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危機管理トピックス

サイバー空間をめぐる脅威の情勢等/デジタル取引・特定商取引法等検討会の中間取りまとめ/食品ロス削減ガイドブック(令和8年度版)

2026.09.14
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更新日:2026年9月14日 新着14記事

危機管理トピックスサムネイル
【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 金融庁 「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)の公表について
警察庁
  • 警察庁 令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
内閣官房
  • 内閣官房 国土強靱化推進会議(第21回)議事次第
内閣府
  • 内閣府 第9回 人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会
  • 内閣府 道路に関する世論調査(速報)
消費者庁
  • 消費者庁 デジタル取引・特定商取引法等検討会の中間取りまとめを公表しました。
  • 消費者庁 食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の報告書を公表しました。
  • 消費者庁 食品ロス削減ガイドブック(令和8年度版)
厚生労働省
  • 厚生労働省 「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します
経済産業省
  • 経済産業省 中部電力ミライズ株式会社に対して電気事業法に基づく報告を求めました
総務省
  • 総務省 総務省を装ったなりすましメールへの対策強化について
国土交通省
  • 国土交通省 「建築基準法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定~住宅の円滑な供給を図るための型式適合認定制度の拡充と 採光規制・防火規制・用途地域における危険物の総量規制の合理化を行います~
  • 国土交通省 改正建築物省エネ法の施行に伴う関係政令を閣議決定~令和9年4月1日より、上位住宅トップランナー制度・先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度が始まります!~
  • 国土交通省 令和7年度の証券化対象不動産の資産総額は約73.4兆円~令和7年度「不動産証券化の実態調査」の結果の公表~

~NEW~
金融庁 「保険会社向けの総合的な監督指針」の一部改正(案)の公表について
▼ (別紙2)「保険会社向けの総合的な監督指針 本編」の一部改正(案)の概要
  1. 企業内代理店に関する規制の再構築
    • 企業内代理店は、その立場の不明確さが独禁法抵触リスクを高める一つの要因となるおそれがあるほか、保険募集に係る実務能力が不十分であったとしても、グループ企業等の保険契約を取扱うことで損害保険会社から一定の手数料収入が得られ、保険代理店として存続できている実態や、当該手数料が保険料の実質的な割引になっているおそれがあることが判明。
    • 損害保険代理店が、自らと人的又は資本的に密接な関係を有する者(特定者)を保険契約者等とする保険契約(特定契約)の保険募集を制限する特定契約比率規制について見直し。
      • 特定契約比率の計算対象種目を限定している経過措置を適用日より約3年後に撤廃
      • 経過措置の撤廃の2年後に特定者の範囲を経済主体としての同一グループと同等の範囲に拡大
    • 企業向け保険市場における募集実務への影響を鑑み、一定の手数料の適正化の要件及び態勢整備の要件を満たした損害保険代理店に対して、同規制に対する適用除外の枠組みを創設。
      • 特定契約の保険募集に関して、損害保険代理店が受領する手数料について、保険料の実質的な割引・割戻しが生じない態勢が構築されていること(手数料の適正化の要件)
      • 損害保険代理店として十分な実務能力を有し、親会社等からの自立(※)が図られていること(態勢整備の要件)
    • 顧客から委託を受ける立場にある保険仲立人が顧客のみから媒介手数料を受領する保険契約を特定契約比率規制の適用除外とする。
    • 特定契約等の取扱状況等について、オフサイトモニタリング・報告徴求等を通して実態を把握し、重大な問題があると認められる場合には、行政処分を行う旨規定。
  2. 独占禁止法遵守態勢の構築
    • 保険料調整行為事案を通じて、共同保険契約の従来のビジネス慣行は、独占禁止法に抵触すると考えられる行為及び同法の趣旨に照らして不適切な行為が発現しやすいことが判明。
    • 保険会社及び保険代理店に対して、独占禁止法において問題となる行為を防止するための態勢整備を求めるとともに、保険会社が共同保険を組成する場合は、その具体的な必要性を検証し、コンプライアンス上の弊害防止措置を講ずるよう求める。
  3. 企業向け損害保険商品のモニタリング高度化
    • 企業向け損害保険における保険料調整行為事案の発生原因の1つとして、営業上のプレッシャーの高まりなどを背景に、リスク等に応じた適切な保険料の提示が行われないなど、保険料の十分性や公平性等を満たさない保険料率の設定を防止する態勢が不十分であったことが認められた。
    • 損害保険会社において、自律的に保険料率の適切性を確保する観点から、構築すべき管理態勢のフレームワークを明確化し、経営陣主導による管理態勢の整備・不断の見直しを求める。
      • 割引増等の適切な運用確保(適用基準・事後検証・三線管理など)
      • 適切な契約単位の収支分析・保険料水準検証(企業・個人の別、割引増等適用の有無の別など)
      • 事後検証等を踏まえた更なる管理態勢高度化に向けた取組み等
    • 各社における態勢整備状況等について、当該着眼点を踏まえた継続的なモニタリングを実施。
  4. 別個登録の廃止
    • 保険募集人(代理店)の登録にあたり、法令上は一代理店一登録のところ、損保代理店においては一代理店が支店を複数登録することも認められてきた。
    • 一連の不祥事を踏まえ、代理店のガバナンス・体制整備の強化が求められている中、同一法人でありながら支店ごとに異なる損保会社の教育・管理・指導を受ける業務運営は、代理店のガバナンスの観点で統一性を欠き、顧客本位の業務運営に支障がでるおそれがあるため、規定を廃止。

~NEW~
警察庁 令和8年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について
  • はじめに
    • 令和8年上半期においては、政府機関や大手製造業者に対する情報窃取を目的としたとみられるサイバー攻撃のほか、研究機関等に対する不正アクセスが相次ぎ発生した。このようなサイバー攻撃の前兆ともなるぜい弱性探索行為等の不審なアクセス件数は前年同期比で大幅に増加しており、その大部分が海外を送信元とするアクセスが占めている。また、令和8年上半期におけるランサムウェアの被害報告件数は123件と、統計を取り始めた令和2年下半期以降、半期の件数としては過去最多となった。
    • 情報通信技術の発展が社会に便益をもたらす反面、インターネット空間を悪用した犯罪も脅威となっている。例えば、令和8年上半期における特殊詐欺(SNS型投資詐欺及びSNS型ロマンス詐欺を含む。)の被害額は約1,816億2,000万円となるなど、過去最悪となった令和7年の被害額を上回るペースで推移している。加えて、インターネットバンキングに係る不正送金、ニセ社長詐欺、暗号資産を利用したマネー・ローンダリング等、インターネット上の技術・サービスが犯罪インフラとして悪用されている実態が見られるほか、昨今、高性能AIが出現し、攻撃者に悪用されることでサイバー攻撃がより高速かつ大規模に行われるリスクが懸念されるなど、AIをめぐる情勢は日々刻々と変化している。
    • さらに、犯罪実行者募集情報等、インターネット上における流通そのものが法令に違反する違法情報のほか、有害情報や偽・誤情報が氾濫しており、サイバー空間における治安上の脅威となっている。
    • このような情勢等を踏まえ、警察庁は、令和8年4月、4年ぶりに「警察におけるサイバー戦略」を改定し、警察において推進するべき取組を明らかにした。全国警察は、同戦略に基づき各種取組を推進している。
    • 例えば、オンラインカジノに誘因する相対屋の運営者等を検挙したほか、ユーロポールを中心とした国際共同捜査に参画してミキシングサービスグループの検挙・実態解明を行うなど、検挙に向けた取組を推進している。また、北朝鮮のIT労働者に関する注意喚起やランサムウェアによって暗号化されたデータの復号、国際共同捜査によるマルウェアと結びついたサーバ等のテイクダウンを行うなど、被害の未然防止・拡大防止に向けた取組を推進しているほか、高度サイバー人材の確保や最先端の情報通信技術に係る研究・開発を進めるなど、基盤整備に向けた取組も推進している。さらに、令和8年10月1日に施行予定のアクセス・無害化措置を着実に実施し、サイバー攻撃による被害の防止を図るべく、内閣官房・内閣府、警察、防衛省・自衛隊が三位一体となって中核的な機能を担う体制整備を行っている。
  • 令和8年上半期における脅威情勢の概要
    1. サイバー空間の脅威情勢
      1. 高度な技術を悪用したサイバー攻撃
        • 警察庁が設置したセンサーにおいて検知したぜい弱性探索行為等の不審なアクセス件数は、大幅に増加(前年同期比51%増)。その大部分の送信元が海外。
        • 令和8年上半期におけるランサムウェアの被害報告件数は123件。半期の件数として統計を取り始めた令和2年下半期以降最多。
      2. インターネット空間を悪用した犯罪
        • インターネットを利用した犯罪は右肩上がりで増加しており、その約9割が詐欺。インターネットを利用した詐欺の被害額は増加傾向であり、令和8年上半期は1,755億円(前年同期比45%増)。
        • サイバー特別捜査部が、フィッシングメールと評価されるメールを対象に分析を行ったところ、送信元IPアドレスから推定される送信元サーバの所在国として最も多いのは中国の45%、次いで日本、ブラジルの順。
        • 令和8年上半期における振込型の特殊詐欺被害(被害額約1,033億4,000万円)のうち、全体の約7割でインターネットバンキングを悪用。
      3. 違法・有害情報
        • インターネット上には、インターネット上の流通そのものが法令に違反する違法情報のほか、違法情報には該当しないものの、犯罪や事件を誘発するなど公共の安全と秩序の維持の観点から放置することのできない有害情報等が存在。令和8年上半期のインターネット・ホットラインセンター(IHC)における違法・有害情報の判断件数は7万1,704件(前年同期比46%増)。
    2. 警察の取組
      1. 検挙に向けた取組
        • サイバー犯罪の検挙件数は平成29年以降増加を続けており、令和8年上半期における検挙件数は7,607件(前年同期比15%増)。検挙件数のうち、犯罪収益移転防止法及び組織的犯罪処罰法違反等のマネー・ローンダリング関連の犯罪の検挙件数は1,945件(前年同期比37%増)で、サイバー犯罪のうち25%。
        • ユーロポールを中心に組成された国際共同捜査において、暗号資産のミキシングサービス「AudiA6」の管理者とみられる被疑者2名を逮捕。被疑者グループが運営・管理するウェブサイトのテイクダウン等を実施。サイバー特別捜査部は、犯行実態を明らかにするデータの復元に成功し、「AudiA6」の実態解明に貢献。
        • サイバー部門では、他部門が主管するサイバー事案の捜査に対しても積極的かつ主体的な支援を行い、被疑者の特定や実態解明に貢献。サイバー特別捜査部では、高度に専門的な知識・技術に基づき、都道府県警察からの暗号資産追跡依頼に対応しており、令和8年上半期における暗号資産追跡依頼件数は1,307件(前年同期比25%増)。
      2. 被害の未然防止・拡大防止に向けた取組
        • 令和8年7月、警察庁及び国家サイバー統括室(NCO)等は、米国及び韓国等と共に、「北朝鮮IT労働者に関する各国・企業等に対する注意喚起」を公表。北朝鮮がIT労働者を外国に派遣していること、同労働者は身分を偽って仕事を受注し収入を得ていること、その収入が核・ミサイル開発の資金源になっていることを指摘。
      3. 基盤整備に向けた取組
        • 令和8年5月、都道府県警察本部の内部組織を条例で定めるに当たっての基準を定める警察法施行令を改正。都道府県警察においては、サイバー警察部等においてサイバー警察事務を一元的に所掌することとし、サイバー部門の一元化組織設置に向けた準備を推進。
        • 令和8年度当初予算におけるサイバー空間の脅威への対処に係る予算は66億7,900万円(前年度比17%増)と令和4年度以降一貫して増加。
  • ランサムウェア攻撃
    • 犯罪組織等によるサイバー攻撃としては、まずランサムウェアによる攻撃が挙げられる。ランサムウェアとは、端末等に保存されているデータを暗号化して使用できない状態にした上で、そのデータを復号する対価(金銭又は暗号資産)を要求する不正プログラムである。近年は、データを窃取した上、「対価を支払わなければ当該データを公開する」などと対価を要求する二重恐喝が被害の多くを占め、実際に事業者の財務情報や個人情報等が、ダークウェブ上のリークサイトに掲載される事例が多数確認されている。また、ランサムウェアで暗号化することなく、データを窃取した上で機密情報等の公開を予告して対価を要求する手口も発生している。
    • 令和8年上半期におけるランサムウェアの被害報告件数は123件であり、半期の件数としては、統計を取り始めた令和2年下半期以降、最多となっている。また、長期にわたり企業活動が阻害され、国民生活に影響を及ぼした被害が依然として発生している。
    • ランサムウェア攻撃の被害企業について、組織の規模別で見ると、前年と同様に中小企業が約6割を占めている。業種別では、製造業が約3割を占め、続いて卸売・小売業、情報通信業、不動産、物品賃貸業が上位となっているが、これら以外にも様々な業種で被害が確認されている。
    • 令和8年上半期にランサムウェア被害に遭った企業・団体等に対して実施したアンケートの結果によると、ランサムウェア被害に関する調査費用、復旧費用が高額化しており、復旧に総額1,000万円以上を要した組織の割合は全体の6割を占める。また、復旧に要した期間については、1か月未満で復旧した組織の割合は全体の5割弱に留まるなど、被害が長期化する傾向にある。
  • 米国におけるサイバー犯罪の情勢
    • 詐欺被害の急増は我が国のみならず他国でも見られる。米国連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪通報センター(IC3)が発表した2025年インターネット犯罪レポートによると、2025年にIC3が受理したインターネット利用詐欺に関する相談件数は約100万件、被害総額は約209億ドル(前年比+26%、日本円で約3.3兆円(1ドル=160円換算))に達するなど、米国においても過去最悪の被害となっている。
    • 日米両国における被害の共通点として、投資詐欺の深刻な被害が挙げられる。日本では、令和7年7月以降、著名人の画像や動画を無断で使用したバナー等広告によるSNS型投資詐欺の増加が顕著であるほか、令和7年中に発生したSNS型投資詐欺1件あたりの被害額が平均1,358.2万円に上るなど、非常に大きな脅威となっている。また、米国においても、投資詐欺の被害総額が約86億ドル(前年比+31.6%、日本円で約1.38兆円(1ドル=160円換算))になるなど、全インターネット犯罪中で最大の被害となっている。
    • また、公的機関職員へのなりすましによる詐欺被害も日米共通の課題である。日本では、令和7年中の警察官等をかたる「ニセ警察詐欺」による被害総額が約1,005億円を記録し、特殊詐欺全体の被害総額の70.6%を占めるに至った。米国においても、政府機関なりすまし(Government Impersonation)による詐欺の被害額が約8.0億ドル(前年比+97%、日本円で約1,280億円)に上るなど、被害の急増が見られており、FBIの公式YouTubeチャンネルにおいても、FBI捜査官等へのなりすましについて注意喚起がなされている。そのほか、同チャンネルでは、東南アジア諸国における詐欺拠点や国際的な詐欺対策に関連する動画が公開されている。
  • SNS・メッセージングアプリの悪用
    • 多くの国民が利用するSNS(Social Networking Service)は、犯罪インフラとして悪用されている実態がみられる。例えば、各種犯罪により得た収益を吸い上げる中核部分が匿名化され、SNSを通じるなどしてメンバー同士が緩やかに結び付くなどの特徴を有する匿名・流動型犯罪グループが、SNSで仕事の内容を明らかにせず、「高額」「即日即金」「ホワイト案件」等、「楽で、簡単、高収入」を強調する表現を用いるなどして、犯罪実行者を募集し、特殊詐欺等を敢行していることが確認されている。その際、首謀者、指示役、犯罪実行者の間の連絡手段には、匿名性が高くメッセージが自動的に消去される仕組みを備えた通信手段が悪用されている実態がみられる。このほか、匿名・流動型犯罪グループの関与が認められるものとして、SNSを通じて対面することなく、やり取りを重ねるなどして関係を深めて信用させ、投資金名目やその利益の出金手数料名目等で金銭をだまし取るSNS型投資詐欺又は恋愛感情や親近感を抱かせて金銭をだまし取るSNS型ロマンス詐欺があり、正にSNSが犯罪インフラとして悪用されている。
    • 令和8年上半期の特殊詐欺の被害額は約 1,816億2,000万円(前年同期比51.7%増)と、過去最悪となった令和7年の被害額を上回るペースで推移している。
    • このような事案に関しては、インターネットを通じて知り合った人物から誘われ、海外渡航した結果、特殊詐欺に加担させられる事案も発生している。
    • また、近年は、匿名で不特定多数の者に瞬時に連絡を取ることができるSNSの特性から、児童買春等の悪質な事犯のコミュニティとなっている状況もうかがえる。実際、SNSに起因して性犯罪等の被害に遭った小学生の被害児童数は、令和7年に167人を記録するなど、近年増加傾向にあり、被害児童の低年齢化の傾向が見られる。
    • さらに、オンラインゲームに関連する事案も発生しており、例えば、オンラインゲーム内のアイテムやゲーム内通貨等と現実空間の通貨(電子マネー等を含む。)を交換するリアルマネートレードに起因する犯罪が発生している。
  • メール・SMSの悪用
    • メールやSMS(Short Message Service:電話番号を宛先にしてメッセージをやり取りするサービス)は、フィッシングに悪用される実態がみられる。フィッシングとは、実在する組織を装ってメールやSMSのリンクから偽のウェブサイト(フィッシングサイト)へ誘導し、同サイトでアカウント情報やクレジットカード番号等を不正に入手する手口であり、これによって得られた情報はインターネットバンキングに係る不正送金やクレジットカードの不正利用に使われている。
    • 令和8年上半期におけるフィッシング報告件数は、フィッシング対策協議会によれば、約73万件である。
    • フィッシングは、人の信頼や思い込みなどの心理的な隙につけこんだソーシャルエンジニアリングの一形態であるが、近年は、AI技術の発達により、文章の自然さや偽装の精度が大幅に向上するなど、従来と比較して見抜きにくいフィッシングが増加している。
    • これらの被害を防ぐためには、メール認証や多要素認証等の技術的な対策だけでは十分ではなく、「メール等に記載のリンクを安易にクリックしない」、「公式サイトや公式アプリからアクセスする」など日常的なサイバーセキュリティ意識の向上を図ることが重要である。
    • また、令和8年上半期におけるインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数は253件、被害総額は約20億7,000万円(前年同期比51%減)となっている。
    • さらに、一般社団法人日本クレジット協会によれば、令和8年上半期のクレジットカードの不正利用被害額は約221億円(前年同期比30%減)となっている。
  • ボイスフィッシングによる不正送金被害
    • フィッシングにおいては、令和6年秋から、犯罪グループが企業に架電し、ネットバンキングの更新手続等をかたってメールアドレスを聞き出し、フィッシングメールを送付するボイスフィッシング(ビッシング)という手口による法人口座の不正送金被害が急増した。
    • また、令和8年5月、企業への架電を起点として、外部からの操作を可能とする遠隔操作ソフトをインストールさせ、企業側の端末を遠隔操作すると同時に、偽サイトに誘導してインターネットバンキングのID・パスワードを窃取し、不正送金を実行するという新たな手口による被害が急増するなど、手口の巧妙化が見られる。
    • 遠隔操作により、企業が普段使用している端末から送金を実行することで、金融機関による端末認証や不正取引監視を回避しようとする意図があると考えられる。
  • インターネットバンキング
    • 令和8年上半期における振込型の特殊詐欺被害(認知件数1万2,263件、被害額約1,033億4,000万円)のうち、インターネットバンキングを利用したものの被害額は振込型全体の約7割を占めるなど、引き続きインターネット空間における資金移動が犯罪に悪用されている実態が見られる。
    • また、預貯金口座の譲渡等を規制する犯罪収益移転防止法違反の検挙件数は、年々増加傾向にある。
  • 暗号資産
    • 暗号資産については、利用者の匿名性が高く、その移転がサイバー空間において瞬時に行われるという性質から、犯罪に悪用されたり、犯罪収益等が暗号資産の形で隠匿されたりするなどの実態がみられる。また、暗号資産に対する規制は各国において異なることから、暗号資産交換業者が所在する国・地域の中には、本人確認等の措置が義務付けられていないものもあるほか、海外の暗号資産交換業者で取引される暗号資産の中には、移転の記録が暗号化されるなど、追跡が困難なものもある。さらに、暗号資産取引の匿名性をさらに高めるため、暗号資産交換を個人が無登録で業として行う、いわゆる「相対屋」を経由しながら送金を繰り返したり、他の暗号資産と混ぜ合わせ、取引の流れを不透明にすることで送信アドレスと受信アドレスのつながりを隠す「ミキシングサービス」等のサービスを利用したりするなどして、その追跡を困難にし、マネー・ローンダリングに悪用している実態がある。
    • このほか、国外においては、犯罪収益の洗浄に用いられる「ミキシングサービス」の中には、不正に窃取又は購入された本人確認情報を用いて架空の暗号資産アドレスを開設し、これらの暗号資産アドレスをミキシングに用いるなど、大規模に組織化されている例も確認されている。
  • IoT機器の悪用
    • 一般家庭で使用されるネットワーク接続機能を有する機器(IoT機器という。IoTとはInternet of Things(モノのインターネット)の略。)について、機器の所有者の認識しないところでいわゆる「レジデンシャルプロキシ」(一般家庭の回線を利用して通信を中継し、接続を行う仕組み。「プロキシ」とは、自分の端末とウェブとの間に入り、通信を代理・仲介する機能をいう。)として動作し、踏み台として悪用される事案が多発している実態が明らかとなっている。
    • 例えば、「テレビに接続して海外動画を無料で視聴できます」などと称して販売されている不正な動画配信用機器が不正アクセス等の踏み台として悪用される事案が発生している。これらの機器の中には、購入前の段階において、ダウンローダ等の不正なソフトウェアが仕込まれた機器が流通しているものもあり、当該機器をインターネットに接続することにより、使用者の気付かないうちにマルウェアをインストールしてプロキシとして動作するものがある。
    • また、無料VPNサービスや無料音楽アプリケーションの中に、プロキシ機能を持たせるためのマルウェアが組み込まれたものが含まれている場合があり、これらを機器にインストールすることで、利用者の端末がレジデンシャルプロキシとなる事例も確認されている。
    • これらの機器が踏み台となり、攻撃者の通信を中継した場合、通信先のサーバのログには、攻撃者のIPアドレスではなく、踏み台となった機器のIPアドレスが記録される。海外の攻撃者であっても、国内の機器を踏み台とすることにより、海外からのアクセスを制限したサーバにアクセスすることも可能となるなど、セキュリティ対策上の重大な脅威となっているとともに、サイバー犯罪捜査においても深刻な障害となっている。
    • 例えば、令和7年中に発生したインターネットバンキングに係る不正送金事犯(被害件数4,747件、被害額約104億円)において、犯行時にレジデンシャルプロキシが用いられた事案は少なくとも737件、被害額は約13.9億円に及ぶ。令和8年中においても、引き続き犯行時にレジデンシャルプロキシが用いられた事案を多数認知しており、依然としてセキュリティ対策上の脅威となっている。
  • AIの悪用
    • 現在急速に一般社会で利用が広がっているAIについては、国民生活の向上及び国民経済の発展に寄与する一方、多くの国民がAIにより発生するリスクに不安を抱えている。具体的には、AI技術を悪用した不正プログラム・フィッシングサイトの作成、偽・誤情報作成、CBRNEテロの実行に必要な情報の収集、機密情報の漏えいといった、犯罪や国家安全保障への影響が懸念されている。実際にも、生成AIを利用して不正プログラムを作成した容疑での逮捕事案のほか、生成AIを悪用した本人確認書類やわいせつ画像の作成といった事例が確認されている。
    • また、近年、高性能AIが出現し、攻撃者に悪用されることでサイバー攻撃がより高速かつ大規模に行われるリスクが懸念されるなど、AIをめぐる情勢は日々刻々と変化している。
    • AIが発達することにより、人間が関与せず、AIで自動化したサイバー攻撃が今後増える可能性がある。例えば、国家を背景とするサイバー攻撃グループがAIを利用し、人間の介入なしにサイバー攻撃を実施したとの民間企業の報告がある。生成AIで攻撃のハードルが下がることにより、高度な技術を持ち合わせない者であっても、サイバー攻撃を実行することが容易になると考えられる。
    • また、AIを悪用することで詐欺や性的ディープフェイクを始めとする各種犯罪が巧妙化している。
      1. AIを悪用してランサムウェアを作成した被疑者の検挙】
        • 会社員の男(19歳)は、飲料メーカーがランサムウェアによる攻撃を受けたという報道を見て、ランサムウェアを作成してお金を稼ごうと思い、令和8年2月、AIを悪用して作成したソースコード(プログラムの動作を指示する命令文)を組み合わせることでランサムウェアを作成した。令和8年6月、同男を不正指令電磁的記録作成で逮捕した。(千葉)
      2. 少年による動画配信サービス運営会社に対する偽計業務妨害事件の検挙】
        • 高校生の少年(15歳)は、動画配信サービスのサーバにぜい弱性を発見し、令和7年11月、生成AIを用いて修正した自作の攻撃プログラムを使用して同サービス運営会社に対し、同サービス利用会員アカウントの利用登録を解除する旨の虚偽の情報を順次送信して、約4万6,800アカウントをその利用登録者の意に沿わぬ退会処理をするなどさせて業務を妨害した。令和8年7月、同少年を偽計業務妨害で逮捕した。(警視庁)
      3. AIを悪用して警察官になりすました特殊詐欺被疑者の検挙】
        • 令和6年10月頃から令和7年5月頃までの間、被疑者等は、海外の特殊詐欺拠点において、日本国内にいる被害者に対し、電話やSNSの通話機能等を利用して、「マネー・ローンダリング事件に関与している嫌疑があるため、保有する預貯金の流れを確認する必要がある。」などとうそを言い、現金をだまし取っていた。だます過程において、警察官役がSNSのビデオ通話機能を使い、あらかじめ準備していた警察官の制服様のものを着用して、偽の警察手帳を呈示し、さらには警察官役(被疑者)の顔が識別されないよう顔をAIで生成して、被害者をだましていた。警察が提供した情報に基づき海外の当局が犯行拠点を摘発し、令和7年8月、身柄の引き渡しを受け、逮捕した。(愛知、栃木、千葉、静岡、岐阜、三重)
      4. AIを悪用してわいせつ画像を作成した被疑者の検挙】
        • 生活費を得る目的から、会員制ウェブサイトを自作し、会員費を徴収した上で、会員に対し、同サイト上で生成AIを利用して作成したわいせつな画像を公開した。令和8年4月、同男をわいせつ電磁的記録記録媒体陳列で逮捕した。(富山)
  • 違法・有害情報
    • インターネット上には、近年、社会問題となっている「犯罪実行者募集関連情報」、「違法オンラインギャンブル等関連情報」等、インターネット上の流通そのものが法令に違反する違法情報のほか、違法情報には該当しないものの、犯罪や事件を誘発するなど公共の安全と秩序の維持の観点から放置することのできない有害情報、社会的混乱を生じさせる偽情報・誤情報が存在しており、サイバー空間における治安上の脅威となっている。
    • 令和8年上半期のIHCにおける判断件数は、違法情報6万8,842件(前年同期比約53%増)、重要犯罪密接関連情報107件(前年同期比約92%減)、自殺誘引等情報2,755件(前年同期比約0.7%増)であった
      1. 違法情報
        • 近年インターネット上には、匿名・流動型犯罪グループ等による犯罪の実行者を募集する犯罪実行者募集情報が氾濫しており、令和8年上半期のインターネット・ホットラインセンター(IHC)の受理件数のうち、1万2,516件(前年同期比約97%増)が犯罪実行者募集情報と判断された。このような募集情報への応募者らにより実際に強盗や特殊詐欺等の犯罪が敢行されるなど、この種の情報の氾濫がより深刻な治安上の脅威になっている。
        • 強盗・窃盗等についても、SNSや求人サイト等で「高額」、「即日即金」、「ホワイト案件」等の文言を用いて犯罪実行者が募集された上で実行される実態がうかがわれる。このような匿名・流動型犯罪グループによるものとみられる手口により実行された強盗事件等の中には、被害者を拘束した上で暴行を加えるなど、その犯行態様が凶悪なものもみられる。
        • また、スマートフォン等からアクセスして賭博を行う「無店舗型」のオンラインカジノについては、アクセス数の増加及びこれに伴う依存症への問題が強く指摘されているほか、これを通じた我が国資産の海外流出、マネー・ローンダリングへの利用等が懸念されている。
        • 令和8年上半期のIHCの受理件数のうち、5,259件が違法オンラインギャンブル等関連情報と判断された。
      2. 有害情報
        • 有害情報としては、「殺人等」、「臓器売買」等の個人の生命・身体に危害を加えるおそれが高い重要犯罪と密接に関連する重要犯罪密接関連情報のほか、「自殺関与」や「自殺の誘引・勧誘」といった自殺誘引等情報が挙げられる。
        • 令和8年上半期の主な重要犯罪密接関連情報のIHC判断件数は、殺人等48件、臓器売買44件であり、自殺誘引等情報の内訳は、自殺関与4件、自殺の誘引・勧誘2,751件であった。
      3. 偽・誤情報
        • 災害発生時における偽・誤情報
          • 大規模災害発生時におけるインターネット上の偽情報・誤情報については、信ぴょう性の確認や判断に時間を要し、被災地等において救助活動への支障や社会的混乱を生じさせるおそれがある。
          • 実際、災害時に、過去の震災の際に撮影された画像を悪用して、同地域における治安が悪化したり、甚大な被害が発生したりしているとの印象を与えるような日本語・外国語の偽情報等がSNS上で拡散された事例等が確認されている。
        • 外国による偽情報
          • 近年、国際社会では、他国の世論や意思決定に影響を及ぼし、自国にとって好ましい情報環境を生み出すため、偽情報の拡散を含む影響工作が様々な形で展開されている。
          • 偽情報等の拡散は、軍事手段に加えて複合的に用いられたり、選挙への不当な介入のために行われたりする状況がみられるが、これは我が国にとっても安全保障上の脅威であり、選挙の公正や自由な報道といった民主主義の根幹を脅かすのみならず、我が国の治安にも悪影響をもたらし得るものであるところ、生成AI技術の進展等に伴い、巧妙な偽情報が大量に生成・拡散されるリスクへの対応が重要な課題となっている。
  • なりすまし型偽投資広告及び送金犯罪に係る取組
    • 令和7年中のSNS型投資詐欺の認知件数は9,523件、被害総額は約1,288億円と危機的な状況であった。これらSNS型投資詐欺について、被害者が犯人側と接触した手口としてはバナー等広告が最も多く、著名人になりすました偽の投資広告を入口としてSNSでのやりとりに誘導され、被害者がSNSでやりとりを重ねる中で、投資名目で現金等を詐取されているケースが多く見られる。
    • こうした深刻な被害状況を背景に、「詐欺及びストーカー被害拡大防止のための緊急対策」(令和8年7月28日犯罪対策閣僚会議決定)等において、なりすまし型偽広告の削除を大手プラットフォーマーに促す取組の加速や、なりすまし型偽広告等への対策の更なる強化が掲げられた。
    • また、近年、新たなマネー・ローンダリングの手口として、SNS等を通じた他人からの依頼を受けて自身の預貯金口座等を利用した財産の移転等を有償で行う行為(「送金犯罪」)が増加していることを踏まえ、令和8年6月、犯罪収益移転防止法の一部を改正する法律が成立し、「送金犯罪」に関する罰則の創設等が行われた。
    • 同法において、上記依頼行為等が違法とされたことに伴い、「なりすまし型偽投資広告を掲載する行為」と併せて、同年8月7日、IHCの運用ガイドラインの対象範囲とした。
    • このように、プラットフォーム事業者等にこれら情報の削除を促すため、総務省違法情報ガイドラインの改定に併せてIHCの運用ガイドラインを改定し、社会問題となっている情報を新たに違法情報として取扱範囲に追加することにより、これら情報の流通防止に向けた取組を強化している。

~NEW~
内閣官房 国土強靱化推進会議(第21回)議事次第
▼ 資料2:国土強靱化推進会議において今後の議論が必要な事項
  1. 国土強靱化施策の推進に当たっての課題
    1. 住民や民間事業者が主体の取組の強化
      • 住宅・建築物の耐震化の推進や感震ブレーカーの設置促進、石油コンビナートの地震・津波対策、老朽化対策、電力の広域的融通の強化
      • 民主体の施策促進に関するモチベーション強化と環境整備の両面からの検討
      • 持続的な資金調達等の民間事業者による投資環境の整備(欧州投資銀行等の事例の確認)
    2. 国土強靱化施策の担い手の確保
      • 建設業等の担い手の確保・育成
      • 備蓄の確保等における国や都道府県の更なる役割強化や平時を含めた民間事業者との連携
      • 防災教育の充実等の国民全体の防災意識の向上
    3. 地域における国土強靱化の推進
      • 厳しい人口減少下にあることを踏まえた取組の推進(自立分散型システムの導入等)
      • 地域計画のまちづくりや地域事業との連携の具体化
      • 災害時やその対応の前提となる平時の地域コミュニティの維持や、医療・福祉・介護分野と防災施策との共創
    4. KPI進捗における課題の把握
  2. 脆弱性評価の課題
    1. 事象の発生確率や被害の大きさ等の定量的なシミュレーションや総合的な脆弱性を示すアウトカム指標等の導入の必要性(基本計画に示された課題

~NEW~
内閣府 第9回 人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会
▼ 【資料1】 人工知能(AI)技術の利用と消費者問題に関する専門調査会の検討状況(案)
  • 本専門調査会の主な問題意識
    • AI技術は、消費者の意思決定の材料の提供を行っていた段階から、技術的には意思決定を代替し得る段階になってきたといえるのではないか。
    • 生成AIにより生成物を人間が作成したものであるかのように消費者に認識させ、消費者の意思決定のプロセスに一定の影響を与えると考えられるのではないか。
    • 消費者の意思決定のプロセスに問題が生じているのであれば、対策が必要なのではないか。
  • 第8回専門調査会までに検討してきた主な論点
    1. AI技術の進展にともない、消費者のAI技術の利用主体としての重要性はどのような観点から高まっているといえるか。
    2. AI技術の事業者による利用が、消費者の意思決定のプロセスに及ぼし得る影響及びリスクについて適切に把握・評価するとともに、その対応として、必要な環境整備を推進することが必要ではないか。
  • 論点1:消費者のAI技術の利用主体としての重要性ーAI技術の利用の拡大ー
    1. 消費者によるAI技術の利用の拡大について
      • 令和4(2022)年後半、生成AIが社会実装され、国民のAI利用は急速に拡大
      • 業務利用と業務外利用の双方を含む個人の利用経験者は、国民の半数を超え、令和5(2023)年度から令和7(2025)年度にかけて6倍超と急増(総務省「令和8年版情報通信白書」)
      • 上記利用経験者の利用実態として、日常の行動・判断に関する相談を定期的に行っている者の割合は約15%、日常的な会話を目的として利用している者の割合は約11%に達している(同上)
      • 近年では、産業分野のみならず消費者の日常生活においても、利用者との対話を通じてタスクを実行し、意思決定や行動を代替し得るエージェント型AIの実用化が進展。
      • AIの利用主体として、組織内における業務利用者に加え、業務外の日常生活においてAIを利用する個人利用者=消費者の存在感が高まりつつある。
    2. AI技術と消費者接点の変化(1):キーワード検索から繰り返しの対話へ
      • 消費者は自らAI技術が最適化した情報を探しに行くのではなく、AIとの対話により相互理解を深めながら、情報をパーソナライズすることが可能となっている。
      • 対話は消費者の状況・迷い・感情・価値観を含み、事業者側のデータと結合されることで、提案の精度と影響力が同時に高まっている。
      • 柔軟かつ配慮的な対話型インターフェースを備えた、従来の手法とは質的に異なる「AI版セールスパーソン」が出現しつつあるといえる
    3. AI技術と消費者接点の変化(2):選好・問題認識・ニーズ等の形成段階への関わりの深化
      • 消費者の曖昧で潜在的な選好・問題認識・ニーズ等(以下「選好等」という。)を、対話のログの中から推論し、一致する商品を提案することが可能となっている。
      • 消費者は必ずしも、自らの選好等を当初から明確化できているとは限らず、自身の「抽象欲求」について、AIとの対話を通じて整理・具体化される可能性がある。さらに、AIの質問の設定方法、対話の口調等により、選好等形成にも一定の影響を及ぼされ得る。
      • 一般的には商品の購買が最終的な消費者の行動だが、それ以前・以後のAIとの相談自体が主要な消費行動の一つとなり、相談自体が消費の対象となっている。
    4. AI技術と消費者接点の変化(3):対話自体の消費価値の増大
      • AIを利用するという行動は極めて習慣化しやすく、社会的動機(自己表現、社会的証明等)を満たす消費が、AIとの相互作用によってより満たされる。
      • 日本では特にAIを人格を持つ存在のように受け止めてしまう傾向があり、AIの擬人化は、対話の流れや消費者との相互作用のあり方に大きな影響を及ぼし得る。
      • AIによる個別化された親身なコミュニケーション、即時的な反応により、AIと消費者の間に信頼関係が形成され、AIがより大きな影響力を持つ結果につながる。
    5. AI技術と消費者接点の変化(4):意思決定の代替可能性の出現
      • AI技術が、消費者に意思決定の材料を提供する段階から、意思決定自体を代替することが可能となりつつある。今後、代替される意思決定とあえて支援を受けるにとどまる意思決定が分かれることが想定されるが、いずれもAI技術の影響力の強化が予想される。
  • 論点1の議論から導かれる次の検討課題
    • 重要な利用主体である消費者の意思決定に対する影響の実態を把握・評価し、必要に応じて対応を検討することが、「信頼できるAI」の実現のために必要ではないか。
  • 論点2.意思決定へのプロセスへの影響の適切な評価と対応の方向性について
    1. 本専門調査会で報告された、対話型AI/エージェント型AIが意思決定プロセスにもたらし得る主変化
      • 情報の要約から購入誘導のシームレス化
      • 同調性、迎合性、忖度、親密性、人間関係代替性
      • 長期対話による心理特性の推定精緻化(個別化の促進と深堀り)
      • AIが消費行動に与える新たな影響
      • AI自体が個人の反応を観察し、何をどのタイミングでどのように与えれば、行動変容につながるかを学習できること
      • 消費者と会話(相互作用)しながら消費行動に影響する働きかけを行うこと
      • AI技術による意識決定プロセスへの影響について、AI技術によるポジティブな影響を利活用しつつ、消費者の意思決定プロセスに与え得るリスクを評価し、適切に対応することが必要。
    2. 本専門調査会で報告された、消費者に対してリスクとなるAI技術利用の主な態様
      1. 生成AI実装以前からの問題の増幅
        • 偽情報生成・欺瞞的説明の高度化・巧妙化・スケール化(第2回田中委員報告)
        • プライバシーの危殆化の拡大(第2回岡崎委員報告)
        • 行動の予測による操作(第4回坂下委員報告)
        • ダークパターン、パーソナライゼーションの中でも脆弱性を狙う等の態様、中毒性のあるUI・UX設計(第8回丸山座長代理報告) 等
      2. 生成AI実装後の双方向コミュニケーションの拡張
        • 消費者の意図を汲み取りすぎるがゆえに安全性が低下すること(第2回岡崎委員報告)
        • 消費者の対話型AI依存傾向に悪影響を及ぼす迎合性、擬人化等(第4回野村委員報告)
        • シコファンシー等の手法による消費者の心理誘導(第4回坂下委員報告) 等
    3. エージェント型AIによる新たな展開
      • 「対話の誤り」から「現実の不利益」へ(第5回小栗様報告) 等
      • リスクとなるAI技術の開発・設計・提供について、AI技術を消費者が用い、または用いられる利用場面・文脈によってリスクの現れ方が異なるため、更なる検討の精緻化が必要と考えられる。
  • 本専門調査会で議論された、環境整備の必要性に係る主要論点
    • 生成AIを利用した偽・誤情報による、消費者の認知に対する攻撃コストと消費者個人の対応コストの非対称性
    • 対話型AIとの対話の継続による、消費者への累積・反復的影響
      • キャパシティーを超えた購買
      • 価値観を超えた意思決定
      • 通常納得とはいえない選択 等
    • 対話型AIによる働きかけが継続的で、個人化され、見えにくいことによる、消費者個人での自衛の困難さ
    • 消費者個人による事後的な相談・救済の困難さ
      • 消費者自身が自身の意思決定への影響を自覚できず、苦情として消費生活相談現場に上がらないケースが多数ある可能性が非常に高い
      • 消費者が消費生活相談員への相談前にAIに相談し、相談員の回答がAIと異なった場合、相談員が間違っているとしてトラブルとなるケースが増加している
    • 個人のリテラシー向上とあわせ、AI技術の消費者の意思決定プロセスへのリスクに対応するための環境整備について、具体的に検討する必要がある

~NEW~
内閣府 道路に関する世論調査(速報)
  • あなたがいつも通る一般道路で、車が渋滞しているところがありますか。それともありませんか。(○は1つ)
    • ある 62.0%
    • ない 36.0%
    • 無回答 2.0%
  • その交通渋滞を解決するためには、どうしたらよいと思いますか。(○はいくつでも)
    • 交差点や踏切の立体交差化、車線数の増加、右折レーンの設置など道路構造を改良する 52.3%
    • 信号のサイクルを適切に調整する 43.5%
    • バイパス(市街地を避けて通る迂回路)や環状道路を建設して市街地の交通量を少なくする 29.6%
    • 公共交通や自転車の利用促進、テレワークや時差出勤の取組などで、混雑時の自動車利用を減らす 22.1%
    • 高速道路の料金を安くするなどして、高速道路への交通の転換を促す 21.8%
    • ガス、工事などの路上工事を集中したり、時期や時間帯を工夫するなどして交通規制を減らす 17.8%
    • 渋滞情報を提供して、渋滞区間の迂回や運転する時間の調整を促す 16.3%
    • 大型スーパーやショッピングモールーなどの沿道の商業施設の出入口の設置を抑制して、出入りする自動車による渋滞を減らす 16.1%
    • 環状交差点や交差点の集約化などで、信号を減らす 11.8%
    • 駐車場を整備するなどして、路上駐車を減らす 10.6%
    • 都市内への自動車の乗り入れを、時間などにより制限したり、料金をとるなどして流入を抑制する 2.8%
    • その他 5.6%
    • 特にない 2.5%
    • 無回答 1.2%
  • あなたは、道路交通の安全性向上のためには、どのような対策が必要だと思いますか。(○はいくつでも)
    • 通学路などにおける歩道整備や歩道拡幅、ガードレールの設置、危険な箇所の点検などの対策 62.7%
    • 中高生の自転車事故や高齢者の横断中事故などの世代別の事故特性を踏まえた対策 46.9%
    • 幹線道路での交通安全対策(右折車線の設置、交差点で待機している歩行者に車が接触するのを防ぐための柵の設置) 41.7%
    • 高速道路での逆走による事故を防ぐため、誤進入防止のための路面標示の大型化や逆走車を自動的に停止させる装置の開発などを進める 41.6%
    • 生活道路における車の速度抑止・進入抑止対策 31.8%
    • バイパスや環状道路などを整備し、生活道路の自動車交通(抜け道利用など)を減らす 29.4%
    • 高速道路での対向車との接触事故などを防ぐため、片側1車線による通行区間の車線数を増やす 15.6%
    • その他 7.8%
    • 特にない 2.0%
    • 無回答 0.9%
  • あなたは、高齢・障害者の歩行者などに対する配慮として、歩行者の立場からどのような道路施策が必要だと思いますか。(○はいくつでも)
    • 歩道を設置したり幅を拡げたり、段差・傾きの解消などを行う 78.6%
    • 自転車と歩行者の通行空間を分離する 53.0%
    • 違法に設置された看板や放置自転車を撤去する 31.7%
    • 視覚障害者誘導用ブロックの適切な設置を行う 31.1%
    • 高齢者や車いす使用者などが快適に移動できるバリアフリー経路の案内をする 31.0%
    • 電線類の地中化を行い、電柱を撤去する 30.2%
    • 高齢歩行者が安全に道路を横断できるよう車道中央部に交通島を設置するなど安全対策を行う 23.0%
    • ベンチを設置するなど休憩のできる歩道を整備する 21.6%
    • その他 3.2%
    • 特にない 1.6%
    • 無回答 0.8%
  • あなたは、大地震や大雨、大雪、火山噴火などによる災害が発生した場合、お住まいの近くにある道路について壊れたり、通行できなくなるといったことに不安を感じますか。(○は1つ)
    • 不安がある(小計) 67.8%
    • 不安がある 30.6%
    • やや不安がある 37.3%
    • 不安はない(小計) 31.1%
    • あまり不安はない 26.1%
    • 不安はない 5.0%
    • 無回答 1.1%
  • あなたは、大地震や大雨、大雪、火山噴火などによる災害により、よく利用する道路が通行止めになった場合、どのようなことに特に不便を感じますか。(○はいくつでも)
    • 救急車など緊急・救急車両の到着の遅れ 73.5%
    • 物資の輸送の遅れ 61.2%
    • 日常品の買い物の障害 56.1%
    • 通勤・通学・通院の障緊 40.4%
    • 緊急避難先への移動の障害 38.0%
    • 集落の孤立による周辺との途絶 14.3%
    • 業務上の移動の障害 11.7%
    • 特にない 2.2%
    • 無回答 0.9%
  • あなたは、大地震や大雨、大雪、火山噴火などによる災害に備えるためには、道路整備の面からどのような対策が必要だと思いますか。(○はいくつでも)
    • 救急活動や救援物資などの輸送を確実に行うために必要な幹線道路の整備・改修、複数ルートの確保 56.2%
    • 電柱の倒壊による道路の寸断を防ぐための電線類の地中化 48.1%
    • 大地震にも耐え得る道路の耐震補強 42.1%
    • 災害発生後の早期交通確保に向けた初動対応の強化(緊急車両などの通行確保、大型土のうや建設機材などの災害対応資機材の確保) 39.4%
    • 落石や土砂崩れなどによる道路の被災を防ぐため、コンクリートなどで道路や斜面を補強する対策 36.3%
    • 地震情報や道路情報を的確に把握、提供する情報システムの整備 36.0%
    • 安全に避難できる避難路の整備 35.5%
    • 市街地における道路地下構造物の浸水・冠水対策(止水板の自動化や浸水センサーの設置など) 30.8%
    • 大雪時における大規模な車の立往生を防ぐための計画的・予防的な通行止め 23.7%
    • 避難や救援を行う拠点の整備(高速道路のサービスエリア・パーキングエリアや道の駅など) 21.9%
    • その他 2.2%
    • 特にない 1.3%
    • 無回答 1.1%
  • あなたは、お住まいの近くでの自動車の通行により、迷惑に感じていることはありますか 。( ○はいくつでも)
    • 交通事故の危険 36.0%
    • 住宅地などの生活道路への通過交通(抜け道として利用する自動車)の流入 32.9%
    • 路上駐車ゴミなどのポイ捨て 23.5%
    • 大気汚染、騒音、振動 14.3%
    • 幹線道路を通過する自動車による地域の分断 3.2%
    • その他 4.2%
    • 特にない 20.2%
    • 無回答 1.1%
  • あなたは、脱炭素社会の実現に向け、温室効果ガスの排出量を削減するためには、道路施策の面からどのような対策が必要だと思いますか。(○はいくつでも)
    • 渋滞を減らして自動車の走行をスムーズにする 44.7%
    • 電気自動車など次世代自動車の普及を促進する 39.4%
    • 公共交通機関の利用を促進する 31.5%
    • LED道路照明の普及を促進する 27.7%
    • バイパス・環状道路を建設して移動時間を短縮させる 25.4%
    • 太陽光など再生可能エネルギーでの発電に道の駅やサービスエリアなどの道路空間を活用する 22.1%
    • 道路に植樹帯をつくって街路樹を増やす 15.8%
    • 自転車の利用を促進する 12.9%
    • その他 3.2%
    • 特にない 5.9%
    • 無回答 1.4%
  • 高度経済成長期に集中的に整備されてきた橋などの老朽化が今後進んでいきますが、あなたは、これらの橋などについて、どのように維持や修繕、更新を行うべきだと思いますか。あなたのお考えに最も近いものをお答えください。(○は1つ)
    • 修繕するよりも積極的に更新(作り直し)を進める 17.0%
    • 傷みが大きくなってから修繕し、必要に応じて更新(作り直し)を進める 6.1%
    • 傷みが小さいうちに予防的な修繕を進め、できるだけ長持ちさせる 45.0%
    • 交通量などを考慮して、優先的に維持修繕を行う橋などの対象を絞って、集約や撤去を進める 25.9%
    • 特に修繕はしない(利用できなくなる橋などがでてきてもやむを得ない) 0.6%
    • 無回答 5.4%
  • あなたは、どのような分野の道路整備に力を入れてほしいと思いますか。(○はいくつでも)
    • 大地震や津波、大雨、大雪、火山噴火などによる災害に備えた対策 58.7%
    • すれ違いが困難な狭い道路や急カーブの改良 47.2%
    • 歩道の設置や拡幅、段差解消など 36.9%
    • 渋滞を緩和するためのバイパス整備や交差点の立体交差化など 35.0%
    • 自転車の通行空間や駐輪施設の整備 33.7%
    • 電線類の地中化や植樹など景観の改善 30.6%
    • 分かりやすい標識の整備 29.1%
    • 道路の清掃や舗装修繕などの維持管理の充実 27.7%
    • 都市間・地域間を結ぶ幹線道路などのネットワークの確保 26.3%
    • 立体交差などによる踏切の改良 26.2%
    • 高速道路のインターチェンジ増設や料金割引など使いやすさの改良 25.6%
    • 駐車場の整備 25.1%
    • 高速道路のサービスエリア・パーキングエリアや「道の駅」の設置 16.9%
    • 騒音や大気汚染などへの環境対策 16.2%
    • 美しく賑わいのある道路空間の整備(オープンカフェや露店、イベントなどへの開放など) 9.0%
    • その他 1.8%
    • 特にない 0.8%
    • 無回答 0.7%

~NEW~
消費者庁 デジタル取引・特定商取引法等検討会の中間取りまとめを公表しました。
▼ デジタル取引・特定商取引法等検討会 中間取りまとめ
  • はじめに
    • 近年、情報通信技術の進展や、取引の基盤となるデジタルプラットフォームの台頭により、時間や場所を問わない取引が行われるようになるなど、消費者の利便性は飛躍的に向上している。他方で、インターネット上での悪質な勧誘行為や消費者の意思決定を歪めるユーザーインターフェース(以下「UI」という。)の拡大など、デジタル技術の発達を悪用する形で、新たな消費者トラブルが生じている。
    • また、これらの技術進展や社会環境の変化に加え、高齢化や地域コミュニティの希薄化等も相まって、訪問販売や連鎖販売取引等の取引分野においても、近年被害件数が増加しているものが存在している。
    • これまでも、上記の情報通信技術の進展による取引の特性・特徴に関しては、その技術的専門性の側面について、消費者庁「デジタル社会における消費取引研究会」で議論がなされてきた。また、デジタル化、高齢化、地域コミュニティの希薄化等の環境変化を踏まえた、消費者が多様な脆弱性を有することを基礎とする対応の必要性は、令和7年7月に内閣府消費者委員会「消費者法制度のパラダイムシフトに関する専門調査会」で取りまとめられた報告書においても指摘されているところである。
    • こうした議論を踏まえつつ、近年の環境変化や消費者トラブルの実態等を整理した上で、消費者の利益を保護し、消費者が安心・安全に取引できる環境(健全な市場)を実現する観点から必要な措置について検討を行うため、消費者庁において「デジタル取引・特定商取引法等検討会」(以下「検討会」という。)を開催し、本年1月以降、9回にわたり議論を行った。
    • それを踏まえ、今般、本検討会は、これまで検討・議論を行った各論点につき中間取りまとめを行うものである。
  • 基本的視点
    • 近年、デジタル技術の進展により、消費者は時間や場所を問わず、多様な商品・サービスに容易にアクセスできるようになっている。また、事業者にとっても、デジタル技術を活用することにより、消費者の利便性を高める取引手法や新たな商品・サービスを提供することが可能となっている。健全な取引の拡大は、消費者の選択肢を広げるとともに、公正な競争を通じた市場の発展にも資するものである。
    • 他方で、インターネット上での悪質な勧誘行為や消費者の意思決定を歪めるユーザーインターフェースの拡大など、消費者被害をもたらす取引が放置されれば、健全な事業者を含む市場全体への信頼を損なうことから、適正な規律が必要となる。また、規律の在り方によっては、健全な取引に過度な負担を課し、消費者の利便性や事業者の創意工夫を損なうおそれもある。
    • したがって、必要な措置の検討に当たっては、健全な取引により消費者が得られる利便性を最大限に確保しつつ、悪質な取引に焦点を当てて対応を強化することを基本とし、消費者保護と取引適正化の均衡を確保する必要がある。
  • インターネット取引への対策の強化
    • 情報通信技術の進展に伴い、インターネット取引においては、従来のカタログやTVショッピング等の通信販売とは異なり、SNSのメッセージ送信機能などを通じた個別の消費者への働きかけや、オンライン上の表示・UIを通じた消費者の意思決定を特定の方向に誘導・断念させる手法など多様なアプローチが用いられることがある。そこでは、広告と勧誘を明確に区別することが必ずしも容易でない場面が生じるなど、取引環境の変化が生じている。
  1. 特に勧誘的性質の強い取引への対応
    1. 基本的方向性
      • 消費者がメッセージ送信機能などを通じた勧誘を受けて契約の申込みに至る隔地者間取引は、通信手段が音声による通話ではなく、スマートフォンやパーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)の画面に表示された文字情報等であったとしても、事業者からの個別の働きかけにより消費者の意思決定に影響が及ぶ点において、電話勧誘販売と共通する性質を有している。
      • すなわち、不意打ち性や誘引性は、通信手段が音声による通話であるか文字等であるかによって本質的に異なるものではなく、通信手段の違いのみを理由として、消費者保護の水準が低下することは適当ではない。
      • 他方で、消費者が自発的に事業者へ接触し、商品・役務の内容について自ら情報収集及び比較検討を行った上で申込みを行う取引について、広く勧誘規制の対象とすることは、通常の取引に過度な負担を生じさせるおそれがある点に留意が必要である。
    2. 内容
      • 上記を踏まえ、スマートフォンやPC等の画面を通じた、特定の相手方に対する、双方向のやり取りのための文字情報等の送信(やり取りの中での画像・動画等のファイル添付やリンクを用いたこれらの情報の送信も含む。)を「チャット等」とすることが考えられる。
      • その上で、事業者から消費者に対してチャット等による勧誘を開始する場合のほか、勧誘目的を告げずに、又は著しく有利な条件を提示するなどして消費者からチャット等を開始させ、当該チャット等において行う勧誘により契約の申込みを受け、又は契約を締結する場合を規律の対象とすることが考えられる。
      • その際、メッセージ送信機能を用いた事業者からの働きかけであっても、当該メッセージに対する応答を不可としている一斉配信や単発のポップアップ表示など消費者との双方向のやりとりを一切想定しないものは、それのみではチャット等による勧誘規制の対象とならないものとすることが適当である。
      • なお、インターネット上の取引形態は今後も変化し得ることから、対象範囲の整理に当たっては、ダイレクトメッセージの送信やオンラインセミナーに誘い込むなどといった既存の手法に限定するのではなく、これらと同様の不意打ち性を有する手法にも柔軟に対応できる仕組みとすることが求められる。
      • そして、通信販売取引に係る規律の存在を前提に、措置の内容としては、チャット等による勧誘には、不意打ち性が高いという点で、電話勧誘販売と同様の性質が認められることを踏まえて、電話勧誘販売と同等の規律を講ずることを基本とすべきである
  2. 広告場面における意思決定を誘導する手法への対応
    1. 基本的方向性
      • インターネット技術は、現在、広く一般的な情報交換手段の一つとして利用されており、表示やUIの設計にも多様な態様がある。インターネット取引において商品を分かりやすく表示すること、購入手続を円滑にすること、一定の案内表示を行うこと自体は、消費者の利便性向上にも資するものである。このため、規律の検討に当たっては、悪質な取引に対して適切に対応することにより、消費者の利益を保護し、安心・安全に取引を行うことができる環境を整備する観点から、消費者の誤認を招く手法や、威迫、迷惑又は不安を覚えさせる等の攻撃的手法により望まない申込み等を迫る手法に焦点を当てるべきである。
      • 他方で、問題となる表示・UIの手法は多様であり、個別の手法をあらかじめ列挙し尽くすことは困難であることから、ダークパターン等の変化の早さにも柔軟に対応できる一定程度包括的な規律を検討すべきである。
      • その上で、具体的な射程や判断基準については、事業者の予見可能性を確保し、適正な表示・UI設計まで萎縮させないよう、下位法令やガイドライン等において違法なパターン(ブラックリスト)や適法なパターンを示す等の方法により明確化すべきである。その際には、有識者や事業者等の意見を丁寧に聴取し、諸外国の措置内容や規制水準も考慮しつつ、実際の取引実態を踏まえながら検討を進めることが重要である。
    2. 内容
      • 商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件についてインターネット上で広告をする場面において、誤認を招く又は威迫、迷惑若しくは不安を覚えさせるなどして、消費者の意に反して申込みをさせようとする表示・UIに対する規律を設けるべきである。具体的な規律対象については、今後さらに検討することとするが、例えば、次のようなものが考えられる。
        • 契約の核心的な要素である支払金額(違約金等を含む。)、分量、契約期間等について、一般的な消費者が通常の注意をもって見た場合に、その内容を正確かつ容易に認識できない虚偽・不明瞭な表示・UI(誤認を招く手法)
        • 口コミ、利用状況、在庫情報、タイムセール等の商品の性能や内容に関連する情報について、その内容が虚偽である表示・UI(誤認を招く手法)
        • 契約の申込みに関し、操作の反復又は威迫的な文言等を用いて、消費者を威迫し、迷惑を覚えさせ又は不安を生じさせるような仕方によって、消費者に契約の申込み・締結をさせようとする表示・UI(攻撃的な手法)
      • 加えて、消費者が表示の商業的性質を認識できるようにする観点から、広告であることを判別できることが重要である。このため、実際は広告であるにもかかわらず広告であることが判別し難い表示を禁止し、又は実際は広告であるにもかかわらず一見して広告であることが明らかではない表示については広告である旨の明示を求めるべきである。
      • なお、これらに違反した場合の対応については、行政規律による是正を基本とすべきである。
  3. 契約場面における対応
    1. 最終確認画面における表示・UI
      • 最終確認画面において、表示内容、画面設計や操作手順により、消費者が取引条件を誤認して申込みを行うことを防止する必要がある。このため、インターネット取引における最終確認場面における表示義務の範囲を明確化すべきである。
      • 具体的には、現行法の最終確認画面の表示義務や誤認表示の禁止の範囲を拡張し、インターネット取引における最終確認画面における支払総額の表示、取引条件の分離表示の禁止等といった表示方法の義務付け等を行うべきである。
      • また、最終確認画面で注文を確定後に、前の契約内容を変更して別内容の契約をするよう事業者側から提示するようなケースに対しては、既に確定した注文内容を変更させる際に、変更前後の内容を対照させる等、変更内容を明示することを義務付けるべきである。
    2. 取引条件の明確化
      • インターネット取引において、消費者が契約内容を確認し、一般的な定期購入契約における任意解約権や最終確認画面により誤認した場合の権利行使を円滑に行うことができるようにするため、契約内容を記載した電子書面等を、注文完了後遅滞なく、電子メール等により消費者に交付することを義務付けるべきである(なお、注文完了後に事業者側から新たな契約内容の変更が提案され、これにより、再度最終確認画面を通じて、消費者から新たな注文(申込み)がされた場合には、事業者は再度契約内容を記載した電子書面等を交付する必要がある。)。
      • そして、交付する電子書面等の記載内容等については、最終確認画面の記載との同一性及び記載の明瞭性を担保しつつ、現行の取引慣行も踏まえて検討すべきである。
      • また、交付方法等については、後日改変されない形で保存可能な方法とすべきであるが、健全な事業活動への過度な影響を回避する観点から、現行の取引慣行も踏まえて検討すべきである。
  4. 解約場面における対応
    1. 返品特約の不当な濫用への対応
      • 販売業者が、購入者から債務不履行解除などの法定返品権によらない契約の解除等の通知又はその申出を受けた場合には、当該申出に係る事実関係について社会通念上通常必要とされる確認を行うことなく、返品特約のみを理由として法令又は契約上の権利が存在しない旨を告げる行為を、新たに行政処分の対象として規制することが適当である。この点については、インターネット取引に特有の問題ではないため、通信販売一般の規律として検討すべきである。
    2. 解約手続妨害への対応
      • 主にオンライン上の表示・UIの設計・運用の高度化等に由来する論点(ダークパターン等)として、解約手続を不当に遅延させる行為や、契約手続に比して合理的理由なく過度に複雑な解約手続を課す行為について、取引慣行も踏まえつつ、違法行為として規律の対象とすべきである
  5. 契約プロセスの一部がインターネット外となる取引
    1. 店舗販売(の一部)との接続
      • 勧誘目的を秘匿して来訪させることによる不意打ち性は、媒体が紙であるかウェブページ上の表示であるかによって本質的に異なるものではないため、ウェブページ上の表示を契機とする来店誘引についても、チラシ等による誘引と同様に、アポイントメントセールスの一類型と捉え、訪問販売の規制対象とすべきである。
      • その際には、一般的な広告や通常の来店誘引、店舗における通常の商品説明まで規制対象とならないよう、勧誘目的の秘匿と評価すべき行為の範囲を明確化する必要がある。
      • 例えば、ウェブページ上で「無料体験」「モニター募集」等と表示しながら、本来の目的が商品販売又は有償の役務提供契約の締結である場合において、(1)有償契約の勧誘があることを隠匿している場合、(2)無料で参加できることのみを強調して販売意図を否定している場合、(3)有償契約を締結しなければ体験等ができないにもかかわらず体験のみの参加が可能であるように表示している場合、又は④来店後に勧誘される商品・役務が実質的に読み取れない態様で表示されている場合などには、勧誘目的が示されていないものとして整理することが考えられる。
      • 他方で、無料体験の範囲や有償契約の内容が明確である場合、又はイベント等において商品・役務の勧誘が行われることが通常読み取れる場合などには、勧誘目的が示されているものと整理することが考えられる。
    2. インターネットを用いない隔地者間取引との接続
      • インターネット取引に係る本検討会で検討した規律は、隔地者間で行われるインターネット画面を用いた取引の特性に着目したものである。
      • そのため、隔地者間取引を前提に、インターネット画面を用いて広告等が行われる場合には、インターネット特有の広告等の態様に着目した規律を、インターネット画面を用いて申込み等が行われる場合はインターネット特有の申込み等の態様を踏まえた規律を行うべきである。
  6. デジタルプラットフォームの重要性の高まりを踏まえた対応
    1. 誇大広告等を防止するためのデジタルプラットフォームへの対応
      • 近時の消費生活相談の傾向として、画像や動画等を共有するSNSや、検索結果を示すサイト等に表示される広告が契機となり発生する消費生活相談が増加しており、定期購入、レスキュー商法等に関するものが挙げられる。これに対し、インターネット取引の基盤提供者による誇大広告等の排除に向けた自主的な取組が一定程度行われている。例えば、広告掲載基準等において不当表示、具体的には優良誤認表示・有利誤認表示となる広告を始め、特定の文言を含む広告の掲載を広範に禁止し、審査や削除を行っている。他方で、広告の内容が実際に不当表示に当たるのか、その詳細を自ら判断することが難しい側面があることが指摘されている。
      • このため、法律に基づく誇大広告等の削除等の要請を取引デジタルプラットフォーム提供者及びそれ以外のインターネット取引の基盤提供者等に対して行うことができるようにする((ア)制度上の措置)。さらに、販売業者等の広告表示義務の一層の遵守の徹底を図るとともに、インターネット取引の基盤提供者による誇大広告等の排除に向けた自主的な取組を促進する必要がある((イ)自主的な取組)。
  7. レスキュー商法への対応
    • 具体的には、ウェブページ等を利用して、著しく事実に相違する商品の価格又は役務の対価を示し、これに誘引されて来訪を要請した者に対し、外部からの介入、勧誘場面からの離脱や、商品等の比較検討が困難な環境において、合理的な根拠なく、当該表示に記載された価格又は対価と著しく乖離した高額の商品の購入又は役務提供契約の締結を勧誘する行為について、違法行為と位置付け、行政処分の対象とすべきである。
  8. 点検商法等への対応(強引な契約締結・解約妨害への対応等)
    1. 強引な契約締結等への対応
      • 消費者が契約の申込みや承諾の意思表示をする前に、契約の履行に着手し原状回復を困難とする行為を、訪問販売類型において違法行為と位置付け、行政処分の対象とすべきである。
    2. 解約妨害への対応
      • クーリング・オフの実効性を低下させる事業者の行為は許容されるものではない。クーリング・オフ後の履行拒否又は不当遅延については、それ自体を違反行為として迅速な執行を行うとともに、不当な遅延に当たる日数の基準を示す等の手法や、相談現場と連携して速やかに事案を共有する等の手法により、厳正な対応を行うべきである。
      • また、クーリング・オフに関する事業者の行為のうち、不実告知、威迫・困惑等に該当し得る悪質な行為については、特定商取引法第6条の禁止行為の該当性を明確化し、必要に応じて規定の見直しを検討することにより、直罰の対象となることを明確化すべきである
  9. いわゆる後出しマルチへの対応
    • このような事例では、知識や経験に乏しい消費者が誘引される点や、告げられた特定利益を期待して知人への勧誘等を行うものも見られることから、連鎖販売取引の規制の趣旨が及ぶものについて、規律の対象となる旨を明確化するべきである。
    • 具体的には、事業者が相手方との間で物品の販売等の取引を行い、その後、この取引で相手方が負った金銭的負担に関連して(例えば、商品の購入のために消費者が支払った代金相当額を回収する方法として)特定利益を収受し得ることを告げた場合には、先行して締結された売買契約又は有償の役務提供契約の時点から、消費者に生じた金銭債務を特定負担とする連鎖販売取引が行われたものとみなす等により、このような事例も連鎖販売取引の規律の対象とすることを明らかにすべきである。
    • なお、現行法上、特定利益は、自分以外の者が再販売やあっせん等を行う側の加入者となる際に支払った取引料や購入代金などのことを指し、相手方が連鎖販売取引をするか否かの意思決定において、社会通念上、判断要素となり得る程度のものである必要があるため、商品販売後の紹介特典、キャッシュバック、アフィリエイト等の通常の販促活動は、基本的には連鎖販売取引に該当しないものとして整理することが可能である。
    • また、通常の商品販売を前提として、実際に商品価値を認めて継続利用している顧客に対し、後から特定利益を収受し得ることを告げて、改めて商品等の販売側になることの了承を得る場合まで、一律に当初の売買契約や有償の役務提供契約の時点から、各種行政規律や刑事罰を及ぼし又はクーリング・オフの権利を認める合理性には乏しいため、このような取引については、特定利益を収受し得ることを告げて契約した時点から連鎖販売取引の規制がかかるように整理すべきである。
  • その他の指摘事項等
    • 上記のほか、消費者取引に共通する課題として、又は関連法制や今後の技術・取引環境の変化も踏まえた検討を要する重要課題として、検討会では、以下の事項等について委員から指摘があった。
      1. 厳罰化等に係る論点
        • 悪質な勧誘等の違法行為の抑止力を高めるための、諸外国の規制水準との平仄も考慮した法定刑の引き上げ等の方策。
      2. 個人情報を活用した取引に係る論点
        • インターネット取引では、消費者の属性、閲覧履歴、購買履歴等を利用して、広告や取引条件を個別化することが可能であることから、個人情報等を用いた取引の個別化がもたらす消費者取引への影響等を踏まえた、プロファイリングに対する規律の必要性等。
      3. 海外事業者への対応
        • 海外事業者が日本の消費者向けに取引を行う場合には、特定商取引法等が適用され得るものの、処分の実効性確保については、クロスボーダー取引全般に通じる課題であり、例えば以下の方策が指摘された。
          • 所在不明、送達困難な事業者による違反に対しては、公示送達等の制度を活用した対応を行うこと。
          • 消費者に対しては、消費者庁による注意喚起や越境消費者センターによる情報提供等により、不審なサイトの周知を行う。その際には、消費者被害の未然防止及び拡大防止の観点から、必要に応じて事業者名やサイト名等の実名公表を含め、実効的な注意喚起の手法を検討し、周知を図ること。
          • インターネット取引の基盤提供者(取引デジタルプラットフォーム提供者、広告・SNSのプラットォーム提供者等)との協力・連携を通じ、被害の拡大防止に努めることまた、令和3年特定商取引法改正により設けられた契約書面等の電子化に関する事項については、以下の議論がなされた。
      4. 書面の電子化
        • 通信販売以外の取引類型における契約書面の電子化については、記入ミスの減少等のメリットや消費者の利用ニーズが確認される一方、制度の理解不足等の課題も見られる。
        • そのため、引き続き、書面電子化の利用方法について、適切に周知を行い認知度・理解度を高めていくほか、消費生活相談の状況等を注視しつつ、消費者保護と利便性向上の両立を図っていくべきである。

~NEW~
消費者庁 食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の報告書を公表しました。
▼ 令和8年度報告書(概要版)
  • 背景と目的、調査項目
    • 令和6年度の我が国の食品ロス量は461万トン(食品製造業:110万トン、食品卸売業:9万トン、食品小売業:48万トン、外食産業:70万トン、一般家庭:224万トン)である。
    • 食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針(令和2年3月閣議決定、令和7年3月変更)においては、「国民各層がこの問題を「他人事」ではなく「我が事」として捉え、「理解」するだけにとどまらず「行動」に移すことが必要である」ことが基本的な方向として明記されており、食品ロスの削減に向けた消費者一人ひとりの行動変容が求められている。
    • 一方、国による食品ロスの発生状況の評価は「発生量」によるもののみであり、より消費者の行動変容を促すためには、「経済損失」や「温室効果ガス排出量」といった消費者の共感を生む指標も合わせて公表し、啓発に活用することが望ましい。本業務は、食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の推計を実施し、推計結果を今後の普及啓発に活用することを目的として実施した。
  • 食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の推計結果
    • 推計の結果、食品ロスによる経済損失の合計は3.8兆円、国民一人あたりでは31,097円/人となった。(総務省「人口統計」(令和6年10月1日時点)の人口に対する値)
    • 推計の結果、食品ロスによる温室効果ガス排出量の合計は978万t-CO2、国民一人あたりでは79kg-CO2/人となった。(総務省「人口統計」(令和6年10月1日時点)の人口に対する値)

~NEW~
消費者庁 食品ロス削減ガイドブック(令和8年度版)
  • 「食品ロス」は、まだ食べられるにもかかわらず、捨てられてしまう食品のことをいいます。日本における食品ロスは、年間461万トン発生しており、この値は、国連世界食糧計画(WFP)による2024年の食料支援量(約250万トン)の約1.8倍になります。日本の食品ロスは、事業者から237万トン(51%)、家庭から224万トン(49%)排出されています。食品ロスを減らすためには、事業者、家庭双方で取り組む必要があります。
  • 日本の食料自給率はカロリーベースで38%です。日本は諸外国に比べて食料供給に対する国内生産の割合が低く、食料の多くを輸入に頼っています。また、日本では、9人に1人の子どもが貧困であるとされています。日々の食事に困っている子どもも少なくありません。
  • 家庭における消費支出のうち、食費は1/4以上を占めています。
  • 家庭からの食品ロスは、一般廃棄物の一部として処理されます。焼却処分するための経費は、全て私たちの税金で賄われています。2024年度のごみ処理事業経費は、約5兆円で、ここ数年でほぼ横ばいの状況にあります。
  • 日本は、多くの食料を海外から輸入している一方で、たくさんの食品ロスを排出しています。また、食品ロスを含む一般廃棄物の処理費用に、年間約2.5兆円使われています。さらに、船舶・飛行機による輸入や、ごみを燃やす際に排出される二酸化炭素、焼却後の灰を埋める土地の問題もあります。
  • 2024年度食品ロス量(461万トン)を基に推計した結果、食品ロスによる経済損失の合計は3.8兆円、食品ロスによる温室効果ガス排出量の合計は978万t-CO2となりました。この推計値を国民一人あたり※1に換算すると経済損失は31,097円/人/年、温室効果ガス排出量は79kg-CO2/人/年となりました。
  • デコ活とは、二酸化炭素(CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む“デコ”と活動・生活を組み合わせた言葉で、2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向けて、脱炭素に関する消費者のみなさんの身近な行動変容、ライフスタイル転換を後押しする国民運動です。食品は多くの水分を含み、焼却の際は、たくさんのエネルギーを使い、多くの二酸化炭素(CO2)が発生するため、食品ロスを減らすことは身近にできる脱炭素に関する取組の一つです!
  • 政府では、日本の食品ロス量を、家庭系食品ロス量、事業系食品ロス量のいずれも、2000年度と比べて、2030年度に半減することを目標として、様々な取組を進めています。2022年度には、事業系の食品ロスについて、半減目標を8年前倒しで達成したことから、2025年3月に、新たな目標として、事業系食品ロスを60%減、家庭系を50%減早期達成することが設定されました。環境問題や社会問題の観点から、引き続き、一人一人が、他人事ではなく我が事として意識をもって、身近にできることから着実に取り組んでいくことが大切です。
  • 食品ロスを削減することは、環境にやさしく、人や社会等の配慮にもつながる消費行動であり、「エシカル消費」の1つです。食品ロス削減においても、「今だけ」「ここだけ」「自分だけ」ではなく、将来のこと、地域のこと、周りの人のことも考えた消費行動を考えてみましょう。
  • エシカル消費とは?地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動です。
  • 3R(スリーアール)は、大量生産、大量消費で増えるごみ処理の対策として、資源を有効活用するために、導入された考え方です。
  • 世界では、人の消費のために1年間に生産される食料(約40億トン)の約3分の1に当たる約13億トンが捨てられています。国連の定義に基づくFood Loss(食品のロス)とFood Waste(食品の廃棄)の状況を見てみましょう。世界の食料生産量に対するFood Loss(食品のロス:収穫から製造加工まで)の割合:約14%世界の食料生産量に対するFood Waste(食品の廃棄:小売・飲食店・消費段階)の割合:約17%
  • 世界の栄養不足(飢餓)人口は増加しており、2024年には6億7,300万人に達しています。これは、世界の人口の12人に1人が飢えに苦しんでいることを意味します「ふだん使いでカンタン備蓄」は、災害時用備蓄食品や、普段食べている食品を少し多めに買い置きして、食べたらその分を買い足す方法です。ローリング(回して)ストック(保管)法とも言われています。ふだんから食べることで、期限内に食べきることができ、災害時には、備蓄食品が口に合わなかったり、作り方が分からないなど戸惑うことも減らせます。消費者庁では、「食品ロスにしない備蓄のすすめ」を発行しています。ぜひ参考にしてみてください。
  • 農林水産物のうち、台風など自然災害の影響で傷ついたものや、収穫の時に傷ついたもの、豊作・豊漁で獲れすぎたものは、市場に出回ることなく、廃棄されてしまうことがあります。せっかくの産品を捨ててしまうのは、そのものだけでなく、生産に要した時間や労働力を含む多くの資源を無駄にしていることになります。持続可能な社会形成の観点から、規格外の農林水産物を使って新たな価値を生み出すビジネスも展開されています。
  • 食べられるにも関わらず、規格外のため廃棄されてしまう食材を消費者にインターネット等を通じて届けるサービスを行っている企業があります。サイズが規格に合わないなどの理由で、十分食べられるのに捨てられてしまっていた野菜や果物を加工、販売する企業もあります。規格外食品を使って商品を作り、販売することで、新たな価値に転換できます
  • 食品廃棄物の排出抑制対策においても、新たに生まれ変わらせるリサイクルよりも、食品ロスを出さない工夫を含めた発生の抑制(リデュース)が優先されます。持続可能な社会の観点からも、製造時に食品ロスを生まない工夫がなされています。
  • 消費者が購入した後食べるまでの期間などを考慮し、卸売や小売店とメーカーとの間で、店頭でいつまで販売するか(販売期限)や、そのためにいつまでに納品できるか(納品期限)などの期限が習慣的に決められてきました。このような商慣習については、食品ロス削減の観点から、フードサプライチェーンで見直しが進められています。また、スーパーなどの小売店では、販売期限をなくし、返品や廃棄をすることなく、売りきる工夫をするところもあります。
  • 季節や天候、イベントの時期、家族構成などのライフスタイルによって、消費者の消費行動は変わっていきます。需要に見合った製造や受注販売を行ったり、消費者に予約購入を促し、欠品に対する理解を求める啓発を行う事業者もあります。
  • スーパーなどの小売店で買物をする消費者に向けて、食品ロス削減の観点からの買い方「てまえどり」等の啓発も行われています。また、購入後も、おいしく食べきってもらうための情報を発信している企業もあります。
  • 店舗で、仕入れや調理で作りすぎたりすることがあるかもしれません。また、消費者が、外食で提供される料理の量が分からず、注文しすぎて、食べ残してしまうことがあるかもしれません。食べ残しや作りすぎなどは、料理や食材が無駄になるばかりでなく、廃棄する際の処分費用もかかってしまいます。消費者が適量を注文できるよう、料理を提供する量を希望に合わせたり、足りなければお代わりができます、と消費者が店舗とコミュニケーションを取りやすい雰囲気を作る飲食店等もあります。また、自治体等では、協力飲食店の登録制度を設けるなど、消費者が取組を行いやすいような普及啓発を行っています。
  • 食品に関係のない企業などの皆さんも、自分には関係ないと思うのではなく、それぞれの分野の強みを生かして、何かできることはないかと考えてみたり、社員やその家族、地域住民に食品ロスを減らす行動を促したりしてみましょう

~NEW~
厚生労働省 「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」の結果を公表します
  • 虐待が認められた事業所数・障害者数は減少、認められた虐待の種別では「経済的虐待」が引き続き最多
  • 厚生労働省は、このたび、「令和7年度使用者による障害者虐待の状況等」を取りまとめましたので、公表します。
  • 都道府県労働局では、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「障害者虐待防止法」)に基づき、都道府県などの地方公共団体と連携し、障害者※1を雇用する事業主や職場の上司など、いわゆる「使用者」による障害者への虐待の防止や、虐待が行われた場合の関係法令に基づく是正指導などに取り組んでいます。
  • 厚生労働省では、今回の取りまとめ結果を受けて、引き続き、地方公共団体との緊密な連携を図りながら、使用者による障害者虐待の防止のために取り組んでいきます。
  • ポイント
    1. 通報・届出のあった事業所数・対象となった障害者数
      • 通報・届出のあった事業所数※2は、前年度と比べ4.4%増加し、1,663事業所。
      • 通報・届出の対象となった障害者数は、前年度と比べ6.9%増加し、1,953人。
    2. 虐待が認められた事業所数・障害者数
      • 虐待が認められた事業所数※2 は、前年度と比べ3.0%減少し、421事業所。
      • 虐待が認められた障害者数は、前年度と比べ6.4%減少し、610人。
    3. 認められた虐待の種別
      • 認められた虐待の種別※3では、経済的虐待が521人(83.1%)で最多。

~NEW~
経済産業省 中部電力ミライズ株式会社に対して電気事業法に基づく報告を求めました
  • 経済産業省は本日、中部電力ミライズ株式会社に対して、同社が特定小売供給約款の料金単価の設定を誤った事案について、電気事業法第106条第3項の規定に基づく報告を求めました。
  1. 概要
    • 中部電力ミライズ株式会社が2024年2月6日付で変更届出を行った特定小売供給約款について単価設定が誤っていた事案(以下「本事案」という。)が確認されたことを踏まえ、経済産業省は、本日、中部電力ミライズ株式会社に対して、電気事業法第106条第3項の規定に基づき、本事案の事実関係及び経緯並びに需要家への対応状況について報告すること、そして本事案の発生原因を特定・整理した上で実効的な再発防止策を報告するよう求めました。
  2. 関連条文
    • 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)
      (報告の徴収)
      第百六条
      1・2 (略)
      3 経済産業大臣は、第一項の規定によるもののほか、この法律の施行に必要な限度において、政令で定めるところにより、小売電気事業者等、一般送配電事業者、送電事業者、配電事業者、特定送配電事業者、発電事業者又は特定卸供給事業者に対し、その業務又は経理の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる。

~NEW~
総務省 総務省を装ったなりすましメールへの対策強化について
  • 総務省では、国民の皆様に安心して電子メールをご利用いただけるよう、令和8年9月1日から、総務省ドメイン(go.jp)におけるメール認証対策を強化しました。近年、行政機関を装ったなりすましメールによるフィッシング詐欺や不正サイトへの誘導などが発生していますが、今回の対策は、総務省を装うなりすましメールの抑止を図り、国民の皆様をこうした被害から守るための取組の一つです。
  • 総務省では、以前より、総務省ルートドメインになりすましたメールアドレス(例:aaa@soumu.go.jp)からの不正なメールの受信を拒否する仕組みを導入していましたが、令和8年9月1日からは、サブドメインになりすましたメールアドレス(例:bbb@xxx.soumu.go.jp)からのメールの受信を拒否する仕組みも導入し、対策を強化しました。
  • なお、本対応により、総務省から送信する正規のメールの受信方法に変更はありませんが、メール転送サービスや自動転送を利用している等の場合の一部で、転送の仕組みによっては認証に失敗し、総務省からのメールが受信できなくなる可能性があります。
  • 万一、総務省からもメールが受信できない事象が発生した場合は、ご利用のメールサービス事業者やメール送信元へご相談いただきますようお願いいたします。

~NEW~
国土交通省 「建築基準法施行令の一部を改正する政令」を閣議決定~住宅の円滑な供給を図るための型式適合認定制度の拡充と 採光規制・防火規制・用途地域における危険物の総量規制の合理化を行います~
  • 建築物の安全性を確保しつつ、住宅の円滑な供給や新たな設備の導入を促進するため、型式適合認定制度や各種規制の合理化を行う「建築基準法施行令の一部を改正する政令」が、本日(9月11日)、閣議決定されました。
  1. 背景
    • 近年の建築資材の供給環境の変化や技術的知見の蓄積等を踏まえ、建築物の安全性を確保しつつ、建築規制の合理化を推進するため、技術的知見の蓄積に応じて、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)に基づく建築規制の見直しを順次行っているところです。今般、型式適合認定制度、採光規制、防火・避難規制及び用途地域における危険物の総量規制について、所要の見直しを行います。
  2. 政令の概要
    1. 型式適合認定の類型の追加
      • 現行の型式適合認定の類型は、[1]建築物全体、[2]建築物全体から建築設備を除いたもの、[3]建築設備があるところ、建築資材の調達が困難になった場合に建築物の構造耐力に係る規定の審査省略を受けたうえで、調達が困難になった建築資材については個々に確認の審査を受けるといった柔軟な対応を可能とするため、型式適合認定の類型として建築物の構造耐力に係る規定の適合についての型式を追加します。
    2. 採光規制の対象の合理化
      • 採光規制の対象となる児童福祉施設等から、「利用者の滞在時間が短いことその他の理由により衛生上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの(具体的な基準は別途告示で規定)」について除外する合理化を行います。
    3. 防火上及び避難上の規制の対象の合理化
      • 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第109条の2の2並びに第112条第1項、第4項、第5項及び第11項の規制の対象となっている建築物のうち、「その構造及び用途並びに周囲の状況を考慮して(避難上及び)防火上支障がないものとして国土交通大臣が定めるもの(具体的な基準は別途告示で規定)」を除外する合理化を行います。
    4. 用途地域における危険物の総量規制の合理化
      • 圧縮ガス又は可燃性ガスを燃料として使用する設備等で、安全上及び防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める基準に適合する設備(具体的な基準は別途告示で規定)により貯蔵又は処理される圧縮ガス及び可燃性ガスについては、法の用途規制における危険物から除外する合理化を行います。

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国土交通省 改正建築物省エネ法の施行に伴う関係政令を閣議決定~令和9年4月1日より、上位住宅トップランナー制度・先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度が始まります!~
  • 令和8年7月に公布された「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第75号)」の施行期日を定める政令及び施行に必要な規定の整備等を行う政令が、本日(9月11日)、閣議決定されました。
  1. 背景
    • 令和8年7月、建築物の使用段階における省エネ性能の向上の取組をさらに進めるとともに、新たに建築物の建設から解体までのライフサイクル全体の脱炭素化を促進するため、「建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律」(以下「改正法」という。)が公布されました。改正法においては、より高い省エネ性能を有する住宅の供給を促進する観点から、住宅の供給量が特に多い事業者を指定し、中長期的計画の提出や取組状況の毎年度の報告を実施させる制度の創設や所管行政庁による建築物エネルギー消費性能向上計画の認定の対象に、国土交通大臣の認定を受けたものを追加する制度の拡充について、公布の日から1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとされています。今般、これらの規定の施行期日を定めるとともに、施行に必要な政令の整備を行います。
  2. 政令の概要
    1. 建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令
      • 改正法附則第1条第2号に掲げる、上位住宅トップランナー制度や先導的な省エネ技術を評価する大臣認定制度等に係る規定について、令和9年4月1日から施行します。
    2. 建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律施行令の一部を改正する政令
      • 改正法では、より高い省エネ性能を有する住宅の供給を促進するため、供給戸数が特に多い事業者を「上位住宅トップランナー」として指定することとしています。政令では、その指定基準となる具体的な年間供給戸数を定めます。
        • 特別特定一戸建て住宅建築主(建売戸建て住宅)・・・・・・2,000戸
        • 特別特定共同住宅等建築主(分譲マンション)・・・・・・・2,000戸
        • 特別特定一戸建て住宅建設工事業者(注文戸建て住宅)・・・2,000戸
        • 特別特定共同住宅等建設工事業者(賃貸アパート)・・・・・15,000戸

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国土交通省 令和7年度の証券化対象不動産の資産総額は約73.4兆円~令和7年度「不動産証券化の実態調査」の結果の公表~
  • 国土交通省では、不動産証券化の全体的な規模を把握するため、不動産証券化の対象として運用されている(証券化ビークル等※1が運用している)不動産又は信託受益権の資産額を調査し、公表しています。
  • 令和7年度末時点※2において、不動産証券化の対象となった不動産又は信託受益権の資産総額は約73.4兆円でした。
  • 令和7年度にリート及び不動産特定共同事業の対象として取得された不動産又は信託受益権の資産額は約2.8兆円、譲渡された資産額は約1.1兆円でした。
  • また、本年は、「一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての中間整理」(令和8年8月一般投資家の参加拡大を踏まえた不動産特定共同事業のあり方についての検討会)を踏まえ、不動産特定共同事業法第40条に基づく調査として本調査を実施するとともに、投資家の市場動向の把握に資するよう、公表項目の充実を図りました。

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