• ホーム
  • SPN JOURNAL Online
  • 連載コラム
  • 令和2年 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(警察庁)/対応困難者への相談対応標準マニュアル(消費者庁)/第4回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(消費者庁)

危機管理トピックス

令和2年 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(警察庁)/対応困難者への相談対応標準マニュアル(消費者庁)/第4回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会(消費者庁)

2021.03.01
印刷

更新日:2021年3月1日 新着17記事

ビジネスマン 電話

【新着トピックス】

【もくじ】―――――――――――――――――――――――――

金融庁
  • 「決済高度化官民推進会議」(第9回)議事次第
  • IOSCOによる最終報告書「COVID-19禍の政府支援措置が信用格付に与えた影響」の公表について
警察庁
  • 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和2年)
内閣官房
  • 孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム 議事次第
  • 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について
首相官邸
  • 新型コロナウイルス感染症対策本部
内閣府
  • 令和3年第2回経済財政諮問会議
  • 地域社会の暮らしに関する世論調査
消費者庁
  • 対応困難者への相談対応標準マニュアル作成
  • 第4回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会
厚生労働省
  • 「女性の健康週間」特設Webコンテンツの公開について
  • コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム~もっとあなたを支えたい~(第1回)会議資料
経済産業省
  • 小売電気事業者のためのサイバーセキュリティ対策ガイドラインVer.1.0を策定しました。
  • IPアドレスに縛られない新しい通信識別技術と既存のインターネットが共存するための国際規格が発行されました-IoT時代のニューノーマル(新常識)-
総務省
  • 国立大学への入学時における保証人契約の適正化に関する実態調査
  • プラットフォームサービスに関する研究会(第23回)配布資料
国土交通省
  • ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策について方向性をとりまとめました!~MaaSによりバリアフリーの移動環境の構築を後押し~

~NEW~
金融庁 「決済高度化官民推進会議」(第9回)議事次第
▼資料2 全国銀行協会説明資料(決済高度化に関する取組み状況)
  • 新型コロナウイルス感染症のリスクが顕在化する以前においても、わが国企業をめぐる課題として、「DX」(デジタルトランスフォーメーション)への対応が指摘されてきた。ウィズコロナ時代を迎え、DXの実現は、ニューノーマルへの適応に向けて必要不可欠な課題・手形・小切手機能の電子化などの決済・経理業務の電子化は、DX推進の一環で解決されるべき課題
  • 全国手形交換枚数は、「5年で約6割を電子的な方法に移行」との中間的な目標(▲616万枚/年)に対し、▲671万枚/年(達成度109%)と、単年の目標達成(ただし、2019年からの2年累計の達成度は85%)。でんさいの発生記録請求件数は358万件(前年比43万件増加)となり、引き続き増加基調を維持しているが、前年対比の増加件数は減少
  • ポストコロナ時代を見据え、成長戦略会議が取りまとめた「実行計画」(2020年12月公表)において、「産業界および金融界に対し『約束手形の利用廃止に向けた行動計画』の策定を検討し、取組みを促進する」旨が明記。中小企業庁「約束手形をはじめとする支払条件の改善に向けた検討会」において、具体的な要請内容を検討中
  • 強まる社会的要請を踏まえ、手形・小切手機能の「全面的な電子化」に向けた、銀行界としての基本方針を整理のうえ、本年3月「手形・小切手機能の電子化状況に関する調査報告書」(年1回、全銀協取りまとめ)での公表を目指す。引き続き、2023年末の中間的な目標達成は重要なポイントであり、その達成状況をフォローアップする
  • 手形機能の全面的な電子化を推進するため、でんさいネットにおいて、利用者の声を踏まえた取組みを実施。具体的には、(1)「機能・サービスの改善」(手形との機能面の差分の解消)、(2)「料金体系のあり方」(でんさいへの移行によるコストメリットの享受)、(3)「新たな利用チャネル」(電子化が困難な利用者への対応)の3施策を検討・実施
  • 小切手機能の電子化に向けて、インターネットバンキングの利便性向上、周知強化に向けた取組みを検討。また、業団体等を訪問し、実態把握に努め、参考となる取組事例を確認。「その他証券」に関し、株式配当金領収証の削減に向けて、振込による配当金支払いへの移行に向けた対応を検討中
  • 既に電子納付の手段は複数あるが、銀行窓口等での対面納付が多くを占める(納付書の取扱いはメガバンク・ゆうちょ銀行で年間約1億1千万枚、地銀で年間約1億3千万枚)。社会的コストの要因となる対面納付を減らし、社会全体の紙削減・DXを推進するには、電子納付の拡大が鍵
  • 現在の税・公金の窓口収納は、書面(納付書)・押印(出納印)・対面(窓口)による取引。効率化・電子化が図られないことで、お客様(納税者)・金融機関・自治体(収納機関)に社会的コストが発生
  • 社会的コスト削減のためには、書面・押印・対面手続の見直しによる効率化・電子化が急務。他方、高齢者・PCやスマートフォンを保有していない方など、税・公金の収納・支払は、電子化が進捗しても一定数の紙は残ることが想定される。紙が残る以上、QRコードの活用による納付済情報のデータ化は、社会的コスト削減に資する有効な施策
  • 本年度は税・公金の収納・支払の効率化等として、「QRコードの活用、納付済通知書の電子化」に注力。QRコード活用に関して、考え得るスキーム案や論点出しを行い、実現に向けて総務省等の関係者との協議を継続。また、ガイドライン等を定める団体とも協議を進め、バーコードとQRコードの併記に関して問題意識を共有
  • 関係省庁に対し金融8団体連名により、税・公金の電子納付の推進等のための望ましい施策等に関して要望を実施。また、「地方税における電子化の推進に関する検討会」に参画。地方税共通納税システムの対象税目の拡大について、個人を対象とするQRコード案についても早期実現が必要な旨を要請。令和2年度の検討会とりまとめに記載。対象税目拡大については、令和5年度以後の課税分から適用される見込み(令和3年度税制改正の大綱)
  • 税・公金収納の効率化・電子化について、「規制改革推進会議投資等ワーキング・グループ」(第2回:令和2年10月22日開催)において説明。税・公金収納の効率化・電子化について前向きな意見が多数寄せられた。また、同WGにおける議論を踏まえ、税・公金業務に係る実態を調査中。また、調査結果を踏まえた要望活動の実施について検討
  • 2020年5月から2021年2月までの間に、1銀行、3信用金庫、64信用組合、商工組合中央金庫、農林中央金庫、642農協系統/漁協系統金融機関が新規接続し、1,054金融機関のZEDI接続が実現。金融機関によるサービス提供体制の整備は、ほぼ完了したものの、企業の利用件数は横ばい。その理由を分析したところ、企業が普段から使用している会計システム/ERPシステムのZEDI対応が進んでいないことが原因と考えられる
  • 2020年12月、電子インボイス推進協議会(以下「EIPA」(エイパ)という。)は、日本における電子インボイスの標準仕様として欧州標準である「Peppol」(ペポル)を選定。電子インボイスの普及は、金融EDIの普及の障壁となっている「受益と負担の不一致」という課題の解決に有効と考えられることから、会計システムベンダとの連携強化に向けた取組みを実施
  • ZEDIの導入好事例の創出を目指す助成施策に対し、3社から応募あり。今後、選考会合を開催し、助成先を最終決定予定。ベンダの開発負担を軽減するため、個別金融機関の接続チャネルを開示する手続きを新設
  • 全銀協は、2016年11月、「オープンAPIのあり方に関する検討会」設置以降、API利用契約の条文例・チェックリストの策定等、電子決済等代行業者との連携の枠組み作りなどを主体的に推進。結果として、未来投資戦略KPI目標「2020年6月までに、80行程度以上の銀行におけるオープンAPIの導入を目指す」を達成(105行がAPI導入済)。2020年9月末期限の銀行と電代業者との間の契約締結手続も、特段の問題なく完了
  • 2020年上半期(1月~6月)における、都市銀行等のキャッシュレスによる払出し比率は53.7%と2019年上半期比増加。2019年上半期と比較して2.8%比率が上昇。内訳をみると、2019年上半期と比較して、インターネットバンキングでの振込やクレジットカードなどの口座振替の比率が上昇

~NEW~
金融庁 IOSCOによる最終報告書「COVID-19禍の政府支援措置が信用格付に与えた影響」の公表について
▼IOSCO メディアリリース(仮訳)
  • 証券監督者国際機構(IOSCO)は、本日、COVID-19関連の政府支援措置(Government Support Measures、GSMが、3大格付会社であるFitch、Moody’s及びS&P(総称して「CRA」)の信用格付に及ぼす影響を分析した報告書を発表しました。
  • COVID-19パンデミックに対応して、各国の政府は財政政策、金融政策及び金融規制関連措置を、異例の規模で迅速に展開しました。同時に、パンデミックによって引き起こされた経済と市場の混乱は、多くの信用格付の引き下げにつながり、これによりCRAと信用格付は、規制当局、業界及びメディアからより大きく注目されることとなりました。
  • 本レビューは、IOSCOの金融安定エンゲージメントグループ(Financial Stability Engagement Group、FSEG)によって行われ、CRAからの公表情報及びIOSCOメンバーの専門的知見と分析に基づいています。上記分析を補完するため、IOSCOは業界関係者とのラウンドテーブルを主催し、また、CRA各社との議論を行いました。
  • 本報告書は、以下の4つの主要なアセット・カテゴリーにおいて、メソドロジーの変更、パンデミック中に行われた格付アクションに対するメソドロジーの適用、GSMの終了が信用格付とメソドロジーに及ぼす影響をレビューすることを通じて、GSMが信用格付とメソドロジーに及ぼしたと見られる影響の概要を記載しています。
    • ソブリン
    • 金融機関
    • 非金融企業
    • ストラクチャード・ファイナンス
  • 結論としては、CRAのメソドロジーに重大な変更は見られませんでした。また、GSMの影響が格付けの判断に重大な影響を及ぼした場合は、通常、開示により当該 GSM の影響について説明されています。
  • レビュー結果は、CRAが信用格付においてパンデミックと経済的ショックの影響を考慮したことを示しており、また、GSMが信用格付の引き下げ圧力を緩和する上で重要な役割を果たしたことを示唆しています。もっとも、CRAによれば、GSMの長期的な有効性については、現時点で完全に評価・測定することはできないとされています。
  • CRAが設定する将来に関する前提は、GSMの段階的終了が可能になる程度に経済環境が安定するまでGSMが継続する、というものです。特に新興国におけるGSMの早期終了リスクは、パンデミック後の世界経済の回復に対するダウンサイド・リスクの一つです。
  • 本報告書は、COVID-19の健康危機の影響が2021年において引き続き展開していることから、信用格付と信用格付メソドロジーに関するGSMの影響を引き続き検討することが重要と結論づけています。

~NEW~
警察庁 犯罪収益移転防止に関する年次報告書(令和2年)
  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律は、マネー・ローンダリング等を巡る国内外の情勢変化等に応じ数次にわたり改正され、その機能が強化されてきた。このことに加え、同法に規定された金融機関等の特定事業者が、不正な資金移動に対する監視態勢の強化等に継続して取り組んだ結果、令和2年中に特定事業者から所管行政庁に届け出られた疑わしい取引の件数は、平成28年以降5年連続で40万件を超える状況となっている。また、捜査機関等に対する疑わしい取引の届出に関する情報の提供件数は増加傾向を維持しており、疑わしい取引に関する情報を端緒として検挙に至った事件も7年連続で1,000件を超えるなど捜査機関等における対策にも有効に活用されている
  • 我が国のマネー・ローンダリング対策等に関する法制度は、1980年代から段階的に発展し、現在では次の4点を柱としている。(1)一定の範囲の事業者に顧客管理その他の防止措置を義務付けること(2)マネー・ローンダリングを刑事罰の対象とすること(3)犯罪により得られた収益を剥奪し得るものとすること(4)テロリズムに対する資金供与を防止すること。(1)は、犯罪による収益が移転された場合の追跡を容易にし、訴追や剥奪を免れようとする行為を困難にすることにより、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与を抑止するものであり、(2)と(3)は、犯罪を通じて形成された財産に着目し、犯罪組織の資金基盤に打撃を与えるものであり、(4)は、テロリスト等を資産凍結等の対象とすることにより、テロリストの活動に不可欠な資金を絶つものである。(1)は犯罪収益移転防止法及び外為法で、(2)と(3)は主に組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法で、(4)はテロ資金提供処罰法、外為法及び国際テロリスト財産凍結法で、それぞれ措置されている。
  • 最近の法令改正
    • マネー・ローンダリング及びテロ資金供与の防止の観点から、社会状況の変化や他法令の改正等に対応するため、犯罪収益移転防止法及びその下位法令について必要な改正を行うとともに、新たな制度の在り方について検討を行っている。
      1. 資金決済法等の一部改正に伴う犯罪収益移転防止法の改正(令和2年5月1日施行)
        • 近年の情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応し、金融の機能に対する信頼の向上及び利用者等の保護等を図るため、平成31年3月「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案が第198回国会に提出されたその中で国際的な議論の場で仮想通貨(virtual currency)について「暗号資産(crypto asset)」という呼称が使われるようになっていること等を踏まえて、資金決済法に規定する「仮想通貨」の用語が「暗号資産」に改められることに合わせ、犯罪収益移転防止法についても仮想通貨交換業者「暗号資産交換業者」に改めるなど所要の改正を行うこととされた。同法案は、令和元年5月31日に可決、成立し同年6月7日に公布され、令和2年5月1日に施行された。
      2. 特定複合観光施設区域整備法の制定に伴う犯罪収益移転防止法の改正等
        • カジノ事業者には一部の金融業務が認められること、カジノでは多額の現金取引が行われること等の特徴を踏まえ、FATF勧告において、顧客が一定の基準額以上の金融取引に従事する場合には顧客管理措置をとること等が求められている。また、我が国では、平成29年7月に特定複合観光施設区域整備推進会議が決定した「特定複合観光施設区域整備推進会議取りまとめ」において、カジノ事業について、マネー・ローンダリング対策等のため、犯罪収益移転防止法に基づく他の特定事業者と同様の規制を行う必要があるとされている。これらを踏まえ、平成30年4月、カジノ事業者に対し、犯罪収益移転防止法上の特定事業者として、取引時確認の実施、確認記録の作成・保存、疑わしい取引の届出等の各種義務を課すための同法の一部改正などを含む「特定複合観光施設区域整備法案」が第196回国会に提出され、同年7月20日に成立し、同月27日に公布された(公布の日から3年以内に施行)。また、カジノ事業者に対し、取引時確認等の義務が課される特定取引として、カジノ口座の開設を内容とする契約の締結等を追加するための犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令の一部改正などを含む「特定複合観光施設区域整備法施行令」が、平成31年3月29日に公布された(特定複合観光施設区域整備法の施行の日から施行。
      3. 非対面取引における転送不要郵便物等又は本人限定受取郵便物等を利用する方法の見直し(令和2年4月1日施行)
        • 非対面取引におけるなりすましによる不正を防止するため、非対面取引における転送不要郵便物等又は本人限定受取郵便物等を利用する本人確認方法について犯罪収益移転防止法施行規則の改正を行い、関係規定は令和2年4月1日から施行された。なお、この改正において新たに盛り込まれた、FinTechに対応した効率的な本人確認の方法等を内容とする規定は、これらの改正に係る犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令の公布の日である平成30年11月30日から施行されている。
      4. 簡素な顧客管理を行うことが許容される取引に、特定事業者がその子会社等を顧客等として行う取引を追加すること等を内容とする犯罪収益移転防止法施行規則の改正(令和2年12月28日施行)
        • 「規制改革推進に関する第3次答申(平成30年6月4日規制改革推進会議決定)」及び「規制改革実施計画(平成30年6月15日閣議決定)において「貸金業法第2条第2項に規定する貸金業者である親会社から100%出資である子会社に対するSPC金銭の貸付けを内容とする契約の締結に係る貸金業者の取引時確認義務の緩和について検討し、結論を得る」こととされたこと、「規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)において、行政手続における押印規制の抜本的な見直しが掲げられたこと等を踏まえ、犯罪収益移転防止法施行規則の改正を行い、改正された規定は公布の日である令和2年12月28日に施行された。
          • 簡素な顧客管理を行うことが許容される取引:特定事業者がその子会社等を顧客等として行う取引であって、現に取引の任に当たっている自然人が委任状を有していること等により当該顧客等のために当該取引の任に当たっていると認められるものを簡素な顧客管理を行うことが許容される取引に追加し、取引時確認義務等の対象取引から除外した。
          • 押印の廃止:特定事業者が書面又は電磁的記録媒体により疑わしい取引を提出しようとするときは、犯罪収益移転防止法施行規則別記様式第1号(「疑わしい取引の届出について」)又は別記様式第4号(「電磁的記録媒体提出票」)によりこれまで押印が求められていたが、これらの別記様式の押印箇所を削除した。
      5. 豪雨等の災害に係る特例に関する犯罪収益移転防止法施行規則の改正
  • 疑わしい取引の届出状況等
    • 疑わしい取引の届出制度は、平成4年の麻薬特例法の施行により創設されたが、当初は届出の対象が薬物犯罪に関するものに限られていたことなどから、届出受理件数は同年から10年までは毎年20件未満であった。その後、平成11年の組織的犯罪処罰法制定により届出の対象が薬物犯罪から重大犯罪に拡大され、同法が施行された平成12年以降、届出受理件数は増加傾向にあり、令和2年中の届出受理件数は43万2,202件で、平成28年以降5年連続で40万件を超える状況となっている。
    • 増加傾向の背景には、社会全体のコンプライアンス意識の向上に伴い、金融機関等が反社会的勢力や不正な資金の移動に対する監視態勢を強化していること、金融機関等を対象とする研修会等において、疑わしい取引の届出の必要性等を周知してきた効果が出ていること等があるものと考えられる。
    • なお、令和2年中に抹消された疑わしい取引に関する情報は32万6,565件で、令和2年12月末における同情報の保管件数は486万4,978件となっている。
    • 令和2年中の疑わしい取引の届出受理件数を届出事業者の業態別に見ると、銀行等が31万9,812件で届出件数全体の74.0%と最も多く、次いでクレジットカード事業者(2万9,138件、6.7%、貸金業者(2万5,255件、5.8%)の順となっている。
    • 分析結果を捜査機関等へ提供した件数は毎年増加しており、令和2年中は、過去最多の1万1,176件であった。令和2年中に都道府県警察の捜査等において活用された疑わしい取引に関する情報数は32万5,643件であった。また、令和2年中に疑わしい取引に関する情報を端緒として検挙した事件(端緒事件)の数は1,028事件、既に着手している事件捜査の過程において、疑わしい取引に関する情報を活用して検挙した事件(活用事件)の数は1,397事件となっている。
    • 罪種別の端緒事件の数及び活用事件の数を類型別にみると、以下のとおりである。
      1. 詐欺関連事犯(詐欺、犯罪収益移転防止法違反等)については、端緒事件の数が計873件で端緒事件の数全体の84.9%活用事件の数が計589件で活用事件の数全体の42.2%を占めて、いずれも最も多く、預貯金通帳等の詐欺又は譲受・譲渡、生活保護費等の不正受給、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを使用したチケット販売詐欺、還付金詐欺やキャッシュカード手交型詐欺等の特殊詐欺等の事件を検挙している
      2. 薬物事犯(覚醒剤取締法違反、大麻取締法違反等)については、端緒事件の数が計45件、活用事件の数が計224件であり、覚醒剤や大麻等の違法薬物の所持・譲受・譲渡、組織的に行われた違法薬物の売買等の事件を検挙している。
      3. 不法滞在関連事犯(入管法違反)については、端緒事件の数が計38件、活用事件の数が計27件であり、在留期間が経過した来日外国人の不法残留、就労資格のない来日外国人を不法に就労させた不法就労助長、偽造在留カードの所持等の事件を検挙している。
      4. 組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿・収受)については、端緒事件の数が計30件、活用事件の数が計40件であり、詐欺、窃盗等により得た犯罪収益等の隠匿・収受の事件を検挙している。
      5. 偽造関連事犯(偽造有印公文書行使、電磁的公正証書原本不実記録・同供用等)については、端緒事件の数が計8件、活用事件の数が計23件であり、偽造した自動車運転免許証を使用した口座開設、偽装結婚等の事件を検挙している。
      6. ヤミ金融事犯(貸金業法違反、出資法違反)については、端緒事件の数が計6件、活用事件の数が計18件であり、貸金業の無登録営業、高金利貸付等の事件を検挙している。
      7. 風俗関連事犯(風営適正化法違反)については、端緒事件の数が3件、活用事件の数が計12件であり、店舗型性風俗店の禁止場所営業、社交飲食店の無許可営業等の事件を検挙している。
      8. 賭博事犯(常習賭博、賭博場開張図利等)については、活用事件の数が計9件であり、インターネット賭博店における常習賭博、暴力団組員によるバカラ賭博等の事件を検挙している。
      9. その他の刑法犯(窃盗犯、粗暴犯、凶悪犯等)については端緒事件の数が計12件活用事件の数が計373件であり、他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を不正に出金した窃盗、暴力団幹部による恐喝等の事件を検挙している。
      10. その他の特別法犯(商標法違反、銀行法違反等)については、端緒事件の数が計13件、活用事件の数が計82件であり、商標を使用する者の許可を受けずに模造した商品を販売譲渡した商標法違反、免許を受けずに不正に海外に送金を行った銀行法違反等の事件を検挙している。
  • マネー・ローンダリング関連事犯の取締り
    1. 令和2年中における組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯の検挙件数は、法人等経営支配事件2件、犯罪収益等隠匿事件413件、犯罪収益等収受事件182件の合計597件と、前年より69件(13.1%)増加した。
    2. 組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別に見ると、窃盗が227件と最も多く、詐欺が194件、電子計算機使用詐欺が73件、ヤミ金融事犯が28件等である。
  • 検挙事例からみるマネー・ローンダリングの手口
    1. 令和2年中の法人等事業経営支配事件は、風営適正化法違反及び銀行法違反をそれぞれ前提犯罪としたものであり、いずれも、前提犯罪により得た不法収益等を用いた株式会社の設立に際し、発起人としての地位を取得した上、発起人としての権限等を行使し、自己を設立した会社の取締役に選任するなどしている。
    2. 令和2年中の犯罪収益等隠匿事件は、詐欺、窃盗等を前提犯罪としたものである。他人名義の口座への振込入金の手口を用いるものが多くを占めており、他人名義の口座がマネー・ローンダリングの主要な犯罪インフラとなっている。このほか、盗品等をコインロッカーに隠匿する手口、詐取品に関する虚偽の売買契約書等を作成し正規の商品取引を装う手口、偽名を使用して盗品等を売却する手口等がみられ、様々な方法によって捜査機関等からの追及を回避しようとしている状況がうかがわれる。
    3. 令和2年中の犯罪収益等収受事件は、詐欺、窃盗、風営適正化法違反等を前提犯罪としたものである。これらの犯罪で得た犯罪収益等を直接又は口座を介して収受する手口、盗品等を買い取るなどして収受する手口等がみられ、犯罪者が入手した犯罪収益等が、様々な方法で別の者の手に渡っている状況がうかがわれる。
    4. 令和2年中に組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯で検挙されたもののうち、暴力団構成員等が関与したものは、犯罪収益等隠匿事件27件及び犯罪収益等収受事件30件の合計57件で、全体の9.5%を占めている。暴力団構成員等が関与したマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別に見ると、詐欺が15件、ヤミ金融事犯が11件、賭博事犯が10件、窃盗が9件等であり、暴力団構成員等が多様な犯罪に関与し、マネー・ローンダリング事犯を敢行している実態がうかがわれる。
      1. 犯罪収益等隠匿事件の前提犯罪は、詐欺及びヤミ金融事犯がそれぞれ9件、窃盗が4件等である。犯罪収益等隠匿の手口としては、犯罪収益を得る際に他人名義の口座を利用したり、偽名を使用して盗品等を売却するものがある。
      2. 犯罪収益等収受事件の前提犯罪は、賭博事犯が10件、詐欺が6件、窃盗が5件等である。犯罪収益等収受の手口としては、賭博事犯等の犯罪収益をみかじめ料や用心棒代の名目で収受しているものがある。
    5. 令和2年中に組織的犯罪処罰法に係るマネー・ローンダリング事犯で検挙されたもののうち、来日外国人が関与したものは、法人等事業経営支配事件1件、犯罪収益等隠匿事件58件及び犯罪収益等収受事件20件の合計79件で、全体の13.3%を占めている。来日外国人が関与したマネー・ローンダリング事犯を前提犯罪別に見ると、詐欺が34件、窃盗が23件、入管法違反が8件、電子計算機使用詐欺が6件等である。マネー・ローンダリング事犯の手口としては日本国内に開設された他人名義の口座を利用したり偽名を使用して盗品等を売却するものがある。
      1. 海外で行われた詐欺の犯罪収益を正当な資金のようにみせかけ、真の資金の出所や所有者、資金の実態を隠匿しようとするマネー・ローンダリング行為が行われている。
      2. 令和2年中における麻薬特例法が定めるマネー・ローンダリング事犯の検挙事件数は3件であった。覚醒剤等を密売し、購入客に代金を他人名義の口座に振込入金させていた薬物犯罪収益等隠匿事件のように、薬物事犯で得た資金が、マネー・ローンダリングされている実態がうかがわれる。
    6. 令和2年中の組織的犯罪処罰法に係る起訴前の没収保全命令の発出件数(警察官たる司法警察員請求分)は150件と、前年より19件(11.2%)減少した。前提犯罪別に見ると、賭博事犯が34件、入管法違反が22件、窃盗と風営適正化法違反がそれぞれ21件、詐欺とヤミ金融事犯がそれぞれ9件であった。起訴前の没収保全命令としては窃盗や賭博事犯、入管法違反、風営適正化法違反の犯罪収益等に対する没収保全が多くみられるほか、金銭債権を没収の対象としている組織的犯罪処罰法の利点を活かし、預金債権や給料の未払債権、立替払金支払請求権を没収保全した事例がみられる。また、平成29年における組織的犯罪処罰法の一部改正により、犯罪組成物件や犯罪供用物件の没収保全が可能となったことから、金密輸入事件の犯罪組成物件に当たる金塊や賭博事犯の供用物件に当たる準備金を没収保全した事例もあった。
    7. 犯罪収益移転防止法には、特定事業者(弁護士を除く)の所管行政庁による監督上の措置の実効性を担保するための罰則及び預貯金通帳等の不正譲渡等に対する罰則が規定されており、警察では、これらの行為の取締りを強化している。多くのマネー・ローンダリング事犯において、他人名義の預貯金通帳が悪用されているが、令和2年中における預貯金通帳等の不正譲渡等の検挙件数は2,636件と、前年より59件増加した。
  • マネー・ローンダリング対策等を推進するための行政庁及び特定事業者の取組
    • 令和2年11月に公表された犯罪収益移転危険度調査書では事業者が取り扱う各種「商品・サービス」を評価の対象として、それぞれのマネー・ローンダリング及びテロ資金供与に悪用されるリスクを記載した上で、取引形態、国・地域、顧客の属性の観点別にリスクに関わる要因について、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に悪用される固有のリスク、疑わしい取引の届出状況、悪用された事例、危険度を低減させるために執られている措置等を分析して、多角的・総合的にリスクの評価を行っている。また、近時の情勢等を踏まえ、我が国を取り巻くマネー・ローンダリング及びテロ資金供与に関する様々なリスクを俯瞰するため、我が国の環境について、新たに項目を設けて記載するとともに、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を踏まえ、同感染症に関連する犯罪情勢等を記載、特定事業者のより一層の理解と取組の更なる推進を図ることを目的として昨年から記載をしている「疑わしい取引の届出を端緒として検挙した事件例」において、より多様な特定事業者からの届出について記載、マネー・ローンダリング対策等に関する具体的な着眼点を提供するため、準暴力団や国際テロリストに関する記載を拡充するなどしている。
    • 令和2年12月、金融庁は「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」について、各金融機関等のマネー・ローンダリング及びテロ資金供与リスク管理態勢を検証するためのモニタリングの中で把握した課題等を整理し、同ガイドラインの趣旨の明確化を図るため、同ガイドラインの改正に向けた意見公募手続を実施した。なお、同ガイドラインについては、同ガイドラインに関するガイダンスとともに、令和2年度中に公表予定である。
    • 令和2年には、全銀協は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究委託事業として、取引フィルタリング(取引開始時及び継続的な顧客管理の過程において経済制裁対象者や反社会的勢力などの取引不可先との照合を行うこと)・取引モニタリング(取引開始時及び継続的な顧客管理の過程において不自然な取引や疑わしい取引を判断すること)についてAIを活用した実験用システムを開発し、現行実務の高度化・効率化が可能かどうかについて検証を行っている。
    • 信用組合業界内のシステムの共同センターにおいて、令和元年7月に展開した既存のデータベースを利用した顧客リスク格付けの判定ツールをさらに進化させ、新たに顧客管理の新システムを開発して、令和2年3月から会員に提供を開始するなど、信用組合業界全体におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与の防止に係る対策の高度化に努めている。
    • 一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は、平成30年3月に設立され、同年10月24日に金融庁から資金決済法第87条第1項の規定に基づき、認定資金決済事業者協会の認定を受けた。令和2年5月1日には、金融商品取引法第78条第1項の規定に基づき、認定金融商品取引業協会の認定を受け、併せて名称を一般社団法人日本暗号資産取引業協会に改称した。
    • 令和2年においては、毎年開催される研修事業(専門講座)において、主にリース会社の管理者にマネー・ローンダリング対策等の専門研修をウェブ形式で実施した。またリース会社の実務担当者を対象とした研修事業(基礎講座)においても、マネー・ローンダリングのリスクが高い「架空のリース取引でリース会社から商品の売主へ商品代金を振り込ませる空リース・資金調達をするために、ひとつのリース物件につき複数のリース会社との間でリース契約を締結する多重リース」の防止等に関する講義をウェブ形式で実施した。また、業界団体の自主的な取組を一層強化するため、令和元年9月に策定した「ファイナンス・リース事業者におけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の浸透状況を確認するためフォローアップ調査を実施した。
    • 金価格が高騰傾向にあった令和2年6月には、会員に対し、各種法令遵守等について引き続き強化徹底するよう、経済産業省からの注意喚起文書を添付した周知文書を配布した。また、業界関係者及び一般消費者に対する法制度への理解を深めるため、経済産業省の後援を得てポスター等の作成・配布を行っている。
    • 日本リユース業協会及び東京都古物商防犯協力会連合会では、会員向け等のハンドブックに、貴金属取引を行う際における犯罪収益移転防止法上の義務等を掲載し、令和2年中においても、同ハンドブックを会員に配布することでマネー・ローンダリング対策等について継続して会員等への周知を図っている。
  • 報告徴収・意見陳述等の実施状況
    • 令和2年中、電話転送サービス事業者を対象として7件の報告徴収を行った。報告徴収により判明した具体的な違反内容は、偽造されたものと判別できる本人確認書類の提示等を受けて取引時確認を行っていたこと、顧客の取引目的や職業等の確認を怠ったこと、法人の顧客に関し、実質的支配者の本人特定事項を確認していないこと、確認記録の一部を保存していないこと等であった。また、これまで行った報告徴収の結果に基づき、同年中、特定事業者の犯罪収益移転防止法違反を是正するために必要な措置をとるべきとする旨の意見陳述を、電話転送サービス事業者の所管行政庁である総務大臣に対して7件行った。
    • 総務大臣が発した是正命令に違反した電話転送サービス事業者を、犯罪収益移転防止法違反(是正命令違反)で検挙した。是正命令違反による検挙は、犯罪収益移転防止法施行後2例目であり、電話転送サービス事業者の検挙については、施行後初となるものである(1例目は平成24年、郵便物受取サービス業者を検挙)。
  • 国際的な連携の推進
    • 我が国はこれまで平成6年(1994年)、平成10年(1998年)及び平成20年(2008年)の3次にわたりFATFの相互審査を受けており、第4次対日相互審査については令和元年(2019年)10月から11月にかけて、審査団による現地調査が行われた。令和2年中に予定されていたFATF全体会合におけるMERの採択は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い延期されているが、令和3年(2021年)6月の全体会合において行われる予定である。
    • FATFは、令和2年(2020年)2月に開催された全体会合において、北朝鮮及びイラン・イスラム共和国をリスクの高い国・地域とする声明を採択し、FATF参加国・地域に対し、北朝鮮及びイラン・イスラム共和国から生ずるマネー・ローンダリング、テロ資金供与等のリスクから国際金融システムを保護するための措置を適用するよう要請した。また、FATFは、同年4月から、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で行動要請対象である高リスク国・地域のリストのレビュー・プロセスを休止しているが、同年6月及び10月に開催された全体会合においても、同様の声明の採択・要請を行った。これらの要請を受けて、警察庁は、関係省庁を通じて、特定事業者に対し、当該国・地域に係る取引に際し、取引時確認の徹底を図るよう要請している。
    • 国家公安委員会・警察庁は、疑わしい取引に関する情報の分析体制を強化しており、これに伴って、外国FIUとの情報交換も活発となっている。令和2年(2020年)は、疑わしい取引に関する情報の分析の結果浮かび上がった不自然・不合理な海外向けの送金又は海外からの送金について、関連する外国FIUに対し、海外に向けて送金された後の資金フロー、海外から送金された資金の原資等に関する情報提供要請を214件行った。また、これら情報提供要請のほか、各国のFIU間では、マネー・ローンダリング対策等上、有益と認められる情報について、自発的な情報提供が行われている。さらに、令和2年(2020年)中に、国家公安委員会・警察庁が外国FIUから提供された情報を捜査機関等へ提供した件数は162件であった。

~NEW~
内閣官房 孤独・孤立を防ぎ、不安に寄り添い、つながるための緊急フォーラム 議事次第
▼田村厚生労働大臣資料
  • 厚生労働省における孤独・孤立防止に関連した施策について
    1. 地域におけるつながり強化や自殺防止、高齢者の介護予防・見守り、子どもの見守り、生活困窮者等への支援など、孤独・孤立防止に関連した施策を推進。
    2. 地域におけるつながり強化 地域における包括的な支援体制の整備
      • 生活困窮者への支援 生活困窮者自立相談支援機関 等における包括的な支援
      • 高齢者の介護予防・見守り 高齢者の通いの場の推進・地域支援事業における包括的支援
      • 子どもの見守り 子ども食堂等と連携した見守り強化・子どもの生活・学習支援
      • ひきこもり支援 ひきこもり状態にある者や家族等への相談支援、居場所づくり等
      • 自殺防止 SNSの活用等を含めた相談支援の体制強化・支援情報検索サイトの活用

~NEW~
内閣官房 新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について
  • 新型コロナウイルス感染症の拡大を防止し、学生等が安心して就職活動に取り組める環境を整えるため、「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた2021年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請について」を令和3年2月19日付けで、日本経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全国商工会連合会及び全国求人情報協会へ発出しましたので、お知らせします。
  • 要請する基本的事項
    1. 2021年度卒業・修了予定者等について
      1. オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施
        • 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、オンラインによる企業説明会や面接・試験の実施が可能な企業におかれては、オンラインを積極的に活用してください。また、その旨を情報発信するようお願いいたします。
        • 通信手段や使用ツールなど、どのような条件で実施するかについて、事前に明示し、学生が準備する時間を確保してください
        • 通信環境により、音声・映像が途切れる場合等には、学生等が不安にならないよう御対応ください。
        • オンライン環境にアクセスすることが困難な学生等に対しては、対面や他の通信手段による企業説明会や面接・試験も併せて実施してください。
      2. 対面による企業説明会や面接・試験の実施
        • 対面による企業説明会や面接・試験を実施する際には、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえ、いわゆる3密(密閉空間、密集場所、密接場面)になることのないよう、広報活動日程及び採用選考日程を後倒しにするなど柔軟な日程の設定や秋採用・通年採用などによる一層の募集機会の提供を行うとともに、その旨を積極的に情報発信してください。また、以下の(1)から(8)に掲げる、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策を徹底するようお願いいたします。
          1. 密集の回避、身体的距離の確保、こまめな換気を行い、いわゆる3密を避けるよう、入退場時の導線や待合室等を含めた会場の環境整備を行ってください。
          2. 学生や企業側参加者等によるマスクの常時着用を徹底してください。
          3. 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)及び各地域の通知サービスを活用するよう学生等に促してください。
          4. 入場時の検温を行うとともに、発熱・咳等の症状がある者の参加制限などを行ってください。
          5. 会場内にアルコール消毒液を設置し、学生等へその使用を周知するとともに、複数人が触る箇所の消毒を徹底してください。また、学生等へのこまめな手洗いを奨励してください。
          6. 飲食の機会を可能な限り制限し、やむを得ない場合には、飲食用に感染防止対策を行ったエリアを設置した上で、学生等に飲食を行ってもらうようにしてください。
          7. 待合室等において学生等が大声で会話することがないよう、事前に周知してください。
          8. 対面での企業説明会や面接・試験開催を延期・中止する場合は、交通、宿泊等への影響に鑑み、学生等に対しその旨を速やかに御連絡ください。
      3. その他学生等への配慮
        • 学生等が発熱等のやむを得ない理由により、企業説明会はもとより、面接・試験に出席できないことをもって、その後の採用選考に影響を与えることがないよう御配慮ください。また、その旨を積極的に情報発信するようお願いいたします。
      4. 卒業・修了後3年以内の既卒者について
        • 若者雇用促進法に基づく指針(注)を踏まえ、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者は、新規卒業・修了予定者の採用枠に応募可能となるよう御対応ください。
        • (注)「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)
        • 上記1.の既卒者について、通年採用など様々な募集機会を設けることを積極的に御検討願います。また、そうした機会を提供する場合には、その旨を積極的に情報発信するようお願いいたします。

~NEW~
首相官邸 新型コロナウイルス感染症対策本部
▼第56回(令和3年2月26日開催)資料
  • 感染状況について
    • 全国の新規感染者数は、報告日ベースでは、1月中旬以降(発症日ベースでは、1月上旬以降)減少が継続、直近の1週間では10万人あたり約7人となっているが、2月中旬以降減少スピードが鈍化しており、下げ止まる可能性もあり、さらに、リバウンドに留意が必要。
    • 実効再生産数:全国的には、1月上旬以降1を下回っており、直近で0.78となっている(2月8日時点)。緊急事態措置区域の1都3県、大阪・兵庫・京都、愛知・岐阜、福岡では、1を下回る水準が継続。(2月7日時点)
    • 入院者数、重症者数、死亡者数、療養者数も減少傾向が継続。一方で、60歳以上の新規感染者数の割合が3割を超えており、重症者数や死亡者数の減少は新規感染者数や入院者数の減少と比べ時間を要する見込み。感染者数や療養者数の減少に伴い、保健所や医療機関の負荷は軽減してきたが、現場は長期にわたって対応してきており、業務への影響は直ちには解消されていない。高齢者施設でのクラスター発生事例も継続。
  • 地域の動向 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値
    1. 首都圏:東京では、新規感染者数は減少が続き、約16人となっているが、感染者数の減少スピードが鈍化している。自治体での入院等の調整は改善が見られる。神奈川、埼玉、千葉では新規感染者数は減少傾向が続き、それぞれ約9人、約12人、約14人と、ステージ3の指標となっている15人を下回っている。千葉ではここ数日増加に転じる動きもあり、リバウンドには留意が必要。東京、神奈川、埼玉、千葉では、いずれも新規感染者数、療養者数の減少に伴い負荷の軽減が見られるが、病床使用率が依然として高く、医療提供体制に厳しさが見られる。
    2. 関西圏:大阪では、新規感染者数の減少が続き、約7人と15人を下回っている。高齢者施設等でのクラスターは継続している。兵庫、京都でも新規感染者数は減少傾向で、それぞれ約5人、約4人となっている。いずれも医療提供体制に厳しさは見られるが、新規感染者数、療養者数の減少に伴い負荷の軽減が見られる。一方、高齢者の感染者数の減少傾向に鈍化が見られるとともに、負荷の大きな高齢者の入院が増えていることには、留意が必要。
    3. 中京圏:愛知では、新規感染者数の減少が続き、約5人と15人を下回っている。岐阜でも新規感染者数の減少が継続し、約4人まで減少。いずれも医療提供体制に厳しさは見られるが、新規感染者数、療養者数の減少に伴い負荷の軽減が見られる。一方、高齢者の感染者数の減少傾向に鈍化が見られるとともに、負荷の大きな高齢者の入院が増えていることには、留意が必要
    4. 九州:福岡では、新規感染者数の減少が続き、約8人と15人を下回っている。医療提供体制に厳しさは見られるが、新規感染者数、療養者数の減少に伴い負荷の軽減が見られる。
    5. 上記以外の地域:概ね新規感染者数の減少傾向が続いている。
  • 変異株
    • 英国、南アフリカ等で増加がみられる新規変異株は、国内での感染によると考えられる事例が継続して生じている。従来株と比較して感染性が高い可能性があり、今後、変異株の影響がより大きくなってくることも想定され、国内でも継続的に感染が確認されている中で、現状より急速に拡大するリスクが高い。英国株については、変異による重篤度への影響も注視が必要。また、海外から移入したとみられるN501Y変異を有さないE484K変異を有する変異株がゲノム解析で検出されている。
  • 感染状況の分析
    • 緊急事態措置区域の10都府県では、実効再生産数は、0.8程度以下の水準となっており、新規感染者数の減少が続いているが、夜間の人流の再上昇の動きもみられる。これまで、飲食店の営業時間短縮などの対策を継続しているが、感染減少のスピードが鈍化しており、特に、千葉では増加に転じる動きも見られ、リバウンドに留意が必要。しかし、新規感染者数の減少に伴い、療養者数も減少が継続し、病床使用率も概ね低下傾向で、医療提供体制や公衆衛生体制の負荷も軽減。こうした傾向を継続させる必要がある。
    • クラスターの発生状況は、医療機関・福祉施設、家庭内などが中心だが、地域により飲食店でも引き続き発生している。また、各地で若年層の感染者数の下げ止まりの傾向も見られ留意が必要。
    • 現在の新規感染者数の減少局面において、周辺地域に比べ都市部での減少が遅れている。変異株のリスクもある中で、減少傾向を続ける取組が必要。国内でも変異株の感染が継続して確認されている。変異株の感染を早期に探知し、封じ込めることが必要。
  • 必要な対策
    • 新規感染者の減少傾向を継続させ、リバウンドを防止し、重症者数、死亡者数を確実に減少させる。さらに今後、ワクチン接種に対応する医療機関の負荷を減少させ、地域の変異株探知を的確に行えるようにするためにも、対策の徹底が必要。
    • 感染者数の下げ止まりや医療提供体制等への負荷の継続、変異株のリスクもあり、そうした中で緊急事態宣言の解除がリバウンドを誘発することへの懸念に留意が必要である。緊急事態宣言が解除されたとしても、ステージ2水準以下を目指し、地域の感染状況等に応じ、飲食の場面など引き続き感染を減少させる取組を行っていくことが必要。昨年夏の感染減少の後、一定の感染が継続し再拡大に繋がったことを踏まえ、感染源を探知し減少を継続させる取組が必要。このため、感染リスクに応じた積極的検査や積極的疫学調査を再度強化できる体制が求められる。また、今般の取組の評価も踏まえ、次の波に備えた対応を行うことが重要。
    • 再拡大防止には、恒例行事など節目での人々の行動が鍵である。今後、大人数の会食を避けるなどの観点から、年度末及び年度初めに向けては、歓送迎会、謝恩会、卒業旅行、お花見に伴う宴会等は避けていただくことに協力が得られるよう、効果的なメッセージの発信が必要。
    • 「高齢者を守る」ために、クラスターの発生が継続している福祉施設等における感染拡大を阻止する取組が必要である。計画に基づく施設等の職員への検査の着実な実施や専門家派遣等による感染症対策の支援等が求められる。
    • ワクチン接種が医療従事者から開始された。接種を踏まえた感染状況への影響を継続的に評価・分析していくことが必要。
  • 変異株
    • 検疫体制の強化の継続とともに、今後、変異株の影響がより大きくなってくることを踏まえた対応が必要。このため、国内の変異株のサーベイランス体制の早急な強化(民間検査機関や大学等とも連携。国は自治体の検査数等を定期的に把握)により、変異株感染者の早期検知、積極的疫学調査による感染源の特定や速やかな拡大防止策の実施や広域事例への支援等が求められる。併せて感染性や病原性の特徴等疫学情報についての評価・分析が必要。
    • N501Y変異を有さないE484K変異を有する変異株についても実態把握の継続が必要。個人の基本的な感染予防策は、従来と同様に、接触機会の削減(3密、特にリスクの高い5つの場面の回避等)、マスクの着用、手洗いなどが推奨される。併せて、症状のある場合は適切な検査・受診が必要。また、こうした取組の全体像を示していくことが必要。
  • 今回、緊急事態措置が解除された府県の知事の皆様へのお願い
    • 本日の緊急事態措置期間から1週間の前倒しでの解除に関しては、変異株の出現、医療提供体制・公衆衛生体制の負荷の継続、及び前倒し解除が人々の意識に与える影響などから、基本的対処方針等諮問委員会において、感染再拡大(リバウンド)の可能性について強い懸念が示された。
    • このことを踏まえ、以下の対策が着実に打たれることを前提として、今回、基本的対処方針等諮問委員会は当該府県の解除に合意した。
    • 緊急事態措置の解除後、感染再拡大を防止することが極めて重要であることから、「緊急事態宣言解除後の地域におけるリバウンド防止策についての提言」(令和3年2月25日新型コロナウイルス感染症対策分科会提言)を参考として取り組んで頂きたい。
      1. 若者をはじめとした地域の皆さんが必要な感染防止策を継続して頂くため、一体感のあるメッセージを国・専門家とともに発信すること。
      2. 感染再拡大の予兆を早期に探知するため、感染リスクが高いと思われる集団・場所を中心に無症状者に焦点を当てた検査を行うこと。
      3. 隠れた感染源が存在すると考えられる地域では、「深掘積極的疫学調査」を実施すること。
      4. 変異株についての監視体制を強化すること。
      5. 感染拡大が懸念される場合には、まん延防止等重点措置の活用も含め躊躇なく迅速に必要な対策を行うこと。
      6. さらに、今後の感染拡大に備え、引き続き病床等の確保に万全を期し、今回の経験も踏まえた医療提供体制・公衆衛生体制の強化を行うこと。
  • 緊急事態宣言解除後の感染拡大防止策
    1. 緊急事態宣言下における取組の段階的緩和
      • 対策の緩和については、段階的に行い、必要な対策はステージ2相当以下に下がるまで続けることが基本。
        1. 営業時間短縮要請(知事が行う時短要請について、国として支援)
        2. イベント開催制限(一定の経過措置を経て、その他地域レベルに復帰)
        3. テレワークの徹底(出勤者数7割削減を目指すテレワークの推進)
    2. 感染再拡大防止策
      1. 営業時間短縮要請に関して、引き続き、見回りや働きかけ活動を徹底
      2. 飲食店における業種別ガイドラインの遵守徹底
      3. 検査の戦略的拡充。感染拡大の予兆を早期に探知するための幅広いモニタリング検査・高齢者施設での集中的検査等
      4. クラスター対策の強化。濃厚接触者に積極的疫学調査の再度強化
      5. 感染拡大の兆しをつかんだ場合には、改正特措法によるまん延防止等重点措置の活用
      6. ワクチン接種の着実かつ円滑な実施
      7. 変異株への包括的な対応強化

~NEW~
内閣府 令和3年第2回経済財政諮問会議
▼経済再生に向けて~緊急事態宣言後を見据えた取組の強化~(有識者議員提出資料)
  1. 足元のマクロ経済状況と今後の展望
    • 昨年10-12月期の実質GDPは、累次の経済対策等による政策効果もあって、先進国の中でも高い伸びを実現し、日本経済の潜在的な回復力の高さを示した。
    • 1-3月期の経済は、10都府県に緊急事態宣言が出され、人為的に一部の経済活動を抑制する中で厳しさがみられ、対面サービス消費などを中心に、業種・地域によっては大きな影響が出ている。
    • その一方、中国、米国が牽引する形で、世界経済の回復が動き出しつつあり、わが国でも、外需及びそれに関連する設備投資が動き出している。また、累次の経済対策の効果により、わが国の失業率や所得水準の低下も世界的に見ても低水準に抑えられている。
    • 感染者数は、緊急事態宣言の下、国民及び企業の協力により着実に減少し、「療養先調整者数」も関係者の尽力と対策効果で大きく減少している。また、日本でもワクチン接種が開始されるなど、医療・ワクチン接種体制の強化は着実に進みつつある。
    • 今後は、変異株にも警戒しつつ感染拡大をしっかりと抑え、緊急事態宣言を解除していくとともに、以下に掲げる「当面の課題」に真正面から取り組み、積極的な企業経営と安定感のある家計環境を引き出し、企業収益の回復と賃上げにつなげ、経済の好循環を再起動させる。それによって、先進国の中でも早期にコロナ前の水準を取り戻し、持続可能な新しい成長を実現できる経済を目指すべき。
  2. 当面の重要課題
    1. 人材育成を通じた雇用と賃上げの好循環の実現
      • 緊急事態宣言下にある1―3月期の厳しい経済状況の中、失業期間が徐々に長期化し、希望通りに働けていない人が多く存在することや、孤立や生活困難といった課題が顕在化しており、こうした課題の早期解消や支援強化が不可欠。同時に、コロナ後の構造転換も見据えた対応も必要。
        1. 緊急的な対応策・・・業績改善を賃上げにつなげるモメンタムの推進
          • 雇用創出、職業訓練の要件緩和を盛り込んだ今般策定の「新たな雇用・訓練パッケージ」は時宜を得たもの。実効性を高め、非正規の離職者も含めて、より多くの人が、教育訓練や就職支援を受けられるよう推進すべき。
          • コロナの影響が大きい部門の雇用の維持と円滑な人材移動に向けたマッチング強化を図るとともに、今春闘における賃上げモメンタムの維持を、収益の良い企業が牽引し推進すべき。
          • 4月からの中小企業への同一労働同一賃金の適用を通じて、中小企業の生産性向上、従事している非正規雇用者等の待遇改善等が期待される。円滑な移行が進むよう、中小企業への支援に万全を期すべき。
        2. コロナ後の構造転換を見据えた対応策
          • 人口減少・高齢化のわが国では特に、コロナ下にあっても当然「人は宝」である。自分の能力を活かし適材適所で活躍できる人材の円滑な移動を図るためにも、デジタル時代にふさわしい教育訓練やリカレント教育の機会を拡大し、教育訓練の利用の障害となっている制度や課題を克服していくべき。
          • テレワークとジョブ型雇用は親和性が高い。働き方改革を更に進め、こうした取組の定着、企業収益の向上と賃上げモメンタムにつなげるべき。
          • 若者や、失業が増えつつある中高年等が、厳しい環境に陥っている原因について、制度の縦割やインセンティブ設計に問題がないか、本来受けられるべき支援が適切に受けられているのか等徹底解明し、政府横断的に解消していくべき。
    2. 積極的な企業経営と家計の安定により、新年度に回復・成長を
      • 3次補正を含む各種支援策をフルに活用して現在の厳しい状況を乗り越えるとともに、世界の動きをも見据えて、引き続き、積極的な企業経営を促すべき
        1. 企業や家計の予見性・安心を高める取組
          • 適時適切に経済支援策が拡充されていることは評価。国民目線で、誰が、いつから、どういった支援策を利活用できるのか、よりわかりやすい情報提供の工夫をすべき。
          • 拡大された金融支援措置の活用、既往債務の借換え・借入条件の変更や資本性資金の柔軟な供給等、資金繰りの年度末対策をしっかり講ずべき。
          • 消費活動にとっては雇用・所得の先行きの安定性が重要。現下の緊急事態に講じている雇用対策については、消費への影響も考慮して、数か月から半年程度の先行きができるだけわかるよう見える化すべき。
          • 引き続き、ワクチン接種を含めた医療提供体制の見える化、緊急時の体制整備を継続すべき。また、「まん延防止等重点措置」の機動的運用、よりピンポイントで予防的な対応策を講じることにより、経済への負荷を最小化すべき。
          • 感染の鎮静化後には、できるだけ早期に、医療面のみならず、産業・雇用・社会面を含め、経済社会全体を対象にエビデンスベースで感染症の影響評価を実施すべき。
        2. 内需を維持しデフレに後戻りさせない取組
          • オンライン消費や宅配、ワーケーション等の新たな消費は活性化している。こうした動きを後押しするため、業態転換支援、IT部門や配送等の人手不足部門への円滑な人材移動等を進めるべき。
          • 予算・税制の活用、ESG投資に向けた環境整備等により、引き続き、企業の豊富な現預金を研究開発や設備投資、M&Aやベンチャー企業創出へと活用すべき。
          • 感染拡大防止のための検査、ワクチン接種、COCOAの活用等を適切に進め、感染収束後のインバウンド回復につなげるべき。
          • 米国では大規模な財政出動によりコロナ下でも経済の盛り上がりが期待される状況。政府・日本銀行は内外の経済・金融動向を注視し引き続き緊密に連携すべき。
    3. 新たな国際秩序の下での経済連携の強化
      • 日本経済にとっても大きなプラスとなる以下の3つの課題に優先に取り組むべき
        • 英国をはじめTPP11加盟国の拡大、RCEPや日EU・EPA等における連携分野の深掘り、インド太平洋地域の協力を進め、巨大市場を持つ中国を国際ルールの枠組みに取り込みながら、自由で公正な貿易・投資圏を拡大すべき。
        • 米国新政権との間で、二国間経済関係を更に強化・進化させるとともに、デジタル化やグリーン化について、連携して国際的な協力やルール作り・標準化を主導すべき。
        • 国益確保に資するよう、経済安全保障の観点からの、日本経済・産業・技術面の強み・弱みの分析、環境や事態変化への対応方針等をとりまとめるべき。
▼資料5-1 2050 年温暖化ガス排出量実質ゼロに向けたグリーン・ニューディールの実行を(有識者議員提出資料)
  1. 基本的考え方
    • 2050年カーボンニュートラルの実現を大前提として、エネルギー政策の原則であるS+3E(安全、安定供給、経済効率性、環境適合)について、基本的考え方を改めて整理したうえで、政府全体で政策を連携させ、取組を加速・拡大していく必要がある。特に以下の点については、取組をこれまで以上に重点的かつ強力に進めることが重要。
      1. 安全:引き続きの原子力の安全性確保
      2. 安定供給:2050年に向けたエネルギー源の継続的な安定供給、再エネの安定的な供給
      3. 経済効率:発電コストの引下げや省エネの推進による経済効率性の向上
      4. 環境適合:脱炭素技術の開発・社会実装、国民生活の電化・水素化
    • その際、規制改革や産業政策を含めた経済政策と環境政策を一体として推進することが不可欠であり、そのカギとなるのは財政政策の有効活用である。
    • 経済成長につながるカーボンプライシング・制度の導入、国民的参画を促す規制改革、重要イノベーション創出に向けた財政措置・インセンティブ・成果の横展開の仕組み、民需を誘発する公的グリーン投資の促進、競争力を維持・強化するための国境措置や国際連携等の対応を、財政政策を適切に講じたうえで一体となって推進することが不可欠である。
    • こうした、いわゆるグリーン・ニューディールにより、2050年カーボンニュートラルの実現を強力に牽引すべき。
  2. 重要課題
    1. 継続的かつ重点的な財政面、制度面からの取組
      • 3次補正予算及び2021年度当初予算案では、グリーン化投資やイノベーションの加速に向けた予算・税制改正案が盛り込まれた。こうした取組が成果をあげるためには、必要な規制の強化や制度改革の全体像を明らかにし、計画的かつ効果的に改革を実行していく必要がある。財政面においても中期的重点課題に位置付けて、取組を後押ししていくべき。
    2. イノベーションの創造に向けた投資促進・規制改革
      • 蓄電池を始めとするこの分野の研究開発には大きなリスクが伴い、投資が過少になりがち。国は、研究開発に当たっての重点分野と目指す成果目標(例えば電力コストの引下げ等)や中間目標を明示したうえで、重点的な資源配分を進めるとともに、産学官連携の強化等を進めるべき。
      • 経済社会全体のエネルギー効率を引き上げる省エネ化・カーボンニュートラル化のための投資や規制改革等を通じて、グリーン関連財・サービスの普及・拡大とこうした産業の国際競争力の向上を推進すべき。このため、電化・水素活用などによる住居・交通・産業・インフラの脱炭素化と省エネ化に向けた投資や規制・制度の改革、グリーン購入法の高度化等をKPIを掲げて実行すべき。その際、デジタル技術やデータの徹底活用を一体として進めるべき。
    3. 見える化による経済活動・国民生活全体の省エネ・カーボンニュートラルの推進
      • カーボンニュートラルと経済成長の関係を国民にわかりやすく見える化することが重要であり、環境要因を考慮した上でGDPを評価する指標(グリーンGDPなど)の開発、各種政策評価について、環境と経済の両面からエビデンスベースで見える化すべき。また、住宅や自家用車における電化・水素活用、シェアリング促進等に向けたインセンティブ措置、公共交通における脱炭素化といった取組を通じて、国民生活の面からも省エネ・カーボンニュートラルの取組を促進すべき。
      • 日本のESG投資は、GPIFの参画を契機に規模が拡大し、投資手法も多様化してきている。ESG投資の進捗状況に加え、コーポレートガバナンス・コードへの企業のESG関連情報の開示促進の明示、機関投資家と企業の対話の拡充等を通じて、投資の好循環を拡大すべき。
    4. 経済成長につながるカーボンプライシング
      • 市場メカニズムを用いる経済的手法(カーボンプライシング等)については、産業の競争力強化やイノベーション、投資促進につながり、成長戦略に資する形で活用し、グリーン成長、2050年カーボンニュートラルを目指すべき。
      • カーボンプライシングについては、環境省と経済産業省それぞれで検討が進められているが、国際的な動きも踏まえながら早期に結論が得られるよう、政府一体となって議論を進めるべき。
    5. 地域からのカーボンニュートラルの推進
      • 再生エネルギーを軸とするエネルギーの地産地消、ゼロカーボンシティの構築、水素活用や脱炭素化等のインフラ整備、林業の成長産業化といった取組にKPIを掲げて計画的に推進するとともに、地域活性化と一体となった好事例を横展開すべき。
      • グリーン化に加え、デジタル化、さらには東京一極集中から地方分散といった社会構造の大転換が進んでいる。こうした動きを一体として後押しするため、社会資本整備重点計画・交通政策基本計画、国土利用計画等の見直しにおいて、目指すべき姿と施策を盛り込み、地域の活性化に必要となる制度改革を着実に推進すべき。
    6. 国際連携の強化
      • パリ協定復帰を明らかにした米国や欧州との間で、カーボンニュートラルの実現に向けた研究・技術開発、要素技術の標準化、ルールメーキングや新興国の脱炭素化へ向けた取組の支援に連携して取り組むべき。
      • EUで導入が予定されている炭素国境調整措置や、グローバル企業のサプライチェーン参加にクリーンエネルギー利用が求められる動きが既に出てきている。こうした動きに各国と連携して対応し、日本の国際競争力の維持に努めるとともに、アジア諸国にも連携を拡げ、世界的なグリーン化の動きに乗り遅れずチャンスにつなげるべき。

~NEW~
内閣府 地域社会の暮らしに関する世論調査
  1. 地域での暮らしに対する満足度について、人口20万人未満では、全体として、お住まいの地域での暮らしについて、どの程度満足しているか聞いたところ、「満足」とする者の割合が77.9%、「不満」とする者の割合が20.6%となっている。人口20万人以上では、「満足」とする者の割合が86.1%、「不満」とする者の割合が12.5%となっている。
  2. 地域での暮らしに満足していることについて、人口20万人未満では、「日常的な買い物のしやすさ」を挙げた者の割合が47.7%、「家族が同居又は近い場所に住んでいること」を挙げた者の割合が47.0%と高く、以下、「住環境の良さ」(42.3%)、「親戚・友人が近い場所に住んでいること」(33.4%)、「地域の人々のつながり」(31.6%)などの順となっている。人口20万人以上では、「日常的な買い物のしやすさ」を挙げた者の割合が62.5%と最も高く、以下、「住環境の良さ」(48.7%)、「公共交通機関の利便性」(44.5%)、「家族が同居又は近い場所に住んでいること」(43.7%)などの順となっている。
  3. 新型コロナウイルス感染症の影響を受け重要と意識するようになったことについて、人口20万人未満では、「健康や体調の管理」を挙げた者の割合が90.1%と最も高く、以下、「家族のつながり」(46.7%)、「知人・友人とのつながり」(29.8%)、「大都市圏から地方への人の移動」(25.6%)などの順となっている。人口20万人以上では、「健康や体調の管理」を挙げた者の割合が90.0%と最も高く、以下、「家族のつながり」(46.8%)、「知人・友人とのつながり」(27.2%)などの順となっている。
  4. 将来の暮らしに対する不安なことについて、人口20万人未満では、「収入や経済的ゆとり」を挙げた者の割合が67.7%、「健康」を挙げた者の割合が66.2%と高く、以下、「温暖化の進展や台風などによる自然災害の発生」(43.1%)、「家族の介護」(38.7%)などの順となっている。人口20万人以上では、「収入や経済的ゆとり」を挙げた者の割合が68.7%、「健康」を挙げた者の割合が64.9%と高く、以下、「温暖化の進展や台風などによる自然災害の発生」(40.1%)、「家族の介護」(37.7%)などの順となっている。
  5. 地域における将来の医療機関の利用に対する不安なことについて、人口20万人未満では、「体力の衰えによって通院が大変になること」を挙げた者の割合が55.1%と最も高く、以下、「公共交通機関の減少によって通院が大変になること」(30.9%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が19.9%となっている。人口20万人以上では、「体力の衰えによって通院が大変になること」を挙げた者の割合が46.4%と最も高く、以下、「身近な病院が体制縮小や、撤退をしてしまうこと」(19.9%)、「総合的な診療を行える医師が身近にいなくなること」(17.7%)、「公共交通機関の減少によって通院が大変になること」(15.8%)、「専門的な診療が行える医師が身近にいなくなること」(15.4%)の順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が31.9%となっている。
  6. 地域における将来の高齢者の介護や生活支援に対する不安なことについて、人口20万人未満では、「老後においても健康を維持できるかわからない」を挙げた者の割合が69.2%と最も高く、以下、「公的な支援を十分受けられるかわからない」(55.3%)、「老後に一人で生活することになる」(27.3%)、「どこに相談したらよいかわからない」(17.1%)、「介護施設が少ない」(16.2%)、「地域のつながりの希薄化(知り合いの中に助けてくれる人がいない)」(15.5%)などの順となっている。人口20万人以上では、「老後においても健康を維持できるかわからない」を挙げた者の割合が68.0%と最も高く、以下、「公的な支援を十分受けられるかわからない」(55.6%)、「老後に一人で生活することになる」(26.1%)、「どこに相談したらよいかわからない」(22.9%)などの順となっている。
  7. 地域における将来の生活環境に対する不安なことについて、人口20万人未満では、「地域の担い手(若者、町内会など)の減少」を挙げた者の割合が40.0%と最も高く、以下、「お住まいの住宅の維持・建て替えができるか」(32.7%)、「公共交通機関の減少」(30.8%)、「地域の雇用の場の減少」(29.6%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が15.2%となっている。人口20万人以上では、「お住まいの住宅の維持・建て替えができるか」を挙げた者の割合が34.2%と最も高く、以下、「地域の担い手(若者、町内会など)の減少」(28.8%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が23.5%となっている。
  8. 地域における将来の行政機能に対する心配な分野について、人口20万人未満では、「医療・健康づくり施策」を挙げた者の割合が45.0%、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)」を挙げた者の割合が44.5%と高く、以下、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(39.7%)、「交通安全・防犯対策」(28.3%)、「防災対策」(25.6%)、「上下水道やゴミ収集などの生活環境の整備」(23.0%)などの順となっている。人口20万人以上では、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)」を挙げた者の割合が42.8%、「医療・健康づくり施策」を挙げた者の割合が40.7%と高く、以下、「交通安全・防犯対策」(34.5%)、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(31.8%)、「防災対策」(30.1%)、「上下水道やゴミ収集などの生活環境の整備」(27.2%)、「各種行政サービスについて相談・申請できる窓口機能」(24.8%)などの順となっている。なお、「特にない」と答えた者の割合が10.8%となっている。
  9. 地域における医療機関の利用に関して行政が力を入れるべき施策について、人口20万人未満では、「身近なところで診療・相談が受けられる「かかりつけ医」の充実」を挙げた者の割合が58.1%と最も高く、以下、「病院への送迎」(49.0%)、「自宅への訪問診療」(37.1%)、「インターネットを活用した遠隔からの診療や服薬指導」(24.9%)などの順となっている。人口20万人以上では、「身近なところで診療・相談が受けられる「かかりつけ医」の充実」を挙げた者の割合が61.6%と最も高く、以下、「病院への送迎」(37.5%)、「インターネットを活用した遠隔からの診療や服薬指導」(32.3%)、「自宅への訪問診療」(31.9%)などの順となっている。
  10. 地域における高齢者の介護や見守りに関して行政が力を入れるべき施策について、人口20万人未満では、「高齢者世帯への定期的な訪問など地域における見守りの充実」を挙げた者の割合が59.1%、「介護保険サービスの充実」を挙げた者の割合が56.6%と高く、以下、「地域における介護・見守りの担い手の確保」(45.3%)、「高齢者の社会参加の支援」(28.6%)などの順となっている。人口20万人以上では、「介護保険サービスの充実」を挙げた者の割合が56.4%、「高齢者世帯への定期的な訪問など地域における見守りの充実」を挙げた者の割合が53.3%と高く、以下、「地域における介護・見守りの担い手の確保」(43.5%)などの順となっている。
  11. 地域における生活環境に関して行政が力を入れるべき施策について、人口20万人未満では、「地域の雇用の場の確保」を挙げた者の割合が43.6%と最も高く、以下、「コミュニティバスなどの移動手段の確保」(36.0%)、「地域の担い手(若者、町内会など)の育成・確保」(33.3%)、「福祉施設(介護施設、障害者支援施設など)の整備」(32.3%)、「食品や日用品などの配達サービスの支援」(30.2%)などの順となっている。人口20万人以上では、「地域の雇用の場の確保」を挙げた者の割合が35.7%、「福祉施設(介護施設、障害者支援施設など)の整備」を挙げた者の割合が34.5%、「コミュニティバスなどの移動手段の確保」を挙げた者の割合が31.7%、「住宅の保守・建て替え支援、公営住宅の整備」を挙げた者の割合が30.6%、「食品や日用品などの配達サービスの支援」を挙げた者の割合が29.8%、「地域の担い手(若者、町内会など)の育成・確保」を挙げた者の割合が26.1%、「子育て・教育施設(保育園・幼稚園・学校など)の整備」を挙げた者の割合が24.4%などの順となっている。
  12. 行政が機能強化すべき分野について、人口20万人未満では、「医療・健康づくり施策」を挙げた者の割合が48.5%、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)」を挙げた者の割合が47.0%と高く、以下、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(41.3%)、「交通安全・防犯対策」(32.4%)などの順となっている。人口20万人以上では、「医療・健康づくり施策」を挙げた者の割合が49.0%と最も高く、以下、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)」(42.6%)、「交通安全・防犯対策」(38.8%)、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(34.2%)などの順となっている。
  13. 追加的な経費負担をしてもよい行政サービスについて、人口20万人未満では、「医療・健康づくり施策の強化」を挙げた者の割合が42.6%と最も高く、以下、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)の強化」(36.0%)、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(28.0%)、「子育て・教育施策の強化」(21.8%)などの順となっている。人口20万人以上では、「医療・健康づくり施策の強化」を挙げた者の割合が43.8%と最も高く、以下、「福祉施策(高齢者活動支援、介護支援、障害者支援など)の強化」(35.0%)、「子育て・教育施策の強化」(24.2%)、「地域の公共交通サービスの提供や道路などの整備」(21.5%)、「上下水道やゴミ収集などの生活環境の整備」(21.3%)などの順となっている。

~NEW~
消費者庁 対応困難者への相談対応標準マニュアル作成
▼概要
▼報告書
  1. 対応困難者への相談対応標準マニュアルの作成について
    • 現状
      • 消費生活センター等の消費生活相談において、丁寧な説明を繰り返しているにもかかわらず、社会通念から逸脱する主張・要求を止めようとしない相談者(対応困難者)への対応が課題。
      • 無理な対応を強要、執拗な電話、言葉(大声、罵詈雑言など)、圧力(「ネットに書き込む」など)、暴力など
      • 消費生活相談の現場からは、コロナ禍において、こうした相談者が増えているとの声もある。
    • 社会への負の影響
      • 相談員が一人の対応困難者に掛かりきりになることにより、他の相談者の相談機会(時間)が失われる
      • 消費生活相談員の精神的な疲弊
    • 標準マニュアル
      • 地域の現場における対応困難者への対応について、実践的な対処法、行政サービスとしての判断のよりどころとして、標準的な方向性を示したもの。
      • (公社)全国消費生活相談員協会へ作成を委託。
      • 有識者検討会、試用版を活用した実証実験、地方自治体(名古屋市)からのヒアリング等を基に作成。
  2. 対応困難者への相談対応標準マニュアルポイント
    1. 初期対応の重要性
      • 対応困難者をできるだけ少なくすることが対策の一つ。
        • 先入観を持たず、平常心で対応
        • 丁寧に聞く姿勢
        • 対応できないことは「できない」と率直に伝える
        • 相談者に応じた分かりやすい説明・説得
    2. 相談終了への流れ
      • 相談者を説得できず、主張の繰り返し、罵詈雑言等消費生活相談とは言えない状況になったら、「傾聴」から「相談終了」へと対応を切り替える。
        1. 一定時間、相談者の主張を聞き取り、説明。
          • 更に一定時間説明を尽くしても、主張の繰り返し、大声を出すなど話が進展しないときは、相談終了の旨を伝え電話を終了。
        2. 罵詈雑言が始まったら、相談者の言動を制止し、それでも止まなければ相談を終了。
          • 一定時間としては、例えば目安として概ね30分程度が考えられるが、相談内容、相談者によって異なる。
    3. 組織での対応
      1. 二次対応者(職員)への引継ぎ
        • 電話を切ることができない場合、相談員に対する非難等の場合、二次対応者(職員)へと対応者を交替
      2. 複数の職員、庁内関係者との連携した対応
        • 来所相談の場合には、複数の職員で対応、時間を区切って組織的に対応することが考えられる。
        • 相談員から引き継いだ職員が相談終了を告げ、退去を促す→庁舎管理規則に基づく退去要請(警備員へ通報)→従わない場合、警察に通報
    4. 日常の取組
      1. 相談員・職員のメンタルケア
        • 相談員、相談担当職員全員の課題として共有(1人で抱え込まない)
        • 臨床心理士など専門家の活用
      2. 研修(意見交換、ロールプレイなど)の実施

~NEW~
消費者庁 第4回 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会
▼資料2 公益通報者保護法に基づく指針等に関する検討会 報告書(案)
  1. 部門横断的な窓口の設置等
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口を設置し、当該窓口に寄せられた内部公益通報について調査をし、是正に必要な措置をとる部署及び責任者を明確に定めなければならない
      • 内部公益通報受付窓口については、事業者内の部署に設置するだけではなく、事業者外(外部委託先、親会社等)に設置することや、双方に設置することも可能であること。
      • 組織の実態に応じて、内部公益通報受付窓口が他の通報窓口(ハラスメント通報・相談窓口等)を兼ねることや、内部公益通報受付窓口を設置した上、これとは別に不正競争防止法違反等の特定の通報対象事実に係る通報のみを受け付ける窓口を設置することが可能であること。
      • 人事部門に内部公益通報受付窓口を設置することが妨げられるものではないが、人事部門に内部公益通報をすることを躊躇する者が存在し、そのことが通報対象事実の早期把握を妨げるおそれがあることにも留意する必要があること。
      • 「部署及び責任者」とは、内部公益通報受付窓口を経由した内部公益通報に係る公益通報対応業務について管理・統括する部署及び責任者をいい、調査や是正に必要な措置について別の部署や役職員が対応することも可能であること。
  2. 組織の長その他幹部からの独立性を確保する措置
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に係る公益通報対応業務を行うに当たって、組織の長その他幹部に関係する事案については、これらの者からの独立性を確保する措置をとらなければならない。
      • 組織の長その他幹部からの独立性(以下単に「独立性」という。)を確保する方法として、監査機関(監査役・監査等委員・監査委員等)も報告ラインに加える、これらの監査機関からモニタリングを受けながら公益通報対応業務を行う、といった方法が考えられること。
      • 単一の内部公益通報受付窓口を設ける場合にはそれを経由する公益通報対応業務に独立性を持たせるほか、複数の窓口を設ける場合にはそれらのうち少なくとも一つを経由する公益通報対応業務に独立性を持たせるなど、事業者の規模に応じた方法も考えられること。
      • 法第11条第2項について努力義務を負うにとどまる小規模な事業者においても、組織の長その他幹部からの影響力が不当に行使されることを防ぐためには、独立性を確保する仕組みを設けるよう特に努めるべきであること。
  3. 受付、調査、是正に必要な措置
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口において内部公益通報(匿名による場合を含む。)を受け付け、正当な理由がある場合を除いて、必要な調査を実施しなければならない。
    • 事業者は、上記の調査の結果、通報対象事実に係る法令違反行為が明らかになった場合には、速やかに是正に必要な措置をとらなければならない。また、是正に必要な措置をとった後、当該措置が適切に機能しているかを確認し、適切に機能していない場合には、改めて是正に必要な措置をとらなければならない。
      • 匿名の内部公益通報者との連絡をとる方法として、受け付けた際に個人が特定できないメールアドレスを利用して連絡するよう伝える、匿名での連絡を可能とする仕組み(外部窓口から事業者に公益通報者の氏名等を伝えない仕組み、チャット等の専用のシステム等)を導入する、といった方法が考えられること。
      • 調査を実施しない「正当な理由」がある場合として、解決済みの案件に関する情報が寄せられた場合、匿名による内部公益通報であるために事実確認が困難である場合等が考えられること。
      • 公益通報者の意向に反して調査を行うことが原則として妨げられるものではないが、公益通報者の意向に反して調査を行う場合においても、公益通報者とコミュニケーションを十分にとるよう努め、プライバシー等の公益通報者の利益が害されないように配慮すべきこと。
      • 是正に必要な措置が適切に機能しているかを確認する方法としては、是正措置から一定期間後に主体的に調査を行う方法のほか、特定の個人が被害を受けている事案においては問題があれば再度申し出るよう公益通報者に伝える等、状況に応じた様々な方法が考えられること。
      • 内部公益通報受付窓口を経由しない内部公益通報を受けた役職員においても、自ら事実確認を行い是正する、公益通報者の秘密に配慮しつつ調査を担当する部署等に情報共有する等の方法により、調査や是正に必要な措置を速やかに実施することが望ましいこと。
  4. 公益通報対応業務における利益相反の排除
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関し、公益通報対応業務を行う者(外部委託する場合も含む。)について、その者が関係する事案の公益通報対応業務に関与させない措置をとらなければならない
      • 「その者」の具体的な範囲については、公正な公益通報対応業務の実施を阻害する事態を防ぐ観点から、各事業者において、法令違反行為の発覚や調査の結果により不利益を受ける者、公益通報者や被通報者と一定の親族関係がある者等、適切な範囲を検討の上、内部規程において具体的な範囲を明確にすることが望ましいこと。
      • 外形的に内部公益通報に係る事案と一定の関係を有する者であっても、公正さが確保できる部署のモニタリングを受けながら対応をする等、実質的に公正な公益通報対応業務の実施を阻害しない措置がとられている場合には関与させることが妨げられないこと。
      • 当初から内部公益通報に係る事案に関係するか判明しない場合には、事案に関係することが判明した段階において、公益通報対応業務への関与から除外することが必要であること。
  5. 不利益な取扱いを防止する体制の整備
    • 事業者は、その役職員等が不利益な取扱いを行うことを防ぐための措置をとるとともに、公益通報者が不利益な取扱いを受けていないか把握する措置をとり、不利益な取扱いを把握した場合には、適切な救済・回復の措置をとらなければならない。
    • 事業者は、不利益な取扱いが行われた場合に、当該行為を行った役職員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとらなければならない。
      • 不利益な取扱いを防ぐための措置の例としては、役職員等に対する教育・周知、内部公益通報受付窓口において不利益な取扱いに関する相談を受け付けること等が考えられること。
      • 不利益な取扱いを受けていないかを把握する措置としては、公益通報者に対して能動的に確認する方法のほか、不利益な取扱いを受けた際に内部公益通報受付窓口に連絡するよう公益通報者にあらかじめ伝えておく方法等が考えられること。
  6. 範囲外共有等を防止する体制の整備
    • 事業者は、その役職員等が範囲外共有を行うことを防ぐための措置をとり、範囲外共有が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとらなければならない。
    • 事業者は、その役職員等が、公益通報者を特定した上でなければ必要性の高い調査が実施できないなどのやむを得ない場合を除いて、通報者の探索を行うことを防ぐための措置をとらなければならない。
    • 事業者は、範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った役職員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分その他適切な措置をとらなければならない。
      • 範囲外共有を防ぐための措置の方法としては、公益通報者を特定させる事項の秘匿性に関する社内教育の実施、公益通報に関する記録の保管方法やアクセス権限等の規程における明確化等が考えられること。
      • 特に、ハラスメント事案等で被害者と公益通報者が同一の事案においては、公益通報者を特定させる情報を共有する際に、当該公益通報者からの書面による承諾をとることが望ましいこと。
  7. 範囲外共有及び通報者の探索を防止すべき「役職員等」には内部公益通報受付窓口に関する外部委託先も含むこと。
    • 役職員及び退職者に対する教育・周知
    • 事業者は、公益通報者保護法及び内部公益通報対応体制について、役職員及び退職者に対して教育・周知を行わなければならない。特に、従事者に対しては、公益通報者を特定させる事項の取扱いについて、特に十分に教育を行わなければならない。
      • 事業者は、役職員及び退職者から寄せられる、内部公益通報対応体制の仕組みや不利益な取扱いに関する質問・相談に対応しなければならない。
      • 教育・周知に当たっては、単に規程の内容を役職員に形式的に知らせるだけではなく、組織の長が主体的かつ継続的に制度の利用を呼びかける等の手段を通じて、公益通報の意義や組織にとっての内部公益通報の重要性等を役職員に十分に認識させることが必要であること。
      • 内部公益通報対応体制の仕組みを周知する際には、内部公益通報受付窓口の設置先、通常のレポーティングラインにおいても部下等から内部公益通報を受ける可能性があること、内部公益通報受付窓口に内部公益通報した場合と通常のレポーティングラインにおいて内部公益通報をした場合との保護の差異についても、明確に示す必要があること。
      • 教育・研修の内容を役職員の立場・経験年数等に応じて用意する(階層別研修等)、周知のツールに多様な媒体を用いる(イントラネット、社内研修、携行カード・広報物の配布、ポスターの掲示等)など、実効的な方法を各事業者の創意工夫により検討し、実行する必要があること。
      • 公益通報者保護法について教育・周知を行う際には、権限を有する行政機関等への公益通報も公益通報者保護法において保護されているという点も含めて、公益通報者保護法全体の内容を伝える必要があること。
      • 退職者に対する教育・周知の具体例として、在職中に、退職後も公益通報ができることを教育・周知することが考えられること。
      • 従事者に対する教育については、実施状況の管理を行うなどして、通常の役職員と比較して、特に実効的に行う必要があること。
      • 臨時に従事者となる者に対する教育については、実際に従事する業務の実態に応じて、常時の従事者への教育とは内容が異なり得ること。
      • 内部公益通報対応体制の仕組みの質問・相談については、内部公益通報受付窓口以外においても対応することが可能であること。
      • 不利益な取扱いに関する質問・相談については、内部公益通報受付窓口においても対応することが適切であること。
  8. 是正措置等の通知
    • 事業者は、書面により内部公益通報を受けた場合において、当該内部公益通報に係る通報対象事実の中止その他是正に必要な措置をとったときはその旨を、当該内部公益通報に係る通報対象事実がないときはその旨を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において、当該内部公益通報を行った者に対し、遅滞なく通知しなければならない。
      • 通知の方法としては、通報者個人に通知をする方法のほか、全社的な再発防止策をとる必要がある場合に役職員全員に対応状況の概要を定期的に伝えるなど、状況に応じた様々な方法が考えられること。
      • 通報の受付や調査の開始についても通知する、通知するまでの具体的な期間を示すなど、適正な業務の遂行等に支障が生じない範囲内において、公益通報者に対してより充実した情報提供を行うことが望ましいこと。
      • 内部公益通報受付窓口の担当者以外の者(いわゆる上司等)も内部公益通報を受け得るが、内部公益通報を受けた者の立場に応じて、実施すべき通知の内容は変わり得るものであること(内部公益通報を受けた者が職制上の明確な権限を有しない者である場合には、通知を求められた場合に対応するなどの方法もあり得ること)。
  9. 運用実績の役職員への開示、記録の保管、見直し・改善
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口に寄せられた内部公益通報に関する運用実績の概要を、適正な業務の遂行及び利害関係人の秘密、信用、名誉、プライバシー等の保護に支障がない範囲において役職員に開示するとともに、内部公益通報への対応に関する記録の作成・保管、内部公益通報対応体制の定期的な評価・点検を実施し、必要に応じて内部公益通報対応体制の改善を行わなければならない。
      • 運用実績の役職員への開示に当たっては、公益通報とそれ以外の通報とを厳密に区別する必要は必ずしもないこと。
      • 運用実績を役職員に対してのみならず外部にも開示することは、実効性の高いガバナンス体制を構築していることを対外的に示すことができるメリットがあること。
      • 運用実績とは、例えば、過去一定期間における通報件数、是正の有無、対応の概要、内部公益通報を促すための活動状況等が考えられるが、開示の内容・方法を検討する際には、公益通報者を特定させる事態が生じないよう十分に留意する必要があること。
      • 記録の保管期限については、個々の事業者が、評価点検や個別案件処理の必要性等を検討した上で適切な期間を定めるべきであるが、記録には公益通報者を特定させる事項等の機微な情報が記載されていることを踏まえ、文書記録の閲覧やデータへのアクセスに制限を付すなど、慎重に保管すべきこと。
  10. 内部規程の策定及び運用
    • 事業者は、この指針において求められる事項について、内部規程において定め、また、当該規程の定めに従って運用しなければならない。
  11. 従事者として定めなければならない者の範囲
    • 事業者は、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して、公益通報対応業務を行う者で、公益通報者を特定させる事項を伝達される者を、従事者として定めなければならない。
      • 上記の指針の内容を踏まえれば、内部公益通報受付窓口を経由した内部公益通報について、公益通報者を特定させる事項14を伝達された上で、臨時に公益通報対応業務を行う者については、常時に従事者として定める必要はなく、必要が生じた都度臨時に定める必要があること
      • コンプライアンス部、総務部等の名称にかかわらず、内部公益通報受付窓口において受け付ける内部公益通報に関して、公益通報対応業務を行う者で、公益通報者を特定させる事項を伝達される者であるかを実質的に判断して、従事者として定める必要があること。
  12. 従事者を定める方法
    • 事業者は、従事者を定める際には、書面により指定をするなど、従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定めなければならない。
      • 従事者を定める方法としては、個別に通知する方法のほか、部署・部署内のチーム・役職等の特定の属性で指定することも可能であること。
      • 従事者を外部に委託する際においても、同様に、従事者の地位に就くことが従事者となる者自身に明らかとなる方法により定めなければならないこと。
      • 範囲外共有がされないとの安心感により内部公益通報を促すため、役職員や退職者に対しても、従事者が誰であるのかを、業務の遂行等に支障が生じない範囲で明らかにすることが望ましいこと。

~NEW~
厚生労働省 「女性の健康週間」特設Webコンテンツの公開について
  • 厚生労働省では、毎年3月1日から3月8日までを「女性の健康週間」と定め、女性の健康づくりを国民運動として展開しています。女性の社会進出が進み、ライフスタイルが多様化する中で、女性が生涯を通じて健康で明るく、充実した日々を自立して過ごすための総合的な支援を目的とし、国及び地方公共団体、関係団体等、社会全体が一体となって、様々な取組及び行事等の啓発を行っています。
  • このたび、今年の「女性の健康週間」の実施にあわせ、特設Webコンテンツ「知ろう!つくろう!女性の健康~みんなで学ぼう生理について~」を公開します。
  • 本コンテンツでは、三原じゅん子厚生労働副大臣、「スマート・ライフ・プロジェクト」オフィシャルサポーターの宇賀なつみさんによる「女性の健康週間」の実施に向けたメッセージ動画を公開します。
  • また、女性の健康支援に携わられている専門家お二人による記事も併せて掲載しています。
  • 本コンテンツを通じて、女性が生涯健康でいるために必要な知識について、女性自身に限らず、家族や職場、周囲の皆さんに学んでいただき、一人一人の健康づくりや健康支援にお役立ていただけることを期待しています。
▼「女性の健康週間」特設Webコンテンツ 知ろう!つくろう!女性の健康~みんなで学ぼう生理について~(「スマート・ライフ・プロジェクト」公式サイト内)

~NEW~
厚生労働省 コロナ禍の雇用・女性支援プロジェクトチーム~もっとあなたを支えたい~(第1回)会議資料
▼【資料3】2020年度雇用政策研究会研究会報告(概要)・非正規雇用労働者・女性等の円滑な就労に向けた支援
  • 新型コロナウイルス感染症が社会経済活動や雇用・失業情勢に様々な影響を及ぼしている。感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る「新しい日常」が提起され、その定着が進む中で、徐々に社会経済活動のレベルが引き上がってきているものの、新型コロナウイルス感染症の影響は長期化する様相もみせている。
  • こうした状況にかんがみ、足下の雇用・失業情勢や働き方等の変化について、とりまとめ公表時点までに把握可能な情報をもとに、及ぼしている影響を分析し、整理を行った。
  • その上で、前回の報告書「人口減少・社会構造の変化の中で、ウェル・ビーイングの向上と生産性向上の好循環、多様な活躍に向けて」(2019年7月)で示した我が国の構造的な課題や雇用政策の今後の方向性を踏まえ、アフターコロナを見据えた雇用政策の方向性について確認することを目的として、集中的に議論を行った。
  • その結果を、「新型コロナウイルス感染症の影響により対応の加速が求められる課題」と「新型コロナウイルス感染症の影響により新たに顕在化した課題」に分け、今後の方向性を提起した。加えて、足下でも新型コロナウイルス感染症の影響は継続していることを踏まえ、「アフターコロナを見据えた際に留意すべき動向」についても整理した。
  • 非正規雇用労働者・女性等の円滑な就労に向けた支援
    • 雇用情勢は厳しさがみられる
    • 正規と比べ、非正規の減少が大きい(結果、女性への影響が大きい)
    • 令和2年10月の雇用者数 ( )内前年差:正規 3,535万人(+9万人)/非正規 2,111万人(▲85万人)(うち女性非正規 1,438万人(▲53万人))
    • 求職者のニーズに合った求人を開拓する
    • 就労・定着に向け、丁寧なマッチング支援
    • 早期再就職のための訓練の推進
    • 積極的に雇用する事業主を支援する
  1. 求職者のニーズに合った求人の確保と求人充足サービスの充実
    • 求職者のニーズに合った積極的な求人開拓を実施。特に子育て中の女性等が仕事と家庭を両立できる求人等を確保する。
    • 求人の充足に向け求職者が応募しやすい求人内容の設定や求人条件の緩和等の助言をきめ細かく行うなど、求人者サービスの充実を図る。
  2. 就労・定着に向けた丁寧なマッチング支援
    • 専門担当者が、キャリアコンサルティング、職業訓練のアドバイス、求人開拓等就職から職場定着まで一貫して支援。特に子育て中の女性には、マザーズハローワーク等でWLBにも配慮したマッチングを実施。
    • 介護分野等の人材不足分野への応募に向けて、キャリアコンサルティングや訓練への職場見学・職場体験の組み込み(訓練委託費等の上乗せ)とともに、訓練修了者への返済免除付きの就職支援金の貸付制度を創設。
    • 特に不安定雇用の多い就職氷河期世代の就職環境の悪化が懸念されるため、ハローワークの専門窓口を拡充し、就職氷河期世代の就職支援体制を強化。
  3. 早期再就職のための求職者支援訓練の推進
    • 雇用保険を受給できない求職者に対して、訓練期間中の生活を支援する給付金の支給を受けながら、訓練を受講する機会を提供する求職者支援制度の訓練対象人員枠を拡充。
  4. コロナによる離職者を試行雇用/正社員化する事業主への助成
    • 就労経験のない職業に就くことを希望する者の安定的な早期再就職支援を図るため、一定期間(原則3か月)試行雇用する事業主に対して、試行雇用期間中の賃金の一部を助成する制度を創設。キャリアアップ助成金において、紹介予定派遣を通じた正社員化に取り組む派遣先事業主への助成対象の拡充。
    • 労働者が新たな職業に対応可能になるまでの間の事業主の負担を軽減し、異なる分野への円滑な移動を支援

~NEW~
経済産業省 小売電気事業者のためのサイバーセキュリティ対策ガイドラインVer.1.0を策定しました。
  • あらゆる分野でデジタル化が進展する一方、多様化・巧妙化するサイバー攻撃の脅威は日々高まっており、重要インフラたる電力分野においても、サイバーセキュリティ向上に向けた不断の取組が求められています。
  • 小売電気事業の全面自由化に伴い、2020年12月末時点で小売電気事業者数は698事業者、全販売電力量に占める新電力の割合は2020年9月時点で約19.1%に到達しました。
  • サイバー攻撃が日々多様化・巧妙化する中では、小売電気事業者がサイバー攻撃を受けた結果、情報漏えいといった自らの被害だけでなく、システムを通じて、他の事業者や関係機関に被害が広がることも想定されます。例えば、需要・調達計画が改ざんされる等により、電力の安定供給に影響が生じる可能性があると考えられます。したがって、小売電気事業者も電力分野におけるサイバーセキュリティ対策に主体的に取り組んでいくことが必要です。
  • こうした背景を踏まえ、産業サイバーセキュリティ研究会ワーキンググループ1(制度・技術・標準化)電力サブワーキンググループの下に、小売電気事業者が中心となり、サイバーセキュリティに関する有識者の協力を得つつ、小売電気事業者が取り組むべきサイバーセキュリティ対策について検討を行う場として、「小売電気事業者のサイバーセキュリティ対策に係る勉強会」(以下「勉強会」という。)を設置しました。
  • 当該勉強会では、小売電気事業者が自身のサイバーセキュリティ対策において考慮すべき視点を議論するとともに、小売電気事業者が実施している対策の好事例の共有を行い、こうした議論を踏まえ、小売電気事業者が各々の事業モデルに適したサイバーセキュリティ対策を実践していくための指針として、本ガイドラインを取りまとめました。
  • 本ガイドラインの検討を行った勉強会の中で、経営者のリーダーシップの下で企業のIT利活用におけるサイバーセキュリティ対策を推進する「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が多くの事業者に参照されているとの意見があったこと等を踏まえ、本ガイドラインは、「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を踏襲しつつ、同ガイドラインにおける10項目の実践規範を中心に、小売電気事業者におけるより具体的な解釈及び実践のポイントを記載しました。
▼小売電気事業者のためのサイバーセキュリティ対策ガイドライン Ver.1.0
  • 「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」に示される経営層が認識すべき3原則は、以下のとおりである。小売電気事業者の経営層又は事業責任者においても、これらの原則を認識し、小売電気事業の特徴を踏まえた上で自社のサイバーセキュリティ対策を推進することが求められる。
    1. 経営者は、サイバーセキュリティリスクを認識し、リーダーシップによって対策を進めることが必要
    2. 自社は勿論のこと、ビジネスパートナーや委託先も含めたサプライチェーンに対するセキュリティ対策が必要
    3. 平時及び緊急時のいずれにおいても、サイバーセキュリティリスクや対策に係る情報開示など、関係者との適切なコミュニケーションが必要
  • 電気事業法に基づき経済産業大臣の登録を受けた小売電気事業者は、需要家への供給能力確保義務を負い、電力の安定供給における重要な役割を果たしている。
  • 小売電気事業者が需要家から預かる個人情報等は、サイバー犯罪者にとっては非常に価値のある攻撃対象であり、常に脅威に晒されている。また、電力の安定供給を担うインフラの一部としてサイバーテロの標的となる事例も海外では見られている。小売電気事業者へのサイバー脅威は顕在化するに至っており、事業責任者はリスクを正しく認識し、適切な対策を推進することが求められるところである。
  • また、電力の安定供給は一般送配電事業者や発電事業者を始めとする様々な事業者により確保されているものであり、ビジネスパートナーや委託先も含めたサプライチェーンにおけるセキュリティ対策や平時及び緊急時の関係者とのコミュニケーションにおいても、電力システムの特徴を理解した対応が求められる。
  • 小売電気事業者のシステムと外部との連携の特徴から、小売電気事業者に想定されるサイバーセキュリティリスクとしては次のような例が考えられる。
    • 顧客ポータルサイトへの不正アクセスによる顧客の個人情報の漏えいリスク
    • 料金計算システムへの改ざん攻撃による需要家への料金の誤請求のリスク
    • スイッチング支援システムとの通信への中間者攻撃により需要家のサービス切替えに支障を来すリスク、更に一般送配電事業者の需要家管理に影響が生じるリスク
    • 需給管理システムへのランサムウェア感染による電力広域的運営推進機関(以下「広域機関」という。)へ提出すべき需要・調達計画の未達や不正値送信のリスク、それらが広域機関における系統運用業務の不具合又は遅延につながるリスク
    • 運用操作端末等へのバックドア設置による一般社団法人日本卸電力取引所(以下「JEPX」という。)への不正入札のリスク等

~NEW~
経済産業省 IPアドレスに縛られない新しい通信識別技術と既存のインターネットが共存するための国際規格が発行されました-IoT時代のニューノーマル(新常識)-
  • 現在の通信方式は、通信相手となるサーバの場所(IPアドレス)を指定し、常にそこまでデータ/コンテンツを取りに行くプロセスによって成立しています。この仕組みは、サーバ・端末の位置が変わらず、「一対一」の通信であることを前提として構築されたため、現在のようにサーバ・端末が移動し、「一対多」「多対多」の通信となる場面には十分に対応することができないことがあります。このようなケースでは、サーバへアクセスが集中するだけでなく、サーバ・端末の移動に伴いDNS1サーバの経路情報を都度更新する必要があるため、通信量の増加を招く一因にもなっていると指摘されています。今後あらゆるものがネットにつながるIoTが普及すると、500億個ともいわれるIoTセンサ・デバイスから大量のデータがネットに供給され、通信環境がますますひっ迫すると予測されます。
  • このような課題を解決する「軽量化されたネットワークの仕組み」として、データ/コンテンツに付された「名前」を頼りにネット上にキャッシュ(一時保管)された情報をとりに行く、「情報指向ネットワーク(Information Centric Network;ICN)」技術の研究が各国で進められています。
  • このICN技術は、データのヘッダ(宛先情報にあたる部分)を軽量化できる点で、小さいサイズのデータを大量にやり取りするIoTアプリケーションと相性がよく、将来のネットワーク技術として導入が期待されています。
  • そこで、日本は、将来のICN技術の導入を見据え、ICN技術が既存のIPアドレスを基盤とする通信技術と同一のネットワーク上で共存できるようにするための枠組みの国際標準化を2017年に提案し、国際標準化機関(ISO/IEC JTC 1/SC41)で審議が進められてきました。この度、同提案が、ISO/IEC 30161-1 Data exchange platform for IoT services – Part 1: General requirements and architecture として、2020年11月27日に正式に国際規格として発行されました。
  • 本規格では、例えば農産物のトラッキングシステム2などの非常に広域かつ多数相互間で利用されるIoTアプリケーション向けに、IPアドレスに縛られないICN技術を導入する上での基盤を規定しています。具体的には、電子メールやインターネットアクセスなどの既存のサービスへの接続を担保しながら、膨大なデータの転送を実現できるIoT DEP(Data Exchange Platform;データ交換プラットフォーム)を定義し、その要求条件を規定しています。主な内容は以下のとおりです。
    • IoTサービスの概要
    • IoTネットワークの構成
    • IoT DEPのネットワークモデル
    • IoTリファレンスアーキテクチャにおけるIoT DEPの位置づけ
    • IoT DEPの機能
    • IoTシステムでのIoT DEPの運用
    • IoT DEPの要件
  • IoTは、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されたSociety5.0を実現するための重要な柱です。本規格の基礎となったIoT DEPについてはまだ研究段階にありますが、この規格がICN技術とともに普及することにより、IoTにおけるデータ通信が効率化され、様々な産業分野でデジタル化が促進されることが期待されます。
  • 具体的な実装例として、上述の農産物のトラッキングシステムのほか、工場での製造工程管理、産業施設のエネルギー管理などが本国際規格の付録に紹介されており、スマートシステムへの応用も期待されています。

~NEW~
総務省 国立大学への入学時における保証人契約の適正化に関する実態調査
  • 総務省四国行政評価支局(以下「四国支局」という。)において、学生の保護者から「入学の際に求められる保証書の保証内容が抽象的でどこまで保証することになるのか分からず不安だ」との行政相談を受け付けました。四国支局は、四国の国立大学等に対して適切な措置を講ずるようあっせんしたところです。
  • これを受け、行政評価局は、国立大学への入学時において求められる保証人契約において、国立大学が入学手続に際して提出を求めている保証書等の記載内容について、緊急に全国的な調査を実施しました。
  • 調査結果
    • 調査の結果、四国支局と同様に、学生の保証人に求める内容を保証書等に具体的に示していないものや、民法改正に伴う保証人契約における極度額の記載に対応していないものなどの実態がみられました。
    • このため、新年度以降の入学手続の際に改善が図られるよう、保護者等に保証を求める場合は、以下について、全国の国立大学に見直しを促すよう文部科学省に求めました。
      • 保証人に求める金銭債務に係る保証内容や学生の身上に係る役割を保証書等に具体的に記載すること
      • 保証契約の種別に係る学校の認識が、保証書等の記述と異なっているものについては、保証書等の内容を見直すこと
      • 改正民法の施行後に、無効な保証契約を締結しているものについては、改正した保証書等を用い、改めて保証契約等を締結すること
▼調査結果(総務省行政評価局レポート)
  • 調査結果概要
    1. 保証書等の書面上では、学校が求める具体的な保証内容が不明なもの(全国15校28事例(うち、四国支局の事例9校17事例))
      • 学校は保証人に対し、授業料等の納付などの金銭保証や、退学願等の同意などの学生の身上に係る役割を求めるとしているが、保証書等の書面上では、「本人在学中に生じた一切の義務」との抽象的な記述となっているものなど
    2. 保証契約の種別に係る学校の認識が、保証書等の記述と異なっているもの(全国7校9事例(うち、四国支局の事例5校7事例))
      • 授業料等の金銭債務の保証について、学校は「保証人」よりも責任の重い「連帯保証人」と認識しているが、保証書等の署名欄等では「保証人」と記載しており、紛らわしいものなど
    3. 改正民法に未対応(極度額の記載なし)となっているもの(全国13校22事例(うち、四国支局の事例9校17事例))
      • 極度額(保証人が支払の責任を負う金額の上限)を記載していない民法改正前の保証書等を用い、保証契約が無効となっているものなど

~NEW~
総務省 プラットフォームサービスに関する研究会(第23回)配布資料
▼資料6 誹謗中傷等に対する取組についてのフォローアップに関する主な視点
  • 令和2年8月公表した「インターネット上の誹謗中傷への対応の在り方に関する緊急提言」の各論に掲げている記載に関し、フォローアップを行う際の主な視点について、以下のとおり整理
  • ユーザに対する情報モラル及びICTリテラシーの向上のための啓発活動
    • 政府における啓発活動は十分か
    • 各PF事業者や事業者団体における啓発活動は十分か
    • 啓発活動に関して、今後どのような取組が必要か
  • プラットフォーム事業者による取組 プラットフォーム事業者による削除等の対応の強化
    • PF事業者による自主的な削除対応がなされているか
    • 法務省による削除要請に対してPF事業者は適切に対応しているか
    • 削除以外に、PF事業者の創意工夫による何らかの仕組みの導入が図られているか(投稿内容について投稿時等に再考・再検討を行う機会を設ける機能や、ユーザの選択に応じた、コンテンツフィルタリング機能、一定の短期間の間に大量の誹謗中傷が集まった場合に自動的に検知を行い一時的に非表示にする機能など)
  • プラットフォーム事業者による取組 透明性・アカウンタビリティの向上
    • PF事業者の削除等の取組が適切に行われているかどうかについて、透明性・アカウンタビリティの確保が図られているか
    • 過剰な削除や不当なアカウント停止等の行き過ぎた対応が行われていないかという点が明らかにされているか
    • 特に、海外事業者において、諸外国で行われている取組は日本でも行われているか
    • 業界団体等の取組により、ノウハウやベストプラクティスを事業者間で共有されているか
  • 国における環境整備 事業者による削除等の対応に関する取組
    • 我が国において削除に関する義務づけや過料等を科す法的規制を導入することについては極めて慎重な判断を要するという考え方は維持することとしてよいか
  • 国における環境整備 透明性・アカウンタビリティ確保
    • ヒアリングシートの提出、違法・有害情報相談センターによる分析、法務省人権擁護局による分析で十分か
  • 国における環境整備 発信者情報開示
    • 法制度整備にむけて順調に準備が進んでいるか
  • 相談対応
    • 窓口連携及びユーザへのわかりやすい案内は十分か
▼参考資料5 プラットフォーム事業者による違法・有害情報への対応に関する諸外国の動向について
  • トランプ大統領のアカウント停止等の動向について
    • 2021年1月6日、大統領選挙結果を巡り、トランプ大統領(当時)の支持者らが米連邦議会議事堂を襲撃する事件が発生。
    • これを受けて、プラットフォーム事業者各社は、トランプ大統領の行為が暴動を煽ったとして、関連アカウントの凍結や、トランプ大統領の支持者が利用するアプリの利用停止などの措置を取った。
  1. Twitterの対応
    • 2021年1月6日、Twitter社は、トランプ大統領のアカウントに対し、大統領選挙について虚偽の主張を繰り返しつつ支持者に「家に帰る」よう促したり「あなたたちを愛している」と述べた動画を含む、3つのツイートの削除を要求。削除されない場合や更なる規約違反があれば永久に凍結すると発表。トランプ大統領のアカウントは該当ツイートの削除に応じ、Twitter社は削除後12時間アカウントを一時的に停止。
    • 1月7日、アカウントが回復され、トランプ大統領は投稿を再開し、敗北宣言動画を投稿。
    • 1月8日、トランプ大統領が就任式への欠席などをツイート。これらのツイートを受けて、Twitter社は、さらなる暴力につながる危険があるとし、アカウントを永久凍結したことを発表
    • 参考:Zignal Labs(メディアやSNSにおける情報流通に関する調査会社)の調査により、以下が示された。
      • TwitterがDonald Trump大統領のアカウントを永久停止してから1週間(1月9日~15日)で、Twitterを含む複数のSNSにおいて、選挙の不正に言及した投稿の数が250万件から68万8000件へ73%減少した。
      • 同じ期間に、米連邦議会議事堂への襲撃に関するハッシュタグとスローガンの数が、Facebook、Instagram、Twitter、およびその他のSNSプラットフォームにおいて大幅に(95%以上)減少した。
      • 高名なインフルエンサー、著名なフォロワー、トランプ氏自身で構成される強力で統合された偽情報エコシステムが大きな役割を果たしている
    • 誤情報の研究者は「重要なことは、プラットフォームからの排除は、特に先週行われたような大規模な排除の場合、新たなオーディエンスにリーチするための勢いと能力を急速に衰えさせることである」「他方、誤情報の拡散に既に関わっている人々の考えを硬化させてしまう性質もある」とコメントした。
  2. Facebook・Instagramの対応
    • 2021年1月6日、連邦議会議事堂占拠を受け、Facebook社は、トランプ大統領の投稿について暴力のリスクを助長すると判断し、規約違反を理由として、トランプ大統領のアカウントを24時間にわたって投稿禁止としたほか、規約違反に該当する動画を削除。その後、7日には、FacebookとInstagramにおけるアカウントの凍結措置を無期限に延長することとし、少なくとも政権移行が平和裏に完了するまでの2週間はこの措置を継続すると発表した。
    • Facebook社は、1月21日、コンテンツについてポリシーの検討を行う新たに設立された外部組織(監督委員会)が、トランプ前大統領のアカウント停止に対して再審議を行うことを決定。
    • 監督委員会は1月29日よりパブリックコメントの募集を開始しており、決定は90日以内に行われる予定。Facebookによる問題提起は以下のとおり。
      • Facebookの価値観、特に「言論」と「安全」への取り組みを考慮して、ドナルド・J・トランプ氏によるFacebookおよびInstagramへのコンテンツの投稿を無期限で禁止した、2021年1月7日の決定は正しく行われたものだったか。
      • Facebookは併せて、ユーザーが政治的指導者である場合の利用停止措置に関する委員会の見解または提言も求めた。
  3. メルケル独首相発言
    • ドイツのメルケル首相は、短文投稿サイトの米ツイッターが自社サービスからトランプ米大統領を永久追放したことについて、表現の自由を制限するのは立法者のみであるべきだとして「問題だ」と苦言を呈した。ザイベルト政府報道官が11日の定例会見で、メルケル氏の見解を明らかにした。ザイベルト氏は「表現の自由は基本的人権として非常に重要だ。制限は可能だが、立法者が条件を決定すべきで、SNS運営会社の経営陣の決定に従って決めるべきではない」と述べた。
    • 「連邦政府は、(適切でないコンテンツへの対応については)原則としてソーシャルネットワークの運営者が大きな責任を負うと確信している。彼らは、政治的なコミュニケーションが憎しみや嘘、暴力への扇動によって毒されないようにするために、大きな責任を負っている。また、これらのカテゴリに該当するコンテンツがあるチャンネルに投稿されている場合には、そのコンテンツを傍観しないのが正しい。だからこそ、ここ数週間、数ヶ月のコメント投稿やその他の行為については、いわばそうした対応が正しいのである。表現の自由は、重要な基本的権利である。この基本的な権利については、ソーシャルメディアプラットフォームの管理者の決定に従ってではなく、法律に沿って、立法者によって定義された枠組みの中で、干渉しうる。このような観点から、メルケル首相は、米大統領のアカウントが永久にブロックされたことは問題であると考えている。ご存知の通り、ドイツには2017年から施行されているネットワーク施行法がある。この法律は、ソーシャルネットワーク上のコミュニケーションが動くためのわかりやすい枠組みを設定しなければならないのは立法者であるという考えそのものを表現している。企業経営者の判断で大統領のアカウントを完全にブロックすることは問題があると述べた。もちろん、問題になっているのは-根本的に問題になっているのは-嘘や歪曲、暴力を助長するようなツイートや投稿が大量に存在していることだ。だからこそ、このバランス感覚が常に問われているのである。しかし、そのための枠組みを国家、つまり立法者が設定するのは正しいことだ。」
  4. フランス
    • フランスのルメール経済・財務相は11日、ラジオで、トランプ氏の「嘘」を非難する一方で、「巨大IT企業に対する規制は、業界の寡占企業が自分で行うことではない」と発言。Twitter上で発信される偽情報や扇動発言には、国や裁判所が対応すべきだと主張した。同氏は以前「ビッグテックは民主主義に対する脅威の一つだ」とも述べていた。また、欧州連合(EU)担当のクレマン・ボーヌ下級大臣は、「民間企業がこのような重要な決定を下すのを見てショックを受けている」「これはCEOではなく、市民が決めるべきことだ」と述べた。
  5. 欧州委員会
    • 欧州委員会の域内市場担当委員で、大手テック企業の規制に向けた欧州の取り組みのキーマンであるティエリー・ブルトンも、政治ニュースサイトのポリティコに寄稿した論説のなかで「チェック・アンド・バランスが何もはたらかないところで、CEO(最高経営責任者)がPOTUS(米大統領)の拡声器の栓を引き抜けるという状況には当惑を禁じ得ない」と記している。
    • フォン・デア・ライエン委員長はダボス会議にて、Twitterの決定を「表現の自由に対する深刻な干渉」だとし、「こうした広範囲にわたる決定のための法律の枠組みを構築するために、米国と海外の規制当局が協力して取り組むべきだ」「デジタル経済のルールブックを一緒に作りたい」と述べた。
    • ベスタエアー上級副委員長(欧州デジタル化対応総括、競争政策担当)はPoliticoのインタビューに対し、「フェイスブックやツイッターのような企業が、キャピトルヒルの暴動を受けて、ドナルド・トランプ元米大統領をグローバルプラットフォームからブロックしたのは正しかった」「デジタルサービス法(DSA)は、これらの民間企業がトランプ前大統領のオンライン投稿をブロックする前に介入していただろう」「ポイントは、DSAの下では投稿をブロックする前にユーザとの対話、通知、説明が行われたはずであること」「こうしたプラットフォームの決定の透明性を高めたいと考えている」と述べた。また、こうした規則作りについて、欧州と米国で連携して取り組みたいとも述べた。
  6. Twitter ジャック・ドーシーCEOのコメント
    • 「Twitterから@realDonaldTrumpを追放したことや、どうしてこうなったのか、私は喜びも、誇りも感じていません。このような措置を取ると警告した後、Twitter内外での身体的安全への脅威がもたらされているという信頼すべき情報に基づき、これを決定しました。これは正しかったのでしょうか?」
    • 「これはTwitterにとっては正しい判断だったと思います。私達は異常で手に負えないような状況に直面し、全ての行動を公共の安全に焦点を当てなくてはなりませんでした。オンラインでの言論に基づく、オフラインでの被害は明らかに現実のものになっていて、私達のポリシーの適用を後押ししました」
    • 「とは言え、アカウントを追放する事は大きな影響をもたらします。明らかに異常な事態ではありましたが、健全な会話を実現するという目標に私達は失敗したと感じています。そして私達の業務や取り巻く環境を省みるタイミングです」
    • 「こうした行動を取ることは公の会話をたこつぼ化します。私達を分断します。物事の解明や贖罪、学習の可能性を制限します。そして、個人や企業が世界的な公での会話に対して大きな影響を与える危険な前例をもたらすことになります」
    • 「このような力に対する監視と説明責任には、Twitterのようなサービスが担っているのはインターネットという巨大な言論空間でのほんの一部に過ぎないという事実が常につきまとっていました。もし人々が私達のルールとその適用に同意しないのであれば、他のサービスを利用すればいいのです」
    • 「この考え方は他の数多くの基礎的なインターネットツールが、彼らが危険だと思うものをホストしない事を先週決めた時、大きな挑戦に直面しました。私はこれが協調的に行われたとは思っていません。各企業が独自の結論に達したか、あるいは他の企業の行動に刺激されたという可能性が高いと思います」
    • 「いまこの瞬間にはダイナミックな動きが必要かもしれませんが、長期的にはオープンなインターネットの崇高な目的と理念を破壊することになるでしょう。企業が自身を節度あるものとするためにビジネス的な決断をすることは、政府がアクセスを排除することとは異なりますが、同じようにも感じます」
    • 「私達は皆、自分たちのポリシーとその適用の間にある矛盾を批判的に見る必要があります。私達のサービスがどのように気晴らしや危害を煽るか見極める必要があります。私達はモデレーションにもっと透明性を持たせる必要があります。これらの全ては自由で開かれたインターネットを侵害する事はないでしょう」
  7. Parler(パーラー)
    • 2018年にサービス開始した、アメリカのSNSサービス。全てのユーザーが平等に扱われることを信条としており、コンテンツモデレーションがほとんど行われていないと評価されていた。これまで知名度はほとんど無かったものの、アメリカの大統領選以降、大手SNSでアカウントを停止されたユーザーが続々と集結し、結果的にトランプ氏の支持者が情報交換や連絡を取り合うプラットフォームとなっていたとされる。
  8. Google・Appleの対応(アプリストア)
    • 2021年1月8日に、Parlerのモバイルアプリが、AppleとGoogleのアプリストアからそれぞれ削除された。AppleはParlerに対し、ParlerがAppStoreのガイドラインに違反しており、不快なコンテンツについての苦情を受けたため、モデレーションを改善するよう要求し、24時間の猶予を与えており、GoogleもAppleの数時間後に同様の最後通告を送っていたとものの、Parlerがそれに応じなかったため、両社はアプリを削除したと報道されている。AppleとGoogleは、Parlerが同社サービスを適切にモデレーションする場合のみ、同アプリの提供を再開するとしている。
  9. Amazonの対応(クラウドサービス)
    • Parlerの最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Matze氏は、1月9日、Amazonから同氏に対し、ParlerへのAmazon Web Services(AWS)プラットフォーム(クラウドサービス)の提供を10日に打ち切るという通告があったことを明らかにした。同氏は10日、報道機関向けの声明で、暴力を煽ったり暴力をふるうと脅したりする投稿など、禁止されたコンテンツを削除すべくモデレーションの改善に取り組んでいると述べた。その後、1月11日以降、ParlerのWEBサイトにはアクセスできない状況となっていたが、その後、米国の別のホスティング事業者SkySilkを利用して2月15日に再び利用可能となった。同社はParler上のコンテンツ内容について判断しないと表明している。

~NEW~
国土交通省 ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策について方向性をとりまとめました!~MaaSによりバリアフリーの移動環境の構築を後押し~
▼配布資料3 とりまとめ
  • ユニバーサル社会の実現に向け、MaaSを通じて障害者の移動利便性に寄与することを目的として、昨年7月に「ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会」を設置し、議論を行ってきました。MaaSが、バリアフリーの移動環境の構築において、ソフト面で寄与できるのではないか、という観点から、インクルーシブデザインの手法も取り入れつつ、方向性をとりまとめました。
  • ユニバーサル社会を実現する上では、障害者が障害のない者と同等に生活し活動する社会を目指す、ノーマライゼーションの理念が重要であり、特に移動は社会参加をするために重要な手段となっています。
  • バリアフリーの移動環境を構築するうえでは、ハード面のみならずソフト面での対応も重要であるところ、MaaSは特にソフト面で寄与できるのではないか、という観点から、「ユニバーサル社会におけるMaaSの活用方策についての研究会」において議論を進めてきました。
  • 本研究会では、MaaSの特徴である、[1]情報の連携、[2]予約・決済の連携、[3]サービスの連携のうち、MaaSを構築する上で基盤となり、かつ、障害者を含めた全ての利用者が、MaaSを通じて様々な情報を分かりやすく得られることに繋がる「[1]情報の連携」について特に検討を行いました。
  • その結果、情報の連携が円滑に行われるためには、事業者間で連携すべき情報やデータの種類及びその提供方法を示すことが必要であるという認識の下、昨年3月に策定された「MaaS関連データの連携に関するガイドライン」へ、必要な項目等について反映を行うという方向性をとりまとめました。
  • これにより、全国各地でMaaSに取組む事業者が共通認識を持ち、ユニバーサル社会の実現に寄与するMaaSの普及に繋がることが期待されます。

ページTOPへ

Back to Top