HRリスクマネジメント トピックス

「本当にこれが『平等』なの?」三匹(?)が語る!HRリスクマネジメント相談室(34)

2023.03.27
印刷
窓の外を見る5人の会社員

職場におけるトラブルは複合的。社内の様々な関係者の協力を得て、複数の視点で捉えなければ、解決が難しい問題も多々あります。でもやっぱり最後は「人」!HRリスクマネジメントが重要です。

職場における様々なトラブルを解決すべく、今、エス・ピー・ネットワークに生息する動物たちが立ち上がりました!三匹(いや、6匹)が、チャットにて解決の道を探ります。

【今月の三匹・プロフィール】
みみずくさんのイラストみみずくさん(みみ):
SPNの森のお目付け役。愛らしいフォルムと裏腹に、猛禽類らしい鋭い目線で最新のリスクをチェック!さらに森の仲間たちの文章もチェック!夜行性?うーん、夜中に起き出して活動を始めるから、夜行性なのか早起きなのか…?


黒豹さんのイラスト黒豹さん(ヒョウ):
黒いのは、ゴルフや釣りなどアウトドアライフのせい?しなやかな筋肉で機敏に動く…いや、単にせっかちなだけかも?SPNの森で19年前に内部通報窓口の受託運営サービス「リスクホットライン」を立ち上げたのは実は…。


モモンガさんのイラストモモンガさん(モモ):
小さな皮膜で滑空する夜行性。社会保険労務士、産業カウンセラー、ファイナンシャルプランナー。そこそこ長い会社員経験をおなかの袋から取り出しながらSPNと会員企業様の森を飛び回ります。


リスちゃんのイラストリスちゃん(リス):
森の中を駆け回り、皆さんのお困りごとに対応します。気が付けばこの森に来て6年が経ちました…。最近は花粉に負けじと森を飛び出し駆け回ることも多いですが、変わらずご相談にお答えしていきますよ。


ペルシャ猫さんのイラストペルシャ猫さん(ペルシャ):
ゆったりと過ごすことが好きな猫。ゆったりと過ごしたいが、過ごせなかった過去を持つ。社会保険労務士のほか財務会計の資格もあり、人事労務と財務会計分野の実務経験が長い。SPNの森では日増しに内部通報制度との縁が深くなっています。


ネコさんのイラストネコさん(ネコ):
当相談室の留守番ネコ。猫なで声と鋭い爪をあわせ持ち、企業内での人事実務経験が豊富。保有資格は、社会保険労務士、産業カウンセラー、キャリアコンサルタント等。花粉症で消耗しきってるニャ…。

今月は、中堅企業の企画系部門で働くAさんからのご相談です。

SPNの森の皆さん、こんにちは。今日は、ずーっともやもやしていることを聴いていただけますか?

私は、中堅企業の経営企画部で働いている女性です。「経営企画部」といっても、当社の場合は、社長直轄の「なんでも屋さん」的な部署なのですが。社長から指示された資料を作成したり、販促用のリーフレットや会社案内を作ったり。社員研修の企画立案や、安全衛生や防災関連も担当領域なので、全社避難訓練の企画や運営もやりました。

3年ほど前に、総務人事部や経理部、営業部で担当していた業務の一部を、担当者ごと寄せ集めてできた部署のようで、元々事務系の担当業務を担っていた女性たちと、外勤が多い男性役職者の中に、私が中途入社で入った、という感じの職場です。

私の仕事は、マーケティングや販売促進です。営業さんに同行してお客様を訪問する機会も多く、全国へ出張もあります。急な要望も受けますし、他の人の予定に左右される仕事も多く、部内ではかなり忙しい方だと思うのですが…ここからがもやもやするところで。

うちの部では、安全衛生や設備の点検のため、毎朝誰かが職場巡視をする必要があるのですが、その担当者が一週間ほど休暇を取ることになりました。今までは、担当者が不在なら、その時手の空いている人が適宜対応していたのですが…「同じ人ばかりに負担がかかるのはよくない。これを機に、今後は全員平等に担当するべきだ」という声が女性たちから挙がり、役職者を除く部内メンバーの持ち回りになったんです。

私は男性たちと同じような仕事をしていますが、役職者ではありません。他の女性たちと同じように「お当番」が回ってくるようになり…今までならお客様のところへ直行できていた日も、お当番と重なれば、早朝にいったん出社しなければならなくなりました。

お願いすれば、交替はしてもらえるんです。でも「すみません、交替をお願いできませんか」と頭を下げ、外出先から帰ったら「今朝はありがとうございました」とまた頭を下げ…私だって朝から仕事をしているんですよ?しかも交替は交替ですから、他の日にお当番は回ってきます。正直、なんでここまでしなきゃいけないんだろう?と思ってしまうんです。職場の雰囲気を悪くするのは嫌なので、誰にも言えないのですが…。

みんなそれぞれに重要な仕事をしていて、暇ではないことはわかっているんです。でも、ずっと社内で自分のペースで働ける彼女たちと、私の仕事はやっぱり違います。それなのに、お当番は「平等に」と言われるので…「平等ってなんなの!!!」と思ってしまうんです。

「平等」とされても、自分だけ負荷が増えるばかりのAさん…それは確かに、もやもやしますね。そもそも「平等」ってなんでしたっけ?SPNの森の動物たちが、問題を整理してみます!

〈「平等」と「公平」の違い〉

ネコさんのイラスト うわー、こういうの、少なくとも中小企業ではあるあるだと思います。
ペルシャ猫さんのイラスト 今回のご相談は「機会の平等」と「結果の平等」は違うみたいな話ですか?
ネコさんのイラスト うーん、うまく言えないけれど…最近、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」ってたまに聞きませんか?単純に、全員に等しく作業や機会を分配するのは「平等」で、英語だと「equality」かな?それに対して、「equity」は「公平」。もともと凹凸があるところへ「平等」に分配しても、凹凸はそのまま。凹凸を解消するように、個人差を考慮して分配するのが「公平」。例えば、ステージを見るのに、前の方の人にも遠く離れた後ろの人にも同じ高さの踏み台を渡したら、結局後ろの人は見えにくいままだものね。
Aさんは、元々の業務量や業務の種類が違うのに、お当番が「平等」に回ってくる。そして、やらないと無言の圧力…。似たようなことが、最初に働いた森でもあったなぁ。女性だけお茶当番があって。バリバリ働いて、誰よりも商談数も担当商品数も多かった女性が、お茶当番の日にコーヒーを切らして、文句を言われているのを見て、えーーーって思った記憶が。
ペルシャ猫さんのイラスト そういえば、2021年の流行語トップ10に「親ガチャ」が選ばれてましたよね。「親ガチャ」は生まれた時にはすでに人生が決まってしまう不平等な社会構造そのものへの不満を表している言葉だそうです(※1)。経済協力開発機構(OECD)は「貧しい家庭出身の子供が平均所得に到達するのにOECD諸国平均で少なくとも5世代または150年かかる」(※2)と指摘していますし、慶應義塾大学の教授が一卵性双生児の研究の結果、「学業成績には家庭(共有)環境の影響は皆無で、その個人差の60%から70%が遺伝要因で説明されてしまう」(※3)と指摘しているので、「親ガチャ」は本質を突いた言葉ですし、「DE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)」は社会全体で考えるべきものなんでしょうね。
(※1)自由国民社『「現代用語の基礎知識」選 2021ユーキャン新語・流行語大賞 第38回 2021年 授賞語』
(※2)経済協力開発機構(OECD)『社会的流動性の機能不全に対処する行動が必要』
(※3)安藤 寿康『格差と学業成績―遺伝か環境か』
みみずくさんのイラスト 「悪平等」という言葉もあるよね。一人ひとりの個性を無視して同じ扱いをすることで「公平性」が損なわれるという意味。仕事の割り振り方やものごとの伝え方も、相手を注意深く観察して、相手に合わせて変えていくことが大事ってことだよね。

〈これって「業務」なの?〉

ペルシャ猫さんのイラスト 私が前にいた森でも、一般社員には朝の掃除当番がありました。

  • 朝刊を規定の場所に置く
  • ゴミ箱のゴミ袋をまとめて集積所へ
  • リサイクル用の紙ごみも集積所へ
  • お茶の機械の給水
  • コピー機の紙の補充
  • 部長の席の周りの掃除
  • 自分の課の周りの掃除

を始業前にこなすというものでした。

みみずくさんのイラスト お当番の位置づけ、業務上の重みの問題かも?
ネコさんのイラスト 業務なら仕方ない?それもきちんと評価対象になるなら、そこまで嫌じゃないのかな。
みみずくさんのイラスト 惰性でそうなっているだけなら、あらためてきちんと議題にすればいいんじゃないかと。社会全体の意識が変わってきていることもあるし、よい解決法は出てくるはず。
ペルシャ猫さんのイラスト 朝の掃除当番は、真面目にやろうとすると1時間かかるので、「そもそも通勤に2時間かかる人は無理じゃないか?」という話になり、一般社員内で話し合って2人当番にしようとしたら、ある係長から「一人でやれ。責任感が醸成されない」とのツッコミが入りました。朝の当番は責任感を醸成するためのものだったようです(笑)
みみずくさんのイラスト なるほど。きちんと意味づけがされていれば問題になりにくいということですね。
ネコさんのイラスト えー、こじつけっぽいけどー。
リスちゃんのイラスト 少しずれてしまうのですが、同じ業務の分担で、やること自体は「同じこと」でも、業務量や経験値により、やはり負担は人それぞれだなと思います。とある当番制の業務で、分担するのはいいものの、自分で対応できるのか不安に思っていたことを思い出しました。実際は森の皆さんがフォローしてくれましたけどね。
ペルシャ猫さんのイラスト 私もそれ、感じます。特に、すぐ相談できる相手がいないような…休日に対応が必要な業務では、今でも戦慄しております(苦笑)
ネコさんのイラスト わかるー。
モモンガさんのイラスト Aさんのケースは、管理職が悪いな、と思ってしまいます。このケースでは、男性は全員役職者なんですよね?もし役職者でない男性もいるのであれば、役職者と一般職という線引きを一旦した上で、業務と当番の相当性を判断する必要があると思います。
日本は、こういう日常生活を円滑に行うための作業を業務と位置づけずに、「好意でやれ」ということにしてしまうからこういう問題が起こるのでは?と思います。
ネコさんのイラスト ボランティアを押し付けられるのはイヤ。でも、業務ならやるのが当然?
一部の業務だけがみんなに割り振られるのはどうなの?「誰にでもできる」からみんなで、専門性が必要で、「一部の人しかできない」業務は特定の人がやるしかない、みたいな。
ペルシャ猫さんのイラスト それはアサインする側の責任のような気がしますね(苦笑)
ネコさんのイラスト 「雑用」「誰でもできる」と思っているから、「これって本当に私の仕事なの?」という疑問も湧いてくるのかな。
ペルシャ猫さんのイラスト 当番制にしているのって、「そもそも業務ではないと思われているもの」「広くとらえれば業務だけれども、各人の本来の業務ではないと思われているもの」だからですかね…。
みみずくさんのイラスト 結局、「なぜその仕事を自分がするのか」がはっきりしていないから、もやっとするってこと。
モモンガさんのイラスト 日常生活を保つために必要なこととはいえ、「職場」なわけですから、労働なわけで、労働を労働とカウントせずに、ボランタリィでやらせるから、「やったやらない」、「やらなきゃいけないの?」と軋轢になるのではないですかね。少なくとも、業務なら、合理的かどうかの判断の俎上に載せられるので、検討ができると思います。
ネコさんのイラスト 雑務なんてないの。全て業務。だったらきちんとアサインして、業務としてカウントしてほしい。
みみずくさんのイラスト そのとおりですね。「業務」以外ってそんなにないよな、とも思う。
ペルシャ猫さんのイラスト 実質的には命令されてやっているわけですから、名目はボランタリィにしているだけで、実質的には業務ですからね。
モモンガさんのイラスト 以前の森では、性別問わず一般職が自部門の社内メールを配るという当番がありましたが、組合を通じて、会社と交渉して、本人に配布するところまでを外注にしました。他にも当番制だったことを、業務として位置づけ、派遣社員さんに労働と定義して依頼したり、そういうモヤモヤ労働を解消していきました。
「これって、労働ですよね。こういうやり方はおかしくないですか」「業務なら目標管理に入れますよ」と声をあげ、その作業に要する時間を換算してコストを示したり、そういう声が多くなれば会社も動かざるを得ないかな、と思います。経営層には、コストを示すと、「そのコストなら、外注の方が安いね」とすんなり行くこともありました。
みみずくさんのイラスト 素晴らしい森ですね。

〈昔は多かったなぁ、女性だけの仕事…〉

ネコさんのイラスト 昔は、「女性のみ」の仕事、多かったなぁ。お茶当番も女性のみだったし。最初の森で思ったのは、女性は男性の3倍働かないと評価してもらえないな、ということ。 普通の業務があって、女性だけ事務系の業務をオンされて、さらに男性の倍くらいの成果を出さないと、女性は出世の対象外でした。
みみずくさんのイラスト 男性も女性も同じ「総合職」で?「総合職」と「一般職」があって、そもそも内容が違っていることは…?
ネコさんのイラスト 総合職の女性も、一般職の女性もいましたよ。でも、総合職でも、やっぱり扱いが違って…。
モモンガさんのイラスト 総合職も含めて、女性だけがお茶当番をしていたのですか?それは男女雇用機会均等法に反するのでは…?
ネコさんのイラスト 入ってましたよー。
みみずくさんのイラスト それが問題なんですよね。
ネコさんのイラスト 普通に初任給が1万円違った。同じ仕事しているのに。
みみずくさんのイラスト え。
ペルシャ猫さんのイラスト うわ…。
ネコさんのイラスト 今思えば、完全にアウトでしたね(笑)それでも頑張っていたんですよ。見返してやりたくて。
ペルシャ猫さんのイラスト 労基署に言って、会社を見返してやっても良いと思いますよ(笑)
ネコさんのイラスト 「うるせーヤツだ」とか、問題社員っぽく扱われるより、きちんと成果を出して、こんな悪習変えてやる!!とか思ってしまったんですよ。若かったので。
結局、こういう会社は男性もどんどん辞めていくんですけどね。直属の上司がかなり極端な人で、同期の男性と1つ上の男性と私に対して、その上司がお説教をたれたことがあったのですが、「ネコさんはどうせ結婚したら辞めるんだろうけど、(男性)2人はこれからもずっと働くんだから」と言い放って。滅茶苦茶悔しかったので、今でも覚えています。
ちなみに、私より先にその男性2人が辞めました。そして、その森にいたときに社労士の試験に受かりました。おかげさまで(笑)
みみずくさんのイラスト 女性総合職が少なかった時代は、女性の方がそろいもそろって優秀でした。男性の採用基準と明らかに違っていましたね。入社すれば全く同じ扱いで切磋琢磨しましたが。
モモンガさんのイラスト 2000年代初頭くらいまでは、そういう性別の線引きがあったかもしれませんが、今はそういう会社は少なくなっているのではないですか?少なくとも都心部は、同じ職種であれば、性別による待遇差があるということはないのではないでしょうか?
ペルシャ猫さんのイラスト ある大学の医学部の入試でも、「女性医師はいずれ辞めるから」と男女の合格基準に差を設けていたことが問題になりましたよね。
みみずくさんのイラスト 待遇は同じでも、評価とか昇進・昇格で明らかにおかしな差が出るのは今でもあると思います。当時の状況を今批判してもと思うので、いまだにこうした状況が改善されていないのはやはり違和感ありまくりですね。
ペルシャ猫さんのイラスト 男女格差がなかなか解消されないのは、ルッキズムが今の社会でも脈々と引き継がれているのと少し似ているような気がします。今から2千5百年くらい前の古代ギリシャの時代では魂の美しさが外見に表れると考えられていて、神話の神々が美男美女ぞろいでした。現代も、ルッキズムを批判する声もありながら、世界美女ランキングがあったり、自分の写真は加工して綺麗に盛らないとダメという空気もあって、結局ルッキズムってこの先千年くらいは続いていくような…。世界の歴史を紐解いてみると、「男女格差が少ない」とか「女性の社会的地位が向上している」と言われている国は、その理由として戦争で男性の人口が激減したことが挙げられたりしているので、こういう人口構成の大変革みたいなものがないと、社会はなかなか変わらないのかなと思うことがあります。だからといって、「男女格差を解消するために男性の人口を減らそう」とまでは思わないですけどね(笑)

〈知って欲しい、生理のこと〉

ネコさんのイラスト あからさまな待遇差はだいぶ解消されたけど…でも、女性はそもそもハンデがある気もします…。生理。あまりこういう話をするのは好きじゃなくて、ずっと言わずにいたのですが…このキツさを知って欲しいな、と最近思うようになりました。
ドン・キホーテの運営会社が、女性社員の低用量ピルの費用を援助するというニュースが最近ありましたよね?今はそんな会社もありますが、「男性と同じくらいか、それ以上に働ける!!」と、とにかく成果を挙げたくて…めちゃくちゃ我慢している人って、いるんじゃないかな。どうだろう。
モモンガさんのイラスト 昨日、心理的安全性のセミナーを聴講したのですが、そこでも思ったのが、日本人は「言わずに我慢している」「そういうものだと思って受け入れている」ことが多すぎるのかな、ということです。めちゃくちゃ我慢する前に、「これはおかしいのでは?」と声をあげていくことが大事だな、と思いました。勇気がいりますけどね。
以前の森では、途中から外国人がたくさん入って来たのですが、彼らの主張を見ていて、こんなに要求するんだ…と衝撃でした。
ペルシャ猫さんのイラスト 具体的にはどのような要求ですか?
モモンガさんのイラスト あり過ぎて、あまり思い出せないのですが、例えば「家族全員を会社負担で日本語教室に通わせてくれ」とか、「海外出張に家族を帯同させたい」とか、「この業務は自分がやりたいから、あの人ではなく自分に振ってくれ」とか、「これはやりたくないからアシスタントをつけてくれ」とか、「時間がないからヘリで移動したい」とか…。
ペルシャ猫さんのイラスト ヘリで移動したい!(笑)
みみずくさんのイラスト ヘリで移動…。
モモンガさんのイラスト ヘリで移動は衝撃でした。さすが、アメリカ人…と思いました。
でも、しつこく要求するわけではなく、「無理なものは無理」と説明し、その理由が合理的であれば納得して引き下がっていたので、「思ったことは言う」「ダメなら、それ以上はグズグズ言わない」を学びました。
リスちゃんのイラスト 合理的な理由を説明されればさっと引き下がるのですね。日本人の場合は(?)、要求を却下された時点で自分自身を否定されたと感じてしまう人や、周囲からどう見られているかを必要以上に気にしてしまう人も多い気がします。その辺を切り分けて考えられる人が増えるとよいなと思いました。
モモンガさんのイラスト 本当にそうですね。あくまで意見は意見なので、その人そのものではないのに…ということ、ありがちですね。これはこれ、それはそれで切り分けたいですね。
英語の場合は、comment、suggest、request、object、think、suppose、guessなど、最初のほうに、どんな種類とレベル感の話をするのか分かることが多いことも、切り分けられる要素としてあるのかなと思いますし、何より、「ダメ元で、とりあえず言ってみる」が、身についている人が多いんだなと思います。だから、お互いに引きずらない。
リスちゃんのイラスト なるほど…。言われてみれば日本語だと、その辺が曖昧になることも多いですね。忖度してあえて濁すこともありますし。
ネコさんのイラスト でも…どうして自分の要望を主張できる人と、できない人がいるんだろう…。生理が辛いもそうだけど、自分がそんなことを言ってはいけないって、どうして私は思い続けていたのかな。
ペルシャ猫さんのイラスト 「主張できるけど、敢えてしない」という人もいる気がします。会社や社会を変えるよりも、順応した方が楽でしょうから。
みみずくさんのイラスト 今、男性社員に生理に関する研修をする会社も増えているようですね。
ネコさんのイラスト うちの森もやってほしい。私も勇気をもって話すので。本当に、この現実を知って欲しい。
男性にもわかるようなたとえをするなら、毎月、10日間くらい必ず下痢で、しかもそのうち2~3日はいつ緊急事態が起きるかわからないほど酷い。ずーっとお腹も痛いし、痛み止めのせいなのか、ホルモンのせいなのか、異常に眠くなったり。でも、眠いのに、下着や寝具を汚したくないから、夜も熟睡できなくて、ずーっと寝不足。しかもこれが「病気ではない」!!だから「通常通り」にしなきゃ、って思う。実はこれが一番キツイ…。
どこかの会社の就業規則に、「いつでも笑顔を絶やすな」とか「常に明朗快活であれ」みたいなことが書かれているのを見て、泣きたい気分になりました。そんなの無理!!って。女性が働くことが前提になっていないんじゃない?って。
リスちゃんのイラスト 生理に関しては、女性同士でも情報を共有する機会もほとんどありませんし、情報として共有したとしても人の痛みはわかりようがないので、自分が酷いのか、普通なのか(全員がこれを我慢しながら働いているのか)がわからないですよね。「これが普通」「皆我慢しているんだ」と思って我慢していたけれど、病院に行ったら「なんでここまで放っておいたの」と言われるような…。
モモンガさんのイラスト 生理の問題は、女性でも個人差があるから、難しいですよね。あまり体調に変化が出ない女性が、重く出る女性に、心無い言葉をかけてしまうこともありますし…。妊娠・出産・育児・介護・病気などもですが、個人差が大きい問題をどうみんなで理解して、協力していくかは、今後の大きな課題ですね。
ネコさんのイラスト そう、個人差。比べる機会もないから、自分が重いのか軽いのかも無自覚で。昨年、いろいろあって婦人科を受診して、そこではじめて「自分がめちゃくちゃ頑張っていた」「頑張り過ぎていた」ことに気付いたんですよ。私が若い頃には、今ほど情報もなかったし。今、しんどいなーと思う人は、とにかく一度病院に行ってほしい!
みみずくさんのイラスト マネジメントをする際には、一人ひとりの個性や能力、思考を把握したうえで差配していく必要があるけれど、生理の問題も上司が理解しておくべき要素だと思います。一方で、女性から情報開示(相談)していただく必要もあるかと思います。
モモンガさんのイラスト 以前の森で、面談の際に女性部下から「生理が重いので、時々、お休みすることがあると思う」と言われた男性上司が、改めて生理について勉強していたので、ちゃんとしているな、と思いました。
ペルシャ猫さんのイラスト そういえば、私は社会人になって数年間、生理休暇の存在を知らなかったです。なので、周りの男性社員も当然知らなかったかと。
モモンガさんのイラスト また前の森の話しで恐縮ですが、勤怠システムに生理休暇が「生理」と表示されてしまって、生理休暇を使いづらいという話があがり、組合に意見を上げて、「特休」にシステム表記を変えてもらったこともあります。その話し合いでは、男性も「それはデリカシーがないね」と驚いていたので、言いにくいことも言ってみると理解を得られることがあるな、と思いました。
みみずくさんのイラスト 大変なときに大変って声を上げることも大事だと思います。言ってもらわないと分からないことも多いだろうし。
ペルシャ猫さんのイラスト 「言わなくても分かってもらえる」という考えが甘いとも言えますね。
ネコさんのイラスト 言えなかったんですよね…。自分が「生理痛で仕事がツライ」と言ったことで、「だから女は…」と言いそうな上司の顔が頭に浮かび、他の頑張っている女性たちに迷惑をかけるんじゃないかと思っていました。だから、言えないし、言いたくないし、なにくそ!で頑張ったし…。自分で自分の首を絞めていた気がします。
言えれば、何か違ったのかなぁ…。結局、言わなかった自分が悪いのかな…。
みみずくさんのイラスト 以前だと言ってもあまり変わらなかったかもしれませんね。今は、D&I(DE&I)の観点から、相互理解を深めようとする動きが確実に大きくなっている。「言わなかった自分が悪い」ってことは、当時はない。今は、どんどん発信していった方が働きやすくなると思います。
ネコさんのイラスト ただ、何を言ったらいいか、自分でもよくわからないんですよ。生理を理由に仕事を軽減されるのもイヤなんです。周期なんてすぐ変動するから、「この時期は軽い業務を」みたいなスケジュール調整もできないし。
強いてあげるなら、「常に一定」を求めないでもらえたらいいな、と思いますが…。日本の労働基準法って、基本的に仕事を「時間」でばかりカウントするじゃないですか。ゆるゆるしか働けない日もあるけれど、その分を巻き返すくらい頑張れる日もあるのに、さっきの就業規則みたいに「常に笑顔でいろ」とか、「1日の労働時間は8時間」とか、「常に一定」を求められるんですよね。仕事には締切があるし、その日じゃないとできない仕事もあるから、生理休暇なんて結局取れないことも多い。本当は残業しなくてもできる業務なのに、集中できないから遅くなってしまう。元気になってから頑張りたいのに、これ以上残業を増やすのもどうかと思う…。残業が多いって、仕事できないみたいに言う人もいますし…。もう、私は残業代なんていらないから、体調に合わせて働かせてよ!やるべきことはちゃんとやるから、メリハリを付けさせて!って思うんです。…労働基準法ってなんなの?これこそ女性活躍を妨げている根源じゃない?とか思ってしまう。

〈「言うこと」「言えること」って大事!〉

モモンガさんのイラスト 昨日のセミナーでも、それに通じる話がありました。これまでは労働生産組織の考え方だったので、例えると「ブロック塀」で、均質のモノ(人・業務)を早く多くマネジメントすることが求められていて、時間と労働力の掛け算で成果を考えられたけれど、今は知的生産組織になってきていて、「石垣」のように、重さや形がバラバラの個性を見極めて、独自性やアイディアを引き出すマネジメントが必要だと。これまでは、過去の成功例をなぞって、順応していればそこそこ行けたけど、今は話して、聴いてを繰り返して、言いたいことを言える組織にならないと、創造性や独創性のあるアイディアは出ないし、経営が立ち行かなくなるよ、という話でした。
ペルシャ猫さんのイラスト 今は、言わない方がむしろ(悪とまでは言いませんが)良くないという気運なのですね。
ネコさんのイラスト 今でも「言えない人」がいるんじゃないかな、と思うのだけれど。時代は心理的安全性を推進していますが…あえて「推進している」ということは、まだ「言えない」人もいるという証でもあるよね。
モモンガさんのイラスト まだまだ言えない人はいっぱいいると思います。トップ層から、言いたいことを言える環境を作ることが重要ですね。そうでないと、トップ自身も裸の王様化してしまいますし。近年の不祥事の背景にもそういうところがありますよね。重要な報告がトップの耳には入ってこず、途中で止まってしまう。それって、「トップの耳に入れてはいけない」、「言えない」って忖度が働いて、結果として、最悪の事態を招いてしまう…。
みみずくさんのイラスト そうですね。だからこそ、今回の事例のようなことが今でも起こる。慣習・慣例でやってきたことって、何かないとそのまま、誰も疑問に思いにくいですよね。中途入社とか、組織の「異分子」が声を上げないと「ズレてる」ことに気づきにくいはず。
ペルシャ猫さんのイラスト 同じような考え方の人たちばかりを集めて失敗した例として有名なのが、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領が作った安全保障会議ですね。同じような考えを持ったメンバーが満場一致でアメリカをベトナム戦争という愚行に導いてしまいました(※4)。日本の研究者たちも、帝国陸軍の誤った決断、多数の日本企業の不正や不祥事、福島第一原子力発電所の事故の原因として、多様性がない集団が意思決定を行ったことを挙げています(※5、6)。この逆は、まさに「三人寄れば文殊の知恵」ですよね。三人バラバラの考えだから文殊の知恵になるわけで。
(※4)マイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』早川書房 2021年
(※5)阿部 孝太郎『日本的集団浅慮の研究・要約版』2006年
(※6)松井 亮太『集団思考(groupthink)とは何か 複合集団における集団思考の可能性』2020年
みみずくさんのイラスト 同じ組織の中で育った3人だと難しいかもしれませんね。1人でよいので「異分子」が必要かと。
ネコさんのイラスト あ、必要な新陳代謝!前回の、外から人を入れよう!辞めても「広い世界を見ておいでー」に通じる!異分子を定期的に採用するのは、良いこと。そして、他社にとっての異分子を、たまには排出するのも、社会のため。
ペルシャ猫さんのイラスト 私の友人が生理休暇を遠慮なくバンバン取得してて、それとは別に年休もバンバン取得したら、人事評価を下げられ、上司に理由を聞いたら「休暇を取り過ぎ」と言われたそうです。他の友人の勤め先は、ほとんど女性の職場なのですが、妊娠した先輩が「妊娠したことを周りに言うと面倒なことになるから」と黙っていたら、職場の人に「妊娠してるのバレバレだから。で?いつ辞める?」と言われたそうです。
ネコさんのイラスト ブラック…。
ペルシャ猫さんのイラスト ブラックな話ばかりしてしまいましたが、大抵の人は「言ってくれれば良かったのに…」と、言えば変わっていくような気もします。なので、まずは「言わない方も諦めずに言いましょう」というところでしょうか。
みみずくさんのイラスト 本当にそのとおりですね。「声を上げない異分子」の存在が商工中金の危機対応融資の問題の際に、第三者委員会の報告書で指摘されていましたが、日本の組織の同質性の高さ、ほとんどが「ゆでガエル」状態なので、「異分子」こそ声をあげてほしいですね。
モモンガさんのイラスト 「言ってくれればよかったのに…」はあるあるですよね。経営層や管理職には、そう思ったら、自分達が「言えない雰囲気を作っていないか?」と振返っていただきたいな、と思います。
リスちゃんのイラスト 「言えるならとっくに言っているよ」「言ったって結局変わらないじゃないか…」という雰囲気があるなら、変えていきたいですね。
ペルシャ猫さんのイラスト 声をあげることも大事ですし、出る杭を打たないようにすることも大事ですね。そして「知らず知らずのうちに声をあげることを諦めさせないか」も考えておく必要がありますね。
ネコさんのイラスト やっぱり、もやもやしていないで、口に出してみるのが大事なのかな。女性同士のごちゃごちゃは怖いけど。あ、黒豹さん!お帰りなさーい。
黒豹さんのイラスト 遅くなってスミマセン。隣りの森に行っていました(汗)追いついたけどもう終わりですね…。「平等」というテーマ、皆さんのディスカッション広がりましたね~。身内ながら面白かった!と同時に色々考えさせられました。これまで仲間たちの気持ちや大変さに気づいてあげられなかったことが沢山あったんだろうな。ダイバーシティが叫ばれるようになって久しいですが、真に多様性を享受できるようになるためには、まずは好奇心を持って知識をアップデートし続けること、他者を気にかける心が不可欠。「知って」、そして「受け入れよう」と改めて思いました。次回は遅れず参加します!!

「HRリスク」とは、職場における、「人」に関連するリスク全般のこと。組織の健全な運営や成長を阻害する全ての要因をさします。

職場トラブル解決とHRリスクの低減に向けて、エス・ピー・ネットワークの動物たちは今日も行く!

※このコーナーで扱って欲しい「お悩み」を、随時募集しております。

Back to Top