危機管理トピックス
更新日:2026年8月31日 新着17記事
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――
警察庁
- 警察庁 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害対策のための技術的措置に関する有識者検討会
- 警察庁 令和8年版警察白書
- 警察庁 警察庁チャットボットの運用開始について
- 警察庁 警察活動におけるウェアラブルカメラ活用の試行結果について
内閣官房
- 内閣官房 CBRNEテロ対策会議
- 内閣官房 中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース(第4回)議事次第
- 内閣官房 地域未来戦略に関する関係副大臣等会議(第6回)・地域未来戦略に関する総理報告 議事次第
内閣府
- 内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(令和8年8月27日)
消費者庁
- 消費者庁 クマ撃退スプレーの備え方―事前の確認・準備が必須です―
国民生活センター
- 国民生活センター 道路交通法の基準不適合の電動アシスト自転車に注意
厚生労働省
- 厚生労働省 フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備のポイント
経済産業省
- 経済産業省 令和8年熊本地震による災害が激甚災害として指定されたことに伴い、追加の被災中小企業・小規模事業者対策を講じます
- 経済産業省 中部電力株式会社に対して再処理等拠出金法に基づく報告を求めました
総務省
- 総務省 リチウムイオン電池等の回収・再資源化に関する調査<通知に対する改善措置状況(1回目のフォローアップ)>
- 総務省 生活困窮者の自立支援対策に関する行政評価・監視<勧告に対する改善措置状況(2回目のフォローアップ)>
国土交通省
- 国土交通省 東海汽船株式会社に対する安全確保等の命令を発出しました~海上運送法に基づく「安全統括管理者及び運航管理者の解任命令」及び「輸送の安全の確保に関する命令」並びに船員法に基づく「是正命令」~
- 国土交通省 レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」及び「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」について
~NEW~
警察庁 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害対策のための技術的措置に関する有識者検討会
▼ 議事概要
- 匿名・流動型犯罪グループへの技術的措置の必要性について
- 匿名性の高いSNSアプリ、そしてパーソナルな端末であり移動しながら動画等も発信できるなど豊富な情報がやり取りされるスマートフォンは、個人の生活や経済・社会の発展に貢献してきた反面、その高度化と悪用への対策は、長年にわたり大きな課題となってきた。
- 技術革新が早く、その悪用による被害の拡大に対して、法制度による対応が遅れる構造的な課題が存在しており、警察法第2条において個人の生命、身体及び財産の保護という責務を任じられている警察が適切な対応を図らなければ、国民の不安から、利用の全面的な制限や、全利用者の通信の大規模監視などの逆に極端な規制を導入すべきという主張も出てくることとなり、そうなれば、実効的な取組とそのための社会的合意形成も困難になるおそれがある。
- 事務局より説明のあった匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害の深刻さとそれに対する対策の必要に鑑みれば、明確かつ具体的な立法事実が存在し、国民の生命・身体・財産という法益への具体的な危険を防ぐために必要な限度での実効的な技術的措置を整備する対策の必要性が高いのではないか。
- 昨今の犯罪発生状況、被害の状況等から考えると、このような犯罪による被害の発生を防止するために必要となる情報を取得するための技術的措置の制度化は必要。
- 匿名・流動型犯罪では、強盗の実行役として起訴され、その後の人生を棒に振ってしまうほどの重い処罰が課される例が大きく報じられているにもかかわらず、「目の前の高額報酬」に目がくらみ、強盗等の重大犯罪に関与する者が後を絶たない。
- これらは、刑罰規定の持つ一般予防効果や特別予防効果が十分に機能していないということ。
- 匿名・流動型犯罪については、インセンティブとしても、犯行への関与ツールとしても、「通信手段」が鍵となっている構造があるため、それを踏まえた対応をすべき必要性が高い。
- 匿名・流動型犯罪グループ対策として、新たに技術的措置を導入する必要はある。例えばサイバー犯罪捜査の現場において課題となっているのは、犯罪者の行為に適当な対抗措置をとることができない点にある。
- 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪が、財産に対してのみならず、人の生命・身体に対しても行われることに鑑み、警察としても相応の「武器」となる技術的措置を備える必要がある。
- また、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪は、国境なく行われるものであるところ、諸外国の当局との協力の現場において、我が国が実施可能な措置の選択肢が諸外国のものと比べて狭いものになっているのが現状。技術的措置を導入することにより、そうした現状が改善されることを期待する。
- 通信事業者であっても、端末間での強固な暗号措置が講じられていれば、メッセージの閲覧等を行うことは技術的には事実上不可能。
- 匿名・流動型犯罪グループのように散在型の犯罪者について物理的に追いかけることは容易ではなく、警察のリソースにも限りがあることから、必要な法制度を正面から設計し、実効的な被害防止を図ることが望ましい。
- 現行の刑事手続においては、通信事業者に命じて事業者が保管・管理する情報を提供させる電磁的記録提供命令と、通信経路上の通信内容をリアルタイムで捕捉する通信傍受という2つの捜査手法が認められているが、これらの捜査手法では、強固な暗号措置が講じられた通信用アプリケーションによるやり取り等の内容を明らかにすることは非常に困難。そのため、現行の法制度のままでは、警察がいくら努力したとしても、匿名・流動型犯罪グループによる犯行を食い止めることはできない。
- 近年、匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺の被害額は顕著に増加しており、令和7年中の被害額は過去最多となっていること、また、人身犯罪である強盗事件も連続的に発生し、国民の尊い生命が奪われる事態にまで至っていることに鑑みれば、匿名・流動型犯罪グループに対する新たな技術的措置を早急に導入し、さらなる被害の発生を未然に防止することが強く求められている。
- 一般国民として、匿名・流動型犯罪グループ対策が隙のないものとすることを期待しており、新たに技術的措置を導入する必要はあると考えるが、プライバシーの侵害は可能な限り少なくなるようにしてほしい。
- 「実行犯を検挙しても上位の指示役を特定できない」という事態が現行法制度の限界であれば、また、新たな措置で技術的に解決できるのであれば、早急に実現し、また、被害防止のみならず、指示役の検挙にもつなげてほしい。さらに、闇バイトに応募した若者が重い罪に問われるような事態を未然に防いでほしいが、罪を犯していない段階の者も対象にするには、目的の部分で工夫が必要かもしれない。
- 被害者の受ける財産的打撃、精神的な打撃等は計り知れない。従前の刑事手続だけでなく、そういった悲惨な被害者を生まないための対策が急務。
- 新たな技術的措置の導入により、犯罪被害を阻止することだけでなく、犯罪に加担している自覚がない末端の者の犯行を未然に防ぐことにつながるのではないか。
- 当該技術的措置を実施するための制度について
- 事業者が取り扱う通信に関する諸制度と比較して、個人の所有する端末におけるプライバシーに関する議論は憲法上も未成熟な分野。
- 電気通信事業法及び個人情報保護法により、事業者による通信ないし情報・データの取扱いに対しては公法的規律があり、またその規律によって利用者の通信の秘密ないし個人のプライバシーの保護を図る一方、公権力による事業者からの情報取得、いわゆるガバメントアクセスについても、憲法及びその趣旨を具体化する法律による規律が存在するところ。これに関しては、日EU個人データ越境移転に関する相互十分性認証や、OECDガバメントアクセス宣言においても、日本は、法的根拠、比例性、透明性の確保等のグローバルスタンダードにコミットしてきたところ。
- 他方、端末に関するプライバシーについては、かつて電気通信事業法改正をめぐる検討に際して「通信関連プライバシー」としての保護を検討することが提唱されたことがあるものの、その場合には端末識別符号等が念頭に置かれていたところ。差し当たり、今回の対策において求められる、端末側において保存ないし閲覧される匿名性の高いSNSアプリの通信内容については、電気通信事業法はともかく憲法上の通信の秘密の保護が及ぶとともに、「私的領域」であるパーソナルな端末であること、またその分量が多く他の通信等とも関連することから、プライバシーの保護が及ぶものとして考えるべきでないか。
- その一方で、通信の秘密やプライバシーを適正手続の原則の下で必要な限度で制限して捜査を行うことは憲法上も認められており、現行の刑事訴訟法も、住居の捜索や郵便物の差押え、検証、通信傍受等、それぞれこの原則を具体化する形で定め、法的な規律の下で実施することを認めているところ。
- さらには、検証による通信傍受や装着型GPS捜査に関する最高裁判例等において、憲法上の比較考量に関する確立された議論枠組みが存在するところ。
- これらの従来の法制及び議論枠組みを踏まえて、通信傍受のように流れる音声やデータを捕捉するという継続的な措置か保存されたデータへの措置か、また行政手続か刑事手続かという観点に着目して、制度設計における要件や手続を整理していくというアプローチが合理的であると理解。
- また、個人の権利利益の観点からは、取得する情報の個別性、また防止されるべき被害の重大性や切迫性等の情報取得を正当化し得る公益の内容及び措置により実現される程度の比例性も問題となり得るのではないか。
- 通信の秘密は憲法上の権利であるが、法律により公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受けることも認められる。
- 行政手続による通信の秘密の制限については、能動的サイバー対処能力強化法(以下「ACD法」という。)の検討に当たって、こうした原則に加えて、具体的な制度設計の各場面において通信の秘密との関係を考慮しつつ丁寧な検討を行うべきであり、抽象的な議論のみで「許容される」あるいは「許容されない」との結論を得ることは適切ではなく、実体的な規律とそれを遵守するための組織・手続的な仕組み作りが必要であり、加えて、明確で詳細なルールとなるよう考慮することが適当であるとされたところ。
- 今回の検討に当たっても、こうした整理を参考としつつ、技術的措置により犯人使用端末内の情報を取得するという調査の目的を達成するために必要かつ合理的な実体的規律、通信の秘密に係る情報が適正に取得・管理されるための手続的規律、そして調査を必要不可欠な手段とするところの被害防止のための警察活動の全体の適正を確保するためのガバナンスの仕組み確保が求められるのではないか。
- 制度化に当たっては、情報取得のための技術的措置に加えて、収集した情報により被害が切迫している状況が明らかとなった場合には、そのような被害の発生や拡大を防止するために必要となる措置についても検討する必要があるのではないか。具体的には、情報取得の措置に加えて、取得した情報を用いて行う措置という、2つの措置の制度化が必要ではないか。
- これらは行政措置として法律で定められるべきであると思うが、その際には、当然のことながら、憲法の理念に合致する制度、また、既存の法体系に適合するような制度とする必要がある。権限行使において濫用等の問題が起こらないよう、その規定振り、要件や手続の定め方については、慎重に検討しておくことが不可欠となると考える。
- 今回導入すべき技術的措置の特徴は「調査対象者において、自らが調査対象となっていることが伝わっていない状態で行われる情報の取得であること」であり、これは、従来行政法の領域で議論してきた「行政調査」とは大きく異なる。この点、制度化に当たっては、様々な例が参考となると思われるが、有力な参照候補として、ACD法が挙げられるのではないか。
- 内外・外内通信の取得に関する措置はACD法に規定されており、これが、今回における情報取得の措置に相当するもの。その上で、深刻なサイバー攻撃の未然防止を実現するためには、具体的な手法・措置の実施が必要になるが、そのための措置が、アクセス・無害化措置として警察官の職務について規定する警察官職務執行法の6条の2において規定されているという関係にある。
- このように整理ができるとすれば、情報取得の措置の1つの参考例はACD法の規定ぶりとなるのではないか。
- 匿名・流動型犯罪グループに対処する場合には、「犯罪があると思料するとき」に行われる捜査、すなわち刑事司法上の手続として、新たな技術的措置を位置付けることも考えられ、それ自体にも、更なる犯行の抑止という意味での犯罪被害・犯罪加害の防止としての意義もある。
- しかしながら、捜査は、証拠の収集と被疑者の特定とを中心に展開されていくものである一方、匿名・流動型犯罪グループ対策の構造的問題を踏まえた対処をする場合は、犯罪が成立する「直前」の段階・場面において、新たな技術的措置を講じ、より直接的かつ積極的に犯罪被害を防止すべき場合が多々あることが考えられる。そうであれば、警察法2条が規定し、それを受けた警察官職務執行法1条にいう「犯罪の予防」、すなわち犯罪の未然防止等を目的とした行政的措置として、警察官職務執行法に位置付けることが望ましいと考えられる。
- 匿名・流動型犯罪グループは「警察等の目を盗んで」虎視眈々と機会を伺い犯罪を行うものである。そのため、より積極的な抑止のための介入をすべき状況が生じた場合に、犯罪の未然防止等を目的とした行政的措置として位置付けられる新たな技術的措置を実効的に行うことのできる権限とするためには、
- 対象者に察知されることなく密行的に行使できる権限であること。
- 犯行ツールとして使われるスマートフォン等の電子計算機端末の物理的な所在が不明であっても、電磁的記録の取得を可能とする権限であること。
- 犯罪被害が切迫する者に対する被害を防止するための情報の取得が認められること。
が必要となると考えられる。
- 新しい技術的措置を講ずる範囲等が確定していれば、解析技術に関してそれを公にする必要はないと考えられる。それは、犯罪捜査という文脈であるが従来から行われている捜索や、あるいは行政的な犯則調査における調査において、その対象範囲が確定していれば、捜索や調査等を実践するための手法を公にすることは必ずしも求められておらず、それは、捜索等の実効性を確保するためのものと解することができる。そうであれば、新しい技術的措置での解析技術に関して、それを公にすることは必ずしも求められず、むしろ秘匿性を重視すべきである。
- 現行の捜査で、被疑者の所持するスマートフォンやパソコン等の端末を差し押えた場合は、当該端末に記録された情報については、全体に関して解析を行った上で、犯罪の立証に用いるほか、将来の犯罪対策に資する警察活動にもつなげている。それは、犯罪捜査が、個々人に対する1回限りの活動ではなく、次々に発生する事件の解明を通じ、犯罪の抑止や、潜在的な被害者の被害防止等の正当な法益を保護するためであると考えられる。
- それも踏まえた上で、新しい技術的措置を、仮に端末内の情報に対する継続性を有しない警察の権限として整理するとすれば、刑事訴訟法における差押えに関する要件・手続を一つの目安として、許容要件を構成することが考えられる。
- 従来の、通信傍受法や情報流通プラットフォーム対処法においては、事業者を巻き込む制度を構築することで対処してきたところ。しかし、端末同士が直接鍵交換をして暗号通信を行うようなインターネットの世界においては、事業者を巻き込む制度設計は機能しにくい。
- 今回新たに導入すべきと考える技術的措置は、被害防止だけでなく、捜査においても有用となると思われる。他方、技術的にはメールのやり取り等を継続的に把握することも可能であるため、措置の継続性の有無に係る法的な線引きと技術的な線引きを明らかにして議論していく必要性についても留意する必要がある。
- 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪は、財産犯であろうと身体犯であろうと、発生してから対処するのでは遅く、予防的観点から、行政措置としてその発生そのものを防止する必要がある。
- したがって、端末の情報を確認するとしても、メタ情報だけでなく、通信の中身を確認する必要があるが、中身を確認する以上、措置の対象者の特定は丁寧に行い、外部から見て公平性が担保されるようにする必要があるのではないか。
- 今回導入すべきと考える技術的措置については、警察が「遠隔」から犯行グループの端末にアクセスし、犯罪に悪用されているアプリケーションの通信内容等を迅速に把握・「解析」する措置であるため、仮の名称として「遠隔解析」という呼び方をするが、この「遠隔解析」の制度設計に当たっては、行政手続に位置付ける方向性と、刑事手続に位置付ける方向性の2つがあり得る。
- もとより、刑事手続上の措置は、犯罪の予防と峻別されるようなものではなく、むしろ、警察実務においては、特定の犯罪の訴追・処罰に向けて刑事手続上の措置を取ることが、同時に、新たな犯罪の予防にも資するという場面が多く存在し、例えば、警察が電車内のスリの常習者を逮捕することが、新たなスリ被害の防止にも資するという事例等を挙げることができる。このように考えれば、今回導入すべきと考える「遠隔解析」を刑事手続上の捜査手法として位置付けるアプローチも、一概に否定されるべきではない。
- しかしながら、警察がいくら「捨て駒」である実行犯を検挙しても、上位の指示役や次の標的を速やかに特定することは困難であり、新たな実行犯を補充して犯行が継続されてしまうという匿名・流動型犯罪グループの犯行の構造に照らせば、特定の犯罪の訴追・処罰を目的とする刑事手続上の措置によっては、十分な犯罪予防効果が得られないと考えられる。また、匿名・流動型犯罪グループの犯行を未然に防止する観点からは、予備や未遂も含め犯罪としては未だ成立していない段階においても警察が介入すべき場面が多いと予想される。
- これらの事情に鑑みると、今回新たに導入すべきと考える「遠隔解析」を、犯罪の予防や阻止を正面から目的に据えた行政手続上の措置として位置付けることに十分な合理性が認められる。
- 特定の制度を構築する上で設けるべき要件・手続は、警察がリアルタイムで継続的に情報を取得するか否かによって大きく異なる。具体的には、既に保存されているデータを一回的に取得するだけの郵便物の差押え・電磁的記録提供命令・検証の実施要件・手続と比べて、リアルタイムで流れてくる音声やデータを継続的に捕捉しようとする通信傍受の実施要件・手続は、相当に厳格なものとなっている。
- 今回新たに導入すべきと考える「遠隔解析」は行政手続上の措置として位置付けるべきであると考えているが、そのような法的位置付けにするとしても、当該措置によって継続的にデータを取得しようとするのであれば、やはり刑事手続上の通信傍受と同様に厳格な要件や手続を設ける必要があり、その結果、「遠隔解析」の実施件数も少なくなってしまうと予想される。
- 今回の有識者会議に求められているのは、匿名・流動型犯罪グループの犯行による未曾有の被害額及び人身被害の深刻さを前にして、それらの犯行に対抗するための実効的かつ機動的な措置を導入することであると認識しており、そのような観点からは、情報の継続的な取得を伴う措置の導入については将来的な課題としつつ、まずは、早急に行うべき緊急の立法措置として、犯行グループの端末に保存されているデータを一回的に取得するだけの非継続的な措置に限定して、「遠隔解析」の立法化を目指すことが合理的と考える。
- 現行の刑事手続において、警察は、裁判官の発付した令状に基づき、被疑者の所持するスマートフォンやパソコン等を被疑事実に関連する証拠物として差し押さえ、その端末内に保存されている情報を解析して、捜査活動に活用しているが、今回新たに導入すべきと考える「遠隔解析」は、対象となる端末を特定した上で、裁判官の事前の許可に基づき、当該端末内に保存されている情報を一回的に取得・解析する措置とするなら、オンラインにより遠隔で実施する点を除けば、現行の刑事手続で行われているスマートフォンやパソコン等の物理的な差押え及びその後のデータ解析と何ら異なるものではない。それゆえ、「遠隔解析」によって取得すべき情報の範囲については、刑事訴訟法に基づいてスマートフォンやパソコン等の端末を物理的に差し押さえることにより得られる情報の範囲が一つの目安になるのではないか。
- 当該技術的措置の導入に当たっての実効性・適正性担保について
- 今回の技術的措置は、行政手続による情報取得である場合でも、通信の秘密及びプライバシーの制約であり、またその程度も重大であることから、少なくとも裁判官による事前の司法審査が必要ではないか。
- 同時に、従来の差押えなどが事後の訴訟でのコントロールの存在を前提としていたところ、今回の対策が犯人グループの存在を契機としつつ、その後の被害を防止することに主眼があることからすれば、情報取得時の裁判官による事前審査だけでは、通信の秘密及びプライバシーの制約を正当化し、かつその範囲を相当なものにとどめるための統制として十分とはいえないのではないか。
- 具体的な対処としては、まず、一般的・抽象的な警察の責務規定にとどまらず、犯人グループによる通信内容を解明して、重大な犯罪の被害防止につなげるという警察活動に即した具体的な法的な根拠と位置付けを与えるべきではないか。また、被害防止の活動に従事する警察官と、そのために必要不可欠な調査のための措置を行う警察官又は所属の役割とをひとまず明確に分離した上で、調査の要件、調査により得られた情報の管理、被害防止の活動に従事する警察官への情報提供の範囲と手続等について明確な実体的規律を定めるべきではないか。
- さらに、この実体的規律について、オペレーションの迅速性・実効性を確保しつつ、裁判官の事前審査を含めた適切な手続的統制を組み込むとともに、調査のための措置を行う警察官又は所属の専門性や組織的統制等に配意した制度設計を目指すべきではないか。
- 適正性の担保のためには、措置について、措置の権限の濫用等が生じないように、事前事後の手続の整備、手続の公正性と透明性とを確保することに留意すべきではないか。特に、情報取得の措置については、憲法上保障された通信の秘密に十分に配慮し、過剰な情報取得とならないよう、留意する必要がある。また、制度全体として、法執行において問題が生じないよう、制度的な担保が用意されていることも重要であり、具体的には、第三者機関による関与や、第三者機関への報告等の仕組みが考えられる。
- また、高い専門性を有する警察官に措置を行わせるなど人材配置により、手続の適正性を担保することも考えられるのではないか。
- 実効性の担保とは、権限が適切に行使されその目的に沿った効果を発揮することを意味するものと思われるが、そのためには、制度自体が明確であり、実施現場における運用に際し疑問等が生じない、「使える」制度設計であることも重要。
- 新たに導入すべきと考える技術的措置に関しては、対象者のプライバシーの利益に対して著しい制約を加えるものであり、また、物理的な差押えと同程度の強制処分と捉えられるものであるといえる。そのため、仮に行政調査権限として位置付けるとしても、一定の行政手続については令状主義の要請が及ぶとする、最高裁判例の示す憲法第31条及び第35条の法意を考慮する必要がある。それゆえ、事前の司法審査制度を設けるとともに、適正手続保障の観点に十分に配意する必要がある。
- 今回新たに導入すべきと考える「遠隔解析」は、行政手続上の措置として位置付けるべきであるところ、憲法第31条や第35条が第一義的に想定しているのは刑事手続であって行政手続ではないが、「遠隔解析」は、刑事訴訟法上の捜査機関でもある警察が実施する行政警察活動上の措置であって、刑事手続とも密接な関連性を有しており、また、措置の内容も、対象者の意思に反して端末にアクセスし、同端末に保存されているデータを強制的に取得・解析するものとなることに鑑みれば、今回新たに導入すべきと考える「遠隔解析」には、憲法第31条及び第35条の保障が及ぶと解すべき。
- 憲法第35条の特定性の要請や刑事手続上の既存の強制処分に課されている要件との均衡に照らし、警察が「遠隔解析」を実施する場合には、その対象となる端末を何らかの方法で特定することが必要になる。ただし、対象となる端末が特定できるのであれば、具体的な特定方法は、電話番号であるとIPアドレスであるとを問わない。
- また、憲法第35条の令状主義の要請や刑事手続上の既存の強制処分に課されている手続との均衡に照らし、「遠隔解析」を実施するための実体的要件や取得する電磁的記録の範囲等について、裁判官による事前の司法審査を受けることも必要であると考える。先ほど申し上げた、対象端末を特定する要請と合わせれば、警察は、対象となる端末を合理的な根拠に基づいて特定し、それを裁判官に明示した上で、事前の令状審査を受けることになる。
- その上で、「遠隔解析」を実施するための実体的要件としては、重大犯罪の
- 予防を目的とする行政警察活動上の措置であることに鑑みて、第1に、重大犯罪による被害が発生するおそれ、第2に、被害発生を防止する緊急の必要性、第3に、他の方法によっては速やかに被害防止のための情報を収集することが困難であるという意味での補充性等を要求することが考えられる。
- 今回の「遠隔解析」は、その性質上、対象者に対して裁判官の令状を事前に呈示し処分内容を告知することはできない。そこで、憲法第31条の適正手続の要請に照らし、警察が「遠隔解析」を行った場合には、原則として、事後的に対象者に対してその旨を通知することが必要である。
- ただし、対象者の所在が不明であるなど通知をすることが困難な場合には例外的に通知を不要とし、対象者に通知することによって警察による犯罪防止措置が妨げられるおそれがある場合には、通知のタイミングを遅らせることも可能にすべきであると考える。
- 技術的な措置は、様々な可能性がある一方、対策も容易であることから、詳細な制度の内容は、しっかりと情報保全を図るべき。他方で、適正性担保も留意する必要がある。
- 今回新たに導入すべきと考える技術的措置は、対象者が認知できない密行的に実施する措置であり、事後救済を図るためにも、事後的担保手続が必要である。また、警察が適正に措置を実施したことを担保する観点からも、事後的担保手続は必要不可欠。
- プライバシーの塊であるスマホを覗き見することは、原則的には許されないが、凶悪犯罪防止のためであれば、国民感情としても受け入れ可能。
- 目的、犯罪類型、対象者、取得するデータを限定し、当該犯罪と無関係のデータ、特に対象者以外の者のプライバシーに関わるデータを速やかに消去するといった明確なルールを定め、運用を徹底すべき。
- 加えて、消去の履歴も残し、ルールが適正に運用されていたことを第三者が事後的に監査し、結果を公表する仕組みも必要。検討から施行後を含む各段階で透明性を確保することで、国民の理解と受容性が向上する。
- 匿名・流動型犯罪グループが関与していると見られる犯罪の被害は、甚大なものである。国民を被害から守るためにも、一刻も早く実効的な対策を講じるべき。
- 他方、その適正性担保については、司法手続であっても行政手続であっても、裁判官の令状あるいは第三者委員会の承認を得る手続をとることで担保できるものと考える。
- その他の御意見について
- 学校等での教育として、「実行行為を行ったら想像を超える刑罰を受ける」ことになり、一生を棒に振ることになるので、絶対やめるよう教える、実行行為に誘われても、指示者等の手口(実行行為者の住所・連絡先・家族構成・家族の氏名・年齢・勤務先などを聞いて来る)を事前に教え、これを聞かれたら途中でも止めるよう教えることが重要ではないか。
- 警察においては従前より、インターネットホットラインセンターにおいて犯罪実行者募集情報を削除するなど対策を講じているにもかかわらず、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪は減少せず、今回検討しているような措置を導入せざるを得ない点も明らかにするべき。
- 以下の3点について整理してほしい。
- 対象が海外にいる場合の国際法的整理
- 偶然、クラウドサーバにアクセスするID・PWを把握した場合のあり得べき措置
- 対象端末内に盗撮画像や児童ポルノ画像等他の犯罪への関与を示すものがあった場合のあり得べき措置
- 要件等については、継続性の有無等具体的な措置内容に応じて変わることから、今回の議論を踏まえて、事務局から具体的措置のイメージを示してほしい。また、議論の参考資料として、川崎民商事件をはじめとする関連判例やACD法に関する資料を整理してほしい。
- 議論の前提として「秘匿性」と「匿名性」の定義について、明確にしてほしい。
▼ 第2回 資料5 警察庁補足説明資料(前回の議論を受けた補足的な論点整理)
- 現行の実務の整理(1)「措置の継続性」をめぐる考え方
- 権限を反復・継続的に行使し得る期間が規定されていない強制処分の例
- 刑事訴訟法第218条第1項
- 検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、捜索、電磁的記録提供命令又は検証をすることができる。この場合において、身体の検査は、身体検査令状によらなければならない。
- 実務・判例等
- 令状に定められた有効期間内で、1回に限り権限を行使する。
- 令状の再取得やその回数については、再捜索を行う必要性が疎明できる限り、法的な制約はないと整理されている。
- ある場所に対する捜索差押え許可状に基づき捜索を行っている最中に、当該場所に新たに搬入された物品(配達された荷物など)も、当該許可状に基づき捜索することが可能である(平成19年2月8日最高裁第一小法廷決定)。
- 刑事訴訟法第218条第1項
- 権限を反復・継続的に行使し得る期間が規定されている強制処分の例
- 通信傍受法
- 第3条第1項:検察官又は司法警察員は、…犯罪関連通信に用いられると疑うに足りるもの(注:通信手段)について、これを用いて行われた犯罪関連通信の傍受をすることができる。…
- 第5条第1項:…裁判官は、…理由があると認めるときは、傍受ができる期間として十日以内の期間を定めて、傍受令状を発する。
- 【厳格な手続】:傍受の原記録の裁判官への提出、聴取・閲覧等の機会の確保等
- サイバー対処能力強化法
- 第17条第1項:内閣総理大臣は、…外外通信目的送信措置…を講ずることができる。
- 同条第3項:外外通信目的送信措置を講ずることができる期間…は、六月とする。ただし、…サイバー通信情報監理委員会が六月未満の期間を定めたときは、当該期間とする。
- 【厳格な手続】:非識別化措置、保存期間満了後の消去、取り扱う職員の範囲の指定等
- 通信傍受法
- 権限を反復・継続的に行使し得る期間が規定されていない強制処分の例
- 現行の実務の整理(2)捜索に伴う「知得」等に関する考え方
- 現行刑事手続における令状(捜索差押許可状等)の執行に係る実務、判例等
- 許可状の効果により、捜査員が「目的物(差押え対象物)を捜す」行為を実施する。
- 捜索に必要な範囲であれば、対象施設内の一定の情報(書類の内容、室内の状況等)を知得することは許容される。
- 捜索を実施するために行う金庫の解錠、手紙の開封、電磁的記録の可読化、電磁的記録の内容のモニターへの投影等は、捜索差押えの実施に伴う「必要な処分」として法律(刑事訴訟法第111条等)により許容されている。
- 他方、捜索差押えを行う上での必要性を超えて、室内の物件や文書の内容等について詳細な撮影・記録を行うことは許容されていない。これを行おうとすれば、別途、検証令状が必要となる。
- いわゆる「プレイン・ビュー法理」の不適用
- 例えば米国では、捜査員が適法に行う捜索の通常の過程において、犯罪の証拠となる物件を発見したときには、当該物件について新たな令状を取得することなく差押えを行うことが可能である(いわゆる「プレイン・ビュー法理」)。
- 我が国の刑事手続では、いわゆる「プレイン・ビュー法理」に該当する制度は設けられていない。仮に、捜索中、差押え対象物とは別に、犯罪の証拠となる物件を発見した際にも、当該物件の差押えは、別途、法的根拠・許可状取得がなければ許されない。
- クラウドサーバ上の電磁的記録へのリモートアクセス
- 現在の刑事訴訟法においては、「電子計算機の物理的な差押え行為」と「クラウド上の電磁的記録のネットワークを経由した複写行為」が、性質の異なる処分として別に法定されている。
- 後者については、電子計算機の差押えに伴う「リモートアクセス」(刑事訴訟法第218条第2項)として、当該電子計算機からアクセスできるクラウド上の電磁的記録を「複写した上で差し押さえる」という権限が法定されている。
- 現行刑事手続における令状(捜索差押許可状等)の執行に係る実務、判例等
- その他の論点
- 「秘匿性」と「匿名性」
- 「秘匿性」と「匿名性」は、以下の意味で使用している。
- 秘匿性:やり取りの内容が把握できないこと(課題例:端末間暗号措置が講じられている。)
- 匿名性:やり取りを行う個人を特定できないこと(課題例:アカウント開設時に本人確認が行われない。)
- 実効ある被害防止措置をとるためには、秘匿性の打破(犯行の指示内容等の把握)と匿名性の打破(実行犯の着衣・呼称等の把握)のいずれも重要である。
- 「秘匿性」と「匿名性」は、以下の意味で使用している。
- 対象端末が海外に所在している場合の考え方
- 現行の刑事訴訟法等においては、海外サーバへの接続等が当然に想定されるいわゆる「リモートアクセス」(刑訴法第218条第2項)等においても、サーバの海外所在時の執行管轄権の整理は法定されておらず、当該サーバ所在国の主権侵害が発生し得るのかといった点は実務の運用の中で整理している。
- 「遠隔解析」に関する執行管轄権の整理については、具体的な制度を踏まえた運用上の整理を行うこととなると思われる。更なる御議論を経て、制度の骨子がより固まった段階で、改めて整理することとしたい。
- 「秘匿性」と「匿名性」
▼ 第2回 資料6 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害対策のための技術的措置に係る 基本的な制度・運用に関する御意見の整理(案)
- 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害対策のための技術的措置の必要性
- 近年、匿名・流動型犯罪グループによる特殊詐欺の被害額は顕著に増加しており、令和7年中の被害額は過去最多となっているほか、人身犯罪である強盗事件も連続的に発生し、国民の尊い生命が奪われる事態にまで至っている等、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害は正に異常事態と呼ぶべき深刻な情勢となっている。
- 匿名・流動型犯罪グループのような特徴を有する犯罪者達については、物理的に追いかけることは容易ではなく、警察のリソースにも限りがある。刑罰規定の持つべき予防効果が十分に機能していない状況になっていることも懸念される。
- また、パーソナルな端末であり移動しながら動画等も発信できるなど豊富な情報がやり取りされるスマートフォンは、個人の生活や経済・社会の発展に貢献してきた反面、その悪用への対策は、長年にわたり大きな課題となってきた。特に、通信内容について高い秘匿性を有する通信用アプリケーション(以下「通信アプリ」という。)については、匿名・流動型犯罪グループが犯行に悪用し、警察による捜査・対策をより困難にしている。
- 具体的には、現行の刑事手続においては、通信事業者に命じて事業者が保管・管理する情報を提供させる電磁的記録提供命令と、通信経路上の通信内容をリアルタイムで捕捉する通信傍受という2つの捜査手法が認められているが、これらの捜査手法では、強固な暗号措置が講じられた通信アプリによるやり取り等の内容を明らかにすることは非常に困難となっている。
- こうした現状に鑑みれば、匿名・流動型犯罪グループに対する新たな技術的措置として、犯罪者グループの端末から犯罪に悪用される通信アプリの通信内容等を迅速に把握し、被害防止に活用する手法(以下「遠隔解析」という。)を早急に導入することが必要である。被害者の受ける財産的打撃、精神的な打撃等は計り知れず、従前の刑事手続だけでなく、こうした悲惨な被害者を生まないための対策が急務である。また、当該措置の導入により、重大な犯罪に加担している自覚が薄い末端の者による犯行を未然に防ぎ、同時に、「闇バイト」に安易に応募した若者が重い罪に問われるような事態を防ぐことにもつながることが期待される。
- また、匿名・流動型犯罪グループによる犯罪は、国境を越えて行われることも多いことから、技術的措置を導入することにより、諸外国の当局との協力の現場において、我が国が実施可能な措置の選択肢が広がることも期待される。
- 遠隔解析に係る制度の在り方
- 遠隔解析により個人の端末から取得することとなる、秘匿性の高い通信アプリの通信内容については、憲法上の通信の秘密に関わるものであるとともに、プライバシーの保護が及ぶものとして考えるべきである。
- その上で、適正手続の下で、必要な限度で通信の秘密やプライバシーを制限しながら捜査を行うことは憲法上も認められており、現行の刑事訴訟法も、こうした捜査の具体的な手続を規定することにより、人権の保護と公益の実現の調和を図っている。また、我が国では憲法上の比較衡量に関する確立された議論枠組みが既に存在しており、これらを踏まえた制度設計を指向すべきである(後記5に詳述)。
- 情報の取得が正当化されるためには、措置により実現される公益の内容と程度が、人権の制約の度合いを上回っているという意味での比例性も必要である。予防的観点から行政措置として犯罪被害の発生そのものを防止するためには、メタ情報だけでなく通信の中身を確認することとなるため、措置の対象者の特定や取得・管理する情報の範囲の決定は丁寧に行い、適正性が担保されるようにする必要がある。
- 犯人が使用する端末から被害防止に資する情報を取得するという目的を達成するために必要かつ合理的な実体的規律、通信の秘密に係る情報が適正に取得・管理されるための手続的規律、そして調査結果を活用して行われる被害防止のための警察活動全体の適正を確保するためのガバナンスの仕組みが求められる。
- 遠隔解析の制度化に当たっては、技術的措置に関する規定に加えて、収集した情報等により被害が切迫している者が判明した場合に、その被害の発生や拡大を防止する措置に関する規定も、併せて整備する必要がある。
- 被害の発生や拡大を防止するための措置
- 「事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現すること」を目的とする刑事手続により、犯罪を一つ一つ立件して対処するだけでは、匿名・流動型犯罪グループによる同種犯行の反復・拡散に歯止めをかけることはできない。このため、現在、検挙のみならず、政府を挙げた広報啓発等により被害防止の取組も推進しているが、それでもなお被害が拡大していく厳しい現状を踏まえれば、一定の重大な犯罪については、より直接的かつ積極的な手法により被害を阻止する必要がある。
- 警察は、警察法第2条により、個人の生命、身体及び財産の保護に任じることとされている。この責務を具現化する形で、犯罪による被害が切迫する者等を警察が特定した場合には、直ちに当該被害を防止するための措置をとることを法律に明記し、警察による一層迅速な対処を促進すべきである。
- 遠隔解析の概要
- 現行制度に基づく対策では、犯罪による被害が切迫する者を特定するための情報をはじめとする被害防止に必要な情報を迅速かつ十分に取得することは困難である。こうした現状を踏まえれば、国民の権利利益の侵害を最小限にするよう配意しつつ、当該必要な情報を取得する技術的措置として、遠隔解析を行う権限を設けるべきである。
- 遠隔解析の制度設計に当たっては、従来の法制及び議論枠組みを踏まえて、生成されるデータを継続的に取得していく措置か保存されたデータを取得する1回の措置か、また行政手続か刑事手続かという観点に着目して、制度設計における要件や手続を整理することが合理的である。
- 遠隔解析を刑事手続上の捜査手法として位置付けるアプローチも考え得るが、特定の犯罪の訴追・処罰を目的とする刑事手続上の措置によっては十分な犯罪予防効果が得られないおそれがあること、予備や未遂も含め犯罪としては未だ成立していない段階においても警察が介入するべき場面が多いと予想されること等の事情が認められることに鑑みると、遠隔解析を、犯罪の予防や阻止を目的とする行政手続上の措置として位置付けることには十分な合理性が認められる。
- その上で、端末内の情報を継続性なく取得する権限として整理するとすれば、刑事訴訟法に基づく差押えの要件・手続を一つの目安として、遠隔解析の要件・手続を構成することが考えられる。
- また、遠隔解析については、現行制度が直面している課題を踏まえ、
- 犯人グループに察知されることなく密行的に実施できるものであること
- 犯行ツールとして使用されるスマートフォン等の電子計算機の所在場所が不明であっても、当該電子計算機が特定されていれば、当該電子計算機に記録された情報の取得を可能とするものであること
- 犯罪による被害が切迫する者を特定する情報その他の被害防止に必要な情報の取得を可能とするものであること
が必要である。加えて、遠隔解析によって取得すべき情報の範囲については、刑事訴訟法に基づいてスマートフォンやパソコン等の端末を物理的に差し押さえることにより得られる情報の範囲が目安になると考えられる。
- 遠隔解析は、一定の重大な犯罪による被害が切迫した際に、当該被害を防止する目的で行使する行政調査権限として新設することが考えられる。当該権限については、警察官が犯罪の予防を含む職権職務を遂行するために必要な手段を定めることを目的とする警察官職務執行法の中に規定することが考えられる。
- 遠隔解析の具体的な手法を検討するに際しては、端末同士が直接鍵交換をして暗号通信を行うようなインターネットの世界において、従来の事業者を巻き込む制度設計は十分に機能しにくいことに留意するべきである。また、技術的な措置は、様々な可能性がある一方、対策も容易であることから、制度の詳細な内容については十分に情報保全を図るべきである。
- 遠隔解析の具体的制度
- 遠隔解析の要件
- 遠隔解析は、対象となる電子計算機の中で、被害防止に必要な情報がどこにどのような形式で記録されているのかが分からないという状況において、犯人への事前通知は行わずに、権限を行使する時点で当該電子計算機に記録されている電磁的記録のみを抽出して可視化し、その中から被害防止に必要な情報を選別して取得するものとして、関係する国内外の制度を参考に、その実施要件を定めるべきである。
- なお、遠隔解析は、上述のとおり「権限を行使する時点で当該電子計算機に記録されている電磁的記録のみ」を対象とする措置であることから、生成されるデータを継続的に取得するものではない。
- 犯罪被害が発生するおそれ
- 遠隔解析の要件は、刑事訴訟法に基づく差押えの要件を目安とするべきであり、犯罪被害の発生見込みにつき、より厳格な基準(例えば通信傍受における「十分な理由」)までは求める必要性は認められない。
- 他方、遠隔解析は、犯罪グループによる犯罪被害の発生・拡大の具体的なおそれが認められる場合に限って実施することが望ましい。
- 対象とする電子計算機
- 遠隔解析は、切迫する被害を防止するための措置であり、後述のように、犯罪による被害が切迫する者を特定する情報や切迫する犯罪の実行に関する情報などを取得するものである。
- そのような情報は、指示役から実行犯への指示などの犯人同士の連絡や犯人から被害者への連絡に用いられた端末(電子計算機)に保存されている蓋然性が高いと考えられることから、遠隔解析の対象は、こうした電子計算機であることが合理的に認められるものに限定するべきである。
- 対象とする電磁的記録
- 遠隔解析の目的は、匿名・流動型犯罪グループ等による重大な犯罪の被害が切迫する者を調査・特定した上で、当該者への注意喚起、警察の対処態勢の整備等を迅速に行い、被害を的確に防止できるようにすることである。
- このため、遠隔解析により取得すべき電磁的記録としては、犯罪による被害が切迫する者を特定する情報(氏名、住所が分かる情報、自宅写真等)のほか、犯罪が行われる日時、襲撃に加わる実行役の人数、準備している凶器等の切迫する重大な犯罪に関する情報が想定される。
- また、実際の運用においては、刑事訴訟法に基づいてスマートフォン等の端末を物理的に差し押さえることにより得られる情報の範囲も参考にすべきである。
- 緊急性
- 遠隔解析は、差し迫った人身・財産等への危険を回避するなど、必要な場合に限定して権限を行使することが望ましいことから、重大な犯罪による被害の発生・拡大を防止するための緊急性を要件として設けるべきである。
- 補充性
- 遠隔解析は、電子計算機の使用者に事前に通知することなくそこに記録された電磁的記録を確認するものであり、いわゆるプライバシーの権利等を制約するものである。
- この調査権限が真に必要な場合に限り行使されるようにするための要件を定めることが望ましいことから、他の方法によっては速やかに被害防止のための情報を収集することが困難であるということを要件として設けるべきである。
- 犯罪被害が発生するおそれ
- 遠隔解析の事前手続
- 遠隔解析は、憲法第31条及び第35条の要請を踏まえれば、遠隔解析ができる場合に該当すると認める理由のほか、取得する電磁的記録の範囲等について、裁判官による事前の司法審査(許可)を受けることとするべきである。また、事前の司法審査においては、憲法第35条の特定性の要請や刑事手続上の既存の強制処分の要件との均衡に照らし、遠隔解析を実施する場合には、その対象となる電子計算機を電話番号、IPアドレスなどの何らかの方法で特定することが要求される。
- 遠隔解析の要件
- 憲法との関係
- 憲法第13条及び第21条第2項との関係
- 個人が所有する端末におけるプライバシーに関する議論は憲法上も比較的未成熟な分野であるが、遠隔解析の対象となる電子計算機に保存されている秘匿性の高い通信アプリの通信内容は、憲法上の通信の秘密に関わるものであるとともに、プライバシーの保護が及ぶものとして考えるべきである。
- その上で、適正手続の下で、必要な限度で通信の秘密やプライバシーを制限しながら捜査を行うことは憲法上も認められており、現行の刑事訴訟法も、住居の捜索や郵便物の差押え、検証、通信傍受等、捜査の具体的な手続を規定することにより、人権の保護と公益の実現の調和を図っている。また、検証による通信傍受や装着型GPS捜査に関する最高裁判例等において、憲法上の比較衡量に関する確立された議論枠組みが存在している。
- 従来の法制及び議論枠組みを踏まえて、通信傍受のように次々と生じる音声や生成されるデータを捕捉し続ける継続的な措置か、保存されたデータを一の機会に取得する非継続的な措置か、また行政手続か刑事手続かという観点に着目して、制度設計における要件や手続を整理していくことが合理的である。
- また、通信の秘密は、憲法上の権利であるが、法律により公共の福祉のために必要かつ合理的な制限を受けることも認められる。
- 行政手続による通信の秘密の制限については、抽象的な議論のみで「許容される」又は「許容されない」との結論を得ることは適切ではなく、具体的な制度設計の各場面において通信の秘密との関係を考慮し、実体的な規律とそれを遵守するための組織上・手続上の仕組みを作ることが必要であり、加えて、明確で詳細なルールとなるよう考慮することが適当である。
- 憲法第31条及び第35条との関係
- 遠隔解析については、法律で定められた手続が適正でなければならないことをも意味すると解されている憲法第31条や、捜索及び押収について厳格な令状主義の原則を定め、一定の行政手続にもその要請が及ぶと解されている憲法第35条との関係が論点となる。
- 遠隔解析による情報の取得の目的は、被疑者の特定・検挙ではなく、犯罪による被害が切迫する者に対して被害防止の措置を講じることである。遠隔解析により取得できる情報は当該目的のために必要なものに限られることや、不要な情報の消去義務が設けられること(後記7(2)に詳述)を前提とすれば、遠隔解析が、刑事責任追及のための資料の収集に直接結びつく作用を一般的に有するものとは認められない。
- しかし、この調査権限に基づく電磁的記録の取得は、いわゆるプライバシーの権利の侵害を伴うものであり、かつ、物理的な差押えと同程度の強制処分と認められることから、一定の行政手続については令状主義の要請も及ぶと解される憲法第35条の法意を考慮する必要があり、事前の司法審査を設けるべきである。
- 憲法第13条及び第21条第2項との関係
- 遠隔解析の導入に当たっての実効性・適正性担保措置
- 実効性の担保
- 遠隔解析が真に被害防止に資する制度となるよう、以下の点に留意する必要がある。
- 厳格な要件、適正な手続を導入することを前提としながら、実効性のある対策を導入する必要がある。
- 技術は日々進化することを踏まえ、その変化に柔軟に対応できる制度とする必要がある。
- 犯人らに容易に対抗措置をとられないよう、技術的措置の詳細については徹底した情報保全を図る必要がある。
- 遠隔解析が真に被害防止に資する制度となるよう、以下の点に留意する必要がある。
- 適正性の担保
- 遠隔解析を行う者の厳格化
- 被害防止の活動に従事する警察官と、遠隔解析を行う警察官との役割を分離した上で、遠隔解析を適正に行うために必要な知識及び能力を有すると認められる警察官を警察庁長官が指名し、遠隔解析の実施権限は当該指名された警察官にのみ認めることとするなど、当該権限の適正な行使を制度的に担保するべきである。
- 取得が認められた情報に該当しない情報の消去
- 遠隔解析により取得する情報の範囲を、目的に照らして必要な範囲内に限る観点から、技術上やむを得ず、取得が認められた情報に該当しない情報を取り扱うこととなった場合においては、その全てを消去することとするべきである。
- また、こうして消去すべき情報が、遠隔解析を行う警察官以外の警察官に提供されることのないようにすることなどを制度的に担保するべきである。
- その他
- 遠隔解析制度については、憲法上の要請や、警察官職務執行法や他の法令における類似制度等を参考に、適正担保措置として一定の事後手続(対象となった電子計算機の使用者への通知、事後的チェック等)を設けるべきである。
- 遠隔解析を行う者の厳格化
- 実効性の担保
▼ 第2回 資料7 警察庁説明資料(御意見を踏まえて整理した制度・運用イメージ)
- 被害防止の責務
- 重大な犯罪による被害が発生・拡大する蓋然性がある。
- 犯行計画の把握等により、被害が切迫している者が特定された。
- 被害切迫者への防犯指導など被害防止策を講じる責務
- 「遠隔解析」の開始に向けた手続
- 情報の分析、対策の検討
- 被害の発生・拡大の高度な蓋然性がある。
- 急を要する。
- 他の方法では速やかに情報が得られない。
- 犯行計画の把握のため遠隔解析を依頼
- 要件の検討
- 遠隔解析の必要性
- 対象端末の特定
- 得情報の特定
- 専門的知見を有する警察官
- 警察庁による組織的統制
- 裁判官に許可状を請求
- 要件の審査(裁判官)
- 許可状の発付
- 情報の分析、対策の検討
- 「遠隔解析」の実施
- 犯人グループが使用する端末にアクセス
- 端末内の情報を確認
- 必要な情報を複写・取得
- 許可状で取得が認められた情報以外を削除
- 捜索・差押えに係る最高裁判例、確立した実務等を踏まえ、制度を運用。
- 被害防止の責務の達成
- 遠隔解析で得た情報(犯行計画)
- 被害切迫者の氏名・住所
- 犯行の日時、手口
- 実行犯の凶器、役割分担 等
- 犯行グループの犯行計画が判明した場合、現場活動等を通じて被害を防止
- 遠隔解析で得た情報(犯行計画)
- 引き続き御議論いただきたい事項
- 基本的な制度・運用の在り方
- 匿名・流動型犯罪グループによる犯罪被害対策のための技術的措置に係る基本的な制度・運用の在り方
- 「遠隔解析」の適正性担保のための事後手続
- 「遠隔解析」の対象となった電子計算機の使用者への通知
- 「遠隔解析」の対象となった電子計算機の使用者への通知の必要性、通知が困難な場合や通知することによって被害防止措置に支障が生じる場合の対応等
- 事後的なチェック
- 「遠隔解析」が適正に実施されていることを担保するための事後的なチェックの在り方
- 「遠隔解析」の対象となった電子計算機の使用者への通知
- 遠隔解析により得られた情報の活用
- 被害防止を目的として行われる「遠隔解析」により取得した情報の活用の在り方
- 基本的な制度・運用の在り方
~NEW~
警察庁 令和8年版警察白書
▼ 特集 深刻化するサイバー空間の脅威と警察の新たなる展開
- 今日、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しており、地政学的緊張を反映したサイバー空間を取り巻く情勢は一層深刻化し、重大な事態へと急速に発展するリスクをはらんでいます。
- 特に、サイバー空間の匿名性を悪用したサイバー攻撃は、実空間で行われる犯罪と比べて露見しにくく攻撃者側が優位にあることから、その脅威が急速に高まっています。具体的には、国家を背景としたサイバー攻撃が平素から行われているとされているほか、ロシアによるウクライナ侵略前に行われたサイバー攻撃等、軍事目的遂行のために軍事的な手段と非軍事的な手段を組み合わせる「ハイブリッド戦」が、今後さらに高度化・巧妙化すると考えられています。
- また、近年、社会全体のデジタル化の進展に伴い、サイバー空間は、地域や年齢を問わず、全国民が参加し、重要な社会経済活動が営まれる公共空間へと変貌を遂げており、地理的・時間的制約の少ないサイバー空間は、社会に様々な便益をもたらしている反面、その匿名性があらゆる犯罪において悪用されています。特に昨年は、特殊詐欺や証券口座に係る不正取引、企業・団体等に対するランサムウェア事案等が発生し、国民生活や経済活動に対して大きな影響を与えました。
- このような情勢において、国民の生命、身体及び財産の保護の任に当たる警察は、あらゆる手段を駆使して、平時から有事に至るまでシームレスに、サイバー空間をめぐる脅威に対処する必要があります。
- フィッシングに係る国際共同捜査
- フィッシングに起因する不正送金被害等が深刻化する中、サイバー特別捜査部では、国際共同捜査をはじめとする国際的なネットワークを活用しフィッシング事案に対処している。
- サイバー特別捜査隊(当時)と大阪府警察の合同捜査本部は、フィッシングツール「16SHOP」を用いたクレジットカード情報不正取得・利用事案について、ICPO(注1)が主導するインドネシア国家警察との国際共同捜査であるオペレーション「Kingfisher(キングフィッシャー)」を実施した。同捜査本部は、同ツールを用いて日本国内の被害者等に対しフィッシングを行い、不正に入手したクレジットカード情報等を用いてECサイトで不正に注文を行ったとみられるインドネシアに所在する同国籍の男(40)を特定し、その結果として、令和5年7月、インドネシア国家警察が同男を逮捕した。本事案は、国際共同捜査の結果としてフィッシング事案の国外被疑者を逮捕した初の事例となった。
- DDoS攻撃(注2)に係る国際共同捜査
- 重要インフラ事業者等に対するDDoS攻撃によるものとみられる被害が確認されている中、サイバー特別捜査部では、国際共同捜査による被疑者の検挙や犯罪インフラの解体等を行っている。
- 日本警察は、EUROPOL(注3)が主導する国際共同捜査であるオペレーション「PowerOFF(パワーオフ)」に参画し、DDoS攻撃を実行するための機能を提供するウェブサービスに関する捜査及び対策を推進している。同オペレーションでは、外国治安機関がDDoS攻撃に用いられるドメイン等をテイクダウン(機能停止)し、テイクダウンの実施を示す「スプラッシュページ」を表示させたほか、当該ドメイン等の管理者の逮捕や当該ウェブサービスの利用者の特定も行っており、日本国内でも、サイバー特別捜査部と関係都道府県警察が当該ウェブサービスの利用者を検挙した。
- また、警察庁では、令和8年4月、当該国際共同捜査を受けて、公式SNSアカウントやグーグルの広告機能を活用してDDoS攻撃に関する注意喚起を行うなど、広報啓発活動を実施した。
- 組織的詐欺等に係る国際共同捜査
- SNS型投資・ロマンス詐欺をはじめとした特殊詐欺の被害が急増する中、サイバー特別捜査部では、国境を越える組織的詐欺等の犯罪に対処している。
- 西アフリカの組織犯罪グループによる金融犯罪に対し、ICPOが主導する国際共同捜査であるオペレーション「Jackal(ジャッカル)」が進められている。日本警察も令和6年4月から同オペレーションに参画しており、サイバー特別捜査部では、我が国で発生したSNS型投資・ロマンス詐欺事案について、関係都道府県警察の捜査によって得られた情報を横断的に分析するとともに、暗号資産追跡を実施した結果、複数の事案の被害金がナイジェリア人名義の暗号資産アカウントに送金されている事実を突き止めた。
- 同情報をナイジェリア警察に提供することで、同警察が同国内の被疑者を逮捕するとともに、日本国内でも関係都道府県警察において送金の仲介者を検挙した。
- ランサムウェアに係る国際共同捜査
- 企業・団体等におけるランサムウェア被害が相次いでいる中、サイバー特別捜査部は、国際共同捜査を通じた被疑者の検挙や暗号化されたデータの復号等に貢献している。
- ランサムウェア攻撃事案に係る復号ツール開発
- 我が国を含め世界各国の企業等に対してランサムウェア被害を与えているサイバー攻撃グループ「LockBit(ロックビット)」について、サイバー特別捜査隊(当時)と関係都道府県警察は、EUROPOL等との国際共同捜査であるオペレーション「Cronos(クロノス)」を推進した。その結果、令和6年2月、関係国の捜査機関が同グループの一員とみられる被疑者2人を逮捕したほか、同グループが使用するサーバ等のテイクダウン(機能停止)を実施し、流出した情報等が掲載されていたリークサイト上に「スプラッシュページ」を表示させた。また、関係国の捜査機関が、同年5月、ランサムウェアの開発・運営を行っていた被疑者の資産を凍結するとともに起訴し、同年10月、関連被疑者4人を逮捕した。
- この事案では、サイバー特別捜査隊(当時)が、LockBitにより暗号化されたデータを復号するツールを独自開発し、国内の被害回復に活用するとともに、令和5年12月には同ツールをEUROPOLに提供した。
- また、令和6年2月、警察庁はEUROPOL等と連携し、世界中の企業等において被害回復が可能となるよう、同ツールについて情報発信を行い、その活用を促す旨の発表を行った。その結果、少なくとも24の被害企業等が同ツールを活用し、約1,290万件の被害データの復号に成功している。
- ランサムウェア攻撃グループ「Phobos」及び「8Base」に係る国際共同捜査
- 平成30年12月頃から、他のランサムウェア攻撃と比べて少額の身代金を、多数の中小規模の組織等に要求するランサムウェア攻撃を仕掛けることが特徴とされる「Phobos(フォボス)」グループによる被害が、欧米において確認され始めた。さらに、令和4年3月頃には、同グループの関連組織「8Base(エイトベース)」による被害も確認され始めた。我が国においても、これらのグループによるものと考えられる被害が認知されたことから、令和5年11月、日本警察は、これらのグループの取締りを目的とした米国等との国際共同捜査に参画した。
- 同国際共同捜査の結果、令和6年11月、米国司法省は、「Phobos」グループの運営者とみられるロシア人を起訴したことを発表し、令和7年2月までに、米国司法省及びスイス連邦警察が、「8Base」グループ運営者等とみられる男ら4人を検挙した。
- サイバー特別捜査部は、IPアドレス等の捜査により、「Phobos」グループの運営者及び同人の居場所の特定に成功し、米国をはじめとする関係国の捜査機関に情報を提供した。また、外国捜査機関から提供された被疑者の暗号資産に関する情報について、詳細な分析を実施した結果、「8Base」グループの暗号資産の移転先となる暗号資産アカウントから同グループ運営者らの特定に成功し、関係国の捜査機関に情報提供した。
- さらに、サイバー特別捜査部では、米国が押収した被疑者のパソコン等のデータの提供を受けて分析を行い、ランサムウェア「Phobos」により暗号化されたデータを復号するツールの開発に成功した。同ツールは、同部の技術部門と捜査部門が緊密に連携し、1年以上にわたって当該ランサムウェアのプログラムの解析を行う中で開発されたものである。令和7年7月、警察庁では同ツールを警察庁ウェブサイトにおいて公開し、国内だけでなく世界各国の被害企業等の被害回復が可能となるよう、国際的に広く周知した(注)。令和8年4月現在、少なくとも17の被害企業等が約717万件の被害データの復号に成功しており、その復号成功率は99.9%を超えている。
- 匿名性の打破に向けた取組
- サイバー空間の匿名性を悪用する匿名・流動型犯罪グループによる犯罪
- 様々な社会経済活動が、サイバー空間を通じて非対面・非接触で行われるものへと移行している中、サイバー空間が組織的詐欺等の犯行に悪用されることで、甚大な被害が生じている。
- 例えば、多くの国民が利用するSNS上では、匿名・流動型犯罪グループによって、仕事の内容を明らかにせず、「高額」、「即日即金」、「ホワイト案件」等、「楽で、簡単、高収入」を強調する表現を用いるなどして、犯罪実行者を募集している実態が認められるほか、首謀者、指示役、犯罪実行者の間の連絡手段には、匿名性が高くメッセージが自動的に消去される仕組みを備えた通信手段が悪用されている実態も確認されている。また、匿名・流動型犯罪グループは、犯罪収益を暗号資産に変換し、海外の暗号資産交換業者の口座に移転させるなどして資金の流れを仮装・隠匿するなど、警察による検挙を免れるため、サイバー空間の匿名性を悪用している。
- 暗号資産の匿名性の仕組みと捜査への障壁
- 暗号資産取引の特徴の一つとして、その利用者の匿名性の高さが挙げられる。暗号資産取引の際には、取引明細に相当するトランザクションがブロックチェーン上に記録・公開されるものの、これらの情報だけでは特定のコインアドレスの使用者を特定することは困難である。
- また、暗号資産に対する規制は各国において異なることから、暗号資産交換業者が所在する国・地域の中には、本人確認等の措置が義務付けられていないものがあるほか、海外の暗号資産交換業者で取引される暗号資産の中には、移転の記録が暗号化されるなど、追跡が困難なものもある。さらに、犯罪収益に係る暗号資産取引の匿名性を高めるため、暗号資産交換を個人が無登録で業として行う、いわゆる「相対屋」を経由しながら送金を行ったり、様々な手段を利用して取引の流れを不透明にすることで送信アドレスと受信アドレスのつながりを隠す「ミキシング」等の匿名性向上技術を用いたりするなどして、暗号資産取引がマネー・ローンダリングに悪用されている実態がある。
- 匿名性を打破するための取組
- サイバー特別捜査部では、こうした犯罪に悪用される暗号資産の移転状況を追跡するとともに、追跡結果の横断的・俯瞰的な分析を行い、その結果を都道府県警察と共有している。こうした分析により、従来の捜査では必ずしも明らかにならなかった複数事案同士の関連性や背景にある組織性及び上位被疑者を浮き彫りにすることができる。
- また、令和7年10月、サイバー特別捜査部の態勢を強化した上で、増強した職員については、警察庁に設置された匿名・流動型犯罪グループ情報分析室の分析業務も担うこととなった。当該職員は、同室が有する他の情報も含めた大量の情報の多角的な分析を行うことにより、サイバー空間の匿名性を打破して、匿名・流動型犯罪グループの中核的人物の検挙につなげられるよう、取組を一層強化している。
- 事案
- 令和4年から5年にかけて発生した、インターネットバンキングに係る不正送金事件について、関係都道府県警察の捜査情報をサイバー特別捜査部で集約・分析し、関係被疑者のSNSアカウントに係る捜査を実施した結果、被疑者らがSIMスワップと呼ばれる手口を用いて組織的に不正送金を行っていた実態を明らかにした。また、犯罪収益である暗号資産の移転状況は、ミキシングにより追跡が困難な状態であったが、サイバー特別捜査部の高度な技術によってその追跡に成功し、犯行グループの指示役とみられる無職の男(44)を特定した。令和6年8月までに、同男ら9人を不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)等で逮捕した(サイバー特別捜査部、警視庁、広島、北海道、宮城、茨城、群馬、千葉、静岡、大阪、兵庫、奈良、岡山、愛媛、福岡、長崎及び熊本)。本件は、サイバー特別捜査部において、日本国内に所在する被疑者を逮捕した初の事案である。
- オンラインのフリーマーケットサービスへの架空出品や他人名義のクレジットカード情報の不正利用を行っていた犯行グループについて、関係府県警察による捜査を通じて得られた情報をサイバー特別捜査部が集約・分析する中で、匿名性の高い暗号資産(モネロ)に換えられた犯罪収益の流れを解明した。その結果、同グループの首謀者の男(26)を特定し、令和6年10月、同男を電子計算機使用詐欺罪で逮捕した。また、本件の関連被疑者については、首謀者の男の指示により、収受した犯罪収益で暗号資産を購入したとして電子計算機使用詐欺罪を適用して逮捕した上、首謀者の男が管理していた犯罪収益である暗号資産の追徴保全を行った(サイバー特別捜査部、青森、宮城、埼玉、滋賀、京都、福岡、佐賀、長崎及び熊本)
- いわゆる「闇バイト」として口座の売買を行う者を募り、匿名性の高いSNSを利用して金融機関口座や暗号資産アカウントを不正に調達し、特殊詐欺集団らに対して販売していた犯罪集団について、関係道県警察とサイバー特別捜査部による合同捜査本部が捜査を行った。サイバー特別捜査部において、都道府県警察やJC3から提供された情報を集約・分析するとともに、高度な専門的知識・技術を用いて暗号資産を追跡したことなどにより、関連被疑者を特定した。令和7年10月、首謀者の男(32)ら7人を詐欺罪及び犯罪収益移転防止法違反(なりすまし目的・有償による譲受け)で逮捕した(愛知、サイバー特別捜査部、北海道、埼玉、神奈川、岐阜、岡山、山口、福岡、長崎及び沖縄)
- 令和7年3月以降、証券会社をかたるフィッシングメールの送信や証券口座への不正アクセス及び不正取引が急増した。これを受けて、関係機関の協力を得て、関係都府県警察が捜査を推進した結果、令和7年11月、中国籍の男(38)らを金融商品取引法違反(相場操縦)及び不正アクセス禁止法違反(不正アクセス行為)で逮捕した(警視庁、サイバー特別捜査部、埼玉、千葉、神奈川、山梨、愛知、大阪、兵庫、奈良及び広島)。同男らは、自身が管理する証券口座を用いて、相場操縦の対象となる株(以下「対象株」という。)を大量に買い付けた後、他人の証券口座に不正アクセスし、その証券口座に保有されていた株を売却するなどして資金を確保した上で、対象株を大量に買い付け、株価を上昇させた。その後、同男が保有していた対象株について、高値で売り注文を行うとともに、不正アクセスした他人の証券口座において対象株を買い付けることで取引を成立させ、対象株の購入額と売却額の差額を利益として得ていた。サイバー特別捜査部は、本件を含め、多発した証券口座への不正アクセスや不正取引に関し、証券会社をかたるフィッシングメールやフィッシングサイトに関するデータの解析、暗号資産の送信先アドレスの分析、全国で発生した同種事案の情報集約・分析等により、関係都道府県警察による捜査に貢献している。
- サイバー空間の匿名性を悪用する匿名・流動型犯罪グループによる犯罪
- 重大なサイバー攻撃の発生事例
- サイバー空間は、重要な社会経済活動が営まれる公共空間である一方で、サイバー空間をめぐる脅威は、極めて深刻な情勢にあり、世界各地で機密情報や暗号資産の窃取、重要インフラの機能停止等を企図したとみられるサイバー攻撃が相次いで発生している。
- 機密情報の窃取を企図したとみられるサイバー攻撃
- 令和6年(2024年)7月、米国連邦捜査局は、英国、韓国等の関係機関と共に、北朝鮮を背景とするサイバー攻撃グループ「Andariel」によるサイバー攻撃に関する注意喚起を行った。同サイバー攻撃グループは、北朝鮮の軍事・原子力施策を発展させる目的で、米国、英国、韓国を含む世界各国の防衛、航空宇宙、原子力等の産業分野を標的として、機密情報等を窃取したとみられている。
- 暗号資産の窃取を企図したとみられるサイバー攻撃
- 令和6年(2024年)3月に発表された国際連合安全保障理事会北朝鮮制裁委員会専門家パネルによる最終報告書では、北朝鮮における外貨収入の約半分はサイバー攻撃により獲得され、こうした外貨が大量破壊兵器計画に使用されているという見解等が示されている。
- また、令和7年(2025年)10月、多国間制裁監視チーム(MSMT)は、令和6年(2024年)1月から令和7年(2025年)9月にかけて、北朝鮮が少なくとも28億米国ドル相当の暗号資産を窃取した旨の報告書を公表した。
- 重要インフラの機能停止等を企図したとみられるサイバー攻撃
- 令和4年(2022年)5月、EUやウクライナ等は、ウクライナ侵略の約1時間前にロシアが行った、国際衛星通信へのサイバー攻撃について非難声明を発表した。当該サイバー攻撃は、ウクライナの公共機関等に通信障害を引き起こすなど、軍事的侵略を助長したとされている。
- また、令和6年(2024年)2月、米国国土安全保障省サイバーセキュリティ・インフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)及び複数国の関係機関は、中国を背景とするサイバー攻撃グループ「Volt Typhoon」による米国の重要インフラ事業者への侵害が確認されたことを公表し、注意喚起を行った。同サイバー攻撃グループは、有事の際に重要インフラに対するサイバー攻撃を行うため、事前に重要インフラ事業者等のネットワークにアクセスできるようにしている。また、同サイバー攻撃グループは、そのためにLiving Off The Land戦術等を用いるなど、サイバー攻撃の検知を回避するための高度な能力を有しているとみられている。
- 機密情報の窃取を企図したとみられるサイバー攻撃
- サイバー空間は、重要な社会経済活動が営まれる公共空間である一方で、サイバー空間をめぐる脅威は、極めて深刻な情勢にあり、世界各地で機密情報や暗号資産の窃取、重要インフラの機能停止等を企図したとみられるサイバー攻撃が相次いで発生している。
▼ 第3章 サイバー空間の安全の確保
- サイバー事案等の検挙状況
- 令和7年(2025年)中のサイバー事案の検挙件数は、4,154件であった。
- 令和7年中の不正アクセス禁止法違反の検挙件数は431件と、前年より132件(23.4%)減少し、検挙人員は248人と、前年より11人(4.2%)減少した。検挙件数を不正アクセス行為の手口別内訳でみると、他人の識別符号を無断で入力する「識別符号窃用型」を手口とする不正アクセス行為の検挙件数が399件(92.6%)と最多であった。
- また、令和7年中の不正アクセス行為の認知件数は7,190件であり、これを不正アクセス行為後の行為別にみると、「インターネットバンキングでの不正送金等」が4,747件(66.0%)と最多であった。
- 令和7年中のコンピュータ・電磁的記録対象犯罪の検挙件数は1,253件と、前年より98件(8.5%)増加した。
- サイバー犯罪の検挙件数は増加傾向にあり、令和7年中の検挙件数は1万5,108件と、前年より1,944件(14.8%)増加し、過去最多を記録した。
- インターネットバンキングに係る不正送金事犯の情勢
- 令和7年におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は4,747件と、依然として高い水準で推移している。また、ボイスフィッシング(注)による法人口座の不正送金被害が急増したことなどにより、被害額は約103億9,700万円と、過去最高となった。
- クレジットカードに係る不正利用被害の情勢
- 一般社団法人日本クレジット協会によれば、令和7年中のクレジットカードに係る不正利用被害総額は約510億5,000万円と、依然として深刻な状況にある。そのうち、番号盗用による被害額は約475億4,000万円であり、その被害の多くは、クレジットカード会社等を装ったフィッシングによるものと考えられる。
- ランサムウェアの情勢
- 令和7年中のランサムウェアによる被害の報告件数は226件(令和7年上半期116件、下半期110件)であり、引き続き高い水準で推移している。こうした被害において、暗号化したデータを復元する対価として企業等に金銭等を要求する手口のほか、データを企業等から窃取した上で「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと対価を要求する手口であるダブルエクストーション(二重恐喝)が認められる。対価を要求する手口を警察として確認したランサムウェアによる被害の報告件数153件のうち、ダブルエクストーションの手口によるものは136件であり、88.9%を占めている。
- また、ランサムウェアによる被害の報告件数を被害企業・団体等の規模別にみると、大企業は64件、中小企業は143件と、企業・団体等の規模を問わず被害が発生している。
- さらに、企業・団体等におけるランサムウェア被害の実態を把握するため、被害企業・団体等を対象としてランサムウェアの感染経路に関するアンケート調査を実施したところ、有効回答数92件のうち、VPN機器を利用されて侵入された事例は61件(66.3%)、リモートデスクトップサービスが利用されて侵入された事例は19件(20.7%)と、テレワークに利用される機器等のぜい弱性や強度の弱い認証用パスワード等の情報を利用して侵入したと考えられるものが大半を占めている。
- 加えて、企業・団体等のネットワークに侵入し、データを暗号化することなくデータを窃取した上で対価を要求する手口(ノーウェアランサム)による被害が、令和7年中17件確認されている。
- 警察庁が検知した不審なアクセス
- 警察庁では、インターネット上にセンサーを設置し、当該センサーに対して送られてくる通信パケットを収集している。このセンサーは、外部に対して何らサービスを提供していないため、本来であれば外部から通信パケットが送られてくることはない。したがって、このセンサーを利用することで、ぜい弱性を有するIoT機器を攻撃者が探索する場合等に不特定多数のIPアドレスに対して無差別に送信される、不審な通信パケットを観測することができる。
- このような不審なアクセスは、引き続き観測されており、中には、IoT機器の設定変更等を行うための管理用のポート番号を宛先として、ユーザ名・パスワードを送信してIoT機器へのログインを試行したことが疑われる動向も観測されている。
- 警察では、こうした通信パケットを分析することで、サイバー攻撃の予兆となるぜい弱性の探索行為やサイバー攻撃の内容、不正プログラムに感染したコンピュータの動向等を把握し、これらの分析結果から、攻撃者の活動実態等を把握する取組を推進している。
- サイバーテロ・サイバーエスピオナージの情勢
- 重要インフラの基幹システムを機能不全に陥れ、社会の機能を麻痺させるサイバーテロや情報通信技術を用いて政府機関や先端技術を有する企業から機密情報を窃取するサイバーエスピオナージ事案が、世界的規模で発生している。
- サイバーテロの情勢
- 情報通信技術が浸透した現代社会において、重要インフラの基幹システムに対する電子的攻撃は、インフラ機能の維持やサービスの供給を困難とし、国民の生活や社会経済活動に重大な被害をもたらすおそれがある。海外では、電力会社がサイバーテロの被害に遭い、広範囲にわたって停電が発生するなど国民に大きな影響を与える事案が発生している。
- サイバーエスピオナージの情勢
- 近年、情報を電子データの形で保有することが一般的となっている中で、軍事技術への転用も可能な先端技術や、外交交渉における国家戦略等の機密情報の窃取を目的としたサイバーエスピオナージの脅威が世界各国で問題となっている。また、我が国に対するテロの脅威が継続していることを踏まえると、現実空間でのテロの準備行為として、重要インフラ事業者等の警備体制等の機密情報を窃取するためにサイバーエスピオナージが行われるおそれもある。我が国においても、不正プログラムや不正アクセスにより、機密情報が窃取された可能性のあるサイバーエスピオナージ事案が発生している。
- サイバーテロの情勢
- 重要インフラの基幹システムを機能不全に陥れ、社会の機能を麻痺させるサイバーテロや情報通信技術を用いて政府機関や先端技術を有する企業から機密情報を窃取するサイバーエスピオナージ事案が、世界的規模で発生している。
▼ 第4章 組織犯罪対策
- 暴力団等対策
- 暴力団構成員及び準構成員等の過去10年間の推移は、その総数は平成17年(2005年)以降減少し、令和7年(2025年)末には、暴力団対策法が施行された平成4年以降最少となった。この背景としては、全国警察による集中的な取締りや暴力団排除の取組の進展により、暴力団からの構成員の離脱が進んだことなどが考えられる。
- また、六代目山口組からの分裂組織を含む主要団体等の暴力団構成員及び準構成員等の総数に占める割合は、令和7年末も7割を超えており、寡占状態は継続している。
- 令和7年中に解散・壊滅をした暴力団の数は70組織であり、これらに所属していた暴力団構成員の数は119人である。このうち主要団体等の傘下組織の数は51組織(72.9%)である。
- 令和8年6月1日現在、暴力団対策法の規定に基づき24団体が指定暴力団として指定されている。令和7年中は14団体が、令和8年中は6月1日までに3団体が、それぞれ指定の有効期間を満了したことから、引き続き指定を受けた。
- 暴力団構成員及び準構成員その他の周辺者(以下「暴力団構成員等」という。)の検挙人員は、令和7年中は7,335人と、前年と比べ914人(11.1%)減少した。
- また、平成7年以降の検挙人員の罪種別割合をみると、図表4-4のとおりであり、恐喝、賭博及びノミ行為等の割合が減少傾向にあるのに対し、詐欺の割合が増加傾向にあり、暴力団が資金獲得活動を変化させている状況がうかがわれる。
- 暴力団は、組織の継承等をめぐって銃器を用いた対立抗争事件を引き起こしたり、自らの意に沿わない事業者を対象とする報復・見せしめ目的の襲撃等事件を起こしたりするなど、自己の目的を遂げるためには手段を選ばない凶悪性がみられる。近年の対立抗争事件、暴力団等によるとみられる事業者襲撃等事件等の発生状況は、図表4-5のとおりである。これらの事件の中には、銃器が使用されたものもあり、市民生活に対する大きな脅威となるものであることから、警察では、重点的な取締りを推進している。
- 外国人犯罪対策
- 令和7年(2025年)中の来日外国人による刑法犯の検挙件数に占める共犯事件の割合は45.3%と、日本人(11.5%)の約3.9倍に上っている。罪種別にみると、万引きで31.8%と、日本人(3.6%)の約8.7倍に上る。
- このように、来日外国人による犯罪は、日本人によるものと比べて組織的に行われる傾向がうかがわれる。
- 来日外国人で構成される犯罪組織についてみると、出身国や地域別に組織化されているものがある一方で、より巧妙かつ効率的に犯罪を行うために様々な国籍の構成員が役割を分担するなど、構成員が多国籍化しているものもある。このほか、面識のない外国人同士がSNSを通じて連絡を取り合いながら犯行に及んだ例もみられる。
- また、近年、他国で行われた詐欺事件による詐取金の入金先口座として日本国内の銀行口座を利用し、詐取金入金後にこれを日本国内で引き出してマネー・ローンダリングを行うといった事例があるなど、犯罪行為や被害の発生場所等の犯行関連場所についても、日本国内にとどまらず複数の国に及ぶものがある。
- 来日外国人で構成される犯罪組織が関与する犯罪インフラ事犯には、地下銀行による不正な送金、偽装結婚、偽装認知、不法就労助長、旅券・在留カード等偽造等がある。
- 地下銀行は、不法滞在者等が犯罪収益等を海外に送金するために利用されている。また、偽装結婚、偽装認知及び不法就労助長は、在留資格の不正取得による不法滞在等の犯罪を助長しており、これを仲介して利益を得るブローカーや暴力団が関与するものがみられるほか、近年では、在留資格の不正取得や不法就労を目的とした難民認定制度の悪用が疑われる例も発生している。偽造された旅券・在留カード等は、身分偽装手段として利用されるほか、不法滞在者等に販売されることもある。
- 令和7年中の来日外国人による刑法犯の検挙状況をみると、ベトナム人やタイ人による窃盗犯等の増加に伴い、検挙件数・検挙人員共に増加した。また、特別法犯の検挙状況を同様にみると、ベトナム人や中国人による入管法違反等の減少に伴い、検挙件数・検挙人員共に減少した。
- 令和7年中の来日外国人犯罪の検挙状況を国籍・地域別にみると、図表4-9のとおりである。特にベトナム及び中国の2か国で、検挙件数・検挙人員共に全体の約半数を占めている。
- また、刑法犯検挙件数(罪種別)をみると、侵入窃盗及び万引きについてはベトナムが、詐欺についてはベトナム及び中国が、それぞれ高い割合を占めている。
- 令和7年中の刑法犯検挙人員を在留資格別にみると、「永住者」が最も多い。刑法犯の包括罪種別検挙件数では、来日外国人及び永住者共に窃盗犯が5割以上を占め最多であり、来日外国人と永住者を比較して窃盗犯を手口別にみると、来日外国人については侵入窃盗が、永住者については非侵入窃盗のうち万引きが、それぞれ高い割合を占めている。
- また、永住者と来日外国人の刑法犯検挙件数に占める共犯事件の割合を比較すると、来日外国人の方が高く、中でも、窃盗犯の万引きについては、来日外国人が31.8%、永住者が3.2%と、その割合に大きな差がみられる。
- そのほか、永住者が、不法残留者等を雇い入れる不法就労助長事案や偽装結婚のあっせん事案等の犯罪インフラに関与し、不法残留者や来日外国人を利用して利益を得ていた事例がみられる。
- 薬物銃器対策
- 令和7年(2025年)中の薬物事犯の検挙人員は1万4,574人と、引き続き高い水準にあり、我が国の薬物情勢は依然として厳しい状況にある。特に20歳代以下の若年層による大麻事犯が相次いで検挙されたほか、大麻事犯の検挙人員が警察庁が保有する昭和33年(1958年)以降の統計で最多となった。薬物は、乱用者の精神や身体をむしばむばかりでなく、幻覚、妄想等により、乱用者が殺人、放火等の凶悪な事件や重大な交通事故等を引き起こすこともあるほか、薬物の密売が暴力団等の犯罪組織の資金源となることから、その乱用は社会の安全を脅かす重大な問題である。
- 令和7年中の薬物事犯の検挙人員(1万4,574人)のうち、暴力団構成員等が14.6%(2,124人)を占めている。また、密売関連事犯の検挙人員(891人)のうち、暴力団構成員等が29.1%(259人)を占めているところ、これらを薬物事犯別でみると、覚醒剤の密売関連事犯の検挙人員(385人)のうち43.6%(168人)を、大麻の密売関連事犯の検挙人員(445人)のうち17.1%(76人)を、それぞれ暴力団構成員等が占めており、覚醒剤や大麻の密売に暴力団が深く関与していることがうかがわれる。
- 令和7年中の来日外国人による薬物事犯の検挙人員は1,142人と、前年より195人(20.6%)増加した。このうち、営利目的輸入事犯の検挙人員は278人であり、国籍・地域別でみると、ベトナムが34.9%(97人)を占めているほか、密売関連事犯の検挙人員は51人であり、国籍・地域別でみると、ベトナムが33.3%(17人)を占めている。
- 令和7年中の薬物密輸入事犯の検挙件数は464件と、前年より137件(41.9%)増加し、検挙人員は536人と、前年より141人(35.7%)増加した。
- 覚醒剤密輸入事犯の検挙状況の推移は、図表4-19のとおりである。令和7年中は、検挙件数・人員・押収量ともに前年より減少しているものの、押収量が年間1トンを超える状況が続いているなど、覚醒剤に対する根強い需要が存在しているものと考えられる。
- 令和7年中、覚醒剤事犯の検挙人員は前年より増加し、全薬物事犯の検挙人員の43.9%を占めている。覚醒剤事犯の特徴としては、検挙人員に占める暴力団構成員等の割合が高いことのほか、30歳代以上の検挙人員が多いことや、他の薬物事犯と比べて再犯者の占める割合が高いことが挙げられる。
- 令和7年中、大麻事犯の検挙人員は、全薬物事犯の検挙人員の46.9%を占め、前年に続いて高い水準にある。近年、面識のない者同士がSNSを通じて連絡を取り合いながら大麻の売買を行う例もみられる。大麻事犯の特徴としては、他の薬物事犯と比べて、検挙人員のうち初犯者や20歳代以下の若年層の占める割合が高いことが挙げられる。
- 令和7年中、コカイン事犯の検挙人員は、全薬物事犯の検挙人員の5.5%を占め、令和3年以降増加傾向にあり、押収量も令和3年と比べて約23倍に増加し、2年連続で200キログラムを超えている。また、検挙人員のうち20歳代以下の若年層の占める割合が高いことが挙げられるなど、コカインの乱用拡大が懸念される。
- 我が国で乱用されている薬物の大半が海外から流入していることから、警察では、これを水際で阻止するため、税関、海上保安庁等の関係機関との連携を強化するとともに、国際捜査共助等の積極的な実施や国際会議への参加を通じた情報交換等による国際捜査協力を推進している。令和8年1月には、警察庁のODA事業として、29の国及び4つの機関の参加を得て、第28回アジア・太平洋薬物取締会議(ADEC)を東京都で開催し、薬物情勢、捜査手法及び国際協力に関する討議を行った。
- また、薬物犯罪組織の壊滅を図るため、組織犯罪の取締りに有効な通信傍受等の捜査手法を積極的に活用し、組織の中枢に迫る捜査を推進している。さらに、薬物犯罪組織に資金面から打撃を与えるため、麻薬特例法の規定に基づき、業として行う密輸・密売等(注2)やマネー・ローンダリング事犯の検挙、薬物犯罪収益の没収(注3)・追徴(注4)等の対策を推進している。
- このほか、インターネットを利用した薬物密売事犯対策として、サイバーパトロールやインターネット・ホットラインセンター(IHC(注5))からの通報等により薬物密売情報の収集を強化し、密売人の取締りを推進している。
- 令和7年中は、銃器発砲事件が1件発生したが、暴力団等によるとみられる事件の発生はなかった。
- 犯罪収益対策
- 暴力団や匿名・流動型犯罪グループ等の犯罪組織を弱体化させ、壊滅に追い込むためには、犯罪収益の移転を防止するとともに、これを確実に剥奪することが重要である。警察では、犯罪収益移転防止法、組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法を活用し、関係機関、事業者、外国のFIU等と協力しながら、総合的な犯罪収益対策を推進している。
- 国家公安委員会では、犯罪収益移転防止法に基づき、毎年、犯罪収益の移転に係る手口等に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者等が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪収益の移転の危険性の程度等、当該調査及び分析の結果を記載した犯罪収益移転危険度調査書を作成・公表している。
- また、国家公安委員会では、関係機関と連携し、犯罪収益移転防止法に基づき、顧客等の取引時確認、疑わしい取引の届出等を行う特定事業者に対する研修会等を実施しているほか、特定事業者が犯罪収益移転防止法上の義務に違反していると認めた場合には、当該特定事業者に対して報告を求めるなどの必要な調査を行うとともに、当該特定事業者を所管する行政庁に対して、是正命令等を行うべき旨の意見陳述を行っている。
- 犯罪収益移転防止法に定める疑わしい取引の届出制度により特定事業者がそれぞれの所管行政庁に届け出た情報は、国家公安委員会が集約して整理・分析を行った後、都道府県警察や検察庁をはじめとする捜査機関等に提供され、各捜査機関等において、マネー・ローンダリング事犯の捜査等に活用されている。疑わしい取引の届出の年間通知件数は、図表4-24のとおりであり、増加傾向にある。
- マネー・ローンダリング事犯の検挙事件数は、図表4-26のとおりであり、令和7年中は1,792件(前年比509件(39.7%)増加)であった。前提犯罪(注)別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが795件、窃盗に係るものが544件、電子計算機使用詐欺に係るものが302件となっている。
- 令和7年中におけるマネー・ローンダリング事犯の検挙事件数のうち、暴力団構成員等が関与したものは83件と、全体の4.6%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが24件、窃盗に係るものが18件、電子計算機使用詐欺に係るものが11件と、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。
- また、令和7年中における来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯は305件と、全体の17.0%を占めている。前提犯罪別にみると、主要なものとしては詐欺に係るものが158件、窃盗に係るものが86件、電子計算機使用詐欺に係るものが51件となっている。さらに、不正入手した他人の電子決済コードを利用したり、国内の不動産購入を希望する外国人から手付金の支払を請け負い、その手付金に犯罪収益を充てた上で、地下銀行に対価を送金させて外貨両替したりするなど、様々な手口を使ってマネー・ローンダリング事犯を行っている実態がうかがわれる。
- 犯罪収益が、犯罪組織の維持・拡大や将来の犯罪活動への投資等に利用されることを防止するためには、これを剥奪することが重要である。警察では、没収・追徴の判決が裁判所により言い渡される前に犯罪収益の隠匿や費消等が行われることのないよう、組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法に定める起訴前の没収保全措置を積極的に活用し、没収・追徴の実効性を確保している。
~NEW~
警察庁 警察庁チャットボットの運用開始について
- 概要
- 国民の利便性向上、自治体の負担軽減等を図るために運用されている、「国・地方共通相談チャットボット」(通称「Govbot(ガボット)」)を利用し、「警察庁チャットボット」の運用を開始することとした。
- 運用開始日
- 令和8年8月27日(木)
- 警察庁チャットボットURL:https://www.npa.govbot.go.jp
~NEW~
警察庁 警察活動におけるウェアラブルカメラ活用の試行結果について
- 試行の概要
- 地域警察活動
- 実施警察:警視庁、大阪、福岡
- 実施期間:令和7年9月から11月まで(3か月間)
- 交通取締り活動
- 実施警察:愛知、新潟、高知
- 実施期間:令和7年9月から令和8年3月まで(6か月間)
- 地域警察活動
- 試行中の主な活用事例
- 薬物事件の被疑者が、任意同行の任意性を否定したため、同行を求めた際の状況が記録された映像を事後的に確認
- 交通取締り活動が記録された映像を幹部が定期的に視聴し、取締りの適正性を確認
- 職務質問を端緒として薬物事件の検挙に至った映像を、職務質問の手法に関する教養資料として活用
- 公務執行妨害事件において、警察官に対する加害状況が記録された映像を刑事事件の証拠として活用
- 試行に対する反響等
- モデル事業を実施した都府県警察から、「職務執行状況の客観的な確認が可能になった」「映像は実践的な教養資料としての活用価値が高い」などの意見や、更なる軽量化の要望があった。
- 街頭活動中に「警察官もカメラを付ける方がよい」と声を掛けられたり、交通取締りを受けた人から「見るだけでなく、映像が残るのはよい」との意見が寄せられたりした。他方、けんかの取扱いの際に「なぜ撮っているのか」、職務質問中に「録音するなら話さない」などと言われることもあった。
- 今後の予定
- 警察活動におけるウェアラブルカメラ活用の有用性が認められたため、実装に向け、予算の確保、運用ルールの整備等の取組を推進する。
~NEW~
内閣官房 CBRNEテロ対策会議
▼ 資料2 CBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプラン(概要)
- アクションプランの位置づけ
- 有識者からのヒアリング、関係機関の図上訓練の教訓、CBRNE議連による提言などを踏まえ、政府が当面取り組むべき施策を取りまとめたもの
- 本取りまとめに基づき、地方自治体、医療機関等の協力を得てCBRNEテロによる災禍から国民を守り抜くため各種対策を強力に推進していく。
- 本取りまとめについては、情勢等に応じ不断に見直す必要があるため「中間とりまとめ」としており、検討・調整を要するものについては、テーマごとに実務者級での検討を進めた上で、関係副大臣会議において協議・調整する。
- アクションプランの全体像
- 司令塔機能の強化
- 専門的知見の活用
- 関係機関の情報の共有・連携
- インテリジェンス機能の強化
- 国が責任をもって対処する体制の整備推進
- 危機対応医薬品等の確保の推進及び医療提供体制の強化
- 危機対応医薬品の確保の推進
- 事故・災害対処用の医薬品の備蓄を活用する枠組みの構築
- 医療提供体制の強化
- 対処能力の向上
- 実践的な訓練の推進
- 装備資機材の充実
- 研修の充実を通じた人材育成
- CBRNEの性質に応じた対処の徹底
- 危機対応医薬品等の搬送体制の具体化
- 原因物質に関する検知の高度化と情報の共有
- 除染・監視活動における連携強化
- その他CBRNEテロから国民を守り抜くための諸対策の推進
- CBRNEテロの標的となり得る場所等における対策の推進
- CBRNEテロの手段を封じ込めるための対策の推進
- 国際連携の推進
- 司令塔機能の強化
- CBRNEテロ対策の強化に向けた主な施策
- 専門的知見の活用
- CBRNEテロ発生時、政府の対策本部会議(総理主宰)に助言・提言を行う専門家会議を創設(各分野の専門家を専門家会議の構成員候補者としてリスト化)
- 平素からCBRNE専門家ネットワーク等との連携を強化(定期的な意見交換、助言を対策・訓練シナリオへ反映)
- インテリジェンス機能の強化
- 政策部門及び情報コミュニティ間における情報集約・共有機能の促進等
- テロに用いられるおそれのあるCBRNE脅威やこれを助長する技術を情報収集・分析するため関係省庁会議を新設
- 国際的な動向、研究開発動向なども踏まえて評価、関係省庁と共有ア
- 救命救助に当たる医療従事者等に対する警察保有情報の積極的な共有
- CBRNEテロ発生時、警察機関から救命救助に当たる消防、医療従事者等に対し、周辺の安全に関する情報や治療に有用となり得る情報を必要な範囲で適時適切に共有
- 実践的な訓練、装備資機材、研修の充実
- 原因物質不明の状況下等を想定し、多様なシナリオの下で訓練を推進
- 初期対処する警察、消防等が安全かつ迅速・実効的に活動する資機材を充実
- CBRNEテロ対処部隊の装備資機材を充実強化
- 原因物質検知の高度化
- 研修充実による人材育成
- 危機対応医薬品等の確保の推進・搬送体制の具体化
- 症状の緩和・治療に必要な危機対応医薬品等の備蓄等を強化
- 事故・災害用の医薬品を必要に応じテロ発生時に供出できる枠組みを構築
- 医薬品の特性や備蓄量等を踏まえた搬送方法や流通在庫の払出し方法を検討するため、関係省庁会議を新設
- CBRNEテロの手段を封じ込めるための対策の強化
- 小型無人機を使用したテロ等への対処
- AI、その他先端科学技術等の悪用への対策
- 国際連携の推進
- 医療提供体制の強化多数の傷病者
- 傷病者の受け入れが想定される医療機関が、機能及び対応能力に応じた適切な傷病者対応が可能となるよう、研修の拡充、医療機関間の連携強化等を推進し、対応可能医療機関を拡充
- 医療機関の資機材及び診療手順の見直し、訓練参加経費の負担軽減等により医療機関の対応力を更に向上
- 小型無人機を使用したテロ等への対策
- 小型無人機等飛行禁止法に基づく適切な施設の指定、情勢に応じた警戒警備
- 検知及び対処に有効な装備資機材の調査・研究等対策検討
- AIを悪用したCBRNEテロへの対策
- 研究開発動向を把握し、悪用防止策を検討
- その他先端科学技術等の悪用対策の検討
- テロへの悪用が懸念される先端科学技術について悪用防止対策を検討
- 国際連携の推進
- 大量破壊兵器等の拡散防止に向けた取組の強化
- 国際社会におけるテロ対策に係る協力の推進
- 専門的知見の活用
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内閣官房 中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース(第4回)議事次第
▼ 資料1 経済産業省提出資料
- 我が国の原油調達の動向
- ホルムズ海峡を経由しない代替調達について、官民連携のもと最大限取り組んでおり、中東や米国に加え、アジア太平洋、中南米、中央アジア、アフリカ、カナダ等からも原油が届くなど、原油の調達先の多角化が進展。
- 7月には前年平月比で10割超の原油調達が実現でき、8月についても、前年平月比10割超の調達が実現できる見通し。
- 9月及び10月については、バブ・エル・マンデブ海峡を通過して調達される予定だった原油タンカーがスエズ運河を経由するルート等に切り替えられたことで1カ月程度到着が遅れる見込みであるが、9月については、既備蓄放出分で対応することで前年平月比並の原油供給量が確保され、10月については、スエズ経由のタンカーが到着する目途が立っていること等から、再び前年平月比10割超の調達が実現できる見通し。
- これを踏まえ、引き続き、9月・10月についても国家備蓄放出の決定を行わないこととする。
- 緊急的な激変緩和措置について
- 緊急的な激変緩和措置を3月19日(木)から実施。
- ガソリン小売価格を全国平均で1リッター当たり170円程度に抑制するための補助を実施。軽油、灯油、重油はガソリンと同額、航空機燃料はその4割を補助。
- これにより、制度開始前の3月16日(月)に190.8円であったガソリンの全国平均小売価格は、170円程度、軽油、灯油もそれぞれ160円程度、140円程度の水準に低下。
- <ナフサ由来の化学製品の供給見通し>
- 国内でのナフサの精製を継続していることに加え、代替調達の加速、川中在庫の活用(1.7か月分)、川中の製品調達により供給を維持。
- このため、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は、「年度を越えて」、供給継続が可能である見込み。
- <ナフサ国際価格の推移>
- 2月27日(中東情勢発生前日)のナフサのスポット価格は558.28ドル/t。
- 4月8日に1011.5ドル/tまで上昇したが、足下8月21日時点では757.20ドル/tで、2月27日比+28%。
- 史上最高値は、2008年7月の1,180ドル/t、ウクライナ危機の最高値は2022年2月の1,078ドル。
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内閣官房 地域未来戦略に関する関係副大臣等会議(第6回)・地域未来戦略に関する総理報告 議事次第
▼ 資料4 地域未来戦略予算パッケージ
- 課題
- 地域未来戦略(令和8年7月21日閣議決定)を実行に移し、強い地域経済を構築していく上で、例えば以下のような課題がある。
- 戦略産業クラスター計画の具体的な立地に協力して産業振興・集積を進めたい地方公共団体や企業にとって、既存の予算では必要となるインフラや拠点が必ずしも十分に整備されておらず、整備される見通しも不透明なため、具体的な立地・投資に繋がりにくく、また世界市場レベルの競争スピードを上回る立地・投資が難しい。
- 地方公共団体が、主体的かつ主導権を持って、地域をけん引する産業や競争力のある地場産業等を中長期的な視点で育成・振興していくために必要な政策手段が不足している。
- 従前の予算等では、成長戦略や地域未来戦略が存在していなかったためにサプライチェーン構成企業や地域産業クラスターの核となる企業等への重点配分が想定されておらず、関連する企業が一定の見通しを持って投資に取り組むための環境が不十分。
- 人材育成の分野では、従前の教育・人材育成施策の実施のみでは産業人材への需要が満たされず、地域未来戦略を実施していく上でのボトルネックとなりかねない。
- これらの課題を正面から受け止め、政府自らがチャレンジの先頭に立つと共に、我が国全体がチャレンジする人、企業、地方公共団体を応援していく体制を整えるため、以下の予算措置を実現していく必要がある。
- 地域未来戦略(令和8年7月21日閣議決定)を実行に移し、強い地域経済を構築していく上で、例えば以下のような課題がある。
- 必要な予算措置
- 地域未来戦略の推進に必要な予算を別枠で確保するため、『「強く豊かな日本」投資枠』において、既存の予算とは別枠かつ追加的な予算として、「地域未来特別枠」を設ける。
- 地域未来戦略の計画的な実行のため、地方公共団体・企業等の関係者にとって予見可能性の高い複数年度にわたる事業費及び予算規模を明記した「地域未来戦略実現フレーム」(仮称)を年末までに策定する。
- 大胆な投資と一体でのインフラ・拠点整備
- 「戦略産業クラスターインフラ整備費」(仮称)の創設
- 戦略産業クラスター計画の実行に必要なインフラ整備を推進する「戦略産業クラスターインフラ整備費」(仮称)を創設する。
- 地域未来交付金(地域産業構造転換インフラ整備推進型)の制度を基本として、対象を道路、工業用水、下水道に限定せず上水道、港湾等も含めた事業全般に拡大する。
- 既存の予算では措置されない分を、既存の予算とは別枠かつ追加的に「地域未来特別枠」として措置し、地域未来戦略を優先的かつ計画的に進める仕組みとする。
- あわせて、地方公共団体の負担には適切な地方財政措置を講ずる。
- 事業の例
- 新たな産業立地に合わせて必要となる道路の新設、交通量増加対応分、工期加速化分、インターチェンジ増設分等
- 新たな産業立地に合わせて必要となる港湾の荷捌き量増加や、荷出し貨物に応じた船舶大型化等に対応する港湾機能強化分等
- 立地する産業に応じて必要となる浸水対策のための河川改修や下水道事業等
- 「戦略産業クラスター拠点整備等補助金」(仮称)の創設
- 戦略産業クラスター計画の実行に必要な企業等が所有する拠点整備を推進する「戦略産業クラスター拠点整備等補助金」(仮称)を創設する。
- 既存の予算では措置されない分を、既存の予算とは別枠かつ追加的に「地域未来特別枠」として措置し、地域未来戦略を優先的かつ計画的に進める仕組みとする。
- 事業の例
- 半導体共用作業施設
- 造船・舶用技能者共用育成施設 等
- 「戦略産業クラスターインフラ整備費」(仮称)の創設
- クラスター形成に向けた投資・環境整備
- 地域未来交付金の拡充
- 地域未来交付金において、既存の予算を拡充し、「地域未来特別枠」を活用して、従来の取組や必要な環境整備に加え、地方公共団体が主体的かつ主導権を持って、地域をけん引する産業や競争力のある地場産業等を中長期的な視点で育成・振興できるよう、設備投資、研究開発、人材育成を含めた幅広い企業等向け支援制度や、道路、港湾等の関連インフラ整備に対する支援制度を創設する。
- あわせて、地方公共団体の自主財源として地域未来基金費も積極的に活用できるよう、市町村事業について都道府県から市町村への適切な配分を促すとともに、必要な地方財政措置を講ずる。
- 地域未来交付金(「産業振興型」(仮称))の創設
- 地方公共団体が行う、設備投資、研究開発、人材育成を含めた幅広い企業向け支援のための支援制度を創設する。
- 地域未来交付金(「産業関連インフラ型」(仮称))の創設
- 地方公共団体が行う産業振興施策と合わせて必要となる、道路、港湾等の関連インフラ整備への支援制度を創設する。既存の予算では措置されない分を、既存の予算に追加して地域未来交付金に計上し、各省に移し替えて執行する。
- 地域未来交付金(「産業振興型」(仮称))の創設
- 「地域未来推進費」(仮称)の創設
- 地域未来交付金等を補完し、伴走支援や海外展開など、地域共通の課題に国が一歩前に出て対応するとともに、多様な地域課題への迅速・柔軟な対応を行うため、「地域未来特別枠」を活用して「地域未来推進費」(仮称)を創設する。
- 多様な地域課題に対応できるよう、内閣府での執行だけでなく、各省への移し替え執行も可能とする。
- 地域未来交付金の拡充
- クラスター形成に向けたサプライチェーン投資
- 大規模投資を行う中核企業のサプライチェーンを構成する企業の関連投資を分野横断的に支援する「地域の産業クラスター形成に向けたサプライチェーン形成支援補助金」(仮称)を創設する等、「地域未来特別枠」も活用しながら大胆に支援を進める。
- あわせて、地域産業クラスターの核となる企業への重点支援を図るため、各府省庁の設備投資促進関連予算を一体的に拡充する。
- これらの予算は「地域未来分」として設定し、補助金等の採択に当たっては、加点措置等、当該事業者の採択可能性が高まる措置を講ずる。
- その際、「地域未来特別枠」を活用し、所要額を確保する。
- クラスター形成に向けた人材育成
- 産業人材の需要に基づき、大学や、高等専門学校、専門学校、専門高校などの教育機関を活用した地域の産学官連携を分野横断的に支援する「産業・科学革新人材事業」及び「成長分野等におけるリ・スキリングプログラム開発事業」などにおいて、地域未来戦略に資するものについては「地域未来分」として、補助金等の採択に当たって、加点措置等、当該事業者の採択可能性が高まる措置を講ずる。その際、「地域未来特別枠」を活用し、所要額を確保する。
- 大胆な投資と一体でのインフラ・拠点整備
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内閣府 月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料(令和8年8月27日)
- 日本経済の基調判断
- 現状【表現変更】
- 景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。
- (先月の判断)景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。
- 先行き
- 先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。また、金融資本市場の変動の影響などに注意する必要がある。
- 政策の基本的態度
- 7月21日に閣議決定した「経済財政運営と改革の基本方針2026」に基づき、「責任ある積極財政」の考え方の下で、「強い経済」と「財政の持続可能性」を一体的に実現する。足元では、様々なリスクに機動的に対応しつつ、デフレに後戻りしない「成長型経済」への移行を確実なものとする。
- 中東情勢に対しては、当面の措置として、燃料油に対する緊急的な激変緩和措置や電気・都市ガス料金の負担軽減策等を実施している。代替調達や必要に応じた備蓄放出により我が国の原油の安定供給を図るとともに、重要物資の安定供給の確保及び流通の円滑化等に努める。令和8年度予算に加え、リスクの最小化の観点から万全の対応を図るものとして編成した令和8年度補正予算を、情勢の変化に応じて適切かつ機動的に執行する。
- 令和8年熊本地震について、「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を速やかに実行する。
- 政府と日本銀行は、引き続き緊密に連携し、経済・物価動向に応じて機動的な政策運営を行っていく。
- 日本銀行には、経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。
- 現状【表現変更】
- GDPの動向と今後の留意点
- 4-6月期の実質GDPは、前期比年率1.1%増と3期連続のプラス成長となった。民間消費と民間企業設備が前期比マイナスとなったが、いずれも他の需要項目との統計的入り繰りの影響が大きく、最終需要は増加基調が続いている。
- 他方、原油などの輸入価格の上昇により、海外への所得流出は増加傾向。価格転嫁を通じた消費者物価への波及や、令和8年熊本地震をはじめとする自然災害が我が国経済に与える影響を注視する必要。
- 設備投資を支える堅調な企業収益とAI需要
- 企業収益は改善が続く。2026年4-6月期の上場企業決算を集計すると、経常利益は大きく増加。特に、世界的なAI・半導体需要を背景に電気機器産業の増加が顕著。
- AI需要の影響は価格面にも表れてきており、輸入物価上昇のけん引役が、石油関連のサプライ要因からAI需要等ディマンド要因にシフトしつつある。こうした中、機械投資、建設投資はともに底堅く、設備投資の前向きの動きは続く。
- 個人消費の持ち直しと所得環境の改善
- 個人消費は、所得環境の改善とともに、持ち直しの動きが続いている。非耐久財消費(食品や光熱費など)は物価上昇や天候要因もあってやや弱い動きがみられるが、裁量的支出である家電や自動車購入は堅調に推移している。
- 所得環境について、賃金の安定的な上昇とともに、ガソリン価格等の物価抑制策もあって、実質賃金は7カ月連続プラス。株価上昇等を背景に、財産所得も増加傾向。個人消費を所得面から下支えするとみられる。
- 令和8年熊本地震及び令和8年8月千葉豪雨による経済活動への影響
- 令和8年熊本地震を受け、今なお多くの方が避難生活を余儀なくされている。被災地域には半導体や自動車関連工場が集積。工場の生産再開は徐々に進んでいるものの、サプライチェーンを通じた影響には注意が必要。農林水産業や観光業への影響にも注意が必要。政府は「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」を速やかに実行する。
- 令和8年8月千葉豪雨では、農作物や農業・漁業施設等に被害が出ており、特に農林水産業への影響に注意が必要。
- 世界経済の動向
- 多くの主要国では、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰の影響を受けながらも、26年4-6月期はOECDが6月に発表した見通しを上回る実質GDP成長率となった。しかしながら、消費者物価上昇率は、日本と中国を除いて2%を大きく上回っている。
- こうした輸入エネルギー価格の上昇を受けて、日本や中国、欧州諸国では交易条件の悪化がみられた一方、石油輸出国の米国では交易条件の改善がみられた。また、旺盛なAI関連需要を受けた世界的な半導体価格の上昇を受けて、主要な輸出国である韓国や台湾でも交易条件に改善がみられた。交易条件の悪化は所得の海外流出につながるため注意が必要。
- 米国・欧州経済の留意点
- 米国では、雇用者数は増勢を支えてきた民間サービス部門の伸びが縮小し、増勢が鈍化。労働需要が低調な中、賃金上昇率が緩やかに低下しており、今後の雇用・所得環境に留意する必要がある。
- 欧州では、多くの国で4-6月期に燃料税引下げ等のエネルギー関連施策を実施していたが、段階的に縮小又は終了しており、今後の物価動向とその消費への影響に留意する必要がある。
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消費者庁 クマ撃退スプレーの備え方―事前の確認・準備が必須です―
- 近年、クマの出没情報数の増加に伴い、人身被害も増えています。クマによる人身被害を防ぐためには、クマに出会わないようにすることが最も重要ですが、クマに出会ってしまったときのために、クマ撃退スプレーを備えることは有効な対策の一つです。一方で、クマ撃退スプレーは、適切に使用することでクマの撃退に一定の効果を期待できる製品ですが、消費者庁、環境省、独立行政法人国民生活センターが共同で行ったテストから、噴射距離や噴射時間などが製品により異なることが確認できました。
- また、刺激物質を含むため、取扱いに注意が必要な製品でもあり、適切に保管・使用しなければ自身や周囲の人に被害が生じる可能性もあります。
- 今回は、クマ撃退スプレーの特徴やテスト結果とともに、製品を選ぶ、保管・使用などする際のポイントをご紹介します。
- クマ撃退スプレーについて
- 国内では「クマスプレー」や「クマ避けスプレー」など、様々な名称の製品が様々な目的で販売されていますが、ここでいう「クマ撃退スプレー」とは、トウガラシの辛味成分であるカプサイシンなどのカプサイシノイドを主成分とし、クマとの近距離での遭遇時において、クマの顔面(目、鼻)に噴射することにより、クマの攻撃や接近など、人にとって望ましくない行動を一時的に抑止するためのスプレー製品を指します。
- 選ぶ際のポイント
- クマ撃退スプレーについて噴射を伴うテストを実施し、噴射距離、噴射時間、内容量、噴射パターン、有効成分、噴射機構(アクチュエーター)の構造、安全装置、専用の携行用ケースの有無など様々な製品設計のものがあることが分かりました。製品を購入する際には、使用する場所や場面を想定し、それを踏まえた製品を選択することが重要です。
- クマ用、かつ、撃退用のスプレーを選ぶ(対人用や忌避を目的としたスプレーは選ばない)
- 表示をよく確認し、購入する
- なお、環境省が公表した「クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件(令和8年8月)」では、様々な状況下で人命を守るために必要と考えられる性能の推奨要件を取りまとめているため、製品を選択する際にご参照ください。
- クマ撃退スプレーについて噴射を伴うテストを実施し、噴射距離、噴射時間、内容量、噴射パターン、有効成分、噴射機構(アクチュエーター)の構造、安全装置、専用の携行用ケースの有無など様々な製品設計のものがあることが分かりました。製品を購入する際には、使用する場所や場面を想定し、それを踏まえた製品を選択することが重要です。
▼ 環境省自然環境局 令和8年8月「クマ撃退スプレーの性能に係る推奨要件」
- 保管・持ち運びなどのポイント
- クマ撃退スプレーは刺激物質を含むため、取扱いには注意が必要です。適切に保管・持ち運びをしなければ、いざ使用する際に正しく作動しなかったり、自身や周囲の人に被害が生じたりする可能性もあるため、以下のような点に注意しましょう。
- 安全装置は必要なとき以外は外さない、外した後はつけ直す
- 高温になる場所に置かない
- こどもの手の届く場所に置かない
- 必要なとき以外は持ち歩かない、人の多い場所では取り出さない
- 航空機に持ち込むことはできない
- 中身をカラにしてから、自治体のルールに従って捨てる
- 皮膚や目に付着したら大量の水で洗い流す
- クマ撃退スプレーは刺激物質を含むため、取扱いには注意が必要です。適切に保管・持ち運びをしなければ、いざ使用する際に正しく作動しなかったり、自身や周囲の人に被害が生じたりする可能性もあるため、以下のような点に注意しましょう。
- 使用する際のポイント
- クマ撃退スプレーを使用するのはクマが目の前にいる状況です。そのため、冷静な行動や判断をすることは非常に難しいと考えられます。以下の点も踏まえ、事前に操作方法などの確認や、実際の使用場面をイメージした操作練習をしておき、いざ使用する際には素早く、適切に使用することが重要です。
- 取扱説明書を確認し、取扱説明書の内容に沿って使用する
- 使用期限や有効期限の切れていない製品を使用する
- 1~3秒程度の噴射が複数回できるよう、原則、使いかけを使用しない
- すぐに取り出して噴射できるように身に着ける
- スプレーの噴射距離を考慮しながら、5~10m程度クマとの距離を置いた状態で噴射する
- 使用者自らがスプレーを浴びないよう、原則として、クマよりも風上から使用する。風下では極力使用しない
- クマの顔面(目、鼻)を狙って噴射する
- 冬の低温時にはガス圧が低下し、噴射距離が短くなることに留意する
- 事前にクマとの距離のイメージトレーニングや動画を見るなどして、操作方法の確認や噴射の練習を行う(練習用スプレーなどによる実射を推奨)
- 人、テントや荷物などに吹きかけない
- なお、クマに出会わないための行動を心掛けることが、人身被害防止の第一歩です。
- クマ撃退スプレーを使用するのはクマが目の前にいる状況です。そのため、冷静な行動や判断をすることは非常に難しいと考えられます。以下の点も踏まえ、事前に操作方法などの確認や、実際の使用場面をイメージした操作練習をしておき、いざ使用する際には素早く、適切に使用することが重要です。
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国民生活センター 道路交通法の基準不適合の電動アシスト自転車に注意
- 内容
- 大手通販サイトで電動アシスト自転車を購入。警察署の防犯登録に行ったところ、原付バイク扱いになると言われ防犯登録できなかった。原付になるなら免許がないため乗ることができないので返品したい。(60歳代)
- ひとこと助言
- 基準に適合していない電動アシスト自転車が、自転車として道路を通行できるかのようにインターネット通販等で販売されていることがあります。
- 電動アシスト自転車は道路交通法上の基準で、搭乗者がペダルをこがないと走行しない構造であること、人のこぐ力「1」に対するモーターによる補助力の比(アシスト比率)は、10km/h未満では最大「2」とすること、10km/h以上では走行速度が上がるにつれアシスト比率を徐々に減少させ、24km/hではアシスト比率は0になることなどが定められています。
- 電動アシスト自転車を購入する際は、型式認定の「TSマーク」や「BAAマーク」の有無を参考にし、基準に適合しているか確認しましょう。不明な場合は購入先や製造元等に問い合わせましょう。
- 基準に適合していない電動アシスト自転車で道路を通行すると、法令違反となり運転者が罰則の対象となります。基準に適合していない、またはその可能性がある電動アシスト自転車については、強いアシスト力による事故のおそれもあるため、道路の通行は控え、購入先・製造元等に対応を確認しましょう。
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厚生労働省 フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備のポイント
- フリーランス・事業者間取引適正化等法に基づく就業環境整備に対応できていますか?
- 都道府県労働局における法施行状況をみると、特定業務委託事業者である発注事業者による「ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)」の違反に関する指導が最も多く、そのほか、「中途解除等の予告・理由開示義務(法第16条)」や「募集情報の的確表示義務(法第12条)」の違反に関する指導等も見受けられます。
- 実際の事例も参考にしながら、法に沿った対応のポイントを確認してみましょう!
- ハラスメント対策に係る体制整備義務(法第14条)
- ハラスメント対策の体制整備はできていますか?
- 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害することのないよう、相談対応のための体制整備など以下の措置を講じなければなりません。
- ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化、方針の周知・啓発
- 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
- 業務委託におけるハラスメントへの、事後の迅速かつ適切な対応
- (1)~(3)と併せて、相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、従業員およびフリーランスに対し周知すること、フリーランスが相談したこと等を理由に契約の解除などの不利益な取扱いをされない旨を定め、フリーランスに対し周知することが必要になります。
- 発注事業者は、ハラスメントによりフリーランスの就業環境を害することのないよう、相談対応のための体制整備など以下の措置を講じなければなりません。
- ハラスメント対策の体制整備のポイント ~都道府県労働局における指導等の事例から~
- 従業員に対するハラスメント対策の体制整備はできていても、フリーランスに対する体制整備を忘れていませんか?
- リモートワーク環境での業務請負事業を営む特定業務委託事業者Aは、経理業務を特定受託事業者に委託しているが、従業員に対するハラスメント対策に係る規定や相談窓口は整備していたものの、業務委託におけるハラスメント対策に係る規定や相談窓口を整備していなかった。そのため、業務委託におけるハラスメント対策に係る規定及び相談窓口を整備し、周知するよう助言した。
- 非営利団体でも、事業活動を行う場合には、法の適用対象となり、法第14条に基づく対応が必要です。
- 非営利団体である特定業務委託事業者Bは、フリーランスに対するハラスメントを禁止する旨の規定の整備や周知、ハラスメントに係る相談窓口の整備等、ハラスメント対策に係る体制整備を行っていなかった。そのため、ハラスメント対策に係る体制を整備し、周知するよう助言した。
- ハラスメント対策の体制整備にあたって、ハラスメントの相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じていますか?
- フリーランスがハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由とする不利益な取扱いをしてはならない旨の規定を定めていますか?
- 運送業を営む特定業務委託事業者Cは、親会社から依頼された家電の配送、設置、修理を特定受託事業者に委託しているが、業務委託におけるハラスメント対策に係る体制整備に関し、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置及び特定受託業務従事者がハラスメントに関する相談を行ったこと等を理由として不利益な取扱いをしてはならない旨を定めていなかった。そのため、これらの措置を講ずるよう助言した。
- フリーランスからハラスメントの相談を受けて必要な対応をしたあと、ハラスメントの再発防止に向けた措置を講じていますか?
- 娯楽業を営む特定業務委託事業者Dは、カメラマンやスタイリスト等の業務を特定受託事業者に委託しているところ、特定受託業務従事者からパワーハラスメントについて相談を受け、事実関係を調査するなどの必要な対応をしていたが、ハラスメントの再発防止に向けた措置を講じていなかった。そのため、ハラスメントの再発防止に向けた措置を講じるよう助言した。
- 従業員に対するハラスメント対策の体制整備はできていても、フリーランスに対する体制整備を忘れていませんか?
- ハラスメント対策の体制整備に当たっての参考資料
- 社内規定等の対応例
- 発注事業者の皆様がハラスメント対策の体制整備を進めていく上で参考にしていただける社内規定等の対応例を紹介しています。検討の際にご活用ください。
- ▼ あらまし(就業環境の整備)(※令和8年8月6日更新)
- ▼ ハラスメント対策を講じるにあたっての対応例(あらまし抜粋版)
- ▼ フリーランス・事業者間取引適正化等法について パンフレット(令和8年7月22日更新)
- ハラスメント対策の研修動画等
- 厚生労働省では、フリーランスの方が安心して働くことができる環境整備を推進するため、委託事業「フリーランス就業環境整備事業」を実施し、その一環としてハラスメント対策の研修動画等を作成しました。
- 動画では、発注事業者はどのような対応をとらなければならないのか、また、実際にフリーランスの方からハラスメントに関する相談があった場合の対応の流れや留意点などについて、学ぶことができます。
- 社内規定等の対応例
- ハラスメント対策の体制整備はできていますか?
▼ フリーランスに対するハラスメント対策の研修動画ができました! |厚生労働省
- 中途解除等の予告・理由開示義務(法第16条)
- フリーランスとの契約を解除するときに、30日前までに予告していますか?また、フリーランスから解除の理由の請求があった場合に、開示していますか?
- 発注事業者は、フリーランスとの業務委託契約が以下に該当するときは、例外事由に該当する場合を除いて、契約の解除日または契約満了日から30日前までにその旨を予告しなければなりません。
- ※予告の例外事由
- 災害などのやむを得ない事由により予告が困難な場合
- フリーランスに再委託している場合で、上流の事業者の契約解除などにより直ちに解除せざるを得ない場合
- 業務委託の期間が30日以下など短期間である場合
- フリーランスの責めに帰すべき事由がある場合
- 基本契約がある場合で、フリーランスの事情で相当な期間、個別契約が締結されていない場合
- 中途解除等の予告・理由開示のポイント~都道府県労働局における指導等の事例から~
- フリーランスとの契約を解除または不更新とするとき、30日前までに、書面等で予告できていますか?
- フリーランスに対し、契約解除の理由を説明するとき、口頭だけで説明していませんか?
- 運送業を営む特定業務委託事業者Eは、軽貨物の運送業務を特定受託事業者に委託しているが、契約を解除する際に30日前までに予告をしたものの、口頭で行っていた。そのため、契約解除の予告は書面や電子メール等で行うよう助言した。
- ウェブ予約サービス等の事業を営む特定業務委託事業者Fは、ソフトウェアの開発・運用・提供を特定受託事業者に委託しているが、契約を解除する際に30日前までに予告せず、また、特定受託事業者からの解除理由の開示請求に対して口頭で説明していた。そのため、契約解除日の30日前までに予告するとともに、解除理由の説明は書面や電子メール等で行うよう助言した。
- 予告が不要になる例外事由に該当する契約と、該当しない契約とが混在する場合、注意が必要です。
- システムエンジニアリングサービスを提供している特定業務委託事業者Gは、元委託事業者から受託したシステムのプログラミング業務を特定受託事業者に再委託しているが、元委託事業者の契約解除を受けて個別契約及び基本契約を解除した。その際、当該再委託業務に係る個別契約については、予告が不要となる例外事由に該当する事情があったが、例外事由に該当する事情がない基本契約について、解除日から30日前までに予告していなかった。そのため、例外事由に該当しない契約解除については、30日前までに予告するよう助言した。
- フリーランスとの契約を解除するときに、30日前までに予告していますか?また、フリーランスから解除の理由の請求があった場合に、開示していますか?
- 募集情報の的確表示義務(法第12条)
- その募集情報の表示は大丈夫ですか?
- 発注事業者は、広告等によりフリーランスを募集する際は、その情報について、虚偽の表示または誤解を生じさせる表示をしてはならず、正確かつ最新の内容に保たなければなりません。
- 上記の情報を広告等に表示している場合、虚偽の表示・誤解を生じさせる表示となっていませんか?正確かつ最新の内容となっていますか?
- また、募集を行う者の氏名又は名称等の6事項((1)氏名又は名称等、(2)住所(所在地)、(3)連絡先、(4)業務の内容、(5)業務に従事する場所、(6)報酬)が記載されていますか。記載がない場合は誤解を生じさせる表示に該当します。
- 募集情報の的確表示のポイント~都道府県労働局における指導等の事例から~
- ウェブサイト等に掲載する募集情報は、募集情報を変更する度に更新していますか?
- 美容室を営む特定業務委託事業者Hは、美容師としての業務を委託するため、クラウドソーシングサービス事業者が提供するプラットフォーム等の複数の媒体に募集情報を掲載していたところ、報酬額を変更したにもかかわらず上記募集情報の一部に当該変更が反映されていなかった。そのため、募集内容に変更があった場合は募集情報を最新のものに更新するよう助言した。
- フリーランスの募集と、労働者の募集が混同されるような表示となっていませんか?
- ウェブ予約サービス等の事業を営む特定業務委託事業者Iは、IT開発のテスト作業等の業務を委託するため、クラウドソーシングサービス事業者が提供するプラットフォームに募集情報を掲載していたところ、フリーランスの募集と労働者の募集のどちらであるか判然としない内容となっていた。そのため、フリーランスの募集と労働者の募集が混同されることのないように表示を改めるよう助言した。
- 誤解を生じさせる表示とならないために必要な6事項に関する情報(※)をすべて記載していますか?
- ISO認証審査サービス等の事業を営む特定業務委託事業者Jは、認証審査業務の一部を委託するためにフリーランスを募集していたところ、誤解を生じさせる表示とならないために必要な6事項に関する情報のうち報酬について、募集段階で確定的に報酬額を明示することは難しいとして記載していなかった。そのため、目安となる金額等を記載するよう助言した。
- 誤解を生じさせる表示とならないために必要な6事項に関する情報とは、募集を行う者の氏名又は名称等((1)氏名又は名称、(2)住所(所在地)、(3)連絡先、(4)業務の内容、(5)業務に従事する場所、(6)報酬)です。
- その他、契約期間6ヵ月以上(更新含む)契約については、法第13条(育児介護等配慮)に基づき、フリーランスからの申出に応じて、フリーランスが育児介護等と業務を両立できるよう、必要な配慮をしなければなりません。
- ウェブサイト等に掲載する募集情報は、募集情報を変更する度に更新していますか?
- その募集情報の表示は大丈夫ですか?
~NEW~
経済産業省 令和8年熊本地震による災害が激甚災害として指定されたことに伴い、追加の被災中小企業・小規模事業者対策を講じます
- 本日、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づき、令和8年熊本地震による災害により被害を受けた熊本県八代市、宇城市、御船町、嘉島町及び氷川町の中小企業者等に対し、中小企業信用保険の特例措置を講ずることとする政令等が閣議決定されました。
- 概要
- 令和8年熊本地震による災害により被害を受けた熊本県八代市、宇城市、御船町、嘉島町及び氷川町の中小企業者等に対し、中小企業信用保険の特例措置を講ずるとともに、日本政策金融公庫による災害復旧貸付の金利引下げを行います。
- 中小企業信用保険の特例措置(政令、令和8年8月28日公布・施行予定)
- 市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る罹災証明を受けた中小企業者が事業の再建に必要な資金を借り入れる際、一般保証及びセーフティネット保証とは別枠での信用保証をご利用いただける特例措置を講じます(借入債務の額の100%を保証)。
- 普通保険
- 一般保証限度額 2億円
- 災害関係保証限度額 +2億円
- 無担保保険
- 一般保証限度額 8,000万円
- 災害関係保証限度額 +8,000万円
- 無担保保険(うち特別小口保険)
- 一般保証限度額 2,000万円
- 災害関係保証限度額 +2,000万円
- 普通保険
- 市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る罹災証明を受けた中小企業者が事業の再建に必要な資金を借り入れる際、一般保証及びセーフティネット保証とは別枠での信用保証をご利用いただける特例措置を講じます(借入債務の額の100%を保証)。
- 日本政策金融公庫による災害復旧貸付の金利引下げ
- 市町村長等から事業所または主要な事業用資産に係る被害を受けた旨の証明を受けた中小企業者等を対象に、日本政策金融公庫が実施している災害復旧貸付について、特段の措置として、0.9%の金利引下げを行います(貸付後3年間、1千万円まで)。
- 災害復旧貸付制度及び金利引下特別措置の概要
- 資金使途:運転資金又は設備資金
- 貸付限度額:中小企業事業…別枠で1.5億円、国民生活事業…各貸付制度の限度額に上乗せ3千万円
- 貸付金利:基準利率(中小企業事業2.75%、国民生活事業2.70%)(貸付期間5年以内の基準利率(令和8年8月3日現在))
- 金利引下げ:貸付額のうち1千万円を上限として、貸付金利から0.9%を引下げ(貸付後3年間)
~NEW~
経済産業省 中部電力株式会社に対して再処理等拠出金法に基づく報告を求めました
- 経済産業省は本日、中部電力株式会社(以下「中部電力」という。)に対して、浜岡原子力発電所1号機・2号機の解体撤去工事に係る使用済燃料再処理・廃炉推進機構(以下「NuRO」という。)への実施報告・費用請求における不適切事案について、原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律(以下「再処理等拠出金法」という。)第70条第1項の規定に基づく報告を求めました。
- 概要
- 中部電力において、浜岡原子力発電所1号機・2号機の解体撤去工事に係るNuROへの実施報告・費用請求における不適切事案(以下「本事案」という。)が確認されたことを踏まえ、経済産業省は、本日、中部電力に対して、再処理等拠出金法第70条第1項の規定に基づき、本事案に関する事実関係・経緯・対応状況、原因・実効的な再発防止策、他の類似事案の有無について、令和8年9月25日までに報告するよう求めました。
- 関連条文
- 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律(平成十七年法律第四十八号)
- (報告及び立入検査)
- 第七十条 経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定実用発電用原子炉設置者若しくは実用発電用原子炉設置者等に対し、その業務に関し報告をさせ、又はその職員に、特定実用発電用原子炉設置者若しくは実用発電用原子炉設置者等の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
~NEW~
総務省 リチウムイオン電池等の回収・再資源化に関する調査<通知に対する改善措置状況(1回目のフォローアップ)>
- 経緯
- 近年、リチウムイオン電池(LIB:Lithium-Ion Battery)等の使用製品の増加・多様化に伴い、市区町村が回収するごみへの混入による処理施設等の火災事故等が増加しています。
- 総務省では、市区町村におけるLIB等に起因した火災事故等の減少及びLIB等の再資源化の推進を図る観点から、関係機関の取組実態等を調査し、令和7年6月に経済産業省及び環境省に対して、市区町村における適切な回収・処分を推進するための市区町村に対する情報提供、LIB等を再資源化できる処分事業者の育成・拡大、製品メーカー等の自主回収対象品目の追加など必要な措置を講じるよう通知しました。
- 改善措置状況
- 今回、経済産業省及び環境省における改善措置状況をフォローアップしたところ、
- 市区町村における分別収集や処理体制の構築に伴う費用負担などの課題に対し、複数市区町村が連携した広域回収のモデル事業の実証結果や業界団体等の知見などを説明会や対策集等を通じて情報提供
- 再資源化事業者の育成・拡大を図るため、再資源化に係る設備導入等を支援するための予算を措置
- 資源法施行令を改正し、「電源装置」(モバイルバッテリー)、「携帯電話用装置」(スマートフォン等)及び「加熱式たばこデバイス」の3品目を「指定再資源化製品」に追加(令和8年4月1日施行)
など、通知した事項について必要な取組が進められています。
- 今回、経済産業省及び環境省における改善措置状況をフォローアップしたところ、
▼ 概要等
~NEW~
総務省 生活困窮者の自立支援対策に関する行政評価・監視<勧告に対する改善措置状況(2回目のフォローアップ)>
- 経緯
- 失業や病気、家族の介護に伴う離職など様々な理由から生活に困窮する方々が早期に自立できるよう支援する制度(生活困窮者自立支援制度)が平成27年度に導入されました。総務省では、制度導入から5年経過した機会を捉え、制度の運用を担う福祉事務所設置自治体(都道府県、市、一部の町村)の現場実態を調査し、改善が必要な事項について、令和4年4月、厚生労働省に対して勧告しました。
- 改善措置状況
- 今回、厚生労働省における改善措置状況をフォローアップしたところ、
- 支援会議の設置済み及び設置予定自治体数は、令和3年度から6年度にかけ増加。また、1自治体当たりの支援会議平均実施回数も、令和3年度から6年度にかけ増加
- 制度全体の評価手法について検証する調査研究を行い、報告書を自治体に情報提供。その結果等も踏まえ、各事業の手引等を改正し、事業の評価方法などを周知
- 福祉事務所設置自治体からヒアリング等を実施し、結果を踏まえたシステム改修を実施
などの改善措置及びその効果がみられました。
- 今回、厚生労働省における改善措置状況をフォローアップしたところ、
▼ 概要等
~NEW~
国土交通省 東海汽船株式会社に対する安全確保等の命令を発出しました~海上運送法に基づく「安全統括管理者及び運航管理者の解任命令」及び「輸送の安全の確保に関する命令」並びに船員法に基づく「是正命令」~
- 国土交通省関東運輸局が、東海汽船株式会社に対し、海上運送法第25条第1項及び船員法第107条に基づく立入検査を実施したところ、酒気帯び状態での航海当直、アルコール検査記録及び発航前検査記録の不実記載が確認されるなど、海上運送法に基づき同社が定める安全管理規程が遵守されておらず、また、船員法の発航前検査等に関する規定も遵守されていないことが確認されました。
- このため、関東運輸局長が同社に対し、令和8年8月28日付けで海上運送法第10条の8に基づく「安全統括管理者及び運航管理者の解任命令」及び同法第19条第2項に基づく「輸送の安全の確保に関する命令」、並びに船員法第101条第1項に基づく「是正命令」を発出しましたのでお知らせいたします。
~NEW~
国土交通省 レベル5大雨特別警報が発表されたときにとるべき行動」及び「レベル5大雨特別警報が発表されたときの車運転の注意点」について
▼ レベル5大雨警報が発表されたときにとるべき行動
- すでに安全な避難ができず、命が危険な状況です むやみに移動せず今いる場所よりも安全な場所へ移動して身の安全を確保しましょう
- 浸水した場所での車移動は危険!
- 立ち往生し水没するおそれがあります。
- むやみに移動せずに安全な場所で状況が落ち着くまで待機しましょう。
- 河川・用水路・冠水した箇所へ絶対に近づかない!!
- 特に地下施設やアンダーパス、低地は短時間で浸水する危険があります。
- 浸水深30cm以上となる低地は要注意
- 市町村が発令する警戒レベル4避難指示までに必ず避難しましょう!
- レベル5大雨特別警報が発表される前段階から最新の気象・避難情報を確認!
- テレビ、ラジオ、インターネット、SNS、防災行政無線等で最新の情報を確認してください!
- 浸水リスクを確認しましょう!
- ご自身のいる場所が、河川の氾濫や内水氾濫による浸水リスクがないか、自治体が公表しているハザードマップや防災情報を確認しましょう。
▼ レベル5大雨警報が発表されたときの車運転の注意点
- 浸水が懸念されるときは車での移動を控えてください!冠水した道路への進入は命に関わる危険があります 安全を最優先に行動しましょう!
- 車はわずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合があります
- エンジン停止や水圧で窓やドアが開かなくなります
- 万が一、ドアが開かなくなった場合の備えとして、脱出用ハンマーをすぐに使える位置に!
- 水深が床面を超えると、電気装置が損傷し、自動スライドドアやパワーウインドウが動作しなくなるおそれ
- 脱出用ハンマーで割れる(合わせガラスは割れない)
- 水深がドアの下端にかかると、車外の水圧により、内側からドアを開けることが困難となり、ドアの高さの半分を超えると、内側からほぼ開けられなくなるおそれ
- 吸気口から浸水するとエンジンが停止し、再始動しなくなるおそれ(速度が大きいと浸水しやすくなる)
- 水流がある場合、車両が流されるおそれ
- マフラーから浸水するとエンジンが停止し、再始動しなくなるおそれ
- タイヤが完全に水没すると、車体が浮いて移動が困難になるおそれ
- 徒歩または早めの避難を心がけ、冠水した道路を避けてください


