危機管理トピックス
更新日:2026年3月16日 新着23記事
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
- 外務省 2025年版開発協力白書 日本の国際協力
- 内閣府 男女共同参画局 第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)
- 厚生労働省 「はたらく」に関する情報が見やすく便利になります~ポータルサイトの開設やハローワークインターネットサービスのリニューアルなどの取組を進めます~
- 総務省 AIネットワーク社会推進会議(第32回)・AIガバナンス検討会(第30回)合同会議
金融庁
- 「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」(第2回)議事要旨及び資料
- FATFによる「オフショアVASPに係るリスクの把握と軽減に関する報告書」の公表について
警察庁
- 令和7年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について
- 不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況
- 令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
- 犯罪被害者等施策推進会議(第20回)
内閣府
- 「国家情報会議設置法案」が閣議決定・国会提出されました。
- 日本成長戦略会議(第3回)
消費者庁
- 高齢者の認知機能障害に応じた消費トラブルと 対応策の検討に関する研究
- エクスコムグローバル株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
国民生活センター
- 引越事業者とのトラブルに注意
- 空調能力のない“エアコン”に注意!
総務省
- 日本トーカンパッケージ株式会社に対する下請法に基づく勧告が行われました
- 「健康経営銘柄2026」に44社を選定しました
- 「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました 大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人を認定
国土交通省
- 「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~地域への民間投資の呼び込みと個性ある都市空間の実現に向けて~
- 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定~「交通空白」等の解消による持続可能な地域公共交通の実現に向けて~
- 今年春に引越をご予定の皆様へ~予約状況のお知らせ~
- 河川の観測機器の機能強化により氾濫通報制度等の運用を支援~簡易型河川監視カメラ・危機管理型水位計の仕様・手引きを整備~
~NEW~
外務省 2025年版開発協力白書 日本の国際協力
- 国際社会および日本を取り巻く国際情勢の変化は、様々な分野で加速度的に進んでいます。ロシアによるウクライナ侵略や不安定な中東情勢は、国際社会の課題解決に向けた各国の協力を一層困難なものとしています。一方で、国際社会で発言力を強めるグローバル・サウスとの連携強化もますます重要となっています。
- このような情勢の下、世界から日本への期待が、より高まっています。様々な分野で、国際社会から期待される日本の役割と責任を果たしていくことで、国益を守り、国際社会でより存在感を高める「力強く、視野の広い外交」を展開すべく、日本外交を展開するための重要なツールであるODAを戦略的に活用し、開発協力大綱の重点政策に基づき、相手国のニーズも踏まえ、きめ細やかな協力を進めていきます。
- 第一に、日本と開発途上国の双方における新しい時代の「質の高い成長」を実現することです。
- 日本は、資源の多くを海外に依存しており、一国のみで繁栄を続けていくことはできません。ODAを通じて相手国、さらに国際社会の平和と繁栄に貢献することは、資源の安定供給の確保にも直結し、ひいては日本の平和や安全、さらなる繁栄といった国益につながります。ODAを含めた日本らしい外交によって、相手国の信頼を得ること、そして相手国の経済成長を促し購買力が向上することは、様々な日本製品・サービスや農林水産品の輸出を後押しすることにもつながります。
- これまでの方式に加えて、オファー型協力や民間投資を促す新しいODAの仕組みも使い、各国のニーズに沿った重点投資を行うことにより、エネルギー、重要鉱物の安定的確保を始めとする、経済安全保障等の重要課題にも対応していきます。
- 2025年8月に横浜で開催した第9回アフリカ開発会議(TICAD 9)では、「革新的な課題解決策の共創」というテーマの下、日本の技術や知見を活かしながら、日本とアフリカ双方の繁栄につながる課題解決策について議論しました。発表した取組を着実に実施し、日本とアフリカの関係を一層深化させていきます。
- 第二に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化です。「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を日本外交の柱として、時代の変化に合わせて進化させていきます。FOIPは、インド太平洋地域の連結性を高め、力や威圧とは無縁で、自由や法の支配が尊重される、豊かな地域にすることを目指すものです。日本は、インド太平洋の中心に位置し、FOIP実現の要であるASEANの連結性強化に向けた取組をハードとソフトの両面で支援し、南西アジア地域でも道路、港湾などのインフラ整備を進めてきました。TICAD 9で発表した「インド洋・アフリカ経済圏イニシアティブ」を含め、引き続き地域の平和と安定、繁栄に取り組むべく、同志国や官民のパートナー等とも連携し、連結性の強化や地域の人材育成、能力構築支援といった実践的かつ多面的な協力を進めます。
- ロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であり、日本としても、G7と連携し、ウクライナのニーズを踏まえながら、復旧・復興支援を含め、日本の知見や技術を活かした支援を継続していきます
- 中東においても、ガザ情勢を始め、依然として不安定な状態が続いています。日本はこれまで築いてきた中東各国との信頼関係に基づき、関係国とも連携して、中東の平和と安定のために、引き続き様々な外交努力を積み重ねていきます。ガザ情勢についても、人道状況の改善や、早期の復旧・復興に関する国際的な取組に積極的に貢献していきます。
- 第三に、複雑化し、深刻化する地球規模課題への国際的取組を主導することです。2024年9月の国連「未来サミット」の結果も踏まえ、人間の安全保障の理念の下、2030年までの国際社会全体でのSDGs達成に向け、気候変動・環境、国際保健、自然災害、食料・エネルギーといった各分野の課題解決に取り組みます。
- これらの取組を力強く進める上では、ODAを支える制度と基盤の改善、強化が不可欠です。開発途上国に向けた民間投資の増加や開発ニーズの多様化といった環境変化を踏まえ、2025年、独立行人国際協力機構(JICA)法の一部を改正しました。引き続き、ODAを呼び水とした民間投資の拡大も促してまいります。
- 2025年、JICA海外協力隊は発足60周年を迎えました。「日本らしい顔の見える開発協力」の担い手として活躍するJICA海外協力隊は、これまで99か国に5万8,000人以上が派遣されています。生活環境が厳しい地域において、現地の人々に寄り添い、草の根レベルで地域社会の発展に取り組み、大きな成果を積み重ねてきました。こうした日本らしい開発協力を通じて築き上げられてきた開発途上国、国際社会との間の絆と信頼は、日本にとってかけがえのない財産です。また、帰国後の隊員による、派遣先での経験を活かした国内外の様々な分野における活躍も、非常に高く評価されています。協力隊の活動が一層意義のあるものとなっていくよう、引き続き支援してまいります。
- 2025年版開発協力白書は、日本の開発協力の1年間の概要を国民の皆様にご報告するものです。公的資金を原資とするODAには、国民の理解と協力が不可欠です。ODAが相手国のみならず、日本の経済や国民生活にも寄与することなど、ODAの意義や成果について国民の皆様のご理解と共感を得られるよう、より一層力を入れてまいります。一人でも多くの方々が本書を手に取って頂き、日本の開発協力の取組や意義に対する理解の一助となることを願っています。
~NEW~
内閣府 男女共同参画局 第6次男女共同参画基本計画(令和8年3月13日閣議決定)
▼ 第6次男女共同参画基本計画
- 6次計画における基本的な視点と取り組むべき事項等
- 6次計画は、5次計画の取組を引き続き進めるとともに、女性も男性も暮らしやすい多様な幸せ(well-being)の実現につながるよう、男女共同参画の取組を進めるという考えの下、令和7(2025)年に改正された女性活躍推進法に基づく情報公表の取組の充実、各種ハラスメント対策の強化、仕事と健康課題の両立支援、テクノロジーの進展と利活用の広がりを踏まえた男女共同参画の推進、令和6年能登半島地震等を踏まえた災害対応への男女共同参画の視点導入、地域における男女共同参画の取組などを強化しながら取り組む。
- 5次計画においては、EBPM49の観点を踏まえ、成果目標の達成状況や取組の進捗状況の点検を行う中間年フォローアップが実施された。6次計画においては、このような取組をより充実させ、毎年の「女性活躍・男女共同参画の重点方針」(女性版骨太の方針)の策定プロセスにおいて、各年に特に重点を置いて成果目標の達成状況や施策の進捗状況の点検を行うべき事項・分野について丁寧なフォローアップを実施するとともに、それに基づいて更なる取組を促すことが重要である。
- 「1 男女共同参画基本計画の目指すべき社会」及び「2 社会情勢の現状、予想される環境変化」を踏まえ、6次計画は、以下の基本的な視点及び取り組むべき事項に留意しながら策定する。なお、6次計画は累次の基本計画と同様に便宜的に分野ごとに整理を行うが、各分野で相互に関連する事項も含まれることから、分野間の連携も考慮しつつ、取組を行っていく必要がある。
- 令和7(2025)年通常国会(第217回国会)において、男女共同参画社会基本法が改正され、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策として、国、地方公共団体、男女共同参画促進施策に関する活動を行う民間の団体その他の関係者間の連携及び協働の促進とともに、必要な人材の確保等が追加されることとなった。あわせて、地方公共団体が、関係者相互間の連携と協働を促進するための拠点となる男女共同参画センターの機能を担う体制の確保に努めること、独立行政法人国立女性教育会館を機能強化することで新設される独立行政法人男女共同参画機構(以下「男女共同参画機構」という。)が同センターを支援し、様々な関係者と連携して、施策を推進するための中核的な機関としての役割を果たすこと等が規定された(第10条の2、第18条~第20条)。6次計画に基づく取組は、今般の改正も踏まえ、進めていく必要がある。
- ジェンダー主流化を推進し、政府機関、民間企業や若者を含めた市民社会など全てのステークホルダーが連携して一層の取組を進めていく必要がある。
- 基本的な視点及び取り組むべき事項
- 性別にかかわらず全ての人にとって働きやすい環境づくりと女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進。その基盤として、両立支援(育児、介護、健康、学び等)、多様で柔軟な働き方の推進、長時間労働の是正、DXによる働き方改革・生産性向上、ハラスメント対策及びリ・スキリングの促進。
- 男女間の実質的な機会の平等を担保する観点から極めて重要である意思決定過程への女性の参画を一層加速するため、「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性の割合が30%程度となるよう目指して取組を進める」との目標の達成と、その先の、誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位にある人々の性別に偏りがないような社会に向け、国際的水準も意識しつつ、男女共同参画社会基本法第2条第2号に定められている積極的改善措置(ポジティブ・アクション)も含め、人材登用・育成を強化する必要。
- 各地域の実情を踏まえた男女共同参画の取組を促進し、更に女性が活躍でき、暮らしやすい地域づくりを後押しするため、都市部・地方における課題を踏まえた、雇用の場の創出、起業支援、非正規雇用の処遇改善と正規転換、男女間賃金格差の是正、固定的な性別役割分担意識の解消・慣行の見直し、教育分野の取組、国・地方公共団体・産業界・市民社会の連携や取組の横展開等の各地域における男女共同参画の推進。
- テクノロジーの進展・利活用の広がりを踏まえ、テクノロジー関係施策のジェンダー主流化と男女共同参画施策を進める上でのテクノロジー利活用促進を車の両輪として進め、ジェンダード・イノベーションを推進するとともに、テクノロジーの進展が男女共同参画に与える負の側面に留意した安全・安心な利用環境の整備に取り組む必要。
- 性犯罪・性暴力や配偶者等への暴力等の多様な暴力が男女共同参画社会の実現を妨げていることを踏まえ、ジェンダーに基づくあらゆる暴力を容認しない社会基盤の形成と被害者の尊厳を回復するための支援の充実に取り組む必要。
- 社会的・経済的な男女間の格差が生活上の困難を固定化・複合化していることを背景に、多様かつ複合的な困難を抱える女性に対して困難な状況が固定化・連鎖しないようきめ細かな支援に取り組む必要。
- 大規模災害での男女共同参画の視点の浸透の必要性が再認識されたことも踏まえ、男女共同参画の視点を取り入れた防災・復興対策の徹底が必要。
- 税制や社会保障制度を始めとする社会制度や慣行が、実質的に男女にどのような影響を与えるのか常に検討され、経済社会情勢を踏まえて不断に見直されることが男女共同参画社会の形成のために重要であり、持続可能な活力ある我が国社会を次世代に引き継ぐためには、あらゆる分野において男女共同参画・女性活躍の視点を確保するとともに、制度・慣行が男女の社会活動の選択にできる限り中立なものとする必要。
- 第2部の構成
- 上記「基本的な視点及び取り組むべき事項」を踏まえ、第2部は、2つの政策領域(「Ⅰ 男女共同参画の推進による多様な幸せ(well-being)の実現」及び「Ⅱ 男女共同参画社会の実現に向けた基盤の整備・強化」)に加え、これらの取組を総合的かつ計画的に推進するための「Ⅲ 男女共同参画社会の実現に向けた推進体制の整備・強化」で構成されている。また、Ⅰ~Ⅱの各政策領域の下に重点的に取り組む12の個別分野を設け、これら12分野及び「Ⅲ 男女共同参画社会の実現に向けた推進体制の整備・強化」について、それぞれ令和17(2035)年度末までの「基本認識」並びに令和12(2030)年度末までを見通した「施策の基本的方向」及び「具体的な取組」を定めるとともに、「具体的な取組」の実施により達成を目指す「成果目標」等を別表のとおり設定している。
~NEW~
厚生労働省 「はたらく」に関する情報が見やすく便利になります~ポータルサイトの開設やハローワークインターネットサービスのリニューアルなどの取組を進めます~
- 厚生労働省は、このたび、職業や職場に関する情報、スキルアップ、労働関連法令等、働く方や、企業、支援者の方に役立つ情報を、利用者別・分野別に探せるポータルサイト、みんなの労働ナビを開設しました。
- また、職業情報提供サイト(job tag)、職場情報総合サイト(しょくばらぼ)及びハローワークインターネットサービスのリニューアルについても実施するなど、厚生労働省は働くために必要な情報に誰もが簡単にアクセスできるよう取組を進めています。
- 詳細は以下のとおりです。
- ポータルサイト「みんなの労働ナビ」を開設します(3月13日(金))
- 近年、転職やリスキリングの需要が高まる一方、企業の労働力確保も重要な課題となっています。これに伴い、就職活動を控えた学生やお仕事をお探しの方はもちろん、現在の職場でキャリアアップや働き方の見直しをしたい方、企業の採用・人事担当者、転職・就職を支援するキャリアコンサルタントなど、幅広い方々から労働に関する信頼性の高い情報へのアクセスニーズが一層高まっています。
- こうした状況を踏まえ、厚生労働省では、さまざまなウェブサイトに掲載されている「はたらく」に関する情報を、利用者の目的に応じて簡単に見つけることができるよう案内するポータルサイト、「みんなの労働ナビ」を開設しました。
- また、みんなの労働ナビには、ハローワークの求人や賃金に関する特設ページを作成しました。
- これにより、自分が考えていた職種や地域のデータに加えて、別の職種や近隣県等のデータを比べて見ることができ、就職の選択肢を広げるきっかけをつかむこともできます。
- ▼ みんなの労働ナビ
- 「職業情報提供サイト(job tag)」及び「職場情報総合サイト(しょくばらぼ)」をリニューアルします(job tag:3月17日(火)予定、しょくばらぼ:3月4日(水))
- job tagについて
- job tagとは、500を超える職業について、ジョブ(職業、仕事)、タスク(作業)、スキル(技術・技能)等の職業情報を「見える化」し、求職者等の就職活動や企業の採用活動、人材育成等を支援するウェブサイトです。気になる職業情報や自己診断ツールの検査結果など、いつでも保存した情報の確認が可能になるユーザー登録機能の追加や、新たに15職業の職業情報追加等のリニューアルを3月17日(火)(予定)に行う予定です。
- ▼ 職業情報提供サイト(job tag)
- しょくばらぼについて
- しょくばらぼとは、企業の職場情報を求職者、学生等に総合的・横断的に提供するウェブサイトです。3月4日(水)に、検索した職場情報や、検索条件を保存し、保存した情報を後から見返すことが可能になるユーザー登録機能の追加等のリニューアルを行いました。
- ▼ 職場情報総合サイト(しょくばらぼ)
- job tagについて
- ハローワークインターネットサービスでスマートフォンでの使用が快適になります(3月23日(月)予定)
- ハローワークインターネットサービスとは、お持ちのパソコンやスマートフォン等で全国のハローワークの求人(年間新規求人数は約1,000万人以上)を検索することができるオンラインサービスです。
- 3月23日(月)(予定)よりスマートフォンでの視認性を改善し、「かんたん検索」や「特集求人」の新設により検索の利便性が向上します。
- ハローワークインターネットサービスの月間アクセス件数:約8,500万件
- ▼ 【別添5】HelloWork News「ハローワークインターネットサービスが新しくなりました」
- ポータルサイト「みんなの労働ナビ」を開設します(3月13日(金))
~NEW~
総務省 AIネットワーク社会推進会議(第32回)・AIガバナンス検討会(第30回)合同会議
▼ 【資料2】AI事業者ガイドラインの令和7年度更新内容
- 令和7年度の更新内容
- AIエージェントやフィジカルAIに関する事項の追加
- 更新内容
- AI事業者ガイドラインとしての定義の追加
- AIエージェントの定義(案)
- 本ガイドラインにおけるAIエージェントとは、特定の目標を達成するために、環境を感知し自律的に行動するAIシステムとする。
- フィジカルAIの定義(案)
- 本ガイドラインにおけるフィジカルAIとは、センサ等によるセンシングを通じて物理環境の情報を取り込み、AIモデルによる処理を経て、
- 設定された目的を達成するための最適な方策を自律的に推論・判断し、アクチュエータ(駆動系)等を介して物理的な行動へとつなげるシステムであり、サイバー空間での処理に留まらず、現実世界に対して直接的な働きかけ(移動、操作、加工など)を行うことを特徴とするものとする。
- AIエージェントの定義(案)
- 便益の追加
- AIエージェント…複数のシステムと連携しながらの自律的行動による、調整・分析・意思決定等の業務効率化の便益を追加
- フィジカルAI…物理環境での自律的行動による、労働力不足の補完、安全性向上、介護・生活支援等の便益を追加
- リスクに関する事項の追加
- 自律的行動による人間の意図しない動作、攻撃対象・攻撃手法の増加、複雑機構を持つことによる制御の困難化、悪意のあるコード生成等の事項を追加
- 留意すべき事項の追加
- 人間の判断を介在させる仕組みの構築や最小権限設定、ハードウェア残存データへの配慮等、留意すべき事項を追加
- AIシステム・サービス例の追加
- 旅行先予約・提案エージェントや自律移動ロボット、AIエージェント作成サービス等のAIシステム・サービス例を追加
- AI事業者ガイドラインとしての定義の追加
- 主な更新箇所
- 本編第1部.「AIとは」
- 別添「A.AIに関する前提」「B.AIによる便益/リスク」
- 別添4.5.「AI 開発者/AI提供者/AI利用者向け」
- 更新内容
- 事業者がAIリスクを把握・対応しやすくなるように、「AIによるリスク」の記載を整理・拡充
- 更新内容
- リスクベースアプローチに資する内容の追記
- リスクの大きさ/発生可能性等を加味して対策の優先順位を検討するという考え方に基づくリスクベースアプローチの説明を追加
- 参考文献の追加
- AIガバナンス協会「AI時代の経営意思決定とガバナンス ~攻めのAIガバナンス実現のための戦略レポート」
- EU「Artificial Intelligence Act Annex III: High-Risk AI Systems Referred to in Article 6(2)」
- リスクの更新
- AIシステムへの攻撃例、マルチモーダルな生成AIやカメラ、音声認識活用時のプライバシー権の侵害リスク、ハルシネーションによりメリットも生じ得ること、教育分野のAI活用におけるリスク、金銭的損失の被害者となり得るリスク、資格等の侵害リスク等に関する更新
- 一部リスクの分類見直し
- 現行ガイドラインにおいて技術的リスクとして位置付けられている「差別的出力」は倫理・法的側面に関わることを踏まえ、リスク分類を変更
- リスクベースアプローチに資する内容の追記
- 更新箇所
- 別添「B.AIによる便益/リスク」
- 別添「E.AIガバナンスの構築」
- 更新内容
- 開発、学習、主体区分等、多義的に捉えられる事項について、定義の追加や図表を更新
- 更新内容
- AI開発者の定義の補足
- AI開発者について、AIシステムの構築の全てを担うわけではない旨を補足
- ファインチューニング等、AIモデル開発後のモデル調整(事後学習)をAI開発者が役割として担う旨を補足
- 「一般的なAI活用の流れにおける主体の対応」の見直し
- 「AIモデル事後学習」を明記
- 「データ前処理・学習」や「システムへの実装」の流れを整理
- 主体毎の役割の見直し
- 同一事業者が複数区分を跨ぐと考えられる事例等について表「AIシステム・サービス例」に追加
- ファインチューニングを実施した事例
- コード生成AIを活用した事例
- APIを活用した事例
- アライメントやRAG等、どの主体区分が役割を担うか不明瞭な箇所について、補足説明を追加
- 同一事業者が複数区分を跨ぐと考えられる事例等について表「AIシステム・サービス例」に追加
- AI開発者の定義の補足
- 主な更新箇所
- 本編「はじめに」
- 本編第1部.「AIとは」
- 本編第2部.「基本理念」
- 別添「A.AIに関する前提」
- 別添4.「AI開発者/AI提供者向け」
- 更新内容
- 「データ」「学習」など、多義的に捉えられる単語の定義や表現の見直し
- 更新内容
- 「学習」「推論」の定義の追加
- 多義的に捉えられる「学習」について明確な定義を記載(「学習」とは、「機械学習」を指しているのか、「InContext-Learning(文脈内学習)」を指しているのか等)
- RAG等によりAI活用時に扱うデータが拡大している点を踏まえ、「推論」について明確な定義を記載
- 「データ」の定義・表現の見直し
- ガイドラインにおける「データ」の定義を記載するとともに、一般的に用いられる表現に見直し、明確化
- 「学習」「推論」の定義の追加
- 主な更新箇所
- 本編第1部「AIとは」
- 別添「A.AIに関する前提」
- 更新内容
- 人工知能戦略本部等の国内動向や広島AIプロセス等の国際動向において、注視するべき最新状況等を追記
- 更新内容
- 主に以下のトピックを反映
- <国内>
- 内閣府「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」
- 総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>(第4版)」
- 総務省「AIのセキュリティ確保のための技術的対策に係るガイドライン」
- デジタル庁「行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン」
- <国際>
- 広島AIプロセス
- 報告枠組みの参加組織数の追記
- 参加組織の声の追記
- 参照する文書を一部変更
- 広島AIプロセス
- <国内>
- 主に以下のトピックを反映
- 主な更新箇所
- ①・②・④・⑤:本編「はじめに」
- ②・④:別添「E.ガバナンスの構築」関連
- ③:本編第2部「共通の指針」
- ⑤:本編第2部「高度なAIシステムに関係する事業者に共通の指針」
- ⑤:本編第3部「AI開発者に関する事項」
- ③・⑤:別添「AI開発者向け」
- ③:別添「AI提供者向け」
- ⑤:別添「チェックリスト」
- ⑤:別添「海外ガイドラインとの比較表」
- 更新内容
~NEW~
金融庁 「企業のリスクマネジメントの高度化に向けた検討会」(第2回)議事要旨及び資料
▼ 資料1 事務局説明資料
- 第1回検討会における主な意見の内容
- 日本企業のリスクマネジメントの現状と課題
- リスクの把握・評価・分析が企業文化として十分に成熟していない。
- 企業から損害保険会社へ正確なリスク情報が提供されていない。
- 保険購入が総務部で事務的に扱われるケースが多い。
- 保険キャパシティと代替リスクファイナンス
- 直近2~3年で保険キャパシティは大幅に縮小。こうした状況に日本企業が対応するためには、リスク移転及び保有手段の多様化が必要であり、海外直接付保やキャプティブ活用のための規制緩和も検討するべき。
- 人材育成と企業文化改革
- 専門人材の配置は欧米企業に比べて進んでいない。
- 政府による啓蒙活動を通じて「リスク管理=経営管理」という認識の浸透が重要である。
- 国際基準との乖離
- 国内安全基準は国際基準と乖離。乖離の是正によりグローバル市場での保険調達が容易になる。
- 保険とリスクマネジメントの連携
- 一部企業では、グローバル保険プログラムを「リスクセンサー」として活用し、情報収集・報告の仕組みを構築。保険を単なるリスクファイナンス手段としてだけではなく、グループ全体のリスク情報の統合、全社リスクマネジメントへの活用も視野に入れるべき。
- 金融機関の役割
- 特にLBO融資や沿岸地域への融資では保険や災害耐性を重視することが大切である。
- 一層の保険活用も含め、リスクマネジメントの高度化は、企業の成長投資を後押しするための「カギ」である。
- 保険活用により、例えば、①事業の予見可能性向上、②キャッシュフロー安定化(リスク発現時の財務インパクト緩和)、③リスクバッファ資本の必要規模の低減に資すると考えられる。
- 日本企業のリスクマネジメントの現状と課題
- リスクマネジメント高度化の意義
- 一層の保険活用も含め、リスクマネジメントの高度化は、企業の成長投資を後押しするための「カギ」である。
- 保険活用により、例えば、(1)事業の予見可能性向上、(2)キャッシュフロー安定化(リスク発現時の財務インパクト緩和)、(3)リスクバッファ資本の必要規模の低減に資すると考えられる。
- 事業の予見可能性の向上
- 事故発生時の最大損失額・自己負担額が事前に把握可能
- 事故時のファイナンス確保
- キャッシュフロー安定化
- リスクバッファ資本の低減
- 事業の予見可能性の向上
- 日本企業における現状と課題
- リスクファイナンス、リスクコントロール、レジリエンスについて、全社的に統合された設計となっていない場合が多い。バランス良く対応することが重要。
- リスクファイナンス(財務的対応)
- 損害保険の手配が事業部門や総務部門単位で行われるケースが多く、全社的なリスクアセスメントに基づく付保設計が難しい。
- 保険を「コスト」として捉える傾向が強く、キャプティブの活用など戦略的なリスク移転手段が十分に活用されていないとの指摘がある。
- リスクコントロール(予防・被害軽減)
- 予防投資が後回しになりがち。BCPについても、予防策との十分な連動がなされず、事後対応を中心とした計画にとどまる事例が見受けられる。事業の構想段階・設計段階からの検討が不十分なケースも。
- レジリエンス(回復力)
- 実務面では、迅速な復旧体制等が十分に整っていないケースもあり、国内外の大規模事故等といった予期せぬ事態が発生した場合、復旧が長期化し、結果として損失が拡大する可能性がある。
- 経営陣の関与・リスクマネジメント文化
- 経営陣が主体的に関与する仕組みが十分でない。
- 日本には、「失敗を避ける文化」が根強く、リスクを積極的に議論・開示することが敬遠されがち。このため、損害保険会社へのリスクデータの提供が不十分であったり、リスク対応が事後型になり、潜在リスクを早期に把握し、事前に対策を講じる仕組みが十分に機能していない。また、リスクを「脅威」としてのみ捉え、価値創造につなげる視点が不足している。
- リスクファイナンス(財務的対応)
- 企業におけるリスクマネジメントの好事例
- 国内においても、リスクマネジメントの高度化に取り組み、成長投資を実現している好事例が見られる。
- 企業によるリスクマネジメント高度化の一例>【検討会での発表事例より】
- リスクファイナンス
- 事業部門による付保からリスクマネジメント部門でのグローバル一括管理へ【三菱重工、旭化成】
- レジリエンス リスクコントロール
- 予防投資を後回しとせず、キャプティブの設立などにより、リスクの保有と移転のバランスを最適化 【コカ・コーラ ボトラーズジャパン・旭化成】
- 工場の建設に至る前の段階から早期に損保会社・仲介人等とのコミュニケーションによってリスクマネジメントを高度化
- レジリエンス
- 大規模災害発生時にも事業継続を可能とするリスクマネジメント【コカ・コーラボトラーズジャパン】
- 経営陣の関与
- 事業部門による付保からリスクマネジメント部門でのグローバル一括管理へ 【三菱重工、旭化成】
- 経営陣も自社のリスクを把握し、リスクマネジメントの重要性を認識 【コカ・コーラ ボトラーズジャパン・旭化成・三菱重工】
- リスクファイナンス
- 金融市場・資本市場による評価・後押し
- 足元の課題を踏まえると、企業におけるリスクマネジメントを一層高度化していくためには、リスクマネジメントの取組が金融市場・資本市場からも適切に評価され、後押しに繋がることが重要。
- 金融機関による取組の一例
- 日本政策投資銀行(DBJ)では、企業の事業継続マネジメント(BCM)体制を独自に評価し、(1)防災・減災、(2)事業継続対策などの取組水準に応じて格付を付与。
- 資本市場による評価の一例
- 米国BlackRockは、取締役会が重要なリスク監督を十分に果たしていない場合、当該責任を負う取締役の選任に賛成しないことがあると、議決権行使方針で明記。
- 金融機関による取組の一例
- 足元の課題を踏まえると、企業におけるリスクマネジメントを一層高度化していくためには、リスクマネジメントの取組が金融市場・資本市場からも適切に評価され、後押しに繋がることが重要。
- リスクファイナンス、リスクコントロール、レジリエンスについて、全社的に統合された設計となっていない場合が多い。バランス良く対応することが重要。
- 損害保険会社における現状と課題
- キャパシティ制約と市場構造を踏まえたアンダーライティング
- 自然災害の激甚化等により、保険業界全体における引受リスク総量が増加し、再保険市場を含め、引受キャパシティに制約が生じている。
- 日本市場では、相対的に低い保険料率や大規模プログラムにおける一社引受慣行等により、保険会社の引受余力に対する負担が大きい。
- 保険調達手段は、実質的に国内契約に限定されており、日本企業が海外再保険市場を利用する場合でも、その可否や条件は日本の損害保険会社の意向に大きく左右される。
- こうした環境下において、損害保険会社によるリスク評価に基づくアンダーライティングの一層の高度化が不可欠となっている。
- 保険料の設定
- 従来の国内損保市場では、トップラインを重視する営業慣行の下、保険料率に対する引き下げ圧力があったため、リスクに見合った適正な料率設。定が困難な状況であった。足元、損保各社は、料率設定の適正化に取り組んでいるところ、リスク評価が十分に料率へ反映されない場合、将来の大規模損害発生時において、保険会社の財務負担が拡大する懸念がある。
- このため、今後の国内損保市場においては、競争力の維持とリスクに応じた適正な引受・料率設定とのバランスをいかに取るかが、今後の経営戦略における重要な検討課題である。
- 新種リスクの引受
- デジタル化・産業構造の変化により、新種リスクが急速に拡大している。一方で、過去の損害データやトラックレコードが十分に蓄積されていないことから、リスク評価が困難となっており、損害保険商品の引受判断や新たな保険商品の開発を行うことが難しい状況にある。
- キャパシティ制約と市場構造を踏まえたアンダーライティング
- グローバルスタンダードへのシフトに向けた両者(企業・損保)の取組み
- 近年、損害保険会社は、アンダーライティングの強化を進めており、大規模物件や高リスク業種を中心に引受限度額引下げの動きが見られる。その結果、従来と同様の保険調達が困難となる企業が増加している。
- その背景には、自然災害の頻発・激甚化等による保険収支の悪化や、企業から適切な情報を取得できないことが要因となり、再保険調達を通じた引受キャパシティの確保が難しくなっていることがある。
- 従来は、安定的な再保険調達を前提として、中長期的な関係性を重視した緩やかな引受が可能であったが、現在はその前提が変化している。このため、保険会社のアンダーライティング強化や、企業が適切なリスク情報をシェアすることを含めた、グローバル・スタンダードに則った損害保険市場へのシフトが不可欠な取組みとなっている。
- 日本独自のビジネス慣行
- 企業における保険は便宜供与の状況等によって判断されがち
- 毎年更新を前提にした中長期のリレーションを重視・緩やかなアンダーライティング
- 企業内代理店、政策保有株、便宜供与による関係強化
- 保険キャパシティ不足に悩む必要が無い反面、保険手配を幹事社に依存しやすく、保険契約の客観的な評価が不明
- グローバルスタンダード
- 保険会社と企業は対等な関係で緊張関係にある
- 適切なリスクシェアを重視(ビジネスライクな引受判断)詳細なリスク情報開示要請と厳格なアンダーライティング
- 企業側からも自社のアピールが必要
- 多くの保険会社等とのやり取りを通じて保険市場からの自社評価を把握でき、リスクマネジメントの高度化に活用可能
- 日本独自のビジネス慣行
~NEW~
金融庁 FATFによる「オフショアVASPに係るリスクの把握と軽減に関する報告書」の公表について
- 金融活動作業部会(以下、FATF)は、令和8年(2026年)3月11日、「オフショアVASPに係るリスクの把握と軽減に関する報告書」(原題:Understanding and Mitigating the Risks of Off-shore Virtual Asset Service Providers)を公表しました。
- 本報告書においてオフショアVASPとは、ある法域の法律下で設立され、物理的拠点の有無にかかわらず、自らの設立法域又は物理的所在地外の顧客にサービスを提供するVASPのこと。
- 本報告書は、物理的な所在に関わらずVASPに登録や免許を義務付ける法域が増えている一方で、オフショアVASPへの効果的な規制監督や国際協力における課題があることを踏まえ、オフショアVASPのリスクや課題、各法域における好取組事例、官民関係者向けの勧告等から構成されています。本報告書は、当庁が共同議長を務めるFATF政策企画部会(PDG)及び、リスク・傾向及び手法に関する作業部会(RTMG)の共同プロジェクトにおいて、PDG傘下の暗号資産コンタクト・グループ(VACG)により作成されました。
- 当庁は、PDG共同議長国及びVACG共同議長国として、本報告書の取り纏めに貢献しました。
▼ プレス・リリース(翻訳)オフショア仮想資産サービスプロバイダー(oVASP)のリスクの理解と軽減
- 金融活動作業部会(CFTF)の新しい報告書は、オフショア仮想資産サービスプロバイダー(oVASP)の監督のギャップが、大規模な詐欺、マネーロンダリング、テロ資金供与を促進するためにどのように利用されているかを浮き彫りにしています。また、oVASPの検出、許認可、登録、監督の良い実践例や、非準拠者の制裁も紹介しています。
- オフショアVASPとは、ある管轄区域の法律に基づいて設立され、物理的な拠点の有無にかかわらず、別の管轄区域に居住するクライアントにサービスを提供するVASPのことです。報告書は、oVASPが規制義務を回避または回避するためにどのように活動を構築しているか、また不正行為者がこれらの脆弱性をどのように悪用しているかを分析しています。
- 『Understanding and Demoting the Risk of Offshore VASPs』では、半数未満(46%)の管轄区域が活動ベースの規制・監督アプローチを採用していることが指摘されています。これは、VASPがどこで設立・所在しているかに関わらず、VASPが自らの管轄内で行う活動に基づいてライセンスや登録要件を拡大することを意味します。これにより、オフショアプロバイダーが違法金融対策監督下で市場で活動を行っています。
- oVASPの規制方法の違いは、犯罪者が利用するギャップを生み出し、国際的な監督や協力を効果的に行う権限を著しく複雑にします。この報告書では、被害者資金を複数のアドレスに分散させたり、取引を多層的な仲介ウォレット経由でルーティングしたり、複数のブロックチェーンやブリッジを使って難読化を強化したりするなど、不正収益の動きを隠すために用いられた手法について説明しています。
- 報告書は、oVASPが詐欺施設からの不正収益の転換、テロリストグループへの財政支援、そして非許可のVASPが個人顧客を装って認可されたVASPのサービスにアクセスするという、入れ子状関係が悪用される可能性があることを強調しています。
- FATF会長エリサ・デ・アンダ・マドラソは次のように述べました。「この報告書は、oVASPSが犯罪者に明らかに利用され、詐欺を通じて脆弱な人々を欺いたり、世界中でテロを煽ったりしている盲点を明らかにしています。私はすべての国と民間セクターに対し、私たちが特定した良好な慣行に基づいて行動するよう強く求めます。仮想資産は数秒で国境を越えて移動するため、これらのリスクに対処するためには強力なコンプライアンス、監督、国際協力が不可欠です。」
- 脆弱性への対応
- 管轄区域がリスクを軽減するために特定された措置には以下が含まれます:
- 活動ベースアプローチを用いたoVASPの検出、ライセンス付与、登録;
- AML/CFT/CPF義務違反に対する制裁の執行;
- 省庁間タスクフォースや官民パートナーシップを通じて、共通理解を築き、調整を改善すること。
- 監督者同士のチャネルやFIU間の協力を最大限に活用し、情報へのアクセスを迅速化し、執行を調整すること。
- また、報告書は金融機関やVASPがoVASPに関連するリスクに対処する上で果たせる重要な役割を強調しています。無認可または未登録のoVASPへの曝露を評価し、グループ内のすべての組織に対して明確かつ一貫したAML/CFT/CPFルールを適用し、規制監督外でoVASPとして運営するグループ法人がいかなることも保証し、無認可または未登録の提供者とのビジネス関係の確立や維持を控えることを推奨しています。
- 報告書は、リスク軽減のための革新的なアプローチを示す事例研究を特定しています。
- ナイジェリアのFIUによる注目度の高い投資詐欺事件では、oVASPや不透明な企業構造が大規模な詐欺、違法資金の国境を越えた移動、金融の混雑を促進するために使われ、被害者資金が複数の仲介「ファネルアドレス」を通じて流されていることを明らかにしました。分析の結果、オフショアのVASPが最終的な現金化ポイントとして使われていることが示されました。分析時点で、ある世界的なVASP連携ウォレットには約6億米ドルが保有されていました。
- インドネシアのFIUは、シリアの複数の財団や個人が関与するVAベースのテロ組織への財政支援を特定しました。テロリストの資金提供者は、oVASPを使って異なる種類の仮想資産間で変換し、資金が非ホストウォレットに移される前に迅速に痕跡を隠蔽していることが判明しました。
- ナイジェリアの監督機関(SEC)は、同国のFIUおよびエグモント・グループプラットフォーム(FIU.net)を通じて、oVASPの実質的所有権に関する外国の関係者から重要な情報を入手し、疑わしいoVASP運営者に関する刑事捜査を確認し、ブロックチェーン分析でフラグが立てられたウォレットの背後にある実在の身元を特定することに成功しました。
- 英国住民へのサービス提供やoVASPによる継続的な違反に対応するための明確な規則導入を受けて、英国金融行動監視機構(FCA)は一連の執行および妨害措置を実施し、1000以上の詐欺ウェブサイトの削除を推進しました。
- 多機関連携の強化:ニュージーランドの仮想資産調査リソースグループ(VAIRG)とインドの多機関VAサブグループは、政府間調整のための正式なメカニズムが知識共有、oVASPの特定、より一貫した監督・執行戦略を支えていることを示しています。
- 国境を越えた監督および執行協力:ケイマン諸島金融庁とアブダビ・グローバル・マーケット・ファイナンシャル・サービス・レギュラー・オーソリティの直接協力により、ガバナンスの失敗、無許可活動、法域間の構造物の誤用が明らかになり、登録の取消、重大な罰則、個人への制裁が科されました。
- ソーシャルメディアやオンラインサービスプロバイダーとの協力:インドのSahyogポータルは、プラットフォームと構造化されたチャネルが、未登録oVASPに関連するウェブサイトの削除を含む違法コンテンツに対して迅速な対応を可能にすることを示しています。
- 管轄区域がリスクを軽減するために特定された措置には以下が含まれます:
~NEW~
警察庁 令和7年における犯罪収益移転防止法の施行状況等について
▼ 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和7年)
- 「指定非金融業者及び職業専門家(DNFBPs)」によるマネー・ローンダリング対策等への取組
- 犯罪収益移転防止法の対象となる事業者は「特定事業者」と呼称されている。そのうち、銀行、貸金業者、資金移動業者等の金融機関等を除いた、宅地建物取引業者、宝石・貴金属等取扱事業者、郵便物受取サービス業者等の指定非金融業者及び弁護士、司法書士、行政書士等の職業専門家をDNFBPs(Designated Non-Financial Businesses and Professions)と呼称している。
- 令和7年中の年間通知件数の総数は101万9,405件であった。そのうち、DNFBPsの通知件数は439件であり全体の約0.04%であった。金融機関からの届出情報には、DNFBPsに関係する疑わしい取引として
- 顧客の年齢、職業、事業内容等から見て合理性がない多額の資産を保有する者から宅地建物取引業者に対する送金情報
- 暴力団員の共犯者として検挙されたとの報道がなされている者から宝石・貴金属等取扱事業者に対する送金情報
- 滞在資格に疑義がある外国人から法律事務所に対する送金情報
- 等が含まれていることが確認されている。
- しかしながら、これらの情報に相当するDNFBPsからの疑わしい取引の届出情報が確認されていないことから、DNFBPsの取引において多数の疑わしい取引に関する情報が潜在しているのではないかと推認される。
- DNFBPsから積極的に疑わしい取引の届出がなされるためには、事業者及び各業態の関係団体等に対して、マネー・ローンダリングの危険性、疑わしい取引の届出を含む犯罪収益移転防止法上の義務の内容等について教養を推進していく必要がある。
- DNFBPsが行う取引の中でも、宅地建物取扱業者が取り扱う不動産の売買契約及び宝石・貴金属等取扱事業者が取り扱う宝石・貴金属の売買契約については、特にマネー・ローンダリングに悪用されるおそれが高いと認められる。また、DNFBPsのサービスが特殊詐欺等の犯行や取引のツール等として悪用されているケースもある。
- 具体的には不動産は、財産的価値が高く、多額の現金との交換を容易に行うことができるほか、その利用価値、利用方法等によって大きく異なった評価をすることができることから、通常の価値に金額を上乗せして対価を支払うなどの方法により、容易に犯罪による収益を移転することが可能である。
- 宝石及び貴金属は、不動産と同様に財産的価値が高く、その小さな形状から持ち運びも容易であり、国内だけでなく海外においても多額の現金等と容易に交換することができる。
- 実際に宅地建物取引業者及び宝石・貴金属等取扱事業者が扱う取引が、マネー・ローンダリングに悪用された事例としては次のようなものがある。
- DNFBPsのサービスが特殊詐欺等の犯行や取引のツール等として悪用された事例としては次のようなものがある。
- 【郵便物受取サービスに関する事例】
- 特殊詐欺事件の被害金を、郵便物受取サービス業者を含む複数の場所を経由して受領したもの。
- 【電話転送サービスに関する事例】
- わいせつDVDの販売によって得た犯罪による収益を隠匿した事件において、架空・他人名義で契約した複数の電話転送サービスを顧客との連絡のために利用したもの。
- 【法律・会計関係サービスに関する事例】
- マネー・ローンダリングを企図する者が、犯罪による収益の隠匿行為等を正当な取引として仮装するために、法律・会計専門家を取引や財産の管理に介在させたもの。
- このように、犯罪による収益が不動産、宝石・貴金属等の法定通貨以外の財物に移転した場合や、犯罪による収益から通信料金や契約料金等の正規の支払が行われた場合、犯罪による収益の追跡は一層困難となる。実際に、金融機関からの疑わしい取引の届出情報を元に分析を行った結果、犯罪による収益が、宅地建物取引業者や宝石・貴金属等取扱事業者に移転していると認められたものの、これら特定事業者からの疑わしい取引の届出情報がなかったため、以降の追跡が困難となった事例もある。当該届出情報があれば、犯罪による収益により購入した不動産、宝石・貴金属等が特定でき、さらなる追跡が可能となることから、DNFBPsからの疑わしい取引の届出情報はマネー・ローンダリング関連事犯の取締りにおいて、非常に重要かつ有用なものである。
- 犯罪収益移転防止法施行規則の改正による本人確認方法の見直し
- 近年、偽変造された本人確認書類により開設された架空・他人名義の預貯金口座等が特殊詐欺等の犯罪に悪用されるなど、治安上の大きな課題となっている。こうした情勢を背景に、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和7年6月13日閣議決定)等において、犯罪収益移転防止法に基づく対面、非対面の本人特定事項の確認方法を見直す旨が記載された。本人特定事項の確認方法の見直しにあっては、犯罪収益移転防止法施行規則の関係規定を改正し、令和9年4月1日から施行することとしたところ(第2章第1節第1項9(5)及び(7)参照)、見直しの概要及び具体的な改正内容は以下のとおりである。
- 対面の本人確認方法の見直し
- 写真付き本人確認書類の提示を受ける現行の方法につき、対象書類をICチップ付きのものに限定するとともに、当該ICチップの情報の読み取りを必須とする。
- 写真なし本人確認書類の提示を受け、かつ、取引関係文書を転送不要郵便物等として送付等する現行の方法につき、対象書類の変更を行うとともに、ICチップ付きの書類の提示を受ける場合はICチップ情報の読み取りを必須とする。
- 上記方法が実施困難である非居住外国人等については、写真付き本人確認書類を提示させることとする。
- 非対面の本人確認方法の見直し
- 自然人の本人確認方法につき、ICチップ付き本人確認書類のICチップ情報の送信を受ける方法を原則とする。
- ICチップ付き本人確認書類を保有しない者への対応として必要な補完措置を整備。
- 法人の代表者等の本人確認方法についても、上記と同様に措置。
- このほか、法人の本人確認方法につき、本人確認書類の写しの利用を原則不可とし、原本に限定。
- 対面の本人確認方法の見直し
- 近年、偽変造された本人確認書類により開設された架空・他人名義の預貯金口座等が特殊詐欺等の犯罪に悪用されるなど、治安上の大きな課題となっている。こうした情勢を背景に、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和7年6月13日閣議決定)等において、犯罪収益移転防止法に基づく対面、非対面の本人特定事項の確認方法を見直す旨が記載された。本人特定事項の確認方法の見直しにあっては、犯罪収益移転防止法施行規則の関係規定を改正し、令和9年4月1日から施行することとしたところ(第2章第1節第1項9(5)及び(7)参照)、見直しの概要及び具体的な改正内容は以下のとおりである。
- 疑わしい取引の届出制度の運用状況
- 平成11年の組織的犯罪処罰法の制定により届出の対象が薬物犯罪から重大犯罪に拡大され、同法が施行された平成12年以降、年間通知件数は増加傾向にあり、令和7年中の年間通知件数は101万9,405件であった。
- 令和7年中の疑わしい取引の通知件数を届出事業者の業態別にみると、銀行等が69万555件で全体の67.7%と最も多く、次いで貸金業者が10万2,577件で10.1%、クレジットカード事業者が6万1,479件で6.0%の順となっている
- 分析結果を捜査機関等へ提供した件数は毎年増加しており、令和7年中は3万2,248件で過去最多であった
- 罪種別の端緒事件数及び活用事件数を類型別にみると、次のとおりである。
- 詐欺関連事犯(詐欺、犯罪収益移転防止法違反等)については、端緒事件数が計960件で全体の86.5%、活用事件数が計1,450件で全体の47.9%を占めており、銀行口座や暗号資産口座等の詐欺又は譲受・譲渡、暴力団関係者、匿名・流動型犯罪グループ等による特殊詐欺等(SNS型投資・ロマンス詐欺、ニセ警察詐欺、還付金詐欺等)の事件を検挙している。
- 不法滞在関連事犯(入管法違反)については、端緒事件数が計31件、活用事件数が計64件であり、来日外国人による不法残留、資格外活動、偽造在留カードの行使、在留資格の取得に係る虚偽申請、法人代表者による不法就労助長等の事件を検挙している。
- 組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿・収受等)については、端緒事件数が計54件、活用事件数が計188件であり、匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺、SNS型投資・ロマンス詐欺、ヤミ金融等により得た犯罪収益等の隠匿・収受等の事件を検挙している。
- 薬物事犯(覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反等)については、端緒事件数が計13件、活用事件数が計448件であり、覚醒剤や大麻等の違法薬物の所持・譲受・譲渡・密輸、組織的に行われた違法薬物の売買等の事件を検挙している。
- 偽造関連事犯(偽造有印公(私)文書行使、私電磁的記録不正作出・同供用等)については、端緒事件数数が計17件、活用事件数が計65件であり、偽造の運転免許証、個人番号カード等を行使した銀行口座の不正開設や第三者へ譲渡して報酬を得ることを目的としたフリーマーケットアカウントの不正取得等の事件を検挙している。
- ヤミ金融事犯(貸金業法違反及び出資法違反)については、端緒事件数が計3件、活用事件数が計11件であり、暴力団幹部や外国人グループによる貸金業の無登録営業や暗号資産投資を名目とした出資法違反等の事件を検挙している。
- 風俗関連事犯(風営適正化法違反等)については、端緒事件はなかったが、活用事件数が計20件であり、社交飲食店の無許可営業や店舗型性風俗店の禁止場所営業、外国人グループによる売春防止法違反等の事件を検挙している。
- 賭博事犯(常習賭博、賭博場開張図利等)については、端緒事件数が計12件、活用事件数が計13件であり、暗号資産を使用した海外オンラインカジノサイト利用の賭博や匿名・流動型犯罪グループに係る違法賭博営業店舗による賭博開張図利等の事件を検挙している。
- その他の刑法犯(窃盗犯、粗暴犯、凶悪犯等)については、端緒事件数が計12件、活用事件数が計658件であり、報酬を得る目的で不正に取得したキャッシュカードを利用して、ATMから現金を出金した窃盗、外国人による強盗殺人未遂等の事件を検挙している。
- その他の特別法犯(職業安定法違反、商標法違反、資金決済法違反、特定商取引法違反等)については、端緒事件数が計8件、活用事件数が計109件であり、特殊詐欺の受け子を募集したり、ホストクラブの女性客に売掛金の支払をさせるため、女性客を性風俗店に紹介するなどの有害業務を紹介したことによる職業安定法違反、偽物ブランドバッグの販売目的所持による商標法違反、無登録の暗号資産交換業者による資金決済法違反、匿名・流動型犯罪グループによる住宅リフォーム工事等の点検商法に係る特定商取引法違反等の事件を検挙している。
- マネー・ローンダリング関連事犯の取締り
- 令和7年中における組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯の検挙事件数は、法人等事業経営支配事件が4件、犯罪収益等隠匿事件が1,421件、犯罪収益等収受事件が352件の合計1,777件と、前年より515件(40.8%)増加した
- 組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別にみると、詐欺が795件と最も多く、次いで窃盗が544件、電子計算機使用詐欺が302件、売春事犯が19件の順となっている。
- 令和7年中の法人等事業経営支配事件は、詐欺、風営適正化法違反、金融商品取引法違反をそれぞれ前提犯罪としたものであり、前提犯罪により得た不法収益等を用いて、新会社設立のために出資して自己又は知人を代表取締役等に選任して登記させたり、株式の買付代金を支払い、株主の権限を行使して法人の役員を選任したりするなどの手口がみられる。
- 令和7年中の犯罪収益等隠匿事件は、詐欺や窃盗を前提犯罪としたものが多くを占めている。同事件の手口の中で最も多いのは、他人名義の口座や不正に開設するなどした法人名義の口座への振込入金の手口を用いるものであり、これらの口座がマネー・ローンダリングの主要な犯罪インフラとなっている。このほか、盗品等をコインロッカーやトイレに隠匿する、他人の身分証明書等を使用して盗品等を売却する、犯罪収益の取得に際して正当な事業収益等を装う、被害者からだまし取るなどして得た現金や金銭債権等の犯罪収益を電子マネー利用権や暗号資産に移転して隠匿するといった手口がみられ、様々な方法によって犯罪収益等の取得若しくは処分について事実を仮装し、又は隠匿し、捜査機関等からの追及を回避しようとしている状況がうかがわれる。
- 令和7年中の犯罪収益等収受事件は、詐欺や窃盗を前提犯罪としたものが多くを占めている。これらの犯罪で得た犯罪収益等を直接又は口座を介して収受したり、盗品等を買い取ったりするなどして収受する手口等がみられ、犯罪者が入手した犯罪収益等が、様々な方法で別の者の手に渡っている状況がうかがわれる。
- 匿名・流動型犯罪グループが関与するマネー・ローンダリング事犯
- 各種資金獲得活動により得た収益を吸い上げている中核部分は匿名化され、違法行為の実行者はSNSでその都度募集され流動化しているなどの特徴を有する匿名・流動型犯罪グループは、末端の実行犯が各種犯罪により獲得した犯罪収益を中核部分が収受する過程において巧妙にマネー・ローンダリング事犯を敢行している実態がうかがわれる。
- 暴力団構成員等が関与するマネー・ローンダリング事犯
- 令和7年中に暴力団構成員等が関与した組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯で検挙されたものは、犯罪収益等隠匿事件58件及び犯罪収益等収受事件20件の合計78件で、全体の4.4%を占めている。
- 暴力団構成員等が関与したマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別にみると、詐欺が24件と最も多く、次いで窃盗が18件、電子計算機使用詐欺が11件、風営適正化法違反が6件の順となっている。
- マネー・ローンダリング事犯の手口としては、犯罪収益を得る際に他人名義の口座を利用したり、売春事犯及び風俗関係事犯等の犯罪収益をみかじめ料等の名目で収受したりするなどの手口がみられ、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を敢行している実態がうかがわれる。
- 来日外国人によるマネー・ローンダリング事犯
- 令和7年中に来日外国人が関与した組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯で検挙されたものは、犯罪収益等隠匿事件237件及び犯罪収益等収受事件67件の合計304件で、全体の17.1%を占めている。
- なお、国籍別にみると、中国人が関与した事件が134件(44.1%)と最も多く、次いでベトナム人が関与した事件が111件(36.5%)となっており、この2か国の国籍を有する来日外国人が関与した事件が、検挙事件数全体の約80%を占めている。
- 来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別にみると、詐欺が158件と最も多く、次いで窃盗が86件、電子計算機使用詐欺が51件の順となっている。
- マネー・ローンダリング事犯の手口としては、犯罪収益を得る際に日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり、不正入手した他人の電子決済コードやクレジットカード情報を利用したりするほか、盗品等を買い取るなどして収受する手口等がみられる。
- 国境を越えて行われるマネー・ローンダリング事犯
- 詐欺等の犯罪行為で得た犯罪収益で暗号資産を購入し、匿名性の高い海外の暗号資産交換所で開設した暗号資産ウォレットに送信するなどして、犯罪収益を海外へ移転させる手口のほか、地下銀行を通じたいわゆる「円元交換」により、犯罪収益である日本円が国内の不動産(タワーマンション)の購入資金に充てられる手口等がみられ、国境を越えたマネー・ローンダリング行為が行われている。
- 麻薬特例法に係るマネー・ローンダリング事犯の検挙状況
- 令和7年中の麻薬特例法に係るマネー・ローンダリング事犯の検挙事件数は15件であった。
- 覚醒剤等を密売し、購入客に代金を他人名義の口座に振込入金させていた薬物犯罪収益等隠匿事件のように、薬物事犯で得た資金が、マネー・ローンダリングされている実態がうかがわれる
- 犯罪収益移転防止法違反の検挙状況
- 多くのマネー・ローンダリング事犯において、他人名義の預貯金口座等が悪用される事例が認められている。犯罪収益移転防止法では、特定事業者(弁護士を除く。)の所管行政庁による監督上の措置の実効性を担保するための罰則及び預貯金通帳等の不正譲渡等に対する罰則が規定されており、警察では、これらの罰則に規定された行為の取締りを強化している。令和7年中における預貯金通帳等の不正譲渡等犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は4,699件と、前年より186件増加した。
~NEW~
警察庁 不正アクセス行為の発生状況及びアクセス制御機能に関する技術の研究開発の状況
▼ 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和7年)
- 不正アクセス行為の認知状況
- 認知件数
- 令和7年における不正アクセス行為の認知件数は7,190件であり、前年(令和6年)と比べ、1,832件(約34.2%)増加した。
- 不正アクセス後の行為別の内訳
- 令和7年における不正アクセス行為の認知件数について、不正アクセス後に行われた行為別に内訳を見ると、「インターネットバンキングでの不正送金等」が最も多く(4,747件)、次いで「証券会社のインターネット取引サービスでの不正取引等」(1,484件)、「インターネットショッピングでの不正購入」(228件)の順となっている。
- 認知件数
- 不正アクセス禁止法違反事件の検挙状況
- 検挙件数等
- 令和7年における不正アクセス禁止法違反事件の検挙件数・検挙人員は431件・248人であり、前年(令和6年)と比べ、132件減少し、検挙人員は11人減少した。
- 検挙件数・検挙人員について、違反行為別に内訳を見ると、「不正アクセス行為」が407件・236人といずれも全体の90%以上を占めており、このほか「識別符号取得行為」が6件・4人、「識別符号提供(助長)行為」が8件・8人、「識別符号保管行為」が8件・8人、「識別符号不正要求行為」が2件・2人であった。
- 不正アクセス行為の手口別検挙状況
- 令和7年における不正アクセス行為の検挙件数について、手口別に内訳を見ると、「識別符号窃用型」が399件と全体の90%以上を占めている。
- 検挙件数等
- 検挙した不正アクセス禁止法違反事件の特徴
- 被疑者等の年齢
- 令和7年に検挙した不正アクセス禁止法違反事件に係る被疑者の年齢は、「20~29歳」が最も多く(91人)、次いで「14~19歳」(81人)、「30~39歳」(41人)の順となっている。
- なお、令和7年に不正アクセス禁止法違反で補導又は検挙された者のうち、最年少の者は10歳注、最年長の者は65歳であった。
- 不正アクセス行為の手口別検挙件数
- 令和7年に検挙した不正アクセス禁止法違反の検挙件数のうち、識別符号窃用型の不正アクセス行為(399件)について、その手口別に内訳を見ると、「パスワードの設定・管理の甘さにつけ込んで入手」が最も多く(84件)、次いで「フィッシングサイトから入手」(77件)の順となっており、前年(令和6年)と比べ、前者は90件減少、後者は36件増加となっている。
- 不正に利用されたサービス別検挙件数
- 令和7年に検挙した不正アクセス禁止法違反の検挙件数のうち、識別符号窃用型の不正アクセス行為(399件)について、他人の識別符号を用いて不正に利用されたサービス別に内訳を見ると、「社員・会員用等の専用サイト」が最も多く(122件)、次いで「コミュニティサイト」(92件)の順となっており、前年(令和6年)と比べ、前者は99件減少、後者は16件減少となっている。
- 被疑者等の年齢
- 令和7年の主な検挙事例
- SNSで結びついた中高生の少年3人(14歳から16歳)は、不正に取得したeSIMを販売して利益を得ようと考え、令和6年5月から同年8月までの間に、それぞれ、不正に取得した他人のID・パスワードを使い、電気通信事業者が管理するサーバコンピュータに不正アクセスした上で、通信契約に係る不実の電磁的記録を作成し、eSIMを不正に取得した。令和7年1月から同年2月にかけて、同少年らを不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)及び電子計算機使用詐欺罪で検挙した。
- 上記(1)の手口を模倣し、不正に取得したeSIMを販売して利益を得ようと考え、令和6年4月、無職の少年(16歳)と高校生の少年(16歳)が、模倣した手口によりeSIMを不正に取得したことを受け、令和7年3月、同少年ら2人を不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)及び電子計算機使用詐欺罪で検挙した。
- 職業不詳の男(29歳)らが、令和6年6月、生成AIを一部悪用するなどして構築した大手ECサイトを模したフィッシングサイトを公開した。令和7年6月、同男らを不正アクセス禁止法違反(識別符号不正要求行為)で検挙した。
- 会社経営の男(38歳)らが、令和7年3月、氏名不詳者らと共謀の上、証券会社が管理する認証サーバコンピュータに不正にアクセスし、他人名義口座で上場されている特定の株式の売買を行うなどして不正に株価を上昇させ利益を得たことを受け、同男らを不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)及び金融商品取引法違反で検挙した。
- 無職の少年(17歳)が、令和6年10月から同年11月までの間に、電子決済サービスを模した自作のフィッシングサイトのURLをSNSで送信し、利用権者に銀行の口座情報を入力させて同情報を窃取し、当該情報を用いて銀行口座に不正アクセスした上、別人名義の口座に不正送金するなどしたことを受け、同少年を不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)、電子計算機使用詐欺罪等で検挙した。
- 利用権者の講ずべき措置
- パスワードの適切な設定・管理
- 利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ不正アクセス行為が発生していることから、利用権者の氏名、電話番号、生年月日等を用いた推測されやすいパスワードを設定しないほか、複数のウェブサイトやアプリ等で同じID・パスワードの組合せを使用しない(パスワードを使い回さない)よう注意する。また、日頃から自己のパスワードを適切に管理し、不用意にパスワードを他人に教えたり、インターネット上で入力・記録したりすることのないよう注意する。
- なお、インターネット上に情報を保存するメモアプリ等が不正アクセスされ、保存していたパスワード等の情報が窃取されたと思われるケースも確認されている
- ことから、情報の保存場所についても十分注意する。
- フィッシングへの対策
- eコマース関係企業、通信事業者、金融機関、荷物の配送連絡等を装ったSMS(ショートメッセージサービス)や電子メールを用いて、実在する企業を装ったフィッシングサイトへ誘導し、ID・パスワード等を入力させる手口が多数確認されていることから、SMSや電子メールに記載されたリンク先のURLに不用意にアクセスしないよう注意する。
- 不正プログラムへの対策
- 通信事業者を装ったSMSからの誘導により携帯電話端末に不正なアプリをインストールさせ、当該アプリを実行すると表示されるログイン画面にID・パスワードを入力させる手口も確認されていることから、心当たりのある企業からのSMSや電子メールであっても、当該企業から届いたSMSや電子メールであることが確認できるまでは添付ファイルを開かず、本文に記載されたリンク先のURLをクリックしないよう徹底する。また、不特定多数が利用するコンピュータでは、ID・パスワード、クレジットカード情報等の重要な情報を入力しないよう徹底する。さらに、アプリ等のソフトウェアの不用意なインストールを避けるとともに、不正プログラムへの対策(ウイルス対策ソフト等の利用のほか、オペレーティングシステムを含む各種ソフトウェアのアップデート等によるぜい弱性対策等)を適切に講ずる。特に、インターネットバンキング、インターネットショッピング、オンラインゲーム等の利用に際しては、不正プログラムへの対策が適切に講じられていることを確認するとともに、ワンタイムパスワード等の二要素認証や二経路認証を利用するなど、金融機関、ショッピングサイト、ゲーム会社等が推奨するセキュリティ対策を積極的に利用する。
- パスワードの適切な設定・管理
- アクセス管理者の講ずべき措置
- 運用体制の構築等
- セキュリティの確保に必要なログの取得等の仕組みを導入するとともに、管理するシステムに係るぜい弱性の管理、不審なログインや行為等の監視及び不正にアクセスされた場合の対処に必要な体制を構築し、適切に運用する。
- パスワードの適切な設定
- 利用権者のパスワードの設定・管理の甘さにつけ込んだ不正アクセス行為が発生していることから、使用しなければならない文字の数を可能な限り増やすなど、容易に推測されるパスワードを設定できないようにするほか、複数のウェブサイトやアプリ等で同じID・パスワードの組合せを使用しない(パスワードを使い回さない)よう利用権者に周知するなどの措置を講ずる。
- ID・パスワードの適切な管理
- ID・パスワードを知り得る立場にあった元従業員、委託先業者等の者による不正アクセス行為が発生していることから、利用権者が特定電子計算機を利用する立場でなくなった場合には、アクセス管理者が当該者に割り当てていたIDの削除又はパスワードの変更を速やかに行うなど、ID・パスワードの適切な管理を徹底する。
- ウェブシステムやVPN機器のぜい弱性を悪用した攻撃への対策
- ウェブシステムやVPN機器のぜい弱性に対する攻撃等のセキュリティ・ホール攻撃への対策として、定期的にサーバやアプリケーションのプログラムを点検し、セキュリティパッチの適用やソフトウェアのバージョンアップを行うことなどにより、セキュリティ上のぜい弱性を解消する。
- フィッシング等への対策
- フィッシング等により取得したID・パスワード等を用いて不正アクセスする手口が多数確認されていることから、ワンタイムパスワード等の二要素認証や二経路認証に加え、フィッシングに耐性のある認証技術(例:パスキー)の積極的な導入等により認証を強化する。また、フィッシング等の情報を日頃から収集し、フィッシングサイトが出回っていること、正規のウェブサイトであるかよく確認した上でアクセスする必要があることなどについて、利用権者に対して注意喚起を行うとともに、自社のドメインになりすましたフィッシングメールの悪用を防止する観点で送信ドメイン認証技術(DMARC、SPF、DKIM)を計画的に導入し、DMARCの導入に当たっては、受信側に対してなりすましメールの受信拒否を要求するポリシーでの運用を行う。
- 運用体制の構築等
~NEW~
警察庁 令和7年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
- サイバー空間の匿名性を悪用したサイバー攻撃は、相対的に露見するリスクが低く、攻撃者側が優位にあることから、その脅威は急速に高まっている。また、厳しく複雑な安全保障環境に直面する中、地政学的緊張を反映したサイバー空間を取り巻く情勢は、一層深刻化しており、重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらんでいる。
- 具体的には、サイバー攻撃による機微情報の窃取、他国の選挙への干渉等は、国家を背景とした形でも平素から行われているとされ、さらに、武力攻撃の前から重要インフラの機能停止や破壊のほか、偽情報の拡散等を通じた情報戦が展開されるなどのハイブリッド戦が、今後更に洗練された形で実施される可能性が高いとされている。
- 加えて、社会全体のデジタル化の進展により、サイバー空間が重要な社会経済活動が営まれる公共空間へと変貌を遂げたことに伴い、匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺、暗号資産を悪用したマネー・ローンダリング等、その匿名性が悪用されているほか、生成AI等の高度な技術を悪用した事案や事業活動に支障をきたすランサムウェア事案も多発している。
- これらは、いずれも我が国の公共の安全と秩序に対する挑戦であり、我が国の国民生活・経済活動、ひいては国家安全保障や危機管理に深刻な影響を及ぼすおそれがあることに鑑みれば、これらの観点も踏まえつつ対処することが必要である。
- 他方で、サイバー空間の匿名性を悪用した事案を認知した段階においては、当該事案が、国家を背景とする事案か、犯罪組織による金銭目的の事案かなどを認定することは困難で、また、有事の準備行為として国家を背景とするサイバー攻撃が行われたとしても、その段階でその旨を直ちに覚知することも困難である。さらに、有事においても、警察は、国家安全保障や危機管理の観点を踏まえつつ、平時と同様の対処を求められることからすれば、警察は、全国隅々にまで張り巡らされた対処体制による、事案認知、捜査・実態解明、部門を越えた横断的・俯瞰的分析、検挙、パブリック・アトリビューション、さらにはアクセス・無害化措置まで、官民連携・国際連携を推進しつつ、シームレスに対処することが可能な組織であり、かつ、期待されている。
- 以上の情勢認識を踏まえ、本レポートにおいては、昨今、急速に社会へ浸透しているAIについて特集Ⅰとして、また、深刻な社会問題となっているランサムウェアについて特集Ⅱとして、それぞれ巻頭にまとめた上で、警察における取組を記載する第2部において、トピックスとして「国家安全保障におけるサイバー警察の果たす役割」と「サイバー空間における匿名性の打破に向けた警察の取組」を記載することとした。
- AIをめぐる脅威の情勢と警察の取組
- 高校生の少年(17歳)が、生成AIを悪用して、複合カフェのアプリのサーバに不正な指令を送信して会員情報を漏洩させるとともに、アプリ機能の一部を停止させ、カフェ運営会社の業務を妨害。令和7年12月、同少年を不正アクセス禁止法違反及び偽計業務妨害罪で逮捕。(警視庁)
- ICPO・JC3と共催で「AIとデジタル・フォレンジック」をテーマに国際会議を開催し、世界各国から実務家・専門家が参加。AIを悪用したサイバー攻撃やディープフェイク検知技術等について情報共有。
- ランサムウェアをめぐる脅威の情勢と警察の取組
- 令和7年におけるランサムウェアの被害報告件数は226件であり、依然として高水準で推移。長期にわたり企業活動が阻害され、国民生活に影響を及ぼした被害も複数発生。
- ランサムウェアグループ「Phobos(フォボス)」「8Base(エイトベース)」についてEUROPOLやFBI等との国際共同捜査を推進。サイバー特別捜査部は、被疑者3名を特定したほか、暗号化されたデータを復号するツールを開発。
- 国家安全保障におけるサイバー警察の果たす役割
- サイバー攻撃は、その性質上、事案発生時点では、その攻撃主体や目的等を即座に判断できるものではないため、全てのサイバー事案が安全保障に直結する事案である可能性も見据えながら、捜査権を有する警察が事案の捜査を行うとともに、実態解明を進めており、国家を背景としたサイバー攻撃への対応等、サイバー空間をめぐる国家安全保障の文脈においても、サイバー警察は重要な役割を果たしている。
- 令和7年5月、第217回国会において、いわゆる能動的サイバー防御法(ACD法)が成立し、サイバー攻撃による重大な危害を防止するための警察によるアクセス・無害化措置を可能とする規定が新設(令和8年10月1日に施行予定)。
- サイバー空間の匿名性の打破に向けた取組
- 匿名・流動型犯罪グループにおいては、犯罪収益を暗号資産に変換し、海外の暗号資産交換業者の口座に移転することで資金の流れを仮装・隠匿するなど、警察による検挙を免れるため、サイバー空間の匿名性を悪用している。
- 金融機関口座等の売却者等を募り、匿名性の高いSNSを利用して金融機関口座や暗号資産アカウントを不正に調達した上で、複数の特殊詐欺集団らに対して販売していた「道具屋」集団について、情報の集約や分析、隠匿された暗号資産の追跡により、当該犯罪集団の首魁らを特定し、令和7年10月、同男ら7人を詐欺罪及び犯罪収益移転防止法違反で逮捕。(愛知、サイバー特別捜査部等)
- 高度な技術を悪用したサイバー攻撃の脅威情勢
- 警察庁が設置したセンサーにおいて検知したぜい弱性探索行為等の不審なアクセス件数は、増加の一途をたどりその大部分の送信元が海外。
- 令和7年において、国家を背景とするサイバー攻撃グループ(APT攻撃グループ)の関与が疑われるものが複数存在。特に情報窃取を目的としているとみられるサイバー攻撃が確認。
- 令和6年の年末から令和7年の年始にかけ、重要インフラ事業者等において、DDoS攻撃によるとみられる被害が相次いで発生し、国民の生活に実際の被害。
- 攻撃に対し事業者が遮断措置を講じた場合でも、状況に応じて手口を変化させ、攻撃を継続する事例を確認。
- インターネット空間を悪用した犯罪に係る情勢
- 令和7年におけるフィッシング報告件数は、245万4,297件であり、右肩上がりの増加が継続。インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は4,747件、被害総額は約103億9,700万円となっており、フィッシングがその手口の約9割。
- ボイスフィッシングによる法人口座の不正送金被害が令和6年秋から令和7年4月にかけて急増。その後、同年10月まで発生が見られなかったが、11月には被害が再び急増し、被害法人1社で4億円を超える被害も。
- 証券会社をかたるフィッシングメールの送付や証券口座への不正アクセス・不正取引が発生。令和7年の不正売買金額は約7,408億円、証券会社をかたるフィッシングメール報告件数は31万6,414件となるなど深刻な被害。
- 違法・有害情報に係る情勢
- インターネット上には、犯罪や事件を誘発するような有害情報や、犯罪実行者募集情報や薬物関連情報等の違法情報が氾濫しており、深刻な治安上の脅威。令和7年のインターネット・ホットラインセンター(IHC)の受理件数のうち、運用ガイドラインに基づいて63万3,036件を分析した結果、違法情報を10万5,553件と判断。また、犯罪実行者募集情報を1万4,241件と判
- 検挙に向けた取組
- サイバー特別捜査部では、重大サイバー事案に、都道府県警察サイバー部門では、高度な専門的知識及び技術を要するサイバー事案に対処。
- 令和7年におけるサイバー犯罪の検挙件数は1万5,108件に達し過去最高。
- インド共和国・中央捜査局(CBI)とともに、日本人を標的としたサポート詐欺事件の国際共同捜査を行った結果、令和7年5月、CBIがインド共和国内に所在するインド人被疑者6人を逮捕。令和8年1月、警察庁サイバー捜査課長がCBIを訪問し、捜査協力への感謝状を手交。
- 令和7年11月、サイバー特別捜査部及び警視庁等の都道府県警察は、証券口座への不正アクセス及び不正取引に関し、中国籍の男(38)らを金融商品取引法違反(相場操縦行為等の禁止)及び不正アクセス禁止法違反で逮捕。
- 被害の未然防止・拡大防止に向けた取組
- 令和7年8月、警察庁及び国家サイバー統括室(NCO)は、米国、オーストラリア、ニュージーランド等と共に、中国を背景とするサイバー攻撃グループ「Salt Typhoon」によるサイバー攻撃に関する国際アドバイザリーの共同署名を行い、パブリック・アトリビューションとして、本件アドバイザリーを公表。
- 安全で安心して利用できるインターネット空間を作るための自主的な防犯活動であるサイバー防犯ボランティアは、全国で322団体、7,633人(令和7年12月末現在)。構成員の内訳として、学生の比率が高くなっており、若い世代が中心となった防犯活動が活性化。
- 令和7年中は、IHCの運用ガイドラインを改定し、犯罪実行者募集情報やインターネットを利用して国内にある不特定の者に対し違法オンラインギャンブル等に誘導する情報を違法情報に追加するなど、違法・有害情報に関するインフラへの対処を強化。犯罪実行者募集情報に関しては、6,679件の削除依頼に対し、6,351件が削除完了(削除率約95%)。
- 基盤整備
- 令和7年4月、サイバー特別捜査部に特別対処課を設置。捜査はもとより、情報の収集、整理及び事案横断的な分析、事案発生の予防及び被害の拡大防止等を行う体制が強化。
- 警察庁では、令和8年度からサイバー事案対処に専従する技術系職員の採用を予定(サイバー採用)。都道府県警察では、中途採用・特別採用された警察官等約480人がサイバー特別捜査官等として第一線で活躍。
- 令和8年度当初予算(案)におけるサイバー空間の脅威への対処に係る予算は66億7,900万円。
- ボイスフィッシングによる不正送金被害
- 令和6年秋から令和7年4月にかけて、犯罪グループが企業に架電し、ネットバンキングの更新手続等をかたってメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送付するボイスフィッシング(ビッシング)という手口による法人口座の不正送金被害が急増した。同年5月から10月にかけては被害の発生がみられなかったものの、11月には不正送金被害が再び急増し、地方を拠点とした中小規模の金融機関でも多くの被害が出た。
- こうしたボイスフィッシングには、発信元番号が国際番号である、自動音声ガイダンスが流れた後に人間の声に切り替わる、通話中にメールアドレスを聴取されリンク付きメールが送られる、といった特徴が見られる。
- そこで、ボイスフィッシングの被害を防ぐためには、銀行から電話があった場合に、営業店・代表電話に折り返して本物かどうか確認するといった対応や、インターネットバンキング利用時は、銀行公式サイト・アプリからアクセスするといった対応を社内で徹底する必要がある。
- 証券口座への不正アクセス等の急増及び検挙
- 令和7年3月から5月にかけて、証券会社をかたるフィッシングメールの送信や証券口座への不正アクセス及び不正取引が急増し、金融庁及びフィッシング対策協議会によれば、令和7年における証券口座への不正アクセス件数は1万7,668件、不正取引件数は9,824件、不正売買金額は約7,408億円、証券会社をかたるフィッシングメール報告件数は31万6,414件となるなど、深刻な被害が生じた。
- 令和7年11月、サイバー特別捜査部及び警視庁等の都道府県警察は、関係機関の協力を得て、捜査を推進した結果、中国籍の男(38)らを金融商品取引法違反(相場操縦行為等の禁止)及び不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為の禁止)で逮捕した。同男らは、自身が管理する証券口座を用いて相場操縦の対象となる株(以下「対象株」という。)を事前に大量に買い付けた上で、氏名不詳者と共謀の上、他人の証券口座に不正アクセスし、被害口座において保有していた株を売却するなどして資金を確保し、対象株を大量に買い付けることで株価を上昇させた。その後、同男が保有していた対象株を高値で売却の発注をするとともに、被害口座において対象株を買い付けることで取引を成立させ、購入額と売却額の差額を利益として得ていた。
- 本件を含め、多発した証券口座への不正アクセスや不正取引に対し、サイバー特別捜査部は、証券会社をかたるフィッシングメールやフィッシングサイトに関するデータの解析、暗号資産の送信先アドレスの分析、全国で発生した同事案の情報集約等により、関係都道府県警察による捜査に貢献している。
- 違法オンラインギャンブル等関連情報に対する取組
- 警察庁では、令和6年度、オンラインカジノの利用実態やサイトの情報を把握するため、調査研究を行っており、この結果、国内におけるオンラインカジノサイトの利用経験者の推計は約337万人であり、国内における年間賭額の推計は約1兆2,423億円であった。
- スマートフォン等からアクセスして賭博を行う「無店舗型」のオンラインカジノについては、アクセス数の増加及びこれに伴う依存症への問題が強く指摘されているほか、これを通じた我が国資産の海外流出、マネー・ローンダリングへの利用等が懸念されている。
- 令和7年6月18日、ギャンブル等依存症対策基本法の一部を改正する法律が成立し、インターネットを利用して国内にある不特定の者に対し違法オンラインギャンブル等に誘導する情報を発信する行為等が禁止されたことから、同年9月25日の施行に合わせて、総務省により「特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律第26条に関するガイドライン」が改定されるとともに、業界4団体で構成される違法情報等対応連絡会が作成する「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」が改定された。
- インターネット・ホットラインセンター(IHC)においても、同日、運用ガイドラインを改定し、違法オンラインギャンブル等関連情報を新たに違法情報と位置付け、インターネット利用者からの通報を受け付けるとともに、警察への通報やサイト管理者等への削除依頼を行うなど、社会問題となっているこれら情報の流通防止に向けた取組を強化している。
- ウクライナへの大規模なDoS攻撃の観測
- 以下のグラフは、令和3年(2021年)及び令和4年(2022年)のそれぞれ2月から5月の間において警察庁の設置したセンサーが観測したウクライナに対するDoS攻撃の状況である。
- 令和3年(2021年)は非常に少ない一方、令和4年(2022年)にあっては、ロシア軍によるウクライナへの侵略が開始される直前の2月16日や侵略を開始した2月24日以降、ウクライナへの大規模なDoS攻撃が観測されるなど、ウクライナ侵略とサイバー攻撃の発生に時間的・地理的な相関が見られる。
- 実際に、令和4年(2022年)5月、EUやウクライナ等は、ウクライナ侵略の際の約1時間前に、ロシア政府が国際衛星通信へのサイバー攻撃を行い、欧州全域に影響を及ぼした事案が発生したとして、非難声明を発表している。
- 我が国に対する武力攻撃の前段階において政府機関や重要インフラ事業者等に対するサイバー攻撃が行われ、武力攻撃が生起した後も軍事的・物理的な手段と組み合わせたハイブリッド戦としてサイバー攻撃が継続されることも想定されるところ、警察におけるこのようなサイバー攻撃情勢の把握は国家安全保障上も非常に重要である。
- サイバー空間の匿名性を悪用した「道具屋」、「相対屋」の検挙
- 匿名・流動型犯罪グループには、中核的人物の下に構築されたいわゆる「道具屋」、「相対屋(あいたいや)」といった違法なビジネスによって資金を得ている者がおり、警察では、これら犯罪集団を検挙することで、犯罪インフラを解体している。
- 例えば、「道具屋」については、サイバーパトロールの結果、金融機関口座等の売却者やその仲介者を募り、匿名性の高いSNSを利用して犯罪インフラとなる金融機関口座や暗号資産アカウントを不正に調達した上で、複数の特殊詐欺集団らに対して販売していた犯罪集団の関与が確認され、愛知県警察等の関係道府県警察とサイバー特別捜査部による合同捜査本部が捜査を行った。サイバー特別捜査部においては、都道府県警察やJC3から提供された情報を集約し、横断的・俯瞰的に分析するとともに、隠匿された暗号資産を高度な専門的知識・技術を用いて追跡した結果、当該犯罪集団の首魁の男(32)らを特定し、令和7年10月、同男ら7人を詐欺罪及び犯罪収益移転防止法違反で逮捕した。
- また、「相対屋」にあっては、広島県警察及びサイバー特別捜査部による合同捜査の結果、2名の男が特殊詐欺事件の被害者から詐取した犯罪収益を含む暗号資産を現金化し、隠匿していたほか、うち1名は、本件詐欺の被害金以外の犯罪収益についても暗号資産と現金との交換を継続して実施していたことが判明したことから、令和7年11月、同男ら2名を組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制に関する法律違反等で逮捕した。本件においては、特殊詐欺の被害金である暗号資産の移動に、匿名性を高める「ミキシングサービス」が利用されていたところ、サイバー特別捜査部の高度な分析により、被疑者名義のアカウントに被害金が流れていることが特定され、事件構図の全容解明につながった。このように、相対屋を経由することで、暗号資産の追跡を困難にするなど、サイバー空間の匿名性をマネー・ローンダリングに悪用している実態が認められる。
- 少年グループによるeSIM不正取得等事件の検挙
- SNSで結びついた中高生の少年3人(14歳から16歳)は、不正に取得したeSIMを販売して利益を得ようと考え、令和6年5月から同年8月までの間に、それぞれ、不正に取得した他人のIDとパスワードを使い、電気通信事業者が管理するサーバコンピュータに不正アクセスした上で、通信契約に係る不実の電磁的記録を作成し、eSIMを不正に取得した。令和7年1月から同年2月にかけて、同少年らを不正アクセス禁止法違反及び電子計算機使用詐欺罪等で逮捕した。(警視庁)
- この事件では、同事業者が2回線以降の追加契約をする場合に、ID・パスワードのみの簡易な本人確認を実施していたことが悪用された。なお、生成AIを悪用した事実も判明している。
- また、当該手口を模倣し、不正に取得したeSIMを販売して利益を得ようと考え、無職の少年(16歳)と高校生の少年(16歳)2名が、模倣した手口によりeSIMを不正に取得したことを受け、令和7年3月及び8月、同少年ら2人を不正アクセス禁止法違反及び電子計算機使用詐欺罪で逮捕した。(警視庁・神奈川)
- eSIMを含むデータ通信専用SIMは、携帯電話不正利用防止法上、契約時の本人確認が義務化されておらず、このような悪用事例が後を絶たないため、警察庁から総務省に対して、データ通信専用SIMが詐欺等の犯罪に悪用されている実態について情報提供を行っているほか、政府全体としても「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」(令和7年4月22日犯罪対策閣僚会議決定)において、各種サービスやインフラの不正利用を防止するための取組として、「データ通信専用SIMの契約時における本人確認の義務付け」を盛り込んだところである。これらを踏まえ、政府では、データ通信専用SIMの契約時において本人確認を厳格化することなどを内容とする携帯電話不正利用防止法の改正に向けた検討を行っている。
- 解析能力向上のための資機材の整備
- 犯人は、犯行に利用していた電磁的記録に暗号化処理を施す、電子機器を破壊するなど、証拠隠滅による捜査妨害を図ることが多い。また、近年、IoT機器等の新たな電子機器やそれに関連するサービスの登場、スマートフォン等のアプリの多様化・複雑化も顕著であることから、警察捜査を支えるためには、データの暗号化や破損、最新の技術に対応した解析能力の向上に取り組む必要がある。
- 警察庁高度情報技術解析センターでは、高速演算装置及び解析基盤装置を始めとする高度な解析用機器を整備し、暗号により隠ぺいされたデータ、破損した電子機器等の高度な解析に対して、技術支援を行っている。
- 暗号化されたデータの抽出が検挙につながった事例
- デザイン業の男(40)らは、令和6年4月から令和7年3月にかけて、虚偽の内容による確定申告を行い、税務署員にその旨誤信させ、口座に還付加算金を振込入金させた。当初、同男は犯行を否認しており、証拠品として押収されたコンピュータ内のデータも暗号化されていたが、警察庁高度情報技術解析センターにおいて当該データの解析を行った結果、当該コンピュータから、虚偽の内容が含まれた確定申告に係る電磁的記録や、犯行に関与した者に関する電磁的記録等を発見した。警察では、当該解析結果等を元に同男を指示役とする匿名・流動型犯罪グループの犯行であることを解明し、令和7年5月までに、同男ら10人を詐欺罪等で逮捕した(高知)。
- 遠隔支援により暗号化されたデータを復号した事例
- 令和7年12月、ベトナム国籍の男(50)らによる有印公文書偽造事件に関し、警察庁高度情報技術解析センターは、解析基盤装置を活用することで、同男が使用していたメッセージアプリの暗号化されたデータを遠隔で解析し、これを復号するためのツールを作成した。群馬県情報通信部において当該ツールを使用した結果、犯罪収益の処分状況を裏付ける記録を抽出することができ、事件の真相解明に貢献した。
- サポート詐欺に対する国際共同捜査
- 日本警察は、インド共和国・中央捜査局(CBI)と共に、日本人を標的としたサポート詐欺事件の国際共同捜査を行った結果、令和7年5月、CBIがインド共和国内に所在するインド人被疑者6人を逮捕した。
- 本件は、被疑者グループが生成AIを悪用し、標的の特定やポップアップウィンドウの作成、日本語への翻訳を行うなど、犯行にAIが使用された事案ではあったが、JC3やMicrosoft社による独自の取組に基づく協力に加え、日本警察とCBIとの緊密な連携により被疑者の逮捕に至ったものであり、国際的な官民連携の新たなリーディングケースとなった。
- また、本件検挙後の令和7年6月中にIPA(独立行政法人情報処理推進機構)に寄せられた「ウイルス検出の偽警告」に関する相談は85件であり、大幅に減少した。
- 令和8年1月、警察庁サイバー警察局サイバー捜査課長がCBIを訪問し、CBIの次長(サイバー担当)に対して捜査協力への感謝状を手交するとともに、今後の国際連携の更なる強化を確認した。
- 中国を背景とする Salt Typhoon に関するパブリック・アトリビューション
- 令和7年8月、警察庁及び国家サイバー統括室(NCO)は、米国、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、英国、チェコ、フィンランド、ドイツ、イタリア、オランダ、ポーランド、及びスペインの関係機関と共に、中国を背景とするサイバー攻撃グループ「Salt Typhoon」によるサイバー攻撃に関する国際アドバイザリー 「 Countering Chinese State-Sponsored Actors Compromise of Networks Worldwide to Feed Global Espionage System」の共同署名に加わり、パブリック・アトリビューションとして、本件アドバイザリーを公表した。
- 警察では、サイバーテロ対策協議会やサイバーインテリジェンス情報共有ネットワークを活用し、Salt Typhoon の手口や侵害情報、対応策について事業者に周知し、注意喚起を行っている。
- 民間企業等における不正アクセス行為対策の調査結果
- 警察庁において、無作為に抽出した民間企業や行政機関等に対して不正アクセス行為対策等に関する調査を実施した結果、民間企業等のフィッシング対策として、DMARC導入率は令和6年に大きく増加した。
- また、民間企業等が過去1年間で受けたサイバー攻撃は、過去10年間で比較するとDDoS攻撃は半減し、マルウェア設置・感染は大幅に減少した。さらに、民間企業等における対応マニュアルや要領の策定状況については、約55%が策定済みで、過去10年で増加傾向であった。
- 重大サイバー事案捜査における各警察組織の関係
- 個々のサイバー事案は、発生時点ではその事案を生起した主体やその意図、背景、関連性が明らかでない。そこで、犯罪組織による組織的な犯行や国家を背景とする安全保障に関わるサイバー攻撃等をあぶり出し、的確に対処するには、個々のサイバー事案の捜査を着実に推進してその実態を解明するとともに、捜査により得られた情報等を集約して俯瞰的かつ横断的な分析を行うことが不可欠である。
- そのため、警察においては、個々のサイバー事案に対して治安責任を有する都道府県警察が一次的に捜査を推進し、被疑者や当該事案に用いられたインフラの特定等を進めるとともに、これらの情報をサイバー特別捜査部に集約し、同部が「情報のハブ」として、俯瞰的・横断的な分析を行うことにより、主体やインフラの共通性等の事案間の関連性を明らかにし、その組織性や国家の関与を解明している。
- その結果に基づき、外国治安機関等との国際共同捜査を通じた被疑者の特定・検挙、パブリック・アトリビューションの実施、また、今後は令和8年10月1日に施行予定のアクセス・無害化措置に係る権限を適切に行使するなど、犯罪から安全保障に関わる事案までシームレスに対処し、サイバー空間における安全・安心の確保に取り組んでいる。
- 不正アクセスの踏み台となる不正プログラムの解析
- 一般家庭で使用されるネットワーク接続機能を有する機器(IoT機器)について、機器の所有者の認識しないところで踏み台として悪用される事案が多発している。情報技術解析部門では、IoT機器やプログラムを解析することで、こうしたサイバー事案の詳細な手口を調査し、被害の未然防止・拡大防止に活用している。
- 令和7年、警察庁情報技術解析課がIoT機器向けの音楽配信アプリの解析を実施したところ、当該アプリには、プロキシ機能等が組み込まれていることが判明したため、全国の警察にその旨周知した。この周知を踏まえ、長野県警察が、捜査中の事件に関連してIoT機器と当該アプリを確認した結果、実際に踏み台として悪用されていたことが判明した。そこで、アプリストアに対応を要請したところ、当該アプリの配信が停止するに至った。
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警察庁 犯罪被害者等施策推進会議(第20回)
▼ 【資料2】第5次犯罪被害者等基本計画(案)/犯罪被害者等支援の取組(5次計画概要)
- 犯罪被害者等支援の歩み
- 約50年の歩みの中で、時代とともに犯罪被害者等支援の担い手や制度が拡大
- 2004年の基本法制定を契機に、国・地方・民間が連携を図りつつ、社会全体で支える段階へ5年ごとに計画を策定
- 2023年、施策を更に前進させるため、国家公安委員会(警察庁)を司令塔に新たな一歩を踏み出す
- 犯罪被害者等のニーズと取組の方向性
- 犯罪被害者等の困難は、被害に遭った直後から始まり、その後も様々な形で継続
- 犯罪被害者等が再び平穏な生活を営むことができるよう、途切れることのない支援を行うことを念頭に、ニーズに見合った制度の充実とともに、体制の整備や社会の理解の醸成が必要
- 第1次から第4次基本計画までの20年間における主な成果
- 4次にわたる基本計画を20年間進めていく中で、犯罪被害者等のニーズに見合った支援・制度を充実させるとともに、必要な体制を整備
- 関係府省庁、地方公共団体、民間支援団体の連携の下、これまでに各種施策は大きく前進
- 被害者参加制度の創設
- 犯罪被害者等が公判期日に出席し、被告人に対する質問を行うなど、刑事裁判に直接参加することが可能に
- 地方公共団体における体制整備
- 全ての都道府県において犯罪被害者等支援を目的とした条例等が制定(R6)
- 全ての地方公共団体において総合的対応窓口が整備(H31)
- 犯罪被害者等の心情等を踏まえた加害者処遇の充実
- 心情等を処遇担当者・加害者に伝える仕組みの導入
- 犯罪被害者等の心情等を考慮した処遇
- 第5次犯罪被害者等基本計画(案)における主な取組
- これまでの成果がある一方、依然として犯罪被害者等のニーズ等に応えられていない課題が存在
- 第5次基本計画においては、60団体・95人のヒアリング等に基づき、残された課題を洗い出し
- 日々の生活
- 損害賠償請求・執行は大きな負担だが、回収できない
- 犯罪被害によって仕事が続けられなくなるケース
- 賠償に資する加害者処遇/民事上の負担軽減
- 賠償状況の把握・指導/民事制度の活用や法的支援
- 経済的支援制度の充実・平準化
- 犯罪被害給付制度の充実/地域間格差の解消
- 犯罪被害者等をめぐる状況を踏まえた更なる調査検討
- 諸外国調査の実施/休暇制度の導入促進
- こころからだの健康
- 支援に携わる関係者からの二次的被害も発生
- トラウマインフォームドケアの推進※トラウマとその影響について知識をもって関わること
- 知りたい関わりたい
- 裁判手続等への参加・関与の在り方を見直してほしい
- 刑事手続等への関与についての多角的検討
- 公判前整理手続/被害者参加制度/傍聴時の配慮
- 少年審判・医療観察審判の傍聴制度の充実
- 基盤整備
- 複数の機関をワンストップでつなぐ仕組みづくり
- 国民の理解・関心の広がりは今なお途上
- ワンストップサービス体制の整備・充実
- 支援コーディネーターの養成・都道府県への財政支援
- 「被害者手帳」の作成・交付
- 賠償状況の把握・指導/民事制度の活用や法的支援
- 広報啓発の強化
- 「犯罪被害者週間」の月間化/ギュっとちゃんの活用
- 日々の生活
- 第5次犯罪被害者等基本計画(案)の概要
- 20年の取組を整理した上で、合計307個の施策をパッケージとして充実・強化
- 内容・体制の両面で、全国の支援の標準化・底上げを図る
- 司令塔の警察庁の下、各府省庁が連携して、新たに施策の動向把握のための参考指標を提示より一層実態に即した犯罪被害者等支援を実施
- 基本方針
- 尊厳にふさわしい処遇を権利として保障
- 個々の事情に応じて適切に行う
- 途切れることなく行う
- 国民の総意を形成しながら展開
- 重点課題及び具体的施策
- 重点課題第1 損害回復・経済的支援等への取組
- 賠償履行に資する加害者処遇
- 時効更新等の負担軽減
- 犯罪被害給付制度の改善
- 犯罪被害者等支援や民事法制度の諸外国調査
- 事業主の理解・休暇制度の導入の促進
- 重点課題第2 精神的被害・身体的被害の回復・防止への取組
- トラウマインフォームドケアの推進による二次的被害の防止・被害回復の促進
- 重点課題第3 刑事手続等への関与拡充への取
- 公判前整理手続への関与の在り方、少年審判・医療観察審判の傍聴制度の充実に関する多角的検討
- 重点課題第4 支援等のための体制整備への取組
- ワンストップサービス体制の整備・充実
- 犯罪被害者等支援弁護士制度の運用等
- 重点課題第5 国民の理解の増進と配慮・協力の確保への取組
- 広報啓発の強化
- 重点課題第1 損害回復・経済的支援等への取組
- 基本方針
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内閣官房 「国家情報会議設置法案」が閣議決定・国会提出されました。
▼ 国家情報会議設置法案 概要
- 設置及び所掌事務
- 内閣に、重要情報活動及び外国情報活動への対処(影響工作への対処を含む。)に関する重要事項を調査審議する機関として、国家情報会議を置く。
- 調査審議事項(重要情報活動/外国情報活動への対処)
- 重要情報活動に関する基本的な方針
- 関係行政機関における重要情報活動の重点
- 関係行政機関の連携及び協力に関する重要事項
- 情報収集衛星の開発及び運用に関する重要事項
- 外国情報活動への対処に関する基本的な方針
- 重要情報活動の推進及び外国情報活動への対処に際し配慮すべき内外の情勢についての基本的な認識及び評価
- 重要情報活動及び外国情報活動への対処に係る特に重要な事案の総合的な分析及び評価
- その他重要情報活動又は外国情報活動への対処に関する重要事項
- 重要情報活動に関する基本的な方針
- 調査審議事項(重要情報活動/外国情報活動への対処)
- 内閣に、重要情報活動及び外国情報活動への対処(影響工作への対処を含む。)に関する重要事項を調査審議する機関として、国家情報会議を置く。
- 組織等(第4条~第6条)
- 議長
- 内閣総理大臣
- 議員
- 内閣総理大臣臨時代理、内閣官房長官、金融担当大臣、国家公安委員会委員長、法務大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、防衛大臣
- 会議の出席者は、インテリジェンス関係機関の担当閣僚である上記議員を基本としつつ、議長が必要と認める場合は、調査審議事項の内容に応じ増減
- 議長
- 資料提供等(第7条)
- 内閣官房長官及び関係行政機関の長は、会議に対し、会議の調査審議に資する資料又は情報を適時に提供するとともに、議長の求めに応じて、資料又は情報の提供及び説明その他必要な協力を行わなければならないこととする。
- 附則による内閣法の改正(附則第5条)
- 会議の事務局となる「国家情報局」を内閣官房に設置(内閣情報官及び内閣情報調査室を発展的に解消)。あわせて、同局の企画立案及び総合調整事務等の規定を整備。
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内閣官房 日本成長戦略会議(第3回)
▼ 資料1 戦略17分野における「主要な製品・技術等」
- フィジカルAI(特にAIロボット)
- AIにおけるフィジカル分野の重要性が高まる中、AIをロボットに実装するAIロボティクス等の多用途ロボットを中心に市場が拡大(2040年に約60兆円)。構造的人手不足解消を通じて供給ボトルネック解消に貢献。産業競争力や経済安全保障に係るデータを他国に依存せず活用できる国内生産・技術基盤の確保が急務。
- 製造業等の豊富なデータや産業ロボット等の技術基盤を活かし、ロボット・主要部品・AIモデルの開発を進めるとともに、注力産業を特定して潜在需要を顕在化させることで国内市場を創出し、国内生産・技術基盤の構築につなげる。
- フィジカル・インテリジェント・システムの中核を担う半導体
- フィジカルAIの実装に伴い、AIに必要な先端・次世代半導体に加え、センサーやマイコン等のアナログ・レガシー半導体の重要性も増大。需要ニーズが多様化する中で、実装に必要なチップ機能を逆算して各種半導体を設計し、システム全体を最適統合する能力の確保が急務であり、経済安全保障上も重要。
- 制御技術やアナログ・レガシー半導体の設計開発基盤の強みを活かし、各種半導体や電子部品の生産・技術基盤を、実装先の需要産業における半導体設計・開発能力と一体的に強化する。
- データプラットフォーム
- AIの普及に伴い、データをAIで利用可能な状態にするデータ精製等のデータプラットフォームの重要性が増大。産業競争力や経済安全保障に係るデータを他国のプラットフォームに依存せず安心して処理できる国内サービスの確保が急務。
- 製造業等で豊富なデータを有する強みを活かし、フィジカルAIも見据え、データ精製技術や組織を超えたデータ連携技術の開発等を通じ、国内プラットフォームサービスの育成につなげる。
- セキュリティの確保された政府・地方公共団体のDX基盤
- 端末やネットワーク、クラウドやAIの基盤、基幹情報システム、認証基盤等の政府・地方公共団体のDX基盤は、行政運営や国民生活に不可欠。サイバー攻撃や大規模災害時にも機能等を維持するため、強靱性の確保が必要。公共分野での率先導入により、民間の技術力向上の機会をつくることが、官民のデジタル化推進の起爆剤となる。
- 高いセキュリティ、耐災害性、十分な自律性を備えた国内クラウドへの投資・利用拡大や、新たなセキュリティ技術の導入・運用を通じ、高度なサービスを安全に提供できる公共分野のDX基盤と、官民のデジタル化を支える国内エコシステムを構築する。
- オール光ネットワーク(APN : All-Photonics Network)
- AIの普及に伴うデータ量の急増により、世界的に需要が拡大(光通信関連市場は2030年に約53兆円予測)。AI社会を支える基幹インフラであり、安全保障上も重要。国内でも海外企業からの調達が拡大する中、自律性確保が急務。
- 光通信や光デバイス等の技術力の強みを活かし、急速な技術革新や市場ニーズに即応した研究開発や国内での実装・ユースケース創出を進め、北米市場でのシェア拡大を梃子として国際市場の獲得につなげる。
- 量子コンピューティング
- 将来の技術覇権を左右する計算基盤。近く実用化が期待され、2040年頃には14兆円以上の市場に。通信・金融・医療等の多分野で活用が見込まれ、安全保障上も重要。
- 純国産量子コンピュータ開発の実績やチョークポイントとなる部素材技術、基礎研究等の強みを生かし、具体的分野でのユースケース実証を通じた初期需要創出により、自律的に発展可能な国内技術基盤を確立する。
- 小型無人航空機
- 「新しい戦い方」を支える装備品として重要性が増大。重要な構成品の供給を国外に依存しているものがあり、自律性確保が急務。デュアルユース技術として、防民一体での生産・技術基盤の構築が不可欠。「防衛と経済の好循環」も実現できる。
- スタートアップ等の先端技術の迅速な取り込みを図りつつ、研究開発投資や防衛調達、安定供給確保基金などを通じ、デュアルユースを含む国内の生産・技術基盤を構築する。これを活用し、同盟国・同志国とのサプライチェーン協力等を推進するとともに、国内の民生市場だけでなく、海外民生市場を獲得。
- 民間航空機(次期単通路機・次世代航空機)
- 航空旅客需要は今後20年間で約2倍の成長が見込まれ、民間航空機市場は拡大(航空機の高頻度運航により、単通路機の需要は大きく拡大。環境新技術(水素、電動化、軽量化等)を搭載した次世代航空機の需要も拡大見込み)。民間航空機開発のサプライチェーンや人材等は防衛産業とのシナジー効果も高く、安全保障上も重要であり、生産・技術基盤の自律性確保が急務。
- 双通路機の実績や製造技術、品質保証等の強みを活かし、インテグレーション能力を獲得すべく、次期単通路機では仕様設計・認証等への参画に向けた技術実証や開発・量産体制構築を行うとともに、次世代航空機では開発・国際標準化を主導する。こうした海外OEMとの国際共同開発のための投資や認証取得能力の向上等により、サプライチェーンの強靱化や人材の育成と併せて、自律的に発展可能な国内技術基盤を確立する。
- 無人航空機
- インフラ点検や物流等の民生の効率化・無人化需要に加え、防衛需要も拡大(デュアルユース)。2030年には世界の機体市場は5兆円に。海外製に大きく依存しており、自律性確保が急務。
- 民防の需要に向けた国内量産体制の構築や、認証取得能力の向上、AIなどソフトウェアの開発を進め、国内のサイバーセキュリティが重視される分野や、単独国への集中的な依存の低減を図る同盟国・同志国の市場獲得を目指す。また、目視外飛行での新たなビジネスモデルによる事業化を図る。
- 空飛ぶクルマ
- 未だ技術開発段階だが、2040年には世界の市場(機体・サービス等含む)は約200兆円に。要素技術開発やサプライヤー育成は、安全保障上も重要な航空機産業の発展にも貢献するなど、生産・技術基盤の自律性確保が重要。
- 国内機体の小型・軽量等の強みを活かしたビジネスモデルを構築し、産業基盤構築に向けた投資、認証取得能力の向上等により、国内外において短距離路線へのニーズが高い市場の獲得を目指す。
- ロケット・射場
- 通信・観測・測位・安全保障等で宇宙利用が進み、2030年代には約150兆円の市場が見込まれるが、宇宙利用のためにはロケット打上げ能力が不可欠。国内衛星の多くは海外から打ち上げられており、米・中・欧・印が打上げ能力を強化する中、我が国も自律的な宇宙空間へのアクセス確保・拡大が急務。
- 基幹ロケット等の信頼性を向上させながら、打上げ実績を早期に蓄積し、高頻度打上げに対応できるロケットの国内製造能力と射場整備につなげ、輸送コストや即応性等の強みを活かして、国内やアジア等の衛星の打上げ需要を獲得する。
- 海洋無人機(海洋ドローン)
- 資源開発、海洋インフラ、海面養殖等の広範な分野で活用が拡大し、2030年頃には5兆円を超える市場に。無人アセットの重要性が増大する中、デュアルユース技術として、海洋国家における安全保障上も重要。
- 造船技術や深海探査等の強みを持つ技術力を活かし、スタートアップも活用して海洋データ利活用や運用サービスも含めたパッケージで高付加価値化を図る。防衛や資源・エネルギー分野での初期需要創出により、国内生産基盤の構築につなげる。
- 次世代船舶
- 海上輸送に不可欠な船舶を安定的に供給し、国民生活や経済活動のみならず、安全保障も支える産業である造船業は、厳しい国際競争で建造能力が減少する中、自律性及び優位性の確保が急務。2035年に建造需要の6割程度に拡大すると見込まれるゼロエミッション船等の次世代船舶は、我が国造船業が成長産業として大きく飛躍できるゲームチェンジの機会。
- 造船業再生基金を通じた建造能力向上により、造船業の自律性を確保する。ゼロエミッション船等の技術開発・生産体制整備・国際ルールの策定主導等を通じて先行者利益を確保するとともに、強みである省エネ技術や、DX・AI・ロボット等による生産性の更なる向上により、競争力を高める。
- 永久磁石
- 自動車や産業機械等の基幹産業の生産活動に不可欠。我が国は高性能磁石の製造技術で優位性を持つ一方、重レアアース等の原材料供給は特定国に大きく依存。EV普及等に伴い、ネオジム磁石の世界需要は6万トン(2017年)から16.1万トン(2040年)に増加が見込まれ、生産能力確保が課題。特定国の輸出管理強化で供給が不安定となる中、自律性・不可欠性の確保が急務。
- 特定国以外で高性能磁石の供給能力を有するのは我が国のみ。原料調達先の多角化に加え、省レアアース/レアアースフリー磁石やレアアースリサイクルの基盤を確立し、永久磁石の生産能力増強を進めることで、国内外の電動車等向けの高性能磁石市場獲得につなげる。
- バイオものづくり
- 素材・食品・エネルギー等の新たな製法として、2030-40年には約165兆円の経済効果。バイオマスや廃棄物等の国内資源を活用でき、サプライチェーンの特定国・地域への依存低減に貢献。
- 発酵産業の蓄積等で強みがある実験・製造工程に加え、AI・データ活用や革新的な基盤技術開発により設計・解析工程を強化し、高効率な製造技術を確立する。経済安全保障や脱炭素の観点で重要な製品の初期需要創出の取組等を促進することにより、国内生産基盤の構築につなげる。
- バイオ医薬品・再生医療等製品等
- 拡大する医薬品市場(2022年に約200兆円)で、バイオ医薬品・再生・細胞・遺伝子治療等の比率は約4割。国民の健康や生命に直結し、健康医療安全保障上、供給途絶リスクを低減する自律性確保が急務。
- iPS細胞や抗体薬物複合体等の技術基盤の強みを活かし、開発・製造受託の実績を積み上げることなどを通じ、国内生産基盤を維持・構築し、国内の医療ニーズに応えるとともに、創薬ベンチャーのグローバル展開を促進し、海外市場の獲得につなげる。
- ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品(医薬品、再生医療等製品)
- 世界の医薬品市場は2022年時点で約200兆円に達し、ファーストインクラス製品・ベストインクラス製品を含む特許品の世界市場は、年平均9.6%で拡大。また、ファーストインクラス・ベストインクラス製品の供給確保を通じて、治療法が未確立の疾病にも対処することは、国民の健康の維持、健康医療安全保障の実現に直結。
- 基礎研究力や高品質な治験の強みを活かし、実用化を担う人材の育成・流動性向上や、リスクマネーの呼び込み等によるスタートアップや国際共同治験における資金面・制度面の課題解消を図る。これにより、新たな創薬シーズの創出から実用化まで一気通貫で進める環境を整備し、需要が拡大する海外市場の獲得につなげる「世界直行型」の開発を実現する。
- 感染症対応製品
- ワクチン、治療薬等は、供給が途絶すれば国民の生命に直結するものであり、健康医療安全保障上、供給途絶リスクを低減する自律性確保が急務。平時と有事の需給変動が大きいため、生産体制の安定的な維持が難しい。
- 抗菌薬は、原材料等を特定国に極度に依存しており、免疫グロブリンは原材料や製造能力不足により平時から国内自給できていない。一部の海外メガファーマが撤退している抗菌薬等の新薬や我が国が強みを有する診断薬等の感染症対応医薬品の海外展開により、一定の世界シェア獲得が見込まれる。
- 我が国は、供給計画遵守力の高さや生産技術、測定技術等の強みを有している。感染症対応医薬品の研究開発や製造施設の整備、ワクチン・抗菌薬等の買上げ・備蓄、安定供給に資する措置の推進、原料血漿確保体制の強化を通じて、需要創出とともに生産体制を安定化させることで国内に供給するとともに、技術力を活かした高品質な製品を輸出する。
- 次世代型太陽電池 (ペロブスカイト太陽電池等)
- シリコン太陽電池相当の発電コストを前提に、フィルム型では約25GWの国内需要が見込まれる他、海外には約500GWの導入ポテンシャルが存在。太陽電池は、現状で特定国が約8割のシェアを占めるが、国産エネルギー源として経済安全保障・エネルギー安全保障の両面から自律性確保が重要。特にペロブスカイト太陽電池は、主原料のヨウ素の世界シェアの約3割を日本が占め、自律性・不可欠性に寄与。
- フィルム型では、コスト低減に向けた技術開発等を通じた量産体制の早期構築に加え、軽量・柔軟等の特徴から、軽量な屋根や壁面等への導入が可能であるという強みを活かし、従来型との差別化を図る。加えて、国内では官公需を活用しつつ、国外でも実証支援等を通じ、初期需要の創出に取り組むことで、国内外の市場拡大につなげる。
- 水素等
- 水素・アンモニア関連市場は堅調に拡大しており、2050年には30~40兆円規模となる見込み。今後の経済安全保障の観点からも、サプライチェーンの早期立ち上げを通じ、我が国技術・製品の不可欠性を高めつつ、GX市場で“買わされる”側に回らないための自律性確保が重要。多様な製造手法や、電力の安定供給に当面不可欠な調整力維持を通じ、エネルギー安全保障にも貢献。
- 重点地域を中心としたモビリティ起点の社会実装を他産業に波及させるとともに、技術開発や価格差支援によるサプライチェーン構築を通じ、需要創出と価格低減を実現する。国際競争力を持つ製品(ガスタービン、水電解装置、液化水素・船舶関連、燃料電池)について、国内での商用実績の蓄積や需要国連携による国際標準化等を通じ、海外市場の獲得につなげる。
- グリーン鉄
- 鉄鋼は様々な製品や社会インフラに使用される重要な基礎素材。我が国の鉄鋼業は、高強度・高加工性などユーザーの求める機能を実現する高級鋼材を中心に競争力を有しており、製造業の国際競争力強化に貢献。グリーン鉄の市場は2050年に約5億トンまで拡大するポテンシャルがあり、欧州を中心に素材製造プロセスの脱炭素化要請が高まる中で、世界に先駆けたグリーン鉄の国内生産・技術基盤の構築が急務。
- 大型革新電炉の設備投資や水素還元製鉄の技術開発支援、グリーン鉄のGX価値の見える化や公共工事を含めた需要創出による市場環境整備等を通じ、国際ルール形成に向けた主導権を握る。リサイクル施設への設備投資支援等を通じ、高品位鉄スクラップを増産する。これらにより、高品質なグリーン鉄を世界に先駆けて商業化し、競争優位性の確立につなげる。
- フュージョンエネルギー
- 未だ研究開発段階だが、発電時にCO2を発生しない、燃料は海水中に豊富に存在するなどの特性を有し、エネルギー問題と地球環境問題を同時に解決する次世代のエネルギーとして期待。各国で開発競争が進む中、エネルギー安全保障上、自律性確保が重要。
- ITER計画等での長年にわたる研究開発やチョークポイントとなりうるプラズマ対向機器や加熱装置等の強みを生かしつつ、スタートアップの革新的技術も取り込み、フュージョンエネルギーを世界に先駆けて実現するとともに、自律的に発展可能な国内技術基盤を確立する。
- 植物工場
- 気候変動の影響に左右されずに、定時・定量・定価格・定品質な農産物の生産が可能。植物工場システムを活用し市場ニーズに応じた農産物の安定供給のほか、栽培期間が短縮される特長を生かし高温耐性品種等の開発加速化等を通じて、気候変動下でも収量・品質を向上し、食料安全保障をめぐる世界的な課題の解決に貢献(2040年55兆円(2025年5兆円)の見込み)。
- 世界初のモジュール型の完全閉鎖型植物工場開発等の技術面での強みを活かし、運営ノウハウ等もパッケージにした植物工場システムについて、国内への導入や、輸出による海外市場の獲得を図る。
- 陸上養殖
- 海洋環境の変化に左右されずに、水産物の安定供給が可能。陸上養殖システムにおいて、先端技術を活用した生産性の高い日本産の種苗・飼料の開発・生産や、展開先国のニーズに応じた魚種の生産まで行うことにより、国内外の水産物サプライチェーンの構築・強靭化に貢献(市場規模は2040年31兆円(2025年35兆円)の見込み)。
- 水処理・浄化技術や、ゲノム関連技術を用いた品種開発等の技術面での強みを活かし、運営ノウハウ等もパッケージにした陸上養殖システムについて、国内への導入による水産物の安定供給のみならず、輸出による海外市場の獲得を図る。
- 防災技術
- 国土強靱化は、国民の生命・財産・暮らしを守り、強い経済を下支えする重要な危機管理投資。防災技術は、巨大地震や激甚化・頻発化する気象災害、インフラ老朽化、担い手不足といった国内の課題解決のみならず、国際的にも、気候変動に伴う災害リスク増大等により、需要が拡大。
- 第1次国土強靱化実施中期計画を推進するとともに、防災・国土強靱化の取組を加速化させるため、自動・遠隔施工やインフラ老朽化対策、災害リスク評価、防災資機材等について、技術開発から商品化、実装・需要の創出、更なる技術開発につながる好循環を創出し、防災産業を振興する。こうしたことにより、災害大国である我が国で蓄積されたデータ・ノウハウ等を梃子に、海外市場の獲得にもつなげる。
- 港湾荷役機械
- 我が国港湾の国際競争力を維持・強化するためには、自動化・遠隔操作化等により労働環境の改善や生産性の向上につながる港湾荷役機械が重要。世界のコンテナ取扱量が増加する中、特定国の港湾荷役機械が圧倒的な世界シェアを有しており(我が国はシェア1割程度)、経済安全保障の観点からも生産機能の維持・強化が急務。
- 生産機能の強化を図り、国内港湾の自動化・遠隔操作化等に向けて導入を進めるとともに、信頼性、耐震性等の強みを活かし、特定国への依存低減を図る同盟国・同志国の市場獲得につなげる。
- ゲーム
- 日本発コンテンツの海外売上の約6割(4兆円)を占める。家庭用ゲーム機市場(6兆円)のシェアは半分程度に達し競争力が高い。一方で、モバイルゲーム市場(18兆円)やPCゲーム市場(7兆円)でのシェアは数%に満たないため、市場拡大の余地が大きい。ゲームは、アニメや実写など他分野への波及効果も大きい。加えて、我が国のソフトパワー拡大に貢献。
- 世界的に強みを持つ既存IPのゲームの収益力向上を図りながら、その収入で新規IPのゲームを開発し、世界的なヒット作品を生み出していく。併せて、国際的なグッズ流通機能の拡大や開発基盤の整備、AI・XR等の先端技術を活用した新しいゲーム開発にも投資していく。
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消費者庁 高齢者の認知機能障害に応じた消費トラブルと 対応策の検討に関する研究
- 概要
- 日本の高齢化が進展する中、認知機能障害を有する高齢者の消費者被害が深刻な社会課題となっている。本研究は、医療福祉関係者を対象としたアンケート調査及びインタビュー調査を通じて、高齢者の認知機能障害に応じた消費トラブルの実態と対応策を明らかにした。被害の主要類型は、健康食品・化粧品等の定期購入、訪問・電話勧誘、住宅修理、訪問購入などであり、特に軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment。以下「MCI」という。)段階では対人接触型の販売被害が目立つ。被害の発見は本人以外によるものが多く、家族や医療福祉関係者、地域の第三者による気づきが重要な役割を果たしていた。独居や家族関与の希薄さ、支援体制の不十分さが発見の遅れや被害の長期化を招いていた。医療福祉関係者の介入は、解約助言や相談窓口への案内、成年後見制度の提案などにとどまり、制度的・業務的な限界も明らかとなった。今後は、認知症軽度段階からの予防的支援、支援者間の情報共有と連携体制の強化、地域ぐるみの見守り体制の構築、制度の柔軟化と相談窓口の周知、事業者への倫理的規制の強化など、多層的な対策が求められる。
- 被害の実態と傾向
- 認知症など判断能力が低下した高齢者の消費生活相談は、本人以外から寄せられる相談の割合が約8割を占めている。認知症等の高齢者は、本人が十分に判断できない状態であるため、消費生活相談全体や高齢者における消費生活相談に比べて、「訪問販売」や「電話勧誘販売」などに係る相談の割合が高く、事業者に勧められるままに次々と契約したり、買物を重ねたりするケースも見受けられる。特に「訪問販売」は3割を超えており、認知症ではない65歳以上の高齢者と比較して顕著に高い。また、テレビショッピングなどのインターネット通販以外の通信販売に関する相談件数についても、認知症ではない65歳以上の高齢者と比較して高い傾向にある(消費者庁,2025)。認知症等の高齢者にとっては、SF商法iiiのような自ら店舗に出向いて行う契約や、インターネット通販の利用はハードルが高いと考えられる。更に、認知症等の高齢者の特徴として、自分がトラブルに遭っていることに気付いていない、恥ずかしさから周りに相談できない、どこに相談すれば良いのか分からない、トラブルに遭ったことも忘れている、ということもあり、消費生活センターで把握している相談件数は氷山の一角だと考えられる。
- 一般的に、高齢者は「お金」「健康」「孤独」への不安を抱えていると考えられておりiv、悪質業者はこれらを巧みに利用する傾向がある。高齢化率の上昇に伴い、認知症や認知機能の低下が見られる人も増加する中、消費者被害を未然に防止するには、家族の関わりだけではなく、家族の負担を軽減する仕組みが必要だと考える。消費生活センターなどの行政機関と近隣住民、医療福祉関係者など高齢者に係る各機関との重層的な連携が求められる。
- 被害に気づく契機
- 本インタビュー調査で回答者の26名による26事例(回答者がそれぞれ1事例を回答)では、当事者が被害を認識していたのは少数にとどまり、多くは家族、次いで医療福祉関係者、地域の第三者によって発覚していた。被害の潜在化には、当事者がMCIから軽度認知症の段階で生活が比較的自立しており、家族や支援者の関与が乏しいことが挙げられる。更に、本人が被害を認識していない、又は被害に遭ったことを認めたくないと思われるケースもあり、発見が遅れるリスクが大きいことがうかがえた。
- 発覚が遅れる要因
- ケアマネジャーなどの支援者が訪問先で違和感を覚えても、具体的にどこに相談すべきか分からなかったという報告もあり、消費生活センター等の相談窓口の周知が十分に行き届いていないことがうかがえた。また、守秘義務や法的手続に対する不安から、初動が遅れる傾向もみられた。
- 更に、本人が被害を認識し、本人発信で相談に至ったのは1例にとどまっていた。本人が認知機能低下などにより被害を認識できなかったり、不安から被害を否認したりする場合、あるいは認知機能低下以外にも孤立感や心理的不安が強い場合には、支援者に相談すること自体が難しいという障壁が存在していた。
- 認知機能障害と被害内容
- 本インタビュー調査の結果としては、消費者被害の手口の中でも、訪問販売などの対面型の方が、メールや電話による勧誘販売などの非対面型の被害よりも多く見られ、認知機能低下がみられる高齢者の特徴を反映していた。また、対面型では認知機能低下の重症度が中等度以上の人に多く、具体的には、健康食品・新聞の定期契約や住宅修理など契約は単純だが総被害額が大きい契約が多数であった。一方で、非対面型ではMCI・軽度認知症の人に多く、金融・不動産契約では軽度・中等度の人に多い傾向がみられた。具体的には、高額商品や投資・保険など非日常かつ高度な契約が過半数を占めていた。これらの結果は、被害が当人の認知機能を超えた契約の複雑性に依存するのみならず、勧誘の仕方に強く作用されていることを示唆する。すなわち中等度以上では、アポイントメントなしの来訪で即時判断を強いられ、不安喚起や希少性訴求、「フット・イン・ザ・ドア」などの手口によって実行機能低下の脆弱性を突かれたことによると考えられる。加えて、中等度以上では実行機能障害または判断力低下が全事例で確認され、クーリング・オフ期限や契約の比較・撤回といった行為の切替や抑制機能が働きにくいことも被害につながると考えられる。MCI・軽度認知症では、非対面による契約・解約手続きの導線やユーザー・インターフェイスといった意思決定の状況が複雑化(高額・長期・専門性)することにより、作業記憶や注意の分配の限界を超えやすく、いつの間にか契約していたり、解約ができなかったりしていると考えられる。軽度・中等度では、複雑な商品説明による認知負荷が高く、リスク理解や将来見通しが甘くなり、被害にあっている可能性がある。
- 心理社会的脆弱性
- このような認知機能低下に加えて、独居、社交性の高さ、不安やうつ傾向、経済的余裕といった心理社会的脆弱性も本調査によって明らかになった。PRの量的調査結果からも被害に遭っていた人の68.3%が独居であり(PR:p.13)、応対機会の増加と即時の相談相手不在を通して被害リスクを増幅させると考えられる。社交性の高さについて、VanWykMason(2001)の調査では詐欺被害者が社会活動を多く行っている傾向を報告しており、来訪者応対の機会を促進すること、また断りにくさを増幅していると考えられる。特にアルツハイマー型認知症では、自身の認知機能低下を悟られまいと理解したふりをすること、相手に迎合することがみられ、社交性の高さにより被害リスクを増幅させることも考えられる。不安やうつ傾向について、健常者において抑うつ傾向が詐欺被害に影響しており( Lichtenberg et al., 2016)、不安が喚起されやすいこと、精神症状により認知負荷に脆弱であることを通して、認知機能低下の人の被害リスクを増幅させると考えられる。更に、経済的余裕があることにより周囲が長期間に渡り被害に気づかず被害額が大きくなる傾向もある。
- 消費者被害の発見構造と発覚遅延をもたらす要因
- 本インタビュー調査の結果から、消費者被害の発覚は当事者本人ではなく、主に家族や医療福祉関係者、地域の第三者といった周囲の気づきに依存していることが明らかとなった。本人が自ら被害を申告した事例は26例中1例のみであり、これは高齢者、特にMCIや軽度認知症の段階にある人々が被害を自覚することの困難さを示している。先行研究でも、MCIや軽度アルツハイマー型認知症の人は金融能力の自己認識が低下していることが報告されており(Gerstenecker,Martin, Triebel, & Marson, 2019)7、被害を自己申告に基づいて把握することには一定の限界があることがみてとれる。実際、消費者庁(2025)による報告でも、65歳以上の判断不十分者契約に関する相談のうち、本人による相談は約2割にとどまるとされており、本調査結果は全国的傾向とも整合的である。
- 更に、本インタビュー調査の結果では独居が全体の約半数に達し、更に同居者がいる12例のうち同居家族が要支援・要介護である例が半数を占めていた。これらの状況から、同居であっても必ずしも見守り機能が十分に働いているとは限らず、家庭内のモニタリング体制そのものが脆弱であるケースが一定数存在することが示唆された。
- 発見経路ごとの特徴をみると、家族による発見は郵便物や通帳残高といった生活上の痕跡を手がかりとしており、別居家族であっても定期的な接触によって被害に気づけることが示された。一方で、独居や家族関与が乏しい場合には発見が遅れる可能性が高い。先行研究でも、孤独感が消費者被害のリスク要因であることが指摘されている。
- 医療福祉関係者による発見は、診察や訪問支援といった専門的な接点を通じて偶発的に行われていた。特に訪問診療や訪問看護の場面で被害が明らかになるケースは特徴的であり、日常生活に直接関わる専門職が異変を察知できる位置にあることを示している。地域の第三者による発見では、コンビニ店員や近隣住民など、日常的に接点を持つ人々が重要な役割を果たしていた。これは、地域における緩やかな見守りが消費者被害の早期発見に寄与し得ることを示すものである。
- 更に、発覚が遅れる要因としては、支援者が違和感を抱いても相談窓口が明確でないこと、守秘義務や法的対応への不安が初動を妨げること、そして本人が不安や孤立感から相談をためらうことが挙げられた。本人の認知機能低下だけでなく、心理的要因が相談行動を阻害するという点は、被害の潜在化に関する研究(Havers, Tripathi, Burton, Martin, & Cooper, 2024)とも一致しており、支援の難しさを改めて示している。
- 個人的要因に関する考察
- 以上の知見を踏まえると、高齢者の消費者被害は、本人による被害の認識や申告に依存するのではなく、周囲の多層的な気づきによって初めて可視化される傾向が強いことが明らかとなった。
- これは、被害の潜在化を防ぐ上で、家族、医療福祉関係者、地域住民といった多様な主体がそれぞれの立場から「違和感」に敏感であることが重要であることを示唆している。
- 精神症状の影響
- 本インタビュー調査の結果から、精神症状は過半数以上で確認され、易怒性と不安が多く、次いでうつ、脱抑制、妄想も一定数認められた。精神症状は軽度・中等度のいずれにも分布していることから、認知機能の低下の程度とは独立に、精神症状が意思決定に影響を及ぼしていると考えられる。不安やうつでは即時に決断しやすく、支援に対して回避的になりやすい傾向がある。
- また、易怒性や脱抑制は対話による再検討や家族・支援者の介入が困難になりやすく、妄想は被害実態の受容や支援への信頼を阻む傾向がある。したがって、被害対応では、不安、うつ、妄想を持つ人に対しては、信頼感や安心を保証するような対応、易怒性や脱抑制をもつ人に対しては、再検討を促す対話や家族・支援者の介入の工夫といった、それぞれの症状に即した関わり方が重要になると考えられる。
- 被害発見と初動対応の実態
- 本インタビュー調査の結果から、発見契機は家族・地域(小売店や近隣住民)など本人以外からの通報が少なからず占め、医療者が気づいて介入した例は限定的であった。医師による具体的介入としては、解約の助言や消費生活センターへの相談勧奨が中心で、検査入院による保護や診断書作成、成年後見の提案といった措置が点在するにとどまった。これは、医療現場が被害の直接救済主体というより、被害の縮小と適切に相談窓口への「橋渡し」を担う位置づけにあることを示す。一方で、事後に情報が届くケースも多く、医療福祉関係者が介入のタイミングを逃しやすい構造が明らかになった。
- 予防段階の対応と限界
- 消費者被害の未然防止に関しては、診療時のIADL評価を通じた金銭管理の把握、高額現金やカード使用の抑制の助言、早期の介護申請による一人時間の縮減など、負担の小さい介入が実践されていた。また、地域ではケア会議による情報共有、注意喚起チラシの配布、福祉担当者名刺の掲示による牽制など、可視化による予防策が講じられていた。これらは即効性・実装性の高い介入として有効だが、強制力を伴わないため、本人が警戒・拒否した場合に効果が限定される。更に、医療者が消費者被害に関する詳細を聴取・助言することで本人の警戒を招く場面があり、本人の財産権・人権の観点から強制的な予防は困難であることも明らかになった。特に認知機能障害の重症度が軽度の場合、本人の生活が自立しており、医療福祉関係者との関わりが薄いため、発見が遅れがちである。更に、地域関係の希薄化や(日中のみも含めた)独居では、地域包括支援センターの介入可能性があっても本人が拒否してしまう状況が生じ、予防の最後の一押しが欠落する可能性が高い。
- 被害発見後の対応と限界
- 消費者被害の発見後は、医療側で成年後見制度に資する認知症の診断書作成や、連携先情報の収集、弁護士等との意見交換、院内での啓発(パンフレット配布や講座)など、被害拡大の抑止と制度的救済への導線整備が実践されていた。診察中に消費生活センターを即時検索することや本人を責め立てない関わりの配慮は、受診場面を活用した被害縮小に資する実践として注目されると考えられる。一方で、顔の見える関係の不足、個人情報保護・守秘義務による情報共有の壁、連携先として消費生活センターが想起されにくいといった連携の脆弱性が露呈している。加えて、医療の主業務外であるがゆえの対応困難、ケアマネジャーに契約代行権限がないといった業務範囲の限界も明確である。制度面では、成年後見制度は即効性に乏しく、権利制限が大きいため利用のハードルが高く、中間的な契約サポート機能や、前段階で迅速に権利を保護できる仕組みへのニーズが顕在化している。更に、診断書作成の負荷(軽度認知症では判断能力を断定しにくく、法的影響も大きい)と、本人が望まないときの介入許容範囲の判断困難が、現場のジレンマとして残っている。
~NEW~
消費者庁 エクスコムグローバル株式会社に対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について
- 課徴金納付命令の概要
- 課徴金対象行為(違反行為)に係る役務
- 「イモトのWiFi」と称するモバイルルーターのレンタルサービス(以下「本件役務」という。)
- 課徴金対象行為
- ア 表示媒体
- (ア) 「地球の歩き方インドネシア2020~2021年版」と称する旅行ガイドブックに掲載の広告
- (イ) 「地球の歩き方ドイツ2023~2024年版」と称する旅行ガイドブックに掲載の広告
- (ウ)「【公式】海外行くなら!イモトのWiFi|海外WiFiレンタル」と称する自社ウェブサイト
- (エ) 「海外行くなら!イモトのWiFi」と称する自社ウェブサイト
- (オ) 「No.1ありがとう」と称する自社ウェブサイト
- イ 課徴金対象行為をした期間
- 令和2年2月12日から令和6年5月7日までの間
- ウ 表示内容(別紙1から別紙5までの各表示)
- 例えば、令和2年2月12日から令和6年4月25日までの間、「地球の歩き方インドネシア2020~2021年版」と称する旅行ガイドブックに掲載の広告において、「お客様満足度 No.1※ 海外Wi-Fiレンタル」、「海外旅行者が選ぶ No.1※ 海外Wi-Fiレンタル」及び「顧客対応満足度 No.1※ 海外Wi-Fiレンタル」と表示するなど、別表「表示期間」欄記載の期間に、同表「表示媒体」欄記載の表示媒体において、同表「表示内容」欄記載のとおり表示することにより、あたかも、エクスコムグローバルが提供する本件役務及び他の事業者が提供する同種又は類似の役務(以下「同種役務」という。)について、実際に利用したことがある者に対して「お客様満足度」、「海外旅行者が選ぶ」及び「顧客対応満足度」の3項目(以下「本件3項目」という。)をそれぞれ調査した結果において、エクスコムグローバルが提供する本件役務の順位がそれぞれ第1位であるかのように示す表示をしていた。
- エ 実際
- 前記ウの表示について、エクスコムグローバルが委託した事業者による調査は、本件3項目について、回答者に対し、エクスコムグローバルが提供する本件役務及び他の事業者が提供する同種役務について実際に利用したことがある者かを確認することなく、本件役務と同種役務を提供する特定の9事業者の各役務(以下「特定の9役務」という。)のみを任意に選択して対比し、エクスコムグローバル及び特定の9役務を提供する事業者のウェブサイトの印象を問うものであり、それぞれ客観的な調査に基づくものではなかった。また、前記ウの表示は、当該調査結果を正確かつ適正に引用しているものではなかった。
- ア 表示媒体
- 課徴金対象期間
- 令和3年6月22日から令和6年6月21日までの間
- 景品表示法第8条第1項ただし書に該当しない理由
- エクスコムグローバルは、本件役務について、前記(2)ウの表示の根拠とされる調査結果が、客観的な調査に基づくものであるか、また、当該調査結果と表示内容が適切に対応しているかについて十分な検証を行うことなく、前記(2)の課徴金対象行為をしていた。
- 命令の概要(課徴金の額)
- エクスコムグローバルは、令和8年10月13日までに、1億7262万円を支払わなければならない。
- 課徴金対象行為(違反行為)に係る役務
~NEW~
国民生活センター 引越事業者とのトラブルに注意
- 内容
- 事例1
- 複数の引越事業者から見積もりを取った。そのうち1社が、契約するかどうか分からないと伝えたのに強引に段ボールを置いていった。その後その会社に、他社に頼むので段ボールを引き取りに来るよう連絡したら、購入または返送、もしくは自分で持って来るように言われた。(当事者:学生)
- 事例2
- ネットで引越事業者を検索し費用約5万円を支払って契約した。引っ越し当日、洗濯機を移動・積み込む際に作業員が無理に引っ張ったせいか床のフローリングが剥がれてしまった。補償を求めたところ、「当社に責任はない」との返答だった。無理な作業が原因と考えられるので補償を求めたい。(当事者:学生)
- 事例1
- ひとことアドバイス
- 引越事業者を選ぶ際は複数事業者から見積もりを取り、契約の際は事前によく打合せをしましょう。何の経費が含まれているか、引っ越し準備及び当日にどのような作業を頼めるのか、要らない作業が含まれていないか等見積書の内容もしっかり確認しましょう。
- 原則として引っ越しの見積もりには料金は発生しません。見積もり時に段ボール等の資材の提供がある場合、契約に至らなかったときの返却方法や費用について事前に確認しましょう。
- 引っ越し完了後はすぐに荷物や家屋の状態を確認し、破損や紛失があった場合、速やかに事業者に申し出することが大切です。
- 時間が経つと傷の状態や原因の確認が難しくなることが多いため、トラブルに備えて引っ越し前後の状況を写真や動画で記録しておきましょう。
- 困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)。
~NEW~
国民生活センター 空調能力のない“エアコン”に注意!
- 家庭で使用されるルームエアコンやポータブルエアコン、いわゆるエアコンは、室内の温度や湿度を調整する空調機器で、主に冷房・暖房・除湿機能を備えています。その種類には壁掛け型、天井埋込型、窓用、床置き型などがあり、設置場所や用途に応じて選ばれます。近年では、快適性と省エネ化などの環境配慮の両立が進んでおり、住環境において、なくてはならない存在となっています。
- PIO-NETには、インターネットショッピングで購入した、置くだけで空間の温度を上げたり下げたりする“エアコン”のような効果をうたう商品が広告のように冷えないといった冷房機能や、「〇〇秒で△△℃上昇させる」や「○秒即暖」といった広告があるにも関わらず温風が出ないといった暖房機能に関する相談が継続的に寄せられています。
- そこで、これらの空間の温度を上げ下げする、“エアコン”のような性能をうたう10銘柄について、広告の内容に対する機能や性能を調査し、消費者に注意喚起することとしました。
- PIO-NETに寄せられた相談事例
- 動画共有SNSの広告を見て、卓上ヒーターを購入した。「外は冬でも部屋の中は半袖」と書いてあるが、顔を近づけないと暖かさを感じない。温風が炎になって吹き出している広告に騙された。
- SNS閲覧中に室外機のいらない簡易エアコンの広告を見た。広告には日本の大手電機メーカーと共同開発のようなことが表示されていた。かなりの風量があり、3分で部屋中冷たくなるように見えた。商品が届き開封すると、広告とは違って弱い風がどうにか出る程度だった。
- テスト結果
- 冷房機能を有することをうたう6銘柄すべてが、冷房機能を有していませんでした。
- 規定の時間で部屋を暖めることをうたう5銘柄すべてが、時間内に温度を上げることはできませんでした。
- 交流電源を使用する5銘柄すべてで、動作中の消費電力が表示消費電力を下回りました。
- 表示の調査
- 取扱説明書の記載内容を確認したところ、10銘柄中7銘柄が英語または簡体中国語で記載されており、日本語での記載はありませんでした。
- 販売サイト上の広告で冷房機能があることをうたうすべての銘柄で、取扱説明書に冷房機能に関する記載がありませんでした。
- 消費者へのアドバイス
- USB電源や容量の小さいバッテリー等の少ない電力でエアコンのように部屋や空間の温度を上げたり下げたりすることはできません。
- 「数秒で室温が変化する」「エアコン並み」等、冷暖房機能の性能を誇張する広告のある商品は、購入前に記載内容を十分に確認しましょう。
- 消費電力や電圧の表示(数値)を確認しましょう。
- 「どこから」「何を」を買おうとしているのか、購入する前に「特定商取引法に基づく表記」のページをよく確認したり、インターネット検索で調べたりするなどして確認しましょう。
- 事業者への要望
- 消費者が商品を選択する際に機能や性能を誤認することのない明確な広告表示をするよう要望します。
- 行政への要望
- 冷暖房に関し、実際の内容よりも著しく優良であると消費者を誤認させる表示をしている場合には、事業者に対し、広告表示の改善について指導することを要望します。
- 要望先
- 消費者庁(法人番号5000012010024)
~NEW~
経済産業省 日本トーカンパッケージ株式会社に対する下請法に基づく勧告が行われました
- 中小企業庁が、日本トーカンパッケージ株式会社(以下「日本トーカンパッケージ」という。)に対して調査を行った結果、下請法(注1)第4条第2項第3号(不当な経済上の利益の提供要請の禁止)(注2)に該当する行為が認められたので、令和8年2月9日に、中小企業庁長官は、下請法第6条(注3)の規定に基づき、公正取引委員会に対して措置請求(注4)を行いました。
- これを受け、公正取引委員会は、日本トーカンパッケージに対して調査を行ってきたところ、本日、下請法第7条第3項(注5)の規定に基づき日本トーカンパッケージに対して勧告を行いました※。
- 「下請法」とは、下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律(令和7年法律第41号。以下「改正法」という。)による改正前の下請代金支払遅延等防止法(昭和31年法律第120号)をいう。
- 改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。
- 「下請法第6条」とは、改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる下請法第6条をいう。
- 中小企業庁長官が、下請法第4条に違反する事実があるかどうかを調査し、その事実があると認めるときに、公正取引委員会に対し、下請法の規定に従い適当な措置を採るべきことを求めること。
- 「下請法第7条第3項」とは、改正法附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされる下請法第7条第3項をいう。
- 下請法は、改正法により改正され、令和8年1月1日から、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(以下「取適法」という。)となりました。
- 本件の製造委託は、改正法施行前になされたものであり、下請法の適用を受けることから、本公表文は下請法上の用語により記載することが適当である場合は下請法上の用語により記載しています。改正法施行後になされた製造委託等には取適法が適用され、次のように用語が変更されます。
- 違反行為者の概要
- 日本トーカンパッケージ株式会社
- 違反事実の概要
- (1)ア 日本トーカンパッケージは、平成26年7月から令和6年3月までの間に、他の事業者に対し、自社が製造を請け負う段ボール製品、紙器製品等(以下「本件製品」という。)の製造を委託した(以下この受託事業者を「下請事業者」という。)。
- イ 前記アの委託の当時、日本トーカンパッケージは資本金の額が3億円を超える法人たる事業者であり、下請事業者は個人又は資本金の額が3億円以下の法人たる事業者であった。
- (2)日本トーカンパッケージは、下請事業者に対して自社又は自社の顧客が所有する印版及び木型(以下「印版等」という。)を貸与したところ、遅くとも令和6年4月1日以降、当該印版等を用いて製造する本件製品の発注を長期間行わないにもかかわらず、下請事業者に対し、合計7,846個の印版等を自己のために無償で保管させることにより、下請事業者の利益を不当に害していた(下請事業者132名)。
- 日本トーカンパッケージは、前記(2)の印版等について、保管費用の支払に関する手続を進めている。
- 公正取引委員会が行った勧告の概要
- 日本トーカンパッケージは、下請事業者に対し、無償で印版等を保管させたことによる費用に相当する額を公正取引委員会の確認を得た上で速やかに支払うこと。
- 日本トーカンパッケージは、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
- ア 前記2. (2)の行為が下請法第4条第2項第3号に掲げる行為に該当し、同項の規定に違反するものであること
- イ 今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、中小受託事業者の利益を不当に害さないこと
- 日本トーカンパッケージは、今後、自己のために経済上の利益を提供させることにより、中小受託事業者の利益を不当に害することがないよう、自社の発注担当者等に対して印版等の適切な管理に特に留意した取適法の研修を行うなど社内体制の整備のために必要な措置を講ずること。
- 日本トーカンパッケージは、前記(1)から(3)までに基づいて採った措置を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
- 日本トーカンパッケージは、前記(1)から(4)までに基づいて採った措置を取引先中小受託事業者に通知すること。
- 日本トーカンパッケージは、前記(1)から(5)までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。
- 違反行為者の概要
~NEW~
経済産業省 「健康経営銘柄2026」に44社を選定しました
- 経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を「健康経営銘柄」として選定しています。長期的な視点から企業価値の向上を重視する投資家に対して、魅力ある企業として紹介することを通じ、企業による健康経営の取組を促進することを目指しています。
- 本日、第12回となる「健康経営銘柄2026」に、28業種から44社を選定しました。
- 健康経営銘柄2026の選定について
- 「令和7年度健康経営度調査※」の回答結果をもとに、健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内の上場企業から、1業種1社※2を基本として選定しました。
- 企業等が従業員の健康管理を戦略的に行う健康経営の取組状況に関する調査。
- 2 1業種1社に加えて、下記選定基準を加味した上で各業種の最高順位の企業の平均より優れている企業についても、健康経営銘柄として選定。ただし、1業種最大5枠とする。
- 主な選定基準
- 重大な法令違反等がない。
- 健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内である。
- ROE(自己資本利益率)の直近3年間平均が0%以上または直近3年連続で下降していない企業を対象とし、ROEが高い企業には一定の加点を行う。
- 前年度回答有無、社外への情報開示及び投資家との対話状況についても評価し、一定の加点を行う。
- 「健康経営銘柄2026」選定企業(29業種44社、業種順)
- 「健康経営銘柄2026」選定企業一覧https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260309001/20260309001-a.pdf
~NEW~
経済産業省 「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました 大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人を認定
- 経済産業省では、健康長寿社会の実現に向けた取組の一つとして、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、健康の保持・増進につながる取組を戦略的に実践する「健康経営」を推進しています。
- 本日、「健康経営優良法人2026」として、日本健康会議※により、大規模法人部門に3,765法人(上位法人には「ホワイト500」の冠を付加)、中小規模法人部門に23,085法人(上位500法人には「ブライト500」、501から1500法人には「ネクストブライト1000」の冠を付加)が認定されました。
- 日本健康会議とは、少子高齢化が急速に進展する日本において、国民一人ひとりの健康寿命延伸と適正な医療について、民間組織が連携し行政の全面的な支援のもと実効的な活動を行うために組織された活動体です。経済団体、医療団体、保険者などの民間組織や自治体が連携し、職場、地域で具体的な対応策を実現していくことを目的としています。
- 健康経営優良法人認定制度とは
- 健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けることができる環境を整備することを目的に、2016年度に経済産業省が創設した制度です。
- 健康経営推進検討会(日本健康会議健康経営・健康宣言15万社WG合同開催)において定められた評価基準に基づき、日本健康会議が「健康経営優良法人」を認定します。
- 健康経営優良法人2026について
- 第10回となる今回、「健康経営優良法人2026」として、「大規模法人部門」に3,765法人(上位法人には「ホワイト500」の冠を付加)、「中小規模法人部門」に23,085法人(上位500法人には「ブライト500」、501から1500法人には「ネクストブライト1000」の冠を付加)が認定されました。
- 昨年度の健康経営優良法人2025認定数(大規模法人部門:3,400法人、中小規模法人部門:19,796法人)に対し、両部門ともに大幅な増加が見られました。認定法人一覧については、健康経営優良法人認定事務局ポータルサイトをご覧ください。
- なお、国の機関として初めて経済産業省も認定されました。
- 健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」https://kenko-keiei.jp/
- 評価結果の公開について
- 健康経営優良法人(大規模法人部門・中小規模法人部門)認定の基となる健康経営度調査・認定申請の回答法人に対しては、各施策の偏差値等を記載した評価結果(フィードバックシート)を送付し、自社の取組の改善に活用いただいているところ、他社との比較を通じた更なる取組の促進や、ステークホルダーに対する情報開示を促す観点から、同調査の設問において「評価結果の開示」の可否を確認しています。
- ▼ 参考:大規模法人部門フィードバックシート
- ▼ 参考:中小規模法人部門フィードバックシート
- 本日、開示に同意いただいた健康経営優良法人(大規模法人部門)の2,938法人分(うち上場企業874社)の評価結果(フィードバックシート)を公開いたしました。
- 個社の評価結果に加えて、編集可能な一覧性のあるExcel形式データも公開しておりますので、健康経営優良法人認定事務局ポータルサイトをご覧ください。
- なお、健康経営優良法人(中小規模法人部門)の評価結果(フィードバックシート)については、3月下旬に公開予定です。
- 健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト「ACTION!健康経営」https://kenko-keiei.jp/
~NEW~
国土交通省 「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」を閣議決定~地域への民間投資の呼び込みと個性ある都市空間の実現に向けて~
- 地域の稼ぐ力の強化や、まちの魅力磨き上げを通じ、地域に民間投資を呼び込み、個性ある都市空間を実現するための「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案」が、本日、閣議決定されました。
- 背景
- 地方部を中心に人口減少が進む中、仕事やまちなかの魅力の不足による若者の地方離れの深刻化などにより、地方都市等の生活サービス機能の維持は一層困難になっています。また、災害に強い地域づくり、市街地整備事業における所有者不明土地対策などの課題も存在します。
- このため、地域の稼ぐ力の強化や、まちの魅力磨き上げを通じ、地域への民間投資の呼び込みや、個性ある都市空間の実現を図ることが必要です。
- 改正案の概要
- 都市機能の更なる集積・連携による地域の活性化
- 立地適正化計画に特定業務施設等の誘導を位置づけ
- 都道府県に、立地適正化計画に関する市町村間の調整権限を付与
- 施行者による所有者不明土地管理人の選任請求の明確化等により、市街地整備事業の円滑な施行を確保
- 民間都市再生事業計画の大臣認定の申請期限を令和14年3月31日まで延長
- 地域の歴史・文化や景観・環境に根ざすまちづくりの推進
- 都市再生整備計画に、地域固有の魅力の維持向上を図る区域を位置づけ、地域の核となる建築物をリノベーション・活用するための制度等を創設
- 歴史まちづくり計画の作成に必要な文化財を、市町村の指定文化財等にも拡大
- 所有者との協定に基づく建造物改修・活用等により良好な景観再生を図る制度を創設
- 都道府県に、広域景観基本方針の策定や景観計画に関する市町村間の調整権限を付与
- 都市機能の更なる集積・連携による地域の活性化
- 官民連携による適切なマネジメントを通じた地域の付加価値の維持・向上
- 民間の公共貢献のインセンティブの確保と合わせた公共公益施設の整備・管理に関する協定制度を創設
- エリアマネジメント活動に関する計画制度を創設
- 都市の安全確保
- 立地適正化計画について、居住誘導区域から災害危険区域を全て除外
- 立地適正化計画の防災指針に、業務施設等の利用者の安全確保を位置づけ
- 防災指針に位置付けた防災施設(備蓄倉庫等)の維持管理に関する協定制度を創設
~NEW~
国土交通省 「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」を閣議決定~「交通空白」等の解消による持続可能な地域公共交通の実現に向けて~
- 地域の輸送資源のフル活用、共同化・協業化等を推進することで、「交通空白」等を解消し、持続可能な地域公共交通の実現を図るための「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」が本日、閣議決定されました。
- 背景
- 地域公共交通は、地域の「暮らし」と「安全」を守る基盤である中、急速な人口減少・少子高齢化や、運転者等の担い手不足により、バス路線等の減便や廃止が相次ぐなど供給が制約される一方、高齢者の運転免許返納、学校・病院等の統廃合等を背景に、地域公共交通に対する社会的需要は拡大し、全国で約2,500の「交通空白」が生じています。
- こうした状況を踏まえ、地域の輸送資源のフル活用や、共同化・協業化等を推進することで、「交通空白」を解消するとともに、その将来的な発生を抑制し、持続可能な地域公共交通の実現を図ることが必要です。
- 法律案の概要
- 地域旅客運送サービスの持続可能性確保
- 「交通空白」等を解消するため、地方公共団体が主導する形で、運送主体を選定し、運転者や車両等に関して他者からの協力のあっせん等を行うことにより、バス・タクシー・公共ライドシェアによる地域の状況や課題に適した形態での運送を確保する事業(自動車地域旅客運送サービス再構築事業)を創設。
- 市町村が連携・協働を図るべき地域の関係者として、教育文化・医療・福祉・商業・観光等に係る施設の利用者向け送迎サービスを提供する者(施設利用者用運送サービス提供者)を追加し、当該提供者に対し、[1]の事業の円滑な実施に協力する努力義務を措置。
- 船舶検査に伴う運航・減便による日常生活等への影響を回避するため、他の事業者から代替運行や船舶の貸渡しの協力を得て運航の確保を図る事業(海上運送利便確保事業)を創設。
- 連携促進団体の活動推進
- 地域の関係者相互間の連絡調整・連携の促進を行う企業・団体を「連携促進団体」として位置付け、法定協議会の構成員として明確化するとともに、地域公共交通計画の作成等の提案権を措置。
- モビリティデータの利活用
- 地方公共団体が主導して事業実施計画を作成する地域公共交通特定事業について、事業実施計画作成時の地方公共団体による情報提供等の協力要請に対する交通事業者等の応諾義務(正当な理由がある場合を除く。)を措置。
- その他
- 1.(1)に係る(独)鉄道・運輸機構による出融資を措置するほか、鉄道事業再構築事業について、事業構造の変更前に現行の事業者が行う鉄道施設の改良等に関する地方債の特例等を措置。
- 地域旅客運送サービスの持続可能性確保
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国土交通省 今年春に引越をご予定の皆様へ~予約状況のお知らせ~
- 今年春に引越をご予定の皆様に向けて、「3月~4月の引越予約状況」をとりまとめましたので、是非ご参考にして下さい。
- 令和8年3月~4月の引越予約状況(2/24日時点)
- 今年春の引越の予約状況について、(公社)全日本トラック協会の協力のもと、大手引越事業者から聞き取った予約状況をとりまとめました。【別紙参照】
- 引越予約状況カレンダー(別紙)をご参考にして頂き、引き続き、混雑時期をできるだけ避けた分散引越にご協力お願い致します。特に、4月第2週以降は、比較的余裕がある状況ですので、是非、引越時期の分散に向けてご検討お願い致します。
- 国土交通省としては、引き続き、経済団体等を通じて、引越時期の分散に向けた取組を実施していくとともに、本プレスリリースの内容についても、幅広く周知して参ります。
- 【分散引越をされた方々からの声】
- 『3月末の土日の引越と比べて、引越代金が安くなった』
- 『会社の従業員の引越に係るコストを抑えることができた』
- 『3月の最終週から引越時期をずらすことで、予約が取りやすくなった』
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国土交通省 河川の観測機器の機能強化により氾濫通報制度等の運用を支援~簡易型河川監視カメラ・危機管理型水位計の仕様・手引きを整備~
- 今般、危機管理型水位計と簡易型河川監視カメラについて、それぞれの機器仕様書(標準案)と手引き(案)を作成・改定しました。
- 今後、これに基づき設置・更新する機器については、これまでよりも機能強化([1]夜間視認性の向上:カメラ、[2]観測精度の向上:水位計、[3]サイバーセキュリティの向上:主にカメラ)が図られます。
- 機器仕様書(標準案)及び手引き(案)を国のみならず、河川管理を担う都道府県等へ共有することで、これら機能を備えた観測機器の設置が進むことにより、氾濫通報制度の適切な運用や、河川氾濫により浸水が想定される地域の方々や水防関係者等の安全の確保が図られることが期待されます。
- 気象業務法及び水防法の一部を改正する法律が成立し、令和7年12月12日に公布され、河川管理者等が氾濫が差し迫った状況を水防関係者に通報する制度が創設されました。(水防法第24条の2関係)
- 国土交通省は、簡易型河川監視カメラ及び危機管理型水位計のメーカー並びに設置業者と調達仕様書の改定内容について対話を行い、仕様書の改定案をとりまとめました。
- あわせて、河川管理者が容易に監視機器を調達できるよう「簡易型河川監視カメラ設置の手引き(案)」の作成、及び「危機管理型水位計設置の手引き(案)」の改定を行いました。
- これにより、簡易型河川監視カメラの夜間視認性の向上やセキュリティ向上、危機管理型水位計の精度向上などの機能強化を図ってまいります。
- 今後、目視等で確認した確度の高い情報として通報することができるよう簡易型河川監視カメラ、危機管理型水位計の設置が進むことにより、住民や水防関係者等の安全の確保が図られることが期待されます。


