、成長移行ケースに比べると経済成長率やPB黒字による押下げ要因の寄与が小さいため、2030年代前半には上昇に転じる。
    2. 国・地方のPB対GDP比
      • コロナ禍で赤字が大きく拡大した後、赤字幅は徐々に縮小。
      • 2026年度は、国の一般会計(予算)において、28年ぶりにPB黒字化を達成。
      • こうした「責任ある積極財政」に基づく予算編成等の結果、SNAベースの国・地方のPBでみても、2026年度には、PB目標を掲げた2001年度以降で最も改善した形となり、歳入と歳出が概ねバランスした姿を実現する見込み。
      • 2027年度以降は、成長移行ケースでは黒字幅が緩やかな拡大傾向で推移する一方、過去投影ケースでは次第に縮小していく姿となっている。
  • 債務残高対GDP比の変化要因
    • 債務残高対GDP比は、名目成長率、金利、PB等によって変化。
    • 実績期間(2024年度まで)については、リーマンショックやコロナ禍等の危機時に、PB赤字の拡大とマイナスの経済成長により大幅に上昇。危機の後は、PB要因は赤字が徐々に縮小することで押上げ寄与が縮小し、成長率要因は総じて押下げに寄与。金利要因の押上げ寄与は低金利環境が続いたことで低位にとどまった。
    • 成長移行ケースでは、金利要因による押上げ寄与が徐々に拡大する一方、高い成長率、PB黒字による押下げ寄与がこれを上回ることにより、試算期間を通じて安定的に低下していく姿となる。ただし、金利要因が拡大していくことから、その低下幅は徐々に縮小していく姿となっている。
    • 過去投影ケースでは、成長率要因とPB要因がそれぞれ押下げに寄与するものの、その寄与は成長移行ケースに比べて小さなものにとどまる。一方で、金利要因は徐々に押上げ寄与を拡大していくことから、2031年度以降、上昇に転じる姿となっている。
  • 国・地方のPBの動向
    • 2025年8月試算における国・地方のPBは、2025年度3.2兆円の赤字、2026年度は3.6兆円の黒字の見込みであった。
    • 前回試算との比較では、昨年11月の経済対策に係る歳出の追加等の影響により、2025年度・2026年度のPBは悪化。
    • 他方、2026年度は、国の一般会計(予算)において、28年ぶりにPB黒字化を達成。
    • こうした「責任ある積極財政」に基づく予算編成等の結果、SNAベースの国・地方PBでみても、2026年度には、PB目標を掲げた2001年度以降で最も改善した形となり、歳入と歳出が概ねバランスした姿を実現する見込み。
    • 2027年度以降は、成長移行ケースでは黒字幅が緩やかな拡大傾向で推移する一方、過去投影ケースでは次第に縮小していく姿となっている。
  • (参考)高成長実現ケース
    • 成長移行ケースよりも更に高い成長となる高成長実現ケース(TFP上昇率がデフレ状況に入る前の期間の平均1.4%程度まで高まるシナリオ)では、PB対GDP比や公債等残高対GDP比が、成長移行ケースに比べて、更に改善する姿となる。
▼ 資料2 中長期の経済財政試算を踏まえた「責任ある積極財政」の実行に向けて (有識者議員提出資料)
  • 日本経済は、デフレ下の「守りの政策」から、物価・賃金・金利が動く局面での「成長と信認」を同時に実現する政策運営へ移行しつつある。こうした下で高市政権は、危機管理投資・成長投資を進め、供給力を高めつつ、財政規律にも配慮する「責任ある積極財政」を掲げ、強い経済と財政の持続可能性の両立を目指してきた。
  • 今回の中長期の経済財政試算は成長の実現を通じて政府債務残高対GDP比が着実に低下し得ることを一定の前提の下で示している。すなわち、成長により実質賃金・企業収益・税収が底上げされれば、フロー(PB)の改善とストック(債務比率)の低下が同時に進みうる。これは「成長すれば債務比率が下がる」というメカニズムを、政策運営の中心に据えるべきことを意味する。
  • 金利が上がる局面では、利払費の動向を確認し、信認を確保することが重要である。他方、成長局面では金利の上昇とともに税収の押上げも期待されるため冷静に点検していくべきである。国債の平均残存期間を踏まえれば、金利上昇の利払費への波及には時間差がある。他方で、足元の市場金利を含む金利動向には常時注意を払い、状況を丁寧に点検しておくことが必要である。
  • そうした中で、危機管理投資・成長投資を加速して潜在成長力の引き上げを図り、債務比率の低下を一過性に終わらせず、確かな成長軌道にする「投資と成長の好循環」を実現・定着させることが重要である。その際、市場の信認を確保するためにも、質の高い政府投資につながる仕組みを検討する必要がある。
  • 「強い経済」と「財政の持続可能性」の両立に向けて
    • 今回の中長期試算では、フロー(PB)・ストック(債務比率)の両面から、財政状況が改善する姿が示された。加えて、部門別収支をみても、政府部門の赤字が解消に向かう中で、企業部門の貯蓄超過が縮小していく見込みが示され、特に「成長移行ケース」では投資超過に転じている。これは、「責任ある積極財政」の下で、危機管理投資・成長投資等の重要施策を強化しつつ、予算全体のメリハリ付けを通じて財政規律にも配慮し続けることにより実現されるものと考えられる。
    • 足元の金利状況も含め、金融市場の動向を踏まえ、引き続き「強い経済」と「財政の持続可能性」の両立に向け、骨太方針に向けた整理を深める必要がある。
      • 骨太方針に向けて、名目成長率の範囲内に政府債務残高の伸びを抑え、債務残高対GDP比を安定的に引き下げるという方向性を、より明確にすべき。
      • また、単年度ごとのPB黒字化目標の達成の可否より、景気動向も踏まえつつ、PBを徐々に改善させるなど、PBの黒字を複数年度でバランスを確認する観点から、過度に楽観的でも、過度に悲観的でもないPBの着実な改善に向けた取組を進めていくことが肝要。
      • さらに、利払費の動きが信認の確保において重要。金融市場の動向を踏まえて、利払費(対GDP比・税収比・歳入比)も確認すべき。
      • 今回示された一般政府の部門別収支等についても、その性質を踏まえつつ確認すべき。
      • 今後、経済財政運営の目標の見直しの検討に当たって、今般の中長期試算において示された様々な指標も確認しながら、市場の信認確保を念頭に置いた整理を行うべき。また、シーリングを含めた予算編成の方針の見直しについて検討すべき。
  • 「強い経済」の実現に向けて
    • 危機管理投資・成長投資が経済や財政に与える影響を分析し、高市内閣が目指す経済財政の姿を分かりやすい形で早期に提示すべき。加えて、以下の分野を検討することで、「強い経済」と「財政の持続可能性」の両立を着実に進める必要がある。
      1. 危機管理投資・成長投資の実現に向けた仕組みの構築
        • 複数年度にわたる予算措置のコミットメントと新たな財源の枠組み
        • 官による需要創出(政府調達・規制改革等)
        • 官民連携による質の高い投資を促進する観点から、各分野における対応状況の着実なフォローアップ
        • 目標・道筋・政策手段を明確化する「官民投資ロードマップ」の策定
      2. 科学技術・イノベーション力の強化に向けた取組の具体化と着手
        • 次期「科学技術・イノベーション基本計画」の着実な実施
        • 官民による研究開発投資の拡大。特に、基礎研究への政府予算増額(運営費交付金・科研費の拡充等)と戦略領域への重点投資の両立
        • フロンティア(経済安全保障等)
        • 大学の再編・統廃合・改革と伸ばすべき大学への優先的リソース配分
        • 人材育成(初等中等教育の抜本改革、エンジニアリング人材の育成・確保、若手研究者の処遇改善)・流動化、国際頭脳循環
        • スタートアップエコシステムの強化に向けた取組(大学発ディープテックスタートアップの発掘、グローバル水準へのスケールアップに向けた海外VCの呼び込み、政府調達強化)
      3. 働きたいとの希望を実現し、働くことが報われる仕組み
        • 適度な物価上昇を前提とした賃上げの力強いモメンタムのさらなる定着
        • リスキリング支援策の点検・強化、生産性の高い柔軟な働き方につながる労働市場改革
        • 働き方に中立的な制度の構築に向けた点検・見直し(社会保険、企業の配偶者手当等)
        • 就職氷河期世代への集中的支援(賃上げ・能力開発・処遇改善のパッケージ)
      4. 社会保障と税の一体改革に関する国民的議論に向けて
        • 給付と負担の将来見通しの提示、所得階層別・世帯類型別の給付と負担の見える化
        • 与党間の合意に基づき現役世代の保険料率の上昇を止め、引き下げていくための社会保障改革の実施
        • 飲食料品は2年間に限り消費税の対象としないことについて、システム対応などの事業者負担、外食等の他の取引への影響、給付付き税額控除等の実施時期との関係、金利や為替等の金融市場や地方財政への影響、特例公債に頼らない財源の在り方等の課題を検討
        • 中・低所得者の負担を軽減し、所得に応じて手取りが増えるようにするため、給付付き税額控除の制度設計を含め、「社会保障と税の一体改革」について速やかに検討(デジタルの徹底活用など、制度に合致したシステム設計を含む(例えば、税と社会保障のデータ連結、一体的かつ効率的に国民に還元する仕組み等)) 等
      5. 国民や市場とのコミュニケーション強化
        • 「強い経済」を実現するサナエノミクスの狙いやシナリオ、経済・物価動向や財政状況等を踏まえた経済財政運営の適時適切かつ分かりやすく、訴求力のある発信

~NEW~
内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
  • 日本経済の基調判断
    1. 現状 【判断維持】
      • 景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している。
      • (先月の判断)景気は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復している。
    2. 先行き
      • 先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される。ただし、今後の物価動向や米国の通商政策をめぐる動向などの景気を下押しするリスクに留意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要がある。
    3. 政策の基本的態度
      • 政府は、「経済あっての財政」を基本とし、「責任ある積極財政」の考え方の下、戦略的に財政出動を行うことで「強い経済」を構築する。
      • 今の国民の暮らしを守る物価高対策を早急に講じるとともに、日本経済の強さを取り戻すため、生活の安全保障・物価高への対応、危機管理投資・成長投資による強い経済の実現、防衛力と外交力の強化を柱とする「「強い経済」を実現する総合経済対策~日本と日本人の底力で不安を希望に変える~」(11月21日閣議決定)及びその裏付けとなる令和7年度補正予算を速やかに執行する。
      • 政府と日本銀行は、引き続き緊密に連携し、経済・物価動向に応じて機動的な政策運営を行っていく。
      • 日本銀行には、経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
  • 日本経済を見るポイント(直近の物価動向と変化の兆し)
    • 12月の物価動向には変化の兆しが見られた。物価高の主因である食料品価格の上昇が鈍化し、エネルギー価格は政策効果により低下した。先行きに重要な原油価格は低下傾向にあり、米の取引関係者による価格見通しは下落に転じた。
    • 食品関係輸入価格の上昇が落ち着きつつある中で、本年春までに予定される食品値上げ品目数は昨年比6割程度に減少した。物価上昇の鈍化の兆しが定着していくか注視していく。
  • 日本経済を見るポイント(所得環境)
    • 賃金は緩やかながら安定的な上昇が続いている。物価上昇率の鈍化と合わせ、実質賃金上昇率のプラス化が近づく。
    • 雇用者数は人口減少の中でも増加を続け、特に女性の正規雇用の伸びが大きい。最低賃金引上げによる賃金底上げも期待され、所得環境の改善が今後の消費を下支えするとみられる。
  • 日本経済を見るポイント(消費者の景気実感)
    • 消費者も物価上昇の鈍化を予想し始めており、それに伴い消費者マインドは持ち直しつつある。年収の高い層ほど消費者マインドは高い傾向にあるが、最近は低い所得の層も含めて、回復がみられる。
    • 株高など近年の資産価格上昇は、家計に潜在的な所得増をもたらしているとみられる。ただし、所得や年代の違いによって資産・負債状況が異なることを念頭に置いた対応が重要である。
  • 2026年の世界経済と米国経済のポイント
    • 2026年の世界経済について、IMF・OECDともに中国経済の成長鈍化を予測する一方、米国経済の見方は分かれる。その主な要因は、・拡張的な財政金融政策が景気を支えると見るか(IMF)、移民減少や関税の価格転嫁等による景気抑制が進むと見るか(OECD)による。
    • 足下の米国景気は内需を中心に拡大している。AI需要の高まりが株価や企業の設備投資拡大を支えるが、一方で、デジタル投資への集中のあまり、それ以外の設備投資が鈍化している点には留意が必要。
  • 米国経済のポイント
    • 消費者マインドについて、特に2025年秋以降、高所得世帯と低所得世帯で方向感が異なることとなった。背景として、株高の恩恵が高所得層に偏っていることが指摘される。また、2026年に予定される所得減税の効果も高所得世帯中心とみられ、消費のけん引役が一部の高所得層に偏るおそれ。
    • 増加トレンドを続けてきた移民労働力人口は、第二次トランプ政権発足後大きく減少し、不法移民の入国も激減したとみられる。米国人を含めた雇用者数全体としても増勢の鈍化が続き、失業率は徐々に上昇している。

~NEW~
国民生活センター 男性の美容医療トラブルも増加!
  • ネットで #メンズ医療脱毛 を検索!#全身脱毛 が5回で15万円!安い!15回やった方が効果ある!?学割で100万円→90万円に値下げされたけど…やっぱり高額だし解約したい→ 188 に相談!
  • 相談事例
    1. 医療脱毛の安価な広告を見てクリニックへ出向いたところ、当日に契約をすればさらに安くなると勧誘されて高額な契約をしてしまった
      • インターネットで医療脱毛と検索し、「全身脱毛が5回で15万円」というクリニックの広告を見て、インターネットで予約した。初診のカウンセリングを受けたところ、「全身と顔の脱毛は5回より15回やった方が効果がある。2年間に15回施術する契約が約100万円だ」と言われた。高いと思ったが、「本日の契約なら学割で約90万円と安く出来る。支払期間は3年間で毎月約3万円の分割払いだ」と説明され、それぐらいの金額であれば支払えないことはないと思い契約をしてしまった。その後、知人と話をしたところ、高額であると指摘され、支払いを続ける自信がなくなった。高額な契約だったので解約したい。(2025年9月受付 20歳代 男性)
    2. 仮性包茎に悩み、包茎手術の広告をきっかけにクリニックへ出向いたところ、急かされて高額な契約をしたうえに即日施術をした
      • 仮性包茎に悩み、インターネットで「費用約5万円~」というクリニックの広告を見て連絡したところ、「来院後、診断してから手術方法を決める」と言われ、クリニックに出向いた。カウンセラーから「費用5万円は軽度の場合の価格。あなたは重度だ。痛みを緩和する亀頭陰茎増大術(ヒアルロン酸注入)を勧める」と言われた。痛みが怖いので、一番高額なコースを選んだところ、約200万円と言われた。「今契約すれば30%OFFになる」「本日なら院長先生が執刀するのでラッキーだ」などと言われ、約170万円の契約をしてそのまま手術を受けた。急かされて高額な契約をしたと感じた。支払いたくない。(2025年4月受付 20歳代 男性)
  • 消費者へのアドバイス
    1. 不安をあおられたり、大幅な割引を提案されても、即日契約・施術をしないようにしましょう
      • 美容医療の施術は、多くの場合、緊急性がありません。カウンセリングを受けるだけのつもりであったり、広告に記載された安価なコースを契約するつもりであったとしても、「広告は軽度の場合の価格。あなたは重度だ」などと不安をあおられて高額な施術を勧められたり、「今日契約・手術すれば割引」と契約を急かされて即日施術を勧められるケースがあります。その場で判断せず、いったん帰宅して周囲に相談するなど、慎重に検討してください。
    2. 施術前にリスクや副作用の確認をしましょう
      • 美容医療サービス等の自由診療では、医師は施術に伴う副作用の合併症のほか、施術費用及び解約条件、保険診療での実施の可否、効果には個人差があることなどについても丁寧に説明することが求められています。施術の効果やメリットだけではなく、リスク・副作用等については、カウンセラー等からではなく医師から十分に説明を受け、しっかりと納得したうえで施術を受けるかどうか判断してください。また、カウンセリングを受ける前に、希望する施術について自身でもインターネット等で情報収集し、リスク・副作用等を事前に確認しておきましょう。
    3. 不安に思った場合やトラブルになったときには、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談しましょう
      • クリニックで強引な勧誘を受けたり、解約に際してトラブルになった場合には、一人で悩まず最寄りの消費生活センター等に相談しましょう。一部の美容医療サービスは、期間が1カ月を超え、金額が5万円を超える場合、特定商取引法が適用され、契約書面を受け取った日を含む8日間はクーリング・オフができます。

~NEW~
国民生活センター 契約内容は自身でよく確認!ネットの旅行予約
  • 内容
    • 事例1
      • 旅行予約サイトでホテルを予約した。直後、日付を間違えているのに気づき、マイページからキャンセルしたが、返金できないと表示された。確認するとサイトに「返金不可」と表示があった。返金されないのは困る。(60歳代)
    • 事例2
      • 海外事業者が運営する旅行予約サイトでホテルを予約したが、キャンセルした。キャンセル料無料の期間なのにクレジット決済され、代金が戻らない。サイトに問い合わせると、カード引き落とし明細を添付して送るように言われ返信したが、その後連絡が取れない。返金してほしい。(60歳代)
  • ひとこと助言
    • 旅行予約サイトでの予約は、そのサイトのキャンセル等の条件や契約内容に従うことになります。消費者自身が十分に確認する必要があります。
    • 同じ宿泊施設等でも、プランごとにキャンセルできる期間が決まっていたり、キャンセルはできても返金不可のものがあります。申し込み前にしっかり確認しましょう。
    • サイトの運営事業者が、日本なのか海外なのかも確認しましょう。海外事業者の場合、コミュニケーションを取るのが難しい場合や日本の法律等を用いた交渉が難しい場合があります。連絡方法や日本語で対応されるか等カスタマー対応窓口についてもよく調べましょう。
    • 氏名(英字氏名のつづりや姓名の順など)、旅行日程、メールアドレス等入力情報のミスにも気をつけましょう。最終確認画面のスクリーンショットを撮り、申し込み内容に問題がないことを確認したうえで、申し込みボタンを押しましょう。
    • 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。海外事業者とのトラブルは国民生活センター越境消費者センターでも相談を受け付けています。

~NEW~
国民生活センター 球形のチーズによる子どもの窒息に注意!
  • 2024年11月、PIO-NETに1歳児が球形のチーズを食べて窒息し、死亡したという情報が寄せられました。当該品は、直径およそ2㎝の球形のチーズで、フィルムで包み両端がねじられたかたちで個装されているものでした。
  • その他、あめ、パン類、豆類などの食品も、窒息につながりやすい食品とされ、死亡事故も発生しています。
  • 子どもが不用意に口にしそうなものは手の届く範囲に置かないことが大切ですが、子どもは大人が目を離した間に思いがけないものを口に入れることがあり、大人の目の届かないところで事故が発生してしまう可能性も考えられます。
  • こんな事故が起きています
    • 【事例1】夕食時に1歳の子どもにキャンディータイプのチーズを与えた。子どもが苦しんでいる様子に気づき、すぐに吐き出させようとしたが出てこなかった。救急車で搬送された病院に入院していたが12日後に亡くなった。(事故発生年月:2024年8月、1歳、男児)
    • 【事例2】1歳の子どもがキャンディータイプのチーズをのどに詰まらせた。突然えずいたようになり、背中を叩いたが吐き出さず、苦しがってきたので、子どもを逆さにして振ったり、背中を強く叩いたりしたが、チアノーゼになった。保護者が子どもの口の中のチーズを手前に掻き出したところ、声を出せるようになり回復した。(事故発生年月:2017年11月、1歳、男児)
    • 【事例3】子どもに1人で球形のチーズを食べさせていたところ、急にむせ始めた。泣き声は出ていたがかすれ声で、顔色も悪くなっていたため救急車を要請した。保護者が背後から腹部突き上げ法を行ったが何も出てこず、口の中に指を入れて掻き出したところ、ドロドロのチーズの小片がいくつか出てきて、顔色も良くなった。(事故発生年月:2024年3月、1歳10カ月、女児)
  • 窒息につながりやすい食品
    • 丸くてつるっとしているもの:ブドウ、ミニトマト、さくらんぼ、ピーナッツ、球形の個装チーズ、うずらの卵、ソーセージ、こんにゃく、白玉団子、あめ、ラムネなど
    • 粘着性が高く唾液を吸収して飲み込みづらいもの:餅、ごはん、パン類など
    • 固くて噛み切りにくいもの:リンゴ、生のにんじん、水菜、イカなど
  • 窒息したと思ったら
    1. 子どもが次のような行動をしていたり、症状が出ていたりする場合は窒息しているかもしれません
    2. 直ちに119番:のどを押さえる、口に指を入れる、声を出せない、呼吸が苦しそう、顔色が急に青白くなる
    3. 併せて背部叩打法等や腹部突き上げ法による異物除去を試みましょう
  • 消費者へのアドバイス
    • 球形の個装チーズなど窒息を起こしやすい食品は、無理なく食べられるよう小さく切ったりつぶしたり、加熱して形状を変えて与え、飲み込むのを確認しましょう。
    • 丸くてつるっとしているものや粘着性の高いものなど、窒息を起こしやすい食品の特性を知り、注意しましょう。
    • 球形の個装チーズのほかに、飴やパン類、豆類、せんべいなどでも事故が起きています。
    • 窒息したと思ったら、直ちに救急要請、背部叩打等による異物除去を試みましょう。

~NEW~
厚生労働省 フリーランスに対するハラスメント対策の研修動画ができました!
  • 研修動画について
    • 令和6年11月に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」では、フリーランスが安心して働ける環境を整備するため、発注事業者に育児介護等に対する配慮やハラスメント対策に係る体制整備などが義務付けられました。
    • この度、厚生労働省では、委託事業「フリーランス就業環境整備事業」(受託者:株式会社読売エージェンシー)において、ハラスメント対策に係る体制整備義務などについて、発注事業者はどのような対応をとらなければならないのか、また、実際にフリーランスの方からハラスメントに関する相談があった場合の対応の流れや留意点などについて、学ぶことができる動画を作成しました。
    • ぜひ、社内での研修などにご活用下さい!
  1. 発注事業者向け(31分20秒)
    • この動画では、法で求められている育児介護等に対する配慮義務やハラスメント対策に係る体制整備義務について、どのような対応が必要なのか、説明しています。
    • はじめに
      1. 法律の概要
      2. 業務委託におけるハラスメントの類型
      3. 発注事業者が講ずべき措置
      4. 発注事業者が行うことが望ましい取組
    • 最後に
▼ 動画内投影資料
▼ 動画
  1. ハラスメント相談窓口対応者向け(49分7秒)
    • この動画では、発注事業者に求められている育児介護等に対する配慮義務やハラスメント体制整備義務の内容を説明するとともに、実際にフリーランスの方から相談を受ける相談窓口担当者の方向けに、相談対応の流れや、相談対応の際の留意点を説明しています。
    • はじめに
    • <ハラスメントと法律>
      • この部分は動画1と同じ内容です。
    • <ハラスメント相談対応のポイント>
      • はじめに
      • 相談の受付(一次対応)
      • 事実関係の確認
      • 行為者、相談者への措置検討
      • 行為者、相談者へのフォローアップ
      • 再発防止措置
    • 最後に
▼ 動画内投影資料
▼ 動画
  1. 広告業界向け(38分33秒)
    • この動画では、発注事業者に求められている育児介護等に対する配慮義務やハラスメント体制整備義務の内容を説明するとともに、広告業界をモデル的に取り上げ、広告業界特有の事情を踏まえて、ハラスメント対策に係る体制整備を進める上での留意点などについて説明しています。
    • フリーランスの方の働き方については、業種・業界などによって多様であると考えられる中で、モデル的に広告業界を取り上げて作成したものとなります。広告業界に限らず、他の業界において業界特有の事情も踏まえてハラスメント対策を検討していく上でも参考としていただければと思います。
      • はじめに
      • <ハラスメントと法律>
        • この部分は動画1と同じ内容です。
      • <広告業界で起こりうるハラスメントと対応>
        • こんなことありませんか?
        • チェックポイントのまとめ
      • 最後に
▼ 動画内投影資料
▼ 動画

~NEW~
厚生労働省 「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」及び「女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル」を公表します
▼ 女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル ~事業者向け~
  • 取り組みにあたっての留意事項
    • 健康課題への正しい理解
      • 月経や更年期は病気ではありませんが、それに伴う「困りごと」は個人の努力だけで解決できないこともあり、職場の理解と適切な配慮が必要です。症状の有無や程度には個人差が大きく、画一的な対応ではなく、個々の状況に応じた柔軟な支援が求められます。さらに、更年期世代の全員が配慮を必要としているわけではないことを理解し、配慮を受けやすい環境を整備することが重要です。
    • 労働安全衛生上の位置づけ
      • 事業者健診は、事業者に、その実施や健康診断結果の労働者への通知等が義務づけられています。一方、女性特有の健康課題に関する問診(以下「女性の健康問診」という。)は、女性特有の健康課題が業務によるものかどうか、その関係性が明らかにされていない中にあって、事業者健診の機会を活用し、受診者本人への気づきを促すことを目的とするものであり、任意に行われるものです。
    • 自発的な健康管理の促進
      • 女性の健康問診の主体(労働者に対する直接的な介入者)は健康診断実施機関(以下「健診機関」という。)であり事業者ではありません。別途作成された「女性特有の健康課題に関する問診に係る健診機関実施マニュアル」に基づき、健診機関が、女性の健康問診を実施し、健康課題により困っていることがあると回答した労働者に対し、女性特有の健康課題に関する情報提供や専門医への早期受診勧奨を行います。
      • したがって、女性の健康問診の結果は、健診機関から事業者に直接提供されません。労働者からの申し出がない限り、女性の健康問診の結果やその結果に基づく専門医の受診状況を事業者が把握することはありません。
      • 一方、健診機関における女性の健康問診によらず、労働者は、事業者に対して健康課題に関する相談をすることは可能であり、事業者は労働者からの相談を通じて労働者の健康課題を把握した場合は、労働者の健康課題に応じた適切な配慮が望まれます。
      • また、望ましい職場環境の拡充等の観点から、女性特有の健康課題に配慮した職場環境を積極的に推進する企業においては、労働者に説明した上で、女性特有の健康課題に係る質問における労働者の回答を集計した情報を健診機関より入手し、取組みに活用することも考えられます。
    • 個人情報の保護
      • 全ての健康情報は個人情報として配慮すべき事項であり、個人情報保護法及び関連ガイドラインを遵守する必要があります。こうした中、女性の健康問診は前述の位置づけにより、受診者の回答を、健診機関から事業者に直接提供しないこととしています。労働者の女性特有の健康課題による情報は、本人が希望した場合に限り本人から提供されるものとなります。こうしたことから、巡回健診による場合の問診の場所や問診票の回収等についても、個人情報の保護に留意しつつ、健診機関と事前によく相談し、連携して進める必要があります。
      • また、6の項で示すとおり、望ましい職場環境の拡充等の観点から、女性特有の健康課題に係る質問における労働者の回答を集計した情報を健診機関より入手し、取組みに活用することが考えられますが、この場合でも、労働者の個人情報に配慮するために、労働者数が例えば10人未満の場合など個人が特定されやすい場合は、健診機関から集計情報の提供を求めてはいけません。
    • Q&A
      • Q1:なぜ、女性の健康問診の結果を会社に提供してもらえないのですか?
        • A1:この問診は、労働者本人の気づきを促し、セルフケアを支援することを目的としています。回答内容は非常にデリケートな個人情報であり、個人情報保護の観点から、本人の同意なく事業者に提供されることはありません。
      • Q2:会社として、この問診の実施にあたり、法的に何か義務がありますか?
        • A2:いいえ、この問診の実施は事業者に法的に義務付けられているものではありません。しかし、生産性向上を目指す「健康経営」の観点から、実施することが推奨されています。
      • Q3:女性の健康問診を実施することで、会社にどんなメリットがありますか?
        • A3:従業員が自身の健康課題に気づき早期に対処することで、プレゼンティーズム(出勤しているが生産性が低い状態)やアブセンティーズム(欠勤)の改善が期待できます。また、女性従業員が働きやすい職場環境であることを示し、人材の定着や採用力の向上にも繋がります。
      • Q4:男性従業員から「女性だけ優遇されているようで不公平だ」という声が出た場合、どう説明すればよいですか?
        • A4:「性別に関わらず、すべての従業員の健康を支援するのが会社の方針です。今回は、女性特有の健康課題について、専門家につながるきっかけを作るための国が推奨する取り組みを導入したものです」と説明してください。
      • Q5:従業員から診断書が提出され、「月経困難症のため、在宅勤務を増やしたい」と相談されました。どのように対応すべきですか?
        • A5:まずは本人の体調を気遣い、相談してくれたことに感謝を伝えてください。その上で、診断書の内容を基に、産業医や主治医の意見も参考にしながら、本人と具体的な業務内容や頻度について話し合い、可能な範囲での配慮(在宅勤務、時差出勤、業務量の調整など)を検討しましょう。
      • Q6:「更年期障害で集中力が続かない」という相談がありました。配置転換などを検討すべきですか?
        • A6:本人の意向を踏まえない配置転換は不利益な取り扱いと見なされる可能性があります。まずは本人が現在の職場で働き続けられるよう、業務量の調整や休憩の取り方の工夫など、環境改善を検討するなど、順を追った対応をするのがよいでしょう。
      • Q7:女性特有の健康課題に関する問診に「『はい』と答えた人の数や割合」を教えてもらうことはできますか?
        • A7:個人が特定されない統計データであれば、健診機関に依頼して提供してもらうことは可能です。事前に健診機関との契約で、どのようなデータをどの範囲で提供してもらうかを取り決めておきましょう。
      • Q8:女性特有の健康課題に関する問診の集計結果を、今後どのように活用すればよいですか?
        • A8:例えば、「40代の『はい』の割合が高い」という結果が出れば、管理職向けに更年期症状に関する研修を行ったり、「労働者数に対して『はい』の回答の割合が多い」のであれば、研修や相談窓口の充実を検討したりするなど、客観的なデータに基づいた健康施策の立案に活用できます。

~NEW~
厚生労働省 「経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会」の報告書を公表します
▼ 経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングの実現に関する研究会報告書(概要)
  • キャリアコンサルティングをとりまく状況
    • 産業構造・就業構造の変化
    • 技術革新の進展
    • 価値観や生活スタイルの多様化
    • 職業人生の長期化
    • 労働需要が変化
    • 各職業の業務内容と必要な知識・技能が変化
    • キャリアや働き方が多様化
    • キャリアコンサルタントには、自律的・主体的なキャリア形成に取り組む労働者に経済社会情勢の変化に対応した支援を行うことができる能力が求められる
  • 今後のキャリアコンサルティングに必要な能力
    • 経済社会情勢の変化に対応したキャリアコンサルティングを行うために追加・強化が必要な能力について、すべての活動領域に共通して必要な能力 及び 各活動領域に応じて必要な能力 に整理
      1. すべての活動領域において共通に追加・強化が必要な能力
        • 労働者が自身の職業人生において目指す姿を設定し、その実現のための課題の達成に向けて継続的に取り組む力を身につけることを支援する「開発型」の支援を行うことができる能力が求められる
        • 以下の支援を行うことができる能力が必要
          • 様々な情報を活用した自己理解・仕事理解・環境理解の支援
          • 働くことの意義の理解まで含めた職業生活設計に関する支援
          • 将来予測も含めた最新の情報を踏まえた職業の選択に関する支援
          • 動機づけ支援や伴走支援も含めた職業能力開発・向上に関する支援
          • 組織・環境への働きかけ及び専門家等と連携した支援
          • AI等のデジタルツールを活用した支援
      2. 各活動領域において追加・強化が必要な専門的な能力
        • 企業領域
          • 企業の理解の促進、経営層や人事部門との連携・協力、従業員のキャリア形成支援に向けた環境づくり
        • 需給調整領域
          • 労働市場や職種の情報の提供、マッチング、求職条件・採用条件変更への働きかけ、職場定着支援
        • 教育領域
          • キャリア教育、就職支援・インターンシップ関連業務、カリキュラム設計への協力、リカレント教育
        • 地域・福祉領域
          • 情報収集とアセスメント、支援の方向性の提案、支援プログラムの企画運営、キャリアプランの作成・実行支援
  • キャリアコンサルタントの能力開発の促進
    • スーパービジョン、インターンシップ、事例検討会等の実践的な学びが効果的
    • 今後のキャリアコンサルティングに必要な能力を身につけるために習得すべき知識・技能の具体化に向けたさらなる検討が必要
  • キャリアコンサルティングの活用促進
    • キャリア形成やリ・スキリングの重要性とキャリアコンサルティングの効果についての国民の認知・理解の促進が必要
    • あらゆる労働者が雇用形態や就業状況にかかわらず質の高いキャリアコンサルティングを受けられる機会の確保が重要

    ~NEW~
    総務省 「放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会取りまとめ」及び意見募集の結果の公表
    ▼ 別紙2 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会 取りまとめ 概要
    • 放送事業者におけるガバナンス確保に関する検討会は、民間放送事業者において、広告によって成り立つ民間放送事業の存立基盤を失いかねないばかりか、放送に対する国民の信頼を失墜させる事案が生じたことを踏まえ、2025年6月から2026年1月までに8回開催(2026年1月21日取りまとめ公表)。
    • 放送事業者が「放送に携わる者の職責」を現代的にアップデートし続け、放送が今後とも社会的役割を果たし続けることができるよう、ガバナンス確保に関する取組として、基本的な考え方(目的、対象、方針)及び具体的内容(事案の未然防止、事案の発生後の対応、フォローアップ)について、提言。
      1. ガバナンス確保に関する取組の基本的な考え方
        1. 取組の目的・対象
          • 放送は、時代の変化に応じ、国民の知る権利に奉仕し続けることが必要。このためには、放送事業者の信頼性・事業の継続性の確保が必要。
          • 放送事業者は、一般の株式会社に求められるガバナンスの確保は前提として、人権尊重・コンプライアンス確保を中心とした取組を不断に実施。
          • このうち、芸能事務所・番組出演者に関するものは、NHKと民間放送の二元体制の下、放送業界全体として取組。
          • さらに、新たな事業への展開等、放送の将来像を念頭に置いた前向きな取組を進め、放送の社会的価値の一層の発揮を図ることが重要。
        2. 取組の方針
          • ガバナンス確保は、番組編集の自由の維持は当然の前提とした上で、一義的には自主自律の下で、実効性のある取組を推進。
          • まずは事業主体である各放送事業者が推進。加えて、業界団体は、放送業界全体としての信頼性を確保するために積極的に役割を遂行。
          • 行政としても、現実に民放事業の存立基盤が失われかねない脆弱性が顕在化したことを踏まえれば、自主自律に十分配慮して番組内容への介入にならない範囲で、放送事業者の健全な事業の継続性を確保するために必要な役割を果たすことが適当。
      2. ガバナンス確保に関する取組の具体的内容
        • 放送事業者・業界団体の取組
          • 【事案の未然防止(平時の取組)】
            • 各放送事業者はガバナンス確保のための体制整備を実施。
            • 業界団体は、業界全体を底上げし信頼性を確保するため、ガバナンス確保のための指針を策定し、取組の具体例、留意事項や、公表事項のフォーマットを提示。
            • 各放送事業者は、指針の取組状況を自ら定期的に評価し、結果を公表。業界団体は、各放送事業者の取組状況や評価の取りまとめ・確認、ベストプラクティスの共有、助言等を実施。
            • 自己評価に客観性を担保するため、第三者の意見を聴き、その結果を反映する仕組みが必要。
          • 【事案の発生後の対応】
            • 事案の発生した放送事業者が自ら対応するとともに、業界団体も対応。例えば、事案の内容や対応の報告を求めることや、助言を行うこと、事案の内容・性質、対応等に応じて業界団体のルールに基づいて処分を行うこと等
            • 行政の役割
          • 【事案の未然防止(平時の取組)】
            • 基幹放送普及計画を通じて、ガバナンス確保を促し、放送事業者による自発的な体制整備を確認することを検討。
            • 自主自律の観点から、体制整備の促進が目的であり、放送事業者の個別具体的なガバナンス体制への介入にならないよう慎重に検討することに留意。
          • 【事案の発生後の対応】
            • 事業者・業界団体の対応を見極めた上で、インターネット上での偽・誤情報の問題等が顕在化している中で、放送が信頼性の高い情報発信などの社会的役割を果たし続けることができるよう、以下の事項について検討。その際、制裁ではなく経営基盤の持続可能性を確保するためであること、番組内容への介入にならないよう慎重に制度設計することに留意。
            • 経理的基礎が脅かされるおそれのある重大な事案の場合における、適時に一定の基準に基づく報告の手続きを設けること、
            • に必要な場合には、免許時に条件を付すこと(例:経理的基礎が脅かされている状況の解消に必要な措置の報告や実行を求める)
    • フォローアップ
      • 外部からのチェック機能が働くよう、官民が連携してフォローアップする仕組みを整備。実効性を確認しつつ、必要に応じて取組の充実等の見直し。

    ~NEW~
    総務省消防庁 「令和7年版 救急・救助の現況」の公表
    • 全国の救急業務及び救助業務の実施状況等を取りまとめましたので、「令和7年版 救急・救助の現況」として公表します。
    1. 救急業務の実施状況
      • 令和6年中の救急出動件数(消防防災ヘリコプターを含む。)は、772万740件(対前年比7万9,753件増、1.0%増)、搬送人員は677万1,193人(対前年比12万7,814人増、1.9%増)であった。
      • そのうち、救急自動車による救急出動件数は771万8,380件(対前年比7万9,822件増、1.0%増)、搬送人員は676万9,172人(対前年比12万7,752人増、1.9%増)で救急出動件数、搬送人員ともに集計を開始した昭和38年以降、最多を記録した。
      • 現場到着所要時間(119番通報を受けてから現場に到着するまでに要した時間)の平均は約9.8分(前年約10.0分)となっており、新型コロナウイルス感染症禍(以下、「新型コロナ禍」という。)前の令和元年と比べ、約1.1分延伸している。また、病院収容所要時間(119番通報を受けてから医師に引き継ぐまでに要した時間)の平均は約44.6分(前年約45.6分)となっており、新型コロナ禍前の令和元年と比べ、約5.1分延伸している。
    2. 救助業務の実施状況
      • 令和6年中の救助活動件数は7万2,017件(対前年比310件増、0.4%増)、救助人員は6万7,894人(対前年比1,079人増、1.6%増)となった。
    3. 資料の入手方法
      • 資料については、消防庁ホームページに掲載します。

    https://www.fdma.go.jp/publication#rescue

    ~NEW~
    総務省 令和7年版 消防白書 概要版
    • 岩手県大船渡市における林野火災への対応
      • 本火災はそれまでの記録的な降水量の少なさ、発生日前後の乾燥、強風、地形等の影響により急激に拡大し、我が国の林野火災としては昭和39年以降最大、約60年ぶりの記録的なものとなった。
      • 令和7年2月26日に消防庁長官から緊急消防援助隊の出動の求めを行い、最終的に15都道県から緊急消防援助隊が出動、岩手県内応援部隊、地元消防本部も含め、1日当たり最大2100人体制で地上及び空中の両方から消火活動に従事した。
      • 大船渡市消防団は、自らも被災した団員もいる中、被害状況の情報収集や消防隊と連携した消火、残火処理などの活動に従事した。特に、団員から大船渡市の防災部局に提供されたSNS画像・映像により迅速な避難指示の発令につながった。
    • トカラ列島近海を震源とする地震
      • 令和7年6月21日から鹿児島県のトカラ列島近海で地震活動が活発化した。6月30日、7月2日には震度5弱、7月3日には震度6弱を観測した。
      • 鹿児島県は、7月3日に鹿児島県防災ヘリが情報収集を実施し、避難場所の映像を官邸対策室等に共有した。
      • 悪石島等の消防団員は、7月3日の震度6弱の地震発生後、被害状況の把握や避難誘導を行った。また、その後も島に残り、島民の安否確認等を継続して行った。
    • カムチャツカ半島付近を震源とする地震
      • 令和7年7月30日8時分頃にカムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8の地震が発生し、北海道から宮古島・八重山地方にかけて津波警報・津波注意報が発表された。最大で約200万人を超える住民に避難指示が発令された。
      • 消防庁では、猛暑の中、津波警報・注意報が長時間継続したことから、避難者の熱中症予防対策に関する留意事項について周知した。
    • 令和7年8月6日からの大雨
      • 8月6日から12日にかけて、北日本から西日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定となり、各地で24時間降水量が観測史上1位を更新するなど記録的な大雨となった。
      • 熊本県においては、県内応援隊3消防本部が八代広域行政事務組合消防本部へ出動し、相互応援協定により長崎県、佐賀県、鹿児島県の防災ヘリが情報収集活動や救助活動を行った。
    • 令和7年9月3日からの大雨
      • 9月3日からの大雨により、関東地方や東海地方、九州地方において広範囲に降雨による浸水等が発生し、静岡県で牧之原市から吉田町にかけては国内最大級の強さの竜巻が発生した。
      • 静岡市消防局は、家屋等の応急対策として、緊急性や危険度を踏まえて、市民に直接被害が及ぶ可能性のある事案への対応を行った。
    • 救急業務の現況
      • 令和6年中の救急自動車による全国の救急出動件数は771万8380件、救急自動車による搬送人員は676万9172人となり、集計を開始した昭和38年以降、最多となった。
      • また、現場到着所要時間の平均は約8分、病院収容所要時間の平均は約44.6分となっており、いずれも新型コロナ禍前の令和元年と比べ延伸している。
    • マイナ救急の全国展開
      • マイナ救急とは、マイナ保険証を活用し、病院選定等に資する傷病者の情報(診療・薬剤情報、特定健診情報等)を把握する取組であり、より適切な処置や円滑な搬送先の選定が可能となる。
      • 令和7年10月1日から、全国全ての720消防本部、5334隊の救急隊(常時運用救急隊の98%)で一斉に実証を開始している。
      • あわせて、マイナ救急の認知度向上を図るため、多様なメディアを活用した広報を実施しているほか、マイナ救急システムの機能拡充等について検討を進めている。
    • 増大する救急需要への対応
      • 救急安心センター事業(♯7119)の推進
      • 住民が急な病気やケガをしたときに、「救急車を呼んだほうがいいのか」、「今すぐ病院に行ったほうがいいのか」など判断に迷った際の相談窓口として、医師・看護師・救急救命士から電話でアドバイスを受けることができる救急安心センター事業(♯7119)の導入を推進している。
      • 日勤救急隊の導入促進
      • 救急隊員の多様な働き方と日中に多い救急需要への対策の観点から、地域の実情に応じ、いわゆる日勤救急隊の導入検討を促進している。
    • 消防団の現状
      • 消防団員数は年々減少。令和7年4月1日現在、前年に比べ1万4458人減少し、73万2223人となっている。
      • 一方、入団促進に向けて重点的に取り組んできた女性消防団員数(前年比3.1%増)、学生消防団員数(前年比3.1%増)、機能別消防団員数(前年比6.3%増)については、継続して増加している。
    • 消防団の充実強化の取組
      1. 幅広い住民の入団促進
        • 女性や若年層をはじめとする幅広い住民の入団促進に向けた取組の参考となるよう、消防団員の魅力発信や負担軽減などのノウハウ等を記載した「消防団員の確保に向けたマニュアル」を令和7年1月に作成した。
        • 「消防団の力向上モデル事業」により、消防団員が活動しやすい環境づくりやデジタル技術の活用など、新たな社会環境に対応する取組を支援している。
      2. 装備等の充実強化
        • 令和7年度から、消防団設備整備費補助金の対象資機材としてドローンと一体的に整備するタブレット端末などを新たに追加した。
        • 令和6年能登半島地震を踏まえ、令和7年度から、狭隘な道路や悪路でも通行が可能なオフロードバイクを新たに無償貸付対象の消防車両に追加した。
        • 令和7年度から、消防団員のドローン資格(一等・二等無人航空機操縦士)取得に係る経費について、特別交付税措置が講じられている。
    • 安全保障環境等を踏まえた国民保護施策の進展
      1. 避難実施要領のパターン作成促進
        • 各市町村において、国民保護事案の発生時、住民の避難のための避難実施要領を円滑に定められるよう、消防庁では、あらかじめ複数パターンを作成しておくことを促進するための取組を進めている。
        • 消防庁を含む国の関係省庁、沖縄県、先島諸島5市町村(石垣市・宮古島市・多良間村・竹富町・与那国町)等が協力し、武力攻撃予測事態に至る状況を想定した、九州・山口各県への広域避難に係る図上訓練を実施している。消防庁としては、図上訓練で得られた避難手段や避難経路等の考え方について、パターンへの反映を促すなど、避難の実効性向上に向けた取組支援を進めている。
      2. 避難施設の指定促進等
        • 消防庁では、爆風等からの被害を軽減する緊急一時避難施設について、関係省庁と連携し、地方公共団体における、指定の取組を促進している。
      3. 特定臨時避難施設の整備
        • 政府として、武力攻撃を想定した避難施設(シェルター)の確保に係る具体的取組の一として、「特定臨時避難施設の整備」を位置付け、消防庁においては、先島5市町村のうち竹富町及び多良間村における特定臨時避難施設の整備を支援することとしている。
      4. 国民保護共同訓練の充実強化
        • 国民保護措置に関する国と地方公共団体との共同訓練について、消防庁では、内閣官房と連携し、誘導ミサイルを想定した住民避難訓練など、全国における取組を一層推進している。
    • 基本項目
      • 全国における各年の出火件数と火災による死者数は長期的に減少傾向で推移しているが、近年はおおむね横ばいとなっている。
      • 令和6年中の出火件数は3万7141件(前年比1531件減少)であり、10年前の84.9%。
      • 火災による死者数は1451人(前年比52人減少)であり、10年前の86.5%。
      • 火災による死者の多くが住宅火災により発生。
      • 令和6年中の住宅火災件数は1万1173件(前年比188件減少)、死者数は1030人(前年比7人増加)。
      • 住宅用火災警報器の設置率は年々上昇しており、令和7年6月1日時点で全国の設置率は84.9%、条例適合率は65.8%となっている。
      • 令和6年中の救急自動車による救急出動件数は、約772万件(前年比約8万件増加)。
      • 令和7年4月1日現在の救急隊設置数は、5485隊(前年比70隊増加)。
      • 令和6年中の現場到着所要時間の平均は約9.8分(新型コロナウイルス感染症禍(以下「新型コロナ禍」という。)前の令和元年と比べ約1.1分延伸)。
      • 令和6年中の病院収容所要時間の平均は約44.6分(新型コロナ禍前の令和元年と比べ約5.1分延伸)。
      • 消防本部(令和7年4月1日現在)720消防本部、1716消防署を設置。消防職員数は16万9730人(前年比832人増加)。
      • 消防団(令和7年4月1日現在)消防団数は2169、消防団員数は73万2223人(前年比1万4458人減少)。消防団は市町村の非常備の消防機関。全ての市町村に設置。

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